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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185657
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】光学分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/01 20060101AFI20221208BHJP
   G01N 21/3577 20140101ALI20221208BHJP
   G01N 21/05 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G01N21/01 Z
G01N21/3577
G01N21/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093414
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】柏野 亮太
【テーマコード(参考)】
2G057
2G059
【Fターム(参考)】
2G057AA01
2G057AB02
2G057AB04
2G057AC01
2G057BA05
2G057BB06
2G057DB01
2G057DB03
2G059AA01
2G059BB04
2G059DD12
2G059EE01
2G059GG01
2G059JJ11
2G059JJ17
2G059KK02
2G059NN02
(57)【要約】
【課題】電源の無い計測部の状態または配管の状態を外部に通知する。
【解決手段】光学分析装置は、光源光を測定対象が流れる配管10に照射して、配管10を透過した光を光ファイバーケーブル3に導く計測部1と、光ファイバーケーブル3を介して計測部1に光源光を放出する光源部20と、配管10を透過した光を光ファイバーケーブル3を介して受光する光検出部21を備える。計測部1は、計測部1または配管10の状態を検出する状態検出部14と、状態検出部14の検出結果を外部に通知する通知部18と、配管10の熱を利用して発電し、状態検出部14と通知部18とに電力を供給する熱電素子13を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ファイバーケーブルからの光源光を測定対象が流れる配管に照射して、前記配管を透過した光を第2の光ファイバーケーブルに導くように構成された計測部と、
前記第1の光ファイバーケーブルを介して前記計測部に前記光源光を放出するように構成された光源部と、
前記配管を透過した光を前記第2の光ファイバーケーブルを介して受光するように構成された光検出部と、
前記第1、第2の光ファイバーケーブルと、
前記計測部または前記配管の状態を検出するように構成された状態検出部と、
前記状態検出部の検出結果を外部に通知するように構成された通知部と、
前記配管の熱を利用して発電し、前記状態検出部と前記通知部とに電力を供給するように構成された熱電素子とを備えることを特徴とする光学分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の光学分析装置において、
前記熱電素子は、一方の面が直接もしくは熱伝導材料を介して間接的に前記配管と接していることを特徴とする光学分析装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光学分析装置において、
前記状態検出部と前記通知部と前記熱電素子とは、前記計測部に設けられることを特徴とする光学分析装置。
【請求項4】
請求項3記載の光学分析装置において、
前記状態検出部は、前記計測部の温度に異常がないかどうかを判定することを特徴とする光学分析装置。
【請求項5】
請求項3記載の光学分析装置において、
前記計測部は、前記第1の光ファイバーケーブルからの光源光を前記配管に照射し、前記配管を透過した光を前記第2の光ファイバーケーブルに導く光学系を備え、
前記状態検出部は、前記光学系に異常がないかどうかを判定することを特徴とする光学分析装置。
【請求項6】
請求項3記載の光学分析装置において、
前記状態検出部は、前記配管の光透過特性に異常がないかどうかを判定することを特徴とする光学分析装置。
【請求項7】
請求項1または2記載の光学分析装置において、
前記状態検出部と前記通知部と前記熱電素子とは、前記計測部から離れた前記配管の箇所に設けられることを特徴とする光学分析装置。
【請求項8】
請求項3または7記載の光学分析装置において、
前記状態検出部は、前記配管の温度に異常がないかどうかを判定することを特徴とする光学分析装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学分析装置において、
前記通知部は、表示、通信、音声出力のうち少なくとも1つの方法によって前記状態検出部の検出結果を外部に通知することを特徴とする光学分析装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学分析装置において、
前記光検出部によって受光された光に基づいて前記測定対象の分析を行うように構成された分析部を備えることを特徴とする光学分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を用いて測定対象の分析を行う光学分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の洗浄工程において、ウエハを洗浄する薬液を近赤外吸光法により濃度管理している装置がある。配管に流れる流体の中には高温の流体があり、配管の近くに電子部品を置くのは測定精度の面から困難である。そこで、温度の影響を受け易い機器(光源や検出器)から計測部を離して光ファイバーケーブルを介して接続するようにしている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
図6は特許文献1に開示されたプロセスラインの構成を示す図である。図6には、半導体の洗浄工程で使用されるウェットステーションが示されている。ウェットステーションは、テフロン(登録商標)管100を介して閉回路内で共に接続された槽101と、フィルタ102と、ポンプ103とからなる再循環管を備えている。槽101は、洗浄、排出又はエッチング溶液のような各種の流体を保持することができる。
【0004】
光透過装置104は、光ファイバーケーブル105の末端から出射する赤外線ビーム又は近赤外線ビームのような光ビームをテフロン管100に照射し、テフロン管100を透過した光を光ファイバーケーブル106を介して受光センサ(不図示)に導く。これにより、例えばテフロン管100を循環する流体の化学的組成または特性等を測定するためのスペクトル測定が可能となる。
【0005】
図7は特許文献2に開示された半導体製造システム用分析装置の構成を示す図である。半導体製造システム用分析装置は、試料を収容する石英ガラス製の試料セル200と、装置本体201と、試料セル200と装置本体201とを接続する光ファイバー202,203とを備えている。例えば、試料セル200を半導体ウエハWの洗浄に用いられる各種洗浄液体等が流れる配管部204上に配置して、洗浄液体等の濃度管理をインラインで実施できるようにしている。
【0006】
装置本体201の光源205から出射した光源光は、光ファイバー202とレンズ208を介して試料セル200に照射される。光検出器206は、試料セル200を透過した透過光をレンズ209と光ファイバー203を介して受光する。分光分析手段207は、光検出器206が受光した光に基づいて、試料セル200の内壁に汚れが有るか否か等の判定を行う。
【0007】
従来技術の構成では、計測部(図6の例では光透過装置104、図7の例では試料セル200とレンズ208,209の部分)に電源がないため、使用者に計測部の状態を知らせることができないという問題があった。計測部は、温度変化を伴う部分であるため、計測部の温度が十分に上昇する前に計測を開始すると、計測部の寸法変化を受けて計測精度が不正確になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4414223号公報
【特許文献2】特開2008-164487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電源の無い計測部の状態または配管の状態を外部に通知することができる光学分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光学分析装置は、第1の光ファイバーケーブルからの光源光を測定対象が流れる配管に照射して、前記配管を透過した光を第2の光ファイバーケーブルに導くように構成された計測部と、前記第1の光ファイバーケーブルを介して前記計測部に前記光源光を放出するように構成された光源部と、前記配管を透過した光を前記第2の光ファイバーケーブルを介して受光するように構成された光検出部と、前記第1、第2の光ファイバーケーブルと、前記計測部または前記配管の状態を検出するように構成された状態検出部と、前記状態検出部の検出結果を外部に通知するように構成された通知部と、前記配管の熱を利用して発電し、前記状態検出部と前記通知部とに電力を供給するように構成された熱電素子とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記熱電素子は、一方の面が直接もしくは熱伝導材料を介して間接的に前記配管と接していることを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記状態検出部と前記通知部と前記熱電素子とは、前記計測部に設けられることを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記状態検出部は、前記計測部の温度に異常がないかどうかを判定することを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記計測部は、前記第1の光ファイバーケーブルからの光源光を前記配管に照射し、前記配管を透過した光を前記第2の光ファイバーケーブルに導く光学系を備え、前記状態検出部は、前記光学系に異常がないかどうかを判定することを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記状態検出部は、前記配管の光透過特性に異常がないかどうかを判定することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記状態検出部と前記通知部と前記熱電素子とは、前記計測部から離れた前記配管の箇所に設けられることを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記状態検出部は、前記配管の温度に異常がないかどうかを判定することを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例において、前記通知部は、表示、通信、音声出力のうち少なくとも1つの方法によって前記状態検出部の検出結果を外部に通知することを特徴とするものである。
また、本発明の光学分析装置の1構成例は、前記光検出部によって受光された光に基づいて前記測定対象の分析を行うように構成された分析部を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、状態検出部と通知部と熱電素子とを設けることにより、電源の無い計測部の状態または配管の状態を外部に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1の実施例に係る光学分析装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第2の実施例に係る光学分析装置の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の第1、第2の実施例に係る光学分析装置の状態検出部の1例を示す図である。
図4図4は、本発明の第1の実施例に係る光学分析装置の状態検出部の1例を示す図である。
図5図5は、本発明の第1~第3の実施例に係る光学分析装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
図6図6は、従来のプロセスラインの構成を示す図である。
図7図7は、従来の半導体製造システム用分析装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[発明の原理]
本発明では、測定対象の流体が流れる配管に熱電素子(ペルチェ素子)を搭載する。配管と周囲の空気に温度差があるため、ゼーベック効果によって熱電素子に起電力が発生する。したがって、熱電素子を、計測部または配管の状態を検出して外部に知らせるための電源として利用することができる。通知方法としては、LED等による表示、音による通知、例えばBluetooth(登録商標)による外部の機器への通信などの方法がある。
【0016】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る光学分析装置の構成を示す図である。光学分析装置は、計測部1と、本体部2と、計測部1と本体部2とを接続する光ファイバーケーブル3とから構成される。
【0017】
計測部1は、例えば液体などの測定対象が流れるテフロン等の光透過性の材料からなる配管10に、光ファイバーケーブル3からの光源光を照射するレンズ等の照射側光学系11と、配管10を透過した光を集光して光ファイバーケーブル3に導くレンズ等の検出側光学系12と、一方の面が配管10と接し、反対側の面が空気と触れるように設けられた熱電素子13と、計測部1または配管10の状態を検出する状態検出部14と、表示部15と、通信部16と、音声出力部17とを備えている。表示部15と通信部16と音声出力部17とは、通知部18を構成している。
【0018】
本体部2は、光源光を発する例えばハロゲンランプや半導体レーザ等の光源部20と、計測部1において配管10を透過した光を光ファイバーケーブル3を介して受光する光検出部21と、光検出部21が受光した光に基づいて測定対象の分析を行う分析部22とを備えている。
【0019】
本実施例では、光ファイバーケーブル3として2芯光ファイバーケーブルを用いる。光源部20から出射した光源光は、光ファイバーケーブル3の一方の光ファイバー(第1の光ファイバーケーブル)を介して計測部1に導かれ、配管10に照射される。配管10を透過した光は、光ファイバーケーブル3の他方の光ファイバー(第2の光ファイバーケーブル)を介して本体部2に導かれ、光検出部21に入射する。なお、本実施例では2芯光ファイバーケーブルを用いているが、照射側の光ファイバーケーブルと検出側の光ファイバーケーブルとを別々に設けてもよいことは言うまでもない。
【0020】
分析部22は、光検出部21が受光した光に基づいて測定対象の分析を行う。分析の1例としては、測定対象に含まれる成分濃度の算出がある。成分濃度を算出する方法については、例えば特開2014-106160号公報に開示されている。分析部22が行う分析は、成分濃度の算出に限らないことは言うまでもない。
【0021】
一方、計測部1においては、配管10を流れる高温の液体等の測定対象によって熱電素子13の配管10側と面とその反対側の面とに温度差が生じる。このような温度差が加わることにより、熱電素子13には電圧が発生する。本実施例では、熱電素子13の一方の面を高温の配管10に触れさせ、反対側の面を空気で冷却することにより、発電効率を上げることができる。
【0022】
熱電素子13は、状態検出部14と表示部15と通信部16と音声出力部17とに電力を供給する。すなわち、状態検出部14と表示部15と通信部16と音声出力部17とは、熱電素子13を電源として動作する。
状態検出部14は、計測部1または配管10の状態を検出する。状態検出部14の詳細については後述する。
【0023】
表示部15は、状態検出部14の検出結果を表示する。表示部15は、例えば状態検出部14の検出結果が異常を示しているときに、LEDを発光させるようにすればよい。あるいは、例えば状態検出部14の検出結果が正常を示しているときに、LEDを点灯させ、検出結果が異常を示しているときに、LEDを点滅させるようにしてもよい。また、小型の液晶ディスプレイに状態検出部14の検出結果を知らせる文字を表示するようにしてもよい。
【0024】
通信部16は、状態検出部14の検出結果を外部装置(不図示)に無線または有線により送信する。無線通信の規格としては、例えばBluetoothなどがある。また、有線通信の規格としては、例えばイーサネット(登録商標)などがある。
【0025】
音声出力部17は、状態検出部14の検出結果を音声出力する。音声出力部17は、例えば状態検出部14の検出結果が異常を示しているときに、異常を知らせる音声を出力すればよい。あるいは、例えば状態検出部14の検出結果が正常を示しているときに、正常を知らせる音声を出力し、検出結果が異常を示しているときに、異常を知らせる音声を出力するようにしてもよい。
【0026】
以上のように、本実施例では、計測部1に熱電素子13と状態検出部14と通知部18(表示部15、通信部16、音声出力部17)とを設けることにより、電源の無い計測部1の状態または配管10の状態を外部に通知することができる。従来技術では、計測部に電源が無いために、計測部の状態を通信などで伝えることができず、時間経過などの経験則に基づいて測定対象の計測を開始していたが、本実施例によれば、計測部1の準備が整っているかどうかを外部に知らせることができる。
【0027】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図2は本発明の第2の実施例に係る光学分析装置の構成を示す図である。本実施例の光学分析装置は、計測部1aと、本体部2と、光ファイバーケーブル3と、配管10の状態を検出して外部に通知する状態検出・通知部4とから構成される。
【0028】
本体部2の構成は第1の実施例で説明したとおりである。計測部1aは、照射側光学系11と、検出側光学系12とを備えている。
【0029】
計測部1aが設けられる配管10と状態検出・通知部4が設けられる配管10とは、同じ測定対象が流れる一続きの配管であるが、状態検出・通知部4は、計測部1aから離れた位置に設けられる。
【0030】
状態検出・通知部4は、熱電素子13と、状態検出部14aと、表示部15と、通信部16と、音声出力部17とを備えている。表示部15と通信部16と音声出力部17とは、通知部18を構成している。
【0031】
第1の実施例と同様に、熱電素子13は、一方の面が配管10と接し、反対側の面が空気と触れるように設けられている。状態検出部14aと表示部15と通信部16と音声出力部17とは、熱電素子13を電源として動作する。
状態検出部14aは、配管10の状態を検出する。状態検出部14aの詳細については後述する。
【0032】
表示部15、通信部16、および音声出力部17は、第1の実施例と同様に、状態検出部14aの検出結果を外部に通知する。
こうして、本実施例では、電源の無い配管10の状態を外部に通知することができる。
【0033】
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例は、状態検出部14,14aの具体例を説明するものである。図3は状態検出部14,14aの1例を示す図である。図3の例では、状態検出部14,14aは、温度センサ140と、状態判定部141とから構成される。
【0034】
状態検出部14において、温度センサ140は計測部1の温度を測定する。具体的には、温度センサ140は、配管10の温度、計測部1の筐体内の空気の温度、照射側光学系11の温度、検出側光学系12の温度のいずれかを測定する。照射側光学系11を対象とする場合には、照射側光学系11を構成する例えばミラー等の要素に温度センサ140を設けるようにすればよい。同様に、検出側光学系12を対象とする場合には、検出側光学系12を構成する例えばミラー等の要素に温度センサ140を設けるようにすればよい。
また、状態検出部14aにおいて、温度センサ140は配管10の温度を測定する。
【0035】
状態判定部141には、温度センサ140の測定対象の基準の温度範囲が予め記憶されている。状態判定部141は、温度センサ140によって測定された温度が基準の温度範囲内の場合、正常と判定し、温度センサ140によって測定された温度が基準の温度範囲外の場合、異常と判定する。
【0036】
こうして、状態検出部14は、計測部1の温度に異常がないかどうかを判定することができる。また、状態検出部14aは、配管10の温度に異常がないかどうかを判定することができる。
【0037】
図4は状態検出部14の別の例を示す図である。図4の例では、状態検出部14は、ハーフミラー(ビームスプリッタ)142と、光検出部143と、状態判定部144とから構成される。
【0038】
ハーフミラー142は、配管10を透過した光の一部を透過させ、残りの光を反射する。ハーフミラー142を透過した光は、光ファイバーケーブル3を介して本体部2に導かれる。一方、ハーフミラー142によって反射された光は光検出部143に入射する。
【0039】
状態判定部144には、光検出部143が受光する光の基準の強度範囲が予め記憶されている。状態判定部144は、光検出部143が受光した光の強度が基準の強度範囲内の場合、正常と判定し、光検出部143が受光した光の強度が基準の強度範囲外の場合、異常と判定する。
【0040】
こうして、状態検出部14は、計測部1の光学系に異常がないかどうか、または計測部1が設けられている配管10に傷や汚れ等の異常がないかどうか(配管10の光透過特性に異常がないかどうか)を判定することができる。
【0041】
第1~第3の実施例では、通知部18として、表示部15と通信部16と音声出力部17とを設けるようにしているが、表示部15と通信部16と音声出力部17のうち1つ又は2つを設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0042】
また、第1~第3の実施例では、熱電素子13の一方の面を配管10に触れさせ、反対側の面を空気で冷却しているが、これに限るものではなく、熱電素子13の一方の面と配管10との間に熱伝導材料を設けるようにしてもよい。また、熱電素子13の他方の面を熱伝導材料、金属、樹脂などと触れさせるようにしてもよい。
【0043】
また、第1~第3の実施例では、本体部2内に光源部20と光検出部21と分析部22とを設けるようにしているが、光源部20と光検出部21と分析部22とをそれぞれ別体にして設置してもよい。
【0044】
第1~第3の実施例の分析部22と状態判定部141,144の各々は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図5に示す。コンピュータは、CPU400と、記憶装置401と、インタフェース装置(I/F)402とを備えている。
【0045】
分析部22の場合、I/F402には、光源部20と光検出部21等が接続される。状態判定部141の場合、I/F402には、温度センサ140と通知部18等が接続される。状態判定部144の場合、I/F402には、光検出部143と通知部18等が接続される。分析部22と状態判定部141,144の各々のCPU400は、記憶装置401に格納されたプログラムに従って第1~第3の実施例で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、光学分析装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1,1a…計測部、2…本体部、3…光ファイバーケーブル、4…状態検出・通知部、10…配管、11…照射側光学系、12…検出側光学系、13…熱電素子、14,14a…状態検出部、15…表示部、16…通信部、17…音声出力部、18…通知部、20…光源部、21…光検出部、22…分析部、140…温度センサ、141,144…状態判定部、142…ハーフミラー、143…光検出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7