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  • 特開-交通代金決済システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185551
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】交通代金決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20221207BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20221207BHJP
【FI】
G06Q20/08
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021116729
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】517267994
【氏名又は名称】桑井 太郎
(72)【発明者】
【氏名】桑井 太郎
【テーマコード(参考)】
5L055
5L099
【Fターム(参考)】
5L055AA21
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】利用者は交通機関の決済用ICカード等の他にも医療機関の診療カード等種々の情報記憶媒体を所持し、これらを管理しなければならなかった。
【解決手段】運賃決済用の情報記憶媒体15,16が交通機関の利用者の個人情報、例えば氏名や予納金額を保持するだけでなく、受診者の医療機関での個人情報と医療を支援する管理情報、例えば遠隔診療ブース13での遠隔診療の予約を記憶する。利用者かつ受診者はこの一枚の情報記憶媒体15,16で交通機関の運賃の決済だけでなく、医療機関の、例えば診療予約を行える。したがって、情報記憶媒体の管理が容易である。更に、交通機関の管理施設は利用者かつ受診者の身近に設けられているので、受診者は医療機関にまで出向かなくても容易に診療予約を受けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関の利用者側の決済用情報記憶媒体から利用者の個人情報を受け取り該個人情報を交通機関の交通利用代金の算出に要する交通利用情報と共に情報伝達経路に送出する利用者側情報処理端末と、
前記情報伝達経路に接続され前記交通利用情報から前記利用者の前記交通利用代金を決定し交通代金決済を表す交通代金決済情報を前記利用者側情報処理端末に送出し前記利用者に前記交通利用代金を知らしめると共に該交通利用代金を決済する代金決済用情報処理装置とを備えた交通代金決済システムにおいて、
受診者の個人情報と医療の実施を支援する支援情報に基づき医療の管理情報を決定して医療の実施を管理する受診者用情報処理装置を更に備え、
少なくとも前記受診者の前記個人情報を前記決済用情報記憶媒体に更に記憶させ、情報処理装置から情報伝達経路を介して前記受診者の前記個人情報と前記支援情報を前記受診者用情報処理装置に送出し、前記受診者用情報処理装置から前記管理情報を前記情報処理装置に送出して前記受診者に知らしめることを特徴とする交通代金決済システム。
【請求項2】
前記医療の管理情報は医療機関の診療予約を表す請求項1記載の交通代金決済システム。
【請求項3】
前記支援情報は医療機関における診療の予約申し入れ、診療日時の希望、診療の変更の申し入れおよび診療の取り消し申し入れのいづれか一つを表し、前記管理情報は決定された診療日時を含む請求項1記載の交通代金決済システム。
【請求項4】
前記医療機関は医療従事者が不在の遠隔診療施設と、該遠隔診療施設内に設けられると共に医療従事者が在中する有人医療施設内の第一の通信装置に情報伝達経路を介して接続された第二の通信装置とを有しており、受診者は前記決定された診療日時に前記第二の通信装置と前記情報伝達経路と前記第一の通信装置を介して前記医療従事者と意思疎通して診療を受ける請求項3記載の交通代金決済システム。
【請求項5】
前記第二の通信装置は前記情報伝達経路を介して前記遠隔診療施設の施設利用と該施設利用の代金決済に要する施設利用情報を前記受診者用情報処理装置に伝達し、該受診者用情報処理装置は前記遠隔診療装置の利用代金を表す管理情報を前記情報処理装置に送出して受診者に決済させしめる請求項4記載の交通代金決済システム。
【請求項6】
前記受診者用情報処理装置は前記利用代金を表す前記管理情報を前記代金決済用情報処理装置に送出し、前記代金決済用情報処理装置が前記利用代金を決済する請求項5記載の交通代金決済システム。
【請求項7】
前記受診者用情報処理装置は医療以外の施設における利用の予約管理に更に使用される請求項3記載の交通代金決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は交通代金決済システムに係り、詳しくは、交通利用代金の決済および医療の支援管理とのいずれとしても利用できる交通代金決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通代金決済システムとしては、交通機関、例えば鉄道の乗車料金を無人で決済する自動改札システムが知られている。この自動改札システムでは、利用者はICカードに自らを特定する個人情報を記録しておき、このICカードを利用して事前に乗車料金を電子決済できる予納額を代金決済サーバーに知らせておく。鉄道を利用する際には、ICカードを乗車時と降車時に自動改札装置に近づけ鉄道の利用情報を自動改札に与え、これを代金決済用サーバーに送って乗車料金を決済していた。(特許文献1)。
【0003】
一方、医療機関では、診療予約システムが利用されており、受診者の診療スケジュールはこの診療予約システムで管理されていた。具体的には、受診者ごとに診療カードを発行し、受診者の診療日時は端末に接続された予約サーバーで診療日時の予約、変更あるいは取り消しを行っていた。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-064173号
【特許文献2】特開2013-206238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の交通代金決済システムでは、乗車代金を自動的に決済するには、自動改札装置と代金決済用サーバーとしてそれぞれ専用のハードウエアと該ハードウエア上で実行されるソフトウエアに加え、交通代金決済用のICカードを利用者ごとに準備しなければならなかった。一方、診療予約システムでも、専用の端末と予約サーバーに加えて受診者ごとに診療カードを発行し、受診者の個人情報を診療カードから読み取り、予約サーバーで診療予約の日時を管理していた。したがって、各人は使用目的ごとに別の情報記憶媒体を所持して管理しなければならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の交通代金決済システムでは、交通機関利用者の個人情報を記憶する決済用情報記憶媒体に医療機関の受診者の個人情報を更に記憶させ、受診者(利用者)は情報処理装置と受診者用情報処理装置との間で受診者の個人情報と支援情報と管理情報とを送受信する。
【0007】
医療の管理情報は医療機関の診療予約を表していてもよく、更に具体的には、管理情報は決定された診療日時を表し、支援情報は診療の予約申し入れ、診療日時の希望、変更の申し入れおよび診療の取り消し申し入れのいづれか一つを表していてもよい。
【0008】
前記医療機関は医療従事者が不在の遠隔診療施設を有していてもよく、前記管理情報は遠隔診療施設内の利用予約であってもよい。受診者は診療日時に遠隔診療施設を利用する。すなわち、受診者は遠隔診療施設と医療従事者の在中する有人医療施設とを結ぶ通信システムを使って対面ではなく、遠隔で診療を受けることになる。
【0009】
遠隔診療施設の利用代金は受診者用情報処理装置で決定され、該受診者用情報処理装置は利用代金を表す管理情報を前記情報処理装置に送出して受診者に決済させしめる。受診者は遠隔診療施設の利用代金を代金決済用情報処理装置で決済してもよい。
【0010】
前記受診者用情報処理装置は医療以外の施設における利用の予約管理に併用されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された交通代金決済システムでは、決済用情報記憶媒体に受診者の個人情報も記憶させているので、従来のICカードと従来の診療カードを決済用情報記憶媒体に一本化することができ、利用者かつ受診者の情報記憶媒体の管理を容易にできる。
【0012】
請求項2記載の交通代金決済システムでは、管理情報が診療予約を表すことを明確にした。このように交通利用代金の決済と診療予約とに兼用される情報記憶媒体は従来なく、したがって、新規であり、かつ利用者、受診者の情報記憶媒体の管理を容易にならしめるという効果を奏する。請求項3記載の交通代金決済システムでは、診療予約の内容が具体化されており、受診者に請求項3記載の交通代金決済システムの効果を明確にしている。
【0013】
請求項4記載の交通代金決済システムでは、受診者が遠隔診療施設の使用を自ら予約できるので、遠隔診療施設に予約を管理する事務員を置く必要がなく、医療機関の人件費を低減できる。遠隔診療施設は多数設けられているので、有人医療機関より受診者の身近にあり、受診者は容易に診療を受けられる。
【0014】
請求項5の交通代金決済システムでは、遠隔診療施設の施設利用情報が受診者用情報処理装置に伝達されるので、施設利用代金を事務員の手を煩わせることなく決定でき、医療機関の人件費を更に低減できる。また、施設利用代金は受診者用情報処理装置から情報処理装置を介して受診者に知らされるので、受診者は施設利用代金を早期に決済できる。
【0015】
請求項6記載の交通代金決済システムでは、遠隔診療施設の利用代金は交通代金の決済用情報処理装置で決済されるので、遠隔診療施設の利用料金の決済システムを新たに設置する必要がなく、システム構築費を低減できる。
【0016】
請求項7記載の交通代金決済システムでは、前記受診者用情報処理装置を医療以外の施設における利用の予約管理に使用されるので、システム構築費を更に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成を示すブロック図。
図2】一実施形態で遠隔診療ブースの利用予約の手順を示すフローチャート図。
図3】一実施形態で遠隔診療ブースの利用料金を決済する手順を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照する。本実施形態では本発明が鉄道網の利用代金、すなわち運賃の決済システムに基づき構成されている。参照符号1は鉄道網の複数の駅のうちの一つに設定された鉄道会社の管理区域を示しており、この管理区域1には自動改札機11と自動券売機12と遠隔診療用ブース13が設置されている。本実施形態では、自動改札機11は利用者側情報処理端末として機能する。鉄道の利用者14はICカード15またはスマートフォン16(以下、ICカード等という)を利用して運賃を決済する。ICカード等15,16にはICチップと内部アンテナが備えられており、ICチップのメモリ領域には利用者14の個人を特定する個人情報、例えば利用者14の氏名、利用者に割り当てられた利用者番号、携帯電話番号、メールアドレス等と、運賃の決済に必要な交通利用情報、例えば、運賃決済用に予納されている金額、乗降車駅、それらの利用日時等を記憶する記憶領域を有し、別の記憶領域には運賃の自動決済用アプリケーションプログラムが記憶されている。ICカード等15,16の情報処理領域はメモリ領域の情報の読み出しと変更と書き込み、更にICカード等15,16の内部アンテナと自動改札機11の情報読み取り機の通信を制御する。なお、利用者14はICカード等15,16を使って、自動券売機12で乗車券を買い、乗車駅の自動改札機11をこの乗車券で通過し、降車駅の自動改札機11で乗車券を回収するようにしてもよい。また、スマートフォン16は前記鉄道運賃の決済だけでなく、一般的に利用されている無線通話、メールの送受信、クレジット会社の利用およびその他のアプリケーションの用途にも使用できる。クレジット会社の利用アプリケーションプログラムがインストールされているなら、遠隔診療用ブース13の利用料金をクレジット会社経由で決済してもよい。
【0019】
利用者14が鉄道を利用して運賃を決済するには、ICカード等15,16を自動改札機に接触してプラットフォームに入場し、電車17を利用して目的地に着くと、到着した駅の自動改札機11にICカード等15、16を接触させて退場する。自動改札機11は情報通信網2を介して代金決済用サーバー3に接続されており、利用者14の個人情報と交通利用情報は報通信網2を介して代金決済用サーバー3に伝達され、運賃の決済がなされる。代金決済用サーバー3は中央処理装置31,周辺プロセッサー32,プログラムメモリ33,ワーキングメモリ34,入出力装置35,大容量メモリシステム36を有しており、大容量メモリシステム36には利用者14各人に割り当てられる記憶領域が設けられる。このような運賃の決済に使われるICカード等15,16,自動改札機11,自動券売機12、代金決済用サーバー3のハードウエアおよびこれらで実行される運賃決済用アプリケーションプログラムは既知なのでこれ以上の説明を省略する。
【0020】
情報通信網2は鉄道会社専用の内部情報通信網21と公共の利用に供される外部情報通信網22とを備えており、内部情報通信網21は外部情報通信網22に接続可能である。外部情報通信網22には無線電話の基地局23も含まれており、スマートフォン16は基地局23を介して外部情報通信網22接続することもできる。自動改札機11,自動券売機12,代金決済用サーバー3の他に本実施形態では遠隔診療用ブース13も内部情報通信網21に接続されている。
【0021】
遠隔診療用ブース13は鉄道網の主要な管理区域に複数設けられている。遠隔診療用ブース13内には、内部空間を画成するブース130と、内部空間に収納されるパーソナルコンピュータ131と医療検査機器132とWi-Fi通信器133とが設置されており、パーソナルコンピュータ131は利用者5の画像と音声をWi-Fi通信器133と情報通信網2を経て有人診療施設6、例えば診療所や病院に送信し、有人診療施設6内の医療従事者、例えば医師の画像と音声も有人診療施設6内のパーソナルコンピュータ(不図示)と情報通信網2を介して送信され、受診者5は医療従事者と画像および音声を介して会話して診療を受ける。受診者5は診療中に医療従事者の指示で医療検査機器32を使用して検査データを医療従事者側のパーソナルコンピュータに送ることもできる。図外の有人診療施設に設けられたパーソナルコンピュータが第一の通信装置として機能し、パーソナルコンピュータ131とWi-Fi通信器133が第二の通信装置として機能する。このような遠隔診療用ブースは本出願人により既に特許出願されているので(特許出願番号は特願2020-192823号)これ以上の詳細な説明を省略する。
【0022】
本実施形態の運賃の決済システムは受診者用サーバー7を更に有しており、受診者用サーバー7は情報通信網2を介して情報処理装置8に相互に接続可能である。本実施形態では自動券売機12,スマートフォン16、情報読み取り器71付のパーソナルコンピュータ72が情報処理装置8として機能する。
【0023】
受診者用サーバー7は相互にバスシステムで接続可能なプログラムメモリ73,ワーキングメモリ74,周辺プロセッサー75,入出力装置76、大容量記憶システム77および中央処理装置78を有しており、中央処理装置78は後述する受診者用アプリケーションプログラムを実行して、受診者の遠隔診療用ブース13に関する希望、例えば希望する遠隔診療用ブース13の所在、希望する予約日時、希望する有人医療機関6および希望する診療科目を表す支援情報に基づき管理情報、例えば受診者5の利用に供される決定された遠隔診療ブース13を特定する情報、決定された利用予約日時の取得、変更、取り消しに関する情報、決定された有人医療機関6とその診療科および利用料金の算出に要する情報を管理する。
【0024】
なお、本実施形態では、受診者用サーバー7は医療以外の施設の予約、例えば貸会議室91、貸事務室、ホテル92、レストラン93等の予約にも利用されるが、受診者用サーバー7としてのみ利用してもよく、代金決済用サーバー3とハードウエアを兼用してもよい。
【0025】
ICカード等15,16はその記憶領域に受診者の個人情報、例えば受診者5の氏名、電話番号、メールアドレス、医療機関の6のカルテ番号等が記憶されている。なお、受診者5の氏名、電話番号、メールアドレス等は利用者14の対応する情報と共通に使用してもよい。
【0026】
自動券売機12は運賃の自動決済用のアプリケーションプログラムに加え、受診者用アプリケーションプログラムをメモリに備えており、自動券売機12の情報処理システムは利用者14,受診者5の選択により運賃の自動決済用アプリケーションプログラムと受診者用アプリケーションプログラムのいずれかに分岐する。例えば、ICカード等15,16が自動券売機12のスロットに差し込まれるか読み取り装置に接触されると、記憶領域に利用者14の個人情報だけでなく受診者5の個人情報も記憶されているか否かを判断し、利用者14の個人情報だけなら直ちに運賃の自動決済用アプリケーションプログラムを実行して乗車券を発券する。一方、受診者5の個人情報が記憶されている場合は、図1に描かれているように自動券売機12の画像ディスプレイにアイコンを表示し、医療機関の支援、例えば遠隔診療用ブース13の利用に関する手続き(図1では「予」と表示)を希望するか乗車券の発券(図1では「券」と表示)を希望するかを利用者、受診者14,5に選択させ、選択に応答して選択に対応するアプリケーションプログラムに分岐する。
【0027】
以下、パーソナルコンピュータ72を利用して遠隔診療用ブース13を予約して、遠隔診療実施後にその利用代金をスマートフォン16で決済することとして受診者用アプリケーションプログラムを説明する。パーソナルコンピュータ72、131内部の中央処理装置、プログラムメモリ、ワーキングメモリ、周辺プロセッサーおよび入出力装置に参照符号81,82,83,84,85がそれぞれ付されている。
【0028】
図2は遠隔診療用ブース13の利用予約の際、パーソナルコンピュータ72の中央処理装置81と受診者用サーバー7の中央処理装置78で実行される情報処理の手順を描いている。
【0029】
まず、受診者5はパーソナルコンピュータ72を起動し、受診者用アプリケーションプログラムを選択する。中央処理装置81は情報読み取り器71上のICカード等15,16から受診者5の個人情報を読み出して情報通信網2を介して受診者用サーバー7へ個人情報を送出するS2.受診者用サーバー7では、受診者5の個人情報はワーキングメモリ74に一旦記憶され、中央処理装置78はワーキングメモリ74の個人情報を大容量メモリシステム77内の受診者5に割り当てられた記憶領域の個人情報と比較して、情報処理を許可あるいは不許可にするS3.不許可の場合は、受診者用サーバー7は不許可である旨の情報を情報通信網2を介してパーソナルコンピュータ72に送出して、中央処理装置81は画像ディスプレイに「不許可」である旨を表示し、受診者に知らしめる。
【0030】
一方、許可された場合には、受診者用サーバー7はどのような医療支援を希望するか選択できる支援内容のメニューを情報通信網2を介してパーソナルコンピュータ72へ送出し、中央処理装置81は画像ディスプレイに支援内容のメニューを表示するS4。メニューには、無人診療ブース13の利用予約、有人医療施設6での診療予約、有人医療機関6の入院病棟の空き具合の調査、処方箋の管理等が含まれる。
【0031】
ここで受診者5は遠隔診療ブース13の利用予約を選択したとする。受診者5は情報通信網2とパーソナルコンピュータ72を介して受診者用サーバー7と質問と回答を繰り返して予約を実施するS5,S6。遠隔診療用ブース13の予約を選択した場合、受診者用サーバー7と受診者5との間の質問、回答は、例えば次段落で示すように進められる。
【0032】
「どの地域の遠隔診療ブースを利用したいですか」、「東京の渋谷区です」、「東京都渋谷区には**と**と**とに遠隔診療ブースがあります。選択してください」、「**のブースを利用したいです」、「利用したい年月日を選んでください」、「2021年**月**日です」、「利用したい時間帯を選んでください」、「午前**時00分から15分間の枠と続きの午前**時15分から15分間の枠です」、「受信したい診療科目がありますか」、「**科です」、「遠隔診療のできる有人医療機関の希望はありますか?あればその医療機関名を入力してください。選択された診療科目で遠隔診療を受けられる有人医療機関のリストから選んでもよいです」、「**病院の**診療科を選択します」。この実施形態では、受診者5から受診者用サーバー7に送られる回答が支援情報となる。なお、受診者5が診療科目を選択できないときは、初診外来をデフォルトとして選択する。
【0033】
次に受診者用サーバー7は受診者5に既に選択した内容の確認を求めるS7。例えば、情報通信網2を介してパーソナルコンピュータ72に次のようなメッセージを送る、「病院**の**科で遠隔診療を受けるため、東京都渋谷区**の遠隔診療ブースを2021年**月**日の午前**時から30分間の枠で予約しますがよろしいでしょうか」。受診者5はパーソナルコンピュータ72から確認「はい」あるいは変更要求「いいえ」を受診者用サーバー7に送るS8。受診者用サーバー7は確認を受けた場合は確定した予約内容を受診者5に割り当てた大規模メモリシステム77の記憶領域に個人情報と共に保存してパーソナルコンピュータ72に予約完了を通知するS9。また、受診者用サーバー7は予約のあったことを予約内容と共に**病院に伝える。**病院は受診者用サーバー7にアクセスして予約内容を確認することもできる。
【0034】
一方、変更要求を受けた場合には、パーソナルコンピュータ72と受診者用サーバー7はステップS5に戻りS9、ステップS5乃至ステップS9を繰り返して、予約内容を確定させる。予約内容が確定すると、受診者用サーバー7は予約内容を前述と同様、大規模メモリシステム77に決定された予約内容を記憶させると共に情報通信網2を介してパーソナルコンピュータ72に確定した予約内容を送出するS10。パーソナルコンピュータ72は確定した予約内容を画像ディスプレイに表示して受診者5に確定した予約内容を知らしめると共に、パーソナルコンピュータ72の内部記憶領域とスマートフォン16の記憶領域に確定した予約内容を記憶するS11。確定した予約内容は管理情報である。遠隔診療受診時には、パーソナルコンピュータ131はスマートフォン16あるいは受診者用サーバー7から予約内容を読み出し、選択された**病院の遠隔診療用パーソナルコンピュータに自動的に接続する。
【0035】
次に、図3を参照して、遠隔診療ブース13の利用代金を代金決済用サーバー3で決済する手順を説明する。遠隔診療ブース13内で遠隔診療が完了すると、パーソナルコンピュータ131は情報通信網2を介して遠隔診療の終了と遠隔診療ブース13の利用代金を受診者用サーバー7に通知する。受診者用サーバー7はパーソナルコンピュータ131からの前記通知を受信するとS31、中央処理装置78は受診者5に利用料金の決済方法を尋ねるメッセージを情報処理装置8,本実施形態ではスマートフォン16に送出すると共に利用の完了を大規模メモリシステム77の受診者5に割り当てられた記憶領域に書き込むS32。遠隔診療の終了と遠隔診療ブース13の利用代金は施設利用情報に相当する。
【0036】
スマートフォン16の情報処理システムは利用代金の決済用アプリケーションプログラムを起動し、受診者5はスマートフォン16と情報通信網2を介して決済用サーバー3で決済したいか、他の方法、例えばクレジット会社や銀行で決済したいかを受診者用サーバー7に通知するS33。受診者用サーバー7は利用料金の決済に必要な個人情報、例えば受診者5に割り当てられた番号、パスワード等を尋ねるメッセージをスマートフォン16に送出するS34。受診者5が要求された個人情報を受診者用サーバー3に送るS35。
【0037】
この実施形態では、受診者は決済用サーバー3での決済を選択しているので、受診者用サーバー7は決済用サーバー3に受診者5の個人情報と施設利用情報を送って、決済が可能か否かを問い合わせるS36。
【0038】
もし予納金額が不足している等、利用料金の決済が不可能なら、決済用サーバー3は決済が不可能である旨を受診者用サーバー7に通知し、予納の増額あるいは他の決済方法選択するよう受診者に求めるS37。スマートフォン16の情報処理システムはステップS33に戻り、受診者5は予納を増額するか拒否された決済方法以外の決済方法を選択する。このようにしてステップS33乃至S37を繰り返して、利用可能な決済方法を探す。
【0039】
受診者用サーバー7が決済機関、本実施形態では決済用サーバー3から決済可能との連絡を受けると、受診者用サーバー7は決済用サーバー3に遠隔診療ブース13の利用代金の決済を依頼しS38、大規模メモリシステム77の受診者5に割り当てられた記憶領域に決済機関と決済済みとの情報を書き込むと共に、情報通信網2を介してスマートフォン16に決済完了した旨の情報を送出して受診者5に知らしめる。
【0040】
本発明に係る交通代金決済システムは一実施形態以外にも次のように構成できる。まず、医療機関が既に備えている診療予約サーバーを受診者用サーバー7の代わりに利用してもよく、既に言及したように、支援情報と管理情報を有人医療機関の診療予約に利用してもよく、支援情報を利用して入院病棟の管理や受診者の処方医薬の管理に使用することもできる。支援情報と管理情報を利用してICカード等15,16の使用者の食事と運動等を通して健康を管理してもよい。
【0041】
医療従事者が遠隔診療で服薬の必要を認めた場合、医療従事者は遠隔診療用ブース13のパーソナルコンピュータ131に処方箋を表す医薬品情報を送り、パーソナルコンピュータ131に接続されているプリンター(不図示)で印刷してもよい。受診者用サーバー7は確定した予約内容に利用代金を含めて受診者に利用代金を予め知らしめてもよい。また、受診者5は予約した時間帯に続く時間帯に他の予約の無いことを条件に遠隔診療を延長することもできる。
【符号の説明】
【0042】
交通機関は鉄道に限らず、バス運行網や定期船運行網、飛行機運行網であってもよい。遠隔診療ブースは鉄道会社の管理区域外の公共空間に設けてもよい。
【0042】
1は交通機関の管理区域、
2は情報通信網(情報伝達経路)、
3は代金決済用情報処理装置(代金決済用用サーバー)、
5は受診者、
6は病院(有人医療機関)、
7は受診者用サーバー(受診者用情報処理装置)、
8は情報処理装置、
13は遠隔診療ブース(遠隔診療施設)、
91は貸会議室、貸事務所(医療機関以外の施設)、
92はホテル(医療機関以外の施設)、
93はレストラン(医療機関以外の施設)である。
図1
図2
図3