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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185265
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】リード装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 27/00 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
A01K27/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092818
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】505307002
【氏名又は名称】株式会社壁紙革命
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 利男
(57)【要約】
【課題】リードを手で持つことなく動物を散歩させる。
【解決手段】本発明は、動物に装着される装着部材に対して接続して使用するリード装置10であって、身体の胴体に巻きつけ可能な長さの紐状又は帯状の部材によって形成されて、胴体に引っ掛け可能な肩掛け紐11と、肩掛け紐11に取り付けられるケース19と、ケース19内へ巻き取る方向に付勢された状態でケース19内に収納されるワイヤーリード18とを有し、ワイヤーリード18をケース19内に巻き取った収納状態でワイヤーリード18の一端18aがケース19外に露出し、一端18a側を引くことによってワイヤーリード18を付勢力に抗してケース19外へ引き出し可能なワイヤーリール12と、ワイヤーリール12のワイヤーリード18の一端18a側に連結されてワイヤーリード18から連続して延び、先端側に動物の装着部材に対して着脱可能なフック31を有する非収納リード14と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に装着される装着部材に対して接続して使用するリード装置であって、
身体の胴体に巻きつけ可能な長さの紐状又は帯状の部材によって形成されて、胴体に引っ掛け可能な胴掛け部材と、
前記胴掛け部材に取り付けられるケースと、前記ケース内へ巻き取る方向に付勢された状態で前記ケース内に収納される第1リードとを有し、前記第1リードを前記ケース内に巻き取った収納状態で前記第1リードの一端が前記ケース外に露出し、前記一端側を引くことによって前記第1リードを付勢力に抗して前記ケース外へ引き出し可能なリードリールと、
前記リードリールの前記第1リードの前記一端側に連結されて前記第1リードから連続して延び、先端側に動物の前記装着部材に対して着脱可能な接続部を有する第2リードと、を備える
ことを特徴とするリード装置。
【請求項2】
前記第2リードは、伸縮可能な伸縮部を有する、請求項1に記載のリード装置。
【請求項3】
前記第1リードのうち前記収納状態で前記ケース外に露出する領域、及び前記第2リードの少なくとも一方には、指を係止可能なリード側係止部が取り付けられる、請求項1又は請求項2に記載のリード装置。
【請求項4】
前記リードリールは、前記ケースからの前記第1リードの引き出しを規制する引出し規制手段を有する、請求項3に記載のリード装置。
【請求項5】
前記リードリールは、前記リード側係止部を前記ケース側に係止可能なケース側係止部を有し、
前記リードリールの前記引出し規制手段は、前記ケース側係止部である、請求項4に記載のリード装置。
【請求項6】
前記リードリールは、前記ケースに固定されて前記胴掛け部材を係止可能な可能なフック部材を有し、
前記ケース側係止部は、前記フック部材に設けられる、請求項5に記載のリード装置。
【請求項7】
前記フック部材は、所定方向に延びて前記ケースに固定される第1板部と、前記第1板部の前記所定方向の一側の端部から折り返されて前記所定方向の他側へ延びる第2板部と、前記第2板部の前記他側の端部から折り返されて前記一側へ延びる第3板部とを有し、
前記リード側係止部は、リング状に形成され、
前記胴掛け部材は、前記フック部材の前記第1板部と前記第2板部との間の空間の前記一側の端部を挿通して前記第1板部と前記第2板部との折り返し部分に係止され、
前記ケース側係止部は、前記フック部材の前記第2板部と前記第3板部との折り返し部分であり、
前記リード側係止部を前記ケース側に係止する際には、前記リード側係止部の径方向内側に前記フック部材の前記第3板部の前記一側の端部を挿通させて、前記リード側係止部を前記フック部材の前記第2板部と前記第3板部との間の空間の前記他側の端部まで移動させて、前記ケース側係止部に係止する、請求項6に記載のリード装置。
【請求項8】
前記胴掛け部材は、長さ調節可能な調節部を有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のリード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、犬や小動物等の首輪に掛止される引き紐を出し入れする動物の引き紐操作具が記載されている。この引き紐操作具は、ケース内に巻取リールおよび重り車等を収容して、ケースの側部に設けた係止手段を操作する操作部により犬の首輪に掛止する掛け止め具を備えた引き紐を繰出し可能とし、また自動巻取りによって収容されるようになっている。ケースには、把持部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-360634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の動物の引き紐操作具では、巻取リール等を収容するケースの把持部を把持して動物を散歩させる。このため、動物を散歩させる際に、ケースを把持するために少なくとも一方の手が塞がってしまうので、両手を空けた状態で動物を散歩させることが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、リードを手で持つことなく動物を散歩させることが可能なリード装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、動物に装着される装着部材に対して接続して使用するリード装置であって、身体の胴体に巻きつけ可能な長さの紐状又は帯状の部材によって形成されて、胴体に引っ掛け可能な胴掛け部材と、前記胴掛け部材に取り付けられるケースと、前記ケース内へ巻き取る方向に付勢された状態で前記ケース内に収納される第1リードとを有し、前記第1リードを前記ケース内に巻き取った収納状態で前記第1リードの一端が前記ケース外に露出し、前記一端側を引くことによって前記第1リードを付勢力に抗して前記ケース外へ引き出し可能なリードリールと、前記リードリールの前記第1リードの前記一端側に連結されて前記第1リードから連続して延び、先端側に動物の前記装着部材に対して着脱可能な接続部を有する第2リードと、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のリード装置であって、前記第2リードは、伸縮可能な伸縮部を有する。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様のリード装置であって、前記第1リードのうち前記収納状態で前記ケース外に露出する領域、及び前記第2リードの少なくとも一方には、指を係止可能なリード側係止部が取り付けられる。
【0009】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様のリード装置であって、前記リードリールは、前記ケースからの前記第1リードの引き出しを規制する引出し規制手段を有する。
【0010】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様のリード装置であって、前記リードリールは、前記リード側係止部を前記ケース側に係止可能なケース側係止部を有し、前記リードリールの前記引出し規制手段は、前記ケース側係止部である。
【0011】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様のリード装置であって、前記リードリールは、前記ケースに固定されて前記胴掛け部材を係止可能な可能なフック部材を有し、前記ケース側係止部は、前記フック部材に設けられる。
【0012】
本発明の第7の態様は、上記第6の態様のリード装置であって、前記フック部材は、所定方向に延びて前記ケースに固定される第1板部と、前記第1板部の前記所定方向の一側の端部から折り返されて前記所定方向の他側へ延びる第2板部と、前記第2板部の前記他側の端部から折り返されて前記一側へ延びる第3板部とを有し、前記リード側係止部は、リング状に形成され、前記胴掛け部材は、前記フック部材の前記第1板部と前記第2板部との間の空間の前記一側の端部を挿通して前記第1板部と前記第2板部との折り返し部分に係止され、前記ケース側係止部は、前記フック部材の前記第2板部と前記第3板部との折り返し部分であり、前記リード側係止部を前記ケース側に係止する際には、前記リード側係止部の径方向内側に前記フック部材の前記第3板部の前記一側の端部を挿通させて、前記リード側係止部を前記フック部材の前記第2板部と前記第3板部との間の空間の前記他側の端部まで移動させて、前記ケース側係止部に係止する。
【0013】
本発明の第8の態様は、上記第1の態様から請求項7の態様のいずれかのリード装置であって、前記胴掛け部材は、長さ調節可能な調節部を有する。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、リードを手で持つことなく動物を散歩させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るリード装置を使用している状態を示す説明図である。
図2】リード装置の外観図である。
図3図2のワイヤーリールをIII方向から視た外観図である。
図4図3のワイヤーリールをIV方向から視た外観図である。
図5図3に対応するワイヤーリールの外観図であって、係止リングをフック部材に係止した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係るリード装置10を使用している状態を示す説明図である。図2は、リード装置10の外観図である。図3は、図2のワイヤーリール12をIII方向から視た外観図である。図4は、図3のワイヤーリール12をIV方向から視た外観図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るリード装置10は、人1(例えば飼い主等)が動物2(例えば、犬等の小型動物)を散歩させる際に使用する装置であって、動物2に装着する装着部材3(例えば、首輪や胴輪(ハーネス)等)に対して接続して使用する。
【0019】
図1図4に示すように、リード装置10は、肩掛け紐(胴掛け部材)11と、ワイヤーリール(リードリール)12と、係止リング(リード側係止部)13と、非収納リード(第2リード)14とを備える。
【0020】
肩掛け紐11は、リード装置10を手で持つことなく身体の胴体1a(身体の頭・首・四肢を除く部分)に引っ掛けて胴体1aで保持するための胴掛け部材であって、胴体1aに巻きつけ可能な長さの紐状又は帯状の部材によって形成される。本実施形態では、肩掛け紐11は、胴体1aに袈裟懸けに巻きつけ可能な長さの帯状の部材によって輪状に形成され、胴体1aに袈裟懸けに引っ掛ける。肩掛け紐11は、胴体1aを挿通させる部分の周方向の長さを調節可能な調節部15を有する。調節部15には、送りカン15aが取り付けられ、肩掛け紐11の長さを調節可能となっている。肩掛け紐11には、ワイヤーリール12側へ取り付けられる取付部16が設けられる。本実施形態では、取付部16は、互いに連結された複数のリング16a,16b,16cによって構成される。なお、本実施形態では、肩掛け紐11を帯状の部材によって形成したが、これに限定されるものではなく、紐状の部材によって形成してもよい。また、本実施形態では、ワイヤーリール12側への肩掛け紐11の取付部16を複数のリング16a,16b,16cによって構成したが、取付部16はこれに限定されるものではなく、ワイヤーリール12側へ取付可能であれば、他の構成であってもよい。例えば、肩掛け紐11を紐状の部材によって形成した場合には、肩掛け紐11(紐状の部材)の一部を、ワイヤーリール12側の後述するフック部材17に引っ掛けることによって取付部16として機能させてもよい。また、本実施形態では、肩掛け紐11の長さを調節可能な調節部15に送りカン15aを設けたが、調節部15の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、肩掛け紐11の一部を折り返して2本にまとめた状態で挟持するコードストッパを調節部15に設け、胴体1aを挿通させる部分の周方向の長さをコードストッパによって調節してもよい。
【0021】
ワイヤーリール12は、引き出し可能なワイヤーリード(第1リード)18を巻取収納している部材であって、ケース19と、ケース19に収納されるワイヤーリード18と、ケース19に固定されるフック部材17とを有する。
【0022】
ケース19は、内部にワイヤーリード18を収納可能な空間を区画する容器であって、円筒状の側板部19aと、側板部19aの軸方向の両側を塞ぐ1対の円形板部19b,19cとを有する。1対の円形板部19b,19cは、内部の空間の軸方向の両側を区画する。側板部19aは、内部の空間の軸方向と交叉する方向を区画する。側板部19aには、ケース19の内部の空間と外部の空間とを連通する開口20が形成される。ケース19の内部の空間には、ワイヤーリード18を巻き取り可能な巻取り機構(図示省略)が設けられる。巻取り機構は、ワイヤーリード18を巻き取り方向に付勢する渦巻バネ等の付勢部材を有する。
【0023】
ワイヤーリード18は、ワイヤー製のリードであって、巻取り機構の付勢部材の付勢力(以下、単に「巻取り機構の付勢力」という。)よりも大きな力がワイヤーリード18に対して引出し方向に入力しない間は、巻取り機構によってケース19内に巻き取られた状態で収納される(図2参照)。すなわち、ワイヤーリード18は、ケース19内へ巻き取る方向に付勢された状態でケース19内に収納される。ワイヤーリード18をケース19内に最大まで巻き取った収納状態で(図2参照)、ワイヤーリード18の一端18a側の領域30は、ケース19の開口20からケース19の外部へ露出している。ワイヤーリード18は、その一端18aを巻取り機構の付勢力よりも大きな力で引くことによって、巻取り機構の付勢力に抗してケース19内から引き出し可能(図3及び図4の白抜き矢印方向に引き出し可能)となっている。ワイヤーリード18の一端18aには、係止リング13に連結される連結部材21が取り付けられる。
【0024】
フック部材17は、ワイヤーリール12を肩掛け紐11に取り付けるための部材であって、ケース19に固定される。すなわち、ワイヤーリール12のケース19は、フック部材17を介して肩掛け紐11に取り付けられる。本実施形態では、フック部材17は、ケース19の一方の円形板部19cに表面に固定される。フック部材17は、ケース19の円形板部19cの表面に固定される第1板部22と、第1板部22の一端部から折り返される第2板部23と、第2板部23の一端部から折り返される第3板部24とを一体的に有する。第1板部22は、ケース19の円形板部19cの表面に沿って所定方向(図3及び図4における上下方向)に延びる。上記所定方向は、ワイヤーリール12のケース19からのワイヤーリード18の引き出し方向(図3及び図4の白抜き矢印)に沿った方向である。第1板部22は、本実施形態では、ケース19の円形板部19cに対してネジ25によって固定される。第2板部23は、第1板部22の上記所定方向の一側(図3及び図4における上側)の端部から折り返されて、上記所定方向の他側(図3及び図4における下側)へ延びる。第3板部24は、第2板部23の上記他側の端部から折り返されて、上記一側へ延びる。第3板部24の上記一側の端部24aは、上記一側へ向かうほど第2板部23から離間する方向へ延びている。
【0025】
フック部材17の第1板部22と第2板部23との間には、空間26が区画される。第1板部22と第2板部23との間の距離は、上記他側へ向かうほど狭くなっている。第1板部22と第2板部23との間の空間26の上記他側の端部の第1板部22と第2板部23との間の距離は、肩掛け紐11のリング16cの径よりも短く設定される。第1板部22と第2板部23との空間26の上記一側の端部には、肩掛け紐11のリング16cの一部が上記所定方向及びケース19の軸方向と交叉する方向に挿通している。第1板部22と第2板部23との折り返し部(第1板部と第2板部との折り返し部分)28は、肩掛け紐11(本実施形態では肩掛け紐11のリング16c)を係止する係止部として機能する。肩掛け紐11を第1板部22と第2板部23との折り返し部28に係止する際には、第2板部23の上記他側の端部を第1板部22から離間する方向へ弾性変形させながら、肩掛け紐11のリング16cの一部を第1板部22と第2板部23との空間26に上記他側から挿入して空間26の上記一側の端部まで移動させる。これにより、フック部材17を肩掛け紐11に係止して、ワイヤーリール12のケース19を肩掛け紐11に取り付けることができる。
【0026】
フック部材17の第2板部23と第3板部24との間には、空間27が区画される。第2板部23と第3板部24との間の距離は、上記一側へ向かうほど狭くなっている。第2板部23と第3板部24との間の空間27の上記一側の端部の第2板部23と第3板部24との間の距離は、係止リング13の径よりも短く設定される。第2板部23と第3板部24との折り返し部(第2板部と第3板部との折り返し部分、ケース側係止部、引出し規制手段)29は、後述するように、係止リング13を係止するためのケース側係止部として機能する。すなわち、ワイヤーリール12は、係止リング13をケース19側に係止可能なケース側係止部を有する。
【0027】
係止リング13は、人1の指を挿入可能な大きさのリングであって、ワイヤーリード18の一端18aに連結部材21を介して取り付けられる。また、係止リング13には、非収納リード14の一端14aが連結部材33を介して連結される。すなわち、本実施形態では、係止リング13は、ワイヤーリード18のうち収納状態でケース19外に露出する領域30(以下、「露出領域30」という。)、及び非収納リード14の双方に対して取り付けられ、ワイヤーリード18と非収納リード14との連結部材として機能する。係止リング13は、指を挿入可能な大きさであるので、指を係止リング13に挿入して引っ掛けて係止することができる。係止リング13の内径は、ワイヤーリール12のフック部材17の第3板部24の幅(上記所定方向及びケース19の軸方向の双方と交叉する方向の長さ)よりも大きい。すなわち、係止リング13は、その径方向内側にワイヤーリール12のフック部材17の第3板部24を挿通可能な大きさに形成される。なお、本実施形態では、係止リング13を、ワイヤーリード18の露出領域30、及び非収納リード14の双方に対して取り付けたが、少なくとも一方に対して取り付けていればよい。例えば、ワイヤーリード18の一端18aと非収納リード14の一端14aとを直接的あるいは係止リング13以外の他の部材を介して間接的に連結し、係止リング13をワイヤーリード18の露出領域30、及び非収納リード14のいずれか一方に取り付けてもよい。
【0028】
非収納リード14は、ワイヤーリード18を収納状態にしてもケース19内に収納されないリードであって、一端14aが連結部材33を介して係止リング13に連結される。非収納リード14は、ワイヤーリード18に対して連結された状態で、ワイヤーリード18から連続して延びる。非収納リード14の他端14b側(先端側)には、動物2の装着部材3に対して接続可能なナスカン等のフック(接続部)31が設けられる。フック31は、動物2の装着部材3に対して着脱可能である。フック31は、非収納リード14の延設方向に延びる軸を中心として回転可能に非収納リード14に支持される。本実施形態では、非収納リード14は、ワイヤー本体(例えば、ステンレス製のワイヤー本体)と、ワイヤー本体を覆うカバー(例えば、樹脂製あるいは布製のカバー)とによって構成される。非収納リード14は、ワイヤーリード18側の一端14aとフック31側の他端14bとの間に、コイルバネ状の伸縮可能な伸縮部32を有する。非収納リード14に対して非収納リード14を伸ばす方向に力が入力すると、伸縮部32が弾性変形して伸びる。伸縮部32が伸びた状態から非収納リード14に対する力が弱まると、伸縮部32は弾性力によって縮む。
【0029】
上記のように構成されたリード装置10では、人1が動物2を散歩させる際には、図1に示すように、肩掛け紐11を身体の胴体1aに引っ掛ける(本実施形態では、袈裟懸けに引っ掛ける)とともに、非収納リード14のフック31を動物2の装着部材3に対して取り付ける。この状態では、ワイヤーリール12の上記所定方向の上記一側が上側となり、上記所定方向の上記他側が下側となる。
【0030】
リード装置10には、身体の胴体1aに引っ掛けて胴体1aでリード装置10を保持するための肩掛け紐11が設けられるので、動物2を散歩させる人1は、リード装置10を手で持つことなく動物を散歩させることができる。これにより、人1は、両手を自由にした状態で動物2を散歩させることができる。このため、雨天時に傘を差して動物2を散歩させる場合には、一方の手で傘を持ったとしても、他方の手を空けることができる。また、雨天時に傘を差して動物2を散歩させているときに急に風が吹いた場合であっても、傘を両手でしっかりと持つことができる。
【0031】
また、非収納リード14は、伸縮可能な伸縮部32を有する。このため、動物2が急に走るなどして非収納リード14を引っ張ったとしても、伸縮部32が伸びるので、人1、動物2、及びリード装置10にかかる負担を軽減することができる。また、非収納リード14の伸縮部32が伸びた状態から非収納リード14に対する力が弱まると、伸縮部32は弾性力によって縮むので、再び動物2が非収納リード14を引っ張った際にも対応することができる。
【0032】
また、ワイヤーリール12のワイヤーリード18は、その一端18aを引くことによって、巻取り機構の付勢部材の付勢力に抗してケース19内から引き出し可能となっている。このため、動物2が急に走るなどして非収納リード14を引っ張った際に、ワイヤーリード18が引出し方向に引かれると、ワイヤーリール12のワイヤーリード18が引き出されるので、人1、動物2、及びリード装置10にかかる負担を軽減することができる。また、ワイヤーリード18は、ケース19内へ巻き取る方向に付勢されているので、ワイヤーリード18が引き出された状態からワイヤーリード18に対する力が弱まると、ワイヤーリード18が巻き取られる。このため、再び動物2がワイヤーリード18を引っ張った際にも対応することができる。
【0033】
また、指を挿入可能な大きさの係止リング13がワイヤーリード18の露出領域30及び非収納リード14の双方に取り付けられるので、散歩中に動物2の移動範囲を規制したい場合、人1は、係止リング13に指を引っ掛けて、動物2の移動範囲を規制した状態で動物2を散歩させることができる。また、両手を自由にした状態で散歩している最中に、動物2が急に走るなどした際に、人1は、係止リング13に指を引っ掛けて、動物2を止めることができる。
【0034】
また、係止リング13の内径は、ワイヤーリール12のフック部材17の第3板部24の幅よりも大きく、係止リング13は、その径方向内側にワイヤーリール12のフック部材17の第3板部24を挿通可能な大きさに形成される。
【0035】
図5は、図3に対応するワイヤーリール12の外観図であって、係止リング13をフック部材17に係止した状態を示す。
【0036】
図5に示すように、係止リング13をフック部材17の第2板部23と第3板部24との折り返し部29に係止する際には、第3板部24の上記一側の端部24aを第2板部23から離間する方向へ弾性変形させながら、係止リング13の径方向内側に第3板部24の上記一側の端部24aを挿通させて、係止リング13の一部を第2板部23と第3板部24との空間27に上記一側から挿入して空間27の上記他側の端部まで移動させる。これにより、係止リング13をフック部材17の第2板部23と第3板部24との折り返し部29に係止することができる。係止リング13をフック部材17の第2板部23と第3板部24との折り返し部29に係止した状態では、係止リング13が第2板部23と第3板部24との間の空間27の上記他側の端部を上記所定方向及びケース19の軸方向と交叉する方向に挿通しており、ワイヤーリード18の引き出しが規制される。すなわち、フック部材17の第2板部23と第3板部24との折り返し部29は、ケース19からのワイヤーリード18の引き出しを規制する引出し規制手段として機能する。
【0037】
このように、係止リング13をフック部材17の折り返し部29に係止することができる。このため、例えば、周囲に人が多い場合など、ワイヤーリード18の引き出しを規制しておきたい場合には、係止リング13をフック部材17の折り返し部29に係止することによって、動物2の移動範囲を人1の近くに規制した状態でリード装置10を手で持つことなく動物2を散歩させることができる。
【0038】
また、肩掛け紐11を取り付けるためのフック部材17に、係止リング13を係止可能にしているので、肩掛け紐11を取り付けるための部材と、係止リング13を係止するための部材とを別々に設ける場合とは異なり、部品点数を削減することができる。
【0039】
また、フック部材17の第1板部22と第2板部23との間に空間26が設けられるので、ワイヤーリール12を人1の腰のベルト等に引っ掛けることができる。このため、動物2を散歩させる際に、ワイヤーリール12が邪魔にならないように、人1の腰のベルト等に引っ掛けて、ワイヤーリール12の揺れを防止することができる。
【0040】
また、肩掛け紐11は、調節部15を有するので、胴体1aを挿通させる部分の周方向の長さを好適に調節することができる。
【0041】
また、非収納リード14は、ワイヤー本体を覆うカバーを有するので、動物2が急に走った際に、動物2を止めるために、咄嗟に非収納リード14を掴んだとしても、手をカバーによってワイヤー本体から保護することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、肩掛け紐11にその周方向の長さを調節可能な調節部15を設けたが、調節部15を設けなくてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、フック部材17を、ワイヤーリール12のケース19に固定される第1板部22と、第1板部22の一端部から折り返される第2板部23と、第2板部23の一端部から折り返される第3板部24とによって構成したが、これに限定されるものではない。フック部材17は、肩掛け紐11を係止可能な部分と、係止リング(リード側係止部)13を係止可能な部分(ケース側係止部、引出し規制手段)とを有していれば、他の構成であってもよい。
【0044】
また、本実施形態では、肩掛け紐11を係止するとともに、係止リング(リード側係止部)13を係止するフック部材17をワイヤーリール12に設けたが、フック部材17を設けなくてもよい。この場合、肩掛け紐(胴掛け部材)11を取付可能な胴掛け部材取付部を、ワイヤーリール12のケース19に設けるとともに、係止リング(リード側係止部)13を係止可能なケース側係止部を、胴掛け部材取付部とは別にケース19に設けてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、ワイヤーリール12のフック部材17に折り返し部(ケース側係止部)29を設けることによって、係止リング(リード側係止部)13を係止可能なケース側係止部をワイヤーリール12に設けたが、ケース側係止部をワイヤーリール12に設けなくてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、係止リング(リード側係止部)13を係止可能なケース側係止部(フック部材17の折り返し部29)をワイヤーリール12に設け、ケース側係止部をワイヤーリード18の引出し規制手段として機能させたが、引出し規制手段はこれに限定されるものではなく、ケース側係止部をワイヤーリール12に設けることなく、引出し規制手段をワイヤーリール12に設けてもよい。例えば、ワイヤーリール12の巻取り機構の回転を規制可能なストッパをワイヤーリール12に設け、係るストッパをワイヤーリード18の引出し規制手段として機能させてもよい。あるいは、ケース19からのワイヤーリード18の引き出しを規制する引出し規制手段をワイヤーリール12に設けなくてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、指を係止可能な係止リング(リード側係止部)13を設けたが、リード側係止部の形状はリング状に限定されるものではない。例えば、リード側係止部は、U状の指掛フックであってもよい。
【0048】
また、本実施形態では、指を係止可能な係止リング(リード側係止部)13を設けたが、リード側係止部を設けなくてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、非収納リード14にコイルバネ状の伸縮部32を設けたが、伸縮部32はコイルバネ状に限定されるものではなく、例えば、コイルバネ以外の弾性部材によって形成される伸縮部32であってもよい。
【0050】
また、本実施形態では、非収納リード14に伸縮可能な伸縮部32を設けたが、伸縮部32を設けなくてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、非収納リード14を、ワイヤー本体とカバーとによって構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、樹脂製や革製のリードであってもよい。
【0052】
また、本実施形態では、身体の胴体1aに引っ掛け可能な胴掛け部材を、胴体1aに袈裟懸けに引っ掛け可能な肩掛け紐11としたが、これに限定されるものではなく、例えば、胴掛け部材は、胴体1aのうちの腰に巻きつけて引っ掛け可能な腰巻きベルト(胴掛け部材)であってもよい。
【0053】
また、本実施形態では、ワイヤーリール12のケース19を、円筒状の側板部19aと1対の円形板部19b,19cとによって構成したが、ケース19の形状はこれに限定されるものではなく、様々な形状を適用することができる。
【0054】
また、本実施形態では、ワイヤーリール12にワイヤーリード(第1リード)18を設けたが、第1リードはワイヤー製のリードに限定されるものではなく、所望の材料によって形成された第1リードとすることができる。
【0055】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
1:人
1a:胴体
2:動物
3:装着部材
10:リード装置
11:肩掛け紐(胴掛け部材)
12:ワイヤーリール(リードリール)
13:係止リング(リード側係止部)
14:非収納リード(第2リード)
15:調節部
17:フック部材
18:ワイヤーリード(第1リード)
19:ケース
22:第1板部
23:第2板部
24:第3板部
26:第1板部と第2板部との間の空間
27:第2板部と第3板部との間の空間
29:折り返し部(第2板部と第3板部との折り返し部分、ケース側係止部、引出し規制手段)
30:露出領域
31:フック(接続部)
32:伸縮部
図1
図2
図3
図4
図5