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特開2022-185207機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法
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  • 特開-機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法 図1
  • 特開-機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法 図2A
  • 特開-機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法 図2B
  • 特開-機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法 図3
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  • 特開-機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185207
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092723
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小山 陽平
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 陽太
(72)【発明者】
【氏名】安藤 和陽
(72)【発明者】
【氏名】東山 伸
(72)【発明者】
【氏名】堀田 浩介
(72)【発明者】
【氏名】粉川 泰樹
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA09
5K033BA02
5K033CB01
5K033CB08
5K033EA05
5K033EA07
5K033EC01
(57)【要約】
【課題】本開示が解決しようとする課題は、複数の系統に対して同時に系統認識処理を行うことができる機器ネットワークシステムを提供することである。
【解決手段】本開示の機器ネットワークシステムでは、系統毎に異なる周波数の信号を用いて系統認識が行われるので、信号を受信した機器は、どの系統の信号であるのかを容易に判別することができる。それゆえ、全ての系統で系統認識を同時並列的に行うことができ、系統認識に要する時間を短縮することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器を有する第1機器群(101,201,301,401)と、前記第1機器群に含まれる機器を互いに接続する第1通信線(111,112,113)とを含む第1ネットワーク(10)と、
前記第1機器群に属しない機器を少なくとも1つ含む複数の機器を有する第2機器群(201,202,203,204,205,206)と、前記第2機器群に含まれる機器を互いに接続する第2通信線(211,212,213,214,215)とを含む第2ネットワーク(20)と、
を備え、
前記第1ネットワークにおける前記第1機器群の物理的な接続関係を有する系統(K1)を認識する第1系統認識が、第1周波数を有する第1信号を用いて行われ、
前記第2ネットワークにおける前記第2機器群の物理的な接続関係を有する系統(K2)を認識する第2系統認識が、前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2信号を用いて行われる、
機器ネットワークシステム。
【請求項2】
前記第2周波数は、前記第1周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数である、
請求項1に記載の機器ネットワークシステム。
【請求項3】
前記第1機器群の中から前記第1系統認識の主体となる第1機器が決められ、
前記第1機器が前記第1信号を用いて前記第1系統認識を行い、
前記第1機器群の中に前記第1機器の候補となる複数の機器があるときは、予め前記候補ごとに前記第1周波数の数値が決定されている、
請求項1または請求項2に記載の機器ネットワークシステム。
【請求項4】
前記第1機器群の中から前記第1系統認識の主体となる第1機器が決められ、
前記第1機器が、前記第1周波数の数値を決定する、
請求項1または請求項2に記載の機器ネットワークシステム。
【請求項5】
複数の機器を有する第1機器群(101,201,301,401)と、前記第1機器群に含まれる機器を互いに接続する第1通信線(111,112,113)とを含む第1ネットワーク(10)と、
前記第1機器群に属しない機器を少なくとも1つ含む複数の機器を有する第2機器群(201,202,203,204,205,206)と、前記第2機器群に含まれる機器を互いに接続する第2通信線(211,212,213,214,215)とを含む第2ネットワーク(20)と、
を備える機器ネットワークシステムにおいて、
前記第1機器群の中から前記第1機器群の物理的な接続関係を有する系統(K1)を認識する第1系統認識の主体となる第1機器を決める第1ステップと、
前記第1機器が第1周波数を有する第1信号を、前記第1機器群の前記第1機器以外の機器に送信する第2ステップと、
前記第1信号を受信した前記第1機器群の機器が前記第1機器に対して応答する第3ステップと、
前記第1機器が自身の送信した前記第1信号に対して応答してきた機器を前記第1ネットワークに所属する対象機器として認識する第4ステップと、
前記第2機器群の中から前記第2機器群の物理的な接続関係を有する系統(K2)を認識する第2系統認識の主体となる第2機器を決める第5ステップと、
前記第2機器が前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2信号を、前記第2機器群の前記第2機器以外の機器に送信する第6ステップと、
前記第2信号を受信した前記第2機器群の機器が前記第2機器に対して応答する第7ステップと、
前記第2機器が自身の送信した前記第2信号に対して応答してきた機器を前記第2ネットワークに所属する対象機器として認識する第8ステップと、
が実行される、
機器ネットワークシステムの系統認識方法。
【請求項6】
前記第1ステップと前記第5ステップとは同時に実行される、
請求項5に記載の機器ネットワークシステムの系統認識方法。
【請求項7】
前記第2周波数は、前記第1周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数である、
請求項5または請求項6に記載の機器ネットワークシステムの系統認識方法。
【請求項8】
前記第1機器群の中に前記第1機器の候補となり得る複数の機器があるときは、予め前記候補ごとに前記第1周波数の数値が決定されている、
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の機器ネットワークシステムの系統認識方法。
【請求項9】
前記第1機器が、前記第1周波数の数値を決定する、
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の機器ネットワークシステムの系統認識方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
高周波通信を行う機器ネットワークシステム、およびその機器ネットワークシステムの系統認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機器間の通信における系統認識について、例えば、特許文献1(特開2020-167580号公報)に開示されている系統認識方法では、通信で使う周波数よりも低い周波数のパルスを使い、それが機器へ到達するか否かによって、配線で物理的に接続されている機器を特定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の系統認識方法では、低周波パルスの有無という情報のみで判断するので、同時に複数の系統に対して系統認識処理を行うことができず、系統を順次切り替えて系統認識を行っていた。それゆえ、系統認識が完了するまでの時間が系統数に比例して増加する、という傾向があった。
【0004】
したがって、複数の系統に対して同時に系統認識を行うことができるようにする、という課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の機器ネットワークシステムは、第1ネットワークと、第2ネットワークとを備えている。第1ネットワークは、複数の機器を有する第1機器群と、第1機器群に含まれる機器を互いに接続する第1通信線とを含む。第2ネットワークは、第1機器群に属しない機器を少なくとも1つ含む複数の機器を有する第2機器群と、第2機器群に含まれる機器を互いに接続する第2通信線とを含む。また、第1ネットワークでは、第1機器群の物理的な接続関係を有する系統を認識する第1系統認識が、行われる。第1系統認識は、第1周波数を有する第1信号を用いて行われる。さらに、第2ネットワークでは、第2機器群の物理的な接続関係を有する系統を認識する第2系統認識が、行われる。第2系統認識は、第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2信号を用いて行われる。
【0006】
この機器ネットワークシステムでは、系統毎に異なる周波数の信号を用いて系統認識が行われるので、信号を受信した機器は、どの系統の信号であるのかを容易に判別することができる。それゆえ、全ての系統で系統認識を同時並列的に行うことができ、系統認識に要する時間を短縮することができる。
【0007】
第2観点の機器ネットワークシステムは、第1観点の機器ネットワークシステムであって、第2周波数が、第1周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数である。
【0008】
この機器ネットワークシステムでは、第1周波数と第2周波数とが異なる周波数に設定されても、第2周波数が第1周波数の整数倍に設定されると判別ができない場合がある。それゆえ、少なくとも第2周波数が第1周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数に設定されることによって、両系統の判別が容易になる。
【0009】
第3観点の機器ネットワークシステムは、第1観点または第2観点の機器ネットワークシステムであって、第1機器群の中から第1系統認識の主体となる第1機器が決められる。第1機器は、第1信号を用いて第1系統認識を行う。第1機器群の中に第1機器の候補となる複数の機器があるときは、予め候補ごとに第1周波数の数値が決定されている。
【0010】
この機器ネットワークシステムでは、一系統の中に系統認識の主体となる複数の候補が存在する場合でも、候補毎に用いる信号の周波数が決定されているので、どの候補が系統認識の主体となっても系統の判別が容易になる。
【0011】
第4観点の機器ネットワークシステムは、第1観点または第2観点の機器ネットワークシステムであって、第1機器群の中から第1系統認識の主体となる第1機器が決められ、第1機器が第1周波数の数値を決定する。
【0012】
この機器ネットワークシステムでは、第1機器自身が周波数を決定するので、第1機器に対して予め周波数を設定する必要がない。
【0013】
第5観点の機器ネットワークシステムの系統認識方法は、第1ネットワークと第2ネットワークとを備える機器ネットワークシステムの系統認識方法である。第1ネットワークは、複数の機器を有する第1機器群と、第1機器群に含まれる機器を互いに接続する第1通信線とを含む。第2ネットワークは、第1機器群に属しない機器を少なくとも1つ含む複数の機器を有する第2機器群と、第2機器群に含まれる機器を互いに接続する第2通信線とを含む。機器ネットワークシステムにおいて、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第4ステップ、第5ステップ、第6ステップ、第7ステップおよび第8ステップが実行される。第1ステップは、第1系統認識の主体となる第1機器を決めるステップである。ここで、第1系統認識とは、第1機器群の中から第1機器群の物理的な接続関係を有する系統を認識することである。第2ステップは、第1機器が第1周波数を有する第1信号を、第1機器群の第1機器以外の機器に送信するステップである。第3ステップは、第1信号を受信した第1機器群の機器が第1機器に対して応答するステップである。第4ステップは、第1機器が自身の送信した第1信号に対して応答してきた機器を第1ネットワークに所属する対象機器として認識するステップである。第5ステップは、第2系統認識の主体となる第2機器を決めるステップである。ここで、第2系統認識とは、第2機器群の中から第2機器群の物理的な接続関係を有する系統を認識することである。第6ステップは、第2機器が第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2信号を、第2機器群の第2機器以外の機器に送信するステップである。第7ステップは、第2信号を受信した第2機器群の機器が第2機器に対して応答するステップである。第8ステップは、第2機器が自身の送信した第2信号に対して応答してきた機器を第2ネットワークに所属する対象機器として認識するステップである。
【0014】
この機器ネットワークシステムの系統認識方法では、系統毎に異なる周波数の信号を用いて系統認識が行われるので、信号を受信した機器は、どの系統の信号であるのかを容易に判別することができる。
【0015】
第6観点の機器ネットワークシステムの系統認識方法は、第5観点の機器ネットワークシステの系統認識方法であって、第1ステップと第5ステップとが同時に実行される。
【0016】
この機器ネットワークシステムの系統認識方法では、全ての系統において、系統認識の主体の決定を同時並列的に行うことができ、系統認識に要する時間を短縮することができる。
【0017】
第7観点の機器ネットワークシステムの系統認識方法は、第5観点または第6観点の機器ネットワークシステの系統認識方法であって、第2周波数が第1周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数である。
【0018】
この機器ネットワークシステムの系統認識方法では、第1周波数と第2周波数とが異なる周波数に設定されても、第2周波数が第1周波数の整数倍に設定されると判別ができない場合がある。それゆえ、少なくとも第2周波数が第1周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数に設定されることによって、両系統の判別が容易になる。
【0019】
第8観点の機器ネットワークシステの系統認識方法は、第5観点から第7観点の機器ネットワークシステの系統認識方法であって、第1機器群の中に第1機器の候補となり得る複数の機器があるときは、予め候補ごとに第1周波数の数値が決定されている。
【0020】
この機器ネットワークシステムの系統認識方法では、一系統の中に系統認識の主体となる複数の候補が存在する場合でも、候補毎に用いる信号の周波数が決定されているので、どの候補が系統認識の主体となっても系統の判別が容易になる。
【0021】
第9観点の機器ネットワークシステの系統認識方法は、第5観点から第7観点の機器ネットワークシステの系統認識方法であって、第1機器が第1周波数の数値を決定する
この機器ネットワークシステムの系統認識方法では、第1機器自身が周波数を決定するので、第1機器に対して予め周波数を設定する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】空調システムを構成する機器間における配線の接続関係を示す図である。
図2A】多段に系統を接続した場合の系統認識の概念図である。
図2B】「認識役」となったノードが系統認識をしているときの状態図である。
図3】系統認識のフローチャートである。
図4図2Bの形態を基に作成した系統マップである。
図5】低周波信号検知方式の回路ブロック図である。
図6図2Bを基に、検知信号の周波数が全ての系統において同一の場合と、検知信号の周波数が系統毎に異なる場合とを、系統認識のタイムチャートで対比した表である。
図7】空調システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(1)機器ネットワークシステムの概要
空調システムを構成する機器間における配線の接続関係を示す図である。図1において、A1、A2は集中コントローラであり、A3、A4、B1は室外機であり、B2は集合型冷媒回路切替ユニットであり、B3、C1、D1、D2は室内機であり、E1は個別型冷媒回路切替ユニットであり、F1は室内機であり、それぞれが機器ネットワーク上に接続される一端末として、「ノード(Node)」と呼ばれる。
【0024】
図2Aは、多段に系統を接続した場合の系統認識の概念図であり、図1と対応している。図2Aにおいて、A、B、C、D、EおよびFのアルファベットで示された枠は、物理配線によりグルーピングされ、系統認識による認識対象となる範囲であり、機器ネットワーク上の系統という。
【0025】
この「系統」は、空調システムにおいては冷媒系統と同一になるが、冷媒系統以外のグルーピングも認識の対象範囲となる。また、系統認識とは、物理配線によりグルーピングされた機器を認識することである。
【0026】
図2Aに示すように、系統AはノードA1、A2、A3、A4が属する系統であり、系統BはノードA3、B1、B2、B3が属する系統である。また、系統CはノードB2、C1が属する系統であり、系統DはノードB2、D1、D2が属する系統である。また、系統EはノードA4、E1が属する系統であり、系統FはノードE1、F1が属する系統である。
【0027】
初期状態においては、ノードは自己がどの系統に属しているか把握できておらず、系統認識により自己が属する系統を特定する必要がある。系統認識を実現するためには、各ノードについて、認識対象とする機器ネットワーク上の役割を定める必要がある。
【0028】
図2Aに示すように、ノードの初期の役割として、「認識役」と「被認識役」とが存在する。また、ノードA3、A4、B2、E1のように「認識役」および「被認識役」の両方の役割を持つノードが存在し、ノードA3、A4、B2、E1によって系統間を接続する。ノードA3、A4、B2、E1は、上流側に対しては「被認識役」、下流側に対しては「認識役」の役割を持つ。
【0029】
具体的には、ノードA3によって系統Aと系統Bとを接続し、ノードA4によって系統Aと系統Eとを接続する。また、ノードB2によって系統Bと系統CおよびDとを接続し、ノードE1によって系統Eと系統Fとを接続する。
【0030】
接続できる系統は、上流側は一点のみであり、下流側は複数の系統との結合が可能である。
【0031】
(2)系統認識の手順
ここでは、図2Aの系統Aおよび系統Bを例に、系統認識の手順を説明する。系統Aには、認識する側である「認識役」になり得る2つのノードA1およびノードA2が存在する。また、上流側の系統Aに対しては「被認識役」となり、下流側の系統Bに対しては「認識役」なり得るノードA3が存在する。さらに、上流側の系統Aに対しては「被認識役」となり、下流側の系統Eに対しては「認識役」となり得るノードA4が存在する。
【0032】
一方、系統Bには、「認識役」になり得る2つのノードA3およびノードB1が存在する。上流側のノードA3またはノードB1に対しては「被認識役」となり、下流側の系統Cおよび系統Dに対しては「認識役」なり得るB2が存在する。
【0033】
ここでは、「認識役」になり得るノードを「認識役候補」という。また、系統認識の前提条件は、系統認識の制御に入る前に、高周波通信のネットワークが確立されていることである。
【0034】
以下、図3の系統認識のフローチャートを参照しながら、系統認識の手順を説明する。
【0035】
(ステップS1)
初期状態においては、ノードは自己がどの系統に属しているか把握できていないので、系統認識の開始要求をシステム全体に対して通知し、全てのノードが系統認識を開始するように要求する。
【0036】
(ステップS2)
図2Bは、「認識役」となったノードが系統認識をしているときの状態図である。図2Bにおいて、系統Aでは、「認識役候補」である2つのノードA1およびノードA2それぞれが、検知信号を送信することができる。
【0037】
検知信号は、例えば、200Hz以下の周波数を有する低周波パルスである。検知信号の周波数は系統毎に異なるが、この場合、系統Aの検知信号の周波数faが他の系統Bの周波数fbの整数倍とならないようにする。具体的には、周波数fbは、周波数faの2~5の整数倍の周波数以外の周波数に設定されることが好ましい。
【0038】
2つのノードA1およびノードA2は、ランダムな待ち時間が経過した後に検知信号の送信を開始する。但し、他の「認識役候補」が先に検知信号を送信している場合は、検知信号を送信しない。ランダムな待ち時間を導入することにより、複数の「認識役候補」が同時に検知信号を送信して信号衝突が発生することを抑制している。
【0039】
例えば、図2Bに示すように、系統Aにおいて、ノードA2が当該待ち時間の間にノードA1から送信された検知信号を受信した場合、ノードA1が「認識役」となり、ノードA2は検知信号を送信せず、「被認識役」に遷移する。
【0040】
また、系統Bでは、「認識役候補」である2つのノードA3およびノードB1が、ランダムな待ち時間が経過した後に検知信号を送信する。例えば、系統Bにおいて、ノードA3が当該待ち時間の間にノードB1から送信された検知信号を受信した場合には、ノードB1が「認識役」となり、ノードA3は検知信号を送信せず、「被認識役」に遷移する。
【0041】
系統AのノードA1が送信した検知信号は、別系統である系統BのノードB1、B2、B3に伝搬してはならず、同一系統である系統AのノードA2、A3、A4にのみに検知信号が伝搬するようにする必要がある。
【0042】
同様に、系統BのノードB1が送信した検知信号は、別系統である系統AのノードA1、A2、A4に伝搬してはならず、同一系統である系統BのノードA3、B2、B3にのみに検知信号が伝搬するようにする必要がある。
【0043】
そのため、系統Aと系統Bとの間に高周波透過フィルタ(HPF)が配置されており、低周波パルスである検知信号が他の系統に伝搬しないように構成されている(図5参照)。
【0044】
(ステップS3)
「認識役候補」は、信号衝突の発生の有無を判断する。複数の「認識役候補」それぞれがランダムな待ち時間の経過後に検知信号を送信するので、信号衝突の発生は抑制されているはずである。
【0045】
しかしながら、待ち時間がランダムであるため、稀に複数の「認識役候補」からの検知信号の送信タイミングが一致することもあるので、信号衝突の発生が全く無いとは言えない。それゆえ、信号衝突の発生の有無を判断する必要がある。
【0046】
仮に、信号衝突が発生した場合には、信号衝突を検知したノードが、リトライ要求を通知し、ステップS1へ戻り、全ノードが系統認識を最初からやり直す。信号衝突の発生が検知されないときは、ステップS4に進む。
【0047】
(ステップS4)
ここでは、説明の便宜上、系統AではノードA1が、最初に検知信号を送信して「認識役」になり、系統BではノードB1が、最初に検知信号を送信して「認識役」になったという前提で説明する。「認識役」は、検知信号を送信するだけでなく、検知信号送信開始通知を定期的に送信しており、検知信号送信開始通知には送信元(「認識役」)の通信アドレスも含まれている。但し、通信アドレスは、検知信号に付与されてもよい。
【0048】
「被認識役」は、「認識役」から検知信号が送信されていることを監視しており、一定時間経過しても検知信号の送信を検知することができない場合は、タイムアウトとなり、受信エラーとして検知する。
【0049】
「被認識役」が、「認識役」から検知信号が送信されていることを確認した場合、検知信号の周波数から送信元を特定し、送信元の情報を自己が参加する系統のIDとして保持する。
【0050】
各「被認識役」は、検知信号の周波数と、「認識役」とを関連付けたデータ(以下、「関連付けデータ」という。)を有しているので、検知信号の周波数から送信元を特定することができる。また、当該関連付けデータを有していなくても検知信号に「認識役」の通信アドレスが含まれている場合には、検知信号の送信元である「認識役」に通信で応答することができる。
【0051】
ノードA1からの検知信号を受信した「被認識役」のノードA2、A3、A4は、検知信号の周波数から送信元である「認識役」のノードA1を特定し、例えば、ノードA1の通信アドレスの下位の8バイトを自己が参加する系統のIDとして保持する。ノードA2、A3、A4は、ノードA1に通信にて応答を返し、ノードA1のグループ(系統A)に参加する。
【0052】
同様に、ノードB1からの検知信号を受信した「被認識役」のノードA3、B2、B3は、検知信号の周波数から送信元である「認識役」のノードB1を特定し、例えば、ノードB1の通信アドレスの下位の8バイトを自己が参加する系統のIDとして保持する。ノードA3、B2、B3は、ノードB1に通信にて応答を返し、ノードB1のグループ(系統B)に参加する。
【0053】
(ステップS5)
「認識役」であるノードA1は、応答があった「被認識役」のノードA2、A3、A4を同一系統に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
【0054】
同様に、「認識役」であるノードB1は、応答があった「被認識役」のノードA3、B2、B3を同一系統に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
【0055】
(ステップS6:系統認識の完了)
本実施形態では、「認識役」は、検知信号を送信してから第1所定時間(例えば、20秒)経過後に検知信号送信開始通知の定期通知を停止する。いずれの「認識役」からも検知信号送信開始通知が通知されなくなってから第2所定時間(例えば、10秒)経過した場合に、系統認識が成功したと判断され、系統認識の制御は完了する。系統認識の成功には、検知信号が届かないことによりグループ(系統)に参加しなかった場合も含む。
【0056】
「被認識役」が検知信号の受信エラーを検知している場合には、ステップS1に戻り、再度系統認識を実行する。
【0057】
また、図4は、図2Bの形態を基に作成した系統マップである。図4の系統マップは、ノードが参加する系統の情報を収集することによって作成されるが、全てのノードが保持する必要はなく、例えば、ノードA3であれば、自己の下流側のマップのみを保持すれば良い。
【0058】
(3)低周波信号検知方式
本願では、通信に高周波通信を採用し、系統認識のための信号は通信で使用する周波数よりも十分周波数的に離れた低周波信号を使用する。これを、低周波信号検知方式とする。同一冷媒系統内の機器にのみ低周波信号が伝搬するようにし、これを検知することによって同一系統の機器を認識する方法である。
【0059】
図5は、低周波信号検知方式の回路ブロック図である。図5において、室外機は、上流側の集中コントローラに対しては「被認識役」、下流側の室内機に対しては「認識役」の役割を担う。
【0060】
「認識役」および「被認識役」のいずれにもなり得る室外機には制御用マイコン(以下、MCUという。)、通信回路PHY、低周波信号送信回路PS、2つの低周波信号受信回路PD、高周波透過フィルタHPFおよび2つの低周波透過フィルタLPFが設けられている。高周波透過フィルタHPFは、低周波信号の伝搬を阻害し高周波信号を通す。低周波透過フィルタLPFは、パルスのみを通し、通信回路PHYの通信信号を通さない。
【0061】
「被認識役」の室内機にはMCU、通信回路PHY、低周波信号受信回路PDおよび低周波透過フィルタLPFが設けられている。
【0062】
「認識役」のノード(例えば、集中コントローラ)にはMCU、通信回路PHY、低周波信号送信回路PS、低周波信号受信回路PD、および低周波透過フィルタLPFが設けられている。
【0063】
但し、同一系統内に複数の集中コントローラが存在する場合には、集中コントローラは「認識役」および「被認識役」のいずれにもなり得るノードとなるので、さらにもう1つの低周波信号受信回路PDと低周波透過フィルタLPFを加えることになる。
【0064】
集中コントローラの低周波信号送信回路PSから出力された検知信号は、室外機の集中コントローラ側の低周波信号受信回路PDに入力されるが、室内機側に流出しないように、高周波透過フィルタHPFによって阻止される。
【0065】
室外機の低周波信号送信回路PSから出力された検知信号は、室内機の低周波信号受信回路PDにのみ入力されるが、集中コントローラ側に流出しないように、高周波透過フィルタHPFによって阻止される。
【0066】
本開示の機器ネットワークシステムでは、検知信号が他の系統に流出することが高周波透過フィルタHPFによって阻止されるが、通信は阻害されないので、全ての機器間で通信することができる。
【0067】
また、本実施形態では、「認識役」から送信される検知信号の周波数が、系統毎に異なるので、全ての系統において、系統認識が同時に実施される。
【0068】
図6は、図2Bを基に、検知信号の周波数が全ての系統において同一の場合と、検知信号の周波数が系統毎に異なる場合とを、系統認識のタイムチャートで対比した表である。図6において、表の左欄が「検知信号の周波数が全ての系統において同一の場合(以下、パターン1という。)」のタイムチャートであり、右欄が「検知信号の周波数が系統毎に異なる場合(以下、パターン2という。)」のタイムチャートである
図6では、系統毎に、「認識役」から「被認識役」に検知信号を送信し、検知信号を受信した「被認識役」が「認識役」に応答を返すまでの時間長が表示されている。系統Aを例に説明すると、ノードA1がノードA2、A3、A4に周波数foの検知信号を送信し、その検知信号を受信したノードA2、A3、A4からの応答がノードA1に受信されて、系統Aの系統認識が完了する。
【0069】
表の左欄のパターン1では、先ず、系統Aの系統認識が完了した後、系統Bおよび系統Eの系統認識が開始され、それらが完了した後に、系統C、系統Dおよび系統Fの系統認識が開始される。
【0070】
このように、パターン1では、系統間に上流側と下流側の位置関係がある場合、それらの系統では同時に系統認識を行うことができない。なぜなら、パターン1では、「被認識役」が検知信号を受信できたか否かによって、「認識役」の系統に属するか否かを判定するので、同時に同一周波数の検知信号が送信されると、上流側の系統と下流側の系統間を結合しているようなノードは、どの系統のノードからの検知信号であるのか判別することができない。それゆえ、順番に系統認識を行う必要があり、全ての系統認識が完了するまでの時間が長期化する。
【0071】
これに対して、表の右欄のパターン2では、系統Aから系統Fまでの全ての系統で系統認識が同時に行われる。なぜなら、検知信号の周波数が系統毎に異なるので、上流側の系統と下流側の系統間を結合しているノードは、どの系統のノードからの検知信号であるのかを検知信号の周波数によって判別することができる。それゆえ、同時に系統認識を行うことができ、全ての系統認識が完了するまでの時間がパターン1よりも短くなる。
【0072】
(4)空調システムへの適用
図7は、空調システムの構成図である。図7において、空調システムは、集中コントローラ、室外機および室内機で構成され、配線で物理的に接続された単位を系統と呼ぶ。
【0073】
系統K1では、複数の系統K2、K3、およびK4に跨って制御するために、系統K2、K3およびK4が系統間接続配線にて接続され、当該系統間接続配線に集中コントローラ101が接続されている。具体的には、第1機器群100に属する機器としての集中コントローラ101、室外機201、301、401が、第1配線群110に属する配線111、112、113によって接続され、第1ネットワーク10が構成されている。
【0074】
系統K2では、第2機器群200に属する機器としての室外機201、202、203、室内機204、205、206が、第2配線群210に属する配線211、212、213、214、215によって接続され、第2ネットワーク20が構成されている。
【0075】
系統K3では、第3機器群300に属する機器としての室外機301、302、室内機303、304、305が、第3配線群310に属する配線311、312、313、314によって接続され、第3ネットワーク30が構成されている。
【0076】
系統K4では、第4機器群400に属する機器としての室外機401、室内機402、403、404が、第4配線群410に属する配線411、412、413によって接続され、第4ネットワーク40が構成されている。
【0077】
機器間の通信は、周波数が100kHz以上の高周波で行われる。系統認識は、集中コントローラ、室外機および室内機が系統K1、K2、K3、K4のいずれの系統に属するのかを認識する。
【0078】
図7において、系統K1には「認識役候補」として、1つの集中コントローラ101が存在する。系統K2には「認識役候補」として、3つの室外機201、202、203が存在する。
【0079】
また、系統K3には「認識役候補」として2つの室外機301、302が存在する。さらに、系統K4には「認識役候補」として1つの室外機401が存在する。
【0080】
これら7つの「認識役候補」それぞれが、ランダムな待ち時間が経過した後に、それぞれの異なる周波数の検知信号を送信する。検知信号には、10kHz以下の低周波パルスが用いられる
各系統の系統認識処理は同時に実行される。以下、各系統の系統認識処理について、系統K1から順に説明する。
【0081】
(4-1)系統K1における系統認識
系統K1における「認識役候補」である集中コントローラ101は、他に「認識役候補」が無いので、必然的に「認識役」となる。集中コントローラ101は、ランダムな待ち時間が経過後、周波数f1の検知信号を送信する。検知信号は、同一系統である系統K1の室外機201、301、401のみに伝搬する。
【0082】
次に、その検知信号を受け取った「被認識役」の室外機201、301、401は、当該検知信号の周波数f1から送信元を特定する。室外機201、301、401は、検知信号の送信元である集中コントローラ101に通信にて応答を返し、集中コントローラ101のグループである系統K1に参加する。
【0083】
そして、「認識役」である集中コントローラ101は、応答があった「被認識役」の室外機201、301、401を同一系統に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
【0084】
(4-2)系統K2における系統認識
系統K2における「認識役候補」である3つの室外機201、202、203それぞれは、ランダムな待ち時間が経過後、周波数f2の検知信号を送信する。検知信号は、同一系統である系統K2の機器のみに伝搬する。
【0085】
ここで、室外機201、203が当該待ち時間の間に室外機202から送信された検知信号を受信した場合には、室外機202が「認識役」となり、室外機201、203は検知信号を送信せず、「被認識役」に遷移する。
【0086】
次に、室外機202からの検知信号を受け取った「被認識役」の室外機201、203、室内機204、205、206は、当該検知信号の周波数f2から送信元を特定する。室外機201、203、室内機204、205、206は、検知信号の送信元である室外機202に通信にて応答を返し、室外機202のグループである系統K2に参加する。
【0087】
そして、「認識役」となった室外機202は、応答があった「被認識役」の室外機201、203、室内機204、205、206を同一の系統K2に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
【0088】
また、図7に示すように、室外機201は系統K1の集中コントローラ101からの検知信号も受信するが、集中コントローラ101からの検知信号と室外機202からの検知信号とは、周波数が異なるので、区別して応答を返すことができる。
【0089】
(4-3)系統K3における系統認識
系統K3における「認識役候補」である2つの室外機301、302それぞれは、ランダムな待ち時間が経過後、周波数f3の検知信号を送信する。このとき、同一系統である系統K3の機器のみに検知信号が伝搬する。
【0090】
ここで、室外機301が当該待ち時間の間に室外機302から送信された検知信号を受信した場合には、室外機302が「認識役」となり、室外機301は検知信号を送信せず、「被認識役」に遷移する。
【0091】
次に、その検知信号を受け取った「被認識役」の室外機301、室内機303、304、305は、当該検知信号の周波数f3から送信元を特定する。室外機301、室内機303、304、305は、送信元である室外機302に通信にて応答を返し、室外機302のグループである系統K3に参加する。
【0092】
そして、「認識役」となった室外機302は、応答があった「被認識役」の室外機301、室内機303、304および305を同一系統に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
【0093】
また、図7に示すように、室外機301は系統K1の集中コントローラ101からの検知信号も受信するが、集中コントローラ101からの検知信号と室外機302からの検知信号とは、周波数が異なるので、区別して応答を返すことができる。
【0094】
(4-4)系統K4における系統認識
系統K4における「認識役候補」である室外機401は、他に「認識役候補」が無いので、必然的に「認識役」となる。室外機401は、ランダムな待ち時間が経過後、周波数f4の検知信号を送信する。このとき、同一系統である系統K4の室内機402、403、404にのみに検知信号が伝搬する。
【0095】
次に、その検知信号を受け取った「被認識役」の室内機402、403、404は、当該検知信号の周波数f4から送信元を特定する。室内機402、403、404は、送信元である室外機401に通信にて応答を返し、室外機401のグループである系統K4に参加する。
【0096】
そして、「認識役」である室外機401は、応答があった「被認識役」の室内機402、403、404を同一系統に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
【0097】
(5)特徴
(5-1)
本開示の機器ネットワークシステムでは、系統毎に異なる周波数の信号を用いて系統認識が行われるので、信号を受信した機器は、どの系統の信号であるのかを容易に判別することができる。それゆえ、全ての系統で系統認識を同時並列的に行うことができ、系統認識に要する時間を短縮することができる。
【0098】
(5-2)
本開示の機器ネットワークシステムでは、系統毎に異なる周波数に設定されても、例えば、系統K2の検知信号の周波数f2が系統K1の検知信号の周波数f1の整数倍に設定されると判別ができない場合があるので、少なくとも周波数f2が周波数f1の2~5の整数倍の周波数以外の周波数に設定される。
【0099】
(5-3)
本開示の機器ネットワークシステムの系統認識方法は、第1ステップ~第8ステップが実行される。第1ステップは、第1系統認識の主体となる第1機器を決めるステップである。第2ステップは、第1機器が第1周波数を有する第1信号を、第1機器群の第1機器以外の機器に送信するステップである。第3ステップは、第1信号を受信した第1機器群の機器が第1機器に対して応答するステップである。第4ステップは、第1機器が自身の送信した第1信号に対して応答してきた機器を第1ネットワークに所属する対象機器として認識するステップである。第5ステップは、第2系統認識の主体となる第2機器を決めるステップである。第6ステップは、第2機器が第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2信号を、第2機器群の第2機器以外の機器に送信するステップである。第7ステップは、第2信号を受信した第2機器群の機器が第2機器に対して応答するステップである。第8ステップは、第2機器が自身の送信した第2信号に対して応答してきた機器を第2ネットワークに所属する対象機器として認識するステップである。その結果、系統毎に異なる周波数の信号を用いて系統認識が行われるので、信号を受信した機器は、どの系統の信号であるのかを容易に判別することができる。
【0100】
(5-4)
上記第1ステップと第5ステップとが同時に実行されることによって、全ての系統において、系統認識の主体の決定を同時並列的に行うことができ、系統認識に要する時間を短縮することができる。
【0101】
(6)変形例
(6-1)第1変形例
上記実施形態では、検知信号の周波数は系統毎に異なるが、それに限定されるものではなく、検知信号の周波数がノード毎に異なってもよい。この場合も、あるノードの検知信号の周波数が、他のノードの検知信号の周波数の2~5の整数倍の周波数以外の周波数に設定されることが好ましい。
【0102】
各ノードで周波数が異なっていたとしても、「被認識役」は、検知信号の周波数と、「認識役」とを関連付けた「関連付けデータ」を有しているので、検知信号の周波数から送信元を特定し、送信元の「認識役」に確実に応答することができる。
【0103】
また、当該関連付けデータを有していなくても、検知信号に「認識役」の通信アドレスが含まれている場合には、各ノードで周波数が異なっていたとしても、「被認識役」は検知信号を受信した場合、検知信号の送信元である「認識役」に確実に応答することができる。
【0104】
(6-2)第2変形例
上記実施形態では、検知信号の周波数は予め系統毎に設定されているが、それに限定されるものではなく、一系統の中に系統認識の主体となる複数の候補が存在する場合において、候補毎に用いる信号の周波数が予め決定されてもよい。その結果、どの候補が系統認識の主体となっても系統の判別は容易である。
【0105】
各ノードで周波数が異なっていたとしても、「被認識役」は、検知信号の周波数と、「認識役」とを関連付けた「関連付けデータ」を有しているので、検知信号の周波数から送信元を特定し、送信元の「認識役」に確実に応答することができる。
【0106】
また、当該関連付けデータを有していなくても、検知信号に「認識役」の通信アドレスが含まれている場合には、各ノードで周波数が異なっていたとしても、「被認識役」は検知信号を受信した場合、検知信号の送信元である「認識役」に確実に応答することができる。
【0107】
(6-3)第3変形例
上記実施形態では、予め系統毎に検知信号の周波数が設定されているが、それに限定されるものではなく、一系統の機器群の中から当該系統の系統認識の主体となる機器が決められ、当該機器が検知信号の周波数の数値を決定してもよい。
【0108】
但し、各機器には予め決定可能な周波数範囲が割り当てられているので、系統認識の主体となった機器は、自身に割り当てられた周波数範囲内で数値を決定することができる。
【0109】
かかる場合、系統認識の主体となる機器自身が周波数を決定するので、予め系統毎に周波数を設定する必要も、機器ごとに周波数を設定する必要がない。
【0110】
各ノードで周波数が異なっていたとしても、「被認識役」は、検知信号の周波数に対応する周波数範囲と、「認識役」とを関連付けた「関連付けデータ」を有しているので、検知信号の周波数に対応する周波数範囲から送信元を特定し、送信元の「認識役」に確実に応答することができる。
【0111】
また、当該関連付けデータを有していなくても、検知信号に「認識役」の通信アドレスが含まれている場合には、各ノードで周波数が異なっていたとしても、「被認識役」は検知信号を受信した場合、検知信号の送信元である「認識役」に確実に応答することができる。
【0112】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0113】
10 第1ネットワーク
101 集中コントローラ(第1機器群)
201、301、401 室外機(第1機器群)
111、112、113 配線(第1通信線)
20 第2ネットワーク
201、202、203 室外機(第2機器群)
204、205、206 室内機(第2機器群)
122、212、213、214、215 配線(第2通信線)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0114】
【特許文献1】特開2020-167580号公報
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7