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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185310
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】美容器具セット
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/00 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
A45D24/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092907
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】510281874
【氏名又は名称】株式会社環境技研
(74)【代理人】
【識別番号】100158665
【弁理士】
【氏名又は名称】奥井 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100127513
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100206829
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 悟
(72)【発明者】
【氏名】井沢 良弘
(57)【要約】
【課題】美容器具を清潔に保つことができる機能を備え、さらには美容器具にマイナスイオンの放出や赤色光照射の機能も付与した使い勝手のよい美容器具と受け台とをセットにした美容器具セットを提供することを目的とする。
【解決手段】美容器具は、本体部および把持部とからなり、本体部の下面にブラシが配設され、受け台は、載置された美容器具のブラシが配設された本体部の下面に向かって深紫外線を照射する深紫外線照射手段を備えている。さらには、美容器具は、本体部に二次電池を収納するとともに二次電池の充電回路に電気接続されている充電用接点を設け、前記受け台には充電用ピンを設け、受け台の充電用ピンと美容器具の充電用接点が接触することにより、載置される美容器具の二次電池を充電することができ、美容器具にマイナスイオン発生手段や赤色光照射手段を設けることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
美容器具と美容器具の受け台とを備える美容器具セットであって、
美容器具は、本体部および把持部とからなり、本体部の下面にブラシが配設され、
受け台は、載置された美容器具のブラシが配設された本体部の下面に向かって深紫外線を照射する深紫外線照射手段を収納していることを特徴とする美容器具セット。
【請求項2】
前記美容器具は、本体部に二次電池を収納するとともに二次電池の充電回路に電気接続されている充電用接点を設け、前記受け台に充電用ピンを設け、
受け台の充電用ピンと美容器具の充電用接点が接触することにより、載置される美容器具の二次電池を充電することができることを特徴とする請求項1に記載の美容器具セット。
【請求項3】
前記美容器具にはマイナスイオン発生手段が収納されていることを特徴とする請求項2に記載の美容器具セット。
【請求項4】
前記マイナスイオン発生手段が炭素繊維に電圧を印加してマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生装置であることを特徴とする請求項3に記載の美容器具セット。
【請求項5】
前記美容器具の本体部には赤色光照射手段が収納されるとともに、美容器具の本体部の下面には透明あるいは半透明の合成樹脂板が嵌め込まれ、該合成樹脂板を透過して赤色光が照射できることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の美容器具セット。
【請求項6】
前記受け台がケース部と脚部とを備え、ケース部が仕切り板により仕切られ、ケース部と仕切り板で囲まれた空間に前記深紫外線発生手段が収納され、深紫外線発生手段の発光部が仕切り板に形成された孔に嵌め込まれていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の美容器具セット。
【請求項7】
前記ケース部と仕切り板で囲まれた空間には、前記美容器具が前記受け台に載置されたことを検知する回路を備えた基板が収納され、この基板に深紫外線発生手段が搭載されていることを特徴とする請求項6に記載の美容器具セット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシを備え毛髪や頭皮をトリートメントする美容器具と美容器具を受ける台である受け台とからなる美容器具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪や頭皮をトリートメントする美容器具には、様々な機能を有する手段が取り付けられている。
例えば、マイナスイオン発生手段や赤色光照射手段、EMS生成手段などである(特許文献1~3参照)。
【0003】
マイナスイオンは、空気中の水分子と結合するので、マイナスイオンを髪に付着させることにより、髪表面の水分量を増加でき、髪に潤い効果をもたらす。
また、マイナスイオンは、プラスに帯電した臭いの粒子、ほこり、花粉、バクテリアなどを毛髪や頭皮表面から取り除く効果や毛髪や頭皮の細胞を活性化することによる、毛髪のつや出しや枝毛防止などの効果や、プラスの静電気を帯びた毛髪をマイナスイオンにより中和させることで、毛髪とブラシとの絡まりを防止する効果をもたらす。
【0004】
波長が630nm程度の赤色光は、皮膚に照射すると、表皮とともに皮膚を構成する真皮の線維芽細胞を活性化し、メラニンに反応し、皮膚の奥深くのシミの除去に効果的であり、また血行の促進効果等を有し、肌につやと張りをもたらすといわれている。赤色光の照射手段には、市販の波長が630nmの赤色光を照射できるLEDを使用することができる。
【0005】
EMS(すなわちElectrical Muscle Stimulation )は、EMS電流を顔の皮膚や頭皮に流すことにより、筋肉や運動神経を刺激して筋肉を収縮させ、実際に運動したのと同じように、余分な脂肪を燃焼して筋肉を引き締め、たるみをなくして張りのある美しい肌を蘇させる効果や血液やリンパ液の流れをスムーズにして顔のむくみを取り去る効果がある。
【0006】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-16468号公報
【特許文献2】特開2009-172095号公報
【特許文献3】特開2008-54701号公報
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のマイナスイオン発生手段や赤色光照射手段を美容器具に付与することは知られているが、美容器具を清潔に保つことができる機能を使い勝手のよい形で付与することができる美容器具と美容器具の受け台をセットにしたものはなかった。
本発明は、美容器具を清潔に保つことができる機能を備え、さらにはマイナスイオン発生や赤色光照射の機能も付与した使い勝手のよい美容器具と受け台とをセットにした美容器具セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
[1]美容器具と美容器具の受け台とを備える美容器具セットであって、美容器具は、本体部および把持部とからなり、本体部の下面にブラシが配設され、受け台は、載置された美容器具のブラシが配設された本体部の下面に向かって深紫外線を照射する深紫外線照射手段を収納していることを特徴とする美容器具セット。
[2]前記美容器具は、本体部に二次電池を収納するとともに二次電池の充電回路に電気接続されている充電用接点を設け、前記受け台に充電用ピンを設け、受け台の充電用ピンと美容器具の充電用接点が接触することにより、載置される美容器具の二次電池を充電することができることを特徴とする[1]に記載の美容器具セット。
[3]前記美容器具にはマイナスイオン発生手段が収納されていることを特徴とする[2]に記載の美容器具セット。
[4]前記マイナスイオン発生手段が炭素繊維に電圧を印加してマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生装置であることを特徴とする[3]に記載の美容器具セット。
[5]前記美容器具の本体部には赤色光照射手段が収納されるとともに、美容器具の本体部の下面には透明あるいは半透明の合成樹脂板が嵌め込まれ、該合成樹脂板を透過して赤色光が照射できることを特徴とする[2]乃至[4]のいずれかに記載の美容器具セット。
[6]前記受け台がケース部と脚部とを備え、ケース部が仕切り板により仕切られ、ケース部と仕切り板で囲まれた空間に前記深紫外線発生手段が収納され、深紫外線発生手段の発光部が仕切り板に形成された孔に嵌め込まれていることを特徴とする[2]乃至[5]のいずれかに記載の美容器具セット。
[7]前記ケース部と仕切り板で囲まれた空間には、前記美容器具が前記受け台に載置されたことを検知する回路を備えた基板が収納され、この基板に深紫外線発生手段が搭載されていることを特徴とする[6]に記載の美容器具セット。
【発明の効果】
【0011】
美容器具と美容器具の受け台をセットにし、美容器具の受け台に、美容器具のブラシが配設された面に深紫外線を照射できる深紫外線発生手段を備えたので、美容器具を使用するときは、殺菌を施され、清潔に保たれた美容器具を使用することができる。また、さらには、美容器具に二次電池を収納するとともに充電用接点を設け、受け台に充電用ピンを設けることにより、美容器具に収納した二次電池を充電することが可能となるために、美容器具に皮膚や毛髪にマイナスイオンを放出する機能や赤色光を照射する機能を付与することができ、美容器具セットを使い勝手のよいものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】美容器具が受け台に載置された美容器具セットを示す斜視図。
図2】受け台を示す斜視図。
図3】受け台の断面を示す図
図4】受け台の平面図
図5】美容器具の断面を示す図
図6】美容器具のブラシが配設された面から見た平面図
図7】美容器具が受け台に載置された美容器具セットを示す断面図
図8】ブラシの取付構造を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、受け台と受け台に載置された美容器具とからなる本発明の美容器具セットの斜視図を、図2は、受け台の斜視図をそれぞれ示したものである。
ここで、1は受け台であり、11は美容器具である。
美容器具11は、後述するように、本体部12と把持部13とからなり、美容器具11を使用するときは、この把持部13を把持して、毛髪や頭皮をトリートメントすることができ、使用しないときは美容器具11を受け台1に載置することができる。
受け台1は、美容器具が載置される置き台となるものであるが、美容器具11が載置されたときに、美容器具11の本体部下面に向かって殺菌力を有する深紫外線を照射して清潔に保つ機能をも有している。そして、さらには美容器具11に収納されたリチウム電池などの二次電池20を収納させて、この二次電池を充電することができる機能をも持たせることができる。
二次電池20は、美容器具に付与される諸機能を実施するための手段を駆動するための電力を供給する。
【0014】
受け台1は、開口部を有する細長い略椀状のケース部2とケース部2を支える脚部3からなる。美容器具11が受け台1に載置されたとき、美容器具の本体部12は、受け台のケース部2の開口部の枠が本体部12の枠にはまり込んで着脱自在の状態でケース部2と合体することができる。このとき、美容器具の把持部13は受け台のケース部2からはみ出している。したがって、美容器具11を使用するときは、美容器具の把持部13を把持して、受け台1から容易に外すことができる。
受け台のケース部2の先端部には磁石10を、美容器具の本体部12の先端部には磁石31をそれぞれ取り付け、合体したときにそれぞれの磁石同士が合わさり、磁力で美容器具の本体部12が受け台のケース部2からずれないようにしてもよい。
【0015】
受け台の脚部3は、ケース部2を下から支持して、受け台1が安定した状態でテーブルや棚の上に置けるようにするためのものである。
図1に示す実施形態では、2つの脚部3でケース部2を支えているが、安定した状態でケース部2をテーブル面などの面上に支持でき、かつ受け台1に美容器具11が載置されても安定した状態を保持できるものであればよい。
【0016】
図1では、美容器具11は本体部12側よりも把持部13側が高くなるように斜めの状態で受け台のケース部2に保持されているが、脚部3の形状を変えて、把持部13側よりも本体部12側が高くなるように、美容器具11を斜めの状態で保持しても、あるいは美容器具11が水平になるようにケース部2を保持するようにしてもよい。
また、ケース部2と脚部3は一体ものとして成型あるいは接着して受け台1としてもよいし、ケース部2と脚部3とからなる組立式の受け台1としてもよい。
【0017】
図3および図4に示すように、受け台のケース部2には、仕切り板4が取り付けられ、ケース部2の内部の空間を上下2つの空間に分けている。
上の空間、すなわち上部が開口し、底部が仕切り板4である空間には、美容器具11が受け台1に載置されたときに、美容器具本体部12の下面に配設されたブラシ16群が収納される。
下の空間、すなわち仕切り板4とケース部2とで囲まれた空間には、殺菌に有効な波長が275nm付近の深紫外線(UV-C)を照射できる深紫外線照射手段であるUV-LED5が搭載された基板6が仕切り板4にネジ止めされて収納されている。
【0018】
仕切り板4には2つの孔が形成されており、それぞれの孔に上記のUV-LED5が嵌め込まれるように配置されている。そして、UV-LED5の発光部が孔から覗いており、深紫外線が上記の上の空間に向かって広角に照射することができるようになっている。
UV-LED5は1個でもよいが(この場合、仕切り板4に形成される孔は1つである)、図3図4に示す実施形態では2個取り付けて、より広い範囲に照射できるようにしている。
【0019】
美容器具は使用中に汚れがたまり不潔になり、また、外出から戻った人の毛髪や頭皮には、細菌やウイルスが付着していることがあり、毛髪や頭皮に触れた美容器具は殺菌や除菌をして清潔に保つことが求められる。
深紫外線(UV-C紫外線)は、波長100~280nmの紫外線であり、細菌やウイルスのDNAを破壊する作用が強く、殺菌や除菌に適している。
【0020】
受け台1には、図2(b)や図3に示されるように、DCジャック(電源差込口)7が2つの脚部3の間のケース部2に設けられ、商用電源からACアダプターの先端部が90°に曲がったアングル型のプラグ8をこのDCジャック7に差し込むことができるようになっている。
DCジャック7のプラス端子とグランド端子は、それぞれ基板6に搭載された回路のプラス入力端子とグランド端子に結線して電気接続されている。そして、DCジャック7に挿入されたACアダプターのプラグ8からの直流が基板6の回路を経て、深紫外線照射手段であるUV-LED5に給電されて発光部が発光し、深紫外線が美容器具のブラシが配設された本体部12の下面に向かって照射されるようになっている。
なお、DCジャック7の取付位置は図2に示される位置に限るものではなく、また、ACアダプターのプラグも図3に示す形状のものに限るものではない。
【0021】
次に、受け台1に、美容器具11に収納された二次電池20を収納させて、この二次電池を充電することができる機能をも持たせる場合について説明する。
受け台1には、図4に示すように、ケース部2の一方の端部(美容器具11が受け台1に載置されたときに美容器具本体部12の、把持側とは反対側の先端部を受ける端部)に、2本の充電用ピン9(プラス側とグランド側)が設けられている。他方、後述するように、美容器具本体部12には、2本の充電用ピン9の各ピンを受け入れる2つの充電用接点27(プラス側とグランド側)の孔が設けられている。そして、受け台1に美容器具11が載置されたときに、受け台1のプラス側とグランド側の充電用ピン9がそれぞれ美容器具本体部12のプラス側とグランド側の充電用接点27の孔に挿入されて接触するようになっている。
【0022】
そして、DCジャック7にACアダプターのプラグ8が差し込まれた状態で美容器具11が受け台1に載置されると、受け台1のプラス側充電用ピン9と美容器具本体部12のプラス側の充電用接点27とが接触し、ACアダプターにより交流から変換された直流が基板6の配線を介してプラス側充電用ピン9を経て、美容器具本体部12に収納されている二次電池の充電回路に流れ、本体部12の二次電池20の充電が開始される。この充電回路は、後述する接続基板23に搭載されている。
なお、後述するように、二次電池20への充電開始と充電完了を、表示用LEDを美容器具のカバー15に設けて、この表示用LEDを点灯させることにより表示することができる。また、表示用LED29を美容器具の把持部13内のキャップ18寄りの部位に設けて、このLEDを二次電池の充電中に点灯させて、透光性のキャップ18を介して二次電池が充電中であることを確認できるようにしてもよい。
【0023】
受け台1の基板6には電流検出回路が形成されており、この回路の端子とグランド側の充電用ピン9が結線して電気接続されている。美容器具11が受け台1に載置されると、充電のときと同様に、基板6の配線からプラス側充電用ピンを経て本体部12の二次電池20に電流が流れ、さらにこの電流がグランド側充電用接点27、グランド側充電用ピン9を経て電流検出回路に流れる。そして、この電流を電流検出回路が検出すると、受け台1に美容器具が載置されたものと判断し、プラグ8からの直流が基板6の回路を経て、深紫外線照射手段であるUV-LED5に給電されて発光部が発光し、深紫外線が美容器具のブラシが配設された本体部12の下面に向かって照射されるようになっている。
【0024】
UV-LED5の発光部の照射時間は、基板6に搭載されたマイコンチップにタイマー時間が設定されており、通常は15~20秒くらいである。深紫外線(UV-C)の照射を受ける間に、美容器具本体部12の下面およびブラシ16群が殺菌され、美容器具11を清潔にすることができる。
深紫外線の照射は、受け台1の美容器具11が載置されている間に行われるから、深紫外線が外部に漏れることはない。また、照射時間の途中で、受け台から美容器具を外したとしても、基板6の電流検出回路が電流を検出しなくなった時点で、UV-LED5の点灯は停止し、深紫外線の照射も止まるので人体に対しては安全である。
UV-LED5の点灯についても、二次電池20の充電と同様に、美容器具のカバー15に表示用LEDを設けて、この表示用LEDを点灯させることにより表示することができる。
【0025】
次に美容器具11を説明する。
美容器具11は、図5図6に示すように、本体部12と把持部13からなるが、基台フレーム14とこの基台フレーム14を覆うカバー15とが合体して内部に空間を有する本体部12と把持部13を形成している。そして、本体部12の下面を形成している基台フレーム14にはブラシ16が配設されている。また、把持部13には筒状ケース17をとりつけて握りやすくするとともに、端部にはキャップ18で蓋をしている。図7には、受け台1に美容器具11が載置された状態が断面図で示されている。
【0026】
図6から分かるように、ここでの実施形態では、平面視の形状がいずれも杓文字(しゃもじ)状である基台フレーム14とカバー15とで美容器具11を形成しているが、形状はこれに限るものではない。また、本体部12と把持部13をそれぞれ内部に空間を有するフレームで製作し、両者の端部同士を螺合させて、美容器具11とすることもできる。
【0027】
ブラシ16は、その根元部が図8(a)に示すように、本体部12の下面を形成している基台フレーム14の部位にはめ込まれて配設されており、根元部を除く部位が基台フレーム14から下方向に向かってに飛び出している。ブラシ16の根元部がより確実に固定されるように、本体部の基台フレーム14の下面にブラシ16の根元部が貫通する孔が形成された補強プレート19を当ててもよい。
【0028】
美容器具11は、すでに記載したように、整髪やトリートメントに使用しないときは受け台1に載置される。美容器具本体部12の先端部に磁石31を取り付け、美容器具が受け台1に載置されたときに、磁石31と受け台に設けた磁石10とが合わさり、磁力で美容器具本体部12が受け台のケース部2からずれないようにしてもよい。
【0029】
図5から分かるように、美容器具本体部12の空間にはリチウム電池などの二次電池20、マイナスイオン発生手段21、送風ファン22、接続基板23、操作基板24が収納されている。
【0030】
マイナスイオン発生手段21は、本体部の基台フレーム14の下面からに飛び出ているブラシ16群に向かってマイナスイオンを放出するものであり、送風ファン22を使用してマイナスイオンが放出しやすくしている。
マイナスイオンの発生には、コロナ放電式など種々の手段が知られているが、ここでは、炭素繊維に電圧を印加してマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生手段を使用することができる。このような手段は市販されており、3~5V程度の電圧でこの手段を作動させて、マイナスイオンを放出させることができる。部品も小型を製作することができ、部品寸法も8mm×15mm×18mm程度である。送風ファンも同様に市販されている電動の小型のもの、例えば、15mm×15mm×4mm程度のものを取り付けて使用することができる。
【0031】
マイナスイオン発生手段21と送風ファン22は、美容器具本体部12の把持側寄りの部位、あるいは本体部12と把持部13にまたがって、あるいは把持部13にリブ等により固定して設けることができる。
マイナスイオン発生手段21の前方の基台フレーム14が立ち上がっている部位には、マイナスイオンを含んだ気体がブラシ16群に向かって通過できる孔32が形成されており、本体部12の基台フレーム14の下面に配設されたブラシ16群に向かって横方向にマイナスイオンを放出することができる。
【0032】
マイナスイオンは、毛髪や頭皮に対して、プラスに帯電した臭いの粒子、ほこりや花粉、バクテリアなどを取り除く清浄効果、細胞を活性化させる効果を有している。また、プラスの静電気に帯電している毛髪を電気的に中和させることで毛髪とブラシとの絡まりを防止することができる。
したがって、美容器具11の整髪やトリートメントに使用している時に、マイナスイオン発生手段21と送風ファン22を作動させると、基台フレーム14に配設されたブラシ16群に向かってマイナスイオンを含んだ気体を流すことができ、毛髪や頭皮に対して上記の効果をおよぼすことができる。
【0033】
美容器具の本体部12には、赤色光照射手段26として、波長が630nm程度の赤色光を発光できるLEDを収納してもよい。この場合、本体部の基台フレーム14の中央部に孔を形成し、この孔に赤色光照射手段26のLEDを配置して、LEDの発光部が孔から覗くようにすれば、美容器具の本体部12から配設されたブラシ16の方向に波長が630nm程度の赤色光を照射することができる。このLEDには、市販のパワーLEDを使用することができる。
図5に示す実施形態では、基台フレーム14に孔30を2つ設けて、赤色光を発光できる赤色光照射手段26のLEDを2つ嵌め込んで照射範囲を広くしているが、赤色光を発光できる赤色光照射手段26のLEDを1つ嵌め込んでもよい。
【0034】
本体部12に赤色光照射手段26のLEDを設ける場合、LEDの発光部が美容器具11の使用によって汚れて曇らないように、本体部12の基台フレーム14の中央部には、図5図6に示すように、美容器具11の軸方向に凹みが形成されており、透明あるいは半透明の樹脂板25を嵌め込み、この樹脂板25を透過して赤色光を照射することができる。
したがって、美容器具本体部12に赤色光照射手段26のLEDを設ける場合、図6から分かるように、この透明あるいは半透明の樹脂板25をおおむね囲むように複数のブラシ16が本体部12の基台フレーム14に配設されている。
【0035】
美容器具にEMS(すなわちElectrical Muscle Stimulation )の機能を付与することもできる。この場合は、図8(b)に示すように、EMS電流を顔の皮膚や頭皮に流すために、ブラシ16をトリートメント用の電極として使用する。すなわちブラシ16の先端を金属や樹脂等の導電物質製の電極とし、この電極にブラシ内の導線の一端を結線し、導線の他端を本体部12に配置した基板(以下これを「接続基板」という)23に搭載された回路にハンダ付けする。なお、ブラシ16内の導線は、絶縁性のプラスチック素材で周囲を覆われている。
接続基板23には、対になるブラシ16の組み合わせを決めておき、対になるブラシの電極間でEMS電流(低周波パルス電流)が流れるように、プログラムされた回路を搭載しておけばよい。
【0036】
美容器具本体部12には二次電池20が収納され、基台フレーム14の上に配置されている。二次電池20は基台フレーム14に設けられた複数のリブ等により固定されている。
二次電池20は、美容器具11に付与される機能を実施するための手段(マイナスイオン発生手段21や送風ファン22、赤色光照射手段26など)を駆動するための電力や表示用LEDの駆動用の電力、これらを制御するための制御部を作動させる電力を供給する。
【0037】
すでに記載したように、二次電池20への充電電流の供給は、受け台1に設けられた充電用ピン9と充電用接点27を介して、DCジャック7に差し込まれたACアダプターのプラグ8から電力供給が行われる。
美容器具の本体部12には、図6に示すように、受け台のケース部2の2本の充電用ピン9(プラス側とグランド側)をそれぞれ受け入れる2つの充電用接点27(プラス側とグランド側)が設けられている。そして、受け台1に美容器具11が載置されたときに、受け台1のプラス側とグランド側の充電用ピン9がそれぞれ美容器具の本体部12のプラス側とグランド側の充電用接点27の孔に挿入されて接触し、導通して接続基板23に搭載された充電回路に流れて、二次電池20の充電が行われる。
2つの充電用接点27は筒状体であり、本体部12の先端部に基台フレーム14を貫通して取り付けられている。
【0038】
美容器具の本体部12の内部には、操作基板24が収納され、本体部12のカバー15にはユーザーが操作する操作ボタン(スイッチボタン)28が設けられている。操作基板24には、CPUやメモリ等の回路素子が実装されており、操作ボタン28操作信号に基づいて、メモリに格納されたプログラムにしたがって、美容器具11に付与された機能を実現する手段であるマイナスイオン発生手段21および送風ファン22の駆動や赤色光照射手段26のLEDの駆動(点灯)、EMSの駆動をオンオフ制御することができる。
【0039】
図5の実施形態では、スイッチボタンを2つ設けているが、この場合は、一方のスイッチボタンをオンオフの入力に、他方のスイッチボタンを動作モードの強弱の選択などに使用することができる。例えば、EMS電流の強弱等のモード切り替え設定に使用することができる。
【0040】
カバー15の操作ボタン28の近くには、上記のオンオフを点灯や点滅で表示する複数の表示用LED29を配置してもよい。図1では複数の表示用LED29が示されている。表示用LED29の点灯や点滅も操作基板24のプログラムに基づいて行うことができる。また、受け台1の深紫外線照射手段5のLEDの点灯も同様に表示用LED29で表示することができる。
さらに、美容器具の把持部13内のキャップ18寄りの部位に表示用のLED29設けるとともに、キャップ18を透光性のプラスチックなどの素材から製作して、このLEDを二次電池の充電中に点灯させて、キャップ18を介して二次電池が充電中であることを確認できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:受け台
2:ケース部
3:脚部
4:仕切り板
5:深紫外線照射手段(UV-LED)
6:基板
7:DCジャック
8:プラグ
9:充電用ピン
10:磁石
11:美容器具
12:本体部
13:把持部
14:基台フレーム
15:カバー
16:ブラシ
17:筒状ケース
18:キャップ
19:補強プレート
20:二次電池
21:マイナスイオン発生手段
22:送風ファン
23:接続基板
24:操作基板
25:透明または半透明の樹脂板
26:赤色光照射手段
27:充電用接点
28:操作ボタン(スイッチボタン)
29:表示用LED
30:孔
31:磁石
32:孔(マイナスイオン通過用)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8