(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185007
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】冠動脈疾患における積極的脂質低下療法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/47 20060101AFI20221206BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20221206BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A61K31/47
A61P9/00
A61P9/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152660
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2021513031の分割
【原出願日】2018-05-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)平成29年11月13日 「American Heart Association November 11-15, Anaheim,California」にて公開 (2)平成30年3月5日 「Int Heart J March 2018 59 315-320」にて公開 (3)平成30年5月8日 「Circulation, 2018; 137:1997-2009. DOI: 10. 1161/CIRCULATIONAHA. 117.032615, May8, 2018 1997」にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】520440984
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 康
(72)【発明者】
【氏名】永井 良三
(57)【要約】 (修正有)
【課題】中強度スタチンで冠動脈疾患を有する被験者の心血管リスクをさらに低下させる方法を提供する。
【解決手段】1mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量下にある、被験者の有害な心血管事象を予防する方法であって、被験者が120mg/dL未満のLDL-C濃度を有し、治療的に有効な期間、投与量を4mg/日に増やすことを含む方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量下にある、被験者の有害な心血管事象を予防する方法であって、被験者が120mg/dL未満のLDL-C濃度を有し、治療的に有効な期間、投与量を4mg/日に増やすことを含む方法。
【請求項2】
被験者が冠動脈疾患を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
安定冠動脈疾患を有する被験者において、有害な心血管事象を予防し、心血管リスクのバイオマーカーを調節する方法であって、治療的に有効な期間、4mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を被験者に投与することを含む、方法であって、該調節が
a.被験者におけるLDL-Cレベルを低下させること;
b.被験者におけるHDL-Cレベルを上昇させること;
c.被験者におけるTGレベルを低下させること;
d.被験者におけるhs-CRPレベルを低下させること、又は
e.その全てもしくは組み合わせ
から選択される、方法。
【請求項4】
4mg/日を投与する前に、被験者が1mg/日の用量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を投与され、120mg/dL未満のLDL-C濃度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
被験者が、
f.急性心筋梗塞や不安定狭心症等のACSの既往;
g.冠動脈再建術(PCI又は冠動脈バイパス術(CABG)の既往;又は
h.主要心外膜冠動脈において少なくとも75%の狭窄を伴う冠動脈造影に
よって検出されたアテローム動脈硬化性CAD
を特徴とする安定冠動脈疾患を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
被験者が、急性心筋梗塞や不安定狭心症等のACSの既往を特徴とする安定冠動脈疾患を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
被験者が、冠動脈再建術(PCI又は冠動脈バイパス移植(CABG))既往を特徴とする安定冠動脈疾患を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
被験者が、主要心外膜冠状動脈において少なくとも75%の狭窄を有する冠状動脈造影によって検出されるアテローム動脈硬化性CADを特徴とする安定冠動脈疾患を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中強度スタチンで冠状動脈病変を有する患者における心血管リスクをさらに減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心血管(CV)死は重要な医学的及び社会的問題であり、日本を含め、毎年増加している。新規で効果的な薬物治療及び経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の広範な使用により、冠動脈疾患(CAD)患者の転帰が改善されているが、二次予防の患者における再発率は一次予防の患者と比較すると依然として高い(1-3)。
【0003】
多くの疫学研究は、冠動脈死及びCV事象が低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルの上昇と関連することを証明している。さらに、大規模臨床試験では、スタチンを用いた脂質低下療法がCV事象を減少させることが明らかにされている(4-11)。本邦におけるJ-LIT試験及びMUSASHI-AMI試験において、スタチン治療によりLDL-C値を100mg/dL(2.6mmol/L)未満に低下させると、CV事象の再発リスクは有意に低下した(1,12)。これらのことから、日本動脈硬化学会のガイドラインでは、二次予防のためにはLDL-C値を100mg/dL以下にすることが望ましいとされている(13)。この目標は、欧州及び以前の米国のガイドラインで規定された目標よりも高い(14,15)。
【0004】
AtoZ、TNT、IDEAL、及びPROVE-IT研究などの二次予防試験では、高強度脂質低下処理と中強度脂質低下処理との間でCV事象の割合が比較されている(16-19)。これらの試験のメタ分析では、高強度脂質低下治療は中強度脂質低下療法と比較してCV事象率を16%有意に低下させた(20)。CV事象は、急性冠症候群(ACS)患者及び慢性相CAD患者の両方において、LDL-C低下と相関した(21)。したがって、二次予防のために、欧州のガイドラインではLDL-Cの目標値を70mg/dL未満とし、米国心臓病学会(ACC)/アメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインでは高強度スタチン療法が推奨されている(14,22)。ピタバスタチンとして4mgを投与することにより、LDL-Cをベースラインから42.9%低下させることができるとの報告がある(29)。
【0005】
アジア人集団におけるCV事象率は欧州人及び米国人集団におけるそれよりはるかに低いので(23,24)、アジア人集団におけるスタチン療法の利点を確認することは重要である。日本では、二次予防のためのスタチン使用に関する大規模アウトカム研究は実施されていない。しかし、いくつかの試験では血管内超音波を用いて、スタチンによる集中的なLDL-Cの低下がプラーク退縮につながることを示している。ESTABLISH試験、JAPAN-ACS試験、COSMOS試験では、中等度高用量スタチンによる積極的な脂質低下治療によりLDL-Cを70~80mg/dLまで低下させると、冠動脈プラーク容積が有意に減少することが実証された(25-27)。さらに、拡大ESTABLISH試験は、無作為化期間中のプラーク退縮が長期CV事象の減少と相関することを示唆した(28)。しかし、高用量スタチン療法と低用量スタチン療法を比較する前向き臨床試験はアジアで実施されていないため、高用量スタチン療法がアジア人集団の臨床転帰を安全に改善できるかどうかは不明である。
【0006】
本発明の目的は、中強度スタチン療法によってCVリスクが低減されるよりもさらにCVリスクを低減することである。
本発明の別の目的は、そのようなリスク低減戦略が効果的である被験者集団を同定することである。
本発明の別の目的は、確立された冠動脈疾患及び/又は中程度に上昇したLDL-Cレベルを有する被験者におけるCVリスクを低減することである。
本発明の別の目的は、高強度スタチン療法の独特の有効性を同定し、そのような有効性を提供するためにそのような療法を実施することである。
なおさらなる目的は、高リスク患者において、高強度スタチン療法を使用して、心血管リスクのバイオマーカーを調節することである。
【発明の概要】
【0007】
したがって、第一の主実施形態では、本発明は、1mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量下にある、被験者の害心血管事象を予防する方法を提供し、被験者は120mg/dL未満のLDL-C濃度を有し、治療的に有効な期間、投与量を4mg/日に増加させることを含む。被験者は、好ましくは冠動脈疾患を有する。
【0008】
第二の主実施形態において、本発明は安定冠動脈疾患を有する被験者における有害心血管事象を予防する方法を提供し、この方法は、治療的に有効な期間、被験者に4mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を包含する。4mg/日を投与する前に、被験者は好ましくは1mg/日の用量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩が投与され、120mg/dL未満のLDL-C濃度を有する。
【0009】
第三の主実施形態では、本発明は、1mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量下にある、被験者の有害心血管事象を予防する方法を提供し、被験者は安定冠動脈疾患及び120mg/dL未満のLDL-C濃度を有し、治療的に有効な期間、投与量を4mg/日に増加させることを含む。
【0010】
第四の主実施形態において、本発明は安定冠動脈疾患を有する被験者において心血管リスクのバイオマーカーを調節する方法を提供し、この方法は治療的に有効な期間、4mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を被験者に投与することを包含し、ここで、この調節は、(a)被験者におけるLDL-Cレベルを低下させること;(b)被験者におけるHDL-Cレベルを上昇させること;(c)被験者におけるTGレベルを低下させること;(d)被験者におけるhs-CRPレベルを低下させること;又は(e)その全てもしくはそれらの組み合わせから選択される。4mg/日を投与する前に、被験者は好ましくは1mg/日の用量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量下にあり、120mg/dL未満のLDL-C濃度を有する。
【0011】
本発明のさらなる利点は部分的には以下の説明に記載されており、部分的には該説明から明らかであり、又は本発明の実施によって知ることができる。本発明の効果は、添付の請求の範囲において、特に指摘した構成要素の手段及び組合せによって実現され、そして達成されるであろう。前記の全般的な説明及び以下の詳細な説明は単に例示的かつ説明的なものであり、請求の範囲に記載されているように本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は本発明のいくつかの実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【
図1】
図1は、実施例1に記載のヒト臨床試験の理論的根拠及び設計を示す論理的フローチャートである。
【
図2】
図2は、2つの別々の被験者群におけるベースラインで開始したLDL-Cレベルを示し、それぞれ、最初ピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に投与量を増やした(実施例1に記載)。
【
図3】
図3は2つの別々の被験者群におけるベースラインで開始したHDL-Cレベルを示し、それぞれ、最初ピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に投与量を増やした。
【
図4】
図4は2つの別々の被験者群におけるベースライン時に開始したTGレベルを示し、それぞれ、最初ピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に投与量を増やした(実施例1に記載)。
【
図5】
図5は2つの別々の被験者群におけるベースライン時に開始したhs-CRPレベルを示し、それぞれ、最初はピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に投与量を増やした(実施例1に記載)。
【
図6】
図6は2つの別々の被験者群におけるCV事象(CV死、心筋梗塞(MI)、虚血性脳卒中、及び緊急入院を必要とする不安定狭心症(UA)の経時的な累積発生率を示し、それぞれ、最初はピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に増やした(実施例1に記載)。
【
図7】
図7は2つの別々の群におけるCV事象(CV死、MI、虚血性脳卒中、緊急入院を必要とするUA、及び冠動脈血行再建術)の経時的な累積発生率を示し、それぞれ、最初はピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に増やした(実施例1に記載)。
【
図8】
図8は2つの別々の群における個々のCV事象を示し、それぞれ、最初はピタバスタチン1mg/日で維持し、第一の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、第二の群は試験期間中ピタバスタチン4mg/日に増やした(実施例1に記載)。
【
図9】
図9は2つの別々の群における主要な評価項目(CV死、心筋梗塞、虚血性脳卒中、緊急入院を要するUA)のサブグループ解析を示し、投与量は最初にピタバスタチン1mg/日を維持し、最初の群は試験期間中ピタバスタチン1mg/日のままであり、2番目は実施例1に記載されているように、試験期間中ピタバスタチン4mg/日に増やした。
【発明の詳細な説明】
【0013】
用語の定義及び使用
本明細書及び以下の請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は文脈が明らかに異なる意味を表さない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書及び請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は文脈が明らかに異なる意味を表さない限り、複数の言及を含む。例えば、用語「医薬賦形剤」は、本明細書で開示される製剤及び方法で使用するための1以上の医薬賦形剤を指す。
【0014】
本明細書で用いられているように、また、以下の請求項において、「構成する」及び「手段を含む」といった用語及び用語のバリエーションは例えば、他の添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図したものではなく、要素が複数の構成要素、工程又は条件から構成される場合には当該要素もまた、このような複数の組合せからなる、又は「複数の構成要素からなる」又は「本質的に複数の構成要素、工程又は条件からなる」と説明することができることが理解されるのであろう。
【0015】
本出願での数値の使用には、「約」という単語を前に付けることがある。また、範囲の開示は、列挙された最小値と最大値との間のあらゆる値、並びにそのような値によって形成され得るあらゆる範囲を含む連続範囲として意図される。また、本明細書では、開示された数値を任意の他の開示された数値に分割することによって形成することができる任意の及びすべての比率(及び任意のそのような比率の範囲)が開示される。したがって、当業者は多くのそのような比率、範囲、及び比率の範囲が本明細書に提示される数値から明白に導出され得、すべての例において、そのような比率、範囲、及び比率の範囲は本発明の様々な実施形態を表すことを理解するのであろう。
【0016】
本明細書中で使用される「心血管事象」又は「CV事象」はCV死を含むあらゆる有害CV事象;非致死性心筋梗塞(「MI」);非致死性虚血性脳卒中;不安定狭心症(UA)(例えば、侵襲的又は非侵襲的検査によって心筋虚血によって引き起こされると判断され、入院を必要とするUA);心停止;介入、血管形成術、バイパス手術又は動脈瘤修復を必要とする末梢CV疾患;及び新たなうっ血性心不全の発症を含む。
【0017】
本明細書中で使用される場合、「CV事象の発生を予防すること」には、CV事象のリスクを減少させること、CV事象の発生又は発生を遅延させること、及びCV事象の重篤度を最小化することが含まれる。これはまた、(a’)プラセボを被験者に最初に投与する時から該対照被験者における心血管事象までの時間間隔よりも長いか実質的に長い、(a)本明細書に開示された治療有効量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を被験者に最初の投与する時から(b)該被験者における心血管事象までの時間間隔を指す。
【0018】
本明細書中で使用される場合、「治療有効量」は、被験者において所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。治療上有効な量又は用量は、被験者の年齢、性別及び質量、ならびに被験者の現在の医学的状態に依存する。当業者は、自分の知識及び本明細書に含まれる教示に基づいて、上記の要因に応じて適切な量又は用量を決定することができる。
【0019】
ピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量が本文献に記載されている場合、投与量はピタバスタチンの遊離塩基の質量に基づくことが理解されるのであろう。従って、1mg投与量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩は、ピタバスタチンが遊離塩基として存在するか又は塩として存在するかにかかわらず、遊離塩基として1mgのピタバスタチンを含有する。本剤1mgは、ピタバスタチンカルシウムの遊離塩基1mg及びピタバスタチンカルシウム1.045mgを含有する。本発明の全ての実施形態におけるピタバスタチンの好ましい形態は、ピタバスタチンカルシウムである。
【0020】
「薬学的に許容される」とは一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にもその他においても望ましくないものではなく、医薬組成物を調製するのに有用であり、獣医学的使用及びヒトに対する医薬的使用に許容されるものを包含するものを意味する。「薬学的に許容される塩」とは上記で定義したように、薬学的に許容され、所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。
【0021】
用語「処置する」及び「処置」は、本明細書中で使用される場合、疾患、病理学的状態、又は障害(集合的に「障害」と称する)を処理、改善、安定化又は予防することを意図する被験者の医学的管理をいう。これらの用語には、積極的治療、すなわち障害の改善を特に目的とする治療が含まれ、原因的治療、すなわち関連する障害の原因の除去を目的とする治療も含まれる。さらに、この用語には、緩和的治療、すなわち障害の治癒ではなく症状の緩和を目的とした治療;予防的治療、すなわち障害の発生を最小限にするか、部分的又は完全に抑制するか、遅らせることを目的とした治療;及びサポート的治療、すなわち、障害の改善を目的とした別の特異的な治療を補うために用いられる治療が含まれる。ある方法がCVリスクを「低下させる」と言われる場合、この方法はまた「CV疾患を処置する」とも理解される。
【0022】
本明細書に記載される被験者を定義するために使用される場合、本明細書に列挙される全ての分析物測定値は請求項による療法の開始時、すなわち、ピタバスタチン投与量が増加した時に測定される。
【0023】
本明細書において、反する記載がない限り、全ての分析物測定は、空腹状態で行われ、血漿又は血清中の分析物の濃度に基づく。絶食状態とは、被験者が水を除いて8~12時間以内に何も食べなかったことを意味する。分析物を測定する標準的な方法は、米国疾病管理センターによって発行されたLab Protocols for NHANES 2003-2004データに見出すことができる。
【0024】
本明細書中で用いられるように、用語「有意に」は、統計的有意性のレベルをいう。統計的有意性のレベルは例えば、少なくともp<0.05、少なくともp<0.01、少なくともp<0.005、又は少なくともp<0.001であり得る。本明細書で数値又は評価項目が特定されるときはいつでも、好ましい実施形態では、少なくともp<0.05の統計的有意度を有すると理解される。
【0025】
主実施形態の説明
本発明は、ここでは主実施形態及び副実施形態に関して説明される。副実施形態の各々は、本文書において論理的に矛盾するか、又は明示的に否定されない限り、主実施形態のいずれかを修正することができると理解される。さらに、主な実施形態は任意の方法で組み合わせることができ、また、このような組み合わせが本文書において論理的に矛盾するか、又は明示的に否定されない限り、副実施形態は、任意の方法で組み合わせて、主実施形態のいずれかをさらに修正することができると理解される。
【0026】
第一の主実施形態では、本発明は、1mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量下にある、被験者の有害心血管事象を予防する方法であって、被験者が120mg/dL未満のLDL-C濃度を有し、治療的に有効な期間、投与量を4mg/日に増やすことを含む方法を提供する。被験者は、好ましくは冠動脈疾患を有する。
【0027】
第2の主実施形態において、本発明は安定冠動脈疾患を有する被験者における有害な心血管事象を予防する方法を提供し、この方法は、治療的に有効な期間、被験者に4mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を包含する。4mg/日を投与する前に、被験者は好ましくは1mg/日の用量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩が投与され、120mg/dL未満のLDL-C濃度を有する。
【0028】
第3の主実施形態では、本発明が1mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩の投与量で、被験者における有害心血管事象を予防する方法を提供し、被験者は安定冠動脈疾患及び120mg/dL未満のLDL-C濃度を有し、治療的に有効な期間、投与量を4mg/日に増加させることを含む。
【0029】
第4の主実施形態において、本発明は安定冠動脈疾患を有する被験者において心血管リスクのバイオマーカーを調節する方法を提供し、この方法は治療的に有効な期間、4mg/日のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩を被験者に投与することを包含し、ここで、この調節は、(a)被験者におけるLDL-Cレベルを低下させること;(b)被験者におけるHDL-Cレベルを上昇させること;(c)被験者におけるTGレベルを低下させること;(d)被験者におけるhs-CRPレベルを低下させること;又は(e)その全てもしくはその組み合わせから選択される。4mg/日を投与する前に、被験者は好ましくは1mg/日の用量のピタバスタチン又はその薬学的に許容される塩が投与され、120mg/dL未満のLDL-C濃度を有する。
【0030】
副実施形態の議論
以下の副実施形態のそれぞれは前記の主実施形態のそれぞれ及びすべてを限定するために適用することができるが、副実施形態が主実施形態によってすでに完全に包含されている場合には副実施形態は適用されないことが理解されるのであろう。また、副実施形態は論理的及び数学的に可能な任意の方法で互いに組み合わせることができ、同じ制限に対する2つの値が表される場合に、より制限的な値を採用して、さらなる副実施形態を定義することも理解されるだろう。
【0031】
本発明の主実施形態又は副実施形態のいずれにおいても、被験者は、好ましくは(a)急性心筋梗塞又は不安定狭心症などのACSの既往;(b)冠動脈再建術(PCI又は冠動脈バイパス移植(CABG))の既往;又は(c)主要な心外膜冠動脈における少なくとも75%の狭窄を伴う冠動脈血管造影によって検出されたアテローム性動脈硬化症CADを特徴とする、安定した冠動脈疾病を有する。
【0032】
一副実施形態において、本発明の方法は、CV死を予防する。別の副実施形態において、本発明の方法は、心筋梗塞を予防する。別の副実施形態において、本発明の方法は、救急入院を必要とする不安定狭心症(UA)を予防する。別の副実施形態では、本発明の方法が救急入院を必要とするCV死、心筋梗塞、又は不安定狭心症(UA)のいずれかを予防する。別の副実施形態では、本発明の方法がCV死、心筋梗塞、救急入院を必要とする不安定狭心症、又は冠動脈血行再建のいずれかを予防する。別の副実施形態では、本発明の方法が任意の原因による死亡を予防する。別の副実施形態において、本発明の方法は、冠動脈血行再建(全て)を予防する。別の副実施形態において、本発明の方法は、冠動脈血行再建(非TLR)を予防する。別の副実施形態において、本発明の方法は、冠動脈血行再建術(TLR)を予防する。
【0033】
この方法はまた、年齢に応じてヒトにおいて実施することもできる。したがって、一副実施形態において、この方法は、65歳未満の年齢の被験者において実施される。別の副実施形態において、この方法は、65歳以上の年齢の被験者において実施される。
【0034】
この方法はまた、そのII型糖尿病状態に応じてヒトにおいて実施することもできる。したがって、一副実施形態において、この方法は、II型糖尿病を有する被験者において実施される。別の副実施形態において、この方法は、II型糖尿病を有さない被験者において実施される。
【0035】
この方法はまた、LDL-C濃度に基づいてヒトにおいて実施することができる。従って、一副実施形態において、この方法は、95mg/dL未満のLDL-C濃度を有する被験者において実施される。別の副実施形態において、本方法は、95mg/dL以上のLDL-C濃度を有する被験者において実施される。
【0036】
この方法はまた、hs-CRP濃度に基づいてヒトにおいて実施することができる。したがって、一副実施形態において、この方法は、1mg/L未満のhs-CRP濃度を有する被験者において実施される。別の副実施形態では、本方法が1mg/L以上のLDL-C濃度を有する被験者において実施される。
【0037】
この方法はまた、HDL-C濃度に基づいてヒトにおいて実施することができる。したがって、一副実施形態において、この方法は、40mg/dL以下のHDL-C濃度を有する被験者において実施される。別の副実施形態では、本方法が40mg/dLを超えるHDL-C濃度を有する被験者において実施される。
【0038】
本方法はまた、TG濃度に基づいてヒトにおいて実施することができる。したがって、一副実施形態において、この方法は、150mg/dL未満のTG濃度を有する被験者において実施される。別の副実施形態では、本方法が150mg/dL以上のTG濃度を有する被験者において実施される。
【0039】
本方法はまた、人々のボディマス指数(BMI)に基づいてヒトにおいて実施することができる。従って、一副実施形態において、該方法は、25kg/m2未満のBMIを有する被験者において実施される。別の副実施形態では、該方法が25kg/m2以上のBMIを有する被験者において実施される。別の副実施形態では、被験者が28又は26kg/m2未満のボディマス指数を有する。
【0040】
別の副実施形態では、被験者は高血圧症である。別の副実施形態では、被験者は高血圧症ではない。別の副実施形態では、被験者は急性冠症候群(ACS)の病歴を有する。別の副実施形態において、被験者は、急性冠症候群(ACS)の病歴を有さない。別の副実施形態では、被験者は冠状動脈血行再建術を受けている。別の副実施形態では、被験者が冠状動脈血行再建術を受けていない。別の副実施形態では、被験者は虚血性脳卒中である。別の副実施形態では、被験者は虚血性脳卒中ではない。別の副実施形態では、被験者は末梢血管疾患である。別の副実施形態では、被験者は末梢血管疾患ではない。別の副実施形態では、被験者は慢性腎臓病(CKD)(eGFR<60mL/分/1.73m2)である。別の副実施形態では、被験者は慢性腎臓病(CKD)ではない(eGFR<60mL/分/1.73m2)。別の副実施形態では、被験者はアスピリン治療を受けている。
別の副実施形態では、被験者はアスピリン治療を受けていない。別の副実施形態では、被験者は二重抗血小板療法(DAPT)を受けている。別の副実施形態では、被験者は二重抗血小板療法(DAPT)を受けていない。
【0041】
他の副態様において、本方法は、罹患した被験者におけるバイオマーカーレベルを調節するために実施される。したがって、一副実施形態において、方法はさらに、(a)被験者におけるLDL-Cレベルを低下させること;(b)被験者におけるHDL-Cレベルを上昇させること;(c)被験者におけるTGレベルを低下させること;(d)被験者におけるhs-CRPレベルを低下させること;又は(e)全てもしくはその組み合わせを含む。ピタバスタチンの4mg投与前の被験者のLDL-C、HDL-C、TG、及びhs-CRP値は本文書の別の箇所に記載することが望ましい(すなわち、LDL-C<95mg/dL又は≧95mg/dL;hs-CRP<1mg/L又は≧1mg/L;HDL-C≦40mg/dL又は>40mg/dL;及び/又はTG<150mg/dL又は≧150mg/dL)。
【0042】
他の副実施形態では、本方法は民族的背景に基づき、個人に対して実施される。
実施例
【0043】
以下の実施例において、数値(例えば、量、温度等)に関して正確さを保証する努力がなされているが、ある程度の誤差及び偏差は考慮に入れるべきである。以下の実施例は、本明細書においてクレームされる方法がどのように作製され、評価されるかについての完全な開示及び記載を当業者に提供するために記載され、本発明の純粋な例示であることを意図するものであり、本発明者らが発明とみなす範囲を限定することを意図するものではない。
[実施例1]
【0044】
日本人患者の冠動脈疾患における積極的脂質低下療法の評価
試験デザインと目的:
本研究は高用量スタチン療法が低用量スタチン療法と比較して安定CAD患者のCV事象を減少させることができるかを検討するために設計された、前向き、多施設、無作為化、非盲検、盲検、評価項目盲検、医師主導の第4相試験であった。著者らは、ピタバスタチン4mg/日による積極的脂質低下処理が緊急入院を必要とするCV死、非致死的心筋梗塞(MI)、非致死性虚血性脳卒中、及び不安定狭心症からなる複合評価項目の発生率を低下させるという仮説を立てた。対照群にはピタバスタチン1mg/日を投与した。
【0045】
倫理的承認は、公衆衛生研究財団倫理審査委員会及びすべての参加サイトの関連倫理委員会から得られた。全患者が書面によるインフォームドコンセントを提出した。この試験はヘルシンキ宣言の倫理的原則に従って行われた。試験の全体デザインを
図1に示す。
【0046】
試験対象集団及び患者の選択:
臨床的に明らかな安定したCAD及びLDL-Cの上昇が認められる20~80歳の男女を本試験に適格とした。CADは、1)急性心筋梗塞又は不安定狭心症などのACSの既往、2)冠動脈再建術(PCI又は冠動脈バイパス術(CABG))の既往、又は3)主要心外膜冠動脈に75%以上の狭窄を伴う冠動脈造影により検出されたアテローム硬化性CAD(アメリカ心臓協会分類)と定義した(30)。登録時にLDL-Cが高値であった患者は、(1)LDL-Cが140mg/dL以上の慢性脂質低下療法を受けていない患者、(2)LDL-Cが100mg/dL以上で主治医が脂質低下療法を必要と判断した患者、(3)脂質低下療法を受けている患者と定義した。
【0047】
除外基準は、(1)計画されているあらゆる冠動脈血行再建術、(2)有効悪性腫瘍、(3)ピタバスタチンの禁忌(ピタバスタチンに対する過敏症、重度の肝疾患又は肝機能障害、シクロスポリンの同時使用、又は妊娠又は現在の授乳中又はその疑いがある)、(4)重度のうっ血性心不全(駆出率が30%未満又はNYHAクラスが3以上)、(5)現在の血液透析、(6)家族性高コレステロール血症、(7)別の臨床試験への現在の参加、(8)試験中に中止できないいかなる禁止薬物(ピタバスタチン以外の脂質低下薬物)の現在の使用、(9)患者を本試験に適さないとするその他の所見を、治験責任医師の意見で本試験に適さないとした。
【0048】
無作為化及び治療プロトコル:
国内733病院を対象とした。スクリーニング来院時に、インフォームドコンセント及びベースラインの病歴を入手し、臨床試験及び臨床試験を実施した。血液サンプルを採取し、空腹時脂質レベルと患者の標準的な臨床プロフィールを測定した。これまでのすべての脂質低下療法を中止した後、すべての適格患者が非盲検下で1ヵ月以上にわたりピタバスタチン1mg/日による治療を開始した(導入期)。観察期終了時(0週目)に、中央検査機関がFriedwaldの公式を用いて測定したLDL-C値が120mg/dL未満の患者を無作為化に適格とした。ACS又は冠血行再建術歴のある患者は、指標事象後3カ月を超えて無作為に割り付けることができた。観察期の治験薬の付着性が不良(50%未満)の患者、又は観察期の主要評価項目の事象が認められた患者については、無作為化は不可とされた。
【0049】
患者は、ピタバスタチン4mg又はピタバスタチン1mgのいずれかに1:1の比率で無作為に割り付けられた。無作為化治療割り付けは、1)施設、2)スタチン使用歴、3)年齢(65歳未満又は65歳以上)、4)糖尿病、5)性別の5因子で層別化した。患者は3年間追跡調査することとし、初回来院は6ヵ月目、その後は1年ごとに試験来院を予定した。各来院時に、バイタルサイン、臨床評価項目、有害事象、併用薬に関する情報を収集した。さらに、理学的検査及び心電図検査を実施し、脂質及びその他の臨床検査のため、6ヵ月目及びその後12ヵ月ごとに血液検体を採取した。
【0050】
評価項目:
試験の主要評価項目は、CV死、非致死性MI、非致死性虚血性脳卒中、又は緊急入院を必要とする不安定狭心症の複合とした。副次評価項目は、(1)複合CV事象(CV死亡、非致死性MI、緊急入院を要する非致死性虚血性脳卒中、及び以前の冠動脈血行再建術での非標的病変に対する冠動脈血行再建術)、(2)複合冠動脈事象(冠動脈死亡、緊急入院を要する非致死性狭心症、及び冠動脈血行再建術)、(3)複合脳血管事象(致死性又は非致死性脳卒中及び入院を要する一過性虚血性発作)、(4)死亡(全死因死亡、CV死、冠動脈性心疾患による死亡(CHD)、(5)個々の心事象(致死性及び非致死性MI、緊急入院を要する不安定狭心症、うっ血性心不全の一次診断による入院、冠動脈血行再建術)とした。蘇生された心停止、(6)個々の脳血管事象(致死性・非致死性脳卒中、致死性・非致死性出血性脳卒中、入院を要する一過性脳虚血発作)、(7)その他の事象(大動脈瘤の操作又は破裂、大動脈解離、末梢動脈疾患に対する血行再建術、頸動脈内膜切除術又はステント留置術、静脈血栓塞栓症、悪性腫瘍の新規発症、大動脈弁狭窄症に対する操作)。
【0051】
ベースラインデータ:
試験対象集団は768施設の患者から構成された。最初の患者は2010年1月に募集された。無作為化は2010年4月から2013年7月にかけて行われた。非盲検導入期に移行した14,774例のうち、13,054例がピタバスタチン1mg群又は4mg群に無作為化された。無作為化された患者で、早期に同意を撤回し、登録基準に違反した患者は除外した。これら12,413例のベースライン特性を表1に示す。BMIはボディマス指数;UAは不安定狭心症;PCIは経皮的冠動脈インターベンション;CABGは冠動脈バイパス術;CADは冠動脈疾患;LDL-Cは低密度リポタンパク質コレステロール;HDL-Cは高密度リポタンパク質コレステロール;Apoはアポリポタンパク;hsCRPは高感度C反応性タンパク;IQRは四分位範囲;及びHbA1CはヘモグロビンA1Cである。
【0052】
【0053】
結果:
試験の結果を
図2~9に報告する。以下のことが伺える:
患者に対してピタバスタチンの投与量を1mgから4mgに変更すると、LDL-Cが統計学的に有意に低下した(
図2);
患者に対してピタバスタチンの投与量を1mgから4mgに変更すると、HDL-Cが数値的に優れて上昇した(
図3);
患者に対してピタバスタチンの投与量を1mgから4mgに変更すると、TGが統計学的に有意に低下した(
図4);
患者に対してピタバスタチンの投与量を1mgから4mgに変更すると、hs-CGPが統計学的に有意に低下した(
図5);
患者に対してピタバスタチンの投与量を1mgから4mgに変更すると、主要臨床評価項目(心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中及びUAの複合)が統計学的に有意に低下した(
図6);
患者に対してピタバスタチンの投与量を1mgから4mgに変更すると、副次臨床評価項目(主要評価項目+冠動脈血行再建術)が統計学的に有意に低下した(
図7);
特に原因を問わない明確な死、心筋梗塞及び冠血行再建術の結果に重点を置いた、1mg及び4mgピタバスタチン群における個々の心血管事象の発現率(
図8);及び
特にLDL-Cサブグループに重点を置いた、様々な患者背景に基づいて分類した主要評価項目の発現率は、LDL-Cの状態は(≧95mg/dL又は<95mg/dLのいずれであっても)結果に影響を及ぼさないことを示した(
図9)。
【0054】
引用文献
1.Mabuchi H, Kita T, Matsuzaki M, et al. Large scale cohort study of the relationship between serum cholesterol concentration and coronary events with low-dose simvastatin therapy in Japanese patients with hypercholesterolemia and coronary heart disease: secondary prevention cohort study of the Japan Lipid Intervention Trial (J-LIT). Circ J 2002 ; 66: 1096-100.
2.Japanese Coronary Artery Disease (JCAD) Study Investigators. Current status of the background of patients with coronary artery disease in Japan. Circ J 2006; 70: 1256-62.
3.Yokoyama M, Origasa H, Matsuzaki M, et al. Effects of eicosapentaenoic acid
on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis. Lancet 2007; 369: 1090-8.
4.Scandinavian Simvastatin Survival Study Group. Randomised trial of cholesterol lowering in 4444 patients with coronary heart disease: the Scandinavian Simvastatin Survival Study (4S). Lancet 1994; 344: 1383-9.
5.Sacks FM, Pfeffer MA, Moye LA, et al. The effect of pravastatin on coronary
events after myocardial infarction in patients with average cholesterol levels. Cholesterol and Recurrent Events Trial inves tigators. N Engl J Med 1996; 335: 1001-9.
6.West of Scotland Coronary Prevention Study Group. Influence of pravastatin and plasma lipids on clinical events in the West of Scotland Coronary Prevention Study (WOSCOPS). Circulation 1998; 97: 1440-5.
7.The Long-Term Intervention with Pravastatin in Ischaemic Disease (LIPID) Study Group. Prevention of cardiovascular events and death with pravastatin in patients with coronary heart disease and a broad range of initial cholesterol levels. N Engl J Med 1998; 339: 1349-57.
8.Heart Protection Study (HPS) Collaborative Group. MRC/BHF Heart Protection Study of cholesterol lowering with simvastatin in 20,536 high-risk individuals: a randomised placebo-controlled trial. Lancet 2002; 360 : 7-22.
9.Sever PS, Dahlof B, Poulter NR, et al. Prevention of coronary and stroke events with atorvastatin in hypertensive patients who have average or lower-than-average cholesterol concentrations, in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Lipid Lowering Arm (ASCOT-LLA): a multicentre randomised controlled trial. Lancet 2003; 361: 1149-58.
10.Colhoun HM, Betteridge DJ, Durrington PN, et al. Primar y prevention of cardiovascular disease with atorvastatin in type 2 diabetes in the Collaborative Atorvastatin Diabetes Study (CARDS): multicentre randomised placebo-controlled
trial. Lancet 2004; 364: 685-96.
11.Nakamura H, Arakawa K, Itakura H, et al. Primary prevention of cardiovascular disease with pravastatin in Japan (MEGA Study): a prospective randomised controlled trial. Lancet 2006; 368: 1155-63.
12.Sakamoto T, Kojima S, Ogawa H, et al. Effects of early statin treatment on
symptomatic heart failure and ischemic events after a cute myocardial infarction in Japanese. Am J Cardiol 2006; 97: 1165-71.
13.Teramoto T, Sasaki J, Ishibashi S, et al. Executive summary of Japan Atherosclerosis Society (JAS) guideline for diagnosis and prevention of atherosclerosis cardiovascular diseases in Japan2012 version. J Atheroscler Thromb 2012; 20: 517-23.
14.Piepoli MF, Hoes AW, Agewall S, et al. 2016 European Guidelines on cardiovascular disease prevention in clinical practice: The Sixth Joint Task Force of the European Society of Cardiology and Other Societies on Cardiovascular Disease Prevention in Clinical Practice (constituted by representatives of 10 societies and by invited experts): Developed with the special contribution of the European Association for Cardiovascular Prevention & Rehabilitation (EACPR). Eur Heart J 2016; 37: 23 15-81.
15.Grundy SM, Cleeman JI, Merz CN, et al. Implications of Recent Clinical Trials for the National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III Guidelines. Circulation 2004; 110: 227-39.
16.de Lemos JA, Blazing MA, Wiviott SD, et al. Early intensive vs a delayed conservative simvastatin strategy in patients with acute coronary syndromes: phase Z of the A to Z trial. JAMA 2004; 292: 1307-16.
17.LaRosa JC, Grundy SM, Waters DD, et al. Intensive lipid lowering with atorvastatin in patients with stable coronary disease. N E ngl J Med 2005; 352: 1425-35.
18.Pedersen TR, Faergeman O, Kastelein JJ, et al. High-dose atorvastatin vs usual-dose simvastatin for secondary prevention after myocardial infarction: the IDEAL study: a randomized controlled trial. J AMA 2005; 294: 2437-45.
19.Cannon CP, Braunwald E, McCabe CH, et al. Intensive versus moderate lipid lowering with statins after acute coronary syndromes. N Engl J Med 2004; 350: 1495-504.
20.Cannon CP, Steinberg BA, Murphy SA, Mega JL, Braunwald E. Meta-analysis of
cardiovascular outcomes trials comparing intensive versus moderate statin therapy. J Am Coll Cardiol 2006; 48: 438-45.
21.Josan K, Majumdar SR, McAlister FA. The efficacy and safety of in tensive statin therapy: a meta-analysis of randomized trials. CMAJ 2008;178: 576-84.
22.Stone NJ, Robinson J, Lichtenstein AH, et al. 2013 ACC/A HA guideline on the treatment of blood cholesterol to reduce atherosclerotic cardiovascular risk
in adults: a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol 2014; 63: 2889-934.
23.Kaneko H, Yajima J, Oikawa Y, et al. Recent characteristics and outcomes of Japanese stable angina pectoris after percutaneouscoronary intervention. An
observational cohort study using the Shinken Database. Int Heart J 2013; 54: 335-40.
24.Natsuaki M, Furukawa Y, Morimoto T, et al. Intensity of statin therapy, achieved low-density lipoprotein cholesterol levels and cardiovascular outcomes in Japanese patients after coronary revascularization. Perspectives from the CREDO-Kyoto registry cohort-2. Circ J 2012 ; 76: 1369-79.
25.Okazaki S, Yokoyama T, Miyauchi K, et al. Early statin treatment in patients with acute coronary syndrome: demonstration of the beneficial effect on atherosclerotic lesions by serial volumetric intravascularultrasound analysis during half a year after coronary event: the ESTABLISH Study. Circulation 2004; 110: 1061-8.
26.Hiro T, Kimura T, Morimoto T, et al. Effect of intensive statin therapy on
regression of coronary atherosclerosis in patients with acute coronary syndrome. J Am Coll Cardiol 2009; 54: 293-302.
27.Takayama T, Hiro T, Yamagishi M, et al. Effect of rosuvastatin on coronary
atheroma in stable coronary artery disease: multicenter coronary atherosclerosis study measuring effects of rosuvastatin using intravascular ultrasound in Japanese subjects (COSMOS). Circ J 2009; 73: 2110-7.
28.Dohi T, Miyauchi K, Okazaki S, et al. Plaque regression determined by intravascular ultrasound predicts long-term outcomes of patients with acute coronary syndrome. J Atheroscler Thromb 2011; 18: 231-9.
29.Ose L, Budinski D, Hounslow N, Arneson V. Long-term treatment with pitavastatin is effective and well tolerated by patients with primary hypercholesterolemia or combined dyslipidemia. Atherosclerosis 2010; 210: 202-8.
30.Austen WG, Edwards JE, Frye RL, et al. A reporting system on patients evaluated for coronary artery disease. Report of the Ad Hoc Committee for Grading of Coronary Artery Disease, Council on Cardiovascular Surgery, American Heart Association. Circulation 1975; 51 (4 Supp l): 5-40.
【0055】
本願全体を通して、様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示は、その全体において本発明が関係する技術水準をより完全に記載するために、本明細書中に参考として援用される。当業者には、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変形を本発明において行うことができることが明らかであろう。本発明の他の形態は当業者であれば、本明細書及びここに開示した本発明のプラクティスから導き出さすことができる。本明細書及び各実施形態は単に例示を意図するにすぎず、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の請求の範囲に記載されている。