(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185363
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】パウチ
(51)【国際特許分類】
B65D 30/10 20060101AFI20221207BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20221207BHJP
B65D 30/20 20060101ALI20221207BHJP
B65D 73/00 20060101ALI20221207BHJP
B65D 77/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B65D30/10 X
B65D33/38
B65D30/20 K
B65D73/00 B
B65D77/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092997
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 忠
(72)【発明者】
【氏名】福田 真久
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064EA15
3E064EA16
3E064EA23
3E064FA04
3E064FA05
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS04
3E064HU02
3E067AA03
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA12A
3E067BB12A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA07
3E067CA15
3E067CA16
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB17
3E067EB32
3E067EC02
3E067EC13
3E067EE40
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】内容物の収容量が少ないときにおける収納スペースを低減可能なパウチを提供すること。
【解決手段】パウチ1は、表面シート101、裏面シート102、底面シート及び天面シート104を含む包装袋100と、スパウト200と、を備える。包装袋100は、折り曲げ可能な一対の側部シール部110と、表側底部シール部130と、裏側底部シール部140と、表側天部シール部150と、裏側天部シール部160と、を有する。表側天部シール部150及び裏側天部シール部160の少なくとも一方は、一対の側部シール部110と係合可能な一対の係止部170を有する。側部シール部110は、一対の係止部170と係合可能な一対の被係止部112を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シート、裏面シート、底面シート及び天面シートを含み、内容物を収容可能な包装袋と、
前記天面シートに固定されており、前記包装袋から前記内容物を注出するためのスパウトと、を備え、
前記包装袋は、
幅方向における前記表面シートの端部と前記裏面シートの端部とが互いにシールされており、折り曲げ可能な一対の側部シール部と、
前記表面シートの底部と前記底面シートとが互いにシールされた表側底部シール部と、
前記裏面シートの底部と前記底面シートとが互いにシールされた裏側底部シール部と、
前記表面シートの天部と前記天面シートとが互いにシールされた表側天部シール部と、
前記裏面シートの天部と前記天面シートとが互いにシールされた裏側天部シール部と、を有し、
前記表側天部シール部及び前記裏側天部シール部の少なくとも一方は、前記一対の側部シール部と係合可能な一対の係止部を有し、
前記側部シール部は、前記一対の係止部と係合可能な一対の被係止部を有する、パウチ。
【請求項2】
前記被係止部は、前記側部シール部が折り曲げられることにより形成された折曲げ部で構成されており、
前記係止部は、前記折曲げ部を差し込み可能なスリットで構成されている、請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
前記側部シール部は、
前記折曲げ部を含みかつ前記スリットに差し込まれたときに当該スリットから露出する露出領域と、
前記露出領域の上方に位置するとともに前記天面シートにつながっており、前記露出領域の幅よりも大きな幅を有する幅広部と、を有し、
幅方向における前記天面シートの外側の縁部は、幅方向における前記幅広部の外側の縁部につながっており、
前記スリットは、前記露出領域の内側の縁部の延長線と交差しており、
幅方向における前記スリットの外側の縁部は、前記天面シートの縁部から離間している、請求項2に記載のパウチ。
【請求項4】
幅方向における前記スリットの外側の縁部は、幅方向における前記露出領域の内側の縁部の延長線と、幅方向における前記露出領域の外側の縁部の延長線と、の間に位置している、請求項3に記載のパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天部及び底部にマチの付いたガセットパウチが知られている。例えば、特開2014-193570号公報には、一対の胴部シート部と、天面シート部と、底面シート部と、天面シート部に接続されたスパウトと、を備えるスパウト付きパウチ容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2014-193570号公報に記載されるようなパウチが、洗剤やシャンプー等の内容物を複数回詰め替えるための容器として用いられる場合、例えば、初回の詰め替え後、内容物の減少に起因してパウチの上部が倒れ、収納時に嵩張ることがある。あるいは、内容物として、パウチの規定量よりも少量の濃縮液が当該パウチに収容された状態で販売され、ユーザーが使用時に規定量まで希釈液で希釈する場合も考えられるが、この場合の販売時にも上記と同様の課題が生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、内容物の収容量が少ないときにおける収納スペースを低減可能なパウチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従ったパウチは、表面シート、裏面シート、底面シート及び天面シートを含み、内容物を収容可能な包装袋と、前記天面シートに固定されており、前記包装袋から前記内容物を注出するためのスパウトと、を備え、前記包装袋は、幅方向における前記表面シートの端部と前記裏面シートの端部とが互いにシールされており、折り曲げ可能な一対の側部シール部と、前記表面シートと前記底面シートとが互いにシールされた表側底部シール部と、前記裏面シートと前記底面シートとが互いにシールされた裏側底部シール部と、前記表面シートと前記天面シートとが互いにシールされた表側天部シール部と、前記裏面シートと前記天面シートとが互いにシールされた裏側天部シール部と、を有し、前記表側天部シール部及び前記裏側天部シール部の少なくとも一方は、前記一対の側部シール部と係合可能な一対の係止部を有し、前記側部シール部は、前記一対の係止部と係合可能な一対の被係止部を有する。
【0007】
このパウチでは、側部シール部における被係止部を係止部に係合させることにより、包装袋を折り曲げた状態に維持することが可能となる。よって、初回詰め替え後等、内容物の収容量が少ないときにおける収納スペースが低減される。
【0008】
また、前記被係止部は、前記側部シール部が折り曲げられることにより形成された折曲げ部で構成されており、前記係止部は、前記折曲げ部を差し込み可能なスリットで構成されていることが好ましい。
【0009】
この態様では、側部シール部の折曲げ部をスリットに差し込むことによって包装袋が折り曲げられた状態に維持される。
【0010】
また、前記側部シール部は、前記折曲げ部を含みかつ前記スリットに差し込まれたときに当該スリットから露出する露出領域と、前記露出領域の上方に位置するとともに前記天面シートにつながっており、前記露出領域の幅よりも大きな幅を有する幅広部と、を有し、幅方向における前記天面シートの外側の縁部は、幅方向における前記幅広部の外側の縁部につながっており、前記スリットは、前記露出領域の内側の縁部の延長線と交差しており、幅方向における前記スリットの外側の縁部は、前記天面シートの縁部から離間していることが好ましい。
【0011】
このようにすれば、幅広部の分だけ幅方向におけるスリットの外側の縁部を幅方向における天面シートの外側の縁部に近づけることが可能となるため、露出領域のスリットへの差し込み易さが確保され、かつ、露出領域がスリットに差し込まれる際、幅広部がスリットに干渉することが抑制される。
【0012】
また、幅方向における前記スリットの外側の縁部は、幅方向における前記露出領域の内側の縁部の延長線と、幅方向における前記露出領域の外側の縁部の延長線と、の間に位置していることが好ましい。
【0013】
このようにすれば、側部シール部における露出領域のスリットへの差し込み易さを維持しつつ、露出領域がスリットに差し込まれた状態においては、露出領域の外側の縁部がスリットの外側の縁部に接触していることによって両者の間に摩擦が生じるため、露出領域のスリットからの離脱が抑制される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内容物の収容量が少ないときにおける収納スペースを低減可能なパウチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態のパウチの斜視図である。
【
図2】スリットに折曲げ部が挿入された状態を示す側面図である。
【
図3】内容物が収容されておらず、表面シートが側部シール部の上端部で折り曲げられた状態のパウチの正面図である。
【
図4】
図3に示されるパウチの上部の拡大図である。
【
図5】内容物が収容されておらず、表面シートが側部シール部の上端部で折り曲げられており、かつ、スリットに折曲げ部が挿入された状態のパウチの正面図である。
【
図11】側部シール部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態のパウチの斜視図である。このパウチ1は、液体や、粉体や、流動性を有する固体等の容器として好適である。また、このパウチ1は、内容物を複数回にわたって詰め替え可能であり、かつ、初回の詰め替え後に自立性を確保しつつ収納スペースを低減可能である。
【0018】
図1に示されるように、パウチ1は、包装袋100と、スパウト200と、を備えている。
【0019】
包装袋100は、内容物を収容可能である。包装袋100は、表面シート101と、裏面シート102(
図2を参照)と、底面シート103と、天面シート104(
図4を参照)と、を含んでいる。各シート101~104は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム、ナイロン、ポリエチレンを含む積層体で構成されている。
【0020】
包装袋100は、各シート101~104の周縁部同士が互いにシールされることによって形成されている。具体的に、包装袋100は、一対の側部シール部110と、表側底部シール部130と、裏側底部シール部140(
図2を参照)と、表側天部シール部150と、裏側天部シール部160と、を有している。包装袋100のうち各シール部110~160の内側の領域が内容物を収容する収容部を構成している。
【0021】
スパウト200は、包装袋100から内容物を注出するための部位である。スパウト200は、注出口を有している。スパウト200は、天面シート104に固定されている。なお、スパウト200の外周には、注出口を塞ぐキャップが取り付けられている。
【0022】
包装袋100を構成する各シート間のシールや、包装袋100にスパウト200を固定する部位のシール方法としては、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等による融着、接着剤による接着等の各種公知の方法を用いることができる。
【0023】
一対の側部シール部110は、幅方向(
図3における左右方向)における表面シート101の端部と裏面シート102の端部とが互いにシールされることにより形成されている。各側部シール部110は、高さ方向(
図1における上下方向)に直線状に延びる形状を有している。各側部シール部110は、折り曲げられることが可能である。
【0024】
表側底部シール部130は、表面シート101の底部と底面シート103とが互いにシールされることによって形成されている。
【0025】
裏側底部シール部140は、裏面シート102の底部と底面シート103とが互いにシールされることによって形成されている。
【0026】
表側天部シール部150は、表面シート101の天部と天面シート104とが互いにシールされることによって形成されている。
図3及び
図4に示されるように、表側天部シール部150は、表側中央シール部152と、表側端部シール部154と、を有している。
【0027】
表側中央シール部152は、幅方向における表側天部シール部150の中央部に形成されている。
図3に示されるように、表側中央シール部152の内側の縁部152a及び外側の縁部152bは、幅方向に沿って直線状に延びる形状を有している。
【0028】
表側端部シール部154は、表側中央シール部152から幅方向における外側に向かって延びる形状を有している。
【0029】
表側端部シール部154の内側の縁部154aは、表側中央シール部152の内側の縁部152aと側部シール部110の内側の縁部110aの上端部とを連結しており、幅方向における外側に向かうにしたがって次第に奥行き方向(幅方向及び高さ方向の双方と直交する方向)における内側に向かうように傾斜する形状を有している。
【0030】
表側端部シール部154の外側の縁部154bは、表側中央シール部152の外側の縁部152bと側部シール部110の外側の縁部110bの上端部とを連結しており、幅方向における外側に向かうにしたがって次第に奥行き方向における内側に向かうように傾斜する形状を有している。
【0031】
裏側天部シール部160は、裏面シート102の天部と天面シート104とが互いにシールされることによって形成されている。
図3及び
図4に示されるように、裏側天部シール部160は、裏側中央シール部162と、裏側端部シール部164と、を有している。
【0032】
裏側中央シール部162は、幅方向における裏側天部シール部160の中央部に形成されている。
図3に示されるように、裏側中央シール部162の内側の縁部162a及び外側の縁部162bは、幅方向に沿って直線状に延びる形状を有している。本実施形態では、裏側中央シール部162は、一対の側部シール部110の上端部111(
図3を参照)同士を接続するセンターラインCL(
図3を参照)を対称軸として表側中央シール部152と対称な形状に形成されている。ただし、裏側中央シール部162は、センターラインCLを対称軸として表側中央シール部152と対称な形状とは異なる形状に形成されてもよい。なお、この裏側中央シール部162と表側中央シール部152とを結ぶ方向が奥行き方向に相当する。
【0033】
裏側端部シール部164は、裏側中央シール部162から幅方向における外側に向かって延びる形状を有している。
【0034】
裏側端部シール部164の内側の縁部164aは、裏側中央シール部162の内側の縁部162aと側部シール部110の内側の縁部110aの上端部とを連結しており、幅方向における外側に向かうにしたがって次第に奥行き方向における内側に向かうように傾斜する形状を有している。この内側の縁部164aは、センターラインCLを対称軸として表側端部シール部154の内側の縁部154aと対称な形状に形成されている。ただし、内側の縁部164aは、センターラインCLを対称軸として表側端部シール部154の内側の縁部154aと対称な形状とは異なる形状に形成されてもよい。
【0035】
裏側端部シール部164の外側の縁部164bは、裏側中央シール部162の外側の縁部162bと側部シール部110の外側の縁部110bの上端部とを連結している。この外側の縁部164bは、第1直線部164b1と、第2直線部164b2と、を有している。
【0036】
第1直線部164b1は、裏側中央シール部162の外側の縁部162bの端部から幅方向に沿って直線状に延びる形状を有している。
【0037】
第2直線部164b2は、第1直線部164b1の外側の端部と側部シール部110の外側の縁部110bの上端部とを連結している。第2直線部164b2は、第1直線部164b1と直交する方向に沿って直線状に延びる形状を有している。なお、第1直線部164b1と第2直線部164b2との境界部は、湾曲する形状に形成されている。
【0038】
裏側端部シール部164は、第1直線部164b1及び第2直線部164b2を有しているため、裏側端部シール部164の面積は、表側端部シール部154の面積よりも大きい。
【0039】
表側天部シール部150及び裏側天部シール部160のうち少なくとも一方は、一対の側部シール部110と係合可能な一対の係止部170を有しており、各側部シール部110は、係止部170と係合可能な被係止部112を有している。
【0040】
本実施形態では、表側端部シール部154の面積よりも大きな面積を有する裏側端部シール部164に、係止部170が設けられている。係止部170は、裏側端部シール部164に形成されたスリット(以下、「スリット170」と表記する。)で構成されている。スリット170は、奥行き方向における外側に向かうにしたがって次第に幅方向における内側に向かうように傾斜する形状を有している。
図3及び
図4に示されるように、幅方向におけるスリット170の内側の縁部170a及び外側の縁部170bは、天面シート104の縁部から離間している。より詳細には、内側の縁部170aは、第1直線部164b1から離間しており、外側の縁部170bは、第2直線部164b2から離間している。
【0041】
被係止部112は、側部シール部110が折り曲げられることにより形成された折曲げ部(以下、「折曲げ部112」と表記する。)で構成されている。
図2に示されるように、折曲げ部112は、スリット170に挿入されることが可能である。なお、スリット170は、完全に分断されている切れ込みであってもよいし、折曲げ部112の挿入時に容易に分断可能であれば、ミシン目のように部分的につながった構成であってもよい。
【0042】
図3~
図5に示されるように、各側部シール部110は、露出領域114と、幅広部118と、を有している。なお、
図3~
図5では、露出領域114に斜線が施されている。
【0043】
露出領域114は、側部シール部110のうちスリット170に差し込まれたときに当該スリット170から露出する領域である。露出領域114は、折曲げ部112を含んでいる。折曲げ部112は、露出領域114における中央部に相当する。
図4に示されるように、幅方向における露出領域114の内側の縁部114a及び外側の縁部114bは、互いに平行であり、かつ、高さ方向に沿って延びる形状を有している。すなわち、露出領域114の幅は、高さ方向の全域にわたって一定である。
【0044】
図4に示されるように、スリット170は、露出領域114の内側の縁部114aの延長線L1と交差している。スリット170の外側の縁部170bは、幅方向における露出領域114の内側の縁部114aの延長線L1と、幅方向における露出領域114の外側の縁部114bの延長線L2と、の間に位置している。このため、
図5に示されるように、露出領域114がスリット170に差し込まれた状態においては、露出領域114の外側の縁部114bがスリット170の外側の縁部170bに接触する。
【0045】
露出領域114の上端部115は、側部シール部110の上端部111(
図3及び
図4を参照)から、前記上端部111及び幅方向におけるスリット170の外側の縁部170b間の距離D1(
図4を参照)だけ下方の位置かそれよりも上に位置している。換言すれば、露出領域114の上端部115及び側部シール部110の上端部111間の距離H1(
図4を参照)は、前記距離D1以下に設定されている。
【0046】
幅広部118は、露出領域114の幅よりも大きな幅を有している。幅広部118は、露出領域114の上方に位置するとともに天面シート104につながっている。幅方向における天面シート104の外側の縁部は、幅方向における幅広部118の外側の縁部につながっている。つまり、幅広部118の上端部が側部シール部110の上端部111を構成しており、幅方向における幅広部118の外側の縁部間の寸法は、幅方向における天面シート104の外側の縁部間の寸法と同じである。このため、表面シート101と天面シート104とのシール面積、及び、裏面シート102と天面シート104とのシール面積が有効に確保される。
【0047】
本実施形態では、幅広部118は、露出領域114の上端部115から上方に延びる形状を有している。換言すれば、幅広部118の下端部は、露出領域114の上端部115と一致している。つまり、高さ方向における幅広部118の寸法は、前記距離H1に相当しており、前記距離D1以下に設定されている。
【0048】
なお、幅広部118の下端部は、側部シール部110のうち露出領域114の上端部115よりも上方に位置しており、幅広部118と露出領域114との間に他の部位が存在していてもよい。
【0049】
次に、以上に説明したパウチ1の初回詰め替え後の収納の仕方について説明する。
【0050】
まず、スパウト200を通じて内容物の初回の詰め替えを行う。これにより、内容物の体積が減少するため、包装袋100が折れ曲がりやすくなる。
【0051】
その後、表面シート101及び裏面シート102を折り曲げるとともに、
図2に示されるように、側部シール部110における折曲げ部112をスリット170に差し込む。これにより、包装袋100がその上部で折り畳まれた姿勢に維持される。よって、初回詰め替え後におけるパウチ1の収納スペースが低減される。
【0052】
また、前記距離H1(高さ方向における幅広部118の寸法)が前記距離D1以下に設定されているため、スリット170に差し込み可能な範囲であれば、側部シール部110のうちのどの部位に折曲げ部112が形成された場合においても、露出領域114がスリット170に差し込まれる際、幅広部118がスリット170に干渉することが抑制される。
【0053】
さらに、露出領域114がスリット170に差し込まれた状態(
図2において実線で示される状態)においては、露出領域114の外側の縁部114bがスリット170の外側の縁部170bに接触していることによって両者の間に摩擦が生じるため、露出領域114のスリット170からの離脱が抑制される。
【0054】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0055】
例えば、スリット170は、表側天部シール部150及び裏側天部シール部160の双方に設けられてもよい。この場合、表側端部シール部154の形状は、センターラインCLを対称軸として裏側端部シール部164と対称な形状に形成される。
【0056】
また、側部シール部110に被係止部112としてスリットが形成され、裏側天部シール部160にスリットに挿入可能な係止部170が設けられてもよい。
【0057】
また、
図6及び
図7に示されるように、スリット170は、端部切込み部172と、中央切込み部174と、を有していてもよい。端部切込み部172は、上記実施形態と同じ形状を有している。中央切込み部174は、幅方向における端部切込み部172の内側の縁部同士を連結している。中央切込み部174は、幅方向に沿って直線状に延びる形状を有している。
【0058】
また、
図8に示されるように、端部切込み部172は、中央切込み部174と連続するように幅方向に沿って直線状に延びる形状を有していてもよい。
【0059】
また、
図9及び
図10に示されるように、各側部シール部110は、折曲げ部112を含む突部116と、高さ方向における突部116の両側に形成された凹部117と、を有していてもよい。この態様では、初回詰め替え後、例えば高さ方向における突部116の中央部で表面シート101及び裏面シート102が折り曲げられ、突部116がスリット170に挿入される。
【0060】
また、
図11に示されるように、幅広部118が省略されてもよい。この場合、側部シール部110は、高さ方向の全域にわたって一定の幅に形成されるとともに、幅方向における側部シール部110の上端部111間の寸法は、幅方向における天面シート104の外側の縁部間の寸法と同じに形成される。
【符号の説明】
【0061】
1 パウチ、100 包装袋、101 表面シート、102 裏面シート、103 底面シート、104 天面シート、110 側部シール部、112 被係止部(折曲げ部)、114 露出領域、118 幅広部、130 表側底部シール部、140 裏側底部シール部、150 表側天部シール部、152 表側中央シール部、154 表側端部シール部、160 裏側天部シール部、162 裏側中央シール部、164 裏側端部シール部、170 係止部(スリット)、200 スパウト。