(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185211
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】パターン生成装置、パターン生成方法、及び、無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20221207BHJP
G06F 7/58 20060101ALI20221207BHJP
H04B 1/7143 20110101ALI20221207BHJP
【FI】
H04W72/04 134
G06F7/58 620
H04W72/04 132
H04B1/7143
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092728
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 憲正
(72)【発明者】
【氏名】桑原 寿明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067CC10
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】同一エリア内に周波数ホッピング方式で通信を行う通信ネットワークが多数存在する場合、互の電波衝突の確率を低減する装置を提供する。
【解決手段】産業用の無線通信システム10において、通信ネットワーク14は、ベース無線装置18に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成部と、各々のチャネルの周波数に異なる乱数を対応付ける対応付け部と、各々の乱数が表す数値に基づいて複数の乱数の順番を判定し、乱数と同じ順番で乱数に対応する周波数を並べることによって変更パターンを生成するパターン生成部と、を備えるパターン生成装置24を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース無線装置と少なくとも1つのリモート無線装置とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システムで使用される前記周波数の変更パターンを生成するパターン生成装置であって、
前記ベース無線装置に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成部と、
各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付け部と、
各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターンを生成するパターン生成部と、
を備える、パターン生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン生成装置であって、
前記対応付け部は、
複数の前記乱数及び複数の前記周波数を複数のグループに区分し、
前記パターン生成部は、
各々の前記乱数が表す前記数値に基づいて各々の前記グループ内での複数の前記乱数の順番を判定し、
各々の前記グループから所定順位の前記乱数を選択し、
選択された各々の前記乱数が表す前記数値に基づいて選択された複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターンを生成する、パターン生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載のパターン生成装置であって、
前記対応付け部は、
複数の前記乱数及び複数の前記周波数を2つのグループに区分し、
前記パターン生成部は、
各々の前記乱数が表す前記数値に基づいて2つの前記グループ内での複数の前記乱数の順番を判定し、
2つの前記グループから前記乱数と同じ順番で1つずつ前記乱数を選択する処理を交互に行い、選択した順番で前記乱数を並べることによって前記変更パターンを生成する、パターン生成装置。
【請求項4】
ベース無線装置と少なくとも1つのリモート無線装置とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システムで使用される前記周波数の変更パターンを生成するパターン生成方法であって、
前記ベース無線装置に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成ステップと、
各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付けステップと、
各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターンを生成するパターン生成ステップと、
を備える、パターン生成方法。
【請求項5】
ベース無線装置と少なくとも1つのリモート無線装置とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システムであって、
前記ベース無線装置に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成部と、
各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付け部と、
各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記周波数の変更パターンを生成するパターン生成部と、
前記ベース無線装置から前記リモート無線装置への通信で使用する電波の前記周波数を前記変更パターンに基づいて変更するベース周波数変更部と、
前記リモート無線装置から前記ベース無線装置への通信で使用する電波の前記周波数を前記変更パターンに基づいて変更するリモート周波数変更部と、
を備える、無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数の変更パターンを生成するパターン生成装置と、周波数の変更パターンを生成するパターン生成方法と、周波数ホッピング方式で双方向通信を行う無線通信システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンピュータと、複数の通信ネットワークと、を備える産業用の無線通信システムが示される。コンピュータは、複数のロボット等を管理及び制御する。各々の通信ネットワークは、1つのベース無線装置と、複数のリモート無線装置と、を備える。ベース無線装置は、コンピュータに接続される。一方、リモート無線装置は、センサ及びアクチュエータに接続される。センサ及びアクチュエータは、ロボット等に設けられる。ベース無線装置とリモート無線装置は、周波数ホッピング方式で双方向通信を行う。特許文献1には、周波数の変更パターンを生成する特定の演算式が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同一エリア内に周波数ホッピング方式で通信を行う通信ネットワークが多数存在する場合、互いに電波の衝突を避けるために、各々の通信ネットワークが異なるホッピングパターンを使用することが好ましい。しかし、特許文献1の演算式で生成されるホッピングパターンは、数パターン~数十パターンである。通信ネットワークの数が少ない場合、数パターン~数十パターンのホッピングパターンであっても電波が衝突する可能性は低い。しかし、通信ネットワークの数が増えた場合に、電波が衝突する可能性が高くなる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、ベース無線装置と少なくとも1つのリモート無線装置とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システムで使用される前記周波数の変更パターンを生成するパターン生成装置であって、前記ベース無線装置に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成部と、各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付け部と、各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターンを生成するパターン生成部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様は、ベース無線装置と少なくとも1つのリモート無線装置とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システムで使用される前記周波数の変更パターンを生成するパターン生成方法であって、前記ベース無線装置に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成ステップと、各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付けステップと、各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターンを生成するパターン生成ステップと、を備える。
【0008】
本発明の第3態様は、ベース無線装置と少なくとも1つのリモート無線装置とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システムであって、前記ベース無線装置に付与される固有の番号を種として複数の乱数を生成する乱数生成部と、各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付け部と、各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記周波数の変更パターンを生成するパターン生成部と、前記ベース無線装置から前記リモート無線装置への通信で使用する電波の前記周波数を前記変更パターンに基づいて変更するベース周波数変更部と、前記リモート無線装置から前記ベース無線装置への通信で使用する電波の前記周波数を前記変更パターンに基づいて変更するリモート周波数変更部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、周波数ホッピング方式で通信を行う複数の通信ネットワーク同士で電波の衝突が発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】通信ネットワークの機能ブロックを示す図である。
【
図3】変更パターン生成処理を示すフローチャートである。
【
図4】乱数生成処理のプロセスの一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における周波数整列処理のプロセスを示す図である。
【
図6】第2実施形態における周波数整列処理のプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1 無線通信システム10]
図1は、無線通信システム10の構成を示す図である。
図2は、通信ネットワーク14の機能ブロックを示す図である。産業用の無線通信システム10は、1つのコンピュータ12と、少なくとも1つの通信ネットワーク14と、パターン生成装置24と、を備える。1つの通信ネットワーク14は、1つのベース無線装置18と、複数のリモート無線装置20と、を備える。ベース無線装置18とリモート無線装置20は、互いに周波数を変更しながら双方向通信を行う。産業設備には、図示しない1又は複数のロボット等が設けられる。
【0012】
コンピュータ12は、1又は複数のロボット等の監視及び制御を行う。コンピュータ12は、例えば、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)を有しても良い。コンピュータ12は、有線で送受信を行うためのインターフェース(不図示)を備える。コンピュータ12は、インターフェースを介して、ベース無線装置18に信号を送信する。また、コンピュータ12は、インターフェースを介して、ベース無線装置18から送信される信号を受信する。
【0013】
1又は複数のロボット等は、アクチュエータとセンサとを備える。アクチュエータは、コンピュータ12の指示に従って動作する。センサは、ロボットの動作を検知する。本明細書では、センサとアクチュエータをまとめてS/A22と称する。アクチュエータは、ベース無線装置18及びリモート無線装置20を介して、コンピュータ12から送信される制御信号を受信する。センサは、ベース無線装置18及びリモート無線装置20を介して、検出結果を示すセンサ信号をコンピュータ12に送信する。
【0014】
パターン生成装置24は、ベース無線装置18及びリモート無線装置20において変更される周波数の変更パターン88(
図5、
図6)を生成する。変更パターン88は、複数の同期周波数又は複数の搬送周波数(ホッピング周波数)を有する。同期周波数は、ベース無線装置18とリモート無線装置20とが同期処理を行うときに使用される電波の周波数である。搬送周波数は、ベース無線装置18とリモート無線装置20とが周波数ホッピング方式で双方向通信を行うときに使用される電波の周波数である。無線通信システム10において、ベース無線装置18とリモート無線装置20が、パターン生成装置24として機能する。但し、ベース無線装置18とリモート無線装置20とのいずれか一方が、パターン生成装置24として機能しても良い。また、パーソナルコンピュータ等の独立した装置が、パターン生成装置24として機能しても良い。ベース無線装置18がパターン生成装置24として機能しない場合、ベース無線装置18は、パターン生成装置24から変更パターン88を取得する。同様に、リモート無線装置20がパターン生成装置24として機能しない場合、リモート無線装置20は、パターン生成装置24から変更パターン88を取得する。
【0015】
[2 ベース無線装置18(パターン生成装置24)]
図2で示されるように、ベース無線装置18は、ベース演算部30と、ベース記憶部32と、ベース通信部34と、ベースインターフェース36と、を備える。上述したように、ベース無線装置18は、パターン生成装置24として機能する。
【0016】
ベース演算部30は、処理回路を有する。処理回路は、CPU等のプロセッサを有する。処理回路は、ASIC、FPGA等の集積回路を有しても良い。例えば、プロセッサは、ベース記憶部32に記憶されるプログラムを実行することによって各種の機能を有する。本実施形態において、ベース演算部30は、ベース周波数変更部38、ベース送受信処理部40、ベース入出力制御部42、乱数生成部44、対応付け部46、及び、パターン生成部48として機能する。
【0017】
ベース周波数変更部38は、パターン生成部48が生成する変更パターン88に基づいて、ベース通信部34が使用するチャネルの周波数を切り替える。
【0018】
ベース送受信処理部40は、ベース通信部34の送信回路を使用して、リモート無線装置20に信号を送信する処理を行う。また、ベース送受信処理部40は、ベース通信部34の受信回路を使用して、リモート無線装置20が送信する信号を受信する処理を行う。
【0019】
ベース入出力制御部42は、ベースインターフェース36を使用して、他の装置に信号を送信する処理を行う。また、ベース入出力制御部42は、ベースインターフェース36を使用して、他の装置から信号を受信する処理を行う。ベース入出力制御部42が行う送受信の処理は、ベース送受信処理部40が行う送受信の処理と異なる。ベース入出力制御部42は、ベースインターフェース36を使用して、ベース無線装置18に着脱可能な記憶媒体にデータを書き込む処理を行っても良い。また、ベース入出力制御部42は、ベースインターフェース36を使用して、ベース無線装置18に着脱可能な記憶媒体からデータを読み込む処理を行っても良い。
【0020】
乱数生成部44は、ベース無線装置18に付与される固有の番号(PID)をベース記憶部32又は入力装置(不図示)から取得する。乱数生成部44は、PIDを種70(
図4)として複数の乱数を生成する。
【0021】
対応付け部46は、使用可能なチャネルの周波数に異なる乱数を対応付ける。対応付け部46は、使用可能なチャネルの情報を、ベース記憶部32又は外部の装置(不図示)から取得する。
【0022】
パターン生成部48は、乱数が表す数値に基づいて複数の乱数の順番を判定する。パターン生成部48は、乱数と同じ順番で乱数に対応する周波数を並べることによって変更パターン88を生成する。
【0023】
ベース記憶部32は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有する。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。揮発性メモリは、例えば外部から取得したデータ及びベース演算部30が演算したデータ等を記憶する。不揮発性メモリは、例えば所定のプログラム及び所定の数値等を記憶する。なお、ベース記憶部32は、パターン生成部48が生成する変更パターン88を記憶する。ベース記憶部32の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていても良い。
【0024】
ベース通信部34は、通信回路を有する。通信回路は、送信回路と受信回路を含む。ベース通信部34は、リモート無線装置20に信号を送信する。また、ベース通信部34は、リモート無線装置20が送信する信号を受信する。
【0025】
ベースインターフェース36は、ベース無線装置18が他の装置とデータの入出力を行うためのインターフェースを有する。例えば、ベースインターフェース36は、ベース無線装置18が他の装置と有線通信を行うための有線インターフェースを有しても良い。ベースインターフェース36は、ベース無線装置18が他の装置と近距離無線通信を行うための無線インターフェースを有しても良い。ベースインターフェース36は、ベース無線装置18に着脱可能な記憶媒体にデータの書き込みを行うためのインターフェースを有しても良い。また、ベースインターフェース36は、ベース無線装置18に着脱可能な記憶媒体からデータの読み込みを行うためのインターフェースを有しても良い。
【0026】
[3 リモート無線装置20(パターン生成装置24)]
図2で示されるように、リモート無線装置20は、リモート演算部50と、リモート記憶部52と、リモート通信部54と、リモートインターフェース56と、を備える。上述したように、リモート無線装置20は、パターン生成装置24として機能する。
【0027】
リモート演算部50は、処理回路を有する。処理回路は、CPU等のプロセッサを有する。処理回路は、ASIC、FPGA等の集積回路を有しても良い。例えば、プロセッサは、リモート記憶部52に記憶されるプログラムを実行することによって各種の機能を有する。本実施形態において、リモート演算部50は、リモート周波数変更部58、リモート送受信処理部60、リモート入出力制御部62、乱数生成部64、対応付け部66、及び、パターン生成部68として機能する。
【0028】
リモート周波数変更部58は、パターン生成部68が生成する変更パターン88に基づいて、リモート通信部54が使用するチャネルの周波数を切り替える。
【0029】
リモート送受信処理部60は、リモート通信部54の送信回路を使用して、ベース無線装置18に信号を送信する処理を行う。また、リモート送受信処理部60は、リモート通信部54の受信回路を使用して、ベース無線装置18が送信する信号を受信する処理を行う。
【0030】
リモート入出力制御部62は、リモートインターフェース56を使用して、他の装置に信号を送信する処理を行う。また、リモート入出力制御部62は、リモートインターフェース56を使用して、他の装置から信号を受信する処理を行う。リモート入出力制御部62が行う送受信の処理は、リモート送受信処理部60が行う送受信の処理と異なる。リモート入出力制御部62は、リモートインターフェース56を使用して、リモート無線装置20に着脱可能な記憶媒体にデータを書き込む処理を行っても良い。また、リモート入出力制御部62は、リモートインターフェース56を使用して、リモート無線装置20に着脱可能な記憶媒体からデータを読み込む処理を行っても良い。
【0031】
乱数生成部64は、ベース無線装置18に付与される固有の番号(PID)をリモート記憶部52又は入力装置(不図示)から取得する。乱数生成部64は、PIDを種70として複数の乱数を生成する。乱数生成部64は、ベース無線装置18の乱数生成部44と同じ処理を行う。このため、乱数生成部64は、乱数生成部44が生成する乱数と同じ乱数を生成する。
【0032】
対応付け部66は、使用可能なチャネルの周波数に異なる乱数を対応付ける。対応付け部66は、使用可能なチャネルの情報を、リモート記憶部52又は外部の装置(不図示)から取得する。
【0033】
パターン生成部68は、乱数が表す数値に基づいて複数の乱数の順番を判定する。パターン生成部68は、乱数と同じ順番で乱数に対応する周波数を並べることによって変更パターン88を生成する。パターン生成部68は、ベース無線装置18のパターン生成部48と同じ処理を行う。このため、パターン生成部68は、パターン生成部48が生成する変更パターン88と同じ変更パターン88を生成する。
【0034】
リモート記憶部52は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有する。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。揮発性メモリは、例えば外部から取得したデータ及びリモート演算部50が演算したデータ等を記憶する。不揮発性メモリは、例えば所定のプログラム及び所定の数値等を記憶する。なお、リモート記憶部52は、パターン生成部68が生成する変更パターン88を記憶する。リモート記憶部52の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていても良い。
【0035】
リモート通信部54は、通信回路を有する。通信回路は、送信回路と受信回路を含む。リモート通信部54は、ベース無線装置18に信号を送信する。また、リモート通信部54は、ベース無線装置18が送信する信号を受信する。
【0036】
リモートインターフェース56は、リモート無線装置20が他の装置とデータの入出力を行うためのインターフェースを有する。例えば、リモートインターフェース56は、リモート無線装置20が他の装置と有線通信を行うための有線インターフェースを有しても良い。リモートインターフェース56は、リモート無線装置20が他の装置と近距離無線通信を行うための無線インターフェースを有しても良い。リモートインターフェース56は、リモート無線装置20に着脱可能な記憶媒体にデータの書き込みを行うためのインターフェースを有しても良い。また、リモートインターフェース56は、リモート無線装置20に着脱可能な記憶媒体からデータの読み込みを行うためのインターフェースを有しても良い。
【0037】
[4 変更パターン生成処理]
図3~
図6を用いてパターン生成部48、68が実行する変更パターン生成処理を説明する。
図3は、変更パターン生成処理を示すフローチャートである。
図3~
図6で示される処理は、パターン生成装置24として機能するベース無線装置18で行われる。なお、
図3~
図6で示される処理は、パターン生成装置24として機能するリモート無線装置20でも行われる。
【0038】
[4-1 第1実施形態]
図3~
図5を用いて第1実施形態の変更パターン生成処理を説明する。
【0039】
ステップS1において、パターン生成装置24は、乱数生成処理を行う。第1実施形態の乱数生成処理は、下記[4-1-1]で説明される。ステップS2において、パターン生成装置24は、周波数整列処理を行う。第1実施形態の周波数整列処理は、下記[4-1-2]で説明される。ステップS2で変更パターン88が生成される。
【0040】
[4-1-1 乱数生成処理]
図4は、乱数生成処理のプロセスの一例を示す図である。
図4で示される乱数生成処理は、乱数生成部44で行われる。なお、
図4で示される乱数生成処理は、乱数生成部64でも行われる。
【0041】
図3のステップS1において、乱数生成部44は、所定のアルゴリズムを実行することによって疑似乱数を生成する。本明細書では疑似乱数を単に乱数と称する。例えば、乱数生成部44は、下記アルゴリズムで示されるXorshiftによって乱数を生成する。
X=SEED
X
1=X^(X<<13);
X
2=X^(X
1>>17);
X
3=X^(X
2<<15);
ReturnX;
【0042】
図4で示される例において、乱数生成部44は、8桁の数値「12224001」であるPIDを種70とする。
図4で示されるS11~S20は、下記説明のステップS11~ステップS20の処理に対応する。
【0043】
ステップS11において、乱数生成部44は、PIDを4つのグループ72に分ける。各々のグループ72には2桁の数値が含まれる。
【0044】
ステップS12において、乱数生成部44は、各々のグループ72に含まれる2桁の数値を16進数とみなす。乱数生成部44は、16進数を8ビットの2進数に変換する。乱数生成部44は、4つのグループ72の2進数を繋げて一連のビットパターンを生成する。このビットパターンを第1ビットパターン74と称する。第1ビットパターン74には、0番のビットから31番のビットまでの32ビットの数値が含まれる。
【0045】
ステップS13において、乱数生成部44は、第1ビットパターン74を左方向に13ビット論理シフトする。この処理に伴い、乱数生成部44は、第1ビットパターン74の19番から31番までの各々のビット位置にあった数値を捨てる。また、乱数生成部44は、0番から12番までの各々のビット位置に0を入れる。シフト後のビットパターンを第1シフトパターン76と称する。
【0046】
ステップS14において、乱数生成部44は、第1ビットパターン74の複数のビット位置の数値と、第1シフトパターン76の複数のビット位置の数値と、を加算する。具体的には、乱数生成部44は、同じビット位置の数値同士を加算する。乱数生成部44は、繰り上がった桁の数値を捨てる。加算後のビットパターンを第2ビットパターン78と称する。
【0047】
ステップS15において、乱数生成部44は、第2ビットパターン78を右方向に17ビット論理シフトする。この処理に伴い、乱数生成部44は、第2ビットパターン78の0番から16番までの各々のビット位置にあった数値を捨てる。また、乱数生成部44は、15番から31番までの各々のビット位置に0を入れる。シフト後のビットパターンを第2シフトパターン80と称する。
【0048】
ステップS16において、乱数生成部44は、第2ビットパターン78の各々のビット位置の数値と、第2シフトパターン80の各々のビット位置の数値と、を加算する。具体的には、乱数生成部44は、同じビット位置の数値同士を加算する。乱数生成部44は、繰り上がった桁の数値を捨てる。加算後のビットパターンを第3ビットパターン82と称する。
【0049】
ステップS17において、乱数生成部44は、第3ビットパターン82を左方向に15ビット論理シフトする。この処理に伴い、乱数生成部44は、第3ビットパターン82の17番から31番までの各々のビット位置にあった数値を捨てる。また、乱数生成部44は、0番から14番までの各々のビット位置に0を入れる。シフト後のビットパターンを第3シフトパターン84と称する。
【0050】
ステップS18において、乱数生成部44は、第3ビットパターン82の各々のビット位置の数値と、第3シフトパターン84の各々のビット位置の数値と、を加算する。具体的には、乱数生成部44は、同じビット位置の数値同士を加算する。乱数生成部44は、繰り上がった桁の数値を捨てる。加算後のビットパターンを第4ビットパターン86と称する。
【0051】
ステップS19において、乱数生成部44は、32ビットの第4ビットパターン86を4つのグループ72に分ける。各々のグループ72には8ビットの2進数が含まれる。更に、乱数生成部44は、4つのグループ72の2進数を16進数に変換する。
【0052】
ステップS20において、乱数生成部44は、4つのグループ72の2桁の16進数を繋げて乱数を生成する。
図4で示される例において、乱数は、8桁の数値「7CAA4D10」となる。
【0053】
以上のように、乱数生成部44は、PIDを種70としてステップS11からステップS20までの処理を1回行うことによって、1つの乱数を生成することができる。また、乱数生成部44は、ステップS20で生成された乱数を新たな種70としてステップS11からステップS20までの処理を1回行うことによって、新たに乱数を生成することができる。このように、乱数生成部44は、ステップS11からステップS20までの処理の実行回数を変えることによって、複数の乱数を生成することができる。
【0054】
なお、上述したアルゴリズムは一例である。乱数生成部44が行う乱数生成処理はこれに限られない。乱数生成部44は、他の方法で乱数を生成しても良い。
【0055】
[4-1-2 周波数整列処理]
ISMバンドには、2403~2481[MHz]の帯域が含まれる。2403~2481[MHz]の帯域には、中心波長が2403[MHz]のチャネルから中心波長が2481[MHz]のチャネルまでの79チャネルが含まれる。各々のチャネルの中心周波数と、隣接するチャネルの中心周波数と、の間には1[MHz]の間隔が設定される。パターン生成装置24は、下記の周波数整列処理を行うことによって、変更パターン88を生成する。変更パターン88は、複数のチャネルの各々の中心周波数を有する。
【0056】
図5は、第1実施形態における周波数整列処理のプロセスを示す図である。
図5で示される周波数整列処理は、対応付け部46及びパターン生成部48で行われる。なお、
図5で示される周波数整列処理は、対応付け部66及びパターン生成部68でも行われる。
【0057】
図3のステップS2において、対応付け部46及びパターン生成部48は、下記アルゴリズムを実行することによって変更パターン88を生成する。
図5で示されるS21~S24は、下記説明のステップS21~ステップS24の処理に対応する。
【0058】
ステップS21において、対応付け部46は、2403~2481[MHz]の帯域に含まれる周波数を3つのグループに区分する。Aグループには、2403~2429[MHz]の周波数が含まれる。Bグループには、2430~2455[MHz]の周波数が含まれる。Cグループには、2456~2481[MHz]の周波数が含まれる。なお、対応付け部46は、3以外の複数のグループに区分しても良い。対応付け部46は、各々のグループに含まれる周波数の数を均等にする。周波数の数が均等にならない場合は、Aグループ、Bグループ、の順に周波数の数を多くする。
【0059】
更に、対応付け部46は、79チャネルの各々の周波数に、乱数生成部44が生成した異なる乱数を対応付ける。なお、
図5で示される各々の周波数には、
図4で示される「12224001」を種70として生成された乱数の10進数が対応付けられる。具体的には、2403+N(N=0~78の自然数)[MHz]には、乱数生成処理が10+N回行われることで生成された乱数の10進数が対応付けられる。
【0060】
ステップS22において、パターン生成部48は、各々の乱数が表す数値に基づいて3つのグループの各々の中で、複数の乱数の順番を判定する。パターン生成部48は、n個の数字の列である乱数をn桁の数値とみなす。パターン生成部48は、3つのグループの各々の中で、複数の乱数が表す数値を昇順に並べた場合の各々の乱数の順番を判定する。なお、パターン生成部48は、複数の乱数が表す数値を昇順に並べる代わりに降順に並べても良い。
【0061】
ステップS23において、パターン生成部48は、各々のグループ内で最小となる乱数を選択する。
図5で示されるAグループでは、「340240664」が最小である。パターン生成部48は、Aグループから「340240664」に対応する2422[MHz]を選択する。
図5で示されるBグループでは、「277256148」が最小である。パターン生成部48は、Bグループから「277256148」に対応する2431[MHz]を選択する。
図5で示されるCグループでは、「10933374」が最小である。パターン生成部48は、Cグループから「10933374」に対応する2466[MHz]を選択する。なお、パターン生成部48は、各々のグループ内で最大となる乱数を選択しても良い。また、パターン生成部48は、他の順位の乱数を選択しても良い。
【0062】
ステップS24において、パターン生成部48は、選択した乱数を昇順に並べる。更に、パターン生成部48は、乱数と同じ順番で乱数に対応する周波数を並べる。パターン生成部48は、周波数の並びを変更パターン88とする。
【0063】
[4-2 第2実施形態]
図3、
図4及び
図6を用いて第2実施形態の変更パターン生成処理を説明する。第1実施形態と同様に、第2実施形態では、
図3で示される変更パターン生成処理が行われる。また、第2実施形態では、
図4で示される乱数生成処理が行われる。また、第2実施形態では、
図6で示される周波数整列処理が行われる。第2実施形態の各処理のうち、第1実施形態と同じ処理の説明は省略する。
【0064】
図6は、第2実施形態における周波数整列処理のプロセスを示す図である。
図6で示される周波数整列処理は、対応付け部46及びパターン生成部48で行われる。なお、
図6で示される周波数整列処理は、対応付け部66及びパターン生成部68でも行われる。
【0065】
図3のステップS2において、対応付け部46及びパターン生成部48は、下記アルゴリズムを実行することによって変更パターン88を生成する。
図6で示されるS31~S33は、下記説明のステップS31~ステップS33の処理に対応する。
【0066】
ステップS31において、対応付け部46は、2403~2481[MHz]の帯域に含まれる周波数を2つのグループに区分する。Aグループには、2403~2442[MHz]の周波数が含まれる。Bグループには、2443~2481[MHz]の周波数が含まれる。対応付け部46は、各々のグループに含まれる周波数の数を均等にする。周波数の数が均等にならない場合は、Aグループの周波数の数を多くする。
【0067】
更に、対応付け部46は、79チャネルの各々の周波数に、乱数生成部64が生成した異なる乱数を対応付ける。なお、
図6で示される各々の周波数には、
図4で示される「12224001」を種70として生成された乱数の10進数が対応付けられる。具体的には、2403+N(N=0~78の自然数)[MHz]には、乱数生成処理が10+N回行われることで生成された乱数の10進数が対応付けられる。
【0068】
ステップS32において、パターン生成部48は、各々の乱数が表す数値に基づいて2つのグループの各々の中で、複数の乱数の順番を判定する。パターン生成部48は、n個の数字の列である乱数をn桁の数値とみなす。パターン生成部48は、2つのグループの各々の中で、複数の乱数が表す数値を昇順に並べた場合の各々の乱数の順番を判定する。なお、パターン生成部48は、複数の乱数が表す数値を降順に並べた場合の各々の乱数の順番を判定しても良い。
【0069】
ステップS33において、パターン生成部48は、2つのグループから乱数と同じ順番で1つずつ乱数を選択する処理を交互に行う。具体的には、パターン生成部48は、Aグループから最小の乱数を選択する処理と、Bグループから最小の乱数を選択する処理と、を交互に繰り返す。なお、パターン生成部48は、Aグループから最大の乱数を選択する処理と、Bグループから最大の乱数を選択する処理と、を交互に繰り返しても良い。パターン生成部48は、選択した順番で乱数を並べる。更に、パターン生成部48は、乱数と同じ順番で乱数に対応する周波数を並べる。パターン生成部48は、周波数の並びを変更パターン88とする。
【0070】
第1実施形態及び第2実施形態では、パターン生成部48、68が、ベース無線装置18のPIDを種70とする乱数に基づいて変更パターン88を生成する。PIDは各々のベース無線装置18に割り振られる固有の番号である。つまり、パターン生成部48、68は、ベース無線装置18毎に独自の乱数を生成することができる。従って、通信ネットワーク14の数が増えたとしても、各々の通信ネットワーク14は独自の変更パターン88を使用して双方向通信を行うことができる。よって、複数の通信ネットワーク14の電波が衝突する可能性は低くなる。
【0071】
なお、パターン生成装置24は、無線通信システム10が設けられるエリアで使用されていない電波の周波数を用いて変更パターン88を生成しても良い。この場合、周波数測定装置(不図示)が、無線通信システム10が設けられるエリアで電波の周波数を測定し、測定結果をパターン生成装置24に提供しても良い。
【0072】
[5 ベース無線装置18とリモート無線装置20が行う無線通信]
ベース無線装置18及びリモート無線装置20は、最初に同一の変更パターン88を共有する。例えば、ベース無線装置18とリモート無線装置20のペアリング時に、ベース無線装置18はリモート無線装置20にPIDを送信する。これにより、ベース無線装置18とリモート無線装置20は、同一のPIDを種70とする乱数生成処理を行うことができる。その結果、ベース無線装置18とリモート無線装置20は、同一の変更パターン88を生成することができる。なお、ベース無線装置18が変更パターン88を生成して、ペアリング時にリモート無線装置20に変更パターン88を送信しても良い。また、ベース無線装置18及びリモート無線装置20から独立したパターン生成装置24が変更パターン88を生成して、ベース無線装置18に変更パターン88を送信しても良い。
【0073】
ベース無線装置18とリモート無線装置20は、双方向通信を行う前に、同期処理を行う。ベース無線装置18は、同期処理として、複数のリモート無線装置20にブロードキャスト方式で同期用信号を送信する処理を行う。同期用信号には、ベース無線装置18とリモート無線装置20とが同期するために必要な情報(時刻データ等)が含まれる。なお、上述したように、同期用信号の送信時に使用される電波の周波数を同期周波数という。
【0074】
ベース周波数変更部38及びリモート周波数変更部58は、第1実施形態で生成された変更パターン88に基づいて同期周波数を変更する。ベース周波数変更部38は、第1時間間隔T1毎に同期周波数を切り替える。リモート周波数変更部58は、第2時間間隔T2毎に同期周波数を切り替える。ベース送受信処理部40は、同期周波数の電波で同期用信号を送信する処理を行う。一方、リモート送受信処理部60は、同期周波数の電波を受信する処理を行う。ベース無線装置18の同期周波数とリモート無線装置20の同期周波数とが一致したタイミングで、リモート無線装置20は、ベース無線装置18が送信する同期用信号を受信することができる。
【0075】
同期処理後、ベース周波数変更部38及びリモート周波数変更部58は、第2実施形態で生成された変更パターン88に基づいて搬送周波数を変更する。ベース周波数変更部38とリモート周波数変更部58は、同一の時間間隔T3毎に搬送周波数を切り替える。ベース送受信処理部40は、搬送周波数の電波を送受信する処理を行う。同様に、リモート送受信処理部60は、搬送周波数の電波を送受信する処理を行う。このようにして、ベース無線装置18とリモート無線装置20は、周波数ホッピング方式で双方向通信を行う。
【0076】
なお、第2実施形態において、対応付け部46は、所定の周波数帯域(ISMバンド)を中間の周波数を境にして2つのグループに区分する。更に、パターン生成部48は、2つのグループから交互に周波数を選択して変更パターン88を生成する。この形態によれば、ベース無線装置18とリモート無線装置20とが双方向通信を行う場合に、他のネットワークが使用する変更パターン88と電波の衝突が発生しにくくなる。
【0077】
[6 実施形態から得られる技術的思想]
上述した実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0078】
本発明の第1態様は、ベース無線装置18と少なくとも1つのリモート無線装置20とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システム10で使用される前記周波数の変更パターン88を生成するパターン生成装置24であって、前記ベース無線装置18に付与される固有の番号を種70として複数の乱数を生成する乱数生成部44、64と、各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付け部46、66と、各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターン88を生成するパターン生成部48、68と、を備える。
【0079】
本発明の第1態様において、前記対応付け部46、66は、複数の前記乱数及び複数の前記周波数を複数のグループに区分し、前記パターン生成部48、68は、各々の前記乱数が表す前記数値に基づいて各々の前記グループ内での複数の前記乱数の順番を判定し、各々の前記グループから所定順位の前記乱数を選択し、選択された各々の前記乱数が表す前記数値に基づいて選択された複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターン88を生成しても良い。
【0080】
本発明の第1態様において、前記対応付け部46、66は、複数の前記乱数及び複数の前記周波数を2つのグループに区分し、前記パターン生成部48、68は、各々の前記乱数が表す前記数値に基づいて2つの前記グループ内での複数の前記乱数の順番を判定し、2つの前記グループから前記乱数と同じ順番で1つずつ前記乱数を選択する処理を交互に行い、選択した順番で前記乱数を並べることによって前記変更パターン88を生成しても良い。
【0081】
本発明の第2態様はベース無線装置18と少なくとも1つのリモート無線装置20とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システム10で使用される前記周波数の変更パターン88を生成するパターン生成方法であって、前記ベース無線装置18に付与される固有の番号を種70として複数の乱数を生成する乱数生成ステップと、各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付けステップと、各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記変更パターン88を生成するパターン生成ステップと、を備える。
【0082】
本発明の第3態様はベース無線装置18と少なくとも1つのリモート無線装置20とが周波数を変更しながら通信を行う無線通信システム10であって、前記ベース無線装置18に付与される固有の番号を種70として複数の乱数を生成する乱数生成部44、64と、各々のチャネルの前記周波数に異なる前記乱数を対応付ける対応付け部46、66と、各々の前記乱数が表す数値に基づいて複数の前記乱数の順番を判定し、前記乱数と同じ順番で前記乱数に対応する前記周波数を並べることによって前記周波数の変更パターン88を生成するパターン生成部48、68と、前記ベース無線装置18から前記リモート無線装置20への通信で使用する電波の前記周波数を前記変更パターン88に基づいて変更するベース周波数変更部38と、前記リモート無線装置20から前記ベース無線装置18への通信で使用する電波の前記周波数を前記変更パターン88に基づいて変更するリモート周波数変更部58と、を備える。
【符号の説明】
【0083】
10…無線通信システム 18…ベース無線装置
20…リモート無線装置 24…パターン生成装置
38…ベース周波数変更部 44、64…乱数生成部
46、66…対応付け部 48、68…パターン生成部
58…リモート周波数変更部 70…種
88…変更パターン