(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185428
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221207BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221207BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 373
G06F3/12 331
B41J29/38 801
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093115
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】濱本 真範
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】特別なサーバやデータベースを必要とせず、ネットワークに接続された画像形成装置の識別情報が変更された場合であっても、装置状態の正確な管理が可能な情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する表示部と、を備え、前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、
少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する表示部と、
を備え、
前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記登録情報に対応付けられた前記識別情報が存在しない旨を通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記装置情報と一致する前記登録情報が存在する場合、前記登録情報に対応付けられた前記識別情報を書き換えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記装置情報と一致する前記登録情報が存在しない場合、前記装置情報に係る前記画像形成装置を登録対象とするか否かの問い合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
画像形成装置と、情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
識別情報と前記画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、
少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する表示部と、
を備え、
前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知し、
前記画像形成装置は、
前記制御部による前記装置情報の取得要求に応じて前記装置情報を出力する出力部を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
前記識別情報が変更された場合に前記制御部に通知する識別情報変更通知部を備えることを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は、
実行した画像形成に係るジョブの記録をジョブログとして記憶するジョブログ記憶部を備え、
前記装置情報とともに前記ジョブログを前記情報処理装置に出力することを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する工程と、
前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得する工程と、
少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する工程と、
取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知する工程とを備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する機能と、
前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得する機能と、
少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する機能と、
取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知する機能とを実現させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項10】
画像形成部と、
画像形成に係るジョブの記録をジョブログとして記憶するジョブログ記憶部と、
識別情報と他の画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報に基づき前記他の画像形成装置と接続し、前記他の画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、
少なくとも前記他の画像形成装置との接続状況を管理画面を介して表示する表示部とを備え、
前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記他の画像形成装置は前記登録情報で特定される前記他の画像形成装置とは異なる旨を通知することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オフィス等のネットワーク上に配置されたプリンタ、ファクス、又は複合機等の画像形成装置を維持管理するためには、定期的にこれらの装置に接続し、装置状態を監視する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置の機器状態情報を管理装置で管理するシステムにおいて、画像形成装置が元の配置位置から移動された場合であっても、移動先のIPアドレスをサーバから取得することで、当該画像形成装置の機器状態情報を取得することが可能な機器管理システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の機器管理システムでは、ネットワーク上に配置された画像形成装置のIPアドレスを管理するサーバが必要である。また、特許文献1に記載の機器管理システムでは、IPアドレスとネットワーク上における所在位置の記述名称であるネットワーク位置記述情報とを対応付けて管理するデータベースが必要であり、繁雑なシステム及びその制御が必要であった。
【0006】
本開示の目的は、特別なサーバやデータベースを必要とせず、ネットワークに接続された画像形成装置の識別情報が変更された場合であっても、装置状態の正確な管理が可能な情報処理装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置は、識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する表示部とを備え、前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知することを特徴としている。
【0008】
また、本開示に係る情報処理システムは、画像形成装置と、情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、識別情報と前記画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する表示部とを備え、前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知し、前記画像形成装置は、前記制御部による前記装置情報の取得要求に応じて前記装置情報を出力する出力部を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本開示に係る情報処理方法は、識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する工程と、前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得する工程と、少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する工程と、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知する工程とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、本開示に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、識別情報と画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する機能と、前記識別情報に基づき前記画像形成装置と接続し、前記画像形成装置の装置情報を取得する機能と、少なくとも前記画像形成装置との接続状況を表示する機能と、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記画像形成装置は前記登録情報で特定される前記画像形成装置とは異なる旨を通知する機能とを実現させることを特徴としている。
【0011】
また、本開示に係る画像形成装置は、画像形成部と、画像形成に係るジョブの記録をジョブログとして記憶するジョブログ記憶部と、識別情報と他の画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記識別情報に基づき前記他の画像形成装置と接続し、前記他の画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、少なくとも前記他の画像形成装置との接続状況を表示する表示部とを備え、前記制御部は、取得した前記装置情報が前記登録情報と一致しない場合に、接続した前記他の画像形成装置は前記登録情報で特定される前記他の画像形成装置とは異なる旨を通知することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、特別なサーバやデータベースを必要とせず、ネットワークに接続された画像形成装置の識別情報が変更された場合であっても、装置状態の正確な管理が可能な情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【
図2】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成を説明する図である。
【
図3】機器情報リストのデータ構造例を説明する図である。
【
図4】第1実施形態に係る複合機の機能構成を説明する図である。
【
図5】第1実施形態の全体処理を説明するシーケンス図である。
【
図6】第1実施形態の処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の動作例を説明する図である。
【
図11】第1実施形態の動作例を説明する図である。
【
図12】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を説明する図である。
【
図13】第2実施形態に係る複合機の機能構成を説明する図である。
【
図14】第2実施形態の全体処理を説明するシーケンス図である。
【
図15】第3実施形態に係るシステム構成を説明する図である。
【
図16】第3実施形態に係る複合機の機能構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。本開示では、本発明に係る情報処理装置をPC(Personal computer)に適用した例を示すが、これに限定されることはない。情報処理装置としては、入力された情報に基づく演算処理を行い、演算結果を所定の形式で出力可能なものであれば、特に制限はない。また、本開示では、本発明に係る画像形成装置をコピー、ファクス、スキャン、E-mail送信といった複数の機能を一つの筐体で実現可能な複合機に適用した例を示すが、これに限定されることはない。例えば、複写機、プリンタ装置、又はファクシミリ装置等の情報の送受信が可能な画像形成装置であれは、特に制限はない。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲が以下の記載に限定されるものではない。
【0015】
[1 第1実施形態]
第1実施形態は、識別情報としてのIPアドレスと、画像形成装置の登録情報とを関連付けて記憶する記憶部と、IPアドレスに基づき画像形成装置と接続し、画像形成装置の装置情報を取得可能な制御部と、少なくとも画像形成装置との接続状況を表示する表示部と、を備え、制御部は、取得した装置情報が登録情報と一致しない場合に、接続した画像形成装置は登録情報で特定される画像形成装置とは異なる旨を通知する形態である。
【0016】
[1.1 全体構成]
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム100の全体構成を概略的に説明する図である。情報処理システム100は、PC10と、複数台数の複合機30a~30nとがLAN(Local area network)、WAN(Wide area network)等のネットワークNWを介して接続されている。なお、
図1は、PC10と、複合機30a~30nとが同一のネットワークNWに位置する例示であるが、PC10と複合機30a~30nは、異なるネットワークNWを介して接続されていてもよい。また、PC10と一部の複合機(例えば、複合機30a~30c)が同一のネットワークNW上に位置し、他の複合機(例えば、複合機30d~30n)が異なるネットワークNW上に位置する形態であってもかまわない。さらに、PC10と、複合機30a~30nとは、それぞれ台数を増減することも可能である。
【0017】
[1.2 機能構成]
[1.2.1 PC10について]
初めに、第1実施形態に係る情報処理装置としてのPC10について説明する。第1実施形態に係るPC10は、識別情報としてのIPアドレスに基づきネットワークNW上の複合機30a~30nに接続する。そして、PC10は、複合機30a~30nの何れか又は全てが実行したジョブ(例えば、コピージョブ、ファクスジョブ、イメージ送信ジョブ等)の履歴であるジョブログを取得して集計し、当該集計結果をユーザに対して表示する機能を備えた装置として説明する。
【0018】
図2は、PC10の機能構成図である。PC10は、制御部11と、表示部12と、操作入力部13と、通信部14と、記憶部15とを備える。
【0019】
制御部11は、PC10全体を制御する。制御部11は、1又は複数の演算装置(CPU(Central processing unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部15に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0020】
表示部12は、各種情報をユーザ等に表示する。表示部12は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成することができる。
【0021】
操作入力部13は、ユーザ等による情報の入力を受け付ける。操作入力部13は、例えば、キーボード、マウス等の入力手段を用いることができる。
【0022】
通信部14は、LAN、WAN等のネットワークNWを介いて他の装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0023】
記憶部15は、PC10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部15は、例えば、RAM(Random access memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、ROM(Read only memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0024】
第1実施形態において、記憶部15は、管理プログラム151と、表示処理プログラム153とを記憶し、機器情報リスト記憶領域155を確保する。
【0025】
管理プログラム151は、制御部11が登録情報としての機器情報リストを管理する際に読み出すプログラムである。管理プログラム151を読み出した制御部11は、機器情報リストから、複合機30a~30nのIPアドレスを読み出す。制御部11は、読み出したIPアドレスに基づき、複合機30a~30nとの接続を試みる。接続が成功すると、制御部11は、接続した複合機30a~30nのそれぞれの装置から装置情報を取得する。制御部11は、取得した装置情報と機器情報リストの登録情報との比較を行い、取得した装置情報が登録情報と一致しない場合には、接続した複合機30a~30nは登録情報で特定される複合機30a~30nとは異なる旨をユーザに対して通知する。また、制御部11は、装置情報と登録情報とが一致しない複合機30a~30のIPアドレスについて、表示を含めた特定の処理を行う。制御部11が実行する処理については後述する。
【0026】
表示処理プログラム153は、例えば、後述する機器情報管理画面等を表示部12に表示する際に制御部11が読み出すプログラムである。表示処理プログラム153を読み出した制御部11は、図示せぬフレーム情報やコンテンツ配置情報等に基づき、機器情報管理画面を生成し、表示部12に表示する。
【0027】
機器情報リスト記憶領域155は、次図で例示する機器情報リストを記憶する記憶領域である。
【0028】
ここで、本開示に係る機器情報リストについて説明する。
図3は、機器情報リスト記憶領域155が記憶する機器情報リストのデータ構造の一形態を説明する図である。
【0029】
機器情報リストは、ネットワーク上に配置された複合機の識別情報(IPアドレス)と登録情報としての機器情報とが関連付けられた情報(個々の情報を機器情報と称する)を一覧化したものである。機器情報を構成する項目として、例えば、
図3で例示するように、集計対象、IPアドレス、モデル名、シリアル番号、ジョブログ取得時刻、最終ジョブID、管理者ログイン名、(管理者)パスワード、備考等を挙げることができる。
【0030】
集計対象は、当該複合機がジョブログの取得対象の装置であるか否かを決定する値である。集計対象の値が“TRUE”である場合、管理プログラム151を読み出した制御部11は、次項目のIPアドレスで登録されている複合機30a~30nに対して接続を試み、モデル名、シリアル番号等の装置情報を取得する。一方、集計対象の値が“FALSE”である場合、制御部11は、当該複合機から装置情報を取得しない。
【0031】
IPアドレスは、ネットワークNW上に位置する接続対象の複合機30a~30nを識別するための情報である。
図3では、IPアドレスとしてIPv4に準拠した32ビットのデータとして表しているが、IPアドレスはこれに限定されるものではなく、IPv6に準拠した128ビットのデータとして表したものであってもかまわない。また、IPアドレスは、LAN内でのプライベートIPアドレスであってもよく、インターネット上での使用が可能なグローバルIPアドレスであってもよい。
【0032】
さらに、識別情報としてIPアドレス以外にも、例えば、MAC(Media access control)アドレスを用いることも可能である。また、IPアドレスとMACアドレスとを組みわせたものを識別情報とすることも可能である。
【0033】
モデル名は、複合機30a~30nの製造モデル名を表す。また、シリアル番号は、複合機30a~30nの製造シリアル番号を表す。例えば、IPアドレスに基づき接続した複合機30a~30nから装置情報として取得したモデル名とシリアル番号とが機器情報に登録された登録情報としてのモデル名(例えば、MX-6170FV)とシリアル番号(例えば、000001)とに一致した場合、制御部11は、当該IPアドレスで識別される複合機30a~30nは、機器情報リストに登録された複合機30a~30nであると判定することができる。なお、装置情報としては、モデル名及びシリアル番号に限定されるものではなく、複合機30a~30nを識別可能な情報であれば、例えば、上記のMACアドレス、オフィス等への配置順序を表す通し番号、所属する組織等内で一意に割り振られた識別番号等であってもかまわない。
【0034】
ジョブログ取得時刻は、接続した複合機30a~30nから取得したジョブログの取得日時である。最終ジョブIDは、接続した複合機30a~30nにより実行されたジョブの最終ジョブIDである。管理者ログイン名は、複合機30a~30nを管理する管理者のログイン名を表し、(管理者)パスワードは、管理者がログインする際のパスワードを表す。備考は、例えば、複合機30a~30nの配置場所を表すことができる。
【0035】
[1.2.2 複合機30a~30nについて]
次に、複合機30a~30nの機能構成について説明する。第1実施形態に係る複合機30a~30nはそれぞれ別構成とすることもできるし、同一構成とすることも可能である。主要な構成については、複合機30a~30nで共通とすることができる。以降の説明では、特定の複合機を限定する場合を除き、複合機30a~30nを複合機30として説明する。
【0036】
図4は、複合機30の機能構成図である。複合機30は、制御部31と、表示部32と、操作入力部33と、画像形成部34と、画像読取部35と、通信部36と、記憶部37とを備える。
【0037】
制御部31は、複合機30全体を制御する。制御部31は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部31は、記憶部37に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0038】
表示部32は、各種情報をユーザに対して表示する。表示部32は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0039】
操作入力部33は、ユーザ等により情報の入力を受け付ける。操作入力部33は、ハードキー(例えば、テンキーやボタン等で構成することができる。なお、操作入力部33は、表示部32を介しての入力が可能なタッチパネルディスプレイ等で構成することができる。この場合、タッチパネルディスプレイへの入力方式としては、例えば、抵抗膜式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
【0040】
画像形成部34は、画像データ(例えば、印刷原稿のスキャンにより生成した画像データや、外部装置、外部記録媒体等から入力された画像データ)に基づく画像を記録媒体としての用紙に形成して出力する。画像形成部34は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。画像形成部34は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0041】
画像読取部35は、読取対象の印刷画像(原稿画像)を走査して読み取ることにより、画像データを生成して出力する。画像読取部35は、例えば、CCD(Charge coupled device)、CIS(Contact image sensor)等のイメージセンサを備えたスキャナ装置として構成することができる。画像読取部35は、印刷原稿からの反射光像をイメージセンサで読み取ることで、画像データを出力することができるのであれば、その構成に制限はない。
【0042】
記憶部37は、複合機30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部37は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0043】
第1実施形態において、記憶部37は、装置情報送信プログラム371を記憶し、アドレス情報記憶領域373、装置情報記憶領域375、及びジョブログ記憶領域377を確保する。
【0044】
装置情報送信プログラム371は接続を試みるPC10の要求に応じ、接続に用いられたIPアドレスとアドレス情報記憶領域373に記憶する自己のIPアドレスとを比較する際に制御部11が読み出すプログラムである。装置情報送信プログラム371を読み出した制御部11は出力部として機能する。制御部11は、IPアドレスを比較した結果、これが一致した場合、装置情報記憶領域375に記憶する装置情報をPC10に対して送信する。
【0045】
アドレス情報記憶領域373は、ネットワーク上における所在位置を表すIPアドレス等のアドレス情報を記憶する記憶領域である。
【0046】
装置情報記憶領域375は、装置情報としてのモデル名や、シリアル番号等を記憶する記憶領域である。
【0047】
ジョブログ記憶領域377は、画像形成部34や画像読取部35等を制御して実行したジョブの実行記録をジョブログとして記憶する記憶領域である。
【0048】
[1.3 処理の流れ]
次に、第1実施形態に係る全体処理について
図5のシーケンス図を用いて説明する。まず、PC10は、管理プログラム151を読み出す。管理プログラム151を読み出した制御部11は、機器情報リストを参照し、複合機30aの識別情報として登録されているIPアドレスに基づき、例えば、SNMP(Simple network management protocol)等の通信プロトコルに基づくポーリングを行うことで複合機30との接続を試みる。複合機30との接続に成功すると、PC10は、複合機30aに対して装置情報の有無を問い合わせる(ステップS100)。
【0049】
装置情報の有無に関する問合せを受けた複合機30aの制御部31は、装置情報送信プログラム371を読み出す。そして、制御部31は、接続に用いられたIPアドレスとアドレス情報記憶領域373に記憶する自己のIPアドレスとを比較する。IPアドレスの比較の結果、これが一致した場合、装置情報記憶領域375に記憶している装置情報を読み出す(ステップS102)。
【0050】
装置情報を読み出した制御部31は、当該装置情報をPC10に送信する(ステップS104)。
【0051】
同様に、PC10は、機器情報リストに登録された残りの複合機全て(複合機30b~30n)に対して装置情報の問合せを行い、複合機30b~30nの何れかが装置情報を有する場合、これを取得する(ステップS106~ステップS110)。
【0052】
ユーザは、例えば、ジョブログ集計等のアプリケーションの起動指示をPC10に入力する(ステップS112)。
【0053】
ユーザによるアプリケーションの起動指示が入力されると、制御部11は当該アプリケーションを起動する(ステップS114)。そして、制御部11は、表示処理プログラム153を読み出すことにより、アプリケーションが提供する管理画面を表示部12に表示する(ステップS116)。このとき、制御部11は複合機30a~30nから取得した装置情報と機器情報リストとの比較結果に基づき、管理画面の表示処理を行う。
【0054】
そして、ユーザは、表示された管理画面を参照してジョブログ等の集計処理等を行う(ステップS118)。
【0055】
次に、
図5のステップS100の装置情報問合せからステップS116の管理画面の表示に係る処理について
図6のフローチャートを用いてさらに説明する。
【0056】
管理プログラム151を読み出した制御部11は、機器情報リストを参照し、当該機器情報リストにある機器(複合機30)の分だけ装置情報取得の要求を繰り返して送信する(ステップS200)。
【0057】
そして、制御部11は、取得した装置情報と機器情報リストの機器情報とを比較する(ステップS210)。
【0058】
取得した装置情報と機器情報リストの機器情報とが一致する場合、制御部11は取得した装置情報で、例えばジョブログの集計処理といった任意の処理を実行し、処理を終了する(ステップS220;Yes→ステップS230)。
【0059】
一方、取得した装置情報と機器情報リストの機器情報とが一致しない場合、制御部11は、情報が一致しない機器(複合機30)に対応する機器情報のIPアドレスを“IPアドレス情報なし”に設定する(ステップS220;No→ステップS240)。
【0060】
次に、制御部11は、取得した装置情報に対応する機器情報が機器情報リストに存在するか否かを判定する(ステップS250)。取得した装置情報に対応する機器情報が機器情報リストに存在する場合、制御部11は機器情報リスト内の該当の機器(複合機30)について機器情報のIPアドレスを書き換える(ステップS250;Yes→ステップS260)。
【0061】
ユーザにより不一致が発生した機器(複合機30)のIPアドレスが正しく設定されると、制御部11は処理をステップS200に戻す(ステップS270→ステップS200)。
【0062】
一方、取得した装置情報に対応する機器情報が機器情報リストに存在しない場合、制御部11は機器情報リストの末尾に当該装置情報に対応する機器(複合機30)を非通信対象として追加する(ステップS250;No→ステップS280)。
【0063】
次に、制御部11は、機器情報リストに追加した機器(複合機30)を管理対象とするか否かをユーザに対して問い合わせる(ステップS290)。
【0064】
ユーザにより機器情報リストに追加した機器(複合機30)が管理対象として選択された場合、制御部11は当該機器(複合機30)を通信対象に設定する(ステップS290;Yes→ステップS300)。そして、制御部11は、ユーザにより不一致が発生した機器(複合機30)のIPアドレスが正しく設定されると、処理をステップS200に戻す(ステップS270→ステップS200)。
【0065】
なお、ユーザにより機器情報リストに追加した機器(複合機30)が管理対象として選択されなかった場合、制御部11は、ユーザにより不一致が発生した機器(複合機30)のIPアドレスが正しく設定された後、処理をステップS200に戻す(ステップS290;No→ステップS200)。
【0066】
[1.4 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。
図7は、PC10の制御部11が表示部12に表示するジョブログ集計処理に係る管理画面W10の一構成例である。本動作例は、取得した装置情報と機器情報リストの機器情報とが一致した場合に(
図6のステップS220;Yes)、表示部12を介して表示される管理画面W10の表示動作例である。
【0067】
管理画面W10は、機器情報リスト表示領域R10と、集計対象表示領域R12と、登録情報表示領域R14と、IPアドレス表示領域R16とを含む。
【0068】
機器情報リスト表示領域R10は、機器情報リストの登録内容を機器(複合機30)毎に表示する表示領域である。
図7で示す機器情報リスト表示領域R10は、合計15台の機器(複合機30)がネットワーク上に配置され、機器情報を構成する項目を機器(複合機30)毎に表示した例である。
【0069】
集計対象表示領域R12は、機器情報を構成する項目において、集計対象の値を反映して表示する表示領域である。例えば、機器情報において、集計対象の値が“TRUE”の場合、集計対象表示領域R12には、その旨を表す“〇”印が表示される。一方、集計対象の値が“FALSE”の場合、集計対象表示領域R12には、その旨を表す“×”印が表示される。
【0070】
登録情報表示領域R14は、機器情報を構成する項目において、登録情報としてのモデル名とシリアル番号との値を反映して表示する表示領域である。
【0071】
IPアドレス表示領域R16は、複合機30のIPアドレスを表示する表示領域である。
【0072】
次に、
図8に示す動作例は、取得した装置情報と機器情報リストの機器情報とが一致しない場合に(
図6のステップS220;No)、表示部12を介して表示される管理画面W12の表示動作例である。
【0073】
なお、本動作例は、モデル名:MX-6170FV、シリアル番号:000001の複合機30のIPアドレスが“192.168.0.1”であるものとして接続を試みた動作例を含む。ここで、モデル名:MX-6170FV、シリアル番号:000001で特定される複合機30のIPアドレスは、装置の配置場所の移動等の理由により変更されている。この場合、モデル名:MX-6170FV、シリアル番号:000001の複合機30のIPアドレス表示領域R16aには、“IPアドレス情報なし”が設定される。加えて、当該複合機30は登録情報としての機器情報で特定される複合機30とは異なる旨を表すため、該当する機器情報H10が強調表示される。
【0074】
また、接続を試みたIPアドレス“192.168.0.1”のネットワーク上の位置には、モデル名:MX-3631、シリアル番号:000110の複合機30が割り当てられている。この場合、当該複合機30の機器情報のIPアドレス表示領域R16bには“192.168.0.1”が設定される。そして、当該複合機30の機器情報は、機器情報リストの末尾に非通信対象(図中の集計対象表示領域R12a)として追加されるとともに、該当する機器情報H12が強調表示される。
【0075】
ところで、モデル名:MX-6170FV、シリアル番号:000001の複合機30のIPアドレスをモデル名:MX-3631、シリアル番号:000110の複合機30に割り当てる際に、制御部11は、
図9で例示する確認画面W20を表示部12に表示してもよい。
【0076】
図9で例示する確認画面W20は、例えば、割当IPアドレス表示領域R18と、メッセージ表示領域R20と、YesボタンB10と、NoボタンB12とを含む。
【0077】
割当IPアドレス表示領域R18は、割当対象のIPアドレスを表示する表示領域である。
【0078】
メッセージ表示領域R20は、割当IPアドレスの変更元に係る複合機30のモデル名及びシリアル番号と、変更先に係る複合機30のモデル名及びシリアル番号を表示する表示領域である。
【0079】
YesボタンB10及びNoボタンB12は、割当IPアドレスの変更可否の入力を受け付けるボタンである。ユーザによるYesボタンB10の押下を受けると、制御部11は割当IPアドレスを変更する。一方、ユーザによるNoボタンB12の押下を受けると、制御部11は割当IPアドレスを変更しない。
【0080】
このように、割当IPアドレスの変更元に係る複合機30と割当IPアドレスの変更先に係る複合機30とをユーザに対して表示し、ユーザによる承認を受けた上で割当IPアドレスを変更することで、より精度の高い装置管理を行うことができる。
【0081】
図10は、
図8のIPアドレス表示領域R16aに“IPアドレス情報なし”が設定された複合機30に対して実際に割り当てられているIPアドレスの入力を受け付ける際に表示される入力画面W30の一構成例である。
【0082】
入力画面W30は、メッセージ表示領域R22と、IPアドレス入力領域R24と、YesボタンB14と、NoボタンB16とを含む。
【0083】
メッセージ表示領域R22は、IPアドレスが割り当てられる複合機30のモデル名及びシリアル番号を表示するとともに、IPアドレスの入力を促すメッセージを表示する表示画面である。
【0084】
IPアドレス入力領域R24は、ユーザによるIPアドレスの入力を受け付ける領域である。
【0085】
YesボタンB14及びNoボタンB16は、IPアドレスの入力承認又はキャンセルを受け付けるボタンである。ユーザによるYesボタンB14の押下を受けると、制御部11は、IPアドレス入力領域R24に入力されたIPアドレスを受け付ける。一方、ユーザによるNoボタンB16の押下を受けると、制御部11は、IPアドレス入力領域R24に対するIPアドレス入力をキャンセルする。IPアドレス入力領域R24へのIPアドレスの入力を受け付けた制御部11は、IPアドレス表示領域R16aの“IPアドレス情報なし”の表示に代えて受け付けたIPアドレスを表示する。
【0086】
ユーザは、入力画面W30を介し、IPアドレス表示領域R16aに“IPアドレス情報なし”が設定された複合機30の正しいIPアドレスの入力を行うことができる。これにより、ネットワークアドレスと登録情報としての機器情報との関連付けをより確実に行うことができる。
【0087】
図11は、機器情報リストの末尾に追加した機器(複合機30)を管理対象として選択するか否かをユーザに対して問い合わせる問合せ画面W40の一構成例である。
【0088】
問合せ画面W40は、問合せ表示領域R26と、YesボタンB18と、NoボタンB20とを含む。
【0089】
問合せ表示領域R26は、機器情報リストに追加した機器(複合機30)を管理対象として選択するか否かをユーザに対して問い合わせる内容を表示する表示領域である。
【0090】
YesボタンB18及びNoボタンB20は、問合せ表示領域R26に表示された機器(複合機30)を管理対象として選択するか否かの選択承認又はキャンセルを受け付けるボタンである。ユーザによるYesボタンのB18の押下を受けると、制御部11は、管理対象として選択された機器(複合機30)を通信対象に設定する。一方、ユーザによるNoボタンB20の押下を受けると、当該機器(複合機30)の管理対象としての選択をキャンセルする。
【0091】
以上のように、第1実施形態によれば、特別なサーバやデータベースを必要とせず、ネットワークに接続された複合機の識別情報が変更された場合であっても、装置状態の正確な管理を行うことができる。
【0092】
[2 第2実施形態]
第2実施形態では、識別情報が変更された場合に、複合機はPCに対してこれを通知する。通知を受けたPCは、変更されたネットワークアドレスに基づき機器情報(リスト)を更新する形態である。
【0093】
[2.1 機能構成]
[2.1.1 PC50について]
図12は、第2実施形態に係るPC50の機能構成図である。なお、第1実施形態に係るPC10と同一箇所については同一の符号を付してその説明を省略することがある。
【0094】
PC50は、制御部11と、表示部12と、操作入力部13と、通信部14と、記憶部55とを備える。
【0095】
第2実施形態において、記憶部55は、管理プログラム551と、表示処理プログラム153とを記憶し、機器情報リスト記憶領域555を確保する。
【0096】
管理プログラム551は、第1実施形態に係る管理プログラム151の構成に加え、更新プログラム5511を含む。更新プログラム5511は、変更された識別情報としてのIPアドレスを複合機70から受信した場合、当該IPアドレスを機器情報リストに反映する更新処理を行う場合に制御部11が読み出すプログラムである。制御部11は、変更されたIPアドレスを受信したときや、管理プログラム551の読み出しの際に併せて更新プログラム5511を読み出すことができる。
【0097】
機器情報リスト記憶領域555は、第1実施形態に係る機器情報リスト記憶領域155の構成に加え、変更アドレス情報記憶領域5551を含む。変更アドレス情報記憶領域5551は、複合機70から変更されたIPアドレスを受信した場合、これを記憶する記憶領域である。
【0098】
[2.1.2 複合機70について]
図13は、複合機70の機能構成図である。なお、第1実施形態に係る複合機30と同一箇所については同一の符号を付してその説明を省略することがある。
【0099】
複合機70は、制御部31と、表示部32と、操作入力部33と、画像形成部34と、画像読取部35と、通信部36と、記憶部77とを備える。
【0100】
第2実施形態において、記憶部77は、装置情報送信プログラム771を記憶し、アドレス情報記憶領域373、装置情報記憶領域375、及びジョブログ記憶領域377を確保する。
【0101】
装置情報送信プログラム771は、第1実施形態に係る装置情報送信プログラム371の構成に加え、アドレス情報通知プログラム7711を含む。アドレス情報通知プログラム7711は、識別情報としてのIPアドレスが変更された場合に、PC50に対して変更されたIPアドレスを通知する際に制御部31が読み出すプログラムである。アドレス情報通知プログラム7711を読み出した制御部31は、識別情報変更通知部として機能する。
【0102】
[2.2 処理の流れ]
次に、第2実施形態に係る全体処理について
図14のシーケンス図を用いて説明する。なお、第1実施形態の
図5のシーケンス図で説明した処理と同一な処理については、同一の符号を付してその説明は省略することがある。
【0103】
複合機70の何れかにおいて、例えば、配置箇所の変更等に伴い、ネットワーク上の位置が変更されると、複合機70のIPアドレスも変更される(ステップS400)。このとき、制御部31は、アドレス情報通知プログラム7711を読み出す。アドレス情報通知プログラム7711を読み出した制御部31は、変更されたIPアドレスをPC50に対して通知する(ステップS410)。
【0104】
なお、ステップS410において、複合機70は、SNMP等の通信プロトコルに基づくトラップにより、変更されたIPアドレスをPC50に通知することが可能である。また、PC50が、ポーリングにより変更されたIPアドレスを取得(受信)する形態であってもかまわない。さらに、RARP(Reverse address resolution protocol)により複合機70のMACアドレスからIPアドレスを取得する形態とすることも可能である。この場合、PC50は、複合機70から取得した(IP)パケットからIPアドレスや装置情報等を取得することができる。
【0105】
PC50は、取得したIPアドレスに基づき、対応する複合機70の機器情報を更新する(ステップS420)。
【0106】
機器情報リスト更新後における、装置情報問合せ処理(ステップS100)以降の処理は、
図5のシーケンス図で説明した処理と同様に行うことができる。
【0107】
以上のように、第2実施形態によれば、複合機においてIPアドレスが変更された場合、変更されたIPアドレスをPCに通知する構成であるため、第1実施形態の効果に加え、ネットワーク上における複合機の最新の位置情報を取得し、これに基づいて機器情報リストが更新されるため、さらに装置情報の正確な管理を行うことができる。
【0108】
[3 第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態に係る情報処理装置の機能を複合機が実現する形態である。
【0109】
[3.1 全体構成]
図15は、第3実施形態に係る情報処理システム200の全体構成を概略的に説明する図である。情報処理システム200は、複合機90と、複合機30a~30nとがLAN、WAN等のネットワークNWを介いて接続されている。なお、情報処理システム200の構成は、
図15の例示に限定されるものではなく、複合機90と、複合機30a~30nとは、それぞれ台数を増減することができる。
【0110】
[3.2 機能構成]
[3.2.1 複合機90について]
図16は、複合機90の機能構成図である。複合機90は、第1実施形態に係る複合機30の記憶部37に代え、記憶部97を備える。なお、第1実施形態に係る複合機30又はPC10と同一箇所については同一の符号を付してその説明は省略することがある。
【0111】
第3実施形態において、記憶部97は、装置情報送信プログラム371と、管理プログラム151と、表示処理プログラム153とを記憶し、アドレス情報記憶領域373、装置情報記憶領域375、ジョブログ記憶領域377、及び機器情報リスト記憶領域155を確保する。
【0112】
[3.2.2 他の複合機30について]
複合機90以外の他の複合機30(30a~30n)の機能構成は第1実施形態で説明した複合機30と同一構成とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0113】
[3.3 処理の流れ]
複合機90は、第1実施形態に係るPC10に代えて
図5のシーケンス図で説明した処理を行う。
【0114】
以上のように、第3実施形態によれば、情報処理装置としてのPC等を設けることなく、複合機が当該情報処理装置の機能を果たすことで、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0115】
本発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0116】
また、上記した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0117】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上記した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0118】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disk等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上記した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0119】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0120】
10、50 PC
11 制御部
12 表示部
13 操作入力部
14 通信部
15、55 記憶部
30(30a~30n)、70、90 複合機
31 制御部
32 表示部
33 操作入力部
34 画像形成部
35 画像読取部
36 通信部
37、77、97 記憶部
100、200 情報処理システム