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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185756
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】樹脂線、および、樹脂被覆線
(51)【国際特許分類】
   D07B 1/16 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
D07B1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093569
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝川 敏史
(72)【発明者】
【氏名】高原 寛
【テーマコード(参考)】
3B153
【Fターム(参考)】
3B153AA02
3B153AA09
3B153AA38
3B153AA45
3B153BB15
3B153CC12
3B153CC22
3B153CC52
3B153GG40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】全長にわたって、軸方向から見て、ルーメンの中心に対して樹脂線の外形の重心がずれている径方向が同一である構成に比べて、樹脂線の回転追従性を向上させた樹脂線および樹脂被覆線を提供する。
【解決手段】樹脂線は、軸方向に沿って延びているルーメン17が内部に形成された線状である。樹脂線の軸方向における第1の位置では、軸方向から見て、樹脂線の外形の重心は、ルーメン17の中心Oから第1の径方向にずれている。軸方向において第1の位置とは離間している第2の位置では、軸方向から見て、樹脂線の外形の重心は、ルーメン17の中心Oから第1の径方向とは異なる第2の径方向にずれている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って延びているルーメンが内部に形成された線状の樹脂線であって、
前記樹脂線の軸方向における第1の位置では、前記軸方向から見て、前記樹脂線の外形の重心は、前記ルーメンの中心から第1の径方向にずれており、
前記軸方向において前記第1の位置とは離間している第2の位置では、前記軸方向から見て、前記樹脂線の外形の重心は、前記ルーメンの中心から前記第1の径方向とは異なる第2の径方向にずれている、
樹脂線。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂線であって、
前記樹脂線の外形の重心が、前記軸方向に沿って、前記ルーメンの中心軸の周りに螺旋状に配置されている螺旋状部分を有している、
樹脂線。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂線であって、
前記樹脂線の前記螺旋状部分の横断面の外形は、前記螺旋状部分の全長にわたって円形である、
樹脂線。
【請求項4】
請求項2に記載の樹脂線であって、
前記樹脂線の前記螺旋状部分の外周面には、前記ルーメンの中心軸の周りに螺旋状に延びている凸部または凹部が形成されている、
樹脂線。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の樹脂線と、
前記樹脂線の前記ルーメンに挿入されている金属製の芯材と、
を備える、樹脂被覆線。
【請求項6】
請求項5に記載の樹脂被覆線であって、
前記芯材は、単線または撚り線である、
を備える、樹脂被覆線。
【請求項7】
請求項5に記載の樹脂被覆線であって、
前記芯材は、単線と撚り線との少なくとも一方を螺旋状に巻回したコイル体である、
を備える、樹脂被覆線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、樹脂線、および、樹脂被覆線に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、芯材と、その芯材の外周を被覆する略円筒状の樹脂線と、を備える樹脂被覆線が知られている。その樹脂被覆線の一例として、複数のストランドが撚り合わされた導体と、ポリ塩化ビニル樹脂を含有し、導体の外周を被覆する絶縁体と、を備える電線が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-190516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
芯材と、その芯材の外周を被覆する樹脂線と、を備える樹脂被覆線では、樹脂被覆線の横断面において、芯材の中心(樹脂線に形成されたルーメンの中心)と樹脂線の外形の中心とが一致することが理想的である。しかし、実際には、芯材の中心と樹脂線の外形の中心とが一致するように樹脂被覆線を製造することは極めて難しい。このため、従来の樹脂被覆線では、樹脂被覆線の全長にわたって、樹脂被覆線の任意の横断面において、芯材の中心が樹脂線の中心に対して所定の一径方向にずれている。その結果、例えば、樹脂被覆線の一端側を回転させたときにおける樹脂被覆線の他端側の追従性(以下、単に「回転追従性」という)が低い、という問題がある。
【0005】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される樹脂線は、軸方向に沿って延びているルーメンが内部に形成された線状の樹脂線であって、前記樹脂線の軸方向における第1の位置では、前記軸方向から見て、前記樹脂線の外形の重心は、前記ルーメンの中心から第1の径方向にずれており、前記軸方向において前記第1の位置とは離間している第2の位置では、前記軸方向から見て、前記樹脂線の外形の重心は、前記ルーメンの中心から前記第1の径方向とは異なる第2の径方向にずれている。
【0008】
本樹脂線では、樹脂線の軸方向において互いに異なる第1の位置と第2の位置とでは、軸方向から見て、ルーメンの中心に対して樹脂線の外形の重心がずれている径方向が互いに異なっている。これにより、本樹脂線によれば、全長にわたって、軸方向から見て、ルーメンの中心に対して樹脂線の外形の重心がずれている径方向が同一である構成に比べて、樹脂線の回転追従性を向上させることができる。
【0009】
(2)上記樹脂線において、前記樹脂線の外形の重心が、前記軸方向に沿って、前記ルーメンの中心軸の周りに螺旋状に配置されている螺旋状部分を有している構成としてもよい。本樹脂線によれば、樹脂線の外形の重心がルーメンの中心軸の周りに螺旋状に配置されていない構成に比べて、樹脂線の回転追従性を、より効果的に向上させることができる。
【0010】
(3)上記樹脂線において、前記樹脂線の前記螺旋状部分の横断面の外形は、前記螺旋状部分の全長にわたって円形である構成としてもよい。本樹脂線によれば、樹脂線の螺旋状部分の外形が非円形であることに起因する樹脂線の取り扱い性の低下を抑制しつつ、樹脂線の回転追従性を向上させることができる。
【0011】
(4)上記樹脂線において、前記樹脂線の前記螺旋状部分の外周面には、前記ルーメンの中心軸の周りに螺旋状に延びている凸部または凹部が形成されている構成としてもよい。本樹脂線によれば、樹脂線の前記螺旋状部分の外周面に螺旋状の凸部または凹部が形成された比較的に簡単な構造により、樹脂線の回転追従性を向上させることができる。
【0012】
(5)本明細書に開示される樹脂被覆線は、上記樹脂線と、前記樹脂線の前記ルーメンに挿入されている金属製の芯材と、を備える。本樹脂被覆線によれば、樹脂被覆線の回転追従性を向上させることができる。
【0013】
(6)上記樹脂被覆線において、前記芯材は、単線または撚り線である構成としてもよい。本樹脂被覆線によれば、単線または撚り線を内包した樹脂被覆線の回転追従性を向上させることができる。
【0014】
(7)上記樹脂被覆線において、前記芯材は、単線と撚り線との少なくとも一方を螺旋状に巻回したコイル体である構成としてもよい。本樹脂被覆線によれば、コイル体を内包した樹脂被覆線の回転追従性を向上させることができる。
【0015】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、樹脂線、樹脂被覆線、それらの製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態におけるワイヤロープ10の外観構成を概略的に示す説明図
図2】ワイヤロープ10の縦断面構成および横断面構成を示す説明図
図3】第2実施形態におけるワイヤコイル10aの外観構成を概略的に示す説明図
図4】ワイヤコイル10aの縦断面構成および横断面構成を示す説明図
図5】第3実施形態における中空ケーブル10bの外観構成を概略的に示す説明図
図6】中空ケーブル10bの縦断面構成および横断面構成を示す説明図
図7】第1変形例におけるワイヤロープ10cの縦断面構成および横断面構成を示す説明図
図8】第2変形例におけるワイヤロープ10dの縦断面構成および横断面構成を示す説明図
図9】第3変形例におけるワイヤロープ10eの縦断面構成および横断面構成を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
A-1.ワイヤロープ10の構成:
図1は、第1実施形態におけるワイヤロープ10の外観構成を概略的に示す説明図であり、図2は、ワイヤロープ10の縦断面構成および横断面構成を示す説明図である。図1および図2では、ワイヤロープ10の一部分の図示が省略されている。図2の上段には、ワイヤロープ10の縦断面構成が示されており、図2の下段には、ワイヤロープ10の軸方向(長手方向 図2のZ軸方向)に互いに異なる複数の位置A1~A5のそれぞれにおけるワイヤロープ10の横断面構成が示されている。ここで、ワイヤロープ10の縦断面とは、ワイヤロープ10の中心軸Oを含む断面(図2の上段のYZ断面)をいい、ワイヤロープ10の横断面とは、ワイヤロープ10の中心軸Oに垂直な断面(図2の下段のXY断面)をいう。なお、図1および図2では、ワイヤロープ10が全体としてZ軸方向に平行な直線状となった状態を示しているが、ワイヤロープ10は湾曲させることができる程度の柔軟性を有している。
【0018】
第1実施形態のワイヤロープ10は、種々の用途(例えば、自動車用のウィンドレギュレータ用ワイヤロープやスライドドア用ワイヤロープ、産業分野における動力伝達用ワイヤロープ、建築関係の窓開閉装置用ワイヤロープ、医療用のワイヤ)に用いられ得る。
【0019】
図1および図2に示すように、ワイヤロープ10は、ロープ本体15と、樹脂層50とを備えている。ワイヤロープ10は、特許請求の範囲における樹脂被覆線の一例であり、ロープ本体15は、特許請求の範囲における芯材の一例であり、樹脂層50は、特許請求の範囲における樹脂線の一例である。
【0020】
図2の下段に示すように、ロープ本体15は、芯線20と、複数の(より具体的には6本の)側線30とを有している。ロープ本体15は、芯線20の外周に6本の側線30を互いに撚り合わせることにより形成されている。すなわち、各側線30は、芯線20の周りに螺旋状に配置されている。具体的には、ワイヤロープ10の任意の横断面において、芯線20は、ロープ本体15の中心O(以下、「中心軸O」ともいう))に位置している。また、6本の側線30は、芯線20の周囲に芯線20の周方向に沿って配置される。各側線30は、互いに当接しており、また、芯線20と側線30とは、互いに当接している。なお、芯線20と側線30とは、それぞれ、単線でもよいし、複数の素線を撚り合わせた撚り線でもよい。
【0021】
芯線20および側線30の形成材料として、それぞれ独立に、例えば、ステンレス合金(SUS302、SUS304、SUS316等)、ニッケル-チタン系合金、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金、タングステン、硬鋼線の材料(SWRH62A、SWRH62B、SWRH72A、SWRH72B、SWRH82A、SWRH82B等)等を挙げることができる。芯線20および側線30の形成材料は、好ましくは上記硬鋼線の材料であり、より好ましくはSUS304である。芯線20と側線30との形成材料は、互いに同じ種類であってもよく、また、異なる種類であってもよい。
【0022】
樹脂層50は、ロープ本体15の外周を被覆する略筒状の部材である。具体的には、樹脂層50は、中心軸Oに沿って延びているルーメン17が内部に形成されている。ルーメン17は、ワイヤロープ10の軸方向に沿って延びている。なお、ルーメン17は、ロープ本体15の一端面から他端面まで延びていてもよいし、ロープ本体15の一端面と他端面との少なくとも一方まで延びていなくてもよい。
【0023】
樹脂層50のルーメン17にロープ本体15が挿入されている。樹脂層50の内周面は、ロープ本体15の外周面に密着している。ロープ本体15を構成する側線30同士の間に樹脂層50が入り込んでいる。樹脂層50の外周面は、ロープ本体15の周りに螺旋状にねじれるように延びている曲面状になっている(図1参照)。すなわち、樹脂層50には螺旋状に偏肉が施されている。
【0024】
具体的には、図2の下段に示すように、ワイヤロープ10の中心軸O上の任意の位置の横断面において、次の条件(1)~(3)を全て満たしている。
(1)樹脂層50の任意の位置での横断面の外形は、円形である。
(2)樹脂層50の外形の中心Q(図2中のXの位置)は、ワイヤロープ10の中心O(ロープ本体15(ルーメン17)の中心)からロープ本体15の径方向にずれている。
(3)樹脂層50の外形の中心Qとワイヤロープ10の中心Oとの離間距離は略均一である。
なお、樹脂層50の外形の中心Qは、特許請求の範囲における樹脂線の外形の重心の一例である。
【0025】
より具体的には、図2に示すように、ワイヤロープ10のA1-A1の位置の横断面では、樹脂層50の外形の中心Qは、ワイヤロープ10の中心OからY軸正方向側にずれている。ワイヤロープ10のA2-A2の位置の横断面では、樹脂層50の外形の中心Qは、ワイヤロープ10の中心OからX軸正方向側にずれている。ワイヤロープ10のA3-A3の位置の横断面では、樹脂層50の外形の中心Qは、ワイヤロープ10の中心OからY軸負方向側にずれている。ワイヤロープ10のA4-A4の位置の横断面では、樹脂層50の外形の中心Qは、ワイヤロープ10の中心OからX軸負方向側にずれている。ワイヤロープ10のA5-A5の位置の横断面では、ワイヤロープ10のA1-A1の位置の横断面と同様、樹脂層50の外形の中心Qは、ワイヤロープ10の中心OからY軸正方向側にずれている。
【0026】
すなわち、ワイヤロープ10の第1の位置A1から第5の位置A5までの距離P1だけ移動する間に、樹脂層50の外形の中心Qがワイヤロープ10の中心Oの周りを1周する。ワイヤロープ10では、樹脂層50の外周面は、全長にわたって、所定のピッチ間隔(距離P1)ごとに、樹脂層50の外形の中心Qがワイヤロープ10の中心Oの周りを1周するような螺旋状になっている。なお、ワイヤロープ10のA1-A1,A5-A5の位置の横断面におけるY軸正方向が特許請求の範囲における第1の径方向の一例であり、ワイヤロープ10の他の位置(A2-A2~A4-A4)の位置の横断面における各方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸負方向)が特許請求の範囲における第2の径方向の一例である。また、樹脂層50の全体が、特許請求の範囲における螺旋状部分の一例である。
【0027】
なお、本実施形態では、樹脂層50の外周面の螺旋の回転方向と、ロープ本体15における側線30の螺旋の回転方向とは、互いに逆である。また、樹脂層50の外周面の螺旋のピッチ間隔は、ロープ本体15における側線30の螺旋のピッチ間隔よりも長い。また、樹脂層50の被覆厚さは、例えば、0.05mm以上、5mm以下である。また、ワイヤロープ10の直径に対する樹脂層50の被覆厚さの比は、例えば、1%以上、30%以下である。また、樹脂層50の偏肉率は、75%以上であることが好ましい。偏肉率は、次の式で表すことができる。
偏肉率(%)=(所定の横断面における樹脂層50の被覆厚さの最小値 図2のT2参照)/(同横断面における樹脂層50の被覆厚さの最大値 図2のT1参照))×100
【0028】
樹脂層50の形成材料としては、従来公知のいずれの樹脂も使用することができ、特に限定されない。樹脂層50の形成材料として、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタンに代表されるウレタン系樹脂、テフロン(登録商標)に代表されるフッ素系樹脂、または種々のエラストマー系樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。樹脂は、ワイヤロープ10の耐久性および柔軟性を確保する観点から、より好ましくは、ポリアミド系樹脂である。ポリアミド系樹脂として、例えば、ポリアミド6樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド66樹脂等を使用することができる。ポリアミド系樹脂は、より好ましくは、石油由来のポリアミド系樹脂であり、さらに好ましくは、ポリアミド12樹脂である。なお、当該樹脂を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
A-2.ワイヤロープ10の製造方法:
次に、本実施形態におけるワイヤロープ10の製造方法の一例を説明する。はじめに、芯線20の外周に複数の側線30を撚り合わせつつ巻回することによりロープ本体15を作製する。
【0030】
次に、作製したロープ本体15を、ダイス(図示しない)に形成された吐出口に配置する。次に、吐出口から液状の樹脂を吐出させ、かつロープ本体15をその長さ方向に移動させる。そのロープ本体15の長さ方向の移動過程で、上記各位置(A-1~A-5)において、吐出口の中心が、それぞれロープ本体15の中心軸Oから離間し、かつロープ本体15芯材の中心軸Oの周方向において互いに異なる位置に配置されるように、ロープ本体15および/またはダイスを相対的に移動させる。なお、ロープ本体15および/またはダイスの移動は、例えば、ロープ本体15および/またはダイスのロープ本体15の長さ方向に垂直な面に沿う方向への移動である。
【0031】
その後、ロープ本体15の周囲に配置された液状の樹脂を、冷却等により固化することにより樹脂層50を得る。以上の工程により、上述した構成のワイヤロープ10が製造される。なお、ワイヤロープ10における樹脂層50からロープ本体15を除去することにより、樹脂層50の単体を得ることができる。
【0032】
A-3.第1実施形態の効果:
以上説明したように、第1実施形態のワイヤロープ10は、ロープ本体15と、樹脂層50とを備える。樹脂層50は、樹脂層50の軸方向Oにおいて互いに異なる第1の位置(A-1,A-5)と第2の位置(A-2~A-4)とでは、横断面において、ルーメン17の中心に対して樹脂層50の外形の重心(中心)がずれている径方向が互いに異なっている(図2参照)。これにより、本実施形態によれば、樹脂層50の肉厚部分がルーメン17の周方向に分散されるため、例えば、全長にわたって、軸方向Oから見て、ルーメン17の中心に対して樹脂層50の外形の重心がずれている径方向が同一である比較構成に比べて、樹脂層50の回転追従性を向上させることができる。すなわち、樹脂層50の一端側を回転させたときにおける樹脂層50の他端側の追従性(回転追従性)が向上するため、樹脂層50を周方向に回転させやすくなる。また、このような樹脂層50を備えたワイヤロープ10の回転追従性も向上する。また、樹脂層50およびワイヤロープ10のトルク伝達性も向上する。
【0033】
特に、本実施形態では、樹脂層50がロープ本体15を構成する側線30同士の間に入り込んでいるため、側線30の動きが固定され、ワイヤロープ10の変形の自由度が制限されている。これに対して、本実施形態では、樹脂層50に螺旋状に偏肉が施されて螺旋形状が形成されていることにより、回転の方向性を分散化できるため、ワイヤロープ10の回転追従性が向上している。
【0034】
また、例えばワイヤロープ10がプーリ等の回転体に掛けられてワイヤロープ10の軸方向に往復移動される場合、上記比較構成の樹脂層を備える構成では、該樹脂層の薄肉部分が常に回転体に押圧されることにより樹脂層が破損しやすくなる。これに対して、本実施形態の樹脂層50では、上述したように、螺旋状に偏肉が施されており、ロープ本体15の薄肉部分と肉厚部分とが入れ替わり回転体に押圧される。このため、本実施形態の樹脂層50によれば、樹脂層50の薄肉部分が集中的に回転体に押圧されることに起因して樹脂層50が破損することを抑制することができる。
【0035】
本実施形態では、樹脂層50の外形の重心(中心Q)が、軸方向Oに沿って、ルーメン17の中心軸Oの周りに螺旋状に配置されている螺旋状部分を有している。これにより、本実施形態によれば、樹脂層50の外形の中心Qがルーメン17の中心軸Oの周りに螺旋状に配置されていない構成に比べて、樹脂層50およびワイヤロープ10の回転追従性を、より効果的に向上させることができる。
【0036】
本実施形態では、樹脂層50(螺旋状部分)の横断面の外形は、樹脂層50の全長にわたって円形である。これにより、本実施形態によれば、樹脂層50の外形が非円形であることに起因する樹脂層50の取り扱い性の低下を抑制しつつ、樹脂層50およびワイヤロープ10の回転追従性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、撚り線であるロープ本体15を内包したワイヤロープ10の回転追従性を向上させることができる。
【0037】
B.第2実施形態:
次に、第2実施形態におけるワイヤコイル10aについて説明する。本実施形態におけるワイヤコイル10aは、螺旋状の凸部52aを有する樹脂層50aを備える点で、第1実施形態のワイヤロープ10と異なる。以下では、第2実施形態のワイヤコイル10aの構成の内、上述した第1実施形態のワイヤロープ10と同一の構成については、その説明を適宜省略する。
【0038】
図3は、第2実施形態におけるワイヤコイル10aの外観構成を概略的に示す説明図であり、図4は、ワイヤコイル10aの縦断面構成および横断面構成を示す説明図である。図3および図4では、ワイヤコイル10aの一部分の図示が省略されている。図4の上段には、ワイヤコイル10aの縦断面構成が示されており、図4の下段には、ワイヤコイル10aの軸方向(長手方向 図4のZ軸方向)に互いに異なる複数の位置B1~B5のそれぞれにおけるワイヤコイル10aの横断面構成が示されている。
【0039】
図3および図4に示すように、ワイヤコイル10aは、コイル本体15aと、樹脂層50aとを備えている。ワイヤコイル10aは、特許請求の範囲における樹脂被覆線の一例であり、コイル本体15aは、特許請求の範囲における芯材の一例であり、樹脂層50aは、特許請求の範囲における樹脂線の一例である。
【0040】
コイル本体15aは、例えば、1本の素線20a、または、複数本の素線20aを隣り合う素線20a同士が密着するように螺旋状に巻回された構造を有しており、先端から基端まで延長する空間16aを有する筒状(中空状)の部材である。コイル本体15aの各位置における横断面の形状は、任意の形状を取り得るが、例えば略円環状である。コイル本体15aの形成材料として、例えば、ステンレス合金(SUS302、SUS304、SUS316等)、ニッケル-チタン系合金、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金、タングステン、硬鋼線の材料(SWRH62A、SWRH62B、SWRH72A、SWRH72B、SWRH82A、SWRH82B等)等を挙げることができる。コイル本体15aの形成材料は、好ましくは上記硬鋼線の材料であり、より好ましくはSUS304である。
【0041】
樹脂層50aは、コイル本体15aの外周を被覆する略筒状の部材である。具体的には、樹脂層50aは、中心軸Oaに沿って延びているルーメン17aが内部に形成されている。ルーメン17aは、ワイヤコイル10aの軸方向に沿って延びている。
【0042】
樹脂層50aのルーメン17aにコイル本体15aが挿入されている。樹脂層50aの内周面は、コイル本体15aの外周面に密着している。コイル本体15aを構成する素線20a同士の間に樹脂層50aが入り込んでいる。樹脂層50aの外周面には、凸部52aが形成されている。凸部52aは、コイル本体15a(ルーメン17a)の中心Oaの周りに螺旋状に延びている突出部分である。
【0043】
具体的には、図4の下段に示すように、ワイヤコイル10aの中心軸Oa上の任意の位置の横断面において、次の条件(4)~(6)を全て満たしている。
(4)樹脂層50aの任意の位置での横断面の外形は、コイル本体15aの中心Oaから所定方向にずれた位置に位置する中心を有する円形コイル本体部分(ただし、コイル本体15aの中心軸と円形部分の中心軸とは略平行)と、コイル本体15aの一の径方向外側に突出する突出部分(凸部52a)と、を有する形状である。
(5)樹脂層50aの外形の重心Qa(図4中のXの位置)は、ワイヤコイル10aの中心Oa(コイル本体15a(ルーメン17a)の中心)からコイル本体15aの径方向にずれている。
(6)樹脂層50aの外形の重心Qaとワイヤコイル10aの中心Oaとの離間距離は略均一である。
【0044】
より具体的には、図4に示すように、ワイヤコイル10aのB1-B1の位置の横断面では、樹脂層50aの外形の重心Qaは、ワイヤコイル10aの中心OaからY軸正方向側にずれている。ワイヤコイル10aのB2-B2の位置の横断面では、樹脂層50aの外形の重心Qaは、ワイヤコイル10aの中心OaからX軸正方向側にずれている。ワイヤコイル10aのB3-B3の位置の横断面では、樹脂層50aの外形の重心Qaは、ワイヤコイル10aの中心OaからY軸負方向側にずれている。ワイヤコイル10aのB4-B4の位置の横断面では、樹脂層50aの外形の重心Qaは、ワイヤコイル10aの中心OaからX軸負方向側にずれている。ワイヤコイル10aのB5-B5の位置の横断面では、ワイヤコイル10aのB1-B1の位置の横断面と同様、樹脂層50aの外形の重心Qaは、ワイヤコイル10aの中心OaからY軸正方向側にずれている。
【0045】
すなわち、ワイヤコイル10aの第1の位置B1から第5の位置B5までの距離P2だけ移動する間に、樹脂層50aの外形の重心Qaがワイヤコイル10aの中心Oaの周りを1周する。ただし、本実施形態では、凸部52aは、螺旋状部分53aと、樹脂層50aの軸方向に沿って直線状の延びる直線状部分54aとを有している(図3参照)。樹脂層50aの外周面には、全長にわたって、所定のピッチ間隔(距離P2)ごとに、樹脂層50aの外形の重心Qaがワイヤコイル10aの中心Oaの周りを1周するように凸部52aが形成されている。なお、ワイヤコイル10aのB1-B1,B5-B5の位置の横断面におけるY軸正方向が特許請求の範囲における第1の径方向の一例であり、ワイヤコイル10aの他の位置(B2-B2~B4-B4)の位置の横断面における各方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸負方向)が特許請求の範囲における第2の径方向の一例である。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、樹脂層50aの外周面に螺旋状の凸部52aが形成された比較的に簡単な構造により、樹脂層50aおよびワイヤコイル10aの回転追従性を向上させることができる。
【0047】
C.第3実施形態:
次に、第3実施形態における中空ケーブル10bについて説明する。本実施形態における中空ケーブル10bは、螺旋状の凹部52bを有する樹脂層50bを備える点で、第1実施形態のワイヤロープ10と異なる。以下では、第3実施形態の中空ケーブル10bの構成の内、上述した第1実施形態のワイヤロープ10と同一の構成については、その説明を適宜省略する。
【0048】
図5は、第3実施形態における中空ケーブル10bの外観構成を概略的に示す説明図であり、図6は、中空ケーブル10bの縦断面構成および横断面構成を示す説明図である。図5および図6では、中空ケーブル10bの一部分の図示が省略されている。図6の上段には、中空ケーブル10bの縦断面構成が示されており、図6の下段には、中空ケーブル10bの軸方向(長手方向 図6のZ軸方向)に互いに異なる複数の位置C1~C4のそれぞれにおける中空ケーブル10bの横断面構成が示されている。
【0049】
図5および図6に示すように、中空ケーブル10bは、チューブ15bと、樹脂層50bとを備えている。中空ケーブル10bは、特許請求の範囲における樹脂被覆線の一例であり、チューブ15bは、特許請求の範囲における芯材の一例であり、樹脂層50bは、特許請求の範囲における樹脂線の一例である。
【0050】
チューブ15bは、例えば、先端から基端まで延長する空間16bを有する管状(中空状)の部材である。チューブ15bの各位置における横断面の形状は、任意の形状を取り得るが、例えば略円環状である。チューブ15bの形成材料として、例えば、ステンレス合金(SUS302、SUS304、SUS316等)、ニッケル-チタン系合金、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金、タングステン、硬鋼線の材料(SWRH62A、SWRH62B、SWRH72A、SWRH72B、SWRH82A、SWRH82B等)等を挙げることができる。チューブ15bの形成材料は、好ましくは上記硬鋼線の材料であり、より好ましくはSUS304である。
【0051】
樹脂層50bは、チューブ15bの外周を被覆する略筒状の部材である。具体的には、樹脂層50bは、中心軸Obに沿って延びているルーメン17bが内部に形成されている。ルーメン17bは、中空ケーブル10bの軸方向に沿って延びている。
【0052】
樹脂層50bのルーメン17bにチューブ15bが挿入されている。樹脂層50bの内周面は、チューブ15bの外周面に密着している。樹脂層50aの外周面には、凹部52bが形成されている。凹部52bは、チューブ15b(ルーメン17b)の中心Obの周りに螺旋状に延びている溝部分である。
【0053】
具体的には、図6の下段に示すように、中空ケーブル10bの中心軸Ob上の任意の位置の横断面において、次の条件(7)~(9)を全て満たしている。
(7)樹脂層50bの任意の位置での横断面の外形は、チューブ15bの中心Obから所定方向にずれた位置に位置する中心を有する円形部分(ただし、チューブ15bの中心軸と円形部分の中心軸とは略平行)と、チューブ15bの一の径方向内側に凹む部分(凹部52b)と、を有する形状である。
(8)樹脂層50bの外形の重心Qb(図6中のXの位置)は、中空ケーブル10bの中心Ob(チューブ15b(ルーメン17b)の中心)からチューブ15bの径方向にずれている。
(9)樹脂層50bの外形の重心Qbと中空ケーブル10bの中心Obとの離間距離は略均一である。
【0054】
より具体的には、図6に示すように、中空ケーブル10bのC1-C1の位置の横断面では、樹脂層50bの外形の重心Qbは、中空ケーブル10bの中心ObからY軸負方向側にずれている。中空ケーブル10bのC2-C2の位置の横断面では、樹脂層50bの外形の重心Qbは、中空ケーブル10bの中心ObからX軸負方向側にずれている。中空ケーブル10bのC3-C3の位置の横断面では、樹脂層50bの外形の重心Qbは、中空ケーブル10bの中心ObからY軸正方向側にずれている。中空ケーブル10bのC4-C4の位置の横断面では、樹脂層50bの外形の重心Qbは、中空ケーブル10bの中心ObからX軸正方向側にずれている。
【0055】
以上のように本実施形態によれば、樹脂層50bの外周面に螺旋状の凹部52bが形成された比較的に簡単な構造により、樹脂層50bおよび中空ケーブル10bの回転追従性を向上させることができる。
【0056】
D.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0057】
上記各実施形態におけるワイヤロープ10、ワイヤコイル10aや中空ケーブル10bの構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第1実施形態のワイヤロープ10における側線30の本数や、側線30や芯線20を構成する素線の本数や層数は、種々変形可能である。また、上記第1実施形態のワイヤロープ10において、芯材として、ロープ本体15の代わりに、単一の素線やコイル体としてもよい。また、上記第1実施形態において、樹脂層50は、上記条件(1)~(3)の少なくとも1つを満たさなくてもよい。例えば、樹脂層50の任意の位置での横断面の外形は、例えば多角形や楕円等の非円形でもよい。ワイヤロープ10の一部分の横断面において、樹脂層50の外形の中心Qとワイヤロープ10の中心Oとが一致していてもよいし、互いに同一の径方向にずれていてもよい。樹脂層50の外形の中心Qとワイヤロープ10の中心Oとの離間距離が不均一でもよい。
【0058】
上記第1実施形態では、樹脂層50の外周面は、全長にわたって、同一のピッチ間隔の螺旋状であったが、互いに異なるピッチ間隔の複数の螺旋状部分を有していてもよい。上記第1実施形態では、樹脂層50の全長にわたって、外形が螺旋状になっている構成であったが、樹脂層50の一部だけ螺旋状になっている構成でもよい。上記第1実施形態において、樹脂層50の外周面の螺旋の回転方向と、ロープ本体15における側線30の螺旋の回転方向とは、互いに同じでもよい。上記第1実施形態において、樹脂層50の外周面の螺旋のピッチ間隔は、ロープ本体15における側線30の螺旋のピッチ間隔と同じでもよいし、側線30の螺旋のピッチ間隔よりも短くてもよい。
【0059】
上記第2実施形態において、樹脂層50aは、上記条件(4)~(6)の少なくとも1つを満たさなくてもよい。上記第2実施形態では、樹脂層50aの一部が螺旋状部分53aであったが、樹脂層50aの全体が螺旋状部分であってもよい。
【0060】
上記第3実施形態において、樹脂層50bは、上記条件(7)~(9)の少なくとも1つを満たさなくてもよい。上記第3実施形態において、樹脂層50bの一部が螺旋状部分であってもよい。
【0061】
上記第1実施形態では、樹脂層50のルーメン17にロープ本体15が挿入された構成であったが、これに限らず、次の構成A,B,Cでもよい。
<構成A>:
図7は、第1変形例におけるワイヤロープ10cの縦断面構成および横断面構成を示す説明図である。図7に示すように、ワイヤロープ10cは、樹脂層50cのルーメン17c内に上記第2実施形態におけるコイル本体15aが挿入された構成である。樹脂層50aは、中心軸Oaに沿って延びているルーメン17cが内部に形成されている。樹脂層50cの外周形状は、上記第1実施形態における樹脂層50の外形(図1参照)と同一であり、樹脂層50cの内周形状は、コイル本体15aの外周形状に応じた形状になっている。このような構成でも、樹脂層50cに螺旋状に偏肉が施されて螺旋形状が形成されていることにより、回転の方向性を分散化できるため、樹脂層50cおよびワイヤロープ10cの回転追従性を向上させることができる。
<構成B>:
図8は、第2変形例におけるワイヤロープ10dの縦断面構成および横断面構成を示す説明図である。図8に示すように、ワイヤロープ10dは、樹脂層50dのルーメン17d内に上記第3実施形態におけるチューブ15bが挿入された構成である。樹脂層50dは、中心軸Obに沿って延びているルーメン17dが内部に形成されている。樹脂層50dの外周形状は、上記第1実施形態における樹脂層50の外形(図1参照)と同一であり、樹脂層50dの内周形状は、チューブ15bの外周形状に応じた形状になっている。このような構成でも、樹脂層50dに螺旋状に偏肉が施されて螺旋形状が形成されていることにより、回転の方向性を分散化できるため、樹脂層50dおよびワイヤロープ10dの回転追従性を向上させることができる。
<構成C>:
図9は、第3変形例におけるワイヤロープ10eの縦断面構成および横断面構成を示す説明図である。図9に示すように、ワイヤロープ10eは、樹脂層50eのルーメン17e内に、横断面形状が円形である単線15eが挿入された構成である。樹脂層50eは、中心軸Oに沿って延びているルーメン17eが内部に形成されている。樹脂層50eの外周形状は、上記第1実施形態における樹脂層50の外形(図1参照)と同一であり、樹脂層50eの内周形状は、単線15eの外周形状に応じた形状になっている。このような構成でも、樹脂層50eに螺旋状に偏肉が施されて螺旋形状が形成されていることにより、回転の方向性を分散化できるため、樹脂層50eおよびワイヤロープ10eの回転追従性を向上させることができる。
【0062】
上記各実施形態におけるワイヤロープ10、ワイヤコイル10aや中空ケーブル10bにおける各部材の材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。また、上記各実施形態におけるワイヤロープ10の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。なお、ワイヤコイル10aおよび中空ケーブル10bについても同様の製造方法により製造することができる。
【符号の説明】
【0063】
10,10c,10d,10e:ワイヤロープ 10a:ワイヤコイル 10b:中空ケーブル 15:ロープ本体 15a:コイル本体 15b:チューブ 16a,16b:空間 17,17a~17e:ルーメン 20:芯線 20a:素線 30:側線 50,50a~50e:樹脂層 52a:凸部 52b:凹部 53a:螺旋状部分 54a:直線状部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9