(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184936
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】収縮膜材料を含む音響保護カバー組立体
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
H04R1/00 311
H04R1/00 321
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022145008
(22)【出願日】2022-09-13
(62)【分割の表示】P 2019520871の分割
【原出願日】2017-10-20
(31)【優先権主張番号】62/411,470
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】スコット ゼロ
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー ランパート
(72)【発明者】
【氏名】テレサ トング
(57)【要約】 (修正有)
【課題】収縮膜材料を含む音声透過性カバー及び音響保護カバー組立体を提供する。
【解決手段】音響保護カバー組立体100は、ハウジング106と、ハウジング106に設けられた開口116と、開口経路116によって画定される音響経路112と、音響経路112を横切る収縮膜材料120と、を含む。収縮膜材料は、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有していいる。音声透過性膜は、1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、耐水浸透性、例えば少なくとも9.8kPaの水侵入圧力(WEP)と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響デバイスのための音声透過性カバーであって、前記カバーは、
1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、少なくとも9.8kPaの水侵入圧力(WEP)とを有する収縮膜材料を含む、音響デバイスのための音声透過性カバー。
【請求項2】
前記収縮膜材料のATEQ空気流量が2.0cm2当たり少なくとも10L/hrであり、好ましくは2.0cm2当たり少なくとも15L/hrである、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記収縮膜材料の音響挿入損失が1kHzで5dB未満、好ましくは1kHzで4dB未満、より好ましくは1kHzで3dB未満、そしてより好ましくは1kHzで1dB未満である、請求項1又は2に記載のカバー。
【請求項4】
前記収縮膜材料が6g/m2以上、好ましくは7g/m2以上の面密度と、15μm未満の厚さとを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項5】
前記カバーが防水性である、請求項1~4のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項6】
前記収縮膜材料が、前駆体膜の初期面積に対して0.75:1未満の面積比を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項7】
前記収縮膜材料が、少なくとも6.9g/m2の面積当たりの質量と、16μm未満の厚さとを有している、請求項1~6のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項8】
前記収縮膜材料が通気性である、請求項1~7のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項9】
前記収縮膜材料が熱的に収縮された膜を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項10】
前記収縮膜材料が、溶剤で収縮された材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項11】
前記収縮膜材料が、延伸フルオロポリマー膜を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項12】
前記収縮膜材料が、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有している、請求項1~11のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項13】
音響デバイスのための保護カバー組立体であって、前記組立体が、
ハウジングの外部とハウジング内の音響キャビティとの間を音波が通るようにするための開口を有する、ハウジングと、
請求項1~12のいずれか一項に記載の収縮膜と
を含む、音響デバイスのための保護カバー組立体。
【請求項14】
前記音波を発生させ且つ/又は受容することができる、前記音響キャビティと接続された音響デバイス
を更に含む、請求項13に記載の組立体。
【請求項15】
音響デバイスのための音声透過性カバーであって、前記カバーが、
蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有する延伸フルオロポリマー膜を含み、前記延伸フルオロポリマー膜が、1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、少なくとも9.8kPaの水侵入圧力(WEP)とを有する、
音響デバイスのための音声透過性カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2016年10月21日付けで出願された米国仮出願第62/411,470号の優先権を主張する。その全開示内容はあらゆる目的でその全体を参照することにより本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は概して音響膜に関する。より具体的に言えば、本開示は、収縮膜材料を含む保護カバー組立体に関し、しかしながら、これに制限されるものではない。
【背景技術】
【0003】
音響デバイスの鋭敏な構成部分を環境条件から保護するために、音響カバー技術が数多くの用途及び環境において利用されている。種々の音響デバイス構成部分は、デブリ、水、又は外部環境からの他の汚染物質と接触していないときに最良に動作する。具体的には、音響トランスデューサ(例えばマイクロフォン、スピーカー)はファウリングに対して鋭敏なことがある。このような理由から、音響デバイスの作業部分を音響カバーで包囲することがしばしば必要である。
【0004】
公知の保護音響カバーは無孔質フィルム及び多孔質膜、例えば延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。保護音響カバーは米国特許第6,512,834号明細書、及び米国特許第5,828,012号明細書にも記載されている。保護カバーは音響を2つの方法で透過することができる。第一は、音波がカバーを通るのを可能にすることによる方法であり、このようなカバーは抵抗保護カバーとして知られている。第二は、振動して音波を形成することによる方法であり、このようなカバーは振動音響的、又は反応性保護カバーとして知られている。
【0005】
特開2015-142282号公報には、防水音声伝達可能フィルムを備えた防水構成部分が開示されている。防水音声伝達可能フィルムの少なくとも一方の側の表面に支持層が接着されている。支持層は、損失弾性が1.0×107Pa未満のポリオレフィン系樹脂発泡体である。
【0006】
米国特許第6,188,773号明細書に開示された防水型マイクロフォンは、受音開口部分を有するユニット収容チャンバと、ユニット収容チャンバ内に収容されたマイクユニットと、受音開口部分上に気密に取り付けられた防水膜とを備えたマイクケーシングを含む。
【0007】
米国特許出願公開第2014/0270273号明細書には、MEMSマイクロフォンの低周波応答を制御し調節するシステム及び方法が開示されている。MEMSマイクロフォンは膜と複数の通気孔とを含んでいる。膜は、膜上に作用する音響圧力が膜を運動させるように形成されている。
【0008】
米国特許出願公開第2015/0163572号明細書には、音響膜と少なくとも1つの圧力ベントとを含むスピーカー又はマイクロフォンモジュールが開示されている。
【0009】
存在する継続的な問題は、数多くの音響カバー膜がいくつかの環境には適さないことが判っていることである。例えば、水浸透に抗する音響保護組立体内の膜のレジリエンスが増大すると、音声を適切に伝達する組立体の能力が低下することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施態様によれば、音響デバイスのための保護カバー組立体が開示されている。保護カバー組立体は、当該ハウジングの外部と当該ハウジング内の音響キャビティとの間を音波が通るようにするための開口を有するハウジングと、音響キャビティとハウジングの外部とを分離する、ハウジングに結合された音声透過性膜とを含む。音声透過性膜は、1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、耐水浸透性、例えば少なくとも9.8kPaの水侵入圧力(WEP)とを有する。ある特定の実施態様では、音声透過性膜のATEQ空気流量は膜の作業面積2.0cm2当たり少なくとも10L/hrであってよい。
【発明の効果】
【0011】
種々の実施態様において、保護カバー組立体の音声透過性膜は、延伸フルオロポリマー膜を含む。いくつかの具体的な実施態様では、音声透過性膜はePTFE膜又はePTFE複合材料である。音声透過性膜が収縮(すなわち熱的な収縮(thermal retraction))によって形成される場合、収縮膜材料から形成された音声透過性膜は、関連する前駆体膜の75%未満の面積比を有してよい。
【0012】
少なくとも1つの実施態様では、音響デバイスのための音声透過性保護カバーが開示されている。音声透過性カバーは、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有することができる。いくつかの事例では、音声透過性膜の内径は1.6mm以上であってよい。いくつかの実施態様では、音声透過性膜は1.6mm未満、例えば1.5mm未満、例えば1.25mm未満、例えば1mm未満であってよく、又はそれよりも小さくてよい。いくつかの実施態様では、音声透過性膜の音響挿入損失は、例えば1kHzで6dB未満、1kHzで5dB未満、1kHzで4dB未満、1kHzで3dB未満、又は1kHzで1dB未満であってよい。種々の実施態様では、音声透過性膜のATEQ空気流量は、2.0cm2当たり少なくとも10L/hrであってよい。いくつかの実施態様では、音声透過性カバーは延伸フルオロポリマー膜である。延伸フルオロポリマー膜の音響挿入損失は1kHzで4dB未満、1kHzで3dB未満、又は1kHzで1dB未満であってよい。
【0013】
音声透過性カバーは延伸フルオロポリマー膜を含むことができる。膜は、いくつかの実施態様によれば、6g/m2以上の面密度と、15μm未満の厚さとを有することができる。音声透過性カバーは、7g/m2以上の面密度と、15μm未満の厚さとを有することができる。延伸フルオロポリマー膜のATEQ空気流量は、2.0cm2当たり少なくとも15L/hrであってよい。ある特定の実施態様では、膜は、少なくとも9.8kPaの圧力まで非透水性であってよい。
【0014】
少なくとも1つの実施態様の場合、収縮膜材料を含む、音響デバイスのための音声透過性膜が開示されている。収縮膜材料は、1kHzで5dB未満の音響挿入損失を有することができ、また少なくとも9.8kPaのWEPを有することができる。いくつかの実施態様では収縮膜材料のATEQ空気流量は2.0cm2当たり少なくとも10L/hrであってよい。ある特定の実施態様では、収縮膜材料は、前駆体膜の初期面積に対して0.75:1未満(すなわち75%未満)の面積比を有することができる。収縮膜材料は熱的に収縮させることができる。いくつかの他の実施態様では、収縮膜材料は溶媒で収縮することができる。
【0015】
いくつかの実施態様の場合、収縮膜材料は、少なくとも6.9g/m2の面積当たりの質量と、16μm未満の厚さとを有している。収縮膜材料は、通気性且つ非透水性であってよい。例えば収縮膜材料は、少なくとも9.8kPaの圧力まで非透水性であってよい。
【0016】
これらのそしてその他の実施態様を、数多くのこれらの利点及び特徴とともに、下記説明及び添付の図面との関連において詳述する。
【0017】
添付の非制限的な図面を見れば、本発明をよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施態様に基づく、収縮膜材料を含む音響保護カバー組立体を備えた音響デバイスを示す断面図である。
【0019】
【
図2】
図2は、いくつかの実施態様に基づく収縮膜材料の前駆体、収縮された状態の前駆体、及び部分的に弛緩された状態の収縮膜材料を示す一連のSEM顕微鏡写真である。
【0020】
【
図3】
図3は、第1比較膜例を示すSEM顕微鏡写真である。
【0021】
【
図4】
図4は、第2比較膜例を示すSEM顕微鏡写真である。
【0022】
【
図5】
図5は、いくつかの実施態様に基づく、第1収縮膜材料例を示すSEM顕微鏡写真である。
【0023】
【
図6】
図6は、いくつかの実施態様に基づく、第2収縮膜材料例を示すSEM顕微鏡写真である。
【0024】
【
図7】
図7は、いくつかの実施態様に基づく、第3収縮膜材料例を示すSEM顕微鏡写真である。
【0025】
【
図8】
図8は、音響膜の性能特性を試験するための試験組立体を示す側方断面図である。
【0026】
【
図9】
図9は、音響保護カバーの種々の実施態様に対応する挿入損失(すなわち、閉塞されていないマイクロフォンと比較した音圧レベルの差)をグラフ的に示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書中に記載された種々の実施態様は、音響デバイスのための音響保護カバー組立体に関する。具体的には、本明細書中のいくつかの実施態様は、収縮音響膜に関する。収縮音響膜は、蛇状フィブリルを含む膜材料を含む。
【0028】
音響保護カバー組立体は、湿分及び水の侵入からの保護を可能にする収縮音響膜を含む。一実施態様の場合、音響カバーは、高浸漬用途のための収縮膜材料を含む。膜は耐湿性を提供し、外部環境からの潜在的損傷から音響デバイスを保護するので有利である。本明細書中に記載された音声透過性膜を有する組立体は、収縮膜材料を採用しない従来の組立体と比較して、同等又は改善された保護特性を維持しつつ、音声伝達時の改善された性能を有する。
【0029】
保護カバー組立体
【0030】
図1は、実施態様に基づく、音響デバイス102のための保護カバー組立体100を示す断面図である。音響デバイス102は、例えばトランスデューサ104で音波を発生させ且つ/又は受容するための電子デバイスであってよい。トランスデューサ104に隣接する音響キャビティ114は、トランスデューサへ又はトランスデューサから音波を通す。いくつかの実施態様の場合、トランスデューサ104はマイクロフォン又は他のセンサ、スピーカー、圧力センサ、又は他の同等のタイプのセンサであってよい。いくつかの実施態様では、トランスデューサ104はマイクロ電気機械(MEMs)デバイス、例えばマイクロフォン、音響センサ、又は音響スピーカーであってよい。音響デバイス102は、電子回路ボード、例えばトランスデューサ104を上に含むフレックス回路であってよい。いくつかの実施態様では、音響デバイス102は、ポータブル電子デバイス、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、ポータブルマイクロフォン、ハンドヘルド式コンピュータデバイス、又は他の同等のデバイスのための検知モジュール又は制御回路であってよい。
【0031】
音響デバイス102はハウジング106によって少なくとも部分的に包囲されている。ハウジングは外部環境108から音響デバイス102を保護する。そして音響デバイス102は少なくとも部分的にシールされ、且つ/又は防水性であってよい。ハウジング106はプラスチック又は金属のケースであってよい。ハウジング106は、音響デバイス102を少なくとも部分的に取り囲む内部環境110を含有している。
【0032】
ハウジング106の開口116によって、音響経路112が部分的に画定されている。
図1に単一の開口が示されてはいるが、他の実施態様において、ハウジングに複数の開口が設けられていてもよい。これら複数の開口はまとめて1つの音響経路を画定するか、又は個別の音響経路を画定する。ハウジング106の開口116は、ハウジング106の外部108とハウジング内の音響キャビティ114との間を音波が通るようにするために存在する。一実施態様では、音響経路112は、音声を検出するときに、圧力波、すなわち音波がハウジング106の外部から音響デバイス102のトランスデューサ104へ伝搬するのを可能にするように配置されている。同様に、他の実施態様では、音響経路112は、音響デバイス102によって生成された圧力波が、ハウジング106の外部へ向かって伝搬するのを可能にするように配置されている。音響経路112は、収縮膜材料120によって横切られており、さらに音響キャビティ114を画定している。収縮膜材料120は音響経路112を横切っているので、収縮膜120はここでは音声透過性膜又は音響膜と呼ぶこともある。音響キャビティ114は、収縮膜材料120と、トランスデューサ104を含む音響デバイス102の一部との間に配置されている。申し分のない音響カバーを提供するためには、収縮膜材料120の最小直径は、開口116の最大直径に少なくとも等しいか、又はこれよりも大きい。開口116の最大直径は、ハウジング106の用途及び構造に応じて様々であってよい。音響保護組立体は、いかなるサイズの開口にも適しており、具体的には制限されない。1つの例示的実施態様の場合、開口116の直径は、0.1mm~500mm、例えば0.3mm~25mm、例えば0.5mm~10mmである。開口のこれらの例示的直径に基づいて、収縮膜材料の最小直径は少なくとも0.1mm、例えば少なくとも0.3mm、例えば少なくとも0.5mm、例えば少なくとも1.0mm、例えば少なくとも1.5mm、又は例えば少なくとも1.6mmである。このようなサイズの関係を有することにより、収縮膜材料120は音響経路112を完全に横切り、そして流体又は湿分の音響キャビティ114内への侵入を防止するのを可能にする。ハウジング106の内部環境110も、外部環境からの流体又は湿分に対して収縮膜材料120によって少なくとも部分的にシールされている。
【0033】
収縮膜材料120は音響デバイス102とハウジング16との間に、例えば(1つ又は2つ以上の)第1層118及び(1つ又は2つ以上の)第2層122によって固定することができる。第1層118及び第2層122は、膜を固定するための任意の好適な手段、例えば接着層(すなわち両面接着層)、音響キャビティ114とハウジング106の内部110との間の空気交換を促進するための通気性層を含んでよい(例えば、1つ又は2つ以上の第2層122が通気性層を含んでよい)。いくつかの実施態様では、収縮膜材料120は、接着剤の支援の有無にかかわらず機械的な締め付け力によって、ハウジング106と音響デバイス102との間に保持することができる。ある特定の実施態様では、第1層118はハウジング106の延長部であってよい。
【0034】
いくつかの実施態様では、収縮膜材料120と第1層118及び第2122との総厚は、約25μm~約2500μmのオーダーであってよい。一実施態様では、層状組立体の総厚は約100μm~1000μm未満のオーダーであってよい。制限的なものではないが、いくつかの定時的用途では、同等に小さな厚さ、例えば100μm~1000μmのオーダーの厚さのMEMsトランスデューサと組み合わせて音響デバイスを使用してよい。従って、収縮膜材料120を組み込む音響デバイスは、0.2~1.2mmのオーダーと極めて薄くてよく、このような音響デバイスは、数多くの小型フォームファクタ用途、例えばハンドヘルド式電子デバイス内に含むのに適している。
【0035】
いくつかの実施態様では、収縮膜材料はポリマー複合材料層であってよく、この層は選択的に無孔質、マイクロ細孔質、又は多孔質であってよい。収縮膜材料に使用されてよい種々の無孔質材料はポリマーフィルム(例えばTPU、PET、シリコーン、ポリスチレン、ブロックコポリマー、FEP等)、又はポリマー複合体を含んでよい。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料及びePTFE複合材料を含み得る多孔質材料は、音響特性と防水性との良好なバランスをもたらす。種々の多孔質材料及び無孔質材料は、極めて薄く軽量であることに加えて、優れた音響伝達特性を有し、また優れた防水性をもたらす。いくつかの事例では、膜材料を加工することができる。例えば膜材料は、膜材料を収縮させる前又は収縮させた後に、例えば疎油性ポリマーによって疎油性塗膜を含むことができる。
【0036】
種々の実施態様では、収縮膜材料は、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有している。本明細書中に使用される「蛇状フィブリル(serpentine fibrils)は、1つの方向に、次いで別の方向に湾曲又は旋回する複数のフィブリルを意味する。蛇状フィブリルの幅は概ね約1.0ミクロン以下であってよい。蛇状フィブリルはノードによって互いに結合されていてよい。蛇状フィブリルは、例えば米国特許出願公開第2013/0183515号明細書に記載された制御収縮によって形成されてよい。制御収縮は、加熱することによって、又は溶媒で湿潤させることによって、又は任意の他の適宜な手段又はこれらの組み合わせによって、物品の長さを少なくとも1つの方向で短くさせ、この場合これに続いてできる物品の肉眼で見える折り目、襞、又は皺の形成を抑制するようにすることにより達成することができる。前駆体膜を収縮させることによって、その中のフィブリルの大部分を蛇状フィブリルに変換し、これにより収縮膜を形成することができる。いくつかの事例において、本開示の教示内容に基づいて収縮された物品が、蛇状フィブリルを特定するために収縮方向に伸長するのを必要とすることがある。
【0037】
一実施態様の場合、収縮膜材料の厚さは100μm以下、50μm以下、又は20μm以下であってよい。いくつかの実施態様では、収縮膜材料の厚さは、16μm以下、14μm以下、12μm以下、又は10μm以下であってよい。収縮膜材料は、外部圧力を変動させ、且つ/又は音響キャビティ内部の温度を変動させることによって引き起こされる加圧下での破裂に抵抗するのに充分に厚く、これに対して収縮膜材料を通る音響エネルギーに対する閉塞を最小限にするのに充分に薄い。収縮膜材料は、音響性能に不都合な影響を及ぼすことになる膜の過剰な変形に抵抗するのに充分に厚い。収縮膜材料の面密度(すなわち単位面積当たりの質量)は、いくつかの実施態様によれば、例えば15g/m2未満、12g/m2以下、又は10g/m2以下であってよい。
【0038】
接着層、例えば第1層118及び第2層122は、2つの部分を結合するために接着面を各側に有する任意の適宜な層から形成することができる。例えば、接着層は両面プラスチックテープに類似する、接着表面処理剤を含浸されたポリマー層であってよい。接着層は、PETバッキングと粘着付与されたアクリル接着剤とを含む両面粘着テープ(例えばTESA(登録商標)4972)を含んでよい。接着層は、均圧組立体の所望の厚さに応じて種々の厚さを有することができる。例示的な接着層は5~1000μmのオーダーの任意の好適な厚さであってよい。ある特定の実施態様では、複数の接着層を積み重ねることによって、付加的な高さを提供することができ、例えば音響キャビティ114の容積を増大させ、又はハウジング106と収縮膜材料との間のオフセットを増大させ、又はその両方を増大させることができる。接着層の具体例は約30μm厚、又は約48μm厚である。一般に、接着層は防水性であり無孔質である。一実施態様では、外部環境に隣接する接着層が防水性であるのに対して、他の接着層は防水性であってよい。
【0039】
下記非制限的な例及び試験結果に照らして、本発明をよりよく理解することができる。
【0040】
膜の例
【0041】
図2は、いくつかの実施態様に基づく収縮膜材料の前駆体202、収縮された状態の前駆体(204)、及び部分的に弛緩された状態の収縮膜材料(206)を示す一連のSEM顕微鏡写真200である。前駆体202はマイクロ細孔質の延伸官能性テトラフルオロエチレンポリマー(TFE)コポリマー、又はePTFEコポリマーであり、例えば米国特許第3,953,566号明細書に記載された官能性TFEコポリマーと同様に、フィブリルによって相互結合されたノードを特徴とするマイクロ構造を有している。
【0042】
比較のフィブリル化ポリマー材料は、ノード対フィブリルの比がより大きい又はより小さい膜材料、又は例えば米国特許第5,814,405号明細書及び米国特許第4,902,423号明細書に記載されているような実質的に異なるマイクロ構造を含む膜材料を含む、収縮膜材料のための適切な前駆体であってもよいことが理解されよう。具体的な前駆体膜202については、以下、
図4にも示された比較例2を参照しながら、さらに述べる。この膜は、W.L.ゴアアンドアソシエーツから部品番号GAW 333として入手可能である。
【0043】
収縮度を制御しながら、上昇する温度を利用することにより前駆体202を収縮させ、こうして熱的収縮膜を形成することができる。例えば、前駆体202の元の面積に対する面積比が約0.58:1になるまで300℃で加熱しながら前駆体202を収縮させておくことにより、収縮状態204に達することができる。この収縮によりフィブリルは変形し、蛇状の構造及び外観を成すようになる。
【0044】
熱的な収縮以外の方法によって前駆体202を収縮させることにより、蛇状フィブリルを有する膜を形成することもできる。例えば、いくつかの実施態様では、溶媒(例えばイソプロピルアルコール)を塗布し、膜が収縮されていない間に溶媒を膜から乾燥させておくことにより、前駆体を収縮させ、こうして溶媒で収縮された膜を形成することができる。
【0045】
完全に収縮された前駆体204は加えられた張力により、部分的に弛緩されるか、或いは収縮を取り除かれてもよい。
図2に示された部分的に弛緩された収縮膜材料206は、元の前駆体202に対して約0.575:1の面積比まで部分的に収縮されている。
【0046】
前駆体膜及び収縮膜材料のさらなる例を、
図3~7、及び下記表1を参照しながら以下に論じる。
【表1】
【0047】
最終/初期面積比は、それぞれの前駆体膜と比較した膜の収縮の尺度である。ATEQ空気流量は、単位時間当たりの所与の膜を通る空気流量リットルに関して下述するATEQ空気流量試験によって測定された、膜の通気性の尺度である。それぞれの事例において、試料は内径1.6mmの円形音響カバーとして形成された膜であった。挿入損失は、下記のような挿入損失検出試験(Insertion Loss Detection Test)において測定された、膜を通る音声の経路を所与の膜が閉塞する程度の尺度である。挿入損失は、膜による閉塞の存在に基づいて、試験組立体によって検出される音圧の差として測定される。比較例1及び2は、収縮されていない膜材料であり、これらの膜材料はここでは種々の膜例のための前駆体としても使用される。膜例、つまり例1~7は、前駆体膜を収縮させることより製造された収縮膜材料である。
【0048】
熱的に誘導される制御収縮を延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)に施すことによって、又は物品を溶媒、例えばイソプロピルアルコール、又はFluorinert(登録商標)(ミネソタ州、セントポール、3M, Inc.から商業的に入手可能なペルフルオロ溶媒)で湿潤することによって、又はこれら2つの技術の組み合わせによって、蛇状フィブリルを形成することができる。
【0049】
比較例1
【0050】
図3は、第1比較膜例300を示すSEM顕微鏡写真である。第1比較膜例300は、米国特許第7,306,729号明細書に基づいて形成したものであり、単位当たりの質量が5.2g/m
2、泡立ち点が924kPa、差圧12mbarにおいて2.0cm
2を通るATEQ空気流量が10.1L/時、厚さが16.4ミクロン、並びに長手方向及び横方向のマトリックス引張強度がそれぞれ314MPa及び419Mpaであった。
【0051】
比較例2:
【0052】
図4は、第2比較膜例を示すSEM顕微鏡写真である。第2比較膜例は、
図2を参照しながら説明した前駆体膜202に関して上述したように、米国特許第3,953,566号明細書に基づいて形成した。
【0053】
例1:
【0054】
図5は、いくつかの実施態様に基づく、第1収縮膜材料例500を示すSEM顕微鏡写真である。収縮膜材料の第1例500は、第1比較例300を前駆体として使用して製造した。前駆体をフレーム内で二軸拘束し、30秒間にわたって320℃の炉内に入れ、その初期面積に対して約0.74:1の面積比まで横方向に収縮させておき、次いで室温まで冷ました。結果としてできた収縮膜材料400は、単位面積当たりの質量6.9g/m
2、ATEQ空気流量16.8L/時、及び厚さ12.9ミクロンであった。
【0055】
とりわけ、第1収縮膜材料例500は、その前駆体、すなわち第1比較例300と比較して改善されたATEQ空気流量を示した。同時に、第1例500は、前駆体の挿入損失6.1dBと比較して著しく低減された挿入損失3.4dBを示した。これらの結果は、音声透過(挿入損失の逆数)と、空気流量(ATEQ空気流量)とが同時に改善されたことを示す。この結果は、膜の密度の増大が、空気流性能の損失又は音声透過の損失のうちの少なくとも一方を伴うと通常は予想されることを考えれば、特に驚くべきことである。
【0056】
例2:
【0057】
図6は、いくつかの実施態様に基づく、第2収縮膜材料例600を示すSEM顕微鏡写真である。第2収縮膜材料例600は、第1膜例500を前駆体として使用して製造した。前駆体を、その初期面積に対して約0.73:1の面積比まで収縮させた。結果としてできた第2膜例600は、単位面積当たりの質量7.0g/m
2、ATEQ空気流量17.3L/時、及び厚さ14.2ミクロンであった。
【0058】
第2膜例600は、第1膜例500と同様の性能を達成した。例えば、第2膜例600は、第1膜例500よりもさらに高いATEQ空気流量を達成し(16.8L/hrと比較して17.3L/hr)、この場合、挿入損失の増大はわずかにすぎなかった(3.4dBと比較して3.9dB)。両性能測定値は初期前駆体、すなわち第1比較膜例300を凌いで著しく改善された。
【0059】
例3:
【0060】
第1比較例300に基づく前駆体から第3収縮膜材料例を導出した。第3膜例は、360℃の温度で横方向に面積比0.38:1だけ収縮させた。これは、単位面積当たりの質量13.3g/m2、ATEQ空気流量11.9L/時、及び厚さ10ミクロンの膜をもたらした。第3収縮膜材料例は3.8dBの挿入損失、及び11.9L/hのATEQ空気流量を達成した。
【0061】
例4:
【0062】
第1比較例300に基づく前駆体から第4収縮膜材料例を導出した。第4膜例は、360℃の温度で横方向に面積比0.56:1だけ収縮させた。これは、単位面積当たりの質量9.1g/m2、ATEQ値20L/時、及び厚さ11.4ミクロンの膜をもたらした。第4収縮膜材料例は、わずか2.4dBの挿入損失、及び20.0L/hのATEQ空気流量を達成した。
【0063】
例5:
【0064】
第1比較例300に基づく前駆体から第5収縮膜材料例を導出した。第5膜例は、320℃の温度で横方向に面積比0.45:1だけ収縮させた。これは、単位面積当たりの質量11.3g/m2、ATEQ値15.2L/時、及び厚さ14ミクロンの膜をもたらした。第5収縮膜材料例は、3.6dBの挿入損失、及び15.2L/hのATEQ空気流量を達成した。
【0065】
例6:
【0066】
第1比較例300に基づく前駆体から第6収縮膜材料例を導出した。第6膜例は、320℃の温度で横方向に面積比0.61:1だけ収縮させた。これは、単位面積当たりの質量8.4g/m2、ATEQ空気流量16.5L/時、及び厚さ14ミクロンの膜をもたらした。第5収縮膜材料例は、4.1dBの挿入損失、及び16.5L/hのATEQ空気流量を達成した。
【0067】
例7:
【0068】
図7は、いくつかの実施態様に基づく、第7収縮膜材料例700を示すSEM顕微鏡写真である。第7膜例700は、これが
図4に示された第2比較膜例400に基づく前駆体から導出された点で、例1~6とは異なっている。第7膜例700はまた、
図2にその前駆体と一緒に示されている(例えば、前駆体202、収縮された前駆体204、及び収縮膜材料206)。
図2を参照しながら上述したように、第7膜例700は、320℃まで加熱しながらその前駆体膜に対して面積比0.57:1まで収縮させた。第7膜例700を横方向に収縮させ、そしてこれは、単位面積当たりの質量6.9g/m
2、ATEQ空気流量18.5L/時、及び厚さ12ミクロンの膜材料をもたらした。収縮膜材料の前述の例と同様に、第7膜例700は、その前駆体膜の挿入損失を改善し(1.2dBと比較して0.7dB)、一方、ATEQ空気流量試験において18.5L/hの空気流性能を達成した。
【0069】
試験法
【0070】
挿入損失検出試験
【0071】
図8は、挿入損失を検出するための試験組立体例800を示している。各膜例(比較膜例及び収縮膜材料)を試料ホルダープレート842のオリフィス848と結合し、組立体を完全に収納し、そしてスピーカーによって生成された音声を、オリフィス及び組立体を通った後に測定することにより、挿入損失を検出することができる。
【0072】
各試料802を、例えば接着リング804によって、内径1.6mmを有する円形音響カバーとして形成し、接着層844によって試料ホルダープレート842上の直径1mmの円形アパーチャ848に被せた。試料を内部ドライバー又はスピーカーから6.5cmの距離を置いてB&Kタイプ4232無響試験ボックス内部に入れた。Knowles(登録商標)SPA2410LR5H MEMS測定マイクロフォン846を、例えばはんだ付けによって試料ホルダープレート842に組み付けた。
【0073】
スピーカーを励起して、周波数範囲100Hz~11.8kHzにわたって1Paの音圧(94dB SPL)の外部刺激806を生成した。測定マイクロフォン846は、この周波数範囲にわたる音圧レベル(dB)として音響応答を測定した。損失検出試験を較正するために、アパーチャ848が覆われていない状態で、すなわち試料802が存在しない状態で測定値を得た。それぞれの例を試料802として導入することにより、測定値を得た。
【0074】
図9は、表1に示された上記比較例1~2及び例1~7に関する挿入損失をグラフ的に示すチャート900である。チャート900は、
図2~7に関連して、また
図8に示された試験組立体800と同様の試験組立体との関連において上述された均圧組立体の種々の実施態様に対応する周波数1kHzにおける挿入損失(すなわち、閉塞されていないマイクロフォンと比較した音圧レベルの差)を示している。チャート900は挿入損失測定における1つの標準偏差を反映したエラーバーを示している。
【0075】
ATEQ空気流量試験
【0076】
ATEQ空気流量は、膜試料を通る空気の層流体積流量を測定する試験方法である。それぞれの例に対して、面積2.0cm2の膜形態で試料を製造した。流路を横切る試料をシールするように、試料を2つのプレートで締め付けた。ATEQ Corp.のPremier D Compact Flow Testerを使用して、各音響膜試料を通る空気流量(L/hr)を測定した。この測定は、流路を通る空気圧の差圧を1.2Pa(12mbar)とすることによって行った。
【0077】
水侵入圧力(WEP)試験
【0078】
試験組立体内の試料に、流路を横切る34.5及び500kPaの差圧で水を当てることにより、ATEQ空気流量試験と同様の形式でWEPを割り出した。
【0079】
泡立ち点試験
【0080】
Porous Materials Inc.によって製造されたCapillary Flow Porometer, CFP-1500を介して、泡立ち点を割り出した。
【0081】
厚さ
【0082】
Keyence LS-7010Mデジタル・マイクロメーターを使用して試料を測定した。
【0083】
明確さ及び理解のために本発明を詳述してきた。しかしながら添付の請求項の範囲の中である特定の変更形及び改変形を実施し得ることは当業者には明らかである。
【0084】
前記の記述内容において、説明を目的として、本発明の種々の実施態様を理解できるように数多くの詳細を示した。しかしながら当業者には明らかなように、これらの詳細のいくつかを伴わずに、又は付加的な詳細と一緒に、ある特定の実施態様を実施することもできる。
【0085】
いくつかの実施態様を開示したが、当業者には明らかなように、これらの実施態様の思想を逸脱することなしに、種々の変更形、別の構造、及び同等物が用いられてよい。加えて、本発明を不要に不明瞭にするのを避けるために、数多くのよく知られたプロセス及びエレメントについては記載していない。従って、上記説明は、本発明又は請求項の範囲を制限するものとして見なすべきではない。
【0086】
値の範囲が提供されている場合、文脈が他のことを明示しない限り、その範囲の上限及び下限の間に介在する、当該下限の最小単位の少数までの各介在値も具体的に開示される。任意の提示値間の任意のより狭い範囲、又は提示範囲内の非提示の介在値、及びその提示範囲内の任意の他の提示値又は介在値も含まれる。これらのより小さな範囲の上限及び下限は独立してその範囲内に包含又は除外されてよく、そしてそのより小さな範囲内に境界値の一方が包含されるか、両方とも包含されないか、又は両方とも包含される各範囲も、提示範囲内に何らかの具体的に除外された境界値がある場合を除き、本発明に含まれる。提示範囲が境界値の一方又は両方を包含する場合、これらの包含された境界値の一方又は両方を除くとする範囲も包含される。
【0087】
本明細書中及び添付の請求項に使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明示しない限り、複数形を含む。また、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(contains)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(including)」及び「含む(includes)」という語は、本明細書中及び下記請求項中で使用する場合には、提示された特徴、整数、構成部分、又は工程を特定しようと意図されるものであって、1つ又は2つ以上の他の特徴、整数、構成部分、行為、又は群の存在又は付加を除外するものではない。
【0088】
開示内容の理解を容易にするために、以下にさらなる例を記述する。
【0089】
E1. 音響デバイスのための音声透過性カバーであって、前記カバーが、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有する延伸フルオロポリマー膜を含み、前記延伸フルオロポリマー膜が、1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、少なくとも9.8kPaの水侵入圧力(WEP)とを有する、音響デバイスのための音声透過性カバー。
【0090】
E2. 前記延伸フルオロポリマー膜のATEQ空気流量が2.0cm2当たり少なくとも10L/hrである、例1に記載のカバー。
【0091】
E3. 前記延伸フルオロポリマー膜の音響挿入損失が、1kHzで5dB未満である、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0092】
E4. 前記延伸フルオロポリマー膜の音響挿入損失が、1kHzで4dB未満である、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0093】
E5. 前記延伸フルオロポリマー膜の音響挿入損失が、1kHzで3dB未満である、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0094】
E6. 前記延伸フルオロポリマー膜の音響挿入損失が、1kHzで1dB未満である、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0095】
E7. 前記延伸フルオロポリマー膜が6g/m2以上の面密度と、15μm未満の厚さとを有している、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0096】
E8. 前記延伸フルオロポリマー膜が7g/m2以上の面密度と、15μm未満の厚さとを有している、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0097】
E9. 前記延伸フルオロポリマー膜のATEQ空気流量が、2.0cm2当たり少なくとも15L/hrである、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0098】
E10. 音響デバイスのための防水音声透過性カバーであって、前記カバーが、1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、少なくとも9.8kPaのWEPとを有する収縮膜材料を含む、音響デバイスのための防水音声透過性カバー。
【0099】
E11. 前記収縮膜材料のATEQ空気流量が、2.0cm2当たり少なくとも10L/hrである、例10に記載のカバー。
【0100】
E12. 前記収縮膜材料が、前駆体膜の初期面積に対して0.75:1未満の面積比を有している、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0101】
E13. 前記収縮膜材料が、少なくとも6.9g/m2の面積当たりの質量と、16μm未満の厚さとを有している、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0102】
E14. 前記収縮膜材料が通気性である、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0103】
E15. 前記収縮膜材料が熱的に収縮された膜を含む、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0104】
E16. 前記収縮膜材料が溶媒で収縮された材料を含む、例1から14までのいずれかに記載のカバー。
【0105】
E17. 前記収縮膜材料が、関連する前駆体膜の75%未満の面積比を有する、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0106】
E18. 前記収縮膜材料が、延伸フルオロポリマー膜を含む、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0107】
E19. 前記収縮膜材料が、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有している、前記例のいずれかに記載のカバー。
【0108】
E20. 音響デバイスのための保護カバー組立体であって、前記組立体が、当該ハウジングの外部と当該ハウジング内の音響キャビティとの間を音波が通るようにするための開口を有するハウジングと、前記ハウジングと結合されて前記音響キャビティと前記ハウジングの外部とを分離する音声透過性膜とを含み、前記収縮膜材料、例えば音声透過性膜が、1kHzで6dB未満の音響挿入損失と、少なくとも9.8kPaの水侵入圧力(WEP)とを有する、音響デバイスのための保護カバー組立体。
【0109】
E21. 前記音声透過性膜のATEQ空気流量は2.0cm2当たり少なくとも10L/hrである、例20に記載の組立体。
【0110】
E22. 前記音声透過性膜の音響挿入損失が1kHzで5dB未満である、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0111】
E23. 前記音声透過性膜が延伸フルオロポリマー膜を含む、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0112】
E24. 前記音声透過性膜がePTFE膜を含む、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0113】
E25. 前記音声透過性膜が、関連する前駆体膜の75%未満の面積比を有する収縮膜材料を含む、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0114】
E26. 前記音声透過性膜材料が熱的に収縮される、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0115】
E27. 前記音声透過性膜材料が溶媒で収縮される、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0116】
E28. 前記音声透過性膜が、蛇状フィブリルを含むマイクロ構造を有している、前記例のいずれかに記載の組立体。
【0117】
E29. さらに、前記音響キャビティと接続された音響デバイスを含み、前記音響デバイスが、前記音波を発生させ且つ/又は受容することができる、前記例のいずれかに記載の組立体。
【外国語明細書】