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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185700
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】燃料集合体および高速炉の炉心
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/28 20060101AFI20221208BHJP
   G21C 3/30 20060101ALI20221208BHJP
   G21C 5/20 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G21C3/28 900
G21C3/30 300
G21C5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093475
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤村 幸治
(72)【発明者】
【氏名】三輪 順一
(57)【要約】
【課題】内部ブランケット領域における平均MA富化度を容易に調節できる燃料集合体を提供する。
【解決手段】高速炉の炉心の内側炉心領域2に装荷される内側炉心燃料集合体7は、複数の燃料棒10及び複数の燃料棒19を有する。燃料棒10は下部炉心燃料領域12、内部ブランケット領域11及び上部炉心燃料領域13を有する。下部炉心燃料領域12及び上部炉心燃料領域13にはU-Pu-Zr金属燃料が、内部ブランケット領域11にはU-Zr金属燃料が配置される。燃料棒19は下部炉心燃料領域12、内部ブランケット領域20及び上部炉心燃料領域13を有する。燃料棒19の下部炉心燃料領域12及び上部炉心燃料領域13にはU-Pu-Zr金属燃料が、内部ブランケット領域20にはMA-Zr金属燃料が配置される。燃料棒10及び19の各本数を調節することにより、この燃料集合体7の内部ブランケット領域9におけるMA富化度を容易に調節できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料物質が存在する核燃料物質領域が形成されて、前記核燃料物質領域の下端から上端に向かって第1下部炉心燃料領域、第1内部ブランケット領域および第1上部炉心燃料領域が、この順番で、前記核燃料物質領域内に形成される燃料集合体であって、
前記核燃料物質が存在する複数の第1燃料棒、および前記核燃料物質が存在する複数の第2燃料棒を有し、
前記第1燃料棒内に、前記第1下部炉心燃料領域に対応する位置に第2下部炉心燃料領域が、前記第1内部ブランケット領域に対応する位置に第2内部ブランケット領域が、前記第1上部炉心燃料領域に対応する位置に第2上部炉心燃料領域がそれぞれ形成され、
前記第2燃料棒内に、前記第1下部炉心燃料領域に対応する位置に第3下部炉心燃料領域が、前記第1内部ブランケット領域に対応する位置に第3内部ブランケット領域が、前記第1上部炉心燃料領域に対応する位置に第3上部炉心燃料領域がそれぞれ形成され、
前記第1燃料棒の前記第2内部ブランケット領域に存在する前記核燃料物質は、マイナーアクチニドを含まずウランを含んでおり、前記第2燃料棒の前記第3内部ブランケット領域に存在する前記核燃料物質は、ウランを含まずマイナーアクチニドを含んでいることを特徴とする燃料集合体。
【請求項2】
前記第2燃料棒の前記第3内部ブランケット領域に存在する前記核燃料物質は、ウランおよびマイナーアクチニド以外にプルトニウムを含んでいる請求項1に記載の燃料集合体。
【請求項3】
前記第1燃料棒及び前記第2燃料棒のそれぞれの、密封された被覆管内に、中実の形状をした前記核燃料物質が配置され、ボンドナトリウムが前記核燃料物質と前記被覆管の間に充填されている請求項1または2に記載の燃料集合体。
【請求項4】
前記核燃料物質が金属燃料である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料集合体。
【請求項5】
前記第1燃料棒及び前記第2燃料棒のそれぞれの、密封された被覆管内に、中空の形状をした前記核燃料物質が配置されている請求項4に記載の燃料集合体。
【請求項6】
前記第1内部ブランケット領域におけるマイナーアクチニドの平均富化度は、3.7wt%以上12.5wt%以下の範囲内の富化度である請求項4または5に記載の燃料集合体。
【請求項7】
前記第3内部ブランケット領域に存在する前記核燃料物質のプルトニウム富化度は、0wt%よりも大きく13wt%以下の範囲内のプルトニウム富化度である請求項4ないし6のいずれか1項に記載の燃料集合体。
【請求項8】
前記核燃料物質が酸化物燃料である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料集合体。
【請求項9】
前記第1燃料棒および前記第2燃料棒は、前記燃料集合体の横断面において、混在させて配置される請求項1ないし4及び8のいずれか1項に記載の燃料集合体。
【請求項10】
複数の第1燃料集合体が装荷された内側炉心領域および前記内側炉心領域を取り囲み、複数の第2燃料集合体が装荷された外側炉心領域を有する高速炉の炉心であって、
前記内側炉心領域の下端から上端に向かって、第4下部炉心燃料領域、第4内部ブランケット領域および第4上部炉心燃料領域が、この順番で、前記内側炉心領域内に形成され、
前記第1燃料集合体が、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された燃料集合体であり、
前記第2下部炉心燃料領域に対応する位置に前記第4下部炉心燃料領域が、前記第2内部ブランケット領域に対応する位置に前記第4内部ブランケット領域が、前記第2上部炉心燃料領域に対応する位置に前記第4上部炉心燃料領域がそれぞれ形成されることを特徴とする高速炉の炉心。
【請求項11】
前記内側炉心領域の上端の位置を前記外側炉心領域の上端の位置よりも低くする請求項10に記載の高速炉の炉心。
【請求項12】
第4内部ブランケット領域の、軸方向における真ん中の位置は、前記内側炉心領域の、軸方向における真ん中の位置と、前記内側炉心領域の、軸方向における真ん中の位置よりも下方に5cmずれた位置との間の範囲内に位置させる請求項10または11に記載の高速炉の炉心。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料集合体および高速炉の炉心に係り、特に、金属燃料を用いる燃料集合体およびこの燃料集合体が装荷される、の炉心高速炉において、制御棒誤引抜き事故想定時の炉心損傷を回避して、安全性を向上するための炉心に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高速増殖炉は、炉心が原子炉容器内に配置されており、冷却材である液体ナトリウムを原子炉容器内に充填している。その炉心に装荷される燃料集合体は、プルトニウムを富化した劣化ウラン(U-238)を封入した複数の燃料棒、束ねられた複数の燃料棒を取り囲むラッパ管、これらの燃料棒の下端部、および燃料棒の下方に位置する中性子遮へい体を支持するエントランスノズル、および燃料棒の上方に位置する冷却材流出部を有する。
【0003】
高速増殖炉の炉心は、内側炉心領域およびこの内側炉心領域を取り囲む外側炉心領域を有する炉心燃料領域、炉心燃料領域を取り囲むブランケット燃料領域およびブランケット領域を取り囲む遮へい体領域を有する。標準的な均質炉心の場合、外側炉心領域に装荷される燃料集合体のPu富化度は、内側炉心領域に装荷される燃料集合体のPu富化度よりも高くなっている。この結果、炉心の半径方向における出力分布が平坦化される。
【0004】
燃料集合体の各燃料棒に収納される核燃料物質の形態としては、金属燃料、窒化物燃料および酸化物燃料がある。これらのうち、酸化物燃料が最も実績が豊富である。
【0005】
Puおよび劣化ウランのそれぞれの酸化物を混合した混合酸化物燃料、すなわち、MOX燃料のペレットが、燃料棒内で軸方向の中央部において80~100cm程度の高さに充填される。さらに、燃料棒内には、劣化ウランで作られた複数の二酸化ウランペレットを充填した軸方向ブランケット領域が、MOX燃料の充填領域の上方および下方にそれぞれ配置されている。内側炉心領域に装荷される内側炉心燃料集合体および外側炉心領域に装荷される外側炉心燃料集合体は、上記のように、MOX燃料の複数のペレットを充填した複数の燃料棒を有する。外側炉心燃料集合体のPu富化度は、内側炉心燃料集合体のそれよりも高くなっている。
【0006】
炉心燃料領域を取り囲むブランケット燃料領域には、劣化ウランで作られた複数の二酸化ウランペレットを充填した複数の燃料棒を有するブランケット燃料集合体が装荷される。炉心燃料領域に装荷された燃料集合体内で生じる核分裂反応で発生した中性子のうち、炉心燃料領域から漏れた中性子が、ブランケット燃料領域に装荷されたブランケット燃料集合体の各燃料棒内のU-238に吸収される。この結果、ブランケット燃料集合体の各燃料棒内で核分裂性核種であるPu-239が新たに生成される。
【0007】
また、高速増殖炉の起動時、停止時および原子炉出力の調節時には、制御棒が用いられる。制御棒は、炭化ホウ素(BC)ペレットをステンレス製の被覆管に封入した複数の中性子吸収棒を有し、これらの中性子吸収棒を、内側炉心燃料集合体および外側炉心燃料集合体と同様に、横断面が正六角形をしたラッパ管に収納されて構成される。制御棒は、主炉停止系および後備炉停止系の独立した2系統の構成となっており、主炉停止系および後備炉停止系のいずれか一方のみで高速増殖炉の緊急停止が可能になる。
【0008】
さて、一般に高速炉の燃焼反応は3%Δk/kk’程度であり、制御棒の誤引抜きとスクラム失敗を重畳した事故(UTOP:Unprotected Transient Over Power)を想定すると、当該制御棒近傍の出力密度が変化して、線出力が設計許容値を超過する可能性がある。このようなUTOP時の線出力の増大を回避できれば、熱的な余裕の増大、ひいては炉心の安全性向上が実現できる。UTOP時の線出力増大を回避するには、燃焼反応度を低減して、燃焼補償用の制御棒1本当りに要求される、制御反応度の低減が有効である。
【0009】
特開平5-52981号公報は、高速炉に用いられる燃料集合体を記載している。この燃料集合体は、TRU(Np,Pu,AmおよびCm等)を含む混合酸化物燃料が充填された複数の燃料棒を有する。
【0010】
特開2018-71997号公報は、内側炉心領域およびこの内側炉心領域を取り囲む外側炉心領域を有する高速炉の炉心を記載する。この炉心においては、内部ブランケット領域が内側炉心領域に配置される。内部ブランケット領域には、マイナーアクチニド(MA)を含む劣化ウラン燃料酸化物を含む酸化物燃料が存在する。Np,AmおよびCm等のMAを含む劣化ウラン燃料酸化物を含む酸化物燃料が内部ブランケット領域に存在するため、ボイド反応度を抑制しつつ、燃焼反応度を低減して、UTOP時に炉心に印加される反応度を低減して、安全性を向上させることができる。特開2018-71997号公報では、内部ブランケット領域におけるMA含有率が、35wt%~45wt%の範囲内の値になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平5-52981号公報
【特許文献2】特開2018-71997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特開2018-71997号公報に記載された高速炉の炉心の内部ブランケット領域には、マイナーアクチニドを含む劣化ウラン燃料酸化物を含む酸化物燃料が存在する。使用済燃料の再処理によって使用済燃料から回収されたマイナーアクチニドが使用される。その内部ブランケット領域におけるマイナーアクチニド富化度が容易に調節できることが望まれる。特に、核燃料物質として金属燃料を用いる場合には、マイナーアクチニドのうちアメリシウムおよびキュリウムはウランと均質な合金を形成することができない。このような金属燃料を用いる場合には、内部ブランケット領域における平均マイナーアクチニド富化度を容易に調節できることが望まれる。
【0013】
本発明の目的は、内部ブランケット領域における平均マイナーアクチニド富化度を容易に調節できる燃料集合体および高速炉の炉心を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した目的を達成する本発明の燃料集合体における特徴は、核燃料物質が存在する核燃料物質領域が形成されて、その核燃料物質領域の下端から上端に向かって第1下部炉心燃料領域、第2内部ブランケット領域および第1上部炉心燃料領域が、この順番で、その核燃料物質領域内に形成される燃料集合体であって、
その核燃料物質が存在する複数の第1燃料棒、およびその核燃料物質が存在する複数の第2燃料棒を有し、
第1燃料棒内に、第1下部炉心燃料領域に対応する位置に第2下部炉心燃料領域が、第1内部ブランケット領域に対応する位置に第2内部ブランケット領域が、第1上部炉心燃料領域に対応する位置に第2上部炉心燃料領域がそれぞれ形成され、
第2燃料棒内に、第1下部炉心燃料領域に対応する位置に第3下部炉心燃料領域が、第1内部ブランケット領域に対応する位置に第3内部ブランケット領域が、第1上部炉心燃料領域に対応する位置に第3上部炉心燃料領域がそれぞれ形成され、
第1燃料棒の第2内部ブランケット領域に存在する核燃料物質は、マイナーアクチニドを含まずウランを含んでおり、第2燃料棒の第3内部ブランケット領域に存在する核燃料物質は、ウランを含まずマイナーアクチニドを含んでいることにある。
【0015】
上記の特徴を有する燃料集合体は、燃料集合体における第1燃料棒及び第2燃料棒のそれぞれの本数を調節することによって、燃料集合体の第1内部ブランケット領域におけるマイナーアクチニドの平均富化度を容易に調節することができる。
【0016】
好ましくは、燃焼度0GWdtの燃料集合体の第1内部ブランケット領域におけるマイナーアクチニドの平均富化度を3.7wt%以上12.5wt%以下の範囲内の富化度にすることが望ましい。
【0017】
第1内部ブランケット領域におけるマイナーアクチニドの平均富化度を3.7wt%以上12.5wt%以下の範囲内の富化度にすることによって、制御棒の誤引抜きとスクラム失敗を重畳した事故が万が一発生した場合においても、その制御棒近傍の燃料集合体における線出力の増加はわずかであり、燃料集合体内の燃料棒の健全性が維持され、炉心の安全性が向上する。
【0018】
また、上記の目的を達成する高速炉の炉心における特徴は、複数の第1燃料集合体が装荷された内側炉心領域およびその内側炉心領域を取り囲み、複数の第2燃料集合体が装荷された外側炉心領域を有する高速炉の炉心であって、
内側炉心領域の下端から上端に向かって、第4下部炉心燃料領域、第4内部ブランケット領域および第4上部炉心燃料領域が、この順番で、その内側炉心領域内に形成され、
第1燃料集合体が、前述の特徴を有する燃料集合体であり、
第2下部炉心燃料領域に対応する位置に第4下部炉心燃料領域が、第2内部ブランケット領域に対応する位置に第4内部ブランケット領域が、第2上部炉心燃料領域に対応する位置に第4上部炉心燃料領域がそれぞれ形成されることにある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、燃焼度0GWdtの燃料集合体の内部ブランケット領域における平均マイナーアクチニド富化度を容易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の好適な一実施例である実施例1の高速炉の炉心の縦断面図である。
図2図1に示された炉心の内側炉心領域に装荷された燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体の、図1におけるII-II断面図である。
図3図1に示された炉心の内側炉心領域に装荷された燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体の、図1におけるIII-III断面図である。
図4図1に示された、燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体の縦断面図である。
図5図1に示された、燃焼度0GWdtの外側炉心燃料集合体の縦断面図である。
図6図1に示す高速炉の炉心の1/2横断面図である。
図7】高速炉の炉心の内側炉心領域の内部ブランケット領域における、燃焼反応度のMA富化度の平均値に対する依存性を示す特性図である。
図8】本発明の好適な他の実施例である実施例2の高速炉の炉心の内側炉心領域に装荷される燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体の縦断面図である。
図9】本発明の好適な他の実施例である実施例3の高速炉の炉心の1/2縦断面図である。
図10図9に示された炉心の内側炉心領域に装荷された燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体の縦断面図である。
図11図9に示された炉心の外側炉心領域に装荷された燃焼度0GWdtの外側炉心燃料集合体の縦断面図である。
図12】本発明の好適な他の実施例である実施例4の高速炉の炉心の内側炉心領域に装荷された燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体の縦断面図である。
図13】実施例4の高速炉の炉心の外側炉心領域に装荷された燃焼度0GWdtの外側炉心燃料集合体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例0022】
本発明の好適な一実施例である実施例1の高速炉の炉心を、図1図6に基づいて説明する。
【0023】
本実施例における高速炉の炉心1は、図1および図6に示すように、炉心1の中央に内側炉心領域2を配置し、さらに、内側炉心領域2を取り囲む外側炉心領域3、外側炉心領域3を取り囲む径方向ブランケット領域25、および径方向ブランケット領域25を取り囲む反射体領域26を有する。複数の内側炉心燃料集合体7が内側炉心領域2に装荷され、複数の外側炉心燃料集合体21が外側炉心領域3に装荷される。複数のブランケット燃料集合体27が径方向ブランケット領域25に装荷され、複数の中性子反射体28が反射体領域26に装荷される。炉心1は、内側炉心領域2に内部ブランケット領域6を形成した軸方向非均質炉心である。内側炉心領域2には、内部ブランケット領域6以外に、内部ブランケット領域6の上方に位置する上部炉心燃料領域4、および内部ブランケット領域6の下方に位置する下部炉心燃料領域5が存在する。
【0024】
複数の制御棒集合体29が、内側炉心領域2および外側炉心領域3に配置され、内側炉心燃料集合体7の相互間および外側炉心燃料集合体21の相互間に挿入される。複数の制御棒集合体29は、主炉停止系制御棒(調整棒)及び後備炉停止系制御棒(安全棒)の独立した2系統の制御棒を含んでいる。主炉停止系制御棒は、核燃料物質の燃焼に伴う反応度の変化、及び出力分布の調整に用いられる。後備炉停止系制御棒は、主炉停止系制御棒が万一故障した場合のバックアップのために設置されている。高速炉は、主炉停止系制御棒及び後備炉停止系制御棒のいずれか一方により緊急停止が可能である。
【0025】
内側炉心燃料集合体7は、複数の燃料棒10及び複数の燃料棒19を有する(図4参照)。燃料棒10及び燃料棒19のそれぞれは、外面にワイヤスペーサ(図示せず)が巻き付けられ、横断面が正六角形の筒状の構造物である、ステンレス鋼製のラッパ管30内に配置される。ワイヤスペーサによって、隣接する燃料棒の相互間には、冷却材である液体ナトリウムが上昇する冷却材通路が形成される。燃料棒10及び燃料棒19のそれぞれはラッパ管30内で正三角形格子状に配置され(図2および図3参照)、それぞれの燃料棒の下端部は、ラッパ管30の下端部に取り付けられたエントランスノズル(図示せず)によって支持される。巻き付けられたワイヤスペーサによって、隣り合う燃料棒の相互間に所定幅の間隙が形成される。この間隙は、冷却材である液体金属が流れる冷却材通路となる。
【0026】
燃料棒10及び燃料棒19のそれぞれは、下端部が下部端栓17によって封鎖されて上端部が上部端栓18によって封鎖され、密封されたステンレス鋼製の被覆管14を有する。金属燃料物質が被覆管14内に配置される。燃料棒10は、金属燃料物質として、U-Pu-Zr金属燃料およびU-Zr金属燃料を用いている。燃料棒10の被覆管14内には、被覆管14の下部端栓17から上方に向かって、下部炉心燃料領域12、内部ブランケット領域11および上部炉心燃料領域13が配置される。下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13のそれぞれには、U-Pu-Zr金属燃料が配置される。内部ブランケット領域11にはマイナーアクチニド(MA)を含まないU-Zr金属燃料が配置される。燃料棒10内における下部炉心燃料領域12、内部ブランケット領域11および上部炉心燃料領域13のそれぞれの位置は、内側炉心領域2における下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4のそれぞれの位置に一致している。
【0027】
燃料棒19は、下部端栓17および上部端栓18によって密封された被覆管14内に、下部端栓17から上方に向かって、下部炉心燃料領域12、内部ブランケット領域20および上部炉心燃料領域13が配置されている。下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13のそれぞれには、燃料棒10と同様に、U-Pu-Zr金属燃料が配置される。内部ブランケット領域20にはMA-Zr金属燃料が配置される。燃料棒19内における下部炉心燃料領域12、内部ブランケット領域20および上部炉心燃料領域13のそれぞれの位置は、内側炉心領域2における下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4のそれぞれの位置と一致する。
【0028】
前述のU-Pu-Zr金属燃料、U-Zr金属燃料およびMA-Zr金属燃料は、中実の円柱状の形状をしている。
【0029】
図3に示されるように、内側炉心燃料集合体7の横断面において、複数の燃料棒10及び複数の燃料棒19は、互いに混在して、具体的には、燃料棒19の相互間に燃料棒10が存在するように混在して配置される。
【0030】
内側炉心燃料集合体7は、内側炉心領域2の下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4と対応する下部炉心燃料領域8B、内部ブランケット領域9および上部炉心燃料領域8Aを有する(図1参照)。内側炉心燃料集合体7において、下部炉心燃料領域8Bは燃料棒10および19それぞれの下部炉心燃料領域12に相当し、内部ブランケット領域9は燃料棒10の内部ブランケット領域11および燃料棒19の内部ブランケット領域20のそれぞれに相当し、および上部炉心燃料領域8Aは燃料棒10および19それぞれの上部炉心燃料領域13に相当する。
【0031】
内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9では、燃料棒10の、U-Zr金属燃料を含む内部ブランケット領域11と燃料棒19の、MA-Zr金属燃料を含む内部ブランケット領域20が混在するように、燃料棒10および19が配置される(図3参照)。内側炉心燃料集合体7の上部炉心燃料領域8Aでは、燃料棒10および19それぞれの、U-Pu-Zr金属燃料を含む上部炉心燃料領域13が配置される(図2参照)。内側炉心燃料集合体7の下部炉心燃料領域8Bでは、燃料棒10および19それぞれの、U-Pu-Zr金属燃料を含む下部炉心燃料領域12が配置される。
【0032】
炉心1の下端から上端までの高さは、例えば、100cmである。内側炉心領域2における下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4のそれぞれの寸法の一例について説明する。下部炉心燃料領域5の下端は炉心1の下端と一致しており、下部炉心燃料領域5の、炉心1の軸方向における長さ40cmである。内部ブランケット領域6は炉心1の下端から40cmの位置と炉心1の下端から60cmの位置の間に位置しており、内部ブランケット領域6の、の炉心1の軸方向に置ける長さは20cmである。上部炉心燃料領域4は炉心1の下端から60cmの位置と炉心1の上端の間に位置しており、上部炉心燃料領域4の、炉心1の軸方向における長さは40cmである。内部ブランケット領域6の、軸方向における真ん中の位置は、例えば、炉心1の、軸方向における真ん中の位置と一致している。
【0033】
内側炉心燃料集合体7内の燃料棒10および19のそれぞれにおける、金属燃料が配置された核燃料物質充填領域の軸方向の長さ、すなわち、燃料有効長の下端から燃料有効長の上端までの、軸方向における長さは、炉心1の、軸方向における長さと同じ100cmである。燃料棒10および19のそれぞれにおいて、下部炉心燃料領域12の、軸方向における長さは、下部炉心燃料領域5のそれと同じ40cmである。内部ブランケット領域11および20のそれぞれの、軸方向における長さは、内部ブランケット領域6のそれと同じ20cmである。上部炉心燃料領域13の、軸方向における長さは、上部炉心燃料領域4のそれと同じ40cmである。
【0034】
内側炉心燃料集合体7における燃料棒10及び19の被覆管14内に、液体金属ナトリウムであるボンドナトリウム15が充填されている。燃料棒10では、ボンドナトリウム15は、U-Pu-Zr金属燃料およびU-Zr金属燃料のそれぞれと被覆管14の内面との間に形成される間隙に充填される。燃料棒19では、ボンドナトリウム15は、U-Pu-Zr金属燃料およびMA-Zr金属燃料のそれぞれと被覆管14の内面との間に形成される間隙に充填される。燃料棒10及び19のそれぞれにおいて、ガスプレナム16は、被覆管14内で、ボンドナトリウム15が充填された領域の上方に形成される。
【0035】
外側炉心領域3に装荷された外側炉心燃料集合体21は、複数の燃料棒22をラッパ管30内に配置している。各燃料棒22の下端部が、ラッパ管30の下端部に設けられたエントランスノズル(図示せず)によって支持されている。燃料棒22の被覆管14も、下端部が下部端栓17で封鎖されて上端部が上部端栓で封鎖され、密封されている。この燃料棒22の被覆管14内の炉心燃料領域23には、金属燃料物質であるU-Pu-Zr金属燃料が充填されている。外側炉心燃料集合体21における燃料棒22の被覆管14内にも、液体金属ナトリウムであるボンドナトリウム15が充填されている。燃料棒22でも、ボンドナトリウム15は、U-Pu-Zr金属燃料と被覆管14の内面との間に形成される間隙に充填される。燃料棒22においても、ガスプレナム16が、被覆管14内で、ボンドナトリウム15が充填された領域の上方に形成される。燃焼度が0GWd/tの外側炉心燃料集合体21における燃料棒22の被覆管14内の炉心燃料領域23のプルトニウム富化度(=Pu/(Pu+U))は、13wt%~25wt%の範囲内の、例えば、25wt%である。
【0036】
外側炉心燃料集合体21内の燃料棒22における燃料有効長の下端から燃料有効長の上端までの高さは、炉心1の高さと同じ100cmである。
【0037】
燃料棒10,19および22のそれぞれにおける、金属燃料物質の充填領域の軸方向の長さ、すなわち、燃料有効長は、同じである。
【0038】
内側炉心領域2における下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4のそれぞれは、前述したように、内側炉心領域2に装荷された内側炉心燃料集合体7に含まれる各燃料棒10および各燃料棒19によって形成される。燃焼度が0GWd/tの内側炉心燃料集合体7における燃料棒10および19のそれぞれの下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13のそれぞれのプルトニウム富化度も、13wt%~25wt%の範囲内の、例えば、25wt%である。さらに、燃焼度が0GWd/tの内側炉心燃料集合体7における燃料棒10の内部ブランケット領域11はMAを含んでいないU-Zr金属燃料が配置され、その燃料集合体7における燃料棒19の内部ブランケット領域20はMAを含むMA-Zr金属燃料が配置される。このような内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9の平均MA富化度は、後述する3.7wt%~12.5wt%の範囲内の、例えば、8.0wt%である。
【0039】
炉心1を有する高速炉の電気出力は、例えば、75万kWeで、連続運転期間は23ヶ月であり、炉心1に装荷された燃料集合体の炉心燃料の平均取出し燃焼度は約100GWd/tである。炉心1に装荷された燃料集合体の、炉心1からの取出しは、例えば、3バッチで行われる。すなわち、炉心1に装荷された燃料集合体7および21のそれぞれは、1サイクルの運転サイクルにおける高速炉の運転が終了した後の運転停止期間において、炉心1に装荷された、それぞれの全燃料集合体の1/3(3サイクルでの運転を経験した燃料集合体7および21の1/3)ずつが、炉心1から取り出される。そして、替りに、0GWd/tの燃料集合体7および21のそれぞれが炉心1に装荷される。
【0040】
高速炉の運転中において、燃料棒10および燃料棒19内の金属燃料に含まれた核分裂性物質(例えば、Pu-239)の核分裂によって生成された、気体状の核分裂生成物(FP)は、それぞれの燃料棒内に存在するガスプレナム16内に蓄えられる。各燃料棒内でのガスプレナム16の形成は、気体状の核分裂生成物の生成によって燃料棒内の圧力の上昇を抑制する。
【0041】
燃焼度が0GWd/tである内側炉心燃料集合体7では、前述したように、MAを含まないU-Zr金属燃料を含む内部ブランケット領域11を有する燃料棒10、およびUを含まないMA-Zr金属燃料を含む内部ブランケット領域20を有する燃料棒19が混在している。このように、内側炉心燃料集合体7において、燃料棒10と燃料棒19を混在させる理由は、金属燃料を用いる場合、マイナーアクチニドのうちアメリシウム(Am)およびキュリウム(Cm)はウラン(U)と均質な合金を形成することができないためである。MAを含まないでU-Zr金属燃料を含む内部ブランケット領域11を有する燃料棒10、およびMA-Zr金属燃料を含む内部ブランケット領域20を有する燃料棒19を、内側炉心燃料集合体7内で混在させることによって、内側炉心燃料集合体7において、金属燃料のウランおよび金属燃料のマイナーアクチニドを含む内部ブランケット領域9を容易に形成することができる。燃料棒10の本数および燃料棒19の本数を調節することによって、すなわち、燃焼度が0GWd/tである内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの富化度を容易に調節することができる。このため、内側炉心領域2における内部ブランケット領域6におけるマイナーアクチニドの富化度も容易に調節することができる。
【0042】
発明者らは、燃焼度が0GWd/tである内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度(=MA/(U+MA))による炉心1の燃焼反応度の変化について検討した。この検討によって得られた、内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度による炉心1の燃焼反応度の変化を図7に示す。図7において、横軸は燃焼度が0GWd/tである内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度(wt%)を示しており、縦軸はその内側炉心燃料集合体7における燃焼反応度($)を示している。ここで、マイナーアクチニドは、取出燃焼度60GWd/tの軽水炉の使用済燃料集合体内の使用済核燃料に含まれるNp,AmおよびCmである。
【0043】
図7に示すように、燃焼反応度は、内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度が増加するのに伴って減少し、マイナーアクチニドの平均富化度が8.0wt%近傍になるとほぼゼロとなり、さらに、マイナーアクチニドの平均富化度が増加すると負の値となる。このように、燃焼反応度が負の値になるのは、平衡サイクルの初期よりも平衡サイクルの末期の方が、反応度が大きいからである。
【0044】
図7に示すように、燃焼度が0GWd/tである内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度が、3.7wt%~12.5wt%(3.7wt%以上12.5wt%以下)の範囲内のマイナーアクチニドの平均富化度であることによって、燃焼反応度の絶対値は1$以下となる。さらに、内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度を3.7wt%~12.5wt%(3.7wt%以上12.5wt%以下)の範囲にすることによって、制御棒の誤引抜きとスクラム失敗を重畳した事故(UTOP:Unprotected Transient Over Power)を想定した場合でも、当該制御近傍の燃料集合体における線出力の増加がわずかとなり、燃料棒の健全性が維持され、炉心の安全性が向上する。
【0045】
ウランを含む金属燃料とMAを含む金属燃料は均質に混合しないため、ウラン及びMAを含む金属燃料は製造できない。本実施例では、内側炉心燃料集合体7が、マイナーアクチニドを含まずウランを含む金属燃料が存在する内部ブランケット領域11を有する複数の燃料棒10、およびウランを含まずマイナーアクチニドを含む金属燃料が存在する内部ブランケット領域20を有する複数の燃料棒19を含んでいる。燃料棒10および19のそれぞれの本数を調節することによって、金属燃料を用いた内側炉心燃料集合体7であっても、この燃料集合体の内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの富化度を容易に調節することができる。また、複数の内側炉心燃料集合体7が炉心1の内側炉心領域2に装荷されているため、炉心1の内部ブランケット領域6におけるマイナーアクチニドの富化度も容易に調節することができる。
【0046】
本実施例の燃料集合体に用いられる金属燃料は、特開2018-71997号公報に記載された燃料集合体で用いられる酸化物燃料に比べて密度が大きく、しかも、中性子散乱効果がある酸素を含んでいないため、中性子スペクトルが硬く、内部転換比が大きくなる。金属燃料の燃焼反応度が、酸化物燃料のそれよりも小さくなる。この結果、本実施例の燃焼度が0GWdtである内側炉心燃料集合体7の、燃焼反応度を低減させる内部ブランケット領域9の平均MA富化度を、特開2018-71997号公報に記載された燃料集合体の内部ブランケット領域の平均MA富化度よりも低くすることができる。本実施例の内側炉心燃料集合体7において、内部ブランケット領域9の平均MA富化度を低下させた場合でも、所定の燃焼反応度を得ることができる。
【0047】
MAの富化度が高くなると、MAの崩壊熱が増加するため、燃料製造の難易度(燃料製造時の除熱の課題)が増加する。本実施例によれば、燃焼度が0GWdtである内側炉心燃料集合体7の内部ブランケット領域9の平均MA富化度を特開2018-71997号公報に記載された燃料集合体の内部ブランケット領域の平均MA富化度よりも低くすることができるため、本実施例で用いる燃料の製造性が向上する。
【実施例0048】
本発明の好適な他の実施例である実施例2の高速炉の炉心を、図8を用いて説明する。
【0049】
本実施例における高速炉の炉心では、実施例1で用いられた内側炉心燃料集合体7の替りに、図8に示された内側炉心燃料集合体7Aが用いられる。本実施例の高速炉の炉心における内側炉心燃料集合体7A以外の他の構成は、実施例1の高速炉の炉心1の構成と同じである。内側炉心燃料集合体7Aは、本実施例に炉心1の内側炉心領域2に装荷される。
【0050】
内側炉心燃料集合体7Aは、複数の燃料棒10Aおよび複数の燃料棒19Aを有する。内側炉心燃料集合体7Aの、燃料棒10Aおよび19A以外の構成は、実施例1で用いられる内側炉心燃料集合体7の構成と同じである。燃料棒10Aおよび19Aも、被覆管14の下端部及び上端部が下部端栓17および上部端栓18によって密封されている。
【0051】
燃料棒10Aは、金属燃料物質として、U-Pu-Zr金属燃料およびU-Zr金属燃料を用いている。燃料棒10Aは、被覆管14内に、下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13を燃料棒10と同様に形成しており、内部ブランケット領域11Aが下部炉心燃料領域12と上部炉心燃料領域13の間に形成されている。下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13にはU-Pu-Zr金属燃料が配置され、内部ブランケット領域11AにはU-Pu-Zr金属燃料が配置される。
【0052】
燃料棒19Aは、金属燃料物質として、U-Pu-Zr金属燃料およびU-Zr金属燃料を用いている。燃料棒19Aは、被覆管14内に、下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13を燃料棒10と同様に形成しており、内部ブランケット領域20Aが下部炉心燃料領域12と上部炉心燃料領域13の間に形成されている。下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13にはU-Pu-Zr金属燃料が配置され、内部ブランケット領域20AにはMA-Pu-Zr金属燃料が配置される。
【0053】
本実施例における前述のU-Pu-Zr金属燃料およびMA-Pu-Zr金属燃料も、中実の円柱状の形状を有している。
【0054】
燃焼度0GWdtの内側炉心燃料集合体7Aの各燃料棒の内部ブランケット領域11Aおよび20Aにおけるプルトニウム富化度は、0wt%よりも大きく13wt%以下の範囲内のプルトニウム富化度、例えば、10wt%にするとよい。その範囲内のプルトニウム富化度にすることによって、本実施例の、高速炉の炉心における出力分布の時間変動および空間分布をできる限り平坦化することができ、目標の炉心反応度を達成することができる。
【0055】
本実施例においても、燃焼度0GWdtである内側炉心燃料集合体7Aの、内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの平均富化度が、3.7wt%~12.5wt%(3.7wt%以上12.5wt%以下)の範囲内のマイナーアクチニドの平均富化度である。
【0056】
本実施例における内側炉心燃料集合体7Aに用いられる燃料棒10Aおよび19Aのそれぞれの内部ブランケット領域の構成を表1に示す。ここで、内側炉心燃料集合体7A内における燃料棒10Aの本数はN52、および燃料棒19Aの本数はN54である。
【0057】
【表1】
【0058】
なお、表1内の「3.7≦N54×100/(N54+N52)≦12.5」は、内側炉心燃料集合体7Aの内部ブランケット領域9の平均MA富化度が3.7~12.5wt%の範囲となる条件である。
【0059】
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。
【実施例0060】
本発明の好適な他の実施例である実施例3の高速炉の炉心を、図9図10および図11を用いて説明する。
【0061】
本実施例における高速炉の炉心1Aは、図9に示すように、炉心1Aの中央に内側炉心領域2を配置し、さらに、内側炉心領域2を取り囲む外側炉心領域3、および外側炉心領域3を取り囲む径方向ブランケット領域33を有する。内側炉心領域2および外側炉心領域3のそれぞれの下端は、炉心1Aの軸方向において同じ位置に存在する。図9には図示されていないが、実施例1で述べた反射体領域26が、径方向ブランケット領域33を取り囲んでいる。外側炉心領域3の高さは内側炉心領域2の高さよりも高くなっており、炉心1Aの軸方向において、外側炉心領域3の上端は内側炉心領域2の上端よりも上方に位置している。なお、外側炉心領域3および内側炉心領域2のそれぞれの下端の位置は、炉心1Aの軸方向において同じ位置に存在する。
【0062】
内側炉心領域2には、下方から上方に向かって、下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4が形成されている。さらに、炉心1Aは、下部炉心燃料領域5および外側炉心領域3の下方に形成された下部軸方向ブランケット領域32、および上部炉心燃料領域4および外側炉心領域3の上方に形成されたナトリウムプレナム領域31を有する。下部炉心燃料領域5および外側炉心領域3のそれぞれの下端は、ガスプレナム領域32の上端に位置する。
【0063】
複数の内側炉心燃料集合体7Bが内側炉心領域2に装荷され、複数の外側炉心燃料集合体21Bが外側炉心領域3に装荷される。内側炉心燃料集合体7Bは、図10に示すように、ステンレス鋼製のラッパ管30内に配置された複数の燃料棒10Bおよび複数の燃料棒19Bを有する。燃料棒10Bおよび19Bのそれぞれの、下端部および上端部が密封された被覆管14内には、核燃料物質である金属燃料が配置されている。この金属燃料は、被覆管14内に設けられた保持部材35によって保持され、保持部材35よりも上方に配置される。ガスプレナム16Aが、被覆管14内で、保持部材35よりも下方に形成される。
【0064】
燃料棒10Bは、被覆管14内の保持部材35よりも上方の、金属燃料が配置された核燃料物質充填領域には、保持部材35から上方に向かって、下部炉心燃料領域12A、内部ブランケット領域11Bおよび上部炉心燃料領域13Aが形成されている。下部炉心燃料領域12Aおよび上部炉心燃料領域13Aのそれぞれには、U-Pu-Zr金属燃料が配置される。内部ブランケット領域11BはU-Zr金属燃料を有する。下部炉心燃料領域12Aおよび上部炉心燃料領域13Aのそれぞれ配置されたU-Pu-Zr金属燃料の形状は、空孔34を有する円筒となっている。内部ブランケット領域11Bに配置されたU-Zr金属燃料も、空孔34を有する円筒となっている。燃料棒10Bに設けられた保持部材35にも、中央部に貫通する孔部が形成されている。この孔部は、燃料棒10Bにおいて、金属燃料に形成された空孔34とガスプレナム16Aを連通している。
【0065】
燃料棒19Bは、被覆管14内の保持部材35よりも上方の、金属燃料が配置された核燃料物質充填領域には、保持部材35から上方に向かって、下部炉心燃料領域12A、内部ブランケット領域20Bおよび上部炉心燃料領域13Aが形成されている。下部炉心燃料領域12Aおよび上部炉心燃料領域13Aのそれぞれには、U-Pu-Zr金属燃料が配置される。内部ブランケット領域20BにはMA-Zr金属燃料が配置される。下部炉心燃料領域12Aおよび上部炉心燃料領域13Aのそれぞれ配置されたU-Pu-Zr金属燃料の形状は、空孔34を有する円筒となっている。内部ブランケット領域20Bに配置されたMA-Zr金属燃料も、空孔34を有する円筒となっている。燃料棒19Bに設けられた保持部材35にも、中央部に貫通する孔部が形成される。この孔部は、燃料棒19Bにおいて、金属燃料に形成された空孔34とガスプレナム16Aを連通している。
【0066】
本実施例におけるU-Pu-Zr金属燃料、U-Zr金属燃料およびMA-Zr金属燃料は、中空の金属燃料である。
【0067】
燃焼度が0GWd/tの内側炉心燃料集合体7Bにおける燃料棒10Bおよび19Bのそれぞれの下部炉心燃料領域12Aおよび上部炉心燃料領域13Aのそれぞれのプルトニウム富化度は、実施例1における燃料棒10および19のそれぞれの下部炉心燃料領域12および上部炉心燃料領域13のそれぞれのプルトニウム富化度と同じ、例えば、25wt%である。燃料棒10Bの内部ブランケット領域11Bおよび燃料棒19Bの内部ブランケット領域20Bで形成される、燃焼度が0GWd/tの内側炉心燃料集合体7Bにおける内部ブランケット領域9の平均マイナーアクチニド富化度は、3.7wt%~12.5wt%(3.7wt%以上12.5wt%以下)の範囲内の、例えば、8.0wt%である。
【0068】
外側炉心燃料集合体21Bは、外面にワイヤスペーサ(図示せず)が巻き付けられた複数の燃料棒22Aをラッパ管30内に配置している。燃料棒22Aは、両端部が密封された被覆管14内の炉心燃料領域23Aには、金属燃料物質であるU-Pu-Zr金属燃料が充填されている。このU-Pu-Zr金属燃料の形状は、空孔34を有する円筒となっている。その金属燃料は、燃料棒22Aの被覆管14内に設けられた保持部材35によって保持され、保持部材35よりも上方に配置される。ガスプレナム16Aが、その被覆管14内で、保持部材35よりも下方に形成される。保持部材35に形成された孔部は、燃料棒22Aにおいて、U-Pu-Zr金属燃料内の空孔34とガスプレナム16Aを連通している。
【0069】
内側炉心燃料集合体7Bのラッパ管30内には、燃料棒10Bおよび19Bの上端よりも上方においてナトリウムプレナム領域36が形成される。また、外側炉心燃料集合体21Bのラッパ管30内には、燃料棒22Aの上端よりも上方においてナトリウムプレナム領域37が形成される。炉心1Aのナトリウムプレナム領域31は、ナトリウムプレナム領域36および37によって形成される。
【0070】
内側炉心領域2の下端は、炉心1Aの軸方向において外側炉心領域3の下端と同じ位置に存在する(図9参照)。このため、炉心1Aに装荷された内側炉心燃料集合体7B内の燃料棒10Bおよび19Bにおける燃料有効長の下端(図10参照)、および外側炉心燃料集合体21B内の燃料棒22Aにおける燃料有効長の下端(図11参照)は、炉心1Aの軸方向において同じ位置に存在する。燃料棒22Aにおける燃料有効長は燃料棒10Bおよび19Bにおける燃料有効長よりも長くなっており、燃料棒22Aにおける燃料有効長の上端は燃料棒10Bおよび19Bにおける燃料有効長の上端よりも上方に位置している。このため、外側炉心燃料集合体21B内のナトリウムプレナム領域37の、炉心1Aの軸方向における長さは、内側炉心燃料集合体7B内のナトリウムプレナム領域36のその長さよりも短くなっている。
【0071】
本実施例の炉心1Aの内側炉心領域2における下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4のそれぞれの寸法の一例について説明する。下部炉心燃料領域5の下端は、内側炉心領域2の下端であって、ガスプレナム領域32の上端と一致している。炉心1Aの内側炉心領域2における下部炉心燃料領域5、内部ブランケット領域6および上部炉心燃料領域4のそれぞれの、炉心1Aの軸方向における長さは、実施例1の炉心1の内側炉心領域2におけるそれぞれのその長さと同じである。下部炉心燃料領域5の、炉心1Aの軸方向における長さは40cmである。内部ブランケット領域6は内側炉心領域2の下端から40cmの位置と内側炉心領域2の下端から60cmの位置の間に位置しており、内部ブランケット領域6の、炉心1Aの軸方向における長さは20cmである。上部炉心燃料領域4は内側炉心領域2の下端から60cmの位置と内側炉心領域2の上端の間に位置しており、上部炉心燃料領域4の、炉心1Aの軸方向における長さは40cmである。内部ブランケット領域6の、軸方向における真ん中の位置は、例えば、内側炉心領域2の、軸方向における真ん中の位置と一致している。
【0072】
発明者らは、炉心1Aの内側炉心領域2内における、内部ブランケット領域6の位置について、特に、内側炉心領域2の軸方向におけるその位置について検討を行った。この検討の結果、発明者らは新たに以下のことを把握した。
【0073】
その検討において、発明者らは、内部ブランケット領域6の、その軸方向における真ん中の位置を、内側炉心領域2の、軸方向における真ん中の位置、すなわち、基準位置から上下にずらして炉心1Aの燃焼反応度およびボイド反応度の変化を調べた。内部ブランケット領域6の、その軸方向における真ん中の位置がその基準位置を基点に上下にそれぞれ5cmずらしても、その燃焼反応度は変化しなかった。しかしながら、内部ブランケット領域6の、その軸方向における真ん中の位置を、基準位置から下方に向かって5cmずらすことにより、ボイド反応度はより負の値になった。このため、内部ブランケット領域6の、その軸方向における真ん中の位置は、基準位置とこの基準位置から下方に5cmずらした位置との間の範囲に位置させることが望ましい。内部ブランケット領域6の、その軸方向における真ん中の位置が、その範囲において、基準位置から下方に配置されるほど、ボイド反応度の値がより負になる。内部ブランケット領域6のその真ん中の位置が基準位置から下方に5cmずれた位置に配置されたとき、ボイド反応度の負の値の絶対値が最も大きくなる。
【0074】
このように、内部ブランケット領域6のその真ん中の位置を下方にずらすことによって、内側炉心領域2の上部炉心燃料領域4における原子炉出力が上昇し、その上部炉心燃料領域4から上部炉心燃料領域4の上方に位置するナトリウムプレナム領域31に漏洩する中性子が増加し、炉心1Aのボイド反応度がより負になるのである。
【0075】
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、内側炉心領域2の、炉心1Aの軸方向における長さが外側炉心領域3のそれよりも短いので、炉心1Aのボイド反応度を低減することができる。本実施例の炉心1Aに装荷される内側炉心燃料集合体7B内の燃料棒10Bおよび19B、および外側炉心燃料集合体21B内の燃料棒22Aに配置された金属燃料は円筒状であって空孔34を形成しているため、金属燃料のスミヤ密度が75%となり、金属燃料に含まれる核分裂性物質の燃焼に伴う金属燃料のスェリングを吸収することができる。このため、内側炉心燃料集合体7B内の燃料棒10Bおよび19B、および外側炉心燃料集合体21B内の燃料棒22Aにおいては、実施例1で用いられる、内側炉心燃料集合体7における燃料棒10及び19および外側炉心燃料集合体21の燃料棒22ように、内部にボンドナトリウム15を充填する必要がなくなる。
【0076】
本実施例において、内側炉心領域2における核燃料物質のインベントリーが外側炉心領域3におけるそのインベントリーと同じであるとき、ボイド反応度の寄与が大きい内側炉心領域2の、炉心1Aの軸方向の長さを外側炉心領域3のその長さよりも短くすることによって、内側炉心領域2の、炉心1Aの軸方向の長さが外側炉心領域3のその長さと同じである場合に比べて、炉心1Aのボイド反応度を小さくすることができる。
【実施例0077】
本発明の好適な他の実施例である実施例4の高速炉の炉心を、図1図12および図13を用いて説明する。
【0078】
本実施例の高速炉の炉心は、実施例1の炉心1において、内側炉心領域2に装荷された内側炉心燃料集合体7を図12に示す内側炉心燃料集合体7Cに替え、さらに、外側炉心領域3に装荷された外側炉心燃料集合体21を図13に示す外側炉心燃料集合体21Cに替えた構成を有する。内側炉心燃料集合体7Cおよび外側炉心燃料集合体21Cそれぞれは、核燃料物質として、金属燃料の替りに酸化物燃料を用いている。本実施例の高速炉の炉心の他の構成は、実施例1の炉心1の他の構成と同じである。
【0079】
本実施例の炉心の内側炉心領域2に装荷される、燃焼度が0GWdtである内側炉心燃料集合体7Cにおける複数の燃料棒10C及び19Cのそれぞれの密封された被覆管14内の、下部炉心燃料領域12Bおよび上部炉心燃料領域13Bには、劣化ウランの酸化物とプルトニウム酸化物の混合酸化物燃料(MOX燃料)で製作された、複数の燃料ペレットを充填している。燃料棒10Cの密封された被覆管14内の、内部ブランケット領域11Cには、マイナーアクチニドを含まない劣化ウランの酸化物燃料で製作された複数の燃料ペレットを充填している。燃料棒19Cの密封された被覆管14内の、内部ブランケット領域20Cに、マイナーアクチニドおよび劣化ウランを含む酸化物燃料で製作された複数の燃料ペレットを充填している。
【0080】
本実施例の炉心の外側炉心領域3に装荷される、燃焼度が0GWdtである外側炉心燃料集合体21Cにおける複数の燃料棒22Aの密封された被覆管14内の、炉心燃料領域23Aに、劣化ウランの酸化物とプルトニウム酸化物の混合酸化物燃料(MOX燃料)で製作された、複数の燃料ペレットを充填している。炉心燃料領域23Aにおけるプルトニウム富化度も、実施例1における燃料棒22の炉心燃料領域23のプルトニウム富化度の値と同じである。
【0081】
燃料棒10C,19Cおよび22A内の充填されたそれぞれの燃料ペレットは、中実の燃料ペレットである。
【0082】
本実施例における内側炉心燃料集合体7Cでは、マイナーアクチニドを含まない劣化ウランの酸化物燃料を含む内部ブランケット領域11Cを有する燃料棒10C、およびマイナーアクチニド及び劣化ウランの酸化物燃料を含む内部ブランケット領域20Cを有する燃料棒19Cが混在している。このため、本実施例によれば、燃料棒10Cおよび19Cのそれぞれの本数を調節することによって、酸化物燃料を用いた内側炉心燃料集合体7Cであっても、この燃焼度が0GWdtである内側炉心燃料集合体7Cの内部ブランケット領域9におけるマイナーアクチニドの富化度を容易に調節することができる。また、複数の内側炉心燃料集合体7Cが本実施例における炉心の内側炉心領域2に装荷されているため、その炉心の内部ブランケット領域6におけるマイナーアクチニドの富化度を容易に調節することができる。
【実施例0083】
本発明の好適な他の実施例である実施例5の高速炉の炉心を、図1図12および図13を用いて説明する。
【0084】
本実施例の高速炉の炉心は、実施例2の高速炉の炉心において、内側炉心領域2に装荷された内側炉心燃料集合体7Aの、金属燃料を含む燃料棒10Aおよび19Aを、実施例4で用いられる内側炉心燃料集合体7Cの、酸化物燃料を含む、燃料棒10Cおよび19Cに替え、さらに、外側炉心領域3に装荷された外側炉心燃料集合体21の、金属燃料を含む燃料棒22を、実施例4で用いられる外側炉心燃料集合体21Cの、酸化物燃料を含む、燃料棒22Aに替えた構成を有する。
【0085】
本実施例の高速炉の炉心に装荷される外側炉心燃料集合体21Cの構成は、実施例4で用いられる外側炉心燃料集合体21Cの構成と同じである。その炉心に装荷される内側炉心燃料集合体7Cにおいて、燃料棒10Cの内部ブランケット領域11Cおよび燃料棒19Cの内部ブランケット領域20Cのそれぞれには、上記の内側炉心燃料集合体7Aと同様に、プルトニウムが含まれている。すなわち、燃料棒10Cの内部ブランケット領域11Cには、マイナーアクチニドが含まれず、劣化ウラン及びプルトニウムを含む酸化物燃料で製作された複数の燃料ペレットが充填されている。燃料棒19Cの内部ブランケット領域20Cには、劣化ウラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドを含む酸化物燃料で製作された複数の燃料ペレットが充填されている。
【0086】
本実施例によれば、このような炉心の構造によって、実施例2で生じる各効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0087】
1,1A…炉心、2…内側炉心領域、3…外側炉心領域、4,8A,13,13A…上部炉心燃料領域、5,8B,12,12A…下部炉心燃料領域、6,9,11,11A,11B,20,20A,20B…内部ブランケット領域、7,7A,7B…内側炉心燃料集合体、10,10A,10B,19,19A,19B,22,22A…燃料棒、16,16A…ガスプレナム、21,21B…外側炉心燃料集合体、23,23A…炉心燃料領域、31,36,37…ナトリウムプレナム領域、32…ガスプレナム領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13