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特開2022-185179コンピュータプログラム、サーバ装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185179
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、サーバ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20221207BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092672
(22)【出願日】2021-06-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)公開日 2021年2月7日~2021年6月2日 公開場所 メール、オンライン会議、面談 公開者 株式会社LegalForce 公開された発明の内容 株式会社LegalForceが、同社のサービスの提供を受ける一部のユーザに対して、出願に係る発明に関連する機能を記載した資料を公開して、この機能の改善に関する意見を聴取した。
(71)【出願人】
【識別番号】717005132
【氏名又は名称】株式会社LegalForce
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】川戸 崇志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
5L049CC32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利便性を向上させつつ、契約書の作成を支援するコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータプログラムにより実行される文書作成装置30Aは、或るケースについて、所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、或るケースについて、所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、或るケースについて、相互に関連する第1メッセージ及び第2メッセージを含む複数のメッセージを、或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶する。装置はさらに、或るケースについて、同一のグループに属して相互に関連する第1ファイル及び第2ファイルを含む複数のファイルを、ケース識別情報に関連するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、
或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、
前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、
前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶し、
前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含むメッセージの送受信に関する機能を実行する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、第1のコンピュータプログラムと、
前記或るケースについて前記複数のメッセージを前記ケース識別情報に対応付けること及び前記或るケースについて前記複数のファイルを前記グループ識別情報に対応付けることを含む、ファイルの管理に関する機能を実行する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、第2のコンピュータプログラムと、
を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記複数のファイルの各々が契約書を示すファイルであり、
前記第2のコンピュータプログラムが、
前記契約書を示すファイルに含まれる或る文章を複数の単位語に分割し、該複数の単位語が予め定められた条件を満たすか否かを判定することにより、又は、前記複数の単位語を学習済みモデルに入力することにより、前記或る文章に対する警告を示す警告情報を取得することを含む、解析機能を実行する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記ケース識別情報に対応付けて記憶された、前記第1ファイルが添付された前記第1メッセージと、前記グループ識別情報に対応付けて記憶された前記第1ファイルと、を対応付ける、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信され第3ファイルが添付された、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージに関連する第3メッセージを記憶し、
該第3メッセージを前記ケース識別情報に対応付けて記憶し、
前記グループとは異なる別グループに属して相互に関連する、前記第3ファイルを含む別の複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記別グループを識別する別グループ識別情報に対応付けて記憶する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記ケース識別情報に対応付けて記憶された前記複数のメッセージに関する情報と、前記ケース識別情報に関連する前記グループ識別情報に対応付けて記憶された前記複数のファイルに関する情報と、前記ケース識別情報に関連する前記別グループ識別情報に対応付けて記憶された前記別の複数のファイルに関する情報とを、組み合わせて表示部に表示する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
各々がタグとして使用可能な複数の文言を記憶し、
前記複数のメッセージに含まれる各メッセージに対して、前記複数の文言のうち該メッセージの本文に含まれる少なくとも1つの文言を、タグとして付与する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
新しいメッセージの本文に含まれる少なくとも1つの語を取得し、
前記複数のメッセージのうち、前記少なくとも1つの語に一致又は関連するタグが付与されたメッセージを、前記新しいメッセージに関連する過去のメッセージとして識別する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサを具備し、
該少なくとも1つのプロセッサが、
或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、
前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、
前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶し、
前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する、
ように構成される、サーバ装置。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶すること、
前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶すること、
前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶すること、並びに、
前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶すること、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願に開示された技術は、文書の作成を支援する、コンピュータプログラム、サーバ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文書の作成を支援する手法が特開2020-13524号公報(特許文献1)に開示されている。本文献に記載された手法では、システムにログインして認証された依頼者の端末装置が、レビューの対象とされる文書を文書作成サーバ装置にアップロードし、文書作成サーバ装置を介して、依頼に関する情報を、受任者の端末装置に送信する。依頼者の端末装置及び受任者の端末装置は、文書作成サーバ装置に記憶された文書を編集することにより、依頼者の意見及び受任者のレビュー結果を反映した文書を作成する。
なお、上記特許文献1は、引用によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-13524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、文書の作成を支援するサービスにおいて、利便性を向上させること等が求められている。
そこで、本件出願に開示された技術は、利便性を向上させつつ、文書の作成を支援する、コンピュータプログラム、サーバ装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶し、前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
一態様に係るサーバ装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少なくとも1つのプロセッサが、或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶し、前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する、ように構成される」ことができる。
一態様に係る方法は、「少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶すること、前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶すること、前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶すること、並びに、前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶すること、を含む」ことができる。
【0006】
この[発明の概要]の欄は、選択された様々な概念を簡略化された形式により導入するために記載されており、これらの様々な概念については[発明を実施するための形態]の欄において後述する。この[発明の概要]の欄の記載は、特許請求の範囲に記載された発明の重要な特徴又は不可欠な特徴を特定することを意図するものでもなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲を限定することを意図するものでもない。特許請求の範囲に記載された発明の、上述した又は他の目的、特徴及び効果は、添付図面を参照して以下に示される[発明を実施するための形態]の欄の記載からより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る文書作成システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示した端末装置20(又はサーバ装置30)のハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図3A図3Aは、図1に示した文書作成システムにおいて実行される動作の一例を示すフロー図である。
図3B図3Bは、図1に示した文書作成システムにおいて実行される動作の一例を示すフロー図である。
図4図4は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面の一例を示す図である。
図5図5は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面の別の例を示す図である。
図6図6は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
図7図7は、図1に示す文書作成システムにおいて文書作成サーバ装置30によるメッセージ及びファイルの保存方法の一例を概念的に示す模式図である。
図8図8は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
図9図9は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
図10図10は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
図11図11は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
図12図12は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
図13図13は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において記載される、様々なシステム、方法及び装置は、いかなる方法によっても限定されるものとして解釈されるべきではない。実際には、本開示は、開示された様々な実施形態の各々、これら様々な実施形態を相互に組み合わせたもの、及び、これら様々な実施形態の一部を相互に組み合わせたもの、のうちのあらゆる新規な特徴及び態様に向けられている。本明細書において記載される、様々なシステム、方法及び装置は、特定の態様、特定の特徴、又は、このような特定の態様と特定の特徴とを組み合わせたものに限定されないし、本明細書に記載される物及び方法は、1若しくはそれ以上の特定の効果が存在すること又は課題が解決されることを、要求するものでもない。さらには、本明細書において記載された様々な実施形態のうちの様々な特徴若しくは態様、又は、そのような特徴若しくは態様の一部は、相互に組み合わせて用いられ得る。
【0009】
本明細書において開示された様々な方法のうちの幾つかの方法の動作が、便宜上、特定の順序に沿って記載されているが、このような手法による記載は、特定の順序が以下特定の文章によって要求されていない限り、上記動作の順序を並び替えることを包含する、と理解すべきである。例えば、順番に記載された複数の動作は、幾つかの場合には、並び替えられるか又は同時に実行される。さらには、簡略化を目的として、添付図面は、本明細書に記載された様々な事項及び方法が他の事項及び方法とともに用いられ得るような様々な方法を示していない。
【0010】
本開示の装置又は方法に関連して本明細書に提示される、動作理論、科学的原理又は他の理論的な記載は、よりよい理解を目的として提供されており、技術的範囲を限定することを意図していない。添付した特許請求の範囲における装置及び方法は、このような動作理論により記載される方法により動作する装置及び方法に限定されない。
【0011】
本明細書に開示された様々な方法のいずれもが、コンピュータにより読み取り可能な1又はそれ以上の媒体に記憶された、コンピュータにより実行可能な複数の命令を用いて実装され、さらに、コンピュータにおいて実行され得る。上記1又はそれ以上の媒体は、例えば、少なくとも1つの光学媒体ディスク、複数の揮発性メモリ部品、又は、複数の不揮発性メモリ部品といったような、非一時的なコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であり得る。ここで、上記複数の揮発性メモリ部品は、例えばDRAM又はSRAMを含む。また、上記複数の不揮発性メモリ部品は、例えばハードドライブ及びソリッドステートドライブ(SSD)を含む。さらに、上記コンピュータは、例えば、計算を行うハードウェアを有するスマートフォン及び他のモバイル装置を含む、市場において入手可能な任意のコンピュータを含む。
【0012】
本明細書において開示された技術を実装するためのこのようなコンピュータにより実行可能な複数の命令のいずれもが、本明細書において開示された様々な実施形態の実装の間において生成され使用される任意のデータとともに、1又はそれ以上のコンピュータにより読み取り可能な媒体(例えば、非一時的なコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体)に記憶され得る。このようなコンピュータにより実行可能な複数の命令は、例えば、個別のソフトウェアアプリケーションの一部であり得るか、又は、ウェブブラウザ若しくは(リモート計算アプリケーションといったような)他のソフトウェアアプリケーションを介してアクセス又はダウンロードされるソフトウェアアプリケーションの一部であり得る。このようなソフトウェアは、例えば、(例えば市場において入手可能な任意の好適なコンピュータにおいて実行されるプロセスとしての)単一のローカルコンピュータにおいて、又は、1又はそれ以上のネットワークコンピュータを用いて、ネットワーク環境(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、(クラウド計算ネットワークといったような)クライアントサーバネットワーク、又は、他のそのようなネットワーク)において、実行され得る。
【0013】
明確化のために、ソフトウェアをベースとした様々な実装のうちの特定の選択された様々な態様のみが記載される。当該分野において周知である他の詳細な事項は省略される。例えば、本明細書において開示された技術は、特定のコンピュータ言語又はプログラムに限定されない。例えば、本明細書において開示された技術は、C、C++、Java(登録商標)、又は、他の任意の好適なプログラミング言語で記述されたソフトウェアにより実行され得る。同様に、本明細書において開示された技術は、特定のコンピュータ又は特定のタイプのハードウェアに限定されない。好適なコンピュータ及びハードウェアの特定の詳細な事項は、周知であって、本明細書において詳細に説明する必要はない。
【0014】
さらには、このようなソフトウェアをベースとした様々な実施形態(例えば、本明細書において開示される様々な方法のいずれかをコンピュータに実行させるための、コンピュータにより実行可能な複数の命令を含む)のいずれもが、好適な通信手段により、アップロードされ、ダウンロードされ、又は、リモート方式によりアクセスされ得る。このような好適な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバケーブルを含む)、磁気通信、電磁気通信(RF通信、マイクロ波通信、赤外線通信を含む)、電子通信、又は、他のそのような通信手段を含む。
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
【0016】
1.文書作成システムの例
一実施形態に係る文書作成システムは、簡潔にいえば、文書の作成を支援するサービス(以下「文書作成サービス」という。)を、少なくとも1つの情報処理装置を介してユーザに提供するシステムである。
図1は、一実施形態に係る文書作成システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、文書作成システム1は、通信網(通信回線)10に接続され得る1又はそれ以上の端末装置(情報処理装置)20と、通信網10に接続され得る1又はそれ以上の文書作成サーバ装置(情報処理装置)30と、通信網10に接続され得る1又はそれ以上のメールサーバ装置(情報処理装置)40と、を含むことができる。
【0017】
なお、図1には、1又はそれ以上の端末装置20の例として、3つの端末装置20A~20Cが例示され、1又はそれ以上の文書作成サーバ装置30の例として、2つのサーバ装置30A、30Bが例示され、1又はそれ以上のメールサーバ装置40の例として、2つのメールサーバ装置40A、40Bが例示されている。しかし、1又はそれ以上の端末装置20として、上記以外の1又はそれ以上の端末装置20が通信網10に接続され得るし、1又はそれ以上の文書作成サーバ装置30として、上記以外の1又はそれ以上のサーバ装置30が通信網10に接続され得るし、1又はそれ以上のメールサーバ装置40として、上記以外の1又はそれ以上のメールサーバ装置40が通信網10に接続され得る。
【0018】
通信網10は、携帯電話網、無線ネットワーク、固定電話網、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又は、イーサネット(登録商標)ネットワークを、これらに限定することなく含むことができる。上記無線ネットワークは、例えば、Bluetooth(登録商標)、(IEEE 802.11a/b/nといったような)WiFi、WiMax、セルラー、衛星、レーザー、赤外線、を介したRF接続を、これらに限定することなく含むことができる。
【0019】
端末装置20は、少なくとも1つの特定のアプリケーションを実行して文書作成サーバ装置30と通信することにより、「文書作成サービス」の提供を受けることができる。上記特定のアプリケーションは、ウェブブラウザ、オペレーティングシステム、及び/又は、上記サービスのために用意された専用のアプリケーション等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0020】
端末装置20は、任意の端末装置(情報処理装置)であって、スマートフォン、タブレット、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ、及び/又は、ワークステーション等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0021】
文書作成サーバ装置30は、インストールされた特定のアプリケーションを実行して、ウェブサーバ又はアプリケーションサーバとして機能することにより、端末装置20に対して文書作成サービスを提供することができる。上記特定のアプリケーションは、オペレーティングシステム、及び/又は、上記サービスのために特別に用意された専用のアプリケーション等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0022】
文書作成サーバ装置30は、任意の情報処理装置であって、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、及び/又は、スーパーコンピュータ等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0023】
メールサーバ装置40は、インストールされた特定のアプリケーションを実行して、例えば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ及び/又はPOP3(Post Office Protocol Version 3)サーバとして機能することにより、文書作成サーバ装置30に対して、メールの送受信に関するサービスを提供することができる。上記特定のアプリケーションは、オペレーティングシステム、及び/又は、上記メールの送受信のために特別に用意された専用のアプリケーション等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0024】
特に、メールの受信という局面に着目すると、メールサーバ装置40は、(SMTPサーバとして機能することにより)受信側メールアドレス宛に送信されたメールをそのメールアドレス専用のメールボックスに格納することができる。この後、メールサーバ装置40は、(POP3サーバとして機能することにより)文書作成サーバ装置30から上記或る受信側メールアドレス宛に送信されたメールに対するリクエストを受信することに応答して、このメールを文書作成サーバ装置30に送信することができる。
さらに、メールの送信という局面に着目すると、メールサーバ装置40は、(SMTPサーバとして機能することにより)、文書作成サーバ装置30により送信側メールアドレス宛に送信されたメールを、この送信側メールアドレスに含まれるドメインに対応するSMTPサーバに対して送信することができる。
【0025】
メールサーバ装置40は、任意の情報処理装置であって、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、及び/又は、スーパーコンピュータ等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0026】
2.各装置のハードウェア構成
端末装置20、文書作成サーバ装置30及びメールサーバ装置40の各々が有するハードウェア構成の一例について説明する。
(1)端末装置20のハードウェア構成
端末装置20のハードウェア構成例について図2を参照して説明する。図2は、図1に示した端末装置20(又はサーバ装置30)のハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である(なお、図2において、括弧内の参照符号は、後述するようにサーバ装置30に関連して記載されている)。
【0027】
図2に示すように、端末装置20は、中央処理装置21と、主記憶装置22と、入出力インタフェイス装置23と、入力装置24と、補助記憶装置25と、出力装置26と、を含むことができる。これら装置同士は、データバス及び/又は制御バスにより接続されている。
【0028】
プロセッサである中央処理装置21は、「CPU(Central Processing Unit)」と称され、主記憶装置22に記憶されている命令及びデータに対して演算を行い、その演算の結果を主記憶装置22に記憶させることができる。さらに、中央処理装置21は、入出力インタフェイス装置23を介して、入力装置24、補助記憶装置25及び出力装置26等を制御することができる。端末装置20は、1又はそれ以上のこのような中央処理装置21を含むことが可能である。
【0029】
主記憶装置22は、「メモリ」と称され、入力装置24、補助記憶装置25及び通信網10等(サーバ装置30等)から、入出力インタフェイス装置23を介して受信した命令及びデータ、並びに、中央処理装置21の演算結果を記憶することができる。主記憶装置22は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、EEPROM、フラッシュメモリ)、及び、ストレージ(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、磁気テープ、光学媒体)、といったようなコンピュータにより読み取り可能な媒体を、これらに限定することなく含むことができる。容易に理解されるように、「コンピュータにより読み取り可能な記録媒体」という用語は、変調されたデータ信号すなわち一時的な信号といったような送信媒体ではなく、メモリ及びストレージといったようなデータストレージのための媒体を含むことができる。
【0030】
補助記憶装置25は、主記憶装置22よりも大きな容量を有する記憶装置である。補助記憶装置25は、上記特定のアプリケーション等を構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を記憶しておき、中央処理装置21により制御されることにより、これらの命令及びデータ(コンピュータプログラム)を、入出力インタフェイス装置23を介して主記憶装置22に送信することができる。補助記憶装置25は、磁気ディスク装置及び/又は光ディスク装置等をこれらに限定することなく含むことができる。
【0031】
入力装置24は、外部からデータを取り込む装置であり、キーボード、タッチパネル、ボタン、マウス及び/又はセンサ(マイク、カメラ)等をこれらに限定することなく含むことができる。
【0032】
出力装置26は、ディスプレイ装置、タッチパネル及び/又はプリンタ装置等をこれらに限定することなく含むことができる。
【0033】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置21が、補助記憶装置25に記憶された上記特定のアプリケーションを構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を順次主記憶装置22にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができる。これにより、中央処理装置21は、入出力インタフェイス装置23を介して出力装置26を制御し、或いはまた、入出力インタフェイス装置23及び通信網10を介して、他の装置(例えばサーバ装置30等)との間で様々な情報(データ)の送受信を行うことができる。
【0034】
このように、端末装置20は、例えば、インストールされたウェブブラウザを実行することにより、サーバ装置30からウェブページを受信及び表示して(さらには、ウェブページに組み込まれたコンピュータプログラムを実行して)、文書作成サービスに関連する様々な動作(図3A及び図3B等を参照して後述する様々な動作を含む)を実行することができる。或いはまた、端末装置20は、インストールされた上記専用のアプリケーションを実行することにより、同様の動作を実行することができる。
【0035】
なお、端末装置20は、中央処理装置21に代えて又は中央処理装置21とともに、1又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含むこともできる。
【0036】
(2)文書作成サーバ装置30のハードウェア構成
文書作成サーバ装置30のハードウェア構成例について同じく図2を参照して説明する。文書作成サーバ装置30のハードウェア構成としては、例えば、上述した端末装置20のハードウェア構成と同様のものを用いることが可能である。したがって、文書作成サーバ装置30が有する構成要素に対する参照符号は、図2において括弧内に示されている。
【0037】
図2に示すように、文書作成サーバ装置30は、プロセッサである中央処理装置31と、主記憶装置32と、入出力インタフェイス装置33と、入力装置34と、補助記憶装置35と、出力装置36と、を含むことができる。これら装置同士は、データバス及び/又は制御バスにより接続されている。
【0038】
中央処理装置31、主記憶装置32、入出力インタフェイス装置33、入力装置34、補助記憶装置35及び出力装置36は、それぞれ、上述した端末装置20に含まれる、中央処理装置21、主記憶装置22、入出力インタフェイス装置23、入力装置24、補助記憶装置25及び出力装置26と略同一であり得る。
【0039】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置31が、補助記憶装置35に記憶された上記特定のアプリケーションを構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を順次主記憶装置32にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができる。これにより、中央処理装置31は、入出力インタフェイス装置33を介して出力装置36を制御し、或いはまた、入出力インタフェイス装置33及び通信網10を介して、他の装置(例えば端末装置20等)との間で様々な情報(データ)の送受信を行うことができる。
【0040】
これにより、文書作成サーバ装置30は、インストールされた上記特定のアプリケーションを実行してウェブサーバとして機能することができる。これにより、文書作成サーバ装置30は、各端末装置20に送信するウェブページ(さらにはウェブページに組み込まれ端末装置20により実行されるコンピュータプログラム)を介して、文章作成サービスに関連する様々な動作(図3A及び図3B等を参照して後述する動作を含む)を実行することができる。或いはまた、文書作成サーバ装置30は、インストールされた上記特定のアプリケーションを実行してアプリケーションサーバとして機能することができる。これにより、文書作成サーバ装置30は、同様の動作を実行することができる。
【0041】
なお、文書作成サーバ装置30は、中央処理装置31に代えて又は中央処理装置31とともに、1又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含むこともできる。
【0042】
(3)メールサーバ装置40のハードウェア構成
メールサーバ装置40のハードウェア構成例について同じく図2を参照して説明する。メールサーバ装置40のハードウェア構成としても、例えば、上述した端末装置20のハードウェア構成と同様のものを用いることが可能である。したがって、メールサーバ装置40が有する構成要素に対する参照符号は、図2において括弧内に示されている。
【0043】
図2に示すように、メールサーバ装置40は、プロセッサである中央処理装置41と、主記憶装置42と、入出力インタフェイス装置43と、入力装置44と、補助記憶装置45と、出力装置46と、を含むことができる。これら装置同士は、データバス及び/又は制御バスにより接続されている。
【0044】
中央処理装置41、主記憶装置42、入出力インタフェイス装置43、入力装置44、補助記憶装置45及び出力装置46は、それぞれ、上述した端末装置20に含まれる、中央処理装置21、主記憶装置22、入出力インタフェイス装置23、入力装置24、補助記憶装置25及び出力装置26と略同一であり得る。
【0045】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置41が、補助記憶装置45に記憶された上記特定のアプリケーションを構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を順次主記憶装置42にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができる。これにより、中央処理装置41は、入出力インタフェイス装置43を介して出力装置46を制御し、或いはまた、入出力インタフェイス装置43及び通信網10を介して、他の装置(例えば文書作成装置30等)との間で様々な情報(データ)の送受信を行うことができる。
【0046】
これにより、メールサーバ装置40は、インストールされた上記特定のアプリケーションを実行してメールサーバとして機能することができる。これにより、メールサーバ装置40は、メールの送受信に関連する様々な動作(図3A及び図3B等を参照して後述する動作を含む)を実行することができる。
【0047】
なお、メールサーバ装置40は、中央処理装置41に代えて又は中央処理装置41とともに、1又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含むこともできる。
【0048】
3.文書作成システムの動作
次に、図3A及び図3Bを参照して、文書作成システム1の動作の具体例について説明する。図3A及び図3Bは、図1に示した文書作成システムにおいて実行される動作の一例を示すフロー図である。
【0049】
まず、文書作成サーバ装置30は、インストールされた第1のコンピュータプログラムを実行することにより、メールサーバ装置40との間におけるメール(メッセージ)の送受信に関する機能、すなわち、所謂メーラーとしての機能(例えば、図3A及び図3Bを参照して、ST306、ST322、ST328に関連して後述する機能)を実行することができる。さらに、文書作成サーバ装置30は、インストールされた第2のコンピュータプログラムを実行することにより、ファイルの管理に関する機能(例えば、図3A及び図3Bを参照して後述する機能のうち、メール(メッセージ)の送受信に関する機能を除く機能)を実行することができる。別の実施形態では、文書作成サーバ装置30は、インストールされた1つのコンピュータプログラムを実行することにより、メール(メッセージ)の送受信に関する機能及びファイルの管理に関する機能の両方を実行することができる。
【0050】
図3Aを参照すると、まず、ステップ(以下「ST」という。)300において、或るユーザ(ここでは「ユーザA」)の端末装置20Aが、ユーザAの操作に従って、インストールされたウェブブラウザを起動して実行することができる。端末装置20Aは、文書作成サービスに固有のURLを指定して文書作成サーバ装置30にアクセスすることができる。さらに、端末装置20Aは、ユーザAの操作に従って、ユーザ名及びパスワードを入力して文書作成サーバ装置30に送信することにより、認証され得る。なお、上記ユーザ名及びパスワードは、或る組織(会社及び法律事務所等)に属するユーザAだけでなく、例えば同一の組織に所属する1人又はそれ以上の他のユーザにも共通に使用され得る。これにより、同一の組織等に属する複数のユーザが、それぞれ固有の端末装置20を用いて、文書作成サーバ装置30にアクセスして認証されることにより、文書作成サービスの提供を受けることができる。
ここでは、ユーザA及び複数人のユーザが、組織Iに属する場合について説明する。
【0051】
ST302において、認証された端末装置20Aは、文書作成サーバ装置30から受信したウェブページを用いて、各案件のステータス等を示すボード画面を表示することができる。図4は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面の一例を示す図である。
【0052】
図4に例示されるように、端末装置20Aは、ボード画面400において、ユーザAの属する組織Iがこれまでに依頼者等から受信した複数(ここでは例えば7件)のメール(案件、タスク)に関する情報402A~402Gを表示することができる。情報402A~402Gの各々は、対応するメールについて、「ステータス」、「件名」、「部署」、「日時」という列において、それぞれ、このメール(案件、タスク)に関する現在の状況、このメールに対応する案件名、このメールを送信した「部署」(送信者)、及び、このメールを受信した日時、を含むことができる。なお、このボード画面400は、組織Iに属する別のユーザの端末装置20においても同様に表示され得る。
【0053】
さらに、端末装置20Aは、ボード画面400において、検索のためのフィールド404を表示することができる。ST334に関連して後述するように、端末装置20Aは、これまでに組織Iが依頼者から受信した複数のメールの中から、ユーザAによりフィールド404に入力されたキーワードに一致及び/又は関連する1又はそれ以上のメールを表示することも可能である。
【0054】
図3Aに戻り、ST304において、ユーザAが、ボード画面400に表示された複数の案件(メール)に関する情報のうち、いずれかの情報をクリック等することにより、端末装置20Aは、その案件(メール)に関するさらに詳細な情報を表示することができる。
【0055】
図5は、図1に示した文書作成システムにおいて端末装置20により表示される画面の別の例を示す図である。図5には、ボード画面400(図4参照)に表示された案件(メール)のうちユーザAにより情報402Aに対応する案件(案件X)が選択された際に、端末装置20により表示される案件画面500の一例が示されている。
【0056】
図5に例示されるように、案件画面500は、まず、案件名に関する情報502を含むことができる。この情報502は、図4に示した情報402Aのうち、「案件名」の列に表示された情報と同一である。
さらに、案件画面500は、例えば左側部分において、この案件Xについてこれまでに受信又は送信されたメールに関する情報を含むことができる。ここでは、端末装置20Aは、例えば、依頼者Bからこの案件Xの依頼時に受信したメール500Aに関する情報504、このメールに対してユーザAから依頼者Bに対して返信されたメール500Bに関する情報506、このメールに対して依頼者BからユーザAに対して返信されたメール500Cに関する情報508等を表示することができる。なお、図5において「メール本文」と記載されている部分には、メールの本文が表示され得る。
【0057】
情報504に着目すると、端末装置20Aは、このメール500Aに対して依頼者Bにより添付されたファイルに関する情報(添付ファイルの存在を意味する「クリップ」に対応する画像、及び、添付ファイルの名称である「XYZ0001.docx」等)を表示することができる。
【0058】
さらに、案件画面500は、例えば右側部分において、本案件Xのステータスを示す情報510を含むことができる。この情報510は、この案件画面500において、例えば図示しないプルダウンメニューにより表示される、「未アサイン」(未だ本案件が誰にも割り当てられていない状態)、「進行中」(本案件が割り当てられたいずれかのユーザにより処理されている状態)、「回答待ち」(依頼者からの回答を待っている状態)及び「終了」(本案件が終了した状態)等のうち、組織Iに属するユーザ(例えばユーザA等)により選択されたステータスを含むことができる。このようにユーザA等により選択されたステータスは、図4に示したボード画面における「ステータス」に対応する列においても反映され表示される。
【0059】
また、案件画面500は、例えば右側部分において、本案件Xに対応する依頼者(ここでは「依頼者B」)を示す情報512、及び、組織Iにおいて本案件Xを割り当てられたユーザ(ここでは「ユーザA」)を示す情報514を含むことができる。
【0060】
さらにまた、案件画面500は、例えば右側部分において、本案件Xに関連して受信又は送信されたファイル(関連文書)に関する情報516を含むことができる。図5には、関連文書に関連する情報の一例として、依頼者Bから受信したメールに添付されたファイル(ファイルの名称:XYZ0001.docx)に関連する情報が示されている。この関連文書の詳細については後述する。
【0061】
図3Aに戻り、ST306において、依頼者Bが、上述した案件Xに関して組織Iに対してさらなるメール(メッセージ)を送信することができる。具体的には、依頼者Bは、その端末装置20等を利用して、組織Iに固有に割り当てられた1つのメールアドレス(例えば、info@inst.co.jp)宛にメールを送信することができる。なお、依頼者Bに限らず、他の依頼者等もまた、組織Iにタスクを依頼するときには、上記1つのメールアドレス宛にメール(メッセージ)を送信することができる。組織Iに固有に割り当てられた1つのメールアドレスは、組織Iに固有に割り当てられた「アカウント」ということもできる。
【0062】
このように依頼者Bの端末装置20により送信されたメールは、一旦、SMTPサーバとして機能するメールサーバ装置40によりメールボックスに格納される。次に、上記第1のコンピュータプログラムを実行する文書作成サーバ装置30が、例えばPOP3サーバとして機能するメールサーバ装置40に対して、info@inst.co.jp宛てに送信されたメールを要求することにより、依頼者Bの端末装置20により送信されたメールを受信することができる。このように、上記第1のコンピュータプログラムを実行する文書作成サーバ装置30は、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレス(アカウント)に向けて依頼者Bの端末装置20により送信されたメールを、メールサーバ装置40から受信して記憶することができる。一般化して述べると、上記第1のコンピュータプログラムを実行する文書作成サーバ装置30は、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレス(アカウント)と通信対象(ここでは例えば依頼者B、又は、メールサーバ装置40)との間におけるメールの送受信を実行し、そのように送受信されたメールを記憶することができる。なお、上記第1のコンピュータプログラムは、文書作成サーバ装置30により実行されることにより、この文書作成サーバ装置30を、RPA(Robotic Process Automation)技術を用いて、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレス(アカウント)と通信対象との間におけるメールの送受信に関する機能を実行するロボットとして動作させるものであってもよい。
【0063】
この文書作成システム1においては、同一の案件に関するメールには、その案件に固有の識別情報(メールスレッドを識別する情報等であって、任意の識別情報であり得る)が含まれる。よって、文書作成サーバ装置30は、各メールに含まれた識別情報を参照することにより、そのメールがいずれの案件に関連するメールであるかを認識することができる。したがって、文書作成サーバ装置30は、依頼者Bから受信したメールに含まれた識別情報を抽出することにより、このメールが案件Xに関連するメールであることを認識することができる。
【0064】
メールに含まれる識別情報の一例として、そのメールに含まれる「message ID」と称するパラメータを用いることができる。例えば、依頼者Bが新しい案件について組織Iの上記メールアドレスに向けて初めて送信したメールは、この案件に固有の「message ID」を有する。組織Iがこのメールに対して依頼者Bに向けて返信した電子メールもまた、同一の「message ID」を有する。したがって、文書作成サーバ装置30は、メールに含まれるこのような「message ID」に基づいて、そのメールがいずれの案件に関するメールであるのかを識別することができる。
【0065】
この結果、ユーザAの端末装置20Aは、文書作成サーバ装置30からウェブページを受信することにより、図6に示すように、案件画面600において、新たに依頼者Bから受信したメール600Aに関する情報602を表示することができる。図6に例示されるように、依頼者Bから組織Iに送信された第1メール(第1メッセージ)600Aに関する情報602は、この第1メールが、添付された第1ファイル(ファイルの名称:XYZ0003.docx)を含むことを示すことができる。
【0066】
ST308において、ユーザAが、この案件画面600において所定の操作を行うことにより、第1メール600Aに添付された第1ファイルを、案件Xに関連するグループに対応付けるように、端末装置20Aを介して文書作成サーバ装置30に指示することができる。
【0067】
具体的には、例えば、ユーザAが、この案件画面600において、第1ファイルの名称(XYZ0003.docx)を右クリック等すること等により、端末装置20Aは、ポップアップウィンドウ604を表示することができる。ポップアップウィンドウ604は、第1ファイルを既存の関連文書に関連するファイルとして登録する「既存の関連文書に重ねる」という選択肢604B、及び、第1ファイルを新規の関連文書として登録する「新規の関連文書として登録」という選択肢604Aを、含むことができる。
一実施形態では、選択肢604Bは、第1ファイルを、既に新規の関連文書として登録された「XYZ0001.docx」との間において相互に異なるバージョンを「有する」ファイルとして登録する選択肢である。選択肢604Aは、第1ファイルを、既に新規の関連文書として登録された「XYZ0001.docx」との間において相互に異なるバージョンを有するという関係を「有しない」ファイルとして登録する選択肢である。
【0068】
図6に示した例では、ユーザAは、選択肢604Bに関連して表示された「XYZ0001.docx」をチェック等して、「登録」ボタンを選択することにより、文書作成サーバ装置30は、相互に異なるバージョンを有する第1ファイル及びファイル「XYZ0001.docx」を、グループ(ここでは例えば「グループG2」)を識別するグループ識別情報に対応付けて記憶することができる。ここで、グループG2は、案件Xに関連するグループとして記憶され得る。これにより、文書作成サーバ装置30は、案件Xに関連するグループG2には、相互に異なるバージョンを有するファイル「XYZ0001.docx」及び第1ファイル(「XYZ0003.docx」)が存在することを認識することができる。
【0069】
この点についてさらに図7を参照して説明する。図7は、図1に示す文書作成システムにおいて文書作成サーバ装置30によるメッセージ及びファイルの保存方法の一例を概念的に示す模式図である。
【0070】
図7に例示されるように、文書作成サーバ装置30は、案件Xに固有のケース識別情報に対応付けて、案件Xについて組織I(info@inst.co.jp)が受信又は送信した複数のメールを記憶することができる。ここでは、例えば、文書作成サーバ装置30は、案件Xに固有のケース識別情報に対応付けて、メッセージ500A(及び添付ファイル:XYZ0001.docx)、メッセージ500B、メッセージ500C、並びに、メッセージ600A(及び添付ファイル:XYZ0003.docx)を記憶することができる。文書作成サーバ装置30は、これらのメッセージ及び添付ファイルを、例えば、第1のデータベースに記憶することができる。
【0071】
さらに、文書作成サーバ装置30は、案件Xに関連するグループを識別するグループ識別情報に対応付けて、案件Xにおいて組織Iにより受信又は送信され、相互に異なるバージョンを有する複数のファイルを記憶することができる。ここでは、例えば、文書作成サーバ装置30は、グループG2を識別するグループ識別情報に対応付けて、相互に異なるバージョンを有する、添付ファイル(XYZ0001.docx)及び添付ファイル(XYZ0003.docx)を記憶することができる。文書作成サーバ装置30は、これらの添付ファイルを、例えば、上記第1のデータベースとは異なる第2のデータベースに記憶することができる(別の実施形態では、文書作成サーバ装置30は、これらの添付ファイルを、例えば、上記第1のデータベースに記憶することもできる)。
【0072】
さらにまた、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて記憶された各添付ファイルと、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された各添付ファイルと、を対応付け、その対応付けに関する情報を上記第1データベース及び/又は上記第2データベースに記憶することができる。ここでは、例えば、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて記憶された、メッセージ500A及びその添付ファイル(XYZ0001.docx)を、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された添付ファイル(XYZ0001.docx)に対応付けることができる。同様に、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて記憶された、メッセージ600A及びその添付ファイル(XYZ0003.docx)を、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された添付ファイル(XYZ0003.docx)に対応付けることができる。
【0073】
これにより、文書作成サーバ装置30は、案件Xについて、組織Iにより受信又は送信された複数のメールを時系列に沿って識別することができる。また、文書作成サーバ装置30は、添付ファイルがいずれのメールに添付されたファイルであるのかを識別することができる。さらに、文書作成サーバ装置30は、案件Xについて、組織Iにより受信又は送信され、相互に異なるバージョンを有する複数のファイルを、時系列に沿って識別することができる。
【0074】
なお、文書作成サーバ装置30は、案件Xに限らず、1又はそれ以上の他の案件についても、案件Xに関連して図7を参照して上述したものと同様の方法により、メール及びファイルを記憶することができる。
【0075】
文書作成サーバ装置30は、以上のようにメール及びファイルを管理(記憶)し、このように管理(記憶)した情報を参照することにより、添付ファイル(XYZ0001.docx)及び添付ファイル(XYZ0003.docx)を時系列に沿って表示するように記述したウェブページを端末装置20Aに送信することができる。これにより、端末装置20Aは、図8に例示されるように、本案件Xに関連して受信又は送信されたファイル(関連文書)に関する情報516として、添付ファイル(XYZ0001.docx)及び添付ファイル(XYZ0003.docx)に関する情報(例えばファイルの名称等)を時系列に沿って表示することができる。したがって、ユーザA(及び組織Iに属する他のユーザ)は、添付ファイル(XYZ0001.docx)が修正されることにより、添付ファイル(XYZ0003.docx)が生成されたことを認識することができる。
【0076】
また、ユーザAは(及び組織Iに属する他のユーザ)は、図8に示された情報516のうち、添付ファイルに関する情報(例えばファイルの名称等)をクリック等することによって、端末装置20Aは、その添付ファイルを文書作成サーバ装置30から受信して表示することができる。
【0077】
図3Aに戻り、次に、ST310において、文書作成サーバ装置30は、ST308において受信した第1メール600Aに対して、タグを付与することができる。具体的には、文書作成サーバ装置30は、タグとして使用可能な複数の文言を予め記憶することができる。これら複数の文言は、例えば、以下の(i)~(iv)に列挙する文言の中から選択された複数の文言であり得る。
(i)契約書において用いられる専門用語又はキーワード(例えば、利用規約、守秘義務、故意重過失、電子契約、損害賠償、差止請求及び知的財産権等)
(ii)契約書において用いられる法律の正式名称又は略称(例えば、電子帳簿保存法、電帳法、民事訴訟法、民訴法、不正競争防止法、不競法等)
(iii)これまでに組織Iに属するユーザが本文書作成システム1を介して通信した各依頼者又は各担当者の名称
(iv)組織Iに属するいずれかのユーザにより登録された文言
(v)契約書のタイトル又は類型名称(例えば、利用規約、売買契約、業務委託契約等)
【0078】
文書作成サーバ装置30は、このような予め用意された複数の文言のうち、第1メール600Aの本文に存在する1又はそれ以上の文言を、タグとして、第1メール600Aに対して自動的に付与すること(第1メール600Aに対応付けて記憶すること)ができる。
【0079】
なお、別の実施形態では、文書作成サーバ装置30が第1メール600Aに対して自動的に1若しくはそれ以上のタグを付与する構成に代えて、又は、この構成に加えて、文書作成サーバ装置30がユーザAの操作を介してその端末装置20Aから受信した1若しくはそれ以上のタグを第1メール600Aに対して付与することも可能である。
【0080】
このような文書作成サーバ装置30による第1メール600Aに対するタグ付けは、必ずしもST310のタイミングにおいて実行される必要はなく、ST306において文書作成サーバ装置30が第1メール600Aを受信した後の「任意の」タイミングにおいて、文書作成サーバ装置30は、第1メール600Aに対して1又はそれ以上のタグを付与することができる。
【0081】
このようなタグは、第1メール600Aだけでなく、それ以前に受信又は送信されたメール(例えば、図5に例示したメール500A~500C等)に対しても同様の方法により付与され得る。
【0082】
このように付与されたタグの利用方法については、後にST322及びST334に関連して説明する。
【0083】
次に、ST312において、ユーザAは、その端末装置20Aを操作して、例えば第1メール600Aに添付された第1ファイル(契約書を示すファイル)を、検査の対象として、文書作成サーバ装置30にアップロード(送信)することができる。
【0084】
ST314において、文書作成サーバ装置30は、ST312においてアップロードされた第1ファイルを検査/解析(レビュー)することができる。文書作成サーバ装置30が実行する検査/解析の方法としては、例えば、契約書に含まれる各条文が予め定められた条件を満たすか否かを検査する方法を用いることが可能である。
【0085】
まず、第1ステップにおいて、文書作成サーバ装置30は、契約書を条文単位で分割することにより、複数の条文を抽出することができる。
次に、第2ステップにおいて、文書作成サーバ装置30は、上記複数の条文の各々について、その条文が予め定められた複数の条件(ルール)を満たすか否かを検査することができる。或る条文が或る条件(ルール)を満たすか否かは、その条文を分割することにより得られる複数の語(単位語)を用いて、例えば次の2つの手法により判定可能である。まず、第1例では、その条文に含まれる複数の語の中に、その条件に対応付けて設定された特定の1又はそれ以上の語が存在する場合(すなわち、その条文に含まれる複数の単位語が予め定められた条件を満たす場合)には、その条文はその条件を満たさないものとして判定され得る。第2例では、条文に含まれる複数の語(質問データ)と、その条文が満たさない条件(解答データ)と、を含む教師データを用いて、予め学習モデル(入力層と、複数の中間層と、出力層と、を有するモデル)を学習させておき、対象とされる条文に含まれる複数の語をその学習モデルに入力することにより、その条文が満たさない条件を取得することができる。
最後に、第3ステップにおいて、文書作成サーバ装置30は、各条件と、その条件に対応する警告情報と、その条件に対応する少なくとも1つの提示情報と、を対応付けた検索テーブルを読み出すことができる。このような検索テーブルを用いて、文書作成サーバ装置30は、上記第2ステップにおいて取得した各条件について、その条件に対応する警告情報及び少なくとも1つの提示情報を取得することができる。
【0086】
例えば、対象とされる条文が満たさない条件が「秘密情報が第三者に開示されない」である場合には、文書作成サーバ装置30は、検索テーブルを検索して、その条件に対応する「秘密情報が第三者に開示される例外が定められています」という警告情報を取得することができる。
【0087】
なお、上述した少なくとも1つの提示情報は、例えば、以下の3つのタイプの提示情報のうちの少なくとも1つを、これらに限定することなく含むことができる。
【0088】
(1)第1タイプ
第1タイプは、条文に対する修正の方針を示す「修正方針」タイプであり得る。具体例を挙げると、「秘密情報が第三者に開示されない」という条件(ルール)に対応付けられた、第1タイプに属する提示情報は、以下のとおりである。
「以下のいずれかに修正
(1)[有利]該当部分を削除
(2)[中間]開示可能となっている第三者の範囲を限定」
【0089】
(2)第2タイプ
第2タイプは、条文に対する修正の文例を示す「修正文例」タイプであり得る。具体例を挙げると、「秘密情報が第三者に開示されない」という条件(ルール)に対応付けられた、第2タイプに属する提示情報は、以下のとおりである。
「(第三者への開示)
受領者は、本目的のために必要な範囲内において、親会社、子会社、並びに自己及び関連会社の役員及び従業員に対して、秘密情報を開示できるものとする。ただし、開示を受ける者が少なくとも本契約に定める秘密保持義務と同様の秘密文字義務を法令又は契約に基づき負担する場合に限るものとする。」
【0090】
(3)第3タイプ
第3タイプは、条件に関する解説を示す「解説」タイプであり得る。具体例を挙げると、「秘密情報が第三者に開示されない」という条件(ルール)に対応付けられた、第3タイプに属する提示情報は、以下のとおりである。
「秘密保持契約では、秘密情報の受領者は、基本的には、『第三者』に秘密情報を開示することはできません。『第三者』とは、契約当事者以外の者をいいます。企業間の取引の場合、典型的には、関連会社、委託先、弁護士などのアドバイザーなどが『第三者』に該当しますが、当該企業の『役員』や『従業員』も厳密に考えると『第三者』にあたりうることになります。
受領者としては、このような『第三者』に秘密情報を開示することを予定しているときは、契約書に個別に名前などを列挙して、それらの第三者には開示者の事前同意なく、秘密情報を開示できると定めるのが通常です。
そこで、秘密情報の開示者としては、秘密情報を入手されると不利益となるときには、第三者の範囲を限定する必要があります。」
【0091】
文書作成サーバ装置30は、第1ファイルに対してそのコメント欄にこのように取得した警告情報及び少なくとも1つの提示情報を付加したファイルを、ユーザAの端末装置20Aに送信することができる。このようなファイルを開いたときに端末装置20Aにより表示される画面の一例が図9に示されている。
【0092】
図9に例示される画面900を参照すると、第1ファイルに含まれた第3条第2項においてハイライトが付された部分902が「秘密情報が第三者に開示されない」という条件(ルール)を満たさないため、コメント欄において、警告情報904、第1タイプの提示情報906、第2タイプの提示情報908及び第3タイプの提示情報910が表示される。
【0093】
図3Aに戻り、ST316において、ユーザAは、文書作成サーバ装置30により検査された第1ファイルを閲覧して、端末装置20Aを用いて第1ファイルを編集することにより、端末装置20Aは第2ファイルを作成することができる。
【0094】
次に、ST318において、第2ファイルが、ファイル(XYZ0001.docx)及び第1ファイル(XYZ0003.docx)とともに、相互に異なるバージョンを有するグループ(このグループを文書作成サーバ装置30はグループG2として登録済)に属することを認識しているユーザAは、所定の操作を行うことにより、第2ファイルをこのグループに対応付けることができる。
【0095】
例えば、ユーザAは、端末装置20Aを操作して、第2ファイルのアイコンを、ドラッグして、図8に例示される「ドラッグ&ドロップで新しい文書を追加」というフィールド802にドロップする操作を行うことができる。この操作に応答して、文書作成サーバ装置30は、第2ファイルをグループG2に対応付けて記憶することができる。
関連文書の登録方法の別の例として、ユーザAが、文書作成サーバ装置30により或るグループ(例えばグループG2)に対応付けて記憶されている或るファイル(例えば第1ファイル)を編集又は複製等することにより、別のファイル(例えば第2ファイル)を生成した場合を考える。この場合、ユーザAによる明示的な操作又は指示がなされなくとも、上記別のファイル(第2ファイル)が、上記或るファイル(例えば第1ファイル)とともに、上記或るグループに属することが明白である。したがって、このような場合には、文書作成サーバ装置30は、ユーザAによる特段の操作又は指示がなくとも、自動的に、上記別のファイル(第2ファイル)をグループG2に対応付けて記憶することができる。
【0096】
具体的には、先に用いた図7を再度参照すると、文書作成サーバ装置30は、グループG2のグループ識別情報に対応付けて第2ファイル(ファイル名:XYZ0004.docx)を記憶することができる。これにより、文書作成サーバ装置30は、グループG2のグループ識別情報に対応付けて、ファイル(XYZ0001.docx)、第1ファイル(XYZ0003.docx)及び第2ファイル(XYZ0004.docx)を、時系列に沿って記憶することができる。
【0097】
さらに、文書作成サーバ装置30は、図10に例示されるように、案件画面1000において、本案件Xに関連して受信又は送信されたファイル(関連文書)に関する情報516として、添付ファイル(XYZ0001.docx)、第1ファイル(XYZ0003.docx)、及び、第2ファイル(XYZ0004.docx)に関する情報(例えばファイルの名称等)を時系列に沿って表示することができる。したがって、ユーザA(及び組織Iに属する他のユーザ)は、第1ファイル(XYZ0003.docx)が修正されることにより、第2ファイル(XYZ0004.docx)が生成されたことを認識することができる。
【0098】
次に、図3Bを参照すると、ST320において、ユーザAの操作に応答した端末装置20Aは、第2ファイルを添付した第2メール(第2メッセージ)を生成することができる。
【0099】
ユーザAは、新規のメール(メッセージ)を作成するために所定の操作を行うことにより、端末装置20Aは、文書作成サーバ装置30から受信したウェブページを用いて、図11に例示されるような、メール作成のための画面1100を表示することができる。
【0100】
ユーザAは、第2メールに対して第2ファイルを添付するために、画面1100において「ファイルを添付」というオブジェクト1102をクリック等することができる。これに応答して、端末装置20Aは、添付すべきファイルを選択するためのウィンドウ1104を表示することができる。ユーザAは、添付ファイルとして、案件Xに関連するファイルを選択する場合には、「関連文書から紐づけ」というオブジェクト1106にチェックを付すことができる。一方、ユーザAは、添付ファイルとして、端末装置20Aに記憶されたファイルを選択する場合には、「ローカルからアップロード」というオブジェクト1108にチェックを付すことができる。ここでは、ユーザAは、図11に例示されているように、前者を利用することができる。
【0101】
文書作成サーバ装置30は、図7を参照して上述したように、案件Xに関連するグループのグループ識別情報に対応付けて、相互に異なるバージョンを有する1又はそれ以上のファイルを記憶している。文書作成サーバ装置30は、この情報を用いてウェブページを作成して端末装置20Aに送信することにより、端末装置20Aは、図11に示すように、案件Xに関連するグループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された、ファイル(XYZ0001.docx)に関する情報1106A、第1ファイル(XYZ0003.docx)に関する情報1106B、及び、第2ファイル(XYZ0004.docx)に関する情報1106Cを、時系列に沿って表示することができる。
【0102】
端末装置20Aは、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された複数のファイルのうち、最先のバージョンを有するファイルに関する情報1106Aを、残りのファイルに関する情報1106B、1106Cと区別して表示することが可能である。一例として、端末装置20Aは、図11に例示されるように、情報1106Aに適用されるインデントを、情報1106B、1106Cに適用されるインデントと異なるようにして、これらの情報を表示することができる。別の例では、端末装置20Aは、情報1106Aに適用される色、フォント及び/又はサイズを、情報1106B、1106Cに適用されるフォント及び/又はサイズと異なるようにして、これらの情報を表示することもできる。
【0103】
なお、仮に、文書作成サーバ装置30が、案件Xに関連する、上記グループG2とは異なる別のグループ(例えばグループG0)のグループ識別情報に対応付けて、相互に異なるバージョンを有する1又は複数のファイルを記憶している場合を考える。なお、グループG0のグループ識別情報に対応付けて記憶された1又は複数のファイルは、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された上述した複数のファイルに対して、相互に異なるバージョンを有するという関係を有していない。この場合には、文書作成サーバ装置30は、この情報を用いてウェブページを作成して端末装置20Aに送信することにより、端末装置20Aは、図11に例示されるように、グループG0の識別情報に対応付けて記憶された、相互に異なるバージョンを有するファイル(ZZZ0001.docx)に関する情報1106D及びファイル(ZZZ0002.docx)に関する情報1106Eを、ウィンドウ1104に表示することができる。
【0104】
端末装置20Aは、ウィンドウ1104に表示された第2ファイル(XYZ0004.docx)に関する情報1106Cに対する、ユーザAにより行われた所定の操作(クリック等)に応答して、第2メールに添付すべきファイルとして第2ファイルが選択されたことを認識することができる。
【0105】
さらに、ユーザAは、フィールド1110にメール本文を記載することができる。ユーザAが、端末装置20Aを操作して、このフィールド1110に文章を入力することに応答して、端末装置20Aは、このように入力された文章を文書作成サーバ装置30に送信することができる。
【0106】
ST322において、文書作成サーバ装置30は、端末装置20Aから受信した文章に含まれる複数の語のいずれかの語が、これまでに組織Iにより案件Xを含む複数の案件について送信又は受信されたいずれかの1又はそれ以上のメールに付与された1又はそれ以上のタグに一致又は関連する場合には、上記1又はそれ以上のメールに関する情報(メール本文、添付ファイル等)を含むウェブページを端末装置20Aに送信することができる。
【0107】
これに応答して、端末装置20Aは、ST322において、図11に例示した画面1100に重ねて表示したポップアップウィンドウ(図示せず)に、そのようなメールに関する情報(メール本文、添付ファイル等)を過去の例として表示することができる。これにより、ユーザAは、第2メール(第2メッセージ)の本文を、(自ら検索することなく)画面1100に自動的に表示された第2メールに関連する過去の案件を参考にして、効率的に作成することができる。
なお、文書作成サーバ装置30が組織Iにより「送信」されたメールにタグを付与する方法としては、例えば、ST310に関連して上述したような、組織Iにより「受信」されたメールに対してタグを付与するものと同一の方法を用いることができる。
【0108】
ユーザAが、画面1100に表示された「送信」というオブジェクト1112をクリック等することにより、端末装置20Aは、メール本文、及び、添付ファイルとしての第2ファイルに関する情報を、文書作成サーバ装置30に送信することができる。
【0109】
これに応答して、文書作成サーバ装置30は、上記第1のコンピュータプログラムを実行することにより、第2ファイルを添付した第2メール(第2メッセージ)を、SMTPサーバとして機能するメールサーバ装置40に送信することができる。このように、上記第1のコンピュータプログラムを実行する文書作成サーバ装置30は、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレス(アカウント)により依頼者Bに向けて送信されたメールを、メールサーバ装置40に送信することができる。一般化して述べると、上記第1のコンピュータプログラムを実行する文書作成サーバ装置30は、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレス(アカウント)と通信対象(ここでは例えば依頼者B、又は、メールサーバ装置40)との間におけるメールの送受信を実行し、そのように送受信されたメールを記憶することができる。メールサーバ装置40は、第2メールの宛先である依頼者Bの電子メールアドレスを参照して、該当するSMTPサーバを識別し、そのように識別したSMTPサーバに対して第2メールを送信することができる。
【0110】
このように第2メールの送信が完了した後、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて、第2メール(第2メッセージ)1200Aを記憶することができる。具体的には、図7に例示されるように、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて、メール(メッセージ)500A及びその添付ファイル(XYZ0001.docx)、メール(メッセージ)500B、メール(メッセージ)500C、メール(メッセージ)600A及びその添付ファイル(XYZ0003.docx)、並びに、メール(メッセージ)1200A及びその添付ファイル(XYZ0004.docx)を、記憶することができる。なお、ST330に関連して後述するように、文書作成サーバ装置30は、図7に例示されるように、案件Xに固有のケース識別情報に対応付けて、メッセージ1300A及びその添付ファイル(YYY0001.docx)を記憶することもできる。
【0111】
さらに、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて記憶された各添付ファイルと、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶された各ファイルと、を対応付け、その対応付けに関する情報を上記第1データベース及び/又は上記第2データベースに記憶することができる。ここでは、例えば、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて記憶された、メール(メッセージ)1200A及びその添付ファイル(XYZ0004.docx)を、グループG2のグループ識別情報に対応付けて記憶されたファイル(XYZ0004.docx)に対応付けることができる。
【0112】
図3Bに戻り、次に、ST324において、文書作成サーバ装置30は、第2メール(第2メッセージ)に対しても、第1メール(第1メッセージ)に関連してST310において上述したものと同様の方法により、1又はそれ以上のタグを付与して記憶することができる。
【0113】
次に、ST326において、端末装置20Aは、文書作成サーバ装置30から受信したウェブページを用いることにより、図12に例示されるような案件画面1200を表示することができる。図12に示されているように、端末装置20Aは、ユーザAが依頼者Bに対して送信した第2メールに関する情報1202を表示することができる。この情報1202は、第2メールが添付ファイルとして第2ファイル(XYZ0004.docx)を有することを示すことができる。
【0114】
図3Bに戻り、次に、ST328において、依頼者Cが、上述した案件Xに関して組織Iに対してさらなるメール(第3メール/第3メッセージ)を送信することができる。この場合にも、依頼者Cは、その端末装置20を利用して、組織Iに固有に割り当てられた1つのメールアドレス(info@inst.co.jp)宛にメールを送信することができる。この第3メール(第3メッセージ)は、メールサーバ装置40を介して、上記ST306に関連して説明したものと同様の方法により、上記第1のコンピュータプログラムを実行する文書作成サーバ装置30により受信される。文書作成サーバ装置30は、この第3メールに含まれた上述した識別情報を抽出することにより、この第3メールが案件Xに関連するメールであることを認識することができる。
【0115】
これに応答して、文書作成サーバ装置30は、ウェブページを作成して端末装置20Aに送信することにより、端末装置20Aは、図13に例示されるような案件画面1300を表示することができる。案件画面1300は、依頼者Cから受信した第3メール(第3メッセージ)1300Aに関する情報1302を含むことができる。
【0116】
この後、ST330において、ユーザAが、この案件画面1300において所定の操作を行うことにより、第3メール1300Aに添付された第3ファイルを、案件Xに関連するグループに対応付けるように、端末装置20Aを介して文書作成サーバ装置30に指示することができる。具体的には、ST308に関連して上述したように、ユーザAは、第3ファイルの名称(YYY0001.docx)を右クリック等すること等により、端末装置20Aは、図示しないポップアップウィンドウ(図6参照)を表示することができる。このようなポップアップウィンドウにおいて、ユーザAは、「新規の関連文書として登録」という選択肢(図6参照)を選択することができる。これは、第3ファイルが、例えば、第1ファイル(XYZ0003.docx)及び第2ファイル(XYZ0004.docx)等とは別の契約書を示すファイルであることにより、これらのファイルとの間において、相互に異なるバージョンを有する関係を有しないからである。
【0117】
これにより、文書作成サーバ装置30は、先に用いた図7を参照すると、まず、案件Xに固有のケース識別情報に対応付けて、メッセージ500A(及び添付ファイル:XYZ0001.docx)、メッセージ500B、メッセージ500C、メッセージ600A(及び添付ファイル:XYZ0003.docx)、メッセージ1200A(及び添付ファイル:XYZ0004.docx)、並びに、メッセージ1300A(及び添付ファイル:YYY0001.docx)を記憶することができる。
【0118】
さらに、文書作成サーバ装置30は、グループG2とは異なる新たなグループ(グループG3)を識別するグループ識別情報に対応付けて、添付ファイル(YYY0001.docx)を記憶することができる。
【0119】
さらにまた、文書作成サーバ装置30は、案件Xのケース識別情報に対応付けて記憶された、メッセージ1300A及びその添付ファイル(YYY0001.docx)を、グループG3のグループ識別情報に対応付けて記憶された添付ファイル(YYY0001.docx)に対応付けることができる。
【0120】
文書作成サーバ装置30は、この情報を用いてウェブページを作成して端末装置20Aに送信することにより、端末装置20Aは、案件画面1300に示される情報516において、第3ファイル(YYY0001.docx)が、相互に異なるバージョンを有する他の3つのファイル(XYZ0001.docx、XYZ0003.docx、XYZ0004.docx、)が属するグループとは異なる別のグループに、属するファイルであることを表示することができる(例えば、図13に例示されるように、グループG2に属する関連文書とグループG3に属する関連文書との間に境界線が表示され得る)。これにより、ユーザA(及び組織Iに属する他のユーザ)は、案件Xに関連して、或る書面(ここでは契約書)について相互に異なるバージョンを有する複数(ここでは3つ)のファイルが上方から下方に向かう時系列に沿って作成され、これとは全く別の書面(ここでは別の契約書)について相互に異なるバージョンを有する複数(ここでは現時点では1つ)のファイルが時系列に沿って作成された、という事実を認識することができる。
【0121】
図3Bに戻り、次に、ST332において、文書作成サーバ装置30は、第3メール(第3メッセージ)1300Aに対しても、第1メール(第1メッセージ)に関連してST310において上述したものと同様の方法により、1又はそれ以上のタグを付与して記憶することができる。
【0122】
次に、オプションとして、ST334において、ユーザAは、端末装置20Aに対する操作を介して、図4に例示したようなボード画面400を端末装置20Aに表示させることができる。ユーザAは、フィールド404に、自己が参照したいメールを探すべく、適切なキーワードを入力することができる。
これに応答して、第1例では、文書作成サーバ装置30は、これまでに組織Iにより受信又は送信されたすべてのメールの中から、このキーワードに一致するキーワードを含む、又は、このキーワードに関連するキーワードを含む、1又はそれ以上のメールを抽出することができる。第2例では、文書作成サーバ装置30は、これまでに組織Iにより受信又は送信されたすべてのメールの中から、ユーザAに入力されたキーワードに一致するタグを含む、又は、このキーワードに関連するタグを含む、1又はそれ以上のメールを抽出することができる。
文書作成サーバ装置30は、このようにして抽出された1又はそれ以上のメールに関する情報を含むウェブページを端末装置20Aに送信することにより、端末装置20Aは、上記抽出された1又はそれ以上のメールに関する情報(例えば、送信者、案件名、部署、時間、メール本文及び添付ファイル等)を、表示することができる。
これにより、ユーザAは、自己が望む過去のメールを迅速かつ効果的に閲覧することができる。
【0123】
これまで案件Xに関して組織Iにより受信又は送信されるメール(メッセージ)に着目して説明したが、案件Xとは別の案件に関しても、文書作成サーバ装置30及び端末装置20は、上記と同様の処理を実行することができる。この結果、文書作成サーバ装置30は、上記別の案件に関しても、図7に例示した手法により、各メール(各メッセージ)、そのメールに添付されたファイル、又は、他のファイル等を、記憶することができる。
また、図3A及び図3B等を参照して説明した例においては、第1メッセージ(ST306)が、依頼者Bから組織Iに固有に割り当てられたメールアドレスに向けて送信されたメッセージであるとしたが、第1メッセージは、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレスから依頼者Bに向けて送信されたメッセージであってもよい。このことは、第3メッセージ(ST328)にも同様に当て嵌まる。さらに、図3A及び図3B等を参照して説明した例においては、第2メッセージ(ST320)が、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレスから依頼者Bに向けて送信されたメッセージであるとしたが、第2メッセージは、依頼者Bから組織Iに固有に割り当てられたメールアドレスに送信されたメッセージであってもよい。
すなわち、図7に示した、メッセージ500A~メッセージ1330Aを含む複数のメッセージは、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレスにより「送信」されたメッセージであってもよいし、組織Iに固有に割り当てられたメールアドレスにより「受信」されたメッセージであってもよい。
【0124】
4.変形例
上述した様々な実施形態では、或るケース(例えば案件X)のケース識別情報に関連するグループ(例えばグループG2)を識別するグループ識別情報に対応付けて記憶される複数のファイルが、上記或るケースについて同一のグループに属して「相互に異なるバージョンを有する複数のファイル」である場合に着目して説明した。しかし、一般化して説明すれば、上記或るケース(案件X)のケース識別情報に関連するグループ(グループG2)を識別するグループ識別情報に対応付けて記憶される複数のファイルは、上記或るケースについて同一のグループに属して「相互に関連する複数のファイル」である、ということができる。上記或るケースについて同一のグループに属して「相互に関連する複数のファイル」は、上述した相互に異なるバージョンを有する複数のファイルの他に、例えば、契約内容、期限、期間及び/又は担当者等の観点において、相互に関連する複数のファイルを(これらに限定することなく)含むことができる。かかる複数のファイルは、以下のとおり例示され得る。
・複数のファイルに関する第1の例(原契約を示す第1ファイル、及び、原契約を変更する覚書を示す第2ファイル)
・複数のファイルに関する第2の例(取引の基本契約を示す第1ファイル、及び、その個別の取引の条件を定めた個別契約を示す第2ファイル)
・複数のファイルに関する第3の例(組織Iが或る期限までに処理する必要のある任意の複数のファイル)
・複数のファイルに関する第4の例(組織Iが或る期間において処理する又は処理した任の複数のファイル)
・複数のファイルに関する第5の例(組織Iに属する特定の担当者により担当される複数の任意のファイル)
・複数のファイルに関する第6の例(依頼者に属する特定の担当者により担当される複数の任意のファイル)
なお、このような複数のファイルを、上記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する(関連文書として記憶する)ために、文書作成サーバ装置30及び端末装置20等により行われる動作又は処理は、上述したものと同様であり得る。
【0125】
上述した様々な実施形態では、文書作成サーバ装置30は、組織Iに固有の1つのメールアドレス宛に依頼者等により送信された電子メール(メッセージ)をメールサーバ装置40から受信し、上記1つのメールアドレスから依頼者等宛てに送信された電子メール(メッセージ)をメールサーバ装置40に送信する場合について説明した。しかし、別の実施形態では、文書作成サーバ装置30は、電子メールを用いることに代えて、各種のグループウェア(例えば、TeamsやSlack等を含む任意のグループウェア)により送信又は受信されるメッセージを用いることも可能である。この場合には、文書作成サーバ装置30は、上記グループウェアを実行するためのアプリケーションを実行し、このアプリケーションとの間においてAPI連携を行うことができる。これにより、文書作成サーバ装置30は、特定のチャネル又は特定のチームに対して依頼者等により投稿されたメッセージを受信し、組織Iにより上記特定のチャネル又は上記特定のチームに対して投稿されたメッセージを依頼者等に送信することができる。このようにして、文書作成サーバ装置30は、電子メールに代えて、グループウェアにより上記特定のチャネル又は上記特定のチームに対して投稿されるメッセージを用いることができる。この場合、上記特定のチャネル又は上記特定のチームが、組織Iに固有に割り当てられた「アカウント」に相当する。
【0126】
上述した様々な実施形態では、好ましい例として、端末装置20が、1つの文書作成サーバ装置30にアクセスして、文書作成サービスの提供を受ける場合について説明した。しかし、複数のサーバ装置30が、端末装置20との間において実行すべき複数の処理を分担して、端末装置20に文書作成サービスを提供することも可能である。
【0127】
また、上述した様々な実施形態では、好ましい例として、端末装置20が、ウェブブラウザを実行して、ウェブサーバとして機能するサーバ装置30と通信することにより、サーバ装置30から文書作成サービスの提供を受ける場合について説明した。しかし、端末装置20は、文書作成サービス専用のアプリケーションを実行して、アプリケーションサーバとして機能するサーバ装置30と通信することにより、サーバ装置30から文書作成サービスの提供を受けることも可能である。
【0128】
さらにまた、上述した様々な実施形態では、好ましい例として、端末装置20が、通信回網10を介して、サーバ装置30と通信することにより、サーバ装置30から文書作成サービスの提供を受ける場合について説明した。しかし、端末装置20が上述したサーバ装置30の動作を実行するように構成された、又は、サーバ装置30が上述した端末装置20の動作を実行するように構成された、スタンドアローン型の情報処理装置を用いることも可能である。
【0129】
本開示の利益を有する当業者により容易に理解されるように、上述した様々な例は、矛盾を生じさせない限りにおいて、相互に様々なパターンで適切に組み合わせて用いられ得る。
【0130】
以上説明したように、様々な実施形態によれば、文書作成サーバ装置30は、依頼者等との間において、案件に関する連絡を、電子メールアプリケーションで用いられる電子メール(又はグループウェアアプリケーションで用いられるメッセージ)のみを介して送信又は受信することができる。すなわち、依頼者等は、組織Iに連絡をする場合には、組織Iに固有の1つの電子メールアドレス(勿論2つ以上の電子メールアドレスであっても可能である)との間で、電子メールを送信又は受信すればよい(又は、特定のチャネル若しくはチームに対してメッセージを投稿し、このチャネル若しくはチームに対して投稿されるメッセージを閲覧すればよい)。したがって、依頼者等と組織I等が、電子メール、電話、口頭及び物理的な書面等といった複数の窓口を介して連絡をとる必要がなくなるため、組織I等が依頼者等から受領した案件を見落とすといった事態が発生することを効果的に抑えることができる。
【0131】
また、様々な実施形態によれば、文書作成サーバ装置は、或る案件を識別するケース識別情報に対応付けて、上記或る案件に関連する複数のメール(メッセージ)を記憶し、上記或るケースについて、同一の或るグループに属して相互に異なるバージョンを有する複数のファイルを、上記ケース識別情報に関連する上記或るグループを識別するグループ識別に対応付けて記憶することができる。
【0132】
このように記憶された情報を参照することにより、文書作成サーバ装置(ひいては組織Iに属する各ユーザ)は、まず、上記或る案件について、送信又は受信された各メール(及び添付ファイル)を認識することができる(例えば図5図6図8図10図12図13等参照)。これにより、各ユーザは、上記或る案件に関連する複数のメールのうち、所望のメール及び/又はそのメールに添付されたファイルに対して、迅速かつ効率的に到達することができる。
【0133】
さらに、文書作成サーバ装置(ひいては組織Iに属する各ユーザ)は、上記或る案件に関連して、同一の上記或るグループに属して、相互に異なるバージョンを有する複数のファイルを、時系列に沿って認識することができる。したがって、各ユーザは、上記或る案件に関連して送受信された複数のファイルの中から、所望のバージョン(例えば最新のバージョン)を有するファイルに対して、迅速かつ効率的に到達することができる。具体的には、従来方式であれば、各ユーザは、依頼者等からメールを介してファイルを受信する度に、エクスプローラ等を利用してそのファイルを特定のフォルダに保存し、そのような特定のフォルダに保存された複数のファイルから所望のファイル(最新のバージョンを有するファイル等)をロードして編集した後、編集されたファイルを依頼者等に送信する必要がある。しかしながら、様々な実施形態によれば、各ユーザは、上記或る案件に関連して、同一の上記或るグループに属して相互に異なるバージョンを有する複数のファイルが時系列に沿って表示される画面(例えば、図8図10図12図13等参照)を閲覧することにより、容易かつ迅速に所望のファイル(最新のバージョンを有するファイル等)を開いて編集することができる。さらに、各ユーザは、そのように編集したファイルを上記或るグループに属する新たなファイルとして簡単に対応付けることができる(例えば、図10等参照)。さらにまた、各ユーザは、依頼者等に送信すべきメールを作成する局面において、上記或るグループに属する複数のファイルを時系列に沿って認識することができるので、添付すべきファイルとして所望のファイル(編集したファイル等)を容易かつ迅速に指定することができる(例えば図11等参照)。
【0134】
さらにまた、文書作成サーバ装置(ひいては組織Iに属する各ユーザ)は、上記或る案件を識別するケース識別情報に対応付けられた複数のメールの各々に添付されたファイル(但しかかるファイルが存在する場合)が、上記或る案件に関連する上記或るグループを識別するグループ識別情報に対応付けられた複数のファイルのうちいずれのファイルに対応するのか、を認識することができる。別言すれば、上記或る案件に関連する上記或るグループを識別するグループ識別情報に対応付けられた各ファイルが、上記或る案件を識別するケース識別情報に対応付けられた複数のメールのうち、いずれのメールに添付されたファイルであるのか、を認識することができる。これにより、各ユーザは、上記或るグループに属する或るファイルが、いずれのメールに添付されたファイルであるのかを、例えば図10図12図13等に例示された案件画面を閲覧してファイル名を比較するだけで、容易かつ迅速に認識することができる。さらに、各ユーザは、上記或るケースに対応付けられた複数のメールのうち或るメールに添付されたファイルが、上記或るグループに属し相互に異なるバージョンを有する複数のファイルのうち、いずれのバージョンを有するファイル(例えば最新のバージョンを有するファイル)であるのかを、例えば図10図12図13等に例示された案件画面を閲覧してファイル名を比較するだけで、容易かつ迅速に認識することができる。
【0135】
また、様々な実施形態によれば、組織Iに属する各ユーザは、この組織Iに付与されたユーザ名及びパスワードを用いて文書作成サーバ装置30にアクセスすることにより、この組織Iにより送信又は受信された各メールを示す案件画面(例えば図5図6図8図10図12図13等参照)を閲覧することができる。このことは、いずれかの案件(案件X等)に対して途中からアサインされたユーザ、組織Iに中途採用で勤務を開始したユーザ等を含む任意のユーザにも同様に妥当する。したがって、各案件について送信又は受信されたメールが特定の個人のみに送信されるといった事態を抑えることにより、そのようなメールが他のユーザに共有されず属人化する事態を抑えることができる。
【0136】
5.様々な態様
第1の態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶し、前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0137】
第2の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様において「前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含むメッセージの送受信に関する機能を実行する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、第1のコンピュータプログラムと、前記或るケースについて前記複数のメッセージを前記ケース識別情報に対応付けること及び前記或るケースについて前記複数のファイルを前記グループ識別情報に対応付けることを含む、ファイルの管理に関する機能を実行する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、第2のコンピュータプログラムと、を含む」ことができる。
【0138】
第3の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様において、「前記複数のファイルの各々が契約書を示すファイルであり、前記第2のコンピュータプログラムが、前記契約書を示すファイルに含まれる或る文章を複数の単位語に分割し、該複数の単位語が予め定められた条件を満たすか否かを判定することにより、又は、前記複数の単位語を学習済みモデルに入力することにより、前記或る文章に対する警告を示す警告情報を取得することを含む、解析機能を実行する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0139】
第4の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかにおいて「前記ケース識別情報に対応付けて記憶された、前記第1ファイルが添付された前記第1メッセージと、前記グループ識別情報に対応付けて記憶された前記第1ファイルと、を対応付ける、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0140】
第5の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかにおいて「前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信され第3ファイルが添付された、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージに関連する第3メッセージを記憶し、該第3メッセージを前記ケース識別情報に対応付けて記憶し、前記グループとは異なる別グループに属して相互に関連する、前記第3ファイルを含む別の複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記別グループを識別する別グループ識別情報に対応付けて記憶する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0141】
第6の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第5の態様において「前記ケース識別情報に対応付けて記憶された前記複数のメッセージに関する情報と、前記ケース識別情報に関連する前記グループ識別情報に対応付けて記憶された前記複数のファイルに関する情報と、前記ケース識別情報に関連する前記別グループ識別情報に対応付けて記憶された前記別の複数のファイルに関する情報とを、組み合わせて表示部に表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0142】
第7の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第6の態様のいずれかにおいて「各々がタグとして使用可能な複数の文言を記憶し、前記複数のメッセージに含まれる各メッセージに対して、前記複数の文言のうち該メッセージの本文に含まれる少なくとも1つの文言を、タグとして付与する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0143】
第8の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第7の態様において「新しいメッセージの本文に含まれる少なくとも1つの語を取得し、前記複数のメッセージのうち、前記少なくとも1つの語に一致又は関連するタグが付与されたメッセージを、前記新しいメッセージに関連する過去のメッセージとして識別する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0144】
第9の態様に係るサーバ装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少なくとも1つのプロセッサが、或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶し、前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶し、前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶し、前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶する、ように構成される」ことができる。
【0145】
第10の態様に係る方法は、「少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、或るケースについて所定のアカウントにより受信又は送信され第1ファイルが添付された第1メッセージを記憶すること、前記或るケースについて前記所定のアカウントにより受信又は送信され第2ファイルが添付された第2メッセージを記憶すること、前記或るケースについて相互に関連する前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを含む複数のメッセージを、該或るケースを識別するケース識別情報に対応付けて記憶すること、並びに、前記或るケースについて同一のグループに属して相互に関連する前記第1ファイル及び前記第2ファイルを含む複数のファイルを、前記ケース識別情報に関連する前記グループを識別するグループ識別情報に対応付けて記憶すること、を含む」ことができる。
【0146】
以上のように、本件出願に開示された技術によれば、利便性を向上させつつ、契約書の作成を支援する、コンピュータプログラム、サーバ装置及び方法を提供することができる。
【0147】
本明細書に開示された発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すれば、例示された様々な実施形態は好ましい様々な例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲をこれらの好ましい様々な例に限定すると考えるべきではない、と理解されたい。実際には、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲は、添付した特許請求の範囲により定められる。したがって、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するすべてについて、本発明者らの発明として、特許の付与を請求する。
【符号の説明】
【0148】
1 文書作成システム
10 通信網
20 端末装置(情報処理装置)
30 文書作成サーバ装置(情報処理装置)
40 メールサーバ装置(情報処理装置)
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13