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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185376
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】保持具および保持具用固定ベルト
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/04 20060101AFI20221207BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20221207BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20221207BHJP
   A47L 13/512 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
F16B7/04 302D
F16B7/04 301M
F16B2/08 A
F16B2/20 B
A47L13/512
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093017
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】593045260
【氏名又は名称】セイワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 友也
【テーマコード(参考)】
3J022
3J039
【Fターム(参考)】
3J022DA13
3J022EA33
3J022EA38
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC12
3J022EC17
3J022FB08
3J022GB45
3J022GB74
3J022GB77
3J022HA02
3J039AA07
3J039AB04
3J039BB01
3J039CA04
3J039FA01
3J039LA01
(57)【要約】
【課題】様々な支持材に着脱固定でき、かつ姿勢を調節可能な保持具を提供する。
【解決手段】保持具10は、支持材101にあてがわれて支持される凹部12、および支持材101に取り外し可能に固定される固定ベルト41を有する第1基部11と、第1基部11に回動可能に連結される第2基部21と、第2基部21に立設されて互いに対向し、対象物を挟んで保持する1対の腕部31と、第1基部11と第2基部21の間に設けられて、これら基部間の角度を複数の所定角度の中から選択される1の所定角度に保持する角度保持部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持材にあてがわれて支持される凹部、および前記支持材に取り外し可能に固定される固定手段を有する第1基部と、
前記第1基部に回動可能に連結される第2基部と、
前記第2基部に立設されて互いに対向し、対象物を挟んで保持する1対の腕部と、
前記第1基部と前記第2基部の間に設けられて、これら基部間の角度を複数の所定角度の中から選択される1の所定角度に保持する角度保持部とを備える、保持具。
【請求項2】
前記凹部は、真っ直ぐに延びる溝状である、請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
前記角度保持部は、前記第1基部および前記第2基部のいずれか一方に設けられる係合部と、残る他方に設けられて前記係合部と選択的に係合する被係合部の組み合わせである、請求項1または2に記載の保持具。
【請求項4】
前記固定手段は、外側面に設けられる面ファスナと、内側面に設けられる滑止面とを有し、前記第1基部に形成される長孔に通されて、前記支持体に巻き付き、前記滑止面が前記支持体に面接触するベルトである、請求項1~3のいずれかに記載の保持具。
【請求項5】
前記固定手段は、前記ベルトをなすベルト本体と、前記ベルト本体の一端に取り付けられる角カンと、前記ベルト本体の前記一端から分岐して延びる分岐ベルトを含み、前記分岐ベルトの両面には滑止面が設けられる、請求項4に記載の保持具。
【請求項6】
外側面に設けられる面ファスナと、内側面に設けられる滑止面とを有し、保持具に形成される長孔に通されて、保持具を支持する支持体に巻き付き、前記滑止面が前記支持体に面接触するベルト本体と、
前記ベルト本体の一端に取り付けられる角カンを備える、保持具用固定ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプやバー等の支持材に着脱自在に取り付けられて、箒の柄、モップの柄、等の対象物を一時的に保持する保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
モップのハンドル等を、ハンドルの外径の大小に関わらずクランプする物として例えば、特開2001-065516号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1に記載のクランプは、基板の上に立設された2本のピンに、レバー状の爪をそれぞれ枢着し、かかる1対の爪の間にモップのハンドル等をクランプするというものである。基板の4つの角には取付孔がそれぞれ穿設される。各取付孔にビスやボルトを通して、基板は壁面に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-065516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のようなクランプにあっては、さらに改善すべき点があることを本発明者は見いだした。つまり清掃作業者は、清掃道具一式を積み込んだ台車やカート等で清掃現場へ赴き、清掃が完了する度に移動する。このためモップや箒を、台車やカート等の移動体に一時的に預ける必要があるところ、一般的な台車やカートはパイプやバーから構成され、壁面を有しないため、特許文献1記載の基板を台車やカートに取り付けることができないという問題があった。
【0005】
また作業効率の向上のため、清掃作業者の好みの箇所にモップや箒を預けたいという要求がある。一方で、台車やカートのハンドル、パイプ、あるいはバーは水平方向に延びることもあり、あるいは斜め方向に延びることもあり、あるいは上下方向に延びることもある。にもかかわらず、モップや箒は上下方向に延びる姿勢で預けておくことが、利便性の観点から好ましい。長尺物は倒れやすく、またモップや箒の毛先を接地させることは好ましくない。このため作業開始に備えて、毛先を接地させないよう下向きにしつつモップや箒を適切な姿勢で預けておきたいという要求がある。
【0006】
また台車やカートは走行時に振動するため、走行時の振動に抗してモップや箒を安定して把持することが要求される。
【0007】
本発明は、上述の実情に鑑み、パイプあるいはバー等を備える移動体に着脱自在に取り付けられ、しかもモップ等を所定の姿勢で一時的に預かることができる器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため本発明による保持具は、支持材にあてがわれて支持される凹部、および支持材に取り外し可能に固定される固定手段を有する第1基部と、第1基部に回動可能に連結される第2基部と、第2基部に立設されて互いに対向し、対象物を挟んで保持する1対の腕部と、第1基部と第2基部の間に設けられて、これら基部間の角度を複数の所定角度の中から選択される1の所定角度に保持する角度保持部とを備える。
【0009】
かかる本発明によれば、固定手段によって、様々な支持材に着脱自在に取り付けられることから、好みの箇所に保持具10を固定することができる。また第2基部21を回動させて、1対の把持部の姿勢を調整可能であるから、箒やモップ等を例えば上下方向にして保持具に預けることができ、清掃道具を好適な姿勢で一時的に保持することができる。本発明の凹部は、台車やカートの棒状ハンドル、パイプやバーの支持材、あるいは角部を有する支持材などにあてがわることから、支持材に係合し易くなり、固定手段と相俟って支持材に安定して固定される。
【0010】
凹部の形状および寸法は特に限定されないが、本発明の一局面として凹部は、真っ直ぐに延びる溝状である。かかる局面によれば、パイプやバーに溝状の凹部をあてがって保持具を固定することができる。他の局面として凹部は、丸あるいは他の形状の窪みである。
【0011】
本発明の好ましい局面として角度保持部は、第1基部および第2基部のいずれか一方に設けられる係合部と、残る他方に設けられて係合部と選択的に係合する被係合部の組み合わせである。かかる局面によれば、第2基部の回動角度を所定値に保持することができる。なお係合部および/または被係合部材の個数が多い程、選択的な係合の機会が増え、細かい角度調整が可能になる。角度保持部は、例えば1の係合突起と複数の係合凹部の組み合わせ、あるいは複数於係合突起と1または複数の係合凹部の組み合わせである。
【0012】
固定手段は、バンド、ベルト、ひも、布地、ゴム地、ブロック、バックル、あるいはこれらの組み合わせ等、特に限定されないが、本発明のさらに好ましい局面として固定手段は、外側面に設けられる面ファスナと、内側面に設けられる滑止面とを有し、第1基部に形成される孔に通されて、支持体に巻き付き、滑止面が支持体に面接触するベルトである。かかる局面によれば、滑止面によって保持具の回転が防止される。したがって対象物を安定して保持することができる。
【0013】
本発明の一局面として固定手段は、上述したベルトをなすベルト本体と、ベルト本体の一端に取り付けられる角カンと、ベルト本体の一端から分岐して延びる分岐ベルトを含み、分岐ベルトの両面には滑止面が設けられる。かかる局面によれば、分岐ベルトを支持材に面接触させることできるので、大径の支持材に保持具を固定することが可能になる。他の局面として分岐ベルトを省略してもよい。
【0014】
本発明の保持具用固定ベルトは、側面に設けられる面ファスナと、内側面に設けられる滑止面とを有し、保持具に形成される長孔に通されて、保持具を支持する支持体に巻き付き、滑止面が支持体に面接触するベルト本体と、ベルト本体の一端に取り付けられる角カンを備える。かかる局面によれば滑止面によって、パイプなどの円形断面の支持材に回転不能に巻き付くことが可能になり、保持具が支持材を中心として回転することが防止され、保持具の姿勢が安定する。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明によれば、任意の取り付け場所に保持具を着脱可能に固定することができるので、パイプやバーで構成される台車、あるいはカート、の好みの位置に、保持具を確りと取付固定することができる。また対象物を任意の姿勢で保持することができる。対象物を使用する者は、対象物を所望の姿勢で保持具に一時的に預けることができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
図2】同実施形態を示す斜視図である。
図3】同実施形態を示す斜視図である。
図4】同実施形態を示す平面図である。
図5】同実施形態を示す平面図である。
図6】同実施形態を示す背面図である。
図7】同実施形態を示す断面図である。
図8】同実施形態の固定手段を取り出して示す模式図である。
図9】同実施形態の固定手段を取り出して示す模式図である。
図10】同実施形態の固定手段を小径の支持材に取り付ける様子を示す模式図である。
図11図10に続き、固定手段を小径の支持材に取り付ける様子を示す模式図である。
図12図11に続き、固定手段を第1基部に取り付ける様子を示す模式図である。
図13】同実施形態の固定手段を大径の支持材に取り付ける様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1図3は、本発明の一実施形態になる保持具を示す斜視図である。保持具10は、第1基部11と、第2基部21と、1対の腕部31と、固定ベルト41を備え、1対の腕部31で対象物を把持する把持具である。第1基部11の前面には第2基部21が枢着され、中心線O回りに相対回転可能である。第1基部11の背面には、溝状の凹部12が形成され、固定ベルト41が取り付けられる。図1図3を対比して理解されるように、第1基部11および第2基部21は、相対回動可能に連結される。なお図2ではベルトが図略される。
【0018】
図4は本実施形態を示す平面図であり、図1に対応する。図5は本実施形態を示す平面図であり、図2に対応する。1対の腕部31は、例えばC字状の板バネの両端であり、この板バネの中心が第2基部21に固定され、この板バネの両端が第2基部21から前方へ腕状に延び、左右の腕部31を構成する。保持具10の前方から、左右方向に対向する腕部31の間に、左右方向とは直角方向に延びる姿勢にされた箒の柄、モップの柄、等の長尺な保持対象が押し付けられることにより、板バネが弾性変形して1対の腕部31の間隔が一時的に大きくなり、1対の腕部31の間に当該対象物がはめ込まれて把持される。
【0019】
反対に把持された対象物を前方へ引くことにより、長尺な対象物は1対の腕部から外れて解放される。
【0020】
腕部31の先端にはローラ32が付設される。ローラ32は、左右方向とは直角方向に延びる軸体33を介して腕部31に支持され、回転自在とされる。ローラ32は、左右方向に離れて対をなし、上述した長尺な対象物の押し込みと引き出しを容易にする。ローラ32の外径面には凹凸が設けられる。
【0021】
第2基部21の前面中央には座部22が設けられている。座部22は1対の腕部31間に配置され、長尺な対象物に当接して、把持された対象物を安定させる。座部22の表面には図示しない凹凸が設けられる。かかる凹凸は滑り止め効果を発揮することから、把持された長尺な対象物が保持具10から滑り落ちることを防止する。
【0022】
第2基部21の背面中央には、後述する図6に表される枢軸23が立設される。枢軸23は後方へ突出して、前後方向に延びる中心線Oを構成し、第1基部11の中心に形成される中心孔15に分離不能に通され、第1基部11と第2基部21の相対回転を実現する。
【0023】
第1基部11と第2基部21の相対角度は自由に変更可能であるが、図1~3に示すように例えば0度、45度、90度というように45度間隔で保持される。かかる保持は第1基部11と第2基部21の間に設けられる角度保持部51に因る(図7)。図7を参照して、角度保持部51は例えば、第1基部11および第2基部21の一方に設けられる凸状の係合部52と、残る他方に設けられる孔55、あるいは切り欠き、あるいは凹部を含む被係合部53の組み合わせであり、これら凹凸の係合によって等間隔の角度変更および当該角度の保持を実現する。
【0024】
本実施形態では第1基部11に、係合部52と、係合部52を収納する小室54が設けられる。係合部52は図示しない弾性部材によって、第2基部21に向かって付勢され、小室54から突出する。これに対し第2基部21には被係合部53が固定される。被係合部53は円環状の板であり、中心線Oに関し、複数の孔55が周方向等間隔に穿設される。本実施形態では、孔55が中心線Oに関して45度間隔で配列する。そして係合部52がいずれかの孔55に選択的に差し込まれて係合する。これにより第2基部21の回動が規制される。
【0025】
係合部52の先端には傾斜面56が形成されている。第1基部11と第2基部21の間にトルクが回転方向に作用して、トルクが所定値以上になると、被係合部53は傾斜面56を乗り越えようとして、係合部52を小室54へ押し込む。これにより第2基部21の回動が許容される。
【0026】
つまり第1基部11からみて、第2基部21は、不用意に回転しないよう回動を規制されつつ、ある程度の回転トルクが第2基部21に作用することによって回動を許容される。
【0027】
図6は、本実施形態の保持具を示す背面図である。凹部12は、第1基部11背面の一方縁から他方縁まで溝状に真っ直ぐ延びる。この凹部12には、台車やカート等を構成するハンドルあるいはパイプあるいはバー(以下、支持材101という)があてがわれる(図1図3)。支持材101は凹部12に入り込み、第1基部11は支持材101に対してずれ止めされる。
【0028】
凹部12の両側を区画する突条13,13には、長孔14がそれぞれ形成される。各突条13および各長孔14も、溝状の凹部12と平行に延びる。かかる1対の長孔14は、中心線Oを横切る方向に整列して、固定ベルト41が通される。固定ベルト41は支持材101に巻き付く。これにより第1基部11は支持材101に着脱可能に固定される。固定ベルト41の内側面には滑り止め加工が施されている。これにより固定ベルト41および第1基部11は支持材101の回りを回転することを防止される。なお突条13は突起の一種であるところ、図示しない変形例として、突条13に代えて、配列された複数の突起であってもよい。
【0029】
図8は、解かれた固定ベルト41を示す図であり、固定ベルト41の外側面(外周面)を表す。図9は、解かれた固定ベルト41を示す図であり、固定ベルト41の内側面(内周面)を表す。本実施形態の固定ベルト41は、保持具10を支持材101に着脱可能に固定する固定手段の一種であって、屈曲自在な布製の帯を含み、一端には角カン42が縫着され、他端47が第1基部11の長孔14,14および角カン42の長孔に通される。図8を参照して、固定ベルト41の一端の角カン42から中央部分までの外周面には、面ファスナのループ面43が設けられる。また中央部分から他端47までの外周面には、面ファスナのフック面45が設けられる。このループ面43は滑らかであるのに対し、フック面45はザラザラしている。
【0030】
図9を参照して、固定ベルト41の内周面に関し、上述したループ面43が角カン42を超えて内周面の一端部まで及ぶ。また、固定ベルト41の一端領域のうち、角カン42から離れた一端寄りから中央部分までの内周面には、滑止面44が設けられる。滑止面44は例えば、ゴム等を含侵させた合成皮革であり、他の面よりも摩擦係数が大きい。さらに滑止面44には微細な凹凸が設けられ、摩擦係数が一層大きくされる。固定ベルト41の中央部分から他端47までの外周面には、他の面よりも摩擦係数が小さな円滑面46とされる。
【0031】
図9を参照して、上述したベルト本体とは別に、角カン42から1枚の布ベルトが分岐して延び、かかる分岐ベルト50の両面には滑止面48,49が設けられる。
【0032】
図10図12は、小径の支持材101に保持具10を固定する場合を示す模式図である。支持材101の直径が、凹部12の溝幅の2倍未満の場合、図10に示すように、第1基部11から取り外された固定ベルト41単体を、支持材101にあてがい、図11に示すように他端47を角カン42に通し、角カン42から他端47を充分に引き出すことによって、先に固定ベルト41を支持材101に巻き付ける。このとき分岐ベルト50の滑止面48は、ベルト本体の滑止面44に密着し、滑止面49、44が支持材101の表面に面接触する。あるいは図示しない変形例として、分岐ベルト50がベルト本体から離れて、滑止面48が支持材101の表面に面接触してもよい。
【0033】
図11に続いて図12を参照して、角カン42を通過した固定ベルト41の他端47領域を角カン42で折り返し、後に固定ベルト41の他端47を第1基部11の長孔14,14に通し、次にフック面45をループ面43に貼り付ける。これにより保持具10は支持材101に確りと固定される。滑止面44、49は支持材101の表面を確りとグリップするため、保持具10は支持材101回りに回動しない。
【0034】
図13は大径の支持材101に保持具10を固定する場合を示す模式図である。なお理解を容易にするため、図10以降では固定ベルト41の他端47を緩く引き出して締め付けた状態を示すが、実際の固定では固定ベルト41の他端47を強く引き出して確り締め付ける。支持材101の直径が、凹部12の溝幅の2倍以上の場合、先に固定ベルト41の他端47を第1基部11の長孔14,14に通しておき、第1基部11を伴う固定ベルト41を、支持材101にあてがう。このときベルト本体の滑止面44が支持材101の表面に面接触しつつ、分岐ベルト50がベルト本体から離れて、滑止面48が支持材101の表面に面接触する。これにより、大径の支持材101の全周をグリップすることができる。
【0035】
続いて、後に固定ベルト41を支持材101に巻き付け、他端47を角カン42に通して折り返し、フック面45をループ面43に貼り付ける。これにより保持具10は支持材101に確りと固定される。滑止面44、48は支持材101の表面を確りとグリップするため、保持具10は支持材101回りに回動しない。
【0036】
ところで本実施形態の保持具10は、支持材101にあてがわれて支持される凹部12、および支持材101に取り外し可能に固定される固定手段としての固定ベルト41を有する第1基部11と、第1基部11に回動可能に連結される第2基部21と、第2基部21に立設されて互いに対向し、箒の柄等の対象物を挟んで保持する1対の腕部31と、第1基部11と第2基部21の間に設けられて、これら基部間の角度を複数の所定角度の中から選択される1の所定角度に保持する角度保持部51とを備えることから、任意の支持材101に着脱可能に固定可能である。また第2基部21を任意の角度に回動させることにより、対象部を任意の姿勢で保持することができる。したがって例えば1対の腕部31を左右方向に配列させることで、箒の柄は上下方向に延びる姿勢で保持具10に預けられ、利便性が向上する。また保持具10を任意の箇所に固定することができ、利便性が向上する。特に支持材101の延在方向が好ましく無い場合であっても、箒の柄を上下方向に延びる姿勢に調節することができ、利便性が向上する。
【0037】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 保持具、 11 第1基部、 12 凹部、 13 突条、
14 長孔、 15 中心孔、 21 第2基部、 22 座部、
23 枢軸、 31 1対の腕部、 32 ローラ、 33 軸体、
41 固定ベルト、 42 角カン、 43 ループ面、
44,48,49 滑止面、 45 フック面、 46 円滑面、
50 分岐ベルト、 51 角度保持部、 52 係合部、
53 被係合部、 54 小室、 55 孔、 56 傾斜面、
101 支持材、 O 中心線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13