(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185095
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ボールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A63B 41/00 20060101AFI20221206BHJP
A63B 45/00 20060101ALI20221206BHJP
A63B 37/02 20060101ALI20221206BHJP
A63B 43/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A63B41/00 Z
A63B41/00 A
A63B45/00 C
A63B37/02
A63B43/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】40
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162060
(22)【出願日】2022-10-07
(62)【分割の表示】P 2021075599の分割
【原出願日】2016-05-27
(31)【優先権主張番号】10 2015 209 795.1
(32)【優先日】2015-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】トゥル フウ ミン レ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ペーター ニュルンベルク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、ボール、特にサッカーボール、およびその製造方法に関する。改良されたボールを提供すること。特に、ボールは、低温でも高温でも良好な弾性特性を有し、物理的特性および外観の両方に関して長期にわたって高い質を維持すべきである。ボール製造の複雑さを最小限にすべきである。また、製造によって、用途により求められるそれぞれの要件に合わせて、ボールの特性を調節できるようにすべきである。
【解決手段】本発明の態様によれば、発泡材料の粒子を含むボール100が提供される。発泡材料の粒子から成る少なくとも1つの外側シェルと、少なくとも1つのキャビティと、支持構造とを含むボールであって、前記外側シェルが前記キャビティの周りに配置され、前記支持構造は前記ボールの中心を通るボール。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡材料の粒子から成る少なくとも1つの外側シェルと、
少なくとも1つのキャビティと、
支持構造とを含むボールであって、
前記外側シェルが前記キャビティの周りに配置され、
前記支持構造は前記ボールの中心を通るボール。
【請求項2】
前記発泡材料が、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタンeTPU、発泡ポ
リエーテルブロックアミド、ePEBA、発泡ポリアミドePA、発泡ポリプロピレン、
ePP、発泡ポリスチレン、ePS、発泡エチレンビニルアセテート、eEVAの少なく
とも1つを含む、請求項1に記載のボール。
【請求項3】
前記粒子が互いに結合される、請求項1または2に記載のボール。
【請求項4】
プラスチックコーティングおよび/またはプラスチック箔材料が、前記ボールの外向き
面に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のボール。
【請求項5】
前記ボールの外向き面および/または請求項4の前記プラスチックコーティングおよび
/または請求項4の前記プラスチック箔材料が、テクスチャ面を含む、請求項1~4のい
ずれか一項に記載のボール。
【請求項6】
前記発泡材料の前記粒子の少なくとも第1の層を含み、前記第1の層は前記外側シェル
として設けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載のボール。
【請求項7】
複数の層を含む、請求項6に記載のボール。
【請求項8】
前記層の厚さおよび/または前記層の材料の組成、および/または前記層の製造のため
の少なくとも1つのプロセスパラメータが、前記複数の層の少なくとも1つの間で変化す
る、請求項7に記載のボール。
【請求項9】
前記第1の層が、0.5mm~10mmの範囲、好ましくは1mm~5mmの範囲の厚
さを有する、請求項6~8のいずれか一項に記載のボール。
【請求項10】
前記第1の層が、前記発泡材料の前記粒子を有する複数のボールパネルを含む、請求項
6~9のいずれか一項に記載のボール。
【請求項11】
3次元に予め形成されたボールパネルを組み立てることにより、少なくとも部分的に製
造可能である、請求項10に記載のボール。
【請求項12】
少なくとも1つのキャビティを含み、前記第1の層が前記キャビティの周りに配置され
る、請求項6~11のいずれか一項に記載のボール。
【請求項13】
前記第1の層が、前記キャビティを囲むボールカーカス上に配置される、請求項12に
記載のボール。
【請求項14】
前記ボールカーカスが膨張式ブラダを含む、請求項13に記載のボール。
【請求項15】
前記キャビティに、大気圧より高い少なくとも1種類のガスが充填される、請求項12
~14のいずれか一項に記載のボール。
【請求項16】
前記発泡材料の前記粒子を有する支持構造を含む、請求項1~15のいずれか一項に記
載のボール。
【請求項17】
前記支持構造が、前記キャビティ内で延びる壁、前記キャビティ内で延びるバー、およ
び前記キャビティ内で延びる内側シェルの少なくとも1つを含む、請求項12~15のい
ずれか一項と組み合わせられた請求項16に記載のボール。
【請求項18】
前記支持構造が少なくとも1つの球形内側シェルを含む、請求項16または17に記載
のボール。
【請求項19】
前記支持構造が、反復立体構造を有する少なくとも1つの領域を含む、請求項16~1
8のいずれか一項に記載のボール。
【請求項20】
前記支持構造が、前記ボールの中心を通って延びる対称軸の周りの対称角度(α)の回
転に関して、少なくとも1つの回転対称性を有する、請求項16~19のいずれか一項に
記載のボール。
【請求項21】
前記対称角度(α)が、120°、90°、72°、60°、または任意の角度のうち
の1つである、請求項20に記載のボール。
【請求項22】
前記第1の層および/または前記支持構造が、少なくとも1つのチャンバを画成し、好
ましくは、前記少なくとも1つのチャンバに、大気圧より高い少なくとも1種類のガスが
充填される、請求項6~21のいずれか一項に記載のボール。
【請求項23】
前記第1の層の少なくとも一部と前記支持構造の少なくとも一部とが、一体部品として
一体に製造される、請求項22に記載のボール。
【請求項24】
非発泡材料のコアを含む、請求項1に記載のボール。
【請求項25】
膨張式ブラダを含まない、請求項1~13または15~24のいずれか一項に記載のボ
ール。
【請求項26】
発泡材料の粒子を回転金型に装填し、前記発泡材料の粒子が充填された回転金型を用い
て前記ボールの少なくとも一部を回転成形することを含む、請求項1~24のいずれか一
項に記載のボールを製造する方法。
【請求項27】
回転成形により複数の層を連続的に製造する工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
発泡材料の粒子を含み、かつ組み立てられて少なくとも部分的に前記ボールを形成する
複数のボールパネルの製造を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載のボールを製造
する方法。
【請求項29】
個々のボールパネルの前記製造が、前記発泡材料の粒子を金型に装填するステップと、
前記粒子を前記金型内で圧縮成形するステップとを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記圧縮成形が、レーザバリオサーム法により行われる圧縮成形を含む、請求項29に
記載の方法。
【請求項31】
前記発泡材料の粒子を前記金型に装填するステップの前に、第1の箔材料を前記金型内
に形成することをさらに含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記圧縮成形が80℃~200℃の温度で行われる、請求項29~31のいずれか一項
に記載の方法。
【請求項33】
個々のボールパネルの離型前の、前記パネルの製造のためのプロセスサイクル時間が、
5分未満、好ましくは3分未満である、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
第2の箔材料を前記パネルの一部または全部に施すことをさらに含む、請求項28~3
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記発泡材料が、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタンeTPU、発泡ポ
リエーテルブロックアミドePEBA、発泡ポリアミドePA、発泡ポリプロピレンeP
P、発泡ポリスチレンePS、発泡エチレンビニルアセテートeEVAの少なくとも1つ
を含む、請求項26~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
吹付け材料を前記ボールの外向き面に施すことをさらに含む、請求項26~35のいず
れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール、特にサッカーボール、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる構成のサッカーボール、バスケットボール、または子供用ゲームボールなどのボ
ール、およびそれらの様々な製造方法が、先行技術から公知である。
【0003】
良好な反発特性を有する材料に関し、ウェブサイトhttp://www.azom.com/news.aspx?Ne
wsID=37360は、新しい発泡熱可塑性ポリウレタン材料について言及している。このウェブ
サイトは、ISO8307(ボール反発試験)およびDIN53512の下の試験が、約
55%の反発高さを示すことについて言及している。
【0004】
異なるボール構成に関し、フォーム材料から作られた中実ボールが子供用ゲームボール
として市販されており、特許明細書でも言及されている。CN100506327Cは、
フォームポリウレタン材料から作られたコアを有する中実の弾性ボールを開示している。
米国特許第4943055A号は、ボールの重量を増加させるための金属コアと、外層と
、充填材料、例えばポリウレタンなどのポリマーを含む中間層とを含む、準備運動用ボー
ルを開示している。
【0005】
米国特許第3508750A号および米国特許第8777787B2号は、ボールパネ
ルを使用したボール構成を開示している。より詳細には、米国特許第3508750A号
は、複数のボールパネルがカーカスに接着されたゲーム用ボールを開示している。米国特
許第8777787B2号は、ケーシングと、中間層と、ブラダとを含み得るスポーツボ
ールを開示している。スポーツボールの製造時に、ケーシングのパネル要素とブラダとを
金型に配置することができ、中間層のポリマーフォーム材料をブラダとパネル要素との間
の領域に注入することができる。加えて、パネル要素の縁部を互いに熱接着してパネル要
素を接合し、ケーシングのシームを形成することができる。
【0006】
米国特許第5865697A号、GB2494131B、米国特許第7867115B
2号および米国特許第7740551B2号公報から、さらなるボール構成が公知である
。米国特許第5865697A号は、エラストマー材料を有する中間層が、ボールの外層
とブラダとの間にワッフル状配置で配置されているスポーツボールを開示している。GB
2494131Bは、第1の半部と第2の半部とを有する膨張式ボールを開示しており、
各半部が内壁または外壁に補強リブを含み、一方の半部が弁ユニットを有する孔を含む。
米国特許第7867115B2号は、電源および複数のLEDから構成された光アセンブ
リと、複数のセグメントを含む球形骨格構造とを有する玩具ボールを開示している。最後
に、米国特許第7740551B2号は、電子部品を受けるための構造を含む、膨張式ボ
ール用ブラダを開示している。
【0007】
米国特許第6106419A号およびWO97/17109A1は、ゲームで使用する
ためのボール、特に無圧テニスボールなどの無圧ボールに関する。
【0008】
先行技術から公知のいくつかのボールの欠点は、それらの製造の加工サイクルが複雑で
長いことである。また、先行技術によるボールの表面は、時間と共に著しく劣化するおそ
れがある。従来のボールパネルの表面、またはパネル間のシームは、例えば、脆くなるこ
とがある。これにより、引裂強度が低下してボールがその形状を失い、かつ/または水が
過剰にボールの材料に入って、やはり形状安定性が低下し、物理的特性の低下につながる
おそれがある。加えて、公知のボールのさらなる欠点は、特に低温で弾性を失う場合があ
ること、または所望の使用特性を維持するために繰り返し膨張させる必要があることであ
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】CN100506327C
【特許文献2】米国特許第4943055A号
【特許文献3】米国特許第3508750A号
【特許文献4】米国特許第8777787B2号
【特許文献5】米国特許第5865697A号
【特許文献6】GB2494131B
【特許文献7】米国特許第7867115B2号
【特許文献8】米国特許第7740551B2号
【特許文献9】米国特許第6106419A号
【特許文献10】WO97/17109A1
【特許文献11】DE102012206094A1
【特許文献12】EP2649896A2
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】ウェブサイトhttp://www.azom.com/news.aspx?NewsID=37360
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくともいくつかを回避または低減
させる、サッカーボールなどの改良されたボールを提供することである。特に、ボールは
、低温でも高温でも良好な弾性特性を有し、物理的特性および外観の両方に関して長期に
わたって高い質を維持すべきである。さらに、ボール製造の複雑さを最小限にすべきであ
る。また、製造によって、用途により求められるそれぞれの要件に合わせて、重量、表面
テクスチャ(surface texture)、空力特性などの点で、ボールの特性を
調節できるようにすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような問題は、請求項1に記載のゲーム用ボールによって、少なくとも部分的に解
決される。実施形態では、ボール、特にサッカーボールは、発泡材料の粒子を含む。
【0013】
発泡材料の粒子の使用は、いくつかの点で有利となり得る。第1に、そのような粒子の
使用により、ボールおよび特にその表面の耐摩耗性および引裂強度を高めることができる
。第2に、そのような粒子を有するボールは、良好な弾性特性を有することができ、この
弾性特性を、(基本的に)低温、例えば0℃以下の温度(例えば、-40℃~0℃の温度
範囲)でも、高温、例えば20℃以上の温度(例えば、20℃~45℃の範囲の温度)で
も維持することができる。
【0014】
発泡材料は、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)、発泡ポ
リエーテルブロックアミド(ePEBA)、発泡ポリアミド(ePA)、発泡ポリプロピ
レン(ePP)、発泡ポリスチレン(ePS)、発泡エチレンビニルアセテート(eEV
A)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0015】
このような発泡材料の粒子は、軽量で非常に良好な弾性特性を有することができ、この
弾性特性を低温でも高温でも(例えば、上記の温度範囲で)維持することができるため、
本発明によるボールでの使用に十分に適している。さらに、粒子は圧縮およびその後の再
膨張に続いて比較的高いエネルギー戻りを示すことができるため、ボールの特に良好な反
発特性に寄与する。粒子の使用により、ボール、特にその表面に、高い引裂強度および耐
摩耗性を与えることに寄与することができる。
【0016】
当業者は、ボールの個々の粒子がこのような材料の異なる混合物または組合せを含んで
もよいことを理解するだろう。したがって、個々の粒子の材料組成は、ボールにわたって
、またはボールの異なる領域もしくは部分にわたって変化し得る。これは、例えば、製造
中にボールの特性に局所的に影響を与えようとするときに有益となり得る。
【0017】
ボールは、プラスチック材料、布材料、金属ワイヤ、皮革などの追加の発泡材料または
非発泡材料をさらに含んでもよい。
【0018】
粒子を互いに結合させてもよい。粒子を、特にその表面で融着させてもよい。例えば、
(加圧)蒸気の形の熱に晒すことにより、ならびに/または圧縮および熱に晒すことによ
り、粒子を表面で融着させてもよい。
【0019】
高周波(HF)溶着、例えば無線周波(RF)溶着、および/または赤外線(IR)溶
着によって熱を与えてもよい。すなわち、少なくとも部分的にRF溶着および/またはI
R溶着を用いて、粒子を互いに結合させてもよい。「少なくとも部分的に」とは、このよ
うな技法を他の技法と組み合わせて粒子を結合してもよいことを意味し得る。
【0020】
粒子の表面を、例えば、RF融着を使用して共に融着してもよい。
【0021】
あるいはまたは加えて、例えば、接着剤または粘着剤の使用による異なる方法で、粒子
を互いに結合させてもよい。
【0022】
さらに、粒子をランダムに配置してもよい。これにより、製造ツール内に粒子を特定の
パターンまたは配置で配置する必要がないため、製造の労力を大幅に減らすことができる
。
【0023】
粒子を特定のパターンで配置してもよい。これにより、ボールの一部分またはボール全
体の特性を調整することが容易になり得る。例えば、粒子をある方向に整列させると、等
方性特性をもたらすことができる。粒子をサイズについて配置してもよい。例えば、より
小さい粒子の層を、より大きい粒子の層の間に点在させてもよい。当業者は、部分または
ボールの特性を調整するためにこれを使用できることも理解するだろう。
【0024】
プラスチックコーティングおよび/またはプラスチック箔材料を、ボールの外向き面に
配置してもよい。
【0025】
ボール(またはその部分領域)の外向き面のプラスチックコーティングまたはプラスチ
ック箔材料は、ボールおよび特にその外向き面の耐久性、耐摩耗性または引裂強度を高め
ることができる。また、プラスチックコーティングまたはプラスチック箔材料は、ボール
の外観に影響を与える役割を果たすことができる。ボールの感触および取扱い、例えばボ
ールのグリップまたはその撥水性に影響を与えること、およびその空力特性に影響を与え
ることも、このようにして可能である。
【0026】
ボールの外向き面および/または前述したプラスチックコーティングおよび/または前
述したプラスチック箔材料は、テクスチャ面(textured surface)を含
んでもよい。
【0027】
テクスチャ(texture)は、ボールの感触、取扱い、および空気力学に有利に影
響を与えることができる。例えば、表面が滑らかすぎると、ボールの取扱いが悪くなるだ
けでなく、ボールが飛行中にかなりぐらつく場合もある。
【0028】
ボールの外向き面を直接テクスチャ加工した実施形態では、プラスチックコーティング
またはプラスチック箔材料は不要であってもよい。しかしながら、この場合、例えば、テ
クスチャを安定させ、外観を向上させ、ならびに/または摩耗および他の外的影響から保
護するために、プラスチックコーティングまたはプラスチック箔材料を追加すると有利と
なり得る。
【0029】
ボールは、発泡材料の粒子を有する少なくとも第1の層を含むことができる。第1の層
を、特にボールの外側シェルとして設けてもよい。
【0030】
第1の層が発泡材料の粒子を含むという記述は、ボールの他の部分が発泡材料の粒子を
含んではいけないという意味ではないことに言及する。発泡材料の粒子は、特に明記のな
い限り、ボールの他の部分の一部であってもよい。さらに、前述したように、発泡材料は
、異なる粒子については異なる発泡材料であってもよく、したがって、ボールの異なる領
域または部分にわたって変化し得ることを強調する。
【0031】
外側シェルとして設けられた発泡材料の粒子を含む第1の層は、例えば、引裂強度およ
び耐摩耗性の増加による外側シェルの耐久性の増加に適切なものであってもよい。
【0032】
ボールは、複数の層、特に発泡材料の粒子を有する複数の層を含んでもよい。
【0033】
複数の層のうち、一部または全部の層が発泡材料の粒子を含んでもよい。しかしながら
、一部の層は、異なる材料、例えば、非発泡プラスチック材料、または布材料、金属ワイ
ヤなどを含んでもよい。これにより、ボールの物理的特性および機械的特性に別々に異な
る深さで影響を与えることができるため、製造プロセスまたはエンドユーザの所望の必要
および要件に合わせてボールを調整する可能性が高まる。
【0034】
層の厚さおよび/または層の材料の組成、特に粒子の発泡材料の組成、および/または
層の製造のための少なくとも1つのプロセスパラメータが、複数の層の少なくとも1つの
間で変化してもよい。
【0035】
すなわち、前述したパラメータ(厚さ、(発泡)材料の材料組成、プロセスパラメータ
)が、所与の層内および/または異なる層の間で変化してもよい。
【0036】
このようにして、例えば、1つの層内および/または異なる層の引裂強度、反発特性、
エネルギー戻り率、密度などを、製造中に希望に応じて別々に調節することができる。
【0037】
第1の層は、0.5mm~10mmの範囲、好ましくは1mm~5mmの範囲の厚さを
有することができる。
【0038】
例えば、第1の層がボールの外側シェルとして設けられる場合、このような範囲の厚さ
が、一方での十分な安定性と他方での材料の重量および厚さの最小化との間で有利な妥協
となることがわかっている。ボールごとに求められる、結果として得られる所望の特性に
応じて、この妥協を調節することができる。したがって、実施形態では、そのような厚さ
を有する外側シェルによって完全に(または少なくとも主に)構成されたボールを提供す
ることができる。
【0039】
第1の層の厚さは変化してもよい。第1の層は、異なる領域で異なる厚さを有してもよ
い。第1の層の厚さは、より厚い領域とより薄い領域との間で徐々に変化しても、局所的
に変化してもよい。例えば、第1の層は、1つまたは複数の補強隆起または支柱を、例え
ば、その内面に含み、これにより、ボールの形状安定性を高めることができる。
【0040】
第1の層の厚さを変化させることにより、ボールの最終特性を所望の用途に合わせて調
節することが、やはり可能になる。より厚い領域を使用して、ボールの形状安定性を高め
ることができ、あるいは、ボールの反発特性または飛行特性を修正することができる。
【0041】
第1の層は、発泡材料の粒子を有する複数のボールパネルを含むことができる。ボール
が複数の層を含む場合、追加の層の一部または全部もボールパネル、特に粒子を有するボ
ールパネルを含むことができる。
【0042】
複数のボールパネルを使用することにより第1の層を設けることができるため、多数の
ボール連続生産で製造することが可能になる。個々のボールパネルがそのような大量生産
に適しており、例えば、自動で取り扱うことができるからである。ボールパネルを互いに
機械的に連結することができ、例えば、接着するかまたは縫い合わせることができる。し
かしながら、発泡材料の粒子を互いに直接結合することにより、ボールパネルを連結する
ことも可能である。2つの当接するボールパネルの接触面上の粒子を、例えば直接溶着し
てもよい。その結果、接着剤またはシームなどの追加の材料の使用を低減または回避する
ことができ、特に耐久性および抵抗性のある連結を達成することができる。
【0043】
個々のボールパネルを、例えばRFおよび/またはIR溶着技法を使用することにより
製造してもよく、このような技法を使用して、パネルが互いに当接する箇所でパネルを共
に連結してもよい。例えば、ここで説明したように、RF融着技法をボールパネルと組み
合わせて使用してもよい。
【0044】
ボールは、3次元に予め形成されたボールパネルを組み立てることにより、少なくとも
部分的に製造可能であってもよい。
【0045】
3次元に予め形成されたボールパネルを使用することにより、パネルの組立てを大幅に
簡略化することができる。組立て中にボールパネルを曲げたり変形させたりする必要がな
いか、またはわずかにしか必要でないからである。これは、最初は平坦なボールパネルを
組立て中に「カーブ」させて3次元形状にしなければならないときに生じ得る材料の歪み
を回避するのを助けることもできる。生産プロセスの自動化を、このようにして容易にす
ることもできる。
【0046】
ボールは、少なくとも1つのキャビティを含むことができ、第1の層がキャビティの周
りに配置される。さらなる層がある場合、その層を、キャビティの周りで、例えば第1の
層とキャビティとの間に配置してもよい。
【0047】
1つまたは複数の層とキャビティとを有する実施形態において、第1の層(および場合
により追加の層)が、キャビティを取り囲むまたは封じ込める閉鎖面を含むことは必須で
はない。むしろ、第1の層がキャビティの周りに配置されることは、本発明の他の実施形
態の場合とすることがあるように、第1の層からボールの中心に向かって内方へ、ボール
が完全には中実に構成されないことを意味するに過ぎない。ボールのさらなる要素は、以
下で説明する(弾性)支持構造のように、キャビティ内へ延びることができる。キャビテ
ィを有することにより、比較的軽量のボールを提供することができる。
【0048】
第1の層を、キャビティを囲むボールカーカス上に配置してもよい。さらなる層がある
場合、このような層を、例えば、カーカスと第1の層との間に配置してもよい。カーカス
を、2つの層の間に挟んでもよい。
【0049】
ボールカーカスは、第1の層(または複数の層)の製造を容易にする役割を果たすこと
ができる。これは、第1の層が複数の別個の部品から、例えば前述したように複数のボー
ルパネルから組み立てられる場合に特に当てはまる。さらに、カーカスはボールの安定性
を高めることもできる。
【0050】
ボールカーカスは膨張式ブラダを含んでもよい。
【0051】
膨張式ブラダは、基本的にガスを透過しないような方法で、キャビティを取り囲むこと
ができる。膨張式ブラダを用いると、ブラダを膨張させること、またはブラダからガスを
排出することにより、使用中にボールの特性を調節することがさらに可能になり得る。ボ
ールは弁ユニットを含むことができ、この弁ユニットを通して、膨張式ブラダ内のキャビ
ティを満たすかまたは空にすることができる。
【0052】
キャビティに、大気圧より高い少なくとも1種類のガスを特に充填してもよい。
【0053】
キャビティ内に加圧ガスを保持するために、基本的にガスを透過しない閉鎖面によって
キャビティを取り囲むべきである。このために、本発明の範囲は異なる可能性を包含する
。例えば、第1の層は、基本的にガスを透過しない閉鎖面を備えてもよい。加えてまたは
あるいは、キャビティ内にガスを保持する閉鎖面を、第1の層とキャビティとの間に配置
してもよい。第1の層とキャビティとの間に配置されてガスを保持するそのような閉鎖面
の例は、ボールカーカスおよび特に膨張式ブラダである。キャビティに空気または窒素の
ような1つまたは複数のガスを充填すると、結果として得られるボールの重量を軽量に維
持するのを助けることができる。キャビティに大気圧より高いガスを充填すると、ボール
の弾性および反発特性を変化させ制御する役割をさらに果たすことができる。
【0054】
本発明のボールは、発泡材料の粒子を含む支持構造、特に弾性支持構造を含むことがで
きる。
【0055】
そのような支持構造により、ボールの安定性を高めることができる。弾性支持構造は、
ボールの特性、例えば、ボールの弾性およびその反発特性に影響を与える役割を果たすこ
ともできる。これは、弾性支持構造が発泡材料の粒子を含むことにより、粒子の良好な弾
性特性が支持構造に伝わることがあるため、特に当てはまる。
【0056】
そのような支持構造が本発明の独立態様を表し、したがって従来のボールパネルと共に
使用することも可能であることに言及する。
【0057】
一般に、当業者は、本明細書に記載された異なる態様、実施形態、および設計オプショ
ンが、(物理的に可能である限り)任意の方法で組み合わされてもよく、したがって本発
明の独立態様を表すことを理解するだろう。
【0058】
前述したように、ボールはキャビティを含むことができ、支持構造は、キャビティ内で
延びる壁、キャビティ内で延びるバー、およびキャビティ内で延びる内側シェルの少なく
とも1つを含むことができる。
【0059】
したがって、本発明のそのような実施形態で、ボールは完全に中実なコアを含んでいな
いが、ボールの形状安定性を高めるために、支持構造の要素がキャビティ内で延びること
は依然として可能である。さらに、ボールの弾性特性は、(弾性)支持構造によりさらに
影響を受けることがある。
【0060】
支持構造は、少なくとも1つの球形内側シェルを含んでもよい。
【0061】
「タマネギの皮の原理」に従う構成を有するボールを提供するために、1つまたは複数
の球形内側シェルを、バーまたは壁によって互いに、かつ外側シェルに連結してもよい。
球形シェルを使用することにより、ボールの不均衡を基本的に回避して、ボールが略等方
性特性、すなわちどのような種類の回転によっても変化しない特性を有するようにする。
【0062】
支持構造は、反復立体構造を有する少なくとも1つの領域を含むことができる。すなわ
ち、支持構造は、反復単位または単位セルを含むことができ、このような単位セルのいく
つかが、互いに隣接して配置されて、支持構造の少なくとも1つの領域を形成する。いく
つかの単位セルは各々、同一の立体形状を有することができるが、それぞれのサイズが変
化してもよい。しかしながら、支持構造は、周期立体構造を有する少なくとも1つの領域
を含んでもよい。この場合、互いに隣接して配置された複数の単位セルは、同一の立体形
状を有するだけでなく、同一のサイズも有する。
【0063】
単位セルはハニカムであってもよい。単位セルは球であってもよい。単位セルは立方体
であってもよい。単位セルは矩形の角柱であってもよい。単位セルは三角柱であってもよ
い。単位セルは八角柱であってもよい。単位セルは4面体であってもよい。単位セルは四
角錐であってもよい。単位セルは円柱であってもよい。単位セルは円錐であってもよい。
当業者は、同一の所望の効果をもたらすために、いくつかの他の代替単位セルが可能であ
ることを理解するだろう。
【0064】
支持構造を、反復/周期立体構造によってさらに完全に設けてもよい。あるいは、支持
構造の1つまたは複数の部分領域のみが、そのような反復/周期立体構造を含んでもよい
。例えば、支持構造が内側球形シェルを含み、支持構造がこの内側シェルと外側シェルと
の間の反復/周期立体構造としてさらに設けられてもよい。本明細書では、反復/周期立
体構造は、一方で、支持構造(または反復/周期立体構造を有する領域)が横断面に垂直
な方向に管状に設けられた状態で、ボールの横断面に見られる。すなわち、支持構造の関
連部品が複数の平行に延びるチューブを含むことができ、チューブの長手方向軸に垂直な
横断面が反復/周期立体構造を示す。結果として得られるボールの特性を調節するように
、チューブを方向付けしてもよい。例えば、チューブを長手方向のみに配置してもよい。
向きの違いにより、ボールの形状安定性を高め、あるいは、ボールの反発特性または飛行
特性を修正することができる。
【0065】
支持構造は、ボールの中心を通って延びる対称軸の周りの対称角度αの回転に関して、
少なくとも1つの回転対称性を有することができる。
【0066】
物体は、その物体が回転前後で「同一に見える」場合に、ある軸の周りのある角度の回
転に関して、回転対称性を含むまたは有する。言い換えると、物体は、そのような回転下
で回転対称性を示す。
【0067】
支持構造の(少なくとも1つの)回転対称性についての上記記述に当てはめると、これ
は、支持構造が、ボールの中心を通る対称軸の周りの角度αの回転の前後で「同一に見え
る」ことを意味する。
【0068】
支持構造が少なくとも1つの回転対称性を有すると、支持構造によりボールが著しく不
均衡になることが防止される。このような不均衡は、ボールの特性に悪影響を与えるおそ
れがある。一般に支持構造が高度な対称性を有すると有利である。しかしながら、例えば
ボールの不均衡を意図的に生じさせるために、支持構造が限られた程度の対称性しか含ま
ないこと、さらには対称性を全く含まないことが望ましい場合もある。これは、例えば、
ボールがコースに沿ってカーブできるように、ボウリングまたはボウルズに使用されるボ
ールに望ましいとされ得る。
【0069】
対称角度αは、120°、90°、72°、60°、または連続回転のうちの1つであ
ってもよい。
【0070】
そのような3面、4面、5面、6面、または連続回転の対称性は、そのような方法で設
けられる支持構造が、等方性特性、すなわち対称軸の周りの回転下で変化しない特性を有
するボールを少なくとも略もたらす場合があるという利点を有する。本明細書では、対称
の面数が大きいほど、すなわち対称角度αが小さいほど、この等方性が一般に高くなる。
しかしながら、これにより製造コストが高くなるため、支持構造の設計について対称角度
を適切に選択することが、一方での回転に対するボールの可変特性と、他方での低い製造
コストとの間で妥協となり得る。
【0071】
第1の層および/または支持構造は、少なくとも1つのチャンバを画成することができ
る。少なくとも1つのチャンバに、大気圧より高い少なくとも1種類のガスを充填しても
よい。
【0072】
そのようなチャンバを、第1の層自体により画成し、第1の層自体の内部に配置しても
よい。これは、さらに重量を軽く維持するのに役立ち得る。そのような追加の層がある場
合には、チャンバをボールの他の層内に配置してもよく、チャンバがいくつかの層にわた
ってさらに延びてもよい。さらに、チャンバを、支持構造により画成し、支持構造の内部
に配置してもよい。例えば、本発明による支持構造を従来のボールパネルと共に使用する
と、チャンバを支持構造内に画成することができる。最後に、支持構造が第1の層(また
はいくつかの他の層)に接する箇所に、チャンバを画成することも可能である。
【0073】
膨張式ブラダと同様に、1つまたは複数のガス(大気圧より高い)が充填されたチャン
バは、ボールの弾性特性、特にその反発特性に影響を与えてこれを制御する役割を果たす
ことができる。支持構造が複雑な3次元幾何形状をさらに含み得るため、この制御を簡単
な膨張式ブラダの場合よりも詳細なレベルまで行うことさえ可能となり得る。
【0074】
チャンバを中空ボールの厚い層に加えると、例えば、ボールの剛性が低下し、反発が少
なくなる場合がある。チャンバが大きいと、小さいチャンバよりも、ボールが弱くなり、
弾性が低下することがある。同一のチャンバ容量を比較すると、球形チャンバによって、
他の形状よりも剛性のボールを製造することができる。チャンバが小さいほど、歪みおよ
び負荷を受ける「材料がより多くなる」ため、剛性および/または反発が高くなり得る。
【0075】
球形チャンバはまた、例えば、矩形横断面を有するチャンバよりも、剛性および/また
は反発が高くなり得る。変形中に座屈および曲げを生じさせて、反発効率を低下させるこ
とがあるからである。先の尖った縁部を有するチャンバ(角錐、非常に平坦な矩形、八面
体など)は、応力集中を生じさせるため、ボールの耐久性を低下させ得る。
【0076】
ボールの半径方向に(中心から内外)、チャンバは丈が「長く」ても「短く」てもよい
。極および/または方位方向(すなわち表面方向)において、チャンバは、「幅広」であ
っても「薄く」てもよい(「大きい部分を占めても小さい部分を占めてもよい)。チャン
バが非常に幅広で長い場合、ボールは高さおよび方向において一貫性のない反発を有する
ことがある。非常に幅広(および短い)チャンバの場合、ボールが柔軟な箇所を有し、そ
こでチャンバが潰れることがある。
【0077】
チャンバを追加および除去し、またはチャンバをボールの中心から異なる距離に配置す
ると、ボールの角度または回転慣性に影響を与えることがある。同一の重量について、例
えば、チャンバがより大きい、および/またはボールの外側により近い場合には、回転慣
性が低くなる。低い回転慣性を有する、飛行するボールのスピン速度は、より高い回転慣
性を有するボールのスピン速度よりも速く低下する。サッカーボールのスピン速度の低下
は、例えば、抗力および逸れ/カーブ特性を含むがこれに限定されない空力特性に影響を
与える。ボールのキック/制御において、回転慣性の変化も顕著となり得る。
【0078】
従来のシェル状ボールと比較して、例えば、チャンバのある、またはチャンバのない、
厚い第1の層を有する本発明のボールは、より大きい質量がボールの幾何中心に向かって
移動するため、同一の重量についてより低い回転慣性を有する。その後スピン速度の低下
を少なくすると、逸れた状態で空力性能を向上させることができる。スピン速度の低下が
少ないことにより、逆マグヌス効果の始まりを遅らせることができるからである。したが
って、ボールは、その飛行の終端に向かって直進することが少なくなり得る。
【0079】
さらに、チャンバのサイズおよび位置を修正して、ボールを不均衡にするおそれのある
任意の弁、パネル、または他の質量を釣り合わせてもよい。
【0080】
チャンバの壁は、基本的にガスを透過しなくてもよい。
【0081】
基本的にガスを透過しない壁により、大気圧より高い1つまたは複数のガスをチャンバ
に充填することができ、この圧力を維持することもできる。したがって、チャンバの繰り
返しの再充填を回避することができる。
【0082】
第1の層(または支持構造に隣接する他の層)の少なくとも一部と支持構造の少なくと
も一部とを、一体部品として一体に製造してもよい。
【0083】
第1の層の少なくとも一部と支持構造の一部とを一体部品として一体に製造することに
より、特に密な耐性のある連結を達成することができる。そのような一体連結は、1つま
たは複数のガスを充填可能な、第1の層および支持構造により画成されるチャンバを作製
するのに有利となり得る。ここでは、第1の層と支持構造との両方が発泡材料の粒子を含
むことができると有利となり得る。粒子の表面を互いに直接結合、例えば溶着することが
でき、そこで支持構造が第1の層に接して一体連結を生じさせるからである。
【0084】
ボールは中実ボールであってもよい。
【0085】
中実ボールにより、簡単で迅速な生産が可能になり得る。また、ボールの膨張が不要で
ある。ボールの構成のために発泡材料の粒子を使用することにより、ボールは、依然とし
て所望の弾性および反発特性を有することができる。ボールは、勿論、粒子に加えてさら
なる材料を含んでもよい。
【0086】
ボールは、例えば、非発泡材料のコアを含んでもよい。
【0087】
そのような非発泡材料のコアは、例えばボールの重量の調節、その安定性の向上、その
弾性への影響などのいくつかの目的を果たすことができる。
【0088】
ボールは、膨張式ブラダを含まなくてもよい。
【0089】
例として、本明細書に記載した支持構造の設計の様々な可能性により、依然として所望
の弾性特性を有する、膨張式ブラダのないボールを提供してもよい。これにより、膨張さ
せる必要がなく、さらに所望の特性を恒久的に示すボールを提供することができる。
【0090】
本発明のさらなる態様は、本発明によるボールを製造する方法に関する。
【0091】
異なる製造オプションについて、以下でより詳細に説明する。当業者は、本発明による
ボールの特定の実施形態の製造に最も適したこれらのオプションの中から選択し、かつ/
または組み合わせるだろう。したがって、本発明の方法の、説明する実施形態の例示的な
適用のみについて以下で簡単に言及するが、このような例を、方法の適用範囲を限定する
ものと解釈してはいけない。
【0092】
方法は、高周波(HF)放射を用いて発泡材料の粒子を結合することを含んでもよい。
方法は、例えば、無線周波(RF)溶着および/または赤外線(IR)溶着を用いて発泡
材料の粒子を結合することを含んでもよい。特に、方法は、RF融着を用いて粒子の表面
を融着することを含んでもよい。
【0093】
粒子の結合のために異なる電磁放射、または電磁場一般を使用する実施形態も、本発明
の方法に包含される。
【0094】
方法は、発泡材料の粒子を回転金型に装填することと、ボールの少なくとも一部を回転
成形することとをさらに含むことができる。方法は、回転成形による複数の層の連続製造
を含んでもよい。
【0095】
このようにして、中実ボール、または1つまたはいくつかの層および場合により中心キ
ャビティを含むボールを製造することができる。
【0096】
方法は、発泡材料の粒子を含み、かつ組み立てられて少なくとも部分的にボールを形成
する複数のボールパネルの製造を含んでもよい。
【0097】
ボールの製造時にボールパネルを使用する利点については前述した。
【0098】
個々のボールパネルの製造は、発泡材料の粒子を金型に装填するステップと、粒子を金
型内で圧縮成形するステップとを含んでもよい。
【0099】
圧縮成形を(少なくとも部分的に)レーザバリオサーム(variothermal)
方法によって行ってもよい。バリオサーム法は、金型の表面に非常に近接して配置された
加熱チャネルおよび冷却チャネルを有する。これにより、金型の表面を迅速に加熱および
冷却することができる。可能な加熱および冷却の範囲は、20秒で100ケルビンである
。
【0100】
例えばそのようなバリオサーム法を使用することにより、個々のボールパネルの離型前
の、パネルの製造のためのプロセスサイクル時間は、5分未満、好ましくは3分未満とな
り得る。
【0101】
これは、部品の製造のための結合解除(サイクル)時間が大幅に短くなるため有利であ
る。
【0102】
RF融着、または電磁放射を使用するいくつかの他の方法を用いて粒子を結合すること
によって、1つまたは複数のパネルを製造してもよく、またはそのような方法は、1つま
たは複数のパネルの製造に寄与することができる。さらに、前述したように、そのような
方法を使用して、パネル(または少なくともそのいくつか)を互いに連結してもよい。
【0103】
ボールパネルの製造は、粒子を金型に装填する前に、第1の箔材料を金型内に形成する
ことをさらに含むことができる。第1の箔材料を金型内に形成することは、第1の箔材料
の真空形成/深絞りを含んでもよい。
【0104】
あるいは、粒子のパネルを形成した後に、第1の箔材料を施してもよい。例えば、金型
に粒子を装填することができ、粒子を圧縮成形して第1の箔材料のないパネルを形成し、
圧縮成形後にのみ、第1の箔材料を施すことができる。
【0105】
第1の箔材料を組み立てたボールのパネルの外側に位置させてもよく、したがって、ボ
ールの外観および性能に影響を与えることができる。箔は、例えばパネルおよびしたがっ
てボールの耐摩耗性を高めることができ、または装飾の目的を果たすことができる。
【0106】
圧縮成形を、80℃~200℃の温度、好ましくは100℃~180℃の温度、特に好
ましくは135℃~145℃の温度で行うことができる。
【0107】
圧縮成形の温度は、粒子の発泡材料が溶融し始める温度またはその温度近くであっても
よい。これにより、粒子内部のセル構造に損傷を与えることなく、粒子の表面を互いに結
合することが可能になり得る。
【0108】
前述した多くの利点に加えて、発泡材料の粒子を使用するさらに重要な利点は、そのよ
うな粒子を使用したボールパネルおよびしたがってボールの生産のためのプロセスサイク
ル時間を短くできる点である。これにより、生産効率および生産出力を高めることができ
る。
【0109】
ボールを製造する方法は、第2の箔材料をパネルの一部または全部に施すこと、特に、
第2の箔材料をパネルの一部または全部の上に真空形成することをさらに含んでもよい。
【0110】
第1の箔材料に加えて第2の箔材料を施すことができる。これにより、パネルを箔材料
によって完全に囲むことが可能になり得る。あるいはまたは加えて、箔またはコーティン
グのさらなる層をパネル表面または箔/コーティング上に施して、多層フィルムを形成し
てもよい。フィルムの異なる層は異なる特性を有することができる。多層フィルムは、耐
摩耗層を含んでもよい。多層フィルムは耐紫外線層を含んでもよい。多層フィルムは、表
面の光学特性を修正するための層を含んでもよい。
【0111】
成形時におけるパネルの加工中に箔層を施すのではなく、発泡粒子がパネルに形成され
た後に吹付け塗りとして施すことも考えられる。
【0112】
前述した方法で使用される発泡材料は、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレ
タン(eTPU)、発泡ポリエーテルブロックアミド(ePEBA)、発泡ポリアミド(
ePA)、発泡ポリプロピレン(ePP)、発泡ポリスチレン(ePS)、発泡エチレン
ビニルアセテート(eEVA)の少なくとも1つを含むことができる。
【0113】
前述したように、方法は、吹付け材料を、例えばボールの外向き面、特にボールパネル
の一部または全部の外面に施すことをさらに含んでもよい。
【0114】
そのような吹付け材料は、ボールの外観および性能に影響を与えることができる。例え
ば、吹付け材料を使用してボールに装飾を施してもよく、吹付け材料は耐水性であっても
よく、吹付け材料によりボール表面のグリップまたは耐摩耗性を高めてもよく、またはボ
ールの空力特性に有益に影響を与えてもよい。
【0115】
以下の図面を参照しながら、本発明の可能な実施形態について、以下の詳細な説明でさ
らに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【
図1a】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1b】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1c】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1d】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1e】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1f】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1g】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1h】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図1i】本発明によるボールの可能な実施形態の横断面図である。
【
図2a】複数のボールパネルを有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態を示す図である。
【
図2b】複数のボールパネルを有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態を示す図である。
【
図2c】複数のボールパネルを有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態を示す図である。
【
図2d】複数のボールパネルを有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態を示す図である。
【
図2e】複数のボールパネルを有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態を示す図である。
【
図3a】支持構造を有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態の横断面図である。
【
図3b】支持構造を有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態の横断面図である。
【
図3c】支持構造を有する、本発明によるボールのさらに可能な実施形態の横断面図である。
【
図4a】回転金型を使用する、本発明のボールの製造方法の実施形態を示す図である。
【
図4b】回転金型を使用する、本発明のボールの製造方法の実施形態を示す図である。
【
図5a】ボールパネルの製造を含む、本発明のボールの製造方法の実施形態を示す図である。
【
図5b】ボールパネルの製造を含む、本発明のボールの製造方法の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0117】
本発明の可能な実施形態について、主にサッカーボールに関連して以下の詳細な説明で
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されないことを強調する。本
発明を、バスケットボール、アメリカンフットボール用のボール、テニスボール、バレー
ボール、野球ボール、ラグビーボール、ゴルフボール、ボウリングボール、玩具ボールな
どの他のタイプのボールに容易に適用できることが当業者には自明であろう。
【0118】
本発明のいくつかの個々の実施形態のみについて、以下でより詳細に説明すること、な
らびに本発明により提供される異なる設計オプションの可能な組合せおよび変更のすべて
を明記するのではないことにも注目されたい。しかしながら、以下に記載の特定の実施形
態に関連して説明する設計オプションをさらに修正してもよく、本発明の範囲内の異なる
方法で互いに組み合わせてもよいことが当業者に明らかである。個々の特徴は、不要と思
われる場合には省略してもよい。重複を避けるため、以下の詳細な説明にも当てはまる前
述部分の説明を参照する。
【0119】
以下の説明を通して、同一の参照符号を使用して、機能的に同様または等価な部品を示
し、特定の実施形態の文脈でなされた特定の部品に関する説明は、他の実施形態の等価な
部品にも関係する。
【0120】
図1a~
図1i、
図2a~
図2e、および
図3a~
図3cは、ボール100の可能な実
施形態を示す。ボール100は、例えばサッカーボールであってもよい。
【0121】
ボール100は、発泡材料の粒子を含む。粒子はランダムに配置されてもよい。発泡材
料は、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)、発泡ポリエーテ
ルブロックアミド(ePEBA)、発泡ポリアミド(ePA)、発泡ポリプロピレン(e
PP)、発泡ポリスチレン(ePS)、および発泡エチレンビニルアセテート(eEVA
)の少なくとも1つを含むことができる。
【0122】
このような材料の組合せを所与のボール内の粒子として使用してもよいこと、すなわち
粒子の材料組成がボールにわたって変化し得ることも可能であることが当業者には明らか
であろう。
【0123】
例えば、eTPUおよびePEBAの異なる層、セクタ、または領域を本発明のボール
において使用して、希望に応じてボールの物理的特性に影響を与えてもよい。異なる層お
よび支持構造を含む本発明のボールの可能な構成に関するさらなる詳細について以下で説
明し、前述した材料を、このような構成において、本発明の範囲内の様々な方法で使用し
、かつ組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0124】
さらに、ボール100は、非発泡プラスチック材料、フォームプラスチック(例えば、
連続した均一な構造を有する2成分ポリウレタンフォーム)、皮革、ゴム、金属ワイヤ、
箔などのさらなる材料を含んでもよい。
【0125】
発泡材料の粒子を互いに結合してもよい。例えば、発泡材料の粒子をその表面で融着し
てもよい。粒子表面の融着は、熱エネルギーを与えることにより行うことができる。これ
は、例えば、粒子を金型内で加圧蒸気に晒すことにより、および/またはバリオサーム成
形を使用することにより、および/または高周波(HF)もしくはIR溶着技法を用いる
ことにより達成することができる。
【0126】
例えば、粒子を、無線周波(RF)および/またはIR溶着技法を使用して結合しても
よい。粒子の表面を、例えばRF融着を使用して融着してもよい。他の種類の電磁放射、
例えば電磁スペクトルの異なる範囲からの放射を使用してもよい。
【0127】
あるいはまたは加えて、接着剤を使用して粒子を互いに結合してもよい。ボール100
の製造の詳細について以下で述べる。
【0128】
図1a~
図1iは、本発明のボール100の実施形態の中心を通る横断面である。
【0129】
図1fに示す実施形態では、ボール100が中実ボール100である。そのような中実
ボール100は、完全に発泡材料の粒子から構成されてもよく、または、さらなる材料も
しくは追加の要素を含んでもよい。例として、プラスチックコーティングまたはプラスチ
ック箔材料を、ボール100の外向き面101に配置してもよい。ボール100の外向き
面101に所望のプラスチックコーティング/箔を吹き付けることにより、このコーティ
ングを施すことができる。あるいはまたは加えて、外向き面101を、当技術分野で公知
の方法により、異なる吹付け材料で覆ってもよい。さらに、一部の実施形態では、外向き
面101がテクスチャ面を含んでもよい。外向き面101を局所的にのみテクスチャ加工
すること、および/またはテクスチャのパターンもしくは設計が局所的に変化することも
可能である。加えてまたはあるいは、プラスチックコーティングまたは箔もテクスチャ面
を含むことがまた可能である。このテクスチャ面を局所的にのみ施すことが、ここでも可
能である。箔/コーティングを外向き面101のテクスチャ加工に関してテクスチャ加工
し、例えば、コーティングのテクスチャが外向き面101のテクスチャに被さるか、また
はコーティングのテクスチャが外向き面101のテクスチャ加工されていない領域を覆う
ことがさらに可能である。この文脈で、ボール100の外向き面101は、プラスチック
コーティング、プラスチック箔材料または吹付け材料を施さなかった場合に、使用中にボ
ール100の周囲環境と接触する表面であると理解されたい。
【0130】
図1gは、中実ボール100の別の実施形態を示す。ここで、ボール100は、複数の
層110、180、181、および182を含む。第1の層110がボールの外側シェル
100として設けられる。第1の層110は発泡材料の粒子を含む。前述したように、こ
れは異なる発泡材料の組合せであってもよい。ボール100の外向き面101は、第1の
層110の外面111によって設けられる。追加の層180、181、および182は、
ここでは内層であり、発泡材料の粒子を含むこともできる。層180、181、および1
82は同一の発泡材料、層180、181、および182の間の少なくとも1つの機械的
特性、例えば、層180、181、および182の密度が変化する発泡材料から構成され
てもよい。層180、181、および182の少なくとも1つは、他の層とは異なる発泡
材料から構成されてもよい。層180、181、または182の少なくとも1つ(および
原理上、第1の層110も)を、発泡材料および非発泡材料と組み合わせてもよい。層1
80、181、または182(および原理上、第1の層110も)の少なくとも1つが、
非発泡材料から構成されてもよい。
【0131】
ボール100の特性に影響を与えるために、異なるパラメータを、複数の層110、1
80、181、および182の少なくとも1つの間で変化させることができる。そのよう
なパラメータの例として、層110、180、181、および182の厚さ、層110、
180、181、および182の材料組成、特に層110、180、181、および18
2内の粒子の材料組成、またはそれぞれの層110、180、181、および182の製
造に使用される少なくとも1つのプロセスパラメータが挙げられる。前述したパラメータ
を、所与の層110、180、181、または182内および/またはこれらの層の2つ
以上の間で変化させることができる。
【0132】
例として、eTPUおよびePEBAの異なる層を、層110、180、181および
/または182に使用してもよい。
【0133】
図1gに示すボール100の実施形態では、ボールはコア190をさらに含む。コア1
90は、例えば、発泡材料から構成されてもよい。この発泡材料は、他の層110、18
0、181、および182と同一であっても異なっていてもよい。あるいは、コア190
は非発泡材料から構成されてもよい。
【0134】
図1a~
図1eおよび
図1h~
図1iに示すボール100の実施形態は、発泡材料の粒
子を含む第1の層110を含む。
図1a~
図1eおよび
図1h~
図1iに示すボール10
0の実施形態では、第1の層110がボールの外側シェル100として設けられる。
【0135】
本発明のボール100の実施形態では、第1の層110が、例えば、最大50mmの厚
さを有する。厚さは、特に0.5mm~10mmの範囲、またはさらには1mm~5mm
の範囲であってもよい。第1の層110の厚さが第1の層110にわたって変化すること
、すなわち厚さが層にわたって一定でないことも可能である。第1の層110の厚さは、
より厚い領域とより薄い領域との間で徐々に変化しても、局所的に変化してもよい。さら
に、1つまたは複数の補強隆起または支柱が層、例えば、その内面の上に構成されるよう
に、第1の層110の厚さを変化させて、ボール100の形状安定性を高めてもよい。
【0136】
図1dおよび
図1eに示すように、第1の層110をボールカーカス130上に配置す
ることも可能である。
【0137】
図1a、
図1c~
図1d、および
図1g~
図1iに示すように、第1の層110は一方
で閉鎖面(弁ユニット135の孔を除く、
図1d参照)を含んでもよい。
【0138】
他方で、
図1bおよび
図1eに示すように、第1の層110の表面が1つまたは複数の
孔または間隙115を含み、すなわち閉鎖面を含まないことも可能である。第1の層11
0は、孔115が配置される連結面であってもよい。連結面は、表面に沿って動くこと、
およびいずれの間隙上も「跳び越える」必要がないことによって、表面上の任意の点から
表面上の他の任意の点まで至る表面である。
【0139】
しかしながら、第1の層110が、間隙115によって互いに分離された、いくつかの
別個の表面領域を含むことも可能である。例えば、
図1b、
図1eでは、ボール100の
赤道に沿って延び、第1の層110を北半球と南半球とに分離する間隙115があっても
よい。そのような場合には、第1の層110の別個の表面領域を、それらの位置に固定し
ても、ボールカーカス130によって、または
図3a~
図3cに示すように支持構造15
0(簡単にするために、さらに後述する)によって互いに連結してもよい。別個の表面領
域の各々は、ここでも1つまたは複数の孔115を含むことができる。前述した北半球お
よび南半球の例では、例えば、北半球の北極点に孔115があり、南半球の南極点に孔1
15があってもよい。
【0140】
両方の場合に、第1の層110の内面が、第1の層110をボール100の内側から区
切る概念面112を画成することができる。参照を容易にするために、表面112を「区
切り面112」と呼んでいる。区切り面112を、いずれかの孔/間隙115にわたって
延びる第1の層110の内面の周りに突出する表面とみなすことができる。概念区切り面
112を閉鎖面と考えてもよい。
【0141】
図1a~
図1eおよび
図1h~
図1iに示す実施形態では、ボール100は、区切り面
112によって区切られ、または境界付けされた空間領域内に、少なくとも1つのキャビ
ティ120を含む。区切り面112は、説明のためにここで使用される概念面に過ぎない
ことに再び言及する。
【0142】
キャビティ120は、第1の層110に直接隣接する必要はない。そのような場合の例
として、
図1hに示すボール100の実施形態では、
図1gを参照して前述したように、
ボールが複数の層110、180、181、および182を含む。
図1hに示す例では、
ボール100は中実コアを有していないが、代わりに、キャビティ120をその中心に含
む。この場合、キャビティ120は第1の層110に直接隣接するのではなく、代わりに
最内層182に隣接する。しかしながら、第1の層110の内面が依然として区切り面1
12を画成し、キャビティ120が、区切り面112によって区切られ、または境界付け
された空間領域内に配置されることを強調する。
【0143】
加えて、キャビティ120は、
図1dおよび
図1eに示すボール100の実施形態にお
いて第1の層110に直接隣接していない。ここでは、第1の層110がボールカーカス
130に取り付けられているからである。カーカス130は、例えばその内面に、膨張式
ブラダ131を含んでもよく、または、カーカス130はそのような膨張式ブラダ131
から構成されてもよい。しかしながら、ボールカーカス130を膨張式ブラダなしで使用
してもよい。ボール100が複数の層110、180、181、182を含む場合、ボー
ルカーカスは、例えば最内層182の内側に配置されてもよく、または層の2つの間に配
置されてもよい。
【0144】
図1d~
図1eに示す実施形態では、ボールカーカス130と膨張式ブラダ131とが
キャビティ120を囲み、キャビティ120がブラダ131の内側に直接隣接する。ブラ
ダ131を膨張または収縮させることができるようにするために、ボール100は弁ユニ
ット135をさらに含むことができ、この弁ユニット135は、ブラダ131に連結され
、ボールカーカス130(別個のカーカスがある場合)および外側シェル110(および
場合によって、ボール100のさらなる既存の層180、181、182)を通って突出
する。
【0145】
第1の層110および/またはボールカーカス130および/または膨張式ブラダ13
1が閉鎖面(弁ユニット135の孔を除く)を含む場合、キャビティ120に1つまたは
複数のガスを充填することができ、前記ガスをかなりの期間にわたってキャビティ120
内に保持することができる。キャビティに充填可能なガスの例は、空気または窒素または
これらの組合せである。キャビティ120に、大気圧より高い1つまたは複数のガスを充
填してもよい。ボール100の変形特性を調節するために、キャビティ120に、例えば
1バール、2バール、3バール、5バールなどの圧力の1つまたは複数のガスを充填して
もよい。広範囲の不活性ガスを使用してキャビティを充填することが可能であり、与えら
れる例は2つの最も一般的に使用されるガスに過ぎないことが当業者に明らかであろう。
ガスがキャビティ内に保持される時間を長くするために、第1の層110の閉鎖面、ボー
ルカーカス130、および/またはブラダ131は、基本的に1つまたは複数のガスを透
過しないように有利に設計され得る。この場合、基本的にとは、選択された材料および製
造プロセスが許す限りという意味である。
【0146】
この点で、本発明の範囲内において、ボール100がボールカーカス130および/ま
たは膨張式ブラダ131を備えておらず、それにもかかわらず、圧力下でボールに1つま
たは複数のガスが充填されてもよいことに注目されたい。
【0147】
図1cに示すように、第1の層110はそれ自体、1つまたは複数のチャンバ160を
含むことができる。これらのチャンバ160に、例えば空気または窒素などの、大気圧よ
り高い1つまたは複数のガスを充填してもよい。この可能性を考慮して、基本的に1つま
たは複数のガスを透過しないようにチャンバ160の壁を設けてもよい。
【0148】
さらに、
図1cに示す実施形態の修正を示す
図1iに示すように、チャンバ160は異
なる形状および/または構成を有することができる。特に、チャンバ160の形状および
/または構成は、ここに明確に示されていなくても、所与のボール100内で変化し得る
。
【0149】
所与のチャンバ160の形状および/または構成を修正して、ボール100の特性に影
響を与えるように構成してもよい。例えば、
図1cに示すような、より矩形(または角の
ある)チャンバ160の場合、
図1iに示すような球形チャンバ160を有するボール1
00と比較して、より低い反発特性を有するボール100となり得る。チャンバ160が
より球形であるほど、ボール100が変形を受けるときに生じる座屈および曲げが小さく
なるからである。さらに、ここでも所与のチャンバ160のサイズおよび寸法を修正して
、ボール100の挙動に影響を与えてもよい。チャンバ160のサイズは、以下のように
、すなわち、キャビティが小さいほどボール100の反発が大きくなるように、ボール1
00の特性に影響を与えることができる。さらに、ボール100の反発または飛行挙動に
影響を与えることができるように、チャンバ160を形成および設計してもよい。チャン
バ160の位置を変更して、例えば、飛行が修正されたボール100、すなわちより少な
いチャンバ160を有するボール100の領域により画成された方向に向かって逸れるボ
ール100を提供すること、または予測不可能な反発を有するボール100を提供するこ
とも考えられる。さらに、ボール100の他の質量、例えば、弁135の質量を釣り合わ
せるように、チャンバ160を配置してもよい。
【0150】
あるいはまたは加えて、
図1a~
図1eおよび
図1g~
図1iに示す実施形態における
第1の層110の外面111によって設けられるボール100の外向き面101が、テク
スチャ面を含んでもよい。外向き面101を局所的にのみテクスチャ加工すること、およ
び/またはテクスチャのパターンもしくは設計が局所的に変化することも可能である。こ
れにより、例えば、ボール100の感触および取扱いまたは空気力学を向上させることが
できる。
【0151】
あるいはまたは加えて、プラスチックコーティングおよび/またはプラスチック箔材料
を、外向き面101またはその部分領域に配置してもよい。加えてまたはあるいは、プラ
スチックコーティングまたは箔もテクスチャ面を含むことがまた可能である。このテクス
チャ面を局所的にのみ施すことが、ここでも可能である。箔/コーティングを外向き面1
01のテクスチャ加工に関してテクスチャ加工し、例えば、外向き面101の下にあるテ
クスチャを、例えば摩耗から保護すること、またはコーティングのテクスチャが外向き面
101のテクスチャに被さってこれを目立たせること、またはコーティングのテクスチャ
が外向き面101のテクスチャ加工されていない領域を覆うことがさらに可能である。プ
ラスチックコーティングおよび/またはプラスチック箔材料は、ボール100の外観を修
正する目的を果たすこともでき、ボール100の撥水性を高めることができ、またはボー
ル100の感触もしくは空気力学を向上させることができる。プラスチックコーティング
を、例えば材料への吹付けにより設けてもよい。
【0152】
そのような箔またはコーティングの例が、
図1iに示すボール100の実施形態の「外
皮層」170によって示される。
【0153】
図2a~
図2eは、サッカーボール100を示す実施形態において、ボール100のさ
らなる実施形態を示す。本発明はサッカーボール以外にも当てはまることを再び思い起こ
されたい。同一の参照符号を引き続き使用することにより強調されるように、
図1a~図
1iの実施形態に関する前記説明がここでも当てはまる。簡潔にするために、
図2a~図
2eに示す実施形態の少数の特定の特徴についてのみ以下で説明する。
【0154】
図2a~
図2eに示すボール100の実施形態は、外側シェルとして設けられた第1の
層110を含み、第1の層110は発泡材料の粒子を含む。粒子の可能な発泡材料につい
ては、詳細な説明の冒頭に挙げている。
【0155】
図2a~
図2dに示す実施形態では、第1の層110がボールカーカス130に配置さ
れており、このボールカーカス130は、例えば、膨張式ブラダとして設けられてもよく
、またはそのようなブラダを、例えばその内面に含んでもよい。
【0156】
ボールカーカス130はキャビティを取り囲むことができる。ボールカーカス130は
、基本的に空気またはガスを透過しない方法でキャビティを取り囲んで、キャビティに空
気またはガスを充填できるようにする。キャビティ内の1つまたは複数のガスは大気圧よ
り高くてもよい。膨張または収縮を可能にするために、ボール100に弁ユニットをさら
に設けてもよい。
【0157】
しかしながら、
図2eに示す実施形態により例示されるように、場合により、ボールカ
ーカス130がなくてもよい。外側シェル110が、基本的に空気またはガスを透過しな
い方法でキャビティを取り囲む閉鎖面を形成するように製造される場合には、カーカス1
30またはブラダを使用しなくても、1つまたは複数のガスをキャビティ内で大気圧より
高く維持することができる。
【0158】
外側シェル110は、発泡材料の粒子を含む複数のボールパネル117、118、11
9を含む。
図2a~
図2cおよび
図2eに示す実施形態では、ボールパネル117、11
8、119が粒子から作られ、粒子が互いに表面で結合される。これは、粒子を熱に晒す
ことによって行われる。
【0159】
例えば、RF溶着および/またはIR溶着を用いて粒子を結合することによって、パネ
ル117、118、119を粒子から作ることができる。例えば、RF融着を使用して粒
子の表面を融着して、パネル117、118、119を作製することができる。
【0160】
しかしながら、他の実施形態では、ボールパネル117、118、119は追加の発泡
材料または非発泡材料を含んでもよく、粒子の表面を異なる方法で、例えば結合剤を使用
することにより互いに結合してもよい。さらに、パネル117、118、119を、異な
る発泡材料、または異なる物理的特性、例えば密度を有する同一の発泡材料から構成する
ことが可能である。
【0161】
ボールパネル117、118、119は、完成したボール100において採用される形
状に基本的に(すなわち製造関連公差まで)対応する3次元カーブ形状(ただし、これは
必要ではない)を既に含むように生産されてもよい。ボール100の製造時に、3次元に
予め形成されたボールパネル117、118、119をボールカーカス130に配置した
後に、互いに連結させることができる。しかしながら、パネル117、118、119を
、例えば回転成形により製造して連結し、次にボールカーカス130またはブラダを挿入
することも可能である。
【0162】
図2dの分解図は、ボールパネル117、118、119の3次元設計を詳細に示す。
示された実施形態では、ボールパネル117、118、119の各々が、4つの翼部を含
み、これらは各隣接するボールパネルの翼部と噛み合って、第1の層110を形成する。
6つのボールパネルが本設計で使用されている。しかしながら、ボールパネルの他の設計
(図示せず)も可能であり、ボールパネルがここに示すものとは異なる形状であっても、
パネルの形状が所与のボールのパネル間で変化可能であっても、異なる数のパネルを使用
可能であるなどでもよい。
【0163】
図2a~
図2eに示す実施形態の第1の層110のパネル117、118、119の外
面111によって設けられるボール100の外向き面101は、テクスチャ面を含んでも
よく、かつ/またはプラスチックコーティングおよび/もしくはプラスチック箔材料が外
向き面101に配置されてもよいという可能性に再び言及する。テクスチャ面および/ま
たはプラスチックコーティングおよびプラスチック箔の適用および構成に関する前述した
可能性は、
図2a~
図2eに示す実施形態にも完全に適用可能である。
【0164】
箔材料の適用の結果が
図2dに示す分解図に見られ、ここではボールパネル117、1
18、119の表面がプラスチック箔材料170を含む「外皮層」で覆われ、これは、ボ
ールの外観を修正する目的を果たすと共に、ボール100の感触、取扱い、および空力特
性に影響を与える。
【0165】
図3a~
図3cは、本発明のボール100のさらなる実施形態の中心を通る横断面を示
す。ここでも、簡潔にするために、
図3a~
図3cに示すボール100の実施形態の少数
の特定の特徴のみに、以下で注目する。
【0166】
図3a~
図3cに示すボール100の各実施形態では、ボールが第1の層110を含み
、第1の層110は発泡材料の粒子を含む。粒子の適切な発泡材料に関し、
図1a~
図1
iを説明したときの詳細な説明の冒頭の記述が当てはまる。
図3a~
図3cに示すボール
100の実施形態では、第1の層110が閉鎖面を含んで示されるが、これは必須ではな
い。代わりに、第1の層110は1つまたは複数の孔を含んでもよく、または第1の層1
10は複数の別個の表面領域をさらに含んでもよい。
【0167】
ここでも、第1の層110の内面が概念区切り面112を画成し、キャビティ120は
、区切り面112によって区切られ、または境界付けされた空間領域内に配置される。さ
らに、区切り面112は、
図3a~
図3cに示すボール100の実施形態がボールカーカ
スまたは膨張式ブラダを含まないという記述を支える。しかしながら、膨張式ブラダのあ
る、または膨張式ブラダのないそのようなボールカーカスを場合により追加してもよい。
【0168】
図3a~
図3cに示す実施形態の各々において、ボール100は、発泡材料の粒子を含
む支持構造150を含む。粒子の弾性特性が少なくとも部分的に支持構造150に伝わる
ため、支持構造150は完全に剛性ではない。支持構造150は、特に、弾性支持構造1
50であってもよい。支持構造150は、場合により、他の発泡材料または非発泡材料を
含んでもよい。
図3a~
図3cに示す実施形態では、支持構造150は、ボール100の
キャビティ120内で延びる少なくとも1つの壁、バー157、または内側シェル155
を含む。
【0169】
例えば、
図3aに示すボール100の実施形態では、支持構造150は複数の同心の球
形内側シェル155を含む。これらは、1つまたは複数の壁および/またはバー157に
よって互いに、および第1の層110にも連結される。
【0170】
図3bに示すボール100の実施形態では、支持構造150は複数の壁またはバー15
7のみを含む。
【0171】
図3cに示すボール100の実施形態では、ハニカム構造に互いに連結された複数の要
素159の形の支持構造150が設けられる。要素159は、例えば壁またはバーであっ
てもよい。この場合、支持構造150全体がそのような要素159により設けられるが、
他の実施形態では、支持構造150のある領域のみが、ハニカム構造を有するそのような
要素159を含んでもよい。例えば、
図3aに示すボール100の場合、ハニカム構造を
有するそのような要素159を、ボール100の最外内側シェル155と第1の層110
との間に配置してもよい。
【0172】
図3cに示す実施形態は、支持構造150が反復立体構造を有する少なくとも1つの領
域を含む、ボール100の特定の例を示す。すなわち、支持構造150は、反復単位また
は単位セル(
図3cの場合には、1つのハニカム)を含むことができ、これらの単位セル
のいくつかが互いに隣接して配置されて、支持構造150の少なくとも1つの領域を形成
する。いくつかの単位セルは各々、同一の立体形状を有することができるが、それぞれの
サイズが変化してもよい。
【0173】
しかしながら、支持構造150は、周期立体構造を有する少なくとも1つの領域を含ん
でもよい。この場合、互いに隣接して配置された複数の単位セルは、
図3cに示すように
、同一の立体形状を有するだけでなく、同一のサイズも有する。
【0174】
図3cに示すように、単位セルはハニカムであってもよい。単位セルは球であってもよ
い。単位セルは立方体であってもよい。単位セルは矩形の角柱であってもよい。単位セル
は三角柱であってもよい。単位セルは八角柱であってもよい。単位セルは4面体であって
もよい。単位セルは四角錐であってもよい。単位セルは円柱であってもよい。単位セルは
円錐であってもよい。当業者は、同一の所望の効果をもたらすために、いくつかの他の代
替単位セルが可能であることを理解するだろう。
【0175】
図3aに示す実施形態では、前述したように、内側シェル155を同心の球形シェルと
して設けることができる。しかしながら、
図3a~
図3cの図は、ボール100の中心を
通る平面に沿った横断面を示すに過ぎず、したがって、支持構造150の3次元構造が部
分的にしか表示されていないことに留意されたい。
図3bに示す実施形態では、支持構造
150の個々の要素を、例えば、壁またはバー157として設けることができる。他方、
図3cに示す実施形態では、支持構造150を、例えば、チューブの軸に垂直な横断面に
示したハニカム構造を含む平行なチューブによって設けることができ、このチューブはそ
れぞれの壁によって形成される。しかしながら、支持構造150が、ボール100の1つ
または複数の異なる横断面に沿ったハニカム構造も示す3次元設計を含むことも可能であ
る。さらなる可能な実施形態が当業者に自明である。
【0176】
任意の望ましくない不均衡のない、釣合いのとれたボール100を提供することができ
るように、支持構造150がある程度の対称性を有することが有利となり得る。しかしな
がら、前述したように、ボウリングまたはボウルズなどの特定の適用分野の場合には、そ
のような不均衡をボール100に与えることが望ましいとされ得る。
【0177】
支持構造150が、特定の対称角度の回転に関して少なくとも1つの回転対称性を有す
ることが特に有利となり得、この回転は、ボール100の中心を通って延びる対称軸の周
りの回転であってもよい。対称性は、例えば、2面、3面、4面、5面、6面、または連
続回転の対称性であってもよく、すなわち、対称角度は、180°、120°、90°、
72°、60°、または任意の角度になり得る。
【0178】
例えば、
図3aに示す実施形態の支持構造150は、まず、ボール100の中心を通る
像平面に垂直な対称軸の周りの180°の回転に関して対称となる。さらに、球形シェル
155が像平面にある共通のバー157によって連結されると、支持構造150は、像平
面にあってバー157の方向に延びる、ボール100の中心を通る対称軸の周りの任意の
回転に関して対称となる。
【0179】
それに対して、
図3bに示す実施形態では、ボール100の壁またはバー157が、像
平面に垂直な、ボール100の中心を通って延びる対称軸に対して互いの間に同一の角度
αを有する。図示した場合には、角度α=72°であり、支持構造150がこの対称軸に
対して5面の対称性を有する。
【0180】
ハニカム構造の適切な設計およびキャビティ120内への適切な配置により、
図3cに
示すボール100の実施形態の支持構造150は、像平面に垂直な、ボール100の中心
を通る対称軸の周りに、回転対称性、例えば6面の回転対称性を有することもできる。
【0181】
支持構造150は、場合によって第1の層110と共に、1つまたは複数のガス、例え
ば空気または窒素を充填可能な1つまたは複数のチャンバ160を画成することができる
。基本的に1つまたは複数のガスを透過しないチャンバ160の壁が設けられると、ガス
をチャンバ160内で大気圧より高く維持することもできる。
【0182】
これにより、キャビティ120を、チャンバ160によって個々の領域またはセルに細
分することができる。これにより、ボール100の弾性特性を、特に正確に、簡単な膨張
式ブラダを用いる場合に可能なよりも正確に制御することができる。このトピックについ
てのさらなる詳細は、
図1cおよび
図1iの説明の文脈でさらに前述した。
【0183】
基本的にガスを透過しないチャンバ160の壁をそのような方法で達成するために、支
持構造150自体の少なくとも一部、および/または支持構造150の一部と第1の層1
10の少なくとも一部とを一体部品として一体に製造することが可能である。このために
、支持構造150の粒子の表面および第1の層110の粒子の表面を、例えば、製造中に
互いに直接結合させることができ、そこで支持構造150が第1の層110に接する。一
実施形態では、ボール100の複数の別個の部分要素が最初に製造され、続いて、完成し
た支持構造150または完成したボール100に仕上げられる。各々の場合に、ボールカ
ーカスのない、特に膨張式ブラダのないボール100を設けてもよいことが、ボール10
0の利点となり得る。したがって、第1の層110および支持構造150が発泡材料の粒
子を含むことができ、そのような発泡材料自体が優れた弾性特性を提供できることが、有
利な方法において重要となり得る。
【0184】
しかしながら、支持構造150を、発泡材料の粒子を含む第1の層110なしで使用し
ても、その逆であってもよい。支持構造150を、例えば、従来のボールパネルと組み合
わせて使用してもよい。
【0185】
この点で、これまでの明確な実施形態は、少なくとも略球形形状を有するすべての関連
するボール100を示すことに留意されたい。しかしながら、本発明は、他の幾何形状を
有するボール、例えばラグビーボールおよびアメリカンフットボール用のボールを含んで
もよい。
【0186】
図4a~
図4bおよび
図5a~
図5bでは、前述したボール100を製造する本発明の
方法200の実施形態が示される。しかしながら、
図4a~
図4bおよび
図5a~
図5b
は概略図に過ぎず、実際に方法200を行う際に直面する実際の寸法を必ずしも表してい
ない。
【0187】
図4a~
図4bに示す実施形態では、方法200は、発泡材料の粒子210を回転金型
220に装填することを含む。その後、ボール100の少なくとも一部を回転成形する2
30。結果として生じる遠心力を用いて、および熱エネルギーの影響下で、粒子210を
回転金型220に押し付け、同時にその表面を融着して、キャビティ120が中心にある
第1の層110を有する一体型のボール100を作製することができる。方法200は、
回転成形230による複数の層の連続製造を含んでもよい。
【0188】
別の実施形態では、方法200は、発泡材料の粒子210を含み、続いて組み立てられ
てボール100を少なくとも部分的に形成する、パネル117、118、および119の
ような複数のボールパネルの製造を含む。
【0189】
前述したように、一実施形態では、個々のボールパネル117、118、119の製造
が、高周波(HF)溶着、例えば無線周波(RF)溶着および/または赤外線(IR)溶
着を用いて粒子を結合することを含む。例えば、個々のボールパネル117、118、1
19の製造は、RF融着を用いて粒子の表面を融着することを含んでもよい。
【0190】
所与のボール100のボールパネル117、118、119のすべてをこのようにして
製造してもよく、またはパネルの一部のみをこのようにして製造し、ボールの他のパネル
を、例えば以下で説明するような異なる方法を使用して製造する。
【0191】
さらに、HF溶着、RF溶着、RF融着および/またはIR溶着の使用は、ボールパネ
ル117、118、119を含むボール100の製造に限定されず、何度も前述したよう
に、本発明のボール100の他の実施形態の製造に使用してもよい。
【0192】
図5a~
図5bでは、個々のボールパネル117の製造の別の実施形態が示される。実
施形態は、発泡材料の粒子210を金型250に装填するステップ(装填は明確に図示さ
れていない)と、粒子210を金型250内で圧縮成形するステップとを含む。粒子21
0を金型に装填する前に、方法200は、ここで示す実施形態において、第1の箔材料を
金型250内に形成することを含む。
図5a~
図5bに示す場合のように、第1の箔材料
はプラスチック箔材料170であってもよい。金型250でのプラスチック箔材料170
の形成は、この場合、金型250の真空ライン255を用いたプラスチック箔材料170
の深絞り260によって行われる。
【0193】
プラスチック箔材料170が、パネル117の外面111の上、およびしたがって、ボ
ール100の組立て状態(例えば
図2d参照)における、ボール100の「外皮層」を形
成するボール100の外向き面101の上に位置して、したがってボール100の外観お
よび性能に影響を与えることができるように、金型250を設計してもよい。プラスチッ
ク箔材料170は、例えば、パネル117およびしたがってボール100の耐摩耗性を高
め、または装飾の目的を果たすことができる。
【0194】
圧縮成形をレーザバリオサーム法で行ってもよい。バリオサーム法は、金型250の表
面に非常に近接して配置された加熱チャネルおよび冷却チャネルを有する。これにより、
金型250の表面を迅速に加熱および冷却することができる。可能な加熱および冷却の範
囲は、20秒で100ケルビンである。一部の成形構成では、加熱チャネル構成を特定の
加熱機器および液体と組み合わせることも可能である。
【0195】
金型250の表面は80℃~200℃の温度、例えば100℃~180℃の温度、また
は135℃~145℃の温度であってもよい。これは、個々のボールパネル117の離型
前の、パネル117の製造のためのプロセスサイクル時間を大幅に短くすることができる
という利点を有する。例えば、離型前の時間は5分未満であってもよく、さらには3分未
満であってもよい。
【0196】
粒子210を金型250に装填する前に第1の箔材料を金型250内に形成する代わり
に、粒子210の圧縮成形後に第1の箔材料を施してもよい。
【0197】
加えて、方法200は、方法のさらなる可能な実施形態において、第2の箔材料をパネ
ル117、118、119の一部または全部に施すこと、特に第2の箔材料をパネル11
7、118、119の一部または全部の上に真空形成することを含んでもよい。あるいは
または加えて、方法200は、例えばボールパネル117、118、119を組み立てた
後に、ボール100の外向き面101、特にボールパネル117、118、119の一部
または全部の外面111に吹付け材料を施すことを含んでもよい。これにより、多層フィ
ルムを有するパネル面を形成することができる。フィルムの異なる層は異なる特性を有す
ることができる。多層フィルムは、耐摩耗層を含んでもよい。多層フィルムは耐紫外線層
を含んでもよい。多層フィルムは、表面の光学特性を修正するための層を含んでもよい。
【0198】
成形時のパネル117、118、119の加工中に箔層を施すのではなく、発泡粒子2
10がパネル117、118、119に形成された後に吹付け塗りとして施すことも考え
られる。
【0199】
より厚い層を成形するときに、DE102012206094A1またはEP2649
896A2に記載されたような蒸気成形を用いて、熱エネルギーを与えることにより粒子
210を融着してもよい。
【0200】
発泡材料の中実ボール100を作製するときに、ボール100をセグメントとして作り
、溶融結合または赤外線溶着または接着によってセグメントを共に融着することがさらに
可能である。
【0201】
再び、方法200で使用される粒子210の発泡材料は、以下の材料、すなわち、発泡
熱可塑性ポリウレタン(eTPU)、発泡ポリエーテルブロックアミド(ePEBA)、
発泡ポリアミド(ePA)、発泡ポリプロピレン(ePP)、発泡ポリスチレン(ePS
)、発泡エチレンビニルアセテート(eEVA)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0202】
製造の一部の方法において、発泡材料の層110、180、181、182および/ま
たはパネル117、118、119を、溶融結合によりボール100のカーカス130に
結合してもよい。
【0203】
以下で、本発明の理解を容易にするために、さらなる例について説明する。
【0204】
1.発泡材料の粒子(210)を含むボール(100)、特にサッカーボール。
【0205】
2.発泡材料が、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタン、eTPU、発泡
ポリエーテルブロックアミド、ePEBA、発泡ポリアミド、ePA、発泡ポリプロピレ
ン、ePP、発泡ポリスチレン、ePS、発泡エチレンビニルアセテート、eEVAの少
なくとも1つを含む、例1に記載のボール(100)。
【0206】
3.粒子(210)が表面で互いに結合され、特に融着される、例1または2に記載の
ボール(100)。
【0207】
4.プラスチックコーティングおよび/またはプラスチック箔材料(170)が、ボー
ル(100)の外向き面(101)に配置される、例1~3のいずれか1つに記載のボー
ル(100)。
【0208】
5.ボール(100)の外向き面(101)および/または例4のプラスチックコーテ
ィングおよび/または例4のプラスチック箔材料(170)が、テクスチャ面(text
ured surface)を含む、例1~4のいずれか1つに記載のボール(100)
。
【0209】
6.特に外側シェルとして設けられた、発泡材料の粒子(210)の少なくとも第1の
層(110)を含む、例1~5のいずれか1つに記載のボール(100)。
【0210】
7.特に発泡材料の粒子(210)を有する複数の層(110、180、181、18
2)を含む、例6に記載のボール(100)。
【0211】
8.層(110、180、181、182)の厚さおよび/または層(110、180
、181、182)の材料の組成、特に粒子(210)の発泡材料の組成、および/また
は層(110、180、181、182)の製造のための少なくとも1つのプロセスパラ
メータが、複数の層(110、180、181、182)の少なくとも1つの間で変化す
る、例7に記載のボール(100)。
【0212】
9.第1の層(110)が、0.5mm~10mmの範囲、好ましくは1mm~5mm
の範囲の厚さを有する、例6~8のいずれか1つに記載のボール(100)。
【0213】
10.第1の層(110)が、発泡材料の粒子(210)を有する複数のボールパネル
(117、118、119)を含む、例6~9のいずれか1つに記載のボール(100)
。
【0214】
11.3次元に予め形成されたボールパネル(117、118、119)を組み立てる
ことにより、少なくとも部分的に製造可能である、例10に記載のボール(100)。
【0215】
12.少なくとも1つのキャビティ(120)を含み、第1の層(110)がキャビテ
ィ(120)の周りに配置される、例6~11のいずれか1つに記載のボール(100)
。
【0216】
13.第1の層(110)が、キャビティ(120)を囲むボールカーカス(130)
上に配置される、例12に記載のボール(100)。
【0217】
14.ボールカーカス(130)が膨張式ブラダ(131)を含む、例13に記載のボ
ール(100)。
【0218】
15.キャビティ(120)に、大気圧より高い少なくとも1種類のガスが充填される
、例12~14のいずれか1つに記載のボール(100)。
【0219】
16.発泡材料の粒子(210)を有する支持構造(150)、特に弾性支持構造(1
50)を含む、例1~15のいずれか1つに記載のボール(100)。
【0220】
17.支持構造(150)が、キャビティ内で延びる壁、キャビティ内で延びるバー(
157)、およびキャビティ内で延びる内側シェル(155)の少なくとも1つを含む、
例12~15のいずれか1つと組み合わせられた例16に記載のボール(100)。
【0221】
18.支持構造(150)が少なくとも1つの球形内側シェル(155)を含む、例1
6または17に記載のボール(100)。
【0222】
19.支持構造(150)が、反復立体構造を有する少なくとも1つの領域を含む、例
16~18のいずれか1つに記載のボール(100)。
【0223】
20.支持構造(150)が、ボール(100)の中心を通って延びる対称軸の周りの
対称角度(α)の回転に関して、少なくとも1つの回転対称性を有する、例16~19の
いずれか1つに記載のボール(100)。
【0224】
21.対称角度(α)が、120°、90°、72°、60°、または連続回転のうち
の1つである、例20に記載のボール(100)。
【0225】
22.第1の層(110)および/または支持構造(150)が、少なくとも1つのチ
ャンバ(160)を画成し、好ましくは、少なくとも1つのチャンバ(160)に、大気
圧より高い少なくとも1種類のガスが充填される、例6~21のいずれか1つに記載のボ
ール(100)。
【0226】
23.第1の層(110)の少なくとも一部と支持構造(150)の少なくとも一部と
が、一体部品として一体に製造される、例22に記載のボール(100)。
【0227】
24.中実ボールである、例1~11のいずれか1つに記載のボール(100)。
【0228】
25.非発泡材料のコア(190)を含む、例24に記載のボール(100)。
【0229】
26.膨張式ブラダ(131)を含まない、例1~13または15~25のいずれか1
つに記載のボール(100)。
【0230】
27.例1~26のいずれか1つに記載のボール(100)を製造する方法(200)
。
【0231】
28.発泡材料の粒子(210)を回転金型(220)に装填することと、ボール(1
00)の少なくとも一部を回転成形(230)することとを含む、ボール(100)を製
造する方法(200)。
【0232】
29.回転成形(230)による複数の層(110、180、181、182)の連続
製造を含む、例28に記載の方法(200)。
【0233】
30.発泡材料の粒子(210)を含み、かつ組み立てられて少なくとも部分的にボー
ル(100)を形成する複数のボールパネル(117、118、119)の製造を含む、
ボール(100)を製造する方法(200)。
【0234】
31.個々のボールパネル(117、118、119)の製造が、発泡材料の粒子(2
10)を金型(250)に装填するステップと、粒子(210)を金型(250)内で圧
縮成形するステップとを含む、例30に記載の方法(200)。
【0235】
32.圧縮成形が、レーザバリオサーム法により行われる圧縮成形を含む、例31に記
載の方法(200)。
【0236】
33.粒子(210)を金型(250)に装填する前に、第1の箔材料を金型(250
)内に形成すること、特に第1の箔材料を金型(250)内に真空形成(260)するこ
とをさらに含む、例31または32に記載の方法(200)。
【0237】
34.圧縮成形が、80℃~200℃の温度、好ましくは100℃~180℃の温度、
特に好ましくは135℃~145℃の温度で行われる、例31~33のいずれか1つに記
載の方法(200)。
【0238】
35.個々のボールパネル(117、118、119)の離型前の、パネル(117、
118、119)の製造のためのプロセスサイクル時間が、5分未満、好ましくは3分未
満である、例31~34のいずれか1つに記載の方法(200)。
【0239】
36.第2の箔材料をパネル(117、118、119)の一部または全部に施すこと
、特に第2の箔材料をパネル(117、118、119)の一部または全部の上に真空形
成することをさらに含む、例30~35のいずれか1つに記載の方法(200)。
【0240】
37.発泡材料が、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタンeTPU、発泡
ポリエーテルブロックアミドePEBA、発泡ポリアミドePA、発泡ポリプロピレンe
PP、発泡ポリスチレンePS、発泡エチレンビニルアセテートeEVAの少なくとも1
つを含む、例28~36のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
38.吹付け材料をボール(100)の外向き面(101)、特にボールパネル(11
7、118、119)の一部または全部の外面に施すことをさらに含む、例28~37の
いずれか1つに記載の方法。
【0242】
図示し前述した構成要素の異なる配置と共に、図示または記載しない構成要素およびス
テップが可能である。同様に、一部の特徴およびサブコンビネーションが有用であり、他
の特徴およびサブコンビネーションと関係なく使用してもよい。本発明の実施形態は、限
定のためではなく例示のために記載されたものであり、代替実施形態が本特許の読者に明
らかになろう。したがって、本発明は、前述し図示した実施形態に限定されず、後述する
特許請求の範囲から逸脱することなく様々な実施形態および修正が可能である。
【符号の説明】
【0243】
100 ボール
101 外向き面
110 第1の層
111 外面
112 区切り面
115 孔
117、118、119 ボールパネル
120 キャビティ
130 ボールカーカス
131 膨張式ブラダ
135 弁ユニット
150 支持構造
155 内側シェル
157 バー
159 要素
160 チャンバ
170 プラスチック箔材料
180、181、182 層
190 コア
200 方法
210 粒子
220 回転金型
230 回転成形
250 金型
260 深絞り
α 対称角度
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡材料の粒子から成る少なくとも1つの外側シェルと、
少なくとも1つのキャビティと、
前記外側シェルを支持する支持構造とを含むボールであって、
前記外側シェルが前記キャビティの周りに配置され、
前記支持構造の間に前記キャビティが配置され、
前記粒子は特定のパターンで配置される、
ボール。
【請求項2】
前記支持構造が、反復単位または単位セルを含む、請求項1に記載のボール。
【請求項3】
互いに隣接して配置されて、前記支持構造の少なくとも1つの領域を形成する、複数の単位セルを含む、請求項1または2に記載のボール。
【請求項4】
前記支持構造が単位セルを含み、前記単位セルは、同一の立体形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のボール。
【請求項5】
前記支持構造が単位セルを含み、前記単位セルは、それぞれのサイズが変化する、請求項1から3のいずれか一項に記載のボール。
【請求項6】
前記発泡材料が、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタンeTPU、発泡ポリエーテルブロックアミド、ePEBA、発泡ポリアミドePA、発泡ポリプロピレン、ePP、発泡ポリスチレン、ePS、発泡エチレンビニルアセテート、eEVAの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれかに記載のボール。
【請求項7】
前記粒子が互いに結合される、請求項1から6のいずれかに記載のボール。
【請求項8】
プラスチックコーティングおよび/またはプラスチック箔材料が、前記ボールの外向き面に配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載のボール。
【請求項9】
前記ボールの外向き面および/または請求項8の前記プラスチックコーティングおよび/または請求項8の前記プラスチック箔材料が、テクスチャ面を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のボール。
【請求項10】
前記発泡材料の前記粒子の少なくとも第1の層を含み、前記第1の層は前記外側シェルとして設けられる、請求項1~9のいずれか一項に記載のボール。
【請求項11】
複数の層を含む、請求項10に記載のボール。
【請求項12】
前記層の厚さおよび/または前記層の材料の組成、および/または前記層の製造のための少なくとも1つのプロセスパラメータが、前記複数の層の少なくとも1つの間で変化する、請求項11に記載のボール。
【請求項13】
前記第1の層が、0.5mm~10mmの範囲の厚さを有する、請求項10~12のいずれか一項に記載のボール。
【請求項14】
前記第1の層が、前記発泡材料の前記粒子を有する複数のボールパネルを含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のボール。
【請求項15】
3次元に予め形成されたボールパネルを組み立てることにより、少なくとも部分的に製造可能である、請求項14に記載のボール。
【請求項16】
少なくとも1つのキャビティを含み、前記第1の層が前記キャビティの周りに配置される、請求項10~15のいずれか一項に記載のボール。
【請求項17】
前記第1の層が、前記キャビティを囲むボールカーカス上に配置される、請求項16に記載のボール。
【請求項18】
前記ボールカーカスが膨張式ブラダを含む、請求項17に記載のボール。
【請求項19】
前記キャビティに、大気圧より高い少なくとも1種類のガスが充填される、請求項16~18のいずれか一項に記載のボール。
【請求項20】
前記発泡材料の前記粒子を有する支持構造を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のボール。
【請求項21】
前記支持構造が、前記キャビティ内で延びる壁、前記キャビティ内で延びるバー、および前記キャビティ内で延びる内側シェルの少なくとも1つを含む、請求項16~19のいずれか一項と組み合わせられた請求項20に記載のボール。
【請求項22】
前記支持構造が少なくとも1つの球形内側シェルを含む、請求項20または21に記載のボール。
【請求項23】
前記支持構造が、反復立体構造を有する少なくとも1つの領域を含む、請求項20~22のいずれか一項に記載のボール。
【請求項24】
前記支持構造が、前記ボールの中心を通って延びる対称軸の周りの対称角度(α)の回転に関して、少なくとも1つの回転対称性を有する、請求項20~23のいずれか一項に記載のボール。
【請求項25】
前記対称角度(α)が、120°、90°、72°、60°、または任意の角度のうちの1つである、請求項24に記載のボール。
【請求項26】
前記第1の層および/または前記支持構造が、少なくとも1つのチャンバを画成し、前記少なくとも1つのチャンバに、大気圧より高い少なくとも1種類のガスが充填される、請求項10~25のいずれか一項に記載のボール。
【請求項27】
前記第1の層の少なくとも一部と前記支持構造の少なくとも一部とが、一体部品として一体に製造される、請求項26に記載のボール。
【請求項28】
非発泡材料のコアを含む、請求項1に記載のボール。
【請求項29】
膨張式ブラダを含まない、請求項1~17または19~28のいずれか一項に記載のボール。
【請求項30】
発泡材料の粒子を回転金型に装填し、前記発泡材料の粒子が充填された回転金型を用いて前記ボールの少なくとも一部を回転成形することを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載のボールを製造する方法。
【請求項31】
回転成形により複数の層を連続的に製造する工程を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
発泡材料の粒子を含み、かつ組み立てられて少なくとも部分的に前記ボールを形成する複数のボールパネルの製造を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のボールを製造する方法。
【請求項33】
個々のボールパネルの前記製造が、前記発泡材料の粒子を金型に装填するステップと、前記粒子を前記金型内で圧縮成形するステップとを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記圧縮成形が、レーザバリオサーム法により行われる圧縮成形を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
第1の箔材料を前記金型内に形成することをさらに含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記圧縮成形が80℃~200℃の温度で行われる、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
個々のボールパネルの離型前の、前記ボールパネルの製造のためのプロセスサイクル時間が、5分未満である、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
第2の箔材料を前記ボールパネルの一部または全部に施すことをさらに含む、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記発泡材料が、以下の材料、すなわち、発泡熱可塑性ポリウレタンeTPU、発泡ポリエーテルブロックアミドePEBA、発泡ポリアミドePA、発泡ポリプロピレンePP、発泡ポリスチレンePS、発泡エチレンビニルアセテートeEVAの少なくとも1つを含む、請求項30~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
吹付け材料を前記ボールの外向き面に施すことをさらに含む、請求項30~39のいずれか一項に記載の方法。