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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185782
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
H01L21/302 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093615
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柴 健
(72)【発明者】
【氏名】汲田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 武寛
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004DB00
5F004DB32
5F004EB04
5F004FA02
5F004FA08
(57)【要約】
【課題】炭化珪素により構成された半導体基板において、幅が狭い溝で効果的に応力を緩和する。
【解決手段】 本明細書が開示する半導体装置の製造方法は、溝形成工程を有する。前記溝形成工程では、(0001)面が上面に対して[11-20]方向に傾斜しているSiC基板の前記上面のダイシング領域内にエッチングによって複数の溝を形成する。ここでは、前記複数の溝が前記SiC基板の前記上面を見たときに[11-20]方向に沿う第1方向の寸法が[1-100]に沿う第2方向の寸法よりも長い形状を有するように前記複数の溝を形成する。前記複数の溝を形成した後に、前記SiC基板の前記上面に半導体層をエピタキシャル成長させる。また、前記複数の溝を形成した後に、前記SiC基板の前記上面または前記半導体層の上面にイオンを注入する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の製造方法であって、
(0001)面が上面に対して[11-20]方向に傾斜しているSiC基板の前記上面のダイシング領域内にエッチングによって複数の溝を形成する工程であって、前記複数の溝が前記SiC基板の前記上面を見たときに[11-20]方向に沿う第1方向の寸法が[1-100]に沿う第2方向の寸法よりも長い形状を有するように前記複数の溝を形成する工程と、
前記複数の溝を形成した後に、前記SiC基板の前記上面に半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、
前記複数の溝を形成した後に、前記SiC基板の前記上面または前記半導体層の上面にイオンを注入する工程と、
を有する製造方法。
【請求項2】
前記複数の溝を、ドライエッチングによって形成する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記SiC基板が、前記ダイシング領域内にアライメントマークを有しており、
前記複数の溝を、前記アライメントマークを避けて形成する、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記SiC基板の前記上面を見たときに、前記各溝のうちの前記第1方向における端部に隣接する部分が、前記端部に向かうにしたがって幅が細くなる形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ダイシング領域が、前記第2方向に沿って伸びる部分を有しており、
前記第2方向に沿って伸びる前記部分に、前記第2方向に沿って間隔を開けて前記複数の溝を形成する請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ダイシング領域が、前記第1方向に沿って伸びる部分を有しており、
前記第1方向に沿って伸びる前記部分に、前記第1方向に沿って間隔を開けて前記複数の溝を形成する請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
特許文献1には、半導体基板のダイシング領域にエッチングによって溝を形成する技術が開示されている。溝を形成することによって、半導体基板に生じる応力が緩和され、半導体基板の反りが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-332270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、ダイシング領域に沿って幅広の溝を形成するため、エッチング領域の面積が広い。このようにエッチング領域の面積が広いと、エッチング領域全体を適切にエッチングすることが困難となり、また、エッチング時間が長くなる。他方、溝の幅を狭くすると、半導体基板上にエピタキシャル層を成長させるときに溝が埋まり、溝による応力緩和効果が得られない。本明細書では、炭化珪素により構成された半導体基板において、幅が狭い溝で効果的に応力を緩和する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する半導体装置の製造方法は、溝形成工程と、エピタキシャル成長工程と、イオン注入工程を有する。前記溝形成工程では、(0001)面が上面に対して[11-20]方向に傾斜しているSiC基板の前記上面のダイシング領域内にエッチングによって複数の溝を形成する。ここでは、前記複数の溝が前記SiC基板の前記上面を見たときに[11-20]方向に沿う第1方向の寸法が[1-100]に沿う第2方向の寸法よりも長い形状を有するように前記複数の溝を形成する。前記エピタキシャル成長工程では、前記複数の溝を形成した後に、前記SiC基板の前記上面に半導体層をエピタキシャル成長させる。前記イオン注入工程では、前記複数の溝を形成した後に、前記SiC基板の前記上面または前記半導体層の上面にイオンを注入する。
【0006】
なお、エピタキシャル成長工程とイオン注入工程は、いずれを先に実施てもよい。
【0007】
また、「(0001)面が上面に対して[11-20]方向に傾斜している」ことは、[11-20]方向を含む断面において(0001)面が上面に対して傾斜していることを意味する。
【0008】
この製造方法では、溝形成工程において、ダイシング領域内に、第1方向の寸法が第2方向の寸法よりも長い複数の溝を形成する。溝形成工程後にイオン注入工程を実施すると、イオンが注入された領域が膨張する。しかしながら、ダイシング領域内に形成された溝によってSiC基板で生じる応力が緩和されるので、SiC基板で生じる反りが抑制される。また、エピタキシャル成長工程では、溝の内面にもエピタキシャル層が成長する。ここで、SiC基板では、溝の第2方向(すなわち、[1-100]方向に沿う方向)に交差する側面にはエピタキシャル層が成長し難い。したがって、溝の幅(すなわち、第2方向における溝の寸法)が狭くても、エピタキシャル成長工程で溝が埋まることを抑制でき、溝を残存させることができる。したがって、溝による応力緩和効果を得ることができる。このように、この製造方法によれば、幅が狭い溝でSiC基板内の応力を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】半導体基板12を上から見た平面図。
図2】半導体基板12の断面図。
図3】ダイシング領域16の拡大図。
図4】ダイシング領域16の拡大図。
図5図3のV-V線における断面図。
図6図3のVI-VI線における断面図。
図7】イオン注入工程の説明図。
図8】イオン注入工程の説明図。
図9】実施例2における溝20の形状を示す平面図。
図10】他の例における溝20の形状を示す平面図。
図11】半導体層30が厚い場合の図5に対応する断面図。
図12】半導体層30が厚い場合の図6に対応する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記複数の溝を、ドライエッチングによって形成してもよい。
【0011】
ドライエッチングでは、大面積のエッチングが困難であり、幅が広い溝を形成することが困難である。この製造方法によれば、溝の幅が狭いので、ドライエッチングによって好適に溝を形成することができる。
【0012】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記SiC基板が、前記ダイシング領域内にアライメントマークを有していてもよい。前記複数の溝を、前記アライメントマークを避けて形成してもよい。
【0013】
この構成によれば、半導体基板の加工装置等において、アライメントマークを認識しながら高精度の加工を行うことができる。
【0014】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記SiC基板の前記上面を見たときに、前記各溝のうちの前記第1方向における端部に隣接する部分が、前記端部に向かうにしたがって幅が細くなる形状を有していてもよい。
【0015】
この構成によれば、各溝の端部近傍においてエピタキシャル層が成長し難く、エピタキシャル成長工程後に溝がより残存し易い。
【0016】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記ダイシング領域が、前記第2方向に沿って伸びる部分を有していてもよい。前記第2方向に沿って伸びる前記部分に、前記第2方向に沿って間隔を開けて前記複数の溝を形成してもよい。
【0017】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記ダイシング領域が、前記第1方向に沿って伸びる部分を有していてもよい。前記第1方向に沿って伸びる前記部分に、前記第1方向に沿って間隔を開けて前記複数の溝を形成してもよい。
【実施例0018】
実施例1の製造方法では、図1に示すSiC基板12から半導体装置を製造する。SiC基板12は、4H-SiCにより構成されている。以下では、SiC基板12の厚み方向をz方向といい、z方向に直交する一方向をx方向といい、z方向及びx方向に直交する方向をy方向という。x方向及びy方向は、SiC基板12の上面12aに平行である。図2は、SiC基板12の結晶方向を示している。図2に示すように、SiC基板12の[1-100]方向はy方向と一致している。SiC基板12の(0001)面は、SiC基板12の上面12aに対して、[1-100]方向を軸としてオフ角θだけ傾斜している。すなわち、(0001)面は、[11-20]方向と[0001]方向を含む断面において、上面12aに対して傾斜している。言い換えると、(0001)面は、上面12aに対して[11-20]方向に傾斜している。したがって、図1のようにSiC基板12の上面12aを平面視した状態では、x方向は[11-20]方向に沿って伸びている。図1に示すように、SiC基板12は、複数の素子領域14とダイシング領域16を有している。複数の素子領域14は、半導体装置(例えば、電界効果トランジスタ等)となる領域である。ダイシング領域16は、素子領域14を個別の半導体装置に分割するダイシング工程において除去される領域である。図1では、ダイシング領域16がハッチングにより示されている。ダイシング領域16は、x方向に伸びる部分16aとy方向に伸びる部分16bを有している。
【0019】
(溝形成工程)
まず、溝形成工程を実施する。溝形成工程では、図3に示すように、SiC基板12の上面12aのうちのダイシング領域16内に、ドライエッチング(例えば、反応性イオンエッチング)によって複数の溝20を形成する。より詳細には、まず、SiC基板12の表面を洗浄する。次に、SiC基板12の上面12a全体を覆う酸化膜を形成する。次に、フォトリソグラフィによって酸化膜の表面に、エッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクを介して酸化膜をエッチングすることによって、酸化膜をパターニングする。次に、酸化膜を介してSiC基板12の上面12aをドライエッチングすることによって、複数の溝20を形成する。次に、SiC基板12に対してアッシング、洗浄等を実施する。
【0020】
ここでは、図3に示すように、x方向の寸法がy方向の寸法よりも長い溝20を形成する。以下では、溝20のx方向の寸法を溝20の長さといい、溝20のy方向の寸法を溝20の幅という。ダイシング領域16の部分16aと部分16bのそれぞれに、複数の溝20を形成する。部分16a内には、y方向に並んだ溝20のペアをx方向に間隔を開けて複数個形成する。部分16b内には、y方向に間隔を開けて複数の溝20を形成する。また、図4に示すように、ダイシング領域16内にアライメントマーク24が設けられている位置では、アライメントマーク24を避けて溝20を形成する。溝20がアライメントマーク24に干渉しないので、その後の工程でアライメントマーク24に基づいて加工を行うことができる。
【0021】
(エピタキシャル成長工程)
次に、エピタキシャル成長工程を実施する。エピタキシャル成長工程では、図5、6に示すように、SiC基板12の上面12a上に、SiCによって構成された半導体層30をエピタキシャル成長させる。すなわち、素子領域14内とダイシング領域16内の上面12a全体に、半導体層30をエピタキシャル成長させる。ここでは、溝20の深さよりも厚みが薄い半導体層30を上面12a上に成長させる。このとき、ダイシング領域16内では、溝20の内面にも半導体層30が成長する。半導体層30がSiC基板12の結晶方向に倣って成長するため、溝20内において結晶の成長速度に異方性が生じる。
【0022】
図5に示すように、溝20のx方向における両端部を構成する2つの側面20x1、20x2のうち、側面20x1には速い速度で半導体層30が成長する。したがって、側面20x1には厚い半導体層30が形成される。側面20x2には半導体層30が成長し難い。したがって、側面20x2には半導体層30がほとんど形成されない。側面20x1には厚い半導体層30が形成されるが、半導体層30の形成前の溝20の長さL1が十分に長いので、側面20x1から成長する半導体層30によって溝20が埋め込まれることが防止される。図6に示すように、溝20のy方向における両端部を構成する2つの側面20y1、20y2には、半導体層30が成長し難い。したがって、側面20y1、20y2には半導体層30がほとんど形成されない。このため、半導体層30の形成前の溝20の幅W1が狭くても、側面20y1、20y2から成長する半導体層30によって溝20が埋め込まれることが防止される。したがって、半導体層30の形成後に、半導体層30の上面に溝20が残存する。
【0023】
(イオン注入工程)
次に、イオン注入工程を実施する。イオン注入工程では、図7、8に示すように、半導体層30にp型またはn型の不純物をイオン注入する。ここでは、素子領域14内の半導体層30に選択的に不純物を注入する。これによって、素子領域14内に、p型層またはn型層を形成する。図7、8の矢印100に示すように、半導体層30に不純物を注入すると、不純物が注入された範囲内で半導体層30が膨張する。SiC基板12の下面近傍の部分はほとんど膨張しないので、矢印100に示すように半導体層30が膨張すると、SiC基板12が上に凸となるように反ろうとする。しかしながら、半導体層30の上面に溝20が設けられているので、半導体層30の膨張量が溝20によって吸収される。したがって、SiC基板12内で発生する応力が緩和され、SiC基板12の反りが抑制される。
【0024】
イオン注入後に、SiC基板12の素子領域14に対して種々の加工が行われる。SiC基板12の反りが少ないので、各加工工程において不具合が抑制される。
【0025】
素子領域14に対する必要な加工が完了したら、ダイシング領域16の部分16a、16bに沿ってダイシングを行うことで、ダイシング領域16を除去する。これによって、素子領域14を個別の半導体装置に分割する。以上の工程によって、半導体装置が製造される。
【0026】
以上に説明したように、実施例1の製造方法では、x方向(すなわち、[11-20]方向に沿う方向)に長い溝20を形成し、その後、半導体層30をエピタキシャル成長させる。溝20がx方向に長いので、側面20x1において半導体層30が厚く成長しても、溝20が埋まらない。また、溝20のy方向における幅が狭いが、半導体層30が側面20y1、20y2に厚く成長しないので、溝20が埋まらない。したがって、エピタキシャル成長工程後に溝20が残存する。このため、その後のイオン注入工程において、SiC基板12で生じる応力を緩和し、SiC基板12の反りを抑制できる。
【0027】
また、実施例1の製造方法では、SiC基板12の反り抑制のために形成される溝20の幅が狭い。なお、ダイシング領域16に沿って幅が広い溝を形成することによってもSiC基板12の反りを抑制することはできる。しかしながら、この場合、SiC基板12のエッチング量が多く、エッチング領域全体を精度よく加工することが困難である。また、エッチングに要する加工時間も長くなる。特に、SiCのエッチングには通常はドライエッチングが用いられるが、ドライエッチングでは広いエッチング領域を適切にエッチングすることは困難である。これに対し、実施例1のように幅が狭い溝20を複数形成する場合には、エッチング領域の面積が狭く、複数の溝20を短時間で高精度に形成することができる。このように、実施例1の製造方法では、溝形成工程を適切かつ短時間で実施することができる。
【実施例0028】
実施例2の製造方法では、溝形成工程で形成する溝の形状が実施例1とは異なる。実施例2の製造方法のその他の構成は、実施例1と等しい。実施例2では、溝20が、図9に示す形状を有している。溝20は、x方向の両端部20a、20bに隣接する部分22a、22bを有している。端部20aに隣接する部分22aは、端部20aに近づくにしたがって幅が細くなる形状を有している。端部20bに隣接する部分22bは、端部20bに近づくにしたがって幅が細くなる形状を有している。この構成によれば、部分22aの側面23a及び部分22bの側面23bがy方向に対して傾斜しているので、エピタキシャル成長工程において側面23a、23bに半導体層30がより成長し難い。したがって、半導体層30の形成後に溝20がより残存し易い。したがって、イオン注入工程において、SiC基板12に反りが生じ難い。
【0029】
また、他の例では、図10に示すように、溝20がx方向に長い楕円形状を有していてもよい。
【0030】
また、他の例では、図11、12に示すように、半導体層30を溝20の深さよりも厚く形成してもよい。この構成でも、半導体層30の上面に溝20を残存させることができる。したがって、イオン注入工程において、SiC基板12に反りが生じ難い。
【0031】
なお、上述した実施例1、2では、溝形成工程、エピタキシャル成長工程、イオン注入工程の順序でこれらの工程を実施した。しかしながら、他の例では、溝形成工程、イオン注入工程、エピタキシャル成長工程の順序でこれらの工程を実施してもよい。溝形成工程後のイオン注入工程では、SiC基板12の上面12aに不純物をイオン注入する。溝形成工程で溝20が形成されているので、イオン注入工程でSiC基板12の反りが抑制される。その後のエピタキシャル工程では、溝20がx方向に長い形状を有しているので、半導体層30の上面に溝20が残存する。このように溝20が残存することで、エピタキシャル工程の後もSiC基板12の反りを抑制できる。
【0032】
実施例のx方向は第1方向の一例である。実施例のy方向は第2方向の一例である。
【0033】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0034】
12:SiC基板、14:素子領域、16:ダイシング領域、20:溝、24:アライメントマーク、30:半導体層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12