(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185790
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】微細気泡発生装置
(51)【国際特許分類】
B01F 23/20 20220101AFI20221208BHJP
B01F 25/40 20220101ALI20221208BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
B01F3/04 Z
B01F5/06
A47K3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093629
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB04
4G035AC26
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】微細気泡を大量に生成することができる技術を提供する。
【解決手段】微細気泡発生装置は、流入部と、流出部と、流入部と流出部との間に設けられており、第1の流路を備える第1の微細気泡生成部と、第1の微細気泡生成部と流出部との間に設けられており、第2の流路を備える第2の微細気泡生成部と、を備えている。第1の流路は、縮径流路と、拡径流路と、を備えている。第2の流路は、案内流路と、衝突流路と、を備えている。衝突流路には、第1の軸受部と、第1の軸受部に回転可能に取付けられている第1の羽根車と、が設けられている。第1の羽根車は、案内流路を通過した水が衝突する位置に設けられており、第2の流路の流路軸に直交するように設けられている円板部と、円板部の下流側の面に設けられており、第1の軸受部に回転可能に取付けられている第1の回転軸部と、円板部の上流側の面に設けられている第1の羽根部と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡発生装置であって、
気体溶解水が流入する流入部と、
前記気体溶解水が流出する流出部と、
前記流入部と前記流出部との間に設けられており、第1の流路を備える第1の微細気泡生成部と、
前記第1の微細気泡生成部と前記流出部との間に設けられており、第2の流路を備える第2の微細気泡生成部と、を備えており、
前記第1の流路は、
上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、
前記縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えており、
前記第2の流路は、
前記第2の流路に流入する前記気体溶解水を、前記第2の流路の流路軸の中心方向に案内する案内流路と、
前記案内流路の下流に設けられており、衝突流路壁部によって画定される衝突流路と、を備えており、
前記衝突流路には、
第1の軸受部と、
前記第1の軸受部に回転可能に取付けられている第1の羽根車と、が設けられており、
前記第1の羽根車は、
前記案内流路を通過した水が衝突する位置に設けられており、前記第2の流路の前記流路軸に直交するように設けられている円板部と、
前記円板部の下流側の面に設けられており、前記第1の軸受部に回転可能に取付けられている第1の回転軸部と、
前記円板部の上流側の面に設けられている第1の羽根部と、を備えている、微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記微細気泡発生装置は、さらに、
前記第1の微細気泡生成部と前記流出部との間に設けられており、第3の流路を有する第3の微細気泡生成部を備えており、
前記第3の流路には、
第2の軸受部と、
前記第2の軸受部に回転可能に取付けられており、前記第3の流路の流路軸に沿って延びる第2の回転軸部、及び、前記第2の回転軸部に接続されており、前記第2の回転軸部から径方向外側に延びる第2の羽根部を有する第2の羽根車と、が設けられている、請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記第3の微細気泡生成部は、さらに、
前記第2の羽根部よりも下流に設けられており、前記第2の軸受部と前記第3の流路を画定する壁部とを接続するリブ部を備えている、請求項2に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記第2の微細気泡生成部は、前記第3の微細気泡生成部と前記流出部との間に設けられている、請求項2又は3に記載の微細気泡発生装置。
【請求項5】
前記衝突流路には、さらに、
前記第1の回転軸部の径方向において、前記衝突流路壁部と前記第1の羽根車との間に設けられており、前記第1の回転軸部の軸方向に沿って延びる軸方向延伸部が設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
【請求項6】
前記第1の羽根部は、前記第1の回転軸部の前記径方向における内側の第1の端部が、外側の第2の端部よりも前記第1の回転軸部に対する第1の回転方向側に位置しており、
前記軸方向延伸部は、前記径方向における内側の第3の端部が、外側の第4端部よりも前記第1の回転方向側とは逆方向である第2の回転方向側に位置している、請求項5に記載の微細気泡発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気体溶解水が流入する流入部と、気体溶解水が流出する流出部と、流入部と流出部との間に設けられている微細気泡生成部と、を備える微細気泡発生装置が開示されている。微細気泡生成部は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の微細気泡発生装置では、気体が溶解している水(以下では、「気体溶解水」と記載することがある)が、流入部を経由して、微細気泡生成部の縮径流路に流入する。気体溶解水は、縮径流路を通過することによって、流速が上昇し、その結果減圧される。気体溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、気体溶解水は、拡径流路を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の気体溶解水が増圧されると、気体溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。このように、特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡生成部によって微細気泡が生成される。しかしながら、特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡発生装置によって生成される微細気泡の量が不十分な状況が発生する。
【0005】
本明細書では、微細気泡を大量に生成することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される微細気泡発生装置は、気体溶解水が流入する流入部と、気体溶解水が流出する流出部と、前記流入部と前記流出部との間に設けられており、第1の流路を備える第1の微細気泡生成部と、前記第1の微細気泡生成部と前記流出部との間に設けられており、第2の流路を備える第2の微細気泡生成部と、を備えており、前記第1の流路は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、前記縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えており、前記第2の流路は、前記第2の流路に流入する前記気体溶解水を、前記第2の流路の流路軸の中心方向に案内する案内流路と、前記案内流路の下流に設けられており、衝突流路壁部によって画定される衝突流路と、を備えており、前記衝突流路には、第1の軸受部と、前記第1の軸受部に回転可能に取付けられている第1の羽根車と、が設けられており、前記第1の羽根車は、前記案内流路を通過した気体溶解水が衝突する位置に設けられており、前記第2の流路の前記流路軸に直交するように設けられている円板部と、前記円板部の下流側の面に設けられており、前記第1の軸受部に回転可能に取付けられている第1の回転軸部と、前記円板部の上流側の面に設けられている第1の羽根部と、を備えている。
【0007】
上記の構成によると、気体溶解水が、流入部を経由して、第1の微細気泡生成部の縮径流路に流入する。気体溶解水が縮径流路を通過すると、流速が上昇し、その結果減圧される。気体溶解水が減圧されると、気泡が発生する。次いで、気体溶解水は、拡径流路を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の気体溶解水が増圧されると、気体溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。第1の微細気泡生成部を通過した気体溶解水は、第2微細気泡生成部に流入する。第2微細気泡生成部に流入する気体溶解水は、案内流路を通過して、衝突流路に流入し、衝突流路に設けられている第1の羽根車の円板部に衝突する。案内流路によって第2微細気泡生成部に流入する気体溶解水が第2の流路の流路軸の中心方向、即ち、円板部の中心方向に案内されるために、気体溶解水の多くが、円板部の中心部の近傍に衝突する。円板部の上流側の面に第1の羽根部が設けられているために、円板部に衝突した気体溶解水は、第1の羽根部に沿って流れるとともに、円板部が第1の軸受部に対して回転する。円板部が第1の軸受部に対して回転することによって、第1の羽根部に沿って流れる気体溶解水が、円板部の径方向外側に押し出され、衝突流路を画定する衝突流路壁部に衝突する。気体溶解水が衝突流路壁部に衝突することによって、第1の微細気泡生成部で生成された微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。従って、微細気泡を大量に生成することができる。
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、微細気泡発生装置は、さらに、第1の微細気泡生成部と流出部との間に設けられており、第3の流路を有する第3の微細気泡生成部を備えていてもよい。第3の流路には、第2の軸受部と、第2の軸受部に回転可能に取付けられており、第3の流路の流路軸に沿って延びる第2の回転軸部、及び、第2の回転軸部に接続されており、第2の回転軸部から径方向外側に延びる第2の羽根部を有する第2の羽根車と、が設けられていてもよい。
【0009】
上記の構成によると、第1の微細気泡生成部を通過した気体溶解水が第3の微細気泡生成部の第3の流路に流入する。気体溶解水が第3の流路に設けられている第2の羽根車の第2の羽根部に衝突することによって、第2の羽根車が第2の軸受部に対して回転する。そして、第2の羽根車を通過する気体溶解水内の微細気泡は、気体溶解水が第2の羽根車を通過する際に、回転している第2の羽根部によってせん断される。これにより、気体溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第3の微細気泡生成部は、さらに、第2の羽根部よりも下流に設けられており、第2の軸受部と第3の流路を画定する壁部とを接続するリブ部を備えていてもよい。
【0011】
上記の構成によると、第2の羽根車を通過した気体溶解水がリブ部を通過する際に、リブ部によって気体溶解水内の微細気泡がせん断される。これにより、気体溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において第2の微細気泡生成部は、第3の微細気泡生成部と流出部との間に設けられていてもよい。
【0013】
第2の微細気泡生成部では、気体溶解水が円板部、及び、衝突流路壁部に衝突して、気体溶解水の流路方向が大きく変化する。一方、第3の微細気泡生成部では、気体溶解水の流路方向は大きくは変化しない。このため、第2の微細気泡生成部の第2の流路の圧力損失は、第3の微細気泡生成部の第3の流路の圧力損失よりも大きく、気体溶解水の流れが淀みやすい。流れが淀む前の気体溶解水を第3の微細気泡生成部に流入させることで、多くの微細気泡を発生させることができる。上記の構成によると、第3の微細気泡生成部が、第2の微細気泡生成部と流出部との間に設けられている構成と比較して、第3の微細気泡生成部に流入する前の圧力損失を小さくすることができ、流れが淀む前の気体溶解水が第2の微細気泡生成部に流入する。従って、第3の微細気泡生成部において、気体溶解がよりせん断されやすくなり、その結果、より多くの微細気泡を発生させることができる。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、衝突流路には、さらに、第1の回転軸部の径方向において、衝突流路壁部と第1の羽根車との間に設けられており、第1の回転軸部の軸方向に沿って延びる軸方向延伸部が設けられていてもよい。
【0015】
気体溶解水の衝突回数を増加させることによって、微細気泡がより微細化されるとともに、微細気泡の量が増加する。上記の構成によると、円板部の径方向外側に押し出された気体溶解水の一部は、軸方向延伸部に衝突した後に、衝突流路壁部に衝突する。このため、衝突流路に軸方向延伸部が設けられていない構成と比較して、気体溶解水の衝突回数を増加させることができる。従って、気体溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1の羽根部は、第1の回転軸部の径方向における内側の第1の端部が、外側の第2の端部よりも第1の回転軸部に対する第1の回転方向側に位置しており、軸方向延伸部は、径方向における内側の第3の端部が、外側の第4端部よりも第1の回転方向側とは逆方向である第2の回転方向側に位置していてもよい。
【0017】
上記の構成によると、円板部に衝突した気体溶解水が第1の羽根部を通過することによって、円板部は、第1の回転軸受部に対して、第1の回転方向に回転する。そして、第1の羽根車から径方向外側に押し出される気体溶解水は、第1の回転方向とは逆方向である第2の回転方向に流れながら、径方向外側に押し出される。軸方向延伸部の第3の端部が第4端部よりも第2の回転方向側に位置しているために、径方向外側に押し出された気体溶解水が、軸方向延伸部に衝突しやすい。そして、軸方向延伸部に衝突した気体溶解水は、径方向外側、即ち、衝突流路壁部側に流れるようになる。このため、軸方向延伸部に衝突した気体溶解水を衝突流路壁部に衝突させることができる。従って、気体溶解水の衝突回数を増加させることができ、気体溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例に係る給湯システム2の構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施例に係る微細気泡発生装置46の斜視図である。
【
図3】実施例に係る微細気泡発生装置46の断面図である。
【
図4】実施例に係る微細気泡発生装置46の本体ケース100を取外した状態の斜視図である。
【
図6】実施例に係る上流側微細気泡生成部110を上流側から見た図である。
【
図7】実施例に係る上流側微細気泡生成部110を下流側から見た図である。
【
図8】実施例に係る中間微細気泡生成部112を上流側から見た分解図である。
【
図9】実施例に係る中間微細気泡生成部112を下流側から見た分解図である。
【
図10】実施例に係る下流側微細気泡生成部114を上流側から見た分解図である。
【
図11】実施例に係る下流側微細気泡生成部114を下流側から見た分解図である。
【
図12】
図3のXII-XII線に沿った断面図である。
【
図13】
図3のXIII-XIII線に沿った断面図である。
【
図14】
図3のXIV-XIV線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施例)
(給湯システム2の構成;
図1)
図1に示す給湯システム2は、上水道などの給水源4から供給される水を加熱して、所望の温度まで加熱された水を、台所等に設置されたカラン6や、浴室に配置された浴槽8に供給することができる。また、給湯システム2は、浴槽8の水の追い焚きを行うことができる。
【0020】
給湯システム2は、第1の熱源機10と、第2の熱源機12と、燃焼室14と、を備えている。第1の熱源機10は、カラン6への給湯や浴槽8への湯はりのために使用される熱源機である。第2の熱源機12は、浴槽8の追い焚きのために使用される熱源機である。燃焼室14の内部は、仕切り壁部16によって、第1の燃焼室18と第2の燃焼室20に区画されている。第1の燃焼室18には、第1の熱源機10が収容されており、第2の燃焼室20には、第2の熱源機12が収容されている。
【0021】
第1の熱源機10は、第1のバーナ22と、第1の熱交換器24と、を備えている。第2の熱源機12は、第2のバーナ26と、第2の熱交換器28と、を備えている。
【0022】
第1の熱源機10の第1の熱交換器24の上流端は、給水路30の下流端に接続している。給水路30の上流端には、給水源4から水が供給される。第1の熱交換器24の下流端は、給湯路32の上流端に接続している。給水路30と給湯路32は、バイパス路34によって接続されている。給水路30とバイパス路34の接続箇所には、バイパスサーボ36が設けられている。バイパスサーボ36は、給水路30から第1の熱源機10に送られる水の流量と、給水路30からバイパス路34へ送られる水の流量の割合を調整する。バイパス路34と給湯路32の接続箇所において、給水路30、及び、バイパス路34を経由する低温水と、給水路30、第1の熱源機10、及び、給湯路32を経由する高温水とが混合される。バイパスサーボ36よりも上流側の給水路30には、水量センサ38と、水量サーボ40が設けられている。水量センサ38は、給水路30を流れる水の流量を検出する。水量サーボ40は、給水路30を流れる水の流量を調整する。バイパス路34との接続箇所よりも上流側の給湯路32には、熱交換器出口サーミスタ42が設けられている。
【0023】
バイパス路34の接続箇所よりも下流側の給湯路32には、湯はり路50の上流端が接続している。給湯路32と湯はり路50との接続箇所には、給湯サーミスタ44が設けられている。給湯路32とバイパス路34との接続箇所と、給湯路32と湯はり路50との接続箇所と、の間には、微細気泡発生装置46が設けられている。微細気泡発生装置46については、後で詳しく説明する。なお、以下では、給湯路32のうち微細気泡発生装置46よりも上流側の水路を第1の給湯路32aと記載し、給湯路32のうち微細気泡発生装置46よりも下流側の水路を第2の給湯路32bと記載することがある。
【0024】
湯はり路50の下流端は、追い焚き往路60の上流端、及び、第1の浴槽循環路62の下流端に接続している。追い焚き往路60の下流端は、第2の熱交換器28の上流端に接続している。第1の浴槽循環路62の上流端は、浴槽8に接続している。湯はり路50には、湯はり制御弁52と、逆止弁54と、が設けられている。湯はり制御弁52は、湯はり路50を開閉する。逆止弁54は、湯はり路50の上流側から下流側へ向かう水の流れを許容し、湯はり路50の下流側から上流側へ向かう水の流れを禁止する。湯はり路50、追い焚き往路60、及び、第1の浴槽循環路62の接続箇所には、浴槽戻りサーミスタ64が設けられている。追い焚き往路60には、循環ポンプ66が設けられている。
【0025】
第2の熱源機12の第2の熱交換器28の下流端は、第2の浴槽循環路68の上流端に接続している。第2の浴槽循環路68の下流端は、浴槽8に接続している。第2の浴槽循環路68には、浴槽往きサーミスタ70が設けられている。
【0026】
給湯システム2がカラン6への給湯を行う際には、湯はり制御弁52が閉じている状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。この場合、給水源4から給水路30に供給される水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、給湯路32からカラン6へ供給される。第1の熱源機10の第1のバーナ22の燃焼量や、バイパスサーボ36の開度を調整することで、給湯路32を流れる水の温度を所望の温度に調整することができる。
【0027】
給湯システム2が浴槽8への湯はりを行う際には、湯はり制御弁52が開いた状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。この場合、給水源4から給水路30に供給される水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、給湯路32から湯はり路50に流入する。第1の熱源機10の第1のバーナ22の燃焼量の調整や、バイパスサーボ36の開度の調整によって、所望の温度に調整された水は、湯はり路50へ流入する。湯はり路50へ流入した水は、第1の浴槽循環路62を経由して、浴槽8へ流入するとともに、追い焚き往路60、第2の浴槽循環路68を経由して、浴槽8へ流入する。
【0028】
給湯システム2が浴槽8の追い焚きを行う際には、湯はり制御弁52が閉じている状態で、循環ポンプ66が駆動し、第2の熱源機12の第2のバーナ26が燃焼する。この場合、浴槽8の水は、第1の浴槽循環路62に流入し、追い焚き往路60を経由して、第2の熱源機12へ送られる。第2の熱源機12へ送られた水は、第2の熱交換器28での熱交換によって加熱された後、第2の浴槽循環路68へ流入する。第2の熱源機12の第2のバーナ26の燃焼量の調整によって、所望の温度に調整された水は、第2の浴槽循環路68へ流入する。第2の浴槽循環路68へ流入した水は、浴槽8へ戻される。
【0029】
(微細気泡発生装置46の構成;
図2~
図14)
続いて、
図2~
図14を参照して、給湯路32に設けられている微細気泡発生装置46について説明する。なお、以下で記載する「時計回り方向」、及び、「反時計回り方向」は、微細気泡発生装置46の中心軸A方向において、微細気泡発生装置46を上流側から見たときの方向を意味している。以下では、微細気泡発生装置46の中心軸Aを、単に「中心軸A」と記載することがある。
図2に示すように、微細気泡発生装置46は、本体ケース100と、流入部102と、流出部104と、を備えている。本体ケース100の外壁部100aは、四角柱形状を有している。本体ケース100の中心軸は、中心軸Aと一致する。
図12に示すように、微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、本体ケース100の内壁部100bは、円形状を有している。
図3の流入部102は、ネジ(図示省略)によって、本体ケース100の上流端部100cに固定されている。流入部102には、流入口102aが形成されている。流入部102は、第1の給湯路32a(
図1参照)の下流端に接続している。流出部104は、ネジ(図示省略)によって、本体ケース100の下流端部100dに固定されている。流出部104には、流出口104aが形成されている。流出部104は、第2の給湯路32b(
図1参照)の上流端に接続している。
【0030】
本体ケース100には、上流側微細気泡生成部110と、中間微細気泡生成部112と、下流側微細気泡生成部114と、が収容されている。上流側微細気泡生成部110と、中間微細気泡生成部112と、下流側微細気泡生成部114は、中心軸Aに沿って設けられている。上流側微細気泡生成部110、中間微細気泡生成部112、及び、下流側微細気泡生成部114は、上流側微細気泡生成部110、中間微細気泡生成部112、下流側微細気泡生成部114の順に、上流側から下流側に設けられている。
【0031】
(上流側微細気泡生成部110の構成;
図3~
図7)
続いて、
図3~
図7を参照して、上流側微細気泡生成部110について説明する。
図3、
図4に示すように、上流側微細気泡生成部110は、円筒形状を有している。
図3に示すように、上流側微細気泡生成部110の外径と本体ケース100の内径とは同じである。上流側微細気泡生成部110の中心軸は、中心軸Aと一致する。
【0032】
図3、
図6、
図7に示すように、上流側微細気泡生成部110には、8個のベンチュリ部120a~120hが設けられている。ベンチュリ部120aは、上流側微細気泡生成部110の中心部に設けられている。ベンチュリ部120aは、中心軸A上に設けられている。
図3に示すように、ベンチュリ部120aの上流部には、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路122aが設けられている。縮径流路122aの上流端部の流路径は、流入部102の流入口102aの流路径よりも小さい。ベンチュリ部120aの縮径流路122aよりも下流側には、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路124aが設けられている。
【0033】
図6、
図7に示すように、ベンチュリ部120b~120hは、ベンチュリ部120aに対して中心軸Aの径方向外側に設けられている。ベンチュリ部120b~120hは、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。ベンチュリ部120b~120hには、ベンチュリ部120aと同様に、縮径流路122b~122h(
図6参照)及び拡径流路124b~124h(
図7参照)が設けられている。縮径流路122a~122h及び拡径流路124a~124hによって、上流側微細気泡生成部110内の上流側流路126が画定される。なお、上流側微細気泡生成部110に設けられるベンチュリ部120の数は、8個に限定されず、1~7個でもよいし、9個以上であってもよい。
図3に示すように、流入部102から上流側微細気泡生成部110に流入する水は、上流側流路126を経由して、中間微細気泡生成部112に流入する。
【0034】
(中間微細気泡生成部112の構成;
図3~5、
図8、
図9)
続いて、
図3~
図5、
図8、
図9を参照して、中間微細気泡生成部112について説明する。
図8、
図9に示すように、中間微細気泡生成部112は、中間固定部130と、中間回転部132と、を備えている。
【0035】
中間固定部130は、第1の中間円筒部140と、中間軸受部142と、5個の中間リブ部144と、を備えている。第1の中間円筒部140、中間軸受部142、及び、5個の中間リブ部144は、一体的に形成されている。
図3に示すように、第1の中間円筒部140の外径と本体ケース100の内径とは同じである。第1の中間円筒部140及び中間軸受部142の中心軸は、中心軸Aと一致する。第1の中間円筒部140の上流端部は、上流側微細気泡生成部110の下流端部に接続されている。中間軸受部142は、中間固定部130の下流部に設けられている。
図8、
図9に示すように、中間リブ部144は、第1の中間円筒部140の内壁部と中間軸受部142の外壁部とを接続している。中間リブ部144は、中心軸Aに対して垂直に延びている。5個の中間リブ部144は、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。
図3に示すように、中間固定部130(詳細には第1の中間円筒部140)によって、中間微細気泡生成部112内の中間流路146が画定される。中間流路146の流路軸は、中心軸Aと一致する。
【0036】
図8、
図9に示すように、中間回転部132は、第2の中間円筒部150と、中間回転軸部152と、5個の中間羽根部154と、を備えている。第2の中間円筒部150、中間回転軸部152、及び、中間羽根部154は、一体的に形成されている。
図3に示すように、第2の中間円筒部150の外径は、中間固定部130の第1の中間円筒部140の内径よりもわずかに小さい。第2の中間円筒部150及び中間回転軸部152の中心軸は、中心軸Aと一致する。即ち、第2の中間円筒部150及び中間回転軸部152は、中間流路146の流路軸に沿って延びている。中間回転軸部152の下流端部は、中心軸A周りに回転可能に中間固定部130の中間軸受部142に取付けられている。
図8、
図9に示すように、中間羽根部154は、第2の中間円筒部150の内壁部に接続されており、第2の中間円筒部150の内壁部から径方向外側に延びて、中間回転軸部152の外壁部に接続されている。
図8に示すように、中間羽根部154は、中心軸Aに沿って、中間回転部132を上流側から見たときに、時計回り方向に向かうにつれて、下流側に傾斜している。
図3に示すように、上流側微細気泡生成部110から中間微細気泡生成部112に流入する水は、中間流路146を経由して、下流側微細気泡生成部114に流入する。
【0037】
(下流側微細気泡生成部114の構成;
図3~
図5、
図10、
図11)
続いて、
図3~
図5、
図10、
図11を参照して、下流側微細気泡生成部114について説明する。
図10、
図11に示すように、下流側微細気泡生成部114は、第1の下流側固定部160と、下流側回転部162と、第2の下流側固定部164と、を備えている。
【0038】
第1の下流側固定部160は、第1の下流側円筒部170と、下流側軸受部172と、4個の下流側リブ部174と、を備えている。第1の下流側円筒部170、下流側軸受部172、及び、4個の下流側リブ部174は、一体的に形成されている。
図3に示すように、第1の下流側円筒部170の外径と本体ケース100の内径とは同じである。第1の下流側円筒部170及び下流側軸受部172の中心軸は、中心軸Aと一致する。第1の下流側円筒部170の下流端部は、流出部104の上流端部に接触する。
図10に示すように、第1の下流側円筒部170の上流端部には、2個の凹部170aが設けられている。下流側リブ部174は、第1の下流側円筒部170の内壁部と下流側軸受部172の外壁部とを接続している。下流側リブ部174は、中心軸Aに対して垂直に延びている。4個の下流側リブ部174は、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0039】
図10、
図11に示すように、下流側回転部162は、円板部180と、下流側回転軸部182と、下流側羽根部184と、フランジ部186と、を備えている。
図3に示すように、円板部180は、後述する下流側流路222の流路軸に直交するように設けられている。なお、下流側流路222の流路軸は、微細気泡発生装置46の中心軸Aと一致する。また、円板部180の中心軸は、微細気泡発生装置46の中心軸A、即ち下流側流路222の流路軸と一致する。
図11に示すように、下流側回転軸部182は、円板部180の下流側の面180aから下流側に延びている。
図3に示すように、下流側回転軸部182の下流端部は、中心軸A周りに回転可能に第1の下流側固定部160の下流側軸受部172に取付けられている。円板部180の外径は、第1の下流側円筒部170の内径よりも小さい。円板部180の上流側の面180bの中心部は、上流側に突出している。
図10に示すように、下流側羽根部184は、円板部180の上流側の面180b上に設けられている。
図14に示すように、中心軸Aに沿って、上流側から下流側羽根部184を見た場合に、下流側羽根部184は、中心軸Aの径方向内側の内側端部184aが、中心軸Aの径方向外側の外側端部184bよりも反時計回り方向側に位置するように湾曲している。下流側羽根部184の中央部は、内側端部184aと外側端部184bとを結んだ仮想線よりも、反時計回り方向側に位置している。下流側羽根部184のうち、外側端部184bは、円板部180から外側に延びている。
図10に示すように、下流側羽根部184は、さらに、内側端部184aから上流側に延びる延伸部184cを備えている。フランジ部186は、延伸部184cよりも径方向外側に設けられている。フランジ部186は、外側端部184bの上流側の面に設けられている。
【0040】
図10に示すように、第2の下流側固定部164は、案内部190と、軸方向延伸部192と、を備えている。案内部190は、円筒形状を有している。
図3に示すように、案内部190の外径と本体ケース100の内径とは同じである。案内部190の中心軸は、中心軸Aと一致する。案内部190には、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する案内流路200が設けられている。案内流路200の上流側の流路径は、中間微細気泡生成部112の第1の中間円筒部140の下流端部の流路径と同じである。案内流路200の下流側の流路径は、円板部180の外径よりも小さい。
【0041】
図11に示すように、軸方向延伸部192は、4個の第1の軸方向延伸部210と、12個の第2の軸方向延伸部212と、を備えている。第1の軸方向延伸部210及び第2の軸方向延伸部212は、案内部190の下流端部から下流側に延びている。
図14に示すように、第1の軸方向延伸部210及び第2の軸方向延伸部212は、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。第1の軸方向延伸部210の外壁部、及び、第2の軸方向延伸部212の外壁部をつなぐことによって形成される円の直径は、本体ケース100の内径と同じである。中心軸Aの円周方向において隣り合う第1の軸方向延伸部210の間には、3個の第2の軸方向延伸部212が設けられている。微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、第1の軸方向延伸部210の側壁部210aは、中心軸Aと第1の軸方向延伸部210の円周方向の中心部とを結んだ仮想線に対して平行である。第2の軸方向延伸部212の側壁部212aは、中心軸Aの径方向内側の内側端部212bが径方向外側の外側端部212cよりも時計回り方向側に位置するように傾斜している。
【0042】
図11に示すように、4個の第1の軸方向延伸部210のうち、第1の下流側固定部160の第1の下流側円筒部170の凹部170a(
図10参照)に対応する位置に設けられている2個の第1の軸方向延伸部210の下流端には、下流側に突出する突出部210bが設けられている。
図3に示すように、軸方向延伸部192の径方向外側に位置する本体ケース100の内壁部100bによって、衝突流路220が画定される。案内流路200、及び、衝突流路220によって、下流側微細気泡生成部114内の下流側流路222が画定される。以下では、本体ケース100の内壁部100bのうち、衝突流路220を画定する部分のことを、「衝突流路壁部」と記載することがある。
【0043】
続いて、
図3、
図12~
図14を参照して、微細気泡発生装置46によって生成される微細気泡について説明する。なお、
図13の実線の矢印、
図14の実線の矢印、及び、
図14の破線の矢印は、水の流れる方向を示している。本実施例の微細気泡発生装置46は、上水道等の給水源4から供給される水に含まれる空気を利用して、微細気泡を生成する。上水道から供給される水には空気(酸素、二酸化炭素、窒素等)が溶解している。以下では、空気が溶解している水を、「空気溶解水」と記載する。また、以下では、ユーザによってカラン6が操作される状況を想定して説明する。
図1に示すように、ユーザによってカラン6が操作されると、湯はり制御弁52が閉じている状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。給水源4から給水路30に供給される空気溶解水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、第1の給湯路32aを経由して、微細気泡発生装置46に流入する。
【0044】
微細気泡発生装置46によって生成される微細気泡について説明する前に、微細気泡発生装置46が第1の給湯路32aに設けられている理由について説明する。水に溶解可能な空気の量を示す溶存空気量は、水の温度が高いほど小さくなる。そして、水に溶解している空気の量が溶存空気量に近いほど、気泡が発生しやすい。後で詳しく説明するが、微細気泡発生装置46では、空気溶解水に気泡を発生させ、当該気泡を微細にすることによって、微細気泡を生成している。このため、空気溶解水に生成される気泡が多いほど、微細気泡の量を多くすることができる。このような理由により、本実施例では、第1の熱源機10によって加熱された水が流れる第1の給湯路32aに微細気泡発生装置46を設けている。
【0045】
図3に示すように、微細気泡発生装置46へ流入した空気溶解水は、流入部102の流入口102aを経由して、上流側微細気泡生成部110内の上流側流路126に流入する。上流側流路126へ流入した空気溶解水は、ベンチュリ部120a~120hに流入する。例えば、ベンチュリ部120aへ流入した空気溶解水は、縮径流路122aに流入する。縮径流路122aに流入した空気溶解水は、縮径流路122aを通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。空気溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。縮径流路122aを通過した空気溶解水は、拡径流路124aに流入する。拡径流路124aに流入した空気溶解水は、拡径流路124aを通過することによって、流速が減少し、その結果増圧される。減圧によって気泡が発生した後の空気溶解水が増圧されると、空気溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。拡径流路124aを通過した水は、中間微細気泡生成部112の中間流路146に流入する。このように、空気溶解水がベンチュリ部120aを通過することによって、微細気泡が生成される。ベンチュリ部120b~120hを通過する空気溶解水についても、空気溶解水がベンチュリ部120b~120hを通過することによって微細気泡が生成される。上流側微細気泡生成部110内の上流側流路126を通過した空気溶解水は、中間微細気泡生成部112の中間流路146に流入する。
【0046】
中間微細気泡生成部112の中間流路146へ流入した空気溶解水は、中間回転部132の中間羽根部154に衝突する。
図12に示すように、空気溶解水が中間羽根部154に衝突することによって、中間羽根部154は、反時計回り方向に回転する。そして、反時計回り方向に回転している中間羽根部154を空気溶解水が通過する際に、空気溶解水内の微細気泡がせん断され、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。また、中間羽根部154を通過する水は、時計回り方向に旋回しながら、下流側に流れていく。
【0047】
次いで、中間羽根部154を通過した空気溶解水は、時計回り方向に旋回しながら、中間リブ部144に到達する。そして、
図13に示すように、空気溶解水が中間リブ部144を通過する際に、中間リブ部144によって空気溶解水内の微細気泡がせん断され、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。
図3に示すように、中間微細気泡生成部112の中間流路146を通過した空気溶解水は、下流側微細気泡生成部114の下流側流路222に流入する。
【0048】
下流側微細気泡生成部114の下流側流路222に流入した空気溶解水は、案内流路200に流入する。上述のように、案内流路200の流路軸と、円板部180の中心軸と、は、一致する。このため、上流から下流に向かうにつれて縮径する案内流路200を通過する気体溶解水は、下流側回転部162の円板部180の上流側、及び、下流側流路222の流路軸の中心方向(即ち円板部180の中心方向)に導かれる。このため、案内流路200を通過した空気溶解水の多くは、円板部180の中心部の近傍に衝突する。空気溶解水は、円板部180に衝突すると、円板部180の上流側の面180a、及び、下流側羽根部184に沿って流れるようになる。円板部180の上流側の面180a、及び、下流側羽根部184に沿って空気溶解水が流れることによって、下流側回転部162が反時計回り方向に回転する。そして、
図14に示すように、空気溶解水は、時計回り方向に流れながら、下流側回転部162から径方向外側に押し出される。下流側回転部162から径方向外側に押し出された空気溶解水は、衝突流路壁部(即ち内壁部100b)、第1の軸方向延伸部210、及び、第2の軸方向延伸部212に衝突する。空気溶解水が衝突流路壁部、第1の軸方向延伸部210、及び、第2の軸方向延伸部212に衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂し、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。また、一部の空気溶解水は、第2の軸方向延伸部212の側壁部212aに衝突した後に、衝突流路壁部に衝突する。また、一部の空気溶解水は、第2の軸方向延伸部212の側壁部212a、衝突流路壁部の順に衝突した後に、円板部180から押し出される空気溶解水と衝突する。空気溶解水が、衝突流路壁部、第1の軸方向延伸部210、及び、第2の軸方向延伸部212、空気溶解水と衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。
【0049】
上記の構成によると、
図2~
図5に示すように、微細気泡発生装置46は、流入部102と、流出部104と、流入部102と流出部104との間に設けられており、上流側流路126を備える上流側微細気泡生成部110と、上流側微細気泡生成部110と流出部104との間に設けられており、下流側流路222を備える下流側微細気泡生成部114と、を備えている。
図3、
図6、
図7に示すように、上流側流路126は、縮径流路122a~122fと、縮径流路122a~122fよりも下流に設けられている拡径流路124a~124fと、を備えている。
図3、
図10、
図11に示すように、下流側流路222は、下流側流路222に流入する空気溶解水を、下流側流路222の流路軸の中心方向に案内する案内流路200と、衝突流路壁部によって画定される衝突流路220と、を備えている。衝突流路220には、下流側軸受部172と、下流側軸受部172に回転可能に取付けられている下流側回転部162と、が設けられており、下流側回転部162は、案内流路200を通過した水が衝突する位置に設けられており、下流側流路222の流路軸に直交するように設けられている円板部180と、円板部180の下流側の面に設けられており、下流側軸受部172に回転可能に取付けられている下流側回転軸部182と、円板部180の上流側の面に設けられている下流側羽根部184と、を備えている。
図3に示すように、空気溶解水は、流入部102を経由して、上流側微細気泡生成部110の縮径流路122a~122fに流入する。空気溶解水が縮径流路122a~122fを通過すると、流速が上昇し、その結果減圧される。空気溶解水が減圧されると、気泡が発生する。次いで、空気溶解水は、拡径流路124a~124fを通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の空気溶解水が増圧されると、空気溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。上流側微細気泡生成部110を通過した空気溶解水は、下流側微細気泡生成部114に流入する。
図14に示すように、下流側微細気泡生成部114に流入する空気溶解水は、案内流路200を通過して、衝突流路220に設けられている下流側回転部162の円板部180に衝突する。案内流路200によって下流側微細気泡生成部114に流入する空気溶解水が下流側流路222の流路軸の中心方向、即ち、円板部180の中心方向に案内されるために、空気溶解水の多くが、円板部180の中心部の近傍に衝突する。円板部180の上流側の面180aに下流側羽根部184が設けられているために、円板部180に衝突した水は、下流側羽根部184に沿って流れるとともに、円板部180が下流側軸受部172に対して回転する。円板部180が下流側軸受部172に対して回転することによって、下流側羽根部184に沿って流れる水が、円板部180の径方向外側に押し出され、衝突流路220を画定する衝突流路壁部に衝突する。空気溶解水が衝突流路壁部に衝突することによって、上流側微細気泡生成部110で生成された微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。従って、微細気泡を大量に生成することができる。
【0050】
また、
図2~
図5に示すように、微細気泡発生装置46は、さらに、上流側微細気泡生成部110と流出部104との間に設けられており、中間流路146を有する中間微細気泡生成部112を備えている。
図3、
図8、
図9に示すように、中間流路146には、中間軸受部142と、中間軸受部142に回転可能に取付けられており、中間流路146の流路軸に沿って延びる中間回転軸部152、及び、中間回転軸部152に接続されており、中間回転軸部152から径方向外側に延びる中間羽根部154を有する中間回転部132と、が設けられている。上記の構成によると、上流側微細気泡生成部110を通過した空気溶解水が中間微細気泡生成部112の中間流路146に流入する。
図12に示すように、空気溶解水が、中間流路146に設けられている中間回転部132の中間羽根部154に衝突することによって、中間軸受部142に対して中間羽根部154が回転する。そして、中間羽根部154を通過する空気溶解水内の微細気泡は、空気溶解水が中間回転部132を通過する際に、回転している中間羽根部154によってせん断される。これにより、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0051】
また、
図8、
図9に示すように、中間微細気泡生成部112は、さらに、中間羽根部154よりも下流に設けられており、中間軸受部142と中間流路146を画定する第1の中間円筒部140とを接続する中間リブ部144を備えている。上記の構成によると、
図13に示すように、中間回転部132を通過した空気溶解水が中間リブ部144を通過する際に、中間リブ部144によって空気溶解水内の微細気泡がせん断される。これにより、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0052】
また、
図3に示すように、下流側微細気泡生成部114は、中間微細気泡生成部112と流出部104との間に設けられている。
図14に示すように、下流側微細気泡生成部114では、空気溶解水が円板部180、及び、衝突流路壁部に衝突することによって、空気溶解水の流路方向が大きく変化する。一方、
図12、
図13に示すように、中間微細気泡生成部112では、空気溶解水の流路方向は大きくは変化しない。このため、下流側微細気泡生成部114の下流側流路222における圧力損失は、中間微細気泡生成部112の中間流路146における圧力損失よりも大きく、空気溶解水の流れが淀みやすい。流れが淀む前の空気溶解水を中間微細気泡生成部112に流入させることで、多くの微細気泡を発生させることができる。上記の構成によると、中間微細気泡生成部112が、下流側微細気泡生成部114と流出部104との間に設けられている構成と比較して、中間微細気泡生成部112に流入する前の圧力損失を小さくすることができ、流れが淀む前の気体溶解水が中間微細気泡生成部112に流入する。従って、中間微細気泡生成部112において、空気溶解がよりせん断されやすくなり、その結果、より多くの微細気泡を発生させることができる。
【0053】
また、
図3、
図10、
図11に示すように、衝突流路220には、さらに、下流側回転軸部182の径方向において、衝突流路壁部と下流側回転部162との間に設けられており、下流側回転軸部182の軸方向に沿って延びる軸方向延伸部192が設けられている。上記の構成によると、
図14に示すように、円板部180の径方向外側に押し出された空気溶解水の一部は、軸方向延伸部192に衝突した後に、衝突流路壁部に衝突する。このため、衝突流路220に軸方向延伸部192が設けられていない構成と比較して、空気溶解水の衝突回数を増加させることができる。従って、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0054】
また、
図14に示すように、下流側羽根部184は、内側端部184aが、外側端部184bよりも反時計回り方向側に位置しており、第2の軸方向延伸部212は、内側端部212bが、外側端部212cよりも時計回り方向側に位置している。上記の構成によると、円板部180に衝突した空気溶解水が下流側羽根部184を通過することによって、円板部180は、下流側軸受部172に対して、反時計回り方向に回転する。そして、下流側回転部162から径方向外側に押し出される空気溶解水は、時計回り方向に流れながら、径方向外側に押し出される。上述のように、第2の軸方向延伸部212の内側端部212bが外側端部212cよりも時計回り方向側に位置している。仮に、第2の軸方向延伸部212の内側端部212bが外側端部212cよりも反時計回り方向側に位置している構成の場合、時計回り方向に流れながら、径方向外側に押し出された空気溶解水が、第2の軸方向延伸部212の側壁部212aに沿って流れやすい。このため、空気溶解水が第2の軸方向延伸部212(詳細には側壁部212a)に衝突しにくい。一方、本実施例の場合、第2の軸方向延伸部212の内側端部212bが外側端部212cよりも時計回り方向側に位置しているために、時計回り方向に流れながら、径方向外側に押し出された空気溶解水が、第2の軸方向延伸部212(詳細には側壁部212a)に衝突しやすい。そして、第2の軸方向延伸部212(詳細には側壁部212a)に衝突した空気溶解水は、径方向外側、即ち、衝突流路壁部側に流れるようになる。このため、第2の軸方向延伸部212(詳細には側壁部212a)に衝突した空気溶解水を衝突流路壁部に衝突させることができる。従って、空気溶解水の衝突回数を増加させることができ、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0055】
(対応関係)
空気溶解水が、「気体溶解水」の一例である。上流側微細気泡生成部110が、「第1の微細気泡生成部」の一例である。上流側流路126が、「第1の流路」の一例である。下流側微細気泡生成部114が、「第2の微細気泡生成部」の一例である。下流側流路222が、「第2の流路」の一例である。衝突流路220を画定する本体ケース100の内壁部100bの一部が、「衝突流路壁部」の一例である。下流側軸受部172が、「第1の軸受部」の一例である。下流側回転部162が、「第1の羽根車」の一例である。下流側回転軸部182が、「第1の回転軸部」の一例である。下流側羽根部184が、「第1の羽根部」の一例である。中間微細気泡生成部112が、「第3の微細気泡生成部」の一例である。中間流路146が、「第3の流路」の一例である。中間軸受部142が、「第2の軸受部」の一例である。中間回転部132が、「第2の羽根車」の一例である。中間回転軸部152が、「第2の回転軸部」の一例である。中間羽根部154が、「第2の羽根部」の一例である。第1の中間円筒部140が、「円筒部」の一例である。中間リブ部144が、「リブ部」の一例である。軸方向延伸部192、第1の軸方向延伸部210、及び、第2の軸方向延伸部212が、「軸方向延伸部」の一例である。下流側羽根部184の内側端部184a、外側端部184bが、それぞれ、「第1の端部」、「第2の端部」の一例である。第2の軸方向延伸部212の内側端部212b、外側端部212cが、それぞれ、「第3の端部」、「第4端部」の一例である。
図14における反時計回り方向、時計回り方向が、それぞれ、「第1の回転方向」、「第2の回転方向」の一例である。
【0056】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0057】
(第1変形例)微細気泡発生装置46が設けられている位置は第1の給湯路32aに限定されない。微細気泡発生装置46は、給水路30、湯はり路50、追い焚き往路60、第1の浴槽循環路62、第2の浴槽循環路68に設けられていてもよい。
【0058】
(第2変形例)上記の給湯システム2では、上水道等の給水源4から供給される水に含まれる空気を利用して、微細気泡を生成する。変形例では、給湯システム2は、外部から取り込んだ空気を水に溶解させる空気溶解水生成装置を備えていてもよい。そして、空気溶解水生成装置によって生成された空気溶解水が、微細気泡発生装置46に供給されてもよい。また、別の変形例では、上流側微細気泡生成部110の縮径流路122a~122fと拡径流路124a~124fとの接続部に、外部から空気を導入する空気導入通路が設けられていてもよい。また、空気に代えて、炭酸ガス、水素、酸素等の気体が水に溶解していてもよい。
【0059】
(第3変形例)微細気泡発生装置46は、中間微細気泡生成部112を備えていなくてもよい。
【0060】
(第4変形例)中間微細気泡生成部112が、中間固定部130の第1の中間円筒部140を備えていなくてもよい。本変形例では、中間リブ部144は、本体ケース100の内壁部100bと中間軸受部142の外壁部とを接続している。本変形例では、本体ケース100の内壁部100bの一部(「第3の流路を画定する壁部」の一例)によって、中間流路146が画定される。
【0061】
(第5変形例)上流側微細気泡生成部110、中間微細気泡生成部112、下流側微細気泡生成部114の数は1個に限定されず、微細気泡発生装置46は、微細気泡発生装置46は、2個以上の上流側微細気泡生成部110を備えていていもよいし、2個以上の中間微細気泡生成部112を備えていてもよいし、2個以上の下流側微細気泡生成部114を備えていてもよい。
【0062】
(第6変形例)上流側微細気泡生成部110、中間微細気泡生成部112、及び、下流側微細気泡生成部114は、上流側微細気泡生成部110、下流側微細気泡生成部114、中間微細気泡生成部112の順に、上流側から下流側に設けられていてもよい。
【0063】
(第7変形例)中間微細気泡生成部112は、中間リブ部144を備えていなくてもよい。
【0064】
(第8変形例)下流側微細気泡生成部114は、軸方向延伸部192を有していなくてもよい。
【0065】
(第9変形例)軸方向延伸部192が、第1の軸方向延伸部210のみで構成されていてもよいし、第2の軸方向延伸部212のみで構成されていてもよい。
【0066】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0067】
2 :給湯システム
4 :給水源
6 :カラン
8 :浴槽
10 :第1の熱源機
12 :第2の熱源機
14 :燃焼室
16 :仕切り壁部
18 :第1の燃焼室
20 :第2の燃焼室
22 :第1のバーナ
24 :第1の熱交換器
26 :第2のバーナ
28 :第2の熱交換器
30 :給水路
32 :給湯路
32a :第1の給湯路
32b :第2の給湯路
34 :バイパス路
36 :バイパスサーボ
38 :水量センサ
40 :水量サーボ
42 :熱交換器出口サーミスタ
44 :給湯サーミスタ
46 :微細気泡発生装置
50 :湯はり路
52 :湯はり制御弁
54 :逆止弁
60 :追い焚き往路
62 :第1の浴槽循環路
64 :浴槽戻りサーミスタ
66 :循環ポンプ
68 :第2の浴槽循環路
70 :浴槽往きサーミスタ
100 :本体ケース
100a :外壁部
100b :内壁部
100c :上流端部
100d :下流端部
102 :流入部
102a :流入口
104 :流出部
104a :流出口
110 :上流側微細気泡生成部
112 :中間微細気泡生成部
114 :下流側微細気泡生成部
120a-120h:ベンチュリ部
122a-122h:縮径流路
124a-124h :拡径流路
126 :上流側流路
130 :中間固定部
132 :中間回転部
140 :第1の中間円筒部
142 :中間軸受部
144 :中間リブ部
146 :中間流路
150 :第2の中間円筒部
152 :中間回転軸部
154 :中間羽根部
160 :第1の下流側固定部
162 :下流側回転部
164 :第2の下流側固定部
170 :第1の下流側円筒部
170a :凹部
172 :下流側軸受部
174 :下流側リブ部
180 :円板部
180a :上流側の面
180b :下流側の面
182 :下流側回転軸部
184 :下流側羽根部
184a :内側端部
184b :外側端部
184c :延伸部
186 :フランジ部
190 :案内部
192 :軸方向延伸部
200 :案内流路
210 :第1の軸方向延伸部
210a :側壁部
210b :突出部
212 :第2の軸方向延伸部
212a :側壁部
212b :内側端部
212c :外側端部
220 :衝突流路
222 :下流側流路
A :中心軸