(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185377
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20221207BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20221207BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
G06F1/16 312E
H05K9/00 P
G09F9/00 350Z
G09F9/00 309A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093018
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】川端 章吾
【テーマコード(参考)】
5E321
5G435
【Fターム(参考)】
5E321AA11
5E321BB34
5E321BB44
5E321BB53
5E321CC16
5E321GG05
5G435AA02
5G435AA16
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE13
5G435GG33
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】表示部からのノイズを抑制すると共に表示部からの光漏れを抑制する電子機器を提供する。
【解決手段】本開示の電子機器は、第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面、および前記第1主面と前記第2主面とを接続する外周端部を有する表示部と、前記表示部の前記外周端部側において前記表示部から離れて配置されるアンテナと、前記表示部の前記第2主面側に配置され、前記表示部を収納する金属筐体と、前記表示部の前記外周端部と前記アンテナとの間に配置され、前記金属筐体に向かって延びる弾性部材と、前記弾性部材と前記金属筐体とに挟まれ、且つ前記金属筐体から前記表示部に向かって延び、前記金属筐体と前記表示部とを電気的に接続する導電部材と、を備え、前記弾性部材が前記表示部の前記第1主面および前記第2主面に配置されることを除く。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面、および前記第1主面と前記第2主面とを接続する外周端部を有する表示部と、
前記表示部の前記外周端部側において前記表示部から離れて配置されるアンテナと、
前記表示部の前記第2主面側に配置され、前記表示部を収納する金属筐体と、
前記表示部の前記外周端部と前記アンテナとの間に配置され、前記金属筐体に向かって延びる弾性部材と、
前記弾性部材と前記金属筐体とに挟まれ、且つ前記金属筐体から前記表示部に向かって延び、前記金属筐体と前記表示部とを電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記弾性部材が前記表示部の前記第1主面および前記第2主面に配置されることを除く、
電子機器。
【請求項2】
前記金属筐体は、前記弾性部材に向かって延びる凸部を有し、
前記導電部材は、前記弾性部材と前記凸部とに挟まれる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記表示部の前記外周端部が位置する側の第1面と、前記第1面と反対側であって前記アンテナが位置する側の第2面と、を有し、
前記弾性部材は、絶縁材料で形成され、
前記導電部材は、前記弾性部材の前記第2面に配置されていない、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記導電部材は、前記弾性部材の前記第1面の少なくとも一部に沿って配置されている、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示部の前記外周端部と前記弾性部材との間に配置され、前記表示部の前記外周端部を支持する金属製の支持部材をさらに備え、
前記支持部材は、前記導電部材および前記表示部と電気的に接続される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記アンテナ及び前記弾性部材を収納する樹脂製のカバーをさらに備え、
前記弾性部材は、前記カバーのカバー内壁に設けられている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記導電部材は、可撓性を有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示パネルと表示パネルの駆動回路とが一体化されたパネルモジュールを備え、パネルモジュールからの不要電磁輻射を防止する電子機器が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の電子機器は、表示パネルと表示パネルの駆動回路とを備えたパネルモジュールと、パネルモジュールの表示面側を覆う前面筐体と、パネルモジュールの背面側を覆う背面筐体と、を備える。また、特許文献1に記載の電子機器は、パネルモジュールと前面筐体および背面筐体との間に導電布が配置されている。導電布は、パネルモジュールの表示面側の周縁部と、パネルモジュールの側面部と、パネルモジュールの背面側の周縁部とを連続的に覆い、前面筐体および背面筐体とを導通する。導電布は、パネルモジュールから生じる不要な電磁輻射をシールドする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、表示部からのノイズを抑制すると共に表示部からの光漏れを抑制する電子機器を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の電子機器は、
第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面、および前記第1主面と前記第2主面とを接続する外周端部を有する表示部と、
前記表示部の前記外周端部側において前記表示部から離れて配置されるアンテナと、
前記表示部の前記第2主面側に配置され、前記表示部を収納する金属筐体と、
前記表示部の前記外周端部と前記アンテナとの間に配置され、前記金属筐体に向かって延びる弾性部材と、
前記弾性部材と前記金属筐体とに挟まれ、且つ前記金属筐体から前記表示部に向かって延び、前記金属筐体と前記表示部とを電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記弾性部材が前記表示部の前記第1主面および前記第2主面に配置されることを除く。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、表示部からのノイズを抑制すると共に表示部からの光漏れを抑制する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示に係る実施の形態1の電子機器の一例の概略斜視図である。
【
図2】
図1の電子機器をA-A線で切断した概略部分拡大断面図である。
【
図3】変形例1の電子機器の概略部分拡大断面図である。
【
図4】変形例2の電子機器の概略部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に至った経緯)
特許文献1に記載の電子機器では、パネルモジュールと導電布との間に、弾性部材が配置されている。弾性部材は、パネルモジュールの前面部、側面部および背面部にそれぞれ配置され、前面筐体と背面筐体とでパネルモジュールを挟持している。
【0010】
しかしながら、弾性部材をパネルモジュールの前面部および背面部に配置すると、弾性部材によりパネルモジュールが厚み方向に押圧され、歪む場合がある。この歪みにより、パネルモジュールから光が漏れるという課題がある。例えば、パネルモジュールの周縁部において歪みが生じると、パネルモジュールの表示面側に光が漏れて、表示画面が白く映る場合がある。
【0011】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、表示部からのノイズを抑制すると共に表示部からの光漏れを抑制する構成を見出し、本開示に至った。
【0012】
本開示の第1態様の電子機器は、第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面、および前記第1主面と前記第2主面とを接続する外周端部を有する表示部と、前記表示部の前記外周端部側において前記表示部から離れて配置されるアンテナと、前記表示部の前記第2主面側に配置され、前記表示部を収納する金属筐体と、前記表示部の前記外周端部と前記アンテナとの間に配置され、前記金属筐体に向かって延びる弾性部材と、前記弾性部材と前記金属筐体とに挟まれ、且つ前記金属筐体から前記表示部に向かって延び、前記金属筐体と前記表示部とを電気的に接続する導電部材と、を備え、 前記弾性部材が前記表示部の前記第1主面および前記第2主面に配置されることを除く。
【0013】
このような構成により、表示部からのノイズを抑制すると共に表示部からの光漏れを抑制することができる。
【0014】
本開示の第2態様の電子機器においては、前記金属筐体は、前記弾性部材に向かって延びる凸部を有し、前記導電部材は、前記弾性部材と前記凸部とに挟まれてもよい。
【0015】
このような構成により、凸部によって導電部材をより強固に固定することができる。また、凸部によって表示部からアンテナ11に向かって生じるノイズをシールドすることができる。
【0016】
本開示の第3態様の電子機器においては、前記弾性部材は、前記表示部の前記外周端部が位置する側の第1面と、前記第1面と反対側であって前記アンテナが位置する側の第2面と、を有し、前記弾性部材は、絶縁材料で形成され、前記導電部材は、前記弾性部材の前記第2面に配置されていなくてもよい。
【0017】
このような構成により、アンテナの通信特性の低下を抑制することができる。
【0018】
本開示の第4態様の電子機器においては、前記導電部材は、前記弾性部材の前記第1面の少なくとも一部に沿って配置されていてもよい。
【0019】
このような構成により、表示部からのノイズを更に抑制すると共に表示部からの光漏れを更に抑制することができる。
【0020】
本開示の第5態様の電子機器においては、前記表示部の前記外周端部と前記弾性部材との間に配置され、前記表示部の前記外周端部を支持する金属製の支持部材をさらに備え、前記支持部材は、前記導電部材および前記表示部と電気的に接続されていてもよい。
【0021】
このような構成により、支持部材によって表示部をより強固に固定しつつ、表示部からのノイズを更に抑制することができる。
【0022】
本開示の第6態様の電子機器においては、前記アンテナ及び前記弾性部材を収納する樹脂製のカバーをさらに備え、前記弾性部材は、前記カバーのカバー内壁に設けられていてもよい。
【0023】
このような構成により、表示部の光漏れを更に抑制することができる。
【0024】
本開示の第7態様の電子機器においては、前記導電部材は、可撓性を有していてもよい。
【0025】
このような構成により、導電部材および金属筐体によって導電部材をより強固に固定することができる。
【0026】
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
【0027】
(実施の形態1)
[電子機器]
図1は、本開示に係る実施の形態1の電子機器1の一例の模式図である。
図1に示すように、電子機器1は、ノートブック型のパーソナルコンピュータ(ラップトップPC)である。電子機器1は、第1筐体2と、第2筐体3と、を備える。第1筐体2及び第2筐体3は、薄い箱型の外郭を有しており、矩形状を有する。
【0028】
第1筐体2は、表示部4を収納する。表示部4は、例えば、液晶である。表示部4の表示面は、第1筐体2から露出している。また、第1筐体2には、カメラやアンテナなどが収納されている。
【0029】
第2筐体3は、入力部を収納する。入力部は、例えば、キーボード5およびタッチパッド6である。入力部は、第2筐体3から露出している。なお、本明細書では、キーボード5及びタッチパッド6を入力部5,6と称する場合がある。また、第2筐体3の内部には、CPUやメモリなどの回路やバッテリーなどが収納されている。
【0030】
第1筐体2と第2筐体3とは、ヒンジ部7を介して接続されている。ヒンジ部7は、第1筐体2と第2筐体3とを回動可能に接続している。ヒンジ部7によって、第1筐体2及び/又は第2筐体3が回動し、電子機器1をオープン状態とクローズ状態にすることができる。なお、「オープン状態」とは、第1筐体2と第2筐体3とが離れて、表示部4及び入力部5,6が露出している状態を意味する。「クローズ状態」とは、第1筐体2と第2筐体3とが対向して配置され、表示部4と入力部5,6とが対面しており、表示部4及び入力部5,6が露出していない状態を意味する。
【0031】
図2は、
図1の電子機器1をA-A線で切断した概略部分拡大断面図である。
図2では、アンテナ11が収納される第1筐体2の上部の拡大断面図を示す。なお、図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、第1筐体2の幅方向、厚み方向、高さ方向を示す。
【0032】
図2に示すように、電子機器1は、表示部4、アンテナ11、金属筐体12、弾性部材13、導電部材14、支持部材15およびカバー16を備える。
【0033】
<表示部>
表示部4は、画像を表示する。表示部4は、液晶パネル8と、バックライト9と、を有する。
【0034】
液晶パネル8は、画像を表示する表示パネルである。液晶パネル8は、例えば、透過型液晶パネル、半透過型液晶パネル、反射型液晶パネルなどを用いることができる。
【0035】
バックライト9は、液晶パネル8に画像を表示するための光源である。バックライト9は、例えば、エッジライト式の光源などを用いることができる。
【0036】
実施の形態1では、液晶パネル8およびバックライト9は、一体化されたモジュールにより構成されている。
【0037】
表示部4は、第1主面PS1、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2、および第1主面PS1と第2主面PS2とを接続する外周端部4aを有する。具体的には、表示部4は、矩形の板状に形成されている。第1主面PS1は、表示部4の表示面、即ち、液晶パネル8の表面(表示画面)に対応する。第2主面PS2は、表示部4の背面、即ち、バックライト9の背面に対応する。第1主面PS1および第2主面PS2は、X方向及びZ方向に延びている。
【0038】
実施の形態1では、表示部4の外周端部4aは、支持部材15によって支持されている。
【0039】
<アンテナ>
アンテナ11は、外部機器との無線通信を行う。アンテナ11は、通信回路などに接続される。アンテナ11は、通信回路からの信号を送信する。また、アンテナ11は、外部機器からの信号を受信する。
【0040】
アンテナ11は、表示部4の外周端部4a側において表示部4から離れて配置される。具体的には、アンテナ11は、表示部4の第1主面PS1および第2主面PS2の延びる方向(Z方向)において、表示部4の外周端部4aから離れて配置されている。
【0041】
実施の形態1では、アンテナ11は、カバー16に収納されている。
【0042】
<金属筐体>
金属筐体12は、表示部4の第2主面PS2側に配置され、表示部4を収納する。金属筐体12は、第1筐体2の背面側の部分を構成し、表示部4の第2主面PS2を覆っている。金属筐体12は、金属によって形成されている。金属筐体12は、例えば、マグネシウム合金又はアルミニウム合金などの各種の金属材料で形成されている。
【0043】
金属筐体12は、金属筐体12の筐体内壁12bから突出する凸部12aを有する。金属筐体12の筐体内壁12bとは、金属筐体12において表示部4が配置される側の面である。筐体内壁12bは、表示部4の第2主面PS2と対向する。凸部12aは、筐体内壁12bからY方向に突出している。また、凸部12aは、Y方向から見て、表示部4と重ならない位置に設けられている。具体的には、凸部12aは、Z方向において表示部4の外周端部4aよりも表示部4の外側、即ちアンテナ11側に設けられている。凸部12aの凸面12cは、平坦に形成されている。
【0044】
<弾性部材>
弾性部材13は、表示部4の外周端部4aとアンテナ11との間に配置され、金属筐体12に向かって延びている。弾性部材13は、表示部4の第1主面PS1および第2主面PS2には配置されていない。即ち、電子機器1では、弾性部材13が表示部4の第1主面PS1および第2主面PS2には配置されることが除かれている。
【0045】
具体的には、弾性部材13は、Z方向において表示部4の外周端部4aとアンテナ11との間に配置され、Y方向において金属筐体12の凸部12aに向かって延びている。例えば、弾性部材13の延びる方向(Y方向)の長さL1は、金属筐体12の凸部12aの突出する方向(Y方向)の長さL2よりも大きい。言い換えると、金属筐体12の凸部12aの突出する方向(Y方向)の長さL2は、弾性部材13の延びる方向(Y方向)の長さL1より小さい。これにより、凸部12aによってアンテナ11の通信特性を低下させることを抑制することができる。
【0046】
弾性部材13は、Y方向から見て、表示部4に重ならない位置に配置されている。弾性部材13は、表示部4の外周端部4aが位置する側の第1面13aと、第1面13aと反対側であってアンテナ11が位置する側の第2面13bと、を有する。また、弾性部材13は、第1面13aと第2面13bとを接続し、且つ導電部材14と接触する第3面13cを有する。例えば、第1面13a、第2面13bおよび第3面13cは、それぞれ、フラット面である。
【0047】
第1面13aには、支持部材15を介して表示部4の外周端部4aが配置されている。第2面13bには、空間を介してアンテナ11が配置されている。第3面13cは、金属筐体12の凸部12aの凸面12cと対向して配置されている。第3面13cと凸面12cとの間には、導電部材14が配置されている。
【0048】
実施の形態1では、弾性部材13は、カバー16に収納されている。具体的には、弾性部材13は、カバー16のカバー内壁16aに設けられており、カバー16のカバー内壁16aから金属筐体12の凸部12aに向かって延びている。例えば、弾性部材13は、粘着剤によってカバー16のカバー内壁16aに貼り付けられている。
【0049】
弾性部材13は、金属筐体12及びカバー16よりも小さい弾性率を有する弾性材料により形成されている。また、弾性部材13は、絶縁材料で形成されている。弾性部材13は、例えば、スポンジ、エラストマーなどの樹脂やゴム材を用いることができる。
【0050】
<導電部材>
導電部材14は、弾性部材13と金属筐体12とに挟まれ、且つ金属筐体12から表示部4に向かって延び、金属筐体12と表示部4とを電気的に接続する。具体的には、導電部材14は、弾性部材13の第3面13cと金属筐体12の凸部12aとに挟まれている。導電部材14は、弾性部材13の第3面13cによって凸部12aの凸面12cに押圧されている。これにより、導電部材14は、弾性部材13と金属筐体12とによって挟持され、固定される。また、導電部材14は、金属筐体12の凸部12aと物理的に接触することによって、金属筐体12と電気的に接続されている。
【0051】
導電部材14は、弾性部材13の第1面13aの少なくとも一部に沿って配置されている。具体的には、導電部材14は、弾性部材13の第3面13cから表示部4に向かう側に屈曲し、第1面13aの一部に沿って延びている。言い換えると、導電部材14は、弾性部材13の第1面13aの少なくとも一部を覆っている。導電部材14は、弾性部材13の第1面13a側において、表示部4と電気的に接続されている。
【0052】
実施の形態1では、表示部4の外周端部4aに金属製の支持部材15が配置されており、導電部材14は、支持部材15を介して表示部4と電気的に接続されている。具体的には、導電部材14は支持部材15と物理的に接触し、支持部材15は表示部4と物理的に接触している。これにより、導電部材14は、支持部材15を介して表示部4と電気的に接続されている。
【0053】
導電部材14は、可撓性を有する導電材料で形成されている。また、導電部材14は、粘着性を有していてもよい。導電部材14は、例えば、導電テープで形成されている。あるいは、導電部材14は、例えば、導電性を確保するために金属繊維やカーボン繊維を織り込んだ導電布であってもよい。
【0054】
<支持部材>
支持部材15は、表示部4の外周端部4aを支持する金属製の部材である。支持部材15は、表示部4の外周端部4aと弾性部材13との間に配置される。具体的には、支持部材15は、表示部4の外周端部4aおよび第2主面PS2に接触し、表示部4の外周端部4aを支持する。これにより、支持部材15は、表示部4を固定すると共に、表示部4と電気的に接続される。
【0055】
支持部材15は、金属の板状部材を屈曲して形成される。支持部材15は、表示部4の外周端部4aに沿って延びた後、第2主面PS2側に屈曲して第2主面PS2に沿って延びる。
【0056】
支持部材15は、導電部材14にも接触している。これにより、支持部材15は、導電部材14と電気的に接続される。
【0057】
<カバー>
カバー16は、アンテナ11及び弾性部材13を収納する。カバー16は、金属筐体12に設けられ、第1筐体2の一部を構成している。カバー16は、例えば、樹脂材料で形成されている。
【0058】
カバー16の内部には、アンテナ11が収容される内部空間Sp1が形成されている。具体的には、カバー16は、凹状に形成されている。具体的には、カバー16は、内部空間Sp1を画定するカバー内壁16aを有する。
【0059】
電子機器1の高さ方向(Z方向)から見て、金属筐体12の凸部12a、導電部材14及び支持部材15は、アンテナ11と重なる位置に配置されている。また、表示部4、金属筐体12の凸部12a、導電部材14及び支持部材15は、電気的に接続されており、導電位となっている。これにより、表示部4からアンテナ11に向かって生じるノイズをシールドしている。
【0060】
[効果]
実施の形態1の電子機器1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0061】
電子機器1は、表示部4、アンテナ11、金属筐体12、弾性部材13および導電部材14を備える。表示部4は、第1主面PS1、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2、および第1主面PS1と第2主面PS2とを接続する外周端部4aを有する。アンテナ11は、表示部4の外周端部4a側において表示部4から離れて配置される。金属筐体12は、表示部4の第2主面PS2側に配置され、表示部4を収納する。弾性部材13は、表示部4の外周端部4aとアンテナ11との間に配置され、金属筐体12に向かって延びる。導電部材14は、弾性部材13と金属筐体12とに挟まれ、且つ金属筐体12から表示部4に向かって延び、金属筐体12と表示部4とを電気的に接続する。電子機器1においては、弾性部材13が表示部4の第1主面PS1および第2主面PS2に配置されることが除かれている。
【0062】
このような構成により、表示部4からのノイズを抑制すると共に表示部4からの光漏れを抑制することができる。電子機器1においては、導電部材14によって金属筐体12と表示部4とが電気的に接続されているため、表示部4、金属筐体12および導電部材14が導電位にすることができる。これにより、表示部4からアンテナ11に向かって生じるノイズをシールドすることができる。その結果、表示部4のノイズによるアンテナ11の通信特性の低下を抑制することができる。
【0063】
また、導電部材14と金属筐体12との電気的接続を強固にするために、導電部材14は弾性部材13と金属筐体12とによって挟持されている。具体的には、導電部材14は、弾性部材13によって金属筐体12に押圧されている。電子機器1においては、弾性部材13が表示部4の外周端部4a側に配置されており、表示部4の第1主面PS1および第2主面PS2に配置されていない。このため、電子機器1においては、弾性部材13による押圧力が表示部4の厚み方向(Y方向)に付与されない構成となっている。これにより、弾性部材13により表示部4が厚み方向(Y方向)に押圧されることがなく、弾性部材13によって表示部4が歪むことを避けることができる。その結果、表示部4が歪むことに起因する光漏れを抑制することができる。
【0064】
金属筐体12は、弾性部材13に向かって延びる凸部12aを有し、導電部材14は、弾性部材13と凸部12aとに挟まれる。このような構成により、凸部12aによって導電部材14をより強固に固定することができる。また、凸部12aによって表示部4からアンテナ11に向かって生じるノイズを更にシールドすることができる。
【0065】
弾性部材13は、表示部4の外周端部4aが位置する側の第1面13aと、第1面13aと反対側であってアンテナ11が位置する側の第2面13bと、を有する。弾性部材13は、絶縁材料で形成され、導電部材14は、弾性部材13の第2面13bに配置されていない。このような構成により、導電部材14によりアンテナ11の通信特性が低下することを抑制することができる。
【0066】
導電部材14は、弾性部材13の第1面13aの少なくとも一部に沿って配置されている。このような構成により、表示部4からアンテナ11に向かって生じるノイズを更にシールドすることができる。
【0067】
電子機器1は、表示部4の外周端部4aと弾性部材13との間に配置され、表示部4の外周端部4aを支持する金属製の支持部材15をさらに備える。支持部材15は、導電部材14および表示部4と電気的に接続されている。このような構成により、支持部材15によって表示部4を支持し、表示部4を強固に固定することができる。また、支持部材15が導電部材14と表示部4とに電気的に接続されることによって、表示部4、金属筐体12、導電部材および支持部材15を導電位にすることができる。これにより、表示部4、金属筐体12、導電部材および支持部材15によって表示部4からアンテナ11に向かって生じるノイズをシールドすることができる。その結果、表示部4のノイズによるアンテナ11の通信特性の低下をさらに抑制することができる。
【0068】
電子機器1は、アンテナ11及び弾性部材13を収納する樹脂製のカバー16をさらに備える。弾性部材13は、カバー16のカバー内壁16aに設けられている。このような構成により、弾性部材13は、カバー16に固定された状態で、金属筐体12に対して導電部材14を押圧することができる。これにより、弾性部材13の押圧力が表示部4にかかることを抑制しつつ、導電部材14を金属筐体12により強固に固定することができる。
【0069】
導電部材14は、可撓性を有する。このような構成により、弾性部材13と金属筐体12とによってより強固に固定される。
【0070】
なお、実施の形態1では、電子機器1としてラップトップPCである例について説明したが、これに限定されない。電子機器1は、表示部4を備える機器であればよい。例えば、電子機器1は、無線通信機能を搭載した映像表示装置、タブレット、スマートフォンなどであってもよい。
【0071】
実施の形態1では、金属筐体12が凸部12aを有する例について説明したが、これに限定されない。金属筐体12は凸部12aを有していなくてもよい。この場合、弾性部材13は、金属筐体12の筐体内壁12bに対して導電部材14を押圧してもよい。
【0072】
実施の形態1では、導電部材14が弾性部材13の第1面13aの少なくとも一部に沿って配置されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、導電部材14は、弾性部材13の第1面13aに沿って配置されていなくてもよい。
【0073】
実施の形態1では、電子機器1が支持部材15を備える例について説明したが、これに限定されない。電子機器1は支持部材15を備えていなくてもよい。この場合、導電部材14は表示部4に物理的に接触することによって、表示部4と電気的に接続されてもよい。
【0074】
実施の形態1では、電子機器1がカバー16を備える例について説明したが、これに限定されない。電子機器1はカバー16を備えていなくてもよい。
【0075】
<変形例1>
図3は、変形例1の電子機器1Aの概略部分拡大断面図である。
図3に示すように、電子機器1Aにおいては、金属筐体12Aが凸部12aを有していない点で、実施の形態1の電子機器1と異なる。
【0076】
電子機器1Aにおいて、導電部材14Aは、弾性部材13Aの第3面13cと金属筐体12Aの筐体内壁12bとによって挟まれている。弾性部材13Aは、導電部材14Aを金属筐体12Aの筐体内壁12bに押圧している。
【0077】
このような構成においても、表示部4からのノイズを抑制すると共に表示部4からの光漏れを抑制することができる。また、電子機器1Aにおいては、実施の形態1の電子機器1と比べて、凸部12aが設けられていないため、金属筐体12Aをアンテナ11から離れて配置できる。また、凸部12aの代わりに、絶縁材料で形成される弾性部材13Aが配置することができる。これにより、アンテナ11から金属部品を離すことができ、アンテナ11の通信特性の低下を更に抑制することができる。
【0078】
<変形例2>
図4は、変形例2の電子機器1Bの概略部分拡大断面図である。
図4に示すように、電子機器1Bにおいては、支持部材15を有していない点で、実施の形態1の電子機器1と異なる。
【0079】
電子機器1Bにおいて、導電部材14Bは、弾性部材13と表示部4の外周端部4aとの間に配置される。具体的には、導電部材14Bは、弾性部材13の第1面13aに沿って配置されており、表示部4の外周端部4aに接触している。これにより、導電部材14Bは、表示部4と電気的に接続されている。
【0080】
このような構成により、表示部4、導電部材14および金属筐体12が電気的に接続され、導電位にすることができる。これにより、表示部4からのノイズを抑制すると共に表示部4からの光漏れを抑制することができる。
【0081】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示は、表示部から生じるノイズを抑制しつつ、表示部からの光漏れを抑制することができるため、例えば、電子機器(例えば、ラップトップPCなど)に有用である。
【符号の説明】
【0083】
1,1A,1B 電子機器
2 第1筐体
3 第2筐体
4 表示部
4a 外周端部
5 キーボード
6 タッチパッド
7 ヒンジ部
8 液晶パネル
9 バックライト
11 アンテナ
12,12A 金属筐体
12a 凸部
12b 筐体内壁
12c 凸面
13,13A 弾性部材
13a 第1面
13b 第2面
13c 第3面
14,14A,14B 導電部材
15 支持部材
16 カバー
16a カバー内壁
PS1 第1主面
PS2 第2主面