(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185359
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20221207BHJP
D06F 39/02 20060101ALI20221207BHJP
B01F 23/20 20220101ALI20221207BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20221207BHJP
【FI】
D06F39/08 301A
D06F39/02 B
D06F39/02 Z
D06F39/08 301C
D06F39/08 321
D06F39/08 331
B01F3/04 Z
B01F15/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092990
(22)【出願日】2021-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】河野 哲之
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 貞人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
(72)【発明者】
【氏名】磯永 賢
【テーマコード(参考)】
3B166
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3B166AA04
3B166AA11
3B166AB03
3B166AB06
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA10
3B166BA12
3B166BA24
3B166BA33
3B166BA35
3B166BA52
3B166BA53
3B166BA82
3B166BA83
3B166BA85
3B166BA86
3B166CA01
3B166CA28
3B166CB04
3B166CB11
3B166CC04
3B166CC05
3B166CD05
3B166CD15
3B166DA04
3B166DA31
3B166DA40
3B166DB02
3B166DB03
3B166DB17
3B166DB18
3B166DC12
3B166DC14
3B166DC16
3B166DC23
3B166DC43
3B166DC44
3B166DC45
3B166DC47
3B166DC48
3B166DD07
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166EC42
3B166EC44
3B166FA06
3B166FA12
3B166FA14
3B166FB01
3B166GA02
3B166GA05
3B166GA06
3B166GA12
3B166GA22
3B166JM01
3B166JM02
3B166JM03
4G035AA01
4G035AB04
4G035AB15
4G035AC14
4G035AC26
4G035AE01
4G035AE13
4G037AA01
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】微細気泡を含む微細気泡水による洗浄効果の向上を図りつつ、部品点数を削減して洗濯機の組立作業性を確保する。
【解決手段】洗濯機は、水槽と、給水弁と、注水ケースと、給水弁の下流側に設けられ、給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、加圧タンクから流出した水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、吸気弁と、を備える。吸気弁は、加圧タンクと注水ケースとを開閉可能に接続するとともに加圧タンクと注水ケースとの間の空間に設けられ、加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って加圧タンクと注水ケースとの間を閉じ、加圧タンク内の圧力が低下することに伴って加圧タンクと注水ケースとの間を開く。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の給水源に接続される給水弁と、
前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、
前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、
前記加圧タンクから流出した水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、
前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとの間の空間に設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、
を備える洗濯機。
【請求項2】
前記吸気弁は、前記注水ケース内に供給された水を前記水槽に流す注水経路よりも上方で前記注水ケースと接続されている、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記吸気弁は、
前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を連通し気体が通過可能な連通部を有する弁座部材と、
球状に形成され前記加圧タンク内の圧力変化に伴って前記弁座部材の内部を移動することで前記連通部を開閉する弁体と、を有する、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記弁座部材のうち少なくとも前記弁体と接触する部分は、前記弁体と異なる材料で構成されている、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記加圧タンクの内部と外部を連通しており、前記加圧タンク内に外気を導入する空気導入部を更に備え、
前記空気導入部は、前記空気導入部を構成する壁面のうち前記注水ケースと対向した壁面を厚み方向に貫通して形成された通し穴と、前記通し穴の周囲に設けられ、前記加圧タンクから前記注水ケースに向かって突出して形成されて前記弁体の前記加圧タンク側への所定以上の移動を規制する規制部と、を有する、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体であってかつ前記注水ケースとは別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体に構成され、
前記継手部材及び前記弁座部材は、前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と別体であってかつ前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材及び前記注水ケースと別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体中に空気成分を加圧溶解させる加圧溶解装置を用いてファインバブルと称されるマイクロバブルやウルトラファインバブル等の微細気泡を含む微細気泡水を生成し、洗浄効果を向上させる技術が注目されている。しかしながら、従来構成における加圧溶解装置には、前記液体中に溶解させるための気体を取り込む部品や取り込んだ気体を装置が有するタンク内に供給するための管等の部品が多く存在し、部品点数が増加することによって洗濯機の組立作業が煩雑となる点について課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、微細気泡を含む微細気泡水による洗浄効果の向上を図りつつ、部品点数を削減して洗濯機の組立作業性を確保することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗濯機は、水槽と、外部の給水源に接続される給水弁と、前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、前記加圧タンクから流出した水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとの間の空間に設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第一実施形態による洗濯機の一例を概略的に示す断面図
【
図2】第一実施形態による加圧溶解装置の構成の一例を示す外観図
【
図3】第一実施形態による加圧溶解装置及び注水ケースの一例を
図2のX3-X3線に沿って示す断面図
【
図4】第一実施形態による注水ケースの概略構成の一例を
図3のX4-X4線に沿って示す断面図
【
図5】第一実施形態による加圧溶解装置の概略構成の一例を
図3のX5-X5線に沿って示す断面図
【
図6】第一実施形態による加圧タンクの一例を
図5のX6-X6線に沿って示す断面図
【
図7】第一実施形態による加圧タンクの一例を
図5のX7-X7線に沿って示す断面図
【
図8】第一実施形態による吸気弁の概略構成の一例を
図5の矢印X8部分を拡大して示す断面図
【
図9】第一実施形態による吸気弁について、弁体が加圧タンク側へ移動した状態の一例を示す断面図
【
図10】第一実施形態による通し穴と規制部との位置関係の一例を
図9のX10-X10線に沿って示す図
【
図11】第一実施形態による微細気泡発生器の一例を示す断面図
【
図12】第一実施形態による微細気泡発生器の一例を
図11のX12-X12線に沿って示す断面図
【
図13】第二実施形態による吸気弁の概略構成の一例を
図5の矢印X8部分を拡大して示す
図8相当図
【
図14】第三実施形態による吸気弁の概略構成の一例を
図5の矢印X8部分を拡大して示す
図8相当図
【
図15】第四実施形態による吸気弁の概略構成の一例を
図5の矢印X8部分を拡大して示す
図8相当図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、各実施形態において、構成要素等に付された「第1」、「第2」との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0008】
(第1実施形態)
図1に示す洗濯機10は、回転槽13の回転軸が水平へ向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機である。洗濯機10は、外箱11、水槽12、回転槽13、モータ14、排水経路15、排水弁16、フィルタ装置17、循環経路18、及び循環ポンプ19を備えている。なお、
図1において、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。なお、洗濯機は、ドラム式に限らず、回転槽の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦型洗濯機であっても良い。
【0009】
図1に示す洗濯機10において、水槽12は、外箱11内に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽13は、水槽12内に回転可能に配置されており、モータ14によって回転駆動される。排水経路15は、水槽12内に貯留されている水を洗濯機10の機外に排出するための経路である。排水経路15は、例えば可撓性を有する排水ホースで構成されており、一方の端部が排水弁16に接続され、他方の端部が洗濯機10の機外に引き出されている。
【0010】
排水弁16は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。排水弁16は、水槽12の底部に設けられた排水口121と、排水経路15との間に設けられている。排水弁16は、図示しない制御装置からの制御信号に基づき、排水経路15を開閉する。フィルタ装置17は、排水口121と排水弁16との間に設けられている。フィルタ装置17は、内部に網目状のフィルタ171を有しており、そのフィルタ171によって、フィルタ装置17内を通過する水に含まれるリントやゴミを捕集する。
【0011】
循環経路18は、水槽12内に貯留されている水を汲み上げて、その汲み上げた水を水槽12の上部から再び水槽12内に供給するための経路である。循環経路18は、水槽12の内部に設けられている。循環経路18の一方の端部は、フィルタ装置17を介して水槽12の排水口121に接続されており、他方の端部は、水槽12の上部に設けられたノズル部181に接続されている。ノズル部181は、詳細は図示しないが、ノズル部181から吐出された水が水槽12の中央側へ向かうように構成されている。
【0012】
循環ポンプ19は、循環経路18上に設けられている。排水弁16によって排水経路15が閉じられた状態で循環ポンプ19が駆動すると、循環ポンプ19は、排水口121を通して水槽12内の水を汲み上げて、ノズル部181から再び水槽12内へ注水する。これにより、循環ポンプ19は、水槽12内に貯留されている水を、循環経路18を通して循環させる。
【0013】
また、洗濯機10は、接続口21、給水弁22、第1給水経路23、第2給水経路24、注水ケース30、加圧溶解装置40、吸気弁50、及び微細気泡発生器60を備えている。接続口21は、給水ホース100を介して水道の蛇口等の外部の給水源に接続される。給水弁22は、電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁である。給水弁22は、接続口21に接続され、第1給水経路23及び第2給水経路24を個別に開閉する機能を有する。
【0014】
第1給水経路23及び第2給水経路24は、
図1に示すように、給水弁22を起点に分岐してそれぞれ異なる経路を辿って注水ケース30で合流し、注水ケース30を介して水槽12に至る経路である。すなわち、第1給水経路23及び第2給水経路24は、注水ケース30を介して間接的に水槽12に接続されている。この場合、第1給水経路23は、外部の給水源から接続口21に供給された水が給水弁22を通って直接注水ケース30に供給される経路である。
【0015】
第2給水経路24は、外部の給水源から接続口21に供給された水が給水弁22、加圧溶解装置40、及び微細気泡発生器60を通って注水ケース30に供給される経路である。そして、第2給水経路24は、外部の給水源から供給された水に微細気泡を含ませた微細気泡水を水槽12内に供給する機能を有する。
【0016】
注水ケース30は、例えば樹脂製であって内部に空間を有する略矩形箱状に形成されている。注水ケース30は、外部の給水源から給水弁22を介して供給された水を受けて水槽12内に注水する機能を有する。注水ケース30は、
図1及び
図2に示すように、洗濯処理剤ケース31、注水口32、連結部33、及び接続部34を有している。洗濯処理剤ケース31は、例えば上面側が開口した容器状に形成されており、洗濯処理剤を内部に収容可能に構成されている。また、洗濯処理剤ケース31は、注水ケース30内から出し入れ可能に設けられている。洗濯処理剤ケース31は、第1給水経路23上において給水弁22の下流側に設けられている。なお、本実施形態において、洗濯処理剤とは、例えば粉末洗剤や液体洗剤等の洗剤、及び柔軟剤や香り付け剤等の仕上げ剤を含む概念である。
【0017】
洗濯処理剤ケース31は、処理剤流出部311を有している。処理剤流出部311は、
図4に示すように、例えば洗濯処理剤ケース31の底部に設けられた1つ又は複数の穴であり、注水ケース30内において洗濯処理剤ケース31の内部と外部とを連通している。この場合、処理剤流出部311は、注水ケース30における底部に向かって開口している。
【0018】
注水口32は、
図1に示すように、注水ケース30の下部に設けられ、注水ケース30と外部とを連通しており、水槽12側へ向かって開口している。連結部33は、
図2及び
図3に示すように、注水ケース30を構成する壁面のうち加圧溶解装置40と対向する壁面に設けられ、注水ケース30の内部と外部とを連通している。連結部33は、例えば筒状に形成され、吸気弁50が着脱可能に構成されている。
【0019】
連結部33は、穴331を有している。穴331は、
図5に示すように、注水ケース30の側面を厚み方向に貫通して形成されている。接続部34は、
図2に示すように、注水ケース30を構成する壁面のうち加圧溶解装置40と対向する壁面に設けられ、注水ケース30と加圧溶解装置40とを連通している。この場合、加圧溶解装置40から流出した水は、接続部34を通って注水ケース30内に流入する。
【0020】
また、注水ケース30は、
図4に示すように、起立部35、段部36、カバー部材37、処理剤用流路381、微細気泡水用流路382、及び注水経路39を有している。起立部35は、
図4に示すように、注水ケース30の底部を立ち上げて形成されている。段部36は、起立部35から連続して形成されており、起立部35から上方に延びる。段部36は、第1傾斜部361、第2傾斜部362、及び第3傾斜部363を有している。各傾斜部361、362、363は、起立部35から離れる方向に向かうにしたがって次第に上方に傾斜している。第1傾斜部361は、起立部35の端部に連続して形成されている。第2傾斜部362は、
図4に示すように、第1傾斜部361及び第3傾斜部363よりも傾斜が急である。
【0021】
カバー部材37は、
図3に示すように、平面視において例えば略L字状に構成されており、注水ケース30の底面の起立部35及び段部36の一部を覆っている。カバー部材37は、断面が例えばコの字状又はU字状に形成されており、起立部35及び段部36上面との間に気体や液体が通過可能に構成されている。カバー部材37は、起立部35及び段部36の上面に沿って流れる水の流れを水平方向に仕切っている。
【0022】
また、カバー部材37は、流出口371を有している。流出口371は、
図4に示すように、第3傾斜部363と重なる位置に配置されており、カバー部材37の内部と外部とを連通している。流出口371は、注水ケース30の底部よりも上方であってかつ微細気泡発生器60の出口よりも上方に設けられている。また、流出口371は、処理剤ケース31よりも下方に設けられている。
【0023】
処理剤用流路381は、第1給水経路23上に設けられ、給水弁22と洗濯処理剤ケース31とを接続する流路である。すなわち、処理剤用流路381は、給水弁22を通って注水ケース30内に流入した水を洗濯処理剤ケース31の所定の位置に導くための流路である。この場合、処理剤用流路381は、洗濯処理剤ケース31が注水ケース30内に収容されている状態で洗濯処理剤ケース31の内部に接続されている。つまり、給水弁22を通った水は、処理剤用流路381を通って洗濯処理剤ケース31内に注がれる。そして、処理剤用流路381は、
図4の白抜き矢印Aで示す方向に液体を供給する。
【0024】
このとき、洗濯処理剤ケース31内に洗濯処理剤が収容されていると、その洗濯処理剤は、洗濯処理剤ケース31内に注がれた水と混合して、処理剤流出部311から洗濯処理剤ケース31外へ流れ落ちる。処理剤用流路381は、注水ケース30と一体に設けられた構造であっても良いし、注水ケース30とは別部材で構成されていても良い。
【0025】
微細気泡水用流路382は、第2給水経路24上に設けられ、加圧溶解装置40及び微細気泡発生器60を通過して注水ケース30内に流入した水を注水ケース30の所定の位置に導くための流路である。この場合、微細気泡水用流路382は、カバー部材37と起立部35及び段部36との間の空間に形成されている。そして、微細気泡水用流路382は、
図3及び
図4の黒矢印Bで示す方向に液体を供給する。すなわち、微細気泡水用流路382は、加圧溶解装置40及び微細気泡発生器60を通過して注水ケース30内に導入された微細気泡を含んだ微細気泡水を一旦上方に導いて下方へ流すための流路である。
【0026】
このように、加圧溶解装置40及び微細気泡発生器60から接続部34を通って注水ケース30内に流入した水は、微細気泡水用流路382を通過して流出口371から流出した後に、段部36及び起立部35の上面に沿って注水ケース30内の下方に向かって流れる。
【0027】
ここで、微細気泡発生器60から流出した水は比較的水勢が強い状態で注水ケース30内に導入される。そこで、微細気泡発生器60から流出した水を比較的断面積が小さく距離のある微細気泡水用流路382に通すことによって、水勢を弱めて効率良く気泡を析出させることができる。更に、微細気泡水用流路382内を通すことによって水の流れを整えることができる。
【0028】
注水経路39は、
図3及び
図4に示すように、注水ケース30の底部に設けられて、注水ケース30内に供給された水を水槽12へ流す流路である。本実施形態の場合、
図4に示すように、処理剤用流路381を通って洗濯処理剤ケース31内で洗濯処理剤と混合した後に処理剤流出部311から流出した水と微細気泡水用流路382を通った微細気泡水とは、注水経路39上で合流する。そして、注水経路39を流れる水は、注水口32から水槽12内に注水される。
【0029】
加圧溶解装置40は、
図1に示すように、第2給水経路24上であって、注水ケース30の上流側に設けられている。加圧溶解装置40は、外部の給水源から供給される水に対し空気成分を加圧溶解させる機能を有する。この場合、加圧溶解装置40は、加圧タンク41内の水を加圧してその水に加圧タンク41内の空気成分を溶解させる。加圧溶解装置40は、
図5に示すように、水が黒矢印C方向に流れる流路を構成する。
【0030】
加圧溶解装置40は、加圧タンク41、入口部42、出口部43、導水部44、仕切壁45、及び空気導入部46を有している。加圧タンク41は、給水弁22を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留することができる。加圧タンク41は、気密及び水密性を有するとともに耐圧性を有する容器状に構成されている。そして、加圧タンク41は、例えば図示しない複数のネジ部材によって注水ケース30に固定されている。なお、耐圧性とは、外部の給水源から流入する水の圧力この場合水道圧によって、加圧タンク41内の内部圧力が上昇した場合でも、加圧タンク41の変形を抑えて気密性及び水密性が維持されることを意味する。
【0031】
本実施形態では、加圧タンク41は、複数のタンク部材この場合2つのタンク部材411、412を組み合わせて加圧タンク41の内部に空間Sが形成されるように構成されている。なお、加圧タンク41は、2つのタンク部材を組み合わせた構成に限らず、3つ以上のタンク部材を組み合わせた構成であっても良い。
【0032】
本実施形態の場合、加圧タンク41は、第1タンク部材411、第2タンク部材412、及ぶシール部材413を有している。第1タンク部材411及び第2タンク部材412は、例えば合成樹脂製で形成されている。この場合、第1タンク部材411と第2タンク部材412とを突き合せた部分つまり接合部分は、例えば振動溶着や超音波溶着等の溶着によって接合されている。すなわち、第1タンク部材411と第2タンク部材412とは、各タンク部材411、412同士の溶着によって接合されている。このように、複数のタンク部材411、412を溶着により一体化することによって、複数のタンク部材411、412間の気密性及び水密性を確保することができる。なお、複数のタンク部材411、412の接合は溶着に限らず、例えばネジ部材や接着剤によって接合する構成としても良い。
【0033】
シール部材413は、
図5及び
図11に示すように、出口部43の他方の端部の外周面に設けられている。シール部材413は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。
【0034】
入口部42は、
図2に示すように、例えば合成樹脂製で筒状に構成されており、加圧タンク41の外部から内部に流入する水が通る部分である。また、出口部43は、
図2に示すように、例えば合成樹脂製で筒状に構成されており、加圧タンク41の内部から外部に流出する水が通る部分である。本実施形態の場合、入口部42及び出口部43は、複数のタンク部材411、412のうち同一のタンク部材411に設けられている。
【0035】
更に、入口部42又は出口部43の一方又は両方は、注水ケース30に直接接続することができる。直接接続とは、入口部42又は出口部43と注水ケース30との間に他の部品が介在することなく相互に接続されることを意味する。本実施形態の場合、入口部42は、
図2及び
図6に示すように、第1タンク部材411の上部側に位置して設けられており、耐圧ホース101を介して給水弁22に接続されている。このようにして、第2給水経路24に供給された水は、耐圧ホース101を介して入口部42を通って加圧タンク41内に導入される。
【0036】
出口部43は、
図5に示すように、一方の端部が第1タンク部材411の底部に接続されて、他方の端部が接続部34に接続されている。つまり、第1タンク部材411は、出口部43を介して接続部34に直接接続されている。この場合、出口部43の他方の端部は、接続部34に挿入可能に構成されている。そして、出口部43の外周面と接続部34の内周面とによってシール部材413が押圧されて、出口部43と接続部34とが水密状態で接続される。このように、本実施形態では、入口部42又は出口部43の一方である出口部43が注水ケース30に直接接続されている。なお、本実施形態においては、出口部43からの排水は加圧タンク41に貯留した水の水圧つまり静水圧のみで行われ、排水のための専用のポンプ等の駆動源を要していない。
【0037】
また、第1タンク部材411は、導水部44を有している。導水部44は、
図5及び
図6に示すように、入口部42から繋がり第2タンク部材412側へ延びて、入口部42から加圧タンク41内に供給された水を第2タンク部材412側に導くためのものである。導水部44は、例えば筒状に形成されて、一方の端部が第1タンク部材411の内壁に取付けられており、他方の端部つまり先端部341が開放されている。そして、導水部44の先端部441は、
図6に示すように、第2タンク部材412の内壁に対して隙間Gを有して配置されている。
【0038】
この場合、第2タンク部材412の内壁において、導水部44の先端部441と対向した位置には窪み部414が形成されている。窪み部414は、例えば第2タンク部材412の内壁を窪み部414の周辺の内壁に対して円形状に外方へ窪ませて形成されている。窪み部414は、導水部44の先端部441を収容可能に構成されている。窪み部414の内径寸法と先端部441の外径寸法とは、例えば嵌め合い公差の関係とすることができ、例えばいわゆる隙間ばめ又は締まりばめ、若しくは中間ばめの関係とすることができる。
【0039】
導水部44は、導水口442、隔壁443、及び通水部444を有している。導水口442は、導水部44の外周面に形成されており、入口部42に接続されている。入口部42を通った水は、導水口442から導水部44内に流出する。隔壁443は、
図6に示すように、導水部44の延伸方向において導水口442よりも第1タンク部材411側に設けられている。隔壁443は、導水部44を閉塞する壁として機能しており、導水部44に流入した水の流れを導水部44の延伸方向に変換するためのものである。
【0040】
通水部444は、導水部44の底部に導水部44を厚み方向に貫通して形成されている。通水部444は、導水部44を通る水を加圧タンク41内に落下させるためのものである。このように、通水部444から流出し落下した水は、加圧タンク41内部に貯留した水面の上部の空気を引き込みながら、水面に対して激しく衝突する。これにより、通水部444から落下した水の衝突時のエネルギーによって加圧タンク41内に貯留した水が撹拌されて、加圧タンク41内部の空気成分の溶解が促進される。なお、上述したように、導水部44の先端部441と先端部441に対向した第2タンク部材412の内壁との間には隙間Gが形成されているため、隙間Gからの水の流出が生じるが、その流出量は通水部444から流出する水の量に比べて少量である。
【0041】
仕切壁45は、
図5に示すように、加圧タンク41内の底部から立ち上がって設けられ、加圧タンク41内の空間Sの一部を水平方向に仕切っている。仕切壁45は、複数のタンク部材411、412のうち第2タンク部材412に設けられている。この場合、導水部44は、
図6に示すように、平面視において入口部42に対して仕切壁45を越えた位置まで延びており、導水部44内を通る水を入口部42に対して仕切壁45を越えた位置で放水する。すなわち、通水部444は、導水部44の延伸方向において入口部42に対して仕切壁45を超えた位置に配置されている。
【0042】
これにより、
図5の黒矢印Cに示すように、通水部444から注水された水が仕切壁45と第2タンク部材412の内壁との間の空間における水面で撹拌されることで、加圧タンク41内の水と空気とを効率良く接触させることができる。よって、加圧タンク41内の水に対する空気成分の溶解を促進することができる。更に、平面視において、通水部444の位置を出口部43からなるべく離れた位置に配置することによって加圧タンク41内における水と空気との接触時間を長くすることができるため、より多くの空気成分を水に溶解させることができる。
【0043】
また、仕切壁45には、
図7に示すように、スリット451が形成されている。スリット451は、微細気泡よりも粒径の大きな泡を遮蔽する機能を有している、導水部44を通って通水部444から流出した水のうち仕切壁45の上端よりも下方に位置する水は、仕切壁45のスリット451を通過して出口部43側の空間に流れる。このとき、通水部444から落下した水が水面と衝突することにより発生した例えばミリオーダーの比較的大きな気泡は、スリット451を通過せずに出口部43側の空間に流出することなく消滅する。
【0044】
空気導入部46は、
図5に示すように、加圧タンク41の内部と外部を連通しており、加圧タンク41内に外気を導入するためのものである。空気導入部46は、第1タンク部材411の上部側であって、連結部33に対応した位置に設けられている。つまり、空気導入部46は、出口部43よりも上方でかつ通水部444よりも下方に配置されている。また、空気導入部46は、例えば筒状に形成され、吸気弁50が着脱可能に構成されている。
【0045】
空気導入部46は、
図8に示すように、通し穴461及び規制部462を有している。通し穴461は、例えば空気導入部46を構成する壁面のうち注水ケース30と対向した壁面463を厚み方向に貫通して形成されている。規制部462は、例えば台形状に形成され、加圧タンク41から注水ケース30に向かって突出して設けられている。規制部462は、通し穴461の周囲に例えば等間隔で相互に離れた位置に複数この場合4つ設けられている。規制部462は、加圧タンク41と一体に形成することができる。
【0046】
吸気弁50は、
図2及び
図5にも示すように、加圧タンク41と注水ケース30とを開閉可能に接続するとともに加圧タンク41と注水ケース30との間の空間に設けられている。吸気弁50は、加圧タンク41内の圧力が上昇することに伴って加圧タンク41と注水ケース30との間を閉じ、加圧タンク41内の圧力が低下することに伴って加圧タンク41と注水ケース30との間を開く。すなわち、吸気弁50は、加圧タンク41の内部と注水ケース30の内部との間を気体及び液体が出入り可能に連通する開状態と、加圧タンク41の内部と注水ケース30の内部との間を気体及び液体が出入り不可に閉鎖する閉状態と、を切替える機能を有する。
【0047】
例えば吸気弁50は、加圧タンク41内の圧力が予め設定された所定圧力を超えると閉じて、加圧タンク41内の圧力が所定圧力以下になると開く構成にできる。つまり、吸気弁50は、開閉動作に電気的な制御を要しない構成にできる。ここで、所定圧力は、大気圧よりも高い圧力に設定することができる。また、弁体52のサイズや重量、テーパ部511の傾斜角度を調整することで、吸気弁50の開閉に要する所定圧力を調整できる。
【0048】
本実施形態の場合、吸気弁50は、
図2に示すように、注水経路39よりも上方で注水ケース30と接続されている。更に、吸気弁50は、注水ケース30の起立部35よりも上方で注水ケース30と接続されている。つまり、吸気弁50は、注水ケース30内を流れる水の水路よりも上方に配置されている。これにより、注水ケース30内の液体が吸気弁50に流入するおそれを低減することで、加圧タンク41内に安定して注水ケース30内部の空気を導入することができる。
【0049】
吸気弁50は、
図8に示すように、弁座部材51、弁体52、及び継手部材53を有している。弁座部材51は、例えばポリアセタールやポリアミド等の合成樹脂製で筒状に形成されている。弁体52は、例えばフッ素樹脂、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の合成樹脂製又はアルミ等の金属製で球状に形成されている。弁座部材51のうち少なくとも弁体52と接触する部分は、弁体52と異なる材料で構成できる。弁体52は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等の比重が1未満の樹脂材で形成し、又は弁体52の内部を中空とすることにより全体として比重が1未満に構成し、これにより水に浮くように構成することができる。
【0050】
弁座部材51は、テーパ部511及び連通部512を有している。テーパ部511は、弁体52を内部に収容可能に形成され、例えば水平方向に延びる中心軸を有した円錐の筒状に構成されている。テーパ部511は、加圧タンク41側から注水ケース30側へ向かうほど内径が小さくなっている、つまり注水ケース30側から加圧タンク41側へ向かうほど内径が広がっている。
【0051】
加圧タンク41内の圧力が所定圧力を超える場合、弁体52は、
図8に示すように、圧力Pを受けてテーパ部511の傾斜に沿って注水ケース30側へ移動する。一方、加圧タンク41内の圧力が所定圧力以下つまり大気圧に近い若しくは大気圧である場合、弁体52は、
図9に示すように、弁体52の自重によってテーパ部511の傾斜に沿って加圧タンク41側へ移動する。
【0052】
ここで、例えば弁体52と通し穴461の周縁とが接触する構成とした場合、吸気弁50の開閉動作に伴って弁体52が通し穴461の周縁に対して繰り返し衝突することとなる。この衝突によって通し穴461の周縁の摩耗が進行すると、弁体52が通し穴461に嵌ってしまい空気の流通が阻害されるといった不具合を生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、上述したように、通し穴461の周辺に複数の規制部462が設けられている。そして、弁体52は、加圧タンク41側へ移動すると規制部462に接触する。つまり、規制部462は、弁体52の加圧タンク41側への所定以上の移動を規制する。このようにして、弁体52を規制部462と接触させて、通し穴461の周縁とは接触しない構成とすることで、弁体52と通し穴461の周縁とが繰り返し接触することによって発生する不具合を回避できる。
【0053】
また、
図10に示すように、隣接する規制部462の間には隙間が存在している。当該隙間は、弁体52が規制部462に接触した状態であっても維持される。そのため、当該隙間から空気の流通が常時可能となっており、通し穴461は、規制部462が弁体52と接触した状態においても常時開放された状態である。
【0054】
連通部512は、
図8に示すように、穴331に対応した位置に設けられて、例えば筒状に形成され、穴331に挿入可能に構成されている。連通部512は、テーパ部511より注水ケース30側に形成され、弁体52の外径よりも小さい内径で構成されている。連通部512は、弁体52が加圧タンク41内の圧力変化に伴って弁座部材51の内部この場合テーパ部511に沿って移動することで開閉される。すなわち、連通部512は、弁体52が注水ケース30側へ移動してテーパ部511と密着した場合に閉塞され、弁体52がテーパ部511と密着していない場合に開放される。
【0055】
継手部材53は、
図8に示すように、例えば筒状に形成され、弁座部材51を内部に収容可能に構成されている。また、本実施形態の場合、継手部材53は、弁座部材51と一体であってかつ注水ケース30とは別体で構成されている。そして、継手部材53の内周面と空気導入部46の外周面との間には、シール部材54が設けられている。また、継手部材53の外周面と連結部33の内周面との間には、シール部材55が設けられている。シール部材54、55は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。継手部材53は、空気導入部46及び連結部33に対してシール部材54、55を介して水密状態で接続される。
【0056】
この構成において、弁体52によって連通部512が閉塞されると、加圧タンク41と注水ケース30との間が閉状態つまり加圧タンク41内に注水ケース30内の空気が導入されない状態となる。一方、弁体52が連通部512から離れる方向へ移動すると、加圧タンク41と注水ケース30との間が開状態つまり注水ケース30内から加圧タンク41内に空気が導入可能な状態となる。
【0057】
次に、加圧溶解装置40における加圧タンク41内の水に空気成分が溶解される状態について説明する。本実施形態では、加圧溶解装置40は、例えば加圧タンク41から流出する水量よりも加圧タンク41内に流入する水量を多くすることで、水道圧のみで加圧タンク41内を加圧することができる。この場合、加圧タンク41内の圧力が大気圧の状態つまり加圧タンク41内に水がほとんど溜まっていない初期の段階で給水弁22が開放されると、導水部44から流入した水のうち出口部43から流出しなかった残りの水が加圧タンク41内に貯留されて加圧タンク41内の水位が上昇する。このとき、加圧タンク41内の空気は上昇する水面に圧縮され、これにより加圧タンク41内の圧力が上昇して吸気弁50が閉鎖する。
【0058】
その後、導水部44からの水の流入が継続されて加圧タンク41内の水位が所定水位まで上昇すると、加圧タンク41内の圧力と外部の給水源から流入する水の圧力この場合水道圧とが均衡する。その結果、導水部44から流入する水の量と出口部43から加圧タンク41外に流出する水の量とが略等しくなり、加圧タンク41内が最大圧力この場合水道圧に近い圧力となる。このように、加圧タンク41内の圧力が大気圧よりも上昇することにより、加圧タンク41内の空気が加圧タンク41内に貯留されている水に溶解し易くなる。つまり、外部の給水源から供給された水を加圧溶解装置40に通すことによって、加圧溶解装置40の下流側に供給される水に対して、加圧溶解装置40を通らない通常の水に比べて多量の空気成分を溶存させた水を供給することができる。
【0059】
そして、加圧タンク41内に給水が開始されて、加圧タンク41内の水位が吸気弁50との接続位置よりも下方の状態で給水弁22を閉じた場合、加圧タンク41内への水の供給が停止し加圧タンク41からは水の流出のみが行われる。その後、加圧タンク41内の水位の低下に伴って加圧タンク41内の圧力も所定圧力以下に低下する。このとき、吸気弁50が開いて加圧タンク41内に外気が導入される。
【0060】
一方、加圧タンク41内の水位が吸気弁50との接続位置よりも上方の状態で給水弁22を閉じた場合、出口部43から加圧タンク41外に流出する水の流れに引き込まれるようにして弁体52が加圧タンク41側に移動する。このとき、弁体52が加圧タンク41側に移動することによって連通部512が開放されるが、加圧タンク41内には吸気弁50よりも下方に設けられた出口部43に向かう水流が発生しているため、吸気弁50から加圧タンク41内の水は積極的に排出され難い。また、吸気弁50から加圧タンク41内の水が僅かながら排出されたとしても、吸気弁50は連結部33を介して注水ケース30と接続されているため、その水は注水ケース30内に排出される。このようにして、例えば注水ケース30周辺の電装品等に水が掛かってしまうことを防ぐことができる。
【0061】
そして、加圧タンク41内の水位が吸気弁50との接続位置を下回ると、加圧タンク41内に外気が導入される。このように、加圧溶解装置40は、給水弁22の開閉を繰り返すことで、空気成分を溶解させた水を繰り返し吐出することができる。
【0062】
微細気泡発生器60は、加圧タンク41から流出した水に微細気泡を析出させる機能を有する。微細気泡発生器60は、
図5及び
図11に示すように、出口部43と接続部34との間にて支持された状態で取付けられている。この場合、微細気泡発生器60は、出口部43と接続部34との間で挟み込まれた状態で取付けられている。なお、微細気泡発生器60は、出口部43と接続部34に対して圧入によって固定される構成としても良い。そして、微細気泡発生器60の外周面には、シール部材71が設けられている。シール部材71は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。そして、微細気泡発生器60の外周面と接続部34の内周面とによってシール部材71が押圧されて、微細気泡発生器60と接続部34との間の水密性が確保される。
【0063】
本実施形態の微細気泡発生器60は、直径及び全長が例えば数mm~数十mm程度、具体的には直径が最大約15mmで長さが約10mmに設定されている。微細気泡発生器60は、
図11に示すように、絞り部61、ストレート部62、及び衝突部63を有している。絞り部61及びストレート部62は、微細気泡発生器60の長手方向へ向かって黒矢印D方向へ水を流す流路を構成する。
【0064】
絞り部61は、微細気泡発生器60の流入側つまり上流側に設けられている。絞り部61は、微細気泡発生器60の長手方向の上流側端部から途中部分にかけて流路の断面積つまり内径が連続的に徐々に減少するようないわゆる截頭円錐形のテーパ管状に形成されている。ストレート部62は、絞り部61の下流側に設けられている。ストレート部62は、内径が変化しない、すなわち流路の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。
【0065】
衝突部63は、ストレート部62の下流端部分に設けられている。衝突部63は、微細気泡発生器60における水の通過可能な断面積を局所的に縮小することで、微細気泡発生器60を通過する液体中にナノオーダーの微細気泡を多量に発生させることができる。
【0066】
また、本実施形態の場合、衝突部63は、
図12に示すように、例えば先端が尖った4本の棒状の部分で構成され、ストレート部62の内周面からこのストレート部62の断面における中心方向へ向かって突出している。4本の衝突部63は、ストレート部62の断面の周方向に向かって相互に等間隔に離間した状態で配置されている。この場合、各衝突部63の下流側の面は、平坦面に形成されている。また、各衝突部63で構成される隙間の面積が、微細気泡発生器60における水の通過可能な最小断面積となる。
【0067】
微細気泡発生器60の上流側に水が流入すると、截頭円錐テーパ形状に縮小するように形成された絞り部61において流路断面積が絞られることによって、流体力学のいわゆるベルヌーイの定理に基づき流速が高められるとともに減圧によるキャビテーションが発生する。そして、その高速流が衝突部63に衝突することで作用するせん断力によって細分化された微細気泡が生成される。これにより、微細気泡発生器60は、微細気泡発生器60内を通過する水の中に溶存している空気を微細気泡として多量に析出させて、微細気泡発生器60を通過する以前よりも微細気泡を多量に含んだ微細気泡水を供給することができる。
【0068】
ここで、一般に、微細気泡又はファインバブルは、その気泡の粒子径によって次のように分類されている。例えば、粒子径が50nm~1,000nm未満つまりナノオーダーの気泡は、ウルトラファインバブルと称されている。これに対し、粒子径が数μmから100μm程度つまりマイクロオーダーの気泡は、マイクロバブルと称されている。なお、本実施形態において、ナノオーダーの微細気泡、ウルトラファインバブル及びナノバブルは、いずれも同義であり、粒子径がナノオーダーの気泡を意味する。
【0069】
ナノバブルは、洗剤に含まれる界面活性剤との相互作用により洗剤のミセル化を防止し洗浄能力を向上させることができる。更に、ナノバブルは、粒径が細かいため繊維の奥の方まで浸透し、汚れや残存している洗剤成分つまり界面活性成分を洗濯物から除去する洗浄効果を発揮することができる。
【0070】
また、マイクロバブルは、電気的特性としてマイナス電荷を帯びており、洗濯物に付着したプラス電荷を帯びた皮脂汚れ等の汚れと静電的に吸着しやすい。マイクロバブルとの電気的反応により洗濯物から引き剥がされた汚れは、マイクロバブル表面に吸着したままマイクロバブルの浮力により水面に浮上し滞留する。更に、気泡表面がマイナスに帯電したマイクロバブル同士は反発しあい結合することがなく液体中では分散するため、洗濯物から取り除いた汚れが洗浄水中で再び洗濯物に付着することを抑制することができる。
【0071】
本実施形態の場合、微細気泡発生器60は、単体では主にナノオーダーの微細気泡つまりナノバブルを析出させる機能を有するが、微細気泡発生器60を通過する水に溶解している空気の量を増やすことで、粒径の大きいマイクロオーダーの微細気泡つまりマイクロバブルも析出させることができる。これは、水に溶解している空気の量が増えると、微細気泡発生器60を通過した際に生成されるナノバブルも増え、その結果、生成されたナノバブルの一部が相互に結合してマイクロバブルに発達するからと推測される。
【0072】
そして、本実施形態では、微細気泡発生器60の上流側に加圧溶解装置40が設けられている。そのため、微細気泡発生器60を通過する水に含まれる空気量を増大させることができる。これにより、微細気泡発生器60を通過した水に、多量のナノバブル及びマイクロバブルを生成させることができ、その結果、ナノバブルによる洗浄効果と、マイクロバブルによる汚れの再付着を抑制する効果と、を同時に得ることができる。
【0073】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、水槽12と、給水弁22と、注水ケース30と、加圧タンク41と、吸気弁50と、微細気泡発生器60と、を備える。給水弁22は、外部の給水源に接続される。注水ケース30は、外部の給水源から給水弁22を介して供給された水を受けて水槽12内に注水する機能を有する。加圧タンク41は、給水弁22の下流側に設けられ、給水弁22を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留する。吸気弁50は、加圧タンク41と注水ケース30とを開閉可能に接続するとともに加圧タンク41と注水ケース30との間の空間に設けられている。そして、吸気弁50は、加圧タンク41内の圧力が上昇することに伴って加圧タンク41と注水ケース30との間を閉じ、加圧タンク41内の圧力が低下することに伴って加圧タンク41と注水ケース30との間を開く。微細気泡発生器60は、加圧タンク41から流出した水に微細気泡を析出させる。
【0074】
これによれば、微細気泡発生器60によって析出される微細気泡を含む微細気泡水によって洗浄効果の向上を図ることができる。また、吸気弁50を加圧タンク41と注水ケース30との間で直結させることによって、部品点数の削減を図ることができる。これにより、洗濯機10の組立作業性を向上させることができるとともに、洗濯機10の製造コストの低減を図ることができる。
【0075】
また、吸気弁50は、注水ケース30内に供給された水を水槽12に流す注水経路39よりも上方で注水ケース30と接続されている。これによれば、注水ケース30内の液体が吸気弁50に流入するおそれがないため、加圧タンク41内に安定して注水ケース30内部の空気を導入することができる。これにより、加圧タンク41内に貯留した水に空気成分を円滑に溶解することができる。
【0076】
更に、吸気弁50は、弁座部材51及び弁体52を有する。弁座部材51は、連通部512を有する。連通部512は、加圧タンク41と注水ケース30との間を連通し気体が通過可能に構成されている。弁体52は、球状に形成され加圧タンク41内の圧力変化に伴って弁座部材51の内部を移動することで連通部512を開閉する。
【0077】
これによれば、球状に形成された弁体52の移動によって連通部512が開閉する構造を採用することによって、例えばいわゆるゴム弁に比べて経年劣化を抑制しつつ、弁座部材51と弁体52とは線接触によって接触するつまり両者の接点が小さいため各部材間の溶着等による異常を生じ難くできる。これにより、吸気弁50のメンテナンス性を向上することができる。
【0078】
また、弁座部材51のうち少なくとも弁体52と接触する部分は、弁体52と異なる材料で構成されている。これによれば、弁体52と弁座部材51のうち弁体52と接触する部分との間の摩擦力を調整することができる。これにより、弁体52と弁座部材51のうち弁体52と接触する部分との間に発生する摩擦力が過度に大きくならないように調整することができるため、吸気弁50の耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0079】
更に、洗濯機10は、空気導入部46を更に備える。空気導入部46は、加圧タンク41の内部と外部を連通しており、加圧タンク41内に外気を導入する機能を有する。そして、空気導入部46は、通し穴461及び規制部462を有する。通し穴461は、空気導入部46を構成する壁面のうち注水ケース30と対向した壁面463を厚み方向に貫通して形成されている。規制部462は、通し穴461の周囲に設けられ、加圧タンク41から注水ケース30に向かって突出して形成されて、弁体52の加圧タンク41側への所定以上の移動を規制する。
【0080】
これによれば、例えば吸気弁50の開閉動作に伴って弁体52が通し穴461の周縁に対して繰り返し衝突することで、通し穴461の周縁の摩耗が進行し、弁体52が通し穴461に嵌ってしまい空気の流通が阻害されるといった不具合を回避できる。これにより、加圧タンク41の内部と注水ケース30の内部との気体及び液体の出入りを円滑に行うことができる。よって、加圧タンク41内に安定して注水ケース30内部の空気を導入することができる。
【0081】
また、吸気弁50は、継手部材53を更に有する。継手部材53は、弁座部材51を内部に収容可能である。そして、継手部材53は、弁座部材51と一体であってかつ注水ケース30とは別体に構成されている。これによれば、継手部材53と弁座部材51とを一体とすることで部品点数の削減を図ることができる。更に、継手部材53と注水ケース30とを別体とすることで、各部材の材質選択の自由度を高めることができる。これにより、各部材に要求される性能に応じて柔軟に様々な材質を選択することが可能となり、各部材の機能を効果的に発揮することができる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、
図13を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態では、吸気弁50の具体的構成が上記第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態の継手部材53は、弁座部材51と一体であってかつ注水ケース30とは別体で構成されているのに対し、この第2実施形態では、継手部材53は、弁座部材51と一体に構成されている。更に、継手部材53及び弁座部材51は、注水ケース30とも一体に構成されている。この場合、継手部材53は、例えば樹脂成型や曲げ加工等によって注水ケース30と一体に構成されている。なお、第2実施形態において、
図13に記載されていない各構成は、上記第1実施形態と同様のものにできる。
【0083】
これによれば、継手部材53と注水ケース30とを一体に構成することによって、シール部材55等を省略することができるため、部品点数を削減することができる。更に、弁座部材51と注水ケース30とを一体に構成することで、例えば洗濯機10の製造時において、連通部512を穴331に挿入する手間等がなくなるため、洗濯機10の組立作業性を向上することができる。
【0084】
(第3実施形態)
次に、
図14を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態では、継手部材53は、弁座部材51と別体であってかつ注水ケース30と一体である。すなわち、上記第2実施形態では、弁座部材51と継手部材53とが一体でかつ弁座部材51及び継手部材53が注水ケース30と一体で構成されているのに対し、この第3実施形態は、継手部材53と注水ケース30は一体にして、弁座部材51を注水ケース30及び継手部材53と別体に構成している。なお、第3実施形態において、
図14に記載されていない各構成は、上記第1実施形態又は第2実施形態と同様のものにできる。
【0085】
これによれば、継手部材53と注水ケース30とを一体に構成することによって、シール部材55を省略することができるため、部品点数を削減することができる。また、継手部材53と弁座部材51とを別体とすることで、各部材の材質選択の自由度を高めることができる。これにより、各部材に要求される性能に応じて柔軟に様々な材質を選択することが可能となり、各部材の機能を効果的に発揮することができる。
【0086】
(第4実施形態)
次に、
図15を参照して第4実施形態について説明する。第4実施形態では、継手部材53は、弁座部材51及び注水ケース30と別体である。すなわち、この第4実施形態では、注水ケース30、弁座部材51、及び継手部材53は、全て別体に構成されている。なお、第4実施形態において、
図15に記載されていない各構成は、上記各実施形態1~3と同様のものにできる。
【0087】
これによれば、注水ケース30、弁座部材51、及び継手部材53をそれぞれ別体とすることで、例えば高い加工精度が求められる弁座部材51は品質管理上の加工基準を厳格にしつつ、寸法誤差が弁座に比べて許容される継手部材53は、品質管理上の加工基準を弁座部材51に比べて緩やかにするなど、各部材に応じた柔軟な品質管理を行うことができ、不良品発生を少なく抑えて製造歩留まりの向上を図ることができる。
【0088】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
10…洗濯機、12…水槽、22…給水弁、30…注水ケース、39…注水経路、41…加圧タンク、46…空気導入部、461…通し穴、462…規制部、50…吸気弁、51…弁座部材、512…連通部、52…弁体、53…継手部材、60…微細気泡発生器
【手続補正書】
【提出日】2021-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の給水源に接続される給水弁と、
前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、
前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、
前記加圧タンクの内部で空気成分が溶解された水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、
前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとを連通する空間に設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、
を備える洗濯機。
【請求項2】
前記吸気弁は、前記注水ケース内に供給された水を前記水槽に流す注水経路よりも上方に配置されている、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記吸気弁は、
前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を連通し気体が通過可能な連通部を有する弁座部材と、
球状に形成され前記加圧タンク内の圧力変化に伴って前記弁座部材の内部を移動することで前記連通部を開閉する弁体と、を有する、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記弁座部材のうち少なくとも前記弁体と接触する部分は、前記弁体と異なる材料で構成されている、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記加圧タンクの内部と外部を連通しており、前記加圧タンク内に外気を導入する空気導入部を更に備え、
前記空気導入部は、前記空気導入部を構成する壁面のうち前記注水ケースと対向した壁面を厚み方向に貫通して形成された通し穴と、前記通し穴の周囲に設けられ、前記加圧タンクから前記注水ケースに向かって突出して形成されて前記弁体の前記加圧タンク側への所定以上の移動を規制する規制部と、を有する、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体であってかつ前記注水ケースとは別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体に構成され、
前記継手部材及び前記弁座部材は、前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と別体であってかつ前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材及び前記注水ケースと別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態の洗濯機は、水槽と、外部の給水源に接続される給水弁と、前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、前記加圧タンクの内部で空気成分が溶解された水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとを連通する空間に設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、を備える。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の給水源に接続される給水弁と、
前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、
前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、
前記加圧タンクの内部で空気成分が溶解された水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、
前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとが互いに対向する壁面の間に形成された空間に設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、
を備える洗濯機。
【請求項2】
前記吸気弁は、前記注水ケース内に供給された水を前記水槽に流す注水経路よりも上方に配置されている、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記吸気弁は、
前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を連通し気体が通過可能な連通部を有する弁座部材と、
球状に形成され前記加圧タンク内の圧力変化に伴って前記弁座部材の内部を移動することで前記連通部を開閉する弁体と、を有する、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記弁座部材のうち少なくとも前記弁体と接触する部分は、前記弁体と異なる材料で構成されている、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記加圧タンクの内部と外部を連通しており、前記加圧タンク内に外気を導入する空気導入部を更に備え、
前記空気導入部は、前記空気導入部を構成する壁面のうち前記注水ケースと対向した壁面を厚み方向に貫通して形成された通し穴と、前記通し穴の周囲に設けられ、前記加圧タンクから前記注水ケースに向かって突出して形成されて前記弁体の前記加圧タンク側への所定以上の移動を規制する規制部と、を有する、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体であってかつ前記注水ケースとは別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体に構成され、
前記継手部材及び前記弁座部材は、前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と別体であってかつ前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材及び前記注水ケースと別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本実施形態の洗濯機は、水槽と、外部の給水源に接続される給水弁と、前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、前記加圧タンクの内部で空気成分が溶解された水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとが互いに対向する壁面の間に形成された空間に設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2022-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の給水源に接続される給水弁と、
前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、
前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、
前記加圧タンクの内部で空気成分が溶解された水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、
前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとが互いに対向する壁面の間に形成された空間に位置し前記加圧タンクと前記注水ケースとの間で直結して設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、
を備える洗濯機。
【請求項2】
前記吸気弁は、前記注水ケース内に供給された水を前記水槽に流す注水経路よりも上方に配置されている、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記吸気弁は、
前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を連通し気体が通過可能な連通部を有する弁座部材と、
球状に形成され前記加圧タンク内の圧力変化に伴って前記弁座部材の内部を移動することで前記連通部を開閉する弁体と、を有する、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記弁座部材のうち少なくとも前記弁体と接触する部分は、前記弁体と異なる材料で構成されている、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記加圧タンクの内部と外部を連通しており、前記加圧タンク内に外気を導入する空気導入部を更に備え、
前記空気導入部は、前記空気導入部を構成する壁面のうち前記注水ケースと対向した壁面を厚み方向に貫通して形成された通し穴と、前記通し穴の周囲に設けられ、前記加圧タンクから前記注水ケースに向かって突出して形成されて前記弁体の前記加圧タンク側への所定以上の移動を規制する規制部と、を有する、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体であってかつ前記注水ケースとは別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と一体に構成され、
前記継手部材及び前記弁座部材は、前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材と別体であってかつ前記注水ケースと一体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記吸気弁は、前記弁座部材を内部に収容可能な継手部材を更に有し、
前記継手部材は、前記弁座部材及び前記注水ケースと別体である、
請求項4に記載の洗濯機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本実施形態の洗濯機は、水槽と、外部の給水源に接続される給水弁と、前記外部の給水源から前記給水弁を介して供給された水を受けて前記水槽内に注水する注水ケースと、前記給水弁の下流側に設けられ、前記給水弁を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留される加圧タンクと、前記加圧タンクの内部で空気成分が溶解された水に微細気泡を析出させる微細気泡発生器と、前記加圧タンクと前記注水ケースとを開閉可能に接続するとともに前記加圧タンクと前記注水ケースとが互いに対向する壁面の間に形成された空間に位置し前記加圧タンクと前記注水ケースとの間で直結して設けられ、前記加圧タンク内の圧力が上昇することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を閉じ、前記加圧タンク内の圧力が低下することに伴って前記加圧タンクと前記注水ケースとの間を開く吸気弁と、を備える。