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  • 特開-水処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185389
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 24/48 20060101AFI20221207BHJP
   B01D 24/00 20060101ALI20221207BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B01D29/36 A
B01D29/00 D
B01D29/10 510C
B01D29/10 530A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093041
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】520180688
【氏名又は名称】株式会社ジェーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 厳一
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC44
4D116BC47
4D116DD05
4D116KK04
4D116QA06C
4D116QA06D
4D116QA06E
4D116QC04A
4D116QC07
4D116QC22A
4D116QC32A
4D116QC39
4D116UU20
4D116VV07
(57)【要約】
【課題】コストアップを抑制したうえで、ろ過装置の目詰まりの進行状況に関わらず、圧送ポンプからの吐出量を、要求される所望処理流量として一定に維持することで、ろ過装置の寿命、及び圧送ポンプの消費電力の観点から最適となる水処理装置を提供する。
【解決手段】水処理装置1は、電動モータの駆動により原水をろ過装置2内に圧送する圧送ポンプ3と、該圧送ポンプ3の駆動状態を把握するための電流計4及び圧力センサ5と、該電流計4及び圧力センサ5からの測定結果により、圧送ポンプ3からの吐出量が一定となる複数の周波数から最適な周波数を選択して、電動モータの回転数を制御する制御装置6と、を備える。その結果、水処理装置1は、ろ過装置2の目詰まりの進行状況に関わらず、圧送ポンプ3からの吐出量を、要求される所望処理流量として一定に維持することができ、ろ過装置2の寿命、及び圧送ポンプ3の消費電力の観点から最適となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水をろ過装置によって処理する水処理装置であって、
電動モータの駆動により原水を前記ろ過装置内に圧送する圧送ポンプと、
該圧送ポンプの駆動状態を把握するための電流計及び圧力センサと、
該電流計及び圧力センサからの測定結果により、前記圧送ポンプからの吐出量が一定となる複数の周波数から最適な周波数を選択して、前記電動モータの回転数を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記制御装置には、予め、前記圧送ポンプの特性として、一定の吐出量を得るための複数の周波数それぞれに対する、回転数と、圧力値及び電流値の所定範囲とが入力されることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水をろ過装置によって処理する水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車の生産工場等には、貯溜タンク等に、部品等を洗浄するための洗浄水(原水)が貯溜されており、該洗浄水は水処理装置によって処理されて再使用される。従来の水処理装置は、原水をろ過して処理するろ過装置と、貯溜タンク内の原水をろ過装置に圧送する圧送ポンプとが備えられている(例えば、特許文献1参照)。ろ過装置は、ハウジングの内部に円筒状のフィルタが備えられて構成される。そして、貯溜タンク内の原水を圧送ポンプによりろ過装置のハウジング内に圧送すると、原水がフィルタの外側から内側に流通されることでろ過処理されて、処理水としてフィルタの内側からハウジングの流出口を経由して外部に流出される。
【0003】
ところで、ろ過装置は、その使用頻度に伴って、徐々にフィルタが目詰まりするために、所望流量の処理水が次第に得られなくなる虞がある。そのために、フィルタがある程度目詰まりしても、所望流量の処理水が得られるように、フィルタに発生する目詰まりによる処理水の流量減少を予測して、圧送ポンプからの吐出量A1を、ろ過装置を経由して得られる処理水の所望処理流量A2よりも大きくなるように設定している。
【0004】
しかしながら、この従来方式では、フィルタに目詰まりが発生していない段階では、圧送ポンプからの吐出量A1(>所望処理流量A2)が、ろ過装置の流出口から処理水として得られるようになる。これ自体不都合になることはないが、この従来方式では、所望処理流量A2よりも大きい圧送ポンプからの吐出量A1の原水が、ろ過装置を流通するために、フィルタの目詰まりの進行速度が早まるようになる。すなわち、フィルタを通過する流量が大きい程、フィルタのろ過精度が悪化して、また、ろ過装置の寿命が短くなる。要するに、フィルタの目詰まりの進行速度の変化率は、フィルタを通過する原水の流量の変化率の2乗に比例するようになり、この従来方式では、吐出量A1/所望処理流量A2の2乗相当分、フィルタの目詰まりの進行速度が早まるようになり、ろ過装置(フィルタ)の寿命が短くなる。
【0005】
また、従来方式では、圧送ポンプからの吐出量A1は、圧送ポンプを駆動させる電動モータの消費電力に大きく関わっている。すなわち、圧送ポンプの電動モータの電流値の変化率は、圧送ポンプからの吐出量の変化率の3乗に比例するようになり、この従来方式では、吐出量A1/所望処理流量A2の3乗相当分、圧送ポンプに必要な電力が増大するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-115576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような従来方式では、圧送ポンプからの吐出量A1を、ろ過装置を経由して得られる処理水の所望処理流量A2よりも大きくなるように設定しているために、ろ過精度が悪化して、また、ろ過装置のフィルタの寿命が短くなり、しかも、圧送ポンプを駆動させる消費電力も大きくなり、改善する必要があった。
【0008】
なお、この従来方式の問題を解決すべく方法として、単純に、ろ過装置の上流側または下流側に流量計を配置して、流量計からの測定結果に基づいて、圧送ポンプからの吐出量を制御することが可能である。なお、流量計には、様々なタイプがあり、配管の途中に配置するものや、配管の外周面に取り付けるタイプなどがある。しかしながら、流量計はかなり高価であって、これを償却するには相当の年月が必要であり、装置全体のコスト面から導入が難しい。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、コストアップを抑制したうえで、ろ過装置の目詰まり(劣化)の進行状況に関わらず、圧送ポンプからの吐出量を、要求される所望処理流量として一定に維持することで、ろ過装置のろ過精度、ろ過装置の寿命、及び圧送ポンプの消費電力の観点から最適となる水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、原水をろ過装置によって処理する水処理装置であって、電動モータの駆動により原水を前記ろ過装置内に圧送する圧送ポンプと、該圧送ポンプの駆動状態を把握するための電流計及び圧力センサと、該電流計及び圧力センサからの測定結果により、前記圧送ポンプからの吐出量が一定となる複数の周波数から最適な周波数を選択して、前記電動モータの回転数を制御する制御装置と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、ろ過装置が目詰まりしておらず初期段階においては、圧送ポンプの駆動状態を把握するための圧力センサからの測定値が小さいために、制御装置では、圧送ポンプからの吐出量が一定となる複数の周波数から、測定された圧力値及び電流値に基づいた最適な周波数、すなわち比較的小さい周波数が選択されて、圧送ポンプの電動モータの回転数を制御する。その後、ろ過装置の目詰まりが進行するにしたがって、圧力センサからの測定値が徐々に大きくなるために、圧送ポンプからの吐出量が一定となる複数の周波数から、測定された圧力値及び電流値に基づいた最適な周波数、すなわちろ過装置の初期段階時よりも大きい周波数が適宜選択されて、圧送ポンプの電動モータの回転数が適宜制御される(ろ過装置の初期段階時の回転数よりも大きい)。その結果、ろ過装置の目詰まり(劣化)の進行状況に関わらず、圧送ポンプからの吐出量を、要求される所望処理流量として一定に維持することができる。しかも、流量計を備える必要が無いので、装置全体のコストアップを抑制することができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、請求項1の発明において、前記制御装置には、予め、前記圧送ポンプの特性として、一定の吐出量を得るための複数の周波数それぞれに対する、回転数と、圧力値及び電流値の所定範囲とが入力されることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、制御装置に、予め、圧送ポンプの特性として、一定の吐出量を得るための複数の周波数それぞれに対する回転数と、圧力値及び電流値の所定範囲とが入力されており、作業者が、所望処理流量に基づいて圧送ポンプからの吐出量を適宜設定した後、圧送ポンプを駆動させると、制御装置にて、圧送ポンプの駆動状態を把握する電流計及び圧力センサからの測定結果に基づき、ろ過装置の目詰まりの進行状況に対応した周波数を容易に選択でき、圧送ポンプの電動モータの回転数を容易に制御することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の水処理装置によれば、制御装置により、ろ過装置の目詰まり(劣化)の進行状況に関わらず、圧送ポンプからの吐出量を、要求される所望処理流量として一定に維持することができる。これにより、従来よりも、必要なろ過精度を確保したうえでろ過装置の寿命を延ばすことができ、圧送ポンプの消費電力も小さく抑えることができ、水処理に係るランニングコストを大幅に削減することができる。しかも、本発明の水処理装置では、高額な流量計を備える必要がないので、装置全体のコスト面からも大きなメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る水処理装置の模式図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る水処理装置に採用されたろ過装置の断面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る水処理装置に採用された圧送ポンプの特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図1図3に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る水処理装置1は、図1に示すように、ろ過装置2と、電動モータ(図示略)の駆動により原水をろ過装置2内に圧送する圧送ポンプ3と、該圧送ポンプ3の駆動状態を把握するための電流計4及び圧力センサ5と、該電流計4及び圧力センサ5からの測定結果により、圧送ポンプ3からの吐出量が一定となる複数の周波数から最適な周波数を選択して、電動モータの回転数を制御する制御装置6と、を備えている。
【0015】
自動車の生産工場等では、部品等を洗浄するための洗浄水(原水)を、本実施形態に係る水処理装置1により処理して、該処理水を再使用するようにしている。図1に示すように、洗浄水は貯溜タンク10内に貯溜されている。貯溜タンク10内とろ過装置2の流入口15とは上流側配管12により連通されている。該上流側配管12に圧送ポンプ3が設けられている。圧送ポンプ3は、電動モータ(図示略)の駆動により、貯溜タンク10内の洗浄水をろ過装置2内に圧送するものである。本実施形態では、圧送ポンプ3は、渦巻きポンプである。ろ過装置2の流出口16と貯溜タンク10内とは下流側配管13により連通されている。
【0016】
図2に示すように、ろ過装置2は、流入口15及び流出口16を有するハウジング18と、該ハウジング18内に配置される円筒状のフィルタ20と、を備えている。上流側配管12がハウジング18の流入口15に連通する。下流側配管13がハウジング18の流出口16に連通する。ハウジング18の流入口15は、ハウジング18内でフィルタ20の外側に連通する。ハウジング18の流出口16は、ハウジング18内でフィルタ20の内側に連通する。そして、圧送ポンプ3の駆動により、上流側配管12からろ過装置2のハウジング18の流入口15を経由してハウジング18内に流入した原水(洗浄水)は、フィルタ20を外側から内側に向かって通過することでろ過処理されて、処理水としてハウジング18の流出口16から下流側配管13内に圧送される。その後、下流側配管13内の処理水は貯溜タンク10内に圧送される。なお、ろ過装置2は、図2に示す構造に限らず、他の構造を採用してもよく、サイクロンろ過装置等を採用してもよい。
【0017】
本実施形態に係る水処理装置1には、圧送ポンプ3の駆動状態を把握するための電流計4及び圧力センサ5が備えられている。電流計4は、圧送ポンプ3(電動モータ)の軸動力を得るために供給される電流値を測定するものである。電流計4は、制御装置6に電気的に接続される。電流計4により測定された電流値が制御装置6に入力される。一方、圧力センサ5は、圧送ポンプ3の駆動状態を把握するものであって、本実施形態では、上流側配管12で、圧送ポンプ3の吐出口に近接した位置に配置される。なお、本実施形態では、圧力センサ5は、圧送ポンプ3の吐出口に近接した位置に配置されているが、下流側配管13に配置してもよい。圧力センサ5は、制御装置6に電気的に接続される。圧力センサ5により測定された圧力値が制御装置6に入力される。
【0018】
圧送ポンプ3の特性、すなわち電動モータの回転駆動により洗浄水(原水)を所定量吐出させる特性は、図3に示す通りである。その特性は、例えば、図3に太線で囲んだNo3の欄を参照すると、一定の吐出量0.1m/minを得るための複数の周波数(商用周波数60Hz,制御装置6(インバータを含む)により周波数を変更する際の周波数60Hz,周波数55Hz,周波数50Hz,周波数45Hz,周波数40Hz,周波数35Hz)に対して回転数、全揚程(圧力)及び電流値がそれぞれ設定されている。圧送ポンプ3の電動モータの回転制御部が、制御装置6に電気的に接続される。制御装置6からの指令により、電動モータの回転制御部に、選択された周波数が適宜付与される。
【0019】
制御装置6は、インバータを含んで構成される。制御装置6には、上述した圧送ポンプ3の特性が予め入力されている。具体的に、制御装置6には、圧送ポンプ3の特性であって、例えば、図3にて太線で囲んだNo3の欄を参照して、一定の吐出量0.1m/minを得るための複数の周波数それぞれに対する、回転数と、圧力値及び電流値の所定範囲とがそれぞれ入力されている。この制御装置6により、電動モータに付与される周波数が適宜変更される。詳しくは、制御装置6は、電流計4及び圧力センサ5からの測定結果に基づいて、上述した複数の周波数のうち最適な周波数を選択して、当該周波数が圧送ポンプ3の電動モータに付与され、当該電動モータの回転数を制御するものである。制御装置6による詳しい制御方法は以下で説明する。
【0020】
上述した、本実施形態に係る水処理装置1の作用を説明する。適宜、図3の太線で囲んだNo3の欄を参照して説明する。
まず、例えば、ろ過装置2の流出口16から流出される所望処理流量が0.1m/min必要な場合には、作業者は圧送ポンプ3の操作部において、圧送ポンプ3からの吐出量を0.1m/minに設定する。なお、圧送ポンプ3からの吐出量を、ろ過装置2の流出口16から流出される所望処理流量よりも多少大きく設定してもよい。
【0021】
そして、本実施形態に係る水処理装置1を作動させた際、例えば、ろ過装置2が目詰まり(劣化)しておらず初期段階では、圧送ポンプ3に作用するろ過装置2からの負荷が小さいために、圧送ポンプ3の駆動状態を把握する圧力センサ5からの測定値が小さく推移する。そして、制御装置6には、圧力センサ5からの測定値が入力されると共に、電流計4からの測定値が入力されて、制御装置6では、これらの測定値に基づいて、電動モータへの周波数を小さく制御して、入力される圧力センサ5及び電流計4からの測定値が所定範囲内に到達すると、それに対応する周波数にて、圧送ポンプ3の電動モータがその回転数にて回転するようになる。そして、ろ過装置2からの所望処理流量は、圧送ポンプ3からの吐出量と略同じ0.1m/minとなる。
【0022】
その後、ろ過装置2の目詰まりが進行すると、圧送ポンプ3に作用するろ過装置2からの負荷がろ過装置2の初期段階より大きくなるために、圧送ポンプ3の駆動状態を把握する圧力センサ5からの測定値が次第に大きく推移する。そして、制御装置6では、入力される圧力センサ5及び電流計4からの測定値が所定範囲内に到達すると、それに対応する周波数にて、圧送ポンプ3の電動モータがその回転数にて回転するようになるが、制御装置6では、ろ過装置2の目詰まりの進行具合に対応して、電動モータへの周波数を徐々に大きくなるように制御して、圧送ポンプ3の電動モータの回転数が徐々に大きくなるように制御される。その結果、ろ過装置2の目詰まりが、時間経過と共に徐々に進行して、圧送ポンプ3に対するろ過装置2からの負荷が徐々に大きくなっても、ろ過装置2からの所望処理流量は、圧送ポンプ3からの吐出量と略同じ0.1m/minであり、ろ過装置2の目詰まり(劣化)の進行状況に関わらず常に一定となる。
【0023】
要するに、本実施形態に係る水処理装置1では、圧送ポンプ6(電動モータ)の特性、すなわち、一定の吐出量を得るための複数の周波数のうちいずれかを選択できる特性を利用することで、制御装置6にて、ろ過装置2の目詰まりの進行状況に伴って変化する圧力センサ5からの測定結果、及び電流計4からの測定結果に基づき、圧送ポンプ6から一定の吐出量を得ることができる複数の周波数のうち適宜の周波数を選択して、該周波数により圧送ポンプ3の電動モータの回転数を制御するように構成されている。言い換えれば、本実施形態に係る水処理装置1では、圧送ポンプ3にろ過装置2からの負荷が作用しても、制御装置6により、ろ過装置2の目詰まりの進行状況に伴って変化する圧力センサ5からの測定結果、及び電流計4からの測定結果に基づき、電動モータの回転数(周波数)を制御することで、圧送ポンプ3からの吐出量(所望処理流量)を一定に維持することができるものである。
【0024】
以上説明した、本実施形態に係る水処理装置1は、電動モータの駆動により原水をろ過装置2内に圧送する圧送ポンプ3と、該圧送ポンプ3の駆動状態を把握するための電流計4及び圧力センサ5と、該電流計4及び圧力センサ5からの測定結果により、圧送ポンプ3からの吐出量が一定となる複数の周波数から最適な周波数を選択して、圧送ポンプ3の電動モータの回転数を制御する制御装置6と、を備える。その結果、ろ過装置2の目詰まりの進行状況に関わらず、圧送ポンプ3からの吐出量を、要求される所望処理流量として一定に維持することができる。これにより、従来よりも、ろ過装置2のろ過精度の悪化を抑制しつつ、ろ過装置2の寿命を延ばすことができ、しかも、水処理に係る圧送ポンプ3の消費電力をも小さく抑えることができるので、水処理に係るランニングコストを大幅に削減することができる。しかも、本実施形態に係る水処理装置1では、高額な流量計を備えていないので、処理装置全体のコストアップを抑制することができる。
【0025】
さらに、本実施形態に係る水処理装置1では、その制御装置6に、予め、圧送ポンプ3の特性として、一定の吐出量を得るための複数の周波数それぞれに対する回転数と、圧力値及び電流値の所定範囲とが入力されているので、制御装置6では、圧送ポンプ3の駆動状態を把握する電流計4及び圧力センサ5からの測定結果に基づき、ろ過装置2の目詰まりの進行状況に対応した周波数を容易に選択することができ、圧送ポンプ3の電動モータの回転数を容易に制御することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 水処理装置,2 ろ過装置,3 圧送ポンプ,4 電流計,5 圧力センサ,6 制御装置
図1
図2
図3