(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185642
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】電気二重層キャパシタおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 11/80 20130101AFI20221208BHJP
【FI】
H01G11/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093384
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000190091
【氏名又は名称】ルビコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 悠太
(72)【発明者】
【氏名】野澤 隆
(72)【発明者】
【氏名】海老名 貴人
(72)【発明者】
【氏名】安江 健太
【テーマコード(参考)】
5E078
【Fターム(参考)】
5E078AA06
5E078AA15
5E078AB02
5E078EA06
5E078HA05
(57)【要約】
【課題】有底筒状のケースに複数のキャパシタ素子を収納することで汎用性を高めつつ、短絡や漏れ電流増加を防止して信頼性を高めた構成の電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】電気二重層キャパシタ1は、キャパシタ素子2a、キャパシタ素子2b、封口体3およびケース4を備え、封口体3は、キャパシタ素子2aとキャパシタ素子2bとを互いに隔てる隔壁部3aが設けられている構成である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子が配されて電解液が導入されたキャパシタ素子と、前記端子が挿通された基部を有する封口体と、前記キャパシタ素子が複数配された状態の前記封口体を取付ける有底筒状のケースを備え、前記封口体は、各前記キャパシタ素子を互いに隔てる隔壁部が設けられていること
を特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項2】
前記隔壁部は、前記ケースの内周面に接しているとともに、前記ケースの内底面に接していること
を特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項3】
前記隔壁部は、前記基部から延設した板状部の先端が接着剤によって前記ケースに接着されていること
を特徴とする請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項4】
前記キャパシタ素子の数は2以上4以下であり、前記封口体は前記基部の厚み方向の中心線に対して回転対称形状であること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項5】
各前記キャパシタ素子は、前記端子として外部接続端子と相互接続端子とを有し、各前記相互接続端子が互いに接続されている構成であること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項6】
端子が配されて電解液が導入されたキャパシタ素子と、前記端子が挿通された基部を有する封口体と、前記キャパシタ素子が複数配された状態の前記封口体を取付ける有底筒状のケースを備えた電気二重層キャパシタの製造方法であり、前記端子を前記基部に挿通し各前記キャパシタ素子を前記封口体に設けた隔壁部を挟んで互いに隔てた状態にした後、各前記キャパシタ素子が配された状態の前記封口体を前記ケースに取付けること
を特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気二重層キャパシタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仕切りが形成された直方体形状のハウジングに、キャパシタ素子を個別に仕切って収納するとともに前記ハウジング内で直列接続させた状態で蓋体を組み付けた構成の電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献1:特開昭59-141217号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のように直方体形状のハウジングは、全体サイズが必要以上に大きくなってしまい、汎用性に乏しい。他方、複数のキャパシタ素子を有底筒状のケースに収納しようとすると、各キャパシタ素子が互いに接触し、また、各キャパシタ素子に導入した電解液が互いに接触することになり、短絡や漏れ電流増加などが生じるという問題がある。そのため、複数のキャパシタ素子を有底筒状のケースに収納した構成は実用化できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、有底筒状のケースに複数のキャパシタ素子を収納することで汎用性を高めつつ、短絡や漏れ電流増加を防止して信頼性を高めた構成の電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【0006】
一実施形態として、以下に開示する解決手段により、前記課題を解決する。
【0007】
本発明に係る電気二重層キャパシタは、端子が配されて電解液が導入されたキャパシタ素子と、前記端子が挿通された基部を有する封口体と、前記キャパシタ素子が複数配された状態の前記封口体を取付ける有底筒状のケースを備え、前記封口体は、各前記キャパシタ素子を互いに隔てる隔壁部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、封口体に設けられた隔壁部によって各キャパシタ素子を互いに隔てることができるとともに、各キャパシタ素子に導入した電解液が互いに接触することが防止できる。よって、汎用性を高めつつ、短絡や漏れ電流増加を防止して信頼性を高めた構成にできる。
【0009】
前記隔壁部は、前記ケースの内周面に接しているとともに、前記ケースの内底面に接していることが好ましい。この構成によれば、第1のキャパシタ素子から染み出た第1の電解液と、第2のキャパシタ素子から染み出た第2の電解液とが絶縁できる。よって、短絡や漏れ電流増加の防止がより確実な構造になる。
【0010】
前記隔壁部は、前記基部から延設した板状部の先端が接着剤によって前記ケースに接着されていることが好ましい。この構成によれば、接着剤によって封口体がケースにより確実に固定できる。尚且つ、接着剤を介して封口体とケースとが接着されていることで短絡や漏れ電流増加の防止がより確実な構造になるとともに、封口体をケースに支持固定させることができるので、合理的な構造になる。
【0011】
一例として、前記キャパシタ素子の数は2以上4以下であり、前記封口体は前記基部の厚み方向の中心線に対して回転対称形状である。この構成により、生産性が向上し、より合理的な構成にできる。
【0012】
一例として、各前記キャパシタ素子は、前記端子として外部接続端子と相互接続端子とを有し、各前記相互接続端子が互いに接続されている構成である。一例として、各前記相互接続端子が前記基部に沿って互いに接続されている構成、または、各前記相互接続端子が前記隔壁部を横断して互いに接続されている構成、若しくは、各前記相互接続端子が前記隔壁部を貫通して互いに接続されている構成である。この構成により、第1のキャパシタ素子と第2のキャパシタ素子とを直列接続した状態で外部の基板等に電気接続できるので、ユーザにおける生産性が向上できる。
【0013】
本発明に係る電気二重層キャパシタの製造方法は、端子が配されて電解液が導入されたキャパシタ素子と、前記端子が挿通された基部を有する封口体と、前記キャパシタ素子が複数配された状態の前記封口体を取付ける有底筒状のケースを備えた電気二重層キャパシタの製造方法であり、前記端子を前記基部に挿通し各前記キャパシタ素子を前記封口体に設けた隔壁部を挟んで互いに隔てた状態にした後、各前記キャパシタ素子が配された状態の前記封口体を前記ケースに取付けることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、封口体に設けられた隔壁部によって各キャパシタ素子を互いに隔てた状態で封口体をケースに取付けて固定するので、汎用性を高めつつ、短絡や漏れ電流増加を防止して信頼性を高めた構成にできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、有底筒状のケースに複数のキャパシタ素子を収納することで汎用性を高めつつ、短絡や漏れ電流増加を防止して信頼性を高めた構成の電気二重層キャパシタが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタの概略構造を示す部分断面図である。
【
図2】
図2Aはリード端子と正極箔並びにリード端子と負極箔との位置関係を示す概略の図であり、
図2Bは正極箔、第1セパレータ、負極箔、第2セパレータの順に重ねて巻回している状態の概略の図である。
【
図3】
図3Aは本実施形態の電気二重層キャパシタにおける第1例の概略の構造展開図であり、
図3Bは
図3Aに示す電気二重層キャパシタの組立後の概略構造を示す部分断面図である。
【
図4】
図4Aは本実施形態の電気二重層キャパシタにおける第2例に係る封口体の概略の平面図であり、
図4Bは
図4Aに示す封口体の正面図であり、
図4Cは
図4Aに示す封口体の底面図であり、
図4Dは、
図4Aに示す封口体にキャパシタ素子を取付けた状態を示す正面図である。
【
図5】
図5Aは本実施形態の電気二重層キャパシタにおける第3例に係る封口体の概略の平面図であり、
図5Bは
図5Aに示す封口体の正面図であり、
図5Cは
図5Aに示す封口体の底面図であり、
図5Dは、
図5Aに示す封口体にキャパシタ素子を取付けた状態を示す正面図である。
【
図6】
図6Aは本実施形態の電気二重層キャパシタにおける第4例に係る封口体の概略の平面図であり、
図6Bは
図6Aに示す封口体の正面図であり、
図6Cは
図6Aに示す封口体の底面図であり、
図6Dは、
図6Aに示す封口体にキャパシタ素子を取付けた状態を示す正面図である。
【
図7】
図7Aは本実施形態の電気二重層キャパシタにおける第5例に係る封口体の概略の平面図であり、
図7Bは
図7Aに示す封口体の正面図であり、
図7Cは
図7Aに示す封口体の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態の電気二重層キャパシタ1の概略構造を示す部分断面図である。
図2Aと
図2Bに示すように、電気二重層キャパシタ1は、集電体上に活性炭粉末を含んだペーストを塗布した電極箔のうちの正極箔8aに端子5aが配され、集電体上に活性炭粉末を含んだペーストを塗布した電極箔のうちの負極箔8cに端子5bが配され、正極箔8aと負極箔8cの間にセパレータ8dまたはセパレータ8fを挟み、両電極箔を隔離して巻回した状態で、減圧等によって電解液2eを含浸したキャパシタ素子2aと、同様の構造で端子6aと端子6bが配されたキャパシタ素子2bと、封口体3とが収納された有底形状のケース4を備える。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0018】
図1の例では、ケース4の底部4aは内部に接着剤7が配されており、封口体3の隔壁部3aは接着剤7によってケース4に接着固定されている。また、封口体3の基部3bはケース4の開口部4bに嵌合されて支持固定されている。ケース4の開口部4bは封口体3によって封口されている。ケース4は有底筒状であり、アルミニウム等の金属からなる。封口体3は円柱形状の基部3bに板状の隔壁部3aが延設された一体構造であり、絶縁性ゴム組成物または絶縁性樹脂組成物からなる。端子5a(端子6a)は、正極箔8aに接合された状態で一例として外部の基板等に電気接続される。端子5b(端子6b)は、負極箔8cに接合された状態で一例として外部の基板等に電気接続される。端子5aにおける引出し線部は、CP線やCu線等からなり、丸棒部およびタブはアルミニウム等の導電性金属からなる。端子5b,端子6a、端子6bについても同様の構造である。一例として、セパレータ8d(8f)は、セルロース繊維、または、耐熱性に優れたナイロンやポリプロピレン(PP)等の合成樹脂で形成されたものが適用される。
【0019】
封口体3の基部3bは、ケース4の内側形状に合わせた形状となっており、水分の浸入や電解液2eの漏液を防止する。そして、端子5aの丸棒部と端子5bの丸棒部と端子6aの丸棒部と端子6bの丸棒部とが各々挿通される貫通穴3cが基部3bに形成されている。一例として、封口体3はブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの絶縁性ゴム組成物からなる。または、一例として、封口体3はエポキシ樹脂、フェニル樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂などの絶縁性樹脂組成物からなる。接着剤7は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂、またはこれらを組み合わせた樹脂硬化物である。接着剤7は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェニル樹脂、オレフィン樹脂、その他既知の耐熱性樹脂が適用できる。
【0020】
一例として、封口体3における基部3bの厚みは、貫通穴3cの形成方向と同じ方向の厚みであって当該厚みは1[mm]以上8[mm]以下であり、好ましくは2[mm]以上7[mm]以下である。これにより、ケース4との嵌合強度を高めつつ、ケース4の内部有効空間を確保して小型サイズにすることが容易にできる。封口体3における隔壁部3aは、一例として、基部3bの径方向に対して直交方向に延設している。一例として、封口体3における隔壁部3aの厚みは、貫通穴3cの形成方向に対して直交または交差する方向の板状部の厚みであって当該厚みは0.1[mm]以上3[mm]以下であり、好ましくは0.5[mm]以上2[mm]以下である。これにより、ケース4との接着強度を高めつつ、ケース4の内部有効空間を確保して小型サイズにすることが容易にできる。
【0021】
(第1例)
図3Aは本実施形態の電気二重層キャパシタ1における第1例の概略の構造展開図であり、
図3Bは
図3Aに示す電気二重層キャパシタの組立後の概略構造を示す部分断面図である。続いて、第1例について、以下に説明する。
【0022】
一例として、キャパシタ素子2a(2b)は、活性炭粉末とバインダーとを混合してペーストとし、このペーストをアルミニウム箔上に塗工し乾燥して電極箔とし、この電極箔のうち正極箔8aに端子5a(6a)のタブを接合し、この電極箔のうち負極箔8cに端子5b(6b)のタブを接合し、正極箔8aと負極箔8cの間にセパレータ8dまたはセパレータ8fを挟み、両電極箔を隔離し巻回してキャパシタ素子2a(2b)を作製し、電解液2eを含浸する。電解液2eは、一例として、プロピレンカーボネートとトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートとが混合された混合液である。
【0023】
そして、電解液2eが導入されたキャパシタ素子2a(2b)の端子5a(6a)と端子5b(6b)とを封口体3の基部3bにおける貫通穴3cにそれぞれ挿通し、キャパシタ素子2aとキャパシタ素子2bとを封口体3に設けた隔壁部3aを挟んで互いに隔てた状態にした後、底部に未硬化状態若しくは半硬化状態の接着剤7が配されたケース4に取付けて、基部3bをケース4の開口部に嵌合するとともに、隔壁部3aにおける板状部の先端3a1に接着剤7をくっつけて、接着剤7を加熱などによって硬化する。そして、外装スリーブをケース4に取り付けて、後加工を適宜施す。
【0024】
この構成によれば、封口体3に設けられた隔壁部3aによってキャパシタ素子2aとキャパシタ素子2bとを互いに隔てた状態で封口体3をケースに取付けて固定するので、汎用性を高めつつ、短絡や漏れ電流増加を防止して信頼性を高めた構成にできる。ここで、外部接続端子は端子5a、端子5b、端子6a並びに端子6bになる。
【0025】
なお、ケース4は、開口側の側面に横絞り部を形成しておいて封口体3の基部3bの挿入量を規制する位置決めにしてもよい。または、ケース4は、開口側の内径を大きくした段差を設けておいて封口体3の基部3bの挿入量を規制する位置決めにしてもよい。または、封口体3の基部3bの外周側面とケース4の開口側の内周側面とを接着剤7と同様の材質の接着剤によって接着してもよい。
【0026】
(第2例)
図4Aは本実施形態の電気二重層キャパシタ1における第2例に係る封口体3の概略の平面図であり、
図4Bは封口体3の正面図であり、
図4Cは封口体3の底面図であり、
図4Dは、封口体3にキャパシタ素子2aおよびキャパシタ素子2bを取付けた状態を示す正面図である。続いて、第1例と共通する基本構造は適宜説明を省略しつつ、第2例について、以下に説明する。
【0027】
第2例の封口体3は、第1例と同じ構造である。電解液2eが導入されたキャパシタ素子2a(2b)の端子5a(6a)と端子5b(6b)とを封口体3の基部3bにおける貫通穴3cにそれぞれ挿通し、キャパシタ素子2aとキャパシタ素子2bとを封口体3に設けた隔壁部3aを挟んで互いに隔てた状態にして、相互接続端子である端子5bと端子6aとを接合した後、底部に未硬化状態若しくは半硬化状態の接着剤7が配されたケース4に取付けて、基部3bをケース4の開口部に嵌合するとともに、隔壁部3aにおける板状部の先端3a1に接着剤7をくっつけて、接着剤7を加熱などによって硬化する。
【0028】
この構成によれば、第1のキャパシタ素子であるキャパシタ素子2aと第2のキャパシタ素子であるキャパシタ素子2bとを直列接続した状態で外部の基板等に電気接続できるので、ユーザにおける生産性が向上できる。ここで、外部接続端子は端子5aと端子6bになる。
【0029】
(第3例)
図5Aは本実施形態の電気二重層キャパシタ1における第3例に係る封口体3の概略の平面図であり、
図5Bは封口体3の正面図であり、
図5Cは封口体3の底面図であり、
図5Dは、封口体3にキャパシタ素子2aおよびキャパシタ素子2bを取付けた状態を示す正面図である。続いて、第1例と共通する基本構造は適宜説明を省略しつつ、第3例について、以下に説明する。
【0030】
第3例の封口体3は、横溝付きの貫通穴13cを有する点が第1例と異なる。電解液2eが導入されたキャパシタ素子2a(2b)の端子5a(6a)と端子5b(6b)とを封口体3の基部3bにおける貫通穴3cと横溝付きの貫通穴13cにそれぞれ挿通し、キャパシタ素子2aとキャパシタ素子2bとを封口体3に設けた隔壁部3aを挟んで互いに隔てた状態にして、相互接続端子である端子5bと端子6aとを貫通穴13cの横溝部にて接合した後、底部に未硬化状態若しくは半硬化状態の接着剤7が配されたケース4に取付けて、基部3bをケース4の開口部に嵌合するとともに、隔壁部3aにおける板状部の先端3a1に接着剤7をくっつけて、接着剤7を加熱などによって硬化する。
【0031】
この構成によれば、第1のキャパシタ素子であるキャパシタ素子2aと第2のキャパシタ素子であるキャパシタ素子2bとを直列接続した状態で外部の基板等に電気接続できて、相互接続端子が貫通穴13cの横溝部にて接合されているので、ユーザにおける生産性がさらに向上できる。ここで、外部接続端子は端子5aと端子6bになる。
【0032】
(第4例)
図6Aは本実施形態の電気二重層キャパシタ1における第4例に係る封口体3の概略の平面図であり、
図6Bは封口体3の正面図であり、
図6Cは封口体3の底面図であり、
図6Dは、封口体3にキャパシタ素子12aおよびキャパシタ素子12bを取付けた状態を示す正面図である。続いて、第1例と共通する基本構造は適宜説明を省略しつつ、第4例について、以下に説明する。
【0033】
第4例の封口体3は、貫通穴3cが二箇所であって先端側に横溝23c付きの隔壁部3aを有する点が第1例と異なる。電解液2eが導入されたキャパシタ素子12a(12b)の端子5a(6b)を封口体3の基部3bにおける貫通穴3cに挿通し、キャパシタ素子12aとキャパシタ素子12bとを封口体3に設けた隔壁部3aを挟んで互いに隔てた状態にして、相互接続端子である端子15bと端子16aとを隔壁部3aの先端側の横溝23cにて接合した後、底部に未硬化状態若しくは半硬化状態の接着剤7が配されたケース4に取付けて、基部3bをケース4の開口部に嵌合するとともに、隔壁部3aにおける板状部の先端3a1に接着剤7をくっつけて、接着剤7を加熱などによって硬化する。
【0034】
この構成によれば、第1のキャパシタ素子であるキャパシタ素子12aと第2のキャパシタ素子であるキャパシタ素子12bとを直列接続した状態で外部の基板等に電気接続できて、相互接続端子が内部の横溝部にて接合されているので、ユーザにおける生産性がより一層向上できる。ここで、外部接続端子は端子5aと端子6bになる。
【0035】
(第5例)
図7Aは本実施形態の電気二重層キャパシタ1における第5例に係る封口体3の概略の平面図であり、
図7Bは封口体3の正面図であり、
図7Cは封口体3の底面図である。続いて、第1例と共通する基本構造は適宜説明を省略しつつ、第5例について、以下に説明する。
【0036】
第5例の封口体3は、貫通穴3cが八箇所であって板状で十字形状または板状でX形状の隔壁部3aを有する点が第1例と異なる。電解液2eが導入されたキャパシタ素子は全部で4つあって、各端子を封口体3の基部3bにおける貫通穴3cにそれぞれ挿通し、各キャパシタ素子を封口体3に設けた隔壁部3aを挟んで互いに隔てた状態にした後、底部に未硬化状態若しくは半硬化状態の接着剤7が配されたケース4に取付けて、基部3bをケース4の開口部に嵌合するとともに、隔壁部3aにおける板状部の先端3a1に接着剤7をくっつけて、接着剤7を加熱などによって硬化する。
【0037】
この構成によれば、全部で4つのキャパシタ素子を外部の基板等に電気接続できるので、さらに大容量の電気二重層キャパシタ1や、さらに高耐圧の電気二重層キャパシタ1にできる。
【0038】
上述の例では、キャパシタ素子を直列接続する例を説明したがこの例に限定されない。キャパシタ素子は並列接続する場合がある。また、上述の例では、ケースは有底筒状であって円筒状の例を説明したがこの例に限定されない。ケースは有底筒状であって立方体形状や多角形の立体形状にすることもできる。端子は外部接続する端部を折り曲げるなど面実装に対応した形状にすることもできる。
【0039】
本発明は、上述の実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 電気二重層キャパシタ
2a、2b キャパシタ素子
2e 電解液
3 封口体、3a 隔壁部、 3b 基部、3c 貫通穴
4 ケース、4a 底部、4b 開口部
5a、5b 端子
6a、6b 端子
7 接着剤
8a 正極箔、8c 負極箔
8d、8f セパレータ