(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185342
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20221207BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20221207BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G03B21/14 E
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092959
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄樹
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FB05
2K203GB44
2K203GB46
2K203GB48
2K203GB56
2K203GB69
2K203KA56
2K203MA23
5C058BA35
5C058BB25
5C058EA02
(57)【要約】
【課題】プロジェクターの姿勢が変化することを把握する。
【解決手段】第1のタイミングでプロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報を取得することと、第2のタイミングでプロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得することと、第1撮像情報および第2撮像情報に基づき、プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定することと、判定の結果に応じて、判定の結果に基づく情報を出力すること、を含む、ことを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタイミングでプロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報を取得することと、
第2のタイミングで前記プロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得することと、
前記第1撮像情報および前記第2撮像情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定することと、
前記判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく情報を出力すること、
を含む、
ことを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項2】
前記第1撮像情報に基づき、前記第1画像の特性を示す第1特性情報を生成し、
前記第2撮像情報に基づき、前記第2画像の特性を示す第2特性情報を生成し、
前記第1特性情報および前記第2特性情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項3】
前記第1特性情報は、前記第1画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、隣り合う第1辺と第2辺とがなす第1角度を示す情報を含み、
前記第2特性情報は、前記第2画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、前記第1辺に対応する第3辺と前記第2辺に対応する第4辺とがなす第2角度を示す情報を含み、
前記第1角度と前記第2角度の相違の程度に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項4】
前記第1特性情報は、前記第1画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、第1辺の明るさと第2辺の明るさとの相違の程度を示す第1相違情報を含み、
前記第2特性情報は、前記第2画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、前記第1辺に対応する第3辺の明るさと前記第2辺に対応する第4辺の明るさとの相違の程度を示す第2相違情報を含み、
前記第1相違情報および前記第2相違情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項5】
前記プロジェクターは、2以上の設置具により設置位置に固定され、
前記第1特性情報および前記第2特性情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定し、
前記判定の結果に応じて、前記2以上の設置具の中から、前記プロジェクターの姿勢の変化に影響を及ぼす設置具の情報を出力する、
ことを特徴とする請求項2~4に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項6】
前記第1特性情報および前記第2特性情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化量を特定し、
前記プロジェクターの姿勢の変化量が、第1閾値以上、かつ、前記第1閾値より大きい第2閾値未満、である場合は、第1状態と判定し、
前記プロジェクターの姿勢の変化量が、前記第2閾値以上、である場合は、第2状態と判定し、
前記第1状態と判定した場合は第1出力情報を出力し、前記第2状態と判定した場合は第2出力情報を出力する、
ことを特徴とする請求項2~5に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項7】
プロジェクターであって、
前記プロジェクターに固定された撮像装置より、
第1のタイミングで前記プロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報と、
第2のタイミングで前記プロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得する取得部と、
前記第1撮像情報および前記第2撮像情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が生成した判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく情報を出力する出力部、
を有することを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
プロジェクターであって、
前記プロジェクター以外の箇所に固定された撮像装置より、
第1のタイミングで前記プロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報と、
第2のタイミングで前記プロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得する取得部と、
前記第1撮像情報および前記第2撮像情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が生成した判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく情報を出力する出力部、
を有することを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法に関する。
【0002】
プロジェクターは、一般に、天井、壁または机等に設置された状態で使用される。例えば、特許文献1には、既存の天吊り器具を用いてプロジェクターを吊り下げ設置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、天井、壁または机等にプロジェクターを設置した場合、プロジェクターの姿勢が変化することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るプロジェクターの制御方法の一態様は、第1のタイミングでプロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報を取得することと、第2のタイミングで前記プロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得することと、前記第1撮像情報および前記第2撮像情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定することと、前記判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく情報を出力すること、を含む。
【0006】
本発明に係るプロジェクターの一態様は、プロジェクターであって、前記プロジェクターに固定された撮像装置より、第1のタイミングで前記プロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報と、第2のタイミングで前記プロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得する取得部と、前記第1撮像情報および前記第2撮像情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が生成した判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく情報を出力する出力部、を有する。
【0007】
本発明に係るプロジェクターの一態様は、プロジェクターであって、前記プロジェクター以外の箇所に固定された撮像装置より、第1のタイミングで前記プロジェクターから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報と、第2のタイミングで前記プロジェクターから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得する取得部と、前記第1撮像情報および前記第2撮像情報に基づき、前記プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が生成した判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく情報を出力する出力部、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクター1の概略を示す説明図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るプロジェクター1の、スクリーンSCと相対する面を示す説明図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るプロジェクター1の構成例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るプロジェクター1の、画像投写および投写画像の撮像の様子を示す説明図である。
【
図5】第1実施形態に係るプロジェクター1の、画像投写および投写画像の撮像の様子を示す説明図である。
【
図6】撮像画像に記録された投写画像を示す説明図である。
【
図7】撮像画像に記録された投写画像を示す説明図である。
【
図8】第1実施形態に係るプロジェクター1の動作の概要を説明するフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係るプロジェクター1Aの構成例を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態に係るプロジェクター1Aの動作の概要を説明するフローチャートである。
【
図12】第3実施形態に係るプロジェクター1Aの概略を示す説明図である。
【
図13】第3実施形態に係るプロジェクター1Aの動作の概要を説明するフローチャートである。
【
図14】プロジェクター1Aの姿勢が変化した状態を例示する図である。
【
図16】第4実施形態に係るプロジェクター1Aの動作の概要を説明するフローチャートである。
【
図18】変形例1に係るプロジェクター1Bの概略を示す説明図である。
【
図19】変形例1に係るプロジェクター1Bの構成例を示すブロック図である。
【
図20】変形例1に係るプロジェクター1Bの、画像投写および投写画像の撮像の様子を示す説明図である。
【
図21】変形例1に係るプロジェクター1Bの、画像投写および投写画像の撮像の様子を示す説明図である。
【
図22】撮像画像に記録された投写画像を示す説明図である。
【
図23】撮像画像に記録された投写画像を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0010】
1.第1実施形態
1.1.プロジェクターの概要
図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の概略を説明する図である。プロジェクター1は、設置具9を介して天井WLに固定されている。設置具9は、専用固定器具と、専用固定器具を天井WLに固定する雄ねじおよび雌ねじと、プロジェクター1を専用固定器具に固定する雄ねじおよび雌ねじと、を含む。なお、設置具9は、専用固定器具等を介さずに、プロジェクター1を直接天井に固定する構成要素であってもよい。また、プロジェクター1の設置箇所については、壁、柱もしくは梁、または、机、棚、床もしくは台車等に設置してもよい。
【0011】
プロジェクター1は、スクリーンSC上に投写画像Gを投写することができる。また、プロジェクター1は、投写画像Gを撮像した撮像画像Cを取得することができる。投写画像Gは、プロジェクター1の姿勢の変化に応じて、頂点の座標、面積、形状または輝度等が変化することがある。
【0012】
図2は、第1実施形態に係るプロジェクター1の、スクリーンSCと相対する面を示す図である。以降、プロジェクター1の、スクリーンSCと相対する面を、プロジェクター1の正面と呼称することがある。プロジェクター1の正面は、スクリーンSC上に投写画像Gを投写する投写部40の有する投写レンズ400と、撮像画像Cを取得する撮像装置50の有する撮像レンズ500と、を備える。
図2に示すように、プロジェクター1の正面において、投写レンズ400と撮像レンズ500は異なる位置に設けられることが好ましい。なお、
図2において、撮像レンズ500がプロジェクター1の正面に設けられる場合を示したが、撮像レンズ500は、プロジェクター1の正面以外に設けられてもよい。
【0013】
1.2.プロジェクターの構成
図3は、第1実施形態に係るプロジェクター1の構成例を示すブロック図である。プロジェクター1は、プロジェクター1を制御する制御部10と、各種情報を記憶する記憶部20と、外部端末等との通信を実行する通信部30と、投写画像Gを投写する投写部40と、撮像画像Cを取得する撮像装置50と、を備える。
【0014】
記憶部20は、例えば、RAMおよびROM等を含んで構成される。ここで、RAMとは、Random Access Memoryの略称であり、また、ROMとは、Read Only Memoryの略称である。記憶部20は、制御プログラムPGと、判定基準情報JHと、出力情報JOを記憶する。また、記憶部20は、撮像装置50が取得した撮像画像Cを示す情報である、撮像情報JSを記憶する。なお、記憶部20の一部または全部は、外部記憶装置または外部サーバー等に設けてもよい。
【0015】
制御部10は、1または複数のCPUを含んで構成される。但し、制御部10は、CPUの代わりに、または、CPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えるものでもよい。ここで、CPUとはCentral Processing Unitの略称であり、FPGAとはField-Programmable Gate Arrayの略称である。制御部10は、制御部10が有するCPU等が制御プログラムPGを実行し、制御プログラムPGに従って動作することで、取得部11、処理部12、判定部14および出力部15として機能する。
【0016】
取得部11は、通信部30が受信した情報、例えば、撮像装置50が取得した撮像画像Cを示す情報である撮像情報JSおよび投写画像Gの元となる画像信号等を取得し、記憶部20に記憶させる。
【0017】
処理部12は、取得部11が取得した画像信号に対し信号処理を行うことで、投写画像Gを示す投写画像情報を生成する。
【0018】
判定部14は、取得部11が取得した撮像情報JSおよび記憶部20が記憶する判定基準情報JHに基づき、プロジェクター1の姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。また、判定部14は、判定の結果に基づき、判定結果情報を生成する。判定基準情報JHは、判定に使用する撮像情報JSの選定方法に関する情報、判定の方法に関する情報およびプロジェクター1の姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定するための閾値に関する情報等を含む。
【0019】
出力部15は、判定部14における判定の結果に応じて、判定結果情報に基づく情報である出力情報JOを出力する。出力情報JOは、画像情報でもよいし、文字情報でもよいし、音声情報でもよい。また、出力情報JOは、投写部40からスクリーンSCへ投写されてもよいし、通信部30からスマートフォンまたはパーソナルコンピューター等の外部端末へ送信され、該外部端末が備えるディスプレイに表示されてもよいし、スピーカー等の音響機器から発報されてもよい。
【0020】
通信部30は、例えば、コネクター及びインターフェース回路を有するインターフェース基板を含み、外部端末、撮像装置50および外部記憶装置もしくは外部サーバー等から各種情報を受信する機能と、外部端末、音響機器および外部記憶装置もしくは外部サーバー等へ各種情報を送信する機能と、を有する。通信部30は、USB端子、HDMI端子またはLAN端子等の入出力端子を介した情報の送受信を行ってもよいし、Bluetooth等を活用した無線通信による情報の送受信を行ってもよい。ここで、USBとはUniversal Serial Busの略称であり、HDMIとはHigh-Definition Multimedia Interfaceの略称であり、LANとはLocal Area Networkの略称である。USB、HDMIおよびBluetoothは、それぞれ、登録商標である。
【0021】
投写部40は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LEDまたはレーザー光源等を含む光源装置、画像光を生成する光変調器および画像光をスクリーンSCに投写する投写光学系を含んで構成される。画像光を生成する光変調器は、DMDまたは液晶パネル等を含み、また、投写光学系は、投写レンズ400を含む。ここで、LEDとはLight Emitting Diodeの略称であり、DMDとはDigital Mirror Deviceの略称である。投写部40は、処理部12が生成した投写画像情報に基づいて、スクリーンSC上に投写画像Gを投写する。
【0022】
撮像装置50は、スクリーンSC上に投写された投写画像Gを撮像する。これにより、撮像装置50は、撮像画像Cを取得する。撮像装置50は、撮像レンズ500と、図示しない撮像素子を備える。撮像素子は、例えば、CCDまたはCMOSなどのイメージセンサーである。ここで、CCDとはCharge Coupled Deviceの略称であり、CMOSとはComplementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。なお、撮像装置50は、プロジェクター1の外部に設けてもよく、具体的には、プロジェクター1の筐体の外側に固定してもよい。撮像装置50は、例えばカメラである。
【0023】
1.3.プロジェクターの姿勢の変化と撮像画像に記録された投写画像の変化
図4および
図5は、プロジェクター1からスクリーンSCに投写された投写画像G、および、撮像装置50による該投写画像Gの撮像の様子を示す図である。また、
図6および
図7は、撮像画像Cに記録された投写画像Gを示す図である。
【0024】
図4は、プロジェクター1の正面とスクリーンSCが対向配置され、スクリーンSCに対し投写レンズ400の光軸AXおよび撮像レンズ500の光軸AYが垂直となる図である。つまり、光軸AXと光軸AYは平行な関係にある。また、
図4は、プロジェクター1の正面を、プロジェクター1の正面に垂直な方向から見たときに、撮像レンズ500が、投写レンズ400に対し鉛直方向に異なる位置へ設けられていることを示す。なお、
図4において、投写部40からスクリーンSCへ投写された投写画像Gを投写画像G1と呼称する。
図4に示すように、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G1の上辺までの距離をL1とする。また、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G1の下辺までの距離をL2とする。また、撮像レンズ500と光軸AYの交点から投写画像G1の上辺までの距離をL3とする。また、撮像レンズ500と光軸AYの交点から投写画像G1の下辺までの距離をL4とする。
【0025】
図5は、プロジェクター1の姿勢が
図4の状態から変化し、光軸AXとスクリーンSCの交点が、光軸AXと投写レンズ400の交点に対し鉛直方向と反対方向に移動したことを示す図である。なお、
図5において、撮像レンズ500と投写レンズ400の相対的な位置関係は
図4から変化せず、光軸AYと光軸AXは平行な関係を保ち、光軸AYと光軸AXの距離は一定である。また、
図5において、投写部40からスクリーンSCへ投写された投写画像Gを投写画像G2と呼称する。
図5に示すように、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G2の上辺までの距離をL5とする。また、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G2の下辺までの距離をL6とする。また、撮像レンズ500と光軸AYの交点から投写画像G2の上辺までの距離をL7とする。また、撮像レンズ500と光軸AYの交点から投写画像G2の下辺までの距離をL8とする。
【0026】
図6は、
図4においてスクリーンSC上に投写された投写画像G1を、撮像レンズ500を有する撮像装置50を用いて撮像した撮像画像C1と、撮像画像C1に記録されている画像CG1を示す図である。画像CG1は、撮像画像C1に記録された投写画像G1に相当する。
【0027】
図7は、
図5においてスクリーンSC上に投写された投写画像G2を、撮像レンズ500を有する撮像装置50を用いて撮像した撮像画像C2と、撮像画像C2に記録されている画像CG2を示す図である。画像CG2は、撮像画像C2に記録された投写画像G2に相当する。以下では、画像CG1および画像CG2を画像CGと総称する。なお、画像CG1と画像CG2の形状を比較するため、画像CG1の相似形CG1Sを、画像CG2の下辺と一致するように
図7中に破線で示す。また、
図6および
図7は、紙面下方向が鉛直方向である。
【0028】
ここで、プロジェクター1の姿勢が
図4の状態から
図5の状態に変化した際、画像CG1の形状は画像CG2のように変化するが、画像CG2における下辺に対する上辺の長さの比は、画像CG1における下辺に対する上辺の長さの比に対して小さくなる。このように、撮像された投写画像Gの形状は、プロジェクター1の姿勢の変化に伴って変化することから、撮像画像Cに記録されている画像CGの形状の変化に基づき、プロジェクター1の姿勢の変化を把握することができる。
【0029】
なお、距離L6に対する距離L5の比が、距離L2に対する距離L1の比に対して大きい場合、投写画像G2における下辺に対する上辺の長さの比は、投写画像G1における下辺に対する上辺の長さの比に対して大きくなる。また、投写画像G2における下辺に対する上辺の長さの比が投写画像G1における下辺に対する上辺の長さの比と等しいとき、透視投影の効果により、距離L8に対する距離L7の比が、距離L4に対する距離L3の比に対して大きい場合、画像CG2における下辺に対する上辺の長さの比は、画像CG1における下辺に対する上辺の長さの比に対して小さくなる。以上のような対応関係の組み合わせに基づき、撮像画像C1に記録されている画像CG1の形状は、撮像画像C2に記録されている画像CG2の形状へ変化する。
【0030】
1.4.プロジェクターの動作
図8は、第1実施形態に係るプロジェクター1の動作の概要を説明するフローチャートである。該フローチャートに示す一連の動作は、例えば、プロジェクター1の電源がONになり、通信部30が画像信号を受信した際に開始される。
【0031】
まず、ステップS101において、取得部11は、通信部30が受信した画像信号を取得する。次に、ステップS102において、処理部12は、取得部11が取得した画像信号に対し信号処理を行うことで、投写画像Gを示す投写画像情報を生成する。
【0032】
ステップS103において、出力部15は、処理部12が生成した投写画像情報を投写部40へ出力する。投写部40は、投写画像情報に基づいて、スクリーンSC上に投写画像Gを投写する。なお、ステップS103において出力部15が出力した投写画像情報に基づく投写画像Gを第1画像と呼称することがある。ステップS104において、取得部11は、基準撮像情報を取得する。ここで、基準撮像情報とは、ステップS103においてスクリーンSC上に投写された第1画像を撮像装置50により撮像した撮像画像Cを示す撮像情報JSである。なお、ステップS104において、取得部11が撮像情報JSを取得するタイミングを第1のタイミングと呼称することがある。また、ステップS104において、取得部11が取得した撮像情報JSを第1撮像情報と呼称することがある。
【0033】
その後、ステップS105において、出力部15は、処理部12が生成した投写画像情報を投写部40へ出力する。投写部40は、投写画像情報に基づいて、スクリーンSC上に投写画像Gを投写する。なお、ステップS105において出力部15が出力した投写画像情報に基づく投写画像Gを第2画像と呼称することがある。ステップS106において、取得部11は、対照撮像情報を取得する。ここで、対照撮像情報とは、ステップS105においてスクリーンSC上に投写された第2画像を撮像装置50により撮像した撮像画像Cを示す撮像情報JSである。なお、ステップS106において、取得部11が撮像情報JSを取得するタイミングを第2のタイミングと呼称することがある。また、ステップS106において、取得部11が取得した撮像情報JSを第2撮像情報と呼称することがある。
【0034】
ステップS107において、判定部14は、ステップS104において取得部11が取得した基準撮像情報と、ステップS106において取得部11が取得した対照撮像情報と、記憶部20に記憶されている判定基準情報JHと、に基づき、プロジェクター1の姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。そして、判定部14は、ステップS107において、該判定の結果に基づき、判定結果情報を生成する。ステップS107における判定の結果が否定の場合、すなわち、ステップS107でNOの場合には、制御部10は処理をステップS105に進める。ステップS107における判定の結果が肯定の場合、すなわち、ステップS107でYESの場合には、制御部10は処理をステップS108に進める。
【0035】
ステップS108において、出力部15は、ステップS107において判定部14が生成した判定結果情報に基づく出力情報JOを出力する。その後、制御部10は、フローチャートに示す一連の動作を終了させる。
【0036】
図9は、出力部15が、
図8のステップS108において出力する出力情報JOの一例である出力情報JO1を示す図である。
図9に図示される出力情報JO1は、プロジェクター1の姿勢が変化したことを通知する画像情報である。なお、出力情報JOは、プロジェクター1の設置状態を確認することを促す情報であってもよいし、プロジェクター1から距離をとることを促す情報であってもよい。
【0037】
第1実施形態によれば、プロジェクター1の姿勢の変化が一定の基準を満たす場合、出力部15が出力情報JOを出力することで、プロジェクター1の利用者がプロジェクター1の姿勢が変化したことを容易に把握することが可能となる。このため、プロジェクター1の姿勢変化の進行を防止することが容易となる。更に、第1実施形態によれば、プロジェクター1の姿勢の変化に伴う投写画像Gの画像品質低下を抑制することが容易となる。
【0038】
以上に説明したように、第1実施形態に係るプロジェクター1の制御方法は、第1のタイミングでプロジェクター1から投写された第1画像の撮像結果を示す基準撮像情報を取得することと、第2のタイミングでプロジェクター1から投写された第2画像の撮像結果を示す対照撮像情報を取得することと、基準撮像情報および対照撮像情報に基づき、プロジェクター1の姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定することと、前記判定の結果に応じて、前記判定の結果に基づく出力情報JOを出力すること、を含む、ことを特徴とする。
また、第1実施形態に係るプロジェクター1は、プロジェクター1に固定された撮像装置50より、第1のタイミングでプロジェクター1から投写された第1画像の撮像結果を示す基準撮像情報と、第2のタイミングでプロジェクター1から投写された第2画像の撮像結果を示す対照撮像情報を取得する取得部と、基準撮像情報および対照撮像情報に基づき、プロジェクター1の姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する判定部14と、判定部14が生成した判定の結果に応じて、判定の結果に基づく出力情報JOを出力する出力部15、を有することを特徴とする。
これにより、プロジェクター1の利用者は、プロジェクター1の姿勢が変化したことを把握することが可能となる。
【0039】
2.第2実施形態
以下において、本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において、作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0040】
図10は、第2実施形態に係るプロジェクター1Aの構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、プロジェクター1Aは、制御部10の代わりに制御部10Aを備える点と、記憶部20の代わりに記憶部20Aを備える点と、を除き、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様に構成される。このうち、制御部10Aは、判定部14の代わりに、解析部16および姿勢判定部17を備える点を除き、第1実施形態に係る制御部10と同様に構成される。また、記憶部20Aは、制御プログラムPGの代わりに制御プログラムPGAを記憶している点を除き、第1実施形態に係る記憶部20と同様に構成される。なお、第2実施形態において、制御部10Aは、制御部10Aが有するCPU等が制御プログラムPGAを実行し、制御プログラムPGAに従って動作することで、取得部11、処理部12、解析部16、姿勢判定部17および出力部15として機能する。
【0041】
解析部16は、取得部11が取得した撮像情報JSに基づき、撮像画像Cに記録された投写画像Gの特性を示す特性情報を生成する。特性情報は、撮像画像Cに記録された投写画像Gの頂点の座標、面積および輪郭を構成する辺の長さを示す情報を含む。解析部16は、例えば、公知の画像処理であるエッジ検出処理を用いて、撮像画像Cに記録された投写画像Gの輪郭を構成する4辺を抽出することができる。そして、抽出した辺のうち、隣り合う辺同士の交点を投写画像Gの頂点として抽出することで、特性情報のひとつである、撮像画像Cに記録された投写画像Gの頂点の座標を生成する。
【0042】
姿勢判定部17は、解析部16が複数の撮像情報JSに基づいて生成した複数の特性情報に基づき、該複数の特性情報の相違の程度を示す特性変化情報を生成する。また、姿勢判定部17は、生成した特性変化情報および記憶部20Aが記憶する判定基準情報JHに基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。更に、姿勢判定部17は、判定の結果に基づき、判定結果情報を生成する。本実施形態において、判定結果情報は、例えば、プロジェクター1Aの姿勢が変化したことを示す情報と、プロジェクター1Aの姿勢の変化の方向を示す情報と、プロジェクター1Aの姿勢の変化の程度を示す情報と、を含む。
【0043】
以上のように、第2実施形態では、プロジェクター1Aの備える制御部10Aが、取得部11、処理部12および出力部15に加えて、解析部16および姿勢判定部17を備える。なお、第2実施形態において、解析部16および姿勢判定部17は判定部に相当する。
【0044】
図11は、第2実施形態に係るプロジェクター1Aの動作の概要を説明するフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、制御部10Aが、ステップS107の代わりに、ステップS109、ステップS110、ステップS111およびステップS112の処理を実行する点を除き、
図8に示すフローチャートと同様である。
【0045】
ステップS109において、解析部16は、取得部11がステップS104において基準撮像情報として取得した第1撮像情報に基づき、第1画像の特性を示す特性情報を基準特性情報として生成する。なお、ステップS109において、解析部16が生成した特性情報を第1特性情報と呼称することがある。
ステップS110において、解析部16は、取得部11がステップS106において対照撮像情報として取得した第2撮像情報に基づき、第2画像の特性を示す特性情報を対照特性情報として生成する。なお、ステップS110において、解析部16が生成した特性情報を第2特性情報と呼称することがある。
【0046】
ステップS111において、姿勢判定部17は、ステップS109において解析部16が生成した基準特性情報およびステップS110において解析部16が生成した対照特性情報に基づき、基準特性情報と対照特性情報との相違の程度を示す特性変化情報を生成する。
【0047】
ステップS112において、姿勢判定部17は、ステップS111において姿勢判定部17が生成した特性変化情報と、記憶部20Aが記憶する判定基準情報JHと、に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。そして、ステップS112において、姿勢判定部17は、該判定の結果に基づき、判定結果情報を生成する。ステップS112における判定の結果が否定の場合、すなわち、ステップS112でNOの場合には、制御部10Aは処理をステップS105に進める。ステップS112における判定の結果が肯定の場合、すなわち、ステップS112でYESの場合には、制御部10Aは処理をステップS108に進める。
【0048】
ステップS108において、出力部15は、ステップS112において姿勢判定部17が生成した判定結果情報に基づく出力情報JOを出力する。その後、制御部10Aは、フローチャートに示す一連の動作を終了させる。
【0049】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たす場合、出力部15が出力情報JOを出力する。このため、プロジェクター1Aの姿勢の変化の把握を容易に行うことが可能となる。これにより、投写画像Gの画像品質低下の抑制と、プロジェクター1Aの故障および破損の防止と、が可能となる。
【0050】
以上に説明したように、第2実施形態に係るプロジェクター1Aの制御方法は、基準撮像情報に基づき、第1画像の特性を示す基準特性情報を生成し、対照撮像情報に基づき、第2画像の特性を示す対照特性情報を生成し、基準特性情報および対照特性情報に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする。
これにより、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢の変化の把握を容易に行うことが可能となる。
【0051】
3.第3実施形態
以下において、本発明の第3実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において、作用や機能が第2実施形態と同様である要素については、第2実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0052】
図12は、第3実施形態に係るプロジェクター1Aの概略を説明する図である。プロジェクター1Aは、
図12に図示される設置具9-1および設置具9-2ならびに
図12に図示されない設置具9-3および設置具9-4を介して天井WLに固定されている。
図12に示す通り、設置具9-2は設置具9-1と比較して、プロジェクター1Aの正面側に設置される。なお、設置具9-3は設置具9-1の紙面奥側方向に、設置具9-4は設置具9-2の紙面奥側方向に、各々設置される。また、第3実施形態において、設置具9-1、設置具9-2、設置具9-3および設置具9-4を設置具9と総称する。設置具9-1、設置具9-2、設置具9-3および設置具9-4の各々は、専用固定器具と、専用固定器具を天井WLに固定する雄ねじおよび雌ねじと、プロジェクター1Aを専用固定器具に固定する雄ねじおよび雌ねじと、を含む。
【0053】
図13は、第3実施形態に係るプロジェクター1Aの動作の概要を説明するフローチャートである。該フローチャートに示す一連の動作は、
図10に示す構成を有するプロジェクター1Aにおいて実行される。
図13に示すフローチャートは、制御部10Aが、ステップS108の代わりに、ステップS113の処理を実行する点を除き、
図11に示すフローチャートと同様である。
【0054】
ステップS113において、出力部15は、ステップS112において姿勢判定部17が生成した判定結果情報に基づく出力情報JOを出力する。その後、制御部10Aは、フローチャートに示す一連の動作を終了させる。
【0055】
なお、ステップS112において姿勢判定部17が生成した判定結果情報は、プロジェクター1Aの姿勢が変化したことを示す情報と、プロジェクター1Aの姿勢の変化の方向を示す情報と、を含む。出力部15は、対応関係情報と、判定結果情報に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化に影響を及ぼす設置具の情報を含む出力情報JOを出力することができる。ここで、対応関係情報とは、プロジェクター1Aの姿勢の変化の方向と、プロジェクター1Aの姿勢の変化をもたらすと推定される設置具の対応関係を示す情報である。対応関係情報は、記憶部20Aに記憶されていてもよい。
【0056】
以下において、判定結果情報が、プロジェクター1Aの姿勢の変化の方向を示す情報を含むことについて説明する。
【0057】
図14は、プロジェクター1Aの姿勢が変化した状態を例示する図である。なお、図示の都合上、
図14において、撮像レンズ500、光軸AY、距離L7および距離L8の記載は省略する。
例えば、プロジェクター1Aの正面が上下に傾くような場合において、プロジェクター1Aの正面が鉛直方向に傾く場合を、負の方向に傾く、と定義する。一方、プロジェクター1Aの正面が鉛直方向と反対方向に傾く場合を、正の方向に傾く、と定義する。
図14は、プロジェクター1Aが、正の方向に傾いていることを示す。
図14において、光軸AXは、プロジェクター1Aの姿勢が変化する前の光軸の位置AXOから、正の方向に、変化量Θ
Aだけ傾いている。ここで、プロジェクター1Aが正の方向に傾いている場合、プロジェクター1Aの姿勢の変化をΘ
Aと表記する。また、プロジェクター1Aが負の方向に傾いている場合、プロジェクター1Aの姿勢の変化を-Θ
Aと表記する。ここで、ステップS112において、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する際、判定の結果が肯定の場合となるような条件は、-Θ
A≦-Θ
T1またはΘ
T2≦Θ
Aと設定できる。ここで、-Θ
T1およびΘ
T2は、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定するための閾値である。また、Θ
A、Θ
T1およびΘ
T2は、いずれも正の値をとる。判定結果情報は、第1変数、第2変数および第3変数を含む。第1変数は、-Θ
A≦-Θ
T1を満たす場合に1となり、満たさない場合に0となる。第2変数は、Θ
T2≦Θ
Aを満たす場合に1となり、満たさない場合に0となる。第3変数は、-Θ
T1<-Θ
AかつΘ
A<Θ
T2を満たす場合に1となり、満たさない場合に0となる。判定結果情報に含まれる第1変数と第2変数は、プロジェクター1Aの姿勢の変化の方向を示す情報である。
【0058】
図15は、出力部15が、
図13のステップS113において出力する出力情報JOの一例である出力情報JO2を示す図である。
図15に図示される出力情報JO2は、プロジェクター1Aの姿勢の変化に影響を及ぼしていると推定される設置具の情報を示す画像情報である。
【0059】
第3実施形態によれば、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たす場合、出力部15がプロジェクター1Aの姿勢の変化に影響を及ぼす設置具の情報を含む出力情報JOを出力する。このため、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢が変化したことを把握することが可能となることに加え、プロジェクター1Aの姿勢の変化に影響を及ぼすと推定される設置具9を容易に特定することが可能となる。その結果、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果に加え、プロジェクター1Aのメンテナンス性の向上に貢献する。
【0060】
以上に説明したように、第3実施形態に係るプロジェクター1Aは、設置具9-1、設置具9-2、設置具9-3および設置具9-4からなる設置具9により設置位置に固定され、プロジェクター1Aの制御方法は、基準特性情報および対照特性情報に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定し、判定の結果に応じて、設置具9の中から、プロジェクター1Aの姿勢の変化に影響を及ぼす設置具9の情報を出力する、ことを特徴とする。
これにより、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢が変化したことを把握することが可能となる。また、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢の変化に影響を及ぼすと推定される設置具9を容易に特定することが可能となる。
【0061】
4.第4実施形態
以下において、本発明の第4実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において、作用や機能が第3実施形態と同様である要素については、第3実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0062】
図16は、第4実施形態に係るプロジェクター1Aの動作の概要を説明するフローチャートである。該フローチャートに示す一連の動作は、
図10に示す構成を有するプロジェクター1Aにおいて実行される。なお、第4実施形態において、判定基準情報JHは、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定するための閾値に関する情報として、第1閾値を示す第1閾値情報と、前記第1閾値より大きい第2閾値を示す第2閾値情報と、を含む。
図16に示すフローチャートは、制御部10Aが、ステップS112およびステップS108の代わりに、ステップS114、ステップS115、ステップS116、ステップS117およびステップS118の処理を実行する点を除き、
図11に示すフローチャートと同様である。
【0063】
ステップS114において、姿勢判定部17は、ステップS111において姿勢判定部17が生成した特性変化情報から、プロジェクター1Aの姿勢の変化量を特定する。
【0064】
ステップS115において、姿勢判定部17は、ステップS114において姿勢判定部17が特定したプロジェクター1Aの姿勢の変化量と、記憶部20Aが記憶する判定基準情報JHと、に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化量が第1閾値以上か否かを判定する。ステップS115における判定の結果が否定の場合、すなわち、ステップS115でNOの場合には、制御部10Aは処理をステップS105に進める。ステップS115における判定の結果が肯定の場合、すなわち、ステップS115でYESの場合には、制御部10Aは処理をステップS116に進める。
【0065】
ステップS116において、姿勢判定部17は、ステップS114において姿勢判定部17が特定したプロジェクター1Aの姿勢の変化量と、記憶部20Aが記憶する判定基準情報JHと、に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化量が第2閾値以上か否かを判定する。そして、ステップS116において、姿勢判定部17は、該判定の結果に基づき、判定結果情報を生成する。ステップS116における判定の結果が否定の場合、すなわち、ステップS116でNOの場合には、制御部10Aは処理をステップS118に進める。ステップS116における判定の結果が肯定の場合、すなわち、ステップS116でYESの場合には、制御部10Aは処理をステップS117に進める。なお、ステップS116における判定の結果が否定となる状態を第1状態と呼称することがある。また、ステップS116における判定の結果が肯定となる状態を第2状態と呼称することがある。
【0066】
ステップS117において、出力部15は、ステップS116において姿勢判定部17が生成した判定結果情報に基づく出力情報JOを出力する。その後、制御部10Aは、フローチャートに示す一連の動作を終了させる。なお、ステップS117において出力される出力情報JOを第2出力情報と呼称することがある。ステップS118において、出力部15は、ステップS116において姿勢判定部17が生成した判定結果情報に基づく出力情報JOを出力する。その後、制御部10Aは、フローチャートに示す一連の動作を終了させる。なお、ステップS118において出力される出力情報JOを第1出力情報と呼称することがある。
【0067】
図17は、第1出力情報の一例である出力情報JO3を示す図である。
図17に図示される出力情報JO3は、プロジェクター1Aの姿勢が変化した可能性があることを通知する画像情報である。なお、第2出力情報の一例として、
図9に図示される出力情報JO1が挙げられる。ここで、ステップS117において出力される第2出力情報は、ステップS118において出力される第1出力情報と比較して、プロジェクター1Aの設置状態の確認をより強く促す情報を含むことが好ましい。また、ステップS117において出力される第2出力情報は、ステップS118において出力される第1出力情報と比較して、プロジェクター1Aから距離をとることをより強く促す情報を含むものであってもよい。
【0068】
第4実施形態によれば、プロジェクター1Aの姿勢の変化量に応じて、出力部15が異なる内容を含む出力情報JOを出力することで、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢が変化したことを把握することが可能となることに加え、プロジェクター1Aの姿勢の変化の程度を把握することが容易となる。その結果、出力情報JOの内容に応じて、より適切に対応を選択することが可能となるという利点がある。
【0069】
以上に説明したように、第4実施形態に係るプロジェクター1Aの制御方法は、基準特性情報および対照特性情報に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化量を特定し、プロジェクター1Aの姿勢の変化量が、第1閾値以上、かつ、第2閾値未満、である場合は、第1状態と判定し、プロジェクター1Aの姿勢の変化量が、第2閾値以上、である場合は、第2状態と判定し、第1状態と判定した場合は第1出力情報を出力し、第2状態と判定した場合は第2出力情報を出力する、ことを特徴とする。
これにより、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢が変化したことを把握することが可能となる。また、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢の変化の程度を把握することが容易となる。
【0070】
5.変形例
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が前述の実施形態と同等である要素については、以上の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0071】
5.1.変形例1
前述の実施形態において、撮像装置50は、プロジェクター1またはプロジェクター1Aに固定され、プロジェクター1またはプロジェクター1Aの姿勢の変化が生じた際に、撮像装置50の有する撮像レンズ500と投写レンズ400の相対的な位置関係を変化させずに撮像画像Cを取得する場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。撮像装置50は、プロジェクター1またはプロジェクター1A以外の箇所に固定され、プロジェクター1またはプロジェクター1Aの姿勢の変化が生じた際に、撮像装置50の有する撮像レンズ500と投写レンズ400の相対的な位置関係が変化してもよい。
【0072】
図18は、変形例1に係るプロジェクター1Bの概略を説明する図である。
図18に示すように、投写画像Gは、プロジェクター1B以外の箇所に固定された撮像装置50Bによって撮像される。撮像装置50Bは、撮像画像CBを取得する。
【0073】
図19は、変形例1に係るプロジェクター1Bの構成例を示すブロック図である。
図19に示すように、プロジェクター1Bは、記憶部20の代わりに記憶部20Bを備える点と、プロジェクター1Bに撮像装置50を備えない点と、を除き、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様に構成される。プロジェクター1Bの外部には、撮像装置50Bが固定されている。このうち、記憶部20Bは、判定基準情報JHの代わりに判定基準情報JHBを記憶している点と、撮像情報JSの代わりに撮像情報JSBを記憶する点と、を除き、第1実施形態に係る記憶部20と同様に構成される。
【0074】
撮像装置50Bは、プロジェクター1B以外の箇所に固定され、スクリーンSC上に投写された投写画像Gを撮像する。これにより、撮像装置50Bは、撮像画像CBを取得する。撮像装置50Bは、プロジェクター1Bと異なる位置に固定されることから、プロジェクター1Bの姿勢の変化に伴って撮像する箇所を移動させなくてもよく、撮像装置50Bの有する撮像レンズ500Bと投写レンズ400の相対的な位置関係が変化した状態で撮像画像CBを取得してもよい。また、撮像装置50Bは、撮像画像CBを示す情報である撮像情報JSBを、プロジェクター1Bへ有線送信してもよいし、無線送信してもよい。
【0075】
図20および
図21は、変形例1に係るプロジェクター1Bの、画像投写および投写画像の撮像の様子を示す図である。
【0076】
図20は、スクリーンSC、投写レンズ400および撮像レンズ500Bの位置関係を示す図である。ここで、スクリーンSCに対し投写レンズ400の光軸AXは垂直に交わる。一方、
図20に示すように、投写レンズ400の光軸AXと撮像レンズ500Bの光軸AZは平行な関係でなくてもよい。また、
図20は、撮像レンズ500Bが、投写レンズ400に対し鉛直方向に異なる位置へ設けられていることを示す。なお、
図20において、投写部40からスクリーンSCへ投写された投写画像Gを投写画像G1と呼称する。
図20に示すように、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G1の上辺までの距離をL1とする。また、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G1の下辺までの距離をL2とする。また、撮像レンズ500Bと光軸AZの交点から投写画像G1の上辺までの距離をL9とする。また、撮像レンズ500Bと光軸AZの交点から投写画像G1の下辺までの距離をL10とする。
【0077】
図21は、プロジェクター1Bの姿勢が
図20の状態から変化し、光軸AXとスクリーンSCの交点が、光軸AXと投写レンズ400の交点に対し鉛直方向と反対方向に移動したことを示す図である。ここで、撮像レンズ500Bを有する撮像装置50Bは、プロジェクター1B以外の箇所に固定されており、スクリーンSCと撮像レンズ500Bの光軸AZが交わる点は、
図20の位置から変化しない。なお、
図21において、投写部40からスクリーンSCへ投写された投写画像Gを投写画像G2と呼称する。
図21に示すように、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G2の上辺までの距離をL5とする。また、投写レンズ400と光軸AXの交点から投写画像G2の下辺までの距離をL6とする。また、撮像レンズ500Bと光軸AZの交点から投写画像G2の上辺までの距離をL11とする。また、撮像レンズ500Bと光軸AZの交点から投写画像G2の下辺までの距離をL12とする。
【0078】
プロジェクター1Bの姿勢が
図20の状態から
図21の状態に変化した際、1.3.の項で説明したように、撮像画像CBに記録される投写画像Gの形状は、距離L2に対する距離L1の比と、距離L6に対する距離L5の比と、距離L10に対する距離L9の比と、距離L12に対する距離L11の比と、に基づき変化する。第1実施形態同様、撮像された投写画像の形状は、プロジェクター1Bの姿勢の変化に伴って変化することから、撮像画像に記録されている画像の形状の変化に基づき、プロジェクター1の姿勢の変化を把握することができる。
【0079】
以上に説明したように、変形例1に係るプロジェクター1Bは、プロジェクター1B以外の箇所に固定された撮像装置より、第1のタイミングでプロジェクター1Bから投写された第1画像の撮像結果を示す第1撮像情報と、第2のタイミングでプロジェクター1Bから投写された第2画像の撮像結果を示す第2撮像情報を取得する取得部と、基準撮像情報および対照撮像情報に基づき、プロジェクター1Bの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、判定部が生成した判定の結果に応じて、判定の結果に基づく出力情報JOを出力する出力部、を有することを特徴とする。
これにより、プロジェクター1Bの利用者は、プロジェクター1の姿勢が変化したことを把握することが可能となる。
【0080】
5.2.変形例2
前述の実施形態および変形例1において、特性情報は、撮像画像Cに記録された投写画像Gの頂点の座標、面積および輪郭を構成する辺の長さを含む場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。特性情報は、撮像画像Cに記録された投写画像Gの輪郭を構成する2以上の辺がなす角度を示す情報でもよい。
【0081】
図22は、プロジェクター1Aの姿勢が変化する前に取得した撮像画像C3と、撮像画像C3に記録されている画像CG3を示す図である。画像CG3は、プロジェクター1Aの姿勢が変化する前にスクリーンSCへ投写された投写画像G3を、撮像画像C3に記録したものである。
図22に示すように、画像CG3は、辺S31、辺S32、辺S33および辺S34を有する。隣り合う辺S31と辺S32とがなす角のうち、画像CG3の内角を角A312と呼称する。また、隣り合う辺S32と辺S33とがなす角のうち、画像CG3の内角を角A323と呼称する。また、隣り合う辺S33と辺S34とがなす角のうち、画像CG3の内角を角A334と呼称する。また、隣り合う辺S31と辺S34とがなす角のうち、画像CG3の内角を角A314と呼称する。なお、変形例2において、辺S31は第1辺の一例であり、辺S32は第2辺の一例である。また、角A312の角度は第1角度の一例である。
【0082】
図23は、プロジェクター1Aの姿勢が変化した後に取得した撮像画像C4と、撮像画像C4に記録されている画像CG4を示す図である。画像CG4は、プロジェクター1Aの姿勢が変化した後にスクリーンSCへ投写された投写画像G4を、撮像画像C4に記録したものである。
図23に示すように、画像CG4は、辺S41、辺S42、辺S43および辺S44を有する。辺S41は、辺S31に対応する。また、辺S42は、辺S32に対応する。隣り合う辺S41と辺S42とがなす角のうち、画像CG4の内角を角A412と呼称する。また、隣り合う辺S42と辺S43とがなす角のうち、画像CG4の内角を角A423と呼称する。また、隣り合う辺S43と辺S44とがなす角のうち、画像CG4の内角を角A434と呼称する。また、隣り合う辺S41と辺S44とがなす角のうち、画像CG4の内角を角A414と呼称する。なお、変形例2において、辺S41は第3辺の一例であり、辺S42は第4辺の一例である。また、角A412の角度は第2角度の一例である。
【0083】
変形例2において、解析部16は、
図11に示すフローチャートのステップS109において、角A312の角度を基準特性情報として生成する。また、解析部16は、ステップS110において、角A412の角度を対照特性情報として生成する。
【0084】
そして、ステップS111において、姿勢判定部17は、基準特性情報の示す角A312の角度および対照特性情報の示す角A412の角度の相違の程度を示す特性変化情報を生成する。
【0085】
その後、ステップS112において、姿勢判定部17は、特性変化情報の示す角A312の角度および角A412の角度の相違の程度に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。
【0086】
以上に説明したように、変形例2に係るプロジェクター1Aの制御方法において、基準特性情報は、第1画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、隣り合う第1辺と第2辺とがなす第1角度を示す情報を含み、対照特性情報は、第2画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、第1辺に対応する第3辺と第2辺に対応する第4辺とがなす第2角度を示す情報を含み、第1角度と第2角度の相違の程度に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする。
これにより、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢の変化の把握を容易に行うことが可能となる。
【0087】
5.3.変形例3
前述の実施形態および変形例1において、特性情報は、撮像画像Cに記録された投写画像Gの頂点の座標、面積および輪郭を構成する辺の長さを含む場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。特性情報は、撮像画像Cに記録された投写画像Gの輪郭を構成する2以上の辺の明るさに基づく情報でもよい。
【0088】
前述のとおり、撮像画像Cに記録された投写画像Gの形状は、プロジェクター1の姿勢の変化に伴って変化する。しかし、撮像画像Cに記録された投写画像Gの形状に限らず、撮像画像Cに記録された投写画像Gの輪郭を構成する2以上の辺の明るさも、プロジェクター1の姿勢の変化に伴って変化する。これは、
図4に図示された、距離L1、距離L2、距離L5および距離L6ならびに距離L3、距離L4、距離L7および距離L8が変化することに伴い、スクリーンSC上の投写画像Gの明るさおよびスクリーンSCから反射して撮像レンズ500に届く光の量が変化することに起因する。撮像画像Cに記録された明るさの情報は、プロジェクター1の姿勢の変化に伴って変化することから、撮像画像Cに記録された投写画像Gの輪郭を構成する2以上の辺の明るさの変化に基づき、プロジェクター1の姿勢の変化を把握することができる。
【0089】
変形例3において、取得部11は、
図11に示すフローチャートのステップS104において、前述の
図22に示す撮像画像C3を示す情報である撮像情報JSを基準撮像情報として取得する。
図22に示すように、画像CG3は、辺S31、辺S32、辺S33および辺S34を有する。なお、変形例3において、辺S31は第1辺の一例であり、辺S33は第2辺の一例である。
【0090】
変形例3において、取得部11は、
図11に示すフローチャートのステップS106において、前述の
図23に示す撮像画像C4を示す情報である撮像情報JSを対照撮像情報として取得する。
図23に示すように、画像CG4は、辺S41、辺S42、辺S43および辺S44を有する。なお、辺S41は、辺S31に対応する。また、辺S43は、辺S33に対応する。また、変形例3において、辺S41は第3辺の一例であり、辺S43は第4辺の一例である。
【0091】
変形例3において、解析部16は、
図11に示すフローチャートのステップS109において、第1相違情報を基準特性情報として生成する。また、解析部16は、
図11に示すフローチャートのステップS110において、第2相違情報を対照特性情報として生成する。ここで、第1相違情報とは、辺S31の明るさと辺S33の明るさとの相違の程度を示す情報である。また、第2相違情報とは、辺S41の明るさと辺S43の明るさとの相違の程度を示す情報である。なお、第1相違情報および第2相違情報は、対象となる2辺の明るさの差でもよいし、2辺の明るさの比でもよい。
【0092】
なお、画像CG3および画像CG4の輪郭を構成する各辺における明るさは、各辺を長辺の一辺とする長方形の範囲に含まれる、画像CG3または画像CG4を構成する画素が有する輝度の平均値を近似的に用いてもよい。ここで、各辺を長辺の一辺とする長方形は、短辺の長さが長辺に比べて十分に小さいものとし、また各辺を長辺の一辺とする長方形の範囲に含まれる、画像CG3または画像CG4を構成する画素が、最も多くなるように範囲を設定するものとする。
【0093】
そして、ステップS111において、姿勢判定部17は、基準特性情報の示す第1相違情報および対照特性情報の示す第2相違情報の相違の程度を示す特性変化情報を生成する。
【0094】
その後、ステップS112において、姿勢判定部17は、特性変化情報の示す第1相違情報および第2相違情報の相違の程度に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。
【0095】
以上に説明したように、変形例3に係るプロジェクター1Aの制御方法において、基準特性情報は、第1画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、第1辺の明るさと第2辺の明るさとの相違の程度を示す第1相違情報を含み、対照特性情報は、第2画像の輪郭を構成する2以上の辺のうち、第1辺に対応する第3辺の明るさと第2辺に対応する第4辺の明るさとの相違の程度を示す第2相違情報を含み、第1相違情報および第2相違情報に基づき、プロジェクター1Aの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする。
これにより、プロジェクター1Aの利用者は、プロジェクター1Aの姿勢の変化の把握を容易に行うことが可能となる。
【0096】
5.4.変形例4
前述の実施形態および変形例において、出力情報JOは、画像情報として出力される場合を例示して説明したが、出力情報JOは、スクリーンSCに投写される投写画像Gまたは外部端末が備えるディスプレイ等の全面に表示されるものに限定されない。出力情報JOは、投写画像Gまたはディスプレイ等の一部に表示されてもよい。
【0097】
図24は、スクリーンSCに投写される投写画像Gの一部に、オンスクリーンディスプレイを利用して出力される出力情報JOの一例である出力情報JO4を示す図である。
図24に図示される出力情報JO4は、投写画像Gの右上に重ねて表示される。なお、投写画像Gまたはディスプレイ等の一部に表示される出力情報JOは、文字情報でもよい。
【0098】
5.5.変形例5
前述した実施形態および変形例において、プロジェクター1、プロジェクター1Aおよびプロジェクター1B等のプロジェクターは、該プロジェクターの利用者が、該プロジェクターに対する操作を入力するための操作画面GSを表示するタッチパネルを備えてもよい。また、該プロジェクターは、操作画面GSを投写部40からスクリーンSC上に投写することで表示し、該プロジェクターの利用者が、図示しないリモコンを用いて操作画面GS上における操作を入力する構成としてもよい。
【0099】
図25は、操作画面GSの一例を示す説明図である。
図25に示すように、操作画面GSは、プロジェクターが、プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する動作の実行を指定するためのボタンB11と、該動作の停止を指定するためのボタンB12と、を有する。また、操作画面GSは、現在のプロジェクターの姿勢を基準姿勢とすることを指定するためのボタンB2を有する。なお、プロジェクターが基準姿勢である場合に、プロジェクターがスクリーンSC上に投写画像Gを投写し、該投写画像Gを撮像装置50により撮像した撮像画像Cを示す撮像情報JSを、基準撮像情報として看做すことができることとする。
【0100】
操作画面GSは、出力情報JOの示す文言を投入するための、投入領域M3を有する。また、操作画面GSは、出力情報JOの通知方法を設定するための、チェックボックスB41~B43を有する。なお、プロジェクターの利用者が、チェックボックスB41をチェックした場合、投写画像Gとして出力情報JOが出力される。また、プロジェクターの利用者が、チェックボックスB42をチェックした場合、音声により出力情報JOが出力される。また、プロジェクターの利用者が、チェックボックスB43をチェックした場合、プロジェクターの利用者の有する携帯端末に対して出力情報JOが通知される。
【0101】
操作画面GSは、プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かの判定の方法を設定するための、ラジオボタンB51~B52を有する。なお、プロジェクターの利用者が、ラジオボタンB51を選択した場合、プロジェクターが備える制御部は、撮像画像Cに記録されている画像CGの形状に基づいて、プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。他方、プロジェクターの利用者が、ラジオボタンB52を選択した場合、プロジェクターが備える制御部は、撮像画像Cに記録されている画像CGの明るさに基づいて、プロジェクターの姿勢の変化が一定の基準を満たすか否かを判定する。
【0102】
操作画面GSは、プロジェクターに対する操作の入力を終了するための、ボタンB6を有する。
【符号の説明】
【0103】
1…プロジェクター、1A…プロジェクター、1B…プロジェクター、9…設置具、10…制御部、20…記憶部、30…通信部、40…投写部、400…投写レンズ、50…撮像装置、500…撮像レンズ、G…投写画像、C…撮像画像、CG…画像、SC…スクリーン、AX…光軸、AY…光軸、AZ…光軸