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特開2022-185110C-KIT阻害剤としてのベンズイミダゾール化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185110
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】C-KIT阻害剤としてのベンズイミダゾール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20221206BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221206BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221206BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221206BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20221206BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20221206BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20221206BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221206BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20221206BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20221206BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221206BHJP
   C07D 235/06 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P25/00
A61P11/06
A61P19/02
A61P37/08
A61P43/00 105
C07D401/14
C07D403/04
C07D405/14
A61K31/4184
A61K31/4439
A61K31/444
A61K31/4545
A61K31/496
A61K31/5377
C07D235/06
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163367
(22)【出願日】2022-10-11
(62)【分割の表示】P 2019531992の分割
【原出願日】2017-12-14
(31)【優先権主張番号】62/434,839
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.LABRASOL
(71)【出願人】
【識別番号】505132024
【氏名又は名称】アリアド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス イー. ベンシベンガ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シー. ダルガルノ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エム. ゴズギット
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ-シェン フアン
(72)【発明者】
【氏名】アナ コールマン
(72)【発明者】
【氏名】フェン リ
(72)【発明者】
【氏名】ジウェイ チー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム シー. シェイクスピア
(72)【発明者】
【氏名】ラニー エム. トーマス
(72)【発明者】
【氏名】イーハン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ザン
(72)【発明者】
【氏名】シャオティアン ジュー
(57)【要約】
【課題】C-KIT阻害剤としてのベンズイミダゾール化合物の提供。
【解決手段】本発明は、癌、およびその他のセリン-スレオニンキナーゼ媒介性疾患を治療するのに有用なc-Kit阻害剤に関し、以下の式を有する:
式中、A、L、R、R、R、およびnは本明細書に記載されている。本発明は、c-Kitに関連する疾患または障害の治療に有用なチロシンタンパク質キナーゼKit(c-Kit)の阻害剤を対象とする。具体的には、本発明は、c-Kitを阻害する化合物および組成物、c-Kitに関連する疾患または障害を治療するための方法、およびこれらの化合物の合成方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月15日に出願された米国特許仮出願第62/434,839号に対する優先権を主張するものであり、この仮出願の全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、c-Kitに関連する疾患または障害の治療に有用なチロシンタンパク質キナーゼKit(c-Kit)の阻害剤を対象とする。具体的には、本発明は、c-Kitを阻害する化合物および組成物、c-Kitに関連する疾患または障害を治療するための方法、およびこれらの化合物の合成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)イマチニブがKitを阻害するという発見、および治療としてのその導入は、胃腸間質腫瘍(GIST)の臨床管理を変革した(Corless、C.L.et al.,Nat.Rev.Cancer 2011、11:865~78)。それにもかかわらず、ほとんどのイマチニブ治療を受けた患者は、二次的な、薬剤耐性のKIT変異を持つクローンの増殖により、最終的に再発する(Heinrich、M.C.,et al.,J.Clin.Oncol.2006、24:4764~74)。二次変異は、典型的には、エクソン13および14によってコードされるATP結合ポケット、ならびにエクソン17および18によってコードされる活性化ループ(A-ループ)で出現する。イマチニブ耐性GISTの治療の課題は、患者が異なる腫瘍病変、または同じ病変の異なる領域内でさえも、複数の異なる二次変異を抱えることがあるため、変異の不均一性によって複雑になる(Wardelmann E.,et al.Clin.Cancer Res.2006、12:1743~9)。
【0004】
イマチニブ耐性腫瘍を有するGIST患者は、スニチニブで治療され、これは強力にKIT ATP-ポケット変異体を阻害する(Heinrich、M.C.,et al.、J Clin Oncol 2008;26:5352~9)。しかしながら、スニチニブはAループ変異体に対して効果がなく、Aループ変異体はイマチニブ耐性変異の50%を占める。このことは、奏功率(ORR)が低く(7%)、無増悪生存期間(PFS)の中央値が短い理由を説明し得る(6.2ヶ月、Demetri、G.D.、et al.、Lancet 2006;368:1329~38)。レゴラフェニブは最近第三選択治療として承認されたが、4,5%のORRおよび4.8ヶ月のPFS中央値を伴う、中程度の活性のみを示す(Demetri、G.D.、et al.、Lancet 2013;381:295-302)。レゴラフェニブのKit阻害性特性はまだよく分析されていないが、臨床および初期の前臨床データの両方が、限定的な感受性KIT変異体の範囲を示唆している(George、S.,et al.,J.Clin.Oncol.2012、30:2401~7;Serrano-Garcia、C.,et al.,ASCO Meeting Abstracts 2013;31(15_suppl):10510)。したがって、特にAループにおける、KITの耐性変異体を克服するために追加的な薬剤が必要とされる。
Kit阻害剤イマチニブ、スニチニブ、およびレゴラフェニブは、効果的なGIST療法であるが、多くの患者はポリクローナル二次Kit変異体の体細胞獲得によるこれらの薬物に対する耐性を発揮する。潜在的なATP結合ポケットおよびAループ二次変異体の完全なセットに対する任意の単一剤の有効性の欠如は、後期段階患者における長期の完全な疾患制御の達成を困難にする。この満たされていない医療ニーズに対処するために、Aループ内のものを含む、広範囲の一次的、および二次的なKit変異体を標的とする化合物が本明細書に提示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Corless、C.L.et al.,Nat.Rev.Cancer 2011、11:865~78
【非特許文献2】Heinrich、M.C.,et al.,J.Clin.Oncol.2006、24:4764~74
【非特許文献3】Wardelmann E.,et al.Clin.Cancer Res.2006、12:1743~9
【非特許文献4】Heinrich、M.C.,et al.、J Clin Oncol 2008;26:5352~9
【非特許文献5】Demetri、G.D.、et al.、Lancet 2006;368:1329~38
【非特許文献6】Demetri、G.D.、et al.、Lancet 2013;381:295-302
【非特許文献7】George、S.,et al.,J.Clin.Oncol.2012、30:2401~7
【非特許文献8】Serrano-Garcia、C.,et al.,ASCO Meeting Abstracts 2013;31(15_suppl):10510
【発明の概要】
【0006】
本開示は、効果的c-Kit阻害剤としての新規ベンズイミダゾール化合物および薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0007】
本発明の第一の態様は、式(I)の化合物:
【化1】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体に関連し、
式中、
Lは-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
Aは(C~C10)アリール、または5~10員のヘテロアリールであり、ここでアリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、
は水素であり、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノであり、
は水素、(C~C)アルキル、-(C(R6a-(C~C)シクロアルキル、-(C(R6a-ヘテロシクロアルキルであって、ここでヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、-(C(R6a-(C~C10)アリール、または-(C(R6a-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでアルキルは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、
各Rは、各出現において独立して(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、
(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、またはOHであり、
各Rは各出現において独立して(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、
(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、-OH、CN、(C~C)シクロアルキル、
-(C(R6b-NH、-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、
-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、各置換基は、(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および
(C~C)ジアルキルアミノから独立して選択され、
は、水素、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルであり、
各R6aおよびR6bは独立して水素または(C~C)アルキルであり、
は、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-NH、(C~C)アルキルアミノ、
(C~C)ジアルキルアミノ、または-C(O)N(Rであり、
各Rは独立して水素、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルであり、
各Rは各出現において独立して(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、-C(O)H、
-C(O)(C~C)アルキル、または、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員のヘテロシクロアルキル環であり、ここでヘテロシクロアルキルが、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、置換基が、(C~C)アルキル、-C(O)H、または
-C(O)(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択され、およびここでアルキルは、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルコキシ、-OH、(C~C)ハロアルコキシ、-NH
(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択され、
各n、p、およびqは、独立して0、1または2である、化合物。
【0008】
本発明の第二の態様は、c-Kit媒介性疾患または障害を治療する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の有効量を投与することを含む。
【0009】
本発明の別の態様は、c-Kit媒介性疾患または障害を予防する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の有効量を投与することを含む。
【0010】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の有効量を投与することを含む。
【0011】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患または障害を治療する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の有効量を投与することを含む。
【0012】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患または障害を予防する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の有効量を投与することを含む。
【0013】
本発明の別の態様は、癌治療方法に関する。方法は、それを必要とする患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の有効量を投与することを含む。
【0014】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体、ならびに薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を対象とする。薬学的に許容可能な担体はさらに、賦形剤、希釈剤、または界面活性剤を含み得る。
【0015】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患を治療するための医薬の製造に使用するための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体に関する。
【0016】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患を予防するための薬剤の製造に使用するための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体に関連する。
【0017】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患の治療における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の使用に関する。
【0018】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患の予防における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の使用に関する。
【0019】
本発明はさらに、癌および細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、および代謝障害を含むc-Kitの調節に関連する疾患または障害を治療または予防する方法をさらに提供し、これらの疾患または障害のうちの少なくとも一つに罹患している患者に対し、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体を投与することを含む。
【0020】
本発明は、癌および細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、および代謝障害などの疾患の治療における治療剤であるc-Kit阻害剤を提供する。
【0021】
本開示は、癌および細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、肥満細胞症、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、自己免疫性病因、および代謝障害を含むさまざまな種類の疾患の治療における、c-Kit酵素に対する新規な機構の作用を伴う薬剤を提供する。最終的に本発明は、医学界に、c-Kitに関連する疾患および障害の治療のための新規の薬理学的戦略を提供する。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
式(I)の化合物:
【化18】

またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体であって、
式中、
Lは-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
Aは(C~C10)アリール、または5~10員のヘテロアリールであり、前記アリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、
は水素、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノであり、
は水素、(C~C)アルキル、-(C(R6a-(C~C)シクロアルキル、-(C(R6a-ヘテロシクロアルキルであって、前記ヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択された1~3個のヘテロ原子、-(C(R6a-(C~C10)アリール、または-(C(R6a-ヘテロアリールを含み、前記ヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、前記アルキルは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、
各Rは、各出現において独立して(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、
(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、またはOHであり、
各Rは各出現において独立して(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、
(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、-OH、CN、(C~C)シクロアルキル、
-(C(R6b-NH、-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、
-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、前記ヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、前記ヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、各置換基は、(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および
(C~C)ジアルキルアミノから独立して選択され、
は、水素、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルであり、
各R6aおよびR6bは独立して水素または(C~C)アルキルであり、
は(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-NH、(C~C)アルキルアミノ、
(C~C)ジアルキルアミノ、または-C(O)N(Rであり、
各Rは独立して水素、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルであり、
各Rは各出現において独立して(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、-C(O)H、
-C(O)(C~C)アルキル、または、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員のヘテロシクロアルキル環であり、前記ヘテロシクロアルキルが、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、置換基が、(C~C)アルキル、-C(O)H、または
-C(O)(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択され、および前記アルキルは、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルコキシ、-OH、(C~C)ハロアルコキシ、-NH
(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択され、
各n、p、およびqは、独立して0、1または2である、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体。
(項目2)
Lが-C(O)NR-である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
Lが-NRC(O)-である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
が(C~C)アルキルまたはハロゲンである、項目1~3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目5)
がメチルまたはFである、項目1~4のいずれか一項に記載の化合物。
(項目6)
がメチルである、項目1~5のいずれか一項に記載の化合物。
(項目7)
が水素である、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物。
(項目8)
Aが、一つまたは二つのRで任意選択的に置換される(C~C10)アリールである、項目1~7のいずれか一項に記載の化合物。
(項目9)
Aが、一つまたは二つのRで任意選択的に置換される6員のヘテロアリールである、項目1~8のいずれか一項に記載の化合物。
(項目10)
Aが、一つまたは二つのRで任意選択的に置換されるフェニルまたはピリジニルである、項目1~9のいずれか一項に記載の化合物。
(項目11)
Aが、一つのRで置換されるフェニルまたはピリジニルである、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物。
(項目12)
Aが、二つのRで置換されるフェニルまたはピリジニルである、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物。
(項目13)
が水素である、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目14)
nが0である、項目1~13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
nが1である、項目1~14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目16)
Aが、一つのRで置換されるフェニルまたはピリジニルであり、RがCFまたはシクロプロピルである、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
Aが、二つのRで置換されるフェニルまたはピリジニルであり、少なくとも一つのRがCFである、項目1~16のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
以下の式(Ia)もしくは(Ib)のうちの一つで表され、
【化19】

またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、もしくは互変異性体である、項目1に記載の化合物。
(項目19)
以下の式(Ic)、(Id)、(Ie)、もしくは(If)のうちの一つで表され、
【化20】
【化21】

またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、もしくは互変異性体である、項目1に記載の化合物。
(項目20)
以下の式(Ig)もしくは(Ih)のうちの一つで表され、
【化22】
【化23】

またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、もしくは互変異性体である、項目1に記載の化合物。
(項目21)
は水素である、項目20に記載の化合物。
(項目22)
nが1であり、Rがメチルである、項目20または21に記載の化合物。
(項目23)
は水素である、項目20~22のいずれか一項に記載の化合物。
(項目24)
一つのRは、(C~C)ハロアルキルであり、他のRは、CN、-(CH)-(C~C)ジアルキルアミノ、-ヘテロシクロアルキル、または-(CH)-ヘテロシクロアルキルであり、前記ヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択された1~3個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクロアルキルは一つまたは複数の(C~C)アルキルで任意選択的に置換される、項目20~23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目25)
一つのRがCFであり、他のRが、
CN、-(CH)-(C~C)ジアルキルアミノ、-ヘテロシクロアルキル、または-(CH)-ヘテロシクロアルキルであり、前記ヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択された1~3個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクロアルキルは一つまたは複数の(C~C)アルキルで任意選択的に置換される、項目20~24のいずれか一項に記載の化合物。
(項目26)
一つのRがCFであり、他のRが、
CN、-(CH)-N(CH、ピペラジニル、-(CH)-ピペラジニル、-(CH)-モルホリニル、または
-(CH)-ピロリジニルであり、前記ピペラジニル、モルホリノ、またはピロリジニルは、一つまたは複数の(C~C)アルキルで任意選択的に置換される、項目20~25のいずれか一項に記載の化合物。
(項目27)
一つのRが(C~C)アルキル、または
-(C(R6b-ヘテロアリールであって、前記ヘテロアリールが、5員または6員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、1~2個の(C~C)アルキルで置換される、項目20~25のいずれか一項に記載の化合物。
(項目28)
一つのRはCH、または
ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールが、5員または6員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、と、1~2個の(C~C)アルキルで置換される、項目20~26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目29)
一つのRが、CHまたは1~2個の(C~C)アルキルで置換されたピラゾリルである、項目20~26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目30)
以下の式(Ii)または(Ij)のうちの一つを有し、
【化24】

またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体を有する、項目1に記載の化合物。
(項目31)
は水素である、項目30に記載の化合物。
(項目32)
は(C~C)ハロアルキルである、項目30または31に記載の化合物。
(項目33)
はCFである、項目30~32のいずれか一項に記載の化合物。
(項目34)
nが1であり、Rがメチルであり、Rが水素であり、およびRが水素、CH、CHCH、-(CHN(CH、-(CHN(CH、-CHC(O)NH(CH)、
-(CHモルホリニル、-(CHOCH、メチルで置換されたピペリジニル、4-メチルピペラジンで任意選択的に置換されたフェニル、-CH-ピリジニル、シクロプロピル、メチルで置換されたトリアゾリル、またはメチルもしくはN-メチルピペリジニルで置換されたイミダゾリルである、項目30~33のいずれか一項に記載の化合物。
(項目35)
nが1であり、かつRがメチルであり、Rはメチルで任意選択的に置換されるピラゾリル、-(CHOH、-(CHOCH、-(CHN(CH
-(CHN(CHCH、モルホリニル、またはメチルもしくは-C(O)Hで任意選択的に置換されたピペリジニルである、項目30~33のいずれか一項に記載の化合物。
(項目36)
nが0または1であり、かつRがFであり、Rはメチルで任意選択的に置換されるピラゾリルである、項目30~33のいずれか一項に記載の化合物。
(項目37)
nが1であり、Rはメチルであり、RはNHであり、Rは水素である、項目30~34のいずれか一項に記載の化合物。
(項目38)
4-メチル-3-((1-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-(2-メトキシエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(2-モルホリノエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-ピリジン-3-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-シクロプロピル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、4-メチル-3-((1-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
N-(4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-(1-(1-ホルミルピペリジン-4-yl)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
N-(3-シクロプロピルフェニル)-4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド、
3-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-(1-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-メチル-3-((1-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
3-((1-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)ベンズアミド、
N-(3-((1-(1-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(3-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(3-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(3-((1-(1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(3-((1-(1-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(3-((1-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(ピロリジン-1-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N-(3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、
3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、
4-フルオロ-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド、および
N-(4-フルオロ-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドからなる群から選択される、項目1~37のいずれか一項に記載の化合物。
(項目39)
項目1~38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体、ならびに薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤または担体を含む、医薬組成物。
(項目40)
c-Kit媒介性疾患または障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に、項目1~38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の治療有効量を投与することを含む、方法。
(項目41)
前記cKit媒介性疾患または障害が、細胞増殖性障害、線維性障害、および代謝障害から選択される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記細胞増殖性障害が癌である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記癌が、白血病、肥満細胞腫、小細胞肺癌、精巣癌、胃腸管の癌、中枢神経系の癌、女性生殖管の癌、神経外胚葉性起源の肉腫、および神経線維腫症に関連するSchwann細胞腫瘍からなる群から選択される、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記癌が、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病(AML)、神経芽細胞腫、悪性黒色腫、結腸直腸癌、全身性肥満細胞症(SM)、および胃腸間質腫瘍(GIST)からなる群から選択される、項目42に記載の方法。
(項目45)
前記cKit媒介性疾患または障害が多発性硬化症である、項目40に記載の方法。
(項目46)
前記cKit媒介性疾患または障害が喘息である、項目40に記載の方法。
(項目47)
前記cKit媒介性疾患または障害がアレルギー反応である、項目40に記載の方法。
(項目48)
前記cKit媒介性疾患または障害が炎症性関節炎である、項目40に記載の方法。
(項目49)
前記cKit媒介性疾患または障害が肥満細胞症である、項目40に記載の方法。
(項目50)
c-Kitを調節する方法であって、項目1~38のいずれか一項に記載の化合物を対象に投与することを含む、方法。
(項目51)
c-Kitを阻害する方法であって、項目1~38のいずれか一項に記載の化合物を対象に投与することを含む、方法。
(項目52)
c-Kitが役割を果たす疾患を治療または予防する方法であって、その必要のある対象に、項目1~38のいずれか一項に記載の化合物の有効量を投与することを含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、c-Kitの活性を阻害することができる化合物および組成物に関する。本発明は、式(I)化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体の治療有効量を、その必要のある患者に投与することによって、c-Kitが役割を果たす疾患または障害を治療、予防、または改善する方法を特徴とする。本発明の方法は、c-Kit酵素の活性を阻害することにより、さまざまなc-Kit依存性疾患および障害の治療に使用することができる。c-Kitの阻害は、癌および転移を含むがこれに限定されない疾患の治療、予防、または改善に対する新規なアプローチを提供する。
【0023】
本発明の第一の態様では、式(I)の化合物:
【化2】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体が記載され、式中A、L、R、R、R、およびnは本明細書の上記で説明した通りである。
【0024】
本発明の詳細は、以下の添付の説明に記載されている。本明細書に記載の方法および材料と類似または同等の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および材料をこれから記述する。本発明のその他の特徴、目的、および利点は、説明および特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数も含む。本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、他に定義されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で引用されるすべての特許および出版物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
定義
冠詞「a」および「an」は、本開示において、冠詞の文法上の目的語の一つまたは複数(すなわち、少なくとも一つ)を指すために使用される。一例として、「要素」は一つの要素または複数の要素を意味する。
【0026】
「および/または」という用語は、本開示では、別段の指示がない限り、「および」または「または」のいずれかを意味するために使用される。
【0027】
「任意選択的に置換される」という用語は、所与の化学部分(例えば、アルキル基)が、他の置換基(例えば、ヘテロ原子)を結合できる(しかし、必要ではない)ことを意味することが理解される。例えば、任意選択的に置換されるアルキル基は、完全飽和アルキル鎖(すなわち、純粋な炭化水素)であり得る。別の方法として、任意選択的に置換されるアルキル基は、水素とは異なる置換基を有してもよい。例えば、それは、鎖に沿った任意の点で、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または本明細書に記載の任意の他の置換基に結合され得る。したがって、「任意選択的に置換される」という用語は、所与の化学部分が他の官能基を含む可能性があるが、必ずしもそれ以上の官能基を持つことはないことを意味する。記載された群の任意の置換に使用される適切な置換基には、ハロゲン、オキソ、-OH、-CN、-COOH、-CHCN、-O-(C~C)アルキル、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-O-(C~C)アルケニル、-O-(C~C)アルキニル、(C~C)アルケニル、
(C~C)アルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)(C~C)アルキル、-C(O)(C~C)アルキル、
-OC(O)O(C~C)アルキル、-NH、-NH((C~C)アルキル)、-N((C~C)アルキル)、-NHC(O)(C~C)アルキル、
-C(O)NH(C~C)アルキル、-S(O)(C~C)アルキル、-S(O)NH(C~C)アルキル、およびS(O)N((C~C)アルキル)が含まれるが、これに限定されない。置換基は任意選択的に置換できる。本明細書で使用される場合、「任意選択的に置換される」は、その意味が以下に記載される置換または非置換も指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、特定の基または部分が、一つまたは複数の適切な置換基を持つことを意味し、ここで置換基は一つまたは複数の位置で特定の基または部分に連結し得る。例えば、シクロアルキルで置換されたアリールは、シクロアルキルが結合で、またはアリールで融合して二つ以上の共通原子を共有することによって、アリールの一つの原子に連結することを示し得る。
【0029】
別途具体的に定義されない限り、「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニルまたはナフチルなどの単環式基または二環式基を含む、1~3個の芳香族環を有する環状の芳香族炭化水素基を指す。二つの芳香環(二環式など)を含む場合、アリール基の芳香環は、単一ポイント(例えば、ビフェニル)、または融合(例えば、ナフチル)で結合されてもよい。アリール基は、任意の結合点で、例えば、1~5個の置換基などの一つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されてもよい。例示的置換基には、-水素、-ハロゲン、-O-(C~C)アルキル、(C~C)アルキル、-O-(C~C)アルケニル、-O-(C~C)アルキニル、(C~C)アルケニル、(C~C)アルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)(C~C)アルキル、-C(O)(C~C)アルキル、-OC(O)O(C~C)アルキル、NH、NH((C~C)アルキル)、N((C~C)アルキル)、-S(O)-(C~C)アルキル、-S(O)NH(C~C)アルキル、およびS(O)N((C~C)アルキル)が挙げられるが、これらに限定されない。置換基は任意選択的に置換できる。さらに、二つの縮合環を含む場合、本明細書において定義されるアリール基は、不飽和環または完全飽和環と融合した部分飽和環を有してもよい。これらのアリール基の例示的な環構造には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナレニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフタレニル、テトラヒドロベンゾアヌレニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
別途具体的に定義されない限り、「ヘテロアリール」とは5~24個の環状原子の一価の単環式芳香族ラジカル、またはN、O、またはSから選択される一つまたは複数の環状ヘテロ原子を含む多環式芳香族ラジカルを意味し、残る環状原子はCである。本明細書で定義されるヘテロアリールはまた、ヘテロ原子がN、O、またはSから選択される二環式ヘテロ芳香族基も意味する。芳香族ラジカルは、本明細書に記載の一つまた複数の置換基と独立して任意選択的に置換されている。例には、フリル、チエニル、プロリル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、インドリル、チオフェン-2-イル、キノリル、ベンゾピラニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾール、インダゾール、ベンズイミダソリル、チエノ[3,2-b]チオフェン、トリアゾリル、トリアジニル、イミダゾ[1,2-b]ピラゾリル、フロ[2,3-c]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、インダゾリル、ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾチアジン、ジヒドロベンゾキサニル(dihydrobenzoxanyl)、キノリニル、イソキノリニル、1,6-ナフチリジニル、ベンゾ[de]イソキノリニル、ピリド[4,3-b][1,6]ナフチリジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、キナゾリニル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、イソインドリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-b]ピリジニル、イミダゾ[5,4-b]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、テトラヒドロ ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、3,4-ジヒドロ-2H-1λ-ピロロ[2,1-b]ピリミジン、ジベンゾ[b,d]チオフェン、ピリジン-2-オン、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、1H-ピリド[3,4-b][1,4]チアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル(benzoisoxazolyl)、フロ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチオフェニル、1,5-ナフチリジニル、フロ[3,2-b]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ベンゾ[1,2,3]トリアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[1,5-b][1,2]オキサジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、チアゾロ[5,4-d]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアゾリル、チエノ[2,3-b]ピロリル、3H-インドリル、およびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、二つの縮合環を含む場合、本明細書において定義されるアリール基は、不飽和環または完全飽和環と融合した部分飽和環を有してもよい。これらヘテロアリール基の例示的な環状構造には、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロベンゾチアジン、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾフラン、インドリニル、インドリル、およびジヒドロベンゾキサニルが含まれる。
【0031】
ハロゲンまたは「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0032】
アルキルは、1~12個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素を指す。(C~C)アルキル基の例には、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびイソヘキシルが含まれる。
【0033】
「アルコキシ」は、鎖内に末端「O」を含む1~12個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素、すなわち、-O(アルキル)を意味する。アルコキシ基の例としては、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、またはペントキシ基が挙げられる。
【0034】
「アルケニル」は、2~12個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖不飽和炭化水素を意味する。「アルケニル」基は、鎖内の少なくとも一つの二重結合を含む。アルケニル基の二重結合は、コンジュゲートされないか、または別の不飽和基にコンジュゲートされ得る。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、またはヘキセニルが含まれる。アルケニル基は非置換または置換されうる。本明細書に定義されるアルケニルは、直線または分岐であってもよい。
【0035】
「アルキニル」は、2~12個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖不飽和炭化水素を意味する。「アルキニル」基は、鎖内の少なくとも一つの三重結合を含む。アルケニル基の例には、エチニル、プロパルギル、n-ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、またはヘキシニルが含まれる。アルキニル基は非置換または置換されうる。
【0036】
「シクロアルキル」とは、3~18個の炭素原子を含む単環式飽和炭素環を意味する。シクロアルキル基の例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、シクロオクタニル、ノルボラニル、ノルボレニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、またはビシクロ[2.2.2]オクテニルが挙げられる。
【0037】
酸素、窒素、または硫黄から取られた炭素およびヘテロ原子を含む「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」単環式環であって、およびここで環状炭素またはヘテロ原子間で共有される非局在化π電子(芳香)は存在しない。ヘテロシクロアルキル環状構造は、一つまたは複数の置換基で置換されてもよい。置換基は任意選択的に置換できる。ヘテロシクリル環の例には、限定されないが、オキセタニル、アゼタジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル S-オキシド、チオモルホリニル S-ジオキシド、ピペラジニル、アゼピニル、オキセピニル、ジアゼピニル、トロパニル、オキサゾリジノニル、およびホモロトロパニルが挙げられる。
【0038】
用語「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基が一つまたは複数の-OH基で置換されている上記で定義されるアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の例には、HO-CH-、HO-CH-CH-およびCH-CH(OH)-が含まれる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、本明細書で定義されるように、一つまたは複数のハロゲンを置換するアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、トリクロロメチルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義されるように、一つまたは複数のハロゲンを置換するアルコキシ基を指す。ハロアルキル基の例としては、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、トリクロロメトキシなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用される場合、「アミン」という用語は、一級(R-NH、R≠H)、二級(R-NH、R≠H)、および三級(R-N、R≠H) アミン類を指す。置換アミンは、水素原子の少なくとも一つが置換基によって置換されているアミンを意味することを意図する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、少なくとも一つの窒素原子を含む置換基を意味する。具体的には、NH、-NH(アルキル)またはアルキルアミノ、-N(アルキル) またはジアルキルアミノ、アミド-、カルバミド-、尿素、およびスルファミド置換基が、「アミノ」という用語に含まれる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「アルキルアミノ」という用語は、ヒドロゲンのうちの一つが上記で定義されるアルキル基と置換されているアミノ基またはNH基、すなわち、-NH(アルキル)を指す。アルキルアミノ基の例としては、限定されないが、メチルアミノ(すなわち、-NH(CH))、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、などが挙げられる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「ジアルキルアミノ」という用語は、ヒドロゲンの両方が上記で定義されるアルキル基と置換されているアミノ基またはNH基、すなわち、-N(アルキル)を指す。アミノ基上のアルキル基は、同一または異なるアルキル基とすることができる。アルキルアミノ基の例としては、限定されないが、ジメチルアミノ(すなわち、-N(CH)、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ、ジ-sec-ブチルアミノ、ジ-tert-ブチルアミノ、メチル(エチル)アミノ、メチル(ブチルアミノ)などが挙げられる。
【0045】
「オキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、「=O」基を指す。
【0046】
「溶媒和物」という用語は、溶質および溶媒によって形成される可変化学量論の複合体を指す。本発明の目的のためのこうした溶媒は、溶質の生物活性を妨げない場合がある。適切な溶媒の例には、水、MeOH、EtOH、およびAcOHが含まれるが、これらに限定されない。水が溶媒分子である溶媒和物は、典型的には水和物と呼ばれる。水和物には、化学量論量の水を含む組成物、ならびに可変量の水を含む組成物が含まれる。
【0047】
「異性体」という用語は、同じ組成物および分子量を有するが、物理的および/または化学的特性が異なる化合物を指す。構造的差異は、構造(幾何異性体)、または偏光(立体異性体)の平面を回転させる能力であってもよい。立体異性体に関しては、式(I)の化合物は、一つまたは複数の不斉炭素原子を有してもよく、ラセミ体、ラセミ混合物、および個別のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして出現してもよい。
【0048】
本開示は、開示された化合物の有効量および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物も含む。代表的に、「薬学的に許容可能な塩」には、例えば酢酸塩、アムソネート(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、ベンゾネート、重炭酸塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラリエート(clavulariate)、ジヒドロクロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩(fumerate)、フィウナレート(fiunarate)、グルセプト酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコールリラルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキサフルオロりん酸塩、ヘキシルレソルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート(hydroxynaphtoate)、ヨウ化物、イソチオネート(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸、マグネシウム、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、ナプシレート(napsylate)、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエート、オレイン酸、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエート,エインボネート(einbonate))、パントテン酸、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート、トリエチオダイド(triethiodide)、および吉草酸塩などの例えば水溶性および非水溶性塩が含まれる。
【0049】
「患者」または「対象」は哺乳類であり、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、またはサル、チンパンジー、ヒヒもしくはアカゲザルなどの非ヒト霊長類である。
【0050】
化合物に関連して使用される場合、「有効量」は、本明細書に記載される対象の疾患の治療または予防に有効な量である。
【0051】
「担体」という用語は、本開示で使用される場合、担体、賦形剤、および希釈剤を包含し、一つの器官または体の一部分から、別の器官または対象の体の一部に、医薬剤を運搬または輸送することに関する、液体または固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料などの材料、組成物またはビヒクルを意味する。
【0052】
本明細書において使用される場合、「治療している」または「治療する」とは、疾患、状態、もしくは障害を、逆転させ、阻害し、または闘う目的のための患者の管理および介護を説明し、疾患、状態、もしくは障害を逆転するため、または疾患、状態、もしくは障害を除去するため、または疾患、状態、もしくは障害のプロセスを阻害するために、本開示の化合物(すなわち、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体または溶媒和物)の投与を含む。
【0053】
本開示の化合物(すなわち、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体、または溶媒和物)は、このような疾患、状態、もしくは障害、またはこのような疾患、状態、もしくは障害の一つまたは複数の症状を予防するために使用することができる。本明細書で使用される場合、「予防している」または「予防する」は、疾患、状態、または障害の症状または合併症の発症を減少または除去することを記述する。
【0054】
「障害」という用語は、本開示で使用され、別段の指示がない限り、疾患、状態、または疾病を意味し、互換的に使用される。
【0055】
本開示で使用される「投与する」、「投与している」、または「投与」という用語は、開示された化合物または組成物の開示された化合物または薬学的に許容可能な塩を対象に直接投与すること、または対象の体内で活性化合物の同等量を形成し得る、化合物または組成物の化合物または薬学的に許容可能な塩のプロドラッグ誘導体またはアナログを対象に投与することのいずれかを指す。
【0056】
本開示で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、代謝手段(例えば、加水分解により)によって、インビボで、開示された化合物に変換できる化合物を意味する。
【0057】
本発明は、c-Kitを阻害することができる、化合物またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体に関し、c-Kit酵素の調節に関連する疾患および障害の治療に有用である。本発明はさらに、c-Kitの阻害に有用な化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体に関する。
【0058】
一実施形態では、式(I)の化合物は式(Ia)の構造:
【化3】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0059】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Ib)の構造:
【化4】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0060】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Ic)の構造:
【化5】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0061】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Id)の構造:
【化6】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0062】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Ie)の構造:
【化7】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0063】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(If)の構造:
【化8】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0064】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Ig)の構造:
【化9】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0065】
別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Ih)の構造:
【化10】
およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、および互変異性体を有する。
【0066】
上記の式のいくつかの実施形態では、AはC6~10アリールである。別の実施形態では、Aは5員または6員のヘテロアリールである。さらに別の実施形態では、Aは6員のアリールである。別の実施形態では、Aは6員のヘテロアリールである。さらに別の実施形態では、Aはフェニルである。さらなる実施形態では、Aはピリジニルである。
【0067】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-C(O)NR-である。別の実施形態では、Lは-C(O)NH-である。
【0068】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-NRC(O)-である。別の実施形態では、Lは-NHC(O)-である。
【0069】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは、水素、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノである。別の実施形態では、Rは水素、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノである。別の実施形態では、Rは、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノである。別の実施形態では、Rは水素である。
【0070】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは水素、(C~C)アルキル、-(C(R6a-(C~C)シクロアルキル、-(C(R6a-ヘテロシクロアルキルであって、ここでヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、-(C(R6a-(C~C10)アリール、または-(C(R6a-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでアルキルは、1~4個のRで任意選択的に置換され、ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、1~4個のRで任意選択的に置換される。別の実施形態では、Rは、(C~C)アルキル、-(C(R6a-(C~C)シクロアルキル、-(C(R6a-ヘテロシクロアルキルであって、ここでヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、-(C(R6a-(C~C10)アリール、または-(C(R6a-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでアルキルは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換される。別の実施形態では、Rは水素、または一つまたは複数のRで任意選択的に置換される(C~C)アルキルである。別の実施形態では、Rは水素、-(C(R6a-(C~C)シクロアルキル、-(C(R6a-ヘテロシクロアルキルであって、ここでヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、-(C(R6a-(C~C10)アリール、または-(C(R6a-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換される。
【0071】
別の実施形態では、Rは水素、(C~C)アルキル、-(CH-(C~C)シクロアルキル、-(CH-ヘテロシクロアルキルであって、ここでヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、-(CH-(C~C10)アリール、または-(CH-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでアルキルは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換され、ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、一つまたは複数のRで任意選択的に置換される。
【0072】
別の実施形態では、Rは水素、(C~C)アルキル、-(CH-(C~C)シクロアルキル、-(CH-ヘテロシクロアルキルであって、ここでヘテロシクロアルキルは、4~7員の環およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、-(CH-(C~C10)アリール、または-(CH-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールは、5員または6員の環、およびN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでアルキルは、1~4個のRで任意選択的に置換され、ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、1~4個のRで任意選択的に置換される。
【0073】
上記の式のいくつかの実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、またはOHである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、または(C~C)ハロアルコキシである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立してハロゲン、またはOHである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロゲン、またはOHである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、またはOHである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、またはハロゲンである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキルまたはハロゲンである。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキルまたはハロゲンである。
【0074】
上記の式のいくつかの実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、-OH、CN、(C~C)シクロアルキル、-(C(R6b-NH、-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択される。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、-OH、CN、(C~C)シクロアルキル、-(C(R6b-NH、-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、一つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立し選択される。
【0075】
別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、CN、(C~C)シクロアルキル、-(C(R6b-NH、-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択される。
【0076】
別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、CN、(C~C)シクロアルキル、-(C(R6b-NH,-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択される。
【0077】
別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)ハロアルコキシ、CN、(C~C)シクロアルキル、-(C(R6b-NH,-(C(R6b-(C~C)アルキルアミノ、-(C(R6b-(C~C)ジアルキルアミノ、-(C(R6b-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(C(R6b-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択される。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)ハロアルコキシ、CN、(C~C)シクロアルキル、-(CH-NH、-(CH-(C~C)アルキルアミノ、-(CH-(C~C)ジアルキルアミノ、-(CH-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルが、4~7員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子、または-(CH-ヘテロアリールを含み、ここでヘテロアリールが、5員または6員の環と、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ここでヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は(C~C)アルキル、-NH、(C~C)アルキルアミノ、および(C~C)ジアルキルアミノからそれぞれ独立して選択される。
【0078】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは、水素、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルである。さらに別の実施形態では、Rは、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルである。別の実施形態では、Rは水素、または(C~C)アルキルである。別の実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはi-プロピルである。別の実施形態では、Rは、水素、メチル、またはエチルである。別の実施形態では、Rは、メチル、またはエチルである。別の実施形態では、Rは、水素である。
【0079】
上記の式のいくつかの実施形態では、R6aは、水素または(C~C)アルキルである。別の実施形態では、R6aは水素、または(C~C)アルキルである。別の実施形態では、R6aは、(C~C)アルキルである。別の実施形態では、R6aは、水素である。
【0080】
上記の式のいくつかの実施形態では、R6bは、水素または(C~C)アルキルである。別の実施形態では、R6bは水素、または(C~C)アルキルである。別の実施形態では、R6bは、(C~C)アルキルである。別の実施形態では、R6bは、水素である。
【0081】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-NH、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、または-C(O)N(Rである。別の実施形態では、Rは、(C~C)アルコキシ、-OH、-NH、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、または-C(O)N(Rである。別の実施形態では、Rは、(C~C)アルコキシ、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、または-C(O)N(Rである。別の実施形態では、Rは、(C~C)アルコキシ、(C~C)ジアルキルアミノ、または-C(O)N(Rである。
【0082】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは、独立して水素、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルである。別の実施形態では、Rは、(C~C)アルキル、または(C~C)ハロアルキルである。別の実施形態では、Rは、水素、または(C~C)アルキルである。別の実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、n-プロピルまたはi-プロピルである。別の実施形態では、Rは、メチル、またはエチルである。別の実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは、水素、メチル、またはエチルである。
【0083】
上記の式のいくつかの実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、-C(O)H、-C(O)(C~C)アルキル、またはN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員のヘテロシクロアルキル環であり、ここでヘテロシクロアルキルが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルキル、-C(O)H、または-C(O)(C~C)アルキルから選択され、ここでアルキルは、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルコキシ、-OH、(C~C)ハロアルコキシ、-NH、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキルアミノから選択される。
【0084】
別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、-C(O)(C~C)アルキル、またはN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員のヘテロシクロアルキル環であり、ここでヘテロシクロアルキルが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルキル、-C(O)H、または-C(O)(C~C)アルキルから選択され、ここでアルキルは、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C-C)アルコキシ、-OH、(C~C)ハロアルコキシ、-NH、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキアミノから選択される。別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、またはN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員のヘテロシクロアルキル環であり、ここでヘテロシクロアルキルが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルキル、-C(O)H、または-C(O)(C~C)アルキルから選択され、ここでアルキルは、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルコキシ、-OH、(C~C)ハロアルコキシ、-NH、(C~C)アルキルアミノ、または(C~C)ジアルキアミノから選択される。
【0085】
別の実施形態では、各Rは、各出現において独立して、(C~C)アルキル、またはN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員のヘテロシクロアルキル環であり、ここでヘテロシクロアルキルが、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルキル、-C(O)H、または-C(O)(C~C)アルキルから選択され、ここでアルキルは、1~4個の置換基で任意選択的に置換され、置換基は、それぞれ独立して、(C~C)アルコキシ、-OH、または(C~C)ジアルキルアミノから選択される。
【0086】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは0、1または2である。別の実施形態では、nは0または1である。別の実施形態では、nは1または2である。さらに別の実施形態では、nは0である。さらに別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0087】
上記の式のいくつかの実施形態では、pは0、1、または2である。別の実施形態では、pは0または1である。別の実施形態では、pは1または2である。さらに別の実施形態では、pは0である。別の実施形態では、pは1である。別の実施形態では、pは2である。
【0088】
上記の式のいくつかの実施形態では、qは0、1、または2である。別の実施形態では、qは0または1である。別の実施形態では、qは1または2である。さらに別の実施形態では、qは0である。別の実施形態では、qは1である。別の実施形態では、qは2である。
【0089】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-C(O)NR-である。
【0090】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-NRC(O)-である。
【0091】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは、(C~C)アルキルまたはハロゲンである。
【0092】
上記の式のいくつかの実施形態では、RはメチルまたはFである。
【0093】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rはメチルである。
【0094】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0095】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは一つまたは二つのRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールである。
【0096】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは一つまたは二つのRで任意選択的に置換された6員のヘテロアリールである。
【0097】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは一つまたは二つのRで任意選択的に置換されたフェニルまたはピリジニルである。
【0098】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは一つのRで置換されたフェニルまたはピリジニルである。
【0099】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは二つのRで置換されたフェニルまたはピリジニルである。
【0100】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0101】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは0である。
【0102】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは1である。
【0103】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは一つのRで置換されたフェニルまたはピリジニルであり、RはCFまたはシクロプロピルである。
【0104】
上記の式のいくつかの実施形態では、Aは二つのRで置換されたフェニルまたはピリジニルであり、少なくとも一つのRはCFである。
【0105】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは1であり、Rはメチルである。
【0106】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0107】
上記の式のいくつかの実施形態では、一つのRは、(C~C)ハロアルキルであり、他のRは、CN、-(CH)-(C~C)ジアルキルアミノ、-ヘテロシクロアルキル、または-(CH)-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルは、N、O、およびSから選択された1~3個のヘテロ原子を含む4~7員の環を含み、ここでヘテロシクロアルキルは一つまたは複数の(C~C)アルキルで任意選択的に置換される。
【0108】
上記の式のいくつかの実施形態では、一つのRは、CFであり、他のRは、CN、
-(CH)-(C~C)ジアルキルアミノ、-ヘテロシクロアルキル、または-(CH)-ヘテロシクロアルキルであり、ここでヘテロシクロアルキルは、N、O、およびSから選択された1~3個のヘテロ原子を含む4~7員の環を含み、ここでヘテロシクロアルキルは一つまたは複数の(C~C)アルキルで任意選択的に置換される。
【0109】
上記の式のいくつかの実施形態では、一つのRは、CFであり、他のR は、CN、-(CH)-N(CH、ピペラジニル、-(CH)-ピペラジニル、-(CH)-モルホリニル、または-(CH)-ピロリジニルであり、ここでピペラジニル、モルホリノ、またはピロリジニルは、一つまたは複数の(C~C)アルキルで任意選択的に置換される。
【0110】
上記の式のいくつかの実施形態では、一つのRは、(C~C)アルキル、または-(C(R6b-ヘテロアリールであり、ここでヘテロアリールは、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員または6員の環を含み、1~2個の(C~C) アルキルで置換される。
【0111】
上記の式のいくつかの実施形態では、一つのRは、CHまたはヘテロアリールであり、ここでヘテロアリールは、N、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員または6員の環を含み、1~2個の(C~C)アルキルで置換される。
【0112】
上記の式のいくつかの実施形態では、一つのRは、CH、または1~2個の(C~C) アルキルで置換されたピラゾリルである。
【0113】
上記の式のいくつかの実施形態では、Rは、(C~C)ハロアルキルである。
【0114】
上記の式のいくつかの実施形態では、RはCFである。
【0115】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは1であり、Rはメチルであり、Rは水素であり、およびRは水素、CH、CHCH、-(CHN(CH、-(CHN(CH、-CHC(O)NH(CH)、-(CHモルホリニル、
-(CHOCH、メチルで置換されたピペリジニル、4-メチルピペラジンで任意選択的に置換されたフェニル、-CH-ピリジニル、シクロプロピル、メチルで置換されたトリアゾリル、またはメチルもしくはN-メチルピペリジニルで置換されたイミダゾリルである。
【0116】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは1であり、Rはメチルであり、Rはメチルで任意選択的に置換されたピラゾリル、-(CHOH、-(CHOCH、-(CHN(CH
-(CHN(CHCH、モルホリニル、またはメチルもしくは-C(O)Hで任意選択的に置換されたピペリジニルである。
【0117】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは0または1であり、RはFであり、Rはメチルで任意選択的に置換されたピラゾリルである。
【0118】
上記の式のいくつかの実施形態では、nは1であり、Rはメチルであり、RはNHであり、およびRは水素である。
【0119】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールである。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、およびRは(C~C)アルキル、またはハロゲンである。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、Rは(C~C)アルキル、またはハロゲンであり、およびnは1である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、R は(C~C)アルキル、またはハロゲンであり、nは1であり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、およびnは0である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、nは0であり、およびRは水素である。
【0120】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールである。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、およびRは(C~C)アルキル、またはハロゲンである。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、Rは(C~C) アルキルまたはハロゲンであり、およびnは1である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、Rは(C~C)アルキル、またはハロゲンであり、nは1であり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、およびnは0である。別の実施形態では、Lは-C(O)NR-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、nは0であり、およびRは水素である。
【0121】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールである。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、およびRは(C~C)アルキル、またはハロゲンである。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素である。Rは(C~C)アルキル、またはハロゲンであり、およびnは1である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素である。Rは(C~C)アルキル、またはハロゲンであり、nは1であり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、およびnは0である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された(C~C10)アリールであり、Rは水素であり、nは0であり、およびRは水素である。
【0122】
上記の式のいくつかの実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールである。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、およびRは(C~C)アルキル、またはハロゲンである。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、Rは(C~C)アルキルまたはハロゲンであり、およびnは1である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、Rは(C~C)アルキル、またはハロゲンであり、nは1であり、およびRは水素である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、およびnは0である。別の実施形態では、Lは-NRC(O)-であり、Aは1~4個のRで任意選択的に置換された5~10員のヘテロアリールであり、Rは水素であり、nは0であり、およびRは水素である。
【0123】
本発明の非限定的な例示的化合物には、以下が含まれる:
4-メチル-3-((1-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-1)、
3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-2)、
3-((1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-3)、
3-((1-(2-メトキシエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-4)、
4-メチル-3-((1-(2-モルホリノエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-5)、
3-((1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-6)、
3-((1-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-7)、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-8)、
3-((2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-10)、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-11)、
4-メチル-3-((1-ピリジン-3-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-12)、
3-((1-シクロプロピル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-13)、
4-メチル-3-((1-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-14)、
4-メチル-3-((1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-15)、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-17)、
N-(4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(I-18)、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-19)、
4-メチル-3-((1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-20)、
4-メチル-3-((1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-21)、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(I-22)、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-23)、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-24)、
3-((1-(1-(1-ホルミルピペリジン-4-yl)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-25)、
4-メチル-3-((1-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-26)、
4-メチル-3-((1-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-27)、
N-(3-シクロプロピルフェニル)-4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)ベンズアミド(I-28)、
4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(I-29)、
4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(I-30)、
3-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-31)、
3-((1-(1-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-32)、
4-メチル-3-((1-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-33)、
4-メチル-3-((1-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-34)、
3-((1-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-35)、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-36)、
N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)ベンズアミド(I-37)、
N-(3-((1-(1-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-38)、
N-(3-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-39)、
N-(3-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-40)、
N-(3-((1-(1(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-41)、
N-(3-((1-(1-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-42)、
N-(3-((1-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-43)、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-44)、
N-(4-メチル-3-((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-45)、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(I-46)、N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(ピロリジン-1-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(I-47)、
N-(4-メチル-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(I-48)、
N-(3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-49)、
3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-50)、
4-フルオロ-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド)(I-51)、および
N-(4-フルオロ-3-((1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(I-52)。
【0124】
本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物はエナンチオマーである。いくつかの実施形態では、化合物は(S)-エナンチオマーである。他の実施形態では、化合物は(R)-エナンチオマーである。さらに他の実施形態では、式(I)の化合物は、(+)または(-)エナンチオマーであってもよい。
【0125】
当然のことながら、すべての異性体形態は、それらの混合物を含む本発明の中に含まれる。化合物が二重結合を含む場合、置換基はEまたはZ構成にあってもよい。化合物が二置換シクロアルキルを含む場合、シクロアルキル置換基はシス構成またはトランス構成を有してもよい。また、すべての互変異性形態が含まれることが意図されている。
【0126】
本発明の化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、およびプロドラッグは、それらの互変異性形態(例えば、アミドまたはイミノエーテル)に存在してもよい。このような互変異性形態はすべて、本発明の一部として本明細書で企図されている。
【0127】
本発明の化合物は、非対称またはキラルの中心を含んでもよく、したがって異なる立体異性形態に存在してもよい。本発明の化合物のすべての立体異性形態、およびラセミ混合物を含むそれらの混合物が、本発明の一部を形成することが意図されている。さらに、本発明はすべての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、本発明の化合物が二重結合または縮合環を組み込む場合、シスおよびトランス形態の両方だけでなく、混合物も本発明の範囲内に包含される。本明細書に開示される各化合物は、化合物の一般的構造に適合するすべてのエナンチオマーを含む。化合物は、ラセミまたはエナンチオマー的に純粋な形態、または立体化学に関する任意の他の形態であってもよい。アッセイ結果は、ラセミ形態、エナンチオマー的に純粋な形態、または立体化学に関する任意の他の形態のために収集されたデータを反映し得る。
【0128】
ジアステレオマー混合物は、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別再結晶など、当業者によく知られている方法によって、それらの物理化学的差異に基づいて、それらの個別のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、適切な光学的に活性な化合物と反応して、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換することにより分離することができ(例えば、キラルアルコールまたはモッシャー試薬塩化物などのキラル補助)、ジアステレオマーを分離し、かつ個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、、加水分解)。また、本発明の化合物の一部はアトロプ異性体であってもよく(例えば、、置換ビアリール)、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーはキラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0129】
本発明の化合物は異なる互変異性形態で存在してもよく、かかるすべての形態が本発明の範囲内に包含される。また、例えば、化合物のすべてのケト-エノール形態およびイミン-エナミン形態が本発明に含まれる。
【0130】
エナンチオマー形態(不斉炭素が存在しなくても存在し得る)、回転異性体形態、アトロプ異性体形態、およびジアステレオマー形態を含む、さまざまな置換基上の不斉炭素に起因して存在し得るものなど、本化合物(化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグ、ならびにプロドラッグの塩、溶媒和物、およびエステルを含む)のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)は、位置異性体(例えば、4-ピリジルおよび3-ピリジルなど)と同様に、本発明の範囲内と考えられる。(例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合環を組み込む場合、シスおよびトランス形態の両方、ならびに混合物は、本発明の範囲内に包含される。また、例えば、化合物のすべてのケト-エノール形態およびイミンーエナミン形態も、本発明に含まれる。)本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含まないか、または例えば、ラセミ体として、または他のすべての、もしくは他の選択された立体異性体と混合してもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC1974推奨により定義されるSまたはR構成を有することができる。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体、またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグにも同様に適用されることが意図される。
【0131】
式(I)の化合物は、塩を形成することができ、これもまた本発明の範囲内である。別段の指示がない限り、本明細書の式の化合物の参照は、その塩への参照を含むと理解される。
【0132】
本発明は、c-Kitの調節因子である化合物に関する。一実施形態では、本発明の化合物はc-Kitの阻害剤である。
【0133】
本発明は、本明細書に記載される化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、または互変異性体、および本明細書に記載される一つ以上の化合物を含む医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、立体異性体、または互変異性体を対象とする。
【0134】
化合物を合成する方法
本発明の化合物は、標準化学的なものを含むさまざまな方法によって作製され得る。以下に示すスキームに適切な合成経路を示す。
【0135】
式(I)の化合物は、以下の合成スキームにより部分的に記載される有機合成の当技術分野で公知の方法によって調製されてもよい。下記のスキームでは、感受性基または反応性基の保護基は、一般的原理または化学にしたがって必要に応じて使用されることがよく理解される。保護基は、有機合成の標準方法(T.W.Greene and P.G.M.Wuts、”Protective Groups in Organic Synthesis”、Third edition、Wiley、New York 1999)にしたがって操作される。これらの基は、当業者にとって容易に明らかな方法を使用して、化合物合成の都合の良い段階で除去される。選択プロセス、ならびにそれらの実施の反応条件および順序は、式(I)の化合物の調製と一致するものとする。
【0136】
当業者であれば、式(I)の化合物に立体中心が存在するかどうかを認識するであろう。したがって、本発明は、可能性のある立体異性体(合成に指定されていない限り)を両方含み、ラセミ化合物だけでなく、個々のエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーも含む。化合物が、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして所望される場合、立体特異的合成によってまたは最終産物または任意の好都合な中間体の分解によって得ることができる。最終産物、中間体、または開始材料の分解は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法によって影響を受けることがある。例えば、E.L.Eliel、S.H.Wilen、and L.N.Mander(Wiley-lnterscience、1994)による”Stereochemistry of Organic Compounds”を参照のこと。
【0137】
本明細書に記載の化合物は、市販の開始材料から作製されてもよく、または公知の有機、無機、および/または酵素法を使用して合成されてもよい。
【0138】
化合物の調製
本発明の化合物は、有機合成の当業者によく知られている多数の方法で調製することができる。一例として、本発明の化合物は、合成有機化学技術分野で知られている合成方法、または当業者によって理解されるようなそのバリエーションと共に、下記の方法を使用して合成することができる。好ましい方法には、以下に記載の方法が含まれるがこれらに限定されない。開始材料は、市販されているか、または報告された文献においてもしくは説明されたような公知の手順によって作製される。本発明の化合物は、中間体2a~2jおよび3a~2cの組立を含む一般スキーム1および2に概説した工程にしたがって合成することができる。開始材料は、市販されているか、または報告された文献においてもしくは説明されたような公知の手順によって作製される。
一般スキーム1
【化11】
式中、A、R~R、およびRおよびnは、式(I)にあるように定義される。
【0139】
式(I)の標的化合物を調製する一般的な方法であって、
Lは、中間体2a-2jを用いることによる-C(O)NR-であり、一般スキーム1に上記に概説する。塩基(すなわち、炭酸カリウム(KCO)または炭酸ナトリウム(NaCO))の存在下および溶媒(すなわち、アセトニトリル(ACN))中で高温でアミン2bを2aに求核付加すると、中間体2cが得られる。金属(すなわち、亜鉛)、塩化アンモニウム(NHCl)、および溶媒(すなわち、アセトン/水)の存在下で、場合により高温で中間体2cを還元すると、中間体2dが得られる。場合により高温で、溶媒(すなわち、イソプロパノール)中で、2e2で中間体2dを環化すると、中間体2fが得られる。あるいは、中間体2fは、高温で金属(すなわち、鉄)、塩化アンモニウム(NHCl)、および溶媒(すなわち、イソプロパノール)を用いて中間体2cおよび2e1から一工程で得ることができる。中間体2iは、中間体2gを場合により溶媒の存在下で塩化チオニルで処理して酸塩化物を形成し、続いて場合により溶媒(すなわち、ジクロロメタン(CHCl))中で塩基(すなわち、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(i-PrNEt))および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を使用して形成された酸塩化物でアミン2hをアシル化することにより得らる。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、ヨウ化銅、塩基(すなわち、i-PrNEt))の存在下、任意に溶媒(すなわち、ACN)中で、任意に高温でのアルキン2jとブロミド2fとの結合は、式(I)の所望の化合物を提供し、式中、Lは-C(O)NR-である。
一般スキーム2
【化12】
式中、A、R~R、およびRおよびnは、式(I)にあるように定義される。
【0140】
式(I)の標的化合物を調製する一般的な方法であって、
Lは、中間体2eおよび3a~3dを用いることによる-NRC(O)-であり、一般スキーム2に上記に概説する。中間体3cは、中間体3bを場合により溶媒の存在下で塩化チオニルで処理して酸塩化物を形成し、続いて場合により溶媒(すなわち、ジクロロメタン(CHCl))中で塩基(すなわち、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(i-PrNEt))および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を使用して形成された酸塩化物でアミン3aをアシル化することにより得らる。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、ヨウ化銅、塩基(すなわち、i-PrNEt))の存在下、任意に溶媒(すなわち、ACN)中で、任意に高温でのアルキン3dとブロミド2fとの結合は、式(I)の所望の化合物を提供し、式中、Lは-NRC(O)-である。
【0141】
式(I)の化合物は、エナンチオマーまたはジアステレオマー立体異性体として存在することができる。式(I)のエナンチオマー的に純粋な化合物は、エナンチオマー的に純粋なキラルビルディングブロックを使用して調製できる。別の方法として、最終化合物のラセミ混合物または高度中間体のラセミ混合物は、本明細書の以下に記載されるようにキラル精製に供して、望ましいエナンチオマー的に純粋な中間体または最終化合物を送達することができる。高度な中間体がその個々ののエナンチオマーに精製される場合、個々ののエナンチオマーは別個に実施され、式(I)の最終的な最終的なエナンチオマー的に純粋な化合物を送達できる。
【0142】
上記の説明および式では、さまざまな塩基R~R、R6a、R6b、R~R、L、A、n、p、およびq、および他の変数は、別段の指示がない限り、上記のように定義されることを理解されたい。さらに、合成目的のために、一般スキーム1および2の化合物は、本明細書に定義される式(I)の化合物の一般的合成方法論を説明するために選択されたラジカルを用いた単に代表的なものにすぎない。
【0143】
開示された化合物を使用する方法
本発明の別の態様は、c-Kitの調節に関連する疾患または障害を治療する方法に関する。方法は、c-Kitの調節に関連する疾患または障害の治療を必要とする患者に、式(I)の組成物および化合物の有効量を投与することを含む。
【0144】
本発明の別の態様は、c-Kitの調節に関連する疾患または障害を予防する方法に関する。方法は、c-Kitの調節に関連する疾患または障害の治療を必要とする患者に、式(I)の組成物および化合物の有効量を投与することを含む。
【0145】
本発明の別の態様は、c-Kit媒介性疾患または障害を治療する方法に関する。方法は、c-Kitの調節に関連する疾患または障害の治療を必要とする患者に、式(I)の組成物および化合物の有効量を投与することを含む。
【0146】
本発明の別の態様は、c-Kit媒介性疾患または障害を予防する方法に関する。方法は、c-Kitの調節に関連する疾患または障害の治療を必要とする患者に、式(I)の組成物および化合物の有効量を投与することを含む。
【0147】
本発明の別の態様では、c-Kitを阻害する方法を対象とする。方法は、それを必要とする患者に、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む。
【0148】
本発明の別の態様は、c-Kitの阻害と関連する患者における疾患または障害を治療する方法に関し、方法はそれを必要とする患者に対し、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む。一実施形態では、疾患または障害は、癌および細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、肥満細胞症、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、および代謝障害からなる群から選択される。
【0149】
本発明の別の態様は、c-Kitの阻害と関連する患者における疾患または障害を予防する方法に関し、方法はそれを必要とする患者に対し、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む。
【0150】
本発明はc-Kitによって媒介される疾患または障害の治療、予防、阻害または除去に使用される薬剤の調製のためのc-Kitの阻害剤の使用にも関し、ここで薬剤は式(I)の化合物を含む。
【0151】
別の態様では、本発明は、c-Kitによって媒介される疾患または障害を治療、予防、阻害、または除去するための薬剤の製造方法に関し、ここで薬剤は式(I)の化合物を含む。
【0152】
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することに関連する疾患または障害を治療するための薬剤の製造に使用するための式(I)の化合物に関する。
【0153】
別の態様では、本発明は、c-Kitを阻害することに関連する疾患または障害の治療における式(I)の化合物の使用に関する。
【0154】
別の態様では、本発明は、c-Kitを阻害することに関連する疾患または障害の予防における式(I)の化合物の使用に関する。
【0155】
上記の方法のいくつかの実施形態では、疾患または障害は、癌、転移、炎症および自己免疫性病因からなる群から選択される。
【0156】
上記の方法のいくつかの実施形態では、疾患または障害は、細胞増殖性障害、線維性障害、および代謝障害からなる群から選択される。
【0157】
上記の方法の一実施形態では、疾患または障害は多発性硬化症である。
【0158】
上記の方法の一実施形態では、疾患または障害は喘息である。上記の方法の別の実施形態では、疾患または障害は肥満細胞症である。
【0159】
上記の方法の一実施形態では、疾患または障害はアレルギー反応である。
【0160】
上記の方法の一実施形態では、疾患または障害は炎症性関節炎である。
【0161】
本発明の別の態様は、癌治療方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、癌は、脂肪肉腫、神経芽細胞腫、グリア芽腫、膀胱癌、副腎皮質癌、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、中咽頭癌、陰茎癌、肛門癌、甲状腺癌、膣癌、胃癌、直腸癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。
【0163】
いくつかの実施形態では、癌は、白血病、肥満細胞腫、小細胞肺癌、精巣癌、胃腸管の癌、中枢神経系の癌、女性生殖管の癌、神経外胚葉性起源の肉腫、および神経線維腫症に関連するSchwann細胞腫瘍から選択される。
【0164】
いくつかの実施形態では、癌は、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病(AML)、胸腺癌、類腱腫、神経芽細胞腫、悪性黒色腫、結腸直腸癌、全身性肥満細胞症(SM)、および胃腸間質腫瘍(GIST)から選択される。
【0165】
本発明の別の態様は、細胞周期阻止、腫瘍細胞におけるアポトーシス、および/または強化された腫瘍特異的T細胞免疫性を誘導する方法に関する。方法は、細胞を式(I)の化合物の有効量と接触させることを含む。
【0166】
一実施形態では、本発明は、癌および転移と関連付けられた疾患または障害の治療、予防、阻害または除去に使用される薬剤の調製のためのc-Kitの阻害剤の使用に関する。
【0167】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、または本発明の化合物を含む医薬組成物および薬学的に許容可能な担体の投与は、細胞周期または細胞生存率の変化を誘導する。
【0168】
本発明の別の態様は、炎症を治療する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む。
【0169】
本発明の別の態様は、自己免疫性病因の治療方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む。
【0170】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を対象とする。薬学的に許容可能な担体はさらに、賦形剤、希釈剤、または界面活性剤を含み得る。
【0171】
一実施形態では、癌および細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、および代謝障害を含むc-Kitの調節に関連する疾患または障害を治療する方法を提供し、この疾患または障害のうちの少なくとも一つに罹患している患者に、式(I)の化合物を投与することを含む。
【0172】
一実施形態では、癌および転移を含むc-Kitの調節に関連する疾患または障害を治療する方法を提供し、この疾患または障害のうちの少なくとも一つに罹患している患者に、式(I)の化合物を投与することを含む。
【0173】
c-Kitを阻害する本発明の化合物または組成物の一つの治療用途は、癌および細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、および代謝障害に罹患する患者または対象に治療を提供することである。
【0174】
c-Kitを阻害する本発明の化合物または組成物の別の治療用途は、癌および転移に罹患している患者または対象に対する治療を提供することである。
【0175】
本発明の開示された化合物は、障害を治療または予防するために、および/または対象においてその発生を予防するために、有効量で投与することができる。
【0176】
開示された化合物の投与は、治療薬の任意の投与方法を介して達成することができる。これらの方法には、経口、鼻腔、非経口、経皮、皮下、膣腔、頬部、直腸または局所投与方法などの全身投与または局所投与が含まれる。
【0177】
投与の意図された方法に応じて、開示された組成物は、時には単位用量でおよび従来の薬務と一致して、例えば、注射剤、錠剤、坐薬剤、ピル剤、タイムリリースカプセル、エリキシル剤、チンキ、エマルション、シロップ、散剤、液剤、懸濁剤などの固形剤形、半固形剤形または液体剤形であってもよい。同様に、それらは静脈内(ボーラスと注入の両方)、腹腔内、皮下または筋肉内の形態で投与することもでき、すべての使用する形態は医薬品当業者によく知られている。
【0178】
例示的な医薬組成物は、a)例えば、精製水、水素化または部分水素化植物油、またはそれらの混合物、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、EPAまたはDHAなどのフィッシュオイル、またはそのエステルまたはトリグリセリドまたはその混合物、オメガ-3脂肪酸またはその誘導体、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコースおよび/またはグリシンなどのトリグリセリド油などの希釈剤;b)例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび/またはポリエチレングリコールなどの潤滑剤、錠剤用も;c)所望であれば、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、グルコースまたはベータラクトースなどの天然糖類、コーン甘味料、アカシア、トラガント、またはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム、ワックスおよび/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、d)例えば、デンプン、寒天、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または発泡混合物などの崩壊剤;e)吸収剤、着色剤、風味剤、および甘味剤、f)例えば、Tween 80、Labrasol、HPMC、DOSS、カプロイル909、labrafac、labrafil、peceol、transcutol、capmul MCM、capmul PG-12、captex 355、gelucire、ビタミンE TGPS、または他の許容可能な乳化剤または分散剤;および/またはg)シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-シクロデキストリンPEG400、PEG200などの化合物の吸収性を強化する薬剤などの本発明の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む、錠剤およびゼラチンカプセルである。
【0179】
液体、特に注射可能な組成物は、例えば、溶解、分散などによって調製され得る。例えば、開示された化合物は、例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒に溶解されるか、またはそれと混合され、それによって注射可能な等張液または懸濁液が形成される。アルブミン、カイロミクロン粒子、または血清タンパク質などのタンパク質を使用して、開示された化合物を可溶化することができる。
【0180】
開示された化合物はまた、担体としてプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールを使用して、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から調製されうる坐薬としても製剤化され得る。
【0181】
開示された化合物は、小さな単層小胞、大きな単層小胞、および多層小胞などのリポソーム送達システムの形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンを含有する、さまざまなリン脂質から形成することができる。いくつかの実施形態では、米国特許第5,262,564号に記載されるように、脂質成分のフィルムは、薬剤の水溶液を用いて水和され、油層被包薬剤を形成し、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0182】
開示された化合物は、開示された化合物が結合される個別の担体としてモノクローナル抗体の使用によっても送達され得る。開示された化合物はまた、標的化可能な薬物担体として可溶性ポリマーと結合することができる。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパンアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンが挙げられる。さらに、開示された化合物は、例えば、ポリ乳酸、ポリエピシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびハイドロゲルの架橋または両親媒性ブロック共重合体などの薬剤の制御された放出を達成するのに有用な生物分解性ポリマーのクラスに結合され得る。一実施形態では、開示された化合物は、例えば、ポリカルボン酸ポリマー、またはポリアクリレートなどのポリマーに共有結合されていない。
【0183】
非経口注射投与は、一般的に皮下、筋肉内、または静脈内注射および注入に使用される。注射は、液体溶液または懸濁液または注射前に液体中で溶解するのに適した固体形態のいずれかの従来形態で調製することができる。
【0184】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を対象とする。薬学的に許容可能な担体はさらに、賦形剤、希釈剤、または界面活性剤を含み得る。
【0185】
組成物はそれぞれ、従来的混合方法、顆粒化方法またはコーティング方法にしたがって調製することができ、本医薬組成物は、重量または体積によって本開示の化合物の約0.1%~約99%、約5%~約90%、または約1%~約20%を含有することができる。
【0186】
開示された化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別、および病状を含むさまざまな因子、治療される状態の重症度、投与経路、患者の腎臓または肝機能、および使用される特定の開示された化合物に従い選択される。当技術分野の医師または獣医師であれば、状態の進行を予防、対抗、または阻止するために必要な薬剤の有効量を容易に決定および処方することができる。
【0187】
開示された化合物の効果的な投与量は、示された効果のために使用される時、状態を治療するのに必要に応じて、開示された化合物の約0.5mg~約5000mgの範囲である。インビボまたはインビトロの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、または5000mg、または用量リストにある量から別の量までの範囲で、開示された化合物を含有することができる。一実施形態では、組成物は刻み目をつけることができる錠剤の形態である。
【実施例0188】
本開示は、以下の実施例および合成スキームによってさらに説明されるが、それらは本開示の範囲または精神を本明細書に記載の特定の手順に限定すると解釈されるべきではない。実施例は特定の実施形態を説明するために提供されており、それによって本開示の範囲に対する限定が意図されていないことを理解されたい。当業者には自明のことであろうが、本開示の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、さまざまな他の実施形態、変更、およびそれらの等価物に頼ることができることをさらに理解されたい。
【0189】
分析方法、材料、および計器
特に記載がない限り、試薬および溶媒は商業的供給者から受け取ったまま使用した。プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、ブルーカーの分光計400MHzで得た。スペクトルはppm(δ)で与えられ、結合定数JはHertzで報告されている。テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として使用した。Waters ZQシングルクワッド質量分析計(イオントラップエレクトロスプレーイオン化(ESI)を使用して質量スペクトルを収集した。純度および低分解能質量スペクトルデータを、Acquity Photo ダイオードアレイ検出器、Acquity 蒸発光散乱検出器(ELSD)およびWaters ZQ質量分析計を備えたWaters Acquity i-class超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)システムを使用して測定した。Waters MassLynx 4.1ソフトウェアおよびUV波長220nm、蒸発光散乱検出(ELSD)およびエレクトロスプレー陽イオン(ESI)によって特徴付けられる純度を用いてデータを取得した。(カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm 2.1x50mm;流量0.6mL/分;溶媒A(95/5/0.1%:10mM ギ酸アンモニウム/アセトニトリル/ギ酸)、溶剤B(95/5/0.09%:アセトニトリル/水/ギ酸);勾配:0~2分まで5~100%のB、2.2分まで100%のBを保持し、2.21分で5%のBにする。
【0190】
以下の実施例および本明細書のその他の場所で使用される略語は以下のとおりである。
ACN アセトニトリル
br 広い
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EI 電子イオン化
ESI エレクロトスプレーイオン化
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
GCMS ガスクロマトグラフィー-質量分析
h 時間
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
LCMS 液体クロマトグラフィー-質量分析
m 多重線
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MHz メガヘルツ
min 分
NMR 核磁気共鳴
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
ppm 百万分率
PSI ポンド/平方インチ
s 一重線
TBAF フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
v 体積
wt 重量
式(I)の化合物合成のための一般的な方法A
【化13】
実施例1:2-(5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-メチルアセトアミド(中間体1-5)
【化14】
【0191】
工程1 2-((4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-N-メチルアセトアミド(1-3)
43mLのMeCN中の4-ブロモ-1-フルオロ-2-ニトロベンゼン溶液(1-1、1.10g、4.55mmol)に、2-アミノ-N-メチルアセトアミド(1-2、500mg、5.69mmol)を添加した。反応混合物を45℃で16時間攪拌した。結果として得られた沈殿物をブーフナー漏斗に収集し、DCM(3×10mL)で、次いでETO(3×10mL)ですすぎ、化合物2-((4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-N-メチルアセトアミド2-3を明るいオレンジ色の綿毛状の粉末として得た。
【0192】
工程2 2-((2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ)-N-メチルアセトアミド(1-4)
2-((4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-N-メチルアセトアミド(1~3、932mg、3.23mmol)および亜鉛(0)(1.68g、25.84mmol)の混合物をアセトン中でおよそ1分間攪拌した後、水中のNHCl(2.57g、48.45mmol)の予め混合された溶液を加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌して、無色の溶液を得た後、真空中で濃縮した。粗残留物をDCM(3×100mL)で抽出し、混合有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、セライトを通して濾過し、そして真空中で濃縮し、化合物2-((2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ)-N-メチルアセトアミド1~4を得た。
【0193】
工程3 2-(5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-メチルアセトアミド(1-5)
2-((2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ)-N-メチルアセトアミド(1~4、300mg、1.16mmol)およびオルソギ酸メチルエステル(12mL)を混合し、アルゴン雰囲気下で24時間、80℃で攪拌した。得られた混合物を真空中で濃縮し、褐色の固形物を得た。固形物を、EtO(3×10mL)で洗浄し、化合物2-(5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-メチルアセトアミド1~5を褐色の粉末として得た。
実施例2:5-ブロモ-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(中間体2-2)
【化15】
【0194】
N-(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミン(2-1、6.85g、23.14mmol)を、鉄(Fe)(12.9g、231.14mmol)、塩化アンモニウム(12.9g、231.14mmol)、20mLのギ酸(HCOOH)および20mLのイソプロパノールと混合した。混合物を90Cで16時間攪拌した。固形物をセライトを通して濾過し、濾過液を減圧下で濃縮した。粗残留物を0~15%のMeOH/EtOAcで溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製して5.1gの5-ブロモ-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-2を灰色の固形物として得た。
実施例3:4-メチル-3-((1-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-1)
【化16】
工程1 4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-3((トリメチルシリル)エチニル)ベンズアミド(3-2)
【0195】
シュレンクフラスコ中で、3-ヨード-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(3-1、5g、12.3mmol)を、Pd(PPh(430mg、0.37mmol))およびCuI(120mg、0.63mmol)と混合した。フラスコを排気することにより不活性雰囲気下に置き、シュレンクフラスコをNで充填した。次いで、DIPEA(4.3mL、24.6mmol)、エチニルトリメチルシラン(3.5mL、24.6mmol)および25mLのMecNを加えた。その後、得られた混合物を85Cで3時間攪拌し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。粗残留物を、0~10%のEtoAc/ヘプタンを用いてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製して4.47gの4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-3-((トリメチルシリル)エチニル)ベンズアミド3-2を褐色の固形物として得た。
工程2 4-メチル-3-((1-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)エチニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(I-1)
【0196】
4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-3-((トリメチルシリル)エチニル)ベンズアミド(3-2150mg、0.40mmol)をマイクロ波バイアル中の2mLのTHF中のTBAF(0.42mL、0.40mmol)溶液に加え、得られた褐色溶液を室温で10分間攪拌した。反応混合物を窒素流を用いて濃縮して、油を得た。2-(5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-メチルアセトアミド(1~5、71mg、0.27mmol)、Pd(PPh)(9mg、0.0078mmol)、1mLのiPrNH、および4mLのDMFを次いでバイアルに加え、混合物を1分間攪拌した。Cui(3mg、0.016mmol)を加え、バイアルをアルゴンでパージして、マイクロ波オーブンで45分間100℃に加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(0%~15%MeOH/EtoAcで溶出)、表題化合物を褐色の粉末として得た(I-1)。収率71%。H-NMR(DMSO-d)δ:11.31(s、1H)、8.70(d、J=5.0Hz、1H)、8.55(s、1H)、8.16-8.30(m、3H)、7.96(dd、J=7.9、2.0Hz、1H)、7.91(d、J=0.6Hz、1H)、7.53-7.58(m、2H)、7.46-7.52(m、2H)、4.97(s、2H)、2.66(d、J=4.5Hz、3H)、2.59(s、3H)。ESI-MS m/z:492.1[M+H]
【0197】
表1における以下の化合物を、実施例3に類似した様式で調製した。臭化物中間体4cを商業的源から購入したか、または実施例1または2に記載されるように合成した。中間体4dまたはその逆アミド類似体を、J.Med.Chem.2009年、52、4743およびJ.Med.Chem.2010年、53、4701に記載されるような標準アミド形成方法により作製した。化合物I-26の場合、使用される開始アニリンは、本明細書の以下に示す、tert-ブチル4-(4-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートAであった。化合物I-35および化合物I-43の場合、使用した開始アニリンは、本明細書の以下に示す、1-トシル-1H-ピラゾール-4-アミンBであった。
表1:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【化17】
【0198】
生化学的アッセイ
実施例2:c-Kitアッセイ
Ba/F3 KIT変異操作細胞株の生成
KITcDNAをGenScriptによって合成し、pLVX-IRES-Puro
ベクター(Clontech)にクローニングした。KIT変異遺伝子を含むpLVX-IRES-puroベクターを、Trans-Lentiviral ORF Packaging Kit(Thermo Scientific)を用いてHEK293細胞(Invitrogen)にトランスフェクトすることによって、ウイルス粒子を作製した。トランスフェクションの48時間後、ウイルス含有上清を採取し、10ng/mLのIL-3(R&D Systems)の存在下で、親Ba/F3細胞(DSMZ)と共に、さらに48~72時間インキュベートした。次いで、形質導入されたBa/F3細胞を、IL-3回収およびピューロマイシン(0.5~1μg/mL、Invitrogen)により選択した。
【0199】
生存率アッセイ
細胞株(すなわち、EX11DEL、EX11DEL/D816H、EX11DEL/T670I、およびEX11DEL/V654A)は、線形成長を引き起こす密度で、10%のFBSを補充したRPMI 1640を用いて384ウェルプレートにプレーティングし、37°Cで5%(v/v)のCO中でインキュベートした。細胞を、4倍希釈(10μM~0.61nM)にわたる八つの濃度の化合物で処理し、72時間後にCell Titer-Gloアッセイ(Promega)を使用して生存率を評価した。データを、ビヒクルで処理した細胞に対する生存率としてプロットした。用量反応曲線が生成され、IC50値を計算するために使用された。
【0200】
表2:c-Kitアッセイにおける本発明の化合物のc-Kit活性。++++は、約10nM未満のIC50を示し、+++は、約10nM~約50nMのIC50を示し、++は、約50nM~約100nMのIC50を示し、+は、約100nM超、および約10μM未満のIC50を示す。
表2:cKitアッセイ。
【表2-1】
【表2-2】
【0201】
等価物
当業者は、日常的な実験手法を越えない手法を使用して、本明細書に具体的に記載される特定の実施形態に対する数多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。かかる等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。