(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185383
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】自立性袋の支持体
(51)【国際特許分類】
B65D 30/16 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
B65D30/16 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093035
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 忠祐
(72)【発明者】
【氏名】村井 竜一朗
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA16
3E064BA26
3E064BA27
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064EA30
3E064FA03
3E064HF10
3E064HG03
3E064HG07
3E064HN06
3E064HP10
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】液体内容物を収容した自立性袋をその外側から支え、自立性袋から液体内容物を注出する際、その自立性袋の姿勢を支え、流路を確保して、スムーズな注出を可能とする支持体を提供すること。
【解決手段】自立性袋A10として、左右端部のいずれか一方と上部端部とが交わる角部が面取りされてここに斜めシール線A1dが形成されてここに口栓A14が配置されたものを使用する。そして、支持体A20として、左右端部のうち斜めシール線に隣接する端部を注出側端部として、この注出側端部を外側から覆って保護する注出側カバーA21と、口栓に固定される口栓固定部A22と、自立袋の底部をほぼ全周に渡って外側から覆う底部保護カバーとA24と、前記口栓固定部と底部保護カバーとの間の位置に設けられ、自立性袋をその前後から支えるウィングA23
1,A23
2とを備えるものを使用する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立性袋を支える支持体であって、
前記自立性袋が、前側フィルム,後側フィルム,二つ折りされた底部フィルム及び口栓で構成され、前側フィルムと底部フィルムと後側フィルムとをこの順に重ねて、その周囲でシールして、自立性袋の上部端部に上部シール線、左右端部にそれぞれサイドシール線、底部に底部シール領域が形成されており、かつ、左右端部のいずれか一方と上部端部とが交わる角部が面取りされてここに斜めシール線が形成されてこの斜めシール線に口栓が配置された自立袋であり、
左右端部のうち前記斜めシール線に隣接する端部を注出側端部として、この注出側端部を外側から覆って保護する注出側カバーと、
前記注出側カバーに連接して設けられ、口栓に固定される口栓固定部と、
前記注出側カバーに連接して設けられ、自立袋の底部をほぼ全周に渡って外側から覆う底部保護カバーと、
前記口栓固定部と底部保護カバーとの間の位置で前記注出側カバーに連接して設けられ、前記自立性袋をその前後から支えるウィングの対と、
を有することを特徴とする自立性袋の支持体。
【請求項2】
自立性袋を支える支持体であって、
前記自立性袋が、前側フィルム,後側フィルム,二つ折りされた底部フィルム及び口栓で構成され、前側フィルムと底部フィルムと後側フィルムとをこの順に重ねて、その周囲でシールして、自立性袋の上部端部に上部シール線、左右端部にそれぞれサイドシール線、底部に底部シール領域が形成されており、かつ、左右端部のいずれか一方と上部端部とが交わる角部が面取りされてここに斜めシール線が形成されてこの斜めシール線に口栓が配置された自立袋であり、
左右端部のうち前記斜めシール線に隣接する端部を注出側端部とし、その反対側の端部を反注出側端部とし、この反注出側端部を外側から覆って保護する注出側カバーと、
前記反注出側カバーに連接して設けられ、口栓に固定される口栓固定部と、
前記反注出側カバーに連接して設けられ、自立袋の底部を支持する底部支持部と、
前記口栓固定部と底部保護カバーとの間の位置で前記反注出側カバーに連接して設けられ、前記自立性袋をその前後から支えるウィングの対と、
を有することを特徴とする自立性袋の支持体。
【請求項3】
剛性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自立性袋の支持体。
【請求項4】
前記自立性袋の前側フィルムと後側フィルムのうち、少なくとも一方のフィルムの外側にテープの両端が接着されて、このテープの中央部と前記フィルムとの間に隙間が設けられており、
かつ、前記ウィングがこの隙間に挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自立性袋の支持体。
【請求項5】
前記自立性袋が内容量300~350ccの液体内容物を収容した自立性袋から成ることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の自立性袋の支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体内容物を収容した自立性袋から液体内容物を注出する際、その自立性袋の姿勢を支え、その流路を確保して、スムーズな注出を可能とする支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
液体内容物の中には、包装袋や紙容器に収容して販売されているものもあるが、プラスチックボトルに収容して販売されているものも多い。例えば、コンタクトレンズの洗浄液はプラスチックボトルに収容して販売されている。コンタクトレンズの洗浄液は、約1~5mlの洗浄液を径20~30mm程度の目標物に対して的確に注ぎ出す必要があるが、プラスチックボトルに収容された洗浄液は、注出液の注出量や注出方向を容易に制御できるのである。
【0003】
ところで、プラスチックボトルは包装袋に比較して大量のプラスチックを必要とする。周知のように、プラスチックは石油資源を消費して製造するものである。また、こうして製造されたプラスチックは自然界で分解されることがないから、環境汚染の原因ともなっている。
【0004】
そこで、プラスチックボトルに代えて包装袋を使用することにより、持続可能な開発目標(SDG’s)に寄与できると考えられる。
【0005】
しかしながら、包装袋はフレキシブルなフィルムで構成されているため、液体内容物を注出するにしたがってさまざまな形状に変形する。例えば、折れ曲がり、また、この折れ曲がりに伴ってしわが生じたり、中折れが発生することもある。あるいは、包装袋が捻じれることもある。そしてこのように変形することにより、液体内容物の注出流路が閉塞して注出不可能となることがある。また、閉塞しないまでも、その流路が狭くなり、スムーズな注出が困難になることもある。あるいは、流路の途中がその先よりも低くなり、このため、液体内容物が滞留して注出が困難となることもある。
【0006】
要するに、リジッドなプラスチックボトルと異なり、包装袋はフレキシブルなフィルムで構成されているため、注出に従って不規則に変形し、このためその流路も変形して、スムーズな注出が困難となるのである。
【0007】
なお、特許文献1は、液体内容物を注出した包装袋を自立させるため、この包装袋を収容して、その口栓を外部に露出させたケースを記載しているが、プラスチックケースであるため、プラスチックボトルを使用する場合に比べてプラスチックの削減量が乏しく、しかも、包装袋の前記注出流路の変形を十分に防止することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、液体内容物を収容した自立性袋をその外側から支え、自立性袋から液体内容物を注出する際、その自立性袋の姿勢を支え、流路を確保して、スムーズな注出を可能とする支持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明は、自立性袋を支える支持体であって、
前記自立性袋が、前側フィルム,後側フィルム,二つ折りされた底部フィルム及び口栓で構成され、前側フィルムと底部フィルムと後側フィルムとをこの順に重ねて、その周囲でシールして、自立性袋の上部端部に上部シール線、左右端部にそれぞれサイドシール線、底部に底部シール領域が形成されており、かつ、左右端部のいずれか一方と上部端部とが交わる角部が面取りされてここに斜めシール線が形成されてこの斜めシール線に口栓が配置された自立袋であり、
左右端部のうち前記斜めシール線に隣接する端部を注出側端部として、この注出側端部を外側から覆って保護する注出側カバーと、
前記注出側カバーに連接して設けられ、口栓に固定される口栓固定部と、
前記注出側カバーに連接して設けられ、自立袋の底部をほぼ全周に渡って外側から覆う底部保護カバーと、
前記口栓固定部と底部保護カバーとの間の位置で前記注出側カバーに連接して設けられ、前記自立性袋をその前後から支えるウィングの対と、
を有することを特徴とする自立性袋の支持体である。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、自立性袋を支える支持体であって、
前記自立性袋が、前側フィルム,後側フィルム,二つ折りされた底部フィルム及び口栓で構成され、前側フィルムと底部フィルムと後側フィルムとをこの順に重ねて、その周囲でシールして、自立性袋の上部端部に上部シール線、左右端部にそれぞれサイドシール線、底部に底部シール領域が形成されており、かつ、左右端部のいずれか一方と上部端部とが交わる角部が面取りされてここに斜めシール線が形成されてこの斜めシール線に口栓が配置された自立袋であり、
左右端部のうち前記斜めシール線に隣接する端部を注出側端部とし、その反対側の端部を反注出側端部とし、この反注出側端部を外側から覆って保護する注出側カバーと、
前記反注出側カバーに連接して設けられ、口栓に固定される口栓固定部と、
前記反注出側カバーに連接して設けられ、自立袋の底部を支持する底部支持部と、
前記口栓固定部と底部保護カバーとの間の位置で前記反注出側カバーに連接して設けられ、前記自立性袋をその前後から支えるウィングの対と、
を有することを特徴とする自立性袋の支持体である。
【0012】
次に、請求項3に記載の発明は、剛性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自立性袋の支持体である。
【0013】
次に、請求項4に記載の発明は、前記自立性袋の前側フィルムと後側フィルムのうち、少なくとも一方のフィルムの外側にテープの両端が接着されて、このテープの中央部と前記フィルムとの間に隙間が設けられており、
かつ、前記ウィングがこの隙間に挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自立性袋の支持体である。
【0014】
次に、請求項5に記載の発明は、前記自立性袋が内容量300~350ccの液体内容物を収容した自立性袋から成ることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の自立性袋の支持体である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明に係る支持体は、口栓固定部が自立性袋の口栓に固定され、また、底部保護カバーが自立袋の底部をほぼ全周に渡って自立袋の外側から覆っている。このため、この支持体と共に自立性袋を傾けて注出する際にも、自立袋の底部が底部保護カバーの外側に出ることがなく、その姿勢が維持される。また、口栓固定部と底部保護カバーとの間の位置でウィングの対が前後から支えているから、自立袋が捻じれることもなく、この前後方向に倒れることもない。また、自立性袋を傾ける方向の端部、すなわち、注出側端部は、その外側から注出側カバーで覆って保護されているから、自立袋がこの方向に倒れることもない。傾斜した自立袋が、底部に残った液体内容物の重みによって前後方向あるいは左右方向に中折れすることもないのである。
【0016】
このように、自立袋を傾けて注出する際にも、自立袋の姿勢は、注出側カバー、一対のウィング及び底部保護カバーによって制御されており、このため、液体内容物の注出流路も適正に確保されているから、流路の閉塞や液体内容物の滞留もなく、そのすべてを注ぎ出すまでスムーズに注出することが可能である。もちろん、その注出量や注出方向も容易に制御できる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明に係る支持体によっても、同様に、液体内容物の注出量や注出方向を制御して、そのすべてを注ぎ出すまでスムーズに注出することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は本発明の第1の実施形態に係る支持体の説明用斜視図である。
【
図2】
図2は本発明の第1の実施形態に係る自立性袋の説明用斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の第1の実施形態に係り、支持体を自立性袋に取り付けた包装体を示す説明用斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の第2の実施形態に係る支持体の説明用斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体例を説明する。
【0020】
まず、
図1~3を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1はこの実施形態に係る支持体A20の説明用斜視図であり、
図2は自立性袋A10の説明用斜視図である。また、
図3は、この支持体A20を自立性袋A10に取り付けた包装体Aを示す説明用斜視図である。
【0021】
図3から分かるように、この支持体A20は自立性袋A10に取り付けて使用するもので、支持体A20を自立性袋A10に取り付けることにより、自立性袋A10内部の液体内容物の注出をスムーズにすることが可能となる。
【0022】
そこで、まず、この支持体A20を取り付ける自立性袋A10について説明する。
【0023】
自立性袋A10はスタンディングパウチと通称されている周知の袋で、
図2に示すように、前側フィルムA11、後側フィルムA12、底部フィルムA13及び口栓A14で構成されている。片手で取り扱うことができるように、内容量300~350ccのものが好ましく利用できる。なお、図中、A15はヒンジを介して口栓A14に接合したキャップを示している。
【0024】
そして、この自立性袋A10は、底部フィルムA13を二つ折りして、その折り目線が上を向くように前側フィルムA11と後側フィルムA12との間に配置して、これら前側フィルムA11、後側フィルムA12及び底部フィルムA13をこの順に重ね、周縁を互いにシールして構成されている。
【0025】
図2に図示するように、自立性袋10の上部端部では、前側フィルムA11と後側フィルムA12とが直接接触してシールされることにより、ここに上部シール線A1aが形成されている。また、二つ折りした底部フィルムA13の折り目線の位置を境界として上側
と下側とに分けると、その上側では前側フィルムA11と後側フィルムA12とが直接接触しており、その左右両端部でこれら前側フィルムA11と後側フィルムA12とがシールされて左右サイドシール線A1b,A1cが形成されている。
【0026】
一方、下側では、二つ折りされた前記底部フィルムA13が前側フィルムA11と後側フィルムA12との間に介在しており、このため、前側フィルムA11と底部フィルムA13とがシールされて前底部シール領域A1eが形成され、また、後側フィルムA12と底部フィルムA13とがシールされて後底部シール領域A1fが形成されている。なお、その左右両側部では、二つ折りされた前記底部フィルムA13に貫通孔が形成されており、この貫通孔を通して前側フィルムA11と後側フィルムA12とがシールされており、このため、二つ折りされた底部フィルムA13を開くと、
図2に示すように、前底部シール領域A1eと後底部シール領域A1fとの間の領域が船形の底面を形成する。
【0027】
ところで、左右端部のいずれか一方と上部端部とが交わる角部は、これらに交差する斜め方向に延びる直線状に切断除去されて面取りされており、ここに斜めシール線が形成されている。この例では、左側の端部と上部端部とが交わる角部が面取りされて、ここに斜めシール線A1dが形成されている。この斜めシール線A1dは、前側フィルムA11と後側フィルムA12と間に前記口栓A14を挟んでシールすることによって形成したもので、こうして口栓A14は自立性袋A10の斜めシール線A1dに固定されている。
【0028】
また、この例では、自立性袋A10の前側フィルムA11の外側にテープA16の両端A162,A163が接着され、このテープA16の中央部A161と前側フィルムA11との間に隙間が設けられて、後述する支持体A20のウィングA231がこの隙間に挿入可能に構成されている。また、同様に、後側フィルムA12の外側にも、図示しないテープの両端が接着され、このテープの中央部と後側フィルムとの間に隙間が設けられて、後述する支持体A20のウィングA232がこの隙間に挿入可能に構成されている。
【0029】
なお、このような前側フィルムA11、後側フィルムA12及び底部フィルムA13は任意の材質のフィルムで良いが、基材とするフィルムの自立性袋A10内面側にシーラント層を配置した多層フィルムを好ましく使用することができる。基材フィルムとしては比較的腰のあるフィルムが望ましく、単層又は多層フィルムを使用できる。単層のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等を例示できる。多層構造の基材フィルムとしては、これらポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等に他の層を積層したものが使用できる。例えば、金属箔、金属蒸着膜、酸化ケイ素等の無機蒸着膜等を有するフィルムを基材フィルムに採用すると、包装袋に酸素バリア性や水蒸気バリア性を付与することが可能である。また、シーラント層は周知のシーラントフィルムを利用することができる。例えば、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム等のシーラントフィルムである。
【0030】
次に、
図1及び
図3の両者を参照しながら、支持体A20について説明する。まず、この支持体20は撓みにくい剛性の材料で構成されたものである。支持体A20は、例えば、熱可塑性樹脂を射出成型することにより製造することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を使用できる。
【0031】
この支持体A20は注出側カバー21を有している。自立袋A10の左右端部のうち前記斜めシール線A1dに隣接する端部を注出側端部とすると、自立袋A10を傾けて液体内容物を注出するとき、この注出側端部が下側に位置するように自立袋A10を傾けることになる。このとき、自立袋A10に収容された液体内容物の重みによって、その底部がこの方向に倒れることを防止するため、注出側カバーA21はこの注出側端部を外側から
覆って保護している。
【0032】
この例では、斜めシール線A1dは図示左側の端部と上部端部とが交わる角部に設けられているから、この斜めシール線A1dに隣接する前記端部は、左サイドシール線A1bが設けられた端部である。そして、左サイドシール線A1bが設けられた端部が下側となり、その反対側の右サイドシール線A1cが設けられた端部が上側となるように、自立袋A10を傾けることによって、液体内容物を口栓A14から注出することができる。このとき、自立袋A10は、下側となった端部の外側から注出側カバーA21で覆われているから、この注出側カバーA21が自立袋A10を支えてその姿勢の歪みを防止し、液体内容物の注出用流路を適正に守るのである。すなわち、液体内容物を注出するに従って自立袋A10は収縮するが、下側から注出側カバーA21で支えられているから、捻じれたり折れ曲がったりすることが防止され、また、液体内容物の注出用流路の閉塞や液体内容物の滞留も防止できる。
【0033】
このように注出側カバーA21は注出の際に自立袋A10を下側から支える機能を有している。このため、注出側カバーA21は、斜めシール線A1dに隣接する前記端部の全長に渡って設けられていることが望ましい。すなわち、左右のサイドシール線A1b,1cのうち、斜めシール線1dに隣接するサイドシール線(この例では、左サイドシール線A1b)の全長に渡って設けられていることが望ましい。
【0034】
また、注出側カバーA21は、斜めシール線A1dに隣接する前記端部を包み込むように設けられていることが望ましいが、注出側カバーA21の幅は、注出の際にこの注出側カバーA21が自立袋A10を支えることができるように定めればよい。
【0035】
次に、この支持体A20は口栓固定部A22を有している。この口栓固定部A22は自立袋A10と支持体A20との位置関係を固定するものである。このため、口栓固定部A22は、前記注出側カバーA21に連接して設けられている。また、自立袋A10はフレキシブルなフィルムA11,A12,A13で構成されているが、口栓A14はリジッドなものである。このため、口栓固定部A22はこのリジッドな口栓A14に固定できるように構成されている。
【0036】
この例では、
図1及び
図3に示すように、口栓A14を前後から挟んで両者が互いに揺動することがないように固定している。そして、このように口栓固定部A22で自立袋A10と支持体A20との位置関係を固定するため、前述の注出側カバーA21を、斜めシール線A1dに隣接する前記端部を包み込むように配置することが可能になるのである。後述する底部保護カバーA24と一対のウィングA23
1,A23
2と自立袋A10との位置関係もこの口栓固定部A22によって固定することができる。
【0037】
なお、液体内容物の注出の際に、例えば、この口栓固定部A22の位置や方向を制御することにより口栓の位置や方向を制御し、こうして、液体内容物の注出方向や注出量を間接的に制御することができる。例えば、液体内容物としてコンタクトレンズの洗浄液を収容した内容量300~350ccの自立袋にあっては、約1~5mlの洗浄液を径20~30mm程度の目標物に対して容易かつ的確に注ぎ出すことが可能である。
【0038】
次に、この支持体A20は底部保護カバーA24を有している。この底部保護カバーA24は前記注出側カバーA21に連接して設けられており、この注出側カバーA21と口栓固定部A22とを介して間接的に自立袋A10と位置固定されている。
【0039】
また、この底部保護カバーA24は、注出の際に自立袋A10の底部を外側から支えて、この底部が左右方向はもちろん、前後方向にも移動せず、また、捻じれることもないように規制している。このため、底部保護カバーA24は自立袋A10の底部を外側から覆っている。この例では、底部保護カバーA24はリング状で、かつ、閉曲線状であり、このため自立袋A10の底部を全周に渡って覆っているが、実質的に全周に渡って自立袋A10の底部を規制できるのであれば、厳密に閉曲線状である必要はない。例えば、リング状の一部に細いスリットを設けて開曲線状としたものであってもよい。
【0040】
また、底部保護カバーA24の幅、すなわち、その高さも、この底部保護カバーA24が自立袋A10の底部を規制できるように決定すればよい。
【0041】
次に、支持体A20は、注出側カバーA21に連接して設けられた一対のウィングA231,A232を有している。このウィングA231,A232は、液体内容物の注出の際に、自立袋A10が前側フィルムA11や後側フィルムA12の方向、すなわち前後方向に倒れることがないように規制するものである。なお、自立袋A10の口栓A14は口栓固定部A22に固定されており、底部は底部保護カバーA24によって規制されているから、ウィングA231,A232はその間の位置で自立袋10を規制する。すなわち、ウィングA231,A232は、口栓固定部A22と底部保護カバーA24との間の位置に設けられて、自立性袋A10をその前後から支えるものである。この例では、ウィングA231が前側フィルムA11の外側に位置し、ウィングA232が後側フィルムA12の外側に位置して、この両者A231,A232で自立性袋A10を挟み込むことによって、自立性袋10を規制している。
【0042】
このようにこれらウィングA23
1,A23
2は前後から挟み込んで自立性袋A10を規制するものであるが、これに加えて、これらウィングA23
1,A23
2を、自立性袋A10に設けられたテープA16と自立性袋A10との間の隙間に差し込むことにより、自立性袋A10と支持体A20との位置関係を確実に固定することができる。すなわち、
図3に示すように、この例では、テープA16の中央部A16
1と前側フィルムA11との間に形成された隙間に、支持体A20のウィングA23
1が挿入されている。また、同様に、図示しないテープの中央部と後側フィルムA12との間に形成された隙間に、支持体A20のウィングA23
2が挿入されている。
【0043】
次に、これら一対のウィングA231,A232は、いずれも、その先端が自立袋A10に向けて上方から見て湾曲していることが望ましい。このようにウィングA231,A232の先端が湾曲していると、これらウィングA231,A232の両者で自立性袋A10を包み込むように支持して、自立性袋A10と支持体A20との位置関係を一層確実に固定することができる。
【0044】
なお、この例ではウィングA231,A232は一対設けられているが、これに限らず、二対あるいはそれ以上の対のウィングが設けられていてもよい。また、これらウィングの幅は任意である。また、両ウィングの先端個所A233には、自立性袋A10に設けられたテープA16がウィングから抜けることを防止する(図示しない)フックが設けられていてもよい。
【0045】
以上のように、この例に係る支持体A20は、口栓固定部A22で自立袋A10に固定され、注出側カバーA21、ウィングA231,A232及び底部保護カバーA24によって、注出に伴う自立袋A10の姿勢を規制して制御しており、液体内容物の注出流路も適正に確保されている。そして、このため、注出流路の閉塞や液体内容物の滞留もなく、そのすべてを注ぎ出すまでスムーズに注出することができ、注出量や注出方向も容易に制御できるのである。
【0046】
次に、
図4は本発明の第2の実施形態に係る支持体B20の説明用斜視図である。
【0047】
この支持体B20を適用する自立袋は、第1の実施形態に係る自立袋A10と同様である。すなわち、この支持体B20を適用する自立袋も、いわゆるスタンディングパウチで、左側の端部と上部端部とが交わる角部に斜めシール線が設けられ、この斜めシール線の位置で、前側フィルムと後側フィルムと間に口栓を挟んで固定している。また、前側フィルム及び後側フィルムの外側にテープの両端が接着され、このテープの中央部と前側フィルム又は後側フィルムとの間に隙間が設けられて、支持体B20のウィングB231及びB232がこの隙間に挿入可能に構成されている点も、第1の実施形態に係る前記自立袋A10と同様である。
【0048】
そして、この支持体B20においては、注出側カバーA21の代わりに反注出側カバーB21が設けられている。すなわち、左右端部のうち前記斜めシール線に隣接する端部を注出側端部とし、その反対側の端部を反注出側端部としたとき、反注出側カバーB21は、この反注出側端部を外側から覆って保護するものである。
【0049】
次に、この支持体B20は口栓固定部B22を有している。この口栓固定部B22は自立袋と支持体B20との位置関係を固定するものである。このため、口栓固定部B22は、前記反注出側カバーB21に連接して設けられている。
【0050】
次に、この支持体B20は底部支持部B25を有している。この底部支持部B25は自立袋の底部を支持するもので、前記反注出側カバーB21に連接して設けられており、この反注出側カバーB21と口栓固定部B22とを介して間接的に自立袋と位置固定されている。
【0051】
そして、支持体B20は、反注出側カバーB21に連接して設けられた一対のウィングB231,B232を有している。これら一対のウィングB231,B232は、自立性袋を前後から挟み込んで規制すると共に、自立性袋に設けられたテープと自立性袋との間の隙間に差し込むことにより、自立性袋と支持体B20との位置関係を確実に固定する役割を有している。
【0052】
そして、このため、この支持体B20を使用した場合にも、第1の実施形態に係る支持体A20を使用した場合と同様に、注出流路の閉塞や液体内容物の滞留もなく、そのすべてを注ぎ出すまでスムーズに注出することができ、注出量や注出方向も容易に制御できるのである。
【符号の説明】
【0053】
A:第1の実施形態に係る包装袋
A10:自立性袋
A11:前側フィルム
A12:後側フィルム
A13:底部フィルム
A14:口栓
A15:キャップ
A16:テープ A161:テープの中央部 A162, A163:テープの両端
A1a:上部シール線 A1b:左側サイドシール線 A1c:右側サイドシール線 A1d:斜めシール線
A20:支持体
A21:注出側カバー A22:口栓固定部 A231,A232:ウィング A233:ウィング先端個所A24:底部保護カバー
B20:第2の実施形態に係る支持体
B21:反注出側カバー B22:口栓固定部 B231,B232:ウィング B25:底部支持部