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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185324
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】水栓用リモコンユニット
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20221207BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
E03C1/05
A47K1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092932
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】正村 聡志
(72)【発明者】
【氏名】片岡 健介
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060CA04
(57)【要約】
【課題】リモコンを使いやすい位置に簡単に設置することができる水栓用リモコンユニットを提供すること。
【解決手段】洗面化粧台1に取り付けられる水栓用リモコンユニット10であり、リモコン11と、支持具12と、を有する。リモコン11は、ユーザの手等の検出対象物の接近を検出する非接触式の光電センサ11Bを備え、光電センサ11Bの検出結果に基づく制御信号を水栓制御装置に無線通信により送信する構成とされる。支持具12は、リモコン11に結合される結合用の吸盤A1と洗面化粧台1の構成面に着脱可能に取り付けることが可能な取付用の吸盤A1とを備え、リモコン11を洗面器2の直上域に浮かした状態に支えることが可能とされる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水及び/又は排水の設備を備えるキャビネットに取り付けられる水栓用リモコンユニットであって、
検出対象物の接近を検出する非接触式の光電センサを備え、該光電センサの検出結果に基づく制御信号を水栓制御装置に無線通信により送信するリモコンと、
該リモコンに結合される結合部と前記キャビネットの構成面に着脱可能に取り付けることが可能な取付部とを備え、前記リモコンを上向き開口の水槽を成すシンク及び/又は該シンクのまわりのカウンタの直上域に浮かした状態に支えることが可能な支持具と、を有する水栓用リモコンユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の水栓用リモコンユニットであって、
前記キャビネットの構成面が、前記シンクの奥側の立壁部の上部に設けられるミラーキャビネットのミラー面或いは前記立壁部から手前側に片持ち状に張り出す出っ張りの底面とされ、前記支持具の前記取付部が、前記ミラー面或いは前記出っ張りの底面に吸着される取付用吸盤とされる水栓用リモコンユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の水栓用リモコンユニットであって、
前記支持具の前記取付部が、前記カウンタのシンク幅方向の外側の縁部に形成される前記キャビネットの構成面を成す張出部に挟み込み状に固定される取付用クランプとされる水栓用リモコンユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の水栓用リモコンユニットであって、
前記支持具の前記結合部が、前記リモコンに吸着される結合用吸盤又は挟み込み状に固定される結合用クランプとされる水栓用リモコンユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の水栓用リモコンユニットであって、
前記支持具の前記結合部と前記取付部との間を繋ぐ繋ぎ部が、前記リモコンの支持位置を調節可能なフレキシブルアームから成る水栓用リモコンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓用リモコンユニットに関する。詳しくは、給水及び/又は排水の設備を備えるキャビネットに取り付けられる水栓用リモコンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キッチンのカウンタ上に、給水栓の吐水・止水の切り替えを遠隔操作により行うことが可能なリモコンが設けられた構成が開示されている。上記リモコンは、その取付位置を自由に変更することが可能な据え置き型の機器とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-227014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キッチンのシンクのまわりにリモコンを適切に設置可能なカウンタがない場合、リモコンを使いやすい位置に設置することが難しい。そこで、本発明は、リモコンを使いやすい位置に簡単に設置することができる水栓用リモコンユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の水栓用リモコンユニットは次の手段をとる。すなわち、水栓用リモコンユニットは、給水及び/又は排水の設備を備えるキャビネットに取り付けられる水栓用リモコンユニットである。この水栓用リモコンユニットは、リモコンと、支持具と、を有する。リモコンは、検出対象物の接近を検出する非接触式の光電センサを備え、光電センサの検出結果に基づく制御信号を水栓制御装置に無線通信により送信する。支持具は、リモコンに結合される結合部とキャビネットの構成面に着脱可能に取り付けることが可能な取付部とを備え、リモコンを上向き開口の水槽を成すシンク及び/又はシンクまわりのカウンタの直上域に浮かした状態に支えることが可能とされる。
【0006】
ここで、キャビネットの「構成面」とは、キャビネットを構成する面のことである。具体的には、キャビネットの前面、背面、上面、或いは下面等、キャビネットを構成する内面・外面のどの面であっても良い。
【0007】
上記構成によれば、支持具により、リモコンをシンク及び/又はシンクまわりのカウンタの直上域に浮かした状態に設置することができる。したがって、シンクのまわりにリモコンを適切に設置することができるカウンタのない構成であっても、リモコンを使いやすい位置に簡単に設置することができる。
【0008】
また、本発明の水栓用リモコンユニットは、更に次のように構成されていてもよい。キャビネットの構成面が、シンクの奥側の立壁部の上部に設けられるミラーキャビネットのミラー面或いは立壁部から手前側に片持ち状に張り出す出っ張りの底面とされる。支持具の取付部が、上記ミラー面或いは出っ張りの底面に吸着される取付用吸盤とされる。
【0009】
上記構成によれば、ミラーキャビネットのミラー面や出っ張りの底面を利用して、リモコンをシンク及び/又はシンクまわりのカウンタの直上域に適切に浮かした状態に設置することができる。
【0010】
また、本発明の水栓用リモコンユニットは、更に次のように構成されていてもよい。支持具の取付部が、カウンタのシンク幅方向の外側の縁部に形成されるキャビネットの構成面を成す張出部に挟み込み状に固定される取付用クランプとされる。
【0011】
上記構成によれば、カウンタの張出部を利用して、リモコンをシンク及び/又はシンクまわりのカウンタの直上域に適切に浮かした状態に設置することができる。
【0012】
また、本発明の水栓用リモコンユニットは、更に次のように構成されていてもよい。支持具の結合部が、リモコンに吸着される結合用吸盤又は挟み込み状に固定される結合用クランプとされる。
【0013】
上記構成によれば、リモコンと支持具とを、各々を個別に形成して後から簡便に結合できる簡便な構成とすることができる。
【0014】
また、本発明の水栓用リモコンユニットは、更に次のように構成されていてもよい。支持具の結合部と取付部との間を繋ぐ繋ぎ部が、リモコンの支持位置を調節可能なフレキシブルアームから成る。
【0015】
上記構成によれば、フレキシブルアームを捩ったり曲げたりすることで、支持具の取付位置によらず、リモコンの設置位置を使い勝手の良い位置に簡便に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る水栓用リモコンユニットが適用された洗面化粧台の斜視図である。
図2】水栓用リモコンユニットの取付部分を拡大した正面図である。
図3図2の左側面図である。
図4】水栓用リモコンユニットの拡大斜視図である。
図5】水栓用リモコンユニットをミラーキャビネットのミラー面に取り付けた状態を示す斜視図である。
図6】第2の実施形態に係る水栓用リモコンユニットが適用された洗面化粧台の斜視図である。
図7】水栓用リモコンユニットの取付部分を拡大した正面図である。
図8図7の右側面図である。
図9】水栓用リモコンユニットの拡大斜視図である。
図10】水栓用リモコンユニットをミラーキャビネットの底板にクランプした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
《第1の実施形態》
(水栓用リモコンユニット10の概略構成について)
始めに、本発明の第1の実施形態に係る水栓用リモコンユニット10の構成について、図1図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、手前、奥、上、下、左、右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
【0019】
各図中に示す方向は、ユーザが、本実施形態に係る水栓用リモコンユニット10が取り付けられた洗面化粧台1の正面に立った位置を基準とした方向となっている。以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に該当する符号がない場合には、図1図5のいずれかの図を適宜参照するものとする。ここで、洗面化粧台1が、本発明の「キャビネット」に相当する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る水栓用リモコンユニット10は、洗面所に設置される洗面化粧台1に取り付けられて、給水栓6からの湯水(湯と水)の吐水・止水を遠隔操作で切り替えられるようにする操作機器として構成される。洗面化粧台1は、上向き開口の洗面器2を備えるフロアキャビネット3と、フロアキャビネット3の上部に設置されるミラーキャビネット5と、を備える。ここで、洗面器2が、本発明の「シンク」に相当する。
【0021】
フロアキャビネット3は、洗面所のフロア上に壁付けで設置されている。ミラーキャビネット5は、フロアキャビネット3の洗面器2の奥側の立壁部2C上に一体的に載置される形に組み付けられている。洗面化粧台1は、更に、湯水を吐水する給水栓6と、給水栓6から吐水する湯水の混合割合(温度)と吐水量とを調節するレバー7と、を備える。また、洗面化粧台1は、洗面器2の底の排水口に設けられた排水栓2Aの開栓・閉栓を遠隔操作で切り替えることが可能な引き棒8を備える。
【0022】
洗面器2は、陶器製であり、上向きに開口する容器形状に形成されている。洗面器2の左右と手前側の各周縁部には、各周縁部に沿った水平面状に延びる天板を形成するカウンタ2Bが形成されている。カウンタ2Bは、洗面器2の奥側の周縁部には形成されておらず、洗面器2の奥側の周縁部には、洗面器2の奥側の側面と面一状にカウンタ2Bよりも高く立ち上がるように延びる立壁部2Cが形成されている。
【0023】
立壁部2Cは、洗面器2の幅方向の全域に亘って形成されている。立壁部2Cは、洗面器2の左右のカウンタ2Bの奥側の縁部からも立ち上がる構成とされる。フロアキャビネット3は、その手前側の側面部に、手前側に引き出して使用することが可能な上下2段の引き出し3Aを備える。各引き出し3Aは、それぞれの奥部に図示しない容器状の収容空間を成す収容部を備えた構成とされる。各引き出し3Aは、それぞれを手前側に引き出すことで、各収容部を小物入れとして使用することができる構成とされる。
【0024】
ミラーキャビネット5は、その手前側の側面部に、開閉可能な3枚のミラー扉4を備える。3枚のミラー扉4は、ミラーキャビネット5の手前側の側面部に横並び状に設置されている。各ミラー扉4は、それらの手前側の側面がミラー面4Aとなっている。各ミラー扉4は、各々の右側又は左側の縁部が不図示の蝶番によりミラーキャビネット5に対して手前側に開くことができるように連結されている。
【0025】
各ミラー扉4は、ユーザが各ミラー扉4の下側の縁部に指を掛けて手前側に引くことにより、それぞれを個別に手前側に開くことが可能とされる。各ミラー扉4を手前側に開くことで、それぞれの奥部にミラーキャビネット5に形成された図示しない収容部が露出するため、各収容部を小物入れとして使用することができる。
【0026】
給水栓6は、洗面器2の奥側の立壁部2Cの上部から手前側に向かって庇状に張り出す形に形成された庇部2Dの幅方向の略中央箇所に設けられている。庇部2Dは、立壁部2Cの幅方向の全域に亘って横断面矩形状を成す形となって延びる構成とされる。給水栓6は、上記庇部2Dから下斜め手前側に向かって管状に延び出す形に設けられている。給水栓6は、フロアキャビネット3内に設けられた図示しない湯水混合用のカートリッジと流路接続されている。ここで、庇部2Dが、本発明の「出っ張り」に相当する。
【0027】
上記カートリッジは、洗面所の壁の奥より供給される湯と水とを内部で混合し、給水栓6へと流す構成とされる。具体的には、カートリッジは、庇部2Dの給水栓6より右方位置に設けられた棒状のレバー7がユーザにより左右方向に動かされることで、その内部で混合される湯水の混合割合が操作位置に応じた設定温度となるように調節される。また、カートリッジは、上記レバー7がユーザにより前後方向に動かされることで、給水栓6へと流す湯水の吐出量が操作位置に応じた量となるように調節される。
【0028】
上記カートリッジと給水栓6とを繋ぐ流路の途中箇所には、不図示の電磁弁が介設されている。電磁弁は、フロアキャビネット3内に設けられた水栓制御装置20により開閉制御される構成とされる。水栓制御装置20は、水栓用リモコンユニット10から送信される検出対象物の接近を検出する検出信号に基づいて電磁弁の開弁と閉弁とを切り替える構成とされる。
【0029】
電磁弁が開弁状態に切り替えられることにより、カートリッジより湯水が流されて給水栓6より吐水される。また、電磁弁が閉弁状態に切り替えられることにより、カートリッジからの湯水の吐水が止められる(給水栓6が止水される)。電磁弁は、電源投入後の初期状態では、閉弁状態に保持されている。
【0030】
水栓用リモコンユニット10は、検出対象物の接近(ユーザの手の差し出し等)を非接触で検出して水栓制御装置20に電磁弁の開弁と閉弁とを切り替えるための検出信号を送信するリモコン11と、リモコン11を洗面化粧台1に着脱可能に取り付けることが可能な吸着式の支持具12と、を備える。リモコン11は、図2図4に示すように、樹脂製箱形状のケース11Aと、反射型の光電センサ11Bと、図示しない制御部と、を備える。
【0031】
ケース11Aは、横長な箱形状に形成されている。光電センサ11Bは、ケース11Aの長手方向の周囲側面における中央上縁部に設けられている。光電センサ11Bは、赤外光や可視光等の光を投光する図示しない投光部と、投光されてユーザの手等の検出対象物に当たって反射した光を受光する図示しない受光部と、を備える。
【0032】
光電センサ11Bは、ケース11Aに対して斜め上方に向けて光を放射状に投光するように設けられている。光電センサ11Bは、ユーザの手等の検出対象物が近づけられると、その検出対象物に当たって反射した光を受光部において受光することにより検出対象物の接近を検出する。
【0033】
光電センサ11Bは、受光部に反射光が受光されると、その受光量に応じた大きさの出力信号(検出信号)を図示しない制御部に出力する。制御部は、受光部において受光する反射光の受光量が所定値以上になった場合、光電センサ11Bにユーザの手等の検出対象物が差し出されたものと検知する。
【0034】
それにより、制御部は、図1で前述した水栓制御装置20に電磁弁を開弁状態と閉弁状態とに切り替えるための制御信号を送信する。水栓制御装置20は、上記リモコン11から制御信号を受け取る度に、電磁弁を開弁状態と閉弁状態とに交互に切り替える。
【0035】
すなわち、水栓制御装置20は、電磁弁が閉弁状態となっている時にリモコン11から制御信号を受け取ると、電磁弁を開弁状態に切り替える。また、水栓制御装置20は、電磁弁が開弁状態となっている時にリモコン11から制御信号を受け取ると、電磁弁を閉弁状態に切り替える。したがって、ユーザがリモコン11の光電センサ11Bに手を差し出す度に、電磁弁を開弁状態と閉弁状態とに交互に切り替えることができる。
【0036】
支持具12は、図2図3に示すように、リモコン11を洗面化粧台1の庇部2Dの底面から吊り下げる形に取り付けることが可能な構成を備える。具体的には、支持具12は、図4に示すように、横一列に並ぶ3つの吸盤A1を備える上下一対の横長状の吸盤保持器12Aと、これら吸盤保持器12Aの中心部間を繋ぐフレキシブルアーム12Bと、を備える構成とされる。
【0037】
図示下方側の吸盤保持器12Aは、その下面部に、3つの吸盤A1が図示下方向きに傘状の吸着部が開く形に設けられた構成とされる。図示上方側の吸盤保持器12Aは、その上面部に、3つの吸盤A1が図示上方向きに傘状の吸着部が開く形に設けられた構成とされる。
【0038】
フレキシブルアーム12Bは、曲げや捩りによる形状変更が可能な蛇腹構造を備える丸棒状部材から成る。上記支持具12は、そのどちらか一方側(図示では下方側)の吸盤保持器12Aに設けられた各吸盤A1をリモコン11のケース11Aの上面に上方から押し付けて吸着させることにより、リモコン11のケース11Aに一体的に結合される。
【0039】
また、支持具12は、もう一方側(図示では上方側)の吸盤保持器12Aに設けられた各吸盤A1を図2図3に示すように庇部2Dの底面に下方から押し付けて吸着させることにより、庇部2Dの底面に一体的に結合される。上記各結合により、リモコン11が、支持具12を介して洗面化粧台1の構成面である庇部2Dの底面から吊り下げ状に支持された状態に取り付けられる。
【0040】
したがって、洗面器2の周囲のカウンタ2B上にリモコン11を載置できるスペースを確保できなかったり、洗面器2の奥側の周縁部にリモコン11を載置できる面がなかったりしても、リモコン11を洗面器2の直上域にて光電センサ11Bを手前側に向けた状態に設けることができる。リモコン11を上記庇部2Dの底面から吊り下げ状に設けることで、リモコン11を給水栓6と横並び状に設けることができ、リモコン11及び給水栓6の双方の使い勝手を向上させることができる。
【0041】
ここで、各吸盤保持器12Aのうちのリモコン11側に吸着される各吸盤A1が、本発明の「取付部」及び「取付用吸盤」に相当する。また、各吸盤保持器12Aのうちの庇部2Dの底面側に吸着される各吸盤A1が、本発明の「結合部」及び「結合用吸盤」に相当する。
【0042】
なお、各吸盤保持器12Aの吸盤A1は、少なくとも1つ以上あれば良い。また、各吸盤保持器12Aに吸盤A1が複数設けられる場合の各吸盤A1の配置は、横一列に限らず、縦一列や前後上下左右に並ぶ配置であっても良い。各吸盤A1の吸着される相手側の面が吸着性の低い凸凹面となる場合には、相手側の面に適宜、吸着性を高めることが可能な滑らかな表面を持つ補助板を粘着シール等の結合手段により貼り付けても良い。
【0043】
上記支持具12は、フレキシブルアーム12Bを自由に曲げたり捩ったりすることができる構成であることから、吊り下げたリモコン11の向きをユーザが使いやすい位置に自由に調整することができる。また、支持具12の図示下方側の吸盤保持器12Aに設けられる各吸盤A1は、リモコン11の上面の他、リモコン11の左右の側面や奥面、底面に吸着されても良い。すなわち、支持具12は、図示下方側の吸盤保持器12Aに設けられる各吸盤A1がリモコン11の左右の側面や奥面、底面に吸着されたとしても、フレキシブルアーム12Bを曲げることで、リモコン11を庇部2Dの底面から吊り下げ状に設けることができる。
【0044】
また、支持具12は、図5に示すように、図示上方側の吸盤保持器12Aに設けられる各吸盤A1をミラーキャビネット5のミラー面4Aに吸着させて、リモコン11を吊り下げ状に支持する構成となっていても良い。この他、図示は省略されているが、支持具12のリモコン11に吸着される側とは反対側の吸盤保持器12Aに設けられる吸盤A1は、洗面器2のカウンタ2Bや立壁部2C、或いはフロアキャビネット3の側面等の洗面化粧台1の他の構成面に吸着されても良い。
【0045】
このように、水栓用リモコンユニット10は、支持具12を介してリモコン11を洗面化粧台1の構成面に吸着させて取り付けられる構成となっている。詳しくは、水栓用リモコンユニット10は、リモコン11を洗面器2の直上域にて光電センサ11Bを手前側に向けた状態に設けることができる。そのようなことから、ユーザが洗面化粧台1の正面に立つ位置から視認しやすい位置にあるリモコン11の光電センサ11Bの前に手をかざすだけで、給水栓6からの湯水の吐水・止水を非接触で簡便に切り替えることができる。
【0046】
(まとめ)
以上をまとめると、第1の実施形態に係る水栓用リモコンユニット10は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0047】
すなわち、水栓用リモコンユニット(10)は、給水及び/又は排水の設備を備えるキャビネット(1)に取り付けられる水栓用リモコンユニット(10)である。この水栓用リモコンユニット(10)は、リモコン(11)と、支持具(12)と、を有する。リモコン(11)は、検出対象物の接近を検出する非接触式の光電センサ(11B)を備え、光電センサ(11B)の検出結果に基づく制御信号を水栓制御装置(20)に無線通信により送信する。
【0048】
支持具(12)は、リモコン(11)に結合される結合部(A1)とキャビネット(1)の構成面に着脱可能に取り付けることが可能な取付部(A1)とを備え、リモコン(11)を上向き開口の水槽を成すシンク(2)及び/又はシンク(2)まわりのカウンタ(2B)の直上域に浮かした状態に支えることが可能とされる。
【0049】
上記構成によれば、支持具(12)により、リモコン(11)をシンク(2)及び/又はシンク(2)まわりのカウンタ(2B)の直上域に浮かした状態に設置することができる。したがって、シンク(2)のまわりにリモコン(11)を適切に設置することができるカウンタ(2B)のない構成であっても、リモコン(11)を使いやすい位置に簡単に設置することができる。
【0050】
上記キャビネット(1)の構成面は、シンク(2)の奥側の立壁部(2C)の上部に設けられるミラーキャビネット(5)のミラー面(4A)或いは立壁部(2C)から手前側に片持ち状に張り出す出っ張り(2D)の底面とされる。支持具(12)の取付部(A1)が、上記ミラー面(4A)或いは出っ張り(2D)の底面に吸着される取付用吸盤(A1)とされる。上記構成によれば、ミラーキャビネット(5)のミラー面(4A)や出っ張り(2D)の底面を利用して、リモコン(11)をシンク(2)及び/又はシンク(2)まわりのカウンタ(2B)の直上域に適切に浮かした状態に設置することができる。
【0051】
また、支持具(12)の結合部(A1)が、リモコン(11)に吸着される結合用吸盤(A1)とされる。上記構成によれば、リモコン(11)と支持具(12)とを、各々を個別に形成して後から簡便に結合できる簡便な構成とすることができる。
【0052】
また、支持具(12)の結合部(A1)と取付部(A1)との間を繋ぐ繋ぎ部が、リモコン(11)の支持位置を調節可能なフレキシブルアーム(12B)から成る。上記構成によれば、フレキシブルアーム(12B)を捩ったり曲げたりすることで、支持具(12)の取付位置によらず、リモコン(11)の設置位置を使い勝手の良い位置に簡便に調節することができる。
【0053】
《第2の実施形態》
続いて、本発明の第2の実施形態に係る水栓用リモコンユニット10の構成について、図6図10を用いて説明する。本実施形態に係る水栓用リモコンユニット10は、第1の実施形態で示したものと同一の構造を備える非接触式のリモコン11と、リモコン11を洗面化粧台1に着脱可能に取り付けることが可能なクランプ式の支持具13と、を備える構成とされる。
【0054】
支持具13は、図6図8に示すように、リモコン11を洗面器2の右側のカウンタ2B上に浮かせた状態に取り付けることが可能な構成を備える。具体的には、支持具13は、図9に示すように、バネ力による挟み込み構造を備えるU字板状の取付用クランプ13Aと、同じくバネ力による挟み込み構造を備えるU字板状の結合用クランプ13Bと、これらを繋ぐフレキシブルアーム13Cと、を備える構成とされる。ここで、取付用クランプ13Aが、本発明の「取付部」に相当する。また、結合用クランプ13Bが、本発明の「結合部」に相当する。
【0055】
取付用クランプ13Aは、その図示上側の板部と図示下側の板部との間の距離を調整することができる構成とされる。具体的には、取付用クランプ13Aは、各板部の間に不図示のバネが掛着され、各板部の間の距離をバネ力に抗して広げたりバネ力により狭めたりすることができる構成とされる。
【0056】
結合用クランプ13Bも同様に、その図示右側の板部と図示左側の板部との間の距離を調整することができる構成とされる。具体的には、結合用クランプ13Bは、各板部の間に不図示のバネが掛着され、各板部の間の距離をバネ力に抗して広げたりバネ力により狭めたりすることができる構成とされる。フレキシブルアーム13Cは、曲げや捩りによる形状変更が可能な蛇腹構造を備える丸棒状部材から成る。
【0057】
上記支持具13は、その図示上方側の結合用クランプ13Bをリモコン11のケース11Aに対して下方から左右方向にバネ力により挟み込むように装着することにより、リモコン11のケース11Aに一体的に結合される。また、支持具13は、その図示下方側の取付用クランプ13Aを図7図8に示すように右側のカウンタ2Bの右側の縁部に形成された右方に片持ち状に張り出す張出部2Eに右方からバネ力により高さ方向に挟み込むように装着することにより、上記右側のカウンタ2Bの張出部2Eに一体的に結合される。
【0058】
上記各結合により、リモコン11が、支持具13を介して右側のカウンタ2B上に浮いた状態に取り付けられる。したがって、洗面器2の周囲のカウンタ2B上にリモコン11を載置できるスペースを確保できなかったり、洗面器2の奥側の周縁部にリモコン11を載置できる面がなかったりしても、リモコン11を洗面器2の直上域にて光電センサ11Bを手前側に向けた状態に設けることができる。
【0059】
リモコン11を上記右側のカウンタ2B上に設けることで、リモコン11を給水栓6から離れた位置に設けることができる。したがって、手洗い時に誤ってリモコン11に手を近づけてしまうような誤操作を防止することができ、リモコン11及び給水栓6の双方の使い勝手を向上させることができる。
【0060】
なお、取付用クランプ13A及び結合用クランプ13Bは、バネ力により各板部間の距離を調節するものに限らず、送りねじの回転操作により各板部間の距離を調節する構成であっても良い。上記支持具13は、フレキシブルアーム13Cを自由に曲げたり捩ったりすることができる構成であることから、設置したリモコン11の向きをユーザが使いやすい位置に自由に調整することができる。
【0061】
結合用クランプ13Bは、リモコン11を左右方向に挟み込むようにクランプしても良いが、リモコン11を高さ方向や前後方向に挟み込むようにクランプしても良い。但し、結合用クランプ13Bをリモコン11に前後方向から挟み込むように装着する場合には、結合用クランプ13Bの前側の板部が光電センサ11Bを塞ぐことがないよう、結合用クランプ13Bをリモコン11に対して左右方向にずらした位置に装着すると良い。
【0062】
また、支持具13は、図10に示すように、取付用クランプ13Aをミラーキャビネット5のミラー扉4を開いた底板5Aに前方から高さ方向に挟み込むように装着して、リモコン11を吊り下げ状に支持するように構成されても良い。図10に示した例では、結合用クランプ13Bを、リモコン11のケース11Aに上方から左右方向に挟み込むように装着している。しかし、上記のように、結合用クランプ13Bは、リモコン11を高さ方向や前後方向に挟み込むように上方からクランプしても良い。
【0063】
この他、図示は省略されているが、支持具13の取付用クランプ13Aは、洗面器2の左側のカウンタ2Bや手前側のカウンタ2B等、挟み込みによる取り付けが可能な洗面化粧台1の他の構成面にクランプされても良い。上記以外の構成は、第1の実施形態で示した構成と同一の構成となっているため、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0064】
(まとめ)
以上をまとめると、第2の実施形態に係る水栓用リモコンユニット10は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0065】
すなわち、水栓用リモコンユニット(10)は、給水及び/又は排水の設備を備えるキャビネット(1)に取り付けられる水栓用リモコンユニット(10)である。この水栓用リモコンユニット(10)は、リモコン(11)と、支持具(13)と、を有する。リモコン(11)は、検出対象物の接近を検出する非接触式の光電センサ(11B)を備え、光電センサ(11B)の検出結果に基づく制御信号を水栓制御装置(20)に無線通信により送信する。
【0066】
支持具(13)は、リモコン(11)に結合される結合部(13B)とキャビネット(1)の構成面に着脱可能に取り付けることが可能な取付部(13A)とを備え、リモコン(11)を上向き開口の水槽を成すシンク(2)及び/又はシンク(2)まわりのカウンタ(2B)の直上域に浮かした状態に支えることが可能とされる。
【0067】
上記構成によれば、支持具(13)により、リモコン(11)をシンク(2)及び/又はシンク(2)まわりのカウンタ(2B)の直上域に浮かした状態に設置することができる。したがって、シンク(2)のまわりにリモコン(11)を適切に設置することができるカウンタ(2B)のない構成であっても、リモコン(11)を使いやすい位置に簡単に設置することができる。
【0068】
また、支持具(13)の取付部(13A)が、カウンタ(2B)のシンク幅方向の外側の縁部に形成されるキャビネット(1)の構成面を成す張出部(2E)に挟み込み状に固定される取付用クランプ(13A)とされる。上記構成によれば、カウンタ(2B)の張出部(2E)を利用して、リモコン(11)をシンク(2)及び/又はシンク(2)まわりのカウンタ(2B)の直上域に適切に浮かした状態に設置することができる。
【0069】
また、支持具(13)の結合部(13B)が、リモコン(11)に挟み込み状に固定される結合用クランプ(13B)とされる。上記構成によれば、リモコン(11)と支持具(13)とを、各々を個別に形成して後から簡便に結合できる簡便な構成とすることができる。
【0070】
また、支持具(13)の結合部(13B)と取付部(13A)との間を繋ぐ繋ぎ部が、リモコン(11)の支持位置を調節可能なフレキシブルアーム(13C)から成る。上記構成によれば、フレキシブルアーム(13C)を捩ったり曲げたりすることで、支持具(13)の取付位置によらず、リモコン(11)の設置位置を使い勝手の良い位置に簡便に調節することができる。
【0071】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を2つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
【0072】
1.本発明の水栓用リモコンユニットは、給水及び/又は排水の設備を備えるキャビネットに取り付けられるものであれば良く、給水栓が洗面台から離れた壁付けとなる構成の場合等、給水設備と排水設備とが分かれて設けられている場合のどちら側の設備を備えるキャビネットに取り付けられるものであっても良い。また、水栓用リモコンユニットは、キッチンキャビネット等の洗面化粧台以外のキャビネットに取り付けられる構成であっても良い。
【0073】
2.水栓用リモコンユニットは、支持具の結合部がリモコンと一体成形や接着等により取り外し不能なように結合される構成であっても良い。また、水栓用リモコンユニットの支持具の取付部は、キャビネットの構成面に着脱可能なように取り付けることが可能な構成であれば良く、吸盤やクランプの他、マグネット貼着や面ファスナ、引掛け構造、凹凸の嵌合構造等の着脱可能な取付構造から成るものであっても良い。
【0074】
キャビネットの「構成面」とは、キャビネットを構成する面のことであり、具体的には、キャビネットの前面、背面、上面、或いは下面等、キャビネットを構成する内面・外面のどの面であっても良い。
【0075】
各実施形態では、支持具のリモコンに結合される結合部とキャビネットの構成面に着脱可能に取り付けられる取付部とが、同一タイプの構造から成るものを示した(第1の実施形態では吸盤と吸盤、第2の実施形態ではクランプとクランプ)。しかし、結合部と取付部とは、一方が吸盤で他方がクランプから成るもの等、互いに異なるタイプの構造から成るものであっても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 洗面化粧台(キャビネット)
2 洗面器(シンク)
2A 排水栓
2B カウンタ
2C 立壁部
2D 庇部(出っ張り)
2E 張出部
3 フロアキャビネット
3A 引き出し
4 ミラー扉
4A ミラー面
5 ミラーキャビネット
5A 底板
6 給水栓
7 レバー
8 引き棒
10 水栓用リモコンユニット
11 リモコン
11A ケース
11B 光電センサ
12 支持具
12A 吸盤保持器
A1 吸盤(取付部、結合部、取付用吸盤、結合用吸盤)
12B フレキシブルアーム
13 支持具
13A 取付用クランプ(取付部)
13B 結合用クランプ(結合部)
13C フレキシブルアーム
20 水栓制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10