(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185541
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】玩具セット
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20221207BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20221207BHJP
A63H 18/02 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A63H33/00 A
A63H33/00 Z
A63H33/22 Z
A63H18/02 C
A63H18/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093309
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】福原 進之介
(72)【発明者】
【氏名】村上 寛子
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA25
2C150DG01
2C150EB04
(57)【要約】
【課題】玩具セットの興趣性を向上させる。
【解決手段】第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部1と第2構成部2とを含む玩具セットであって、第1構成部1は、第1物品が第1構成部1上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部17を備え、第2構成部2は、信号を受ける受信部と、受信部で信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、動作部は、発信部17が発した信号を受信部が受けたことに応じて、第2構成部2上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させる、
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットであって、
前記第1構成部は、前記第1物品が前記第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、
前記第2構成部は、前記信号を受ける受信部と、前記受信部で前記信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、
前記動作部は、発信部が発した前記信号を前記受信部が受けたことに応じて、前記第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させる、玩具セット。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記信号は、光信号であり、
前記発信部は、発光部であり、
前記受信部は、受光部である、玩具セット。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具セットにおいて、
前記発光部は、前記第1構成部の使用状態において、前記光信号を照射する方向を変更可能である、玩具セット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部の高さおよび前記第2構成部の高さを調整可能な第1組立要素をさらに有し、
前記第1組立要素は、前記第1構成部および前記第2構成部のそれぞれが有する被連結部と連結可能な連結部を備え、
使用状態において、前記連結部と、前記第1構成部および前記第2構成部の少なくとも一方の前記被連結部とを連結することで、前記第1位置および前記第2位置の少なくとも一方の高さを変更可能である、玩具セット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1物品および前記第2物品が移動可能な軌道を有する第2組立要素をさらに有し、
前記第2組立要素は、前記第1位置に隣接する位置に配置することで、前記第1位置に前記第1物品を移動可能な移動経路を構成し、前記第2位置に隣接する位置に配置することで、前記第2位置から前記第2物品を移動可能な移動経路を構成する、玩具セット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1物品および前記第2物品は、転動により移動可能な球体である、玩具セット。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記信号は、赤外光である、玩具セット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部は、第1本体部と、前記第1本体部に対する方向を変更可能な第1可動部とを備え、
前記発信部は、前記第1可動部に設けられている、玩具セット。
【請求項9】
請求項8に記載の玩具セットにおいて、
前記第1可動部は、基部と、前記基部上に設けられた形象部とを有し、
前記発信部は、前記基部に設けられ、
前記形象部は、前記発信部から発信される前記信号の発信方向を示す部位を有する、玩具セット。
【請求項10】
請求項8に記載の玩具セットにおいて、
前記第1可動部は、前記第1本体部を所定の載置面上に載置したときの前記載置面内における方向を変更可能な第2可動部と、前記載置面に対する角度を変更可能な第3可動部とを含む、玩具セット。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具セットにおいて、
前記第2可動部は、前記第1本体部に接続され、前記第3可動部は、前記第2可動部上に設けられる、玩具セット。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、第2本体部と、前記第2本体部に対して変位可能な変位部とを備え、
前記受信部は、前記第2本体部に設けられている、玩具セット。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、前記受信部での前記信号の受信を通知する通知部を備えている、玩具セット。
【請求項14】
請求項13に記載の玩具セットにおいて、
前記通知部は、前記第2本体部上で前記受信部の近傍であって、視認可能な位置に配置されている、玩具セット。
【請求項15】
請求項12に記載の玩具セットにおいて、
前記変位部は、前記受信部で前記信号を受信したことに応じて変位する、玩具セット。
【請求項16】
請求項9に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、第2本体部と、前記第2本体部に対して変位可能な変位部とを備え、
前記受信部は、前記第2本体部に設けられ、
前記発信方向を示す部位が前記変位部の方向を向いている配置関係において、
前記受信部は、前記基部から発信される前記信号を受信可能である、玩具セット。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第2本体部は、前記第2物品を収容する収容部を有し、
前記第2物品は、前記収容部への収容状態において前記第2位置に載置された状態であり、
前記収容部は、前記受信部で前記信号を受信したことに応じて前記第2物品を前記収容部の外に移動可能に変位する、玩具セット。
【請求項18】
請求項17に記載の玩具セットにおいて、
前記収容部は、前記第2本体部内に配置され、
前記第2物品は、前記収容部への収容状態において視認不可能である、玩具セット。
【請求項19】
請求項1~7のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部と前記第2構成部とは、互いに離間した状態で使用する、玩具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は玩具セットに関し、特に、第1物品が第1構造体の第1位置に移動したことに応じて、第2構造体の第2位置から第2物品を移動させる玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の移動を可能にするための移動経路を有する玩具セットが流通している。例えば特許文献1には、それぞれ軌道部を有する複数の組立要素によって、様々な移動経路を構築できる玩具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、物品の移動経路を構築するための組立要素が開示されているのみであり、玩具セットの移動経路を構築する遊戯上の興趣性をさらに向上することが求められる。
【0005】
そこで、本発明の主な目的は、玩具セットの興趣性を向上させることにある。
【0006】
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
一実施の形態における収容玩具は、第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットである。ここで、第1構成部は、第1物品が第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、第2構成部は、信号を受ける受信部と、受信部で信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、動作部は、発信部が発した信号を受信部が受けたことに応じて、第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させる。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、玩具セットの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態における玩具セットを示す斜視図である。
【
図2】実施の形態における玩具セットを示す斜視図である。
【
図3】実施の形態における玩具セットを示す斜視図である。
【
図4】実施の形態における第1構成部を示す平面図である。
【
図5】実施の形態における第2構成部の一部を破断して示す側面図である。
【
図6】実施の形態における第2構成部の一部を破断して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0012】
<玩具セットの構成>
以下に
図1~
図3を用いて、実施の形態における玩具セットついて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施の形態の玩具セットは、互いに離間して配置された状態で使用可能な、第1構成部1および第2構成部2を有している。なお、ここでは、第1構成部1および第2構成部2が載置されている載置面に沿い、互いに直交する方向のそれぞれをX方向およびY方向とし、X方向およびY方向に対して直行する高さ方向をZ方向として説明する。
図1~
図3では、第2構成部2が第1構成部1から発信されたが信号を受信する前の状態を示している。
【0013】
第1構成部1は、本体部10と、本体部10に固定された軌道15と、本体部10に対する方向を変更可能な可動部11を備えている。可動部11は、本体部10を上記載置面上に載置したときの載置面内における方向を変更可能な可動部12と、載置面に対する角度を変更可能な可動部13とを含んでいる。具体的には、可動部12は本体部10に接続され、本体部10に対し、Z方向に沿う軸を中心として回転可能な台であり、可動部12の上面は、載置面と平行となる。可動部13は、可動部12の上面に設置され、可動部12の上面に対し仰角方向および俯角方向において角度を変更可能な基部であり、当該基部上には、例えば人間の形を有する形象部3が可動部13に固定されて設けられている。
【0014】
可動部(基部)13は、信号を発信する発信部17を備えている。この信号は、例えば可動部13内のLED(Light Emitting Diode)などの光源から照射される光信号である。つまり、発信部17は発光部である。ここでは、光信号として赤外光(赤外線)を用いる。形象部3は、信号が発信される向き(例えば光信号が照射される向き)に沿う方向に延在する筒状の方向指示部(発信方向を示す部位)3aを備えている。これにより、玩具セットの使用者は、方向指示部3aの向きを見ることで、信号が発信されるおおよその向きを判別できる。使用者は、可動部12、13を用いて発信部17の向きを変更可能であり、これにより光信号を照射する向きを変更できる。
【0015】
軌道15は、断面における表面が弧を描く溝状の軌道面を有しており、軌道面はY方向に延在している。軌道15は、球状の物品40(
図3参照)が転動する移動経路の一部を構成するものである。軌道面は、例えば半円筒状のような溝であり、物品40が移動するための十分な幅を有する。なお、後述する軌道25および組立要素30は、軌道15と同様に半円筒状の軌道面を有している。物品40は、例えば軌道上を転動により移動可能な球体である。
【0016】
軌道15は、軌道15の端部であって可動部12側の端部に、受入部5を有している。以下では、受入部5に対応する位置を第1位置と呼ぶ場合がある。軌道15の当該端部には、軌道15の延在方向に対して垂直な壁状の面を備えた押込部16が設けられており、軌道15上を移動した物品40は、押込部16に接触して停止する。軌道15は載置面に沿う方向に延在していてもよいが、物品40が可動部12側へ転動するように、可動部12側へ下る斜面を有していてもよい。
【0017】
第2構成部2は、本体部20と、本体部20の側面のうちの背面側の側面に固定された軌道25と、本体部20の側面のうち、背面側とは反対の正面側の側面に設けられた受信部21と、受信部21の近傍の通知部22とを備えている。第2構成部2は、第1構成部1と離間した位置において、受信部21を発信部17と対向させるように配置して使用される。第2構成部2は、本体部20の上面に、本体部20に対して変位可能な変位部4と、穴7とを有している。変位部4は、穴7よりも本体部20の正面側に配置されている。変位部4は、受信部21が発信部17から発信された信号を受信したことに応じて本体部20の背面側に倒れる。通知部22は、例えば、本体部20の上面において、変位部4よりも正面側に配置されたLEDなどの発光部であり、受信部21が発信部17から発信された信号を受信したことに応じて発光し、使用者に信号の受信を知らせる役割を有する。このため通知部22は、本体部20上で受信部21の近傍であって、使用者に視認可能な位置に配置されていることが好ましく、本実施の形態においては、上を向く方向(Z方向)に向いて発光するように設けられている。変位部4は、例えば上部に円板状の的のような形象部を備えている。
【0018】
穴7は、本体部20内の収容部6に物品41(
図3参照)を入れるために設けられており、本体部20の背面(側面)には、軌道25に収容部6内の物品41を放出するための穴8が設けられている。以下では、収容部6内に対応する位置を第2位置と呼ぶ場合がある。収容部6内に物品41が収容された状態では、穴8は収容部6の一部である遮蔽部6bにより塞がっており、穴8から本体部20内を見ることはできない。つまり、物品41は、収容部6への収容状態において視認不可能である。物品41は、収容部6への収容状態において第2位置に載置された状態であり、収容部6は、受信部21で信号を受信したことに応じて物品41を収容部6の外に移動可能に変位し、これにより、物品41は穴8が本体部20の外へ放出され、軌道25上を通る。軌道25は載置面に沿う方向に延在していてもよいが、物品41が本体部20から離れる方向へ転動するように、本体部20の外側へ下る斜面を有していてもよい。
【0019】
図3に示すように、玩具セットは、第1構成部1および第2構成部2だけでなく、例えば、組立要素30と、組立要素31と、組立要素32とをさらに備える。組立要素30は、物品40、41が移動可能な軌道面を有する。組立要素31は、第1構成部1または第2構成部2と組立要素30とを接続させる接続部材として機能する。組立要素32は、第1構成部1および第2構成部2の高さを支持するための支持部材として機能する。第1構成部1および第2構成部2のそれぞれは、載置面に側の面(底面)に、被連結部(例えば凹部)を備えており、組立要素31および組立要素32は、それぞれの上部に、被連結部と連結可能な連結部(例えば凸部)を備えている。
【0020】
組立要素32を用いることで、第1構成部1の高さおよび第2構成部2の高さを調整可能である。つまり、玩具セットの使用状態において、連結部と、第1構成部1および第2構成部2の少なくとも一方の被連結部とを連結することで、第1位置および第2位置の少なくとも一方の高さを変更可能である。
【0021】
また、組立要素30を、第1位置に隣接する位置に配置することで、組立要素30は第1位置に物品40を移動可能な移動経路を構成する。具体的には、軌道15に組立要素30を接続することで、組立要素30上を通して物品40を第1位置へ運ぶことができる。また、第2位置に隣接する位置に配置することで、第2位置から物品41を移動可能な移動経路を構成する。具体的には、軌道25に組立要素30を接続することで、組立要素30上を通して物品41を第2位置から第2構成部2の外側へ運ぶことができる。
【0022】
また、玩具セットには、1種類の組立要素30および1種類の組立要素32だけでなく、それらのそれぞれが複数の種類を有していてもよい。例えば、組立要素30は載置面と平行に延在する直線状の軌道であってもよく、斜面を構成していてもよく、平面視において軌道がカーブを描いていてもよい。このように、複数の組立要素30の各々の軌道面が、互いに異なる様々な形状を成すことで、多様な物品40、41の移動経路を構築できる。
【0023】
<玩具セットの動作>
次に、玩具セットの動作について
図3~
図6を用いて説明する。
図3に示すように、第1構成部1と第2構成部2とは、互いに離間した状態で使用するものである。
図4は、第1構成部1の平面図であり、本体部20内の一部の構造を透過して示している。
図5、
図6は、第2構成部2をX方向からみた側面図であり、本体部20を構成する容器の一部を破断して示している。
図5は、受信部21が信号を受信する前の状態の第2構成部2を示し、
図6は、受信部21が信号を受信した後の状態の第2構成部2を示している。
【0024】
第1構成部1に接続された組立要素30の軌道を移動してきた物品40が、軌道15を通って第1位置に到達すると、
図4に示すように、物品40は押込部16に接触して停止する。このとき、物品40が押込部16を可動部12側に押し込む。これにより、押込部16の一部が、スイッチ34の備える可動部34aに当接し、可動部34aを押し、スイッチ34がオンする。つまり、スイッチ34は、第1位置に物品40が移動したことを検出する。押込部16は付勢部33(例えばスプリング)により、スイッチ34側から軌道15の方向へ付勢されているため、物品40が第1位置にない状態では、軌道15の端部に接して停止している。よって、物品40が第1位置にない状態では、スイッチ34はオフ状態となっている。
【0025】
スイッチ34がオンになったことに応じて、第1構成部1は発信部17から信号を発信する。ここでは信号が赤外光を用いた光信号である場合について説明するが、この信号は可視光などの他の光でもよい。また、この信号は光信号に限らず、第2構成部2と第1構成部1接続とを接続するケーブルを介して伝えられる電気信号であってもよく、電磁波または電気的に出力される音波などであってもよい。このように、第1構成部1は、物品40が第1構成部1上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する。
【0026】
図5に示すように、第2構成部2の本体部20に対し、変位部4は、支点4bを軸として、
図6に示すように本体部20の外部で穴7を塞ぐ方向(本体部20の背面側)へ倒れる向きに付勢されている。ただし、受信部21が信号を受信する前の状態では、
図5に示すように、変位部4の一部である被係止部4aが、係止部23により係止されているため、変位部4は倒れずに、支点4bよりも受信部21側に位置している。
【0027】
係止部23は、本体部20内の支点24aを軸として回転可能に配置されている。支点4b、24aは、本体部20に固定されている。また、本体部20内には、支点24aを軸として回転可能な回転部24が設けられている。また、本体部20内には、モータ26が本体部20に固定されて設けられている。回転部24は、モータ26が有する歯車と嵌合する複数の凹凸を有しており、モータ26の回転に応じて回転する。係止部23は本体部20内の付勢部36(例えばスプリング)により付勢されているため、受信部21が信号を受信する前の状態では、被係止部4aを係止している。
【0028】
また、本体部20内には、支点6cを軸としてシーソーのように回転運動が可能な収容部6が設けられている。例えば半円筒状のような溝を有する収容部6は、内側の第2位置に物品41を収容可能である。収容部6には、一度に複数の物品41を収容可能である。支点6cを軸として揺動する収容部6の両端部のうち、受信部21側の端部は、その底面に接する付勢部35(例えばスプリング)により変位部4側(本体部20の上面側)に付勢されている。ただし、受信部21が信号を受信する前の状態では、収容部6の当該端部の変位部4側の端部(上端)は、被係止部4aの底面に当接している。このため、収容部6の受信部21側の端部は、当該端部の反対側の端部、つまり収容部6の両端部のうち、軌道25側の端部よりも下に位置する。よって、収容部6内の物品41は、収容部6軌道25側の端部よりも下に位置する穴8から出ていくことはなく、第2位置に留まる。
【0029】
図3に示すように、発信方向を示す部位である方向指示部3aが変位部4の方向を向いている配置関係において、受信部21は、可動部(基部)13から発信される信号を受信可能である。受信部21が信号を受信すると、これに応じて
図6に示す通知部22が発光する。第2構成部2から音声を出力してもよい。
【0030】
受信部21が信号を受信すると、これに応じてモータ26の回転軸および歯車が、
図6において反時計回りの方向に回転する。これにより、回転部24が
図6において支点24aを軸として反時計回りの方向に回転すると、回転部24に押されて係止部23も同じ方向に回転する。その結果、係止部23による被係止部4aの係止状態が解除され、支点4bの付勢部の力により、変位部4が本体部20の外部において倒れるように変位する。これにより、収容部6の受信部21側の端部の被係止部4aへの当接が解除され、付勢部35の力により、収容部6は支点6cを軸として回転する。その結果、収容部6の軌道25側の端部は穴8の位置まで下がり、収容部6の受信部21側の端部よりも低くなる。よって、収容部6内に収容されていた物品41は、第2位置から第2構成部2の外側へ移動する。
【0031】
つまり、第2構成部2は、受信部21で信号を受けたことに応じて動作する動作部である収容部6を備えており、収容部6は、発信部17が発した信号を受信部21が受けたことに応じて、第2位置に載置された物品41の移動を開始させる。
【0032】
なお、上記動作の後、係止部23および回転部24は、付勢部36の力により
図5の状態に戻る。使用者が変位部4を、変位部4の付勢される向きと反対方向に変位させれば、収容部6の受信部21側の端部は被係止部4aに押され、収容部6の軌道25側の端部よりも低い位置まで下がる。このとき、被係止部4aが係止部23の上端を一端押しのけるが、付勢部36の力により係止部23は被係止部4aを係止する位置まで回転する。これにより、第2構成部2は
図5に示す状態に戻る。
【0033】
このように、本実施の形態によれば、遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットにおいて、連続する軌道上において物品を移動させるだけでなく、第1位置に物品が移動したことに応じて、第2位置に用意してあった他の物品の移動を開始させることができる。すなわち、軌道同士が離れた位置にあっても、電気的に発生させた信号を送受信することで、当該軌道同士の間で連続的な物品の移動を実現することができる。よって、玩具セットの興趣性を向上させることができる。
【0034】
以上、本願の発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本願の発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 第1構成部
2 第2構成部
3 形象部
4 変位部
5 受入部
6 収容部
10、20 本体部
11、12、13 可動部
17 発信部
21 受信部
22 通知部
40、41 物品
【手続補正書】
【提出日】2022-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットであって、
前記第1構成部は、前記第1物品が前記第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、
前記第2構成部は、前記信号を受ける受信部と、前記受信部で前記信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、
前記動作部は、発信部が発した前記信号を前記受信部が受けたことに応じて、前記第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させ、
前記第1構成部は、第1本体部と、前記第1本体部に対する方向を変更可能であって前記第1発信部が設けられた第1可動部と、を備える、玩具セット。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記信号は、光信号であり、
前記発信部は、発光部であり、
前記受信部は、受光部である、玩具セット。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具セットにおいて、
前記発光部は、前記第1構成部の使用状態において、前記光信号を照射する方向を変更可能である、玩具セット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部の高さおよび前記第2構成部の高さを調整可能な第1組立要素をさらに有し、
前記第1組立要素は、前記第1構成部および前記第2構成部のそれぞれが有する被連結部と連結可能な連結部を備え、
使用状態において、前記連結部と、前記第1構成部および前記第2構成部の少なくとも一方の前記被連結部とを連結することで、前記第1位置および前記第2位置の少なくとも一方の高さを変更可能である、玩具セット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1物品および前記第2物品が移動可能な軌道を有する第2組立要素をさらに有し、
前記第2組立要素は、前記第1位置に隣接する位置に配置することで、前記第1位置に前記第1物品を移動可能な移動経路を構成し、前記第2位置に隣接する位置に配置することで、前記第2位置から前記第2物品を移動可能な移動経路を構成する、玩具セット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1物品および前記第2物品は、転動により移動可能な球体である、玩具セット。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記信号は、赤外光である、玩具セット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1可動部は、基部と、前記基部上に設けられた形象部とを有し、
前記発信部は、前記基部に設けられ、
前記形象部は、前記発信部から発信される前記信号の発信方向を示す部位を有する、玩具セット。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1可動部は、前記第1本体部を所定の載置面上に載置したときの前記載置面内における方向を変更可能な第2可動部と、前記載置面に対する角度を変更可能な第3可動部とを含む、玩具セット。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具セットにおいて、
前記第2可動部は、前記第1本体部に接続され、前記第3可動部は、前記第2可動部上に設けられる、玩具セット。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、第2本体部と、前記第2本体部に対して変位可能な変位部とを備え、
前記受信部は、前記第2本体部に設けられている、玩具セット。
【請求項12】
請求項11に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、前記受信部での前記信号の受信を通知する通知部を備えている、玩具セット。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具セットにおいて、
前記通知部は、前記第2本体部上で前記受信部の近傍であって、視認可能な位置に配置されている、玩具セット。
【請求項14】
請求項13に記載の玩具セットにおいて、
前記変位部は、前記受信部で前記信号を受信したことに応じて変位する、玩具セット。
【請求項15】
請求項8に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、第2本体部と、前記第2本体部に対して変位可能な変位部とを備え、
前記受信部は、前記第2本体部に設けられ、
前記発信方向を示す部位が前記変位部の方向を向いている配置関係において、
前記受信部は、前記基部から発信される前記信号を受信可能である、玩具セット。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第2本体部は、前記第2物品を収容する収容部を有し、
前記第2物品は、前記収容部への収容状態において前記第2位置に載置された状態であり、
前記収容部は、前記受信部で前記信号を受信したことに応じて前記第2物品を前記収容部の外に移動可能に変位する、玩具セット。
【請求項17】
請求項16に記載の玩具セットにおいて、
前記収容部は、前記第2本体部内に配置され、
前記第2物品は、前記収容部への収容状態において視認不可能である、玩具セット。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部と前記第2構成部とは、互いに離間した状態で使用する、玩具セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
一実施の形態における玩具セットは、第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットである。ここで、第1構成部は、第1物品が第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、第2構成部は、信号を受ける受信部と、受信部で信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、動作部は、発信部が発した信号を受信部が受けたことに応じて、第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させる。また、一実施の形態における玩具セットは、第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットであって、前記第1構成部は、前記第1物品が前記第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、前記第2構成部は、前記信号を受ける受信部と、前記受信部で前記信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、前記動作部は、発信部が発した前記信号を前記受信部が受けたことに応じて、前記第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させ、前記第1構成部は、第1本体部と、前記第1本体部に対する方向を変更可能であって前記第1発信部が設けられた第1可動部と、を備える。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットであって、
前記第1構成部は、前記第1物品が前記第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、
前記第2構成部は、前記信号を受ける受信部と、前記受信部で前記信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、
前記動作部は、前記発信部が発した前記信号を前記受信部が受けたことに応じて、前記第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させ、
前記第1構成部は、第1本体部と、前記第1本体部に対する方向を変更可能であって前記発信部が設けられた第1可動部と、を備える、玩具セット。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記信号は、光信号であり、
前記発信部は、発光部であり、
前記受信部は、受光部である、玩具セット。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具セットにおいて、
前記発光部は、前記第1構成部の使用状態において、前記光信号を照射する方向を変更可能である、玩具セット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部の高さおよび前記第2構成部の高さを調整可能な第1組立要素をさらに有し、
前記第1組立要素は、前記第1構成部および前記第2構成部のそれぞれが有する被連結部と連結可能な連結部を備え、
使用状態において、前記連結部と、前記第1構成部および前記第2構成部の少なくとも一方の前記被連結部とを連結することで、前記第1位置および前記第2位置の少なくとも一方の高さを変更可能である、玩具セット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1物品および前記第2物品が移動可能な軌道を有する第2組立要素をさらに有し、
前記第2組立要素は、前記第1位置に隣接する位置に配置することで、前記第1位置に前記第1物品を移動可能な移動経路を構成し、前記第2位置に隣接する位置に配置することで、前記第2位置から前記第2物品を移動可能な移動経路を構成する、玩具セット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1物品および前記第2物品は、転動により移動可能な球体である、玩具セット。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記信号は、赤外光である、玩具セット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1可動部は、基部と、前記基部上に設けられた形象部とを有し、
前記発信部は、前記基部に設けられ、
前記形象部は、前記発信部から発信される前記信号の発信方向を示す部位を有する、玩具セット。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1可動部は、前記第1本体部を所定の載置面上に載置したときの前記載置面内における方向を変更可能な第2可動部と、前記載置面に対する角度を変更可能な第3可動部とを含む、玩具セット。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具セットにおいて、
前記第2可動部は、前記第1本体部に接続され、前記第3可動部は、前記第2可動部上に設けられる、玩具セット。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、第2本体部と、前記第2本体部に対して変位可能な変位部とを備え、
前記受信部は、前記第2本体部に設けられている、玩具セット。
【請求項12】
請求項11に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、前記受信部での前記信号の受信を通知する通知部を備えている、玩具セット。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具セットにおいて、
前記通知部は、前記第2本体部上で前記受信部の近傍であって、視認可能な位置に配置されている、玩具セット。
【請求項14】
請求項13に記載の玩具セットにおいて、
前記変位部は、前記受信部で前記信号を受信したことに応じて変位する、玩具セット。
【請求項15】
請求項8に記載の玩具セットにおいて、
前記第2構成部は、第2本体部と、前記第2本体部に対して変位可能な変位部とを備え、
前記受信部は、前記第2本体部に設けられ、
前記発信方向を示す部位が前記変位部の方向を向いている配置関係において、
前記受信部は、前記基部から発信される前記信号を受信可能である、玩具セット。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第2本体部は、前記第2物品を収容する収容部を有し、
前記第2物品は、前記収容部への収容状態において前記第2位置に載置された状態であり、
前記収容部は、前記受信部で前記信号を受信したことに応じて前記第2物品を前記収容部の外に移動可能に変位する、玩具セット。
【請求項17】
請求項16に記載の玩具セットにおいて、
前記収容部は、前記第2本体部内に配置され、
前記第2物品は、前記収容部への収容状態において視認不可能である、玩具セット。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の玩具セットにおいて、
前記第1構成部と前記第2構成部とは、互いに離間した状態で使用する、玩具セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
一実施の形態における玩具セットは、第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットである。ここで、第1構成部は、第1物品が第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、第2構成部は、信号を受ける受信部と、受信部で信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、動作部は、発信部が発した信号を受信部が受けたことに応じて、第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させる。また、一実施の形態における玩具セットは、第1物品および第2物品を含む複数の物品を用いた遊戯に使用される第1構成部と第2構成部とを含む玩具セットであって、前記第1構成部は、前記第1物品が前記第1構成部上の第1位置に移動したことに応じて信号を発する発信部を備え、前記第2構成部は、前記信号を受ける受信部と、前記受信部で前記信号を受けたことに応じて動作する動作部と、を備え、前記動作部は、前記発信部が発した前記信号を前記受信部が受けたことに応じて、前記第2構成部上の第2位置に載置された第2物品の移動を開始させ、前記第1構成部は、第1本体部と、前記第1本体部に対する方向を変更可能であって前記発信部が設けられた第1可動部と、を備える。