(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185589
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】会員の離脱の有無を予測する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20120101AFI20221207BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20221207BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089618
(22)【出願日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0071558
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516014409
【氏名又は名称】ライン プラス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LINE Plus Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【弁理士】
【氏名又は名称】加美山 豊
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】特許業務法人よつ葉国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ウソク
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】本開示は、少なくとも一つのコンピュータ装置により遂行される、会員の離脱の有無を予測する方法に関するものである。
【解決手段】会員の離脱の有無を予測する方法は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップ、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測するステップ、及び、1以上の会員の離脱の有無に関する予測結果を出力するステップを含み、会員離脱予測モデルは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱の有無を予測するように学習される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのコンピュータ装置により遂行される、会員の離脱の有無を予測する方法において、
1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップ;
会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員の離脱の有無を予測するステップ;及び、
前記1以上の会員の離脱の有無に関する予測結果を出力するステップ;を含み、
前記会員離脱予測モデルが複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて前記複数の第1の参照会員の離脱の有無を予測するように、学習が実行される、会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項2】
前記予測するステップは、
前記1以上の会員と関連付けられた会員情報を前記会員離脱予測モデルに入力することで、出力される予測値に基づいて、前記1以上の会員の離脱の有無を予測するステップを含み、
前記会員離脱予測モデルが前記複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により前記複数の第1の参照会員の離脱の有無を示す参照予測値を出力するように、さらに学習が実行される、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項3】
前記複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の項目に関する情報を含み、
前記会員離脱予測モデルは、前記複数の項目に関する情報及び前記複数の項目の加重値に基づいてさらに学習が実行される、請求項1又は2に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項4】
前記会員離脱予測モデルは、複数の会員グループに関する複数の会員離脱予測サブモデルを含み、
前記複数の会員グループは、前記複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報及び既定の基準に基づいて、前記複数の第1の参照会員をグループ化することにより生成される、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項5】
前記複数の会員離脱予測サブモデルの各々は、前記複数の会員グループの各々に含まれた複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて学習が実行される、請求項4に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項6】
前記予測するステップは、
前記獲得された1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記複数の会員グループのうちで、前記1以上の会員が含まれる会員グループを決定するステップ;及び、
前記1以上の会員が含まれる会員グループに関する会員離脱予測サブモデルを用いて、前記1以上の会員の離脱の有無を予測するステップ;を含む、請求項4又は5に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項7】
前記予測するステップは、
前記会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員の離脱予測スコアを算出するステップ;及び、
前記算出された離脱予測スコアに基づいて、前記1以上の会員の離脱の有無を予測するステップ;を含み、
前記会員離脱予測モデルが前記複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて前記複数の第1の参照会員の離脱予測スコアを算出するように、さらに学習が実行される、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項8】
前記予測するステップは、
前記会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員の離脱時期を予測するステップを含み、
前記会員離脱予測モデルが前記複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて前記複数の第1の参照会員の離脱時期を予測するように、さらに学習が実行される、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項9】
前記1以上の会員に関する予測結果は、前記1以上の会員に関する離脱予測理由を含み、
前記会員離脱予測モデルは、前記第1の参照会員に関する参照離脱予測理由を出力するように学習が実行された、説明可能な機械学習モデルを含む、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項10】
前記予測するステップは、
前記1以上の会員の離脱の有無に関する基準スコアを決定するステップ;及び、
前記1以上の会員の離脱の有無に関する基準スコアに基づいて、前記1以上の会員の離脱の有無を予測するステップ;を含む、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項11】
前記1以上の会員の離脱が予測される場合、前記1以上の会員に関するコンテンツを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項12】
前記1以上の会員に関するコンテンツを決定するステップは、
コンテンツ反応予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップ;及び、
前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果に基づいて、前記1以上の会員に関するコンテンツを決定するステップ;を含み、
前記コンテンツ反応予測モデルが複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて前記複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するように、学習が実行される、請求項11に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項13】
前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップは、
前記1以上の会員と関連付けられた会員情報を前記コンテンツ反応予測モデルに入力することで、出力される予測値に基づいて、前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップを含み、
前記コンテンツ反応予測モデルが前記複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により前記複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を示す参照予測値を出力するように、さらに学習が実行される、請求項12に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項14】
前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップは、
前記1以上の会員のコンテンツに対する感度を算出するステップ;及び、
前記算出された感度に基づいて、前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップ;を含み、
前記コンテンツ反応予測モデルが前記複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により前記複数の第2の参照会員のコンテンツに対する感度を算出するように、さらに学習が実行される、請求項12に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項15】
前記決定されたコンテンツを前記1以上の会員と関連付けるステップをさらに含む、請求項11乃至14の何れか一項に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項16】
前記1以上の会員は複数の会員を含み、
前記複数の会員のうち、離脱予測時期が差し迫った会員に関するコンテンツが、離脱予測時期が差し迫っていない会員に関するコンテンツよりも優先的に関連付けられる、請求項15に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項17】
前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップは、
前記コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアを決定するステップ;及び、
前記コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアに基づいて、前記1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップ;を含む、請求項12に記載の会員の離脱の有無を予測する方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法をコンピュータで実行するためのコンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラム。
【請求項19】
情報処理システムであって、
通信モジュール;
メモリ;及び、
前記メモリと連結され、前記メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサ;を含み、
前記少なくとも一つのプログラムは、
1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、
会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員の離脱の有無を予測し、
前記1以上の会員に関する予測結果を出力するための命令語を含み、
前記会員離脱予測モデルが複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて前記複数の参照会員の離脱の有無を予測するように、学習が実行される、情報処理システム。
【請求項20】
前記少なくとも一つのプログラムは、
前記1以上の会員の離脱が予測される場合、前記1以上の会員に関するコンテンツを決定するための命令語をさらに含む、請求項19に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、会員の離脱の有無を予測する方法及びシステムに関し、具体的には、会員と関連付けられた会員情報を獲得し、会員離脱予測モデルを用いて、会員と関連付けられた会員情報に基づいて、会員の離脱の有無を予測する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のようなモバイル機器の拡散及びインターネットの発達により、モバイル機器を用いた決済アプリケーションの使用が拡散されている。消費者等は、こうした決済アプリケーションを介して、オンライン及び/又はオフラインにおいて容易に商品を購買できる。一方、様々な会社(例えば、カード会社、金融会社、フィンテック企業など)では、自社アプリケーションを介して決済サービスを提供する。消費者等は、自身の利益及び便宜に応じて、様々な会社の決済サービスから自身が使用する決済サービスを選択できる。また、消費者等は、自身が既に使用している会社の決済サービスから離脱したり、他の会社の決済サービスを新規に使用したりできる。
【0003】
これにより、各会社等は、既存の会員が離脱しないように、既存の会員から離脱可能性が大きい会員をより正確に把握し、離脱可能性に対する判断に基づいて措置をとることが大切である。しかし、このような分析に従う措置をとるために使用できるコンピュータ及び/又はネットワークリソースは、限定的で、且つ、既存会員の全体を対象とした分析は正確度を低下させる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2006-0080167号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、前記のような問題を解決するための会員の離脱の有無を予測する方法、コンピュータプログラム及びシステム(装置)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、方法、システム(装置)またはコンピュータプログラムを含む多様な方式により具現できる。
【0007】
本開示の一実施例によれば、少なくとも一つのコンピュータ装置により遂行される、会員の離脱の有無を予測する方法は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップ、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測するステップ、及び、1以上の会員の離脱の有無に関する予測結果を出力するステップを含み、会員離脱予測モデルは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱の有無を予測するように学習される。
【0008】
本開示の一実施例によれば、予測するステップは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を会員離脱予測モデルに入力することで、出力される予測値に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測するステップを含み、会員離脱予測モデルは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の第1の参照会員の離脱の有無を示す参照予測値を出力するようにさらに学習される。
【0009】
本開示の一実施例によれば、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の項目に関する情報を含み、会員離脱予測モデルは、複数の項目に関する情報及び複数の項目の加重値に基づいてさらに学習される。
【0010】
本開示の一実施例によれば、会員離脱予測モデルは、複数の会員グループに関する複数の会員離脱予測サブモデルを含み、複数の会員グループは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報及び既定の基準に基づいて、複数の第1の参照会員をグループ化することにより生成される。
【0011】
本開示の一実施例によれば、複数の会員離脱予測サブモデルの各々は、複数の会員グループの各々に含まれた複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて学習される。
【0012】
本開示の一実施例によれば、予測するステップは、獲得された1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、複数の会員グループの1以上の会員が含まれる会員グループを決定するステップ、及び、1以上の会員が含まれる会員グループに関する会員離脱予測サブモデルを用いて、1以上の会員の離脱の有無を予測するステップを含む。
【0013】
本開示の一実施例によれば、予測するステップは、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員の離脱予測スコアを算出するステップ、及び、算出された離脱予測スコアに基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測するステップを含み、会員離脱予測モデルは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱予測スコアを算出するようにさらに学習される。
【0014】
本開示の一実施例によれば、予測するステップは、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員の離脱時期を予測するステップを含み、会員離脱予測モデルは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱時期を予測するようにさらに学習される。
【0015】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員に関する予測結果は、1以上の会員に関する離脱予測理由を含み、会員離脱予測モデルは、第1の参照会員に関する参照離脱予測理由を出力するように学習された、説明可能な(explainable)機械学習モデルを含む。
【0016】
本開示の一実施例によれば、予測するステップは、1以上の会員の離脱の有無に関する基準スコアを決定するステップをさらに含み、1以上の会員の離脱の有無に関する基準スコアに基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測するステップを含む。
【0017】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員の離脱が予測される場合、1以上の会員に関するコンテンツを決定するステップをさらに含む。
【0018】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員に関するコンテンツを決定するステップは、コンテンツ反応予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップ、及び、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果に基づいて、1以上の会員に関するコンテンツを決定するステップを含み、コンテンツ反応予測モデルは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するように学習される。
【0019】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップは、1以上の会員と関連付けられた会員情報をコンテンツ反応予測モデルに入力することで、出力される予測値に基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップを含み、コンテンツ反応予測モデルは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を示す参照予測値を出力するようにさらに学習される。
【0020】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップは、1以上の会員のコンテンツに対する感度を算出するステップ、及び、算出された感度に基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップを含み、コンテンツ反応予測モデルは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する感度を算出するようにさらに学習される。
【0021】
本開示の一実施例によれば、決定されたコンテンツを1以上の会員と関連付けるステップをさらに含む。
【0022】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員は複数の会員を含み、複数の会員のうち、離脱予測時期がより差し迫った会員に関するコンテンツが、離脱予測時期があまり差し迫っていない会員に関するコンテンツよりも、優先的に関連付けられる。
【0023】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップは、コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアを決定するステップ、及び、コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアに基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するステップを含む。
【0024】
本開示の一実施例による前述した方法をコンピュータで実行するためのコンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラムが提供される。
【0025】
本開示の一実施例によれば、情報処理システムは、通信モジュール、メモリ、及び、メモリと連結され、メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサを含み、少なくとも一つのプログラムは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測し、1以上の会員に関する予測結果を出力するための命令語を含み、会員離脱予測モデルは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員の離脱の有無を予測するように学習される。
【0026】
本開示の一実施例によれば、少なくとも一つのプログラムは、1以上の会員の離脱が予測される場合、1以上の会員に関するコンテンツを決定するための命令語をさらに含む。
【発明の効果】
【0027】
本開示の一部の実施例により、既存会員の離脱の有無を予測できる。また、既存会員の離脱の有無の予測に応じてユーザにコンテンツを提供できる。
【0028】
本開示の一部の実施例において、離脱が予測される会員にターゲッティングしたコンテンツを提供できる。
【0029】
本開示の効果は、これに制限されず、言及されない他の効果等は、請求範囲の記載から本開示が属する技術分野における通常の知識を有した者(以下、“通常の技術者”という)に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示の実施例等は、以下の添付図面に基づいて説明される。ここで、類似の参照番号は類似の要素を示すが、これに限定されるものではない。
【
図1】本開示の一実施例により、1以上の会員の離脱の有無を予測する例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施例による決済サービス及び/又は会員の離脱の有無の予測サービスを提供するために、情報処理システムが複数のユーザ端末と通信可能であるように連結された構成を示す概要図である。
【
図3】本開示の一実施例によるユーザ端末及び情報処理システムの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施例による会員の離脱の有無を予測する方法を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の一実施例により、会員離脱予測モデル及び/又はコンテンツ反応予測モデルを学習する例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施例により、対象会員と関連付けられた会員情報に基づいて、会員の離脱の有無を予測する例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施例により、出力される対象会員の離脱の有無に関する予測結果の例を示す図である。
【
図8】本開示の一実施例により、離脱が予測される対象会員と関連付けられた会員情報に基づいて、コンテンツに対する反応の有無を予測する例を示す図である。
【
図9】本開示の一実施例により、出力される対象会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果の例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施例により、対象会員に関する離脱予測理由を決定する方法を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の一実施例により、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアに従う離脱予測性能を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施のための具体的な内容を添付図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明では、本開示の要旨を不要にぼやかす恐れがある場合、公知の機能や構成に関する具体的な説明は省略する。
【0032】
添付図面において、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が付与される。また、以下の実施例の説明において、同一又は対応する構成要素の重複記述は省略され得る。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素が、ある実施例に含まれないものと意図してはならない。
【0033】
開示の実施例の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面に基づいて後述する実施例を参照すれば明確になる。しかしながら、本開示は、以下で開示される実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態で具現され得る。但し、本実施例は、本開示が完全になるようにし、本開示が通常の技術者に発明のカテゴリを正確に認識させるために提供されるだけである。
【0034】
本開示で使用される用語について簡略に説明し、開示の実施例について具体的に説明する。本明細書で使用される用語は、本開示での機能を考慮しつつ、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは関連分野に従事する技術者の意図又は判例、新技術の出現などにより変化し得る。また、特定の場合は出願人が任意で選定した用語もあり得るが、これらの意味は当該発明の説明の部分において詳細に記載する。よって、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持つ意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0035】
本開示において、文脈上において明確に特定しない限り、単数の表現は複数の表現を含み、複数の表現は単数の表現を含むことができる。本開示において、ある部分がある構成要素を「含む」とすれば、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むこともできることを意味する。
【0036】
また、明細書で使用される「モジュール」又は「部」という用語は、ソフトウェアやハードウェア構成要素を意味し、「モジュール」又は「部」はある役割を遂行する。しかしながら、「モジュール」又は「部」はソフトウェアやハードウェアに限定される意味ではない。「モジュール」又は「部」は、アドレッシング可能な保存媒体にあるように構成してもよく、一つ又はそれ以上のプロセッサを再生させるように構成してもよい。したがって、一例として、「モジュール」又は「部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、タスク構成要素のような構成要素、並びに、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、配列又は変数のうちで少なくとも一つを含むことができる。構成要素と「モジュール」又は「部」は、内部で提供される機能はさらに小さい数の構成要素及び「モジュール」又は「部」で結合されたり、追加的な構成要素と「モジュール」又は「部」にさらに分離されたりできる。
【0037】
本開示の一実施例によれば、「モジュール」又は「部」はプロセッサ及びメモリで具現され得る。「プロセッサ」は汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、制御器、マイクロ制御器、状態マシンなどを含むように広く解釈されるべきである。いくつかの環境では、「プロセッサ」は特定用途向け半導体(ASIC)、プログラム可能なロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)等を示すこともできる。「プロセッサ」は、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサの組合せ、DSPコアと結合した一つ以上のマイクロプロセッサの組合せ、若しくは、任意の他のそのような構成等の組合せのような処理デバイスの組合せを示すこともできる。また、「メモリ」は電子情報を保存可能な任意の電子コンポーネントを含むように広く解釈されるべきである。「メモリ」は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Reda-Only Memory)、フラッシュメモリ、磁気又は光学データ保存装置、レジスターなどのようなプロセッサ-読み取り可能な媒体の多様な類型を示すこともできる。プロセッサがメモリから情報を読み取りメモリに情報を記録できる場合、メモリはプロセッサと通信状態にあると言われる。プロセッサに集積されたメモリはプロセッサと通信状態にある。
【0038】
本開示において、「会員」は、特定サービス(例えば、決済サービスなど)を利用する消費者や、過去に利用したことがある消費者や、特定サービスに関するメンバーシップに含まれた消費者などを示すことができる。例えば、「会員」は、特定サービスと関連付けられたアプリケーション、ホームページ及び/又はアカウントのメンバーシップとして加入した消費者及び/又は過去に加入したことがある消費者を含むことができる。
【0039】
本開示において、「離脱」は、特定サービスに関するメンバーシップでの脱退及び/又は既定の期間内(例えば、連続して1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月など)の未利用を示すことができる。例えば、「会員の離脱」は、既存会員の1ヶ月間の連続的な未利用を意味できる。これにより、既存会員が1ヶ月間連続してサービスを未利用している場合(すなわち、既存会員が1ヶ月間連続してサービスを利用していない場合)、当該会員は離脱したと判定できる。また、既存会員が基準時点から1ヶ月間連続してサービスを未利用すると予測される場合、当該会員は離脱すると予測できる。
【0040】
本開示において、「コンテンツ」は、特定サービス(例えば、決済サービスなど)のユーザに付加的に提供する情報、データ及び/又はサービスを示すことができる。例えば、「コンテンツ」は、主要サービスの使用を奨励するために、ユーザに提供される付加的又は追加的な情報、データ及び/又はサービスを含むことができる。
【0041】
図1は、本開示の一実施例により、1以上の会員の離脱の有無を予測する例を示す図である。一実施例において、情報処理システム(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)は、1以上の会員に対して決済サービスを提供できる。例えば、情報処理システムは、決済アプリケーションなどを介して、1以上の会員に決済サービスを提供できる。こうした決済サービスなどにおいて、既存会員の1ヶ月の利用離脱は長期の離脱につながることがある。したがって、ユーザ(例えば、サービス管理者や運営者など)は、会員の長期の離脱を防止するために、会員の1ヶ月の利用離脱の有無を予測し、離脱を防止するための措置をとる必要がある。
【0042】
会員の離脱の有無を予測するために、情報処理システムは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得できる。ここで、1以上の会員は、離脱の有無の予測対象となる対象会員であり得る。一実施例において、情報処理システムは、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測できる。ここで、会員離脱予測モデルは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱の有無を予測するように学習されたモデルであり得る。情報処理システムは、1以上の会員の離脱の有無に関する予測結果を出力できる。
【0043】
1以上の会員の離脱が予測される場合、情報処理システムは、1以上の会員に関するコンテンツを決定できる。例えば、情報処理システムは、離脱が予測される会員のコンテンツに対する反応の有無を予測し、コンテンツに対する反応の有無の予測結果に基づいて、コンテンツ提供の有無及び/又は提供するコンテンツを自動的に決定できる。他の例として、情報処理システムは、離脱が予測される会員のコンテンツに対する反応の有無を予測し、コンテンツに対する反応の有無の予測結果をユーザ(例えば、決済サービス管理者や運営者など)に提供できる。このとき、情報処理システムは、提供された予測結果に応じたユーザの応答を受信して、コンテンツ提供の有無及び/又は提供するコンテンツを決定できる。
【0044】
一実施例において、情報処理システムは、コンテンツ反応予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測できる。コンテンツに対する反応の予測に使用される会員情報は、会員の離脱の有無の予測に使用される会員情報とは異なる項目のデータを含むことができる。その後、情報処理システムは、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果に基づいて、1以上の会員に関するコンテンツを決定できる。ここで、コンテンツ反応予測モデルは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するように学習されたモデルであり得る。情報処理システムは、決定されたコンテンツを1以上の会員と関連付けることができる。例えば、情報処理システムは、1以上の会員に様々な類型のコンテンツのうち、各々関連付けられたコンテンツを提供できる。
【0045】
図1に示すように、情報処理システムは、会員離脱予測モデルを用いて、基準時点(例えば、20.12.01)から特定期間内(例えば、1ヶ月内、2ヶ月内、3ヶ月内)に対象会員(例えば、利用を維持している1以上の会員)が離脱するか否かを予測できる(S110)。例えば、情報処理システムは、対象会員の離脱の有無を予測し、離脱が予測される対象会員の離脱時期を予測できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、対象会員が、M1期間(すなわち、基準時点から1ヶ月内)に離脱するか否か、M2期間(すなわち、基準時点から2ヶ月内)に離脱するか否か、及びM3期間(すなわち、基準時点から3ヶ月内)に離脱するか否かを各々予測できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、M0期間に利用維持(140)している対象会員がM1期間に離脱するか否かを予測し、M1期間に利用維持する(154)と予測される会員(すなわち、離脱しないと予測される会員)がM2期間に離脱するか否かを予測し、M2期間に利用維持する(164)と予測される会員がM3期間に離脱するか否かを予測することで、対象会員の離脱の有無及び離脱時点を予測できる。すなわち、M3期間での対象会員の利用離脱又は利用維持(174)を予測できる。
【0046】
情報処理システムは、M1、M2、M3期間に利用離脱152、162、172が予測される対象会員に対し、コンテンツ(例えば、価格割引に関するコンテンツ、クーポン提供に関するコンテンツ、商品のプレゼントに関するコンテンツ、追加特典の提供に関するコンテンツ等)を提供するか否か156、166、176及び/又は提供するコンテンツを決定できる(S130)。このために、情報処理システムは、コンテンツ反応予測モデルを用いて、M1、M2、M3期間に利用離脱152、162、172が予測される対象会員のコンテンツに対する反応の有無を予測できる(S120)。例えば、情報処理システムは、利用離脱152、162、172が予測される対象会員のうちで、コンテンツに対して反応すると予測される少なくとも一部の対象会員にコンテンツを提供することを決定できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、利用離脱152、162、172が予測される対象会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果に応じたユーザの応答に基づいて、利用離脱152、162、172が予測される対象会員の少なくとも一部の対象会員にコンテンツを提供することを決定できる。
【0047】
一実施例において、離脱予測時期がより差し迫った対象会員に関するコンテンツが、離脱予測時期があまり差し迫っていない対象会員に関するコンテンツよりも、優先的に関連付けられる。例えば、情報処理システムは、離脱予測時期がより差し迫った対象会員に関するコンテンツを、離脱予測時期があまり差し迫っていない対象会員に関するコンテンツよりも、優先的に決定できる。他の例として、利用離脱152、162、172が予測される対象会員のうちで、離脱予測時期があまり差し迫っていない会員よりも、離脱予測時期がより差し迫った対象会員に優先的にコンテンツを提供できる。すなわち、M1期間に利用離脱152が予測される対象会員に対し、M2期間に利用離脱162が予測される対象会員よりも、優先的にコンテンツを提供できる。
【0048】
図2は、本開示の一実施例による決済サービス及び/又は会員の離脱の有無の予測サービスを提供するために、情報処理システム230が複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3と通信可能であるように連結された構成を示す概要図である。情報処理システム230は、決済サービスを提供できる1以上のシステム及び/又は会員の離脱の有無を予測できる1以上のシステムを含むことができる。一実施例において、情報処理システム230は、決済サービス、会員の離脱の有無の予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスに係るコンピュータ実行可能なプログラム(例えば、ダウンロード可能なアプリケーション)及びデータの保存、提供及び実行が可能な一つ以上のサーバー装置及び/又はデータベース、或いは、クラウドコンピュータサービス基盤の一つ以上の分散コンピュータ装置及び/又は分散データベースを含むことができる。例えば、情報処理システム230は、決済サービス、会員の離脱の有無の予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスのための別途のシステム(例えば、サーバー)を含むことができる。情報処理システム230により提供される決済サービスや会員の離脱の有無の予測サービスなどは、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3の各々に設置された決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどを介してユーザに提供され得る。
【0049】
複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3は、ネットワーク220を介して情報処理システム230と通信できる。ネットワーク220は、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3及び情報処理システム230間の通信が可能であるように構成できる。ネットワーク220は、設置環境に応じて、例えば、イーサネット(Ethernet)、PLC(Power Line Communication)、電話線通信装置及びRS規格シリアル通信などのような有線ネットワーク、移動通信網、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標)などのような無線ネットワーク又はその組合せからなることができる。通信方式は制限されず、ネットワーク220を含むことができる通信網(例えば、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網、衛星網など)を活用する通信方式だけでなく、ユーザ端末210_1、210_2、210_3間の近距離無線通信も含まれる。
【0050】
図2において、携帯電話端末210_1、タブレット端末210_2及びPC端末210_3がユーザ端末の例として示したが、これに限定されず、ユーザ端末210_1、210_2、210_3は、有線及び/又は無線通信が可能であり、決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどが設置されて実行できる任意のコンピューティング装置であり得る。例えば、ユーザ端末は、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、コンピュータ、ノートブック、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットPC、ゲームコンソール(game console)、ウェアラブルデバイス(wearable device)、IoT(Internet of Things)デバイス、VR(Virtual Reality)デバイス及びAR(Augmented Reality)デバイスなどを含むことができる。また、
図2では、3つのユーザ端末210_1、210_2、210_3がネットワーク220を介して情報処理システム230と通信するものと示したが、これに限定されず、異なる数のユーザ端末がネットワーク220を介して情報処理システム230と通信するように構成されることもできる。
【0051】
一実施例において、情報処理システム230は、ユーザ端末210_1、210_2、210_3(例えば、決済サービス会員のユーザ端末)から会員と関連付けられた会員情報(例えば、会員基本情報や活動情報など)を受信できる。このとき、情報処理システム230は、受信された会員情報をデータベースなどの保存装置に保存できる。他の実施例において、情報処理システム230は、ユーザ端末210_1、210_2、210_3(例えば、決済サービス管理者及び/又は運営者などのユーザ端末)に会員の離脱の有無に関する予測結果を提供できる。
【0052】
図3は、本開示の一実施例によるユーザ端末210及び情報処理システム230の内部構成を示すブロック図である。ユーザ端末210は、決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどが実行可能であり、有線/無線通信が可能な任意のコンピューティング装置を示すことができ、例えば、
図2の携帯電話端末210_1、タブレット端末210_2及びPC端末210_3などを含むことができる。
図3に示すように、ユーザ端末210は、メモリ312、プロセッサ314、通信モジュール316及び入出力インタフェース318を含むことができる。これと同様に、情報処理システム230は、メモリ332、プロセッサ334、通信モジュール336及び入出力インタフェース338を含むことができる。
図3に示すように、ユーザ端末210及び情報処理システム230は、各々の通信モジュール316、336を用いて、ネットワーク220を介して情報及び/又はデータが通信できるように構成できる。また、入出力装置320は、入出力インタフェース318を介して、ユーザ端末210に情報及び/又はデータを入力したり、ユーザ端末210から生成された情報及び/又はデータを出力したりするように構成できる。
【0053】
メモリ312、332は、非一時的な任意のコンピュータ読取り可能な記録媒体を含むことができる。一実施例によれば、メモリ312、332は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ(Flash Memory)などのような永久的な大容量記憶装置(permanent mass storage device)を含むことができる。他の例として、ROM、SSD、フラッシュメモリ及びディスクドライブなどのような永久的な大容量保存装置は、メモリとは区分される別途の永久保存装置としてユーザ端末210又は情報処理システム230に含まれることができる。また、メモリ312、332には、運営体制と少なくとも一つのプログラムコード(例えば、決済サービス、会員の離脱の有無の予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスと関連付けられたアプリケーションなどのためのコード)が保存され得る。
【0054】
このようなソフトウェア構成要素は、メモリ312、332とは別途のコンピュータ読取り可能な記録媒体からローディングできる。このような別途のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、このようなユーザ端末210及び情報処理システム230に直接連結可能な記録媒体を含むことのできるが、例えば、フロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ及びメモリカードなどのようなコンピュータ読取り可能な記録媒体を含むことができる。他の例として、ソフトウェア構成要素等は、コンピュータ読取り可能な記録媒体でない、通信モジュール316、336を介してメモリ312、332にローディングできる。例えば、少なくとも一つのプログラムは、開発者又はアプリケーションの設置ファイルを配信するファイル配信システムが、ネットワーク220を介して提供するファイルにより設置されるコンピュータプログラム(例えば、決済サービス、会員の離脱の有無の予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスと関連付けられたアプリケーションなど)に基づいてメモリ312、332にローディングできる。
【0055】
プロセッサ314、334は、基本的な算術、ロジック及び入出力演算を遂行することで、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成できる。命令は、メモリ312、332又は通信モジュール316、336によりプロセッサ314、334に提供され得る。例えば、プロセッサ314、334は、メモリ312、332のような記録装置に保存されたプログラムコードによって受信される命令を実行するように構成できる。
【0056】
通信モジュール316、336は、ネットワーク220を介して、ユーザ端末210と情報処理システム230とが互いに通信するための構成や機能が提供でき、ユーザ端末210及び/又は情報処理システム230が、他のユーザ端末又は他のシステム(例えば、別途のクラウドシステムなど)と通信するための構成や機能が提供できる。一例として、ユーザ端末210のプロセッサ314がメモリ312などのような記録装置に保存されたプログラムコードによって生成した要請やデータ(例えば、決済処理要請や会員の離脱の有無の予測要請など)は、通信モジュール316の制御により、ネットワーク220を介して情報処理システム230に伝達され得る。反対に、情報処理システム230のプロセッサ334の制御により提供される制御信号や命令が、通信モジュール336及びネットワーク220を経て、ユーザ端末210の通信モジュール316を介してユーザ端末210に受信され得る。例えば、ユーザ端末210は、情報処理システム230から会員の離脱の有無に関する予測結果を受信できる。
【0057】
入出力インタフェース318は、入出力装置320とのインタフェースのための手段であり得る。一例として、入力装置はオーディオセンサ及び/又はイメージセンサを含むカメラ、キーボード、マイクロホン、マウスなどのような装置を含み、出力装置はディスプレイ、スピーカ、ハプティックフィードバックデバイス(haptic feedback device)などのような装置を含むことができる。他の例として、入出力インタフェース318は、タッチスクリーンなどのように入力及び出力を遂行するための構成又は機能が一つで統合された装置とのインタフェースのための手段であり得る。
図3では、入出力装置320がユーザ端末210に含まれないように示したが、これに限定されず、ユーザ端末210と一体に構成することもできる。また、情報処理システム230の入出力インタフェース338は、情報処理システム230と連結するか、又は、情報処理システム230が含むことができる入力や出力のための不図示の装置とのインタフェースのための手段であり得る。
図3では、入出力インタフェース318、338がプロセッサ314、334と別途に構成される要素として示したが、これに限定されず、入出力インタフェース318、338がプロセッサ314、334に含まれるように構成することもできる。
【0058】
ユーザ端末210及び情報処理システム230は、
図3に示す構成要素よりも多くの構成要素を含むことができる。しかしながら、大部分の従来技術的構成要素を明確に示す必要はない。一実施例によれば、ユーザ端末210は、前述した入出力装置320の少なくとも一部を含むように具現できる。また、ユーザ端末210は、トランシーバー(transceiver)、GPS(Global Positioning System)モジュール、カメラ、各種センサ及びデータベースなどのような他の構成要素をさらに含むことができる。例えば、ユーザ端末110がスマートフォンである場合、一般にスマートフォンが持つ構成要素を含むことができ、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、マイクモジュール、カメラモジュール、各種物理ボタン、タッチパネルを用いたボタン、入出力ポート及び振動のための振動器などのような多様な構成要素がユーザ端末210にさらに含まれるように具現できる。
【0059】
一実施例によれば、ユーザ端末210のプロセッサ314は、決済アプリケーション、会員管理アプリケーションまたはウェブブラウザアプリケーションが動作するように構成できる。そのとき、当該アプリケーションに係るプログラムコードがユーザ端末210のメモリ312にローディングできる。アプリケーションが動作される間に、ユーザ端末210のプロセッサ314は、入出力装置320から提供された情報及び/又はデータを入出力インタフェース318を介して受信したり、通信モジュール316を介して情報処理システム230から情報及び/又はデータを受信したりでき、受信された情報及び/又はデータを処理してメモリ312に保存できる。また、このような情報及び/又はデータは、通信モジュール316を介して情報処理システム230に提供できる。
【0060】
決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどが動作される間に、プロセッサ314は、入出力インタフェース318と連結したタッチスクリーン、キーボード、オーディオセンサ及び/又はイメージセンサを含むカメラ、マイクロホンなどの入力装置を介して入力或いは選択された音声データ、テキスト、イメージ、映像などが受信でき、受信された音声データ、テキスト、イメージ及び/又は映像などをメモリ312に保存したり、通信モジュール316及びネットワーク220を介して情報処理システム230に提供したりできる。ユーザ端末210のプロセッサ314は、情報及び/又はデータを入出力インタフェース318を介して入出力装置320に転送して出力できる。例えば、ユーザ端末210のプロセッサ314は、ディスプレイ出力可能な装置(例:タッチスクリーンやディスプレイなど)、音声出力可能な装置(例:スピーカー)などの出力装置320を介して処理された情報及び/又はデータを出力できる。
【0061】
情報処理システム230のプロセッサ334は、複数のユーザ端末210及び/又は複数の外部システムから受信された情報及び/又はデータを管理、処理及び/又は保存するように構成できる。プロセッサ334により処理された情報及び/又はデータは、通信モジュール336及びネットワーク220を介してユーザ端末210に提供され得る。一実施例において、情報処理システム230のプロセッサ334は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測できる。その後、プロセッサ334は、1以上の会員の離脱の有無に関する予測結果をユーザ端末210(例えば、決済サービス管理者及び/又は運営者などのユーザ端末)に提供できる。
【0062】
図4は、本開示の一実施例による会員の離脱の有無を予測する方法400を示すフローチャートである。一実施例において、会員の離脱の有無を予測する方法400は、プロセッサ(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)により遂行できる。会員の離脱の有無を予測する方法400は、プロセッサが1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得することにより開始することができる(S410)。ここで、会員情報は、当該会員の総利用額、1回平均利用額、最近利用時期、使用頻度数、利用維持期間、以前の利用離脱履歴、及び関連会員数(例えば、フォロワー数、友だち数、フォローイング数等)などを含むことができる。
【0063】
その後、プロセッサは、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測できる(S420)。ここで、会員の離脱は、当該会員が既定の期間(例えば、1ヶ月)の間にサービスを利用していないことを示すことができる。プロセッサは、1以上の会員の離脱の有無に関する予測結果を出力できる(S430)。ここで、会員離脱予測モデルは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員の離脱の有無を予測するように学習されたモデルであり得る。ここで、参照会員情報は、当該参照会員の総利用額、1回平均利用額、最近利用時期、使用頻度数、利用維持期間、以前利用離脱履歴、及び関連会員数(例えば、フォロワー数、友達数、フォローイング数等)及び/又は離脱の有無に関する情報などを含むことができる。すなわち、学習に使用される複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に含まれた項目は、推論に使用される1以上の会員の会員情報に含まれた項目と同一又は類似の項目を含むことができる。
【0064】
一実施例において、プロセッサは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を会員離脱予測モデルに入力することで、出力される予測値(例えば、0又は1)に基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測できる。このとき、会員離脱予測モデルは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の参照会員の離脱の有無を示す参照予測値を出力するようにさらに学習されたモデルであり得る。付加的又は代替的に、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の項目に関する情報を含み、会員離脱予測モデルは、複数の項目に関する情報及び複数の項目の加重値に基づいてさらに学習されたモデルであり得る。ここで、加重値は、会員の離脱の有無を予測する際に、複数の項目の各々に適用される、予め決定もしくは調節可能なパラメータ及び/又は重要度を示すことができる。
【0065】
付加的又は代替的に、会員離脱予測モデルは、複数の会員グループに関する複数の会員離脱予測サブモデルを含むことができる。ここで、複数の会員グループは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報及び既定の基準に基づいて、複数の参照会員をグループ化することにより生成されたものである。ここで、複数の会員離脱予測サブモデルの各々は、複数の会員グループの各々に含まれた複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて学習されたモデルであり得る。このとき、プロセッサは、獲得された1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、複数の会員グループの1以上の会員が含まれる会員グループを決定し、1以上の会員が含まれる会員グループに関する会員離脱予測サブモデルを用いて、1以上の会員の離脱の有無を予測できる。
【0066】
付加的又は代替的に、プロセッサは、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員の離脱予測スコアを算出し、算出された離脱予測スコアに基づいて、1以上の会員の離脱の有無を予測できる。この場合、会員離脱予測モデルは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員の離脱予測スコアを算出するようにさらに学習されたモデルであり得る。付加的又は代替的に、プロセッサは、会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員の離脱時期を予測できる。このとき、会員離脱予測モデルは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員の離脱時期を予測するようにさらに学習されたモデルであり得る。付加的又は代替的に、1以上の会員に関する予測結果は、1以上の会員に関する離脱予測理由を含むことができる。このために、会員離脱予測モデルは、参照会員に関する参照離脱予測理由を出力するように学習された、説明可能な(explainable)機械学習モデルを含むことができる。
【0067】
図5は、本開示の一実施例により、会員離脱予測モデル及び/又はコンテンツ反応予測モデル532を学習する例を示す図である。情報処理システム(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)は、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱の有無を予測するように、会員離脱予測モデルを学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の第1の参照会員の離脱の有無を示す参照予測値を出力するように、会員離脱予測モデルを生成又は学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱予測スコアを算出するように、会員離脱予測モデルを学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第1の参照会員の離脱時期を予測するように、会員離脱予測モデルを学習できる。
【0068】
一実施例において、情報処理システムは、会員情報データベース500から、会員離脱予測モデルを学習するための学習データ510を獲得できる。ここで、会員情報データベース500は、情報処理システムの内部及び/又は外部の保存装置に含まれる。また、会員情報データベース500は、既に利用離脱した会員及び/又は利用を維持している会員と関連付けられた会員情報を含むことができる。会員離脱予測モデルを学習するための学習データ510は、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報を含むことができる。
【0069】
複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の項目に関する情報を含むことができる。ここで、複数の項目は、一つ以上のカテゴリ(例えば、17個のカテゴリ)に分類された一つ以上の変数(例えば、450個の変数)を示すことができ、複数の項目に関する情報は、複数の項目に対する値(例えば、変数値)を示すことができる。例えば、一つ以上のカテゴリは、会員基本情報、アカウント状態、利用トレンド、残額現況、決済トレンド、充電トレンド、送金トレンド、カード関連情報、ポイント等級、リワードクーポン関連情報、ユーザグループ統計量、決済関連情報、ステッカー関連情報、オープンチャット関連情報、及び加盟店別決済トレンドなどを含むことができ、各カテゴリは一つ以上の変数を含むことができる。
【0070】
また、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の第1の参照会員の離脱の有無に関する情報(すなわち、参照会員等の実際の離脱の有無)を含むことができる。情報処理システムは、前述した複数の項目に対する値(すなわち、変数値)を入力データとし、複数の第1の参照会員の離脱の有無を正解データ(例えば、正解ラベル)として、会員離脱予測モデルを指導学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の項目に関する情報及び複数の項目の加重値に基づいて、会員離脱予測モデルを学習できる。
【0071】
一実施例において、情報処理システムは、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報及び既定の基準に基づいて複数の会員をグループ化することにより、複数の会員グループ(例えば、144個のグループ)を生成できる。その後、情報処理システムは、複数の会員グループの各々に含まれた複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の会員離脱予測サブモデルの各々を学習できる。このように各々学習された複数の会員離脱予測サブモデルは、会員離脱予測モデルに含まれたり、会員離脱予測モデルを構成したりできる。各会員グループ別に離脱会員の比率が異なるので、情報処理システムは、各会員グループ別に会員離脱予測サブモデルを学習することにより、会員離脱予測モデルの性能を向上させることができる。一方、運営安全性のために、実際に会員の離脱の有無を予測する過程では、単一の会員離脱予測モデル(例えば、単一の会員グループに含まれた会員と関連付けられた会員情報に基づいて学習されたモデル)が使用される。
【0072】
図5に示すように、情報処理システムは、会員離脱予測モデル学習データ(すなわち、複数の第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報)510に基づいて、6ヶ月平均利用額、最近6ヶ月内の連続利用月数及び最近30日決済件数など、既定の基準に応じて複数の第1の参照会員をグループ化することにより、n個の会員グループ512、514、・・・、516(ここで、nは3以上の自然数である)を生成できる。その後、情報処理システムは、各会員グループに含まれた第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、各会員離脱予測サブモデルを学習できる。すなわち、情報処理システムは、複数の第1の参照会員のうち、第1の会員グループ512に含まれた第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、第1の会員離脱予測サブモデル522を学習し、第2の会員グループ514に含まれた第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、第2の会員離脱予測サブモデル524を学習できる。これと同様に、情報処理システムは、第nの会員グループ516に含まれた第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、第nの会員離脱予測サブモデル526を学習できる。
【0073】
一実施例において、情報処理システムは、会員情報データベース500から、コンテンツ反応予測モデル532を学習するための学習データ530を獲得できる。コンテンツ反応予測モデル532を学習するための学習データ530は、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報を含むことができる。ここで、第2の参照会員は、離脱の有無と無関係に、クーポンなどのようなコンテンツの利用または提供の履歴が存在する会員を含むことができる。複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の第2の参照会員の複数の変数(例えば、40個の変数)に対する値及び/又はコンテンツに対する反応の有無(例えば、特定コンテンツに対する実際の反応の有無、コンテンツ利用の有無、コンテンツ利用履歴など)を含むことができる。
【0074】
一実施例において、情報処理システムは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するように、コンテンツ反応予測モデルを学習できる。例えば、情報処理システムは、複数の第2の参照会員の複数の変数(例えば、40個の変数)に対する値を入力データとし、コンテンツに対する反応の有無を正解データとして、コンテンツ反応予測モデルを学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を示す参照予測値を出力するように、コンテンツ反応予測モデルを学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報の入力により、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する感度(sensitivity)を算出するように、コンテンツ反応予測モデルを学習できる。
【0075】
会員離脱予測モデルを学習するための学習データ510及びコンテンツ反応予測モデルを学習するための学習データ530は、少なくとも一部が同一又は異なることができる。すなわち、会員離脱予測モデルを学習するための学習データ510に該当する複数の第1の参照会員と、コンテンツ反応予測モデルを学習するための学習データ530に該当する複数の第2の参照会員とは、少なくとも一部が同一又は異なることができる。また、第1の参照会員及び第2の参照会員が互いに同一の会員に該当しても、会員離脱予測モデルを学習するのに使用される参照会員情報(すなわち、第1の参照会員と関連付けられた参照会員情報)と、コンテンツ反応予測モデルを学習するのに使用される参照会員情報(すなわち、第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報)とを構成するデータ(または、変数や変数値)は、互いに異なることができる。これと同様に、特定対象会員に対して離脱を予測し、コンテンツに対する反応の有無を予測する過程(すなわち、推論段階)において、会員離脱予測モデルに入力される会員情報を構成するデータと、コンテンツ反応予測モデルに入力される会員情報を構成するデータとは、互いに異なることができる。
【0076】
図6は、本開示の一実施例により、対象会員と関連付けられた会員情報610に基づいて、会員の離脱の有無を予測する例を示す図である。情報処理システム(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)は、離脱の有無を予測しようとする1以上の会員(すなわち、対象会員)と関連付けられた会員情報に基づいて、対象会員の離脱の有無を予測できる。
図6に示すように、情報処理システムは、対象会員と関連付けられた会員情報610を会員離脱予測モデル620に入力することで、対象会員の離脱の有無に関する予測結果630を生成できる。ここで、対象会員と関連付けられた会員情報610は、複数の項目の各々に関する対象会員の情報(例えば、変数値)を含むことができる。例えば、会員離脱予測モデル620は、ブースティング系列の任意の機械学習モデル(例えば、XGBoostなど)を含むことができるが、これに限定されるものではない。このとき、会員離脱予測モデルは、入力される対象会員と関連付けられた情報610及び複数の項目の各々に対する加重値(例えば、複数の項目の各々に適用される、予め決定もしくは調節可能なパラメータや重要度など)に基づいて、対象会員の離脱の有無に関する予測結果630を出力できる。
【0077】
一実施例において、情報処理システムは、対象会員と関連付けられた会員情報を会員離脱予測モデルに入力することで、出力される予測値に基づいて、対象会員の離脱の有無を予測できる。例えば、情報処理システムは、会員離脱予測モデルから出力される予測値が1である場合、対象会員が離脱すると予測できる。他の例として、情報処理システムは、会員離脱予測モデルから出力される予測値が0である場合、対象会員が離脱しないと予測できる。
【0078】
付加的又は代替的に、情報処理システムは、会員離脱予測モデルを用いて、対象会員の離脱時期を予測できる。例えば、情報処理システムは、会員離脱予測モデルを用いて、M1期間(例えば、基準時点から1ヶ月内)における対象会員の離脱の有無、M2期間(例えば、基準時点から2ヶ月内)における対象会員の離脱の有無、及びM3期間(例えば、基準時点から3ヶ月内)における対象会員の離脱の有無を各々予測できる。すなわち、情報処理システムは、M1期間に対象会員が離脱するか否かを示す予測値(例えば、0又は1)、M2期間に対象会員が離脱するか否かを示す予測値(例えば、0又は1)、及びM3期間に対象会員が離脱するか否かを示す予測値(例えば、0又は1)を含む、対象会員の離脱の有無に関する予測結果を生成できる。
【0079】
付加的又は代替的に、情報処理システムは、会員離脱予測モデルを用いて、対象会員の離脱予測スコアを算出し、算出された離脱予測スコアに基づいて、対象会員の離脱の有無を予測できる。ここで、離脱予測スコアは0から1000間の値に算出でき、離脱予測スコアが高いほど、対象会員の離脱危険が高いと予測できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、算出された離脱予測スコアに基づいて、対象会員を、離脱する危険性が高い会員、離脱する危険性が中位の会員または離脱する危険性が低い会員の少なくとも一つに区分できる。すなわち、情報処理システムは、対象会員の離脱予測スコアが第1の区間に該当する場合に対象会員を離脱する危険性が高い会員とし、対象会員の離脱予測スコアが第2の区間に該当する場合に対象会員を離脱する危険性が中位の会員とし、対象会員の離脱予測スコアが第3の区間に該当する場合に対象会員を離脱する危険性が低い会員として決定できる。
【0080】
一実施例において、情報処理システムは、対象会員と関連付けられた会員情報に基づいて、複数の会員グループのうちで、対象会員が含まれる会員グループを決定できる。その後、情報処理システムは、対象会員が含まれる会員グループに関する会員離脱予測サブモデルを用いて、対象会員の離脱の有無を予測できる。対象会員と類似の会員等の会員情報に基づいて学習された会員離脱予測サブモデルを用いることで、情報処理システムは、対象会員の離脱の有無をより正確に予測できる。
【0081】
付加的又は代替的に、情報処理システムは、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアを決定できる。例えば、情報処理システムは、基準スコアに応じたユーザの選択に基づいて、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアを決定できる。このとき、情報処理システムは、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアに基づいて、対象会員の離脱の有無を予測できる。例えば、対象会員の離脱予測スコアが基準スコアと同一または基準スコアよりも大きい場合、情報処理システムは対象会員が離脱すると予測できる。他の例として、対象会員の離脱予測スコアが基準スコアよりも小さい場合、情報処理システムは対象会員が離脱しないと予測できる。
【0082】
図7は、本開示の一実施例により、出力される対象会員の離脱の有無に関する予測結果の例を示す図である。プロセッサ(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ及び/又はユーザ端末の少なくとも一つのプロセッサ)は、対象会員の離脱の有無に関する予測結果を出力できる。これにより、プロセッサは、ユーザ(例えば、サービス運営者及び/又は管理者など)に対象会員の離脱の有無に関する予測結果を提供できる。一実施例において、プロセッサは、対象会員の離脱の有無に関する予測結果として、対象会員の離脱の有無を示す予測値を出力できる。ここで、予測値は1または0に出力できる。例えば、対象会員が離脱すると予測される場合に予測値として1が出力され、対象会員が離脱しないと予測される場合に予測値として0が出力される。
【0083】
他の実施例において、プロセッサは、対象会員の離脱の有無に関する予測結果として、対象会員の離脱予測スコアを出力できる。ここで、離脱予測スコアは0から1000間の値であり得、離脱予測スコアが高いほど離脱する危険が高い会員であり得る。付加的又は代替的に、プロセッサは、対象会員が、離脱する危険性が高い会員であるか、離脱する危険性が中位の会員であるか、或いは離脱する危険性が低い会員であるかを出力できる。
【0084】
図示の表700によれば、プロセッサは、各対象会員(「user1」、「user2」、「user3」、「user4」、「user5」)の離脱の有無を示す予測値(「離脱予想_TF」)及び離脱予測スコアを出力できる。例えば、「user1」は、予測値が1であり、離脱予測スコアが約741であるから、離脱すると予測され、離脱する危険性が高い会員であり得る。また、「user4」は、予測値が0であり、離脱予測スコアが約211であるから、離脱しないと予測され、離脱する危険性が低い会員であり得る。さらに、プロセッサは、各対象会員と関連付けられた会員情報(例えば、年齢(「age」)、関連会員数(「followees_count」、「followers_count」、「bothways_count」)などを共に出力できる。
【0085】
図7では、プロセッサが各対象会員別に予測値を一つずつ出力しているが、これに限定されるものではない。例えば、プロセッサは、複数の期間(または時期)の各々に関する対象会員の離脱の有無を示す予測値を出力できる。すなわち、プロセッサは、M1期間における対象会員の離脱の有無を示す予測値、M2期間における対象会員の離脱の有無を示す予測値、及びM3期間における対象会員の離脱の有無を示す予測値を共に出力できる。他の例として、プロセッサは、離脱が予測される対象会員の予想離脱時期を共に出力できる。
【0086】
図8は、本開示の一実施例により、離脱が予測される対象会員と関連付けられた会員情報810に基づいて、コンテンツに対する反応の有無を予測する例を示す図である。情報処理システム(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)は、対象会員の離脱が予測される場合、離脱が予測される対象会員に関するコンテンツを決定できる。このために、情報処理システムは、
図8に示すように、離脱が予測される対象会員と関連付けられた会員情報810をコンテンツ反応予測モデル820に入力することで、対象会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果830を生成できる。例えば、コンテンツ反応予測モデル820は、ブースティング系列の任意の機械学習モデル(例えば、XGBoostなど)を含むことができるが、これに限定されるものではない。ここで、コンテンツ反応予測モデル820に入力される対象会員と関連付けられた会員情報810は、会員離脱予測モデルに入力される会員情報と異なる項目に関するデータを含むことができる。例えば、コンテンツ反応予測モデル820に入力される対象会員と関連付けられた会員情報810は、コンテンツ(例えば、クーポン情報を含むコンテンツ)使用件数、使用したコンテンツの種類、未使用のコンテンツの種類、コンテンツの使用時点又は期間などを含むことができる。
【0087】
一実施例において、情報処理システムは、コンテンツ反応予測モデルを用いて、対象会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員のコンテンツ(例えば、クーポン又は割引情報を含むコンテンツなど)に対する反応を予測できる。これにより、情報処理システムは、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果に基づいて、1以上の会員に関するコンテンツを決定できる。ここで、コンテンツ反応予測モデルは、複数の第2の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の第2の参照会員のコンテンツに対する反応の有無を予測するように学習されたモデルであり得る。また、コンテンツ反応予測モデルは、会員離脱予測モデルとは別に学習されたモデルであり得る。
【0088】
例えば、情報処理システムは、対象会員と関連付けられた会員情報をコンテンツ反応予測モデルに入力することで、出力される予測値に基づいて、対象会員のコンテンツに対する反応の有無を予測できる。ここで、コンテンツ反応予測モデルから出力される予測値は1または0であり得る。例えば、対象会員がコンテンツに対して反応すると予測される場合に予測値として0が出力され、対象会員が反応しないと予測される場合に予測値として1が出力される。
【0089】
付加的又は代替的に、情報処理システムは、1以上の会員のコンテンツに対する感度(sensitivity)を算出し、算出された感度に基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測できる。コンテンツに対する感度が高いほど、対象会員がコンテンツに対して反応する確率が高いと予測できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアを決定し、コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアに基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測できる。
【0090】
図9は、本開示の一実施例により、出力される対象会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果の例を示す図である。プロセッサ(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ及び/又はユーザ端末の少なくとも一つのプロセッサ)は、コンテンツに対する反応の有無の予測結果を出力できる。これにより、プロセッサは、管理者などのようなユーザに対象会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果を提供できる。一実施例において、プロセッサは、対象会員のコンテンツに対する反応の有無の予測結果として、対象会員のコンテンツに対する反応の有無を示す予測値を出力できる。ここで、予測値は1また0に出力できる。例えば、対象会員がコンテンツに対して反応すると予測される場合に予測値として0が出力され、対象会員が反応しないと予測される場合に予測値として1が出力される。
【0091】
付加的又は代替的に、プロセッサは、対象会員のコンテンツに対する反応の有無に関する予測結果として、対象会員のコンテンツに対する感度を出力できる。ここで、コンテンツに対する感度は0から1000間の値であり得る。コンテンツに対する感度が高いほど、コンテンツに対して反応する確率が高い会員であり得る。すなわち、コンテンツに対する感度が高いほど、コンテンツにより離脱が防止される確率が高い会員であると予測できる。付加的又は代替的に、コンテンツに対する感度は0から1間の確率値(例えば、コンテンツに対して反応する確率または反応しない確率など)であり得る。
【0092】
図示の表900によれば、プロセッサは、離脱が予測される対象会員(「user1」、「user2」、「user3」、「user6」、「user14」)のコンテンツに対する反応の有無を示す予測値(「Predict」)及びコンテンツに対する感度(「Prob_coupon_nonuse」、「Prob_coupon_use」)などを出力できる。ここで、「Prob_coupon_nonuse」は対象会員がコンテンツに対して反応しない確率を示し、「Prob_coupon_use」は対象会員がコンテンツに対して反応する確率を示す。例えば、「user6」は、予測値が1であり、コンテンツに対して反応しない確率が約0.85であるから、コンテンツに対して反応しないと予測される会員であり得る。また、「user14」は、予測値が0であり、コンテンツに対して反応する確率が約0.85であるから、コンテンツに対して反応すると予測される会員であり得る。さらに、プロセッサは、各対象会員と関連付けられた会員情報(例えば、コンテンツ反応率や所望のコンテンツ種類など)を共に出力できる。
【0093】
プロセッサは、1以上の会員に関するコンテンツを決定し、決定されたコンテンツを1以上の会員と関連付けることができる。一実施例において、プロセッサは、ユーザ(例えば、サービス管理者及び/又は運営者など)の入力に基づいて、対象会員に関するコンテンツを決定し、決定されたコンテンツを対象会員と関連付けることができる。すなわち、プロセッサは、ユーザの入力に基づいて、対象会員にコンテンツを提供したり提供しなかったりできる。また、プロセッサは、ユーザの入力に基づいて、対象会員に提供するコンテンツの種類(例えば、クーポン、割引、または追加サービス情報を含むコンテンツなど)を決定できる。付加的又は代替的に、プロセッサは、対象会員と関連付けられた会員情報(例えば、サービス利用履歴、活動情報、プロモーションコンテンツ利用履歴など)に基づいて、対象会員に関するコンテンツ提供の有無及び/又は提供するコンテンツの種類を決定し、決定されたコンテンツを対象会員と関連付けることができる。
【0094】
一例として、決済履歴のうち、コンビニでの決済履歴の比重が高い対象会員には、コンビニの割引クーポンが含まれたコンテンツをプロモーションコンテンツとして提供できる。付加的又は代替的に、複数の会員のうち、離脱予測時期がより差し迫った会員に関するコンテンツが、離脱予測時期があまり差し迫っていない会員に関するコンテンツよりも、優先的に関連付けられる。すなわち、離脱予測時期がより差し迫った会員に対して優先的にコンテンツを提供できる。
【0095】
図10は、本開示の一実施例により、対象会員に関する離脱予測理由を決定する方法1000を示すフローチャートである。一実施例において、1以上の会員に関する予測結果は、1以上の会員に関する離脱予測理由を含むことができる。このために、会員離脱予測モデルは、第1の参照会員に関する参照離脱予測理由を出力するように学習された、説明可能な機械学習モデル(例えば、XGBoostなど)を含むことができる。すなわち、情報処理システムは、会員離脱予測モデルを用いて対象会員の離脱の有無を予測し、離脱の有無の予測に関する理由を決定できる。
【0096】
一実施例において、対象会員に関する離脱予測理由を決定する方法1000は、プロセッサ(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)により遂行できる。対象会員に関する離脱予測理由を決定する方法1000は、プロセッサが複数の項目(例えば、450個の項目)のうちで、離脱予測時に重要度が高い項目(例えば、100個の項目)を決定することにより開始することができる(S1010)。一実施例において、プロセッサは、複数の項目の少なくとも一部を選択するユーザ入力により、選択された少なくとも一部の項目を重要度が高い項目として決定できる。他の実施例において、プロセッサは、複数の項目の各々の重要度に基づいて、複数の項目のうちで離脱予測時に重要度が高い項目を決定できる。このために、プロセッサは、複数の項目の各々に対し、会員の離脱の有無を予測する時の重要度を決定(または算出)できる。例えば、プロセッサは、会員の離脱の有無を予測する時の複数の項目の各々の重要度(または加重値)に応じたユーザ入力により、複数の項目の各々の重要度を決定(または算出)できる。他の例として、プロセッサは、会員の離脱の有無を予測する時の複数の項目の各々が及ぼす影響に基づいて重要度を算出できる。
【0097】
その後、プロセッサは、重要度が高い項目の各々と、会員の離脱の有無との間の相関関係を決定できる(S1020)。例えば、プロセッサは、複数の会員(例えば、複数の参照会員)と関連付けられた会員情報に基づいて、重要度が高い項目の各々と、会員の離脱の有無との間の相関関係を決定できる。ここで、会員情報は、重要度が高い項目の各々に対する変数値及び会員の離脱の有無を含むことができる。ここで、会員の離脱の有無は0または1の値に示すことができる。一実施例において、プロセッサは、重要度が高い項目の各々と、会員の離脱の有無を示す値(例えば、0または1)との間の相関係数を算出して、重要度が高い項目の各々と、会員の離脱の有無とが比例関係であるか反比例関係であるかを決定できる。例えば、相関係数が0よりも大きい場合(すなわち、正の相関係数)、当該項目の変数値が大きいほど離脱可能性が上昇し、相関係数が0よりも小さい場合(すなわち、負の相関係数)、当該項目の変数値が小さいほど離脱可能性が上昇できる。
【0098】
プロセッサは、重要度が高い項目の各々に対する対象会員(例えば、離脱の有無の予測の対象となる会員)の変数値を獲得できる(S1030)。一実施例において、プロセッサは、各項目に対する複数の会員の変数値の分布における対象会員の変数値の位置を決定できる。ここで、各項目に対する複数の会員の変数値の分布は、複数の会員と関連付けられた会員情報(すなわち、各項目に対する変数値)に基づいて決定された分布であり得る。例えば、正の相関関係に該当する項目の場合、プロセッサは、対象会員の変数値が当該項目に対する分布において、上位50%以内に含まれるか、上位25%に含まれるか、上位10%に含まれるか及び/又は上位5%に含まれるかを決定できる。他の例として、負の相関関係に該当する項目の場合、プロセッサは、対象会員の変数値が該当項目に対する分布において、下位50%以内に含まれるか、下位25%に含まれるか、下位10%に含まれるか及び/又は下位5%に含まれるかを決定できる。
【0099】
プロセッサは、項目重要度、対象会員の変数値及び相関関係に基づいて、対象会員に関する離脱予測理由を決定できる(S1040)。ここで、離脱予測理由は、対象会員が離脱すると予測される理由及び/又は離脱しないと予測される理由を含むことができ、一つ以上の理由を含むことができる。一実施例において、プロセッサは、対象会員の変数値及び相関関係に基づいて決定された、各項目に対する分布における対象会員の変数値の位置及び各項目等の重要度に基づいて、対象会員に関する離脱予測理由を決定できる。例えば、重要度が高くて、各項目に対する分布における対象会員の変数値の位置が上位または下位25%以内に該当する項目を対象会員に関する離脱予測理由として決定できる。すなわち、プロセッサは、対象会員の保有残額が下位5%に該当し、最近決済日から経過期間が下位10%に該当し、メッセンジャーフォロワー数が下位15%に該当することを、対象会員に関する離脱予測理由として決定できる。
【0100】
図11は、本開示の一実施例により、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアに従う離脱予測性能を示す表1100である。一実施例において、情報処理システム(例えば、情報処理システムの少なくとも一つのプロセッサ)は、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアを決定し、対象会員の離脱の有無に関する基準スコアに基づいて、対象会員の離脱の有無を予測できる。例えば、情報処理システムは、対象会員の離脱予測スコアが基準スコアと同一または基準スコアよりも大きい場合、対象会員が離脱すると予測できる。他の例として、情報処理システムは、対象会員の離脱予測スコアが基準スコアよりも小さい場合、対象会員が離脱しないと予測できる。
【0101】
例えば、低い基準スコアを適用する場合、より多い数の会員が離脱すると予測できる。すなわち、低い基準スコアを適用する場合、カバレッジ(coverage)は広くなるが、正確度(precision)(適合率)は低くなり得る。他の例として、高い基準スコアを適用する場合、より少ない数の会員が離脱すると予測できる。すなわち、高い基準スコアを適用する場合、カバレッジは狭くなるが、正確度は高くなり得る。ここで、正確度は、会員離脱予測モデルがどれくらい正確に予測するかを示す指標であり得る。また、カバレッジは、会員離脱予測モデルが全体母数のうち、どれくらいの範囲を予測したかを示す指標であり得る。付加的又は代替的に、会員離脱予測性能を測定するための指標として、F1-scoreを使用できる。ここで、F1-scoreは、次の数式1に基づいて算出できる。
【数1】
【0102】
図示の表1100は、0から950間の基準スコアによる会員離脱予測モデルの正確度(「Precision」)、カバレッジ(「Recall」)及びF1-scoreを示すことができる。図示の表1100によれば、基準スコアが高くなるほど、正確度は上昇し、カバレッジは減少する。反対に、基準スコアが低くなるほど、カバレッジは増加し、正確度は低くなる。これにより、低い基準スコアが適用される場合、より多い会員の離脱が予測できるので、より多い会員の離脱が防止できる。これに対し、高い基準スコアが適用される場合、より少ない会員の離脱が予測されるので、会員離脱防止のための費用を減少させることができる。したがって、ユーザは、これを考慮して、会員の離脱の有無に関する基準スコアを決定できる。
【0103】
一実施例において、正確度を中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約750に決定される。このとき、予測正確度は約81%に算出され、カバレッジは約47%に算出され、F1-scoreは約0.59に算出される。カバレッジを中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約250に決定される。このとき、予測正確度は約61%に算出され、カバレッジは約91%に算出され、F1-scoreは約0.73に算出される。正確度及びカバレッジの均衡を中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約500に決定される。このとき、予測正確度は約71%に算出され、カバレッジは約75%に算出され、F1-scoreは約0.73に算出される。
【0104】
他の実施例において、Heavy user(例えば、上位25%、月平均15000円以上利用した会員など)に分類された会員を対象とし、正確度中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約700に決定される。このとき、予測正確度は約74%に算出され、カバレッジは約41%に算出され、F1-scoreは約0.53に算出される。Heavy userを対象とし、カバレッジを中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約250に決定される。このとき、予測正確度は約48%に算出され、カバレッジは約83%に算出され、F1-scoreは約0.61に算出される。Heavy userを対象とし、正確度及びカバレッジの均衡を中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約500に決定される。このとき、予測正確度は約63%に算出され、カバレッジは約63%に算出され、F1-scoreは約0.63に算出される。
【0105】
また他の実施例において、Loyal heavy user(例えば、上位10%、月平均15000円以上、6ヶ月連続利用した会員など)に分類された会員を対象とし、正確度中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約500に決定される。このとき、予測正確度は約56%に算出され、カバレッジは約40%に算出され、F1-scoreは約0.47に算出される。Loyal heavy userを対象とし、カバレッジを中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約300に決定される。このとき、予測正確度は約42%に算出され、カバレッジは約61%に算出され、F1-scoreは約0.50に算出される。Loyal heavy userを対象とし、正確度及びカバレッジの均衡を中心として会員の離脱の有無を予測する場合、基準スコアは約400に決定される。このとき、予測正確度は約49%に算出され、カバレッジは約50%に算出され、F1-scoreは約0.50に算出される。
【0106】
このようなHeavy userやLoyal heavy userを対象として離脱の有無を予測することが最高難度であり得る。しかしながら、Heavy userやLoyal heavy user(すなわち、よく利用する会員)の離脱は、サービス運営において大きい影響を及ぼすことができるため、Heavy userやLoyal heavy userに対しては、多少的合率(正確度)を低下させても、カバレッジ(約80%以上)を高めることができる基準スコアを適用することが有利であり得る。すなわち、対象会員別に異なる基準スコアが適用される。また、全体会員数に対してHeavy user数やLoyal heavy user数の比重を考慮して、各々の基準スコアを計算又は判断し、計算又は判断された基準スコアを適用できる。例えば、Heavy userの比重が10%から20%に増加することにより、Heavy userの基準スコアを250から500に上昇させるか、或いは、Heavy userの比重が10%から5%に減少することにより、Heavy userの基準スコアを250から100に低下させることができる。
【0107】
前述したように、情報処理システムは、コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアを決定し、コンテンツに対する反応の有無に関する基準スコアに基づいて、1以上の会員のコンテンツに対する反応の有無を予測できる。例えば、低い基準スコアを適用する場合、より多い数の会員がコンテンツに対して反応すると予測できる。他の例として、高い基準スコアを適用する場合、より少ない数の会員がコンテンツに対して反応すると予測できる。これにより、コンテンツに対する反応の有無を予測する際に、低い基準スコアが適用される場合、より多い会員にコンテンツが提供されることで、より多い会員に有効な情報を提供できる。これに対し、高い基準スコアが適用される場合、より少ない会員にコンテンツが提供されることで、コンテンツ提供によるネットワークリソースの使用が減少できる。したがって、制約的なリソース、情報の有効性などを考慮して基準スコアが決定され得る。
【0108】
前述した方法は、コンピュータで実行するためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存されたコンピュータプログラムとして提供され得る。媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを継続的に保存したり、実行又はダウンロードのために一時保存したりするものであり得る。また、媒体は、単一又は多数のハードウェアが結合された形態の多様な記録手段又は保存手段であり得るが、あるコンピュータシステムに直接的に接続される媒体に限定されず、ネットワーク上に分散存在するものであり得る。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスクや磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMやDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体(magneto-optical medium)、ROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令語が保存されるように構成されたものが挙げられる。また、他の媒体の例としては、アプリケーションを流通するアプリストアやその他の多様なソフトウェアを供給乃至流通するサイト、サーバーなどで管理する記録媒体乃至保存媒体も挙げられる。
【0109】
本開示の方法、動作又は技法は多様な手段により具現できる。例えば、このような技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはこれらの組合せで具現できる。本願の開示により説明された多様な例示的な論理的ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、若しくは両方の組合せで具現できることを、通常の技術者であれば理解できるはずである。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互の代替を明確に説明するために、多様な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップが、それらの機能的観点から一般的に前述された。そのような機能が、ハードウェアとして具現されるか、若しくは、ソフトウェアとして具現されるかは、特定アプリケーション及び全体システムに付加される設計要求事項によって変化する。通常の技術者は、各々の特定アプリケーションのために多様な方式により説明された機能を具現することもできるが、そのような具現は本開示の範囲から逸脱するものと解釈してはならない。
【0110】
ハードウェアの具現において、技法の遂行に利用されるプロセッシングユニットは、一つ以上のASIC、DSP、デジタル信号処理デバイス(Digital Signal Processing Devices ; DSPD)、プログラム可能な論理デバイス(Programmable Logic Devices ; PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(Field Programmable Gate Arrays ; FPGA)、プロセッサ、制御器、マイクロ制御器、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本開示に説明された機能を遂行するように設計された他の電子ユニット、コンピュータ、若しくはこれらの組合せ内で具現されることもできる。
【0111】
したがって、本開示により説明された多様な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAや他のプログラム可能な論理デバイス、離散ゲートやトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、若しくは、本願に説明された機能を遂行するように設計されたもの等の任意の組合せで具現又は遂行されることもできる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器、若しくは状態マシンであり得る。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられる一つ以上のマイクロプロセッサ、若しくは任意の他の構成の組合せで具現されることもできる。
【0112】
ファームウェア及び/又はソフトウェアの具現において、技法は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、磁気又は光学データストレージデバイスなどのようなコンピュータ読み取り可能な媒体上に保存された命令で具現できる。命令は、一つ以上のプロセッサによって実行可能であり得、1以上のプロセッサが本開示に説明された機能の特定様態を遂行するようにできる。
【0113】
前述した実施例が一つ以上の独立型コンピュータシステムで現在開示された主題の様態を活用するものとして記述しているが、本開示はこれに限定されず、ネットワークや分散コンピューティング環境のような任意のコンピューティング環境によって具現できる。さらには、本開示における主題の様態は複数のプロセッシングチップや装置で具現されることもでき、ストレージは複数の装置にわたって類似に影響を受けることもできる。このような装置は、PC、ネットワークサーバー及び携帯用装置を含むこともできる。
【0114】
本明細書では、本開示が一部の実施例によって説明されたが、本開示の発明が属する技術分野における通常の技術者が理解し得る本開示から逸脱しない範囲内で多様な変形や変更が可能である。また、そのような変形や変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内に属するものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0115】
S110 会員離脱予測
S120 コンテンツ反応予測
S130 コンテンツ決定