(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185372
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】調理支援システム、調理支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221207BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】35
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093012
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】田岡 幸
(72)【発明者】
【氏名】幸 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】貞平 匡史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】レシピの調理工程を適切に調理者に振り分けることができる調理支援システム、調理支援方法およびプログラムを提供する。
【手段】調理支援システム、調理支援方法およびプログラムは、第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分ける。調理支援システムは、記憶部と、情報提示部と、制御部と、を備える。記憶部は、複数の調理工程を有するレシピと、調理工程の重要度と、調理工程の調理条件と、を記憶する。情報提示部は、レシピを提示する。制御部は、第1調理者の調理者情報を取得し、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第1調理者に振り分け、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部に提示させる。
【選択図】
図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分ける調理支援システムであって、
記憶部と、情報提示部と、制御部と、を備え、
前記記憶部は、
複数の調理工程を有するレシピと、
前記調理工程の重要度と、
前記調理工程の調理条件と、
を記憶し、
前記情報提示部は、前記レシピを提示し、
前記制御部は、
前記第1調理者の調理者情報を取得し、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分け、
前記レシピとともに、振り分けの結果を前記情報提示部に提示させる、
調理支援システム。
【請求項2】
調理支援システムは入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介して、主役優先を表す目的設定指令および前記第1調理者を主役として指定する調理者指定指令を受けたとき、前記第1調理者を設定し、前記第1調理者以外の前記調理者と比べて前記第1調理者を優先して前記調理工程を振り分ける、
請求項1に記載の調理支援システム。
【請求項3】
前記調理者情報は身体属性を含み、
前記身体属性は、年齢、身長、および握力の少なくとも1つを含み、
前記調理条件は、年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含み、
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の年齢、身長、または握力が対応する前記年齢閾値、前記身長閾値、または前記握力閾値以上であると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項1または2に記載の調理支援システム。
【請求項4】
前記調理者情報は、前記調理工程に対する習得レベルを含み、
前記調理条件は、前記調理工程に対する習得レベル閾値を含み、
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記習得レベルが前記習得レベル閾値以上であると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項1または2に記載の調理支援システム。
【請求項5】
前記調理者情報は除外条件を含み、
前記除外条件は、対応する前記調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置を表し、
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項1または2に記載の調理支援システム。
【請求項6】
調理支援システムは入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介して、前記レシピまたは前記第1調理者に振り分けられた前記調理工程に対する、前記第1調理者の満足度を表す入力を受けたとき、前記満足度を前記記憶部に記憶させる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の調理支援システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしている、かつ、前記満足度が満足度閾値以上であると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項6に記載の調理支援システム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記調理工程が複数のサブ工程に分割可能であり、
前記記憶部は、前記分割可能な調理工程の分割情報を記憶し、
前記分割情報は、前記分割可能な調理工程の前記複数のサブ工程のそれぞれの重要度と調理条件とを含み、
前記制御部は、
前記分割可能な調理工程において、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記サブ工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項1~7のいずれか1項に記載の調理支援システム。
【請求項9】
前記分割可能な調理工程の前記サブ工程は、異なる調理動作を有する工程であり、
少なくとも1つの前記サブ工程の調理条件は、前記分割可能な調理工程の前記調理条件と比べて、容易である、
請求項8に記載の調理支援システム。
【請求項10】
前記複数の調理者は、第2調理者をさらに含み、
前記分割可能な調理工程は、当該調理工程において前記第2調理者が前記第1調理者を支援するように、異なる調理動作を有するサブ工程に分割される、
請求項9に記載の調理支援システム。
【請求項11】
前記分割可能な調理工程の前記サブ工程は、時間軸の前後が異なる工程である、かつ、異なる重要度を有する工程である、
請求項8に記載の調理支援システム。
【請求項12】
同じ調理工程から分割された、かつ、時間軸の前後が異なる前記サブ工程において、時間軸において後にあるサブ工程は、比較的高い重要度を有し、
当該時間軸において後にあるサブ工程の調理条件は、前記分割可能な調理工程の前記調理条件と比べて、容易である、
請求項11に記載の調理支援システム。
【請求項13】
調理支援システムは支援調理装置をさらに備え、
少なくとも1つの前記調理工程は前記支援調理装置の利用によって変更可能であり、
前記記憶部は、前記変更可能な調理工程の変更情報を記憶し、
前記変更情報は、前記支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含み、
前記変更後の調理工程の調理条件は、前記変更可能な調理工程の変更前の前記調理条件と比べて、容易であり、
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項1~12のいずれか1項に記載の調理支援システム。
【請求項14】
前記調理支援システムは支援調理装置をさらに備え、
少なくとも1つの前記調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であり、
前記記憶部は、前記変更可能な調理工程の変更情報を記憶し、
前記変更情報は、前記支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含み、
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した前記変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項5に記載の調理支援システム。
【請求項15】
前記記憶部は、少なくとも1つの前記調理工程に対する支援情報を記憶し、
当該少なくとも1つの前記調理工程の調理条件は、前記支援情報の提示によって容易になるように変更可能であり、
前記制御部は、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分け、
前記レシピとともに、振り分けの結果を前記情報提示部に提示させるときに、前記支援情報も前記情報提示部に提示させる、
請求項1~14のいずれか1項に記載の調理支援システム。
【請求項16】
前記制御部は、
前記複数の調理者に振り分けた前記調理工程に基づいて、前記複数の調理者のそれぞれのための振り分けレシピを生成し、
前記レシピとともに、振り分けの結果を前記情報提示部に提示させるときに、前記振り分けレシピを前記情報提示部に提示させる、
請求項1~15のいずれか1項に記載の調理支援システム。
【請求項17】
少なくとも1つの前記調理工程が、複数のサブ工程に分割可能であり、
少なくとも1つの前記調理工程が、支援調理装置の利用によって変更可能であり、または、
少なくとも1つの前記調理工程の調理条件が、支援情報の提示によって容易になるように変更可能であり、
前記制御部は、
前記第1調理者の前記調理者情報が調理条件を満たしてないと判断したサブ工程または変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分けない、
請求項1~16のいずれか1項に記載の調理支援システム。
【請求項18】
第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分ける調理支援方法であって、
複数の調理工程を有するレシピを読み出すステップであって、前記調理工程のそれぞれは重要度と調理条件とを有する、レシピを読み出すステップと、
前記第1調理者の調理者情報を取得するステップと、
前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分けるステップと、
前記レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップと、
を備える、
調理支援方法。
【請求項19】
前記調理支援方法は、
主役優先を表す目的設定指令および前記第1調理者を主役として指定する調理者指定指令を受けたとき、前記第1調理者を設定するステップ
をさらに備え、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記第1調理者以外の前記調理者と比べて前記第1調理者を優先して前記調理工程を振り分ける、
請求項18に記載の調理支援方法。
【請求項20】
前記調理者情報は身体属性を含み、
前記身体属性は、年齢、身長、および握力の少なくとも1つを含み、
前記調理条件は、前記身体属性に対応する年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含み、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の年齢、身長、または握力が対応する前記年齢閾値、前記身長閾値、または前記握力閾値以上であると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項18または19に記載の調理支援方法。
【請求項21】
前記調理者情報は、前記調理工程に対する習得レベルを含み、
前記調理条件は、前記調理工程に対する習得レベル閾値を含み、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記習得レベルが前記習得レベル閾値以上であると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項18または19に記載の調理支援方法。
【請求項22】
前記調理者情報は除外条件を含み、
前記除外条件は、対応する前記調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置を表し、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項18または19に記載の調理支援方法。
【請求項23】
前記レシピまたは前記第1調理者に振り分けられた前記調理工程に対する、前記第1調理者の満足度を表す入力を受けたとき、前記満足度を記憶するステップ
をさらに備える、
請求項18~22のいずれか1項に記載の調理支援方法。
【請求項24】
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしている、かつ、前記満足度が満足度閾値以上であると判断した前記調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項23に記載の調理支援方法。
【請求項25】
少なくとも1つの前記調理工程が複数のサブ工程に分割可能であり、
前記調理支援方法は、
前記分割可能な調理工程の分割情報を読み出すステップであって、前記分割情報は、前記分割可能な調理工程の前記複数のサブ工程のそれぞれの重要度と調理条件とを含む、分割情報を読み出すステップ
をさらに備え、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記分割可能な調理工程において、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記サブ工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項18~24のいずれか1項に記載の調理支援方法。
【請求項26】
前記分割可能な調理工程の前記サブ工程は、異なる調理動作を有する工程であり、
少なくとも1つの前記サブ工程の調理条件は、前記分割可能な調理工程の前記調理条件と比べて、容易である、
請求項25に記載の調理支援方法。
【請求項27】
前記複数の調理者は、第2調理者をさらに含み、
前記分割可能な調理工程は、当該調理工程において前記第2調理者が前記第1調理者を支援するように、異なる調理動作を有するサブ工程に分割される、
請求項26に記載の調理支援方法。
【請求項28】
前記分割可能な調理工程の前記サブ工程は、時間軸の前後が異なる工程である、かつ、異なる重要度を有する工程である、
請求項25に記載の調理支援方法。
【請求項29】
同じ調理工程から分割された、かつ、時間軸の前後が異なる前記サブ工程において、時間軸において後にあるサブ工程は、比較的高い重要度を有し、
当該時間軸において後にあるサブ工程の調理条件は、前記分割可能な調理工程の前記調理条件と比べて、容易である、
請求項28に記載の調理支援方法。
【請求項30】
少なくとも1つの前記調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であり、
前記調理支援方法は、
前記変更可能な調理工程の変更情報を読み出すステップであって、前記変更情報は、前記支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含み、前記変更後の調理工程の調理条件は、前記変更可能な調理工程の変更前の前記調理条件と比べて、容易である、変更情報を読み出すステップ
をさらに備え、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項18~29のいずれか1項に記載の調理支援方法。
【請求項31】
少なくとも1つの前記調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であり、
前記調理支援方法は、
前記変更可能な調理工程の変更情報を読み出すステップであって、前記変更情報は、前記支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含む、変更情報を読み出すステップ
をさらに備え、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した前記変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分ける、
請求項22に記載の調理支援方法。
【請求項32】
前記調理支援方法は、
少なくとも1つの前記調理工程に対する支援情報を読み出すステップであって、当該少なくとも1つの前記調理工程の調理条件は、前記支援情報の提示によって容易になるように変更可能である、支援情報を読み出すステップ
をさらに備え、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、前記レシピにおいて、前記重要度が重要度閾値以上である、かつ、前記第1調理者の前記調理者情報が前記調理条件を満たしていると判断した前記変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分け、
前記レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップでは、前記支援情報も提示する、
請求項18~31のいずれか1項に記載の調理支援方法。
【請求項33】
前記調理支援方法は、
前記複数の調理者に振り分けた前記調理工程に基づいて、前記複数の調理者のそれぞれのための振り分けレシピを生成するステップと、
をさらに備える、
前記レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップでは、前記振り分けレシピを提示する、
請求項18~32のいずれか1項に記載の調理支援方法。
【請求項34】
少なくとも1つの前記調理工程が、複数のサブ工程に分割可能であり、
少なくとも1つの前記調理工程が、支援調理装置の利用によって変更可能であり、または、
少なくとも1つの前記調理工程の調理条件が、支援情報の提示によって容易になるように変更可能であり、
前記第1調理者に振り分けるステップでは、
前記第1調理者の前記調理者情報が調理条件を満たしてないと判断したサブ工程または変更後の調理工程を前記第1調理者に振り分けない、
請求項15~33のいずれか1項に記載の調理支援方法。
【請求項35】
請求項1~17のいずれか1つに記載の調理支援システムで使用されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調理支援システム、調理支援方法およびプログラムに関し、特にレシピの調理工程を振り分けるための調理支援システム、調理支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内の調理では、伝統的には母親が行う。しかしながら、家族と一緒に時間を過ごすことを大切にし、家庭内で複数の調理者で調理を行うニーズが増えている。例えば、親と子供が、または子供同士の兄弟が共同作業で1つのレシピを調理するニーズがある。1つのレシピの調理工程をどのようにして複数の調理者に適切に振り分けるかが課題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において開示された技術は、調理作業内容や使用調理器具が重ならないように、また、複数の調理者による調理の終了がほぼ同時になるように、調理者の人数分に、レシピの調理工程を振り分ける。
【0005】
しかしながら、調理時間の短縮よりも、共同作業で楽しみを得ることを重視する家庭もある。この場合において、従来技術による調理工程の振り分けは適切でなくなる。また、子供など調理をまだ熟練していない調理者に対して、調理に興味を持たせたり、調理スキルを成長させたりするために、当該調理者のことをよく考慮して調理工程を振り分ける需要がある。
【0006】
本開示は、特定の調理者を優先して、レシピの調理工程を適切に調理者に振り分けることができる調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本開示の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムは、以下の態様を有する。
【0008】
本開示に係る一態様の調理支援システムは、第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分けるためのシステムであって、記憶部と、情報提示部と、制御部と、を備える。記憶部は、複数の調理工程を有するレシピと、調理工程の重要度と、調理工程の調理条件と、を記憶する。情報提示部は、レシピを提示する。制御部は、第1調理者の調理者情報を取得し、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第1調理者に振り分け、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部に提示させる。
【0009】
本開示に係る他の態様の調理支援方法は、第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分けるための方法である。調理支援方法は、複数の調理工程を有するレシピを読み出すステップであって、調理工程のそれぞれは重要度と調理条件とを有する、レシピを読み出すステップと、第1調理者の調理者情報を取得するステップと、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第1調理者に振り分けるステップと、レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップと、を備える。
【0010】
本開示に係る他の態様のプログラムは、調理支援システムで使用されるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
上述した調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、レシピの調理工程を適切に調理者に振り分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】調理支援システムの概略構成を示すブロック図
【
図1B】調理支援システムの概略構成を示すブロック図
【
図2A】調理者情報を受けるためのユーザインタフェースの略図
【
図4】調理工程(調理要素)と調理条件(身体属性)とを示す略図
【
図6】調理者指定指令を受けるためのユーザインタフェースの略図
【
図8A】振り分けレシピを提示するためのユーザインタフェースの略図
【
図8B】振り分けレシピを提示するためのユーザインタフェースの略図
【
図8C】振り分けレシピを提示するためのユーザインタフェースの略図
【
図9】調理要素と調理条件(習得レベル)とを示す略図
【
図10】習得レベルによる振り分けの結果を示す略図
【
図11】調理要素と調理条件(除外条件)とを示す略図
【
図14】フィードバック(満足度)を受けるためのユーザインタフェースの略図
【
図15】調理要素と調理条件(満足度)とを示す略図
【
図18】サブ工程と調理条件(身体属性)とを示す略図
【
図21B】振り分けレシピを提示するためのユーザインタフェースの略図
【
図23】支援調理装置と変更後の調理条件とを示す略図
【
図24】変更後の調理工程の振り分けの結果を示す略図
【
図25】支援調理装置と変更後の調理条件とを示す略図
【
図26】変更後の調理工程の振り分けの結果を示す略図
【
図30】変更後の調理工程の振り分けの結果を示す略図
【
図31】支援調理装置と支援情報と変更後の調理条件とを示す略図
【
図32】
図31の変更後のレシピを提示するためのユーザインタフェース略図
【
図33】調理者命令によって変更後の調理工程を示す略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
先ず始めに、本開示の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの各種態様について説明する。
【0014】
本開示に係る第1の態様の調理支援システムは、第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分けるためのシステムであって、記憶部と、情報提示部と、制御部と、を備える。記憶部は、複数の調理工程を有するレシピと、調理工程の重要度と、調理工程の調理条件と、を記憶する。情報提示部は、レシピを提示する。制御部は、第1調理者の調理者情報を取得し、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第1調理者に振り分け、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部に提示させる。
【0015】
本開示に係る第2の態様の調理支援システムは、第1の態様において、入力部をさらに備えてもよい。制御部は、入力部を介して、主役優先を表す目的設定指令および第1調理者を主役として指定する調理者指定指令を受けたとき、第1調理者を設定し、第1調理者以外の調理者と比べて第1調理者を優先して調理工程を振り分けてもよい。
【0016】
本開示に係る第3の態様の調理支援システムは、第1の態様または第2の態様において、調理者情報は身体属性を含んでもよい。身体属性は、年齢、身長、および握力の少なくとも1つを含んでもよい。調理条件は、年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含んでもよい。制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の年齢、身長、または握力が対応する年齢閾値、身長閾値、または握力閾値以上であると判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0017】
本開示に係る第4の態様の調理支援システムは、第1の態様または第2の態様において、調理者情報は、調理工程に対する習得レベルを含んでもよい。調理条件は、調理工程に対する習得レベル閾値を含んでもよい。制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の習得レベルが習得レベル閾値以上であると判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0018】
本開示に係る第5の態様の調理支援システムは、第1の態様または第2の態様において、調理者情報は除外条件を含んでもよい。除外条件は、対応する調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置を表してもよい。制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0019】
本開示に係る第6の態様の調理支援システムは、第1の態様~第5の態様のいずれか1つの態様において、入力部をさらに備えてもよい。制御部は、入力部を介して、レシピまたは第1調理者に振り分けられた調理工程に対する、第1調理者の満足度を表す入力を受けたとき、満足度を記憶部に記憶させてもよい。
【0020】
本開示に係る第7の態様の調理支援システムは、第6の態様において、制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしている、かつ、満足度が満足度閾値以上であると判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0021】
本開示に係る第8の態様の調理支援システムは、第1の態様~第7の態様のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの調理工程が複数のサブ工程に分割可能であってもよい。記憶部は、分割可能な調理工程の分割情報を記憶してもよい。分割情報は、分割可能な調理工程の複数のサブ工程のそれぞれの重要度と調理条件とを含んでもよい。制御部は、分割可能な調理工程において、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断したサブ工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0022】
本開示に係る第9の態様の調理支援システムは、第8の態様において、分割可能な調理工程のサブ工程は、異なる調理動作を有する工程であってもよい。少なくとも1つのサブ工程の調理条件は、分割可能な調理工程の調理条件と比べて、容易であってもよい。
【0023】
本開示に係る第10の態様の調理支援システムは、第9の態様において、複数の調理者は、第2調理者をさらに含んでもよい。分割可能な調理工程は、当該調理工程において第2調理者が第1調理者を支援するように、異なる調理動作を有するサブ工程に分割され得る。
【0024】
本開示に係る第11の態様の調理支援システムは、第8の態様において、分割可能な調理工程のサブ工程は、時間軸の前後が異なる工程である、かつ、異なる重要度を有する工程であってもよい。
【0025】
本開示に係る第12の態様の調理支援システムは、第11の態様において、同じ調理工程から分割された、かつ、時間軸の前後が異なるサブ工程において、時間軸において後にあるサブ工程は、比較的高い重要度を有してもよい。当該時間軸において後にあるサブ工程の調理条件は、分割可能な調理工程の調理条件と比べて、容易であってもよい。
【0026】
本開示に係る第13の態様の調理支援システムは、第1の態様~第12の態様のいずれか1つの態様において、支援調理装置をさらに備えてもよい。少なくとも1つの調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であってもよい。記憶部は、変更可能な調理工程の変更情報を記憶してもよい。変更情報は、支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含んでもよい。変更後の調理工程の調理条件は、変更可能な調理工程の変更前の調理条件と比べて、容易であってもよい。制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0027】
本開示に係る第14の態様の調理支援システムは、第5の態様において、支援調理装置をさらに備えてもよい。少なくとも1つの調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であってもよい。記憶部は、変更可能な調理工程の変更情報を記憶してもよい。変更情報は、支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含んでもよい。制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0028】
本開示に係る第15の態様の調理支援システムは、第1の態様~第14の態様のいずれか1つの態様において、記憶部は、少なくとも1つの調理工程に対する支援情報を記憶してもよい。当該少なくとも1つの調理工程の調理条件は、支援情報の提示によって容易になるように変更可能であってもよい。制御部は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。そして、制御部は、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部に提示させるときに、支援情報も情報提示部に提示させてもよい。
【0029】
本開示に係る第16の態様の調理支援システムは、第1の態様~第15の態様のいずれか1つの態様において、制御部は、複数の調理者に振り分けた調理工程に基づいて、複数の調理者のそれぞれのための振り分けレシピを生成してもよい。そして、制御部は、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部に提示させるときに、振り分けレシピを情報提示部に提示させてもよい。
【0030】
本開示に係る第17の態様の調理支援システムは、第1の態様~第16の態様のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの調理工程が、複数のサブ工程に分割可能であってもよく、少なくとも1つの調理工程が、支援調理装置の利用によって変更可能であってもよく、または、少なくとも1つの調理工程の調理条件が、支援情報の提示によって容易になるように変更可能であってもよい。制御部は、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしてないと判断したサブ工程または変更後の調理工程を第1調理者に振り分けなくてもよい。
【0031】
本開示に係る第18の態様の調理支援方法は、第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分けるための方法である。調理支援方法は、複数の調理工程を有するレシピを読み出すステップであって、調理工程のそれぞれは重要度と調理条件とを有する、レシピを読み出すステップと、第1調理者の調理者情報を取得するステップと、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第1調理者に振り分けるステップと、レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップと、を備える。
【0032】
本開示に係る第19の態様の調理支援方法は、第18の態様において、主役優先を表す目的設定指令および第1調理者を主役として指定する調理者指定指令を受けたとき、第1調理者を設定するステップをさらに備えてもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、第1調理者以外の調理者と比べて第1調理者を優先して調理工程を振り分けてもよい。
【0033】
本開示に係る第20の態様の調理支援方法は、第18の態様または第19の態様において、調理者情報は身体属性を含んでもよい。身体属性は、年齢、身長、および握力の少なくとも1つを含んでもよい。調理条件は、身体属性に対応する年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含んでもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の年齢、身長、または握力が対応する年齢閾値、身長閾値、または握力閾値以上であると判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0034】
本開示に係る第21の態様の調理支援方法は、第18の態様または第19の態様において、調理者情報は、調理工程に対する習得レベルを含んでもよい。調理条件は、調理工程に対する習得レベル閾値を含んでもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の習得レベルが習得レベル閾値以上であると判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0035】
本開示に係る第22の態様の調理支援方法は、第18の態様または第19の態様において、調理者情報は除外条件を含んでもよい。除外条件は、対応する調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置を表してもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0036】
本開示に係る第23の態様の調理支援方法は、第18の態様~第22の態様のいずれか1つの態様において、レシピまたは第1調理者に振り分けられた調理工程に対する、第1調理者の満足度を表す入力を受けたとき、満足度を記憶するステップをさらに備えてもよい。
【0037】
本開示に係る第24の態様の調理支援方法は、第23の態様において、第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしている、かつ、満足度が満足度閾値以上であると判断した調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0038】
本開示に係る第25の態様の調理支援方法は、第18の態様~第24の態様のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの調理工程が複数のサブ工程に分割可能であってもよい。調理支援方法は、分割可能な調理工程の分割情報を読み出すステップであって、分割情報は、分割可能な調理工程の複数のサブ工程のそれぞれの重要度と調理条件とを含む、分割情報を読み出すステップをさらに備えてもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、分割可能な調理工程において、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断したサブ工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0039】
本開示に係る第26の態様の調理支援方法は、第25の態様において、分割可能な調理工程のサブ工程は、異なる調理動作を有する工程であってもよい。少なくとも1つのサブ工程の調理条件は、分割可能な調理工程の調理条件と比べて、容易であってもよい。
【0040】
本開示に係る第27の態様の調理支援方法は、第26の態様において、複数の調理者は、第2調理者をさらに含んでもよい。分割可能な調理工程は、当該調理工程において第2調理者が第1調理者を支援するように、異なる調理動作を有するサブ工程に分割され得る。
【0041】
本開示に係る第28の態様の調理支援方法は、第25の態様において、分割可能な調理工程のサブ工程は、時間軸の前後が異なる工程である、かつ、異なる重要度を有する工程であってもよい。
【0042】
本開示に係る第29の態様の調理支援方法は、第28の態様において、同じ調理工程から分割された、かつ、時間軸の前後が異なるサブ工程において、時間軸において後にあるサブ工程は、比較的高い重要度を有してもよい。当該時間軸において後にあるサブ工程の調理条件は、分割可能な調理工程の調理条件と比べて、容易であってもよい。
【0043】
本開示に係る第30の態様の調理支援方法は、第18の態様~第29の態様のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であってもよい。調理支援方法は、変更可能な調理工程の変更情報を読み出すステップであって、変更情報は、支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含み、変更後の調理工程の調理条件は、変更可能な調理工程の変更前の調理条件と比べて、容易である、変更情報を読み出すステップをさらに備えてもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0044】
本開示に係る第31の態様の調理支援方法は、第22の態様において、少なくとも1つの調理工程は支援調理装置の利用によって変更可能であってもよい。調理支援方法は、変更可能な調理工程の変更情報を読み出すステップであって、変更情報は、支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含む、変更情報を読み出すステップをさらに備えてもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。
【0045】
本開示に係る第32の態様の調理支援方法は、第18の態様~第31の態様のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの調理工程に対する支援情報を読み出すステップであって、当該少なくとも1つの調理工程の調理条件は、支援情報の提示によって容易になるように変更可能である、支援情報を読み出すステップをさらに備えてもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けてもよい。そして、レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップでは、支援情報も提示してもよい。
【0046】
本開示に係る第33の態様の調理支援方法は、第18の態様~第32の態様のいずれか1つの態様において、複数の調理者に振り分けた調理工程に基づいて、複数の調理者のそれぞれのための振り分けレシピを生成するステップと、をさらに備えてもよい。そして、レシピとともに、振り分けの結果を提示するステップでは、振り分けレシピを提示してもよい。
【0047】
本開示に係る第34の態様の調理支援方法は、第18の態様~第33の態様のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの調理工程が、複数のサブ工程に分割可能であってもよく、少なくとも1つの調理工程が、支援調理装置の利用によって変更可能であってもよく、または、少なくとも1つの調理工程の調理条件が、支援情報の提示によって容易になるように変更可能であってもよい。第1調理者に振り分けるステップでは、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしてないと判断したサブ工程または変更後の調理工程を第1調理者に振り分けなくてもよい。
【0048】
本開示に係る第35の態様のプログラムは、第1の態様~第17の態様のいずれか1つの調理支援システムで使用されるプログラムである。
【0049】
以下に説明する実施の形態のそれぞれは、本開示の一例を示すものである。以下の実施の形態において示される数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本開示を限定するものではない。
【0050】
なお、以下に述べる実施の形態のそれぞれにおいて、特定の要素に関しては変形例を示す場合があり、その他の要素に関しては任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。実施の形態において、それぞれの変形例の構成をそれぞれ組み合わせることにより、それぞれの変形例における効果を奏するものとなる。
【0051】
以下の実施の形態の詳細な説明において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0052】
《実施の形態1》
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの一実施の形態である実施の形態1について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本開示にかかる調理支援システムは、本開示に係る調理支援方法を行う構成であってもよい。以下の実施の形態1における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0053】
調理支援システム10は、第1調理者を含む複数の調理者にレシピの調理工程を振り分けるためのシステムであって、特定の調理者(例えば、第1調理者)を優先してレシピの調理工程を振り分けることができる。調理支援システム10は、第1調理者を含む複数の調理者に利用されることが特に有益であるが、第1調理者のみ、すなわち、1人の調理者のみにも利用され得る。本開示においては、第1調理者および第2調理者を用いて、複数の調理者に関する技術的特徴を説明するが、第3調理者など他の調理者がいる場合においても同様に利用され得る。
【0054】
図1Aは、調理支援システム10の概略構成を示すブロック図である。調理支援システム10は記憶部12と情報提示部14と制御部16とを備える。また、調理支援システム10は任意に入力部18を備えてもよい。調理支援システム10は、レシピの調理工程を調理者に振り分けて、レシピと振り分けの結果とを提示することによって、調理に支援する。例えば、第1調理者が実行できなかったレシピについて、実行可能な調理工程を第1調理者に振り分けるように支援すれば、第1調理者がレシピの調理に参与できるようになる。
【0055】
図1Bは、もう1例の調理支援システムの概略構成を示すブロック図である。後述するように、記憶部12には、複数のレシピ、それぞれのレシピの調理工程の重要度および調理条件、ならびに、それぞれの調理者の調理者情報を記憶してもよい。また、後述するように、情報提示部14はレシピの提示および振り分けの結果の提示という機能を有し、制御部16は調理者の設定および調理工程の振り分けという機能を有する。
【0056】
<記憶部12>
記憶部12は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、制御部16の作業領域として機能するメモリであってもよい。記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ、RAM、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部12には、少なくとも、(1)少なくとも1人の調理者の調理者情報、および、(2)複数の調理工程を有するレシピが記憶されている。そして、それぞれのレシピについて、その調理工程の重要度および調理条件も記憶されている。これらの資料はデータベースまたは個別のファイルの形式で記憶されてもよい。
【0057】
<情報提示部14>
調理支援システム10の情報提示部14は、画像、テキストのような種々の情報を提示することができる。情報提示部14は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、スピーカ、スピーカマイク、スピーカフォン等により構成されてもよい。すなわち、情報提示部14はグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface、GUI)および/または音声ユーザインタフェース(Voice User Interface、VUI)を含んでもよい。GUIおよび/またはVUIによって、画像、文字、動画などを情報提示部14のディスプレイに表示させたり、文字に基づく音声などを情報提示部14のスピーカに読み上げさせたりしてもよい。情報提示部14は、レシピおよび後述する振り分けの結果を提示してもよく、また、後述するように、振り分けレシピや、調理工程についての支援情報などを提示してもよい。
【0058】
<制御部16>
制御部16は、調理支援システム10全体の制御を司るコントローラである。制御部16は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPUまたはMPUのような汎用プロセッサを含む。制御部16は、記憶部12に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、調理支援システム10における各種の制御を実現する。制御部16は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。すなわち、制御部16は、CPU、MPU、GPU、FPGA、DSP、ASIC等、種々のプロセッサで実現することができる。
【0059】
制御部16はデータを記憶部12から読み出したりデータを記憶部に記憶させたりすることができる。制御部16は、読み出したデータをそのままに、または読み出したデータを処理してから情報提示部14に提示させてもよい。制御部16は、後述する調理支援方法に従って調理支援システム10を制御し、調理者の調理者情報に基づいて調理工程を振り分け、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部14に提示させることができる。
【0060】
また、調理支援システム10はWi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格に従って、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等と通信し、ひいて情報端末装置や家電機器などの調理支援システム10以外の装置、および/または様々なサーバと通信してもよい。
【0061】
<入力部18>
特定の実施例において、調理支援システム10はそのユーザである調理者(例えば、第1調理者または第2調理者)の入力を受けるための入力部18を備える。入力部18は、調理者からの入力指令を受け付ける入力用インターフェースであり、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド、スイッチ、ボタン等を含んでもよい。入力部18は、調理者から受け付けた入力指令や操作の内容を電気信号に変換して制御部16に伝達する。
【0062】
<調理工程の振り分けに用いられるデータ>
前述したように、記憶部12には、少なくとも、(1)少なくとも1人の調理者の調理者情報、および、(2)複数の調理工程を有するレシピが記憶されている。ここで、これらのデータの内容および取得手段についてより具体的に説明する。本開示の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムは、これらのデータを用いて、調理工程を調理者に振り分ける。
【0063】
まず、少なくとも1人の調理者の調理者情報が記憶部12に記憶されている。好ましくは、それぞれの調理者の調理者情報が記憶部12に記憶されている。
【0064】
調理者情報について、調理支援システム10は入力部18を介して調理者が入力した調理者情報を受け、記憶部12に記憶させてもよい。調理者情報は、例えば、制御部16が調理者に対して付与する識別番号、調理者の名称、調理者の身体属性などを含んでもよい。身体属性は、調理者の年齢、身長、および握力の少なくとも1つを含んでもよい。
【0065】
ユーザは、調理の実行前に、入力部18を介して調理者情報を調理支援システム10に入力することができる。
図2Aは、調理者情報を受けるためのユーザインタフェースの略図である。制御部16は、調理者情報の設定や調理者の追加を促すように、
図2Aに示された画面SC1を情報提示部14に提示させてもよい。画面SC1において調理者「花ちゃん」に対応するボタン「情報設定」が押されると、当該調理者(「花ちゃん」)の身体属性等を含む調理者情報の入力のための画面SC2が提示される。
【0066】
制御部16は、入力部18を介してユーザに入力された調理者情報を記憶部12に記憶させる。
図2Bは、記憶部12に記憶された調理者情報を示す略図である。例えば、調理者「花ちゃん」の調理者情報は、「年齢:3歳」、「握力:4kg」、「身長:95cm」等の項目を含む。なお、ユーザは全項目を入力する必要がない。制御部16は、ユーザに入力していない項目について、空白のままにしてもよく、すでに入力された項目で他の項目の内容を推定してもよい。仮に調理者「太郎くん」に対して、「年齢:10歳」および「性別:男」の調理者情報が記憶されているが、「握力」および「身長」の調理者情報が記憶されていない。制御部16は、10歳の男子の平均握力(16kg)および平均身長(135cm)を調理者「太郎くん」の握力および身長として推定し、「握力:16kg」および「身長:135cm」を記憶部12に記憶させてもよい。
【0067】
次に、レシピ、当該レシピの調理工程、およびそれぞれの調理工程の重要度と調理条件が記憶部12に記憶されている。
【0068】
調理工程の重要度とは、あるレシピにおいて特定の調理工程がどのくらい優先的に第1調理者に振り分けるべきかという程度を表すものである。重要度は、あるレシピに含まれる複数の工程の中における相対的な度合いとして設定されてもよい。また、重要度は、全てのレシピに含まれる工程における絶対的な度合いとして設定されてもよい。例えば、レシピにおいて重要な調理工程に対して重要度が高く設定され得る。また、調理者に達成感を与えやすい調理工程に対して重要度が高く設定され得る。例えば、完遂すると褒められやすい調理工程や、調理者のモチベーションを上げやすい調理工程に対して重要度が高く設定され得る。
【0069】
図3Aおよび
図3Bは、異なるレシピの調理工程と重要度とを示す略図である。本開示では、「A」、「B」、「C」を用いて重要度の高さを示し、「A」は「B」より重要度が高く、「B」は「C」より重要度が高い。例えば、
図3Aに示されたレシピ「キャベツのドレッシング和え」において、調理工程「3.水を切りドレッシングで和える」は、重要な工程なので、その重要度が「A」に設定されている。
図3Bに示されたレシピ「とんぺいやき」において、調理工程「8.ソースをかける」は、料理を仕上げて完遂すると褒められやく、調理者に達成感を与えやすい調理工程なので、その重要度が「A」に設定されている。
【0070】
本開示において、高い順の重要度を「A」、「B」、「C」で表現しているが、これに限らない。例えば、「0」~「7」で最も高い重要度から最も低い重要度を表現してもよい。また、制御部16は、一部の調理工程のみに対して重要度を設定しておいてもよい。他に設定されていない調理工程は、デフォルトで最低または最高の重要度にとされてもよい。
【0071】
調理工程の調理条件とは、当該調理工程を実行するために調理者等に求められる条件である。例えば、包丁で素材を切ることや、フライパンで素材を炒めることを実行するために、調理者にはある程度の握力または年齢が求められる。この観点からすると、調理条件は調理者の身体属性に関する条件を含んでもよい。例えば、調理条件は、身体属性に関連する、年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含んでもよい。
【0072】
1つの実施例において、効率的に調理工程を振り分けるために、それぞれの調理工程において、調理に対する「素材」と素材に対する「調理法」とを抽出してから、調理条件を設定してもよい。制御部16は、そのため、制御部16は、
図3Aおよび
図3Bに示されているように、それぞれの調理工程を素材と調理法とに関連する「調理要素」に対応させ、対応する調理要素を調理工程とともに記憶部12に記憶させてもよい。本開示において、調理工程の調理条件の代わりに、調理工程が対応する調理要素の調理条件に基づいて、調理工程を振り分ける。
【0073】
素材は、例えば、肉、魚、卵、葉物の野菜、根菜、各種の調味料、水、小麦粉などが挙げられるが、これらに限らず、また、生もの、加工品、料理の未完成品などが含まれる。調理法は、素材を処理する方法であり、包丁や鍋、炊飯器、電子レンジなどの調理道具または調理装置を用いて行われてもよく、例えば、下拵え、茹で、炒め、焼き、揚げ、蒸しなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0074】
本開示において、調理要素とは、素材のみ、調理法のみ、または素材と調理法との組み合わせを指す。例えば、
図3Bに示された調理工程「卵をボウルに割る」は、「卵×割る」という調理要素に対応し、調理工程「キャベツと豚肉を炒める」は、「肉×炒める」という調理要素に対応する。素材と調理法との組み合わせである調理要素「素材×調理法」は、例えば「葉物×茹でる」、「肉×下拵え」のように表現されるが、他の形式によって表現されうる。記憶部12に記憶された電子データとして、対応する素材と調理法をその調理要素に関連付けられるものであればよく、データ構造や記憶の形式については制限しない。
【0075】
1つの調理工程が複数の調理要素に対応してもよい。複数の素材を取り扱う1つの調理工程について、代表的な素材、処理に特に気をつけるべき素材またはこれらの素材の上位概念を抽出し、この調理工程に対応する調理要素の「素材」としてもよい。例えば、「バターをタマネギに加えて、それらを炒める」という調理工程を、「葱系」、「炒める」または「葱系×炒める」という調理要素に対応させてもよい。素材を複数の調理法で取り扱う調理工程について、代表的な調理法、処理に特に気をつけるべき調理法、またはこれらの調理法の上位概念を抽出し、この調理工程に対応する調理要素の「調理法」としてもよい。例えば、「ほうれん草を洗う・切る」という調理工程を、「葉物」、「下拵え」または「葉物×下拵え」という調理要素に対応させてもよい。レシピに複数の調理工程を有する場合、それぞれの調理工程が各自の調理要素に対応してもよい。すなわち、1つのレシピまたは1つの調理工程において複数の調理要素を併用してもよい。
【0076】
一方、比較的に複雑の手順が要る調理要素は複数の調理工程に分けられて表現されうるため、複数の調理工程が1つの調理要素に対応してもよい。例えば、「耐熱ボウルに小麦粉、バターを入れて加熱する。よく混ぜ、牛乳を半量加え混ぜ合わせ、加熱する。よく練り混ぜ、残りの牛乳を加え、更に加熱する。塩コショウを加えて、味を整える。よく混ぜる。」という複数の調理工程をまとめて調理要素「ホワイトソース×作る」に対応してもよい。また、このような「ホワイトソース×作る」という調理要素に複数の調理工程が含まれ、当該複数の調理工程は別のレシピとして記憶され、処理中のレシピから当該別のレシピと連結してもよい。
【0077】
本開示において、調理要素が調理条件を有する。上述したように、調理条件は、調理工程を実行するために調理者等に求められる条件である。すなわち、当該調理工程に対応する調理要素を実行するために調理者等に求められる条件である。実施の形態1において、調理者情報は調理者の身体属性を含み、調理条件は、調理者情報と対応する年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含む。
図4は、調理工程(調理要素)と調理条件(身体属性)とを示す略図である。例えば、調理要素「葉野菜×ちぎる」は、「握力:4kg以上」および「年齢:3歳以上」という調理条件を有する。
【0078】
<調理支援方法>
上述した調理支援システム10は調理支援方法を実行することができる。
図5Aは、調理支援方法のフローチャートである。調理支援方法は以下のステップS105~ステップS150を含んでもよい。
【0079】
1つの実施例において、調理支援システム10のユーザは、優先したい第1調理者、他の調理者、および/または調理者の調理者情報を入力することができる。この実施例において、制御部16は、第1調理者を指定する調理者指定指令を受け、第1調理者を設定する(ステップS105)。
【0080】
ユーザは、1つのレシピを調理するごとに、当該調理に参与する調理者を指定してもよく、さらに調理者のうち、他の調理者よりも優先したい調理者を「主役」として「第1調理者」を指定してもよい。
図6は、調理者指定指令を受けるためのユーザインタフェースの略図である。制御部16は、
図6に示された画面SC3のように、事前に登録された調理者の名称を情報提示部14に提示させてもよい。画面SC3において、調理に参与する調理者、例えば「花ちゃん」と「パパ」とが選択される。ユーザが画面SC4において「主役優先」という調理の目的を選択して「主役設定」というボタンを押すと、選択された調理者のうちから第1調理者(主役)を選択するための画面SC5が提示される。画面SC4における「主役設定」のボタン、または画面SC5における「確定」のボタンが押されたとき、入力部18は、主役優先を表す目的設定指令を制御部16に伝達する。また、画面SC5における「確定」のボタンが押されたとき、入力部18は、第1調理者を指定する調理者指定指令を制御部16に伝達する。
【0081】
すなわち、制御部16は、入力部18を介して、主役優先を表す目的設定指令および第1調理者を指定する調理者指定指令を受けたとき、第1調理者を主役として設定する。後述するステップS130において、制御部16は、第1調理者以外の調理者(例えば、第2調理者)と比べて、第1調理者を優先して調理工程を振り分ける。
【0082】
そして、制御部16は、振り分けの対象であるレシピを読み出す(ステップS110)。より具体的には、制御部16は、レシピ、当該レシピの調理工程、およびそれぞれの調理工程の重要度と調理条件とを記憶部12から読み出す。また、制御部16は、記憶部12または入力部18から、第1調理者の調理者情報を取得する(ステップS120)。なお、ステップS105が実行される実施例において、制御部16は、第1調理者の調理者情報を取得する(ステップS120)の前に、ステップS105を行う。ステップS105が実行されない実施例において、前に設定された目的および/または第1調理者は記憶部12に記憶される。制御部16は、記憶部12から「主役優先」との目的および/または第1調理者を読み出し、同じ第1調理者を主役として設定してもよい。
【0083】
また、制御部16は、ステップS110の前に、画面SC6のように、少なくとも1つのレシピを情報提示部14に提示してもよい。1つの実施例において、ユーザが提示されたレシピから調理しようとするレシピを指定すると、制御部16は、入力部18を介してレシピ指定指令を受け、当該指定されたレシピを振り分けの対象とする。レシピ指定指令は、指定されたレシピの名称または識別子を含んでもよい。
【0084】
制御部16は、ステップS120で取得した調理者情報、およびステップS110で読み出した調理工程の重要度と調理条件とに基づいて、第1調理者を優先して調理工程を振り分ける。具体的には、制御部16は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第1調理者に振り分ける(ステップS130)。
【0085】
まず、重要度が重要度閾値以上の調理工程は、第1調理者以外の調理者より、優先的に第1調理者に振り分ける。すなわち、重要度が高い調理工程は優先的に第1調理者に振り分ける。例えば、重要度閾値が「A」に設定されており、
図3Aまたは
図3Bに示されたレシピの調理工程を振り分ける場合、制御部16は、重要度「A」を有する調理工程のみ第1調理者に振り分けようとする。
【0086】
そして、制御部16は、重要度が重要度閾値以上の調理工程のうち、第1調理者が実行可能な調理工程を判断する。ここで、第1調理者の調理者情報がある調理工程の調理条件を満たしていると、制御部16は当該調理工程が第1調理者によって実行可能と判断する。
【0087】
上述したように、調理条件は、調理工程を実行するために調理者等に求められる条件である実施の形態1において、調理者情報は調理者の身体属性を含み、調理条件は、調理者情報と対応する年齢閾値、身長閾値、および握力閾値の少なくとも1つを含む。以下の実施例において、複数の調理条件が設定されている場合、調理者情報が少なくとも1つの調理条件を満たせれば、調理者情報が調理条件を満たしていると判断される。ただし、これに限らない。
【0088】
制御部16は、調理者情報、および調理工程の重要度と調理条件とに基づいて、調理工程を第1調理者に振り分ける。仮に
図3Bに示されたレシピ「とんぺいやき」を振り分けの対象とし、重要度閾値が「A」であり、第1調理者が
図2Bに示された「花ちゃん」である。制御部16は、当該レシピにおいて、調理工程「1.卵をボウルに割る」、「2.キャベツをちぎる」、「5.卵を焼く」、および「8.ソースをかける」の重要度が重要度閾値「A」以上と判断する。そして、制御部16は、この4つの調理工程のうち、第1調理者「花ちゃん」の調理者情報(「年齢:3歳」、「握力:4kg」および「身長:95cm」)が調理工程「8.ソースをかける」の調理条件(「年齢:3歳以上」)を満たしていると判断する。そのため、制御部16は、当該調理工程「8.ソースをかける」を第1調理者「花ちゃん」に振り分ける。
【0089】
1つの実施例において、制御部16は、レシピにおいて残りの調理工程がある場合、残りの調理工程を、第1調理者以外の調理者に振り分ける(ステップS140)。例えば、上述した例示において、レシピ「とんぺいやき」において調理工程「8.ソースをかける」のみが第1調理者「花ちゃん」に振り分けられる。残りの調理工程は、全部第2調理者(例えば、「パパ」)に振り分けてもよい。第1調理者以外に複数の調理者がいる場合、レシピにおける実行順で、重要度の高い順で、または調理条件の容易さの低い順で、残りの調理工程を当該複数の調理者に振り分けてもよい。1つの実施例において、残りの調理工程に対して、制御部16は、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第2調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した調理工程を第2調理者に振り分ける。そして、さらに残りの調理工程がある場合、制御部16は、さらに残りの調理工程を第1調理者および第2調理者以外の調理者(例えば、第3調理者)に振り分ける。なお、ステップS130での判断さえ満足できれば、すべての調理工程は第1調理者に振り分けてもよい。
【0090】
振り分けの処理が完了した後、制御部16は、レシピとともに、情報提示部14を介して振り分けの結果を提示する(ステップS150)。
図7は、身体属性による振り分けの結果を示す略図である。
図7に示された画面SC7において、レシピのそれぞれの調理工程およびその振り分けの結果(すなわち、それぞれの調理工程を担当する調理者)が提示されている。制御部16は、振り分けの結果を、文字、画像、アイコン、表、フローチャートなどの視覚的要素を用いて、情報提示部14に視覚的に提示させてもよい。例えば、主役と設定された第1調理者(「花ちゃん」)に振り分けてられた調理工程に対して、星印のアイコンを用いて強調してもよい。振り分けの結果の視覚的提示によって、調理者は振り分けの結果を容易に把握できる。
【0091】
1つの実施例において、すべての調理者の調理者情報が残りの調理工程の調理条件を満たしていない場合、制御部16は、残りの調理工程を振り分けない。制御部16は、「このレシピをお勧めしません」や、「調理不可」などのメッセージをレシピとともに情報提示部14に提示させてもよい。
【0092】
1つの実施例において、主役として設定された第1調理者に振り分けられる調理工程がない場合、制御部16は、「主役に割り当てができませんでした」などのメッセージを情報提示部14に提示させてもよい。また、この場合において、制御部16は、第1調理者に振り分け得る調理工程を有するレシピを、推薦レシピとして情報提示部14に提示させてもよい。
【0093】
1つの実施例において、制御部16は、ステップS140の後、かつ、ステップS150の前に、振り分けた調理工程に基づいて、振り分けレシピを生成する(ステップS145)。例えば、制御部16は、複数の調理者に振り分けた調理工程に基づいて、複数の調理者のそれぞれのための複数の振り分けレシピを生成する。具体的に、制御部16は、それぞれの調理者に対して、振り分けた調理工程をまとめたレシピを振り分けレシピとして作成してもよい。制御部16は、1つのオリジナルのレシピから、調理者の人数分の振り分けレシピを作成してもよい。また、制御部16は、振り分けレシピに、対応する調理者に振り分けしていない調理工程について、当該調理工程を担当する調理者の名称を追記してもよい。
【0094】
図8A~
図8Cは、振り分けレシピを提示するための、異なるユーザインタフェースの略図である。制御部16は、画面SC7のような振り分けの結果に基づいて、第1調理者(「花ちゃん」)に対する振り分けレシピR1、および第2調理者(「パパ」)に対する振り分けレシピR2を作成する。
【0095】
図8Aに示された実施例において、第1調理者は第1端末装置を持ち、第2調理者は第2端末装置を持つ。振り分けレシピR1および振り分けレシピR2は、画面SC8および画面SC9に示されているように、第1端末装置の情報提示部および第2端末装置の情報提示部にそれぞれに提示される。それにより、振り分けレシピR1および振り分けレシピR2は、異なる場所で提示可能であるため、振り分けの結果を確認しやすくように調理者を支援することができる。なお、調理支援システム10に含まれてもよく、調理支援システム10に含まれていない外部装置であってもよい。
【0096】
図8Bに示された実施例において、画面SC10に示されているように、振り分けレシピR1および振り分けレシピR2は同様に第1端末装置に提示される。このようにすれば、1つの端末装置、または1つの情報提示部14だけでも複数の振り分けレシピを提示することができる。
【0097】
図8Cに示された実施例において、画面SC11に示されているように、振り分けレシピR1および振り分けレシピR2のいずれか1つが第1端末装置に提示される。調理支援システム10は、カメラ、人感センサまたはブルートゥース(登録商標)接続を用いて、調理支援システム10に最寄りの調理者、コンロに最寄りの調理者、または第1端末装置に最寄りの調理者を検出してもよい。制御部16は、検出した調理者に対応する振り分けレシピを第1端末装置または情報提示部14に提示させてもよい。あるいは、調理支援システム10は、カメラ、タイマまたはユーザ入力に基づいて、行っている調理工程を推定し、当該調理工程を担当する調理者を特定し、当該調理者に対応する振り分けレシピを提示してもよい。
【0098】
また、1つの実施例において、調理支援システム100は、上述したような調理支援方法を実行するために使用されるプログラムを有する。
【0099】
これにより、制御部16は、第1調理者を優先してレシピの複数の調理工程を調理者に振り分ける処理を完了する。振り分けの結果、またはそれに基づいて振り分けレシピは、様々な形式で調理者に提示することができる。このようにすれば、重要度が高い調理工程は優先的に第1調理者に振り分けるため、調理により、第1調理者に達成感が持たせやすく、第1調理者に調理への楽しさおよび満足感を感じさせやすく、複数の調理者間の共同作業で楽しみを得させられる。すなわち、本開示の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、レシピの調理工程を適切に調理者に振り分けることができる。
【0100】
注意すべきことに、調理支援方法は上述したステップS105およびステップ145を含まなくてもよい。
図5Bは、調理支援方法のフローチャートの別例である。
図5Bに示されているように、調理支援方法はステップS110、ステップS120、ステップS130、ステップS140、およびステップS150のみを含んでもよい。
【0101】
《実施の形態2》
<第1調理者の習得レベルによって振り分ける場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態2について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態2において、制御部16は、習得レベルに関連する調理者情報および調理条件に基づいて、調理工程を振り分ける。
【0102】
実施の形態2において、調理者情報は調理者が調理工程に対する習得レベルを含む。習得レベルとは、ある調理工程、またはその調理工程に対応する調理要素に対して、調理者の調理能力・熟練度・経験値を表すものである。記憶部12には、それぞれの調理者の習得レベルが記憶されている。別の実施例において、習得レベルは、それぞれの調理工程または調理要素に対するものではなく、調理者の全体的な調理能力を表すものである。
【0103】
記憶部12に記憶された調理要素の習得レベルを、ユーザの入力によって手動的に設定または変更をすることができる。制御部16は、入力部18を介して、少なくとも1つの調理要素の習得レベルを設定するような習得レベル設定指令を受けたとき、習得レベル設定指令に応じて当該調理要素の習得レベルを設定してもよい。以下、具体的に説明する。
【0104】
習得レベルの初期値は、第1調理者の入力により手動的に設定されてもよい。例えば、調理支援システム、調理支援方法およびプログラムは、「初心者」、「中級者」、「上級者」、「家庭主婦」、「一人暮らしの大学生」などのラベルを定義し、それぞれのラベルに対して調理要素の習得レベルの初期値を定義し、記憶部12記憶させてもよい。この場合、第1調理者が初めて調理支援システムまたは調理支援方法を利用するとき、情報提示部14に提示されるアンケートなどの形式を介して、第1調理者に自身に適したラベルを入力部18に選択(入力)させ、選択されたラベルに基づいて習得レベルの初期値を設定してもよい。
【0105】
また、情報提示部14のユーザインタフェースを介して第1調理者に初期値を設定させるとき、少なくとも1つの特定の調理要素に設定させてもよく、特定の素材および/または調理法について一括設定させてもよい。例えば、調理支援システム、調理支援方法およびプログラムは、「葉物料理」、「卵料理」、「煮物」、「焼物」、「調理全般」などの項目を提示し、入力部18を介して少なくとも1つの項目について第1調理者が選択したまたは直接に入力した習得レベルを受信し、それに対応する調理要素の習得レベルの初期値を設定してもよい。例えば、「葉物料理」について第1調理者が「中級」を入力した場合、「葉物×下拵え」、「葉物×茹でる」など葉物の素材を含んだすべての調理要素の習得レベルの初期値を「中級」に設定することができる。
【0106】
1つの実施例において、制御部16がレシピと振り分けの結果とを提示した後でも、習得レベルの初期値を調理者に設定させるように、習得レベルの現在値を調理者の入力により手動的に設定されることができる。制御部16は、入力部18を介して習得レベル設定指令を受けたか否かを判断し、習得レベル設定指令を受けたとき、習得レベル設定指令に応じて調理要素の習得レベルを設定する。例えば、設定用のインターフェースを情報提示部14に提示し、入力部18によって、少なくとも1つの特定の調理要素に設定させてもよく、特定の素材および/または調理法について一括設定させてもよい。なお、習得レベル設定指令によって指定される習得レベルが記憶部12に記憶されている内容が異なる場合、習得レベル設定指令に応じて当該習得レベルを変更する。
【0107】
図9は、調理要素と調理条件(習得レベル)とを示す略図である。例えば、調理要素「卵×割る」を実行するために、調理者に「習得レベル:2以上」という調理条件が求められ、調理要素「かける」を実行するために、調理者に「習得レベル:1以上」という調理条件が求められる。
【0108】
図10は、
図3Bに示された重要度および
図9に示された習得レベルによる振り分けの結果を示す略図である。仮に
図3Bに示されたレシピ「とんぺいやき」を振り分けの対象とし、重要度閾値が「A」であり、第1調理者(「花ちゃん」)がすべての調理要素に対する習得レベルが1であり、第2調理者(「パパ」)がすべての調理要素に対する習得レベルが4である。ステップS130において、制御部16は、当該レシピにおいて、調理工程「1.卵をボウルに割る」、「2.キャベツをちぎる」、「5.卵を焼く」、および「8.ソースをかける」の重要度が重要度閾値「A」以上と判断する。そして、制御部16は、この4つの調理工程のうち、第1調理者「花ちゃん」の調理者情報(「習得レベル:1」)が調理工程「8.ソースをかける」の調理条件(「習得レベル:1以上」)を満たしていると判断した、制御部16は、当該調理工程「8.ソースをかける」を第1調理者「花ちゃん」に振り分ける。
【0109】
続いて、制御部16は、ステップS140において、残りの調理工程を第2調理者に振り分け、ステップS150において、振り分けの結果を画面SC12のように情報提示部14に提示させる。
【0110】
これにより、制御部16は習得レベルによる振り分けの処理を完了する。実施の形態2の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者の習得レベル、すなわち、調理スキルの高さに基づいて、第1調理者を優先して調理工程を振り分けることが可能となる。また、習得レベルは、ユーザの入力によって手動的に設定・変更できるため、より正確で第1調理者の感覚に沿った習得レベルを保持することができる。
【0111】
《実施の形態3》
<第1調理者の除外条件によって振り分ける場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態3について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態3において、制御部16は、除外条件に関連する調理者情報および調理条件に基づいて、調理工程を振り分ける。
【0112】
実施の形態3において、調理者情報は調理者の除外条件を含む。除外条件とは、安全上の理由で、調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置を表すものであり、消極的な条件である。例えば、調理支援システム10のユーザは、7歳以下の調理者に包丁を利用させないように、7歳以下の調理者に対して「除外条件:包丁」を調理支援システム10に入力してもよい。また、調理支援システム10のユーザは、15歳以下の調理者にコンロを利用させないように、15歳以下の調理者に対して「除外条件:コンロ」を調理支援システム10に入力してもよい。
【0113】
調理者の除外条件に応じて、調理工程または調理要素が除外条件として設定され得る調理法、調理道具、または調理装置を含む場合、制御部16は、当該調理法、調理道具、または調理装置を調理条件に追加的に設定してもよい。
図11は、調理要素と調理条件(除外条件)とを示す略図である。仮に、包丁という調理道具およびコンロという調理装置が除外条件として設定され得る。調理要素「肉×炒める」を実行するためにコンロが利用されるため、当該調理要素に対して「利用条件:コンロ」という調理条件が設定されている。
【0114】
図12は、
図3Bに示された重要度および
図11に示された身体属性および除外条件による振り分けの結果を示す略図である。仮に
図3Bに示されたレシピ「とんぺいやき」を振り分けの対象とし、重要度閾値が「A」であり、第1調理者(「太郎くん」)の調理者情報は、「年齢:10歳」、「握力:16kg」、「除外条件:コンロ」等の項目を含む。ステップS130において、制御部16は、当該レシピにおいて、調理工程「1.卵をボウルに割る」、「2.キャベツをちぎる」、「5.卵を焼く」、および「8.ソースをかける」の重要度が重要度閾値「A」以上と判断する。この4つの調理工程のうち、調理工程「5.卵を焼く」の調理条件に「利用条件:コンロ」が設定されており、第1調理者の「除外条件:コンロ」との調理者情報と抵触する。そのため、制御部16は、第1調理者の調理者情報が調理工程「5.卵を焼く」の調理条件を満たしていないと判断し、当該調理工程を第1調理者に振り分けない。一方、制御部16は、第1調理者の調理者情報が調理工程「1.卵をボウルに割る」、「2.キャベツをちぎる」、および「8.ソースをかける」を満たしていると判断する。そのため、制御部16は、当該3つの調理工程を第1調理者「太郎くん」に振り分ける。
【0115】
続いて、制御部16は、ステップS140において、残りの調理工程を第2調理者に振り分け、ステップS150において、振り分けの結果を画面SC13のように情報提示部14に提示させる。
【0116】
これにより、制御部16は除外条件による振り分けの処理を完了する。制御部16は ことができる。実施の形態2の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者の除外条件、すなわち、安全上、調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置に基づいて、第1調理者を優先して調理工程を振り分けることが可能となる。
【0117】
《実施の形態4》
<調理者の満足度を取得する場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態4について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態4において、調理支援システム10のユーザ(例えば、第1調理者または他の調理者)は、調理終了後、行った調理についてフィードバックを調理支援システム10に提供することができる。
【0118】
図13は、実施の形態4の調理支援方法のフローチャートである。調理支援システム10は、あるレシピの振り分けの結果を提示し(S150)、当該レシピの調理の終了後、調理者の満足度を表す入力を受け、満足度を記憶する(ステップS160)。制御部16は、受けた満足度(フィードバック)に基づいて、後述するように当該満足が対応する調理工程または調理要素の調理条件を変更してもよい。
【0119】
1つの実施例において、第1調理者は、入力部18を介して、レシピまたは第1調理者に振り分けられた調理工程に対する満足度を調理支援システム10に入力する。別の実施例において、他の調理者、またはすべての調理者が満足度を入力する。
【0120】
図14は、満足度を受けるためのユーザインタフェースの略図である。第1調理者は、画面SC14に示されたユーザインタフェースを介して、チェックマークのアイコンを白丸につけることによって、満足度を入力することができる。制御部16は、例えば、左側の「つまらなかった。もうつくりたくない。」との白丸、真ん中の白丸、および右側の「まんぞく。またつくりたい。」との白丸に対して、それぞれに「-1」、「0」、および「1」との満足度に対応させてもよい。
【0121】
レシピ「とんぺいやき」の調理後、調理中に第1調理者として設定された「太郎くん」は、レシピ「とんぺいやき」における少なくとも1つの調理工程に対して満足度を入力することができる。例えば、画面SC14に示された実施例において、「太郎くん」が卵を割るときにうまく割れなかったため、調理工程「卵をボウルに割る」(調理要素「卵×割る」に対応)に対して「つまらなかった。もうつくりたくない。」という満足度(「-1」)を入力した。一方、「太郎くん」が卵を混ぜる過程において楽しさを感じたため、調理工程「卵を混ぜる」(調理要素「卵×混ぜる」に対応)に対して「まんぞく。またつくりたい。」という満足度(「1」)を入力した。入力部18を介して満足度を表す入力を受けた場合、制御部16は、その満足度を記憶部12に記憶させる。なお、ユーザに入力されていない調理工程またはユーザが担当していなかった調理工程に対して、制御部16はデフォルト値の「0」を満足度として記憶部12に記憶させてもよい。
【0122】
これにより、制御部16はユーザが調理に対する満足度を取得して記憶する処理を完了する。実施の形態4の調理支援システム10、調理支援方法およびプログラムによれば、ユーザの満足度を取得することができるため、後に、ユーザの満足度に基づいて調理支援の内容、例えば、調理工程の振り分け方を変更することが可能となる。
【0123】
《実施の形態5》
<調理者の満足度によって振り分ける場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態5について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態5において、制御部16は、満足度に関連する調理者情報および調理条件に基づいて、調理工程を振り分ける。
【0124】
実施の形態5において、調理者情報は調理者によって入力された満足度を含む。当該満足度は、上述した実施の形態4のように第1調理者などのユーザから取得され得る。制御部16は、調理者の満足度に応じて、満足度に関連する条件を調理条件に追加的に設定してもよい。
図15は、調理要素と調理条件(満足度)とを示す略図である。
図15に示された実施例において、すべての調理要素に対して、「満足度:マイナスでない」という調理条件が追加的に設定されている。
【0125】
重要度が高い調理工程、すなわち、調理者に達成感を与えやすいと予想される調理工程は優先的に第1調理者に振り分ける。しかしながら、第1調理者は調理を行って、予想とは異なる感想を持つことがあり得る。例えば、調理者は個人的な好みによって、特定の調理要素に対応する調理工程に対して「つまらなかった」と感じることがあり得る。制御部16は、このような状況を、ユーザからのフィードバック(満足度)によって認識することができる。そして、制御部16は、調理者のモチベーションを下げないように、満足度がマイナス(例えば、「-1」)となっている調理工程(調理要素)を当該調理者に振り分けないようにする。
【0126】
図16は、調理者の身体属性および満足度による振り分けの結果を示す略図である。仮に、調理者「太郎くん」は以前、同じレシピまたは別のレシピの調理において、調理工程「卵をボウルに割る」、または調理要素「卵×割る」に対応する調理工程を実行したことがある。その調理後、調理者「太郎くん」が調理工程「卵をボウルに割る」に対して「-1」の満足度(「つまらなかった」)を入力した。今度、「太郎くん」は、第1調理者として設定され、
図16に示されたレシピ「とんぺいやき」を調理する。調理工程「1.卵をボウルに割る」の重要度が重要度閾値以上であって、かつ、第1調理者「太郎くん」の身体属性が調理工程「卵をボウルに割る」の調理条件を満たしている。しかしながら、「太郎くん」が当該調理工程に対する満足度がマイナスであるため、画面SC15に示されたように、制御部16は当該調理工程を第1調理者「太郎くん」に振り分けない。
【0127】
1つの実施例において、制御部16は、第1調理者の満足度の代わりに、他の調理者の満足度、または、調理に参与する調理者全員の満足度の平均に基づいて、調理工程を振り分ける。
【0128】
実施の形態5の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者が満足度を低く感じる調理工程を当該第1調理者に振り分けない。そのため、第1調理者の調理へのモチベーションが下がることを避けることができ、第1調理者を優先して、レシピの調理工程をより適切に振り分けることができる。
【0129】
《実施の形態6》
<調理工程が調理動作によってサブ工程に分割可能な場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態6について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態6において、少なくとも1つの調理工程が複数のサブ工程に分割可能であり、特には、異なる調理動作を有するサブ工程に分割可能である。制御部16は、第1調理者を含む複数の調理者に、サブ工程のそれぞれを振り分けることができる。
【0130】
図17は、実施の形態6の調理支援方法のフローチャートである。調理工程を振り分ける前に、制御部16は、分割可能な調理工程の分割情報を記憶部12から読み出す(ステップS122)。そして、制御部16は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断したサブ工程を第1調理者に振り分ける(ステップS130’)。なお、ステップS130’はステップS130に含まれる。制御部16は、分割不可な調理工程に対して、前述した実施の形態1~5のように第1調理者または他の調理者に振り分けてもよい。
【0131】
分割可能な調理工程に対して、記憶部12は、分割可能な調理工程の分割情報を記憶してもよい。分割情報は、分割可能な調理工程の複数のサブ工程のそれぞれの重要度と調理条件とを含んでもよい。また、分割情報は、それぞれの調理工程が分割可能であるか否かを含んでもよい。サブ工程は、属する調理工程と部分的に同様な素材、調理法、調理道具、または調理装置を有する。
【0132】
実施の形態6において、分割可能な調理工程のサブ工程は、異なる調理動作を有する工程である。簡単な調理法に対して、調理動作は調理法と同様であってもよい。複雑で一連の動作によって実行される調理法に対して、調理動作はその一連の動作のうちの少なくとも1つであってもよい。そして、少なくとも1つの当該サブ工程の調理条件は、分割可能な調理工程の調理条件と比べて、容易である。調理工程を複数のサブ工程に分割することによって、複数の調理者がともに1つの調理工程を実行することが可能となる。そのため、第1調理者以外の調理者は、第1調理者を支援することができる。1つの実施例において、分割可能な調理工程は、当該調理工程において第2調理者が第1調理者を支援するように、異なる調理動作を有するサブ工程に分割され得る。すなわち、調理工程は、第1調理者(主役)が行う動作を有するサブ工程と、第2調理者(支援者)が行って主役を支援するための動作を有するサブ工程とに分割され得る。第1調理者にとって、元々実行できない調理工程であっても、当該調理工程の一部となるサブ工程であれば、または他の調理者の支援があれば、サブ工程を実行できるようになる場合がある。
【0133】
図18は、サブ工程と調理条件(身体属性)とを示す略図である。例えば、調理要素「肉×炒める」は、「フライパンを支える」および「箸で混ぜる」という2つのサブ工程に分割可能である。調理要素「肉×炒める」を実行するために、元々「身長:140cm以上」、「握力:20kg以上」または「年齢:12歳以上」という調理条件が求められる。それに対して、サブ工程「箸で混ぜる」を実行するために、「握力:7kg以上」または「年齢:4歳以上」という調理条件のみが求められる。仮に年齢が4歳以上で11歳以下の調理者がいる場合、当該調理者に、調理要素「肉×炒める」を振り分けることができないが、調理要素「肉×炒める」のサブ工程「箸で混ぜる」を振り分けることができる。
【0134】
なお、2つのサブ工程に分割可能な調理工程を例示として挙げられているが、調理要素または調理工程の複雑さによって、制御部16は1つの調理要素または調理工程を3つ以上のサブ工程に分割してもよい。
【0135】
図19は、分割可能な調理工程のサブ工程の振り分けの結果を示す略図である。仮に調理工程「5.キャベツと豚肉を炒める」の重要度が重要度閾値以上である。
図19の画面SC16に示された実施例において、第1調理者「次郎くん」の身体属性(「年齢:5歳」、「握力:8kg」)に基づいて、調理工程「5.キャベツと豚肉を炒める」を、第1調理者「次郎くん」に振り分けられない。しかしながら、第1調理者「次郎くん」の身体属性がサブ工程「箸で混ぜる」の調理条件を満たしているため、制御部16は、サブ工程「箸で混ぜる」を第1調理者「次郎くん」に振り分ける。一方、第1調理者「次郎くん」の身体属性が依然として調理工程「5.キャベツと豚肉を炒める」のサブ工程「フライパンを支える」の調理条件を満たしていない。そのため、制御部16は、当該サブ工程「フライパンを支える」を他の調理者(例えば、「ママ」)に振り分ける。
【0136】
さらに、制御部16は、ステップS130およびステップS140において、上述した実施の形態1~5のように、他の調理工程またはサブ工程を第1調理者または他の調理者に振り分ける。
【0137】
1つの実施例において、すべての調理者の調理者情報が残りの調理工程またはサブ工程の調理条件を満たしていない場合、制御部16は、残りの調理工程を振り分けない。制御部16は、「このレシピをお勧めしません」や、「調理不可」などのメッセージをレシピとともに情報提示部14に提示させてもよい。
【0138】
1つの実施例において、制御部16は、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしてないと判断したサブ工程または調理工程を第1調理者に振り分けない。調理工程をサブ工程に分割しても、主役として設定された第1調理者に振り分けられる調理工程またはサブ工程がない場合、制御部16は、「主役に割り当てができませんでした」などのメッセージを情報提示部14に提示させてもよい。また、この場合において、制御部16は、第1調理者に振り分け得る調理工程またはサブ工程を有するレシピを、推薦レシピとして情報提示部14に提示させてもよい。
【0139】
これにより、制御部16はサブ工程の分割および振り分けの処理を完了する。制御部16は、調理工程をより実行しやすい複数のサブ工程に分割し、サブ工程を振り分けることができる。実施の形態6の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者は元々実行できない調理工程またはレシピに参与することが可能となり、レシピの選択の幅および自由度が大幅に広くなる。また、第1調理者が元々できない調理工程またはレシピに参与できるようになる場合、第1調理者により達成感を持たせることができる。また、サブ工程に分割することによって、第1調理者以外の調理者(例えば、第2調理者)は、第1調理者が実行可能となるように支援することができる。さらに、第1調理者以外の調理者は、このような分割によって第1調理者の支援者となり、第1調理者の達成に寄与したことで、達成感や満足度が持たせられる。
【0140】
《実施の形態7》
<調理工程が時間軸の前後によってサブ工程に分割可能な場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態7について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態7において、少なくとも1つの調理工程が複数のサブ工程に分割可能であり、特には時間軸の前後が異なるサブ工程に分割可能である。制御部16は、第1調理者を含む複数の調理者に、サブ工程のそれぞれを振り分けることができる。
【0141】
実施の形態6と同様に、制御部16は、制御部16は、分割情報を読み出して、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断したサブ工程を第1調理者に振り分ける(ステップS122およびステップS130’)。実施の形態6と比べて、実施の形態7では、サブ工程の分割の仕方が異なる。
【0142】
実施の形態7では、少なくとも1つの調理工程は、時間軸の前後が異なる複数のサブ工程に分割可能である。調理中、当該複数のサブ工程は同時に実行されず、時間軸の前後順で実行される。
図20Aおよび
図20Bは、違う例示においてサブ工程と重要度とを示す略図である。例えば、調理工程「ソース×かける」は、時間軸の前後異なる「前半」および「後半仕上げ」という2つのサブ工程に分割可能である。すなわち、実施の形態7におけるサブ工程は、1つの調理工程から、時間軸で前後に分割された工程である。一般的に、時間軸において前にあるサブ工程「前半」と比べると、時間軸において後にあるサブ工程「後半仕上げ」の方は、成果が目視されやすく、調理工程全体を完成させるという達成感が得られやすい。そのため、調理工程「ソース×かける」において、サブ工程「後半仕上げ」の重要度が比較的に高く設定され得る。すなわち、同じ調理工程から分割された、かつ、時間軸の前後が異なるサブ工程において、時間軸において後にあるサブ工程は、比較的高い重要度を有してもよい。例えば、調理工程「ソース×かける」の重要度が「A」である。
図20Aに示されているように、調理工程「ソース×かける」において比較的に重要度が高いサブ工程「後半仕上げ」は、重要度が「A+」と設定される。
【0143】
もう1つの例示として、調理工程「餃子の具×包む」は、時間軸の前後異なる「前半手本」および「後半やりきる」という2つのサブ工程に分割可能である。第1調理者にとって、元々実行できない調理工程であっても、手本を見れば実行できるようになる場合がある。そのため、時間軸において前にあるサブ工程「前半手本」が担当可能な他の調理者がいる場合、時間軸において後にあるサブ工程「後半やりきる」の調理条件は、元々の調理工程の調理条件と比べて、容易となる。すなわち、時間軸において後にあるサブ工程の調理条件は、分割可能な調理工程の調理条件と比べて、容易であってもよい。例えば、調理工程「餃子の具×包む」の調理条件は「年齢:12歳以上」であるが、調理工程「餃子の具×包む」のサブ工程「後半やりきる」の調理条件は「年齢:7歳以上」になる。サブ工程「後半やりきる」を第1調理者に振り分けることによって、第1調理者以外の調理者は、サブ工程「前半手本」を担当し、サブ工程「後半やりきる」を担当する第1調理者を支援することができる。なお、サブ工程「後半やりきる」を第1調理者に振り分けやすいように、調理工程「餃子の具×包む」において、サブ工程「後半やりきる」の重要度が比較的に高く設定され得る。
【0144】
図21Aは、
図20Aに示された分割情報による振り分けの結果を示す略図である。仮に、仮に
図21Aに示されたレシピ「蒸し餃子」における4つの調理工程の重要度が全部「A」であり、重要度閾値が「A」であり、第1調理者(「太郎くん」)の調理者情報は、「年齢:10歳」、「握力:16kg」等の項目を含む。第1調理者の調理者情報「年齢:10歳」が、調理工程「2.包む」の調理条件に「年齢:12歳以上」を満たしていないため、制御部16は、当該調理工程を第1調理者に振り分けない。しかしながら、第1調理者の調理者情報「年齢:10歳」が、調理工程「2.包む」のサブ工程「後半やりきる」の調理条件「年齢:7歳」を満たしているため、ステップS130’において、制御部16は当該サブ工程「後半やりきる」を第1調理者に振り分ける。なお、サブ工程「前半手本」は他の調理者(例えば、「パパ」)に振り分けられる。振り分けの結果として、
図21Aの画面SC17に示されたように、調理工程「2.包む」は、「パパ支援」を条件にしてその一部(すなわち、サブ工程「後半やりきる」)を第1調理者「太郎くん」に振り分ける。
【0145】
1つの実施例において、制御部16は、サブ工程を振り分けるときに、重要度が比較的高いサブ工程を第1調理者に振り分ける。
図20Aのように、比較的高いサブ工程の重要度(「A+」)が元の調理工程の重要度(「A」)より高く設定された場合でも、
図20Bのように、比較的低いサブ工程の重要度(「A-」)が元の調理工程の重要度(「A」)より低く設定された場合でも、このような振り分け方が適用できる。
【0146】
さらに、制御部16は、ステップS130およびステップS140において、上述した実施の形態1~5のように、他の調理工程またはサブ工程を第1調理者または他の調理者に振り分ける。
【0147】
図21Bは、振り分けレシピを提示するためのユーザインタフェースの略図である。制御部16は、ステップ145(
図17)において、
図21Aに示された振り分けの結果に基づいて、第1調理者「太郎くん」および第2調理者「パパ」のそれぞれに対して振り分けレシピR1、R2を生成する。そして、画面SC18および画面SC19に示されているように、制御部16は、これらの振り分けレシピR1、R2を第1端末装置および第2端末装置にそれぞれに提示させることができる。
【0148】
1つの実施例において、すべての調理者の調理者情報が残りの調理工程またはサブ工程の調理条件を満たしていない場合、制御部16は、残りの調理工程を振り分けない。制御部16は、「このレシピをお勧めしません」や、「調理不可」などのメッセージをレシピとともに情報提示部14に提示させてもよい。
【0149】
1つの実施例において、制御部16は、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしてないと判断したサブ工程または調理工程を第1調理者に振り分けない。調理工程をサブ工程に分割しても、主役として設定された第1調理者に振り分けられる調理工程またはサブ工程がない場合、制御部16は、「主役に割り当てができませんでした」などのメッセージを情報提示部14に提示させてもよい。また、この場合において、制御部16は、第1調理者に振り分け得る調理工程またはサブ工程を有するレシピを、推薦レシピとして情報提示部14に提示させてもよい。
【0150】
これにより、制御部16はサブ工程の分割および振り分けの処理を完了する。制御部16は、調理工程を時間軸の前後順で複数のサブ工程に分割し、サブ工程を振り分けることができる。実施の形態7の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者は元々実行できない調理工程またはレシピに参与することが可能となり、レシピの選択の幅および自由度が大幅に広くなる。また、第1調理者が元々できない調理工程またはレシピに参与できるようになる場合、第1調理者により達成感を持たせることができる。
【0151】
《実施の形態8》
<支援調理装置によって調理条件が容易になる場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態8について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態8において、支援調理装置の利用によって、少なくとも1つの調理工程の調理条件が容易になるように変更可能である。制御部16は、支援調理装置による変更後の調理工程を振り分けることができる。
【0152】
実施の形態8において、調理支援システム10は少なくとも1つの支援調理装置をさらに備える。調理者は当該支援調理装置を利用して調理を実行してもよい。調理支援システム10が利用可能な支援調理装置のリストは、ユーザ入力によって取得されてもよく、制御部16が自動的に検出することによって取得されてもよい。
図22は、実施の形態8の調理支援方法のフローチャートである。制御部16は、変更可能な調理工程の変更情報を記憶部12から読み出す(ステップS124)。そして、制御部16は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した、変更後の調理工程を第1調理者に振り分ける(ステップS130’’)。なお、ステップS130’’はステップS130に含まれる。制御部16は、支援調理装置の利用によって変更不可な調理工程に対して、前述した実施の形態1~7のように第1調理者または他の調理者に振り分けてもよい。
【0153】
記憶部12は、特定のレシピにおいて支援調理装置の利用によって変更可能な調理工程があるか、そして変更可能な調理工程に対してその変更情報を記憶してもよい。変更情報は、当該変更可能な調理工程が属するレシピに関連付けられ、レシピ単位で記憶されてもよい。変更情報は、支援調理装置の利用によって変更後の調理工程、および当該変更後の調理工程の調理条件を含んでもよい。調理支援システム10に含まれ得る、または調理支援システム10に利用され得る調理装置としては、例えば、電子レンジ、ミキサー、電子オーブンレンジ、スマートグリル、真空低温調理器、スマートオーブン、調理鍋(無水調理鍋、電気圧力鍋とか)、電磁調理器、IHクッキングヒーターなどが挙げられる。現在、様々な新しい調理装置が開発・販売されている。支援調理装置を利用すれば、伝統的な調理法を代替して、より簡単に調理工程(調理要素)を実行する場合がある。すなわち、支援調理装置の利用によって変更後の調理工程の調理条件は、変更可能な調理工程の変更前の調理条件と比べて、容易であってもよい。
【0154】
図23は、支援調理装置と変更後の調理条件とを示す略図である。例えば、調理要素「ニンニク×刻む」は、通常では包丁を利用して実行される、包丁の取り扱いは比較的に難しいため、調理条件が「年齢:12歳以上」と設定されている。同様に、通常では包丁を利用して実行される調理要素「根菜×千切り」の調理条件も、比較的に難しく「年齢:12歳以上」と設定されている。しかしながら、
図23に示されたように、ミキサーという支援調理装置を利用すると、包丁を使わずにも、ニンニクを刻みニンニクに調理することができる。そのため、調理者がミキサーを抑える握力さえあれば、例えば、年齢が7歳以上の調理者であれば、ミキサーの支援で調理要素「ニンニク×刻む」を実行することができる。同様に、調理ばさみまたはピーラーを利用すれば、包丁を使わずにも、根菜をある程度に薄く小さく調理することができる。調理者にとって、包丁を利用して根菜を千切りにすることよりも、調理ばさみやピーラーを利用して根菜を千切りにする方が容易である。
【0155】
すなわち、第1調理者にとって、元々実行できない調理工程(調理要素)であっても、支援調理装置を利用すれば、当該調理工程(調理要素)が実行できるようになる場合がある。言い換えると、支援調理装置の支援があれば、当該調理工程(調理要素)を実行できるようになる場合がある。
【0156】
制御部16は、ステップS130’’において、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分ける。
図24は、変更後の調理工程の振り分けの結果を示す略図である。例えば、レシピ「焼きそば(オリジナル)」において、「2.人参を千切りにする」という調理工程があって、調理要素「根菜×千切り」に対応する。当該調理工程は、支援調理装置「調理ばさみ」の利用によって、レシピ「焼きそば(変更後の例1)」に示されたように、調理工程「2.人参を調理ばさみで切る」に変更可能である。また、当該調理工程は、支援調理装置「ピーラー」の利用によって、レシピ「焼きそば(変更後の例2)」に示されたように、調理工程「2.人参をピーラーで薄切り」に変更可能である。変更後の調理工程「2.人参を調理ばさみで切る」および「2.人参をピーラーで薄切り」のそれぞれは、変更後の調理条件「年齢:5歳以上」および「年齢:4歳以上」を有する。よって、仮に年齢が5歳以上で11歳以下の調理者がいる場合、当該調理者に、調理工程「2.人参を千切りにする」を振り分けることができないが、上述した2つの変更後の調理工程のいずれも振り分けることができる。
【0157】
1つの実施例において、制御部16は、支援調理装置を仮想の調理者(例えば、第3調理者)として、上述した実施の形態1~7のように、調理工程、サブ工程、または変更後の調理工程を振り分けることができる。例えば、第1調理者を優先して調理工程を振り分けた後、高性能の電子オーブンレンジや調理鍋という支援調理装置を利用すればレシピの残りの調理工程の全部を実行できる場合がある。この場合において、制御部16は、支援調理装置を仮想の第2調理者として、残りの調理工程を全部当該仮想の第2調理者に振り分けてもよい。
【0158】
1つの実施例において、制御部16は、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしてないと判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けない。すなわち、支援調理装置によって調理条件が容易になるように調理工程を変更しても、第1調理者が変更後の調理工程を実行でいない場合、第1調理者に振り分けない。
【0159】
これにより、制御部16は、支援調理装置の利用によって調理工程を変更し、変更後の調理工程を振り分ける処理を完了する。実施の形態8の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者は元々実行できない調理工程またはレシピに参与することが可能となり、レシピの選択の幅および自由度が大幅に広くなる。また、第1調理者が元々できない調理工程またはレシピに参与できるようになる場合、第1調理者により達成感を持たせることができる。
【0160】
《実施の形態9》
<支援調理装置によって除外条件が解除される場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態9について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態9において、支援調理装置の利用によって、少なくとも1つの調理工程が変更可能である。変更後の調理工程は、調理者の除外条件になり得る調理道具等を利用しない。制御部16は、支援調理装置による変更後の調理工程を振り分けることができる。
【0161】
実施の形態8と同様に、調理支援システムは少なくとも1つの支援調理装置をさらに備える。記憶部12は、変更可能な調理工程の変更情報を記憶してもよい。制御部16は、変更可能な調理工程、および当該変更後の調理工程の変更情報を記憶部12から読み出す(ステップS124)。そして、制御部16は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した、変更後の調理工程を第1調理者に振り分ける(ステップS130’’)。なお、ステップS130’’はステップS130に含まれる。制御部16は、支援調理装置の利用によって変更不可な調理工程に対して、前述した実施の形態1~8のように第1調理者または他の調理者に振り分けてもよい。
【0162】
そして、実施の形態3と同様に、安全上の理由で、調理者が利用不可な調理法、調理道具、または調理装置(以下、「調理法等」と略すことがある。)を表す除外条件は調理者情報に含まれる。それに応じて、除外条件として設定され得る調理法等を利用する調理工程(調理要素)には、例えば、「利用条件:コンロ」という調理条件が設定されている。
【0163】
実施の形態9において、支援調理装置は、除外条件に設定された調理法等と同様な機能を提供し、当該調理法等より安全に利用できる装置である。制御部16は、除外条件に設定された調理法等を利用する調理工程(調理要素)を、当該調理法等の代わりに、支援調理装置を利用するように変更する。
図25は、支援調理装置と変更後の調理条件とを示す略図である。例えば、調理要素「蒸し焼き」を実行するために、通常はコンロが利用される。「オープンレンジ」という支援調理装置が調理支援システム10に利用可能な場合、制御部16は、「コンロ調理」の代わりに、支援調理装置「オープンレンジ」を利用して「蒸し焼き」を実行するように、調理要素「蒸し焼き(オープンレンジ)」に変更する。
【0164】
制御部16は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の除外条件の調理法、調理道具、または調理装置を利用していないと判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分ける。例えば、「除外条件:コンロ」という調理者情報を有する第1調理者に対して、「利用条件:コンロ調理」という調理条件を有する調理要素「蒸し焼き」を振り分けることができない。しかしながら、当該第1調理者に対して、調理条件「利用条件:コンロ調理」を有しない調理要素「蒸し焼き(オープンレンジ)」を振り分けることができる。すなわち、特定の支援調理装置を利用すれば、対応する除外条件の制限を解除することができる。
【0165】
図26は、支援調理装置によって変更後の調理工程の振り分けの結果を示す略図である。仮に、第1調理者「けあちゃん」は「年齢:7歳」および「除外条件:コンロ」という調理者情報を有し、レシピ「蒸し餃子(オリジナル)」におけるすべての調理工程の重要度が重要度閾値以上である。レシピ「蒸し餃子(オリジナル)」における調理工程「3.蒸し焼きにする」はコンロを利用するため、制御部16は当該調理工程を第1調理者「けあちゃん」に振り分けず、他の調理者(例えば、「パパ」)に振り分ける。しかしながら、支援調理装置「オープンレンジ」の利用によって、当該調理工程を「3.蒸し焼きにする(オープンレンジ)」に変更することができる。このようにすれば、変更後の調理工程「3.蒸し焼きにする(オープンレンジ)」に対して、第1調理者「けあちゃん」に設けられた除外条件が解除される。よって、制御部16は、レシピ「蒸し焼き(変更後)」における調理工程「3.蒸し焼きにする(オープンレンジ)」を第1調理者「けあちゃん」に振り分ける。
【0166】
なお、本開示は、支援調理装置によって変更可能な調理法等について制限しない。例えば、包丁の代わりに支援調理装置「ミキサー」を利用したり、フライパンの代わりに支援調理装置「電子オープンレンジ」を利用したりすることが考えられる。ただし、これらの例示以外の支援調理装置の利用、当該利用による調理工程の変更、および変更後の調理工程の振り分けも本開示の範囲に含まれる。
【0167】
これにより、制御部16は支援調理装置の利用によって調理工程を変更し、変更後の調理工程を振り分ける処理を完了する。実施の形態9の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者は、除外条件によって元々実行できない調理工程またはレシピに参与することが可能となり、レシピの選択の幅および自由度が大幅に広くなる。また、第1調理者が元々できない調理工程またはレシピに参与できるようになる場合、第1調理者により達成感を持たせることができる。
【0168】
《実施の形態10》
<支援情報の提示によって調理条件が容易になる場合>
以下、本開示に係る調理支援システム、調理支援方法およびプログラムの実施の形態10について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態10において、支援情報の提示に基づいて調理工程を変更することができる。変更後の調理工程は、より容易になる調理条件を有する。制御部16は、支援調理装置による変更後の調理工程を振り分けることができる。
【0169】
実施の形態10において、記憶部12は、少なくとも1つの調理工程に対する支援情報を記憶する。当該少なくとも1つの調理工程の調理条件は、支援情報の提示によって容易になるように変更可能である。
図27は、実施の形態10の調理支援方法のフローチャートである。制御部16は、ステップS130の前に、少なくとも1つの調理工程に対する支援情報を記憶部12から読み出す(ステップS126)。そして、制御部16は、レシピにおいて、重要度が重要度閾値以上である、かつ、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしていると判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分ける(ステップS130’’)。制御部16は、支援調理装置の利用によって変更不可な調理工程に対して、前述した実施の形態1~7のように第1調理者または他の調理者に振り分けてもよい。ステップ150において、制御部16は、レシピとともに、振り分けの結果を情報提示部14に提示させるときに、支援情報も情報提示部14に提示させる。以下、支援情報について、より具体的に説明する。
【0170】
支援情報とは、調理を順調に進むように、調理者に支援になり得る情報であり、例えば、ある調理法を習得するための情報であってもよい。
図28は、支援情報を示す略図である。例えば、素材や調理法に関する知識(原理・コツ・その他)、調理法が出来上がったかを判断する基準・タイミング・見極め、調理法を行うときの技術・手捌き、応用などであってもよい。例えば、「葉物×茹でる」の調理要素に対して、支援情報は、「根元から熱湯に入れ、次に葉を沈めることで、茹で上がりをそろえる」や、「パッときれいな緑色になり、葉がしなっとしたら、一気に湯から上げる」などのような、葉物を茹でれば綺麗に茹で上げるかに関する知識や注意事項などを示す追加的な情報である。また、支援情報は、文字のみを含んでもよく、文字以外、静止画、音声、動画などを含んでもよい。例えば、支援情報は特定の調理工程、調理要素、素材、または調理法に関する手本の動画であってもよい。
【0171】
第1調理者は、支援情報が提示されると、調理工程等への理解を深めることができる。そのため、第1調理者にとって、元々実行できない調理工程であっても、支援情報が提示されると、当該調理工程を実行できるようになる場合がある。
図29は、支援情報と変更後の調理条件を示す略図である。例えば、調理要素「餃子の具×包む」は調理条件「年齢:12歳以上」が設定されている。ただ、11歳以下の調理者であっても、餃子の具を包むときのコツ情報を教える動画、または手本動画を見れば、ある程度、包めるようになり得る。そのため、制御部16は、支援情報「コツ情報の動画」または「手本の動画」の提示を条件にして、調理要素「餃子の具×包む」の調理条件を「年齢:7歳以上」に変更してもよい。すなわち、支援情報を提示すれば、対応する調理条件をより容易に変更してもよい。
【0172】
図30は、支援情報の提示によって変更後の調理工程の振り分けの結果を示す略図である。例えば、第1調理者「けあちゃん」は独立して調理工程「2.包む」を実行することができない。
図20Aおよび
図21Aに示されたように、第1調理者は、他の調理者の支援(サブ工程「前半手本」)があるからこそ、当該調理工程に参与することができる(サブ工程「後半やりきる」)。実施の形態10において、調理支援システム10は、当該調理工程とともに、支援情報「手本の動画」も提示する。このようにすれば、調理工程「2.包む」を分割しなくても、他の調理者からの支援を受けなくても、第1調理者は当該調理工程を実行することができる。そのため、制御部16は、支援情報「手本の動画」を提示することを条件にして、調理工程を「2.包む(手本の動画)」に変更し、変更後の調理工程を第1調理者「けあちゃん」のみに振り分ける。
【0173】
1つの実施例において、制御部16は、第1調理者の調理者情報が調理条件を満たしてないと判断した変更後の調理工程を第1調理者に振り分けない。すなわち、支援情報によって調理条件が容易になるように調理工程を変更しても、第1調理者が変更後の調理工程を実行でいない場合、第1調理者に振り分けない。
【0174】
これにより、制御部16は支援情報の提示、調理工程およびその調理事件の変更、および変更後の調理工程の振り分けの処理を完了する。実施の形態10の調理支援システム、調理支援方法およびプログラムによれば、第1調理者は元々実行できない調理工程またはレシピに参与することが可能となり、レシピの選択の幅および自由度が大幅に広くなる。また、第1調理者が元々できない調理工程またはレシピに参与できるようになる場合、第1調理者により達成感を持たせることができる。
【0175】
上述した、様々な調理者によって調理工程を振り分ける技術、調理工程を分割するまたは変更する技術、調理者の満足度を取得する技術、および支援情報を提示する技術は、実際の需要に応じて組み合わせることができる。1つの実施例において、制御部16は、支援調理装置、支援情報、および代替素材(あわせて「支援オプション」とも呼ぶ。)を考慮し、調理工程(調理要素)およびその調理条件を変更する。
【0176】
代替素材とは、調理工程に利用される素材の代わりの、より取り扱いやすい素材である。例えば、餃子の具を作るとき、通常は具に入れる野菜を細かく刻んでひき肉と混ぜる工程となる。ここで、例えば、代替素材「カット野菜」を利用すれば、野菜を細かく刻む工程を省略することができ、調理工程「餃子の具を作る」を簡略化するように変更することができる。
【0177】
図31は、支援調理装置と支援情報と変更後の調理条件とを示す略図である。
図32は、
図31の変更後のレシピを提示するためのユーザインタフェース略図である。制御部16は、
図31に示された支援オプションに基づいて、レシピ「蒸し餃子」の調理工程「1.」から調理工程「3.」を、
図32の画面SC20に示されたように変更する。第1調理者「けあちゃん」は、元々レシピ「蒸し餃子」の少なくとも1つの調理工程が実行できない。ここで、このように様々な支援オプションを駆使すれば、
図32の画面SC20に示されたように、第1調理者「けあちゃん」は同レシピの全部の調理工程が単独で実行できるように変更することができる。
【0178】
1つの実施例において、調理支援システム10のユーザは、提示される振り分けの結果または振り分けレシピに対して、異なる条件で調理工程を振り分けなおすように、調理支援システム10に修正指示を入力してもよい。
【0179】
図33は、調理者命令によって変更後の調理工程を示す略図である。例えば、画面SC21に示されたように、調理支援システム10は、第1調理者「けあちゃん」を優先して、レシピ「蒸し餃子」のいくつかの調理工程を変更して、レシピ「蒸し餃子」のすべての調理工程を振り分けて、第1調理者「けあちゃん」に対応する振り分けレシピを作成し提示する。仮に、第2調理者「ママ」は、当該振り分けレシピを見て、調理工程「3.蒸し焼き」をやはり自分が実行したほうが安全だと考える。そこで、第2調理者「ママ」は、入力部18を介して、調理工程「3.蒸し焼き」の担当を自分に変更する修正指示を調理支援システム10に入力してもよい。また、第2調理者「ママ」の調理者情報はコンロを除外条件としていないため、支援調理装置「オープンレンジ」を利用する必要がないという修正指示を入力してもよい。
【0180】
調理支援システム10は、上述した修正指示を受け、修正指示に基づいて調理工程を変更しなおし、さらに変更後の調理工程を振り分け、第1調理者「けあちゃん」に対応する振り分けレシピを再度に作成し、画面SC22のように提示する。
【0181】
このようにすれば、調理支援システム10は、振り分けの結果が一旦提出しても、ユーザの修正指示に基づいて調理工程を再度に振り分けることができる。
【0182】
以上は本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではない。本開示は図面および前述した具体的な実施の形態において上述された内容を含むが、本開示がそれらの内容に限定されるものではない。本開示の機能および構造原理から逸脱しない変更は特許請求の範囲内のものである。また、上述した各実施の形態またはその中のいくつかの実施例において、さらなる付加的な技術的特徴、およびこれらの技術的特徴がもたらせる効果が記載されている。
【符号の説明】
【0183】
10 調理支援システム
12 記憶部
14 情報提示部
16 制御部
18 入力部
SC1~SC22 画面
R1、R2 振り分けレシピ