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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185638
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】走行車
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221208BHJP
【FI】
G05D1/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093380
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉本 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】渡部 太
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301AA09
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301EE02
5H301GG08
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
5H301MM05
(57)【要約】
【課題】走行車システムにおいて車間センサの故障を自動的に検出する。
【解決手段】搬送車3において、直線車間センサ21は、本体15に設けられ、搬送車3が直線区間を走行するときに先行する他の搬送車3との距離を検出する。曲線車間センサ23は、本体15に設けられ、搬送車3が曲線区間及び直線区間を走行するときに先行する他の搬送車3との距離を検出する。走行制御部53は、直線車間センサ21の検出距離及び/又は曲線車間センサ23の検出距離に基づいて、走行部17を制御する。異常検出部57は、本体15が直線区間を走行するときに、直線車間センサ21の検出距離及び曲線車間センサ23の検出距離に基づいて、直線車間センサ21及び曲線車間センサ23の一方の異常の有無を判断する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の軌道上を走行する複数の走行車を備えた走行車システムに用いられる走行車であって、
本体と、
前記本体に設けられた走行部と、
前記本体に設けられ、前記走行車が前記軌道の直線区間を走行するときに先行する他の走行車との距離を検出する直線車間センサと、
前記本体に設けられ、前記走行車が前記軌道の曲線区間及び直線区間を走行するときに先行する他の走行車との距離を検出する曲線車間センサと、
前記直線車間センサの検出距離及び/又は前記曲線車間センサの検出距離に基づいて、前記走行部を制御する走行制御部と、
前記走行車が直線区間を走行するときに、前記直線車間センサの検出距離と前記曲線車間センサの検出距離とに基づいて、前記直線車間センサ及び前記曲線車間センサの一方の異常の有無を判断する異常検出部と、
を備えた、走行車。
【請求項2】
前記異常検出部は、前記直線車間センサの検出距離及び前記曲線車間センサの検出距離の差が閾値以上の場合、前記直線車間センサ及び前記曲線車間センサの一方に異常があると判断する、請求項1に記載の走行車。
【請求項3】
前記閾値を変更可能な閾値設定部をさらに備える、請求項2に記載の走行車。
【請求項4】
前記異常検出部は、前記直線車間センサ及び前記曲線車間センサの一方が先行する走行車を検出し他方が先行する走行車を検出しない場合は、前記直線車間センサ及び前記曲線車間センサの一方に異常があると判断する、請求項1~3のいずれかに記載の走行車。
【請求項5】
前記異常検出部が異常を検出すると、異常への対応を促すための異常処理を行う異常処理部をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の走行車。
【請求項6】
前記軌道は、前記走行車が通常走行する区間の一部として、前記異常検出部が異常の有無を判断する直線状異常判断区間を有している、請求項1~5のいずれかに記載の走行車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行車、特に複数の走行車が同一軌道を走行する走行車システムに用いられる走行車に関する。
【背景技術】
【0002】
有軌道台車システムは、直線、曲線、分岐、合流を有する軌道と、軌道上を走行する複数の走行車とを有している。
走行車システムは、走行車同士の衝突を防止するために、様々な衝突防止手段を有している。衝突防止手段の一例として、走行車の前側に車間センサを設けて、先行走行車との車間距離を検出することが行われている。この場合、車間距離が閾値未満になると、後続走行車が減速又は停止を行う(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2013/179802号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車間センサは、2種類の距離センサ(直線車間センサと曲線車間センサ)を有している。
車間センサは、経年劣化などが原因で故障することがある。例えば、曲線車間センサが故障している状態で走行車がカーブを走行すると、先行する走行車を検出できず、その結果、後続の走行車が先行する走行車に衝突する。そのため、調整員が定期的に一台ずつ車間センサの状態を確認する必要がある。しかし、多数の走行車が走行している走行車システムでは、調整員が一台ずつ車間センサの状態を確認するのは時間を要する。
【0005】
本発明の目的は、走行車システムに用いられる走行車において、車間センサの故障を自動的に検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る走行車は、同一の軌道上を走行する複数の走行車を備えた走行車システムに用いられる。
走行車は、本体と、走行部と、直線車間センサと、曲線車間センサと、走行制御部と、異常検出部とを備えている。
走行部は、本体に設けられている。
直線車間センサは、本体に設けられ、走行車が直線区間を走行するときに先行する他の走行車との距離を検出する。
曲線車間センサは、本体に設けられ、走行車が曲線区間及び直線区間を走行するときに先行する他の走行車との距離を検出する。
走行制御部は、直線車間センサの検出距離及び/又は曲線車間センサの検出距離に基づいて、走行部を制御する。
異常検出部は、本体が直線区間を走行するときに、直線車間センサの検出距離と曲線車間センサの検出距離とに基づいて、直線車間センサ及び曲線車間センサの一方の異常の有無を判断する。
【0008】
この走行車では、2種類の車間センサの検出距離に基づいて、車間センサの故障が自動的に検出される。
【0009】
異常検出部は、直線車間センサの検出距離及び曲線車間センサの検出距離の差が閾値以上の場合、直線車間センサ及び曲線車間センサの一方に異常があると判断してもよい。
この走行車では、2種類の車間センサの検出距離に基づいて、車間センサの故障が自動的に検出される。
【0010】
走行車は、閾値を変更可能な閾値設定部をさらに備えていてもよい。
この走行車では、各種条件を考慮して閾値を変更できる。
【0011】
異常検出部は、直線車間センサ及び曲線車間センサの一方が先行する走行車を検出し他方が先行する走行車を検出しない場合は、直線車間センサ及び曲線車間センサの一方に異常があると判断してもよい。
この走行車では、2種類の車間センサの検出距離に基づいて、車間センサの故障が自動的に検出される。
【0012】
走行車は、異常検出部が異常を検出すると、異常への対応を促すための異常処理を行う異常処理部をさらに備えていてもよい。
この走行車では、直線車間センサ及び曲線車間センサの一方に異常があると直ちに異常への対応を促すための異常処理が実行される。
【0013】
軌道は、走行車が通常走行する区間の一部として、異常検出部が異常の有無を判断する直線状異常判断区間を有していてもよい。
この走行車では、直線状異常判断区間において異常検出部が異常の有無を判断するので、異常検出を走行車の通常動作中に行うことでき、そのため、異常検出のために走行車を停止させる必要がない。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る走行車では、車間センサの故障が自動的に検出される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態が適用される搬送車システムのレイアウトを示す模式図。
図2】搬送車システムの制御構成を示す制御ブロック図。
図3】レールの直線区間を走行する搬送車の一例を示す模式図。
図4】レールの曲線区間を走行する搬送車の一例を示す模式図。
図5】コントローラによる車間センサの異常を検出する制御動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態
(1)搬送車システム
図1を用いて、搬送車システム1(走行車システムの一例)を説明する。図1は、第1実施形態が適用される搬送車システムのレイアウトを示す模式図である。
搬送車システム1において、第1実施形態に係る搬送車3(走行車の一例)は、天井又は地上を走行する有軌道台車である。
【0017】
搬送車システム1は、軌道としてのレール5を有している。レール5は、例えば半導体工場のインターベイルート5A、イントラベイルート5B、ショートカット5C、ショートカット5Dを有している。
搬送車3は、多数設けられており、インターベイルート5A、イントラベイルート5B上を走行し、具体的には一方向に周回走行する。インターベイルート5A、イントラベイルート5Bは、直線区間、曲線区間、分岐部、及び合流部を備えている。
【0018】
(2)搬送車の構成
図2図4を用いて、搬送車3を説明する。図2は、搬送車システムの制御構成を示す制御ブロック図である。図3は、レールの直線区間を走行する搬送車の一例を示す模式図である。図4は、レールの曲線区間を走行する搬送車の一例を示す模式図である。
搬送車3は、本体15(図3)と、走行部17(図2)とを有している。走行部17は、本体15に設けられている。走行部17は、モータ、減速装置、車輪等からなる公知の技術である。また、本体15には移載部19(図2)が搭載されている。移載部19は、物品を例えば半導体処理装置のロードポートや一時保管部との間で移載する公知の装置である。
【0019】
(3)車間センサ
搬送車3は、図2図4に示すように、直線車間センサ21と、曲線車間センサ23とを有している。直線車間センサ21、曲線車間センサ23は、前方監視用のセンサであり、先行する搬送車3などの障害物を監視する。
直線車間センサ21は、本体15の前部に設けられている。曲線車間センサ23は、本体15の前部に設けられている。なお、この実施形態では、曲線車間センサ23は、本体15の前部の右側に設けられているが、いずれの位置に設けられていてもよい。
【0020】
具体的には、直線車間センサ21、曲線車間センサ23は、レーザ距離センサであり、レーザ光を照射する発光素子と、反射したレーザ光を受ける受光素子を有している。
直線車間センサ21は、発光素子と受光素子の組を1つ有している。直線車間センサ21では、レーザ光は搬送車3の進行方向に平行に照射される。
【0021】
曲線車間センサ23は、発光素子と受光素子の組を複数有しており、放射状にレーザ光を照射するようになっている。なお、複数のレーザ光のうちの1本は、搬送車3の進行方向に平行に照射される。曲線車間センサ23は、複数の検出距離のうち最も短いものを、最終的な検出距離として出力する。
直線車間センサ21、曲線車間センサ23は、検出した障害物までの距離を距離判定部55(後述)へ出力する。
【0022】
(4)走行車の制御構成
図2を用いて、搬送車システム1の制御構成を説明する。
搬送車システム1は、搬送車コントローラ7を有している。搬送車コントローラ7は、例えば無線通信によって多数の搬送車3(図2では1つだけ図示)の走行を制御する。具体的には、搬送車コントローラ7は、搬送車3に搬送指令を割り付けて、レール5に沿って走行させる。
【0023】
搬送車3は、コントローラ51を有している。
コントローラ51は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ51は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
【0024】
コントローラ51は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ51の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラを構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、コントローラ51の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0025】
コントローラ51は、上記機能として、走行制御部53と、距離判定部55と、異常検出部57と、異常処理部59とを有している。
走行制御部53は、走行部17を制御して、本体15を発進、停止、加速、減速させる。
【0026】
距離(干渉)判定部55は、直線車間センサ21、曲線車間センサ23からの検出距離に基づいて、車間距離を判定する。具体的には、距離判定部55は、図3に示すように直線区間を走行しているときには、直線車間センサ21と曲線車間センサ23の両方の検出距離を用いて、短い方の検出距離を車間距離として採用する。なお、曲線車間センサ23からのレーザ光は放射状に複数照射されるが、図3では1本だけを示している。
また、距離判定部55は、図4に示すように曲線区間を走行しているときには、曲線車間センサ23の検出距離を用いて、車間距離を判定する。
【0027】
走行制御部53は、判定結果に基づいて、先行する搬送車3との干渉を回避するように走行部17を制御する。その結果、搬送車3は、先行する搬送車3等の障害物を直線車間センサ21、曲線車間センサ23により検出すると、障害物との距離に応じて速度規制し、例えば停止距離以内で停止し、徐行距離以内で徐行する。また徐行距離と安全距離との間では、障害物との距離に応じた速度制限が課される。
【0028】
異常検出部57は、本体15が、直線状の異常判断区間45(直線状異常判断区間の一例、図1を参照)を走行するときに、直線車間センサ21の検出距離及び曲線車間センサ23の検出距離に基づいて、直線車間センサ21及び曲線車間センサ23の一方の異常の有無を判断する。異常判断区間45は、図1に示すように、直線区間の一部である。なお、異常判断区間45は、レール5において通常の搬送エリアの中に一又は複数設定できる。
【0029】
上記のように直線車間センサ21、曲線車間センサ23の検出距離に基づいて、それらの一方の故障が自動的に検出される。具体的には、異常検出部57は、直線車間センサ21の検出距離及び曲線車間センサ23の検出距離の差が閾値以上の場合、直線車間センサ21及び曲線車間センサ23の一方に異常があると判断する。閾値は、コントローラ51の記憶部に保存されている。
上記のように異常検出部57が直線車間センサ21、曲線車間センサ23の異常の有無を判断する区間として異常判断区間45がレール5の通常走行エリア内に設定されているので、異常検出を搬送車3の通常動作中に行うことでき、そのため、異常検出のために搬送車3を停止させる必要がない。
【0030】
異常処理部59は、異常検出部57が異常を検出すると、異常処理を行う。具体的には、異常状態が0.3秒続くと、異常処理部59は報知装置67に警報を発生させる。警報は、音、光、その他の信号である。警報が発せられ、異常状態が1秒続くと、異常処理部59は走行制御部53に本体15を停止させる。その後、作業者が搬送車3を手動でメンテナンスエリアに搬送する。
異常処理の変形例として、搬送車3を自動的にメンテナンスエリアに退避してもよい。
【0031】
コントローラ51の記憶部には、マップ63が保存されている。マップ63は、レール5のレイアウトや、分岐部,合流部の配置並びに各部での速度制限などの情報を含んでいる。コントローラ51は、マップ63を参照して、搬送車3の現在位置が、直線区間(異常判断区間45を含む)、カーブ区間、分岐部、合流部などの曲線を含む区間のいずれであるかを求める。なお、コントローラ51は、図示しないエンコーダによって車輪の回転数などを監視し、現在位置を認識している。
【0032】
コントローラ51には、入力装置65(閾値設定部の一例)が接続されている。作業者は、入力装置65を用いて、異常検出部57が用いる閾値を変更可能である。したがって、各種条件を考慮して閾値を変更できる。閾値は、例えば、300~700mmである。
【0033】
(5)異常検出制御動作
図3及び図5を用いて、コントローラ51による車間センサの異常を検出する制御動作を説明する。図5は、コントローラによる車間センサの異常を検出する制御動作を示すフローチャートである。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、コントローラ51から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
【0034】
ステップS1では、コントローラ51が、マップ63及び例えばエンコーダの回転数を参照して本体15が異常判断区間45を走行しているか否かを判断する。図3に示すように本体15が異常判断区間45を走行している場合は、プロセスはステップS2に移行する。
ステップS2では、距離判定部55が、直線車間センサ21及び曲線車間センサ23からの検出距離に基づいて、自車と先行する搬送車3との車間距離を判定する。
【0035】
ステップS3では、異常検出部57が、直線車間センサ21の検出距離及び曲線車間センサ23の検出距離同士の差が閾値以上あるか否かを判断する。閾値以上あれば、直線車間センサ21及び曲線車間センサ23の一方に異常があると判断され、プロセスはステップS4に移行し、閾値未満であればプロセスはステップS2に戻る。閾値は、例えば400mmである。なお、上記判断が行われるのは、先行する搬送車3との距離が500~4000mmの範囲にある場合である。
例えば、曲線車間センサ23の測定距離が10mであって、直線車間センサ21の測定距離が2mの場合は、いずれかが異常であると判断される。また、例えば、曲線車間センサ23の測定距離が2mであって、直線車間センサ21の測定距離が2mの場合は、いずれも正常であると判断される。
【0036】
ステップS4では、異常処理部59が前述の異常処理を行う。
以上の結果、作業者が搬送車3を一台ずつ確認せずとも、直線車間センサ21、曲線車間センサ23の故障を検知できる。
また、車間センサの自己診断機能を使用せずとも、直線車間センサ21、曲線車間センサ23の故障を検知できる。
【0037】
2.第2実施形態
第1実施形態では、2つの車間センサにより検出距離の差が閾値以上である場合に、2つのセンサの一方に異常があると判断されていた。しかし、異常判断の基準は他のものであってもよい。
以下、そのような実施例を第2実施形態として説明する。なお、第2実施形態の基本構造及び基本動作は第1実施形態と同じである。
【0038】
第1実施形態の図5を用いて第2実施形態を説明する。第2実施形態では、ステップS3において、直線車間センサ21の検出距離及び曲線車間センサ23の一方が先行する搬送車3を検出し他方が先行する搬送車3を検出しない場合は、異常検出部57が直線車間センサ21及び曲線車間センサ23の一方に異常があると判断する。
例えば、曲線車間センサ23の測定距離が2mであって、直線車間センサ21の測定距離が「前方搬送車なし」の場合は、直線車間センサ21が異常であると判断される。また、例えば、曲線車間センサ23の測定距離が「前方搬送車なし」であって、直線車間センサ21の測定距離が2mの場合は、曲線車間センサ23が異常であると判断される。
この実施形態でも、第1実施形態と同じ効果が得られる。
【0039】
3.実施形態の共通事項
上記第1~第2実施形態は、下記の構成及び機能を共通に有している。
走行車(例えば、搬送車3)は、同一の軌道(例えば、レール5)上を走行する複数の走行車を備えた走行車システム(例えば、搬送車システム1)に用いられる。
走行車は、本体と、走行部と、直線車間センサと、曲線車間センサと、走行制御部と、異常検出部とを備えている。
走行部(例えば、走行部17)は、本体(例えば、本体15)に設けられている。
直線車間センサ(例えば、直線車間センサ21)は、本体に設けられ、走行車が直線区間を走行するときに先行する他の走行車との距離を検出する。
曲線車間センサ(例えば、曲線車間センサ23)は、本体に設けられ、走行車が曲線区間及び直線区間を走行するときに先行する他の走行車との距離を検出する。
走行制御部(例えば、走行制御部53)は、直線車間センサの検出距離及び/又は曲線車間センサの検出距離に基づいて、走行部を制御する。
異常検出部(例えば、異常検出部57)は、走行車が直線区間(例えば、異常判断区間45)を走行するときに、直線車間センサの検出距離及び曲線車間センサの検出距離に基づいて、直線車間センサ及び曲線車間センサの一方の異常の有無を判断する。
【0040】
この搬送車システム1では、2種類の車間センサの検出距離に基づいて、車間センサの故障が自動的に検出される。
【0041】
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
直線車間センサ、曲線車間センサは、超音波距離センサ又はマイクロ波距離センサであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、複数の走行車が同一軌道を走行する走行車システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 :搬送車システム
3 :搬送車
5 :レール
5A :インターベイルート
5B :イントラベイルート
5C :ショートカット
5D :ショートカット
7 :搬送車コントローラ
15 :本体
17 :走行部
19 :移載部
21 :直線車間センサ
23 :曲線車間センサ
45 :異常判断区間
51 :コントローラ
53 :走行制御部
55 :距離判定部
57 :異常検出部
59 :異常処理部
63 :マップ
65 :入力装置
図1
図2
図3
図4
図5