IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 杜 地の特許一覧 ▶ 杜 陽の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185561
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】航空機安全救命システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 25/00 20060101AFI20221207BHJP
   B64C 25/58 20060101ALI20221207BHJP
   B64D 17/80 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B64D25/00
B64C25/58
B64D17/80
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003343
(22)【出願日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】202110614351.1
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111369254.7
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519340053
【氏名又は名称】杜 地
【氏名又は名称原語表記】Di DU
【住所又は居所原語表記】1-1-1,No.37 Donggeli,Dalian Economic and Technological Development Zone,Dalian Liaoning 116000 China.
(71)【出願人】
【識別番号】520329209
【氏名又は名称】杜 陽
【氏名又は名称原語表記】Yang DU
【住所又は居所原語表記】Group 20,Haifeng Committee,Yangguang Street,Tiexi District,Siping City,Jilin Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杜 地
(72)【発明者】
【氏名】杜 陽
(72)【発明者】
【氏名】杜 同
(57)【要約】
【課題】航空機の減速降下、降下衝撃力の緩衝を支援する装置が航空機になく、航空機およびその内の人員の安全を確実に保証することができない技術的問題を解決する。
【解決手段】一実施例による救命システムは航空機本体を含み、航空機本体の頂部に開閉可能な安全倉が存在し、安全倉内に減速装置が配置され、減速装置が安全倉から放出されて航空機本体の降下を減速し、航空機本体の底部にダンピング緩衝機構が配置され、ダンピング緩衝機構が垂直方向に伸縮自在に配置され、ダンピング緩衝機構が航空機のホイールボディ下まで延伸することができる。航空機本体頂部の安全倉内の減速装置が緊急時に放出されて、航空機本体の減速を支援し、ダンピング緩衝機構がホイールボディの下まで延伸し、ダンピング緩衝機構がまず地面と接触することで、航空機本体の降下衝撃力を緩衝し、航空機本体が降下するときの衝撃力による重大な事故を防止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機本体を含む航空機安全救命システムであって、前記航空機本体の頂部に開閉可能な安全倉が配置され、前記安全倉内に減速装置が配置され、前記減速装置が前記安全倉から放出されて前記航空機本体の降下を減速し、
前記航空機本体の底部にダンピング緩衝機構が配置され、前記ダンピング緩衝機構が垂直方向に伸縮自在に配置され、前記ダンピング緩衝機構が航空機ホイールボディの下まで延伸して前記航空機本体が降下するときの衝撃力をさらに緩衝する、ことを特徴とする航空機安全救命システム。
【請求項2】
前記ダンピング緩衝機構は、摩擦板、垂直支持体および弾性部材を含み、
前記垂直支持体は垂直に配置された油圧支持体であり、前記垂直支持体の頂端が前記航空機本体の底部に接続され、前記弾性部材は垂直支柱と前記摩擦板の間に位置して両者を接続し、
前記摩擦板は、前記垂直支柱が延ばすとホイールボディの下までに移動して地面と摩擦および減速させ、前記弾性部材は、前記摩擦板が地面と接触すると弾性変形して外力を緩衝する、ことを特徴とする請求項1に記載の航空機安全救命システム。
【請求項3】
前記摩擦板は、前記航空機本体の長手方向に沿って延伸し、前記摩擦板の上面の両側にそれぞれ2つ以上の前記垂直支柱が接続され、すべての前記垂直支柱は前記摩擦板の延伸方向に沿って間隔を置いて配置され、
前記ダンピング緩衝機構は、傾斜支持体をさらに含み、前記傾斜支持体は油圧支持体であり、前記傾斜支持体は傾斜に配置され、その固定端が前記航空機本体の底部に接続され、その伸縮端が前記垂直支柱の側部に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の航空機安全救命システム。
【請求項4】
前記航空機本体の外殻に中間層が形成され、前記中間層が前記安全倉と連通し、前記中間層内に補強ベルトが収容され、前記補強ベルトが前記航空機本体の周りに巻かれ固定されて前記安全倉内まで延伸し、
前記安全倉が前記航空機本体の長手方向に沿って間隔を置いて複数配置され、前記安全倉内のすべての前記減速装置は前記補強ベルトに固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の航空機安全救命システム。
【請求項5】
前記減速装置は、胴体上に配置された減速パラシュートおよび前記航空機本体の尾部に配置された減速パラシュートを含み、
前記胴体上に配置された前記減速パラシュートは1層または2層以上があり、前記減速パラシュートが2層以上である場合、上層に配置された前記減速パラシュートの底部が下層の前記減速パラシュートの頂部に固定的に接続され、
前記減速装置は、胴体上に配置されたプロペラを含み、前記プロペラに発電機が接続され、前記発電機に蓄電池が電気的に接続され、前記蓄電池が前記航空機本体内の電気機器に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1または4に記載の航空機安全救命システム。
【請求項6】
前記航空機本体の両側に減速翼がさらに設けられ、前記減速翼は機首方向に向かって突出する円弧状の構造であり、前記減速翼は前記航空機本体に固定的に接続されるか、回転可能に接続され、各側の前記減速翼は2つ以上があり、前記航空機本体の同じ側に位置するすべての前記減速翼は、前記航空機本体にm列とn行配置され、ここで、mとnは正の整数であり、隣接する列または行の前記減速翼は交差して配置される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の航空機安全救命システム。
【請求項7】
前記減速翼は前記航空機本体と回転可能に接続され、前記減速翼の機首から離れた一側と前記航空機本体の間に油圧ロッドコンポーネントが配置され、
前記油圧ロッドコンポーネントは、1本または2本以上の油圧ロッド本体を含み、前記油圧ロッド本体の固定端が前記航空機本体に固定的に接続され、前記油圧ロッド本体の伸縮端が前記減速翼に固定的に接続され、
前記減速翼は展開状態と折り畳み状態があり、前記油圧ロッドが延ばすと前記減速翼を押して前記航空機本体から離間する方向に回転させることができ、前記減速翼が前記展開状態になり、前記油圧ロッドが収縮すると前記減速翼を引いて前記航空機本体へ近接する方向に回転させることができ、前記減速翼が前記折り畳み状態になり、
前記航空機本体上の各前記減速翼に対応する位置に脱出口が設けられ、前記脱出口が前記折り畳み状態の前記減速翼で被覆され、
前記脱出口上にプッシュプルドアが配置され、前記脱出口に延出可能な脱出はしごが配置される、ことを特徴とする請求項6に記載の航空機安全救命システム。
【請求項8】
前記航空機本体に第1の駆動コンポーネントが設けられ、前記第1の駆動コンポーネントは第1の駆動装置と回転ディスクを含み、
前記減速翼と前記油圧ロッドコンポーネントはすべて前記回転ディスクに設けられ、2つ以上の前記第1の駆動装置は同一の前記回転ディスクに駆動可能に接続され、前記第1の駆動装置の出力軸に伝達ギアが設けられ、前記回転ディスクの周方向にギア部が設けられ、前記ギア部は前記伝達ギアと噛み合って伝達され、同一の前記回転ディスクに接続された前記第1の駆動装置が同期して回転すると、前記回転ディスクと前記回転ディスクに配置された前記減速翼を回転させるように駆動し、さらに、前記減速翼の風上側が前記航空機本体の前方と前記航空機本体の上方の間に回転させる、ことを特徴とする請求項7に記載の航空機安全救命システム。
【請求項9】
前記航空機本体に推力タービンエンジンおよび逆推力タービンエンジンがさらに設けられ、前記推力タービンエンジンの噴射口が航空機本体の後方に配置され、前記逆推力タービンエンジンに第2の駆動アセンブリが接続され、前記第2の駆動アセンブリは第2の駆動装置、回転ディスク、および接続部を含み、
2つ以上の第2の駆動装置の出力端は同一の前記回転ディスクに駆動可能に接続され、前記接続部の端部が前記逆推力タービンエンジンに接続され、前記接続部の中央部が前記回転ディスクに接続され、同一の前記回転ディスクに接続された前記第2の駆動装置は同期して回転すると、前記回転ディスクと前記回転ディスクに配置された前記接続部、前記逆推力タービンエンジンを回転させ、かつ前記逆推力タービンエンジンの噴射口を前記航空機本体の前方、前記航空機本体の下方および前記航空機本体の上方に向かう位置の間に回転させる、ことを特徴とする請求項6に記載の航空機安全救命システム。
【請求項10】
胴体に減速装置、油圧ロッドおよびプールロッドがさらに設けられ、
前記減速装置は胴体の長手方向に沿って延伸し、前記減速装置は胴体の内側の近くに胴体に回転可能に接続され、前記減速装置の上端に前記油圧ロッドが接続され、前記油圧ロッドの固定端は胴体にヒンジで接続され、その伸縮端は前記減速装置の中央部の上面にヒンジで接続され、前記プールロッドの両端がそれぞれ胴体と前記減速装置の中央部の下面に接続され、かつ前記プールロッドは伸縮レバーであり、前記減速装置と胴体は折り畳み状態と開き状態になっている、ことを特徴とする請求項1に記載の航空機安全救命システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置の技術分野に関し、特に航空機安全救命システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は、1つ以上のエンジンを有する動力装置によって前方への推力または牽引力を発生し、胴体の固定翼によって揚力を生成し、大気中を飛行する空気より重い航空機器である。
【0003】
航空機は高空を飛行するため、その安全性能が非常に重要であり、毎回の飛行の前に、スタッフが航空機の状態を包括的かつ注意深く検査し、機体の安全率を最高レベルに引き上げる。しかしながら、航空機は高空を飛行するとき、さまざまな要因による航空災害を完全に回避することはできず、一度航空事故が発生すると、多くの人命が失われる。
【0004】
本出願者は、先行技術には少なくとも以下の技術的問題がある。先行技術では、航空機内にパラシュートなどの救命装置が装備され、一旦航空機が墜落すると、乗客および客室乗務員はパラシュートを使用してキャビンから脱出することができるが、この方法では時間の制約などの場合に乗客の安全を確保することは困難である。航空機は、航空機が故障したときに航空機の着陸を支援するために、減速および降下を支援することができる装置を欠いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、航空機が航空機の減速降下を支援し、降下衝撃力を緩衝する装置がなく、航空機およびその内の人員の安全を確保できない先行技術の技術的問題を解決するための航空機安全救命システムを提供することであり、本発明によって提供されるさまざまな技術的解決策中の好ましい技術的解決策によって生ずる多くの技術的効果を以下に詳細に説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決策を提供する。
本発明は、航空機本体を含む航空機安全救命システムであって、前記航空機本体の頂部に開閉可能な安全倉が配置され、前記安全倉内に減速装置が配置され、前記減速装置が前記安全倉から放出されて前記航空機本体の降下を減速し、
前記航空機本体の底部にダンピング緩衝機構が配置され、前記ダンピング緩衝機構が垂直方向に伸縮自在に配置され、前記ダンピング緩衝機構が航空機ホイールボディの下まで延伸して前記航空機本体が降下するときの衝撃力をさらに緩衝する、ことを特徴とする航空機安全救命システムを提供する。
【0007】
好ましくは、前記ダンピング緩衝機構は、摩擦板、垂直支持体および弾性部材を含み、
前記垂直支持体は垂直に配置された油圧支持体であり、前記垂直支持体の頂端が前記航空機本体の底部に接続され、前記弾性部材は前記垂直支柱と前記摩擦板の間に位置して両者を接続し、
前記摩擦板は、前記垂直支柱が延ばすと前記ホイールボディの下までに移動して地面と摩擦および減速させ、前記弾性部材は、前記摩擦板が地面と接触すると弾性変形して外力を緩衝する。
【0008】
好ましくは、前記摩擦板は、前記航空機本体の長手方向に沿って延伸し、前記摩擦板の上面の両側にそれぞれ2つ以上の前記垂直支柱が接続され、すべての前記垂直支柱は前記摩擦板の延伸方向に沿って間隔を置いて配置され、前記傾斜支持体は油圧支持体であり、前記傾斜支持体は傾斜に配置され、その固定端が前記航空機本体の底部に接続され、その伸縮端が前記垂直支柱の側部に接続される。
【0009】
好ましくは、前記航空機本体の両側に減速翼がさらに設けられ、前記減速翼は機首方向に向かって突出する円弧状の構造であり、前記減速翼は前記航空機本体に固定的に接続されるか、回転可能に接続され、各側の前記減速翼は2つ以上があり、前記航空機本体の同じ側に位置するすべての前記減速翼は、前記航空機本体にm列とn行配置され、ここで、mとnは正の整数であり、隣接する列または行の前記減速翼は交差して配置される。
【0010】
好ましくは、前記航空機本体の外殻に中間層が形成され、前記中間層が前記安全倉と連通し、前記中間層内に補強ベルトが収容され、前記補強ベルトが前記航空機本体の周りに巻かれ固定されて前記安全倉内まで延伸し、
前記安全倉が前記航空機本体の長手方向に沿って間隔を置いて複数配置され、前記安全倉内のすべての前記減速装置は前記補強ベルトに固定的に接続される。
【0011】
好ましくは、前記減速装置は、胴体上に配置された減速パラシュートおよび前記航空機本体の尾部に配置された減速パラシュートを含み、
前記胴体上に配置された前記減速パラシュートは1層または2層以上があり、前記減速パラシュートが2層以上である場合、上層に配置された前記減速パラシュートの底部が下層の前記減速パラシュートの頂部に固定的に接続される。
【0012】
好ましくは、前記減速装置は、胴体上に配置されたプロペラを含み、前記プロペラに発電機が接続され、前記発電機に蓄電池が電気的に接続され、前記蓄電池が前記航空機本体内の電気機器に電気的に接続される。
【0013】
好ましくは、前記航空機本体の両側に減速翼がさらに設けられ、前記減速翼は機首方向に向かって突出する円弧状の構造であり、各側の前記減速翼は2つ以上があり、前記航空機本体の同じ側に位置するすべての前記減速翼は、前記航空機本体の長手方向に間隔を置いて配置される。
【0014】
好ましくは、前記減速翼は前記航空機本体と回転可能に接続され、前記減速翼の機首から離れた一側と前記航空機本体の間に油圧ロッドコンポーネントが配置され、
前記油圧ロッドコンポーネントは、1本または2本以上の油圧ロッド本体を含み、前記油圧ロッド本体の固定端が前記航空機本体に固定的に接続され、前記油圧ロッド本体の伸縮端が前記減速翼に固定的に接続され、
前記減速翼は展開状態と折り畳み状態があり、前記油圧ロッドが延ばすと前記減速翼を押して前記航空機本体から離間する方向に回転させることができ、前記減速翼が前記展開状態になり、前記油圧ロッドが収縮すると前記減速翼を引いて前記航空機本体へ近接する方向に回転させることができ、前記減速翼が前記折り畳み状態になり、前記航空機本体上の各前記減速翼に対応する位置に脱出口が設けられ、前記脱出口が前記折り畳み状態の前記減速翼で被覆され、
前記脱出口上にプッシュプルドアが配置され、前記脱出口に延出可能な脱出はしごが配置される。
【0015】
好ましくは、前記航空機本体に第1の駆動コンポーネントが設けられ、前記第1の駆動コンポーネントは第1の駆動装置と回転ディスクを含み、
前記減速翼と前記油圧ロッドコンポーネントはすべて前記回転ディスクに設けられ、2つ以上の前記第1の駆動装置は同一の前記回転ディスクに駆動可能に接続され、前記第1の駆動装置の出力軸に伝達ギアが設けられ、前記回転ディスクの周方向にギア部が設けられ、前記ギア部は前記伝達ギアと噛み合って伝達され、同一の前記回転ディスクに接続された前記第1の駆動装置が同期して回転すると、前記回転ディスクと前記回転ディスクに配置された前記減速翼を回転させるように駆動し、さらに、前記減速翼の風上側が前記航空機本体の前方と前記航空機本体の上方の間に回転させる。
【0016】
好ましくは、前記航空機本体に推力タービンエンジンおよび逆推力タービンエンジンがさらに設けられ、前記推力タービンエンジンの噴射口が航空機本体の後方に配置され、前記逆推力タービンエンジンに第2の駆動アセンブリが接続され、前記第2の駆動アセンブリは第2の駆動装置、回転ディスク、および接続部を含み、
2つ以上の第2の駆動装置の出力端は同一の前記回転ディスクに駆動可能に接続され、前記接続部の端部が前記逆推力タービンエンジンに接続され、前記接続部の中央部が前記回転ディスクに接続され、同一の前記回転ディスクに接続された前記第2の駆動装置は同期して回転すると、前記回転ディスクと前記回転ディスクに配置された前記接続部、前記逆推力タービンエンジンを回転させ、かつ前記逆推力タービンエンジンの噴射口を前記航空機本体の前方、前記航空機本体の下方および前記航空機本体の上方に向かう位置の間に回転させる。
【0017】
選択可能な実施形態として、前記胴体に減速装置、油圧ロッドおよびプールロッドがさらに設けられ、
前記減速装置は胴体の長手方向に沿って延伸し、前記減速装置は胴体の内側の近くに胴体に回転可能に接続され、前記減速装置の上端に前記油圧ロッドが接続され、前記油圧ロッドの固定端は胴体にヒンジで接続され、その伸縮端は前記減速装置の中央部の上面にヒンジで接続され、前記プールロッドの両端がそれぞれ胴体と前記減速装置の中央部の下面に接続され、かつ前記プールロッドは伸縮レバーであり、前記減速装置と胴体は折り畳み状態と開き状態になっている。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比較すると、本発明によって提供される航空機安全救命システムは以下の有益な効果を有する。航空機本体の頂部に開閉可能な安全倉が配置され、安全倉内の減速装置が緊急の時放出され、航空機本体の減速、降下を支援し、乗客、乗務員の脱出時間を増やすとともに航空機の制御喪失による直接墜落を防止し、航空機本体の底部にダンピング緩衝機構が配置され、ダンピング緩衝機構は、航空機の通常飛行中にホイールボディの上に配置され、緊急の時、ダンピング緩衝機構がホイールボディの下まで延伸し、航空機が地面と接触するとき、ダンピング緩衝機構がまず地面と接触し、航空機本体が降下するときの衝撃力を緩衝し、航空機本体が降下するときの衝撃力による重大な事故が発生し、乗客と航空機の重要部品の安全を脅かし、航空機の制御喪失による生命と財産の安全性を低下させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例または先行技術中の技術的解決策をより明らかに説明するために、以下、実施例または先行技術の説明に使用される必要のある図面を簡単に説明するが、以下説明される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】航空機本体の安全倉内に減速装置が収容される構造の概略図である。
図2】第1の実施例の減速装置を開いた時の構造概略図である。
図3】第1の実施例において、航空機が着陸しようとする時の状態の概略図である。
図4】航空機安全救命システムの第1の実施例の正面図である。
図5】安全倉、補強ベルトと減速装置の配合構造の概略図である。
図6】第2の実施例の減速装置を開いた時の構造の概略図である。
図7】第2の実施例において、航空機が着陸しようとする時の状態の概略図である。
図8】航空機安全救命システムの第2の実施例の正面図である。
図9】ダンピング緩衝機構の構造概略図である。
図10】第3の実施例の減速装置を開いた時の構造概略図である。
図11】プロペラが回転する時の状態構造の概略図である。
図12】航空機安全救命システムの第3の実施例の正面図である。
図13】減速翼が展開状態にある時の全体構造の概略図である。
図14】減速翼が折り畳み状態にある時の全体構造の概略図である。
図15】減速翼、減速ロッドコンポーネントおよび脱出口の配合構造の概略図である。
図16】減速装置が折り畳み状態にある場合の構造の概略図である。
図17】減速装置が折り畳み状態と開き状態の間にある場合の構造の概略図である。
図18】減速装置が開き状態にある場合の構造の概略図である。
図19】減速装置が胴体に配置されている場合の構造の概略図である。
図20】第1の駆動装置と回転ディスクの嵌合構造の概略図である。
図21】減速翼の風上側が上方に向かっている場合の構造の概略図である。
図22】減速翼が航空機本体に分布されている構造の概略図である。
図23】逆推力タービンエンジン、推力タービンエンジンの第1の状態の構造の概略図である。
図24】逆推力タービンエンジン、推力タービンエンジンの第2の状態の構造の概略図である。
図25】第2の駆動装置、回転ディスクと逆推力タービンエンジンの嵌合の第1の状態の構造の概略図である。
図26】第2の駆動装置、回転ディスクと逆推力タービンエンジンの嵌合の第2の状態の構造の概略図である。
図27】第2の駆動装置、回転ディスクと逆推力タービンエンジンの嵌合の第2の状態の側面図である。
図28】第2の駆動装置、回転ディスクと逆推力タービンエンジンの嵌合の第3の状態の構造の概略図である。
図29】逆推力タービンエンジン、推力タービンエンジンの第3の状態の構造の概略図である。
図30】航空機本体の上面視構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、以下、本発明の技術的解決策を詳細に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明中の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をせずに得られたすべての他の実施形態は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0021】
本発明の説明において、「中心」、「長さ」、「幅」、「高さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「側」などの用語によって示される方位または位置関係は、図面に基づいた方位または位置関係であり、本発明の説明、および説明の簡略化のために使用され、かかる装置またはデバイスは特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作されることを示したり暗示したりするのではなく、本発明の限定として理解することはできない。本発明の説明において、特に明記しない限り、「複数」とは2つまたは2つ以上を意味する。
【0022】
以下、図1図15を参照して本発明によって提供される技術的解決策をより詳細に説明する。
<実施例1>
図1図15に示すように、本実施例によって提供される航空機安全救命システムは、航空機本体1を含み、航空機本体1の頂部に開閉可能な安全倉2が配置され、安全倉2内に減速装置が収容され、減速装置が安全倉2から放出されて航空機本体1の降下を減速させ、航空機本体1の底部にダンピング緩衝機構5が配置され、ダンピング緩衝機構5が垂直方向に伸縮自在に配置され、ダンピング緩衝機構5が航空機ホイールボディの下まで延伸して航空機本体1の降下衝撃力をさらに緩衝することができる。
【0023】
本実施例の航空機安全救命システムは、航空機本体1頂部に開閉可能な安全倉2が配置され、安全倉2内の減速装置が緊急の時放出され、航空機本体1の減速および降下を支援し、乗客、乗務員の脱出時間を増やすとともに航空機の制御喪失による直接墜落を防止し、航空機本体1の底部にダンピング緩衝機構5が配置され、ダンピング緩衝機構5は、航空機の通常飛行中にホイールボディの上に配置され、緊急の時、ダンピング緩衝機構5がホイールボディの下まで延伸し、航空機が地面と接触するとき、ダンピング緩衝機構5がまず地面と接触し、航空機本体1が降下するときの衝撃力を緩衝し、航空機本体1が降下するときの衝撃力による重大な事故が発生し、乗客と航空機の重要部品の安全を脅かし、航空機の制御喪失による生命と財産の安全性を低下させることを防止することができる。
【0024】
本実施例のダンピング緩衝機構5は、地面と接触する時に、地面と滑り摩擦して航空機本体1の減速を支援し、弾性変形して垂直下向きの衝撃力を緩衝する。
【0025】
具体的に、本実施例ではダンピング緩衝機構5の具体的な実施形態を提供し、図9に示すように、本実施例のダンピング緩衝機構5は、摩擦板51、垂直支持体52および弾性部材53を含み、垂直支持体52は垂直に配置された油圧支持体であり、垂直支持体52の頂端が航空機本体1の底部に接続され、弾性部材53は垂直支柱と摩擦板51の間に位置して両者を接続し、摩擦板51は、垂直支柱が延ばすとホイールボディの下まで移動して地面と摩擦および減速させ、弾性部材53は、摩擦板51が地面と接触すると弾性変形して外力を緩衝することができる。
【0026】
摩擦板51は、炭素繊維複合板などの耐摩耗材料で作成され、自重を減らすことができ、航空機が着陸するとき、通常、一定の水平速度を維持し、摩擦板51は地面と滑り摩擦し、摩擦力によって航空機の迅速な減速を支援する。垂直支柱52としての油圧支持体は伸縮可能に配置され、航空機の通常走行の時、摩擦板51を航空機ホイールボディ以上の位置まで引き上げて、航空機本体1の通常走行に影響を与えることを防ぎ、事故で着落する時、垂直支柱52が延伸し摩擦板51をホイール以下の位置まで押し、摩擦板51がまず地面と接触するようになり、上記弾性部材53が垂直に配置され、地面と接触する時垂直方向に弾性変形して、垂直方向上の衝撃力を緩衝し、航空機が着陸するとき大きな衝撃力による重大な損傷を防止する。
【0027】
具体的に、図9に示すように、摩擦板51は航空機本体1の長手方向に沿って延伸し、航空機の走行時地面との間に十分な接触面積を確保し、摩擦板51の上面の両側にそれぞれ2つ以上の垂直支柱が接続され、垂直支柱によって摩擦板51の多くの部分が航空機底部に接続され、構造の安定性を確保し、図8に示すように、すべての垂直支柱が摩擦板51の延伸方向に間隔を置いて配置され、摩擦板51が水平に配置されて、摩擦板51の安定性を確保するとともに、全体の自重を減らし、摩擦板51と地面の間に水平方向上の摩擦力が発生し、航空機の水平方向上の速度を迅速に低下させる。
【0028】
選択可能な実施形態として、図9に示すように、本実施例のダンピング緩衝機構5は傾斜支持体54をさらに含み、傾斜支持体54は油圧支持体であり、傾斜支持体54が傾斜に配置され、その固定端が航空機本体1の底部に接続され、その伸縮端が垂直支柱の側部に接続される。傾斜支柱が延伸する状態にあり、航空機が着陸するとき、摩擦板51と地面間の水平後方への滑り摩擦力により、傾斜支柱の垂直支柱に対する支持力の水平方向成分が、垂直支柱が受ける水平後方への一部の衝撃力を相殺する可能性があり、垂直支柱、全体ダンピング緩衝機構5の構造強度および安定性を確保する。
【0029】
本実施例の上記ダンピング緩衝機構5は、以下の作用を有する。第1に、航空機の通常の飛行および降下の時、着陸装置が開かないと、航空機本体1が地面と摩擦し、胴体に重大な損傷を与え、本実施例のダンピング緩衝機構5は、着陸装置が開かないとき、ホイールボディの下まで延伸し、耐磨材料で作成された摩擦板51によって地面と接触し滑り摩擦して、胴体と地面の摩擦による損傷を回避し、着陸装置としての作用を果たし、航空機本体の走行を支援するとともに走行中にダンピング作用を果たし、本実施例のダンピング緩衝機構5は二重保証として機能し、航空機の安全降下を確保し、安全である。第2に、航空機の空中飛行中に機械故障が発生すると、垂直支柱が延伸し摩擦板51をホイール以下の位置まで押して、摩擦板51が地面と接触し、摩擦力によって航空機の迅速な減速を支援し、航空機の墜落を防ぎ、弾性部材53は垂直方向上の衝撃力を緩衝でき、航空機の着陸時大きな衝撃力による重大な損傷を回避する。第3に、ダンピング緩衝機構5と航空機本体エンジンは2つの独立した電力供給システムであり、ダンピング緩衝機構5が蓄電池に接続され、エンジンは停電故障が発生した場合、このダンピング緩衝機構5も動作するができ、より安全である。
【0030】
上記の実施例を基に、以下減速装置3の具体的な実施形態を提供する。
<実施例2>
減速装置は安全倉2内に位置し、航空機が事故に遭遇したときに安全倉2から放出され、減速装置が放出されても航空機本体1に固定的に接続され、航空機本体1に上向きの浮力を提供し、航空機本体1の直接墜落を防止する。航空機本体1と減速装置の安定した接続を確保し、外力が大きいときに両者が分離することを防ぐために、選択可能な実施形態として、図5に示すように、航空機本体1の外殻に中間層8が形成され、中間層8が安全倉2と連通し、中間層8内に補強ベルト4が収容され、補強ベルト4が航空機本体1の周りに巻かれ固定されて安全倉2内まで延伸し、減速装置が補強ベルト4と接続され、航空機本体1の周りと接触することに相当し、減速装置が直接航空機本体1の頂部の1点またはいくつかの点に接続されて固定される構造と比較すると、本実施例の接続構造は、補強ベルト4によって航空機本体1と減速装置を面接触させて互いに接続し、両者間の接触面積を確保することで、両者間の接続構造の安定性を確保して、航空機本体1と減速装置の分離を防止する。
【0031】
図1図2図6図7に示すように、安全倉2が航空機本体1の長手方向に沿って間隔を置いて複数配置され、減速装置が航空機本体1の長手方向に沿って間隔を置いて複数配置され、安全倉2内の減速装置がすべて補強ベルト4に固定的に接続されて構造の安定性を確保する。具体的に、安全倉2およびその内の減速装置の数が実際の状況に応じて設定され、減速装置の数が航空機本体1自体の重量に応じて設定され、減速装置が多ければ、航空機本体1により大きな浮力を提供することができる。
【0032】
図2図4図6図8に示すように、本実施例の減速装置は、胴体上に配置された減速パラシュート31、および航空機本体1尾部に配置された減速パラシュート31を含み、減速パラシュート31は、先行技術におけるパラシュートなどの展開可能な塔型パラシュート構造を採用し、そのうちに、胴体上に配置された減速パラシュート31は1層(図2図4)または2層以上(図6図8)があり、減速パラシュート31が2層以上である場合、図6図8に示すように、上層に配置された減速パラシュート31の底部が下層減速パラシュート31の頂部に固定的に接続される。
【0033】
航空機本体1尾部に配置された減速パラシュート31は、主に航空機の減速を支援する機能を果たし、航空機本体1の胴体上に配置された減速パラシュート31は、航空機事故の最初期間主に航空機の減速を支援するために使用され、図2図6に示すように、その後この位置にある減速パラシュート31が垂直下向きの状態になり、図3および図7に示すように、主に航空機に浮力を提供し、航空機本体1がゆっくりと降下することを支援し、航空機および乗客の安全を確保する。航空機本体1が比較的大きく重い場合、胴体上の位置が限られているため、図6図8に示される減速パラシュート31構造を採用し、航空機本体1の胴体上に2層以上の減速パラシュート31を配置することで、減速パラシュート31の航空機本体1への浮力を増加させる。
【0034】
安全倉2中の減速装置を放出するための放出システムは既存の成熟した技術であるため、ここでは説明を省略し、放出システムのオンオフスイッチは、乗客が誤ってトリガーすることを防止するために、後部コンパートメントに配置され、例えば、放出システムのスイッチを安全カバーに設置し、誤作動を防ぐために、安全ハンマーで安全カバーを壊した後にのみ放出システムを開くことができる。
【0035】
<実施例3>
本実施例では、減速装置の別の具体的な実施形態を提供し、実施例2と異なり、本実施例3は、図10図12に示すように、本実施例の減速装置は、胴体上に配置されたプロペラ32を含み、プロペラ32が航空機本体1に1層または2層以上設けられ、プロペラ32の回転により航空機本体1に浮力を提供し、航空機本体1の減速降下を支援し、航空機が事故で直接墜落することを防ぎ、そのプロペラ32に動力システムが接続されることは航空分野の成熟した技術であるため、ここでは説明を省略する。プロペラ32の動力システムと航空機エンジンシステムは2つの独立したシステムであり、航空機はエンジンで事故が発生した場合、プロペラ32の動力システムを使用して航空機の降下を減速する。航空機の通常の走行時、プロペラ32が安全倉2内に収容され、航空機は事故が発生した時、プロペラ32の動力システムを動作させ、プロペラ32が安全倉2から放出される。本実施例ではプロペラ32の動力システムを減速装置として使用し、減速パラシュート31の構造と比較し、航空機本体1の着陸位置を選択して、航空機本体1が海上または崖に着陸することを防止することができる。プロペラ32の数が航空機本体1の重量に応じて設定すればよい。
【0036】
好ましくは、図11および図12に示すように、プロペラ32に発電機7が接続され、発電機7に蓄電池6が電気的に接続され、蓄電池6に航空機本体1内の電気機器が電気的に接続される。上記構造によれば、回転するプロペラ32を使用して発電し、電気エネルギーを蓄電池6に蓄積して、航空機中の電気機器、例えばプロペラ32の動力システムなどに電力を供給する。この蓄電池6の電力供給ラインと航空機中の主回路は独立した電力供給ラインであり、エンジンが故障した時、航空機にバックアップラインを提供することができる。発電機7による発電技術は本分野の成熟した技術であり、主にプロペラ32が回転する時の外部の機械力により導体コイルを磁場で回転させ、磁気誘導線を連続的に切断して誘導起電力を生成することであるため、ここでは説明を省略する。
【0037】
<実施例4>
本実施例は、上記実施例に基づく改良であり、航空機本体1は、減速パラシュート31および/またはプロペラ32、および摩擦板51を使用して減速し、航空機は事故が発生した時より早く減速するために、選択可能な実施形態として、図13図15に示すように、本実施例中の航空機本体1の両側に減速翼9がさらに設けられ、減速翼9は機首方向へ突出した円弧状構造であり、各側に2つ以上の減速翼9があり、航空機本体1の同じ側に位置するすべての減速翼9は航空機本体1の長手方向上に間隔を置いて配置される。図22に示すように、減速翼9は航空機本体1に固定的に接続されるか、回転可能に接続され、各側の減速翼9は2つ以上があり、航空機本体の同じ側に位置するすべての減速翼は、航空機本体にm列とn行配置され、ここで、mとnは正の整数であり、隣接する列または行の減速翼9は交差して配置される。
【0038】
図13に示すように、航空機本体1上の複数の円弧状構造の減速翼9は航空機の減速を支援することができ、減速翼9が航空機本体1の両側に間隔を置いて複数配置され、図9に示すように、風の抵抗を増やすことができ、航空機本体1両側のバランスを確保する。
【0039】
減速翼9が航空機の通常飛行時の速度に与える影響を低減するために、本実施例中の減速翼9は折り畳み可能に配置される。航空機の通常飛行の時、減速翼9は図14に示すように折り畳まれ、航空機本体1の速度への影響を低減し、航空機の事故または急速に減速する必要がある時、図13に示すように、減速翼9が開かれて航空機本体1の急速な減速を支援する。
【0040】
本実施例では減速翼9の折り畳み可能な構造の具体的な実施形態を提供し、図15に示すように、減速翼9は航空機本体1に回転可能に接続され、具体的に、減速翼9の一側が航空機本体1とヒンジで接続され、減速翼9の機首から離れた一側と航空機本体1の間に油圧ロッドコンポーネントが配置され、油圧ロッドコンポーネントは、1本または2本以上の油圧ロッド本体10を含み、図15に示すように、油圧シリンダーコンポーネントは3本の油圧ロッドを含み、それぞれ減速翼9の左右両側および中部位置と航空機本体1を接続し、具体的に、油圧ロッド本体10の固定端が航空機本体1に固定的に接続され、油圧ロッド本体10の伸縮端が減速翼9に固定的に接続される。
【0041】
減速翼9は展開状態(図13)と折り畳み状態(図14)があり、すべての油圧ロッド本体10が収縮した時、油圧ロッドは減速翼9を引いて航空機本体1へ近接する方向に回転させ、減速翼9が折り畳み状態になり、すべての油圧ロッドが延ばすと、図15に示すように、油圧ロッドが減速翼9を押して航空機本体1から離間する方向に回転させ、減速翼9が展開状態になる。
【0042】
航空機本体1上に通常、乗客や乗務員が緊急時に脱出するのに便利である緊急脱出口が設けられる。緊急脱出口の数が限られているため、危機的状況において乗客が迅速に脱出することを支援するために、選択可能な実施形態として、図15に示すように、本実施例では、航空機本体1上の各減速翼9に対応する位置に脱出口11が設けられ、脱出口11は折り畳み状態の減速翼9によって被覆され、減速翼9の被覆により、航空機の通常飛行時、脱出口11が開かれることを防止し、安全を保障し、脱出口11上にプッシュプルドアが設けられ、脱出口11に延伸可能な脱出はしごが配置される。脱出はしごは既存の航空機上の脱出はしご構造を採用しているため、ここで説明を省略する。航空機は事故が発生し、例えばエンジンが故障した時、減速翼9が開かれ、乗客がドアを開いて、そこから分散し、乗客が迅速に避難できるようにする。
【0043】
本実施例の航空機本体1はまた、レザー迎撃ミサイルシステムを備え、レザー迎撃ミサイルシステムは既存の航空機上の成熟した技術であり、通常蓄電池、早期警報システム、感知システム、コンピューターシステムおよび発射システムを含み、危険な状況では、ミサイルなどを迎撃して安全を確保する。
【0044】
本実施例の航空機安全救命システムでは、航空機が空中飛行中、機械故障または人的要素によって引き起こされる安全故障に遭遇した場合、このシステムは乗客の脱出時間を増やし、航空機の減速降下、着陸を支援し、一定程度で航空機の墜落や死亡を回避する重大な問題を回避し、航空機の空中飛行に大きな安全保障を提供する。
【0045】
<実施例5>
航空機本体をより安全かつスムーズに着陸させるために、本実施例の減速翼9は航空機本体1に回転可能に配置される。図15図20および図21に示すように、航空機本体1に第1の駆動コンポーネントが設けられ、第1の駆動コンポーネントは第1の駆動装置17および回転ディスク16を含み、ここで、減速翼9および油圧ロッドコンポーネントはすべて回転ディスク16に設けられ、図20に示すように、2つ以上の第1の駆動装置17は同一の回転ディスク16に駆動可能に接続され、第1の駆動装置17はモータであり得、第1の駆動装置17の出力軸に伝達ギア171が設けられ、回転ディスク16の周方向にギア部161が設けられ、ギア部161は伝達ギア171と噛み合って伝達され、同一の回転ディスク16に接続された第1の駆動装置17は同期して回転すると、回転ディスク16を回転させる。
【0046】
同一の回転ディスク16に接続されたモータは航空機の制御システムに電気的に接続されて、同一の回転ディスク16に接続されたモータは同期して同じ方向に回転することができる。図15および図20に示すように、モータが回転すると、回転ディスク16および回転ディスク16上の減速翼9が回転し、図13に示すように、減速翼9の風上側が航空機本体の前方に向かっている場合、航空機本体1を減速する抵抗が生じ、航空機の減速に助長し、図21に示すように、減速翼9の風上側が航空機本体の上方に向かっている場合、航空機本体1が降下することを防ぐための抵抗が生じ、航空機本体がスムーズにゆっくりと降下するのに有益である。
【0047】
航空機が危機的状況に陥った場合、減速翼を開いてまず航空機の前進速度を低下し、航空機の前進速度が一定のレベルに低下したと、第1の駆動コンポーネントにより減速翼9を90°回転させ、減速翼9の上向きの風上側による上向きの抵抗を利用して、航空機本体1をゆっくりと降下させる。減速翼9の風上側が上向かっている場合、パラシュートなどの構造と連携して、航空機本体1をよりスムーズに降下させる。
【0048】
<実施例6>
緊急時には、航空機本体をさらにスムーズかつ安全に着陸させるために、図23図27に示すように、航空機本体に推力タービンエンジン19および逆推力タービンエンジンがさらに設けられ、推力タービンエンジン19の噴射口は航空機本体の後方に面しており、上記推力タービンエンジン19および逆推力タービンエンジンの具体的な噴射構造は同じであり、どちらもこの分野での成熟した先行技術であり、航空機の通常の推進機構として、この構造はここで繰り返さない。
【0049】
上記推力タービンエンジン19は航空機本体の後方に推進すると、航空機本体に前方の推力が発生し、この構造は航空機の従来の通常構造であり、緊急時着陸する必要がある場合、逆推力タービンエンジンは航空機の前進速度を低下させ、航空機のゆっくり着陸を支援する役割を持つ。具体的に、図23図27に示すように、本実施例の逆推力タービンエンジンに第2の駆動コンポーネントが接続され、第2の駆動コンポーネントは第2の駆動装置182、回転ディスク183および接続部184を含む。第2の駆動装置182はステアリングギアなどであり得、2つ以上の第2の駆動装置182の出力端は同一の回転ディスク183に駆動可能に接続され、つまり、複数のステアリングギアのステアリングディスクは同一の回転ディスク183に接続され、同一の接続部184端部が逆推力タービンエンジンに接続され、接続部184の中央部は回転ディスク183に接続され、同一の回転ディスク183に接続された第2の駆動装置182(例えばステアリングギア)と同期して回転すると、回転ディスク183と回転ディスク183に配置された接続部184を回転させるように駆動し、逆推力タービンエンジンが回転し、逆推力タービンエンジンの噴射口181を航空機本体の前方、航空機本体の下方および航空機本体の上方に向かう位置の間に回転させる。
【0050】
図25図27に示すように、第2の駆動装置182としての複数のステアリングギアは、ステアリングディスクを介して回転ディスク183の周方向に接続させ、回転ディスク183の回転に十分の動力を提供でき、ステアリングディスクの中心が接続部184を介して逆推力タービンエンジンに接続され、接続部184は接続プレート、接続ロッドまたは接続ブロックなどであり得、すべてのステアリングディスクが同期して回転すると、回転ディスク183およびその上の接続部184および逆推力タービンエンジンを回転させる。
【0051】
図23および図25に示すように、図示の破線矢印の方向は逆推力タービンエンジン18の噴射方向を示し、実線矢印方向は回転ディスク183の回転方向を示す。逆推力タービンエンジン18の噴射口181が航空機本体1の前方に向かっている場合、後方への推力を発生させ、航空機本体1の減速を支援し、航空機の速度が一定のレベルに低下した後、同一の回転ディスク183に接続された第2の駆動装置182は同期して回転し、回転ディスク183が90°回転し、図26および図27に示すように、逆推力タービンエンジン18の噴射口181が下向きに設定され、上向きの推力を発生させ、航空機のゆっくり着陸を支援する。航空機の速度が低すぎる場合、図28および図29に示すように、逆推力タービンエンジン18の噴射口181が上向きに設定され、逆推力タービンエンジン18の噴射口181が上向きに噴射して下向きの推力を発生させ、航空機が適切な速度で着陸することを支援する。
【0052】
本実施例の逆推力タービンエンジンの構造では、噴射口181は航空機本体の前方、航空機本体の上方および航空機本体の下方に設定され得、航空機本体の飛行速度を低減し、航空機本体の降下速度を適切に保持し、緊急時、乗客の安全をさらに保護することができる。
【0053】
本実施例の逆推力タービンエンジン18はパラシュートと組み合わせて使用することも、単独で使用することもできる。
【0054】
航空機をスムーズに着陸させ、人と航空機の安全を確保する必要がある。選択可能な実施形態として、図30に示すように、本実施例では4台の逆推力タービンエンジン18を含み、それぞれ両側の翼、機首の底部および機尾底部に配置され、機首の底部および機尾底部の逆推力タービンエンジンは、回転せずに航空機本体に固定的に接続される。
【0055】
航空機が緊急時に着陸する必要がある場合、機首底部および機尾底部に配置された逆推力タービンエンジンを始動し、航空機の減速降下を支援し始めると同時に、両側機翼にある逆推力タービンエンジンを始動し、逆推力タービンエンジン18の噴射口181が航空機本体1の前方に向かっている場合、後方への推力を発生させ、航空機本体1の減速を支援し、航空機の速度が一定のレベルに低下した後、回転ディスク183が90°回転し、噴射口181が上向きや下向きの位置まで回転でき、航空機本体の降下速度が遅すぎる場合、逆推力タービンエンジン18の噴射口181が上むきであり、航空機本体1の降下速度が速すぎる場合、逆推力タービンエンジン18の噴射口181が下向きであり、このようにして航空機の降下速度を効果的に調節でき、航空機全体のバランスを保持する。
【0056】
航空機本体にバックアップ電源があり、太陽エネルギーやプロペラなどの発電装置を使って蓄電池に電気エネルギーを蓄えることができる。この蓄電池6の電源ラインは航空機の主回路と独立した電源ラインであり、エンジンが故障したとき、航空機にバックアップ電源ラインを提供することができる。
【0057】
航空機本体に早期警報システムおよび検知システムがさらに配置され、早期警報システム、検知システムはすべて航空機本体の制御ユニットおよび航空機本体のエンジンに電気的に接続され、エンジンが故障したことが検出された場合、検知システムは信号を制御ユニットに送信し、制御ユニットは信号を受信した後減速翼、逆推力タービンエンジンを始動させるように制御し、早期警報システムは警報を発して、機内の人員に注意を促す。
【0058】
<実施例7>
代替可能な実施形態として、図16図19に示すように、本実施例の航空機安全救命システムでは、胴体に減速装置14、油圧ロッド12およびプールロッド13がさらに配置され、図19に示すように、減速装置14は胴体の長手方向に沿って延伸し、減速装置14は胴体の内側の近くに胴体に回転可能に接続され、減速装置14の上端に油圧ロッド12が接続され、油圧ロッド12の固定端が胴体にヒンジで接続され、その伸縮端は減速装置14の中央部の上面にヒンジで接続され、プールロッド13の両端はそれぞれ胴体および減速装置14の中央部の下面に接続され、かつプールロッド13は伸縮ロッドである。
【0059】
減速装置14と胴体は折り畳み状態および開き状態を有し、図16に示すように、折り畳み状態では、プールロッド13は収縮状態になり、油圧ロッド12も収縮し、減速装置14が胴体に折り畳まれる。図17および図18図19に示すように、油圧ロッド12が伸ばされると、減速装置14が引っ張られて回転し、プールロッド13が伸ばされ、減速装置14が展開状態になる。このとき、減速装置14は、航空機のスムーズな減速を助け、乗客の脱出時間を増やし、航空機の減速、降下および着陸を支援し、一定程度で航空機の墜落や死亡を回避する重大な問題を回避し、航空機の空中飛行に大きな安全保障を提供する。
【0060】
減速装置14は減速翼であり得る。その上に補強リブが設けられる。
【0061】
機翼に、航空機の減速および着陸を支援するための第2の減速傘15がさらに設けられる。
【0062】
本明細書の説明において、具体的な特徴、構造または利点は、いずれか1つまたは複数の実施例または例示では適切な方法で組み合わせることができる。
【0063】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的な例示」、または「いくつかの例示」などの参照用語は、この実施例または例示で説明された具体的な特徴、構造、材料または利点は本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の模式的説明は、必ずしも同じ実施例または例示を指すとは限らない。そして、説明される具体的な特徴、構造、材料または利点は、いずれか1つまたは複数の実施例または例示では適切な方法で組み合わせることができる。ここでは、当業者は、互いに矛盾することなく、本明細書で説明される異なる実施例または例示、および異なる実施例または例示の特徴を組み合わせることができる。
【0064】
上記は本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されなく、当業者であれば、本発明によって開示される技術的範囲に容易に想到した変更や置換は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。したがって、本発明の保護範囲は前記特許請求の範囲に従うべきである。
【符号の説明】
【0065】
1 航空機本体
2 安全倉
3 減速装置
31 減速パラシュート
32 プロペラ
4 補強ベルト
5 ダンピング緩衝機構
51 摩擦板
52 垂直支持体
53 弾性部材
54 傾斜支持体
6 蓄電池
7 発電機
8 中間層
9 減速翼
10 油圧ロッド本体
11 脱出口
12 油圧ロッド
13 プールロッド
14 減速装置
15 第2の減速傘
16 回転ディスク
161 ギア部
17 第1の駆動装置
171 伝達ギア
18 逆推力タービンエンジン
181 噴射口
182 第2の駆動装置
183 回転ディスク
184 接続部
19 推力タービンエンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30