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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185436
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
H01L27/04 E
H01L27/04 H
H01L27/04 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093132
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安坂 信
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BE01
5F038BE05
5F038BE08
5F038BE09
5F038BH02
5F038BH05
5F038BH13
5F038BH15
5F038CD02
5F038DT04
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】チップサイズおよびコストを抑制することが可能となる半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路(10)は、複数の入力端と、前記複数の入力端に含まれる所定の入力端(T1,T2)に接続される制御端を含む入力トランジスタ(PM1,PM2)と、を有する複数の内部回路(20,30)と、前記所定の入力端に接続されるパッド(P10)と、を備え、電源電圧(Vreg)の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルアップ抵抗(R10)と、グランド電位の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルダウン抵抗と、のうち一方をさらに備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力端と、前記複数の入力端に含まれる所定の入力端に接続される制御端を含む入力トランジスタと、を有する複数の内部回路と、
前記所定の入力端に接続されるパッドと、
を備え、
電源電圧の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルアップ抵抗と、グランド電位の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルダウン抵抗と、のうち一方をさらに備える、半導体集積回路。
【請求項2】
前記電源電圧を出力する内部電源回路をさらに備える、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記内部回路は、差動対を有し、
前記入力トランジスタは、前記差動対を構成する2つの差動対トランジスタのうち一方に対して並列に接続される、請求項1または請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記差動対トランジスタおよび前記入力トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記プルアップ抵抗の前記第2端が前記所定の入力端を介して前記入力トランジスタのゲートに接続される、請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記差動対トランジスタおよび前記入力トランジスタは、NMOSトランジスタであり、
前記プルダウン抵抗の前記第2端が前記所定の入力端を介して前記入力トランジスタのゲートに接続される、請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記2つの差動対トランジスタは、第1差動対トランジスタと、第2差動対トランジスタであり、
前記第1差動対トランジスタは、入力電圧に基づく電圧が入力される制御端を含み、
前記第2差動対トランジスタは、基準電圧が入力される制御端を含み、
前記入力トランジスタは、前記第1、第2差動対トランジスタのうち、前記第1差動対トランジスタに対して並列に接続される、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記パッドと接続されるESD対策素子をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路の製品検査工程において、回路が正常に動作していることを確認するために、回路の任意の電圧をモニタしたり、電圧または電流を印加することにより任意の回路が動作するかを確認する場合がある。
【0003】
このとき、必要であれば、モニタ用または印加用のテストパッドをIC(集積回路)に設置する場合がある。さらに、パッドを設置することに伴い、ESD(Electro-Static Discharge)対策用の保護素子を設置する場合もある(パッドおよびESD対策用保護素子については例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-241497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなパッドおよびESD対策用の保護素子は、本来の製品動作には不要なテストのためだけの構成であり、ICのチップサイズおよびコストに影響する課題があった。
【0006】
上記状況に鑑み、本開示は、チップサイズおよびコストを抑制することが可能となる半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、本開示に係る半導体集積回路は、
複数の入力端と、前記複数の入力端に含まれる所定の入力端に接続される制御端を含む入力トランジスタと、を有する複数の内部回路と、
前記所定の入力端に接続されるパッドと、
を備え、
電源電圧の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルアップ抵抗と、グランド電位の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルダウン抵抗と、のうち一方をさらに備える構成としている。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る半導体集積回路によれば、チップサイズおよびコストを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体集積回路の回路構成を示す図である。
図2図2は、図1に示す半導体集積回路のより具体的な構成例を示す図である。
図3図3は、第2実施形態に係る半導体集積回路の回路構成を示す図である。
図4図4は、第1比較例に係る半導体集積回路の回路構成を示す図である。
図5図5は、第2比較例に係る半導体集積回路の回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.比較例>
まず、本開示に係る例示的な実施形態について説明する前に、比較例について説明する。図4は、第1比較例に係る半導体集積回路における回路構成を示す図である。図4に示す半導体集積回路100は、内部電源回路1と、コンパレータ2と、を有している。なお、図4では、半導体集積回路に備えられる回路のうち、内部電源回路とコンパレータに関わる回路について要部的に示しており、図示しない他の回路が設けられていてもよい。このことは、他の図面についても同様である。
【0011】
内部電源回路1は、半導体集積回路100の外部から供給される電源電圧に基づき内部電源電圧Vregを生成する。半導体集積回路100においては、内部電源回路1に対応してパッドP1およびESD対策素子D1が設けられる。パッドP1は、内部電源回路1の出力端に接続される。パッドP1から内部電源電圧Vregを出力可能である。これにより、半導体集積回路100の製品検査において、パッドP1を内部電源電圧Vregのモニタ用のテストパッドとして使用でき、内部電源回路1が正常に動作しているかを確認できる。
【0012】
また、パッドP1を設けるのに伴い、ESD対策素子D1を設けている。ESD対策素子D1は、一例としてツェナーダイオードとして構成される。なお、本明細書中における他のESD対策素子についても同様である。
【0013】
半導体集積回路100においては、コンパレータ2に対応して、分圧抵抗R1,R2が設けられる。分圧抵抗R1,R2は、入力電圧V1の印加端とグランド電位の印加端との間に直列に接続される。分圧抵抗R1,R2が接続されるノードN1は、コンパレータ2の第1入力端に接続される。コンパレータ2の第2入力端には、基準電圧Vref1が入力される。
【0014】
コンパレータ2は、通常の動作として、入力電圧V1を分圧抵抗R1,R2によって分圧後の電圧を基準電圧Vref1と比較し、比較出力信号Cmp_out1を出力する。また、半導体集積回路100においては、コンパレータ2に対応して、パッドP2が設けられている。パッドP2は、ノードN1に接続される。これにより、半導体集積回路100の製品検査において、パッドP2に電圧を印加して比較出力信号Cmp_out1をモニタすることで、コンパレータ2が正常に動作しているかを確認できる。すなわち、パッドP2は、電圧印加用のテストパッドとして用いられる。さらに、パッドP2を設けるのに伴い、ESD対策素子D2を設けている。
【0015】
しかしながら、上記のような半導体集積回路100では、内部電源回路1とコンパレータ2のそれぞれに対して、パッドP1,P2とESD対策素子D1,D2を設けている。これらのパッドおよびESD対策素子は、本来の動作には不要なテストのためだけの構成であり、ICのチップサイズおよびコストに無視できない影響を与えてしまう。
【0016】
そこで、例えば、半導体集積回路100において、パッドP1をノードN1に接続することで、パッドP1,P2を共通化するとともに、ESD対策素子D1,D2も共通化することが考えられる。しかしながら、この場合は、入力電圧V1の分圧後の電圧が印加されるノードN1に内部電源電圧Vregが印加されることとなり、コンパレータ2の本来の動作を正常に動作させることができない。
【0017】
図5は、第2比較例に係る半導体集積回路200の回路構成を示す図である。図5に示す半導体集積回路200においては、内部電源回路1とコンパレータ2に加えて、コンパレータ3が設けられている。
【0018】
また、半導体集積回路200においては、内部電源回路1とコンパレータ2,3のテストのためのパッドとして、パッドP10が設けられる。パッドP10に対応して、ESD対策素子D10が設けられる。
【0019】
内部電源回路1の内部電源電圧Vregを出力可能な出力端と、パッドP10との間には、スイッチSW1が設けられる。パッドP10とコンパレータ2の第1入力端との間には、スイッチSW2が設けられる。コンパレータ3の第1入力端には、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧を入力可能である。コンパレータ3の第2入力端には、基準電圧Vref2が印加される。コンパレータ3は、通常の動作として、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧を基準電圧Vref2と比較し、比較出力信号Cmp_out2を出力する。また、パッドP10とコンパレータ3の第1入力端との間には、スイッチSW3が設けられる。
【0020】
さらに、半導体集積回路200においては、ロジック回路4と、パッドP11,P12が設けられる。パッドP11,P12に対応して、ESD対策素子D11,D12が設けられる。ロジック回路4は、パッドP11,P12に入力される信号に応じて、スイッチSW1,SW2,SW3のオンオフを切り替える。
【0021】
このような構成によれば、内部電源回路1のテストを行う場合には、スイッチSW1をオン、スイッチSW2,SW3をオフとし、内部電源電圧VregをパッドP10から出力可能とする。これにより、パッドP10の電圧をモニタすることで、内部電源回路1が正常に動作しているかを確認できる。
【0022】
また、コンパレータ2のテストを行う場合には、スイッチSW1,SW3をオフとし、スイッチSW2をオンとし、パッドP10にテスト用の電圧を印加する。これにより、パッドP10に印加される電圧がコンパレータ2の第1入力端に入力される。従って、コンパレータ2から出力される比較出力信号Cmp_out1をモニタすることで、コンパレータ2が正常に動作しているかを確認できる。
【0023】
また、コンパレータ3のテストを行う場合には、スイッチSW1,SW2をオフとし、スイッチSW3をオンとし、パッドP10にテスト用の電圧を印加する。これにより、パッドP10に印加される電圧がコンパレータ3の第1入力端に入力される。従って、コンパレータ3から出力される比較出力信号Cmp_out2をモニタすることで、コンパレータ3が正常に動作しているかを確認できる。
【0024】
また、スイッチSW1,SW2,SW3をオフとすることで、内部電源回路1およびコンパレータ2,3は、それぞれ独立して通常の動作を正常に行うことができる。
【0025】
このように、半導体集積回路200においては、内部電源回路1およびコンパレータ2,3をテストするためのテストパッドをパッドP10に共通化できる。これに伴い、ESD対策素子もESD対策素子D10に共通化できる。
【0026】
しかしながら、半導体集積回路200においては、スイッチSW1,SW2,SW3を切り替えるために、ロジック回路4およびパッドP11,P12が必要となり、パッドP11,P12に対応してESD対策素子D11,D12も必要となる。従って、ICのチップサイズおよびコストを抑制する効果が低減する虞がある。
【0027】
<2.第1実施形態>
次に、本開示に係る例示的な実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体集積回路10の回路構成を示す図である。図1に示す半導体集積回路10は、内部電源回路1に加えて、コンパレータ20,30(内部回路の一例)を有している。なお、コンパレータの個数は、2個に限らず、3個以上であってもよい。
【0028】
また、半導体集積回路10には、パッドP10およびプルアップ抵抗R10が設けられる。内部電源回路1の内部電源電圧Vregを出力可能な出力端と、パッドP10との間に、プルアップ抵抗R10が設けられる。より具体的には、プルアップ抵抗R10の一端は、上記出力端に接続され、プルアップ抵抗R10の他端は、パッドP10に接続される。なお、パッドP10に対応して、ESD対策素子D10が設けられる。
【0029】
コンパレータ20は、入力電圧V1を分圧抵抗R1,R2により分圧後の電圧が入力される第1入力端と、基準電圧Vref1が入力される第2入力端と、を有する。コンパレータ20は、通常の動作として、第1入力端に印加される電圧を第2入力端に印加される基準電圧Vref1と比較し、比較出力信号Cmp_out1を出力する。
【0030】
コンパレータ20は、通常の動作に用いられる第1、第2入力端に加えて、テスト用の第3入力端T1を有する。第3入力端T1は、パッドP10と抵抗R10の他端とが接続されるノードN10に接続される。従って、第3入力端T1は、プルアップ抵抗R10により内部電源電圧Vregにプルアップされる。
【0031】
通常動作時には、内部電源電圧Vregがプルアップ抵抗R10を介してコンパレータ20の第3入力端T1に印加されることで、コンパレータ20における通常動作の回路がノードN10から切り離される。これにより、コンパレータ20は、内部電源回路1とは独立して通常動作を行うことができる。
【0032】
コンパレータ30は、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧が入力される第1入力端と、基準電圧Vref2が入力される第2入力端と、を有する。コンパレータ30は、通常の動作として、第1入力端に印加される電圧を第2入力端に印加される基準電圧Vref2と比較し、比較出力信号Cmp_out2を出力する。
【0033】
コンパレータ30は、通常の動作に用いられる第1、第2入力端に加えて、テスト用の第3入力端T2を有する。第3入力端T2は、ノードN10に接続される。従って、第3入力端T2は、プルアップ抵抗R10により内部電源電圧Vregにプルアップされる。
【0034】
通常動作時には、内部電源電圧Vregがプルアップ抵抗R10を介してコンパレータ30の第3入力端T2に印加されることで、コンパレータ30における通常動作の回路がノードN10から切り離される。これにより、コンパレータ30は、内部電源回路1とは独立して通常動作を行うことができる。
【0035】
また、半導体集積回路10の製品検査においては、内部電源回路1から出力される内部電源電圧VregをパッドP10を用いてモニタすることにより、内部電源回路1が正常に動作しているかを確認できる。
【0036】
また、上記製品検査においては、パッドP10にテスト用の印加電圧を印加させる。コンパレータ20は、コンパレータ20の第3入力端T1に印加される上記印加電圧を基準電圧Vref1と比較する動作を行う。このとき、入力電圧V1としては、コンパレータ20における第2入力端および第3入力端T1に入力される信号の比較を行う比較回路から第1入力端が切り離されるような電圧が印加される。これにより、コンパレータ20が正常に動作しているかを確認できる。
【0037】
また、上記製品検査においては、パッドP10にテスト用の印加電圧を印加させ、コンパレータ30の第3入力端T2に印加される上記印加電圧を基準電圧Vref2と比較する動作をコンパレータ30に行わせることもできる。このとき、入力電圧V2としては、コンパレータ30における第2入力端および第3入力端T2に入力される信号の比較を行う比較回路から第1入力端が切り離されるような電圧が印加される。これにより、コンパレータ30が正常に動作しているかを確認できる。
【0038】
なお、プルアップ抵抗R10を設けているため、上記のようなテスト用の印加電圧を内部電源電圧Vregとは独立してパッドP10に印加させることが可能である。
【0039】
このように、半導体集積回路10では、内部電源回路1の動作確認を行うために電圧をモニタするテストパッド、およびコンパレータ20,30の動作確認を行うために電圧を印加するテストパッドを、パッドP10に共通化することができる。これに伴い、ESD対策素子もESD対策素子D10に共通化できる。従って、半導体集積回路10のチップサイズの小面積化とコスト削減を実現できる。
【0040】
図2は、図1に示す半導体集積回路10においてコンパレータ20,30の具体的な構成例を示した図である。図2に示すように、コンパレータ20は、差動対トランジスタM1,M2と、MOSトランジスタM3,M4と、入力トランジスタPM1と、定電流源20A,20Bと、NMOSトランジスタ20Cと、を有する。
【0041】
差動対を構成する差動対トランジスタM1,M2は、PMOSトランジスタである。差動対トランジスタM1,M2のソースは、定電流源20Aを介して入力電圧Vinの印加端に接続される。
【0042】
MOSトランジスタM3,M4は、NMOSトランジスタであり、カレントミラーを構成する。MOSトランジスタM3のゲートとドレインは、短絡される。MOSトランジスタM3のドレインは、差動対トランジスタM1のドレインに接続される。MOSトランジスタM3,M4のゲート同士が接続される。MOSトランジスタM3,M4の各ソースは、グランド電位の印加端に接続される。MOSトランジスタM4のドレインは、差動対トランジスタM2のドレインに接続される。差動対トランジスタM2とMOSトランジスタM4とが接続されるノードは、NMOSトランジスタ20Cのゲートに接続される。NMOSトランジスタ20Cのソースは、グランド電位の印加端に接続される。NMOSトランジスタ20Cのドレインは、定電流源20Bを介して入力電圧Vinの印加端に接続される。
【0043】
差動対トランジスタM1のゲートには、入力電圧V1を分圧抵抗R1,R2により分圧後の電圧が印加される。差動対トランジスタM2のゲートには、基準電圧Vref1が印加される。定電流源20BとNMOSトランジスタ20Cとが接続されるノードには、比較出力信号Cmp_out1が生成される。
【0044】
入力トランジスタPM1は、PMOSトランジスタである。入力トランジスタPM1のソースは、差動対トランジスタM1のソースに接続される。入力トランジスタPM1のドレインは、差動対トランジスタM1のドレインに接続される。すなわち、入力トランジスタPM1は、差動対トランジスタM1に対して並列に接続される。入力トランジスタPM1のゲート(制御端)は、第3入力端T1を介して、プルアップ抵抗R10とパッドP10とが接続されるノードN10に接続される。
【0045】
通常動作時には、内部電源電圧Vregが第3入力端T1を介して入力トランジスタPM1のゲートに印加される。これにより、入力トランジスタPM1は、オフ状態とされる。内部電源電圧Vregは、基準電圧Vref1よりも高い(Vreg>Vref1)。これにより、入力電圧V1を分圧抵抗R1,R2により分圧後の電圧を基準電圧Vref1と比較する通常動作の回路がノードN10から切り離される。
【0046】
また、テスト時には、差動対トランジスタM1がオフ状態となるような入力電圧V1を印加しつつ、パッドP10に印加させる印加電圧をスイープさせる。これにより、コンパレータ20に印加電圧と基準電圧Vref1との比較を行わせ、比較出力信号Cmp_out1をモニタする。
【0047】
一方、図2に示すように、コンパレータ30は、差動対トランジスタM5,M6と、MOSトランジスタM7,M8と、定電流源30A,30Bと、NMOSトランジスタ30Cと、入力トランジスタPM2と、を有する。コンパレータ30の構成は、先述したコンパレータ20と同様であるため、詳述は省く。
【0048】
差動対トランジスタM5のゲートには、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧が印加される。差動対トランジスタM6のゲートには、基準電圧Vref2が印加される。定電流源30BとNMOSトランジスタ30Cとが接続されるノードには、比較出力信号Cmp_out2が生成される。
【0049】
入力トランジスタPM2は、差動対トランジスタM5に対して並列に接続される。入力トランジスタPM2のゲートは、第3入力端T2を介して、プルアップ抵抗R10とパッドP10とが接続されるノードN10に接続される。
【0050】
通常動作時には、内部電源電圧Vregが第3入力端T2を介して入力トランジスタPM2のゲートに印加される。これにより、入力トランジスタPM2は、オフ状態とされる。内部電源電圧Vregは、基準電圧Vref2よりも高い(Vreg>Vref2)。これにより、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧を基準電圧Vref2と比較する通常動作の回路がノードN10から切り離される。
【0051】
また、テスト時には、差動対トランジスタM5がオフ状態となるような入力電圧V2を印加しつつ、パッドP10に印加させる印加電圧をスイープさせる。これにより、コンパレータ30に印加電圧と基準電圧Vref2との比較を行わせ、比較出力信号Cmp_out2をモニタする。
【0052】
なお、本実施形態の変形例として、コンパレータ20において、入力トランジスタPM1を差動対トランジスタM1の代わりに差動対トランジスタM2に対して並列に接続してもよい。この場合、テスト時には、差動対トランジスタM2はオフ状態とさせ、差動対トランジスタM1のゲートには基準電圧Vref1と同じ電圧を印加させ、パッドP10に印加する印加電圧をスイープさせる。また、同様に、コンパレータ30において、入力トランジスタPM2を差動対トランジスタM5の代わりに差動対トランジスタM6に対して並列に接続してもよい。
【0053】
また、コンパレータ20,30それぞれの出力結果を別々の端子により確認できる場合は、コンパレータ20,30をテストするときに一方のコンパレータをオフとする必要はなく、テストを同時に行うことができる。例えば、半導体装置10が複数チャンネルの電源ICであって、コンパレータ20の出力が第1電源出力のオン/オフを制御し、コンパレータ30の出力が第2電源出力のオン/オフを制御する場合は、別々の端子から出力される第1、第2電源出力をモニタすることでテスト対象のコンパレータ20,30の動作を確認することができる。また、例えば、コンパレータ20の出力が電源出力のオン/オフを制御し、コンパレータ30の出力がパワーグッドまたはリセットといった電源出力とは別のロジック出力機能を制御する場合なども同様である。なお、コンパレータ20,30それぞれの出力結果を共通の端子により確認する必要がある場合は、コンパレータ20,30のうち一方をテストするときに他方をオフとする必要がある。
【0054】
<3.第2実施形態>
図3は、第2実施形態に係る半導体集積回路15の回路構成を示す図である。なお、図3においては、コンパレータ201,301の具体的な構成例を示している。
【0055】
図3に示すように、コンパレータ201は、差動対トランジスタM11,M12と、MOSトランジスタM13,M14と、入力トランジスタNM1と、定電流源201A,201Bと、PMOSトランジスタ201Cと、を有する。
【0056】
差動対を構成する差動対トランジスタM11,M12は、NMOSトランジスタである。差動対トランジスタM11,M12のソースは、定電流源201Aを介してグランド電位の印加端に接続される。
【0057】
MOSトランジスタM13,M14は、PMOSトランジスタであり、カレントミラーを構成する。MOSトランジスタM13のゲートとドレインは、短絡される。MOSトランジスタM13のドレインは、差動対トランジスタM11のドレインに接続される。MOSトランジスタM13,M14のゲート同士が接続される。MOSトランジスタM13,M14の各ソースは、入力電圧Vinの印加端に接続される。MOSトランジスタM14のドレインは、差動対トランジスタM12のドレインに接続される。差動対トランジスタM12とMOSトランジスタM14とが接続されるノードは、PMOSトランジスタ201Cのゲートに接続される。PMOSトランジスタ201Cのソースは、入力電圧Vinの印加端に接続される。PMOSトランジスタ201Cのドレインは、定電流源201Bを介してグランド電位の印加端に接続される。
【0058】
差動対トランジスタM11のゲートには、入力電圧V1を分圧抵抗R1,R2により分圧後の電圧が印加される。差動対トランジスタM12のゲートには、基準電圧Vref1が印加される。定電流源201BとPMOSトランジスタ201Cとが接続されるノードには、比較出力信号Cmp_out1が生成される。
【0059】
入力トランジスタNM1は、NMOSトランジスタである。入力トランジスタNM1のソースは、差動対トランジスタM11のソースに接続される。入力トランジスタNM1のドレインは、差動対トランジスタM11のドレインに接続される。すなわち、入力トランジスタNM1は、差動対トランジスタM11に対して並列に接続される。入力トランジスタNM1のゲートは、第3入力端T1を介して、プルダウン抵抗R15の一端に接続される。プルダウン抵抗R15の他端は、グランド電位の印加端に接続される。すなわち、第3入力端T1は、プルダウン抵抗R15によりグランド電位にプルダウンされる。プルダウン抵抗R15の一端は、パッドP10に接続される。
【0060】
通常動作時には、グランド電位が第3入力端T1を介して入力トランジスタNM1のゲートに印加される。これにより、入力トランジスタNM1は、オフ状態とされる。これにより、入力電圧V1を分圧抵抗R1,R2により分圧後の電圧を基準電圧Vref1と比較する通常動作の回路が、パッドP10とプルダウン抵抗R15とが接続されるノードN15から切り離される。
【0061】
また、テスト時には、差動対トランジスタM11がオフ状態となるような入力電圧V1を印加しつつ、パッドP10に印加させる印加電圧をスイープさせる。これにより、コンパレータ201に印加電圧と基準電圧Vref1との比較を行わせ、比較出力信号Cmp_out1をモニタする。
【0062】
一方、図3に示すように、コンパレータ301は、差動対トランジスタM15,M16と、MOSトランジスタM17,M18と、定電流源301A,301Bと、PMOSトランジスタ301Cと、入力トランジスタNM2と、を有する。コンパレータ301の構成は、先述したコンパレータ201と同様であるため、詳述は省く。
【0063】
差動対トランジスタM15のゲートには、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧が印加される。差動対トランジスタM16のゲートには、基準電圧Vref2が印加される。定電流源301BとPMOSトランジスタ301Cとが接続されるノードには、比較出力信号Cmp_out2が生成される。
【0064】
入力トランジスタNM2は、差動対トランジスタM15に対して並列に接続される。入力トランジスタNM2のゲートは、第3入力端T2を介して、プルダウン抵抗R15とパッドP10とが接続されるノードN15に接続される。
【0065】
通常動作時には、グランド電位が第3入力端T2を介して入力トランジスタNM2のゲートに印加される。これにより、入力トランジスタNM2は、オフ状態とされる。これにより、入力電圧V2を分圧抵抗R3,R4により分圧後の電圧を基準電圧Vref2と比較する通常動作の回路が、パッドP10とプルダウン抵抗R15とが接続されるノードN15から切り離される。
【0066】
また、テスト時には、差動対トランジスタM15がオフ状態となるような入力電圧V2を印加しつつ、パッドP10に印加させる印加電圧をスイープさせる。これにより、コンパレータ301に印加電圧と基準電圧Vref2との比較を行わせ、比較出力信号Cmp_out2をモニタする。
【0067】
このような本実施形態によれば、コンパレータ201,301のテストのための電圧印加に用いられるテストパッドをパッドP10に共通化することができる。従って、半導体集積回路15におけるチップサイズの小面積化、およびコスト削減を実現できる。
【0068】
なお、第2実施形態の変形例として、コンパレータ201において、入力トランジスタNM1を差動対トランジスタM11の代わりに差動対トランジスタM12に対して並列に接続してもよい。また、コンパレータ301において、入力トランジスタNM2を差動対トランジスタM15の代わりに差動対トランジスタM16に対して並列に接続してもよい。
【0069】
<4.その他>
以上、例示的な実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、実施形態は種々に変形が可能である。
【0070】
例えば、コンパレータは、MOSトランジスタに限らず、バイポーラトランジスタにより構成してもよい。すなわち、差動対トランジスタ、および入力トランジスタは、バイポーラトランジスタにより構成されてもよい。
【0071】
また、上記第1実施形態において、入力トランジスタPM1,PM2のゲートをプルアップする電源電圧は、内部電源電圧Vregに限らず、例えば、ICの外部から供給される外部電源電圧であってもよい。この場合、パッドP10は、電圧モニタ用には用いられない。
【0072】
また、複数設ける内部回路はコンパレータに限ることはなく、例えばエラーアンプなどであってもよい。
【0073】
<5.付記>
以上の通り、例えば、本開示に係る半導体集積回路(10(または15))は、
複数の入力端と、前記複数の入力端に含まれる所定の入力端(T1,T2)に接続される制御端を含む入力トランジスタ(PM1,PM2(またはNM1,NM2))と、を有する複数の内部回路(20,30(または201,301))と、
前記所定の入力端に接続されるパッド(P10)と、
を備え、
電源電圧(Vreg)の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルアップ抵抗(R10)と、グランド電位の印加端に接続可能に構成される第1端と、前記パッドに接続される第2端と、を有するプルダウン抵抗(R15)と、のうち一方をさらに備える構成としている(第1の構成)。
【0074】
また、上記第1の構成において、前記電源電圧を出力する内部電源回路(1)をさらに備える構成としてもよい(第2の構成)。
【0075】
また、上記第1または第2の構成において、前記内部回路(例えば20,30)は、差動対を有し、前記入力トランジスタ(例えばPM1,PM2)は、前記差動対を構成する2つの差動対トランジスタ(例えばM1,M2とM5,M6)のうち一方に対して並列に接続される構成としてもよい(第3の構成)。
【0076】
また、上記第3の構成において、前記差動対トランジスタ(M1,M2とM5,M6)および前記入力トランジスタ(PM1,PM2)は、PMOSトランジスタであり、前記プルアップ抵抗(R10)の前記第2端が前記所定の入力端(T1,T2)を介して前記入力トランジスタのゲートに接続される構成としてもよい(第4の構成)。
【0077】
また、上記第3の構成において、前記差動対トランジスタ(M11,M12とM15,M16)および前記入力トランジスタ(NM1,NM2)は、NMOSトランジスタであり、前記プルダウン抵抗(R15)の前記第2端が前記所定の入力端(T1,T2)を介して前記入力トランジスタのゲートに接続される構成としてもよい(第5の構成)。
【0078】
また、上記第3から第5のいずれかの構成において、前記2つの差動対トランジスタは、第1差動対トランジスタ(例えばM1,M5)と、第2差動対トランジスタ(例えばM2,M6)であり、前記第1差動対トランジスタは、入力電圧(V1,V2)に基づく電圧が入力される制御端を含み、前記第2差動対トランジスタは、基準電圧(Vref1,Vref2)が入力される制御端を含み、前記入力トランジスタ(例えばPM1,PM2)は、前記第1、第2差動対トランジスタのうち、前記第1差動対トランジスタに対して並列に接続される構成としてもよい(第6の構成)。
【0079】
また、上記第1から第6のいずれかの構成において、前記パッド(P10)と接続されるESD(Electro-Static Discharge)対策素子(D10)をさらに備える構成としてもよい(第7の構成)。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本明細書中に開示されている発明は、例えば、各種用途の半導体集積回路に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 内部電源回路
2,3 コンパレータ
4 ロジック回路
10 半導体集積回路
15 半導体集積回路
20,30 コンパレータ
20A,20B 定電流源
20C NMOSトランジスタ
30 コンパレータ
30A,30B 定電流源
30C NMOSトランジスタ
100 半導体集積回路
200 半導体集積回路
201,301 コンパレータ
201A,201B 定電流源
201C PMOSトランジスタ
301A,301B 定電流源
301C PMOSトランジスタ
D1,D2 ESD対策素子
D10 ESD対策素子
D11,D12 ESD対策素子
M1,M2 差動対トランジスタ
M3,M4 MOSトランジスタ
M5,M6 差動対トランジスタ
M7,M8 MOSトランジスタ
M11,M12 差動対トランジスタ
M13,M14 MOSトランジスタ
M15,M16 差動対トランジスタ
M17,M18 MOSトランジスタ
NM1,NM2 入力トランジスタ
P1,P2 パッド
P10 パッド
P11,P12 パッド
PM1,PM2 入力トランジスタ
R1,R2 分圧抵抗
R10 プルアップ抵抗
R15 プルダウン抵抗
R3,R4 分圧抵抗
SW1,SW2,SW3 スイッチ
T1,T2 第3入力端
図1
図2
図3
図4
図5