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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018554
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】スカイビング加工用工具
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/16 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
B23B27/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121735
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503212652
【氏名又は名称】住友電工ハードメタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】大嵩 吉文
(72)【発明者】
【氏名】上久保 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】上園 陽
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046AA00
3C046EE13
(57)【要約】
【課題】被削材の加工部に形成されるテーパ形状を低減できる、スカイビング加工用工具を提供する。
【解決手段】チップ16をホルダ14に取り付けるときには、チップ押え部材18によってチップ16のクランプ面32が押し付けられる。ここで、クランプ面32が刃部40からチップ側基準面26に向かうほど側壁当接面30からの距離が長くなる方向に傾斜しているため、クランプ面32がチップ押え部材18によって押し付けられると、チップ16にはチップ側基準面26側に向かって作用する荷重F2が作用する。従って、チップ側基準面26がホルダ14の溝22を形成する底壁面22aに押し付けられるため、チップ16がホルダ14に対して傾くことが抑制される。その結果、回転軸12の表面に形成されるテーパ形状が抑制されることとなる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃部が設けられているチップと、該チップを収容する溝が形成されたホルダと、前記チップを前記ホルダの前記溝に固定するためのチップ押え部材と、を備えるスカイビング加工用工具であって、
前記チップは、直方体状または立方体状に形成され、
前記チップは、前記ホルダに取り付けられた状態で前記ホルダの前記溝に形成される底壁面に当接するチップ側基準面と、前記チップ側基準面に対して背面側に位置し、被削材と対向する対向面と、前記ホルダに取り付けられた状態で前記ホルダの前記溝を形成する一対の側壁面の一方に当接する側壁当接面と、前記側壁当接面の背面側に位置し、前記ホルダに取り付けられた状態で前記チップ押え部材に当接するクランプ面と、前記チップ側基準面に対して直角に形成されたチップ側直角面と、を含み、
前記刃部は、前記対向面と前記クランプ面との角部に沿って長手状に設けられ、
前記チップの前記クランプ面は、前記刃部から前記チップ側基準面に向かうほど、前記側壁当接面からの距離が長くなる方向に傾斜し、
前記チップ押え部材には、前記ホルダに取り付けられた状態において前記チップの前記クランプ面に当接するチップ押え面が形成され、
前記ホルダには、前記チップの前記チップ側直角面に当接するホルダ側直角面が形成されている
ことを特徴とするスカイビング加工用工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スカイビング加工用工具の加工精度向上に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼部品の研磨仕上げ加工は、研削盤を使った研削加工が行われていた。研削加工とは、図8に示すように、砥石100と被削材102とをそれぞれ回転させながら、砥石100に微小な切り込みを与えて被削材102を削る方法である。研削加工は、設備が高額で加工時間が長く、設備の維持にも多額の費用と技術力とが必要になるなど課題が多かった。これに対して、研削加工の効率化を考慮し、スカイビング加工を用い、研削加工並の高い精度と高い効率を実現することが提案されている。特許文献1に記載のスカイビング加工がそれである。特許文献1には、スカイビング加工に関する技術が開示されている。スカイビング加工とは、図9に示すように、バイト104を用いて被削材106を削り加工するものであり、被削材106に向かってバイト104を送ることで、バイト104の先端に取り付けられているチップ108によって被削材106を切削する加工技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-65218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図9において、チップ108を固定するホルダ110に対してチップ108が傾いた状態でスカイビング加工されると、被削材106の加工部にテーパ形状が生じ、加工精度が悪化する虞があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、被削材の加工部に形成されるテーパ形状を低減できる、スカイビング加工用工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の要旨とするところは、(a)刃部が設けられているチップと、そのチップを収容する溝が形成されたホルダと、前記チップを前記ホルダの前記溝に固定するためのチップ押え部材と、を備えるスカイビング加工用工具であって、(b)前記チップは、直方体状または立方体状に形成され、(c)前記チップは、前記ホルダに取り付けられた状態で前記ホルダの前記溝に形成される底壁面に当接するチップ側基準面と、前記チップ側基準面に対して背面側に位置し、被削材と対向する対向面と、前記ホルダに取り付けられた状態で前記ホルダの前記溝を形成する一対の側壁面の一方に当接する側壁当接面と、前記側壁当接面の背面側に位置し、前記ホルダに取り付けられた状態で前記チップ押え部材に当接するクランプ面と、前記チップ側基準面に対して直角に形成されたチップ側直角面と、を含み、(d)前記刃部は、前記対向面と前記クランプ面との角部に沿って長手状に設けられ、(e)前記チップの前記クランプ面は、前記刃部から前記チップ側基準面に向かうほど、前記側壁当接面からの距離が長くなる方向に傾斜し、(f)前記チップ押え部材には、前記ホルダに取り付けられた状態において前記チップの前記クランプ面に当接するチップ押え面が形成され、(g)前記ホルダには、前記チップの前記チップ側直角面に当接するホルダ側直角面が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1発明のスカイビング加工用工具によれば、チップがチップ押え部材によってホルダに取り付けられた状態において、チップに形成される、チップ側基準面、側壁当接面、およびチップ側直角面の3面がホルダに当接し、さらに、チップのクランプ面が刃部からチップ側基準面に向かうほど、側壁当接面からの距離が長くなる方向に傾斜し、チップ押え部材には、ホルダに取り付けられた状態においてチップのクランプ面に当接するチップ押え面が形成されているため、チップがホルダに対して傾くことが抑制される。その結果、チップのホルダに対する傾きに起因して被削材に形成される、テーパ形状が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明が適用されたスカイビング加工用工具の全体構造を示す斜視図である。
図2図1のスカイビング加工用工具を矢印D方向から見た図である。
図3】ホルダの溝に収容されるチップおよびチップ押え部材の構造を示す斜視図である。
図4図3のチップの形状を示す投影図である。
図5】ホルダにチップおよびチップ押え部材が取り付けられるとき、チップにかかる荷重の関係を示す図である。
図6】スカイビング加工用工具を用いて加工した回転軸の円筒度を測定した測定結果を示す図である。
図7】従来構造のチップの形状を示す投影図である。
図8】従来技術である砥石を使った研削加工の概要を説明する図である。
図9】スカイビング加工の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例0010】
図1は、本発明が適用されたスカイビング加工用工具10の全体構造を示す斜視図である。また、図2は、図1のスカイビング加工用工具10を矢印D方向から見た図である。
【0011】
スカイビング加工は、回転軸線CLを中心にして回転している被削材としての回転軸12に対して、スカイビング加工用工具10を矢印Xに示す方向すなわち回転軸12に向かう方向に移動させ、スカイビング加工用工具10に設けられているチップ16を押し当てることで、回転軸12の表面を切削する加工方向である。
【0012】
スカイビング加工用工具10は、ホルダ14と、ホルダ14に取り付けられるチップ16と、チップ16をホルダ14に固定するためのチップ押え部材18と、を備えている。
【0013】
ホルダ14はL字状に形成されている。ホルダ14は、長手状に形成された本体部14aと、チップ16およびチップ押え部材18が取り付けられるチップ固定部14bと、から構成されている。本体部14aは、ホルダ14のL字形状の長辺を形成し、チップ固定部14bは、ホルダ14のL字形状の短辺を形成している。
【0014】
本体部14aは、断面が四角の長手状の部材であり、長手方向でチップ固定部14bと反対側が、図示しない固定機構によって固定される。
【0015】
チップ固定部14bは、本体部14aの長手方向の端部に設けられ、本体部14aの長手方向に対して直角に伸びている。
【0016】
スカイビング加工用工具10および回転軸12が図示しない加工機に取り付けられた状態において、チップ固定部14bの回転軸12に対向する面20には、チップ16およびチップ押え部材18を収容するための溝22が形成されている。溝22は、断面がU字形状を有し、回転軸12の回転軸線CLに対して所定角だけ傾斜するようにして伸びている。溝22は、U字形状の底部を形成する底壁面22a(図1参照)と、互いに向かい合う一対の側壁面22b、22c(図2参照)とから形成されている。
【0017】
溝22には、刃部40が設けられているチップ16およびチップ押え部材18が収容された状態で固定されている。図3は、溝22に収容されるチップ16およびチップ押え部材18の構造を示す斜視図である。チップ押え部材18には、ネジ穴25が形成されており、チップ押え部材18は、そのネジ穴25に螺合するネジ24によってホルダ14に固定される。また、チップ16も同様に、チップ押え部材18によって押し付けられるようにしてホルダ14に固定される。
【0018】
図4は、チップ16の形状を説明する投影図である。図4(a)が、図3においてチップ16を矢印E方向に見たときの正面図に対応し、図4(b)が、図4(a)を正面図としたときの上面図に対応し、図4(c)が、図4(a)を正面図としたときの側面図に対応している。
【0019】
図4に示すようにチップ16は、直方体状に形成されている。図4に示す面26が、ホルダ14に取り付けられた状態で、ホルダ14の溝22を形成する底壁面22aに当接するチップ側基準面26に対応している。
【0020】
図4に示す面28が、チップ側基準面26に対して背面側に位置し、ホルダ14に取り付けられた状態で回転軸12と対向する対向面28に対応している。
【0021】
図4に示す面30が、ホルダ14に取り付けられた状態でホルダ14の溝22を形成する側壁面22cに当接する側壁当接面30に対応している。なお、側壁面22cが、前記ホルダの前記溝を形成する一対の側壁面の一方に対応している。
【0022】
図4に示す面32が、側壁当接面30の背面側に位置し、ホルダ14に取り付けられた状態でチップ押え部材18に当接するクランプ面32に対応している。
【0023】
図4に示す面34が、ホルダ14に取り付けられた状態でホルダ14に形成されるホルダ側直角面36(図2参照)に当接する、チップ側直角面34に対応している。チップ側直角面34は、チップ側基準面26に対して直角に形成されている。また、ホルダ側直角面36は、チップ16がホルダ14に取り付けられた状態で、チップ側直角面34に当接するように形成されている。
【0024】
対向面28とクランプ面32とが接する長手状の角部には、その角部に沿って長手状に形成された刃部40が設けられている。刃部40は、例えばCBN結晶体から構成されている。刃部40は、チップ側基準面26に対して平行に配置されている。すなわち、刃部40は、長手方向が回転軸12の回転軸線CLに対して平行になるように配置されている。刃部40は、クランプ面32側に位置するすくい面40a、対向面28側に位置する逃げ面40b、およびすくい面40aと逃げ面40bとの交線を形成する切れ刃40cからなる。
【0025】
また、クランプ面32は、刃部40からチップ側基準面26に向かって傾斜している。具体的には、クランプ面32は、刃部40からチップ側基準面26に向かうほど、側壁当接面30からの距離が長くなる方向に傾斜角θだけ傾斜している。すなわち、クランプ面32は、ホルダ14に取り付けられた状態において、刃部40からチップ側基準面26に向かうほど、チップ押え部材18側に向かう方向に傾斜角θだけ傾斜している。
【0026】
図5は、ホルダ14にチップ16およびチップ押え部材18が取り付けられるとき、チップ16にかかる力の関係を示している。チップ押え部材18のネジ穴25にネジ24が螺合されることで、チップ押え部材18がネジ24の螺合する方向に押し付けられる。このとき、チップ押え部材18に形成されているチップ押え面42がチップ16のクランプ面32を押圧する。なお、チップ押え面42は、チップ押え部材18がホルダ14に取り付けられた状態でチップ16のクランプ面32に当接するように、クランプ面32と同じ傾斜角θで傾斜している。
【0027】
図5に示すように、チップ押え部材18のチップ押え面42がチップ16のクランプ面32を押圧することで、チップ16にはクランプ面32に対して垂直な荷重Fが作用する。ここで、クランプ面32が傾斜角θだけ傾斜しているため、荷重Fが、側壁当接面30に対して垂直な荷重F1(=F×cosθ)、および、チップ側基準面26に対して垂直な荷重F2(=F×sinθ)に分解される。従って、チップ16は、ホルダ14の溝22に形成される底壁面22aをチップ側基準面26で押圧するとともに、溝22に形成される側壁面22cを側壁当接面30で押圧する。
【0028】
このように、チップ16に荷重F2が作用することで、チップ側基準面26がホルダ14の底壁面22aに押し付けられるため、チップ16をホルダ14に取り付けるとき、チップ側基準面26が溝22の底壁面22aに対して傾くことが抑制される。また、チップ16に荷重F1が作用することで、側壁当接面30がホルダ14の側壁面22cに押し付けられる。さらに、チップ16がホルダ14に取り付けられた状態で、チップ16のチップ側直角面34が、ホルダ14のホルダ側直角面36に当接させられる。従って、チップ16は、ホルダ14に取り付けられた状態で、チップ側基準面26、側壁当接面30、およびチップ側直角面34の3面で保持されることとなり、チップ16がホルダ14に対して傾くことが好適に抑制される。その結果、チップ16がホルダ14に対して傾くことで形成される、回転軸12のテーパ形状が抑制され、高精度の加工が可能になる。なお、クランプ面32に形成される傾斜角θは、予め実験的または設計的に求められ、チップ16をホルダ14に取り付けるときに、チップ16のホルダ14に対する傾きを抑制できる荷重F2を発生させることができる大きさに設定されている。
【0029】
図6は、スカイビング加工用工具10を用いて加工した回転軸12の円筒度を測定した測定結果を示している。図6において、横軸が加工数N(個)を示しており、縦軸が加工後の回転軸12の円筒度Cs(μm)を示している。試験では、3種類のチップを使用し、加工数Nとしてそれぞれ10個の回転軸12を加工した。
【0030】
図6において、「□」が、図7に示す比較チップ50を用いて回転軸12を加工したときの回転軸12の円筒度Csの測定結果を示している。比較チップ50は、図7に示すように、クランプ面52が傾斜していない比較対象としてのチップである。また、「△」が、本実施例のチップ16と同じ形状のテストチップ16Aを用いて回転軸12を加工したときの回転軸12の円筒度Csの測定結果を示している。また、「○」が、本実施例のチップ16と同じ形状のテストチップ16Bを用いて回転軸12を加工したときの回転軸12の円筒度Csの測定結果を示している。なお、テストチップ16Aおよびテストチップ16Bは、チップ16の寸法が異なっている。詳細には、図4に示す刃部40の長手方向の寸法Lが異なり、テストチップ16Aの方が、テストチップ16Bよりも刃部40の長手方向の寸法が長くなっている。
【0031】
図6に示すように、本実施例のテストチップ16A、16Bで加工した回転軸12の円筒度Csの方が、比較チップ50で加工した回転軸12の円筒度Csに比べて値が小さくなっている。すなわち、テストチップ16A、16Bの方が比較チップ50に比べて円筒度Csの精度が高くなった。また、テストチップ16A、16Bの方が、比較チップ50に比べて円筒度Csのバラツキ(標準偏差)も小さくなった。
【0032】
比較チップ50では、図7に示すようにクランプ面52が傾斜していないため、チップ側基準面54がホルダ14の溝22の底壁面22aに向かって押し付けられる方向の荷重F2が作用しない。その結果、比較チップ50がホルダ14に対して傾いた状態で取り付けられやすくなることで、円筒度Csが大きくなり、回転軸12毎の円筒度Csのバラツキも大きくなる。これに対して、テストチップ16A、16Bでは、クランプ面32が傾斜して形成されることで、チップ側基準面26がホルダ14の溝22の底壁面22aに向かって押圧する荷重F2が作用する。その結果、テストチップ16A、16Bがホルダ14に対して傾いた状態で取り付けられることが抑制されるため、円筒度Csが小さくなり、回転軸12毎の円筒度Csのバラツキも小さくなる。
【0033】
上述のように、本実施例によれば、チップ16をホルダ14に取り付けるときには、チップ押え部材18によってチップ16のクランプ面32が押し付けられる。ここで、クランプ面32が刃部40からチップ側基準面26に向かうほど側壁当接面30からの距離が長くなる方向に傾斜しているため、クランプ面32がチップ押え部材18によって押し付けられると、チップ16にはチップ側基準面26側に向かって作用する荷重F2が作用する。従って、チップ側基準面26がホルダ14の溝22を形成する底壁面22aに押し付けられるため、チップ16がホルダ14に対して傾くことが抑制される。また、チップ16が、チップ側基準面26、側壁当接面30、およびチップ側直角面34の3面で保持されることで、チップ16がホルダ14に対して傾くことが好適に抑制される。その結果、回転軸12の表面に形成されるテーパ形状が抑制されることとなる。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0035】
例えば、前述の実施例では、チップ16が直方体状に形成されるものであったが、本発明は必ずしも直方体状に限定されない。例えば、チップが立方体状に形成されるものであっても構わない。
【0036】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
10:スカイビング加工用工具
12:回転軸(被削材)
14:ホルダ
16:チップ
18:チップ押え部材
22:溝
22a:底壁面
22b、22c:側壁面
26:チップ側基準面
28:対向面
30:側壁当接面
32:クランプ面
34:チップ側直角面
36:ホルダ側直角面
40:刃部
42:チップ押え面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9