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  • 特開-釣り用仕掛け 図1
  • 特開-釣り用仕掛け 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185522
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】釣り用仕掛け
(51)【国際特許分類】
   A01K 91/06 20060101AFI20221207BHJP
   A01K 91/047 20060101ALI20221207BHJP
   A01K 91/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A01K91/06 B
A01K91/047
A01K91/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093267
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】397037454
【氏名又は名称】株式会社バリバス
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】荒井 一郎
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307EB30
2B307GA01
2B307GA20
(57)【要約】
【課題】餌の動きに変化をつけやすい釣り用仕掛けを提供する。
【解決手段】ここで提案される釣り用仕掛け10は、幹糸12と、幹糸12に間隔を空けて取り付けられている複数のハリス16とを備えている。幹糸12は、幹糸の平均直径よりも太い大径部と、幹糸の平均直径よりも細い小径部とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹糸と、
前記幹糸に間隔を空けて取り付けられている複数のハリスと
を備え、
前記幹糸は、
前記幹糸の平均直径よりも太い大径部と、
前記幹糸の平均直径よりも細い小径部と
を有する、釣り用仕掛け。
【請求項2】
前記大径部は前記幹糸の上部に設けられ、前記小径部は前記幹糸の下部に設けられている、請求項1に記載された釣り用仕掛け。
【請求項3】
前記幹糸は、太さの異なる複数の糸から構成されている、請求項1または2に記載された釣り用仕掛け。
【請求項4】
前記複数の糸は、前記幹糸の、前記複数のハリスが取り付けられている範囲の中間よりも下方で連結されている、請求項3に記載された釣り用仕掛け。
【請求項5】
前記小径部に取り付けられた前記ハリスは、前記大径部に取り付けられた前記ハリスよりも細い、請求項3または4に記載された釣り用仕掛け。
【請求項6】
前記小径部に取り付けられた前記ハリスの間隔は、前記大径部に取り付けられた前記ハリスの間隔よりも狭い、請求項3~5のいずれか一項に記載された釣り用仕掛け。
【請求項7】
前記複数の糸は、電車結びによって連結されている、請求項3~6のいずれか一項に記載された釣り用仕掛け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用仕掛けに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-93810号公報には、ワカサギ等の小魚を釣るための釣り用仕掛けとして、幹糸と、当該幹糸に複数のハリスが取り付けられた釣り用仕掛けが開示されている。かかる釣り用仕掛けは、上端が支持基部により支持され、かつ下端で錘を支持する幹糸部と、この幹糸部における複数の異なる中途位置に、先端に釣針を設けた複数のハリス部の後端をそれぞれ結合してなる。この釣り用仕掛けにおいて、ハリス部における糸径Dhと幹糸部における糸径Dmは、Dh>Dmの関係を満たすように設定されている。同公報によれば、かかる釣り用仕掛けは、魚を誘う小刻みな動きが作りやすく、また、ハリス部が幹糸部に絡む不具合が低減できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-93810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、釣り用仕掛けのハリスには釣り針が取り付けられ、釣り針には釣り餌が取り付けられる。ワカサギ釣りでは、例えば、釣り餌が取り付けられた釣り用仕掛けを水中に落とした状態で当該釣り用仕掛けを上下に動かしてワカサギを誘う。その際、繊細な餌の動きが要求される。例えば、幹糸の上部に取り付けられた餌と下部に取り付けた餌とで餌の動きを合わせる等、餌の動きを工夫したい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで提案される釣り用仕掛けは、幹糸と、幹糸に間隔を空けて取り付けられている複数のハリスとを備えている。幹糸は、幹糸の平均直径よりも太い大径部と、幹糸の平均直径よりも細い小径部とを有している。
ここで提案される釣り用仕掛けによれば、釣り針に取り付けられた餌の動きに変化を生じさせやすい。
【0006】
大径部は幹糸の上部に設けられ、小径部は幹糸の下部に設けられていてもよい。幹糸は、太さの異なる複数の糸から構成されていてもよい。複数の糸は、幹糸の、複数のハリスが取り付けられている範囲の中間よりも下方で連結されていてもよい。小径部に取り付けられたハリスは、大径部に取り付けられたハリスよりも細くてもよい。小径部に取り付けられたハリスの間隔は、大径部に取り付けられたハリスの間隔よりも狭くてもよい。複数の糸は、電車結びによって連結されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、ここで提案される釣り用仕掛け10の模式図である。
図2図2は、ここで提案される釣り用仕掛け10aの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ここで提案される釣り用仕掛けの一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、同一の作用を奏する部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
ここでは、一例としてワカサギ釣り用の仕掛けを挙げて説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。ここで提案される釣り用仕掛けは、ワカサギ釣り用の仕掛けに限定されず、種々の用途の釣り用仕掛けに適用される。このため、幹糸やハリスの太さや長さなどは、種々の変更が可能である。
【0010】
図1は、ここで提案される釣り用仕掛け10の模式図である。
釣り用仕掛け10は、道糸20を介して釣竿に取り付けられる。この実施形態では、釣り用仕掛け10の幹糸12の上端には、ハリス止め22が取り付けれている。幹糸12の上端に取り付けられたハリス止め22に道糸20が取り付けられる。釣り用仕掛け10の幹糸12の下端には、釣り用仕掛け10を水中に落とすための錘が取り付けられる。この実施形態では、釣り用仕掛け10の幹糸12の下端には、スナップ24が取り付けられている。釣り用仕掛け10には、スナップ24を介して錘が取り付けられる。錘には、下針が取り付けられていてもよい。なお、幹糸12の上端および下端に取り付けられる部品は特に制限されない。幹糸12の上端や下端に取り付けられる部品としては、ハリス止めやスナップの他に、例えば、サルカン等が用いられうる。
【0011】
ここで提案される釣り用仕掛け10は、幹糸12と、複数のハリス16とを備えている。幹糸12は、幹糸12の平均直径よりも太い大径部と、幹糸12の平均直径よりも細い小径部とを有している。この実施形態では、幹糸12は、太さの異なる複数の糸12a,12bから構成されている。糸12aは、幹糸12の大径部を構成している。糸12bは、幹糸12の小径部を構成している。糸12a,12bは、連結部14で連結されている。糸12aおよび糸12bとしては、例えば、ナイロン製、PE製、ポリエステル製、フロロカーボン製等の糸が用いられうる。この実施形態では、糸12a,12bとして、ナイロン製の糸が用いられている。このように、太さの異なる糸12a,12bを用いることによって、幹糸12の構成を容易に変更することができる。
【0012】
上述した実施形態では、幹糸12は、糸12a,12bから構成されていたが、かかる形態に限定されない。幹糸12は、例えば、太さの異なる3本以上の糸から構成されていてもよい。また、幹糸12の太さの構成等は、目的とする魚を誘いやすい餌の動きに応じて適宜設定されうる。例えば、幹糸12の上部よりも下部を太い構成としてもよい。
【0013】
この実施形態では、大径部は幹糸12の上部に設けられ、小径部は幹糸12の下部に設けられている。つまり、糸12aは、幹糸12の上部に設けられている。糸12bは、幹糸12の下部に設けられている。以下、適宜、糸12aを上糸12aと称し、糸12bを下糸12bと称する。幹糸12は、連結部14よりも上部の上糸12aと比較して、連結部14よりも下部の下糸12bが細くなっている。上糸12aおよび下糸12bの太さは特に限定されないが、ワカサギ釣りにおいて、上糸12aとしては、0.2号~0.4号の糸が用いられることが多く、例えば、0.25号~0.3号の糸が用いられうる。下糸12bとしては、0.125号~0.25号の糸が用いられることが多く、例えば、0.175号~0.2号の糸が用いられうる。上糸12aに対する下糸12bの太さは特に限定されないが、0.6~0.95程度であってもよく、例えば、0.7~0.9程度であってもよい。この実施形態では、上糸12aとしては0.3号の糸が用いられている。下糸12bとしては、0.2号の糸が用いられている。幹糸12に用いられる糸の種類や太さは、上述のものに限定されず、種々の変更が可能である。
【0014】
糸12a,12bは、幹糸12の、複数のハリス16が取り付けられている範囲の中間よりも下方で連結されている。連結部14の構成は特に限定されず、種々の方法で太さの異なる複数の上糸12aと下糸12bとを連結させてもよい。釣り用仕掛け10を上下に動かした時に自然な動きをさせる観点から、連結部14は軽い方がよい。また、連結部14は、釣り針18が連結部14に絡むことを防ぐ観点から、シンプルな構成であることが好ましい。例えば、連結部14では、上糸12aと下糸12bを結び合わせて連結させることが好ましい。連結部14での上糸12aと下糸12bの結び方は特に限定されないが、例えば、電車結び、サージャンノット、ブラッドノット等が例示される。ここでは、太さが異なる糸12a,12bを結び合わせやすく、かつ、結び目が細くなりやすい、電車結びが好ましく採用されうる。この実施形態では、連結部14では、上糸12aと下糸12bが電車結びによって連結されている。
【0015】
幹糸12には、複数のハリス16が間隔を空けて取り付けられている。ハリス16は、先端に釣り針18が取り付けられる糸である。釣り針18は、チモト17を介してハリス16に取り付けられる。ハリス16としては、例えば、幹糸12に使用された糸と同種の糸を用いることができる。この実施形態では、ハリス16として、ナイロン製の糸が用いられている。ハリス16の数は特に限定されず、例えば、ワカサギ釣りにおいては5本~15本程度でありうる。この実施形態では、幹糸12には、6本のハリス16が取り付けられている。上糸12aには、3本のハリス16aが取り付けられている。ハリス16aの長さは、約3.5cmである。下糸12bには、3本のハリス16bが取り付けられている。ハリス16bの長さは、約3cmである。上糸12aに取り付けられたハリス16aは、0.2号の糸である。下糸12bに取り付けられたハリス16bは、0.175号の糸である。つまり、下糸12bに取り付けられたハリス16bは、上糸12aに取り付けられたハリス16aよりも細くなっている。ハリス16の太さは、ターゲットとする魚や、使用する釣り針等に応じて適宜変更してもよい。
【0016】
この実施形態では、幹糸12の全長は約80cmである。上糸12aに取り付けられたハリス16aのうち、一番下のハリス16aは、連結部14から約6cm上方に取り付けられている。上糸12aに取り付けられたハリス16aの間隔は、約14cmである。下糸12bに取り付けられたハリス16bのうち、一番上のハリス16bは、連結部14から約6cm下方に取り付けられている。下糸12bに取り付けられたハリス16bの間隔は、約11cmである。この実施形態では、下糸12bに取り付けられたハリス16bの間隔は、上糸12aに取り付けられたハリス16aの間隔よりも狭くなっている。
【0017】
以上のように、ここで提案される釣り用仕掛け10の幹糸12は、幹糸12の平均直径よりも太い大径部(ここでは、糸12a)と、幹糸12の平均直径よりも細い小径部(ここでは、糸12b)とを有している。かかる釣り用仕掛けによれば、釣り針に取り付けられた餌の動きに変化を生じさせやすい。それによって、釣果の改善が期待される。
【0018】
この実施形態では、大径部は幹糸12の上部に設けられ、小径部は幹糸12の下部に設けられている。そのため、幹糸12の重心が上端側に近くなっている。かかる構成によって、ワカサギを誘うために釣り用仕掛け10を水中に落とした状態で上下に動かす際に、幹糸12がたわむような動きが起こりにくい。これによって、幹糸12の上部と下部とで、取り付けられた釣り餌の動きに差が出にくく、ワカサギを誘いやすい。また、上糸12aが太くなっていることによって、例えば、複数のワカサギが釣れた際に大きな荷重がかかる幹糸12上部が切れにくい。
【0019】
また、幹糸12は、複数のハリス16が取り付けられている範囲の中間よりも下方で連結されている。これによって、幹糸12全体の重心位置が調整され、釣り用仕掛け10を上下に動かす際の操作性が良くなる。
【0020】
下糸12bに取り付けられたハリス16bは、上糸12aに取り付けられたハリス16aよりも細い。また、下糸12bに取り付けられたハリス16bの間隔は、上糸12aに取り付けられたハリス16aの間隔よりも狭い。これによって、釣竿を上下に動かす際に、ハリス16a,16bを上糸12aと下糸12bの動きと連動させやすくなる。
【0021】
図2は、ここで提案される釣り用仕掛け10aの模式図である。
図2に示されている実施形態では、幹糸として、上端から下端にかけて徐々に糸が細くなっている、いわゆるテーパ状の幹糸13が用いられている。幹糸13は、連結部14(図1参照)を有さず、一本の糸から構成されている。この実施形態では、幹糸13において、幹糸13の平均直径よりも太い上部の部位が大径部を構成し、幹糸13の平均直径よりも細い下部の部位が小径部を構成する。かかる釣り用仕掛け10aによっても、上述したように、釣り用仕掛け10と同様、餌の動きに変化を生じさせることができる。
【0022】
以上、ここで提案される釣り用仕掛けの実施形態を説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。ここに開示される発明には上記の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。釣り用仕掛けの各構成は、特に言及されない場合には、設けられていなくてもよい。また、さらに付加的な要素が設けていてもよい。
【符号の説明】
【0023】
10 釣り用仕掛け
12,13 幹糸
12a 糸(上糸)
12b 糸(下糸)
14 連結部
16,16a,16b ハリス
18 釣り針
20 道糸
22 ハリス止め
24 スナップ
図1
図2