(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185020
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】通信システム、セントラルユニット、およびユーザ装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/15 20180101AFI20221206BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221206BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221206BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20221206BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W72/04 111
H04W16/28
H04W88/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154353
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2018559625の分割
【原出願日】2017-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2016255832
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】下田 忠宏
(72)【発明者】
【氏名】望月 満
(57)【要約】
【課題】通信効率を高めることができる通信システムを提供する。
【解決手段】通信システムは、ユーザ装置202と、前記ユーザ装置202と無線通信するディストリビューテッドユニット(DU)802と、前記DU802に接続されるセントラルユニット(CU)803と、を備える。前記CU803は、前記DU802による前記ユーザ装置202との無線通信に用いられるRRCパラメータを、前記DU802に送信する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置と、
前記ユーザ装置と無線通信するディストリビューテッドユニット(DU)と、
前記DUに接続されるセントラルユニット(CU)と、を備える通信システムであって、
前記CUは、前記DUによる前記ユーザ装置との無線通信に用いられるRRCパラメータを、前記DUに送信する
通信システム。
【請求項2】
前記RRCパラメータは、スケジューリングリクエスト(SR)の周期及びオフセットに関するパラメータである
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記RRCパラメータは、Ack/Nackレペティションに関するパラメータである
請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記RRCパラメータは、サウンディング参照信号(SRS)に関するパラメータである
請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記RRCパラメータは、チャネル品質インジケータ(CQI)/チャネル状態情報(CSI)に関するパラメータである
請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記RRCパラメータは、無線リンク制御(RLC)に関するパラメータである
請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
ユーザ装置と、
前記ユーザ装置と無線通信するディストリビューテッドユニット(DU)と、
前記DUに接続されるセントラルユニット(CU)と、を備える通信システムにおける前記セントラルユニットであって、
前記DUによる前記ユーザ装置との無線通信に用いられるRRCパラメータを、前記DUに送信する
セントラルユニット。
【請求項8】
ユーザ装置と、
前記ユーザ装置と無線通信するディストリビューテッドユニット(DU)と、
前記DUに接続されるセントラルユニット(CU)と、を備える通信システムにおける前記ユーザ装置であって、
前記CUから受信したRRCパラメータを用いて無線通信を実行する前記DUと無線通信する
ユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、セントラルユニット、およびユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称し、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、ネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される通信方式が検討されている(例えば、非特許文献1~5)。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
【0003】
LTEのアクセス方式としては、下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。また、LTEは、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)とは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、
図1を用いて説明する。
図1は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
図1において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P-SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S-SS)とがある。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルにおいてもnon-CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。
【0006】
物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)は、基地局装置(以下、単に「基地局」という場合がある)から移動端末装置(以下、単に「移動端末」という場合がある)などの通信端末装置(以下、単に「通信端末」という場合がある)への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
【0007】
物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの数を、基地局から通信端末へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
【0008】
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述のトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL-SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、後述のトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL-SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
【0009】
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、およびトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
【0010】
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
【0011】
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
【0012】
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、トランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL-SCH)がマッピングされている。
【0013】
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0014】
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、UE固有参照信号(UE-specific Reference Signal)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM-RS)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal:PRS)、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI-RS)。通信端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
【0015】
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、説明する。下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
【0016】
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL-SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL-SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL-SCHは、通信端末の低消費電力化のために通信端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL-SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
【0017】
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、通信端末の低消費電力を可能とするために通信端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
【0018】
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
【0019】
上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL-SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL-SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
【0020】
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
【0021】
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せによって、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送によって誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
【0022】
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
【0023】
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、説明する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。
【0024】
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、通信端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
【0025】
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、通信端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、通信端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0026】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから通信端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0027】
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、通信端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、通信端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。
【0028】
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別通信端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。
【0029】
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから通信端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0030】
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)のことである。ECGIとは、E-UTRANセルグローバル識別子(E-UTRAN Cell Global Identifier)のことである。LTE、後述のLTE-A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSG(Closed Subscriber Group)セルが導入される。
【0031】
CSG(Closed Subscriber Group)セルとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のセルを「CSGセル(CSG cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。
【0032】
CSGセルは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID)を報知し、CSGインジケーション(CSG Indication)にて「TRUE」を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG IDを用いてCSGセルにアクセスする。
【0033】
CSG IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。LTE方式の通信システムにCSG IDは複数存在する。そして、CSG IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、通信端末(UE)によって使用される。
【0034】
通信端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても通信端末の位置を追跡し、通信端末を呼び出す、換言すれば通信端末が着呼することを可能にするために行われる。この通信端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
【0035】
3GPPにおいて、Home-NodeB(Home-NB;HNB)、Home-eNodeB(Home-eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、およびE-UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献2には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)とが開示されている。
【0036】
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている(非特許文献3、非特許文献4参照)。LTE-Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。
【0037】
LTE-Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(「アグリゲーション(aggregation)する」とも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。CAについては、非特許文献1に記載されている。
【0038】
CAが構成される場合、UEはネットワーク(Network:NW)と唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
【0039】
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとともに、サービングセルの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
【0040】
一つのPCellと一つ以上のSCellとからなるサービングセルの組が、一つのUEに対して構成される。
【0041】
また、LTE-Aでの新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE-Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献1に記載されている。
【0042】
また、3GPPにおいて、将来の膨大なトラフィックに対応するために、スモールセルを構成するスモールeNB(以下「小規模基地局装置」という場合がある)を用いることが検討されている。例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを構成することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。具体的には、UEが2つのeNBと接続して通信を行うデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity;略称:DC)などがある。DCについては、非特許文献1に記載されている。
【0043】
デュアルコネクティビティ(DC)を行うeNBのうち、一方を「マスターeNB(略称:MeNB)」といい、他方を「セカンダリeNB(略称:SeNB)」という場合がある。
【0044】
モバイルネットワークのトラフィック量は、増加傾向にあり、通信速度も高速化が進んでいる。LTEおよびLTE-Aが本格的に運用を開始されると、更に通信速度が高速化されることが見込まれる。
【0045】
さらに、高度化する移動体通信に対して、2020年以降にサービスを開始することを目標とした第5世代(以下「5G」という場合がある)無線アクセスシステムが検討されている。例えば、欧州では、METISという団体で5Gの要求事項がまとめられている(非特許文献5参照)。
【0046】
5G無線アクセスシステムでは、LTEシステムに対して、システム容量は1000倍、データの伝送速度は100倍、データの処理遅延は10分の1(1/10)、通信端末の同時接続数は100倍として、更なる低消費電力化、および装置の低コスト化を実現することが要件として挙げられている。
【0047】
このような要求を満たすために、3GPPでは、リリース14として、5Gの規格検討が進められている(非特許文献6~10参照)。5Gの無線区間の技術は、「New Radio(略称:NR) Access Technology」と称され、いくつかの新たな技術が検討されている(非特許文献11~14参照)。例えば、RRCを伴わないモビリティ、アナログビームフォーミングやハイブリッドビームフォーミングによるマルチビームフォーミング(MBF)、ネットワークスライシングなどが検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0048】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 V14.0.0
【非特許文献2】3GPP S1-083461
【非特許文献3】3GPP TR 36.814 V9.0.0
【非特許文献4】3GPP TR 36.912 V13.0.0
【非特許文献5】“Scenarios, requirements and KPIs for 5G mobile and wireless system”、[online]、平成25(2013)年4月30日、ICT-317669-METIS/D1.1、[平成28年12月8日検索]、インターネット<https://www.metis2020.com/documents/deliverables/>
【非特許文献6】3GPP TR 23.799 V1.1.0
【非特許文献7】3GPP TR 38.801 V0.4.0
【非特許文献8】3GPP TR 38.802 V1.0.0
【非特許文献9】3GPP TR 38.804 V0.4.0
【非特許文献10】3GPP TR 38.912 V0.0.2
【非特許文献11】3GPP R2-164670
【非特許文献12】3GPP TS 36.331 V14.0.0
【非特許文献13】3GPP R1-165364
【非特許文献14】3GPP R2-165542
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0049】
NRでは、RRCを伴わないモビリティが検討されている。LTEに比べて高い周波数を用いるNRでは、ビームを形成して狭い範囲に電力を集中させ、1つまたは複数のビームを用いることによって、必要なカバレッジをカバーする。UEの移動にともなってビームの移動が頻繁に発生するので、RRCを伴わないモビリティによって、ビーム間移動に伴うシグナリングを少なくする。
【0050】
NRにおける、複数のビーム、あるいは複数のTRP(Transmission/Reception Point)を用いた通信においては、各ビーム、あるいは各TRPによって、通信可能な空間が分離されている。このような場合についてRRCのパラメータをどのように扱うかは、開示されていない。そのため、通信可能な空間がセル内で分離されても、セル内に収容可能なUE数を増加させることができない。
【0051】
また、通信用の無線リソースとして複数のキャリアを集めて使用するキャリアアグリゲーション(CA)をNRに適用する場合、セルのどのビームをアグリゲーションしたらよいかが不明となってしまうので、gNBはUEに対してCAを設定できない。そのため、多くの無線リソースを使用できなくなり、UEに対して、高速、大容量の通信サービスを提供できなくなってしまう。
【0052】
また、LTEにおいて、高速および大容量の通信サービスを提供するための技術として用いられているDC(Dual Connectivity)では、マスター基地局(Master eNB:MeNB)からセカンダリ基地局(Secondary eNB:SeNB)のベアラ設定を要求していた。このベアラ設定要求には、E-RABパラメータを用いていた。ところが、5Gにおいては、ネットワークスライシングを用いるので、CN-RAN間ではフローベース制御を用い、RANではベアラベース制御を用いることが議論されている。このことにより、E-RABがなくなるので、MgNB(Master gNB)からSgNB(Secondary gNB)へのベアラ設定要求方法が不明となってしまう。したがって、5Gにおいては、DCを使用できず、無線リソースの使用効率を大きく減少させる。
【0053】
本開示の一の目的は、NRにおいて、UEの収容数を増加させるとともに、UEにおいて高速および大容量の通信を可能とする通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0054】
本開示に係る通信システムは、ユーザ装置と、ディストリビューテッドユニット(DU)と、セントラルユニット(CU)と、を備える。
【0055】
前記DUは前記ユーザ装置と無線通信する。前記CUは前記DUに接続される。
【0056】
前記CUは、前記DUによる前記ユーザ装置との無線通信に用いられるRRCパラメータを、前記DUに送信する。
【0057】
本開示に係るセントラルユニット(CU)は、ユーザ装置と、前記ユーザ装置と無線通信するディストリビューテッドユニット(DU)と、前記DUに接続される前記CUと、を備える通信システムにおける前記CUである。
【0058】
前記CUは、前記DUによる前記ユーザ装置との無線通信に用いられるRRCパラメータを、前記DUに送信する。
【0059】
本開示に係るユーザ装置は、前記ユーザ装置と、前記ユーザ装置と無線通信するディストリビューテッドユニット(DU)と、前記DUに接続されるセントラルユニット(CU)と、を備える通信システムにおける前記ユーザ装置である。
【0060】
前記ユーザ装置は、前記CUから受信したRRCパラメータを用いて無線通信を実行する前記DUと無線通信する。
【発明の効果】
【0061】
本開示に係る通信システムによれば、通信効率を高めることができる。
【0062】
本開示に係るセントラルユニットによれば、高い通信効率を有する通信システムを構成することができる。
【0063】
本開示に係るユーザ装置によれば、高い通信効率を有する通信システムを構成することができる。
【0064】
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【
図2】3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明に係る通信端末である
図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る基地局である
図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
【
図6】LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。
【
図7】マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。
【
図8】実施の形態1について、複数のビームあるいはTRPによる通信可能な空間の分離を示す図である。
【
図9】実施の形態2について、ビーム/TRP切り替えをMACシグナリングを用いて行う場合のシーケンス図である。
【
図10】実施の形態3について、ビーム/TRP切り替えをMACシグナリングを用いて行う場合のシーケンス図である。
【
図11】実施の形態4について、ビーム/TRP切り替えをMACシグナリングを用いて行う場合のシーケンス図である。
【
図12】実施の形態6について、gNBにおいてビーム単位で設定するCAのアーキテクチャを説明する図である。
【
図13】実施の形態6について、RRCシグナリングを用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図14】実施の形態6について、RRCシグナリングを用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図15】実施の形態6の変形例1について、ビームのact/deact情報のMAC CEの一例を示す図である。
【
図16】実施の形態6の変形例1について、MACシグナリングを用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図17】実施の形態6の変形例1について、MACシグナリングを用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図18】実施の形態6の変形例2について、L1/L2制御信号を用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図19】実施の形態6の変形例2について、L1/L2制御信号を用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図20】実施の形態6の変形例2について、L1/L2制御信号を用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図21】実施の形態7について、DC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図22】実施の形態7について、DC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図23】実施の形態7について、DC(SCGベアラ)設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図24】実施の形態7について、DC(SCGベアラ)設定シーケンスの一例を示す図である。
【
図25】実施の形態7の変形例1について、PDUセッション毎のDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図26】実施の形態7の変形例1について、PDUセッション毎のDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図27】実施の形態7の変形例1について、DC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図28】実施の形態7の変形例1について、他のDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図29】実施の形態7の変形例1について、他のDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図30】実施の形態7の変形例2について、PDUセッション毎のDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
【
図31】実施の形態7の変形例2について、PDUセッション毎のDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。
図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
【0067】
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
【0068】
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E-UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
【0069】
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
【0070】
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
【0071】
基地局203は、eNB207と、Home-eNB206とに分類される。通信システム200は、複数のeNB207を含むeNB群203-1と、複数のHome-eNB206を含むHome-eNB群203-2とを備える。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
【0072】
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS-GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS-GWを含むMME/S-GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
【0073】
Home-eNB206は、MME部204とS1インタフェースにより接続され、Home-eNB206とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのMME部204に対して、複数のHome-eNB206が接続される。あるいは、Home-eNB206は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)205を介してMME部204と接続される。Home-eNB206とHeNBGW205とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW205とMME部204とはS1インタフェースを介して接続される。
【0074】
一つまたは複数のHome-eNB206が一つのHeNBGW205と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW205は、一つまたは複数のMME部204と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
【0075】
MME部204およびHeNBGW205は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207およびHome-eNB206と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203およびHeNBGW205は、E-UTRAN201を構成する。
【0076】
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home-eNB206間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home-eNB206間は、X2インタフェースにより接続され、Home-eNB206間で制御情報が通信される。MME部204からは、HeNBGW205はHome-eNB206として見える。Home-eNB206からは、HeNBGW205はMME部204として見える。
【0077】
Home-eNB206が、HeNBGW205を介してMME部204に接続される場合および直接MME部204に接続される場合のいずれの場合も、Home-eNB206とMME部204との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。
【0078】
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
【0079】
図3は、本発明に係る通信端末である
図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。
図3に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307から基地局203に送信信号が送信される。
【0080】
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、
図3では省略しているが、各部301~309と接続している。
【0081】
図4は、本発明に係る基地局である
図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。
図4に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)、HeNBGW205などとの間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
【0082】
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。
【0083】
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータはEPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、
図4では省略しているが、各部401~410と接続している。
【0084】
図5は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
図5では、前述の
図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
【0085】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
【0086】
HeNBGW通信部504は、HeNBGW205が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME204aとHeNBGW205との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部504から受信した制御データは、HeNBGW通信部504から制御プレイン制御部505へ渡される。制御プレイン制御部505での処理の結果は、PDN GW通信部501経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部505で処理された結果は、基地局通信部502経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局203へ送信され、またHeNBGW通信部504経由で1つあるいは複数のHeNBGW205へ送信される。
【0087】
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505-1、SAEベアラコントロール部505-2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505-3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505-1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505-2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505-3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE-IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
【0088】
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるHome-eNB206のCSGの管理、CSG IDの管理、およびホワイトリストの管理は、アイドルステートモビリティ管理部505-3で行われてもよい。
【0089】
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。
図6は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P-SS)、および第二同期信号(S-SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
【0090】
P-SSとS-SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
【0091】
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST601で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
【0092】
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
【0093】
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0094】
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL-SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
【0095】
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
【0096】
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
【0097】
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE-IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
【0098】
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
【0099】
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
【0100】
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
【0101】
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
【0102】
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
【0103】
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
【0104】
図7は、マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。マクロeNBによって構成されるマクロセルは、比較的広い範囲のカバレッジ701を有する。スモールeNBによって構成されるスモールセルは、マクロeNB(マクロセル)のカバレッジ701に比べて範囲が小さいカバレッジ702を有する。
【0105】
複数のeNBが混在する場合、あるeNBによって構成されるセルのカバレッジが、他のeNBによって構成されるセルのカバレッジ内に含まれる場合がある。
図7に示すセルの構成では、参照符号「704」または「705」で示されるように、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702が、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合がある。
【0106】
また、参照符号「705」で示されるように、複数、例えば2つのスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合もある。移動端末(UE)703は、例えばスモールセルのカバレッジ702内に含まれ、スモールセルを介して通信を行う。
【0107】
また
図7に示すセルの構成では、参照符号「706」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが複雑に重複する場合が生じる。
【0108】
また、参照符号「707」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが重複しない場合も生じる。
【0109】
さらには、参照符号「708」で示されるように、多数のスモールeNBによって構成される多数のスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロeNBによって構成される1つのマクロセルのカバレッジ701内に構成される場合も生じる。
【0110】
LTEのハンドオーバにおいて、移動先にてUEが用いるパラメータ(例えば、セルIDなど)を移動先セルが生成し、生成されたパラメータは移動元のセルからUEに対してRRCシグナリングとして通知される(非特許文献1参照)。
【0111】
NRにおいては、ビームを用いた通信が検討されている。NRにおいては、UEの移動によってUEが帰属するビームが頻繁に切り替わることから、UEのビーム間移動において、RRCを用いないモビリティが検討されている(非特許文献11参照)。
【0112】
また、3GPPでは、gNBが二つのユニットに分離されることが提案されている(非特許文献7参照)。当該二つのユニットを各々CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)と称する。CUに複数のDUが接続される。例えば、CUはPDCP、RLC、MACおよびH-PHYを有することが提案されている。DUはL-PHYを有することが提案されている。他の方法として、CUがPDCPを有し、DUがRLC、MAC、PHYを有すること、あるいは、CUがPDCPおよびH-RLCを有し、DUがL-RLC、MACおよびPHYを有することが提案されている。TRPはDUと同じ機能を有してもよい。DUあるいはTRPは一つまたは複数のビームを構成する。
【0113】
また、UEのビームあるいはTRP(Transmission/Reception Point)間の移動においては、TRPがレイヤ2の機能を持つ場合について、セル間モビリティ、すなわち、RRCシグナリングを用いたモビリティを行い、また、TRPがレイヤ2の機能を持たない場合について、ビーム間モビリティ、すなわち、RRCシグナリングを用いないモビリティを行うことが検討されている(3GPP R2-167024(以下「参考文献1」という)参照)。
【0114】
NRにおける、複数のビーム、あるいは複数のTRPを用いた通信においては、各ビーム、あるいは各TRPによって、通信可能な空間が分離されている。
【0115】
図8は、複数のビームあるいはTRPによる、通信可能な空間の分離を示す図である。
図8において、gNB800は、1つのCU(Central Unit)および2つのDU(Distributed Unit)により構成される。DU#1 801およびDU#2 802はそれぞれCU803に接続されている。DUは、TRPであってもよい。
【0116】
図8において、DU#1はビーム#1 804、ビーム#2 805およびビーム#3 806を持ち、DU#2はビーム#4 807、ビーム#5 808、ビーム#6 809およびビーム#7 810を持つ。セル811、すなわち、gNBが通信可能な空間は、ビーム#1 804~ビーム#7 810によって互いに分離されている。
【0117】
図8において、1つのDUが用いられてもよいし、複数のDUが用いられてもよい。また、CUとDUとが分離されておらず、1つの装置として構成されていてもよい。
【0118】
ところが、前述のように、1つのセルが各ビームあるいは各TRPによって空間分離されている場合について、RRCのパラメータをどのように扱うかは、開示されていない。
【0119】
本実施の形態1では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0120】
一つのセルに属するビーム、あるいはTRP内では、1つのUEに対して同じRRCパラメータを共有する。RRCパラメータは、非特許文献12の6.3.2節に示すものであってもよい。RRCパラメータは、例えば、SRに関するものであってもよいし、Ack/Nackレペティション(repetition)に関するものであってもよいし、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)に関するものでもよいし、CQI/CSIに関するものでもよい。
【0121】
RRCパラメータの共有にあたり、gNBのCUは、該セル内の各TRPにRRCパラメータを通知するとよい。この通知は、特に、物理レイヤに関するRRCパラメータについて行ってもよい。物理レイヤに関するRRCパラメータは、例えば、SRSの周波数リソースを示すものであってもよい。このようにすることで、各TRPにおける変調および復調を容易にすることができる。
【0122】
あるいは、一つのセルに属するビーム、またはTRP内でビームスイーピングに必要なパラメータを共有してもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータとしては、例えば、ビームスイーピングの周期であってもよいし、ビームスイーピング1回あたりの継続時間であってもよいし、1つのビームに要する時間であってもよい。前述のパラメータを、新たなRRCパラメータとして設けてもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号受信を容易にすることができる。
【0123】
CUは、該セル内の各TRPに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、各TRPにおけるビームスイーピング信号の送信を容易にすることができる。
【0124】
前述において、CUからTRPへのRRCパラメータ通知には、例えば、CPRI(Common public radio interface)の制御ワードの領域を用いてもよい。該制御ワードは、CU-DU間インタフェースにCPRIを用いているときに使用するとよい。このことによって、CPRI上でCUとDUを流れるユーザデータの帯域を圧迫せずに、RRCパラメータを通知することができる。
【0125】
前述において、CUからTRPへのRRCパラメータ通知には、ASN.1(Abstract Syntax Notation One)のフォーマットを用いてもよいし、他のフォーマットを用いてもよい。ASN.1を用いることによって、DUは、RRCシグナリングと同じフォーマットでTRPにパラメータを通知できるので、DUのTRPへのRRCパラメータ通知の処理が簡単になる。
【0126】
本実施の形態1によって、1つのセル内に複数のビームあるいはTRPが存在するときにおいても、CUにおいてRRCパラメータを管理することができる。また、セル内のビーム間、あるいはTRP間で同じRRCパラメータを共有することによって、CUにおける無線リソース管理を簡単にすることができる。
【0127】
実施の形態1によれば、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線ビームを用いて無線通信を行う基地局装置とを含み、基地局装置によって構成されるセルは、基地局装置の配下にある複数の無線ビームによって、空間分離されており、基地局装置は、通信端末装置に対して用いるRRC(Radio Resource Control)パラメータを、同じセルに属する複数の無線ビームで共有する、通信システムが提供される。なお、複数の無線ビームは、
図8に例示したように複数のDU(言い換えるとTRP)によって形成されてもよいし、1つのDUによって形成されてもよい。
【0128】
この構成によれば、通信端末装置に対して用いるRRCパラメータを、基地局装置によって構成されるセルを空間分離する複数の無線ビームのうちの2つ以上で共有する。このため、前述のように、無線リソース管理を簡単にすることができる。ここで、上記構成は、前述のように、様々に変形することが可能である。また、実施の形態1では同じセルに属する全ての無線ビームでRRCパラメータを共有する例を述べたが、上記構成はこの例に限定されるものではない(例えば、後述の実施の形態8およびその変形例を参照)。
【0129】
実施の形態2.
実施の形態1においては、セル内の異なるビーム間あるいは異なるTRP間でRRCパラメータを共有することを示したが、RRCパラメータを共有しないこととしてもよい。RRCパラメータは、実施の形態1と同様のものであってもよい。このことによって、異なるビームあるいは異なるTRPの圏内に存在する異なるUEが、同じRRCパラメータを競合せずに用いることができるようになるので、セルにおけるUE収容数を増やすことができる。
【0130】
ところが、実施の形態1に記載のCUとDUの分離において、例えばCUがPDCP、RLC、MACおよびH-PHYを有する場合、セル内のビーム間移動あるいはTRP間移動においては、実施の形態1に記載のように、RRCシグナリングを使用することができない。そのため、RRCパラメータをgNBからUEに通知することができない。CUとDUとが分離されていない基地局装置においても同様に、セル内のビーム間移動において、RRCパラメータをgNBからUEに通知することができない。このことにより、セルにおけるUE収容数を増やすことができないという問題が生じる。
【0131】
本実施の形態2では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0132】
CUからUEに対し、予めセル内のビームあるいはTRP(以下、ビーム/TRPと記載することがある)で使用するRRCパラメータを通知する。CUは該通知を、RRCシグナリングで行うとよい。CUは該通知を、UEのRRC接続開始時に行ってもよいし、RRCパラメータ変更時に行ってもよい。
【0133】
CUは、ビーム/TRPの切り替えにおいて、UEにビーム/TRP切り替え指示を通知する。該切り替え指示に、移動先ビーム/TRPを表す識別子を含めるとよい。CUはUEに、該切り替え指示を、L1/L2シグナリングで通知してもよいし、MACシグナリングで通知してもよい。
【0134】
このようにすることによって、CUは、ビーム/TRPの切り替えに伴うパラメータ変更を少ないシグナリング量で実現することが可能となる。
【0135】
前述におけるRRCパラメータの通知は、UEの近傍のビーム/TRPにおいて用いるRRCパラメータのみで構成されてもよい。前述の近傍のビーム/TRPは、UEが存在するビーム/TRPに隣接するビーム/TRPを含んでもよい。また、該通知に含まれるRRCパラメータは、UEが存在するビーム/TRPにて使用するパラメータと異なるパラメータのみで構成されてもよい。このようにすることで、該通知のサイズを小さくすることができる。
【0136】
他の方法を開示する。ビームあるいはTRPの切り替えにおいて、CUは、UEに、移動先ビーム/TRPで用いるRRCパラメータを通知する。該通知は、移動元ビーム/TRPを介して行ってもよい。RRCパラメータは、実施の形態1と同様、非特許文献12の6.3.2節に示すものであってもよい。RRCパラメータは、例えば、SRに関するものであってもよいし、Ack/Nackレペティション(repetition)に関するものであってもよいし、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)に関するものでもよいし、CQI/CSIに関するものでもよい。
【0137】
このようにすることによって、前述におけるCUからUEへのRRCシグナリングが不要となるため、ビーム/TRPの切り替えを少ないシグナリング量で実現することが可能となる。
【0138】
CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、実施の形態1に示すものとしてもよい。該通知は、移動元ビーム/TRPを介して行ってもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、移動先ビーム/TRPにおけるパラメータとしてもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0139】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、ビームスイーピングに必要なパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0140】
CUは、移動元ビーム/TRPを介して、UEに、ビーム/TRPの切り替え指示(以下、単に「切り替え指示」という場合がある)を通知する。切り替え指示には、移動先ビーム/TRPを示す識別子を含めてもよい。また、切り替え指示には、ビーム/TRPを切り替えるタイミングを示す情報を含めてもよい。
【0141】
前述において、移動先ビーム/TRPをCUが決定するにあたり、UEからCUに通知されるビーム測定結果を用いてもよい。該測定結果は、例えば、ビーム受信強度であってもよいし、ビーム受信品質であってもよい。
【0142】
切り替え指示には、移動先ビーム/TRPを示す識別子を含めなくてもよい。CUおよびUEは、ビーム/TRPの測定結果によって自動的に移動先ビーム/TRPを決めてもよい。ビーム/TRPの測定結果は、例えば、各ビームの受信強度であってもよいし、受信品質であってもよい。このようにすることで、切り替え指示のシグナリング量を削減することができる。
【0143】
前述における、SRに関するRRCパラメータとして、以下の(1)~(3)を示す。
【0144】
(1)SRのRB(Resource Block)およびコードを決めるパラメータ。例えば、非特許文献12に記載のsr-PUCCH-ResourceIndex。
【0145】
(2)SRの送信周期およびサブフレームオフセット。例えば、非特許文献12に記載のsr-ConfigIndex。
【0146】
(3)前述の(1)、(2)の組み合わせ。
【0147】
前述の(1)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、SRに用いるRBの位置が他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0148】
前述の(2)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、SR送信タイミングが他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0149】
前述の(2)において、SR送信のサブフレームオフセットのみを変更してもよい。また、サブフレームオフセットの変更において、サブフレームオフセットの情報のみを通知してもよい。このようにすることで、移動先ビーム/TRPにおける複数のUEのSR送信について、UE間の競合回避のための、CUによる調整が容易になる。また、サブフレームのオフセットの情報のみの通知によって、CUからUEに送信するビット量を削減することができる。
【0150】
前述の(1)~(3)として通知されるパラメータは、値そのものであってもよいし、あるいは、値の変更量であってもよい。値そのものを用いることで、CUからUEへのパラメータ通知の処理が容易になる。また、値の変更量を用いることで、パラメータ通知に要するビット数を削減することができる。
【0151】
CUは、UEに対し、前述の(1)~(3)を含むRRCパラメータのうちで、複数のパラメータを同時に通知してもよい。このことによって、通知に要するシグナリングの量を削減することができる。
【0152】
また、CUは、UEに対し、前述の(1)~(3)を含むRRCパラメータを別々に通知してもよい。このことによって、少ない送信リソースにおいてもパラメータを通知することが可能となる。
【0153】
CUはUEに対し、SRに関するRRCパラメータとして、SRの最大再送回数を示すパラメータを通知してもよいし、通知しなくてもよい。最大再送回数を示すパラメータは、例えば、非特許文献12に記載のdsr-TransMaxであってもよい。パラメータを通知することによって、例えば、伝搬環境が悪いときにパラメータを小さな値に変更することによって、UEは、SR再送回数超過後のランダムアクセス処理に早く移行することができる。これにより、ビーム/TRPの移動の処理を早く完了させることができる。
【0154】
CUは、RRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前にRRCパラメータが変更されることを防ぐことができるため、例えば、SR送信において、前述のパラメータ変更による移動元TRP/ビームへのSR不達を防ぐことができる。
【0155】
CUは、RRCパラメータの通知について、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0156】
CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、RRCパラメータの値を初期値に戻してもよい。初期値への変更は、例えば、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータの通知が失敗したときに行ってもよい。初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。このようにすることで、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは初期値を用いてCUと通信を継続することが可能となる。
【0157】
あるいは、前述において、CUおよびUEは、パラメータの値を保持してもよい。パラメータ値の保持は、例えば、CUからUEへのパラメータの通知が失敗したときに行ってもよい。このようにすることで、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは変更前のRRCパラメータを用いることができる。このため、例えば、移動先ビーム/TRPにおいて移動元ビーム/TRPと同じRRCパラメータを用いている場合において、UEは移動先ビーム/TRPへのSR不達を防ぐことができる。
【0158】
前述において、UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。その通知には、RRCシグナリングを用いてもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このようにすることで、CUは、配下のUEのRRCパラメータの使用状況に応じて、柔軟にパラメータを設定することが可能となる。
【0159】
CUは、RRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0160】
あるいは、CUは、RRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、CUは、RRCパラメータの送達確認後に、切り替え指示をUEに通知することができる。このため、例えば、SRに関するRRCパラメータの不達による、UEからのSR不達および再送回数超過によるランダムアクセスの実行を回避することができる。
【0161】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、RRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0162】
CUは、RRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0163】
あるいは、CUは、RRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。また、CUはパラメータの送達確認後に切り替え指示をUEに通知可能となるので、例えば、パラメータの不達によるUEからのSR不達およびSR再送回数超過によるランダムアクセスの実行を回避することができる。
【0164】
CUは、RRCパラメータを移動先ビーム/TRPに通知してもよい。実施の形態1と同様、該通知には、例えば、CPRIの制御ワードの領域を用いてもよいし、ASN.1のフォーマットを用いてもよいし、他のフォーマットを用いてもよい。このことによって、実施の形態1と同様の効果に加え、例えば、ビーム/TRPへの切り替え直後において、移動先ビーム/TRPはUEからのSRのデコードを迅速に行うことができる。
【0165】
CUは、切り替え指示を、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのビーム/TRP切り替え通知を迅速に行うことができる。
【0166】
あるいは、CUは、切り替え指示を、MACシグナリングを用いて通知してもよい。CUは、自身が用いるビーム/TRPの切り替えを、切り替え指示に対するUEからのAck受信後に行ってもよい。UEは、通信先ビーム/TRPの切り替えを、切り替え指示に対するAck送信後に行ってもよい。このことにより、CUからUEへの切り替え指示の通知の信頼性が向上し、UEが、gNBとのリンク喪失によって、RLF(Radio Link Failure)となる可能性を低下させることができる。
【0167】
前述の、MACシグナリングを用いた切り替え指示の通知において、CUは、移動元ビーム/TRPからUEへの切り替え指示のHARQ再送回数超過時に、ビーム/TRPを切り替えてもよい。ビーム/TRPの切り替えは、切り替え指示に対するUEからのAck/Nackが判別不能である場合に行うとよい。このことによって、移動元ビーム/TRPが切り替え指示に対するUEからのAck信号を受信し損ねた場合について、UEにおける通信先ビーム/TRP切り替えとともにgNBにおいてもビーム/TRPを切り替えることができる。それにより、UEにおけるgNBとのリンク喪失を防ぐことができる。
【0168】
あるいは、前述において、CUは、移動元ビーム/TRPからUEへの切り替え指示のHARQ再送回数超過時に、ビーム/TRPを切り替えなくてもよい。この場合において、UEは、gNBとのリンク喪失によるRLFから復旧した後に、再度移動元ビーム/TRPと通信を行うこととしてもよい。このことにより、CUにおけるビーム切り替え制御が簡単になる。
【0169】
図9は、CUから移動元ビーム/TRPを介してSRに関するパラメータを通知する場合のビーム/TRP切り替えを表すシーケンス図である。
図9は、CUからUEへ、SRに関するパラメータおよび切り替え指示を、MACシグナリングを用いて通知する例について示す。また、
図9において、CU配下の移動元ビーム/TRPをS-beam/TRPと表記し、CU配下の移動先ビーム/TRPをT-beam/TRPと表記している。また、
図9において、矢印の中にある黒丸は通信に用いられるビーム/TRPを示している。
【0170】
図9によれば、ビーム/TRPの切り替え前のステップST901において、UEは、S-beam/TRPを介して、CUとユーザデータを送受信する。
【0171】
図9のステップST902において、CUは、S-beam/TRPを介して、UEにSRパラメータを通知する。この通知には、MACシグナリングを用いる。L1/L2シグナリングを用いてもよい。また、SRパラメータは、非特許文献12に示すsr-PUCCH-ResourceIndexを含んでもよいし、非特許文献12に示すsr-ConfigIndexを含んでもよい。ステップST903において、UEは、SRパラメータの通知に対するAckをS-beam/TRPを介してCUに通知する。UEからの受信結果がNackであった場合、CUは、S-beam/TRPを介してSRパラメータを再送してもよい。
【0172】
図9のステップST904において、CUは、S-beam/TRPを介して、UEに切り替え指示を通知する。切り替え指示の通知には、MACシグナリングを用いる。L1/L2シグナリングを用いてもよい。CUは、切り替え指示に、T-beam/TRPを示す情報を含めてもよい。ステップST905において、UEは、切り替え指示に対するAckをS-beam/TRPを介してCUに通知する。UEからの受信結果がNackであった場合、CUは、S-beam/TRPを介して切り替え指示を再送してもよい。
【0173】
図9のステップST906において、UEは、通信先のビーム/TRPをS-beam/TRPからT-beam/TRPに切り替える。ステップST907において、CUは、ビーム/TRPをS-beam/TRPからT-beam/TRPに切り替える。ステップST908において、CUは、T-beam/TRPを介して、UEとユーザデータを通信する。
【0174】
UEは、上り信号を移動元のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、CUからのRRCパラメータの通知のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。また、上り信号は、CUからの切り替え指示のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。上り信号として、応答用のL1/L2シグナリングを新たに設けてもよい。前述の応答として、新しい上り制御情報(UCI)を設けてもよい。このことによって、CUからのRRCパラメータの通知あるいは切り替え指示にL1/L2シグナリングを用いていても、CUはUEへの送達確認を行うことができる。それにより、前述のL1/L2シグナリングの信頼性を向上させることができる。
【0175】
あるいは、UEは、上り信号を移動先のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、UEにおけるビーム/TRP切り替えの確認用の信号としてもよい。確認用の信号を、SRの周波数リソースを用いて送信してもよい。あるいは、SRを、確認用の信号として送信してもよい。このことにより、上り信号のための周波数リソースを節約することができる。
【0176】
あるいは、新しいUCIを送信してもよい。新しいUCIのリソースとして、CUがUE毎に割り当ててもよい。CUは、UEからの応答が必要な通知に、該UCIリソースの情報を含めてもよい。応答が必要な通知としては、例えば、切り替え通知であってもよいし、パラメータ変更通知であってもよい。このようにすることによって、CUは、リソースの空き状況に応じて柔軟に新しいUCIのリソースをUEに割り当てることが可能となる。
【0177】
新しいUCIのリソースの他の例として、セル内のUEが共通に使用するための共通リソースを用意してもよい。該共通リソースは、例えば、PRACHを用いてもよいし、SR用共通リソースを用意してもよいし、他の共通リソースを設けてもよい。このことにより、CUは、新しいUCIのリソースについての情報をUEに通知する必要がなくなるため、シグナリング量を少なくすることができる。
【0178】
前述の上り信号として、UEは移動先のビーム/TRPに、SRを最小の周期で送信してもよい。このことにより、UEが通信先のビーム/TRPを切り替えたことの確認を低遅延で行うことができる。
【0179】
前述において、CUは、同じビーム/TRPの圏内に存在しているUEが共通して使用するためのSR用共通リソースを確保してもよい。UEは、SRの送信を、SR用共通リソースを用いて行ってもよい。SR用共通リソースは、UE同士の競合を許容するもの(contention-based)であってもよい。SR用共通リソースの位置は、予め規格で定めてもよいし、CUが配下のUEに通知してもよい。この通知は、報知であってもよいし、UE個別の通知であってもよい。前述における、UE個別の通知は、RRC個別シグナリングであってもよい。このようにすることで、UEは、RRCパラメータ受信失敗時においても、CUに対してビーム/TRP切り替えを行ったことを通知することが可能となる。
【0180】
UEは、SR共通リソースとして、通信先ビーム/TRP切り替え時におけるSRに関するRRCパラメータの初期値を用いてもよい。このようにすることで、UEは、RRCパラメータ受信失敗時においても、CUに対してビーム/TRP切り替えを行ったことを通知することが可能となる。
【0181】
前述において、UEは、SRSを移動先のビーム/TRPに送信してもよい。SRSは、非周期的(Aperiodic)なものであってもよいし、周期的(Periodic)なものであってもよい。UEは、SRSを予め定める回数分、移動先のビーム/TRPに送信してもよい。この送信回数は、規格で定めてもよいし、予めCUからUEに通知してもよい。前述の通知はRRCシグナリングを用いて行ってもよい。このようにすることで、UEは、CUに送信する上りユーザデータがない場合においても、CUに通信先ビーム/TRP切り替えをしたことを通知することが可能となる。
【0182】
CUは、UEにおける通信先ビーム/TRP切り替えの有無を、前述のSRを用いて判断してもよい。例えば、CUは、UEからSR通知がない場合に、UEが通信先ビーム/TRPを切り替えていないと判断してもよい。CUは、移動元ビーム/TRPから、RRCパラメータおよび切り替え指示を再度通知してもよい。この再度の通知は、前述の判断結果を用いて行ってもよい。このことによって、例えば、UEがSRに関するパラメータあるいは切り替え指示を受信し損ねることによって発生するRLFあるいはランダムアクセス処理を防ぐことができる。それにより、ビーム/TRP切り替えの時間を短縮することができる。
【0183】
CUは、UEへの上り信号の送信の要求有無を、UEに通知してもよい。該要求有無は、移動元ビーム/TRPへの上り信号と、移動先ビーム/TRPへの上り信号とのそれぞれに対するものであってもよい。該要求有無は、CUからUEへの切り替え指示に含めてもよい。このようにすることによって、例えば、通信品質が良いときにUEからの応答を不要とすることができるので、シグナリング量を削減可能となる。
【0184】
CUは、UEへのRRCパラメータの通知を、複数回行ってもよい。このことにより、パラメータ通知の信頼性を向上させることができる。この通知回数は、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに通知してもよい。前述の通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。
【0185】
CUは、UEへのRRCパラメータの通知の送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータ通知の信頼性向上を少ない通知回数で実現させることができる。電力の増加量については、規格で定めてもよいし、予めCUよりUEに通知してもよい。前述の通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。
【0186】
UEへの切り替え指示通知についても、RRCパラメータの通知と同様、複数回送信してもよいし、電力を増加させてもよい。このことにより、切り替え指示通知の信頼性を向上させることができる。
【0187】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したRRCパラメータの通知を用いて、通信先のビーム/TRPの切り替えを行ってもよい。ビーム/TRPの切り替えは、ビームスイーピングおよびランダムアクセスを伴ってもよい。ビーム/TRPの切り替えは、RRCパラメータのうち1つ以上の受信を用いて行ってもよい。ビーム/TRPの切り替えは、UEが前述のパラメータを1つ以上受信してから、予め定める時間が経過してから行ってもよい。前述の予め定める時間は、規格で定めてもよいし、予めCUよりUEに通知してもよい。この通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。このことによって、CUからUEへの切り替え指示をUEが正しく受信できない場合においても、UEは通信先のビーム/TRPを切り替えることが可能となる。また、CUからUEへの切り替え通知の再送に要する時間が不要となる。
【0188】
前述において、CUは、パラメータの通知に移動先ビーム/TRPを示す情報を含めてもよい。このようにすることで、CUからUEへの切り替え指示をUEが正しく受信できない場合におけるUEのビーム/TRP切り替えにおいて、UEが切り替え先のビーム/TRPを探す時間を短縮することが可能となる。
【0189】
UEからのSR送信について、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRを無効としてもよい。CUは、ビーム/TRP切り替えがSR受信と上りスケジューリンググラント送信との間に発生するときに、SRを無効としてもよい。前述において、UEは、移動先ビーム/TRPにSRを再送してもよい。このことによって、UEにおけるSR送信処理の実装を容易にすることができる。
【0190】
あるいは、前述の、UEからのSR送信後のビーム/TRP切り替えについて、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRを有効としてもよい。CUは、SRに対する上りスケジューリンググラントを、移動先ビーム/TRPよりUEに送信してもよい。このことによって、ビーム/TRP切り替え発生時における上りデータ通信を円滑に行うことができる。
【0191】
前述におけるSRを有効とするかどうかを、規格で定めてもよい。あるいは、CUからUEに通知してもよい。この通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。この通知は、MACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、切り替え通知と併せて行ってもよい。このことによって、CUにおける上りデータ通信のスケジューリングを柔軟に行うことができる。
【0192】
CUからUEへの上りスケジューリンググラント通知について、CUおよびUEは、移動元ビーム/TRPから送信された上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替えが上りスケジューリンググラントと上りユーザデータとの間に発生するときに、上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。前述において、CUは、移動先ビーム/TRPから、上りスケジューリンググラントを再送してもよい。あるいは、UEは、移動先ビーム/TRPに対し、SR送信からやり直してもよい。前述において、UEがSR送信からやり直すかどうかについて、規格で定めてもよい。あるいは、gNBからUEに通知してもよい。前述の通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。前述の通知は、MACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、gNBは移動先ビーム/TRPにおける上りリソース使用状況に応じたスケジューリングを行うことが可能となる。
【0193】
あるいは、前述の、CUからUEへの上りスケジューリンググラント通知後のビーム/TRP切り替えについて、CUおよびUEは、移動元ビーム/TRPから送信された上りスケジューリンググラントを有効としてもよい。UEは、上りスケジューリンググラントを用いて、移動先ビーム/TRPに上りユーザデータを送信してもよい。このことにより、CU、UE間のシグナリング量を削減することができる。
【0194】
前述における上りスケジューリンググラントを有効とするかどうかを、規格で定めてもよいし、あるいは、CUからUEに通知してもよい。CUからUEへの通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。上りスケジューリンググラントを有効にする場合の例として、スケジューリンググラントにて示される上りリソースを、移動先ビーム/TRPが該UEに対して使用可能である場合としてもよい。前述の通知は、MACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、CUは、移動先ビーム/TRPにおける上りリソース使用状況に応じたスケジューリングを、少ないシグナリングで行うことが可能となる。
【0195】
UEからCUへの上りユーザデータ送信について、CUは、移動元ビーム/TRPにてUEより受信した上りユーザデータに対するAck/Nackを移動先ビーム/TRPからUEに送信してもよい。前述における移動先ビーム/TRPからのAck/Nack送信は、ビーム/TRP切り替えがUEからの上りユーザデータ送信とCUからのAck/Nack通知との間に発生するときに行ってもよい。このことによって、上りユーザデータ送信後のビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0196】
本実施の形態2により、セル内のビーム/TRP間移動においてRRCパラメータをCUからUEに通知することを可能とし、ビーム/TRPによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、RRCシグナリングによる通知に比べて、パラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0197】
実施の形態2において、CUとDUが分離されている基地局装置を例として示したが、CUとDUが分離されていない基地局装置について適用してもよい。該基地局装置は、ビーム間でRRCパラメータを共有しない基地局装置であってもよい。実施の形態2を該基地局装置に適用するにあたり、CUをgNBに読み替えてもよい。このようにすることで、セル内のビーム間移動においてRRCパラメータをgNBから移動元ビームを介してUEに通知することを可能とし、ビームによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、gNBからUEにパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0198】
また、実施の形態2において、移動元ビーム/TRPよりRRCパラメータをUEに通知する基地局装置を例として示したが、他のビーム/TRPよりRRCパラメータを通知してもよい。前述の、他のビーム/TRPは、例えば、制御情報送信用のビーム/TRPであってもよい。このようにすることで、例えば、ユーザデータ送受信用と制御情報送受信用のビーム/TRPが存在する基地局装置において、RRCパラメータを少ないシグナリング量で通知することが可能となる。このため、ビーム移動におけるRRCパラメータ通知を迅速に行うことが可能となる。
【0199】
実施の形態2によれば、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線ビームを用いて無線通信を行う基地局装置とを含み、基地局装置によって構成されるセルは、基地局装置の配下にある複数の無線ビームによって、空間分離されており、通信端末装置が第1の無線ビームの圏内から第2の無線ビームの圏内に移動する場合、基地局装置は、通信端末装置に対して用いるRRC(Radio Resource Control)パラメータを、第1の無線ビーム用の第1のRRCパラメータから、第2の無線ビーム用の第2のRRCパラメータに変更する、通信システムが提供される。なお、複数の無線ビームは、
図8に例示したように複数のDU(言い換えるとTRP)によって形成されてもよいし、1つのDUによって形成されてもよいし、あるいは、CUとDUが統合された基地局装置によって形成されてもよい。
【0200】
この構成によれば、通信端末装置に対して用いる無線ビームの変更に応じて、通信端末装置に対して用いるRRCパラメータを変更する。このため、前述のように、通信端末装置の収容数を増加させることができる。
【0201】
ここで、上記構成は、前述のように、様々に変形することが可能である。例えば、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する少なくとも1つのDU(Distributed Unit)と、少なくとも1つのDUを制御するCU(Central Unit)とを含み、CUがMAC(Medium Access Control)機能を有しており、CUは、第2のRRCパラメータを通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。あるいは、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する機能およびMAC機能を有しており、基地局装置は、第2のRRCパラメータを通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。
【0202】
また、以下の変形例1~3で述べるように、様々な変形が提供される。
【0203】
実施の形態2の変形例1.
実施の形態2においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0204】
前述における、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータとして、以下の(1)~(3)を示す。
【0205】
(1)UEからのAck/Nackの反復回数。例えば、非特許文献12に記載のrepetitionFactor。
【0206】
(2)Ack/Nack反復送信のRBを決めるパラメータ。例えば、非特許文献12に記載のn1PUCCH-AN-Rep。
【0207】
(3)前述の(1)、(2)の組み合わせ。
【0208】
前述の(1)によれば、伝搬状況に応じてAck/Nackの反復回数を変えることで、特に、伝搬環境が悪い状況下において、UEからCUへのAck/Nack通知の信頼性を高めることができる。
【0209】
前述の(2)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、Ack/Nackレペティションに用いるRBが他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0210】
前述の(1)~(3)として通知されるパラメータは、値そのものであってもよいし、あるいは、値の変更量であってもよい。
【0211】
本変形例1において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態2と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知するAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態2に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。
【0212】
CUはUEに対し、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータとして、再送データのバンドリング有無を示すパラメータを通知してもよいし、通知しなくてもよい。バンドリング有無を示すパラメータは、例えば、非特許文献12に記載のtdd_AckNackFeedbackModeであってもよい。バンドリング有無を示すパラメータを通知すれば、例えば、伝搬環境が悪いときに、再送のバンドリングを無効とすることによって、CUは、送達確認がとれたユーザデータの再送を抑えることができる。
【0213】
実施の形態2と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0214】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。
【0215】
CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前のAck/Nack送信において、パラメータ変更による移動元TRP/ビームへのAck/Nack送信の信頼性低下を防ぐことができる。
【0216】
実施の形態2と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0217】
CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは初期値あるいは変更前のRRCパラメータを用いることができる。このため、UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nackレペティションにおける信頼性を高めることができる。
【0218】
実施の形態2と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0219】
あるいは、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの送達確認後に、切り替え指示をUEに通知することができる。その結果、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの不達が、UEからの反復Ack/Nack不達をもたらすこと、および、UEからの反復Ack/Nack不達がAck/Nack通知の信頼性を低下させることを、回避することができる。
【0220】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて、切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0221】
CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0222】
あるいは、CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。また、CUはパラメータの送達確認後に切り替え指示をUEに通知可能となるので、パラメータの不達によるUEからの反復Ack/Nack不達を回避し、Ack/Nack送信の信頼性を高めることができる。
【0223】
また、切り替え通知についても、実施の形態2と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0224】
Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図9のステップST902におけるSRに関するパラメータを、Ack/Nackレペティションに関するパラメータに置き換えればよい。
【0225】
実施の形態2と同様、CUはUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、Ack/Nackレペティションの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0226】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからの下りユーザデータに対するAck/Nackを、移動先ビーム/TRPに通知してもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nackの通知は、下りユーザデータとAck/Nackとの間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ処理を円滑に行うことができる。
【0227】
UEからCUへのAck/Nackレペティションにおいて、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したAck/Nackと、移動先ビーム/TRPにて受信したAck/Nackとの両方を用いてもよいし、片方のみを用いてもよい。Ack/Nackの利用は、UEからCUへのAck/Nackレペティションの間にビーム/TRPが切り替わった時に行うとよい。前述において、どのビーム/TRPにて受信したAck/Nackを用いるかについて、予め規格で定めてもよいし、CUにて適宜切り替えてもよい。前述において、移動元ビーム/TRPにて受信したAck/Nackと、移動先ビーム/TRPにて受信したAck/Nackとの両方を用いることによって、Ack/Nackレペティションの間にビーム/TRPが切り替わる場合においても、UEからCUへのAck/Nack通知の信頼性を高めることができる。また、前述において、移動元ビーム/TRPにて受信したAck/Nackと、移動先ビーム/TRPにて受信したAck/Nackとのうちの片方のみを用いることによって、CUにおけるAck/Nackレペティションの合成処理が不要となる。それにより、CUにおけるAck/Nack受信処理が簡単になる。
【0228】
CUは、UEから移動元ビーム/TRPに送信されたAck/Nackレペティションを用いた下りユーザデータのUEへの再送を、移動先ビーム/TRPを介して行ってもよい。該再送は、UEからCUへのAck/Nackレペティションと、CUからUEへの下りユーザデータの再送との間で、ビーム/TRPが切り替わった時に行ってもよい。このことによって、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ再送処理を円滑に行うことができる。
【0229】
本変形例1を用いることで、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータのUEへの通知を可能とし、ビーム/TRPによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、RRCシグナリングによる通知に比べて、パラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0230】
実施の形態2の変形例2.
実施の形態2においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、SRSに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0231】
前述における、SRSに関するRRCパラメータとして、以下の(1)~(7)を示す。
【0232】
(1)SRSに使用する帯域。例えば、非特許文献12に記載のsrs-Bandwidth。
【0233】
(2)SRSの周波数ホッピングを行う帯域。例えば、非特許文献12に記載のsrs-HoppingBandwidth。
【0234】
(3)SRSの周波数軸上における位置。例えば、非特許文献12に記載のfreqDomainPosition。
【0235】
(4)SRSの周期およびサブフレームオフセット。例えば、非特許文献12に記載のsrs-ConfigIndex。
【0236】
(5)SRSの送信におけるCombの位置。例えば、非特許文献12に記載のtransmissionComb。
【0237】
(6)SRSのサイクリックシフト。例えば、非特許文献12に記載のcyclicShift。
【0238】
(7)前述の(1)~(6)の組み合わせ。
【0239】
前述の(1)によれば、ビーム/TRP内のUE数に応じてSRSに使用する帯域を変えることによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0240】
前述の(2)によれば、ビーム/TRP内のUE数に応じてSRSの周波数ホッピングを行う帯域を柔軟に変更することによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0241】
前述の(3)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、SRSの周波数軸上の位置が他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0242】
前述の(4)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、SRS送信タイミングが他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0243】
前述の(5)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、SRSのCombの位置が他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0244】
前述の(6)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、SRSのサイクリックシフト量が他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0245】
前述の(4)において、SRS送信のサブフレームオフセットのみを変更してもよい。また、サブフレームオフセットの変更において、サブフレームオフセットの情報のみを通知してもよい。このようにすることで、移動先ビーム/TRPにおける複数のUEのSRS送信について、UE間の競合回避のためのCUによる調整が容易になる。また、サブフレームのオフセットの情報のみの通知によれば、CUからUEに送信するビット量を削減することができる。
【0246】
前述の(1)~(7)として通知されるパラメータは、値そのものであってもよいし、あるいは、値の変更量であってもよい。値そのものを用いることで、CUからUEへのパラメータ通知の処理が容易になる。また、値の変更量を用いることで、パラメータ通知に要するビット数を削減することができる。
【0247】
本変形例2において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態2と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する、SRSに関するRRCパラメータの通知方法は、実施の形態2に記載のRRCパラメータの通知と同じ方法を適用してもよい。
【0248】
CUはUEに対し、SRSに関するRRCパラメータとして、SRSの連続送信の有無を示すパラメータを通知してもよいし、通知しなくてもよい。連続送信の有無を示すパラメータは、例えば、非特許文献12に記載のDurationであってもよい。前述のパラメータを通知することによって、CUは、SRSのリソースのUEへの割り当てを柔軟に行うことができる。
【0249】
実施の形態2と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0250】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。
【0251】
CUは、SRSに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のSRSに関するRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前のSRS送信において、パラメータ変更によるCUへのSRS不達によって発生するランダムアクセス動作および上り通信レート低下を防ぐことができる。
【0252】
実施の形態2と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0253】
CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、SRSに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことによって、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは初期値あるいは変更前のRRCパラメータを用いることで、UEから移動先ビーム/TRPへのSRS不達を防ぐことができる。
【0254】
実施の形態2と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0255】
あるいは、CUは、SRSに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、CUは、SRSに関するRRCパラメータの送達確認後に、切り替え指示をUEに通知することができる。その結果、SRSに関するRRCパラメータの不達がもたらすUEからCUへのSRS不達を回避し、上り通信レートの低下およびランダムアクセスの発生を回避することができる。
【0256】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、SRSに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0257】
CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0258】
あるいは、CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。また、CUはパラメータの送達確認後に切り替え指示をUEに通知可能となるので、パラメータの不達によるUEからCUへのSRS不達を回避し、上り通信レートの低下およびランダムアクセスの発生を回避することができる。
【0259】
また、切り替え通知についても、実施の形態2と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことのより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0260】
SRSに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図9のステップST902におけるSRに関するパラメータを、SRSに関するパラメータに置き換えればよい。
【0261】
実施の形態2と同様、CUはUEへのSRSに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、SRSに関するパラメータ通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0262】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからのSRS送信指示に対するSRS送信を、移動先ビーム/TRPによって行ってもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのSRS送信は、SRS送信指示とSRS送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。また、前述におけるSRS送信は、非周期的(Aperiodic)なSRS送信について行ってもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときのSRS送信処理を円滑に行うことができる。
【0263】
CUは、UEから移動元ビームに送信したSRSを無効としてもよい。SRSを無効とする動作は、SRS送信の後にビーム/TRPが切り替わったときに行うとよい。CUはUEに、SRS送信指示を再送してもよい。UEは、移動先ビーム/TRPに対してSRSを再送してもよい。このことによって、CUは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0264】
前述したUEからのSRS再送は、UEが自律的に行ってもよい。このことによって、CUはビーム/TRP切り替え後のSRSを迅速に取得できる。前述において、UEが自律的にSRSを再送するかどうかは、規格で定めてもよいし、CUからUEにRRCシグナリングで予め通知してもよいし、CUからUEへの切り替え指示通知と併せて通知してもよい。
【0265】
本変形例2を用いることで、SRSに関するRRCパラメータのUEへの通知を可能とし、ビーム/TRPによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、RRCシグナリングによる通知に比べて、パラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0266】
実施の形態2の変形例3.
実施の形態2においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0267】
前述における、CQI/CSIに関するRRCパラメータとして、以下の(1)~(5)を示す。
【0268】
(1)CQIのRBを決めるパラメータ。例えば、非特許文献12に記載のcqi-PUCCH-ResourceIndex。
【0269】
(2)CQI、PMI(Precoding Matrix Indicator)の周期およびサブフレームオフセット。例えば、非特許文献12に記載のcqi-pmi-ConfigIndex。
【0270】
(3)RI(Rank Indicator)の周期およびサブフレームオフセット。例えば、非特許文献12に記載のri-ConfigIndex。
【0271】
(4)Ack/NackとCQIの同時送信の可否。例えば、非特許文献12に記載のsimultaneousAckNackAndCQI。
【0272】
(5)前述の(1)~(4)の組み合わせ。
【0273】
前述の(1)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、CQIに用いるRBの位置が他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0274】
前述の(2)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、CQI、PMI送信タイミングが他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0275】
前述の(3)によれば、UEのビーム/TRP間移動による、RI送信タイミングが他のUEと競合するのを防ぐことによって、1つのビーム/TRPにおける収容UE数を増やすことができる。
【0276】
前述の(4)によれば、移動先のビーム/TRP間移動における上りデータスケジューリングの状況に応じて、Ack/NackとCQIの同時送信の可否を柔軟に設定可能とすることによって、UEがAck/NackとCQIを効率的にCUに送信することが可能となる。
【0277】
前述の(2)において、CQI、PMIのサブフレームオフセットのみを変更してもよい。また、サブフレームオフセットの変更において、サブフレームオフセットの情報のみを通知してもよい。このようにすることで、移動先ビーム/TRPにおける複数のUEのCQI/CSI送信について、UE間の競合回避のためのCUによる調整が容易になる。また、サブフレームのオフセットの情報のみの通知によれば、CUからUEに送信するビット量を削減することができる。
【0278】
前述の(4)において、前述の(2)と同様、RIのサブフレームオフセットのみを変更してもよい。また、サブフレームオフセットの変更において、サブフレームオフセットの情報のみを通知してもよい。このようにすることで、前述と同様の効果を得ることができる。
【0279】
前述の(1)~(5)として通知されるパラメータは、値そのものであってもよいし、あるいは、値の変更量であってもよい。値そのものを用いることで、CUからUEへのパラメータ通知の処理が容易になる。また、値の変更量を用いることで、パラメータ通知に要するビット数を削減することができる。
【0280】
実施の形態2と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0281】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。
【0282】
本変形例3において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態2と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する、CQI/CSIに関するRRCパラメータの通知方法は、実施の形態2に記載のRRCパラメータの通知と同じ方法を適用してもよい。
【0283】
CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のCQI/CSIに関するRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前のCQI/CSI送信において、パラメータ変更によるCUへのCQI/CSI不達によって発生する下り通信レート低下を防ぐことができる。
【0284】
実施の形態2と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0285】
CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、CQI/CSIに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このようにすることで、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは初期値あるいは変更前のRRCパラメータを用いることができる。このため、例えば、移動先ビーム/TRPにおいて移動元ビーム/TRPと同じRRCパラメータを用いている場合において、UEは移動先ビーム/TRPへのCQI/CSI不達を防ぐことができる。
【0286】
実施の形態2と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0287】
あるいは、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータの送達確認後に、切り替え指示をUEに通知することができる。その結果、CQI/CSIに関するRRCパラメータの不達がもたらすUEからCUへのCQI不達を回避し、下り通信レートの低下を回避することができる。
【0288】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、CQI/CSIに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0289】
CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0290】
あるいは、CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。また、CUはパラメータの送達確認後に切り替え指示をUEに通知可能となるので、パラメータの不達によるUEからCUへのCQI/CSI不達を回避し、下り通信レートの低下を回避することができる。
【0291】
また、切り替え通知についても、実施の形態2と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことのより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0292】
CQI/CSIに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図9のステップST902におけるSRに関するパラメータを、CQI/CSIに関するパラメータに置き換えればよい。
【0293】
実施の形態2と同様、CUはUEへのCQI/CSIに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、CQI/CSIに関するパラメータ通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0294】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからのCQI/CSI送信指示に対するCQI/CSI送信を、移動先ビーム/TRPによって行ってもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのCQI/CSI送信は、CQI/CSI送信指示とCQI/CSI送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。また、前述におけるCQI/CSI送信は、非周期的(Aperiodic)なCQI/CSI送信について行ってもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときのCQI/CSI送信処理を円滑に行うことができる。
【0295】
CUは、UEから移動元ビームに送信したCQI/CSIを無効としてもよい。CQI/CSIを無効とする動作は、CQI/CSI送信の後にビーム/TRPが切り替わったときに行うとよい。CUはUEに、CQI/CSI送信指示を再送してもよい。UEは、移動先ビーム/TRPに対してCQI/CSIを再送してもよい。このことによって、CUは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0296】
前述したUEからのCQI/CSI再送は、UEが自律的に行ってもよい。このことによって、CUはビーム/TRP切り替え後のCQI/CSIを迅速に取得できる。前述において、UEが自律的にCQI/CSIを再送するかどうかは、規格で定めてもよいし、CUからUEにCQI/CSIシグナリングで予め通知してもよいし、CUからUEへの切り替え指示通知と併せて通知してもよい。
【0297】
本変形例3を用いることで、CQI/CSIに関するRRCパラメータのUEへの通知を可能とし、ビーム/TRPによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、RRCシグナリングによる通知に比べて、パラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0298】
実施の形態3.
実施の形態2においては、gNBが移動元ビーム/TRPからRRCパラメータをUEに通知することを示した。NRにおいては、広い周波数帯域を確保するため、LTEよりも高い周波数の使用が検討されている。高い周波数を用いる場合、障害物などの影響により通信状況が急激に悪化することがある。このとき、ビーム/TRP切り替えにおいて、RRCパラメータ通知あるいは切り替え通知が間に合わなくなると、gNBとUEとの間の無線リンクが喪失するという問題が生じる。
【0299】
本実施の形態3では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0300】
CUは、RRCパラメータのUEへの通知を、移動先ビーム/TRPを介して行う。CUからUEへの切り替え指示の通知は、移動元ビーム/TRPを介して行う。CUからのRRCパラメータ通知を移動先ビーム/TRPを介して行う点で、実施の形態2と異なる。
【0301】
CUからUEへのRRCパラメータの通知は、CUからUEへの切り替え通知の後に行うとよい。このようにすることで、UEは通信先ビーム/TRPを切り替えた後で、前述のRRCパラメータを円滑に取得することが可能となる。
【0302】
RRCパラメータは、実施の形態2と同様、非特許文献12の6.3.2節に示すものであってもよい。RRCパラメータは、例えば、SRに関するものであってもよいし、Ack/Nackレペティション(repetition)に関するものであってもよいし、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)に関するものでもよいし、CQI/CSIに関するものでもよい。
【0303】
CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、実施の形態1に示すものとしてもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、移動元ビーム/TRPを介して行ってもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、移動先ビーム/TRPにおけるパラメータとしてもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0304】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、実施の形態2と同様、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、ビームスイーピングに必要なパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0305】
前述における、SRに関するRRCパラメータは、実施の形態2において(1)~(3)に示したものであってもよい。また、実施の形態2と同様、CUはUEに対し、SRに関するRRCパラメータとして、SRの最大再送回数を示すパラメータを通知してもよいし、通知しなくてもよい。このことによって、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0306】
CUからUEに対するRRCパラメータの通知には、実施の形態2と同様、L1/L2シグナリングを用いてもよい。このようにすることによって、CUからUEに対して迅速な通知が可能となる。また、gNBのビーム/TRPの切り替えによってUEからCUへのAck/Nackの応答に用いる周波数リソースが変わった場合においても、CUからUEに対して前述のRRCパラメータを通知することが可能となる。
【0307】
あるいは、前述において、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態2と同様、前述のRRCパラメータを少ないシンボル数で送ることが可能となるとともに、パラメータ通知の信頼性が向上する。また、例えば、前述のパラメータの不達による、UEからのSR不達および再送回数超過によるランダムアクセスの実行を回避することができる。
【0308】
あるいは前述において、RRCシグナリングを用いてもよい。このことにより、RRCパラメータを予めCUからUEに通知することが可能となるため、ビーム/TRP切り替え時におけるRRCパラメータ通知が不要となる。これによりシグナリング量を少なくすることが可能となる。移動先ビーム/TRPからUEにRRCパラメータを通知する点で、前述の方法は非特許文献1と異なる。
【0309】
CUからUEに対する切り替え指示の通知の方法には、実施の形態2と同様、L1/L2シグナリングを用いてもよい。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、UEへのビーム/TRP切り替え通知を迅速に行うことができる。また、MACシグナリングを用いることにより、前述の通知の信頼性を向上させることができる。
【0310】
CUは、RRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0311】
実施の形態2と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、RRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、当該パラメータの値を保持してもよい。パラメータ値の保持は、例えば、CUからUEへのパラメータの通知が失敗したときに行ってもよい。パラメータ値の初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。前述において、UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよいし、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このようにすることで、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは変更前のRRCパラメータを用いることができる。このため、例えば、移動先ビーム/TRPにおいて移動元ビーム/TRPと同じRRCパラメータを用いている場合において、UEは移動先ビーム/TRPへのSR不達を防ぐことができる。
【0312】
実施の形態2と同様、gNBは、移動元ビーム/TRPからUEへの切り替え指示のHARQ再送回数超過時に、ビーム/TRPを切り替えてもよいし、切り替えなくてもよい。それぞれの場合について、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0313】
図10は、CUから移動先ビーム/TRPを介してパラメータを通知する場合のビーム/TRP切り替えを表すシーケンス図である。
図10は、CUからUEへ、パラメータおよび切り替え指示を、MACシグナリングを用いて通知する例について示す。また、
図10において、CU配下の移動元ビーム/TRPをS-beam/TRPと表記し、CU配下の移動先ビーム/TRPをT-beam/TRPと表記している。また、
図10において、矢印の中にある黒丸は通信に用いられるビーム/TRPを示している。
図9と同一のステップには同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
【0314】
図10において、ビーム/TRP切り替え前は、UEは、S-beam/TRPを介してCUとユーザデータを送受信する(ステップST901)。
【0315】
図10のステップST2001において、CUは、S-beam/TRPを介して、UEに切り替え指示を通知する。切り替え指示の通知には、MACシグナリングを用いる。L1/L2シグナリングを用いてもよい。CUは、切り替え指示に、T-beam/TRPを示す情報を含めてもよい。ステップST2002において、UEは、切り替え指示に対するAckをS-beam/TRPを介してCUに通知する。UEからの受信結果がNackであった場合、CUは、S-beam/TRPを介して切り替え指示を再送してもよい。
【0316】
図10のステップST2003において、CUは、T-beam/TRPを介して、UEにSRパラメータを通知する。この通知には、MACシグナリングを用いる。L1/L2シグナリングを用いてもよい。また、SRパラメータは、非特許文献12に示すsr-PUCCH-ResourceIndexを含んでもよいし、非特許文献12に示すsr-ConfigIndexを含んでもよい。ステップST2004において、UEは、SRパラメータの通知に対するAckをS-beam/TRPを介してCUに通知する。UEからの受信結果がNackであった場合、CUは、S-beam/TRPを介してSRパラメータを再送してもよい。
【0317】
UEは、上り信号を移動元のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、CUからの切り替え指示のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。上り信号として、応答用のL1/L2シグナリングを新たに設けてもよい。前述の応答として、新しい上り制御情報(UCI)を設けてもよい。このことによって、CUからの切り替え指示にL1/L2シグナリングを用いていても、CUはUEへの送達確認を行うことができる。それにより、前述のL1/L2シグナリングの信頼性を向上させることができる。
【0318】
新しいUCIについては、実施の形態2と同様としてもよい。このことにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0319】
あるいは、UEは、上り信号を移動先のビーム/TRPに送信してもよい。CUおよびUEは、上り信号を、UEにおけるビーム/TRP切り替えの確認用の信号として用いてもよい。上り信号は、CUからのRRCパラメータ通知のMACシグナリングに対する応答であってもよい。あるいは、CUからのRRCパラメータ通知のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。上り信号として、応答用のL1/L2シグナリングを新たに設けてもよい。前述の応答として、新しい上り制御情報(UCI)を設けてもよい。このことによって、CUからの切り替え指示にL1/L2シグナリングを用いていても、CUはUEへの送達確認を行うことができる。それにより、前述のL1/L2シグナリングの信頼性を向上させることができる。
【0320】
実施の形態2と同様、CUは、UEへの上り信号の送信の要求有無を、UEに通知してもよい。該要求有無は、移動元ビーム/TRPへの上り信号と、移動先ビーム/TRPへの上り信号とのそれぞれに対するものであってもよい。該要求有無は、CUからUEへの切り替え指示に含めてもよい。このようにすることによって、例えば、通信品質が良いときにUEからの応答を不要とすることができるので、シグナリング量を削減可能となる。
【0321】
UEは、前述の確認用の信号を、SRの周波数リソースを用いて送信してもよい。あるいは、SRを、前述の確認用の信号として送信してもよい。このことにより、上り信号のための周波数リソースを節約することができる。
【0322】
実施の形態2と同様に、UEは、前述のSRを、最小の周期で送信してもよい。このことにより、UEが通信先のビーム/TRPを切り替えたことの確認を低遅延で行うことができる。
【0323】
実施の形態2と同様に、CUは、同じビーム/TRPの圏内に存在しているUEが共通して使用するためのSR用共通リソースを確保してもよい。UEは、SRの送信を、SR用共通リソースを用いて行ってもよい。SR用共通リソースは、UE同士の競合を許容するもの(contention-based)であってもよい。このようにすることで、UEは、RRCパラメータ受信失敗時においても、CUに対してビーム/TRP切り替えを行ったことを通知することが可能となる。
【0324】
CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時における、SRに関するRRCパラメータの初期値を、SR用共通リソースの位置としてもよい。UEは、SRを、SR用共通リソースを用いて移動先ビーム/TRPに通知してもよい。このことにより、UEは、通信先ビーム/TRP切り替え後すぐにCUにSRを送信することができるので、通信先ビーム/TRP切り替え後すぐにCUに上りユーザデータを送信することができる。このことにより、ビーム/TRP切り替え時における上り通信の遅延を少なくすることができる。
【0325】
実施の形態2と同様に、UEは、SRSを移動先のビーム/TRPに送信してもよい。SRSは、非周期的(Aperiodic)なものであってもよいし、周期的(Periodic)なものであってもよい。UEは、SRSを予め定める回数分、移動先のビーム/TRPに送信してもよい。この送信回数は、規格で定めてもよいし、予めCUからUEに通知してもよい。このことにより、UEは、CUに送信する上りユーザデータがない場合においても、CUに通信先ビーム/TRP切り替えをしたことを通知することが可能となる。
【0326】
実施の形態2と同様に、CUは、UEにおける通信先ビーム/TRP切り替えの有無を、前述のSRを用いて判断してもよい。CUは、移動元ビーム/TRPから、SRに関するパラメータおよび切り替え指示を再度通知してもよい。このことによって、UEがSRに関するパラメータあるいは切り替え指示を受信し損ねることによって発生するRLFあるいはランダムアクセスを防ぐことができる。それにより、ビーム/TRP切り替えの時間を短縮することができる。
【0327】
実施の形態2と同様に、CUは、UEへのパラメータの通知を、複数回行ってもよい。また、CUは、UEへのパラメータの通知の送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータ通知の信頼性を向上させることができる。
【0328】
UEからのSR送信について、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRを無効としてもよい。CUは、ビーム/TRP切り替えがSR受信と上りスケジューリンググラント送信との間に発生するときに、SRを無効としてもよい。前述において、UEは、移動先ビーム/TRPにSRを再送してもよい。SRの再送は、CUからUEへのRRCパラメータ通知を受信した後に行うとよい。このことによって、UEからの再送SRがCUにて不達となることを防ぐことができる。
【0329】
あるいは、実施の形態2と同様、UEからのSR送信後のビーム/TRP切り替えについて、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRを有効としてもよい。このことによって、ビーム/TRP切り替え発生時における上りデータ通信を円滑に行うことができる。
【0330】
CUからUEへの上りスケジューリンググラント通知について、実施の形態2と同様、CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替えが上りスケジューリンググラントと上りユーザデータとの間に発生するときに、上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。前述において、CUは、移動先ビーム/TRPから、上りスケジューリンググラントを再送してもよい。あるいは、UEは、移動先ビーム/TRPに対し、SR送信からやり直してもよい。SRの再送は、CUからUEへのRRCパラメータ通知を受信した後に行うとよい。このことによって、UEからの再送SRがCUにて不達となることを防ぐことができる。
【0331】
前述において、CUおよびUEは、前述のグラントを有効としてもよい。グラントを有効にする場合のCUおよびUEの動作は、実施の形態2と同様である。このことにより、CU、UE間のシグナリング量を削減することができる。
【0332】
前述における上りスケジューリンググラントを有効とするかどうかを、規格で定めてもよいし、あるいは、CUからUEに通知してもよい。gNBからUEへの通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。上りスケジューリンググラントを有効にする場合の例として、スケジューリンググラントにて示される上りリソースを、移動先ビーム/TRPが該UEに対して使用可能である場合としてもよい。前述の通知は、MACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、CUは、移動先ビーム/TRPにおける上りリソース使用状況に応じたスケジューリングを、少ないシグナリングで行うことが可能となる。
【0333】
UEからCUへの上りユーザデータ送信について、CUは、移動元ビーム/TRPにてUEより受信した上りユーザデータに対するAck/Nackを移動先ビーム/TRPからUEに送信してもよい。前述における移動先ビーム/TRPからのAck/Nack送信は、ビーム/TRP切り替えがUEからの上りユーザデータ送信とgNBからのAck/Nack通知との間に発生するときに行ってもよい。UEからのAck/Nack通知は、CUからUEへのRRCパラメータ通知の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。あるいは、Ack/Nack通知が、前述のパラメータ通知と、前述のパラメータ通知に対するUEからCUへのAck/Nack応答との間に行ってもよい。このことによって、上りユーザデータ送信後のビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0334】
本実施の形態3により、実施の形態2に示した効果に加えて、移動元ビーム/TRPとUEとの間の通信環境が急速に悪化する場合においても、CUからUEに対するRRCパラメータ通知を行うことができる。その結果、例えば、SRの不達によるUEのランダムアクセス処理発生を抑えることができる。
【0335】
実施の形態2と本実施の形態3とを組み合わせて用いてもよい。すなわち、CUは、RRCパラメータを移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらから送信するかを切り替えてもよい。このようにすることによって、CUはRRCパラメータを送信するビーム/TRPを通信環境に応じて柔軟に変えることが可能となる。
【0336】
RRCパラメータを移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらから送信するかについて、CUは予めUEに準静的に設定してもよい。該通知には、RRCシグナリングを用いてもよい。このことにより、伝搬状況に応じてRRCパラメータの通知経路を柔軟に設定することができる。
【0337】
あるいは、CUから動的に設定してもよい。例えば、CUは、切り替え指示にRRCパラメータを移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらから送信するかを示す情報を含めてUEに通知してもよい。UEは、該通知を用いて、RRCパラメータを受信してもよい。このようにすることによって、UEは、RRCパラメータの受信先を明示的に知ることが可能になるため、RRCパラメータ通知取得の信頼性を高めることができる。
【0338】
あるいは、規格により暗黙的に決定してもよい。例えば、UEは、切り替え指示受信前は移動元ビーム/TRPよりRRCパラメータを受信し、切り替え指示受信後は移動先ビーム/TRPよりRRCパラメータを受信するとしてもよい。このようにすることによって、RRCパラメータを移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらから受信するかを示す情報のCUからUEへの通知が不要になる。
【0339】
実施の形態3において、CUとDUが分離されている基地局装置を例として示したが、CUとDUが分離されていない基地局装置について適用してもよい。該基地局装置は、ビーム間でRRCパラメータを共有しない基地局装置であってもよい。実施の形態3を該基地局装置に適用するにあたり、CUをgNBに読み替えてもよい。このようにすることで、セル内のビーム間移動においてRRCパラメータをgNBから移動先ビームを介してUEに通知することを可能とし、ビームによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、gNBからUEにパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0340】
実施の形態3によれば、実施の形態2と同様に、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線ビームを用いて無線通信を行う基地局装置とを含み、基地局装置によって構成されるセルは、基地局装置の配下にある複数の無線ビームによって、空間分離されており、通信端末装置が第1の無線ビームの圏内から第2の無線ビームの圏内に移動する場合、基地局装置は、通信端末装置に対して用いるRRC(Radio Resource Control)パラメータを、第1の無線ビーム用の第1のRRCパラメータから、第2の無線ビーム用の第2のRRCパラメータに変更する、通信システムが提供される。なお、複数の無線ビームは、
図8に例示したように複数のDU(言い換えるとTRP)によって形成されてもよいし、1つのDUによって形成されてもよいし、あるいは、CUとDUが統合された基地局装置によって形成されてもよい。
【0341】
この構成によれば、通信端末装置に対して用いる無線ビームの変更に応じて、通信端末装置に対して用いるRRCパラメータを変更する。このため、前述のように、通信端末装置の収容数を増加させることができる。
【0342】
ここで、上記構成は、前述のように、様々に変形することが可能である。特に実施の形態3によれば、例えば、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する少なくとも1つのDU(Distributed Unit)と、少なくとも1つのDUを制御するCU(Central Unit)とを含み、CUがMAC(Medium Access Control)機能を有しており、CUは、第2のRRCパラメータを、第2の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。あるいは、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する機能およびMAC機能を有しており、基地局装置は、第2のRRCパラメータを、第2の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。
【0343】
また、以下の変形例1~3で述べるように、様々な変形が提供される。
【0344】
実施の形態3の変形例1.
実施の形態3においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0345】
前述における、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例1と同じとしてもよい。
【0346】
本変形例1において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態3と同じとしてもよい。また、CUが移動先ビーム/TRPを介してUEに通知するAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態3に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このようにすることで、UEは通信先ビーム/TRPを切り替えた後で、前述のRRCパラメータを円滑に取得することが可能となる。
【0347】
実施の形態3と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態3と同様でよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0348】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0349】
実施の形態3と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0350】
実施の形態3と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0351】
CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0352】
あるいは、CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0353】
また、切り替え通知についても、実施の形態3と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0354】
Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図10のステップST2003におけるSRに関するパラメータを、Ack/Nackレペティションに関するパラメータに置き換えればよい。
【0355】
実施の形態3と同様、CUはUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、Ack/Nackレペティションの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0356】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからの下りユーザデータに対するAck/Nackを、移動先ビーム/TRPに通知してもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nackの通知は、下りユーザデータとAck/Nackとの間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ処理を円滑に行うことができる。
【0357】
前述において、UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nackの通知は、CUからUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータ通知を受信した後に、行ってもよい。このことにより、CUは、Ack/Nackレペティションによって設定される2回目以降のAck/Nackを受信することが可能となるので、UEからCUへのAck/Nack通知の信頼性を高めることができる。
【0358】
UEからCUへのAck/Nackレペティションにおいて、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したAck/Nackのみを用いてもよい。Ack/Nackの利用は、UEからCUへのAck/Nackレペティションの間にビーム/TRPが切り替わった時に行うとよい。このことによって、Ack/Nackレペティションの間にビーム/TRPが切り替わる場合について、CUにおけるAck/Nack受信処理を円滑に行うことができる。
【0359】
あるいは、UEからCUへのAck/Nackレペティションにおいて、CUは、移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとの両方から受信したAck/Nackを有効としてもよい。前述において、UEは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータを受信した後で、移動先ビーム/TRPへのAck/Nackレペティション送信を行うとよい。このことによって、UEからCUへのAck/Nack通知の信頼性を高めることができる。
【0360】
前述において、CUが移動先ビーム/TRPにて受信したAck/Nackを用いるかについて、予め規格で定めてもよいし、CUにて適宜切り替えてもよい。このことによって、例えば、伝搬環境に応じて柔軟に切り替えることで、効率的なAck/Nack受信を可能とする。
【0361】
前述において、CUが移動先ビーム/TRPにて受信したAck/Nackを用いるかについて、CUからUEに通知してもよい。該通知は、RRCシグナリングを用いてもよいし、CUからUEへの切り替え通知と併せて通知してもよい。このことによって、例えば、CUが移動元ビーム/TRPのみを用いるときに、ビーム/TRP切り替え後にUEはAck/Nackレペティションを送信する必要がなくなるので、シグナリング量の削減が可能となる。
【0362】
CUは、UEから移動元ビーム/TRPに送信されたAck/Nackレペティションを用いた下りユーザデータのUEへの再送を、移動先ビーム/TRPを介して行ってもよい。該再送は、UEからCUへのAck/Nackレペティションと、CUからUEへの下りユーザデータの再送との間で、ビーム/TRPが切り替わった時に行ってもよい。このことによって、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ再送処理を円滑に行うことができる。
【0363】
本変形例1を用いることで、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態3と同じ効果を得ることができる。
【0364】
実施の形態3の変形例2.
実施の形態3においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、SRSに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0365】
前述における、SRSに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例2と同じとしてもよい。
【0366】
本変形例2において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態3と同じとしてもよい。また、CUが移動先ビーム/TRPを介してUEに通知するSRSに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態3に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このようにすることで、UEは通信先ビーム/TRPを切り替えた後で、前述のRRCパラメータを円滑に取得することが可能となる。
【0367】
実施の形態3と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0368】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0369】
実施の形態3と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0370】
実施の形態3と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、SRSに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0371】
CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0372】
あるいは、CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0373】
また、切り替え通知についても、実施の形態3と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0374】
SRSに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図10のステップST2003におけるSRに関するパラメータを、SRSに関するパラメータに置き換えればよい。
【0375】
実施の形態3と同様、CUはUEへのSRSに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、SRSに関するパラメータ通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0376】
UEは、移動先ビーム/TRPへのSRS送信について、CUから移動先ビーム/TRPを介して送信されるSRSに関するパラメータを受信した後に、行ってもよい。このことによって、UEにおけるSRSに関するパラメータの受信前に行う、移動先ビーム/TRPにて受信できないSRSの送信を抑えることができる。
【0377】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからのSRS送信要求を有効としてもよい。前述における、CUからのSRS送信要求を有効とする動作は、SRS送信要求とSRS送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ処理を円滑に行うことができる。
【0378】
あるいは、前述において、UEは、SRS送信要求を無効としてもよい。前述において、CUは、移動先ビーム/TRPを介してSRS送信要求をUEに再送してもよい。このことによって、CUは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0379】
UEからCUへのSRS送信において、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRSを無効としてもよい。無効とする動作は、UEからCUへのSRS送信のあとにビーム/TRPが切り替わった時に行ってもよい。CUはUEに、移動先ビーム/TRPを介してSRS送信要求を通知してもよい。該通知は、非周期的(Aperiodic)なSRSにおいて用いてもよい。このことによって、CUは、ビーム/TRP切り替えを正しく反映した上り通信レートを用いて、UEと通信を行うことができる。
【0380】
本変形例2を用いることで、SRSに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態3と同じ効果を得ることができる。
【0381】
実施の形態3の変形例3.
実施の形態3においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0382】
前述における、CQI/CSIに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例3と同じとしてもよい。
【0383】
本変形例3において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態3と同じとしてもよい。また、CUが移動先ビーム/TRPを介してUEに通知するCQI/CSIに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態3に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このようにすることで、UEは通信先ビーム/TRPを切り替えた後で、前述のRRCパラメータを円滑に取得することが可能となる。
【0384】
実施の形態3と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0385】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0386】
実施の形態3と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0387】
実施の形態3と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、CQI/CSIに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0388】
CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0389】
あるいは、CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0390】
また、切り替え通知についても、実施の形態3と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0391】
SRSに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図10のステップST2003におけるSRに関するパラメータを、CQI/CSIに関するパラメータに置き換えればよい。
【0392】
実施の形態3と同様、CUはUEへのCQI/CSIに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、CQI/CSIに関するパラメータの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0393】
UEは、移動先ビーム/TRPへのCQI/CSI送信について、CUから移動先ビーム/TRPを介して送信されるCQI/CSIに関するパラメータを受信した後に、行ってもよい。このことによって、UEにおけるCQI/CSIに関するパラメータの受信前に行う、移動先ビーム/TRPにて受信できないCQI/CSIの送信を抑えることができる。
【0394】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからのCQI/CSI送信要求を有効としてもよい。前述における、CUからのCQI/CSI送信要求を有効とする動作は、CQI/CSI送信要求とCQI/CSI送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ処理を円滑に行うことができる。
【0395】
あるいは、前述において、UEは、CQI/CSI送信要求を無効としてもよい。前述において、CUは、移動先ビーム/TRPを介してCQI/CSI送信要求をUEに再送してもよい。このことによって、CUは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0396】
UEからCUへのCQI/CSI送信において、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したCQI/CSIを無効としてもよい。無効とする動作は、UEからCUへのCQI/CSI送信の後に、ビーム/TRPが切り替わった時に行ってもよい。CUはUEに、移動先ビーム/TRPを介してCQI/CSI送信要求を通知してもよい。該通知は、非周期的(Aperiodic)なCQI/CSIにおいて用いてもよい。このことによって、CUは、ビーム/TRP切り替えを正しく反映した下り通信レートを用いてUEと通信を行うことができる。
【0397】
本変形例3を用いることで、CQI/CSIに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態3と同じ効果を得ることができる。
【0398】
実施の形態4.
実施の形態2と異なり、例えば、CUがPDCPを有し、DUがRLC、MACおよびPHYを有する場合、あるいは、CUがPDCPおよびH-RLCを有し、DUがL-RLC、MACおよびPHYを有する場合、セル内のビーム間移動あるいはTRP間移動においてRRCシグナリングを用いてRRCパラメータを通知することができる。
【0399】
ところが、NRにおいて、ビームフォーミングを用いていることから、セル内のビーム/TRP間移動が頻繁に発生する。そのため、RRCシグナリングが頻繁に発生し、通信効率が低下するといった問題が生じる。
【0400】
本実施の形態4では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0401】
実施の形態2と同様、CUからUEに対し、予めセル内のビームあるいはTRP(以下、ビーム/TRPと記載することがある)で使用するRRCパラメータを通知する。CUは該通知を、RRCシグナリングで行うとよい。CUは、ビーム/TRPの切り替えにおいて、UEにビーム/切り替え指示を通知する。該切り替え指示に、移動先ビーム/TRPを表す識別子を含めるとよい。CUはUEに、該切り替え指示を、L1/L2シグナリングで通知してもよいし、MACシグナリングで通知してもよい。このようにすることによって、CUは、ビーム/TRPの切り替えに伴うパラメータ変更を少ないシグナリング量で実現することが可能となる。
【0402】
実施の形態2と同様、該通知に含まれるRRCパラメータは、UEが存在するビーム/TRP近傍のものであってもよい。前述の近傍のビーム/TRPは、UEが存在するビーム/TRPに隣接するビーム/TRPを含んでもよい。また、該通知に含まれるRRCパラメータは、UEが存在するビーム/TRPにて使用するパラメータと異なるパラメータのみで構成されていてもよい。このようにすることで、該通知のサイズを小さくすることができる。
【0403】
他の方法を開示する。ビームあるいはTRP切り替えにおいて、CUは移動元ビーム/TRPを介して、UEに、移動先ビーム/TRPで用いるRRCパラメータを通知する。該通知にあたり、CUと移動元ビーム/TRPとの間の通知に、CU-DU間インタフェースを用いてもよい。また、移動元ビーム/TRPとUEとの間の通知に、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。
【0404】
前述において、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知することにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。また、MACシグナリングを用いることにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0405】
CUは、RRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0406】
あるいは、CUは、RRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、CUは、RRCパラメータの送達確認後に、切り替え指示をUEに通知することができる。このため、例えば、SRに関するRRCパラメータの不達による、UEからのSR不達および再送回数超過によるランダムアクセスの実行を回避することができる。
【0407】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、RRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0408】
移動元TRPは、CUに対し、パラメータの送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、パラメータの通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、切り替え指示をUEに通知してもよい。このようにすることによって、パラメータの不達時の切り替え指示通知を防ぐことができるため、例えば、UEからのSR不達および再送回数超過によるランダムアクセスの実行を回避することができる。
【0409】
RRCパラメータは、実施の形態1と同様、非特許文献12の6.3.2節に示すものであってもよい。RRCパラメータは、例えば、SRに関するものであってもよいし、Ack/Nackレペティション(repetition)に関するものであってもよいし、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)に関するものでもよいし、CQI/CSIに関するものでもよい。
【0410】
実施の形態2と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、実施の形態1に示すものとしてもよい。該通知は、移動元ビーム/TRPを介して行ってもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、移動先ビーム/TRPにおけるパラメータとしてもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0411】
実施の形態2と同様、CUは、移動元ビーム/TRPを介して、UEに、ビーム/TRPの切り替え指示(以下、単に「切り替え指示」という場合がある)を通知する。切り替え指示には、移動先ビーム/TRPを示す識別子を含めても、含めなくてもよい。また、切り替え指示には、ビーム/TRPを切り替えるタイミングを示す情報を含めてもよい。
【0412】
CUからUEへの切り替え指示の通知には、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。前述において、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知することにより、UEへの切り替え指示通知を迅速に行うことができる。また、MACシグナリングを用いることにより、多値変調が可能となるので、切り替え指示を少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、切り替え指示通知の信頼性が向上する。
【0413】
移動元TRPは、CUに対し、切り替え指示の送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、切り替え指示の通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、ビーム/TRPを切り替えてもよい。このようにすることによって、切り替え指示の不達時のビーム/TRP切り替え防ぐことができるため、UEのgNBとのリンク喪失によるRLF発生を回避することができる。
【0414】
前述において、SRに関するRRCパラメータは、実施の形態2にて開示した(1)~(3)としてもよい。また、CUはUEに対し、SRに関するRRCパラメータとして、SRの最大再送回数を示すパラメータを通知してもよいし、通知しなくてもよい。このことによって、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0415】
実施の形態2と同様、CUはUEに対し、RRCパラメータのうち、複数のパラメータを同時に通知してもよい。このことによって、通知に要するシグナリングの量を削減することができる。
【0416】
また、実施の形態2と同様、CUはUEに対し、RRCパラメータを別々に通知してもよい。このことによって、少ない送信リソースにおいてもパラメータを通知することが可能となる。
【0417】
CUは、RRCパラメータを移動先ビーム/TRPに通知してもよい。実施の形態1と同様、該通知には、例えば、CPRIの制御ワードの領域を用いてもよいし、ASN.1のフォーマットを用いてもよいし、他のフォーマットを用いてもよい。このことによって、実施の形態1と同様の効果に加え、例えば、ビーム/TRPへの切り替え直後において、移動先ビーム/TRPはUEからの上りユーザデータの復号を迅速に行うことができる。
【0418】
実施の形態2と同様、CUは、RRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0419】
実施の形態2と同様、CUは、RRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、例えば、UEは、TRP/ビーム切り替え前のSR送信において、前述のパラメータ変更による移動元TRP/ビームへのSR不達を防ぐことができる。
【0420】
CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替え時に、RRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このようにすることで、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは変更前のRRCパラメータを用いることができる。このため、例えば、移動先ビーム/TRPにおいて移動元ビーム/TRPと同じRRCパラメータを用いている場合において、UEは移動先ビーム/TRPへのSR不達を防ぐことができる。
【0421】
実施の形態2と同様、CUは、移動元ビーム/TRPからUEへの切り替え指示のHARQ再送回数超過時に、ビーム/TRPを切り替えてもよいし、切り替えなくてもよい。それぞれの場合について、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0422】
図11は、CUから移動元ビーム/TRPを介してSRに関するパラメータを通知する場合のビーム/TRP切り替えを表すシーケンス図である。
図11は、CUからUEへ、SRに関するパラメータおよび切り替え指示を、MACシグナリングを用いて通知する例について示す。また、
図11において、CU配下の移動元ビーム/TRPをS-beam/TRPと表記し、CU配下の移動先ビーム/TRPをT-beam/TRPと表記している。また、
図11において、矢印の中にある黒丸は通信に用いられるビーム/TRPを示している。
図9と同一のステップには同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
【0423】
図11のステップST3001において、CUはS-beam/TRPに対し、UEに通知するSRパラメータを通知する。パラメータの通知には、CU-DU間インタフェースを用いてもよい。ステップST3002において、S-beam/TRPはUEに、前述のパラメータを通知する。パラメータのS-beam/TRPからUEへの通知には、MACシグナリングを用いる。L1/L2シグナリングを用いてもよい。ステップST3003において、UEはS-beam/TRPに、SRパラメータ通知に対するAckを通知する。Ackの通知には、上り制御信号を用いてもよい。
【0424】
図11のステップST3004において、CUはS-beam/TRPに対し、UEに通知する切り替え指示を通知する。切り替え指示の通知には、CU-DU間インタフェースを用いてもよい。ステップST3005において、S-beam/TRPはUEに対し、切り替え指示を通知する。切り替え指示のS-beam/TRPからUEへの通知には、MACシグナリングを用いる。L1/L2シグナリングを用いてもよい。ステップST3006において、UEは、切り替え指示に対するAckをS-beam/TRPに通知する。UEからの受信結果がNackであった場合、CUは、S-beam/TRPを介して切り替え指示を再送してもよい。
【0425】
実施の形態2と同様、UEは、上り信号を移動元のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、CUからのパラメータの通知のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。また、CUからの切り替え指示のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。上り信号として、応答用のL1/L2シグナリングを新たに設けてもよい。前述の応答として、新しい上り制御情報(UCI)を設けてもよい。このことによって、CUからのパラメータの通知あるいは切り替え指示にL1/L2シグナリングを用いていても、CUはUEへの送達確認を行うことができる。それにより、前述のL1/L2シグナリングの信頼性を向上させることができる。
【0426】
新しいUCIについては、実施の形態2と同様としてもよい。このことにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0427】
前述において、移動元ビーム/TRPは、CUに対し、前述の応答用のL1/L2シグナリングを受信したことを示す情報を通知してもよい。このことにより、UEがパラメータの通知、あるいは、切り替え指示を正しく受信したことを、CUが把握することができる。それにより、ビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0428】
CUからUEへの、MACシグナリングを用いたRRCパラメータ通知に関して、移動元ビーム/TRPは、RRCパラメータ通知に対してAckを受信したことを示す情報を、CUに対して通知してもよい。CUは、通知された情報を用いて、使用するビーム/TRPを切り替えてもよい。このことにより、UEがRRCパラメータ通知を正しく受信したことをCUが把握することができるので、ビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0429】
CUからUEへの、MACシグナリングを用いた切り替え指示の通知に関して、移動元ビーム/TRPは、切り替え指示の通知に対してAckを受信したことを示す情報を、CUに対して通知してもよい。CUは、通知された情報を用いて、使用するビーム/TRPを切り替えてもよい。このことにより、UEが切り替え指示を正しく受信したことをCUが把握することができるので、ビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0430】
実施の形態2と同様、UEは、上り信号を移動先のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、UEにおけるビーム/TRP切り替えの確認用の信号としてもよい。確認用の信号を、SRの周波数リソースを用いて送信してもよい。あるいは、SRを、確認用の信号として送信してもよい。このことによって、CUからの切り替え指示にL1/L2シグナリングを用いていても、CUはUEへの送達確認を行うことができる。それにより、前述のL1/L2シグナリングの信頼性を向上させることができる。
【0431】
前述において、UEは、SRを最小の周期で送信してもよい。このことにより、UEが通信先のビーム/TRPを切り替えたことの確認を低遅延で行うことができる。
【0432】
前述において、CUは、同じビーム/TRPの圏内に存在しているUEが共通して使用するためのSR用共通リソースを確保してもよい。UEは、SRの送信を、SR用共通リソースを用いて行ってもよい。SR用共通リソースは、UE同士の競合を許容するもの(contention-based)であってもよい。SR用共通リソースの位置は、予め規格で定めてもよいし、CUが配下のUEに通知してもよい。この通知は、報知であってもよいし、UE個別の通知であってもよい。前述における、UE個別の通知は、RRC個別シグナリングであってもよい。このようにすることで、UEは、RRCパラメータ受信失敗時においても、CUに対してビーム/TRP切り替えを行ったことを通知することが可能となる。
【0433】
実施の形態2と同様、UEは、SR共通リソースの位置を、前述の、通信先ビーム/TRP切り替え時におけるSRに関するRRCパラメータの初期値としてもよい。このようにすることで、UEは、RRCパラメータ受信失敗時においても、CUに対してビーム/TRP切り替えを行ったことを通知することが可能となる。
【0434】
前述において、UEは、SRSを移動先のビーム/TRPに送信してもよい。SRSは、非周期的(Aperiodic)なものであってもよいし、周期的(Periodic)なものであってもよい。UEは、SRSを予め定める回数分、移動先のビーム/TRPに送信してもよい。この送信回数は、規格で定めてもよいし、予めCUからUEに通知してもよい。この通知はRRCシグナリングを用いて行ってもよい。このことにより、UEは、CUに送信する上りユーザデータがない場合においても、CUに通信先ビーム/TRP切り替えをしたことを通知することが可能となる。
【0435】
実施の形態2と同様、CUは、UEにおける通信先ビーム/TRP切り替えの有無を、前述のSRを用いて判断してもよい。例えば、CUは、UEからSR通知がない場合に、UEが通信先ビーム/TRPを切り替えていないと判断してもよい。CUは、移動元ビーム/TRPから、パラメータおよび切り替え指示を再度通知してもよい。この再度の通知は、前述の判断結果を用いて行ってもよい。このことによって、例えば、UEがSRに関するパラメータあるいは切り替え指示を受信し損ねることによって発生するRLFあるいはランダムアクセスを防ぐことができる。それにより、ビーム/TRP切り替えの時間を短縮することができる。
【0436】
実施の形態2と同様、CUは、UEへのパラメータの通知を、複数回行ってもよい。あるいは、CUは、UEへのパラメータの通知の送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータ通知の信頼性を向上させることができる。パラメータ通知の回数は、規格で定めてもよいし、予めCUよりUEに通知してもよい。この通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。
【0437】
実施の形態2と同様、UEへの切り替え指示通知についても、パラメータの通知と同様、複数回送信してもよいし、電力を増加させてもよい。このことにより、切り替え指示通知の信頼性を向上させることができる。
【0438】
実施の形態2と同様、UEは、CUより受信したパラメータの通知を用いて、通信先のビーム切り替えを行ってもよい。ビーム切り替えは、ビームスイーピングおよびランダムアクセスを伴ってもよい。ビーム切り替えは、パラメータのうち1つ以上の受信を用いて行ってもよい。ビーム切り替えは、UEがパラメータを1つ以上受信してから、予め定める時間が経過してから行ってもよい。前述の予め定める時間は、規格で定めてもよいし、予めCUよりUEに通知してもよい。この通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。このことによって、CUからUEへの切り替え指示をUEが正しく受信できない場合においても、UEは通信先のビームを切り替えることが可能となる。また、CUからUEへの切り替え通知の再送に要する時間が不要となる。
【0439】
UEからのSR送信について、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRを無効としてもよい。CUは、ビーム/TRP切り替えがSR受信と上りスケジューリンググラント送信との間に発生するときに、SRを無効としてもよい。前述において、UEは、移動先ビーム/TRPにSRを再送してもよい。このことによって、UEからの再送SRがCUにて不達となることを防ぐことができる。
【0440】
あるいは、前述の、UEからのSR送信後のビーム/TRP切り替えについて、CUは、移動元ビーム/TRPにて受信したSRを有効としてもよい。移動元ビーム/TRPは、SRを移動先ビーム/TRPに転送してもよい。この転送は、CUを経由してもよい。前述において、SRの代わりに、SRを受信したことを示す情報を用いてもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えがSR受信と上りスケジューリンググラント送信との間に発生するときにおいても、UEにおける、SR送信と、上りスケジューリンググラント受信と、上りユーザデータ送信とを含む一連の流れを円滑に行うことができる。
【0441】
CUからUEへの上りスケジューリンググラント通知について、CUおよびUEは、移動元ビーム/TRPから送信された上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替えが上りスケジューリンググラントと上りユーザデータとの間に発生するときに、上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。前述において、移動先ビーム/TRPはUEに、上りスケジューリンググラントを再送してもよい。前述の上りスケジューリンググラントの再送において、移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、UEに対する上りスケジューリンググラントの再送を要求してもよい。あるいは、UEは、移動先ビーム/TRPに対し、SR送信からやり直してもよい。前述において、UEがSR送信からやり直すかどうかについて、規格で定めてもよい。あるいは、CUからUEに通知してもよい。前述の通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。前述の通知は、MACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、UEは、上りユーザデータ送信に用いる移動先ビーム/TRPの上りリソース使用状況に応じた上りスケジューリンググラントを受信することが可能となる。
【0442】
あるいは、前述の、移動元ビーム/TRPからUEへの上りスケジューリンググラント通知後のビーム/TRP切り替えについて、CUおよびUEは、移動元ビーム/TRPから送信された上りスケジューリンググラントを有効としてもよい。移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、上りスケジューリンググラントについての情報を通知してもよい。UEは、上りスケジューリンググラントを用いて、移動先ビーム/TRPに上りユーザデータを送信してもよい。このことにより、CU、UE間のシグナリング量を削減することができる。
【0443】
前述における上りスケジューリンググラントを有効とするかどうかを、規格で定めてもよいし、あるいは、CUからUEに通知してもよい。gNBからUEへの通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。上りスケジューリンググラントを有効にする場合の例として、スケジューリンググラントにて示される上りリソースを、移動先ビーム/TRPが該UEに対して使用可能である場合としてもよい。移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、上りスケジューリンググラントについての情報を通知してもよい。このことにより、移動先ビーム/TRPは、上りスケジューリンググラントを有効にするか無効にするかを判断することができるようになるので、柔軟なスケジューリングが可能となる。
【0444】
前述の通知をMACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、前述の通知を切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、CUは、移動先ビーム/TRPにおける上りリソース使用状況に応じたスケジューリングを、少ないシグナリングで行うことが可能となる。
【0445】
UEからCUへの上りユーザデータ送信について、移動先ビーム/TRPは、移動元ビーム/TRPがUEから受信した上りユーザデータに対するAck/Nackを、UEに送信してもよい。前述における移動先ビーム/TRPからUEへのAck/Nack送信は、ビーム/TRP切り替えがUEからの上りユーザデータ送信と上りユーザデータに対するAck/Nack通知との間に発生するときに行ってもよい。前述において、移動元ビーム/TRPは、上りユーザデータに対するAck/Nackを示す情報を、移動先ビーム/TRPに通知してもよい。このことによって、上りユーザデータ送信後のビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0446】
また、移動元ビーム/TRPは、UEから受信した上りユーザデータの復号結果に関する情報を、移動先ビーム/TRPに通知してもよい。この情報は、例えば、上りユーザデータの軟判定値であってもよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、上りユーザデータの初送受信結果と再送受信結果とを合成して復号することができる。それにより、受信エラーとなる確率を低くすることができる。
【0447】
本実施の形態4により、CUがPDCPを有し、DUがRLC、MACおよびPHYを有する場合、あるいは、CUがPDCPおよびH-RLCを有し、DUがL-RLC、MACおよびPHYを有する場合についても、実施の形態2と同じ効果を得ることができる。また、前述の場合において、ビーム/TRP間のシグナリング量を削減することができる。
【0448】
実施の形態4において、CUとDUが分離されている基地局装置を例として示したが、CUとDUが分離されていない基地局装置について適用してもよい。該基地局装置は、ビーム間でRRCパラメータを共有しない基地局装置であってもよい。また、該基地局装置は、例えば、ビーム毎に異なるHARQスケジューリングを行う基地局装置であってもよいし、ビーム毎に異なるRLCレイヤを有する基地局装置であってもよいし、前述の両方を組み合わせたものであってもよい。実施の形態4を該基地局装置に適用するにあたり、CUをgNBに読み替えてもよい。このようにすることで、セル内のビーム間移動においてRRCパラメータをgNBから移動元ビームを介してUEに通知することを可能とし、ビームによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、gNBからUEにパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0449】
また、実施の形態4において、移動元ビーム/TRPよりRRCパラメータをUEに通知する基地局装置を例として示したが、他のビーム/TRPよりRRCパラメータを通知してもよい。前述の、他のビーム/TRPは、例えば、制御情報送信用のビーム/TRPであってもよい。このようにすることで、例えば、ユーザデータ送受信用と制御情報送受信用のビーム/TRPが存在する基地局装置において、RRCパラメータを少ないシグナリング量で通知することが可能となるため、ビーム移動におけるRRCパラメータ通知を迅速に行うことが可能となる。
【0450】
実施の形態4によれば、実施の形態2と同様に、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線ビームを用いて無線通信を行う基地局装置とを含み、基地局装置によって構成されるセルは、基地局装置の配下にある複数の無線ビームによって、空間分離されており、通信端末装置が第1の無線ビームの圏内から第2の無線ビームの圏内に移動する場合、基地局装置は、通信端末装置に対して用いるRRC(Radio Resource Control)パラメータを、第1の無線ビーム用の第1のRRCパラメータから、第2の無線ビーム用の第2のRRCパラメータに変更する、通信システムが提供される。なお、複数の無線ビームは、
図8に例示したように複数のDU(言い換えるとTRP)によって形成されてもよいし、1つのDUによって形成されてもよいし、あるいは、CUとDUが統合された基地局装置によって形成されてもよい。
【0451】
この構成によれば、通信端末装置に対して用いる無線ビームの変更に応じて、通信端末装置に対して用いるRRCパラメータを変更する。このため、前述のように、通信端末装置の収容数を増加させることができる。
【0452】
ここで、上記構成は、前述のように、様々に変形することが可能である。特に実施の形態4によれば、例えば、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する少なくとも1つのDU(Distributed Unit)と、少なくとも1つのDUを制御するCU(Central Unit)とを含み、少なくとも1つのDUがMAC(Medium Access Control)機能を有しており、CUは、第2のRRCパラメータを、第1の無線ビームによって、L1/L2シグナリングまたはMACシグナリングを用いて、通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、L1/L2シグナリングまたはMACシグナリングを用いて、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。前述において、DUは、RLC(Radio Link Control)機能を有していてもよい。また、他の例として、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する機能、MAC機能を有しており、基地局装置は、第2のRRCパラメータを通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。
【0453】
また、以下の変形例1~4で述べるように、様々な変形が提供される。
【0454】
実施の形態4の変形例1.
実施の形態4においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0455】
前述における、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例1と同じとしてもよい。
【0456】
本変形例1において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態4と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知するAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態4に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0457】
実施の形態4と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態4と同様でよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0458】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0459】
実施の形態4と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前のAck/Nack送信において、パラメータ変更による移動元TRP/ビームへのAck/Nack送信の信頼性低下を防ぐことができる。
【0460】
実施の形態4と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0461】
実施の形態4と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0462】
実施の形態4と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0463】
あるいは、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、UEにおいてビーム/TRP切り替え後に変更前のパラメータが適用されることを回避することが可能となり、UEからの反復Ack/Nack不達をもたらすこと、および、UEからの反復Ack/Nack不達がAck/Nack通知の信頼性を低下させることを、回避することができる。
【0464】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて、切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0465】
CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0466】
あるいは、CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0467】
実施の形態4と同様、移動元TRPは、CUに対し、パラメータの送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、パラメータの通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、切り替え指示をUEに通知してもよい。このようにすることによって、パラメータの不達によるUEからの反復Ack/Nack不達を回避し、Ack/Nack送信の信頼性を高めることができる。
【0468】
また、切り替え通知についても、実施の形態4と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0469】
Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図11のステップST3001およびST3002におけるSRに関するパラメータを、Ack/Nackレペティションに関するパラメータに置き換えればよい。
【0470】
実施の形態4と同様、CUはUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0471】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからの下りユーザデータに対するAck/Nackの通知を、移動元ビーム/TRPに対しても移動先ビーム/TRPに対しても行わなくてもよい。前述のUEの動作は、下りユーザデータとAck/Nackとの間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。移動元ビーム/TRPは、前述の下りユーザデータを移動先ビーム/TRPに転送してもよい。移動先ビーム/TRPは、前述の下りユーザデータをUEに送信してもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えによる下りユーザデータの欠落を防ぐことができる。
【0472】
他の例として、UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからの下りユーザデータに対するAck/Nackの通知を、移動先ビーム/TRPに対して行ってもよい。前述のAck/Nackの通知は、下りユーザデータとAck/Nackとの間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。移動先ビーム/TRPは、前述のAck/Nack受信結果を移動元ビーム/TRPに通知してもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータに関するシグナリング量を削減することができる。
【0473】
前述において、移動元ビーム/TRPは、前述の下りユーザデータを移動先ビーム/TRPに転送してもよい。前述の転送は、下りユーザデータに対してUEからNackの通知を受信したときに行ってもよい。移動先ビーム/TRPは、転送された下りユーザデータを用いてUEに再送を行ってもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えにおける下りユーザデータの再送処理を円滑に行うことができる。
【0474】
移動元ビーム/TRPは、UEから受信したAck/Nackの判断について、自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いてもよいし、移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いてもよい。移動先ビーム/TRPは、UEからのAck/Nack受信結果を移動元ビーム/TRPに転送してもよい。前述の動作は、UEから移動元ビーム/TRPへのAck/Nackレペティションの間にビーム/TRPが切り替わった時に行うとよい。移動元ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いることによって、UEからのAck/Nackレペティションの受信動作を迅速に行うことができる。移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いることによって、移動元ビーム/TRPにおけるAck/Nackレペティションの信頼性を高めることができる。移動元ビーム/TRPが自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いるか、移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いるかについて、規格で定めてもよいし、CUにて適宜切り替えてもよい。CUにて適宜切り替えることにより、例えば、移動元ビーム/TRPにおける伝搬状況に応じて適切な受信動作を選択することができるため、gNBにおけるAck/Nackレペティションの受信処理の柔軟性を高めることができる。
【0475】
前述において、移動元ビーム/TRPの代わりに移動先ビーム/TRPがAck/Nackレペティションの受信処理を行ってもよい。移動先ビーム/TRPは、自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いてもよいし、移動元ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いてもよい。移動元ビーム/TRPは、UEからのAck/Nack受信結果を移動元ビーム/TRPに転送してもよい。このようにすることによって、前述と同様の効果を得ることができる。移動先ビーム/TRPが自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いるか、移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いるかについて、規格で定めてもよいし、CUにて適宜切り替えてもよい。
【0476】
前述において、Ack/Nack受信動作を移動元ビーム/TRP、移動先ビーム/TRPのどちらが行うか、規格で定めてもよいし、予めCUが決定してもよい。このようにすることによって、移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとの間におけるAck/Nackの受信結果の齟齬による誤動作を防ぐことができる。
【0477】
移動先ビーム/TRPは、UEから移動元ビーム/TRPに送信されたAck/Nackレペティションを用いた下りユーザデータのUEへの再送を行ってもよい。該再送は、UEから移動元ビーム/TRPへのAck/Nackレペティションと、UEへの下りユーザデータの再送との間で、ビーム/TRPが切り替わった時に行ってもよい。移動元ビーム/TRPは移動先ビーム/TRPに、再送データを転送してもよい。このことによって、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ再送処理を円滑に行うことができる。
【0478】
本変形例1を用いることで、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態4と同じ効果を得ることができる。
【0479】
実施の形態4の変形例2.
実施の形態4においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、SRSに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0480】
前述における、SRSに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例2と同じとしてもよい。
【0481】
本変形例2において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態4と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知するSRSに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態4に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0482】
実施の形態4と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態4と同様でよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0483】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0484】
実施の形態4と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のSRSに関するRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前のSRS送信において、SRS不達によって発生するランダムアクセス動作および上り通信レート低下を防ぐことができる。
【0485】
実施の形態4と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0486】
実施の形態4と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、SRSに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0487】
実施の形態4と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0488】
あるいは、CUは、SRSに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、UEにおいてビーム/TRP切り替え後に変更前のSRSに関するRRCパラメータが適用されることを回避することが可能となり、UEからのSRS不達をもたらすこと、および、UEからのSRS不達がランダムアクセス動作を発生させ、上り通信レートを低下させることを、回避することができる。
【0489】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、SRSに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて、切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0490】
CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0491】
あるいは、CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0492】
実施の形態4と同様、移動元TRPは、CUに対し、パラメータの送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、パラメータの通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、切り替え指示をUEに通知してもよい。このようにすることによって、パラメータの不達によるUEからのSRS不達を回避し、ランダムアクセス動作の発生および上り通信レートの低下を防ぐことができる。
【0493】
また、切り替え通知についても、実施の形態4と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0494】
SRSに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図11のステップST3001およびST3002におけるSRに関するパラメータを、SRSに関するパラメータに置き換えればよい。
【0495】
実施の形態4と同様、CUはUEへのSRSに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータ通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0496】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したSRS送信指示に対するSRS送信を、移動先ビーム/TRPに対して行ってもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのSRS送信は、SRS送信指示とSRS送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。また、前述におけるSRS送信は、非周期的(Aperiodic)なSRS送信について行ってもよい。移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、UEに対してSRS送信を指示したことを通知してもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときのSRS送信処理を円滑に行うことができる。
【0497】
前述において、UEは、移動元ビーム/TRPから受信したSRS送信指示を無効としてもよい。このようにすることによって、移動元ビーム/TRPから移動先ビーム/TRPに対するシグナリングを削減することができる。
【0498】
移動元ビーム/TRPは、UEから自ビームに送信したSRSを無効としてもよい。SRSを無効とする動作は、SRS送信の後にビーム/TRPが切り替わったときに行うとよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0499】
本変形例2を用いることで、SRSに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態4と同じ効果を得ることができる。
【0500】
実施の形態4の変形例3.
実施の形態4においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0501】
前述における、CQI/CSIに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例3と同じとしてもよい。
【0502】
本変形例3において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態4と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知するCQI/CSIに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態4に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0503】
実施の形態4と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態4と同様でよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0504】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0505】
実施の形態4と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のCQI/CSIに関するRRCパラメータを保持してもよい。このようにすることで、UEは、TRP/ビーム切り替え前のCQI/CSI送信において、CQI/CSI不達によって発生する下り通信レート低下を防ぐことができる。
【0506】
実施の形態4と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0507】
CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、CQI/CSIに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。RRCパラメータの初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0508】
実施の形態4と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよい。このことにより、ビーム/TRP切り替えにおけるシグナリング量を削減することができる。
【0509】
あるいは、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。このことにより、UEにおいてビーム/TRP切り替え後に変更前のCQI/CSIに関するRRCパラメータが適用されることを回避することが可能となり、UEからのCQI/CSI不達をもたらすこと、および、UEからのCQI/CSI不達が下り通信レートを低下させることを、回避することができる。
【0510】
あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、CQI/CSIに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて、切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより、UEにおいて通信先のビーム/TRPを切り替える処理に時間を要する場合についても、円滑な切り替えを可能とする。
【0511】
CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0512】
あるいは、CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0513】
実施の形態4と同様、移動元TRPは、CUに対し、パラメータの送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、パラメータの通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、切り替え指示をUEに通知してもよい。このようにすることによって、パラメータの不達によるUEからのCQI/CSI不達を回避し、下り通信レートの低下を防ぐことができる。
【0514】
また、切り替え通知についても、実施の形態4と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0515】
CQI/CSIに関するRRCパラメータ通知および切り替え指示のシーケンスの一例として、
図11のステップST3001およびST3002におけるSRに関するパラメータを、CQI/CSIに関するパラメータに置き換えればよい。
【0516】
実施の形態4と同様、CUはUEへのCQI/CSIに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータ通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0517】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCQI/CSI送信指示に対するCQI/CSI送信を、移動先ビーム/TRPに対して行ってもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのCQI/CSI送信は、CQI/CSI送信指示とCQI/CSI送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。また、前述におけるCQI/CSI送信は、非周期的(Aperiodic)なCQI/CSI送信について行ってもよい。移動元ビーム/TRPは、UEにCQI/CSI送信指示を行ったことを示す情報を、移動先ビーム/TRPに対して通知してもよい。このことにより、移動元ビーム/TRP、移動先ビーム/TRPおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときのCQI/CSI送信処理を円滑に行うことができる。
【0518】
移動元ビーム/TRPは、UEから自ビームに送信したCQI/CSIを無効としてもよい。CQI/CSIを無効とする動作は、CQI/CSI送信の後にビーム/TRPが切り替わったときに行うとよい。移動元ビーム/TRPは、UEにCQI/CSI送信指示を行ったことを示す情報を、移動先ビーム/TRPに対して通知してもよい。移動先ビーム/TRPはUEに、CQI/CSI送信指示を再送してもよい。UEは、移動先ビーム/TRPに対してCQI/CSIを再送してもよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0519】
本変形例3を用いることで、CQI/CSIに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態4と同じ効果を得ることができる。
【0520】
実施の形態4の変形例4.
実施の形態4においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、RLCに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0521】
前述における、RLCに関するRRCパラメータとして、以下の(1)~(8)を示す。
【0522】
(1)RLC PDUの再送要否を判断するためのタイマ。例えば、非特許文献12に記載のT-PollRetransmit。
【0523】
(2)RLCの送信側エンティティが受信側エンティティにポーリング(Polling)を送る間隔として用いるRLC PDU個数。例えば、非特許文献12に記載のPollPDU。
【0524】
(3)RLCの送信側エンティティが受信側エンティティにポーリング(Polling)を送る間隔として用いるRLC PDUデータ量。例えば、非特許文献12に記載のPollByte。
【0525】
(4)RLCのARQにおける最大再送回数。例えば、非特許文献12に記載のmaxRetxThreshold。
【0526】
(5)RLC PDUのリオーダリングに用いるタイマ。例えば、非特許文献12に記載のT-reordering。
【0527】
(6)RLC ステータスPDUの最小送信間隔。例えば、非特許文献12に記載のT-StatusProhibit。
【0528】
(7)RLC PDUのシーケンス番号のサイズ。例えば、非特許文献12に記載のSN-FieldLength。
【0529】
(8)前述の(1)~(7)の組み合わせ。
【0530】
前述の(1)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいて、RLC PDUの再送要否を判断するためのタイマの値を小さくすることによって、UEとCUの間の通信における遅延を小さくすることができる。
【0531】
前述の(2)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいてポーリング間のRLC PDU個数を小さくすることによって、UEとCUの間の通信における遅延を小さくすることができる。
【0532】
前述の(3)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいてポーリング間のRLC PDUサイズを小さくすることによって、UEとCUの間の通信における遅延を小さくすることができる。
【0533】
前述の(4)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいてRLCPDUの最大再送回数を大きくすることによって、RLC PDU送受信の信頼性を高めることができる。
【0534】
前述の(5)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいてリオーダリングに用いるタイマの値を大きくすることによって、RLC PDUの欠落を防ぐことができる。
【0535】
前述の(6)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいてステータスPDUの送信間隔を短くすることによって、低遅延、かつ、高信頼性な通信を確保することができる。
【0536】
前述の(7)によれば、例えば、伝搬環境が不安定なビーム/TRPにおいてシーケンス番号のサイズを大きくすることによって、RLC PDUの欠落を防ぐことができる。
【0537】
本変形例1において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態4と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知するRLCに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態4に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0538】
実施の形態4と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態4と同様でよい。このようにすることで、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0539】
CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0540】
実施の形態4と同様、CUは、RLCに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のRLCに関するRRCパラメータを保持し、TRP/ビーム切り替え後に変更後のパラメータを用いてもよい。このようにすることで、TRP/ビーム切り替え前において、RLCに関するRRCパラメータの変更に伴って発生するUEおよび移動元ビーム/TRPのRLC再構築を防ぐことができ、それに伴う通信ロスを防ぐことができる。
【0541】
実施の形態4と同様、CUは、RLCに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0542】
実施の形態4と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、RLCに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。該初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。前述において、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよいし、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0543】
実施の形態4と同様、CUは、RLCに関するRRCパラメータと切り替え指示とを一緒にUEに通知してもよいし、RLCに関するRRCパラメータの通知後に、切り替え指示をUEに通知してもよい。あるいは、CUは、切り替え指示の通知の後に、RLCに関するRRCパラメータをUEに通知してもよい。この場合において、CUは、切り替え指示と併せて、切り替えタイミングをUEに通知するとよい。このことにより実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0544】
CUは、前述のRLCに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0545】
あるいは、CUは、前述のRLCに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0546】
実施の形態4と同様、移動元TRPは、CUに対し、パラメータの送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、パラメータの通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、切り替え指示をUEに通知してもよい。このようにすることによって、パラメータの不達によるRLCの誤動作を防ぐことができる。
【0547】
また、切り替え通知についても、実施の形態4と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0548】
実施の形態4と同様、CUはRLCに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0549】
CUおよびUEは、切り替え指示の通知とともにユーザデータの送受信を止めてもよい。CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替え完了後にユーザデータの送受信を再開してもよい。このようにすることによって、RLC再構築によるデータの欠落を防ぐことができる。
【0550】
本変形例4を用いることで、RLCに関するRRCパラメータのUEへの通知を迅速に行うことができる。また、ビーム/TRPの伝搬環境に応じて適切な値を設定可能となるため、RLCレイヤにおける通信の遅延が低減し、かつ、信頼性が向上する。
【0551】
実施の形態5.
実施の形態4においては、例えば、CUがPDCPを有し、DUがRLC、MACおよびPHYを有する場合、あるいは、CUがPDCPおよびH-RLCを有し、DUがL-RLC、MACおよびPHYを有する場合において、移動元ビーム/TRPからRRCパラメータをUEに通知することを示した。前述の場合について、移動先ビーム/TRPからRRCパラメータをUEに通知してもよい。
【0552】
移動先ビーム/TRPは、RRCパラメータをUEに通知する。移動元ビーム/TRPは、UEへの切り替え指示を通知する。
【0553】
移動先ビーム/TRPからUEへのRRCパラメータの通知は、移動元ビーム/TRPからUEへの切り替え通知の後に行うとよい。このようにすることで、UEは通信先ビーム/TRPを切り替えた後で、RRCパラメータを円滑に取得することが可能となる。
【0554】
RRCパラメータは、実施の形態2と同様、非特許文献12の6.3.2節に示すものであってもよい。RRCパラメータは、例えば、SRに関するものであってもよいし、Ack/Nackレペティション(repetition)に関するものであってもよいし、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)に関するものでもよいし、CQI/CSIに関するものでもよい。
【0555】
前述における、SRに関するRRCパラメータは、実施の形態2において(1)~(3)に示したものであってもよい。また、実施の形態2と同様、CUはUEに対し、SRに関するRRCパラメータとして、SRの最大再送回数を示すパラメータを通知してもよいし、通知しなくてもよい。このことによって、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0556】
CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、実施の形態1に示すものとしてもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、移動元ビーム/TRPを介して行ってもよい。ビームスイーピングに必要なパラメータは、移動先ビーム/TRPにおけるパラメータとしてもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0557】
移動先ビーム/TRPからUEに対するRRCパラメータ通知には、実施の形態2と同様、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、ビームスイーピングに必要なパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0558】
あるいは前述において、実施の形態3と同様、RRCシグナリングを用いてもよい。このことにより、RRCパラメータを予めCUからUEに通知することが可能となるため、ビーム/TRP切り替え時におけるRRCパラメータ通知が不要となる。これによりシグナリング量を少なくすることが可能となる。
【0559】
移動元ビーム/TRPからUEに対する切り替え指示の通知の方法には、実施の形態2と同様、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、UEへのビーム/TRP切り替え通知を迅速に行うことができる。また、MACシグナリングを用いることにより、前述の通知の信頼性を向上させることができる。
【0560】
実施の形態5と同様、移動元TRPは、CUに対し、切り替え指示の送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、切り替え指示の通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、ビーム/TRPを切り替えてもよい。このようにすることによって、切り替え指示の不達時のビーム/TRP切り替えを防ぐことができるため、UEのCUとのリンク喪失によるRLF発生を回避することができる。
【0561】
CUは、RRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0562】
前述の、MACシグナリングを用いた切り替え指示の通知において、実施の形態2と同様、CUは、移動元ビーム/TRPからUEへの切り替え指示のHARQ再送回数超過時に、ビーム/TRPを切り替えてもよい。ビーム/TRPの切り替えは、切り替え指示に対するUEからのAck/Nackが判別不能である場合に行うとよい。このことによって、移動元ビーム/TRPが切り替え指示に対するUEからのAck信号を受信し損ねた場合について、UEにおける通信先ビーム/TRP切り替えとともにgNBにおいてもビーム/TRPを切り替えることができる。それにより、UEにおけるgNBとのリンク喪失を防ぐことができる。
【0563】
実施の形態2と同様、UEは、上り信号を移動元のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、CUからの切り替え指示のL1/L2シグナリングに対する応答であってもよい。上り信号として、応答用のL1/L2シグナリングを新たに設けてもよい。前述の応答として、新しい上り制御情報(UCI)を設けてもよい。このことによって、実施の形態2に記載したことと同様の効果を得ることができる。
【0564】
新しいUCIについては、実施の形態2と同様としてもよい。このことにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0565】
前述において、実施の形態4と同様、移動元ビーム/TRPは、CUに対し、応答用のL1/L2シグナリングを受信したことを示す情報を通知してもよい。このことにより、UEが切り替え指示を正しく受信したことをCUが把握することができるので、ビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0566】
移動元ビーム/TRPからUEへの、MACシグナリングを用いた切り替え指示の通知に関して、移動元ビーム/TRPは、切り替え指示の通知に対してAckを受信したことを示す情報を、CUに対して通知してもよい。CUは、通知された情報を用いて、使用するビーム/TRPを切り替えてもよい。このことにより、UEが切り替え指示を正しく受信したことをCUが把握することができるので、ビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0567】
実施の形態2と同様、UEは、上り信号を移動先のビーム/TRPに送信してもよい。上り信号は、UEにおけるビーム/TRP切り替えの確認用の信号としてもよい。確認用の信号を、SRの周波数リソースを用いて送信してもよい。あるいは、SRを、確認用の信号として送信してもよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、UEの通信先ビーム/TRPを切り替えたことを確認したうえで、RRCパラメータを通知することができる。それにより、RRCパラメータ通知のUEへの送達の信頼性が向上する。
【0568】
UEから移動先ビーム/TRPへのSR送信、SR用共通リソース、および、SRS送信については、実施の形態2と同じであるため、記載を省略する。
【0569】
CUがUEにおける通信先ビーム/TRP切り替えの有無の判断することについては、実施の形態2と同じであるため、記載を省略する。
【0570】
送信元ビーム/TRPは、UEへの切り替え指示通知を複数回送信してもよいし、電力を増加させてもよい。このことにより、切り替え指示通知の信頼性を向上させることができる。
【0571】
送信先ビーム/TRPは、UEへのパラメータの通知を、複数回行ってもよいし、電力を増加させてもよい。このことにより、前述のパラメータ通知の信頼性を向上させることができる。
【0572】
UEからのSR送信について、移動元ビーム/TRPは、UEから受信したSRを無効としてもよい。移動元ビーム/TRPは、ビーム/TRP切り替えがSR受信と上りスケジューリンググラント送信との間に発生するときに、SRを無効としてもよい。前述において、UEは、移動先ビーム/TRPにSRを再送してもよい。UEからのSR再送は、移動先ビーム/TRPからSRに関するRRCパラメータを受信した後に行うとよい。このことによって、UEから移動先ビーム/TRPに送信する再送SRが、移動先ビーム/TRPにて不達となることを、回避することができる。
【0573】
あるいは、前述において、移動元ビーム/TRPは、UEから受信したSRを有効としてもよい。移動元ビーム/TRPは、SRを移動先ビーム/TRPに転送してもよい。この転送は、CUを経由してもよい。前述において、SRの代わりに、SRを受信したことを示す情報を用いてもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えがSR受信と上りスケジューリンググラント送信との間に発生するときにおいても、UEにおける、SR送信と、上りスケジューリンググラント受信と、上りユーザデータ送信とを含む一連の流れを円滑に行うことができる。このことにより、移動先ビーム/TRPからSRに関するRRCパラメータが通知されるのを待たずに、上りスケジューリンググラントを受信し、上りユーザデータ送信を行うことができる。それにより、上りユーザデータ通信における遅延を少なくすることができる。
【0574】
移動先ビーム/TRPはUEに、上りスケジューリンググラントとSRに関するRRCパラメータとを同時に通知してもよい。このことにより、移動先ビーム/TRPからUEへのシグナリング量を少なくすることができるとともに、上りユーザデータ通信における遅延を少なくすることができる。
【0575】
CUからUEへの上りスケジューリンググラント通知について、CUおよびUEは、移動元ビーム/TRPから送信された上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替えが上りスケジューリンググラントと上りユーザデータとの間に発生するときに、上りスケジューリンググラントを無効としてもよい。前述において、移動先ビーム/TRPはUEに、上りスケジューリンググラントを再送してもよい。上りスケジューリンググラントの再送において、移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、UEに対する上りスケジューリンググラントの再送を要求してもよい。あるいは、UEは、移動先ビーム/TRPに対し、SR送信からやり直してもよい。SRの再送は、CUからUEへのRRCパラメータ通知を受信した後に行うとよい。このことによって、UEからの再送SRがCUにて不達となることを防ぐことができる。
【0576】
前述において、UEがSR送信からやり直すかどうかについて、規格で定めてもよいし、あるいは、CUからUEに通知してもよい。gNBからUEへの通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。前述の通知は、MACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、UEは、上りユーザデータ送信に用いる移動先ビーム/TRPの上りリソース使用状況に応じた上りスケジューリンググラントを受信することが可能となる。
【0577】
あるいは、前述の、移動元ビーム/TRPからUEへの上りスケジューリンググラント通知後のビーム/TRP切り替えについて、CUおよびUEは、移動元ビーム/TRPから送信された上りスケジューリンググラントを有効としてもよい。UEは、上りスケジューリンググラントを用いて、移動先ビーム/TRPに上りユーザデータを送信してもよい。このことにより、CU、UE間のシグナリング量を削減することができる。
【0578】
前述における上りスケジューリンググラントを有効とするかどうかを、規格で定めてもよいし、あるいは、CUからUEに通知してもよい。gNBからUEへの通知は、予めRRCシグナリングで行ってもよいし、MACシグナリングで行ってもよいし、L1/L2シグナリングで行ってもよい。上りスケジューリンググラントを有効にする場合の例として、スケジューリンググラントにて示される上りリソースを、移動先ビーム/TRPが該UEに対して使用可能である場合としてもよい。移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、上りスケジューリンググラントについての情報を通知してもよい。このことにより、移動先ビーム/TRPは、上りスケジューリンググラントを有効にするか無効にするかを判断することができるようになるので、柔軟なスケジューリングが可能となる。
【0579】
前述の通知をMACシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで行う例では、前述の通知を切り替え通知と併せて行ってもよい。このことにより、CUは、移動先ビーム/TRPにおける上りリソース使用状況に応じたスケジューリングを、少ないシグナリングで行うことが可能となる。
【0580】
UEからCUへの上りユーザデータ送信について、移動先ビーム/TRPは、移動元ビーム/TRPがUEから受信した上りユーザデータに対するAck/Nackを、UEに送信してもよい。前述における移動先ビーム/TRPからUEへのAck/Nack送信は、ビーム/TRP切り替えがUEからの上りユーザデータ送信と上りユーザデータに対するAck/Nack通知との間に発生するときに行ってもよい。前述において、移動元ビーム/TRPは、上りユーザデータに対するAck/Nackを示す情報を、移動先ビーム/TRPに通知してもよい。このことによって、上りユーザデータ送信後のビーム/TRP切り替えを円滑に行うことができる。
【0581】
また、移動元ビーム/TRPは、UEから受信した上りユーザデータの復号結果に関する情報を、移動先ビーム/TRPに通知してもよい。この情報は、例えば、上りユーザデータの軟判定値であってもよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、上りユーザデータの初送受信結果と再送受信結果とを合成して復号することができる。それにより、受信エラーとなる確率を低くすることができる。
【0582】
本実施の形態5により、CUがPDCPを有し、DUがRLC、MACおよびPHYを有する場合、あるいは、CUがPDCPおよびH-RLCを有し、DUがL-RLC、MACおよびPHYを有する場合についても、実施の形態2と同じ効果を得ることができる。また、移動元ビーム/TRPとUEとの間の通信環境が急速に悪化する場合においても、CUからUEに対するRRCパラメータ通知を行うことができる。その結果、例えば、SRの不達によるUEのランダムアクセス処理発生を抑えることができる。
【0583】
実施の形態2と実施の形態3の組み合わせと同様、実施の形態4と本実施の形態5と組み合わせて用いてもよい。すなわち、CUは、RRCパラメータを移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらから送信するかを切り替えてもよい。このようにすることによって、CUはRRCパラメータを送信するビーム/TRPを通信環境に応じて柔軟に変えることが可能となる。
【0584】
実施の形態2と実施の形態3の組み合わせと同様、RRCパラメータを移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらから送信するかについて、CUは予めUEに準静的に設定してもよいし、CUから動的に設定してもよいし、規格により暗黙的に決定してもよい。このようにすることによって、実施の形態2と実施の形態3の組み合わせと同様の効果を得ることができる。
【0585】
実施の形態5において、CUとDUが分離されている基地局装置を例として示したが、CUとDUが分離されていない基地局装置について適用してもよい。該基地局装置は、ビーム間でRRCパラメータを共有しない基地局装置であってもよい。また、該基地局装置は、例えば、ビーム毎に異なるHARQスケジューリングを行う基地局装置であってもよいし、ビーム毎に異なるRLCレイヤを有する基地局装置であってもよいし、前述の両方を組み合わせたものであってもよい。実施の形態5を該基地局装置に適用するにあたり、CUをgNBに読み替えてもよい。このようにすることで、セル内のビーム間移動においてRRCパラメータをgNBから移動先ビームを介してUEに通知することを可能とし、ビームによって空間分離がされているセルにおけるUE収容数を増加させることができる。また、gNBからUEにパラメータを迅速に通知することが可能となる。
【0586】
実施の形態5によれば、実施の形態2と同様に、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線ビームを用いて無線通信を行う基地局装置とを含み、基地局装置によって構成されるセルは、基地局装置の配下にある複数の無線ビームによって、空間分離されており、通信端末装置が第1の無線ビームの圏内から第2の無線ビームの圏内に移動する場合、基地局装置は、通信端末装置に対して用いるRRC(Radio Resource Control)パラメータを、第1の無線ビーム用の第1のRRCパラメータから、第2の無線ビーム用の第2のRRCパラメータに変更する、通信システムが提供される。なお、複数の無線ビームは、
図8に例示したように複数のDU(言い換えるとTRP)によって形成されてもよいし、1つのDUによって形成されてもよいし、あるいは、CUとDUが統合された基地局装置によって形成されてもよい。
【0587】
この構成によれば、通信端末装置に対して用いる無線ビームの変更に応じて、通信端末装置に対して用いるRRCパラメータを変更する。このため、前述のように、通信端末装置の収容数を増加させることができる。
【0588】
ここで、上記構成は、前述のように、様々に変形することが可能である。特に実施の形態5によれば、例えば、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する少なくとも1つのDU(Distributed Unit)と、少なくとも1つのDUを制御するCU(Central Unit)とを含み、少なくとも1つのDUがMAC(Medium Access Control)機能を有しており、基地局装置は、第2のRRCパラメータを、第2の無線ビームによって、L1/L2シグナリングまたはMACシグナリングを用いて、通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、L1/L2シグナリングまたはMACシグナリングを用いて、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。前述において、DUは、RLC(Radio Link Control)機能を有していてもよい。また、他の例として、基地局装置は、複数の無線ビームを出力する機能、MAC機能を有しており、基地局装置は、第2のRRCパラメータを、第2の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、第1の無線ビームから第2の無線ビームへの切り替え指示を、第1の無線ビームによって、通信端末装置に通知することと、を行う、通信システムが提供される。
【0589】
また、以下の変形例1~4で述べるように、様々な変形が提供される。
【0590】
実施の形態5の変形例1.
実施の形態5においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0591】
前述における、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例1と同じとしてもよい。
【0592】
本変形例1において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態5と同じとしてもよい。また、CUが移動先ビーム/TRPを介してUEに通知するAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態5に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0593】
実施の形態5と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態3と同様でよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0594】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0595】
実施の形態5と同様、CUは、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0596】
実施の形態5と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、移動元ビーム/TRPからUEへのパラメータ通知が失敗したときにおいても、UEは初期値あるいは変更前のRRCパラメータを用いることができるため、UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nackレペティションにおける信頼性を高めることができる。
【0597】
CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0598】
あるいは、CUは、前述のAck/Nackレペティションに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0599】
また、切り替え通知についても、実施の形態2と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0600】
移動元ビーム/TRPからUEに対する切り替え指示の通知の方法には、実施の形態5と同様、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態5にて示したことと同様の効果を得ることができる。
【0601】
実施の形態5と同様、移動元TRPは、CUに対し、切り替え指示の送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、切り替え指示の通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、ビーム/TRPを切り替えてもよい。このようにすることによって、切り替え指示の不達時のビーム/TRP切り替えを防ぐことができるため、UEのgNBとのリンク喪失によるRLF発生を回避することができる。
【0602】
実施の形態5と同様、CUはUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、Ack/Nackレペティションの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0603】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからの下りユーザデータに対するAck/Nackの通知を、移動元ビーム/TRPに対しても移動先ビーム/TRPに対しても行わなくてもよい。前述のUEの動作は、下りユーザデータとAck/Nackとの間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。移動元ビーム/TRPは、前述の下りユーザデータを移動先ビーム/TRPに転送してもよい。移動先ビーム/TRPは、前述の下りユーザデータをUEに送信してもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えによる下りユーザデータの欠落を防ぐことができる。
【0604】
他の例として、UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCUからの下りユーザデータに対するAck/Nackの通知を、移動先ビーム/TRPに対して行ってもよい。前述のAck/Nackの通知は、下りユーザデータとAck/Nackとの間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。移動先ビーム/TRPは、前述のAck/Nack受信結果を移動元ビーム/TRPに通知してもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータに関するシグナリング量を削減することができる。
【0605】
前述において、移動元ビーム/TRPは、前述の下りユーザデータを移動先ビーム/TRPに転送してもよい。前述の転送は、下りユーザデータに対してUEからNackの通知を受信したときに行ってもよい。移動先ビーム/TRPは、転送された下りユーザデータを用いてUEに再送を行ってもよい。このようにすることによって、ビーム/TRP切り替えにおける下りユーザデータの再送処理を円滑に行うことができる。
【0606】
移動先ビーム/TRPからUEへの該下りユーザデータの再送は、CUからUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータ通知を受信した後に、行ってもよい。このことにより、移動先ビーム/TRPは、Ack/Nackレペティションによって設定される2回目以降のAck/Nackを受信することが可能となるので、UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nack通知の信頼性を高めることができる。
【0607】
UEから移動先ビーム/TRPへのAck/Nackの通知は、前述と同様、移動先ビーム/TRPからUEへのAck/Nackレペティションに関するパラメータ通知を受信した後に、行ってもよい。このことにより、前述と同様の効果を得ることができる。
【0608】
移動元ビーム/TRPは、UEから受信したAck/Nackの判断について、自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いてもよいし、移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いてもよい。移動先ビーム/TRPは、UEからのAck/Nack受信結果を移動元ビーム/TRPに転送してもよい。前述の動作は、UEから移動元ビーム/TRPへのAck/Nackレペティションの間にビーム/TRPが切り替わった時に行うとよい。移動元ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いることによって、UEからのAck/Nackレペティションの受信動作を迅速に行うことができる。移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いることによって、移動元ビーム/TRPにおけるAck/Nackレペティションの信頼性を高めることができる。移動元ビーム/TRPが自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いるか、移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いるかについて、規格で定めてもよいし、CUにて適宜切り替えてもよい。CUにて適宜切り替えることにより、例えば、移動元ビーム/TRPにおける伝搬状況に応じて適切な受信動作を選択することができるため、gNBにおけるAck/Nackレペティションの受信処理の柔軟性を高めることができる。
【0609】
前述において、移動元ビーム/TRPの代わりに移動先ビーム/TRPがAck/Nackレペティションの受信処理を行ってもよい。移動先ビーム/TRPは、自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いてもよいし、移動元ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いてもよい。移動元ビーム/TRPは、UEからのAck/Nack受信結果を移動元ビーム/TRPに転送してもよい。このようにすることによって、前述と同様の効果を得ることができる。移動先ビーム/TRPが自ビーム/TRPにおける受信結果のみを用いるか、移動先ビーム/TRPにおける受信結果と併せて用いるかについて、規格で定めてもよいし、CUにて適宜切り替えてもよい。
【0610】
前述において、Ack/Nack受信動作を移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとのどちらが行うか、規格で定めてもよいし、予めCUが決定してもよい。このようにすることによって、移動元ビーム/TRPと移動先ビーム/TRPとの間におけるAck/Nackの受信結果の齟齬による誤動作を防ぐことができる。
【0611】
移動先ビーム/TRPは、UEから移動元ビーム/TRPに送信されたAck/Nackレペティションを用いた下りユーザデータのUEへの再送を行ってもよい。該再送は、UEから移動元ビーム/TRPへのAck/Nackレペティションと、UEへの下りユーザデータの再送との間で、ビーム/TRPが切り替わった時に行ってもよい。移動元ビーム/TRPは移動先ビーム/TRPに、再送データを転送してもよい。このことによって、ビーム/TRP切り替えが発生するときの下りユーザデータ再送処理を円滑に行うことができる。
【0612】
本変形例1を用いることで、Ack/Nackレペティションに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0613】
実施の形態5の変形例2.
実施の形態5においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、SRSに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0614】
前述における、SRSに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例2と同じとしてもよい。
【0615】
本変形例2において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態5と同じとしてもよい。また、CUが移動先ビーム/TRPを介してUEに通知するSRSに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態5に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0616】
実施の形態5と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0617】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0618】
実施の形態5と同様、CUは、SRSに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0619】
実施の形態5と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、SRSに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0620】
CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0621】
あるいは、CUは、前述のSRSに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0622】
また、切り替え通知についても、実施の形態3と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0623】
実施の形態5と同様、CUはUEへのSRSに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、SRSに関するパラメータ通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0624】
UEは、移動先ビーム/TRPへのSRS送信について、CUから移動先ビーム/TRPを介して送信されるSRSに関するパラメータを受信した後に、行ってもよい。このことによって、UEにおけるSRSに関するパラメータの受信前に行う、移動先ビーム/TRPにて受信できないSRSの送信を抑えることができる。
【0625】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したSRS送信指示に対するSRS送信を、移動先ビーム/TRPに対して行ってもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのSRS送信は、SRS送信指示とSRS送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。また、前述におけるSRS送信は、非周期的(Aperiodic)なSRS送信について行ってもよい。移動元ビーム/TRPは、移動先ビーム/TRPに、UEに対してSRS送信を指示したことを通知してもよい。このことにより、CUおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときのSRS送信処理を円滑に行うことができる。
【0626】
前述において、UEは、移動元ビーム/TRPから受信したSRS送信指示を無効としてもよい。このようにすることによって、移動元ビーム/TRPから移動先ビーム/TRPに対するシグナリングを削減することができる。
【0627】
移動元ビーム/TRPは、UEから自ビームに送信したSRSを無効としてもよい。SRSを無効とする動作は、SRS送信の後にビーム/TRPが切り替わったときに行うとよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0628】
本変形例2を用いることで、SRSに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0629】
実施の形態5の変形例3.
実施の形態5においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0630】
前述における、CQI/CSIに関するRRCパラメータは、実施の形態2の変形例3と同じとしてもよい。
【0631】
本変形例3において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態5と同じとしてもよい。また、CUが移動先ビーム/TRPを介してUEに通知するCQI/CSIに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態5に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0632】
実施の形態5と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。このようにすることで、UEはビーム/TRP間移動におけるビームスイーピング信号の受信を容易にすることができる。
【0633】
前述において、CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0634】
実施の形態5と同様、CUは、CQI/CSIに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0635】
実施の形態5と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、CQI/CSIに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。UEのビーム/TRP切り替え時のパラメータの値を、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよい。あるいは、初期値に戻すか、あるいは保持するかについての情報を、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0636】
CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0637】
あるいは、CUは、前述のCQI/CSIに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0638】
また、切り替え通知についても、実施の形態3と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0639】
実施の形態5と同様、CUはUEへのCQI/CSIに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、CQI/CSIに関するパラメータの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0640】
UEは、移動先ビーム/TRPへのCQI/CSI送信について、CUから移動先ビーム/TRPを介して送信されるCQI/CSIに関するパラメータを受信した後に、行ってもよい。このことによって、UEにおけるCQI/CSIに関するパラメータの受信前に行う、移動先ビーム/TRPにて受信できないCQI/CSIの送信を抑えることができる。
【0641】
UEは、移動元ビーム/TRPから受信したCQI/CSI送信指示に対するCQI/CSI送信を、移動先ビーム/TRPに対して行ってもよい。前述における、UEから移動先ビーム/TRPへのCQI/CSI送信は、CQI/CSI送信指示とCQI/CSI送信との間にビーム/TRP切り替えが発生するときに行ってもよい。また、前述におけるCQI/CSI送信は、非周期的(Aperiodic)なCQI/CSI送信について行ってもよい。移動元ビーム/TRPは、UEにCQI/CSI送信指示を行ったことを示す情報を、移動先ビーム/TRPに対して通知してもよい。このことにより、移動元ビーム/TRP、移動先ビーム/TRPおよびUEにおいて、ビーム/TRP切り替えが発生するときのCQI/CSI送信処理を円滑に行うことができる。
【0642】
移動元ビーム/TRPは、UEから自ビームに送信したCQI/CSIを無効としてもよい。CQI/CSIを無効とする動作は、CQI/CSI送信の後にビーム/TRPが切り替わったときに行うとよい。移動元ビーム/TRPは、UEにCQI/CSI送信指示を行ったことを示す情報を、移動先ビーム/TRPに対して通知してもよい。移動先ビーム/TRPはUEに、CQI/CSI送信指示を再送してもよい。UEは、移動先ビーム/TRPに対してCQI/CSIを再送してもよい。このことによって、移動先ビーム/TRPは、ビーム/TRP切り替え後の伝搬状況に適したスケジューリングを行うことができるようになる。
【0643】
本変形例3を用いることで、CQI/CSIに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0644】
実施の形態5の変形例4.
実施の形態5においては、SRに関するRRCパラメータの通知を中心に記載したが、RLCに関するRRCパラメータについて適用してもよい。
【0645】
前述における、RLCに関するRRCパラメータとして、実施の形態4の変形例4に示す(1)~(8)を用いてもよい。
【0646】
本変形例4において、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知する切り替え通知の方法および通知内容は、実施の形態5と同じとしてもよい。また、CUが移動前ビーム/TRPを介してUEに通知するRLCに関するRRCパラメータ通知の方法は、実施の形態5に記載のRRCパラメータ通知と同じ方法を適用してもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0647】
実施の形態5と同様、CUはUEに、ビームスイーピングに必要なパラメータを通知してもよい。パラメータの通知方法についても、実施の形態5と同様でよい。このようにすることで、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0648】
CUからUEへの、ビームスイーピングに必要なパラメータの通知は、L1/L2シグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0649】
実施の形態5と同様、CUは、RLCに関するRRCパラメータのUEへの通知に、TRP/ビーム切り替えによるパラメータ切り替えであることを示す識別子を含めてもよい。UEは、変更前のRLCに関するRRCパラメータを保持し、TRP/ビーム切り替え後に変更後のパラメータを用いてもよい。このようにすることで、TRP/ビーム切り替え前において、RLCに関するRRCパラメータの変更に伴って発生するUEおよび移動元ビーム/TRPのRLC再構築を防ぐことができ、それに伴う通信ロスを防ぐことができる。
【0650】
実施の形態5と同様、CUは、RLCに関するRRCパラメータについて、移動先ビーム/TRPにおいても同じ値を用いるパラメータの通知を行わないでもよい。このようにすることで、パラメータ通知によるシグナリング量を削減することができる。
【0651】
実施の形態5と同様、CUおよびUEは、UEのビーム/TRP切り替え時に、RLCに関するRRCパラメータの値を初期値に戻してもよいし、保持してもよい。該初期値は、規格で定めてもよいし、CUからUEに予めRRCシグナリングで通知してもよい。前述において、初期値に戻すか、あるいは保持するかについて、規格で定めてもよいし、CUからUEに予め通知してもよいし、CUからUEに切り替え指示と併せて通知してもよい。このことにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0652】
CUは、前述のRLCに関するRRCパラメータを、L1/L2シグナリングを用いてUEに通知してもよい。このことにより、UEへのパラメータ通知を迅速に行うことができる。
【0653】
あるいは、CUは、前述のRLCに関するRRCパラメータを、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、多値変調が可能となるので、パラメータを少ないシンボル数で通知できる。また、HARQ再送制御が行われるので、パラメータ通知の信頼性が向上する。
【0654】
実施の形態5と同様、移動先TRPは、CUに対し、パラメータの送達確認が取れたことを示す情報を通知してもよい。前述の情報の通知は、パラメータの通知にMACシグナリングを用いている場合に行ってもよい。CUは、前述の情報を用いて、切り替え指示をUEに通知してもよい。このようにすることによって、パラメータの不達によるRLCの誤動作を防ぐことができる。
【0655】
また、切り替え通知についても、実施の形態5と同様、CUからUEに対し、L1/L2シグナリングを用いて通知してもよいし、MACシグナリングを用いて通知してもよい。このことにより、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0656】
実施の形態5と同様、CUはRLCに関するパラメータの通知を、複数回送ってもよいし、送信電力を増加させてもよい。このことにより、パラメータの通知の信頼性を高めることができる。CUからUEへの切り替え指示についても同様である。
【0657】
CUおよびUEは、切り替え指示の通知とともにユーザデータの送受信を止めてもよい。CUおよびUEは、ビーム/TRP切り替えおよびRLCに関するパラメータの送受信完了後にユーザデータの送受信を再開してもよい。このようにすることによって、RLC再構築によるデータの欠落を防ぐことができる。
【0658】
本変形例4を用いることで、RLCに関するRRCパラメータのUEへの通知に関して、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。
【0659】
実施の形態6.
通信用の無線リソースとして複数のキャリアを集めて使用するキャリアアグリゲーション(CA)と言われる技術がある。CAでは、一つのUEに対して、一つのPCellと、一つ以上のSCellとからなるサービングセルの組が構成される。このためCAの設定はセル単位で行われる。eNBからUEへのCAの設定は、CAを行うセル単位のパラメータを通知することで行われる。
【0660】
NR(New Radio)では、基地局(本明細書では、5Gの基地局をgNBと称する)が複数のアンテナを用いて狭範囲なビームを形成するビームフォーミングを利用して通信を行うことが提案されている。例えば、gNBは、
図4に示すアンテナ408を、多素子アンテナによって構成する。gNBは、多素子アンテナの一部または全部の複数のアンテナを用いて、予め定める方向にビームを形成する。狭範囲なビーム形成を行うことによって、電波到達範囲を広くすることが可能となる。
【0661】
CAを行うセルが複数のビームの運用をサポートした場合、CAをセルの識別子だけで設定しても、セルのどのビームをアグリゲーションしたらよいかが不明となってしまう。このため、gNBはUEに対してCAを設定できず、多くの無線リソースを使用できなくなってしまう。UEに対して、高速および大容量の通信サービスを提供できなくなってしまう。
【0662】
本実施の形態6ではこのような問題を解決する方法を開示する。
【0663】
CAの設定をビーム単位にする。一つのビームが用いられてもよいし、複数のビームが用いられてもよい。gNBはUEに対して、SCellの設定時に、どのビームを用いるかを通知する。
【0664】
図12は、gNBにおいてビーム単位で設定するCAのアーキテクチャを説明する図である。gNBはPDCP、RLC、MACおよびPHYのプロトコルで構成されている。PHY機能は二つに分割されてもよい。当該二つのPHY機能を各々H-PHYとL-PHYと称す。
【0665】
3GPPでは、gNBが二つのユニットに分離されることが提案されている(非特許文献7参照)。当該二つのユニットを各々CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)と称する。CUに複数のDUが接続される。例えば、CUはPDCP、RLC、MACおよびH-PHYを有することが提案されている。DUはL-PHYを有することが提案されている。TRPはDUと同じ機能を有してもよい。Bn(nは自然数)はビームを構成することを示している。DUあるいはTRPは一つまたは複数のビームを構成する。
【0666】
gNBはUEに対して、一つのPCC(Primary Component Carrier)と一つまたは複数のSCC(Secondary Component Carrier)によって、CAを行う。PCCを用いたセルがPCellである。SCCを用いたセルがSCellである。gNBはUEに対して、一つのPCellと一つまたは複数のSCellによって、CAを行う、と表現される場合もある。各セルはMACの最下位に位置するHARQを個別に有し、その上位でアグリゲーションされる。各セルはPHY以下の機能を個別に有する。
【0667】
CAの設定をビーム単位で行う場合、PCell内あるいはSCell内のどのビームを用いてCAを行うかを設定する。
図12の例では、gNBは、PCellのTRP1のビーム1と、PCellのTRP2のビーム2と、SCellのTRP1のビーム1およびビーム2と、SCellのTRP2のビーム1とを用いて、UEに対するCAを行う。
【0668】
このようにCAの設定をビーム単位で行うことによって、ビームフォーミングがサポートされるセルを、CAに用いるセルとすることが可能となる。このため、UEに対して多くの無線リソースが使用可能となり、高速および大容量の通信を行うことが可能となる。
【0669】
ビーム単位のCA設定方法について開示する。
【0670】
ビーム単位のCAの設定においてRRCシグナリングを用いる。ビームに関する情報を設けて、gNBはUEに対して、RRCシグナリングで通知する。ビームに関する情報を、SCellの設定用メッセージに含めてもよい。例えば、RRC接続再設定メッセージに、ビームに関する情報を含めてもよい。SCell追加変更用あるいはSCell解放用のパラメータ内に、ビームに関する情報を含めてもよい。
【0671】
ビームに関する情報は、UEがビームを特定できる情報であればよい。例えば、ビームでビーム個別のRSが送信されるような場合、UEがビーム個別のRSを受信することでビームを特定できる。このような場合、ビームに関する情報として、ビーム個別のRS(ビームRS(BRS))構成がある。また、例えば、ビームに識別子がつけられており、ビーム識別子とビーム個別のRS構成とが関連付けられている場合、ビームに関する情報としてビーム識別子としてもよい。また、ビーム識別子を設定するビーム数でリナンバリングしたビームインデックスを設けてもよい。
【0672】
gNBはUEに対して、これらのビームに関する情報を、CAに用いるSCellと対応付けて通知する。gNBはUEに対して、UEがSCell内でモニタするビームに関する情報を通知する。UEは、該情報を受信することで、SCell内でモニタするビームを認識することができる。RRCで設定したSCellとビームとの対応関係は、再度設定されるまで維持される。
【0673】
gNBはUEに対して、MAC制御シグナリングによって、SCellのアクティベーション(act)/デアクティベーション(deact)を行う。UEは、MAC制御シグナリングによってSCellがact/deactされた場合、RRCシグナリングで受信したSCellに対応付けられたビームがact/deactされたとみなす。UEは、actされたSCellに対応付けられたビームをモニタする。UEはビームをモニタすることで自UE宛の情報の有無を検出する。例えば、UEはビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信して、自UE宛のスケジューリング情報の有無を検出する。
【0674】
UEは、RRCシグナリングで通知されたSCellのSS(Synchronization Signal)を受信して同期を行う。この際、SCellのいずれかのビームでSSを受信して同期を行う。UEは、同期の後、RRCシグナリングで通知されたSCellに対応付けられたビームのビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方を用いて、SCell内でモニタするビームを検出する。UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0675】
他の方法として、UEは、MAC制御シグナリングで通知されたactされたSCellのSS(Synchronization Signal)を受信して同期を行ってもよい。この際、該SCellのいずれかのビームでSSを受信して同期を行う。UEは、同期の後、RRCシグナリングで通知されたSCellに対応付けられたビームのビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方を用いて、SCell内でモニタするビームを検出する。UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0676】
gNBはUEに対して、該ビームのPDCCHを用いてスケジューリング情報を通知することが可能となる。このようにすることで、gNBはUEに対して、どのビームを用いて通信を行うかを通知することが可能となり、UEは、どのビームをモニタすればよいか、どのビームを用いて通信を行えばよいかを認識可能となる。
【0677】
従来のようにSCellのみの通知であったならば、SCellにアクセスした後に、SCell内のどのビームを使うかを設定しなければならい。このため、SCellにアクセスする処理に加え、使用するビームを選択する処理を行わなくてはならない。したがって、CAの開始までに時間がかかってしまう。
【0678】
本実施の形態6で開示したように、CAを設定する際にどのビームを用いてCAを行うかを特定することによって、CAの開始までの時間を低減することが可能となる。早期にCAを開始できるので、より高容量の通信が可能となる。
【0679】
なお、どのビームで通信を行うかをgNBが認識する方法として、UEが、CA設定以前に、SCellのビーム毎のメジャメントを予め行うとよい。UEは、該測定結果をgNBに通知するとよい。該通知は、例えば、周期的に行われてもよいし、イベントトリガに応じて行われてもよいし、gNBの要求に応じて行われてもよい。
【0680】
図13および
図14は、RRCシグナリングを用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
図13と
図14とは、境界線BL521の位置で、つながっている。
図13および
図14では、gNBがUEに対して、PCellとSCellとを用いてCAを行う場合について示している。また、PCellではビーム1とビーム2とが構成され、SCellではビーム1とビーム2とビーム3とが構成されている場合について示している。ステップST5201において、UEはgNBとPCellのビーム1を介して通信を行っている。
【0681】
ステップST5202において、gNBはUEに対して、PCellのビーム1によって、CA用SCellの設定情報および該SCellに対応付けたビームに関する情報を通知する。この通知には、RRC個別シグナリングを用いる。従来のLTEではCA用SCellの設定情報の通知にRRC個別シグナリングを用いているので、該メッセージにビームに関する情報を加えるのみでよい。ビーム毎の設定用の制御の複雑化を抑制することができる。
【0682】
ステップST5202において、SCellに対応付けて通知するビームは、UEと通信を行うビームとするとよい。SCellに対応付けて通知するビームは、UEに物理下り制御チャネルをモニタさせたいビームとするとよい。SCellに対応付けて通知するビームは、UEにアクセスさせたいビームとするとよい。このようにすることで、gNBはUEに対して、SCellの中でどのビームで通信を行うかを、UEに対して通知することが可能となり、UEは、SCellの中の通信を行うビームを特定することが可能となる。
【0683】
SCellの各ビームは周期的にSSを送信する(ステップST5203~ST5204を参照)。また、SCellの各ビームは周期的にBRSを送信する(ステップST5206~ST5208を参照)。BRSは予め決められたパターンの周波数と時間リソースとのうちの少なくとも一方によって送信されてもよい。
【0684】
ステップST5209において、gNBは、SCellのact/deact情報を通知する。この通知にはMAC制御シグナリングを用いる。act/deact情報はMAC CEに含めて通知する。ステップST5210において、UEは、actされたSCellのSSを受信して同期を行う。ステップST5211において、UEは、RRC個別シグナリングで通知されたSCellに対応付けられたビームのビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方を用いて、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5212において、UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0685】
ステップST5209においてPCellのビーム1によってSCellのact情報を通知したgNBは、ステップST5213において、UEに対して、SCellのビーム1から下りスケジューリング情報を通知する。この通知にはL1/L2制御信号が用いられる。ステップST5214において、gNBはUEに対して、該スケジューリング情報に従って、下りデータを送信する。UEは、ステップST5213においてSCellのビーム1から受信したスケジューリング情報に従って、ステップST5214においてSCellのビーム1から下りデータを受信する。
【0686】
SCellを介して上り送信を行いたいUEは、ステップST5215において、SCellのビーム1でPRACH送信を行いgNBとの間でRA処理を行う。物理下り制御チャネル(PDCCH)の指示によるRA処理を行ってもよい。ステップST5216において、UEはSCellのビーム1に対して上りデータ送信を開始する。SCellを介して上り送信を行いたいUEは、PRACHではなく、SRを送信してもよい。上り同期が行われている場合、TAを再度取得する必要が無い場合などに有効である。gNBが既に上りデータがUEに存在することを認識している場合は、gNBはUEに対して、SCellのビーム1から上りスケジューリング情報を通知する。UEはgNBに対して、該スケジューリング情報に従って、上りデータを送信する。
【0687】
UEからのPRACH送信を、UEが通信するビームを検出した後に行ってもよい。ここではステップST5211の処理の後で検出したビームに対してPRACH送信を行うとよい。あるいは、UEからのPRACH送信を、PDCCH受信後下りスケジューリング情報受信前に行ってもよい。ここではステップST5212の処理の後で検出したビームに対してPRACH送信を行うとよい。早期に上りデータ通信を開始可能となる。
【0688】
続けて、
図14を参照して、gNBがUEと通信を行うビームをSCell内で変更する場合のシーケンスについて一例を開示する。ステップST5217において、gNBはUEと通信を行うビームの変更を決定する。例えば、gNBのRRC機能部が決定してもよい。gNBがUEと通信を行うビームをどのビームに変更するかを決定する方法として、前述に開示した、どのビームと通信を行うかをgNBが認識する方法を適用するとよい。ステップST5218において、gNBはUEに対して、PCellのビーム1によって、CA用SCellの設定情報および該SCellに対応付けたビームに関する情報を通知する。ビームに関する情報は、変更後の情報とする。この通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
【0689】
gNBはUEに対して、CA用SCellの設定情報および変更したビームに関する情報を、PCellのビーム1によって通知することを開示したが、SCellのビーム1によって通知してもよい。gNBは、どちらの通信品質が良好かを判断し、通信品質の良好なビームを用いて通知するようにしてもよい。
【0690】
PCellのビームによって通知する場合、SCellのビームの通信品質の急激な劣化の影響を受けることなく、gNBはUEに対してCA用SCellの設定情報および変更したビームに関する情報を通知可能となる。UEは、gNBから通知されたビームに変更することが可能となる。
【0691】
例えば、SCellが高周波数で狭カバレッジで運用されている場合、UEのブロッキングや移動によって通信品質が急激に悪化しやすい。このような場合、gNBはPCellのビームを用いて通知するとよい。
【0692】
SCellの各ビームは周期的にSSを送信する(ステップST5219~ST5221を参照)。また、SCellの各ビームは周期的にBRSを送信する(ステップST5222~ST5224を参照)。BRSは予め決められたパターンの周波数と時間リソースとのうちの少なくとも一方によって送信されてもよい。
【0693】
ステップST5225において、gNBは、SCellのact/deact情報を通知する。この通知にはMAC制御シグナリングを用いる。act/deact情報はMAC CEに含めて通知する。SCellのact/deact情報に変更がない場合はこの通知を省略してもよい。ステップST5226において、UEは、actされたSCellのSSを受信して同期を行う。actされたSCellに変更がない場合、および、既に同期が行われている場合は、この処理を省略してもよい。
【0694】
ステップST5227において、UEは、RRC個別シグナリングで通知されたSCellに対応付けられた変更後のビームのビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方を用いて、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5228において、UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0695】
ステップST5229において、gNBはUEに対して、SCellのビーム2から下りスケジューリング情報を通知する。この通知にはL1/L2制御信号が用いられる。ステップST5230において、gNBはUEに対して、該スケジューリング情報に従って、下りデータを送信する。UEは、ステップST5229においてSCellのビーム2から受信したスケジューリング情報に従って、ステップST5230においてSCellのビーム2から下りデータを受信する。
【0696】
SCellを介して上り送信を行いたいUEは、ステップST5231において、SCellのビーム2でPRACH送信を行いgNBとの間でRA処理を行う。ステップST5232において、UEはSCellのビーム2に対して上りデータ送信を開始する。PRACHではなく、SRを送信してもよい。上り同期が行われている場合、TAを再度取得する必要が無い場合などに有効である。gNBが既に上りデータがUEに存在することを認識している場合は、gNBはUEに対して、SCellのビーム2から上りスケジューリング情報を通知する。UEはgNBに対して、該スケジューリング情報に従って、上りデータを送信する。
【0697】
このようにすることで、UEと通信を行うSCellのビームを、ビーム1からビーム2に変更することが可能となる。
【0698】
本実施の形態6で開示した方法とすることで、gNBとUEとは、SCellのビームを特定して通信を行うことが可能となる。gNBはUEに対して、PCellのビームとSCellのビームとでCAを設定可能となる。gNBがUEに対してCAを設定することによって、使用する無線リソースを増大できる。このため、UEに対して、高速および大容量の通信サービスを提供可能となる。
【0699】
また、UEは、SCellのSSを受信した後に、通信を行うビームを選択する処理を実行する必要がない。UEは、gNBに対して、SCellのどのビームを受信しているかを通知する必要が無い。このため、UEは早期に通信するビームを特定でき、SCellの追加処理および修正処理を低遅延で行うことが可能となる。
【0700】
実施の形態6によれば、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線ビームを用いて無線通信を行う基地局装置とを含み、基地局装置によって構成されるセルは、基地局装置の配下にある複数の無線ビームによって、空間分離されており、基地局装置は、無線ビーム単位で、キャリアアグリケーションを設定する、通信システムが提供される。なお、複数の無線ビームは、
図8に例示したように複数のDU(言い換えるとTRP)によって形成されてもよいし、1つのDUによって形成されてもよい。
【0701】
この構成によれば、無線ビーム単位でキャリアアグリケーションが設定される。このため、前述のように、ビームフォーミングがサポートされるセルをキャリアアグリゲーションに用いるセルとすることが可能となり、使用する無線リソースを増大することができる。それにより、高速および大容量の通信サービスを提供可能となる。
【0702】
ここで、上記構成は、前述のように、および、以下の変形例1~2で述べるように、様々に変形することが可能である。
【0703】
実施の形態6の変形例1.
NRでは広帯域な周波数リソースを確保するために、高い周波数帯域での運用が要求されている。高い周波数帯域では、gNBのアンテナとUEとの間のブロッキングによるチャネル品質の急峻な劣化が生じやすい。また、高い周波数帯域では伝搬ロスが大きくなるので、狭カバレッジのビームが用いられる。狭カバレッジのビームの運用では、UEの移動にともなってビームの変更が頻繁に生じることになる。
【0704】
実施の形態6で開示した方法では、CA時にUEがモニタするビームの設定および変更の時に、RRCシグナリングが必要となる。このため、アグリゲーションするビームの設定および変更に時間を要することとなり、所望のビームでの通信までの遅延が大きくなる。遅延が大きいと、ブロッキングおよびUEの移動によるビームの設定および変更の処理が間に合わず、SCellでの通信を継続することができなくなる場合が生じる。
【0705】
本変形例1では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0706】
gNBはUEに対して、RRCシグナリングによって、SCellが構成可能なビームを通知する。実施の形態6では、RRCシグナリングによって、UEがモニタするビームを通知した。本変形例1では、SCellが構成可能なビームを通知する。言い換えると、gNBはUEに対して、CAとして設定可能なSCellにおける、CAとして構成可能なビームを通知する。この通知はUE個別に行ってもよい。通知するビームに関する情報は、実施の形態6のビームに関する情報を適用するとよい。
【0707】
gNBはUEに対して、MACシグナリングで、SCellのact/deact情報を通知する。RRCシグナリングで通知したSCellのact/deact情報を通知するとよい。
【0708】
このようにすることで、UEは、どのSCellをモニタするかを認識することが可能となる。しかしこれだけでは、該SCellのどのビームで通信を行ったらよいかが不明となる。
【0709】
gNBはUEに対して、MACシグナリングで、SCellが構成するビームのact/deact情報を通知する。MACシグナリングでactしたSCellが構成するビームのact/deact情報を通知するとしてもよい。SCellが構成するビームのact/deact情報ではなく、actするビームの情報を通知してもよい。ビームの情報としてビームの識別子がある。
【0710】
CAを行うビームを変更する場合、ビームのact/deact設定を変更するとよい。gNBはUEに対して、変更したビームのact/deact情報を通知するとよい。MAC制御情報として、SCellが構成するビームのact/deact情報を設けてもよい。actするSCellが構成するビームのact/deact情報を設けてもよい。
【0711】
SCellのact/deact情報と、ビームのact/deact情報とを一つのMAC CEとしてもよい。情報量を削減でき、CA設定の処理を簡単化可能となる。
【0712】
SCellのact/deact情報と、ビームのact/deact情報とを異なるMAC CEとしてもよい。CAの設定ではなく、SCell内のビームの変更時の設定において、ビームのact/deactのMAC CEだけを使用することが可能となる。ビーム変更時の情報量を削減でき、ビーム変更処理を簡単化可能となる。
【0713】
ビームのact/deact情報をMAC CEとする場合の例を開示する。一つのセルで構成可能なビーム数の最大値を決めておく。RRCシグナリングでSCellが構成するビームを通知する際のビームに関する情報に、SCellが構成するビームに対して0から最大値までのビームインデックスを付与する。言い換えるとリナンバリングする。ビームIDおよびBRSに、ビームインデックスを関連付ける。例えば、一つのセルで最大7ビーム構成可能とする。セルが構成するビームに、ビーム#0からビーム#6までインデックスを付与する。
【0714】
図15は、ビームのact/deact情報のMAC CEの一例を示す図である。一つのセルに最大7つのビームまで構成可能とする場合を示している。MAC CEは8ビットから構成される。Rはリザーブ用のビットである。B0からB6はビーム毎のact/deactを示すビットである。例えば、1がact、0がdeactとしてもよい。B0からB6は、RRCシグナリングで設定されたビーム毎のビームインデックスである。
【0715】
SCellのビームのact/deact情報が各々8ビットで構成される。これらの情報がSCellのインデックス順に連結される。deactされたSCellのビームのact/deact情報は、全ビームdeactとしてもよい。あるいは、actするSCellのビームのact/deact情報のみを、連結するようにしてもよい。連結方法は静的に規格などで予め決めておくとよい。gNBとUEとの両方が該方法を認識することが可能となる。
【0716】
このようにビームのact/deact情報をMAC CEとすることで、gNBはUEに対して、MACシグナリングによって、SCellが構成するビームのact/deact情報を通知することが可能となる。
【0717】
図16および
図17は、MACシグナリングを用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図である。
図16と
図17とは、境界線BL541の位置で、つながっている。
図16および
図17に示すシーケンスは、
図13および
図14に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
【0718】
ステップST5401において、gNBはUEに対して、PCellのビーム1によって、CA用SCellの設定情報および該SCellに対応付けたビームに関する情報を通知する。この通知には、RRC個別シグナリングを用いる。ステップST5401において、SCellに対応付けて通知するビームは、CAにおいてUEに対して構成可能なビームとするとよい。このようにすることで、gNBはUEに対して、SCellの中でどのビームがCAで構成可能かをUEに対して通知することが可能となる。
【0719】
ステップST5402において、gNBはUEに対して、SCellのact/deact情報を通知する。この通知にはMAC制御シグナリングを用いる。act/deact情報はMAC CEに含めて通知する。ステップST5403において、gNBはUEに対して、actしたSCellのビームのact/deact情報を通知する。この通知にはMAC制御シグナリングを用いる。act/deact情報はMAC CEに含めて通知する。
【0720】
ステップST5404において、UEは、actされたSCellのSSを受信して同期を行う。ステップST5405において、UEは、各ビームのBRSを受信し、RRCシグナリングによって通知された、SCellで構成可能なビームの情報(具体的には、ビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方と、ビームインデックス)、および、MACシグナリングによって通知された、actするビームの情報(具体的にはビームインデックス)から、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5406において、UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0721】
このようにして、gNBはUEと、SCellのビーム1を介して通信を行うことが可能となる。
【0722】
続けて、
図17を参照して、gNBがUEと通信を行うビームをSCell内で変更する場合のシーケンスについて一例を開示する。ステップST5407において、gNBはUEと通信を行うビームの変更を決定する。例えば、gNBのMAC機能部が決定してもよい。ステップST5408において、gNBはUEに対して、PCellのビーム1によって、変更後のビームのact/deact情報を通知する。該情報は、MAC CEに含められ、MACシグナリングによって通知される。
【0723】
gNBはUEに対して、変更後のビームのact/deact情報を、SCellのビーム1によって通知してもよい。gNBは、どちらの通信品質が良好かを判断し、通信品質の良好なビームを用いて通知するようにしてもよい。
【0724】
PCellのビームによって通知する場合、SCellのビームの通信品質の急激な劣化の影響を受けることなく、gNBはUEに対してCA用SCellの設定情報および変更したビームに関する情報を通知可能となる。UEは、gNBから通知されたビームに変更することが可能となる。
【0725】
ステップST5409において、UEは各ビームのBRSを受信し、RRCシグナリングによって通知された、SCellで構成可能なビームの情報(具体的には、ビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方と、ビームインデックス)、および、MACシグナリングによって通知された、変更後のactするビームの情報(具体的にはビームインデックス)から、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5410において、UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0726】
このようにすることで、UEと通信を行うSCellのビームを、ビーム1からビーム2に変更することが可能となる。
【0727】
本変形例1で開示した方法とすることで、MACシグナリングによってビームのact/deactを実行可能となる。
【0728】
このため、UEがビームのメジャメントを行ってから、通信品質の良好なビームを用いたCAが開始されるまでの遅延を低減できる。したがって、ブロッキングおよびUEの移動による急激な通信品質の悪化により、SCellで通信が開始できないという問題の発生を低減可能となる。
【0729】
また、UEがビームのメジャメントを行ってから、通信品質の良好なビームへの変更までの遅延を低減できる。したがって、ブロッキングおよびUEの移動による急激な通信品質の悪化により、SCellで通信断の発生を低減可能となる。
【0730】
このように、ビームの設定および変更に時間を要することなく、所望のビームを用いた通信までの遅延を低減できる。したがって、ビームの設定および変更の処理時間を短縮でき、ブロッキングおよびUEの移動によるSCellでの通信開始不可および通信断の発生を低減可能となる。
【0731】
実施の形態6の変形例2.
変形例1で述べた問題を解決する他の方法を開示する。
【0732】
gNBはUEに対して、RRCシグナリングによって、SCellが構成可能なビームを通知する。実施の形態6では、RRCシグナリングでUEがモニタするビームを通知した。本変形例2では、SCellが構成可能なビームを通知する。言い換えると、gNBはUEに対して、CAとして設定可能なSCellにおける、CAとして構成可能なビームを通知する。この通知はUE個別に行ってもよい。通知するビームに関する情報は、実施の形態6のビームに関する情報を適用するとよい。
【0733】
gNBはUEに対して、L1/L2制御信号で、SCellのact/deact情報を通知する。RRCシグナリングで通知したSCellのact/deact情報を通知するとよい。gNBはUEに対してL1/L2制御信号で通知することで、SCellのact/deactを低遅延で通知することが可能となる。
【0734】
gNBがUEに対してSCellのact/deact情報を通知する他の方法として、MACシグナリングで通知する方法としてもよい。実施の形態6の変形例1で開示した方法を適用するとよい。この場合、再送制御が行われるため低受信誤り率で通知することが可能となる。
【0735】
このようにすることで、UEは、どのSCellをモニタするかを認識することが可能となる。しかしこれだけでは、該SCellのどのビームで通信を行ったらよいかが不明となる。
【0736】
gNBはUEに対して、L1/L2制御信号で、SCellが構成するビームのact/deact情報を通知する。L1/L2制御信号でactしたSCellが構成するビームのact/deact情報を通知するとしてもよい。SCellが構成するビームのact/deact情報ではなく、actするビームの情報を通知してもよい。ビームの情報としてビームの識別子がある。
【0737】
CAを行うビームを変更する場合、ビームのact/deact設定を変更するとよい。gNBはUEに対して、変更したビームのact/deact情報を通知するとよい。L1/L2制御情報として、SCellが構成するビームのact/deact情報を設けてもよい。actするSCellが構成するビームのact/deact情報を設けてもよい。
【0738】
SCellのact/deact情報とSCellが構成するビームのact/deact情報とのうちの少なくとも一方をDCIとしてもよい。gNBからUEに対して下りリンクで該情報を通知する。SCellのact/deact情報と、ビームのact/deact情報とを一つのDCIに含めてもよい。情報量を削減でき、CA設定の処理を簡単化可能となる。
【0739】
SCellのact/deact情報と、ビームのact/deact情報とを異なるDCIとしてもよい。CAの設定ではなく、SCell内のビームの変更時の設定において、ビームのact/deactのMAC CEだけを使用することが可能となる。ビーム変更時の情報量を削減でき、ビーム変更処理を簡単化可能となる。
【0740】
これらの情報用にDCIに新たなフォーマットを設けてもよい。
【0741】
SCellのact/deact情報、および、ビームのact/deact情報として、ビームインデックスを用いるとよい。実施の形態6の変形例1と同様に、ビットマップとしてもよい。情報量を削減できる。
【0742】
ビームのact/deact情報の通知方法について開示する。
【0743】
gNBは、UEに対して、SCellのL1/L2制御情報で、ビームのact/deact情報を通知する。actするビームの情報を通知してもよい。UEは、actされたSCellのビームを受信する。例えば、受信電力あるいは受信品質の高いビームを受信する。UEは、受信したビームのBRSからビームIDを特定し、特定したビームIDをgNBに通知する。あるいは、UEは受信したビームでPRACH送信を行いRA処理を起動することによって、ビームIDをgNBに通知してもよい。UEは該ビームをモニタする。
【0744】
UEからビームIDを受信したgNBはUEに対して、該ビームのL1/L2制御信号で、UEに対してactするビームを通知する。UEは、actされたビームをモニタする。UEは、actされたビームの物理下り制御チャネルを受信する。一つのビームが用いられてもよいし、複数のビームが用いられてもよい。このようにすることで、SCellのビームのact/deact情報を、UEが認識することが可能となる。
【0745】
前述の方法では、gNBがCAの開始を決定し、UEに対してCAを行うSCellのactを通知した後に、UEとgNBとの間でビームを特定する処理を行うことになる。したがって、UEが実際にCAを設定されたセルと通信を行えるようになるまで遅延が生じてしまう。
【0746】
ビームのact/deact情報の他の通知方法について開示する。
【0747】
gNBは、UEに対して、PCellのL1/L2制御情報で、SCellのビームのact/deact情報を通知する。actするSCellのビームのact/deact情報を通知してもよい。SCellのactするビームの情報を通知してもよい。UEは、PCellから通知されたSCellのビームをモニタする。UEは、actされたビームの物理下り制御チャネルを受信する。一つのビームが用いられてもよいし、複数のビームが用いられてもよい。このようにすることで、SCellのビームのact/deact情報を、UEが認識することが可能となる。
【0748】
例えば、actしているSCellの情報と、該SCell内でactするビームの情報とを、同じDCI内に関連付けて含めるようにしてもよい。gNBがUEに対して、これらの情報を同時に通知することによって、UEは、SCellと同期を実行するのにあわせてBRSを受信し、それにより、モニタするビームを特定して該ビームの物理下り制御チャネルを受信することが可能となる。短時間でUEはSCellのビームをモニタ可能となる。
【0749】
PCellの物理下り制御チャネルに対して、SCellのビームの情報を含むDCIをマッピングしてもよい。PCellの情報が含まれるDCIと、SCellの情報が含まれるDCIとを異ならせ、該SCellの情報が含まれるDCIにビームの情報を含ませてもよい。
【0750】
前述の2つのビームのact/deact情報の通知方法を組合せてもよい。組合せた場合の例を開示する。
【0751】
gNBはUEに対して、PCellのL1/L2制御情報で、SCellのactする一つのビーム情報を通知する。actしているSCellの情報と、該SCell内でactするビームの情報とを、同じDCI内に関連付けて含めるようにしてもよい。UEは、PCellから通知されたSCellの一つのビームをモニタする。UEはactされた一つのビームの物理下り制御チャネルを受信する。
【0752】
gNBはUEに対して、Scellの該一つのビームのL1/L2制御信号で、actするビームの情報を通知する。あるいは、SCellのビームのact/deact情報を通知してもよい。一つのビームが用いられてもよいし、複数のビームが用いられてもよい。UEは、actされたビームをモニタする。UEは、actされたビームの物理下り制御チャネルを受信する。
【0753】
この方法においては、UEがSCell内のビームのact/deact情報を受信するためにgNBに対して上り信号を送信する必要がない。このため、UEは、SCell内でどのビームを使用するかを、早期に特定可能となる。また、UEの消費電力を低減可能となる。
【0754】
図18~
図20は、L1/L2制御信号を用いたビーム単位のCAの設定シーケンスの一例を示す図であり、前述の2つのビームのact/deact情報の通知方法を組合せた場合の例である。
図18~
図20は、境界線BL551,L552の位置で、つながっている。
図18~
図20に示すシーケンスは、
図16および
図17に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
【0755】
ステップST5501において、gNBはUEに対して、SCellのact/deact情報を通知する。この通知にはL1/L2制御信号を用いる。act/deact情報はDCIに含めて通知する。ステップST5502において、gNBはUEに対して、actしたSCellの一つのビームのact/deact情報を通知する。この通知にはL1/L2制御信号を用いる。act/deact情報はDCIに含めて通知する。
【0756】
ステップST5503において、UEは、actされたSCellのSSを受信して同期を行う。ステップST5504において、UEは各ビームのBRSを受信し、RRCシグナリングによって通知された、SCellで構成可能なビームの情報(具体的には、ビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方と、ビームインデックス)、および、PCellからのL1/L2制御信号によって通知された、actする一つのビームの情報(具体的にはビームインデックス)から、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5505において、UEは、モニタする一つのビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0757】
このようにして、gNBはUEと、SCellのビーム1を介して通信を行うことが可能となる。
【0758】
図19を参照し、ステップST5506において、gNBはUEに対して、SCellのビーム1を介してSCellのビームのact/deact情報を通知する。この通知にはL1/L2制御信号を用いる。act/deact情報はDCIに含めて通知する。
【0759】
ステップST5507において、UEは各ビームのBRSを受信し、RRCシグナリングによって通知された、SCellで構成可能なビームの情報(具体的にはビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方と、ビームインデックス)、および、SCellからのL1/L2制御信号によって通知された、SCellのactするビームの情報(具体的にはビームインデックス)から、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5508において、UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0760】
このようにして、gNBはUEと、SCellのビーム2を介して通信を行うことが可能となる。
【0761】
続けて、
図20を参照して、gNBがUEと通信を行うビームをSCell内で変更する場合のシーケンスについて一例を開示する。ステップST5509において、gNBはUEと通信を行うビームの変更を決定する。例えば、gNBのSCellのPHY機能部が決定してもよい。ステップST5510において、gNBはUEに対して、SCellのビーム1によって、変更後のビームのact/deact情報を通知する。該情報は、DCIに含められ、L1/L2制御信号によって通知される。
【0762】
gNBはUEに対して、変更後のビームのact/deact情報を、PCellのビーム1によって通知してもよい。gNBは、どちらの通信品質が良好かを判断し、通信品質の良好なビームを用いて通知するようにしてもよい。
【0763】
PCellのビームによって通知する場合、SCellのビームの通信品質の急激な劣化の影響を受けることなく、gNBはUEに対して変更したビームに関する情報を通知可能となる。UEは、gNBから通知されたビームに変更することが可能となる。
【0764】
ステップST5511において、UEは各ビームのBRSを受信し、RRCシグナリングによって通知された、SCellで構成可能なビームの情報(具体的にはビーム識別子とBRS構成とのうちの少なくとも一方と、ビームインデックス)、および、SCellからのL1/L2制御信号によって通知された、変更後のactするビームの情報(具体的にはビームインデックス)から、SCell内でモニタするビームを検出する。ステップST5512において、UEは、モニタするビームの物理下り制御チャネル(PDCCH)を受信する。
【0765】
このようにすることで、UEと通信を行うSCellのビームを、ビーム2からビーム3に変更することが可能となる。
【0766】
このように、ビームの情報を通知するのにL1/L2制御信号を用いるので、実施の形態6およびそれの変形例1に比べてさらにダイナミックに、アグリゲーションするビームの設定および変更が可能となる。このため、ビームの設定および変更に要する時間をさらに削減でき、所望のビームを用いた通信までの遅延をさらに低減できる。したがって、ビームの設定および変更の処理時間をさらに短縮でき、ブロッキングおよびUEの移動によるSCellでの通信開始不可および通信断の発生を低減可能となる。
【0767】
前述の方法において、PCellで通知するSCellのビームとしてベストなビームを特定して設定しなくてもよい。通信可能な通信品質を有するビームを設定すればよい。SCellの該ビームを用いたCAを開始した後に、SCellで通知するビームの変更においてベストなビームを設定すればよい。SCellと通信を開始した後のSCellビームのメジャメントになるのでUEでのメジャメント処理が簡易になり、また低消費電力化できる。
【0768】
前述の方法では、gNBはUEに対して、PCellのL1/L2制御情報で、SCellのactする一つのビーム情報を通知することを開示した。SCellのactする一つのビーム情報に限らず、複数のビーム情報であってもよい。gNBはUEに対して、PCellのL1/L2制御情報で、SCellのactする複数のビーム情報を通知してもよい。
【0769】
UEは、PCellから通知されたSCellの複数のビームをモニタする。UEはactされた複数のビームの物理下り制御チャネルを受信する。
【0770】
gNBはUEに対して、Scellの該複数のビームのうちの一つのビームのL1/L2制御信号で、actするビームの情報を通知する。あるいは、SCellのビームのact/deact情報を通知してもよい。一つのビームが用いられてもよいし、複数のビームが用いられてもよい。UEは、actされた該複数のビームをモニタするため、該複数のビームのうちの一つのビームで送信されるL1/L2制御信号を受信できる。
【0771】
SCellのactするビームを複数のビームとすることで、いくつかのビームの通信品質が悪化したとしても他のビームで、actするビームの情報を通知することが可能となる。高信頼で安定した通信を行うことが可能となる。
【0772】
実施の形態6から実施の形態6の変形例2までで開示した方法を適宜組合せてもよい。例えば、gNBはUEに対して、PCellでSCellのact/deact情報をMACシグナリングによって通知し、gNBはUEに対して、PCellで、ActしたSCellのactする一つのビームに関する情報をMACシグナリングによって通知し、UEが、actしたSCellのactする一つのビームと通信を開始し、その後に、L1/L2制御信号を用いてSCellでSCellのビームのact/deact情報を通知する。
【0773】
actするSCellおよびactするビームの情報を、MACシグナリングを用いて通知することで、UEでの受信誤り率を低減できる。このため、CAの設定を確実に行うことが可能となるので、gNBとUEとの間での誤動作を低減できる。SCellのビームのact/deact情報をL1/L2制御信号を用いて通知することで、UEにダイナミックに低遅延で通知することが可能となる。たとえ高い周波数での運用におけるブロッキングによって、あるいはUEの移動によって、通信に適するビームが頻繁に変わるような場合であっても、CAを行うビームを低遅延で設定および変更することが可能となる。
【0774】
このように、実施の形態6から実施の形態6の変形例2までで開示した方法を適宜組合せることによって、刻々と変化する電波伝搬状況に応じて低遅延で、CAを行うビームを設定および変更することが可能となる。
【0775】
実施の形態7.
LTEにおけるデータフローは、CN(Core Network)からRAN(Radio Access Network)にわたってベアラベースで行われている。各ノード間でベアラが設定される(非特許文献1参照)。LTEではEPSベアラとDRB(Data Radio Bearer)とは1対1マッピングであった。
【0776】
しかし、5Gにおけるデータフローについては、CN-RAN間ではフローベース制御を行うこと、および、RANではベアラベース制御を行うことが議論されている(3GPP R2-166892(以下「参考文献2」という)参照)。CN-RAN間の制御がフローベース制御となった場合、従来P-GWとUEとの間で設定されていたEPSベアラ、および、従来S-GWとUEとの間で設定されていたE-RABは設定されなくなる。しかし、RANではベアラベースの制御が維持されることになったので、データ用のRadio BearerとしてDRBが設定されることになる。
【0777】
5Gでは、サービスフローというよりもQoS(Quality of Service)フローを用いることが検討されている(参考文献2参照)。3GPPでは、QoSフローのためにパケット毎にQoSマーキングを用いることが、規格として決定された。QoSマーキングはスカラ値で設定される。したがって、異なるサービス/セッションであっても同じQoSを有する場合は、同じQoSフローに分類される。また、複数のQoSフローを一つのDRBにマッピングすることを可能にすることが検討されている。
【0778】
このため、RANのノードであるgNBは、一つまたは複数の異なるPDU(Protocol Data Unit)セッションからのトラフィックを、一つのDRBにマッピングすることになる。gNBは、PDUセッションからのトラフィックのQoSに応じてDRBを設定する。gNBは、PDUセッションからのデータを、設定したDRBにマッピングする。
【0779】
ここでは、5GでのCNをNG-CNと称する。NG-CN傘下のgNBでDC(Dual Connectivity)が設定される場合について検討する。DCはベアラ毎に設定される。DCでは3つのベアラタイプがサポートされる。MCG(Master Cell Group)ベアラ、SCG(Secondary Cell Group)ベアラ、スプリットベアラである(非特許文献1参照)。従来のLTEにおけるDCでは、MeNB(Master eNB)がSeNB(Secondary eNB)のベアラ設定を要求する。
【0780】
しかし、従来のベアラ設定要求は、E-RABパラメータを用いて行われていた。しかし、5GにおけるNG-CNではE-RABが無くなった。したがって、DCにおけるベアラ設定要求にE-RABパラメータを用いることはできなくなってしまう。このため、DCの設定方法(例えば、MgNB(Master gNB)からSgNB(Secondary gNB)へのベアラの設定要求方法、および、SgNBにおけるDC用ベアラの設定方法)が不明になるという問題が発生する。
【0781】
本実施の形態7ではこのような問題を解決する方法を開示する。
【0782】
SgNBが、PDUセッションのQoSに関する情報を用いて、DC用ベアラ設定を行う。MgNBはSgNBに対して、NG-CN(CP)より通知されたPDUセッションに関する情報に含まれるQoSに関する情報を用いてベアラ設定要求を行う。3GPPでは、PDUセッション設立において、NG-CN(CP)からgNBに対して、PDUセッションに関する情報を通知することが検討されている。PDUセッションに関する情報として、PDUセッションのコンテキストを通知すること、および、PDUセッションコンテキストにQoSに関する情報が含まれることが検討されている(非特許文献6参照)。このようなPDUセッションに関する情報に含まれるQoSに関する情報を用いてもよい。
【0783】
SgNBは、MgNBからベアラ設定要求とともに、あるいはベアラ設定要求メッセージに含められて通知されたPDUセッションコンテキスト内のQoSに関する情報を用いて、DC用のDRBを設定する。スプリットベアラを設定する場合、MgNBは、PDUセッションコンテキスト内のQoSに関する情報の値を変更し、変更後の値をSgNBに通知してもよい。MgNB側のベアラとSgNB側のベアラとでPDUセッションに要求されるQoSを満たすように、DC用のDRBを設定すればよい。
【0784】
MgNBはSgNBに対して、DCを行うPDUセッションのセッション識別子を通知してもよい。PDUセッションのQoSに関する情報と関連付けてPDUセッション識別子を通知するとよい。ベアラ設定要求とともに、あるいは、ベアラ設定要求メッセージに含めて通知してもよい。
【0785】
DCを行うPDUセッション識別子を通知することで、SgNBは、NG-CNにおけるどのPDUセッションに対してDCを行うのかを認識することができる。SgNBで、DCを行うPDUセッションとDRBとのマッピングを可能にする。
【0786】
PDUセッションコンテキスト内のQoSに関する情報の例として、3GPPでは以下のようなパラメータが提案されている(非特許文献6参照)。これらのQoSに関する情報を用いてもよい。
【0787】
(1)フロー優先度指標、
(2)フロー優先度レベル、
(3)パケット優先度指標、
(4)パケット破棄優先度指標、
(5)最大フロービットレート、
(6)保証フロービットレート、
(7)セッションビットレート、
(8)QoS指標。
【0788】
PDUセッションに関する情報のQoSに関する情報として、QCIを設けてもよい。PDUセッションに関する情報のQoSに関する情報として、許容遅延に関する情報を設けてもよい。MgNBはSgNBに対して、NG-CN(CP)より通知されたPDUセッションに関する情報に含まれるQCI情報や許容遅延に関する情報を用いて、ベアラ設定要求を行ってもよい。
【0789】
前述したように、DRBに複数のPDUセッションが含まれる場合がある。したがって、DCを設定するDRBに複数のPDUセッションが含まれる場合がある。このような場合、MgNBはSgNBに対して、複数のPDUセッションのPDUセッションコンテキスト内のQoSに関する情報を通知するとよい。SgNBは、MgNBから受信した複数のPDUセッションコンテキスト内のQoSに関する情報を用いて、DC用のDRBを設定する。
【0790】
図21は、本実施の形態7におけるDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
図21の左側の(a)は、MgNBを用いたMCGベアラ設定時の状態であり、DCを設定する前の状態としてもよい。
図21の右側の(b)は、SgNBを用いたSCGベアラ設定時の状態であり、DC(SCGベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0791】
NG-UPFは、NG-CNのU-Planeのファンクションを示す。図では下りリンクについて示している。状態(a)では、NG-UPFからMgNBに対して2つのPDUセッションフローが設定される場合について示している。2つのPDUセッションフローをPDUセッション#1とPDUセッション#2とする。MgNBでは、2つのPDUセッションに対して一つのDRB#M1が設定され、マッピングされる。
【0792】
状態(b)に示すように、DC(SCGベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからSCGベアラにスイッチされる。DCはベアラ毎に設定されるので、SgNBにおいてDRB#S1が設定され、MgNBのDRB#M1がSgNBのDRB#S1にスイッチされる。このため、MgNBのDRB#M1にマッピングされていた全PDUセッションが、DRB#S1にマッピングされる。
【0793】
NG-UPFは、DC(SCGベアラ)が設定されることによって、DRB#M1にマッピングされていた全PDUセッションを、MgNBからSgNBにパススイッチする。NG-CN、gNB、UE間でDCを設定する。
【0794】
図22は、本実施の形態7におけるDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
【0795】
図22の左側の(a)は、MgNBを用いたMCGベアラ設定時の状態であり、DCを設定する前の状態としてもよい。状態(a)は
図21の状態(a)と同じなので説明を省略する。
図22の右側の(b)は、SgNBを用いたスプリットベアラ設定時の状態であり、DC(スプリットベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0796】
状態(b)に示すように、DC(スプリットベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからスプリットベアラにスイッチされる。DCはベアラ毎に設定されるので、MgNBのDRB#M1が、MgNBによって設定されるDRB#M3と、SgNBによって設定されるDRB#S5とに、スプリットされる。このため、MgNBのDRB#M1にマッピングされていた全PDUセッションが、DRB#M3とDRB#S5とにスプリットされてマッピングされる。
【0797】
NG-UPFは、DC(スプリットベアラ)が設定された場合は、DRB#M1にマッピングされていた全PDUセッションを、MgNBからSgNBにパススイッチする必要は無く、MgNBのままでよい。このように、DC(スプリットベアラ)は、gNB、UE間で設定される。
【0798】
図23および
図24は、本実施の形態7におけるDC(SCGベアラ)設定シーケンスの一例を示す図である。
図23と
図24とは、境界線BL631の位置で、つながっている。SgNBがDRBマッピングを行う。2つのPDUセッションが設立され、これら2つのPDUセッションが1つのDRBにマッピングされる場合について示している。
図23および
図24では、PDUセッションとしているが、PDUセッションの代わりに、QoSによって構成されたQoSフローに適用してもよい。
【0799】
ステップST6301において、NG-CPFはMgNBに対してPDUセッション要求を行う。NG-CPFは、NG-CNのC-Planeのファンクションを示す。PDUセッション要求においてPDUセッションコンテキストを通知する。PDUセッションコンテキスト内にQoSに関する情報を含む。ここでは、PDUセッション#1とする。
【0800】
ステップST6302において、MgNBはPDUセッション#1用のDRBを設定する。QoSに関する情報などを考慮してDRBを設定する。ステップST6303,ST6304において、MgNBはUEに対して、DRB設定に関する情報を通知する。これにより、UEはMgNBとの間でDRBを設定する。ステップST6306,ST6305において、NG-UPFとMgNBとの間およびMgNBとUEとの間で、データ通信が行われる。MgNBはPDUセッションとDRBとのマッピングを行う。
【0801】
ステップST6307において、NG-CPFはMgNBに対して、PDUセッション#1とは異なるPDUセッション要求を行う。ここでは、PDUセッション#2とする。ステップST6308において、MgNBはPDUセッション#2用のDRBを設定する。QoSに関する情報などを考慮してDRBを設定する。ここでは、既存のPDUセッション#1のために設定したDRBにマッピングする場合について示す。PDUセッション#1とPDUセッション#2とが同じDRBにマッピングされることになる。
【0802】
既存のDRBを用いることになるので、UEに対して新たなDRBの設定は不要となる。ステップST6310,ST6309において、NG-UPFとMgNBとの間およびMgNBとUEとの間で、データ通信が行われる。MgNBはPDUセッションとDRBとのマッピングを行う。MgNBはPDUセッション#1とPDUセッション#2とを同じDRBにマッピングする。
【0803】
ステップST6311において、MgNBはUEに対してDC(SCGベアラ)を設定することを決定する。ステップST6312において、MgNBは、SgNBに対して、SgNB追加要求メッセージを通知する。SgNB追加要求メッセージにPDUセッションのQoSに関する情報を含める。MgNBは、NG-CPFからPDUセッション要求時に通知されたPDUセッションのQoSに関する情報を用いるとよい。ここでは、PDUセッションコンテキストに含まれるQoSに関する情報とする。
【0804】
ベアラ毎にDCを設定するために、SgNB追加要求メッセージに、DCを行うDRBにマッピングされる全PDUセッションのQoSに関する情報を含める。ここでは、PDUセッション#1のQoSに関する情報と、PDUセッション#2のQoSに関する情報とを含める。
【0805】
また、MgNBはSgNBに対して、SeNB追加要求メッセージに、PDUセッション識別子を含めて通知してもよい。PDUセッション識別子と、各々のQoSに関する情報とを、関連付けて通知してもよい。このようにすることで、SgNBはどのPDUセッションがどのQoSであるかを認識することが可能となる。
【0806】
ステップST6313において、SgNBは、MgNBから受信したPDUセッションのQoSに関する情報を考慮してDRBを設定する。ここでは、PDUセッション#1とPDUセッション#2との両方のQoSに関する情報を考慮して、DRBを設定する。SgNBは、DRBを設定する際に、自ノードの負荷などを考慮してもよい。SgNBにおいて、PDUセッション#1とPDUセッション#2との両方のQoSに見合うDRBを設定できない場合は、MgNBに対してSgNB追加要求に対する拒否メッセージを通知してもよい。拒否メッセージに、拒否理由を含めるとよい。例えば、過負荷などの理由がある。
【0807】
ステップST6314において、SgNBはMgNBに対して、DCを行うDRB設定を通知する。DRB設定は、SCG設定のSCGベアラ設定情報に含めて、通知するとよい。ステップST6315,ST6316において、MgNBはUEに対して、SgNBのDRB設定に関する情報を通知する。これによりUEはSgNBとの間でDRBを設定する。UEとの間でDRB設定を含むSCG設定を行ったMgNBは、ステップST6317において、SgNBに対して、SgNB再設定が完了したことを通知する。ステップST6318において、UEはSgNBに対してRA処理を行う。UEは上りも含めてSgNBとの通信が可能となる。
【0808】
ステップST6319において、MgNBはSN(シーケンス番号)ステータスを転送する。PDUセッション#1とPDUセッション#2とのデータにあわせてSNを設け、該SNのステータスを転送する。他の方法として、PDUセッション毎にSNを設けて、PDUセッション毎のSNステータスを転送してもよい。例えば、PDUセッション#1のデータとPDUセッション#2のデータとのそれぞれに対して個別にSNを設け、該二つのSNのステータスを転送する。このようにすることで、SgNBはMgNBでのデータ処理状態を、PDUセッション毎に認識することが可能となる。
【0809】
NG-UPFからの下りデータは、まだMgNBに対して送信されている。このため、ステップST6320においてMgNBは、NG-UPFからのデータをSgNBに転送する。DCを設定したDRBにマッピングされる全PDUセッションのデータを転送する。
【0810】
ステップST6321においてMgNBは、NG-CPFに対して、PDUセッションスイッチ指示を通知する。MgNBはNG-CPFに対して、PDUセッションをSgNBにスイッチすることを要求する。DCを設定したDRBにマッピングされる全PDUセッション識別子、MgNB識別子、SgNB識別子、SgNBのアドレスなどを通知するとよい。ここでは、PDUセッション識別子として、PDUセッション#1およびPDUセッション#2の識別子を通知する。
【0811】
ステップST6322においてNG-CPFは、NG-UPFに対して、PDUセッションスイッチ指示を通知する。NG-CPFはNG-UPFに対して、PDUセッションをSgNBにスイッチすることを要求する。通知する情報は、ステップST6321で通知された情報と同じとしてもよい。
【0812】
ステップST6322においてPDUセッションスイッチ指示を受信したNG-UPFは、ステップST6323において、エンドマーカをつけたパケットをMgNBに対して通知する。MgNBは該パケットをSgNBに転送する。これにより、SgNBはMgNBから転送されるデータが最後であることを認識する。PDUセッション毎にエンドマーカをつけて送信してもよい。PDUセッション毎に並行してデータが送信されている場合に有効である。
【0813】
エンドマーカをつけたパケットをMgNBに対して送信したNG-UPFは、ステップST6322において通知されたPDUセッションのデータ送受信先を、MgNBからSgNBに変更する。ここでは、DCを設定したDRBにマッピングされる全PDUセッションのデータ送受信先を、MgNBからSgNBに変更する。
【0814】
ステップST6324において、NG-CPFはMgNBに対して、PDUセッションスイッチを行ったことを確認する通知を行う。ステップST6326,ST6325において、NG-UPFとSgNBとの間およびSgNBとUEとの間で、データ通信が行われる。SgNBはPDUセッションとDRBとのマッピングを行う。SgNBはPDUセッション#1とPDUセッション#2とを同じDRBにマッピングする。QoSフローに適用した場合、SgNBがQoSフローからDRBのマッピングを行う。
【0815】
スプリットベアラのDCを設定する場合のシーケンスは、一例として、
図23および
図24のシーケンスの一部を変更するとよい。ステップST6311において、MgNBはUEに対して、DC(スプリットベアラ)を設定することを決定する。ステップST6312において、MgNBはSgNBに対して、PDUセッションのQoSに関する情報を含んだSgNB追加要求メッセージを通知する。このPDUセッションのQoSに関する情報として、MgNBは、NG-CPFからPDUセッション要求時に通知されたPDUセッションのQoSに関する情報を用いてもよいことを示した。
【0816】
スプリットベアラの場合、NG-CPFからPDUセッション要求時に通知されたPDUセッションのQoSに関する情報を変更してSgNBに通知してもよい。また、ステップST6315において、MgNBはUEに対して、SgNBのDRB設定に関する情報を通知する。ここで、MgNBは、UEとの間のベアラ設定を、DC前のMgNBとUEとの間のベアラの設定から変更して、通知してもよい。MgNBはUEに対して、MgNBとUEとの間のDRB設定と、ステップST6314においてSgNBから通知されたSgNBとUEとの間のDRB設定とを、通知するとよい。これによりUEはスプリットベアラを設定することが可能となる。
【0817】
スプリットベアラの場合、UEに対するベアラが、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとに、スプリットされる。スプリットされた、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとをあわせて、PDUセッションのQoSが満たされればよい。このため、前述のような処理とするとよい。
【0818】
DCを設定するDRBにマッピングされる全PDUセッションのQoSに関する情報を変更してもよいし、一部のPDUセッションのQoSに関する情報を変更してもよい。また、PDUセッションのQoSに関する情報のうち全部の情報を変更してもよいし、一部の情報を変更してもよい。MgNBは自ノードの負荷などに応じて設定を柔軟に変更してSgNBに対してSgNB追加要求を行うことが可能となる。
【0819】
また、スプリットベアラでは、MCGベアラからSCGベアラにベアラをスイッチするための処理(ステップST6319~ST6324参照)は不要となる。これは、スプリットベアラではMgNBでベアラがスプリットされるので、NG-UPFとMgNBとの間のPDUセッションは変更不要となるからである。
【0820】
スプリットベアラの設定後のデータ通信は、ステップST6325,ST6326ではなくなる。ステップST6310のNG-UPFとMgNBとの間のデータ通信は維持され、MgNBとUEとの間のデータ通信が、MgNBとUEとの間のデータ通信と、MgNBとSgNBとの間およびSgNBとUEとの間のデータ通信との2つにスプリットされる。
【0821】
このようにすることで、CN-RAN間の制御がフローベース制御になり、RANの制御がベアラベース制御になり、NG-CNでE-RABが無くなる一方、gNBとUEとの間でDRBが設定されるような場合にも、UEに対してDCを設定可能となる。また、SgNBがPDUセッションのQoSに関する情報からDRBを設定することによって、SgNBの状況を考慮したDRB設定が可能となる。SgNBのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0822】
実施の形態7によれば、例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線通信可能に接続される複数の基地局装置と、通信端末装置と各基地局装置との通信を管理するコアネットワークとを含み、通信端末装置と接続されている第1の基地局装置が、第2の基地局装置に対して、通信端末装置用のベアラを設定するように要求する場合、第1の基地局装置は、コアネットワークからPDUセッションについて取得したQoS(Quality of Service)に関する情報を、第2の基地局装置に通知し、第2の基地局装置は、通知されたQoSに関する情報に基づいて、通信端末装置用のベアラを設定する、通信システムが提供される。
【0823】
この構成によれば、第5世代(5G)無線アクセスシステムについて、デュアルコネクティビティ(DC)を設定可能となる。
【0824】
ここで、上記構成は、前述のように、および、以下の変形例1~2で述べるように、様々に変形することが可能である。
【0825】
本実施の形態7で示した問題を解決するために、SgNBがPDUセッションのQoSに関する情報を用いてDC用ベアラ設定を行う方法について前述した。
【0826】
前述の方法では、一つのDRBに複数のPDUセッションが構成される場合、DCはDRB毎の設定であるので、一つのDRBについてDCを行うために、DRBに含まれる全PDUセッションの情報をMgNBとSgNBとの間で通知しなければならない。このため、通知しなければならない情報量が増大してしまう。
【0827】
ここでは、本実施の形態7で示した問題を解決する他の方法を開示する。
【0828】
MgNBが、PDUセッションのQoSに関する情報を用いて、DC用ベアラ設定を行う。MgNBは、DC用ベアラ設定に関する情報を用いて、SgNBに対してSgNB追加要求を行う。SgNBは、MgNBから通知されたDC用ベアラ設定に関する情報を用いて、DC用のDRBを設定する。スプリットベアラを設定する場合、MgNBは、DC用ベアラ設定に関する情報の値を変更して、SgNBに通知してもよい。MgNB側のベアラとSgNB側のベアラとによって、PDUセッションに要求されるQoSを満たすように、DC用のDRBを設定すればよい。
【0829】
MgNBはSgNBに対して、DCを行うPDUセッションのセッション識別子を通知してもよい。MgNBはSgNBに対して、DCを行うDRBに含まれるPDUセッションの識別子を通知してもよい。PDUセッションのQoSに関する情報と関連付けてPDUセッション識別子を通知するとよい。ベアラ設定要求とともに、あるいは、ベアラ設定要求メッセージに含めて通知してもよい。
【0830】
このようにすることで、SgNBは、NG-CNにおけるどのPDUセッションに対してDCを行うのかを認識することができる。SgNBで、PDUセッションとDCを行うDRBとのマッピングを可能にする。
【0831】
DC用ベアラ設定に関する情報例として以下のようなパラメータがあげられる。
【0832】
(1)RLC構成、
(2)論理チャネル識別子、
(3)論理チャネル構成、
(4)論理チャネルビットレート、
(5)QCI。
【0833】
DC用ベアラ設定に関する情報として、上りリンクにおいては、gNBがUEに対して通知するDRB設定情報を用いてもよい。従来のLTEでeNBがUEに対して通知するDRB設定情報を用いてもよい。例えば、従来のLTEでは、非特許文献12に開示されたパラメータがある。これらのQoSに関する情報を用いてもよい。
【0834】
DCを設定するベアラに複数のPDUセッションが含まれる場合も、MgNBはSgNBに対して、一つのDC用ベアラのベアラ設定に関する情報のみを通知すればよい。MgNBが設定した一つのDC用ベアラのベアラ設定に関する情報を通知すればよい。このため、MgNBからSgNBに対してPDUセッション毎のQoSに関する情報を通知しなくてもよく、通知に要する情報量を削減することが可能となる。
【0835】
SCGベアラを設定する場合、前述のように、MgNBはSgNBに対して、DCを設定するDRBについて、MgNBが設定したDRB設定に関する情報を通知すればよい。スプリットベアラの場合、スプリットされた、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとをあわせて、PDUセッションのQoSが満たされればよい。このため、MgNBは、MgNBが設定したベアラ設定に関する情報を変更してSgNBに通知してもよい。また、MgNBは、UEとの間のベアラ設定を、DC前のMgNBとUEとの間のベアラの設定から変更して、通知してもよい。
【0836】
DC用ベアラのベアラ設定に関する情報の全てを変更してもよいし、一部のみを変更してもよい。MgNBは自ノードの負荷などに応じて設定を柔軟に変更してSgNBに対してSgNB追加要求を行うことが可能となる。
【0837】
MgNBがPDUセッションのQoSに関する情報を用いてDC用ベアラ設定を行う場合のDC(SCGベアラ)設定シーケンスは、一例として、
図23および
図24シーケンスの一部を修正するとよい。
【0838】
図23のステップST6312において、MgNBがSgNBに対して通知するSgNB追加要求メッセージに、PDUセッションのQoSに関する情報ではなく、MgNBがステップST6308で設定したDRB設定に関する情報を含める。
【0839】
また、ステップST6313において、SgNBは、MgNBから通知されたDRB設定に関する情報を考慮してDRBを設定する。SgNBは、DRBを設定する際に、自ノードの負荷などを考慮してもよい。SgNBにおいて、MgNBから通知されたDRB設定に関する情報に見合うDRBを設定できない場合は、MgNBに対してSgNB追加要求に対する拒否メッセージを通知してもよい。拒否メッセージに、拒否理由を含めるとよい。例えば、過負荷などの理由がある。
【0840】
DC(スプリットベアラ)設定シーケンスの一例として、さらに、前述のSgNBがDRBマッピングを行う方法で開示したDC(スプリットベアラ)設定シーケンスへの変更を同様に行うとよい。
【0841】
このようにすることで、CN-RAN間の制御がフローベース制御になり、RANの制御がベアラベース制御になり、NG-CNでE-RABが無くなる一方、gNBとUEとの間でDRBが設定されるような場合にも、UEに対してDCを設定可能となる。
【0842】
また、MgNBからSgNBに対してPDUセッション毎のQoSに関する情報を通知しなくてもよく、通知に要する情報量を削減することが可能となる。また、MgNBがPDUセッションのQoSに関する情報からDRBを設定することによって、MgNBの状況を考慮したDRB設定要求が可能となる。MgNBのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0843】
以上に鑑みると、実施の形態7によれば、さらに次のような通信システムが提供される。例えば、通信端末装置と、通信端末装置と無線通信可能に接続される複数の基地局装置と、通信端末装置と各基地局装置との通信を管理するコアネットワークとを含み、通信端末装置と接続されている第1の基地局装置が、第2の基地局装置に対して、通信端末装置用のベアラを設定するように要求する場合、第1の基地局装置は、コアネットワークからPDUセッションについて取得したQoS(Quality of Service)に基づいて、通信端末装置用のベアラを設定し、設定したベアラに関する情報を第2の基地局装置に通知する、通信システムが提供される。
【0844】
この構成によれば、第5世代(5G)無線アクセスシステムについて、デュアルコネクティビティ(DC)を設定可能となる。
【0845】
ここで、上記構成は、前述のように、および、以下の変形例1~2で述べるように、様々に変形することが可能である。
【0846】
実施の形態7の変形例1.
従来は、セッション毎にE-RABが構成され、E-RAB毎にDRBが構成された。DCはE-RAB毎に設定可能であったので、一つのUEに対して複数のセッションが構成された場合も、PDUセッション毎にDCの設定が可能であった。
【0847】
しかし、複数のPDUセッションに対して一つのDRBを構成可能とした場合、セッション毎にDCを設定することが不可能となってしまう。
【0848】
セッションによっては、DCにおいてどのベアラタイプを用いた方がよいかは異なる場合がある。例えば、低遅延が要求されるセッションにはMCGベアラが適す。SgNBへの転送が発生しないからである。また、例えば、高容量が要求されるセッションには、SCGベアラあるいはスプリットベアラが適す場合がある。SgNBが高周波数で広帯域なキャリアを構成するような場合、SgNBを用いることで高容量を得られるからである。
【0849】
しかし、セッション毎のDC設定が不可能となった場合、このような効果を得られなくなってしまう問題が発生する。
【0850】
本変形例1では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0851】
DCをPDUセッション毎に設定可能とする。MgNBはSgNBに対して、PDUセッション毎にDC設定を行う。DC(SCGベアラ)を設定する場合について、DC設定方法を開示する。MgNBはSgNBに対して、NG-CN(CP)から通知された、DCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定要求を行う。この方法は実施の形態7で開示した方法を適用できる。
【0852】
MgNBは、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションのQoSに関する情報を用いて、ベアラを再設定する。SgNBは、MgNBから受信したDCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定を行う。MgNBはUEに対して、DCを行うPDUセッションに対してSgNBで設定されたベアラ設定と、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションに対してMgNBで再設定されたベアラ設定とを通知する。
【0853】
UEは、通知されたベアラ設定に応じて、DCを行うPDUセッションに対するベアラ設定と、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションに対するベアラ設定とを行う。このようにDCを設定することで、PDUセッション毎のDC設定が可能となる。
【0854】
MgNBが、DCを行うPDUセッションを除いたPDUセッションのQoSに関する情報を用いて、ベアラを再設定することを開示したが、ベアラの再設定を行わなくてもよい。MgNBは、DCを行う前に、DCを行うPDUセッションを含めたQoSを満たすようにベアラを設定しているので、DCを行うPDUセッションを除いたPDUセッションのQoSを満たすことも可能である。この場合、MgNBからUEに対して、MgNBで再設定されたベアラ情報を通知しなくてもよい。このようにすることで、MgNBからUEへ通知する情報量を削減することが可能となる。
【0855】
図25は、本変形例1におけるPDUセッション毎のDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
図25の左側の(a)は、MgNBを用いたMCGベアラ設定時の状態であり、DCを設定する前の状態としてもよい。状態(a)は
図21の状態(a)と同じなので説明を省略する。
図25の右側の(b)は、PDUセッション毎にSgNBを用いたSCGベアラ設定時の状態であり、一つのPDUセッションに対してDC(SCGベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0856】
状態(b)に示すように、一つのPDUセッション#2に対してDC(SCGベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからSCGベアラにスイッチされる。SgNBでDCが設定されるPDUセッション#2のためのDRB#S2が設定される。また、MgNBではDCが設定されるPDUセッション#2を除いたPDUセッション#1のためのDRB#M2が再設定される。PDUセッション#1に対してはMCGベアラが再設定されることになる。このPDUセッション#1はSgNBにスイッチされない。
【0857】
NG-UPFは、PDUセッション#2のDC(SCGベアラ)が設定されることで、DRB#M1にマッピングされていたPDUセッション#2を、MgNBからSgNBにパススイッチする。このようにNG-CN、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCを設定する。
【0858】
図26は、本変形例1におけるPDUセッション毎のDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
図26の左側の状態(b)は
図25の状態(b)と同じなので説明を省略する。
図26の右側の(c)は、PDUセッション毎にSgNBを用いたSCGベアラ設定時の状態であり、二つのPDUセッションに対してDC(SCGベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0859】
状態(c)に示すように、MgNBのPDUセッション#1に対してDC(SCGベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからSCGベアラにスイッチされる。SgNBでは、既にDCが設定されているPDUセッション#2と、MgNBからスイッチされたPDUセッション#1のためのDRB#S1とが再設定される。SgNBでは複数のPDUセッションに対して一つのDRBが設定される。
【0860】
NG-UPFは、PDUセッション#1のDC(SCGベアラ)が設定されることで、DRB#M2にマッピングされていたPDUセッション#1を、MgNBからSgNBにパススイッチする。このようにNG-CN、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCを設定する。
【0861】
DC(スプリットベアラ)を設定する場合について、DC設定方法を開示する。
【0862】
MgNBはSgNBに対して、DCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定要求を行う。スプリットベアラの場合、UEに対するベアラが、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとに、スプリットされる。スプリットされた、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとをあわせて、PDUセッションのQoSが満たされればよい。
【0863】
このため、NG-CPFからPDUセッション要求時に通知されたPDUセッションのQoSに関する情報を変更してSgNBに通知してもよい。この方法は実施の形態7で開示した方法を適用できる。
【0864】
また、MgNBは、SgNBとDC(スプリットベアラ)を行うPDUセッションのQoSに関する情報を考慮して、ベアラを再設定してもよい。MgNBは、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションのQoSに関する情報と、DCによってSgNBとベアラスプリットを行うPDUセッションのQoSに関する情報とを考慮して、ベアラを再設定してもよい。
【0865】
SgNBは、MgNBから受信したDCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定を行う。MgNBはUEに対して、DCを行うPDUセッションに対してSgNBで設定されたベアラ設定と、MgNBで再設定したベアラ設定とを通知する。UEは、通知されたベアラ設定に応じて、MgNBおよびSgNBに対するベアラ設定を行う。これにより、DCを行うPDUセッションに対するベアラ設定と、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションに対するベアラ設定とを行うことになる。
【0866】
MgNBでPDUセッション毎にSNをつけることで、DCを行うPDUセッションに対してのみ、データをMgNBとSgNBとでスプリットすることが可能となる。このようにDCを設定することで、PDUセッション毎のDC設定が可能となる。
【0867】
MgNBが、SgNBとDC(スプリットベアラ)を行うPDUセッションのQoSに関する情報を考慮して、ベアラを再設定してもよいことを開示したが、ベアラの再設定を行わなくてもよい。MgNBは、DCを行う前に、DC(スプリットベアラ)を行うPDUセッションを含めたQoSを満たすようにベアラを設定しているので、DC(スプリットベアラ)を行うPDUセッションを除いたPDUセッションのQoSを満たすことも可能である。この場合、MgNBからUEに対して、MgNBで再設定されたベアラ情報を通知しなくてもよい。このようにすることで、MgNBからUEへ通知する情報量を削減することが可能となる。
【0868】
図27は、本変形例1におけるDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
図27の左側の(a)は、MgNBを用いたMCGベアラ設定時の状態であり、DCを設定する前の状態としてもよい。状態(a)は
図22の状態(a)と同じなので説明を省略する。
図27の右側の(b)は、PDUセッション毎にSgNBを用いたスプリットベアラ設定時であり、一つのPDUセッションに対してDC(スプリットベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0869】
状態(b)に示すように、一つのPDUセッション#2に対して、DC(スプリットベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからスプリットベアラにスイッチされる。SgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#2のためのDRB#S6が設定される。また、MgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#2と、PDUセッション#1とのためのDRB#M4が再設定される。このようにすることで、DRBの視点で見ると、DRB#M4とDRB#S6とによってスプリットベアラが設定される。PDUセッションの視点で見ると、PDUセッション毎に、PDUセッション#1に対してはMCGベアラが再設定され、PDUセッション#2に対してはスプリットベアラが設定されることになる。
【0870】
NG-UPFは、DC(スプリットベアラ)が設定された場合は、DRB#M1にマッピングされていた全PDUセッションを、MgNBからSgNBにパススイッチする必要は無く、MgNBのままでよい。このように、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCが設定される。
【0871】
DC(スプリットベアラ)を設定する場合について、他のDC設定方法を開示する。
【0872】
前述のDC設定方法では、スプリットベアラ設定後のMgNBで一つのベアラを設定した。DC(スプリットベアラ)を設定しないPDUセッションと、DC(スプリットベアラ)を設定するPDUセッションとに対して、一つのDRBを設定した。
【0873】
他のDC設定方法として、DC(スプリットベアラ)を設定しないPDUセッションと、DC(スプリットベアラ)を設定するPDUセッションとに対して、各々ベアラを設定する。このようにすることで、DC(スプリットベアラ)を設定するPDUセッションについてベアラの変更を容易にすることが可能となる。例えば、MCGベアラからスプリットベアラへの変更処理、および、スプリットベアラから再度MCGベアラへの変更処理が、他のPDUセッションおよびDCを設定しないPDUセッションのためのベアラの設定とは独立して行われることになる。
【0874】
MgNBはSgNBに対して、DCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定要求を行う。また、MgNBにおいても、DCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定を行う。スプリットベアラの場合、UEに対するベアラが、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとに、スプリットされる。スプリットされた、MgNBとUEとの間のベアラと、SgNBとUEとの間のベアラとをあわせて、PDUセッションのQoSが満たされればよい。
【0875】
このため、NG-CPFからPDUセッション要求時に通知されたPDUセッションのQoSに関する情報を変更してSgNBに通知してもよい。この方法は実施の形態7で開示した方法を適用できる。
【0876】
MgNBは、SgNBとDC(スプリットベアラ)を行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションのQoSに関する情報を考慮して、DCを行うPDUセッションのためのベアラとは別に、ベアラを再設定する。複数のPDUセッションに対してDCを行わない場合および複数のPDUセッションに対してDCを行う場合の各々について、全PDUセッションに対して一つのベアラを設定してもよいし、PDUセッション毎にベアラを設定してもよいし、PDUセッショングループ毎にベアラを設定してもよい。
【0877】
SgNBは、MgNBから受信したDCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定を行う。MgNBはUEに対して、DCを行うPDUセッションに対してSgNBで設定されたベアラ設定と、MgNBで再設定したDCを行わないPDUセッションのためのベアラ設定と、DCを行うPDUセッションのベアラ設定とを通知する。
【0878】
UEは、通知されたベアラ設定に応じて、MgNBおよびSgNBに対するベアラ設定を行う。これにより、DCを行うPDUセッションに対するベアラ設定と、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションに対するベアラ設定とを行うことになる。MgNBでPDUセッション毎にSNをつけることで、DCを行うPDUセッションに対してのみ、データをMgNBとSgNBとでスプリットすることが可能となる。
【0879】
MgNBで、DC(スプリットベアラ)を行わないPDUセッションとDC(スプリットベアラ)を行うPDUセッションに対して各々ベアラを設定することを開示した。これに対し、DCを行っているPDUセッションに対してスプリットベアラから再度MCGベアラにする処理において、DC(スプリットベアラ)を行っていなかったPDUセッションと、一つのベアラに設定してもよい。MgNBにおいて、複数のDRB設定を行う必要がなくなるため、制御を容易にすることが可能となる。
【0880】
このようにDCを設定することで、PDUセッション毎のDC設定が可能となる。
【0881】
図28は、他のDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
図28の左側の(a)は、MgNBを用いたMCGベアラ設定時の状態であり、DCを設定する前の状態としてもよい。状態(a)は
図22の状態(a)と同じなので説明を省略する。
図28の右側の(b)は、PDUセッション毎にSgNBを用いたスプリットベアラ設定時の状態であり、一つのPDUセッションに対してDC(スプリットベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0882】
状態(b)に示すように、一つのPDUセッション#2に対して、DC(スプリットベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからスプリットベアラにスイッチされる。SgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#2のためのDRB#S7が設定される。また、MgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#2のためのDRB#M6と、DCが設定されないPDUセッション#1のためのDRB#M5とが、再設定される。このようにすることで、DRBの視点で見ると、DRB#M6とDRB#S7とによってスプリットベアラが設定される。PDUセッションの視点で見ると、PDUセッション毎に、PDUセッション#1に対してはDRB#M5によってMCGベアラが再設定され、PDUセッション#2に対してはDRB#M6とDRB#S7とによってスプリットベアラが設定されることになる。
【0883】
NG-UPFは、DC(スプリットベアラ)が設定された場合は、DRB#M1にマッピングされていた全PDUセッションを、MgNBからSgNBにパススイッチする必要は無く、MgNBのままでよい。このように、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCが設定される。
【0884】
図29は、他のDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
図29の左側の状態(b)は、
図28の状態(b)と同じなので説明を省略する。
図29の右側の(c)は、PDUセッション毎にスプリットベアラを設定する状態であり、2つのPDUセッションに対してDC(スプリットベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0885】
状態(c)に示すように、MgNBのPDUセッション#1に対して、DC(スプリットベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからスプリットベアラにスイッチされる。SgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#1のためにDRB#S8が設定される。SgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#1と既にDC(スプリットベアラ)が設定されているPDUセッション#2とのために、一つのDRB#S8が再設定される。SgNBでは、複数のPDUセッションに対して一つのDRBが設定される。MgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#1のためのDRB#M7が再設定される。
【0886】
このようにすることで、DRBの視点で見ると、DRB#M7とDRB#S8とでスプリットベアラが設定され、同様にDRB#M6とDRB#S8とによってスプリットベアラが設定される。PDUセッションの視点で見ると、PDUセッション毎に、PDUセッション#1に対してはDRB#M7とDRB#S8とによってスプリットベアラが再設定され、PDUセッション#2に対してはDRB#M6とDRB#S8とによってスプリットベアラが設定されることになる。
【0887】
NG-UPFは、DC(スプリットベアラ)が設定された場合は、DRB#M5にマッピングされていた全PDUセッションを、MgNBからSgNBにパススイッチする必要は無く、MgNBのままでよい。このように、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCが設定される。
【0888】
本変形例1で開示した方法とすることで、複数のPDUセッションに対して一つのDRBを構成可能とした場合にも、セッション毎にDCを設定することが可能となる。このため、セッション毎に適したベアラタイプのDCを設定することが可能となり、セッション毎に要求される性能を効率良く満たすことが可能となる。
【0889】
PDUセッション毎にDCを設定する方法を開示したが、複数のPDUセッションに対してDCを設定してもよい。MgNBからSgNBに対して、DCを行う複数のPDUセッション毎のQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定要求を行うとよい。一つのベアラ設定要求メッセージにDCを行う複数のPDUセッション毎のQoSに関する情報を含めて通知してもよい。設定方法は本変形例で開示した方法を適宜適用するとよい。
【0890】
一つまたは複数のPDUセッションを一つのグループとして、PDUセッショングループ毎にDCを設定してもよい。MgNBからSgNBに対して、DCを行うPDUセッショングループに含まれる一つまたは複数のPDUセッションのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定要求を行うとよい。一つのベアラ設定要求メッセージにDCを行うPDUセッショングループのQoSに関する情報を含めて通知してもよい。設定方法は本変形例で開示した方法を適宜適用するとよい。
【0891】
前述に開示した方法では、SgNBがPDUセッションのQoSに関する情報を用いてDC用ベアラ設定を行う。他の方法として、MgNBがPDUセッションのQoSに関する情報を用いてDC用ベアラ設定を行い、MgNBはDC用ベアラ設定に関する情報を用いて、SgNBに対してSgNB追加要求を行うようにしてもよい。実施の形態7で開示した方法を適宜適用するとよい。
【0892】
このようにすることで、実施の形態7と同様に、通知に要する情報量を削減することが可能となる。また、MgNBの状況を考慮したDRB設定要求が可能となる。MgNBのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0893】
実施の形態7の変形例2.
PDUセッション毎にDCを設定する場合でも、SgNBで複数のPDUセッションのために一つのベアラが設定されてしまう。例えば、
図26および
図29に示すような場合である。このような場合、例えば、SCGベアラからMCGベアラに戻す場合、言い換えるとベアラタイプの変更を行う場合に、SgNBでベアラの再設定が必要となる。このため、ベアラの設定処理が複雑となってしまう。高い頻度でDCのベアラタイプの変更が生じる場合、DC設定処理が複雑となってしまう。
【0894】
本変形例2では、このような問題を解決する方法を開示する。
【0895】
SgNBは、DCを行うベアラ設定、または、DCを行うPDUセッションのためのベアラ設定を、PDUセッション毎に行う。PDUセッション識別子とDRB識別子とを1対1対応になるよう設定してもよい。DCを設定する場合について、DC設定方法を開示する。
【0896】
MgNBはSgNBに対して、DCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いてベアラ設定要求を行う。この方法は実施の形態7で開示した方法を適用できる。MgNBは、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションのQoSに関する情報を用いて、ベアラを再設定する。
【0897】
SgNBは、MgNBから受信したDCを行うPDUセッションのみのQoSに関する情報を用いて、ベアラ設定を行う。UEに対して既に他のPDUセッションのためのベアラが設定されていた場合は、DCを行うPDUセッションのために該ベアラとは異なるベアラを設定する。MgNBはUEに対して、SgNBで設定されたベアラ設定と、MgNBで再設定されたベアラ設定とを通知する。
【0898】
UEは、通知されたベアラ設定に応じて、DCを行うPDUセッションに対するベアラ設定と、DCを行うPDUセッションを除いた他のPDUセッションに対するベアラ設定とを行う。このようにDCを設定することで、PDUセッション毎にベアラが設定されるDC設定が可能となる。
【0899】
MgNBが、DCを行うPDUセッションを除いたPDUセッションのQoSに関する情報を用いて、ベアラを再設定することを開示したが、ベアラの再設定を行わなくてもよい。MgNBは、DCを行う前に、DCを行うPDUセッションを含めたQoSを満たすようにベアラを設定しているので、DCを行うPDUセッションを除いたPDUセッションのQoSを満たすことも可能である。この場合、MgNBからUEに対して、MgNBで再設定されたベアラ情報を通知しなくてもよい。このようにすることで、MgNBからUEへ通知する情報量を削減することが可能となる。
【0900】
図30は、本変形例2におけるPDUセッション毎のDC(SCGベアラ)設定方法を説明する図である。
図30の左側の状態(b)は
図26の状態(b)と同じなので説明を省略する。
図30の右側の(c)は、PDUセッション毎に異なるSgNBを用いたSCGベアラ設定時の状態であり、2つのPDUセッションに対してDC(SCGベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0901】
状態(c)に示すように、MgNBのPDUセッション#1に対して、DC(SCGベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからSCGベアラにスイッチされる。SgNBでは、既にDCが設定されているPDUセッション#2のためのDRB#S4とは別に、MgNBからスイッチされたPDUセッション#1のためのDRB#S3が設定される。SgNBでは複数のPDUセッションに対して個別にDRBが設定される。
【0902】
NG-UPFは、PDUセッション#1のDC(SCGベアラ)が設定されることによって、DRB#M2にマッピングされていたPDUセッション#1を、MgNBからSgNBにパススイッチする。このようにNG-CN、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCを設定する。
【0903】
図31は、本変形例2におけるPDUセッション毎のDC(スプリットベアラ)設定方法を説明する図である。
図31の左側の状態(b)は
図29の状態(b)と同じなので説明を省略する。
図31の右側の(c)は、PDUセッション毎にスプリットベアラを設定した状態であり、2つのPDUセッションに対してDC(スプリットベアラ)を設定した状態としてもよい。
【0904】
状態(c)に示すように、MgNBのPDUセッション#1に対して、DC(スプリットベアラ)が設定されることによって、MCGベアラからスプリットベアラにスイッチされる。SgNBでは、既にDC(スプリットベアラ)が設定されているPDUセッション#2のためのDRB#S9とは別に、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#1のためにDRB#S10が設定される。SgNBでは複数のPDUセッションに対して個別にDRBが設定される。MgNBでは、DC(スプリットベアラ)が設定されるPDUセッション#1のためのDRB#M7が再設定される。
【0905】
このようにすることで、DRBの視点で見ると、DRB#M7とDRB#S10とによってスプリットベアラが設定され、同様にDRB#M6とDRB#S9とによってスプリットベアラが設定される。PDUセッションの視点で見ると、PDUセッション毎に、PDUセッション#1に対してはDRB#M7とDRB#S10とによってスプリットベアラが再設定され、PDUセッション#2に対してはDRB#M6とDRB#S9とによってスプリットベアラが設定されることになる。
【0906】
NG-UPFは、DC(スプリットベアラ)が設定された場合は、DRB#M5にマッピングされていた全PDUセッションを、MgNBからSgNBにパススイッチする必要は無く、MgNBのままでよい。このように、gNB、UE間でPDUセッション毎のDCが設定される。
【0907】
このようにすることで、PDUセッション毎にDCを設定する場合でも、SgNBで複数のPDUセッションのために個別のベアラを設定することが可能となる。このため、例えばベアラタイプの変更を行う場合に、SgNBでベアラの再設定が不要となる。高い頻度でDCのベアラタイプの変更が生じる場合でも、ベアラの設定処理を容易にし、DC設定処理を容易にすることが可能となる。
【0908】
DCを行うベアラ設定、または、DCを行うPDUセッションのためのベアラ設定を、PDUセッション毎に行う方法を開示したが、この方法は静的に規格などで予め決めておいてもよい。この方法を行うために、なんらシグナリングを必要とせず、UE、MgNB、SgNB、NG-CN間で共通認識を得ることが可能となる。
【0909】
あるいは、この方法を行うか否かを設定可能としてもよい。DCを行うベアラ設定、または、DCを行うPDUセッションのためのベアラ設定を、PDUセッション毎に行うか否かを設定可能とする。SgNBが、DCを行うベアラ設定、または、DCを行うPDUセッションのためのベアラ設定を、PDUセッション毎に行うか否かを設定してもよい。SgNBの負荷状況等を考慮して設定可能となる。例えば、SgNBにおける最大設定可能DRB数に応じて、SgNBでのDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うか否かを、設定してもよい。SgNBの最大設定可能DRB数をオーバするような場合、PDUセッション毎に行わないように設定するとよい。
【0910】
また、SgNBが、MgNBからの要求を考慮してPDUセッション毎に行うか否かを設定してもよい。
【0911】
このようにすることで、SgNBでのDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うか否かを柔軟に設定可能となる。
【0912】
SgNBが、MgNBからの要求を考慮して設定する方法について開示する。
【0913】
DC用にSgNBで設定されるベアラを、PDUセッション毎にするか否かを示す情報(ベアラ個別設定情報と称する)を設ける。例えば、ベアラ個別設定情報用に1ビットを割り当て、該ビットの状態が“1”の場合はPDUセッション毎に設定し、該ビットの状態が“0”の場合はPDUセッション毎に設定しないとしてもよい。
【0914】
MgNBは、SgNBに対してベアラ個別設定該情報を通知する。ベアラ個別設定該情報は、MgNBがSgNBに対してDC設定時に通知するSgNB追加要求メッセージに含めて通知するとよい。SgNBは、MgNBから受信したベアラ個別設定情報に応じて、DC用のベアラ設定を、PDUセッション毎に設定するか否かを判断する。ベアラ個別設定情報がPDUセッション毎に設定することを示す場合、SgNBはPDUセッション毎にベアラを設定する。ベアラ個別設定情報がPDUセッション毎に設定することを示さない場合、SgNBは複数のPDUセッションのために一つのDRBに設定する。
【0915】
このようにすることで、MgNBが、SgNBでのDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うか否かを設定可能とすることができる。これによれば、SgNBでのベアラ設定をより柔軟に行うことが可能になる。このため、サービスによるベアラタイプ変更の頻度に適したベアラ設定が可能となる。DC設定制御を容易にし、SgNBのリソースを効率的に使用できる。
【0916】
他の方法として、MgNBでのベアラとPDUセッションとの対応情報(ベアラ-セッション対応情報)を、DCを行うベアラに対して、または、DCを行うPDUセッションに対して設けるとよい。ベアラ-セッション対応情報は、MgNBがSgNBに対してDC設定時に通知する、SgNB追加要求メッセージに含めて通知するとよい。SgNBは、MgNBから受信したベアラ-セッション対応情報を考慮して、DC用のベアラ設定を行うとよい。
【0917】
このようにすることで、SgNBが、SgNBでのDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うか否かを、MgNBでの設定を考慮して、設定可能とすることができる。これによれば、SgNBでのベアラ設定をより柔軟に行うことが可能になる。このため、サービスによるベアラタイプ変更の頻度に適したベアラ設定が可能となる。DC設定制御を容易にし、SgNBのリソースを効率的に使用できる。
【0918】
MgNBが、SgNBに対してDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うことを要求するか否かを判断するための指標として、例えば、DC設定、修正あるいは解除を頻繁に行うか、などがある。ベアラの変更など、DCの変更が頻繁にある場合、DCを行うPDUセッション毎にベアラを設定した方が、他のPDUセッションと一緒にベアラを設定するよりも、制御を容易にできる。DCの設定や解除が頻繁に行われる場合も同様である。したがって、DC設定、修正あるいは解除を頻繁に行うような場合、MgNBは、SgNBに対してDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うことを要求すると判断するとよい。
【0919】
DC設定、修正あるいは解除を頻繁に行うか否かを判断する指標として、以下に3つの例を開示する。
【0920】
(1)DCを設定するUEの移動速度、
(2)DCに用いるgNBやgNBのセルのカバレッジ範囲の大きさ、
(3)DCに用いるgNBがビーム運用か否か。
【0921】
前述の(1)で、DCを設定するUEの移動速度が速い場合、セル間やgNB間の移動が頻繁に生じることになる。セル間やgNB間の移動により、DCの設定および解除が頻繁に行われることになる。したがって、DCを設定するUEの移動速度が速い場合、MgNBが、SgNBに対してDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うことを要求するよう判断してもよい。
【0922】
前述の(2)で、DCに用いるgNBやgNBのセルのカバレッジ範囲の大きさが小さい場合、セル間やgNB間の移動が頻繁に生じることになる。セル間やgNB間の移動により、DCの設定および解除が頻繁に行われることになる。したがって、DCに用いるgNBやgNBのセルのカバレッジ範囲の大きさが小さい場合、MgNBが、SgNBに対してDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うことを要求するよう判断してもよい。
【0923】
前述の(3)で、DCに用いるgNBがビーム運用の場合、ビーム間の移動が頻繁に生じることになる。ビーム間の移動により、DCの設定修正が頻繁に行われることになる。したがって、DCに用いるgNBがビーム運用の場合、MgNBが、SgNBに対してDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うことを要求するよう判断してもよい。
【0924】
SgNBがMgNBからの要求を考慮して、SgNBでのDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うか否かを設定する方法を開示した。MgNBからDC用のベアラ設定をPDUセッション毎に行うことを要求された場合、SgNBは、その要求に対してリジェクトしてもよい。例えば、自gNBにおける最大設定可能DRB数をオーバするような場合、リジェクトするとよい。SgNBはMgNBに対してリジェクトを通知する。リジェクトメッセージに、理由情報を含めてもよい。理由情報は、最大設定可能DRB数のオーバ、などである。
【0925】
リジェクトメッセージを受信したMgNBは、例えば、ベアラ個別設定情報をPDUセッション毎に設定することを示さないようにして、再度SgNBに対してDC用ベアラ設定を要求してもよい。あるいは、リジェクトメッセージを通知したSgNBをDCに用いるのをやめてもよい。
【0926】
このようにすることで、SgNBの負荷状況等を反映させたDCを設定することが可能となる。システム全体としてスループットを向上させることが可能となる。
【0927】
本変形例2で開示した方法は、gNBとの間で行う処理において適宜適用してもよい。DC用に限定しなくてもよい。例えば、ハンドオーバ(HO)処理の際に適用するとよい。ベアラ設定をPDUセッション毎にするか否かを示す情報(ベアラ個別設定情報と称する)を設け、S-gNB(HO元gNB:Source-gNB)はT-gNB(HO先gNB:Target-gNB)に対してベアラ個別設定該情報を通知する。ベアラ個別設定情報は、例えばS-gNBからT-gNBに通知するHO要求メッセージに含めて通知するとよい。T-gNBはS-gNBから受信したベアラ個別設定情報に応じて、ベアラ設定をPDUセッション毎に設定するか否かを判断する。
【0928】
あるいは、S-gNBでのベアラとPDUセッションとの対応情報(ベアラ-セッション対応情報)を、S-gNBがT-gNBに対して通知する、HO要求メッセージに含めて通知するとよい。SgNBは、MgNBから受信したベアラ-セッション対応情報を考慮して、ベアラ設定を行うとよい。このようにすることで、HO処理などによって、UEが通信を行うgNBが変更になる場合も、サービス毎に適したベアラ設定が可能となる。
【0929】
本変形例2で開示した方法は、NG-CNとgNBとの間で行う処理において適宜適用してもよい。DC用に限定しなくてもよい。例えば、セッション設立処理の際に適用するとよい。ベアラ設定をPDUセッション毎にするか否かを示す情報(ベアラ個別設定情報と称する)を設け、NG-CNはgNBに対してベアラ個別設定該情報を通知する。
【0930】
ベアラ個別設定情報は、例えばNG-CPFからgNBに通知するセッション設立応答メッセージに含めて通知するとよい。gNBはNG-CNから受信したベアラ個別設定情報に応じて、ベアラ設定をPDUセッション毎に設定するか否かを判断する。このようにすることで、NG-CNがgNBとセッションを設立するような場合にも、サービス毎に適したベアラ設定が可能となる。
【0931】
LTEと5Gとのインタワークが検討されている。LTEのeNBと5GのgNBとがDCによって接続されることが検討されている(3GPP RP-161266(以下「参考文献3」という)参照)。CNがNG-CNの場合に、NG-CNに接続されるLTEのeNBに、フローベースからベアラベースに変換する機能を追加するとよい。eNBに対して実施の形態7から実施の形態7の変形例2までで開示した方法を適用可能となる。CNがEPCの場合はベアラベースとなるため適用は不要である。
【0932】
実施の形態7から実施の形態7の変形例2まででは、SgNB追加要求メッセージについて開示したが、SgNB修正要求メッセージを利用してもよい。SgNBでのDC用ベアラ設定変更時に適用することで、同様の効果を得ることができる。
【0933】
実施の形態8.
実施の形態1では、セル内全ビームにおいて同じRRCパラメータを用いることを開示した。他の方法として、複数のTRP/ビーム内で同じRRCパラメータとしてもよい。一つまたは複数のTRPで構成する一つまたは複数のビームでビームグループを構成し、ビームグループ内の全ビームにおいて同じRRCパラメータを用いるとしてもよい。同じRRCパラメータを設定する一つまたは複数のビームの集合を、ビームグループとしてもよい。
【0934】
ビームグループの設定方法について開示する。ビームグループは静的に設定される。予めシステムとして決めておくとよい。例えば、一つのTRPが構成するビームでビームグループを構成する。例えば、隣接するカバレッジを有する複数のビームでビームグループを構成する。カバレッジが隣接しているセル内のビーム1、ビーム2およびビーム3をビームグループ1とし、同じく、カバレッジが隣接しているセル内のビーム4、ビーム5、ビーム6およびビーム7をビームグループ2とする、等である。静的に設定したビームグループ内のビーム間で同じRRCパラメータを用いる。
【0935】
ビームグループのRRCパラメータの設定方法について開示する。
【0936】
ビームグループ内のビームで同じRRCパラメータが設定されることを予め規格等で決めておくとよい。セルはUEに対して、通信を行うビーム(サービングビームと称する場合がある)を介して、同じRRCパラメータが設定される複数のビームのTRP/ビームの識別子を通知する。ビームグループとして識別子を設定してもよく、その場合、ビームグループの識別子およびビームグループ内のビームの識別子を通知してもよい。
【0937】
このようにすることで、UEはどのビームがサービングビームと同じRRCが設定されているかを認識することが可能となる。ビームグループ内で同じRRCパラメータが設定されるため、ビーム毎のRRCパラメータ設定が不要となる。セルはUEに対して、同じRRCパラメータが設定されるビームを特定するための情報のみを通知すればよい。通知に必要となる情報量を削減することが可能となる。
【0938】
ビームグループのRRCパラメータの他の設定方法を開示する。セルはUEに対して、サービングビームを介して、複数のビームのTRP/ビームの識別子とビーム毎に設定するRRCパラメータを通知する。同じRRCパラメータを設定する場合は同じRRCパラメータを通知する。このようにすることで、UEはどのビームが同じRRCが設定されているかを認識することが可能となる。通知に必要な情報量は多くなるが、ビーム毎にRRCパラメータの設定が可能となるため、ビーム毎のRRCパラメータの変更を容易にすることができる。
【0939】
ビームグループのRRCパラメータの他の設定方法を開示する。セルはUEに対して、サービングビームを介して、複数のビームのTRP/ビームの識別子とビーム毎に設定するRRCパラメータがサービングビームと同じか否かを通知する。同じRRCパラメータを設定する場合は同じことを示す情報を通知する。このようにすることで、UEはどのビームがサービングビームと同じRRCが設定されているかを認識することが可能となる。このようにすることで、ビーム毎にRRCパラメータを通知する必要が無いため、通知に必要な情報量を削減することが可能となる。
【0940】
RRCパラメータの全部を同じとしてもよいし一部を同じとしてもよい。同じにするRRCパラメータは実施の形態1で開示したRRCパラメータとするとよい。
【0941】
UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ内でビーム間モビリティが発生した場合、ターゲットRRCパラメータの設定は不要となる。ビーム間移動にともなうRRCパラメータの設定を不要とする。このようにすることで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0942】
UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ外へのビーム間モビリティが発生した場合、ターゲットRRCパラメータの設定が必要となる。この場合、実施の形態2から実施の形態5の変形例3で開示した方法を適宜適用するとよい。このようにすることで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0943】
同じRRCパラメータを設定するビームグループの他の設定方法について開示する。ビームグループは準静的あるいは動的に設定される。ビームグループをUE毎に準静的あるいは動的に設定可能とする。セルはUEに対してUE毎にビームグループを設定する。セルはUEに対して設定したビームグループを、サービングビームを介して通知する。
【0944】
ビームグループの通知方法として、RRCシグナリングを用いてもよい。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。あるいは、L1/L2制御シグナリングを用いてもよい。あるいは、これらを組合せてもよい。ビームグループのRRCパラメータの設定方法は前述の方法を適用するとよい。
【0945】
セルはUEに対して設定するビームグループを変更してもよい。電波伝搬状況に応じてビームグループを変更するとよい。
【0946】
UE毎に設定するビームグループの例を示す。同じRRCパラメータを設定するビームグループとして、サービングビームとUEがモニタするビームを設定しても良い。あるいは、予め、サービングビームとUEがモニタするビームとで同じRRCパラメータを設定するビームグループを構成することを規格等で決めておいてもよい。
【0947】
セルはUEに対して、UEのサービングビームとUEがモニタするビームとで同じRRCパラメータを設定する。セルはUEに対してUEがモニタするビームを通知する。これにより、UEは、同じRRCパラメータを設定するビームを認識することができる。
【0948】
UEとサービングビームとの間の通信品質が急激に悪化した場合、セルはUEを、UEがモニタしているビームへ移動させてもよい。UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ内でのビーム間モビリティとなるため、ターゲットRRCパラメータの設定は不要となる。ビーム間移動にともなうRRCパラメータの設定を不要とする。RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0949】
UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ外へのビーム間モビリティが発生した場合、ターゲットRRCパラメータの設定が必要となる。この場合、実施の形態2から実施の形態5の変形例3で開示した方法を適宜適用するとよい。このようにすることで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0950】
UE毎に設定するビームグループの他の例を示す。UEは複数のビームと通信を行ってもよい。このような場合、同じRRCパラメータを設定するビームグループとして、UEが通信を行う複数のビーム(複数のサービングビーム)を設定しても良い。あるいは、予め、複数のサービングビームで同じRRCパラメータを設定するビームグループを構成することを規格等で決めておいてもよい。
【0951】
UEはセルと一つのサービングビームで通信を行う。セルはUEに対して、該サービングビームを介して、通信を行う一つまたは複数の他のビームを通知する。これにより、UEは、同じRRCパラメータを設定するビームを認識することができる。
【0952】
UEと一つのサービングビームとの間の通信品質が急激に悪化した場合、セルは他のサービングビームを用いてUEと通信を行う。セルはUEを他のサービングビームへ移動させてもよい。UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ内でのビーム間モビリティとなるため、ターゲットRRCパラメータの設定は不要となる。ビーム間移動にともなうRRCパラメータの設定を不要とする。RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0953】
すでにUEは他のビームで通信を行っている状態であるため、セルはUEに対して移動指示を通知しなくてもよい。セルはUEに対して、通信品質が急激に悪化したビームを用いた通信を行わず、他のビームで通信を行うようにすればよい。UEは、通信品質が急激に悪化したビームではなく、他の通信を行っているビームで通信を行うことができる。
【0954】
このような場合、ビーム間移動と称さない場合もある。しかし、このような場合、UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ内で通信するビームの変更となるため、ターゲットRRCパラメータの設定は不要となる。通信するビームの変更にともなうRRCパラメータの設定を不要とする。RRCシグナリングを伴わない通信するビームの変更を可能とする。
【0955】
UEに対して、同じRRCパラメータが設定されているビームグループ外へのビーム間モビリティが発生した場合、ターゲットRRCパラメータの設定が必要となる。この場合、実施の形態2から実施の形態5の変形例3で開示した方法を適宜適用するとよい。このようにすることで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0956】
実施の形態8の変形例1.
ビームグループが設定されるような場合に、同じRRCパラメータを設定せずに、ビーム毎に異なるRRCパラメータを設定してもよい。異なるRRCパラメータを設定する場合は、ビーム間移動時のビーム毎のRRCパラメータ設定方法は、実施の形態2から実施の形態5の変形例3で開示した方法を適宜適用するとよい。このようにすることで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0957】
例えば、ビームグループとして、サービングビームとUEがモニタするビームを設定した場合、ビームグループ内でのビーム間移動とビームグループ外へのビーム間移動とがあるが、いずれもサービングビームの移動になる。この場合、移動元ビームから移動先ビームへのモビリティとなる。したがって、実施の形態2から実施の形態5の変形例3で開示した方法を適用することで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0958】
例えば、ビームグループとして、UEが通信を行う複数のビーム(複数のサービングビーム)を設定した場合、セルはUEに対して、予めビーム毎のRRCパラメータを設定する。UEはセルと一つのサービングビームで通信を行う。セルはUEに対して、該サービングビームを介して、通信を行う一つまたは複数の他のビームを通知する。他のビームの通知とともに、各ビームのRRCパラメータを通知するとよい。他のビームのTRP/ビームの識別子とビーム毎に設定するRRCパラメータを通知する。
【0959】
このようにすることで、UEは、通信を行う複数のビームのRRCパラメータを設定することが可能となる。ビームグループ内でのビーム間移動あるいはビームグループ内での通信するビームの変更の場合でも、UEは、予め通知されたビーム毎のRRCパラメータを設定して通信を行えばよい。
【0960】
ビームグループ外へのビーム間移動の場合、サービングビームの移動になる。この場合、移動元ビームから移動先ビームへのモビリティとなる。したがって、実施の形態2から実施の形態5の変形例3で開示した方法を適用することで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0961】
ビームグループとして、UEが通信を行う複数のビーム(複数のサービングビーム)が設定される場合、ビームグループ内でプライマリビームおよびセカンダリビームを設けてもよい。プライマリビームはUCI(Uplink Control Information)の送信に用いるビームとするとよい。あるいは、プライマリビームは制御情報の通信に用いるビームとしてもよい。あるいは、プライマリビームはNASの通信に用いるビームとしてもよい。
【0962】
このような場合、プライマリビームの変更が発生する場合がある。元セカンダリビームをプライマリビームに変更する。このような場合、移動元ビームにプライマリビームを対応させ、移動先ビームに、プライマリビームに変更するセカンダリビームを対応させ、実施の形態2から実施の形態5の変形例3を適用するとよい。このようにすることで、RRCシグナリングを伴わないビーム間移動を可能とする。
【0963】
ビームグループとして、UEが通信を行う複数のビーム(複数のサービングビーム)を設定した場合、移動元ビームで設定されたビームグループから移動先ビームで設定されるビームグループへのビームグループ間の移動が行われてもよい。あるいは、ビームグループの変更が行われてもよい。セルはUEに対して、ビームグループ間の移動あるいはビームグループの変更を行う。
【0964】
ビームグループ間の移動あるいはビームグループの変更が行われる場合、予め、移動先のビームグループ内のビームのRRCパラメータ、あるいは、変更後のビームグループ内のビームのRRCパラメータを通知しておいてもよい。これらの通知は、UEのビームグループの移動あるいは変更の際、あるいは、UEのビームグループの移動あるいは変更に先立って行われるとよい。
【0965】
例えば、ビームグループ内の所定の数のサービングビームの通信品質が所定の閾値を下回った場合としてもよい。サービングビームの通信品質として、下り通信の受信電力あるいは受信品質でもよい。UEが測定するとよい。あるいは、上り通信の受信電力あるいは受信品質でもよい。セルが測定するとよい。
【0966】
このようにすることで、セルはUEに対して、ビームグループ内ビームのRRCパラメータの通知を行うことができる。UEは、受信したRRCパラメータを用いて、通知されたビームグループ内のビームと通信を開始することが可能となる。複数のサービングビームの通信品質が急激に悪化したとしても、ビームグループの移動あるいは変更が可能となり、早期に通信が可能となる。
【0967】
例えば、ビームグループとして、サービングビームとUEがモニタするビームを設定した場合、予めビームグループ内複数(全てであってもよい)ビームのRRCパラメータを通知しておいてもよい。実施の形態2で開示した、RRCシグナリングによる近傍のビームのRRCパラメータを通知する方法を適宜適用するとよい。実施の形態2を適用する場合、近傍のビームのRRCパラメータを通知する代わりに、ビームグループ内複数のビームのRRCパラメータを通知する、とするとよい。
【0968】
ビームグループ内複数ビームのRRCパラメータの通知は、UEのビーム間移動に先立って行われるとよい。例えば、サービングビームの通信品質が所定の閾値を下回った場合としてもよい。あるいは、ビームグループ内のRRCパラメータが変更となった場合としてもよい。サービングビームの通信品質として、下り通信の受信電力あるいは受信品質でもよい。UEが測定するとよい。あるいは、上り通信の受信電力あるいは受信品質でもよい。セルが測定するとよい。
【0969】
このようにすることで、サービングビームの通信品質の急激な悪化により、ビーム間移動指示がUEに対して通知されないような場合に有効となる。あるいは、ビーム間移動指示において、移動先ビームの通知をしなくて済む。移動先ビームを一つに決定する必要がなくなる。
【0970】
UEは、通信品質の急激な悪化あるいはビーム間移動指示により、予めRRCパラメータを通知されたビームのうちのどのビームをモニタしてもよい。セルは予めRRCパラメータを通知したビームのうちのどのビームを用いて通信をはじめてもよい。UEは予めRRCパラメータが通知されているため、早期に通信が可能となる。
【0971】
3GPPにおいて、グループベースドのビームマネージメントが議論されている。物理レイヤでのメジャメントによりビームグループが構成されることが提案されている。このビームグループに対して、実施の形態8から実施の形態8の変形例1で開示したRRCパラメータの設定方法を適宜適用してもよい。同様の効果を得ることができる。
【0972】
物理レイヤでのメジャメントによりビームグループが構成されるため、無線リソースも物理レイヤで取り扱うとよい。例えば、実施の形態1で開示したRRCパラメータで設定する無線リソースがある。このような場合、RRCレイヤと物理レイヤとの間でビームグループの情報の通知が行われてもよい。あるいは、RRCレイヤと物理レイヤとの間でRRCパラメータの通知が行われてもよい。
【0973】
また、MACレイヤはスケジューリング機能を有する。したがって、MACレイヤとRRCレイヤとの間、あるいはMACレイヤとPHYレイヤとの間で、ビームグループの情報の通知、あるいは、RRCパラメータの通知が行われてもよい。これらの通知方法は、実施の形態2から実施の形態5で開示した、CUとDUとの間での通信方法を適宜適用するとよい。このようにすることで、レイヤ間で必要となる情報の通知を行うことができる。
【0974】
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。
【0975】
例えば、前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレームは、第5世代基地局通信システムにおける通信の時間単位の一例である。スケジューリング単位であってもよい。前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレーム単位として記載している処理を、TTI単位、スロット単位、サブスロット単位、ミニスロット単位として行ってもよい。
【0976】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0977】
200 通信システム、202 通信端末装置、203,800 基地局装置、802 DU(Distributed Unit)、803 CU(Central Unit)、804~810 ビーム(無線ビーム)、811 セル。