(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185641
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ライフイベントプラットフォーム運用方法、ライフイベントプラットフォーム運用装置、及びライフイベントプラットフォーム運用システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221208BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093383
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】徳永 遼真
(72)【発明者】
【氏名】檜山 将大
(72)【発明者】
【氏名】福武 宇大
(72)【発明者】
【氏名】森田 昌道
(72)【発明者】
【氏名】寺濱 幸徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形で適宜な情報提供やコミュニティ形成を推進可能とする、ライフイベントプラットフォーム運用方法、運用装置及び運用システムを提供する。
【解決手段】ライフイベントプラットフォーム運用システム10において、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を所属ユーザに適用し、所属ユーザにおけるライフログの情報に基づき状況変化を感知し、状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定し、所属グループ変更の可能性がある場合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を、ユーザ端末200に通知する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
外部装置から、ユーザのライフログを取得して記憶装置に格納する処理と、
前記ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を、当該グループの所属ユーザに適用する処理と、
前記与信枠の適用以降、前記所属ユーザにおけるライフログの情報を前記外部装置から取得し、当該所属ユーザの状況変化を感知する処理と、
前記状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定する処理と、
前記判定の結果、所属グループ変更の可能性がある場合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を判定する処理と、
前記通知内容を前記ユーザの端末に通知する処理と、
を実行するライフイベントプラットフォーム運用方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントに伴う必要資金額との関係に基づき、前記ユーザの金融取引に関する警告内容を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のライフイベントプラットフォーム運用方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントとの関係を踏まえて、前記ユーザの健康維持に関する警告内容を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のライフイベントプラットフォーム運用方法。
【請求項4】
前記情報処理装置が、
ユーザの属性情報、及びユーザ向けサービスの情報を記憶装置で保持し、
前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを、当該到来ライフイベントの到来時期に対応した前記属性情報に基づき判定し、当該リスクに応じた警告または当該リスクをカバーするユーザ向けサービスの情報を、前記ユーザの端末に配信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のライフイベントプラットフォーム運用方法。
【請求項5】
前記情報処理装置が、
前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを判定する際、当該ユーザと同じ所属グループの、または所定の関係性がある他ユーザの前記属性情報及び前記ライフログの少なくともいずれかの情報を参照して、前記他ユーザにおける前記到来ライフイベントの発生時期を特定し、当該発生時期に応じて、前記警告または前記ユーザ向けサービスの情報の配信時期を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のライフイベントプラットフォーム運用方法。
【請求項6】
外部装置から取得した、ユーザのライフログを格納する記憶装置と、
前記ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を、当該グループの所属ユーザに適用する処理と、前記与信枠の適用以降、前記所属ユーザにおけるライフログの情報を前記外部装置から取得し、当該所属ユーザの状況変化を感知する処理と、前記状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定する処理と、前記判定の結果、所属グループ変更の可能性がある場合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を判定する処理と、前記通知内容を前記ユーザの端末に通知する処理を実行する演算装置と、
を有することを特徴とするライフイベントプラットフォーム運用装置。
【請求項7】
前記演算装置は、
前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントに伴う必要資金額との関係に基づき、前記ユーザの金融取引に関する警告内容を判定するものである、
ことを特徴とする請求項6に記載のライフイベントプラットフォーム運用装置。
【請求項8】
前記演算装置は、
前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントとの関係を踏まえて、前記ユーザの健康維持に関する警告内容を判定するものである、
ことを特徴とする請求項6に記載のライフイベントプラットフォーム運用装置。
【請求項9】
前記記憶装置は、
ユーザの属性情報、及びユーザ向けサービスの情報をさらに保持し、
前記演算装置は、
前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを、当該到来ライフイベントの到来時期に対応した前記属性情報に基づき判定し、当該リスクに応じた警告または当該リスクをカバーするユーザ向けサービスの情報を、前記ユーザの端末に配信するものである、
ことを特徴とする請求項6に記載のライフイベントプラットフォーム運用装置。
【請求項10】
前記演算装置は、
前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを判定する際、当該ユーザと同じ所属グループの、または所定の関係性がある他ユーザの前記属性情報及び前記ライフログの少なくともいずれかの情報を参照して、前記他ユーザにおける前記到来ライフイベントの発生時期を特定し、当該発生時期に応じて、前記警告または前記ユーザ向けサービスの情報の配信時期を制御するものである、
ことを特徴とする請求項9に記載のライフイベントプラットフォーム運用装置。
【請求項11】
外部装置から取得した、ユーザのライフログを格納する記憶装置と、
前記ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を、当該グループの所属ユーザに適用する処理と、前記与信枠の適用以降、前記所属ユーザにおけるライフログの情報を前記外部装置から取得し、当該所属ユーザの状況変化を感知する処理と、前記状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定する処理と、前記判定の結果、所属グループ変更の可能性がある場合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を判定する処理と、前記通知内容を前記ユーザの端末に通知する処理を実行する演算装置と、
を有するライフイベントプラットフォーム運用装置を含むことを特徴とする、ライフイベントプラットフォーム運用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライフイベントプラットフォーム運用方法、ライフイベントプラットフォーム運用装置、及びライフイベントプラットフォーム運用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
BtoCサービスを構築し提供することは一般的に行われている。例えば、SNS(Social Networking Service)上の投稿への反応や、検索キーワードの履歴などに基づき、当該ユーザの興味対象と思しきグループや製品・サービスの広告を配信するといったサービスが存在する。
そうしたBtoCサービスに関連するプロファイル等に基づきユーザのグルーピングを行い、情報を配信する従来技術として、特定のイベントに参加するユーザ同士の交流をより促進することが可能なサーバ等(特許文献1参照)などが提案されている。
【0003】
このサーバは、クライアントから、ユーザのプロファイルまたは特定のイベントへの興味を示す興味信号を、当該ユーザの識別情報と共に受信する通信部と、前記ユーザの識別情報に対応付けて前記ユーザのプロファイルを蓄積する蓄積部と、前記特定のイベントへの興味を示す興味信号に応じて、前記ユーザの識別情報を前記特定のイベントに対応付けて前記蓄積部に記憶し;前記特定のイベントに対応付けられた前記ユーザの識別情報に基づき、前記受信したユーザのプロファイルに類似するユーザを検索し、類似ユーザから成るグループを自動的に形成し;さらに、前記特定のイベントの開催所定時間前になると、前記通信部から前記クライアントに前記形成したグループの情報を送信するよう制御する制御部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、人々の日常的な活動に寄り添い、適宜なサービスをきめ細かく提案する技術については、いまだ手薄といえる。翻ってみれば、トータルで各ユーザのライフイベントに関して適宜な提案等を行うサービスは見当たらない。既存SNSであっても、ユーザ個々の生活に密着したリアルな情報(例:金融取引履歴など)に基づく、広告以外の的確な提案はできていない。
そこで本発明の目的は、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形で適宜な情報提供やコミュニティ形成を推進可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明のライフイベントプラットフォーム運用方法は、情報処理装置が、外部装置から、ユーザのライフログを取得して記憶装置に格納する処理と、前記ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を、当該グループの所属ユーザに適用する処理と、前記与信枠の適用以降、前記所属ユーザにおけるライフログの情報を前記外部装置から取得し、当該所属ユーザの状況変化を感知する処理と、前記状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定する処理と、前記判定の結果、所属グループ変更の可能性がある場
合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を判定する処理と、前記通知内容を前記ユーザの端末に通知する処理と、を実行することを特徴とする。
また、本発明のライフイベントプラットフォーム運用装置は、外部装置から取得した、ユーザのライフログを格納する記憶装置と、前記ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を、当該グループの所属ユーザに適用する処理と、前記与信枠の適用以降、前記所属ユーザにおけるライフログの情報を前記外部装置から取得し、当該所属ユーザの状況変化を感知する処理と、前記状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定する処理と、前記判定の結果、所属グループ変更の可能性がある場合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を判定する処理と、前記通知内容を前記ユーザの端末に通知する処理を実行する演算装置と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のライフイベントプラットフォーム運用システムは、外部装置から取得した、ユーザのライフログを格納する記憶装置と、前記ライフログの示す事象に基づいてユーザのグルーピングを実行し、グループの属性ごとに予め定めた与信枠を、当該グループの所属ユーザに適用する処理と、前記与信枠の適用以降、前記所属ユーザにおけるライフログの情報を前記外部装置から取得し、当該所属ユーザの状況変化を感知する処理と、前記状況変化が感知された場合、当該ユーザの所属グループ変更の可能性を判定する処理と、前記判定の結果、所属グループ変更の可能性がある場合、当該ユーザにおける到来ライフイベントに合わせた通知内容を判定する処理と、前記通知内容を前記ユーザの端末に通知する処理を実行する演算装置と、を有するライフイベントプラットフォーム運用装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形で、適宜な情報提供やコミュニティ形成の推進が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態におけるサービスマッチングPFの概念例を示す図である。
【
図2】本実施形態におけるライフイベントの発生形態例を示す図である。
【
図3】本実施形態のライフイベントPF基盤装置を含むネットワーク構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態のライフイベントPF基盤装置の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるユーザ端末の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態のユーザDBの構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態の取引履歴DBの構成例を示す図である。
【
図8】本実施形態のライフログDBの構成例を示す図である。
【
図9】本実施形態の取引履歴の構成例を示す図である。
【
図10】本実施形態のライフログの構成例を示す図である。
【
図11】本実施形態におけるグルーピングと与信枠の概念例を示す図である。
【
図12】本実施形態におけるライフイベントプラットフォーム運用方法のフロー例を示す図である。
【
図13】本実施形態における画面例を示す図である。
【
図14】本実施形態におけるライフイベントプラットフォーム運用方法のフロー例を示す図である。
【
図15】本実施形態における画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ライフイベントプラットフォームの概要>
まず、ライフイベントプラットフォームの概要について、
図1および
図2に基づき説明
する。ライフイベントプラットフォームは、ユーザ個々のライフイベントとこれに則したライフイベントサービスとのマッチングプラットフォームである。
【0011】
ライフイベントとは、人の一生の間に、年齢を重ねるとともに種々に到来するイベントであって、教育機関への入学、卒業、就職、結婚、不動産購入、出産、子供の入学、卒業、親の介護、疾病、子供の結婚、自身の疾病、といったものを想定できる。
【0012】
また、ライフイベントサービスとは、上述のようなライフイベントに関して必要になる、資金の融資、いわゆる就活や婚活の支援、各種保険の提案、子育て支援、医療や介護サービス、といったものを想定できる。
【0013】
ライフイベントプラットフォームは、これらライフイベントとライフイベントサービスとのマッチングを、各ユーザの属性やユーザ間の関係性等を踏まえて適宜な時期に実行し、当該ユーザに必要な情報を提案可能なサービスの運用基盤となる。以後、これをライフイベントプラットフォーム運用システムと称する。
【0014】
ユーザ間の関係性を踏まえた情報の提案例として、
図2に示すライフイベントの発生形態について説明する。ライフイベントプラットフォーム運用システムの登録した各ユーザは、その属性情報に基づいて、例えば親子関係を特定できる(
図2では、父母とその子供)。
【0015】
家族して生活を共にする者同士は、食事や生活習慣なども類似しやすく、また互いの遺伝的な影響もあって、特定の疾病を発症するリスクについても類似する傾向があるとされる。
【0016】
そこで、各人の身に起こる一般的なライフイベントを時系列で俯瞰した場合、例えば、20代での就職時から約10年後の35歳前後までの間を年金保険の提案期間とし、その後の45歳前後までをがん保険の提案期間としたとする。これは、父母とその子供の双方において共通して想定している。
【0017】
一方、そうした父母に55歳でがんが発症したとする。この時、その子供はまだ30歳で、がん保険の提案期間には達していなかった。ところが、父母のがん発症の時期が60歳以前であって、がんの早期発症リスクが平均よりも高い傾向の一家であると推定される。
【0018】
そのため、ライフイベントプラットフォーム運用システムとしては、そうした子供らに対し、がん保険の提案を通常よりも早めて即時に実行するといった運用が可能である。
【0019】
また、特に図示はしていないが、別の事例として、出産に関するリスクについて判定し、適宜な情報提供を行うケースも想定できる。こうした出産といった、年齢や生活環境、就業環境など複数の要因によりリスクが異なるライフイベントについて適宜に対応する情報提案を行うことは重要である。
【0020】
上述の複数の要因とそのリスクとは、例えば、(1)出産適齢期で世帯収入安定の場合:通常の出産リスク、(2)出産適齢期で不安定な世帯収入の場合:妊娠経過の見落としリスク、(3)高齢出産で世帯収入安定の場合:高齢出産に関わる出産リスク、とったものを想定できる。
【0021】
これらは、ユーザの人生上の時間経過とともに、同じユーザでも(1)→(2)や、(1)→(3)と変動する可能性もある。また、出産するユーザは、上述の(1)~(3)
の各々の状況下で、情報共有等をしやすい好適なコミュニティも異なる可能性が高い。
【0022】
そこで、ライフイベントプラットフォーム運用システムとしては、上述のように変動するリスクを、対象者の時間経過とともに情報収集しながら判定し、ライフイベントの発生(上記の例の場合、妊娠や出産)時点で適切なサービス(情報や保障、保険などの提案)を提供することとなる。
<システム構成>
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図3は、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置100を含むネットワーク構成図である。
【0023】
図1に示すライフイベントプラットフォーム運用装置100は、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形で適宜な情報提供やコミュニティ形成を推進可能とするコンピュータである。
【0024】
本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置100は、
図1で示すように、ネットワーク1を介して、ユーザ端末200及び金融機関システム300と通信可能に接続されている。よって、これらを総称してライフイベントプラットフォーム運用システム10として想定しうる。
【0025】
本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置100は、ユーザ端末200から得た、個人の属性、その他の行動履歴たるライフログといった情報をユーザDB、及びライフログDBに格納・保持している。
【0026】
一方、ユーザ端末200は、上述のユーザが所持する端末であって、ライフイベントプラットフォーム運用装置100が提供するサービスの利用に使用される端末である。具体的には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどを想定できる。
【0027】
また、金融機関システム300は、上述のユーザに金融サービスを提供する金融機関の業務システムである。この金融機関システム300は、当該ユーザの口座における入出金履歴やクレジットカード決済の情報といった取引情報を管理しており、これをリアルタイムに又は一定時間毎に、ライフイベントプラットフォーム運用装置100に配信している。
【0028】
本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置100は、金融機関システム300から得た、各ユーザの取引情報を取引履歴DBに格納・保持している。ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、上述のユーザDB、取引履歴DB、及びライフログDBらで保持する情報を適宜活用して処理を実行する。
<ハードウェア構成>
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置100のハードウェア構成は、
図4に以下の如くとなる。
【0029】
すなわちライフイベントプラットフォーム運用装置100は、記憶装置101、メモリ103、演算装置104、および通信装置105、を備える。
【0030】
このうち記憶装置101は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0031】
また、メモリ103は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0032】
また、演算装置104は、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ10
3に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0033】
また、通信装置105は、ネットワーク10と接続してユーザ端末200や金融機関システム300との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
【0034】
なお、ライフイベントプラットフォーム運用装置100がスタンドアロンマシンである場合、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置、を更に備えるとすれば好適である。
【0035】
また、記憶装置101内には、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置として必要な機能を実装する為のプログラム102に加えて、ユーザDB125、取引履歴DB126、及びライフログDB127が少なくとも記憶されている。ただし、これらデータベースについての詳細は後述する。
【0036】
また、
図5に本実施形態のユーザ端末200のハードウェア構成例を示す。ユーザ端末200は、記憶装置201、メモリ203、演算装置204、入出力装置205、及び通信装置206を備える。
【0037】
このうち記憶装置201は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0038】
また、メモリ203は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0039】
また、演算装置204は、記憶装置201に保持されるプログラム202をメモリ203に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU(Central Processing Unit)である。
【0040】
なお、プログラム202としては、ユーザ端末200を制御するOS(Operating System)とは別に、金融取引アプリ210及び健康管理アプリ211を含むものとする。
【0041】
このうち金融取引アプリ210は、ユーザが金融機関のインターネットバンキングサービスを利用する際に利用するアプリケーションや、或いはネットショッピングのためのアプリケーションを想定する。
【0042】
また、健康管理アプリ211は、ユーザ端末200やユーザが装着したライフログセンサーから得られる、当該ユーザの運動データや心身状態の計測データや、ユーザが入力した食事内容の情報等を管理するアプリケーションである。
【0043】
また、入出力装置205は、ユーザからの入力操作を受け付け、処理結果を表示するタッチパネルを想定する。
【0044】
また、通信装置206は、ネットワーク10と接続して、ライフイベントプラットフォーム運用装置100や金融機関システム300との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
【0045】
また、記憶装置201内には、本実施形態のユーザ端末200として必要な機能を実装する為のプログラム202に加えて、取引履歴225及びライフログ226が少なくとも記憶されている。ただし、これら情報についての詳細は後述する。
<データ構造例>
続いて、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置100が用いる各種情報について説明する。
図6に、本実施形態におけるユーザDB125の一例を示す。
【0046】
本実施形態のユーザDB125は、各ユーザの各種属性情報を当該ユーザのユーザ端末200から得るなどし、これを格納したデータベースである。
【0047】
このユーザDB125は、例えば、ユーザを一意に特定するユーザIDをキーとして、当該ユーザの居住地、年齢、職業、勤務先、年収、家族構成、所属グループ、グループ内ランク、及び与信枠といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0048】
このうち所属グループは、ライフイベントプラットフォーム運用装置100によるグルーピング処理により決定されたグループである。このグループは、属性に類似性のあるユーザが集まって、互いに情報共有等をするコミュニティとしての性質も有する。
【0049】
また、グループ内ランクは、そうしたグループにおいて、与信観点での属性の良否に応じて定まるランクである。
【0050】
また、与信枠は、上述のグループおよびグループ内ランクによって定まる与信枠の金額を示す。
【0051】
また、
図7に本実施形態の取引履歴DB126は、各ユーザが行った金融取引の履歴を格納、保持したデータベースである。
【0052】
この取引履歴DB126は、例えば、ユーザを一意に特定するユーザIDをキーとして、当該ユーザが実行した金融取引の日時、種別、取引内容、及び金額といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0053】
また、
図8に本実施形態のライフログDB127は、各ユーザの食事、運動、心身の状態といったライフログを格納、保持したデータベースである。
【0054】
この ライフログDB127は、例えば、ユーザを一意に特定するユーザIDをキーとして、当該ユーザのライフログの観測/取得日時、種類、及び内容といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
図8の例では、食事、運動、心身状態の各ライフログデータが格納されたデータベースを示している。
【0055】
また、
図9に本実施形態の取引履歴225は、ユーザ端末200のユーザが行った金融取引の履歴を格納、保持したテーブルである。
【0056】
この取引履歴225は、例えば、ユーザが実行した金融取引の日時をキーにして、当該金融取引の種別、取引内容、及び金額といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0057】
また、
図10に本実施形態のライフログ226は、ユーザ端末200のユーザの食事、運動、心身の状態といったライフログを格納、保持したテーブルである。
【0058】
このライフログ226は、例えば、ライフログの観測/取得日時をキーにして、当該ライフログの種類、及び内容といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
<フロー例:グルーピング>
以下、本実施形態におけるライフイベントプラットフォーム運用方法の実際手順につい
て図に基づき説明する。以下で説明するライフイベントプラットフォーム運用方法に対応する各種動作は、ライフイベントプラットフォーム運用装置100がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0059】
図11は、本実施形態におけるグルーピングと与信枠の概念例を示す図である。また、
図12は、本実施形態におけるライフイベントプラットフォーム運用方法のフロー例を示す図である。ここでは、
図11で示すように、ユーザの健康状態(ライフログ)、及び金融サービスの履歴(すなわち取引履歴)に基づき、当該ユーザの所属グループと当該所属グループ内でのランクを判定し、それに応じた与信枠の設定を行う運用について示す。
【0060】
この場合、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、各ユーザのユーザ端末200から取引履歴225およびライフログ226を取得する(s1)。
【0061】
なお、各ユーザとは、ライフイベントプラットフォーム運用装置100がユーザDB125で管理するユーザであって、ライフイベントプラットフォーム運用装置100が提供するサービスの登録会員である。また、取引履歴225に関しては、ユーザ端末200からではなく、金融機関システム300から取得するとしてもよい。つまり、情報の取得ルートは限定しない。
【0062】
また、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、s1で得ている、各ユーザ本人及びその家族の健康状態、病歴、金融取引履歴、及び予め保持する各ユーザの属性情報に関する一致度(類似度と言い換えてもよい)から、ユーザのグルーピングを実施する(s2)。
【0063】
このグルーピングは、例えば、ユーザの家族構成から特定される両親、兄弟ともに、重篤な基礎疾患および金融事故発生が見当たらない家系であって、かつ、ユーザ本人とその同居家族がAランク(例:血圧、脈拍などの各事象がいずれも正常)の健康状態を○ヶ月維持し、かつ適正なカード利用内容(例:全て一括払いで事故無し、かつ残債が規定額以下)を△ヶ月継続した者を、第一グループのCランク、などと規定しグルーピングを行う。
【0064】
勿論、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、こうしたグルーピングのための判定基準の情報を、記憶装置101で予め保持しているものとする。
【0065】
続いて、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、所属グループにおけるランクごとの標準与信枠をユーザに適用する(s3)。
図11で示すように、第一グループのCランクのユーザに関して標準的に適用される与信額は、年齢別に規定されており、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、ユーザの年齢(例:50歳)を属性情報で参照し、与信額を決定する。
【0066】
また、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、s3までで特定した、所属グループと与信額(与信枠)の情報を、ユーザDB125の対応欄に格納して、これをユーザ端末200に通知(
図13の画面1010)し(s4)、処理を終了する。
<フロー例:到来ライフイベントに応じた処理>
続いて、到来ライフイベントに応じて実行する種々の処理について図に基づき説明する。
図13は本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用方法のフロー例を示す図である。この場合、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、各ユーザのライフログ226や取引履歴225を一定期間ごとに取得し、当該ユーザの健康状態、金融取引履歴の監視を実行する(s10)。
【0067】
また、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、上述の監視の結果、健康状態や金融取引に関して変化があったか、すなわち当該変化を生じたユーザが存在する判定する(s11)。こうした変化の有無に関する判定は、例えば、上述のグルーピング実行時における当該ユーザの健康状態、金融取引履歴と、グルーピング実行以後の各タイミングで得た当該ユーザの健康状態、金融取引履歴とを比較し、高血圧や不整脈、リボ決済といった各種事象の有無、及びその程度に関して差異があるかチェックすることで行われるものとする。
【0068】
上述の判定の結果、上述の変化が生じていることが判明した場合(s11:Y)、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、当該ユーザに関して、所属グループやランクの変更可能性について判定する(s12)。
【0069】
この判定は、s2のグルーピングに関して示したグルーピングのための判定基準の情報(記憶装置101で予め保持)に、s10で得ている情報を照合し、グループやランクが現状のものから異なるものになるか判定することになる。例えば、ユーザ本人の血圧値および脈拍ともが異常値になっており、また、カード利用内容として残債が規定額以上、となっている場合、当該状況を上述の判定基準に照合した場合、第二グループのDランクに変更される、などと判定する。
【0070】
他方、上述の判定の結果、上述の変化は生じていないことが判明した場合(s11:N)、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は処理をs10に戻す。
【0071】
上述の判定の結果、所属グループやランクが変更となる可能性がないことが判明した場合(s13:N)、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、処理を終了する。
【0072】
他方、上述の判定の結果、所属グループやランクが変更となる可能性があることが判明した場合(s13:Y)、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、到来ライフイベントを特定する(s14)。
【0073】
この到来ライフイベントの特定は、例えば、対象ユーザの属性情報をユーザDB125で参照し、その家族構成が示す子供の年齢(例:12歳)と、当該ユーザの居住地(例:東京都千代田区)とに基づき、都心部在住のユーザの子供が3ヶ月後に私立中学入学を行う、などと推定する。すなわち、到来ライフイベントとして「子供の私立中学入学」を特定したことになる。
【0074】
なお、上記推定は、例えば、居住地、年齢などを説明変数、私立中学入学の有無を目的関数とした回帰分析や機械学習により実行するか、外部装置に処理を依頼し結果を取得することで実行する。勿論、そのための機能や情報をライフイベントプラットフォーム運用装置100が保持するものとする。
【0075】
続いて、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、s14で特定した到来ライフイベントに合わせた警告ないし賛意の内容を判定する(s15)。
【0076】
この場合、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、記憶装置101にて到来ライフイベントごとに予め用意しているメッセージ雛形をまずは特定する。上述の場合、「子供の私立中学入学」という到来ライフイベントのメッセージ雛形を特定することになる。
【0077】
この雛形は、例えば、「○○頃、お子さんの私立中学入学で、平均で初年度約100万円がかかると予想されます。今月以降で○○の取引を行い、また、健康状態として○○が○○であれば、所属グループが変更になり、与信枠低減となる可能性が高いようです。ご注意ください。」といったものを想定できる。
【0078】
また、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、上述のs12、s13の判定で特定された、所属グループやランクの変更可能性に基づき、現状と変更後の所属グループやランクの間で、健康状態や金融取引の健全度に関する差異を特定する。
【0079】
例えば、現在の第一グループ、Cランクに関して要求される健康状態である、血圧、脈拍がいずれも正常、と、変更後の第二グループのランクDに関して要求される健康状態である、血圧は正常、との差異として「脈拍が正常」であることを特定できる。
【0080】
また、現在の第一グループ、Cランクに関して要求される金融取引の健全度である、カード利用は全て一括払いで事故無し、かつ残債が規定額以下、と、変更後の第二グループのランクDに関して要求される金融取引の健全度である、カード利用の残債が規定額以下、との差異として「全て一括払いで事故無し」であることを特定できる。
【0081】
そこで、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、上述の差異を特定した項目について雛形に設定することで、警告ないし賛意の内容として、「来月はじめ頃、お子さんの私立中学入学で、平均で初年度約100万円がかかると予想されます。今月以降、一括払いではなくリボ払い取引を行い、また、健康状態として脈拍値が異常のままであれば、所属グループが変更になり、与信枠低減となる可能性が高いようです。ご注意ください。」といったものを生成する。
【0082】
また、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、s15で判定した警告ないし賛意の内容を、ユーザ端末200に通知(
図15の画面1020)し(s16)、処理を終了する。
<その他の実施形態>
既に事例としては概説したが、例えば、出産に関するリスクについて判定し、適宜な情報提供を行うケースも想定できる。この場合、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、ユーザの属性情報から年齢と性別、年収、家族構成などについて抽出し、「女性」、「55歳」、「既婚」、「年収1000万円」などといった属性を特定し、これを、出産に関するリスクの判定ロジックに適用することで、「高齢出産で世帯収入安定」のユーザに関して「高齢出産に関わる出産リスク」を特定する。
【0083】
ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、このリスクに対して経済的に保障する医療保険の情報を、当該ユーザのユーザ端末200に配信することになる。なお、医療保険の情報は、ライフイベントプラットフォーム運用装置100が、予め保持する保険商品の情報リスト中からリスクに応じて選択したものとする。こうした出産といった、年齢や生活環境、就業環境など複数の要因によりリスクが異なるライフイベントについて適宜に対応する情報提案を行うことは重要である。
【0084】
また、親子や兄弟などといった、ユーザ間の関係性を踏まえた情報提案を行うケースも想定できる(
図2)。この場合、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、登録ユーザの属性情報のうち家族構成欄の値に基づいて、例えば親子関係を特定する(
図2では、父母とその子供)。
【0085】
家族して生活を共にする者同士は、食事や生活習慣なども類似しやすく、また互いの遺伝的な影響もあって、特定の疾病を発症するリスクについても類似する傾向があるとされ
る。
【0086】
また、各人の身に起こる一般的なライフイベントを時系列で俯瞰した場合、例えば、20代での就職時から約10年後の35歳前後までの間を年金保険の提案期間とし、その後の45歳前後までをがん保険の提案期間としたとする。これは、父母とその子供の双方において共通して想定している。
【0087】
そこで、ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、そうした父母に55歳でがんが発症したとのライフログ226をユーザ端末200から得たとする。この時、その子供はまだ30歳で、がん保険の提案期間には達していなかった。しかしライフイベントプラットフォーム運用装置100は、父母のがん発症の時期が60歳以前(基準値として保持)であって、がんの早期発症リスクが平均よりも高い傾向の一家であると推定する。
【0088】
ライフイベントプラットフォーム運用装置100は、このため、そうした子供らのユーザ端末200に対し、がん保険の提案を通常の提案時期よりも早めて即時に実行する運用が可能である。勿論、父母の健康状態が良好なまま推移した場合、これを好適な状況と認識したライフイベントプラットフォーム運用装置100は、その子供らへのがん保険の提案を通常の提案時期よりも遅らせる制御を実行するとしてもよい。
【0089】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0090】
こうした本実施形態によれば、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形での、適宜な情報提供やコミュニティ形成の推進が可能となる。
【0091】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用方法において、前記情報処理装置が、前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントに伴う必要資金額との関係に基づき、前記ユーザの金融取引に関する警告内容を判定する、としてもよい。
【0092】
これによれば、ユーザの行動や状態が与えうる金融上の影響を踏まえた警告を適宜なタイミングで発し、当該ユーザの行動変容を促すことが可能となる。ひいては、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形での、適宜な情報提供やコミュニティ形成の推進が可能となる。
【0093】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用方法において、前記情報処理装置が、前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントとの関係を踏まえて、前記ユーザの健康維持に関する警告内容を判定する、としてもよい。
【0094】
これによれば、ユーザの行動や状態が与えうる金融上及び健康上の影響を踏まえた警告を適宜なタイミングで発し、当該ユーザの行動変容を促すことが可能となる。ひいては、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形での、適宜な情報提供やコミュニティ形成の推進が可能となる。
【0095】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用方法において、前記情報処理装置が、ユーザの属性情報、及びユーザ向けサービスの情報を記憶装置で保持し、前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを、当該到来ライフイベントの到来時期に対応した前記属性情報に基づき判定し、当該リスクに応じた警告または当該リス
クをカバーするユーザ向けサービスの情報を、前記ユーザの端末に配信する、としてもよい。
【0096】
これによれば、所定のライフイベント(例:就職、結婚、出産、不動産購入、特定の疾病など)の発生時のユーザの年齢や婚姻有無などといった属性を踏まえ、上述のリスクに関して早めの対応や保険によるカバーリングを促す等の支援が可能となる。ひいては、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形での、適宜な情報提供やコミュニティ形成の推進が可能となる。
【0097】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用方法において、前記情報処理装置が、前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを判定する際、当該ユーザと同じ所属グループの、または所定の関係性がある他ユーザの前記属性情報及び前記ライフログの少なくともいずれかの情報を参照して、前記他ユーザにおける前記到来ライフイベントの発生時期を特定し、当該発生時期に応じて、前記警告または前記ユーザ向けサービスの情報の配信時期を制御する、としてもよい。
【0098】
これによれば、例えば家族や親族、或いは所属グループが同じ者の間で、所定のライフイベント(例:就職、結婚、出産、不動産購入、特定の疾病など)の発生有無や発生時期といった傾向に類似性、共通性を有することを踏まえ、上述のリスクに関して早めの対応や保険によるカバーリングを促す等の支援が可能となる。ひいては、ユーザ各々で時期や内容も異なるライフイベントに個別に寄り添った形での、適宜な情報提供やコミュニティ形成の推進が可能となる。
【0099】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置において、前記演算装置は、前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントに伴う必要資金額との関係に基づき、前記ユーザの金融取引に関する警告内容を判定するものである、としてもよい。
【0100】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置において、前記演算装置は、前記通知内容として、前記ユーザの所属グループ変更による与信枠増減と前記到来ライフイベントとの関係を踏まえて、前記ユーザの健康維持に関する警告内容を判定するものである、としてもよい。
【0101】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置において、前記記憶装置は、ユーザの属性情報、及びユーザ向けサービスの情報をさらに保持し、前記演算装置は、前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを、当該到来ライフイベントの到来時期に対応した前記属性情報に基づき判定し、当該リスクに応じた警告または当該リスクをカバーするユーザ向けサービスの情報を、前記ユーザの端末に配信するものである、としてもよい。
【0102】
また、本実施形態のライフイベントプラットフォーム運用装置において、前記演算装置は、前記到来ライフイベントに関して前記ユーザに生じうるリスクを判定する際、当該ユーザと同じ所属グループの、または所定の関係性がある他ユーザの前記属性情報及び前記ライフログの少なくともいずれかの情報を参照して、前記他ユーザにおける前記到来ライフイベントの発生時期を特定し、当該発生時期に応じて、前記警告または前記ユーザ向けサービスの情報の配信時期を制御するものである、としてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ネットワーク
10 ライフイベントプラットフォーム運用システム
100 ライフイベントプラットフォーム運用装置
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 通信装置
125 ユーザDB
126 取引履歴DB
127 ライフログDB
200 ユーザ端末
201 記憶装置
202 プログラム
210 金融取引アプリ
211 健康管理アプリ
203 メモリ
204 演算装置
205 入出力装置
206 通信装置
225 取引履歴
226 ライフログ
300 金融機関システム