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特開2022-185287充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法
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  • 特開-充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185287
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/14 20190101AFI20221207BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20221207BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20221207BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20221207BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B60L53/14
B60L1/00 L
B60L50/60
B60L58/12
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092861
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 大我
(72)【発明者】
【氏名】村里 健次
(72)【発明者】
【氏名】青木 智哉
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BB09
5H125BC21
5H125BC29
5H125CD04
5H125DD02
5H125EE23
(57)【要約】
【課題】外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替不能となることの抑制。
【解決手段】充電システムは、車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリと、メインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットと、インレットからメインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーと、インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するコンバータと、充電リレーおよびコンバータを制御するECUとを備える。ECUは、インレットからの電力の供給を受けた後に補機用電圧への降圧を開始するようコンバータを制御し(ステップS114)、充電リレーが接続状態に切替えられる前に、コンバータからの電力を、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレーに供給し(ステップS114)、作動電力を用いて遮断状態から接続状態に切替えるよう、充電リレーを制御する(ステップS117)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリと、
前記メインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットと、
前記インレットから前記メインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーと、
前記インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するインレット側電圧変換器と、
前記充電リレーおよび前記インレット側電圧変換器を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記インレットからの電力の供給を受けた後に前記補機用電圧への降圧を開始するよう前記インレット側電圧変換器を制御し、
前記充電リレーが前記接続状態に切替えられる前に、前記インレット側電圧変換器からの電力を、前記接続状態に切替えるための作動電力として前記充電リレーに供給し、
前記作動電力を用いて前記遮断状態から前記接続状態に切替えるよう、前記充電リレーを制御する、充電システム。
【請求項2】
前記補機用電圧の電力を蓄える補機バッテリをさらに備え、
前記インレット側電圧変換器は、前記補機バッテリと並列に接続される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記インレット側電圧変換器と異なり、前記メインバッテリの電力を前記補機バッテリに供給する場合に前記メインバッテリの電力の電圧を前記補機用電圧まで降圧するメインバッテリ側電力変換器をさらに備える、請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記補機バッテリの電圧に関わらず、前記作動電力を前記充電リレーに供給する場合に、前記インレット側電圧変換器を動作させるよう制御する、請求項2または請求項3に記載の充電システム。
【請求項5】
前記補機バッテリの電圧を検知する電圧センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記電圧センサによって検知された電圧が所定電圧未満である場合に、前記作動電力を前記充電リレーに供給するために前記インレット側電圧変換器を動作させるよう制御する、請求項2または請求項3に記載の充電システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記インレット側電圧変換器を動作させた後、前記電圧センサによって検知された電圧が前記所定電圧以上となった場合に、前記作動電力を前記充電リレーに供給するよう制御する、請求項5に記載の充電システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記インレット側電圧変換器を動作させた後、所定期間が経過した場合に、前記作動電力を前記充電リレーに供給するよう制御する、請求項4または請求項5に記載の充電システム。
【請求項8】
車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットからの電力を、前記メインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーに供給する電力供給部と、
前記インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するインレット側電圧変換器とを備え、
前記インレット側電圧変換器は、前記充電リレーが前記接続状態に切替えられる前に、前記接続状態に切替えるための作動電力として前記充電リレーに供給するために、前記インレットからの電力の供給を受けた後に前記補機用電圧へ降圧する、充電器。
【請求項9】
充電システムの制御方法であって、
前記充電システムは、
車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリと、
前記メインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットと、
前記インレットから前記メインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーと、
前記インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するインレット側電圧変換器と、
前記充電リレーおよび前記インレット側電圧変換器を制御する制御装置とを備え、
前記制御方法は、前記制御装置が、
前記インレットからの電力の供給を受けた後に前記補機用電圧への降圧を開始するよう前記インレット側電圧変換器を制御するステップと、
前記充電リレーが前記接続状態に切替えられる前に、前記インレット側電圧変換器からの電力を、前記接続状態に切替えるための作動電力として前記充電リレーに供給するステップと、
前記作動電力を用いて前記遮断状態から前記接続状態に切替えるよう、前記充電リレーを制御するステップとを含む、充電システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法に関し、特に、インレットからメインバッテリへの電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーを備える充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両は、駆動用の高圧システムのメインバッテリの電力を降圧して補機系統へ電力を供給するメインDC/DCコンバータを備えることが多い(たとえば、特許文献1参照)。メインバッテリへの外部充電中の補機系統への電力の供給は、効率を向上させる観点から、メインDC/DCコンバータと異なるサブDC/DCコンバータを用いることが、従来、知られている。サブDC/DCコンバータは、外部電源から電力変換を行って補機系統へ電力供給を行うために、メインDC/DCコンバータとは別途、充電器内に設けられるDC/DCコンバータである。
【0003】
また、電動車両の外部充電用の回路は、充電器とメインバッテリとの間の電気的な接続状態と遮断状態とを切替え可能な充電リレーを備えることが多い。この充電リレーは、補機系統から供給された電力で動作する。従来は、外部充電が開始される前は、補機バッテリに蓄えられた電力を用いて、この充電リレーは動作していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-072591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充電リレーは、メインバッテリの外部充電をするたびに、少なくとも1回は遮断状態から接続状態に切替えられる。充電リレーの切替え動作の回数が多くなるにつれ、切替え動作に最低限必要な動作電圧が上昇していく。一方、補機バッテリは、電力を供給するときのSOC、および、補機バッテリの使用年数に応じて、供給電圧が低下している可能性がある。補機バッテリの供給電圧が充電リレーの動作電圧に対して十分でない場合、外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替えることができなくなる虞があった。
【0006】
この開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替えることができなくなることを抑制することが可能な充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示に係る充電システムは、車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリと、メインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットと、インレットからメインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーと、インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するインレット側電圧変換器と、充電リレーおよびインレット側電圧変換器を制御する制御装置とを備える。制御装置は、インレットからの電力の供給を受けた後に補機用電圧への降圧を開始するようインレット側電圧変換器を制御し、充電リレーが接続状態に切替えられる前に、インレット側電圧変換器からの電力を、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレーに供給し、作動電力を用いて遮断状態から接続状態に切替えるよう、充電リレーを制御する。
【0008】
このような構成によれば、外部充電の開始前に、インレット側電圧変換器によって、外部電力からインレットを経由して電力が供給された後に補機用電圧への降圧が開始され、充電リレーが接続状態に切替えられる前に、インレット側電圧変換器からの電力が、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレーに供給され、作動電力が用いられて、充電リレーが遮断状態から接続状態に切替えられる。その結果、外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替えることができなくなることを抑制することが可能な充電システムを提供できる。
【0009】
補機用電圧の電力を蓄える補機バッテリをさらに備え、インレット側電圧変換器は、補機バッテリと並列に接続されるようにしてもよい。
【0010】
インレット側電圧変換器と異なり、メインバッテリの電力を補機バッテリに供給する場合にメインバッテリの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するメインバッテリ側電力変換器をさらに備えるようにしてもよい。
【0011】
制御装置は、補機バッテリの電圧に関わらず、作動電力を充電リレーに供給する場合に、インレット側電圧変換器を動作させるよう制御するようにしてもよい。
【0012】
補機バッテリの電圧を検知する電圧センサをさらに備え、制御装置は、電圧センサによって検知された電圧が所定電圧未満である場合に、作動電力を充電リレーに供給するためにインレット側電圧変換器を動作させるよう制御するようにしてもよい。
【0013】
制御装置は、インレット側電圧変換器を動作させた後、電圧センサによって検知された電圧が所定電圧以上となった場合に、作動電力を充電リレーに供給するよう制御するようにしてもよい。
【0014】
制御装置は、インレット側電圧変換器を動作させた後、所定期間が経過した場合に、作動電力を充電リレーに供給するよう制御するようにしてもよい。
【0015】
この開示の他の局面によれば、充電器は、車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットからの電力を、メインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーに供給する電力供給部と、インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するインレット側電圧変換器とを備える。インレット側電圧変換器は、充電リレーが接続状態に切替えられる前に、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレーに供給するために、インレットからの電力の供給を受けた後に補機用電圧へ降圧する。
【0016】
このような構成によれば、外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替えることができなくなることを抑制することが可能な充電器を提供できる。
【0017】
この開示のさらに他の局面によれば、充電システムの制御方法における充電システムは、車両の走行用の電力を蓄えるメインバッテリと、メインバッテリを充電する電力を供給するための充電コネクタを接続するインレットと、インレットからメインバッテリへ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレーと、インレットからの電力の電圧を補機用電圧まで降圧するインレット側電圧変換器と、充電リレーおよびインレット側電圧変換器を制御する制御装置とを備える。制御方法は、制御装置が、インレットからの電力の供給を受けた後に補機用電圧への降圧を開始するようインレット側電圧変換器を制御するステップと、充電リレーが接続状態に切替えられる前に、インレット側電圧変換器からの電力を、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレーに供給するステップと、作動電力を用いて遮断状態から接続状態に切替えるよう、充電リレーを制御するステップとを含む。
【0018】
このような構成によれば、外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替えることができなくなることを抑制することが可能な充電システムの制御方法を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
この開示によれば、外部充電の開始前に充電リレーを接続状態に切替えることができなくなることを抑制することが可能な充電システム、充電器、および、充電システムの制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この実施の形態に係る車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。
図2】第1実施形態のバッテリ充電開始処理の流れを示すフローチャートである。
図3】この実施の形態の充電リレーの動作電圧に関するグラフである。
図4】第2実施形態のバッテリ充電開始処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しつつ、この開示の実施の形態は説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返されない。
【0022】
図1は、この実施の形態に係る車両100の全体構成を概略的に示すブロック図である。図1を参照して、車両100は、外部設備900から供給される電力による外部充電が可能に構成された車両である。車両100は、この例では電気自動車であるが、プラグインハイブリッド車両、燃料電池車等であってもよい。
【0023】
車両100は、充電システム11と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)32と、高圧負荷51と、補機負荷52と、PCU(Power Control Unit)8と、モータジェネレータ9と、ECU(Electronic Control Unit)10とを備える。充電システム11は、インレット1と、充電器2と、充電リレー31と、メインバッテリ4と、電圧センサ41と、電流センサ42と、補機バッテリ6と、電圧センサ61と、電流センサ62と、メインDC/DCコンバータ7と、サブDC/DCコンバータ25と、ECU(Electronic Control Unit)10とを備える。
【0024】
インレット1は、充電ケーブルの先端に設けられた充電コネクタ910を接続可能に構成されている。インレット1は、充電ステーション等の外部設備900から充電コネクタ910を介して供給される交流電力を受ける。インレット1が受けた交流電力は、充電器2に伝送される。
【0025】
充電器2は、フィルタ回路21と、PFC(Power Factor Correction)回路22と、平滑コンデンサ23,28と、高圧DC/DCコンバータ24と、サブDC/DCコンバータ25と、電圧センサ26,27とを含む。
【0026】
フィルタ回路21は、インレット1から伝送された交流電力に含まれるノイズを除去し、ノイズが除去された交流電力をPFC回路22に出力する。電圧センサ26は、充電器2の入口の電圧、つまり、フィルタ回路21に入力される電圧を検出し、その検出結果をECU10に出力する。
【0027】
PFC回路22は、ECU10によって制御されて、フィルタ回路21によりノイズ除去された交流電力を整流および昇圧して平滑コンデンサ23に出力するとともに、入力電流を正弦波に近づけることで力率を改善する。PFC回路22には公知の種々のPFC回路を採用し得る。なお、PFC回路22に代えて、力率改善機能を有しない整流器を採用してもよい。
【0028】
平滑コンデンサ23は、PFC回路22から受けた直流電力の電圧変動を平滑化する。平滑化された直流電力は、高圧DC/DCコンバータ24およびサブDC/DCコンバータ25に供給される。電圧センサ27は、平滑コンデンサ23の両端の電圧、つまり、高圧DC/DCコンバータ24およびサブDC/DCコンバータ25に供給される電圧を検出し、その検出結果をECU10に出力する。
【0029】
高圧DC/DCコンバータ24は、ECU10によって制御されて、平滑コンデンサ23により平滑化された直流電力の電圧をメインバッテリ4の充電に適する電圧(たとえば200V超)に変換する。
【0030】
平滑コンデンサ28は、高圧DC/DCコンバータ24から受けた直流電力の電圧変動を平滑化する。
【0031】
サブDC/DCコンバータ25は、ECU10によって制御されて、平滑コンデンサ23により平滑化された直流電力の電圧を補機バッテリ6の充電に適する電圧(たとえば14V)に変換する。
【0032】
充電リレー31は、高圧DC/DCコンバータ24とメインバッテリ4との間に電気的に接続されている。充電リレー31は、外部充電時には基本的に、ECU10からの制御指令に従って閉成される。リレーが閉成された状態を接続状態と呼び、開放された状態を遮断状態と呼ぶ。これにより、充電器2からの電力をメインバッテリ4に供給することが可能となる。
【0033】
システムメインリレー32は、メインバッテリ4と高圧負荷51との間、および、メインバッテリ4とPCU8との間に電気的に接続されている。システムメインリレー32は、車両100の走行時にはECU10からの制御指令に従って閉成される。これにより、メインバッテリ4の電力が高圧負荷51とPCU8とに供給され、モータジェネレータ9を駆動することが可能となる。
【0034】
メインバッテリ4は、充電リレー31とシステムメインリレー32との間に電気的に接続されている。メインバッテリ4は、複数のセルを含む組電池である。各セルは、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの二次電池である。メインバッテリ4の出力電圧は高く、たとえば200V程度である。メインバッテリ4は、車両100の駆動力を発生させるための電力を供給する。また、メインバッテリ4は、モータジェネレータ9により回生発電された電力を蓄える。
【0035】
電圧センサ41は、メインバッテリ4の電圧を検出し、その検出結果をECU10に出力する。電流センサ42は、メインバッテリ4に入出力される電流を検出し、その検出結果をECU10に出力する。ECU10は、電圧センサ41および電流センサ42からの検出結果に基づいて、メインバッテリ4の残存容量(SOC:State Of Charge)を算出できる。
【0036】
高圧負荷51は、システムメインリレー32を介してメインバッテリ4に電気的に接続されるとともに、メインDC/DCコンバータ7に電気的に接続されている。高圧負荷51は、たとえば、エアコン、シートヒータ、車内コンセント用のインバータを含み得る。
【0037】
補機負荷52は、補機バッテリ6に電気的に接続されている。補機負荷52は、たとえば、ランプ類(ヘッドランプ、フォグランプ、コーナリングシグナルランプ、コーナーランプ等)、オーディオ機器、カーナビゲーションシステム、ABS(Antilock Brake System)、オイルポンプ、メータ類、デフォガおよびワイパを含み得る。
【0038】
補機バッテリ6は、サブDC/DCコンバータ25とメインDC/DCコンバータ7との間に電気的に接続されている。補機バッテリ6は、鉛蓄電池またはリチウムイオン電池等の二次電池である。補機バッテリ6の出力電圧は、メインバッテリ4の出力電圧よりも低く、たとえば12V程度である。
【0039】
電圧センサ61は、補機バッテリ6の電圧を検出し、その検出結果をECU10に出力する。電流センサ62は、補機バッテリ6に入出力される電流を検出し、その検出結果をECU10に出力する。ECU10は、電圧センサ61および電流センサ62からの検出結果に基づいて、補機バッテリ6のSOCを算出できる。
【0040】
メインDC/DCコンバータ7は、補機バッテリ6と、システムメインリレー32を介してメインバッテリ4との間に電気的に接続されている。メインDC/DCコンバータ7は、メインバッテリ4からの電力を電圧変換して補機バッテリ6に供給する。メインDC/DCコンバータ7の電力容量(負荷への電流供給能力)は、サブDC/DCコンバータ25の電力容量よりも大きい。
【0041】
PCU8は、ECU10からの制御指令に従って、メインバッテリ4とモータジェネレータ9との間で電力変換を行う。PCU8は、メインバッテリ4から電力を受けてモータジェネレータ9を駆動するインバータと、インバータに供給される直流電圧のレベルを調整するコンバータ(いずれも図示せず)とを含み得る。
【0042】
モータジェネレータ9は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。モータジェネレータ9の出力トルクは、減速機や動力分割機構によって構成される動力伝達ギヤを介して駆動輪(いずれも図示せず)に伝達され、車両100を走行させる。モータジェネレータ9は、車両100の回生制動時には、駆動輪の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU8によってメインバッテリ4の充電電力に変換される。
【0043】
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、入出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。ECU10は、上記センサから受ける信号ならびにメモリに記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、車両100に備えられた各機器を制御したり監視したりする。なお、図1には、車両100に備えられた全機器をECU10が制御する構成例を示している。しかし、ECU10は、機能毎に複数のECUに分割されて構成されていてもよい。ECU10により実行される様々な制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電気回路)で構築して処理してもよい。
【0044】
従来は、外部充電が開始される前は、補機バッテリ6に蓄えられた電力を用いて、充電リレー31は動作していた。充電リレー31は、メインバッテリ4の外部充電をするたびに、少なくとも1回は遮断状態から接続状態に切替えられる。充電リレー31の切替え動作の回数が多くなるにつれ、切替え動作に最低限必要な動作電圧が上昇していく。一方、補機バッテリ6は、電力を供給するときのSOC、および、補機バッテリ6の使用年数に応じて、供給電圧が低下している可能性がある。補機バッテリ6の供給電圧が充電リレー31の動作電圧に対して十分でない場合、外部充電の開始前に充電リレー31を接続状態に切替えることができなくなる虞があった。
【0045】
そこで、ECU10は、インレット1からの電力の供給を受けた後に補機バッテリの充電に適する電圧への降圧を開始するようサブDC/DCコンバータ25を制御し、充電リレー31が接続状態に切替えられる前に、サブDC/DCコンバータ25からの電力を、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレー31に供給し、作動電力を用いて遮断状態から接続状態に切替えるよう、充電リレー31を制御する。
【0046】
これにより、外部充電の開始前に、サブDC/DCコンバータ25によって、外部電力からインレット1を経由して電力が供給された後に補機バッテリ6の充電に適する電圧への降圧が開始され、充電リレー31が接続状態に切替えられる前に、サブDC/DCコンバータ25からの電力が、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレー31に供給され、作動電力が用いられて、充電リレー31が遮断状態から接続状態に切替えられる。その結果、外部充電の開始前に充電リレー31を接続状態に切替えることができなくなることを抑制することができる。
【0047】
図2は、第1実施形態のバッテリ充電開始処理の流れを示すフローチャートである。図2を参照して、このバッテリ充電開始処理は、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。ECU10のCPUは、サブDC/DCコンバータ25が未作動であるか否かを判断する(ステップS111)。
【0048】
サブDC/DCコンバータ25が未作動である(ステップS111でYES)と判断した場合、ECU10のCPUは、電圧センサ61の検出結果を用いて補機バッテリ6の電圧が所定電圧未満であるか否かを判断する(ステップS112)。所定電圧は、少なくとも、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えるのに必要な電圧(以下「オン電圧」という。)以上の電圧であり、たとえば、後述する図3で示す電圧Vaである。
【0049】
図3は、この実施の形態の充電リレー31の動作電圧に関するグラフである。図3を参照して、横軸は、充電リレー31の動作回数を示し、縦軸は、充電リレー31のオン電圧を示す。プロットは、充電リレー31の動作回数に対するオン電圧の推移を示す。プロットを繋いだグラフの線で示されるように、充電リレー31の動作回数が増加するにしたがって、オン電圧も増加する傾向がある。
【0050】
充電リレー31に供給される電圧が電圧Vbである場合、左から3つ目のプロットにおいては、供給電圧Vbが、動作回数に対応するオン電圧を超えているため、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えることができる。一方、左から4つ目のプロットにおいては、供給電圧Vbが、動作回数に対応するオン電圧を下回っているため、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えることができない。
【0051】
供給電圧が電圧Vaであれば、動作回数が増加しても、供給電圧Vaが、動作回数に対応するオン電圧を超えているため、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えることができる。このため、ステップS112においては、たとえば、充電リレー31に供給される補機バッテリ6の電圧が電圧Va未満でないかを判断することにより、補機バッテリ6の電圧で充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えることができない可能性がある状態であるかを判断するようにしている。
【0052】
図2に戻って、補機バッテリ6の電圧が所定電圧未満である(ステップS112でYES)と判断した場合、ECU10のCPUは、外部設備900からの電圧がインレット1に印加されることで、充電器2の入口に電圧が印加されたか否かを、電圧センサ26の検出結果を用いて判断する(ステップS113)。
【0053】
充電器2の入口に電圧が印加された(ステップS113でYES)と判断した場合、ECU10のCPUは、サブDC/DCコンバータ25を作動させるよう制御する(ステップS114)。これにより、補機バッテリ6の充電に適する電圧が補機バッテリ6に印加される。補機バッテリ6の電圧はECU10に供給され、ECU10は、プログラムの実行に応じて、補機バッテリ6からの電圧を制御対象(たとえば、充電リレー31,システムメインリレー32)に印加する。
【0054】
サブDC/DCコンバータ25が未作動でない(ステップS111でNO)と判断した場合、補機バッテリ6の電圧が所定電圧未満でない(ステップS112でNO)と判断した場合、充電器2の入口に電圧が印加されていない(ステップS113でNO)と判断した場合、または、ステップS114の後、ECU10のCPUは、補機バッテリ6の電圧が所定電圧以上となったか否かを判断する(ステップS116)。
【0055】
なお、ステップS114でサブDC/DCコンバータ25の作動が開始されることで補機バッテリ6の電圧が所定電圧以上になった場合、ステップS116でYESと判断される。また、ステップS111でサブDC/DCコンバータ25が未作動であると判断された場合であっても、ステップS112で補機バッテリ6の電圧が所定電圧未満でないと判断された場合は、ステップS114でサブDC/DCコンバータ25の作動は開始されないが、ステップS116でYESと判断される。
【0056】
補機バッテリ6の電圧が所定電圧以上である(ステップS116でYES)と判断した場合、ECU10のCPUは、充電リレー31をオンにする、つまり、遮断状態から接続状態に切替えるよう制御する(ステップS117)。具体的には、この制御によって、ECU10は、補機バッテリ6の電圧を充電リレー31の動作電圧として印加する。
【0057】
補機バッテリ6の電圧が所定電圧以上でない(ステップS116でNO)と判断した場合、および、ステップS117の後、ECU10のCPUは、実行する処理をこのバッテリ充電開始処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0058】
これにより、充電リレー31を動作させる電圧が、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えるのに必要な所定電圧以上となるため、充電リレー31を遮断状態から接続状態に確実に切替えることができる。
【0059】
[第2実施形態]
第1実施形態においては、補機バッテリ6の電圧を実際に検出することで充電リレー31に供給される電圧が所定電圧以上となったと判断したときに、充電リレー31を接続状態に切替えるようにした。第2実施形態においては、サブDC/DCコンバータ25から補機バッテリ6に電力の供給が開始されてから所定期間、経過すると、充電リレー31に供給される電圧が所定電圧以上になっているとみなして、充電リレー31を接続状態に切替えるようにする。
【0060】
図4は、第2実施形態のバッテリ充電開始処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、このバッテリ充電開始処理は、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。ステップS121、ステップS123およびステップS124の処理は、それぞれ、図2で説明したステップS111、ステップS113およびステップS114と同様であるので重複する説明は繰り返さない。
【0061】
ステップS124の後、ECU10のCPUは、タイマによるカウントを開始する。つまり、サブDC/DCコンバータ25によって補機バッテリ6の充電に適する電圧が補機バッテリ6に印加されてからの経過期間のカウントが開始される。
【0062】
ECU10のCPUは、タイマによってカウントされている経過期間が、サブDC/DCコンバータ25により補機バッテリ6に電圧が印加されてから所定期間を経過したか否かを判断する(ステップS126)。所定期間は、サブDC/DCコンバータ25によって補機バッテリ6に電圧が印加されてから、補機バッテリ6の電圧が図2で示した所定電圧以上となるまでに十分な期間である。実際には、サブDC/DCコンバータ25によって補機バッテリ6に電圧が印加されると、補機バッテリ6の電圧は、すぐに、サブDC/DCコンバータ25による供給電圧と等しくなるので、所定期間は、長くても数分程度の期間である。
【0063】
カウントされている経過期間が所定期間を経過した(ステップS126でYES)と判断した場合、図2のステップS117と同様、ECU10のCPUは、充電リレー31をオンにする、つまり、遮断状態から接続状態に切替えるよう制御する(ステップS127)。具体的には、この制御によって、ECU10は、補機バッテリ6の電圧を充電リレー31の動作電圧として印加する。
【0064】
カウントされている経過期間が所定期間を経過していない(ステップS126でNO)と判断した場合、および、ステップS127の後、ECU10のCPUは、実行する処理をこのバッテリ充電開始処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0065】
これにより、充電リレー31を動作させる電圧が、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えるのに必要な所定電圧以上となるため、充電リレー31を遮断状態から接続状態に確実に切替えることができる。
【0066】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、図2および図3で示したように、所定電圧が一定であることとした。しかし、これに限定されず、充電リレー31の動作回数に応じて所定電圧を増加させるようにしてもよい。この場合、所定電圧は、図3で示した充電リレー31の動作回数に対応するオン電圧を上回る電圧とする。
【0067】
(2) 前述した実施の形態においては、図1で示したように、ECU10に補機バッテリ6またはサブDC/DCコンバータ25の電圧が印加されると、制御対象である充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えるための電圧がECU10から出力されるようにした。しかし、これに限定されず、トランジスタのベースにECU10から電圧(たとえば5V)が掛けられることで、トランジスタによって補機バッテリ6またはサブDC/DCコンバータ25の電圧が充電リレー31に印加されるようにしてもよい。
【0068】
(3) 前述した実施の形態においては、図1で示したように、サブDC/DCコンバータ25は、充電器2の内部に設けられるようにした。しかし、これに限定されず、サブDC/DCコンバータ25は、充電器2の外部に設けられるようにしてもよい。
【0069】
(4) 前述した実施の形態においては、図1で示したように、補機バッテリ6が備えられるようにした。しかし、これに限定されず、補機バッテリ6が備えられないようにしてもよい。
【0070】
(5) 前述した実施の形態においては、図1で示したように、外部電力がAC電力であることとした。しかし、これに限定されず、外部電力がDC電力であってもよい。
【0071】
(6) 前述した実施の形態において、図1の充電器2と充電リレー31との間に、並列に、太陽電池または燃料電池などが接続されるようにしてもよい。
【0072】
(7) 前述した実施の形態においては、図2のステップS112およびステップS114で示したように、外部充電の開始時に、補機バッテリ6の電圧が所定電圧未満である場合、サブDC/DCコンバータ25を作動させるようにした。しかし、これに限定されず、外部充電の開始時に、充電リレー31を遮断状態から接続状態に切替えるための電圧が、補機バッテリ6の電圧の変動範囲の上限を下回っている場合に、サブDC/DCコンバータ25を作動させるようにしてもよい。また、外部充電の開始時に、常に、サブDC/DCコンバータ25を作動させるようにしてもよい。
【0073】
(8) 前述した実施の形態においては、充電リレー31は、コイルに電圧が印加された場合(励磁された場合)に、端子間が接続された状態となり、コイルに電圧が印加されない場合(無励磁の場合)に、端子間が遮断された状態となるリレーであることとした。しかし、これに限定されず、セットコイルに電圧が印加された場合に、端子間が接続された状態となり、セットコイルに電圧が印加されなくなっても、接続された状態が維持されるラッチングリレーであることとしてもよい。この場合、リセットコイルに電圧が印加されると、端子間が遮断された状態となる。
【0074】
(9) 前述した実施の形態においては、図1から図4で示したように、外部充電の開始時に、サブDC/DCコンバータ25を作動させることで、補機バッテリ6の電圧を上昇させるようにした。しかし、これに限定されず、外部充電の開始時に、システムメインリレー32が接続状態であれば、メインDC/DCコンバータ7を作動させることで、補機バッテリ6の電圧を上昇させるようにしてもよい。
【0075】
(10) 前述した実施の形態を、充電システム11の開示と捉えることができるし、充電器2の開示と捉えることができるし、車両100の開示と捉えることができるし、充電システム11、充電器2または車両100の制御方法または制御プログラムの開示と捉えることができる。
【0076】
[まとめ]
(1) 図1で示したように、充電システム11は、車両100の走行用の電力を蓄えるメインバッテリ4と、メインバッテリ4を充電する電力を供給するための充電コネクタ910を接続するインレット1と、インレット1からメインバッテリ4へ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレー31と、インレット1からの電力の電圧を補機用電圧(たとえば、補機バッテリ6の充電に適する電圧)まで降圧するサブDC/DCコンバータ25と、充電リレー31およびサブDC/DCコンバータ25を制御するECU10とを備える。
【0077】
図2および図4で示したように、ECU10は、インレット1からの電力の供給を受けた後に補機用電圧への降圧を開始するようサブDC/DCコンバータ25を制御し(たとえば、図2のステップS114、図4のステップS124)、充電リレー31が接続状態に切替えられる前に、サブDC/DCコンバータ25からの電力を、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレー31に供給し(たとえば、図2のステップS114、図4のステップS124)、作動電力を用いて遮断状態から接続状態に切替えるよう、充電リレー31を制御する(たとえば、図2のステップS117、図4のステップS127)。
【0078】
これにより、外部充電の開始前に、サブDC/DCコンバータ25によって、外部電力からインレット1を経由して電力が供給された後に補機用電圧への降圧が開始され、充電リレー31が接続状態に切替えられる前に、サブDC/DCコンバータ25からの電力が、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレー31に供給され、作動電力が用いられて、充電リレー31が遮断状態から接続状態に切替えられる。その結果、外部充電の開始前に充電リレー31を接続状態に切替えることができなくなることを抑制できる。
【0079】
(2) 図1で示したように、補機用電圧の電力を蓄える補機バッテリ6をさらに備え、サブDC/DCコンバータ25は、補機バッテリ6と並列に接続されるようにしてもよい。
【0080】
(3) 図1で示したように、サブDC/DCコンバータ25と異なり、メインバッテリ4の電力を補機バッテリ6に供給する場合にメインバッテリ4の電力の電圧を補機用電圧まで降圧するメインDC/DCコンバータ7をさらに備えるようにしてもよい。
【0081】
(4) 図4で示したように、ECU10は、補機バッテリ6の電圧に関わらず、作動電力を充電リレー31に供給する場合に、サブDC/DCコンバータ25を動作させるよう制御する(たとえば、ステップS124)ようにしてもよい。
【0082】
(5) 図1で示したように、補機バッテリ6の電圧を検知する電圧センサ61をさらに備えるようにしてもよい。図2で示したように、ECU10は、電圧センサ61によって検知された電圧が所定電圧未満である場合(たとえば、図2のステップS112でYESと判断した場合)に、作動電力を充電リレー31に供給するためにサブDC/DCコンバータ25を動作させるよう制御する(たとえば、図2のステップS114)ようにしてもよい。
【0083】
(6) 図2で示したように、ECU10は、サブDC/DCコンバータ25を動作させた後、電圧センサ61によって検知された電圧が所定電圧以上となった場合(たとえば、図2のステップS116でYESと判断した場合)に、作動電力を充電リレー31に供給するよう制御する(たとえば、図2のステップS117)ようにしてもよい。
【0084】
(7) 図4で示したように、ECU10は、サブDC/DCコンバータ25を動作させた後、所定期間が経過した場合(たとえば、図4のステップS126でYESと判断した場合)に、作動電力を充電リレー31に供給するよう制御する(たとえば、図4のステップS117)ようにしてもよい。
【0085】
(8) 図1で示したように、充電器2は、車両100の走行用の電力を蓄えるメインバッテリ4を充電する電力を供給するための充電コネクタ910を接続するインレット1からの電力を、メインバッテリ4へ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレー31に供給する高圧DC/DCコンバータ24と、インレット1からの電力の電圧を補機用電圧(たとえば、補機バッテリ6の充電に適する電圧)まで降圧するサブDC/DCコンバータ25とを備える。図2および図4で示したように、サブDC/DCコンバータ25は、充電リレー31が接続状態に切替えられる前に、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレー31に供給するために、インレット1からの電力の供給を受けた後に補機用電圧へ降圧する(たとえば、図2のステップS114、図4のステップS124)。
【0086】
これにより、外部充電の開始前に充電リレー31を接続状態に切替えることができなくなることを抑制できる。
【0087】
(9) 図1で示したように、充電システム11の制御方法における充電システム11は、車両100の走行用の電力を蓄えるメインバッテリ4と、メインバッテリ4を充電する電力を供給するための充電コネクタ910を接続するインレット1と、インレット1からメインバッテリ4へ電力の経路の接続状態と遮断状態とを切替える充電リレー31と、インレット1からの電力の電圧を補機用電圧(たとえば、補機バッテリ6の充電に適する電圧)まで降圧するサブDC/DCコンバータ25と、充電リレー31およびサブDC/DCコンバータ25を制御するECU10とを備える。
【0088】
図2および図4で示したように、制御方法は、ECU10が、インレット1からの電力の供給を受けた後に補機用電圧への降圧を開始するようサブDC/DCコンバータ25を制御するステップ(たとえば、図2のステップS114、図4のステップS124)と、充電リレー31が接続状態に切替えられる前に、サブDC/DCコンバータ25からの電力を、接続状態に切替えるための作動電力として充電リレー31に供給するステップ(たとえば、図2のステップS114、図4のステップS124)と、作動電力を用いて遮断状態から接続状態に切替えるよう、充電リレー31を制御するステップ(たとえば、図2のステップS117、図4のステップS127)とを含む。
【0089】
これにより、外部充電の開始前に充電リレー31を接続状態に切替えることができなくなることを抑制できる。
【0090】
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
1 インレット、2 充電器、4 メインバッテリ、6 補機バッテリ、7 メインDC/DCコンバータ、8 PCU、9 モータジェネレータ、10 ECU、11 充電システム、21 フィルタ回路、22 PFC回路、23,28 平滑コンデンサ、24 高圧DC/DCコンバータ、25 サブDC/DCコンバータ、26,27,41,61 電圧センサ、31 充電リレー、32 システムメインリレー、42,62 電流センサ、51 高圧負荷、52 補機負荷、100 車両、900 外部設備、910 充電コネクタ。
図1
図2
図3
図4