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特開2022-185497支援サーバ、災害支援システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185497
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】支援サーバ、災害支援システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20221207BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20221207BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093232
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伯耆 雄介
(72)【発明者】
【氏名】杉山 宏石
(72)【発明者】
【氏名】勝又 久美子
(72)【発明者】
【氏名】良邊 理恵
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】山中 富夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】周囲の車両と連携する支援サーバ、災害支援システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】ネットワークを介して複数の車両、複数の通信機器及び管理サーバと通信可能な支援サーバと、ネットワークを介して支援サーバ及び複数の通信機器と通信可能な管理サーバと、を備える災害支援システムにおいて、支援サーバ300は、複数の車両の各々から燃料の残量と、複数の車両の各々の状態情報と、複数の車両の各々の位置情報と、燃料の補給を所望するユーザのユーザ位置情報とを取得する取得部303a、複数の車両の各々の燃料の残量と、複数の車両の各々の状態情報とに基づいて、複数の車両の中から、燃料を供給可能な供給車両を特定する特定部303b、ユーザ位置情報と、供給車両の位置情報とに基づいて、供給車両の位置情報を含む燃料位置情報を生成する生成部303e及び生成した燃料位置情報を出力する出力制御部303fを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の各々から燃料の残量と、前記複数の車両の各々の状態情報と、前記複数の車両の各々の位置情報と、燃料の補給を所望するユーザのユーザ位置情報と、を取得し、
前記残量と、前記状態情報と、に基づいて、前記複数の車両の中から、燃料を供給可能な供給車両を特定し、
前記ユーザ位置情報と、前記供給車両の前記位置情報と、に基づいて、少なくとも前記供給車両の前記位置情報を含む燃料位置情報を生成し、
前記燃料位置情報を出力するように構成されたプロセッサを備える、
支援サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の支援サーバであって、
前記プロセッサは、
前記状態情報に基づいて、前記複数の車両の中から、停止中である停止車両または故障中である故障車両を、前記供給車両として特定する、
支援サーバ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の支援サーバであって、
前記プロセッサは、
前記供給車両に対応付けられた通信機器に対して、燃料の提供を許可するか否かの情報を出力し、
前記供給車両に対応付けられた通信機器から燃料の提供を許諾する情報を受信した場合、前記供給車両が有するドアの施錠を解除する解除情報を前記供給車両へ出力する、
支援サーバ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一つに記載の支援サーバであって、
前記プロセッサは、
燃料の販売を依頼する依頼情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した通信機器に対応付けられた販売車両の前記位置情報を取得し、
前記販売車両の前記位置情報、前記ユーザ位置情報と、前記供給車両の前記位置情報と、に基づいて、前記燃料位置情報を生成する、
支援サーバ。
【請求項5】
請求項3または4に記載の支援サーバであって、
前記プロセッサは、
前記通信機器に対応付けられた支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに前記残量または燃料の提供量に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する、
支援サーバ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載の支援サーバであって、
前記燃料位置情報は、
前記供給車両の前記位置情報と、燃料の種別と、前記残量と、を含む、
支援サーバ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載の支援サーバであって、
前記プロセッサは、
災害情報を受信した場合、前記災害情報に含まれる地域内に位置する前記複数の車両の各々に向けて前記燃料位置情報を出力する、
支援サーバ。
【請求項8】
複数の車両と、
支援サーバと、
を備え、
前記支援サーバは、
前記複数の車両の各々から燃料の残量と、前記複数の車両の各々の状態情報と、前記複数の車両の各々の位置情報と、燃料の補給を所望するユーザのユーザ位置情報と、を取得し、
前記残量と、前記状態情報と、に基づいて、前記複数の車両の中から、燃料を供給可能な供給車両を特定し、
前記ユーザ位置情報と、前記供給車両の前記位置情報と、に基づいて、少なくとも前記供給車両の前記位置情報を含む燃料位置情報を生成し、
前記燃料位置情報を出力するように構成されたプロセッサを備える、
災害支援システム。
【請求項9】
複数の車両の各々から燃料の残量と、前記複数の車両の各々の状態情報と、前記複数の車両の各々の位置情報と、燃料の補給を所望するユーザのユーザ位置情報と、を取得し、
前記残量と、前記状態情報と、に基づいて、前記複数の車両の中から、燃料を供給可能な供給車両を特定し、
前記ユーザ位置情報と、前記供給車両の前記位置情報と、に基づいて、少なくとも前記供給車両の前記位置情報を含む燃料位置情報を生成し、
前記燃料位置情報を出力する、
ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援サーバ、災害支援システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電装置のSOC(State of Charge)の推移に応じてエンジン動作を伴う給電と、エンジン停止による給電と、を選択する可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-208689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、災害時等では、車両からの給電が重要となるが、エンジンに用いる燃料の残量によっては給電ができない状態となるため、周囲の車両と連携しながら燃料の確保が必要となる。しかしながら、特許文献1では、周囲の車両との連携について何なら考慮されていない。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、周囲の車両と連携することができる支援サーバ、災害支援システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る支援サーバは、複数の車両の各々から燃料の残量と、前記複数の車両の各々の状態情報と、前記複数の車両の各々の位置情報と、燃料の補給を所望するユーザのユーザ位置情報と、を取得し、前記残量と、前記状態情報と、に基づいて、前記複数の車両の中から、前記燃料を供給可能な供給車両を特定し、前記ユーザ位置情報と、前記供給車両の前記位置情報と、に基づいて、少なくとも前記燃料を供給可能な前記供給車両の前記位置情報を含む燃料位置情報を生成し、前記燃料位置情報を出力するように構成されたプロセッサを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、周囲の車両と連携することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、一実施の形態に係る車両の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、一実施の形態に係る支援サーバの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施の形態に係る支援サーバが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図5図5は、支援サーバの生成部が生成する燃料位置情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る支援サーバ、災害支援システムおよびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0010】
(実施の形態1)
〔災害支援システムの概略構成〕
図1は、一実施の形態に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。図1に示す災害支援システム1は、複数の車両100~100(n=3以上の整数)(以下、複数の車両100~100のいずれかを指す場合、単に「車両100」と表記する)と、複数の車両100~100の各々に対応付けられた複数の通信機器200~200(以下、複数の通信機器200~200のいずれかを指す場合、単に「通信機器200」と表記する)と、ネットワークNWを介して車両100、通信機器200および管理サーバ400と通信可能な支援サーバ300と、ネットワークNWを介して支援サーバ300および通信機器200と通信可能な管理サーバ400と、を備える。このネットワークNWは、このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0011】
車両100は、HV(Hybrid Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、およびFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)のいずれを用いて実現される。なお、車両100の詳細な構成は、後述する。
【0012】
通信機器200は、所定の通信規格に従って車両100と通信可能であり、かつ、ネットワークNWを介して支援サーバ300および管理サーバ400と通信可能である。ここで、所定の通信規格とは、Bluetooth(登録商標)およびWi-Fi(登録商標)の少なくとも一方である。通信機器200は、例えば携帯電話およびタブレット型の通信端末等を用いて実現される。
【0013】
支援サーバ300は、ネットワークNWを介して車両100、通信機器200および管理サーバ400と通信可能であり、災害時にユーザを支援するための情報を出力する。なお、支援サーバ300の詳細な構成は、後述する。
【0014】
管理サーバ400は、ネットワークNWを介して通信機器200に対応付けられた支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段を管理する。
【0015】
〔車両の機能構成〕
次に、車両100の詳細な機能構成について説明する。図2は、車両100の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両100は、エンジン101と、発電機102と、第1のインバータ103と、モータ104と、駆動輪105と、二次電池106と、コンバータ107と、切替部108と、第2のインバータ109と、インレット部110と、第1の検出部111と、車内コンセント112と、第2の検出部113と、燃料タンク114と、第3の検出部115と、第4の検出部116と、ドアロック機構117と、通信部118と、外部通信部119と、カーナビゲーションシステム120と、記録部121と、ECU(Electronic Control Unit)122と、を備える。
【0016】
エンジン101は、周知の内燃機関によって構成され、燃料タンク114内に貯留されている燃料を用いて動力を出力する。エンジン101は、ECU122の制御のもと、駆動する。エンジン101から出力された動力は、発電機102を駆動する。
【0017】
発電機102は、第1のインバータ103を介してモータ104と電気的に接続される。発電機102は、ECU122の制御のもと、発電した交流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。発電機102は、発電機能に加えてモータ機能を有する発電用モータジェネレータを用いて構成される。
【0018】
第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をモータ104へ供給する。また、第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、車両100の回生制動時において、モータ104で発電される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。第1のインバータ103は、例えば三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路を含む三相インバータ回路等を用いて構成される。
【0019】
モータ104は、ECU122の制御のもと、車両100の加速時に、第1のインバータ103から供給される交流電力によって駆動する。モータ104から出力された動力は、駆動輪105を駆動させる。また、モータ104は、ECU122の制御のもと、車両100の制動時に、駆動輪105から伝達される外力によって発電する発電機として機能し、この発電した電力を、第1のインバータ103から切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。モータ104は、モータ機能に加えて発電機能を有する駆動用モータジェネレータを用いて構成される。
【0020】
二次電池106は、例えばニッケル水素電池若しくはリチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電池または電気二重層キャパシタ等の蓄電素子等を用いて構成される。二次電池106は、コンバータ107によって充放電可能であり、高電圧の直流電力を蓄える。
【0021】
コンバータ107は、一端が二次電池106と電気的に接続され、他端が切替部108を介して第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続される。コンバータ107は、ECU122の制御のもと、二次電池106の充放電を行う。具体的には、コンバータ107は、二次電池106を充電する場合、第2のインバータ109、インレット部110および切替部108を介して外部から供給された直流電力を所定の電圧に降圧し、この降圧した充電電流を二次電池106に供給する。これに対して、コンバータ107は、二次電池106を放電させる場合、二次電池106からの直流電力の電圧を昇圧し、この昇圧した放電電流を、切替部108を介して第1のインバータ103へ供給する。
【0022】
切替部108は、一端がコンバータ107に電気的に接続され、他端が第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続され。切替部108は、ECU122の制御のもと、コンバータ107と、第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方とを電気的に接続する。切替部108は、機械式リレーまたは半導体スイッチ等を用いて構成される。
【0023】
第2のインバータ109は、一端が切替部108に電気的に接続され、他端がインレット部110または車内コンセント112に電気的に接続される。第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をインレット部110へ供給する。具体的には、第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、インレット部110および充放電ケーブル(図示せず)を介して外部へ交流電力を供給する。第2のインバータ109は、外部で使用される電力の形態に対応するように単相インバータ回路等を用いて構成される。
【0024】
インレット部110は、一端が第2のインバータ109と電気的に接続される。インレット部110は、充放電ケーブル(図示せず)が着脱自在に接続される。インレット部110は、充放電ケーブルを介して、外部から供給された交流電力を第2のインバータ109へ供給し、かつ、外部から入力された制御信号等を含む各種情報を通信部118へ出力する。また、インレット部110は、充放電ケーブルを介して第2のインバータ109から供給された交流電力を外部へ供給し、かつ、通信部118を介して入力されたECU122からの制御信号等を含む各種情報を外部へ出力する。
【0025】
第1の検出部111は、二次電池106のSOC(充電率)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第1の検出部111は、電流計、電圧計および温度センサ等を用いて構成される。
【0026】
車内コンセント112は、第2のインバータ109と電気的に接続される。車内コンセント112は、一般の電化製品の電源プラグを接続可能であり、電源プラグが接続された電化製品に対して第2のインバータ109から供給された交流電力を供給する。
【0027】
第2の検出部113は、車内コンセント112と第2のインバータ109との間に設けられ、車内コンセント112に接続された電気機器の消費電力および電流値の少なくとも一方を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第2の検出部113は、電力計、電流計および電圧計等を用いて構成される。
【0028】
燃料タンク114は、エンジン101へ供給される燃料を貯留する。ここで、燃料としては、ガソリン等の化石燃料である。なお、車両100がFCEVの場合、水素燃料を貯留する。
【0029】
第3の検出部115は、燃料タンク114内に貯留された燃料の残量を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第3の検出部115は、燃料計等を用いて構成される。
【0030】
第4の検出部116は、車両100の状態情報を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。ここで、状態情報とは、車両100の加速度、傾斜角度および速度等である。第4の検出部116は、加速度センサ、速度センサおよびジャイロセンサ等を用いて構成される。
【0031】
ドアロック機構117は、ECU122の制御のもと、車両100に設けられた扉の開閉動作を行う。
【0032】
通信部118は、インレット部110を介して外部から入力された各種情報を含む制御信号を受信し、受信した制御信号をECU122へ出力する。また、通信部118は、ECU122から入力されたCANデータ等を含む制御信号をインレット部110へ出力する。通信部118は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0033】
外部通信部119は、ECU122の制御のもと、所定の通信規格に従って、ECU122から入力される各種情報を通信機器200へ送信する。また、外部通信部119は、通信機器200から受信した各種情報をECU122へ出力する。ここで、所定の通信規格とは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)の少なくとも一方である。外部通信部119は、無線通信モジュール等を用いて構成される。
【0034】
カーナビゲーションシステム120は、GPS(Global Positioning System)センサ120aと、地図データベース120bと、報知装置120cと、操作部120dと、を有する。
【0035】
GPSセンサ120aは、複数のGPS衛星または送信アンテナからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、車両100の位置(経度および緯度)に関する位置情報を算出する。GPSセンサ120aは、GPS受信センサ等を用いて構成される。なお、実施の形態1では、GPSセンサ120aを複数個搭載することによって車両100の向き精度向上を図ってもよい。
【0036】
地図データベース120bは、各種の地図データを記憶する。地図データベース120bは、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を用いて構成される。
【0037】
報知装置120cは、画像、地図、映像および文字情報を表示する表示部120eと、音声や警報音等の音を発生する音声出力部120fと、を有する。表示部120eは、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。音声出力部120fは、スピーカ等を用いて構成される。
【0038】
操作部120dは、ユーザの操作の入力を受け付け、受け付けた各種の操作内容に応じた信号をECU122へ出力する。操作部120dは、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびジョグダイヤル等を用いて実現される。
【0039】
このように構成されたカーナビゲーションシステム120は、GPSセンサ120aによって取得した現在の車両100の位置に関する位置情報を、地図データベース120bが記憶する地図データに対応する地図上に重ねることによって、車両100の現在走行している道路および目的値までの走行経路等を含む情報を、表示部120eと音声出力部120fとによってユーザに対して報知する。
【0040】
記録部121は、車両100に関する各種情報を記録する。記録部121は、ECU122から入力された車両100のCANデータおよびECU122が実行する各種の処理中のデータ等を記録する。記録部121は、車両100に関する車種情報記録部121aと、予め登録された複数の電気機器と消費電力とを対応付けた電気機器情報記録部121bと、車両100が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部121cと、を有する。ここで、車種情報とは、車両100の車種、車両100を識別する識別情報、車両100の年式、発電の有無、EV、HV、PHVおよびFCEVのいずれかを示す情報等が含まれる。記録部121は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD等を用いて構成される。
【0041】
ECU122は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU122は、車両100を構成する各部の動作を制御する。
【0042】
〔支援サーバの機能構成〕
次に、支援サーバ300の機能構成について説明する。図3は、支援サーバ300の機能構成を示すブロック図である。図3に示す支援サーバ300は、通信部301と、記録部302と、サーバ制御部303と、を備える。
【0043】
通信部301は、サーバ制御部303のもと、ネットワークNWを介して車両100または通信機器200から各種情報を受信するとともに、車両100または通信機器200へ各種情報を送信する。通信部301は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0044】
記録部302は、支援サーバ300に関する各種情報を記録する。記録部302は、支援サーバ300が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部302aと、地図データを記録する地図データ記録部302bと、を有する。記録部302は、DRAM、ROM、lashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。
【0045】
サーバ制御部303は、支援サーバ300を構成する各部を制御する。サーバ制御部303は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。サーバ制御部303は、取得部303aと、特定部303bと、判定部303cと、付与部303dと、生成部303eと、出力制御部303fと、を有する。
【0046】
取得部303aは、取得部303aは、ネットワークNWおよび通信部301を介して、災害地域に位置する複数の車両100~100の各々から燃料の残量、状態情報および位置情報と、燃料の補給を所望するユーザの位置情報(ユーザ位置情報)と、を取得する。
【0047】
特定部303bは、複数の車両100~100の各々の燃料の残量および位置情報に基づいて、複数の車両100~100の中から燃料を供給可能な供給車両を特定する。具体的には、特定部303bは、複数の車両100~100の各々の状態情報に基づいて、複数の車両100~100の中から、停止中である停止車両または故障中である故障車両を供給車両として特定する。
【0048】
判定部303cは、ネットワークNWおよび通信部301を介して外部のサーバ(図示せず)から災害情報を受信したか否かを判定する。また、判定部303cは、ネットワークNWおよび通信部301を介して供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200から燃料の提供を許諾する許諾情報を受信したか否かを判定する。
【0049】
付与部303dは、ネットワークNWおよび通信部301を介して管理サーバ400が管理する燃料の提供者が通信機器200を用いて登録した支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットサーバに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに、燃料の残量または提供量に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する。
【0050】
生成部303eは、地図データ記録部302bが記録する地図データと、特定部303bが特定した供給車両の位置情報および燃料の残量と、販売依頼情報を受信した通信機器200に対応付けられた車両100の位置情報および燃料の残量と、に基づいて燃料位置情報を生成する。
【0051】
出力制御部303fは、ユーザの通信機器200または通信機器200に対応付けられた車両100に燃料位置情報を出力する。また、出力制御部303fは、ネットワークNWおよび通信部301を介して、供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200の少なくとも一方に対して、燃料の提供を依頼する燃料提供依頼情報を出力する。さらに、出力制御部303fは、許諾情報を受信した供給車両にドアロックを解除する解錠情報を出力する。
【0052】
〔支援サーバの処理〕
次に、支援ササーバ300が実行する処理について説明する。図4は、支援サーバ300が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0053】
図4に示すように、まず、判定部303cは、ネットワークNWおよび通信部301を介して外部のサーバ(図示せず)から災害情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。判定部303cによってネットワークNWおよび通信部301を介して外部のサーバから災害情報を受信したと判定された場合(ステップS101:Yes)、支援サーバ300は、後述するステップS102へ移行する。これに対して、判定部303cによってネットワークNWおよび通信部301を介して外部のサーバから災害情報を受信していないと判定された場合(ステップS101:No)、支援サーバ300は、本処理を終了する。
【0054】
ステップS102において、取得部303aは、ネットワークNWおよび通信部301を介して、災害地域に位置する複数の車両100~100の各々から燃料の残量、状態情報および位置情報と、燃料の補給を所望するユーザの位置情報(ユーザ位置情報)と、を取得する。具体的には、取得部303aは、ネットワークNWおよび通信部301を介して、車両100の第3の検出部115が検出した燃料タンク114内の燃料の残量、第4の検出部116が検出した車両10の状態情報、およびGPSセンサ120aが検出した車両100の位置情報を取得する。ここで、災害地域とは、例えば災害が発生した発生地を中心とする50km×50kmの範囲である。さらに、取得部303aは、ネットワークNWおよび通信部301を介して、燃料の補給を所望するユーザが所持する通信機器200または通信機器200に対応付けられた車両100のGPSセンサ120aから災害地域に位置する燃料の補給を所望するユーザの位置情報を取得する。
【0055】
続いて、特定部303bは、複数の車両100~100の各々の燃料の残量および位置情報に基づいて、複数の車両100~100の中から燃料を供給可能な供給車両を特定する(ステップS103)。具体的には、まず、特定部303bは、複数の車両100~100の各々の状態情報に基づいて、複数の車両100~100の中から、停止中である停止車両または故障中である故障車両を供給車両として特定する。この場合、特定部303bは、複数の供給車両がある場合、燃料の残量が所定値以上(例えば燃料タンク114における燃料が10%以上)の停止車両または故障車両を供給車両として特定してもよい。
【0056】
続いて、出力制御部303fは、ネットワークNWおよび通信部301を介して、供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200の少なくとも一方に対して、燃料の提供を依頼する燃料提供依頼情報を出力する(ステップS104)。例えば、出力制御部303fは、燃料の提供を依頼するメッセージと、燃料の提供を許諾する許諾情報の入力を受け付ける許諾ボタンとを含む燃料提供依頼情報を、供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200の少なくとも一方に出力する。これにより、提供車両を所有するユーザは、燃料の提供を行うか否かを判断することができる。
【0057】
その後、判定部303cは、ネットワークNWおよび通信部301を介して供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200から燃料の提供を許諾する許諾情報を受信したか否かを判定する(ステップS105)。判定部303cによって供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200から燃料の提供を許諾する許諾情報を受信したと判定された場合(ステップS105:Yes)、支援サーバ300は、後述するステップS106へ移行する。これに対して、判定部303cによって供給車両および供給車両に対応付けられた通信機器200から燃料の提供を許諾する許諾情報を受信していないと判定された場合(ステップS105:No)、支援サーバ300は、後述するステップS106へ移行する。
【0058】
ステップS106において、出力制御部303fは、許諾情報を受信した供給車両にドアロックを解除する解錠情報を出力する。これにより、燃料の補給を所望するユーザは、提供者が提供車両に乗車または待機していなくとも、提供車両のドアが解除されているため、提供車両から燃料を補給または取得することができる。
【0059】
続いて、付与部303dは、ネットワークNWおよび通信部301を介して管理サーバ400が管理する燃料の提供者が通信機器200を用いて登録した支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットサーバに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに、燃料の残量または提供量に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する(ステップS107)。
【0060】
続いて、判定部303cは、ネットワークNWおよび通信部301を介して通信機器200または車両100から燃料の販売を依頼する販売依頼情報を受信したか否かを判定する(ステップS108)。判定部303cによってネットワークNWおよび通信部301を介して通信機器200または車両100から燃料の販売を依頼する販売依頼情報を受信したと判定された場合(ステップS108:Yes)、支援サーバ300は、後述するステップS109へ移行する。これに対して、判定部303cによってネットワークNWおよび通信部301を介して通信機器200または車両100から燃料の販売を依頼する販売情報を受信していないと判定された場合(ステップS108:No)、支援サーバ300は、後述するステップS110へ移行する。
【0061】
ステップS109において、取得部303aは、販売依頼情報を受信した通信機器200に対応付けられた車両100(以下、単に「販売車両」という)の位置情報および残量を取得する。
【0062】
続いて、付与部303dは、ネットワークNWおよび通信部301を介して管理サーバ400が管理する燃料の販売者が通信機器200を用いて登録した支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットサーバに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに、燃料の残量または提供に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する(ステップS110)。
【0063】
その後、生成部303eは、地図データ記録部302bが記録する地図データと、特定部303bが特定した供給車両の位置情報および燃料の残量と、販売依頼情報を受信した通信機器200に対応付けられた車両100の位置情報および燃料の残量と、に基づいて燃料位置情報を生成する(ステップS111)。図5は、生成部303eが生成する燃料位置情報の一例を示す図である。図5に示すように、生成部303eは、地図データ記録部302bが記録する地図データと、特定部303bが特定した供給車両の位置情報および燃料の残量と、販売依頼情報を受信した通信機器200に対応付けられた車両100の位置情報および燃料の残量と、に基づいて燃料位置情報P1を生成する。燃料位置情報P1には、ユーザU1の位置を基準に所定の範囲内における供給車両O1および販売車両O2の各々の位置と、供給車両O1および販売車両O2の各々の燃料の種別(ガソリンまたは水素)および燃料の残量M1,M2と、が含まれる。
【0064】
以上説明した一実施の形態によれば、取得部303aが複数の車両100~100の各々から燃料の残量と、複数の車両100~100の各々の状態情報と、複数の車両100~100の各々の位置情報と、燃料の補給を所望するユーザのユーザ位置情報と、を取得する。そして、特定部303bは、複数の車両100~100の各々の残量と、複数の車両100~100の各々の状態情報と、に基づいて、複数の車両100~100の各々の中から、燃料を供給可能な供給車両を特定する。その後、生成部303eは、取得部303aによって取得されたユーザ位置情報と、特定部303bが特定した供給車両の位置情報と、に基づいて、少なくとも燃料を供給可能な供給車両の位置情報を含む燃料位置情報を生成する。続いて、出力制御部303fは、生成部303eが生成した料位置情報を燃料の補給を所望するユーザの通信機器200、または、このユーザの通信機器に対応付けられた車両100に出力するため、周囲の車両100と連携することができる。
【0065】
また、一実施の形態によれば、特定部303bが複数の車両100~100の各々の状態情報に基づいて、複数の車両100~100の各々の中から、停止中である停止車両または故障中である故障車両を、供給車両として特定する。これにより、発電に用いることができない停止車両または故障車両から燃料を補給することができる。
【0066】
また、一実施の形態によれば、出力制御部303fが供給車両に対応付けられた通信機器200に対して、燃料の提供を許可するか否かの情報を出力する。そして、出力制御部303fは、供給車両に対応付けられた通信機器200から燃料の提供を許諾する情報を受信した場合、供給車両が有するドアの施錠を解除する解除情報を供給車両へ出力する。このため、燃料の補給を所望するユーザは、提供車両の鍵等を保持していなくとも、提供車両から燃料を取得することができる。
【0067】
また、一実施の形態によれば、支援サーバ300が燃料の販売を依頼する依頼情報を受信した場合、取得部303aが依頼情報を送信した通信機器200に対応付けられた販売車両の位置情報を取得する。そして、生成部303eは、販売車両の位置情報、ユーザ位置情報と、供給車両の位置情報と、に基づいて、燃料位置情報を生成する。これにより、燃料の補給を所望するユーザは、燃料の販売を所望する販売者の販売車両の位置を把握することができる。
【0068】
また、一実施の形態によれば、付与部303dが燃料を提供する提供者または販売者の通信機器200に対応付けられた支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに燃料の残量または提供量に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する。これにより、燃料を提供する提供者または販売者は、燃料を提供することによって、電子マネーまたはポイントを得ることができる。
【0069】
また、一実施の形態によれば、燃料位置情報が供給車両の位置情報と、燃料の種別と、燃料の残量と、を含む。このため、燃料の補給を所望するユーザは、供給車両の位置情報と、燃料の種別と、燃料の残量と、を直感的に把握することができる。
【0070】
また、一実施の形態によれば、支援サーバ300が災害情報を受信した場合、出力制御部303fが災害情報に含まれる地域内に位置する複数の車両100~100の各々に向けて燃料位置情報を出力する。これにより、災害情報に含まれる地域内に位置し、燃料の補給を所望するユーザは、供給車両の位置情報を直感的に把握することができる。
【0071】
なお、一実施の形態によれば、出力制御部303fが生成部303eによって生成された料位置情報を燃料の補給を所望するユーザの通信機器200、または、このユーザの通信機器に対応付けられた車両100に出力しているが、特定部303が複数の車両100~100の各々の中から特定した燃料を供給可能な供給車両の位置情報のみを燃料の補給を所望するユーザの通信機器200、または、このユーザの通信機器に対応付けられた車両100に出力してもよい。
【0072】
また、一実施の形態によれば、支援サーバ300がネットワークNWを介して複数の車両100~100の各々から各種情報を取得し、補給を所望するユーザの通信機器200、または、このユーザの通信機器に対応付けられた車両100に燃料位置情報を出力しているが、これに限定されることなく、例えば車両100のECU122が外部通信部119を介して車車間通信を行うことによって、各種情報を取得し、補給を所望するユーザの通信機器200、または、このユーザの通信機器200に対応付けられた車両100に燃料位置情報を出力するようにしてもよい。
【0073】
(その他の実施の形態)
また、一実施の形態では、上記してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0074】
また、一実施の形態に係る災害支援システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0075】
また、一実施の形態に係る災害支援に実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0076】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0077】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 災害支援システム
100 車両
101 エンジン
102 発電機
103 第1のインバータ
104 モータ
105 駆動輪
106 二次電池
107 コンバータ
108 切替部
109 第2のインバータ
110 インレット部
111 第1の検出部
112 車内コンセント
113 第2の検出部
114 燃料タンク
115 第3の検出部
116 第4の検出部
117 ドアロック機構
118,301 通信部
119 外部通信部
120 カーナビゲーションシステム
120a GPSセンサ
120b 地図データベース
120c 報知装置
120d 操作部
120e 表示部
120f 音声出力部
121,302 記録部
121a 車種情報記録部
121b 電気機器情報記録部
121c,302a プログラム記録部
302b 地図データ記録部
122 ECU
300 支援サーバ
303 サーバ制御部
303a 取得部
303b 特定部
303c 判定部
303d 付与部
303e 生成部
303f 出力制御部
P1 燃料位置情報
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5