(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184951
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画材バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/34 20060101AFI20221206BHJP
B65D 21/08 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A45C11/34 J
B65D21/08
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146698
(22)【出願日】2022-09-15
(62)【分割の表示】P 2017173684の分割
【原出願日】2017-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】595020883
【氏名又は名称】株式会社はくぶん
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100206195
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 文俊
(57)【要約】
【課題】 容量を可変とした収納容器を提供する。
【解決手段】 収納容器1は上方が開放された直方体形状を有し、正面部2に平行な仮想平面3により分割された第1部分4と第2部分5とから構成される。第1部分4に属する第1底面部10と第2部分5に属する第2底面部11とは折り曲げ自在に接続され、第1部分4に属する対向側壁の各々の一方となる第1側壁部12aにおいて、仮想平面3に接する辺である側面罫線14aと、第1側壁部12aの上縁24となる辺とを含む直角三角形の部分であるマチ部25aを変形自在に構成している。対向するマチ部25bについても同様である。このように構成することで、第1部分4を第2部分5側に折り返すことが可能となるため、容量を可変することができるので、使い勝手が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開放された直方体形状を有し、いずれかの側壁に平行な仮想平面により分割された第1部分と第2部分とからなる収納容器であって、
前記第1部分に属する第1底面部と前記第2部分に属する第2底面部とは折り曲げ自在に接続され、
前記第1部分に属する対向側壁の各々となる第1側壁部において、前記仮想平面に接する辺と、前記第1側壁部の上縁となる辺とを含む直角三角形の部分を変形自在に構成した、収納容器。
【請求項2】
前記仮想平面に接する辺の長さと前記第1側壁部の上縁となる辺の長さとが同一に設定された、請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上方が開放された直方体形状の容器状の開状態と、その内部に収納スペースを有する箱状の閉状態とを切替自在な収納容器であって、
前記容器状の対向する一対の側面部は、その各々が一対の前記側面部の各々の少なくとも一部を構成する少なくとも一対の変形自在なマチ部を備え、
前記容器状の底面部は、背面側の第1底面部と正面側の第2底面部とに罫線を介して回動自在に分割され、
前記開状態において前記容器状の前記第1底面部を前記罫線を中心として正面方向に回動させたとき、前記マチ部が変形して折り畳まれ、前記閉状態に移行可能とする、収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は収納容器に関し、特に画材バッグ等に用いられる容量可変の収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、その上部に設けられた蓋が開閉自在な直方体形状の収納容器が存在する。
【0003】
図5は従来の収納容器の外観を示す斜視図であって、(1)は開状態を示すものであり、(2)は閉状態を示すものである。
【0004】
まず同図(1)を参照して、収納容器71は、背面部72の上縁に蓋73が折り曲げ自在に接続されており、上方が開放された直方体形状の容器状である。この開状態において、収納容器71内部に収納物を入れたり、開状態のまま内容物を使用したりすることができる。
【0005】
又、併せて同図(2)を参照して、収納容器71は、蓋73を矢印75で示すように正面方向(背面部72から正面部74に対する方向)に回動させることで、収納容器71の蓋73の先端縁77が正面部74の上縁78と重なり、同図(1)に示した開状態から同図(2)に示す閉状態に移行することができる。必要に応じて、蓋73の先端縁77と正面部74の上縁78とは、磁石等の係合手段により係合される。この閉状態において、収納容器71はその内部に収納スペースを有する箱状であり、必要に応じて収納容器71に取り付けられた取っ手等を用いて収納物の持ち運びに用いられる。
【0006】
又、矢印76に示すように、閉状態から蓋73を背面方向に回動させることで、開状態に移行することも可能である。
【0007】
使用に際しては、収納容器71は例えば小学校の教育課程において画材バッグとして就学児童に用いられる。まず開状態において、収納容器71の閉状態の容量にほぼ一致する大きさの水バケツ(上方が開放された複数の区画に分割された直方体形状)を入れ、水バケツの内部に絵具や筆を収納する。そして、上述したように蓋73を正面方向に回動させ、閉状態として固定する。閉状態のまま写生現場まで収納容器71を持ち運び、収納物である上述した画材を取り出して使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の収納容器71にあっては、開状態と閉状態とでその容量が大きくは変わらない。そのため、例えば収納容器71を上述したように画材バッグとして使用した場合、写生現場にて水バケツには水を入れるため、閉状態において水バケツの中に収納されていた絵具や筆は収納容器71内部に収納されるスペースが無くなることとなる。そのような場合、絵具や筆は収納容器71の外部に広げて使用するため、これらの画材の使用が終わった使用者(主に就学児童)が、画材を収納容器71に収納する際に外部に広げた絵具や筆を入れ忘れる事態が起こり得た。
【0009】
したがって、容量が可変であり、内部に画材を収納したまま使用できるもの等の使い勝手の良い収納容器が待望されていた。
【0010】
尚、収納容器71の側壁部80にファスナーを設ける等して側壁部80自体が開くものも従来存在するが、側壁部80が開いてしまった収納容器71は、側壁部80の開いた部分から収納物が漏れ出る虞があった。
【0011】
収納容器71は、画材バッグ以外の用途に使用する場合にも同様に容量を可変として使い勝手が向上したものが望ましい。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、容量を可変とした収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上方が開放された直方体形状を有し、いずれかの側壁に平行な仮想平面により分割された第1部分と第2部分とからなる収納容器であって、第1部分に属する第1底面部と第2部分に属する第2底面部とは折り曲げ自在に接続され、第1部分に属する対向側壁の各々となる第1側壁部において、仮想平面に接する辺と、第1側壁部の上縁となる辺とを含む直角三角形の部分を変形自在に構成したものである。
【0014】
このように構成すると、第1部分を第2部分側に折り返すことが可能となる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、仮想平面に接する辺の長さと第1側壁部の上縁となる辺の長さとが同一に設定されたものである。
【0016】
このように構成すると、第1底面部が閉状態において正面部と対向する部分となる。
【0017】
請求項3記載の発明は、上方が開放された直方体形状の容器状の開状態と、その内部に収納スペースを有する箱状の閉状態とを切替自在な収納容器であって、容器状の対向する一対の側面部は、その各々が一対の側面部の各々の少なくとも一部を構成する少なくとも一対の変形自在なマチ部を備え、容器状の底面部は、背面側の第1底面部と正面側の第2底面部とに罫線を介して回動自在に分割され、開状態において容器状の第1底面部を罫線を中心として正面方向に回動させたとき、マチ部が変形して折り畳まれ、閉状態に移行可能とするものである。
【0018】
このように構成すると、収納容器の開状態の容量が、閉状態の容量よりも大きくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1部分を第2部分側に折り返すことが可能となるため、容量を可変することができるので、使い勝手が向上する。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第1底面部が閉状態において正面部と対向する部分となるため、直方体形状の箱となり、収納容器の安定性が向上する。
【0021】
請求項3記載の発明は、収納容器の開状態の容量が、閉状態の容量よりも大きくなるため、容量を可変することができるので、使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】この発明の第1の実施の形態による収納容器の開状態の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1で示した収納容器の開状態から閉状態に移行する第1の途中状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1で示した収納容器のマチ部が外側に折り畳まれる場合の開状態から閉状態に移行する様子を示す斜視図であって、(1)は第2の途中状態を示すものであり、(2)は閉状態のものである。
【
図4】
図1で示した収納容器のマチ部が内側に折り畳まれる場合の開状態から閉状態に移行する様子を示す斜視図であって、(1)は第2の途中状態を示すものであり、(2)は閉状態のものである。
【
図5】従来の収納容器の外観を示す斜視図であって、(1)は開状態を示すものであり、(2)は閉状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1はこの発明の第1の実施の形態による収納容器の開状態の外観を示す斜視図である。
【0024】
同図を参照して、収納容器1は、上方が開放された直方体形状を有する容器状の開状態であって、側壁(正面部2)に平行な仮想平面3により分割された第1部分4と第2部分5とから主に構成されている。又、第1部分4に属する第1底面部10と第2部分5に属する第2底面部11とは折り曲げ自在に接続されている。第1底面部10と第2底面部11とは開状態において面一である。
【0025】
即ち、仮想平面3は、第1部分4と第2部分5の境界であり、容器状の底面部9に正面部2と平行に形成された罫線13と、罫線13が左側面部7及び右側面部8の各々と接続される箇所から上方に延びるように形成された側面罫線14a、14bとを通る平面である。
【0026】
換言すると、収納容器1の容器状の底面部9は、背面側の第1底面部10と正面側の第2底面部11とに折り曲げ自在な罫線13を介して分割されている。又、左側面部7及び右側面部8には、罫線13と左側面部7及び右側面部8の各々とが接続される箇所である第1頂点21から、上方に延びるように側面罫線14a、14bが形成されている。
【0027】
又、第1部分4に属する対向側壁(容器状の左側面部7及び右側面部8のうち第1部分4に属する箇所)の各々の一方となる第1側壁部12aにおいて、仮想平面3に接する辺(側面罫線14a)と、第1側壁部12aの上縁24となる辺とを含む直角三角形の部分は、軟質樹脂シート製のマチ部25aとして変形自在に構成されている。対向側壁の各々の他方となる第1側壁部12bにおいても同様に、マチ部25bが構成されている。尚、収納容器1のマチ部25a、25bを除く部分は硬質樹脂からなる。
【0028】
マチ部25aは、上述した第1頂点21と、側面罫線14aと左側面部7の上縁との接続箇所である第2頂点22と、左側面部7の上縁と背面部6との接続箇所である第3頂点23とを結ぶ三角形シート状である。マチ部25aと対になるマチ部25bも右側面部8において同様の構成である。
【0029】
換言すると、容器状の対向する一対の側面部(左側面部7及び右側面部8)は、その各々が一対の側面部7、8の各々の一部を構成する一対のマチ部25a、25bを備える。
【0030】
又、本実施の形態にあっては、仮想平面3に接する辺(側面罫線14a)の長さと第1側壁部12aの上縁24となる辺の長さとが同一に設定されている。そのため、マチ部25aは直角二等辺三角形に構成されている。更には、第1側壁部12aのマチ部25a以外の部分であるフラップ30aもマチ部25aと合同形状の直角二等辺三角形に構成されている。したがって、第1側壁部12aは正方形状に構成されている。又、第2部分5に属する対向側壁の各々となる第2側壁部15aは、第1側壁部12aと合同形状の正方形に構成されている。尚、これらと対向するマチ部25b、フラップ30b、第1側壁部12b及び第2側壁部15bも同様である。以上のように構成する効果については後述する。
【0031】
このような収納容器1は、矢印26で示すように、第1部分4を第2部分5側に折り返すことが可能であるので、以下説明する。
【0032】
図2は
図1で示した収納容器の開状態から閉状態に移行する第1の途中状態を示す斜視図である。
【0033】
同図を参照して、収納容器1は、上述した
図1で示した開状態から、後述するようにその内部に収納スペースを有する箱状の閉状態に移行し始めた直後の状態である。
【0034】
上述したように、罫線13が折り曲げ自在であると共に、マチ部25a、25bは変形自在であるため、第1底面部10(第1部分4)を罫線13を中心として正面方向に回動させることが可能である。同図は、約10°正面方向に回動させた状態を示す。
【0035】
次に、マチ部25a、25bは外側及び内側のいずれ側に折り畳まれることも可能である。
【0036】
図3は
図1で示した収納容器のマチ部が外側に折り畳まれる場合の開状態から閉状態に移行する様子を示す斜視図であって、(1)は第2の途中状態を示すものであり、(2)は閉状態のものである。
【0037】
まず同図(1)を参照して、第1底面部10(第1部分4)は更に正面方向への回動を進め、約30°正面方向に回動した状態である。
【0038】
閉状態への移行が進むにつれ、マチ部25a、25bの上述した直角三角形の斜辺に当たる縁28a、28bの各々と、直角三角形の上述した仮想平面に接する辺に当たる側面罫線14a、14bの各々とが接近する。この2辺の接近に伴い、マチ部25a、25bは変形し、外側に山折りに折り畳まれて直角三角形の前後方向(正面―背面方向)の中心線に当たる折れ目29a、29bが形成されている。
【0039】
次に同図(2)を併せて参照して、上述した第1底面部10は約90°正面方向に回動して正面方向への移動を完了し、収納容器1は箱状の閉状態に移行した状態である。
【0040】
閉状態の収納容器1において、第1底面部10は箱状の背面部に相当し、背面部6は箱状の平面部の蓋に相当する。
【0041】
又、箱状の左側面部は、第2側壁部15aと、第2側壁部15aの一部の外方を覆うフラップ30aと、第2側壁部15aとフラップ30aとの隙間に折り畳まれたマチ部25aとから構成されている。尚、箱状の右側面部についても同様である。
【0042】
上述したように、マチ部25aは直角二等辺三角形状に構成されているため、第1底面部10(第1部分4)を正面方向に回動させて第3頂点23が左側面部7の上縁31上のいずれかの箇所に到達するのは、90°回動したときとなる。そのため、同図(2)に示すような収納容器1の閉状態において、第1側壁部12aと背面部6との接続箇所である辺32が左側面部7(このうち第2側壁部15aに属する部分)の上縁31と平行になり、上下方向位置も揃うこととなる。このように、第1側壁部12aと背面部6との接続箇所である辺32が左側面部7の上縁31と整列するため、即ち、第1底面部10が閉状態において正面部2と対向する部分となるため、直方体形状の箱となり、収納容器1の安定性が向上する。尚、マチ部25bについても同様である。
【0043】
更に、上述した第2部分に属する対向側壁の各々となる第2側壁部15a、15bが第1側壁部12a、12bと合同形状であるため、開状態における背面部6の先端縁33が閉状態において正面部2の上縁34と整列する。そのため、収納容器1の安定性が更に向上する。
【0044】
更に、上述したようにフラップ30aとマチ部25aが同様の直角二等辺三角形状であるため、閉状態への移行に伴ってマチ部25aは外側に折り畳まれる場合であっても、閉状態においてマチ部25aはフラップ30aの裏側(フラップ30aと第2側壁部15aとの隙間)に完全に収納され、外部からマチ部25aが視認されることを防止する。尚、このような効果はフラップ30aがマチ部25aより大きい場合にも発揮される。又、マチ部25bについても同様である。
【0045】
このようにして、収納容器1は、上方が開放された直方体形状の容器状の開状態(
図1参照)と、その内部に収納スペースを有する箱状の閉状態(
図3(2)参照)とを第1部分を第2部分側に折り返すことで自在に切り替えることができ、その容量を可変とすることができるため、使い勝手が向上する。
【0046】
尚、閉状態において、背面部6の先端縁33と正面部2の上縁34とは位置が揃っており、正面部2と上方を覆う蓋となった背面部6とは、磁石、粘着テープ、面ファスナー、切欠とツメ、雄ねじと雌ねじ等の係合手段と被係合手段とを設けることで、閉状態を固定可能とすることができる。
【0047】
次に、
図4は
図1で示した収納容器のマチ部が内側に折り畳まれる場合の開状態から閉状態に移行する様子を示す斜視図であって、(1)は第2の途中状態を示すものであり、(2)は閉状態のものである。
【0048】
尚、マチ部が閉状態への移行に伴って内側に折り畳まれること以外は、
図3で示した状態と基本的に同様であるため、相違点を中心に以下説明する。
【0049】
同図(1)を参照して、閉状態への移行に伴って、マチ部25a、25bは変形し、内側に谷折りに折り畳まれて直角三角形の前後方向(正面―背面方向)の中心線に当たる折れ目39a、39bが形成されている。
【0050】
又、同図(2)を併せて参照して、フラップ30aは第2側壁部15aの裏側(内部方向)に収納される。そのため、マチ部25aがフラップ30aより大きい場合であっても、収納容器1の内部に収納されることとなり、外部からマチ部25aが視認されることを防止できる。尚、マチ部25bについても同様である。
【0051】
以上説明したような収納容器1は、例えば従来の収納容器と同様に画材バッグとして使用することができる。閉状態において水バケツ、パレット、絵具や筆といった画材を箱状の収納容器1の内部に収納し持ち運ぶことができる。又、使用時には開状態として容量を大きくし、上方が開放された容器状の収納容器の内部において、水を入れた水バケツやその他の画材を並べて使用することができる。そのため、使用者が画材の使用を終えて片付ける際にも画材を入れ忘れる虞が減少し、使い勝手が更に向上する。
【0052】
又、開状態(
図1参照)において、収納容器1は、第1底面部10と第2底面部11とが面一である(同一平面上にある)ため、設置面積当たりの容量が大きくなっており、使い勝手が更に向上する。
【0053】
尚、上記の実施の形態では、仮想平面が正面部と平行であったが、いずれかの側壁と平行であれば良い。その場合、側壁である正面部、背面部、左側面部及び右側面部の位置関係が順繰りにずれるのみであり実質的に同一である。
【0054】
又、上記の実施の形態では、マチ部が側面部(第1側壁部)の一部である直角三角形の部分を構成していたが、側面部(第2側壁部の領域を含む)における当該直角三角形の部分を含む更に広い領域を構成するものであっても良い。又、マチ部が当該直角三角形の部分に代えて、
図1を参照しながら、開状態において第1頂点21を頂点とし、側面部(左側面部7)の上縁31に含まれる任意の長さの線分を底辺とする部分(1又は複数)として構成されていても良い。
【0055】
更に、上記の実施の形態では、マチ部が直角二等辺三角形の部分を構成していたが、他の形状であっても良い。例えば仮想平面に接する辺が第1側壁部の上縁となる辺より長い(又は短い)ものであっても良く、この場合でも開状態における背面部が閉状態において上方の一部を覆うことができ、背面部の先端縁にフラップを設ける等して閉状態において上方を完全に覆うように使用することも可能である。
【0056】
更に、上記の実施の形態では、マチ部が軟質樹脂シート製であったが、開状態から閉状態に移行可能な程度に変形自在な他の素材であっても良い。例えばゴム製シート状であっても良く、この場合マチ部が伸縮・弾性変形することも折り畳まれることに含まれる。更に、必ずしもマチ部全体が変形自在でなくとも良く、少なくともその外縁及び閉状態への移行に伴って折り曲げられる位置(上記の第1の実施の形態の場合、直角三角形の3辺及び折れ目)が折り曲げ自在であればマチ部が変形自在であることに含まれる。
【0057】
要するに、マチ部は、開状態において容器状の第1底面部を罫線を中心として正面方向に回動させたとき、マチ部が変形して折り畳まれ、閉状態に移行可能となるものであれば良い。
【0058】
更に、上記の実施の形態では、底面部に罫線が形成されて第1底面部と第2底面部とが折り曲げ自在に接続されていたが、罫線はあらかじめ形成されたものでなくとも良く、折り曲げる段階で形成される概念的なものや、ミシン目や、ヒンジ状の構造等であっても良い。
【0059】
更に、上記の実施の形態では、収納容器を開状態から閉状態に移行する際に第1部分を第2部分側に折り返していたが、第2部分を第1部分側に折り返すことも可能である。
【0060】
更に、上記の実施の形態では、第2側壁部が第1側壁部と合同形状であったが、合同形状でなくとも良い。例えば、第2側壁部の前後方向長さが第1側壁部の前後方向長さよりも長いものであっても良い。
【0061】
更に、上記の実施の形態では、収納容器を画材バッグとして使用する例を挙げたが、他の用途に用いても良い。例えば、化粧道具入れ、釣り具入れ、筆箱等としても好適に用いられる。
【0062】
更に、上記の実施の形態では、第1側壁部のマチ部以外の部分であるフラップもマチ部と合同形状の直角二等辺三角形に構成されていたが、他の形状であっても良い。又、第1側壁部を均等に分割するものでなくとも良い。
【0063】
更に、上記の実施の形態では、第1側壁部は正方形状に構成されていたが、他の形状であっても良い。
【0064】
更に、上記の実施の形態では、背面部が閉状態において上方を覆う蓋として構成されていたが、背面部を更に延長したり、その先端縁に延長部を折り曲げ自在に接続しても良い。このような延長部分は上方を覆う蓋としての補完部分としても良いし、閉状態の固定手段として正面部等との係合に用いても良い。
【0065】
更に、本発明の他の実施の形態として、収納容器の第1部分と第2部分との境界(仮想平面上)において仕切板を設けても良い。このように構成することで、第1部分と第2部分との区画を強固に固定でき、例えば画材バッグとして使用する場合に第2部分に水バケツを収納しておき、開状態で使用する際に水バケツが倒れることを防止することができる。又、このような仕切板は、仕切板と側面罫線との両側の接続箇所に、上方に先広がりな三角形シート状の変形自在な一対の仕切板マチ部を設けても良い。このように構成することで、開状態において仕切板を背面側(又は正面側)に傾斜させることが可能となり、第2部分(及び第1部分)の容量を可変することができ、使い勝手がより向上する。
【0066】
又、本発明の更に他の実施の形態として、正面部と左右側面部との接続箇所に、上方に先広がりな三角形シート状の変形自在な一対の正面部マチ部を設けても良い。このように構成することで、開状態において正面部を正面方向に傾斜させることが可能となり、第2部分の容量を更に大きくすることができ、使い勝手がより向上する。
【0067】
更に、上記の実施の形態にあっては、第1部分を第2部分側に折り返す、いわば片開き構造であったが、両開き構造であっても良い。即ち、第2部分の背面方向の第1部分だけでなく、正面方向に第1部分と同様の第3部分を更に設けても良い。この場合、収納容器の開状態から、第1部分を第2部分側(正面方向)に折り返すと共に、第3部分を第2部分側(背面方向)に折り返すことで閉状態に移行する。このとき、閉状態において上方を覆う蓋となる、第1部分の背面部及び第3部分の正面部は、重なりあうように構成しても良く、このように構成することで、第2側壁部の前後方向長さ(即ち、第2部分の容量)を自由に調整することが可能となり、使い勝手がより向上する。
【符号の説明】
【0068】
1…収納容器
2…正面部
3…仮想平面
4…第1部分
5…第2部分
10…第1底面部
11…第2底面部
12…第1側壁部
13…罫線
14…側面罫線
24…上縁
25…マチ部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-27
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、容量を可変とした画
材バッグを提供することを目的とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上方が開放された直方体形状を有し、いずれかの側壁に平行な仮想平面により分割された第1部分と第2部分とからなる画材バッグであって、第1部分に属する第1底面部と第2部分に属する第2底面部とは折り曲げ自在に接続され、第1部分に属する対向側壁の各々となる第1側壁部において、仮想平面に接する辺と、第1側壁部の上縁となる辺とを含む直角三角形の部分を変形自在に構成し、仮想平面に接する辺の長さと第1側壁部の上縁となる辺の長さとが同一に設定さ
れ、直角三角形の部分は軟質に構成され、直角三角形の部分以外の部分は硬質に構成され
たものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
このように構成すると、第1部分を第2部分側に折り返すことが可能となる。又、直角
三角形の部分とそれ以外の部分で硬さに差が生じる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項2記載の発明は、上方が開放された直方体形状を有し、いずれかの側壁に平行な
仮想平面により分割された第1部分と第2部分とからなる画材バッグであって、第1部分
に属する第1底面部と第2部分に属する第2底面部とは折り曲げ自在に接続され、第1部
分に属する対向側壁の各々となる第1側壁部において、仮想平面に接する辺と、第1側壁
部の上縁となる辺とを含む直角三角形の部分を変形自在に構成し、仮想平面に接する辺の
長さと第1側壁部の上縁となる辺の長さとが同一に設定され、直方体形状における背面部
の先端縁が閉状態において正面部の上縁と整列するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
このように構成すると、第1部分を第2部分側に折り返すことが可能となる。又、開状
態における背面部が閉状態において正面部と隙間なく接続される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
請求項3記載の発明は、上方が開放された直方体形状の容器状の開状態と、その内部に収納スペースを有する箱状の閉状態とを切替自在な画材バッグであって、容器状の対向する一対の側面部は、その各々が一対の側面部の各々の少なくとも一部を構成する少なくとも一対の変形自在なマチ部を備え、容器状の底面部は、背面側の第1底面部と正面側の第2底面部とに罫線を介して回動自在に分割され、開状態において容器状の第1底面部を罫線を中心として正面方向に回動させたとき、マチ部が変形して折り畳まれ、閉状態に移行可能とし、マチ部は軟質に構成され、マチ部以外の部分は硬質に構成されたものである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
このように構成すると、画材バッグの開状態の容量が、閉状態の容量よりも大きくなる。又、マチ部とそれ以外の部分で硬さに差が生じる。
請求項4記載の発明は、上方が開放された直方体形状の容器状の開状態と、その内部に
収納スペースを有する箱状の閉状態とを切替自在な画材バッグであって、容器状の対向す
る一対の側面部は、その各々が一対の側面部の各々の少なくとも一部を構成する少なくと
も一対の変形自在なマチ部を備え、容器状の底面部は、背面側の第1底面部と正面側の第
2底面部とに罫線を介して回動自在に分割され、開状態において容器状の第1底面部を罫
線を中心として正面方向に回動させたとき、マチ部が変形して折り畳まれ、閉状態に移行
可能とし、直方体形状における背面部の先端縁が閉状態において正面部の上縁と整列する
ものである。
このように構成すると、画材バッグの開状態の容量が、閉状態の容量よりも大きくなる
。又、開状態における背面部が閉状態において正面部と隙間なく接続される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1部分を第2部分側に折り返すことが可能となるため、容量を可変することができるので、使い勝手が向上する。又、直角三角
形の部分とそれ以外の部分で硬さに差が生じるため、画材バッグ全体の強度を保ちながら
折り畳みやすくなる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
請求項2記載の発明は、第1部分を第2部分側に折り返すことが可能となるため、容量
を可変することができるので、使い勝手が向上する。又、開状態における背面部が閉状態
において正面部と隙間なく接続されるため、コンパクトな直方体形状の箱となる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
請求項3記載の発明は、画材バッグの開状態の容量が、閉状態の容量よりも大きくなるため、容量を可変することができるので、使い勝手が向上する。又、マチ部とそれ以外の
部分で硬さに差が生じるため、収納容器全体の強度を保ちながら折り畳みやすくなる。
請求項4記載の発明は、画材バッグの開状態の容量が、閉状態の容量よりも大きくなる
ため、容量を可変することができるので、使い勝手が向上する。又、開状態における背面
部が閉状態において正面部と隙間なく接続されるため、コンパクトな直方体形状の箱とな
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開放された直方体形状を有し、いずれかの側壁に平行な仮想平面により分割された第1部分と第2部分とからなる画材バッグであって、
前記第1部分に属する第1底面部と前記第2部分に属する第2底面部とは折り曲げ自在に接続され、
前記第1部分に属する対向側壁の各々となる第1側壁部において、前記仮想平面に接する辺と、前記第1側壁部の上縁となる辺とを含む直角三角形の部分を変形自在に構成し、
前記仮想平面に接する辺の長さと前記第1側壁部の上縁となる辺の長さとが同一に設定
され、
前記直角三角形の部分は軟質に構成され、前記直角三角形の部分以外の部分は硬質に構
成された、画材バッグ。
【請求項2】
上方が開放された直方体形状を有し、いずれかの側壁に平行な仮想平面により分割され
た第1部分と第2部分とからなる画材バッグであって、
前記第1部分に属する第1底面部と前記第2部分に属する第2底面部とは折り曲げ自在
に接続され、
前記第1部分に属する対向側壁の各々となる第1側壁部において、前記仮想平面に接す
る辺と、前記第1側壁部の上縁となる辺とを含む直角三角形の部分を変形自在に構成し、
前記仮想平面に接する辺の長さと前記第1側壁部の上縁となる辺の長さとが同一に設定
され、
前記直方体形状における背面部の先端縁が閉状態において正面部の上縁と整列する、画
材バッグ。
【請求項3】
上方が開放された直方体形状の容器状の開状態と、その内部に収納スペースを有する箱状の閉状態とを切替自在な画材バッグであって、
前記容器状の対向する一対の側面部は、その各々が一対の前記側面部の各々の少なくとも一部を構成する少なくとも一対の変形自在なマチ部を備え、
前記容器状の底面部は、背面側の第1底面部と正面側の第2底面部とに罫線を介して回動自在に分割され、
前記開状態において前記容器状の前記第1底面部を前記罫線を中心として正面方向に回動させたとき、前記マチ部が変形して折り畳まれ、前記閉状態に移行可能とし、
前記マチ部は軟質に構成され、前記マチ部以外の部分は硬質に構成された、画材バッグ。
【請求項4】
上方が開放された直方体形状の容器状の開状態と、その内部に収納スペースを有する箱
状の閉状態とを切替自在な画材バッグであって、
前記容器状の対向する一対の側面部は、その各々が一対の前記側面部の各々の少なくと
も一部を構成する少なくとも一対の変形自在なマチ部を備え、
前記容器状の底面部は、背面側の第1底面部と正面側の第2底面部とに罫線を介して回
動自在に分割され、
前記開状態において前記容器状の前記第1底面部を前記罫線を中心として正面方向に回
動させたとき、前記マチ部が変形して折り畳まれ、前記閉状態に移行可能とし、
前記直方体形状における背面部の先端縁が閉状態において正面部の上縁と整列する、画
材バッグ。