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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185821
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/06 20060101AFI20221208BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20221208BHJP
   H02K 29/08 20060101ALI20221208BHJP
   H02K 9/22 20060101ALI20221208BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20221208BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20221208BHJP
【FI】
H02K9/06 E
B25F5/00 A
B25F5/00 G
H02K29/08
H02K9/06 G
H02K9/22 Z
H02K11/215
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093681
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 史成
(72)【発明者】
【氏名】神田 圭
【テーマコード(参考)】
3C064
5H019
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA02
3C064AA03
3C064AA04
3C064AA05
3C064AA06
3C064AA08
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064BA01
3C064BA02
3C064BA03
3C064BA35
3C064BB01
3C064BB02
3C064BB04
3C064BB42
3C064BB55
3C064BB72
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA09
3C064CA10
3C064CA11
3C064CA27
3C064CA29
3C064CA35
3C064CA36
3C064CA39
3C064CA55
3C064CA58
3C064CB14
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB33
3C064CB63
3C064CB69
3C064CB72
3C064CB82
5H019BB01
5H019BB05
5H019BB15
5H019BB19
5H019BB22
5H019CC03
5H609BB03
5H609BB19
5H609PP01
5H609PP02
5H609PP05
5H609QQ02
5H609QQ23
5H609RR03
5H609RR16
5H609RR35
5H609RR42
5H609RR63
5H609RR67
5H609RR69
5H609RR71
5H611AA01
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB07
5H611PP07
5H611QQ03
5H611RR02
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブラシレスモータが発熱しても電動作業機が適正に駆動されること。
【解決手段】電動作業機は、ステータ27と、ステータに対して回転するロータ28と、ロータ28に固定されるロータシャフト29と、を有するブラシレスモータと、ロータシャフト29により駆動される出力部と、ステータ27及びロータ28を収容するモータケース13と、モータケース13の外部に配置され、ロータシャフト29により回転される冷却ファン20と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ロータに固定されるロータシャフトと、を有するブラシレスモータと、
前記ロータシャフトにより駆動される出力部と、
前記ステータ及び前記ロータを収容するモータケースと、
前記モータケースの外部に配置され、前記ロータシャフトにより回転される冷却ファンと、を備える、
電動作業機。
【請求項2】
前記冷却ファンは、前記モータケースの外部に配置された前記ロータシャフトの端部に固定される、
請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記冷却ファンは、前記モータケースの外面の少なくとも一部に対向する、
請求項1又は請求項2に記載の電動作業機。
【請求項4】
前記モータケースは、前記ステータ及び前記ロータが収容される本体部と、前記本体部の外面に配置される放熱フィンと、を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアの表面の少なくとも一部を覆うインシュレータと、前記インシュレータに装着されるコイルと、を有し、
前記モータケースに収容され、前記コイル及び前記モータケースのそれぞれに接触する伝熱樹脂部を備える、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記冷却ファンは、前記モータケースを冷却する空気の流れを生成する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項7】
前記モータケースの外部に配置され、前記ロータシャフトにより回転されるセンサ用磁石と、
前記モータケースの外部に配置され、前記センサ用磁石を検出する磁気センサと、を備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項8】
前記センサ用磁石は、前記冷却ファンに固定される、
請求項7に記載の電動作業機。
【請求項9】
前記ロータシャフトと前記冷却ファンとを繋ぐファンブッシュを備え、
前記センサ用磁石は、前記ファンブッシュに固定される、
請求項7に記載の電動作業機。
【請求項10】
前記冷却ファンは、合成樹脂製であり、
前記ファンブッシュは、金属製である、
請求項9に記載の電動作業機。
【請求項11】
前記磁気センサは、前記モータケースと前記冷却ファンとの間に配置される、
請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項12】
ステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ロータに固定されるロータシャフトと、を有するブラシレスモータと、
前記ロータシャフトにより駆動される出力部と、
前記ステータ及び前記ロータを収容するモータケースと、
前記モータケースの外部に配置され、前記ロータシャフトにより回転されるセンサ用磁石と、
前記モータケースの外部に配置され、前記センサ用磁石を検出する磁気センサと、を備える、
電動作業機。
【請求項13】
前記モータケースの外部に配置された前記ロータシャフトの端部に固定される回転部材を備え、
前記センサ用磁石は、前記回転部材に固定される、
請求項12に記載の電動作業機。
【請求項14】
前記モータケースの外部に配置され、前記磁気センサを支持するセンサ基板を備える、
請求項7から請求項13のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項15】
前記ロータの回転軸に平行な軸方向において、前記センサ基板は、前記モータケースの少なくとも一部と前記センサ用磁石との間に配置される、
請求項14に記載の電動作業機。
【請求項16】
前記センサ基板は、前記モータケースに固定される、
請求項14に記載の電動作業機。
【請求項17】
前記磁気センサ及び前記センサ基板の表面の少なくとも一部を覆う樹脂膜を備える、
請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項18】
前記ロータの回転軸の径方向において、前記磁気センサは、前記ロータよりも外側に配置される、
請求項7から請求項17のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項19】
前記ロータシャフトを支持するベアリングを備え、
前記ベアリングは、前記モータケースに支持される、
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項20】
前記モータケースの内部空間において、前記ステータは、前記ロータの少なくとも一部を囲むように配置される、
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、ブラシレスモータを有する電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-017129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブラシレスモータを備える電動作業機において、ブラシレスモータが発熱しても電動作業機が適正に駆動される技術が要望される。
【0005】
本開示は、ブラシレスモータが発熱しても電動作業機が適正に駆動されることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、電動作業機を開示する。電動作業機は、ブラシレスモータと、出力部とを備えてもよい。ブラシレスモータは、ステータと、ステータに対して回転するロータと、ロータに固定されるロータシャフトと、を有してもよい。出力部は、ロータシャフトにより駆動されてもよい。電動作業機は、ステータ及びロータを収容するモータケースを備えてもよい。電動作業機は、モータケースの外部に配置される冷却ファンを備えてもよい。冷却ファンは、ロータシャフトにより回転されてもよい。
【0007】
また、電動作業機は、モータケースの外部に配置されるセンサ用磁石を備えてもよい。センサ用磁石は、ロータシャフトにより回転されてもよい。電動作業機は、モータケースの外部に配置される磁気センサを備えてもよい。磁気センサは、センサ用磁石を検出してもよい。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、ブラシレスモータが発熱しても電動作業機は適正に駆動される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る電動作業機を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す右方からの斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す左方からの斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す右方からの分解斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係るモータ及びモータケースを示す右方からの分解斜視図である。
図6図6は、第1実施形態に係るモータ及びモータケースを示す左方からの分解斜視図である。
図7図7は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す縦断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す横断面図である。
図9図9は、第1実施形態に係るステータを示す右方からの斜視図である。
図10図10は、第1実施形態に係るコイルの結線構造を示す斜視図である。
図11図11は、第1実施形態に係るセンサ基板の近傍を示す縦断面図である。
図12図12は、第1実施形態に係るセンサ基板を示す斜視図である。
図13図13は、第1実施形態に係るセンサ基板を示す分解斜視図である。
図14図14は、第1実施形態に係る第1シール部材及びプレス機構を示す斜視図である。
図15図15は、第1実施形態に係る第1シール部材及びプレス機構を示す分解斜視図である。
図16図16は、第1実施形態に係る第1シール部材及びプレス機構を分解した斜視断面図である。
図17図17は、第1実施形態に係る第1シール部材及びプレス機構を示す断面図である。
図18図18は、第1実施形態に係る第1シール部材及びプレス機構を示す断面図である。
図19図19は、第1実施形態に係る第2シール部材の近傍を示す断面図である。
図20図20は、第1実施形態に係る第3シール部材の近傍を示す断面図である。
図21図21は、第2実施形態に係るモータアセンブリを模式的に示す縦断面図である。
図22図22は、第3実施形態に係るモータアセンブリを示す縦断面図である。
図23図23は、第3実施形態に係る第1シール部材及びプレス機構を示す斜視図である。
図24図24は、第3実施形態に係る第1シール部材に支持される信号線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、ブラシレスモータと、出力部とを備えてもよい。ブラシレスモータは、ステータと、ステータに対して回転するロータと、ロータに固定されるロータシャフトと、を有してもよい。出力部は、ロータシャフトにより駆動されてもよい。電動作業機は、ステータ及びロータを収容するモータケースを備えてもよい。電動作業機は、モータケースの外部に配置される冷却ファンを備えてもよい。冷却ファンは、ロータシャフトにより回転されてもよい。
【0011】
上記の構成では、冷却ファンがロータシャフトにより回転されることにより、モータケースが冷却される。これにより、ブラシレスモータが発熱しても、モータケースに収容されているモータは、モータケースを介して冷却される。そのため、ブラシレスモータが熱により誤作動したり、ブラシレスモータの周辺の電子機器が熱により誤作動したり、ブラシレスモータの構成部品が熱により劣化したり、ブラシレスモータの周辺の電子部品が熱により劣化したりすることが抑制される。したがって、電動作業機は、適正に駆動される。
【0012】
1つ又はそれ以上の実施形態において、冷却ファンは、モータケースの外部に配置されたロータシャフトの端部に固定されてもよい。
【0013】
上記の構成では、冷却ファンは、モータケースの外部において、ロータシャフトと一緒に回転することができる。
【0014】
1つ又はそれ以上の実施形態において、冷却ファンは、モータケースの外面の少なくとも一部に対向してもよい。
【0015】
上記の構成では、冷却ファンは、モータケースの外面に空気を効率良く当てることができる。
【0016】
1つ又はそれ以上の実施形態において、モータケースは、ステータ及びロータが収容される本体部と、本体部の外面に配置される放熱フィンと、を有してもよい。
【0017】
上記の構成では、放熱フィンにより、モータケースは効率良く冷却される。
【0018】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ステータは、ステータコアと、ステータコアの表面の少なくとも一部を覆うインシュレータと、インシュレータに装着されるコイルと、を有してもよい。電動作業機は、モータケースに収容され、コイル及びモータケースのそれぞれに接触する伝熱樹脂部を備えてもよい。
【0019】
上記の構成では、コイルで発生した熱は、伝熱樹脂部を介してモータケースに効率良く伝達される。冷却ファンによりモータケースが冷却されることにより、コイルが効率良く冷却される。
【0020】
1つ又はそれ以上の実施形態において、冷却ファンは、モータケースを冷却する空気の流れを生成してもよい。
【0021】
上記の構成では、ブラシレスモータが発熱しても、ブラシレスモータは、モータケースを介して冷却される。そのため、電動作業機は、適正に駆動される。
【0022】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、モータケースの外部に配置され、ロータシャフトにより回転されるセンサ用磁石と、モータケースの外部に配置され、センサ用磁石を検出する磁気センサと、を備えてもよい。
【0023】
上記の構成では、モータケースの外部にセンサ用磁石及び磁気センサが配置されるので、モータケースの内部に収容されているモータが発熱しても、センサ用磁石及び磁気センサが加熱されることが抑制される。そのため、磁気センサが熱により誤作動したり劣化したりすることが抑制される。電動作業機のコントローラは、磁気センサの検出信号に基づいて、モータに供給する駆動電流を制御する。すなわち、モータの回転は、磁気センサの検出信号に基づいて制御される。磁気センサの誤作動又は劣化が抑制されるので、電動作業機は、適正に駆動される。
【0024】
1つ又はそれ以上の実施形態において、センサ用磁石は、冷却ファンに固定されてもよい。
【0025】
上記の構成では、センサ用磁石は、ロータ、ロータシャフト、及び冷却ファンと一緒に回転することができる。そのため、磁気センサは、センサ用磁石を検出することによって、ロータの回転を検出することができる。
【0026】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、ロータシャフトと冷却ファンとを繋ぐファンブッシュを備えてもよい。センサ用磁石は、ファンブッシュに固定されてもよい。
【0027】
上記の構成では、センサ用磁石は、ロータ、ロータシャフト、冷却ファン、及びファンブッシュと一緒に回転することができる。そのため、磁気センサは、センサ用磁石を検出することによって、ロータの回転を検出することができる。
【0028】
1つ又はそれ以上の実施形態において、冷却ファンは、合成樹脂製でもよい。ファンブッシュは、金属製でもよい。
【0029】
上記の構成では、冷却ファンが合成樹脂製なので、冷却ファンの軽量化が図られる。ファンブッシュが金属製なので、ファンブッシュの回転によりファンブッシュに遠心力が作用しても、ファンブッシュが変形したり、ファンブッシュからセンサ用磁石が脱落したりすることが抑制される。センサ用磁石はファンブッシュに安定して固定されるので、磁気センサは、センサ用磁石を検出することにより、ロータの回転を適正に検出することができる。
【0030】
1つ又はそれ以上の実施形態において、磁気センサは、モータケースと冷却ファンとの間に配置されてもよい。
【0031】
上記の構成では、モータケース、冷却ファン、及び磁気センサを含むモータアセンブリの大型化が抑制される。
【0032】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、ブラシレスモータと、出力部とを備えてもよい。ブラシレスモータは、ステータと、ステータに対して回転するロータと、ロータに固定されるロータシャフトと、を有してもよい。出力部は、ロータシャフトにより駆動されてもよい。電動作業機は、ステータ及びロータを収容するモータケースを備えてもよい。電動作業機は、モータケースの外部に配置されるセンサ用磁石を備えてもよい。センサ用磁石は、ロータシャフトにより回転されてもよい。電動作業機は、モータケースの外部に配置され、センサ用磁石を検出する磁気センサを備えてもよい。
【0033】
上記の構成では、センサ用磁石がロータシャフトにより回転されるので、磁気センサは、センサ用磁石を検出することにより、ロータの回転を検出することができる。また、モータケースの外部にセンサ用磁石及び磁気センサが配置されるので、モータケースの内部に収容されているモータが発熱しても、センサ用磁石及び磁気センサが加熱されることが抑制される。そのため、磁気センサが熱により誤作動したり劣化したりすることが抑制される。電動作業機のコントローラは、磁気センサの検出信号に基づいて、モータに供給する駆動電流を制御する。すなわち、モータの回転は、磁気センサの検出信号に基づいて制御される。磁気センサの誤作動又は劣化が抑制されるので、電動作業機は、適正に駆動される。
【0034】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、モータケースの外部に配置されたロータシャフトの端部に固定される回転部材を備えてもよい。センサ用磁石は、回転部材に固定されてもよい。
【0035】
上記の構成では、センサ用磁石は、ロータ、ロータシャフト、及び回転部材と一緒に回転することができる。そのため、磁気センサは、センサ用磁石を検出することによって、ロータの回転を検出することができる。
【0036】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、モータケースの外部に配置され、磁気センサを支持するセンサ基板を備えてもよい。
【0037】
上記の構成では、磁気センサは、モータケースの外部において、センサ基板に支持される。
【0038】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ロータの回転軸に平行な軸方向において、センサ基板は、モータケースの少なくとも一部とセンサ用磁石との間に配置されてもよい。
【0039】
上記の構成では、モータケース、センサ用磁石、及びセンサ基板を含むモータアセンブリの大型化が抑制される。
【0040】
1つ又はそれ以上の実施形態において、センサ基板は、モータケースに固定されてもよい。
【0041】
上記の構成では、モータケースとセンサ基板との相対位置の変化が抑制される。
【0042】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、磁気センサ及びセンサ基板の表面の少なくとも一部を覆う樹脂膜を備えてもよい。
【0043】
上記の構成では、磁気センサ及びセンサ基板は、樹脂膜により保護される。
【0044】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ロータの回転軸の径方向において、磁気センサは、ロータよりも外側に配置されてもよい。
【0045】
上記の構成では、磁気センサが回転軸から離れた位置に配置されるので、磁気センサによるロータの回転の検出精度が向上する。
【0046】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、ロータシャフトを支持するベアリングを備えてもよい。ベアリングは、モータケースに支持されてもよい。
【0047】
上記の構成では、ベアリングとモータケースとの相対位置の変化が抑制される。
【0048】
1つ又はそれ以上の実施形態において、モータケースの内部空間において、ステータは、ロータの少なくとも一部を囲むように配置されてもよい。
【0049】
上記の構成では、インナロータ型のブラシレスモータがモータケースに収容される。
【0050】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0051】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0052】
電動作業機は、モータを有する。実施形態においては、モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称する。モータの回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。モータの回転軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。
【0053】
軸方向において、モータの中心に近い位置又は接近する方向を適宜、軸方向内側、と称し、モータの中心から遠い位置又は離隔する方向を適宜、軸方向外側、と称する。径方向において、モータの回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、モータの回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。周方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、周方向一方側、と称し、周方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、周方向他方側、と称する。
【0054】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0055】
<電動作業機>
図1は、実施形態に係る電動作業機1を示す斜視図である。実施形態において、電動作業機1は、園芸工具(Outdoor Power Equipment)の一種であるチェーンソーである。
【0056】
電動作業機1は、ハウジング2と、フロントグリップ部3と、ハンドガード4と、バッテリ装着部5と、コントローラ6と、トリガロックレバー7と、トリガスイッチ8と、ガイドバー9と、ソーチェーン10と、モータアセンブリ11とを備える。モータアセンブリ11は、モータ12と、モータケース13とを有する。
【0057】
ハウジング2は、合成樹脂により形成される。ハウジング2は、モータ収容部14と、バッテリ保持部15と、リヤグリップ部16とを有する。
【0058】
モータ収容部14は、モータアセンブリ11を収容する。
【0059】
バッテリ保持部15は、バッテリ装着部5を支持する。バッテリ保持部15は、モータ収容部14の後端部に接続される。
【0060】
リヤグリップ部16は、電動作業機1の使用者の手で握られる。リヤグリップ部16は、バッテリ保持部15の後端部に接続される。リヤグリップ部16の一部は、バッテリ保持部15の後端部の上部に接続される。リヤグリップ部16の一部は、バッテリ保持部15の後端部の下部に接続される。
【0061】
フロントグリップ部3は、電動作業機1の使用者の手で握られる。フロントグリップ部3は、合成樹脂により形成される。フロントグリップ部3は、パイプ状の部材である。フロントグリップ部3は、バッテリ保持部15に接続される。フロントグリップ部3の左端部は、バッテリ保持部15の左側面に接続される。フロントグリップ部3の右端部は、バッテリ保持部15の右側面に接続される。
【0062】
ハンドガード4は、フロントグリップ部3を握った使用者の手を保護する。ハンドガード4は、フロントグリップ部3の前方に配置される。ハンドガード4は、モータ収容部14の上部に接続される。
【0063】
バッテリ装着部5に、バッテリパック17が装着される。バッテリパック17は、バッテリ装着部5に着脱可能である。バッテリパック17は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック17は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリパック17は、電動作業機1の電源部として機能する。バッテリパック17は、バッテリ装着部5に装着されることにより、電動作業機1に電力を供給可能である。
【0064】
コントローラ6は、バッテリ保持部15に収容される。コントローラ6は、電動作業機1を制御する制御信号を出力する。コントローラ6は、バッテリパック17からモータ12に供給される駆動電流を制御する。
【0065】
トリガロックレバー7は、リヤグリップ部16に配置される。電動作業機1の使用者は、トリガロックレバー7を操作することができる。トリガロックレバー7が操作されることにより、トリガスイッチ8が操作可能状態になる。
【0066】
トリガスイッチ8は、リヤグリップ部16に配置される。電動作業機1の使用者は、リヤグリップ部16を手で握った状態で、指でトリガスイッチ8を操作することができる。トリガスイッチ8が操作されることにより、モータ12に駆動電流が供給され、モータ12が駆動する。
【0067】
ガイドバー9は、ハウジング2から前方に延伸する。ガイドバー9は、前後方向に長い板状の部材である。
【0068】
ソーチェーン10は、モータ12により駆動される電動作業機1の出力部である。ソーチェーン10は、相互に連結された複数のカッタを含む。ソーチェーン10は、ガイドバー9の周縁部に配置される。モータ12とソーチェーン10とは、スプロケットを含む動力伝達機構(不図示)を介して連結される。トリガスイッチ8が操作され、モータ12が駆動すると、ソーチェーン10がガイドバー9の周縁部を移動する。
【0069】
<モータアセンブリ>
図2は、実施形態に係るモータアセンブリ11を示す右方からの斜視図である。図3は、実施形態に係るモータアセンブリ11を示す左方からの斜視図である。図4は、実施形態に係るモータアセンブリ11を示す右方からの分解斜視図である。図5は、実施形態に係るモータ12及びモータケース13を示す右方からの分解斜視図である。図6は、実施形態に係るモータ12及びモータケース13を示す左方からの分解斜視図である。図7は、実施形態に係るモータアセンブリ11を示す縦断面図であり、図3のA-A線矢視断面図に相当する。図8は、実施形態に係るモータアセンブリ11を示す横断面図であり、図3のB-B線矢視断面図に相当する。
【0070】
モータアセンブリ11は、モータ12と、モータケース13と、ベアリング18と、伝熱樹脂部19と、冷却ファン20と、センサ用磁石21と、センサ基板22と、第1シール部材23と、プレス機構24と、第2シール部材25と、第3シール部材26とを有する。
【0071】
(モータ)
モータ12は、電動作業機1の動力源である。モータ12は、バッテリパック17から供給される駆動電流に基づいて回転する。
【0072】
モータ12は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ12は、ステータ27と、ステータ27に対して回転するロータ28と、ロータ28に固定されるロータシャフト29とを有する。ステータ27は、ロータ28の少なくとも一部を囲むように配置される。ロータ28は、回転軸AXを中心に回転する。ソーチェーン10は、ロータシャフト29により駆動される。
【0073】
実施形態において、モータ12の回転軸AXは、左右方向に延伸する。軸方向と左右方向とは、平行である。以下の説明において、軸方向一方側を適宜、左方側、と称し、軸方向他方側を適宜、右方側、と称する。
【0074】
図9は、実施形態に係るステータ27を示す右方からの斜視図である。図4図5図6図7図8、及び図9に示すように、ステータ27は、ステータコア30と、インシュレータ31と、コイル32と、バスバーユニット33とを有する。
【0075】
ステータコア30は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア30は、環状のヨーク34と、ヨーク34の内面から径方向内側に突出するティース35とを有する。ヨーク34は、回転軸AXを囲むように配置される。ティース35は、周方向に複数配置される。実施形態において、ティース35は、12個配置される。複数のティース35は、周方向に等間隔で配置される。
【0076】
インシュレータ31は、ステータコア30の表面の少なくとも一部を覆う。インシュレータ31は、合成樹脂製である。インシュレータ31は、ステータコア30に固定される。インシュレータ31は、ステータコア30と一体成型される。インシュレータ31は、インサート成形によりステータコア30に固定される。
【0077】
インシュレータ31は、ティース被覆部36と、コイル止部37と、周壁部38と、ワイヤ支持部39と、ねじボス部40とを有する。
【0078】
図8に示すように、ティース被覆部36は、ティース35の外周面を覆う。径方向内側を向くティース35の内壁面は、ティース被覆部36に覆われない。ティース35の内壁面は、露出する。
【0079】
図9に示すように、コイル止部37は、ティース35の内壁面を囲むように配置される。コイル止部37は、径方向内側のティース被覆部36の内端部に接続される。コイル止部37の少なくとも一部は、ティース35の外周面から軸方向外側に突出する。
【0080】
周壁部38は、軸方向を向くヨーク34の端面に配置される。周壁部38は、径方向外側のティース被覆部36の外端部に接続される。周壁部38は、ヨーク34の端面から軸方向外側に突出する。図7及び図9に示すように、周壁部38は、ヨーク34の左端面に配置される周壁部38Lと、ヨーク34の右端面に配置される周壁部38Rとを含む。
【0081】
ワイヤ支持部39は、周壁部38Rに設けられる。ワイヤ支持部39は、複数設けられる。ワイヤ支持部39は、コイル32よりも径方向外側に配置される。ワイヤ支持部39は、内側突出部39Aと、内側突出部39Aよりも径方向外側に配置される外側突出部39Bとを含む。内側突出部39A及び外側突出部39Bのそれぞれは、周壁部38Rから右方に突出する。
【0082】
ねじボス部40は、周壁部38Rに設けられる。ねじボス部40は、回転軸AXの周囲に複数配置される。実施形態において、ねじボス部40は、周方向に間隔をあけて5つ設けられる。ねじボス部40のそれぞれにねじ孔が形成される。
【0083】
コイル32は、インシュレータ31に装着される。コイル32は、インシュレータ31に固定される。コイル32とステータコア30とは、インシュレータ31により絶縁される。コイル32は、インシュレータ31のティース被覆部36を介してティース35に巻かれる。コイル32は、複数設けられる。実施形態において、コイル32は、12個設けられる。
【0084】
径方向において、コイル32の一部は、コイル止部37と周壁部38との間に配置される。コイル32がティース被覆部36に巻かれた状態で、コイル止部37は、コイル32よりも径方向内側に配置される。コイル止部37は、径方向内側のコイル32の端面に対向する。コイル32がティース被覆部36に巻かれた状態で、周壁部38は、コイル32よりも径方向外側に配置される。周壁部38は、径方向外側のコイル32の端面に対向する。
【0085】
複数のコイル32は、ワイヤ41を巻くことに形成される。周方向に隣り合うコイル32は、コイル32から突出するワイヤ41により接続される。コイル32から突出するワイヤ41は、インシュレータ31に支持される。
【0086】
コイル32から突出するワイヤ41は、インシュレータ31のワイヤ支持部39に支持される。コイル32から突出するワイヤ41は、内側突出部39Aと外側突出部39Bとの間に配置される。
【0087】
バスバーユニット33は、インシュレータ31に固定される。バッテリパック17からの駆動電流は、コントローラ6を介してバスバーユニット33に供給される。バッテリパック17からバスバーユニット33に供給される駆動電流は、コントローラ6により制御される。
【0088】
図10は、実施形態に係るコイル32の結線構造を示す斜視図である。図7図9、及び図10に示すように、バスバーユニット33は、外部端子42と、ヒュージング端子43と、短絡部材44と、絶縁部材45とを有する。
【0089】
外部端子42は、コントローラ6を介してバッテリパック17に接続される。バッテリパック17からの駆動電流は、電源線46及び接続端子47を介して外部端子42に供給される。実施形態において、外部端子42は、3つ設けられる。
【0090】
ヒュージング端子43は、コイル32から突出するワイヤ41に接続される。ヒュージング端子43は、導電部材である。コイル32から突出するワイヤ41は、インシュレータのワイヤ支持部39に支持されている状態で、ヒュージング端子43に接続される。コイル32から突出するワイヤ41は、ヒュージング端子43の折り曲げ部分の内側に配置される。ヒュージング端子43とコイル32から突出するワイヤ41とは溶接される。ヒュージング端子43とコイル32から突出するワイヤ41とが溶接されることにより、ヒュージング端子43は、ワイヤ41を介してコイル32に接続される。
【0091】
ヒュージング端子43は、回転軸AXの周囲に複数配置される。軸方向において、複数のヒュージング端子43の位置は等しい。実施形態において、ヒュージング端子43は、6つ設けられる。
【0092】
短絡部材44は、径方向に対向する一対のワイヤ41を接続(短絡)する。径方向に対向する一対のワイヤ41は、周方向において180[°]離れている。短絡部材44は、外部端子42とヒュージング端子43とを接続する。短絡部材44は、導電部材である。回転軸AXと直交する面内において、短絡部材44は、湾曲する。短絡部材44は、複数設けられる。実施形態において、短絡部材44は、3つ設けられる。短絡部材44は、1つの外部端子42と2つのヒュージング端子43とを接続(短絡)する。
【0093】
絶縁部材45は、合成樹脂製である。絶縁部材45は、回転軸AXを囲むように設けられる。短絡部材44は、絶縁部材45の内部に配置される。図9において、短絡部材44は図示されていない。絶縁部材45は、外部端子42及び短絡部材44を支持する。ヒュージング端子43は、短絡部材44を介して絶縁部材45に支持される。絶縁部材45は、ベース部48と、ねじボス部49と、連結部50とを有する。
【0094】
ベース部48は、環状である。短絡部材44の少なくとも一部は、ベース部48の内部に配置される。ベース部48は、短絡部材44と一体成型される。短絡部材44は、ベース部48を形成する合成樹脂でモールドされる。なお、ベース部48は、例えばインサート成形により短絡部材44に固定されてもよい。ベース部48により、3つの短絡部材44は、相互に絶縁される。
【0095】
ねじボス部49は、ベース部48の外縁部から径方向外側に突出する。ねじボス部49は、周方向に複数設けられる。実施形態において、ねじボス部49は、5つ設けられる。ねじボス部49に開口が形成される。
【0096】
連結部50は、ベース部48の上部から上方に突出する。連結部50は、3つの外部端子42のそれぞれが配置される3つの凹部51を有する。連結部50において、外部端子42と接続端子47とがねじ52により固定される。
【0097】
バッテリパック17からの駆動電流は、コントローラ6、電源線46、及び接続端子47を介して、バスバーユニット33の外部端子42に供給される。バッテリパック17から外部端子42に供給された駆動電流は、短絡部材44及びヒュージング端子43を流れた後、コイル32から突出するワイヤ41を介してコイル32に供給される。
【0098】
実施形態において、バッテリパック17からモータ12に供給される駆動電流は、U相駆動電流、V相駆動電流、及びW相駆動電流を含む。
【0099】
電源線46は、U相駆動電流が流れる電源線46Uと、V相駆動電流が流れる電源線46Vと、W相駆動電流が流れる電源線46Wとを含む。
【0100】
接続端子47は、電源線46Uに接続される接続端子47Uと、電源線46Vに接続される接続端子47Vと、電源線46Wに接続される接続端子47Wとを含む。
【0101】
外部端子42は、接続端子47Uに接続される外部端子42Uと、接続端子47Vに接続される外部端子42Vと、接続端子47Wに接続される外部端子42Wとを含む。
【0102】
短絡部材44は、外部端子42Uに接続される短絡部材44Uと、外部端子42Vに接続される短絡部材44Vと、外部端子42Wに接続される短絡部材44Wとを含む。
【0103】
ヒュージング端子43は、短絡部材44Uに接続される一対のヒュージング端子43Uと、短絡部材44Vに接続される一対のヒュージング端子43Vと、短絡部材44Wに接続される一対のヒュージング端子43Wとを含む。
【0104】
短絡部材44Uは、外部端子42Uと一対のヒュージング端子43Uのそれぞれとを接続する。短絡部材44Vは、外部端子42Vと一対のヒュージング端子43Vのそれぞれとを接続する。短絡部材44Wは、外部端子42Wと一対のヒュージング端子43Wのそれぞれとを接続する。外部端子42Uとヒュージング端子43Uと短絡部材44Uとは、単一部材である。外部端子42Vとヒュージング端子43Vと短絡部材44Vとは、単一部材である。外部端子42Wとヒュージング端子43Wと短絡部材44Wとは、単一部材である。
【0105】
12個のコイル32のそれぞれは、U(U-V)相、V(V-W)相、及びW(W-U)相のいずれか一つの相に割り当てられる。すなわち、ワイヤ41を介してヒュージング端子43Uに接続されるコイル32は、U相コイルに割り当てられる。ワイヤ41を介してヒュージング端子43Vに接続されるコイル32は、V相コイルに割り当てられる。ワイヤ41を介してヒュージング端子43Wに接続されるコイル32は、W相コイルに割り当てられる。
【0106】
インシュレータ31とバスバーユニット33とは、ねじ53により固定される。ねじ53の中間部がねじボス部49の開口に配置された状態で、ねじ53の先端部がねじボス部40のねじ孔に結合されることにより、インシュレータ31とバスバーユニット33とがねじ53により固定される。
【0107】
図4図7、及び図8に示すように、ロータ28は、ロータコア54と、回転用磁石55とを有する。
【0108】
ロータコア54は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ロータコア54は、回転軸AXを囲むように配置される。ステータコア30は、ロータコア54の周囲に配置される。
【0109】
回転用磁石55は、永久磁石である。回転用磁石55は、ロータコア54に支持される。回転用磁石55は、ロータコア54の内部に配置される。回転用磁石55は、回転軸AXの周囲に複数配置される。
【0110】
ロータコア54は、周方向に間隔をあけて設けられた複数の磁石孔56を有する。磁石孔56は、ロータコア54の左端面と右端面とを貫くように形成される。回転用磁石55は、磁石孔56に配置される。実施形態において、磁石孔56の数は、8つである。回転用磁石55は、周方向に間隔をあけて8つ配置される。
【0111】
実施形態において、ロータコア54は、周方向に間隔をあけて設けられた複数の中空孔57を有する。中空孔57は、ロータコア54の左端面と右端面とを貫くように形成される。中空孔57は、磁石孔56よりも径方向内側に設けられる。実施形態において、中空孔57は、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。中空孔57により、ロータコア54が軽量化される。
【0112】
ロータシャフト29は、軸方向に延伸する。ロータシャフト29の中心軸と回転軸AXとは、一致する。ロータシャフト29は、ロータコア54の内側に配置される。ロータコア54とロータシャフト29とは固定される。図7に示すように、実施形態において、ロータシャフト29の周囲に筒状部材58が配置される。ロータシャフト29は、筒状部材58を介してロータコア54に固定される。ロータシャフト29の左部は、ロータコア54の左端面から左方側に突出する。ロータシャフト29の右部は、ロータコア54の右端面から右方側に突出する。
【0113】
コントローラ6を介してバッテリパック17からコイル32に駆動電流が供給されることにより、ステータ27において回転磁界が生成される。ステータ27において回転磁界が生成されることにより、回転用磁石55を有するロータ28が回転する。
【0114】
(モータケース)
モータケース13は、モータ12の少なくとも一部を収容する。実施形態において、モータケース13は、ステータ27及びロータ28を収容する。モータケース13は、ステータ27及びロータ28が配置される内部空間59を有する。モータケース13の内部空間59において、ステータ27は、ロータ28の少なくとも一部を囲むように配置される。内部空間59は、閉鎖空間である。実施形態において、内部空間59は、実質的に密閉された密閉空間である。内部空間59に、ロータシャフト29の一部が配置される。
【0115】
実施形態において、モータケース13は、本体部60と、放熱フィン61と、蓋部62とを含む。
【0116】
本体部60は、ステータ27及びロータ28を収容する。ステータ27及びロータ28は、本体部60の内側に配置される。本体部60は、ステータ27が挿入される挿入口63を有する。
【0117】
放熱フィン61は、本体部60の外面に配置される。本体部60の外面は、回転軸AXを囲むように配置される。放熱フィン61は、本体部60の外面において軸方向に延伸するように配置される。放熱フィン61は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。
【0118】
蓋部62は、本体部60の挿入口63を塞ぐように配置される。挿入口63が蓋部62により塞がれるように本体部60と蓋部62とが接続されることにより、本体部60と蓋部62との間に内部空間59が形成される。ステータ27を含むモータ12の少なくとも一部が本体部60の内側に配置された後、本体部60の挿入口63が蓋部62で塞がれることにより、モータ12の少なくとも一部が内部空間59に配置される。
【0119】
図5に示すように、本体部60の内側に支持面64が設けられる。支持面64は、右方を向く。支持面64は、回転軸AXを囲む円環状である。支持面64にねじ孔65が設けられる。ねじ孔65は、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。ステータコア30の右端面にワッシャ66の少なくとも一部が接触された状態で、ねじ67がワッシャ66を介してねじ孔65に結合される。ワッシャ66の少なくとも一部は、支持面64よりも径方向内側に配置される。ステータコア30とワッシャ66との接触により、軸方向及び周方向のそれぞれにおいてステータ27と本体部60とが位置決めされる。
【0120】
また、本体部60の内面に複数の凸部68が設けられる。凸部68は、本体部60の内面から径方向内側に突出する。凸部68は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。ステータコア30の外面と凸部68とが接触することにより、径方向及び周方向のそれぞれにおいてステータ27と本体部60とが位置決めされる。
【0121】
本体部60において挿入口63の周囲に複数のねじボス部69が設けられる。実施形態において、ねじボス部69は、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。複数のねじボス部69のそれぞれにねじ孔が設けられる。蓋部62の周縁部に複数のねじボス部70が設けられる。実施形態において、ねじボス部70は、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。複数のねじボス部70のそれぞれに開口が設けられる。ねじボス部70の開口にねじ71の中間部が配置された状態で、ねじ71の先端部がねじボス部69のねじ孔に結合されることにより、本体部60と蓋部62とが固定される。
【0122】
図5に示すように、内部空間59は、ステータコア30が配置される円形空間59Aと、インシュレータ31の連結部50が配置される張出空間59Bとを含む。張出空間59Bは、円形空間59Aの上方に規定される。張出空間59Bは、円形空間59Aから上方に張り出すように規定される。
【0123】
本体部60は、円形空間59Aを規定する円筒部60Aと、張出空間59Bを規定する張出部60Bと、円筒部60Aの左端部に接続される壁部60Cとを含む。張出部60Bは、円筒部60Aの上部に配置される。張出部60Bは、円筒部60Aから上方に突出するように設けられる。
【0124】
蓋部62は、円筒部60Aに接続される円板部62Aと、張出部60Bに接続される張出部62Bとを含む。張出部62Bは、円板部62Aの上部に配置される。張出部62Bは、円板部62Aから上方に突出するように設けられる。
【0125】
モータケース13は、金属製である。モータケース13の熱伝導率は、ステータコア30の熱伝導率よりも高い。実施形態において、モータケース13は、アルミニウム製である。ステータコア30は、鉄を主成分とする鋼製である。モータケース13の熱伝導率は、約236[W/(m・K)]である。ステータコア30の熱伝導率は、約84[W/(m・K)]である。
【0126】
なお、モータケース13は、アルミダイカスト(ADC12)製でもよい。モータケース13がアルミダイカスト(ADC12)製である場合、モータケース13の熱伝導率は、約96[W/(m・K)]である。
【0127】
なお、モータケース13の熱伝導率は、100[W/(m・K)]以上であることが好ましく、200[W/(m・K)]以上であることがより好ましい。高い熱伝導率のモータケース13が使用されることにより、高い放熱効果が期待できる。
【0128】
(ベアリング)
ベアリング18は、ロータシャフト29を支持する。ロータシャフト29は、ベアリング18に回転可能に支持される。ベアリング18は、モータケース13に支持される。
【0129】
モータケース13は、ロータシャフト29の少なくとも一部が配置されるシャフト孔72を有する。シャフト孔72は、モータケース13の内部空間59とモータケース13の外部空間とを繋ぐように設けられる。実施形態において、シャフト孔72は、ロータシャフト29の左部が配置されるシャフト孔72Lと、ロータシャフト29の右部が配置されるシャフト孔72Rとを含む。シャフト孔72Lは、本体部60の壁部60Cに設けられる。シャフト孔72Rは、蓋部62の円板部62Aに設けられる。
【0130】
モータケース13は、シャフト孔72を規定する周壁部101を有する。周壁部101は、実質的に円筒状である。周壁部101は、シャフト孔72Lを規定する周壁部101Lと、シャフト孔72Rを規定する周壁部101Rとを含む。周壁部101Lは、本体部60の壁部60Cに設けられる。周壁部101Lは、壁部60Cの左面から左方に突出する。周壁部101Rは、蓋部62の円板部62Aに設けられる。周壁部101Rは、円板部62Aの右面から右方に突出する。
【0131】
ベアリング18は、ロータシャフト29の左部を支持する左ベアリング18Lと、ロータシャフト29の右部を支持する右ベアリング18Rとを含む。左ベアリング18Lは、シャフト孔72Lに配置される。右ベアリング18Rは、シャフト孔72Rに配置される。
【0132】
ロータシャフト29の左端部及び右端部のそれぞれは、モータケース13の外部に配置される。ロータシャフト29の左端部及び右端部の少なくとも一方は、動力伝達機構(不図示)を介してソーチェーン10に連結される。ソーチェーン10は、ロータシャフト29により駆動される。ロータシャフト29が回転することにより、ソーチェーン10が駆動する。
【0133】
(伝熱樹脂部)
伝熱樹脂部19は、モータケース13に収容される。伝熱樹脂部19は、コイル32及びモータケース13のそれぞれに接触する。伝熱樹脂部19は、コイル32を覆うように配置される。実施形態において、伝熱樹脂部19は、ステータコア30及びインシュレータ31のそれぞれに接触する。
【0134】
伝熱樹脂部19は、合成樹脂製である。伝熱樹脂部19は、高熱伝導性且つ絶縁性(電気絶縁性)である。例えばインシュレータ31がナイロン樹脂製であり、ナイロン樹脂の熱伝導率が0.2[W/m・K]である場合、伝熱樹脂部19に使用される合成樹脂の熱伝導率は、0.2[W/m・K]よりも高い。
【0135】
熱伝導率が0.2[W/m・K]よりも高い絶縁性の合成樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂が例示される。なお、伝熱樹脂部19は、絶縁性の熱伝導性フィラーが含有されたナイロン樹脂製でもよい。
【0136】
ステータ27が挿入口63を介して本体部60の内側に挿入された後、加熱溶融された合成樹脂が挿入口63を介して本体部60の内側に供給される。本体部60の内側に供給された合成樹脂が固化されることにより、伝熱樹脂部19が形成される。
【0137】
(冷却ファン)
冷却ファン20は、モータケース13の外部に配置される。冷却ファン20は、モータケース13の外面の少なくとも一部に対向する。冷却ファン20は、ロータシャフト29に固定される。冷却ファン20は、ロータシャフト29により回転される。
【0138】
実施形態において、冷却ファン20は、モータケース13よりも右方に配置される。冷却ファン20は、モータケース13の外部に配置されたロータシャフト29の右端部に固定される。冷却ファン20は、蓋部62の少なくとも一部に対向するように配置される。
【0139】
実施形態において、冷却ファン20は、遠心ファンである。冷却ファン20は、吸込口20Aを有する第1プレート20Bと、開口20Cを有する第2プレート20Dと、第1プレート20Bと第2プレート20Dとの間に配置される複数のブレード20Eとを有する。第1プレート20Bの周縁部と第2プレート20Dの周縁部との間に吹出口20Fが規定される。
【0140】
冷却ファン20は、モータケース13を冷却する空気の流れを生成する。ロータシャフト29が回転すると、ロータシャフト29と一緒に冷却ファン20が回転する。冷却ファン20が回転すると、冷却ファン20の周囲の空気が吸込口20Aに吸い込まれる。吸込口20Aに吸い込まれた空気は、吹出口20Fから吹き出される。吹出口20Fから吹き出された空気の少なくとも一部は、モータケース13の外面に当たる。これにより、モータケース13が冷却される。
【0141】
実施形態において、冷却ファン20は、ファンブッシュ73を介してロータシャフト29に固定される。ファンブッシュ73は、ロータシャフト29と冷却ファン20とを繋ぐ中間部材である。ファンブッシュ73は、モータケース13の外部において、ロータシャフト29の右端部と冷却ファン20とを繋ぐように配置される。冷却ファン20が回転すると、ファンブッシュ73は、冷却ファン20と一緒に回転する。
【0142】
ファンブッシュ73は、冷却ファン20よりも左方に配置される円板部73Aと、冷却ファン20の開口20Cに挿入される円筒部73Bとを有する。円筒部73Bは、ロータシャフト29の右端部が挿入される支持孔73Cを有する。
【0143】
冷却ファン20は、合成樹脂製である。冷却ファン20を形成する合成樹脂として、ナイロン樹脂が例示される。ファンブッシュ73は、金属製である。ファンブッシュ73を形成する金属として、鉄が例示される。
【0144】
(センサ用磁石)
センサ用磁石21は、モータケース13の外部に配置される。センサ用磁石21は、永久磁石である。センサ用磁石21は、ロータシャフト29により回転される。
【0145】
センサ用磁石21は、モータケース13の外部に配置されたロータシャフト29の端部に固定される回転部材に固定される。回転部材として、冷却ファン20又はファンブッシュ73が例示される。実施形態において、センサ用磁石21は、ファンブッシュ73に固定される。センサ用磁石21は、ファンブッシュ73を介して冷却ファン20に固定される。
【0146】
センサ用磁石21は、周方向に間隔をあけて複数配置される。実施形態において、センサ用磁石21は、ファンブッシュ73の円板部73Aに固定される。センサ用磁石21は、円板部73Aの内部に配置される。センサ用磁石21は、回転軸AXの周囲に複数配置される。
【0147】
円板部73Aは、周方向に間隔をあけて設けられた複数の磁石孔73Dを有する。磁石孔73Dは、円板部73Aの左端面と右端面とを貫くように形成される。円板部73Aは、磁石孔73Dに配置される。実施形態において、磁石孔73Dの数は、8つである。センサ用磁石21は、周方向に間隔をあけて8つ配置される。
【0148】
(センサ基板)
図11は、実施形態に係るセンサ基板22の近傍を示す縦断面図である。図12は、実施形態に係るセンサ基板22を示す斜視図である。図13は、実施形態に係るセンサ基板22を示す分解斜視図である。
【0149】
図4図7図11図12、及び図13に示すように、センサ基板22は、モータケース13の外部に配置される。センサ基板22は、磁気センサ74を支持する。磁気センサ74は、モータケース13の外部に配置される。磁気センサ74は、センサ用磁石21を検出する。磁気センサ74として、ホール素子が例示される。磁気センサ74は、センサ用磁石21を検出することによって、ロータ28の回転を検出する。センサ基板22に信号線75が接続される。信号線75は、5本配置される。磁気センサ74の検出信号は、信号線75を介してコントローラ6に送信される。
【0150】
軸方向において、センサ基板22は、モータケース13の少なくとも一部と冷却ファン20との間に配置される。軸方向において、センサ基板22は、モータケース13の少なくとも一部とセンサ用磁石21との間に配置される。実施形態において、センサ基板22は、蓋部62の円板部62Aとファンブッシュ73との間に配置される。センサ基板22に支持される磁気センサ74は、モータケース13と冷却ファン20との間に配置される。磁気センサ74は、センサ基板22の右面に配置される。磁気センサ74は、センサ用磁石21に対向するように配置される。
【0151】
センサ基板22は、円環状である。実施形態において、センサ基板22の周縁部にノッチ22Aが設けられる。ノッチ22Aは、周方向に間隔をあけて3つ設けられる。また、センサ基板22は、複数の孔22Bを有する。孔22Bは、センサ基板22の左面と右面とを貫くように形成される。
【0152】
磁気センサ74及びセンサ基板22の表面の少なくとも一部は、樹脂膜76により覆われる。樹脂膜76は、センサ基板22の左面及び右面のそれぞれを覆うように配置される。センサ基板22の表面には、磁気センサ74のみならず、複数の電子部品77が実装されている。センサ基板22の表面に実装される電子部品77として、コンデンサ、抵抗器、又はサーミスタが例示される。樹脂膜76は、電子部品77も覆うように配置される。
【0153】
3つのノッチ22Aは、樹脂膜76で覆われない。また、2つの孔22Bは、樹脂膜76で覆われない。ノッチ22A及びノッチ22Aの周辺において、センサ基板22の表面は露出する。孔22B及び孔22Bの周辺において、センサ基板22の表面は露出する。
【0154】
樹脂膜76は、絶縁性及び磁場透過性を有する。樹脂膜76は、センサ基板22、磁気センサ74、及び電子部品77を保護する。樹脂膜76は、低温低圧射出成形により形成される。センサ基板22が配置された金型に対して、加熱溶融された合成樹脂が0.1MPa以上10MPa以下の低圧で押し出されて、センサ基板22に一体成形される。樹脂膜76を形成する合成樹脂は、軟化点が200℃未満である熱可塑性樹脂が好ましく、融点が200℃未満である熱可塑性樹脂であることが好ましい。樹脂膜76を形成する合成樹脂として、脂肪族骨格を含むポリアミド(ナイロン)を主成分(重量比率で過半数)とする合成樹脂が例示される。
【0155】
実施形態において、センサ基板22は、周壁部101Rの周囲に配置される。
【0156】
センサ基板22は、モータケース13に固定される。蓋部62の円板部62Aは、ねじボス部62Dを有する。ねじボス部62Dは、円板部62Aに3つ設けられる。3つのねじボス部62Dのそれぞれにねじ孔が設けられる。また、蓋部62の円板部62Aは、位置決めピン62Eを有する。位置決めピン62Eは、円板部62Aに2つ設けられる。位置決めピン62Eは、円板部62Aの右面から右方に突出する。実施形態において、位置決めピン62Eは、円板部62Aに設けられた開口に配置される。
【0157】
センサ基板22は、ねじ78により蓋部62に固定される。センサ基板22の2つの孔22Bのそれぞれに位置決めピン62Eが配置され、センサ基板22の3つのノッチ22Aのそれぞれにねじボス部62Dが配置されるように、センサ基板22が蓋部62に接続される。センサ基板22が蓋部62に接続された後、ねじ78の先端部がねじボス部62Dのねじ孔に結合される。センサ基板22は、ねじ78の頭部とねじボス部62Dの右端面との間に挟まれる。これにより、センサ基板22がねじ78により蓋部62に固定される。
【0158】
(第1シール部材及びプレス機構)
図14は、実施形態に係る第1シール部材23及びプレス機構24を示す斜視図である。図15は、実施形態に係る第1シール部材23及びプレス機構24を示す分解斜視図である。図16は、実施形態に係る第1シール部材23及びプレス機構24を分解した斜視断面図である。図17は、実施形態に係る第1シール部材23及びプレス機構24を示す断面図である。図18は、実施形態に係る第1シール部材23及びプレス機構を示す断面図であり、図17のC-C線矢視断面図に相当する。
【0159】
モータケース13は、モータケース13の内部空間59とモータケース13の外部空間とを繋ぐ配線通路79を有する。配線通路79は、本体部60の張出部60Bに設けられる。実施形態において、張出部60Bに円筒部60Dが設けられる。円筒部60Dは、張出部60Bから上方に突出する。配線通路79の少なくとも一部は、円筒部60Dにより規定される。
【0160】
配線通路79に電源線46が配置される。電源線46は、リード線の一種である。電源線46は、接続端子47及びバスバーユニット33を介してコイル32に接続される。
【0161】
第1シール部材23は、電源線46とモータケース13との境界をシールする。
【0162】
第1シール部材23は、実質的に円柱状である。第1シール部材23の中心軸CXは、上下方向に延伸する。第1シール部材23は、ゴム製である。第1シール部材23は、配線通路79に配置される。配線通路79は、モータケース13の外部空間に面する挿入端開口80を有する。実施形態において、挿入端開口80は、円筒部60Dの上端部に配置される。第1シール部材23は、挿入端開口80から配線通路79に挿入される。すなわち、第1シール部材23は、円筒部60Dの上方から円筒部60Dの内側に挿入される。
【0163】
第1シール部材23は、電源線46が配置される孔81を有する。孔81は、第1シール部材23の上面82と下面83とを貫くように形成される。孔81は、3つ設けられる。3つの孔81は、相互に平行に設けられる。電源線46は、3本存在する。1つの孔81に1本の電源線46が配置される。3つの孔81のそれぞれに電源線46が配置される。電源線46の外面と孔81の内面とは密着する。
【0164】
第1シール部材23は、第1部分84と、第1部分84よりも下方に配置される第2部分85と、第2部分85よりも下方に配置される第3部分86とを有する。第2部分85の直径は、第1部分84の直径よりも大きい。第3部分86の直径は、第2部分85の直径よりも大きい。
【0165】
第1部分84と第2部分85との境界に段差が設けられる。第1部分84と第2部分85との境界にテーパ面87が設けられる。テーパ面87は、第1シール部材23の中心軸CXの径方向外側に向かって下方に傾斜する。
【0166】
第2部分85と第3部分86との境界に段差が設けられる。第2部分85と第3部分86との境界に支持面88が設けられる。支持面88は、上方を向く。中心軸CXに直交する面内において、支持面88は、円環状である。
【0167】
図17に示すように、モータケース13は、配線通路79に面する突起部89を有する。突起部89は、配線通路79の内面に設けられる。突起部89は、配線通路79の中心(中心軸CX)に向かって、且つ、上方に向かって突出する。中心軸CXに直交する面内において、突起部89は、円環状である。第1シール部材23の下面83は、突起部89に接触することができる。下面83は、モータケース13の突起部89に接触する接触部を含む。上述のように、突起部89は、円環状である。下面83の円環エリアと突起部89とが接触する。第1シール部材23が挿入端開口80から配線通路79に挿入されることにより、第1シール部材23の下面83の少なくとも一部と突起部89とが接触する。
【0168】
プレス機構24は、配線通路79に配置された第1シール部材23に圧力をかける。プレス機構24は、電源線46の外面と第1シール部材23の孔81の内面とが密着するように、第1シール部材23を締め付ける。プレス機構24は、第1シール部材23の下面83とモータケース13の突起部89とが密着するように、第1シール部材23を突起部89に押し付ける。
【0169】
電源線46の外面と第1シール部材23の孔81の内面とが密着することにより、電源線46と第1シール部材23との境界とがシールされる。第1シール部材23の下面83とモータケース13の突起部89とが密着することにより、第1シール部材23とモータケース13との境界がシールされる。これにより、電源線46とモータケース13との境界がシールされる。
【0170】
プレス機構24は、プレス部材91と、カバー部材92とを有する。
【0171】
プレス部材91は、第1シール部材23の周囲に配置されるリング部93と、リング部93に接続される複数の爪部94とを有する。
【0172】
リング部93は、第1シール部材23の第2部分85の周囲に配置される。リング部93の下端部は、第1シール部材23の支持面88に接触する。リング部93の中心軸と第1シール部材23の中心軸CXとは、一致する。
【0173】
爪部94は、リング部93の上部に接続される。爪部94は、中心軸CXの周囲に複数配置される。爪部94は、リング部93に接続される弾性変形部94Aと、弾性変形部94Aの上部に接続される頭部94Bとを有する。弾性変形部94Aは、頭部94Bが径方向に移動するように弾性変形する。
【0174】
カバー部材92は、プレス部材91に接触した状態でモータケース13に固定される。カバー部材92は、爪部94の周囲に配置される周壁部95と、モータケース13に固定される固定部96とを有する。
【0175】
周壁部95は、第1部分84の上端部が配置される開口97を有する。周壁部95は、開口97から中心軸CXの径方向外側に向かって下方に傾斜する内面98を有する。内面98は、中心軸CXを囲むように配置される。内面98は、爪部94の少なくとも一部に接触する。内面98は、複数の爪部94のそれぞれに同時に接触することができる。実施形態において、内面98は、爪部94の頭部94Bに接触する。頭部94Bは、中心軸CXの径方向外側に突出する角部94Cを有する。内面98は、角部94Cに接触する。
【0176】
固定部96は、周壁部95の下部に接続される。固定部96は、周壁部95の前側及び後側のそれぞれに配置される。固定部96は、プレート状である。固定部96は、ねじ99が配置される開口96Aを有する。固定部96は、ねじ99によりモータケース13に固定される。図5図6、及び図15に示すように、モータケース13の外面の少なくとも一部にねじ孔100が設けられる。実施形態において、ねじ孔100は、本体部60の張出部60Bに設けられる。ねじ99の中間部が固定部96の開口96Aに配置された状態で、ねじ99の先端部がねじ孔100に結合されることにより、カバー部材92がモータケース13に固定される。固定部96は、モータケース13の外面に接触する。
【0177】
爪部94の頭部94Bは、弾性変形部94Aの弾性変形により中心軸CXの径方向に移動可能である。周壁部95の内面98と頭部94Bの角部94Cとが接触した状態でねじ99によりカバー部材92をモータケース13に固定すると、カバー部材92は、下方に移動する。すなわち、ねじ99を回転させることにより、カバー部材92は、モータケース13に接近するように下方に移動する。
【0178】
カバー部材92が下方に移動すると、頭部94Bは、周壁部95により中心軸CXの径方向内側に押される。頭部94Bが径方向内側に移動することにより、第1シール部材23は、複数の爪部94により締め付けられる。このように、プレス部材91の爪部94とカバー部材92とが接触した状態でカバー部材92が下方に移動すると、爪部94は、カバー部材92との接触によりリング部93の径方向内側に弾性変形して、第1シール部材23を締め付ける。第1シール部材23が複数の爪部94により径方向内側に締め付けられることにより、電源線46の外面と孔81の内面とが密着する。
【0179】
また、カバー部材92が下方に移動すると、頭部94Bは、周壁部95により中心軸CXに平行な軸方向に移動する。すなわち、カバー部材92が下方に移動すると、プレス部材91は、下方に移動する。プレス部材91のリング部93は、第1シール部材23の支持面88に接触する。そのため、リング部93を含むプレス部材91が下方に移動することにより、第1シール部材23も下方に移動して、第1シール部材23が突起部89に押し付けられる。このように、プレス部材91の爪部94とカバー部材92とが接触した状態でカバー部材92が下方に移動すると、リング部93は、爪部94とカバー部材92との接触によりリング部93の軸方向(下方)に移動して、第1シール部材23の下面83を突起部89に押し付ける。第1シール部材23の下面83が突起部89に押し付けられることにより、下面83と突起部89とが密着する。
【0180】
(第2シール部材)
第2シール部材25は、ロータシャフト29とモータケース13との境界をシールする。第2シール部材25は、シャフト孔72に配置される。図7に示すように、第2シール部材25は、ロータシャフト29の左部とモータケース13との境界をシールする第2シール部材25Lと、ロータシャフト29の右部とモータケース13との境界をシールする第2シール部材25Rとを含む。第2シール部材25Lは、シャフト孔72Lに配置される。第2シール部材25Rは、シャフト孔72Rに配置される。
【0181】
周壁部101は、第2シール部材25の周囲に配置される。周壁部101は、第2シール部材25を支持する。第2シール部材25は、ロータシャフト29と周壁部101との間に圧入される。
【0182】
図19は、実施形態に係る第2シール部材25Lの近傍を示す断面図である。図3図7、及び図19に示すように、周壁部101Lは、第2シール部材25Lの周囲に配置される。第2シール部材25Lは、左ベアリング18Lよりも左方に配置される。周壁部101Lの内面にリブ102Lが設けられる。リブ102Lは、周壁部101Lの内面から径方向内側に突出する。回転軸AXと直交する面内において、リブ102Lは、円環状である。リブ102Lは、第2シール部材25Lと左ベアリング18Lとの間に配置される。リブ102Lの左面は、第2シール部材25Lを支持する。リブ102Lの右面は、左ベアリング18Lを支持する。
【0183】
第2シール部材25Lは、周壁部101L及びリブ102Lに支持される。周壁部101Lは、ロータシャフト29の左部を囲むように配置される。第2シール部材25Lは、ロータシャフト29の左部と周壁部101Lとの間に圧入される。
【0184】
第2シール部材25Lは、オイルシールを含む。第2シール部材25Lは、ロータシャフト29に接触するリップ部103と、周壁部101Lに接触する外周部104と、リブ102Lに接触する連結部105とを有する。連結部105は、リップ部103と外周部104とを繋ぐように配置される。リップ部103の内部には、ロータシャフト29を締め付ける弾性力を発生するスプリング106が配置される。外周部104及び連結部105の内部には、第2シール部材25Lの骨格をなす金属環107が配置される。
【0185】
第2シール部材25Lの左側には、ストッパ部材108Lが配置される。ストッパ部材108Lは、第2シール部材25Lがシャフト孔72Lから抜け出ることを抑制する。ストッパ部材108Lとして、サークリップが例示される。
【0186】
図11に示すように、第2シール部材25Rは、右ベアリング18Rよりも右方に配置される。周壁部101Rの内面にリブ102Rが設けられる。リブ102Rは、第2シール部材25Rと右ベアリング18Rとの間に配置される。リブ102Rの右面は、第2シール部材25Rを支持する。リブ102Rの左面は、右ベアリング18Rを支持する。
【0187】
第2シール部材25Rは、周壁部101R及びリブ102Rに支持される。周壁部101Rは、ロータシャフト29の右部を囲むように配置される。第2シール部材25Rは、ロータシャフト29の右部と周壁部101Rとの間に圧入される。
【0188】
第2シール部材25Lと同様、第2シール部材25Rは、オイルシールを含む。
【0189】
図4及び図11に示すように、第2シール部材25Rの右側には、ストッパ部材108Rが配置される。ストッパ部材108Rは、第2シール部材25Rがシャフト孔72Rから抜け出ることを抑制する。ストッパ部材108Rとして、サークリップが例示される。
【0190】
(第3シール部材)
第3シール部材26は、本体部60と蓋部62との境界をシールする。第3シール部材26は、Oリングを含む。図5及び図6に示すように、第3シール部材26は、本体部60の円筒部60Aと蓋部62の円板部62Aとの間に配置される円弧部26Aと、本体部60の張出部60Bと蓋部62の張出部62Bとの間に配置される矩形部26Bとを含む。矩形部26Bは、円弧部26Aの上部に接続される。円弧部26Aは、円筒部60Aの周縁部及び円板部62Aの周縁部のそれぞれに接触する。矩形部26Bは、張出部60Bの周縁部及び張出部62Bの周縁部のそれぞれに接触する。
【0191】
図20は、実施形態に係る第3シール部材26の近傍を示す断面図である。図7及び図20に示すように、本体部60は、挿入口63を囲むように設けられる凹部109を有する。本体部60の右端面に、内側周壁部110及び外側周壁部111が設けられる。内側周壁部110及び外側周壁部111のそれぞれは、本体部60の右端面から右方に突出する。外側周壁部111は、内側周壁部110よりも径方向外側に配置される。凹部109は、本体部60の右端面と内側周壁部110と外側周壁部111とにより規定される。第3シール部材26は、凹部109に配置される。第3シール部材26は、凹部109に配置された状態で、本体部60の右端面及び蓋部62の左端面のそれぞれに接触する。
【0192】
図6及び図20に示すように、蓋部62は、内側周壁部110の内側に嵌まるリブ部112を有する。リブ部112は、蓋部62の左面から左方に突出する。リブ部112と内側周壁部110とは接触する。
【0193】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、電動作業機1は、ブラシレスモータであるモータ12と、出力部であるソーチェーン10とを備える。モータ12は、ステータ27と、ステータ27に対して回転するロータ28と、ロータ28に固定されるロータシャフト29と、を有する。ソーチェーン10は、ロータシャフト29により駆動される。電動作業機1は、ステータ27及びロータ28を収容するモータケース13を備える。電動作業機1は、モータケース13の外部に配置される冷却ファン20を備える。冷却ファン20は、ロータシャフト29により回転される。
【0194】
上記の構成では、冷却ファン20がロータシャフト29により回転されることにより、モータケース13が冷却される。これにより、モータ12が発熱しても、モータケース13に収容されているモータ12は、モータケース13を介して冷却される。そのため、モータ12が熱により誤作動したり、モータ12の周辺の電子機器が熱により誤作動したり、モータ12の構成部品が熱により劣化したり、モータ12の周辺の電子部品が熱により劣化したりすることが抑制される。したがって、電動作業機1は、適正に駆動される。
【0195】
実施形態において、冷却ファン20は、モータケース13の外部に配置されたロータシャフト29の端部に固定される。
【0196】
上記の構成では、冷却ファン20は、モータケース13の外部において、ロータシャフト29と一緒に回転することができる。
【0197】
実施形態において、冷却ファン20は、モータケース13の外面の少なくとも一部に対向する。
【0198】
上記の構成では、冷却ファン20は、モータケース13の外面に空気を効率良く当てることができる。
【0199】
実施形態において、モータケース13は、ステータ27及びロータ28が収容される本体部60と、本体部60の外面に配置される放熱フィン61と、を有する。
【0200】
上記の構成では、放熱フィン61により、モータケース13は効率良く冷却される。
【0201】
実施形態において、ステータ27は、ステータコア30と、ステータコア30の表面の少なくとも一部を覆うインシュレータ31と、インシュレータ31に装着されるコイル32と、を有する。電動作業機1は、モータケース13に収容され、コイル32及びモータケース13のそれぞれに接触する伝熱樹脂部19を備える。
【0202】
上記の構成では、コイル32で発生した熱は、伝熱樹脂部19を介してモータケース13に効率良く伝達される。冷却ファン20によりモータケース13が冷却されることにより、コイル32が効率良く冷却される。
【0203】
実施形態において、冷却ファン20は、モータケース13を冷却する空気の流れを生成する。
【0204】
上記の構成では、モータ12が発熱しても、モータ12は、モータケース13を介して冷却される。そのため、電動作業機1は、適正に駆動される。
【0205】
実施形態において、電動作業機1は、モータケース13の外部に配置され、ロータシャフト29により回転されるセンサ用磁石21と、モータケース13の外部に配置され、センサ用磁石21を検出する磁気センサ74と、を備える。
【0206】
上記の構成では、モータケース13の外部にセンサ用磁石21及び磁気センサ74が配置されるので、モータケース13の内部に収容されているモータ12が発熱しても、センサ用磁石21及び磁気センサ74が加熱されることが抑制される。そのため、磁気センサ74が熱により誤作動したり劣化したりすることが抑制される。電動作業機1のコントローラ6は、磁気センサ74の検出信号に基づいて、モータ12に供給する駆動電流を制御する。すなわち、モータ12の回転は、磁気センサ74の検出信号に基づいて制御される。磁気センサ74の誤作動又は劣化が抑制されるので、電動作業機1は、適正に駆動される。
【0207】
実施形態において、電動作業機1は、ロータシャフト29と冷却ファン20とを繋ぐファンブッシュ73を備える。センサ用磁石21は、ファンブッシュ73に固定される。
【0208】
上記の構成では、センサ用磁石21は、ロータ28、ロータシャフト29、冷却ファン20、及びファンブッシュ73と一緒に回転することができる。そのため、磁気センサ74は、センサ用磁石21を検出することによって、ロータ28の回転を検出することができる。
【0209】
実施形態において、冷却ファン20は、合成樹脂製である。ファンブッシュ73は、金属製である。
【0210】
上記の構成では、冷却ファン20が合成樹脂製なので、冷却ファン20の軽量化が図られる。ファンブッシュ73が金属製なので、ファンブッシュ73の回転によりファンブッシュ73に遠心力が作用しても、ファンブッシュ73が変形したり、ファンブッシュ73からセンサ用磁石21が脱落したりすることが抑制される。センサ用磁石21はファンブッシュ73に安定して固定されるので、磁気センサ74は、センサ用磁石21を検出することにより、ロータ28の回転を適正に検出することができる。
【0211】
実施形態において、磁気センサ74は、モータケース13と冷却ファン20との間に配置される。
【0212】
上記の構成では、モータケース13、冷却ファン20、及び磁気センサ74を含むモータアセンブリ11の大型化が抑制される。
【0213】
実施形態において、電動作業機1は、ブラシレスモータであるモータ12と、出力部出るソーチェーン10とを備える。モータ12は、ステータ27と、ステータ27に対して回転するロータ28と、ロータ28に固定されるロータシャフト29と、を有する。ソーチェーン10は、ロータシャフト29により駆動される。電動作業機1は、ステータ27及びロータ28を収容するモータケース13を備える。電動作業機1は、モータケース13の外部に配置されるセンサ用磁石21を備える。センサ用磁石21は、ロータシャフト29により回転される。電動作業機1は、モータケース13の外部に配置され、センサ用磁石21を検出する磁気センサ74を備える。
【0214】
上記の構成では、センサ用磁石21がロータシャフト29により回転されるので、磁気センサ74は、センサ用磁石21を検出することにより、ロータ28の回転を検出することができる。また、モータケース13の外部にセンサ用磁石21及び磁気センサ74が配置されるので、モータケース13の内部に収容されているモータ12が発熱しても、センサ用磁石21及び磁気センサ74が加熱されることが抑制される。そのため、磁気センサ74が熱により誤作動したり劣化したりすることが抑制される。電動作業機1のコントローラ6は、磁気センサ74の検出信号に基づいて、モータ12に供給する駆動電流を制御する。すなわち、モータ12の回転は、磁気センサ74の検出信号に基づいて制御される。磁気センサ74の誤作動又は劣化が抑制されるので、電動作業機1は、適正に駆動される。
【0215】
実施形態において、電動作業機1は、モータケース13の外部に配置されたロータシャフト29の端部に固定される回転部材を備える。センサ用磁石21は、回転部材に固定される。
【0216】
上記の構成では、センサ用磁石21は、ロータ28、ロータシャフト29、及び回転部材と一緒に回転することができる。そのため、磁気センサ74は、センサ用磁石21を検出することによって、ロータ28の回転を検出することができる。
【0217】
実施形態において、電動作業機1は、モータケース13の外部に配置され、磁気センサ74を支持するセンサ基板22を備える。
【0218】
上記の構成では、磁気センサ74は、モータケース13の外部において、センサ基板22に支持される。
【0219】
実施形態において、ロータ28の回転軸AXに平行な軸方向において、センサ基板22は、モータケース13の少なくとも一部とセンサ用磁石21との間に配置される。
【0220】
上記の構成では、モータケース13、センサ用磁石21、及びセンサ基板22を含むモータアセンブリ11の大型化が抑制される。
【0221】
実施形態において、センサ基板22は、モータケース13に固定される。
【0222】
上記の構成では、モータケース13とセンサ基板22との相対位置の変化が抑制される。
【0223】
実施形態において、電動作業機1は、磁気センサ74及びセンサ基板22の表面の少なくとも一部を覆う樹脂膜76を備える。
【0224】
上記の構成では、磁気センサ74及びセンサ基板22は、樹脂膜76により保護される。
【0225】
実施形態において、電動作業機1は、ロータシャフト29を支持するベアリング18を備える。ベアリング18は、モータケース13に支持される。
【0226】
上記の構成では、ベアリング18とモータケース13との相対位置の変化が抑制される。
【0227】
実施形態において、モータケース13の内部空間59において、ステータ27は、ロータ28の少なくとも一部を囲むように配置される。
【0228】
上記の構成では、インナロータ型のブラシレスモータであるモータ12がモータケース13に収容される。
【0229】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0230】
図21は、実施形態に係るモータアセンブリ1101を模式的に示す縦断面図である。磁気センサ74は、センサ基板22に支持される。図21に示すように、径方向において、磁気センサ74は、ロータ28よりも外側に配置される。より詳しくは、径方向において、磁気センサ74は、ロータコア54の外面よりも外側に配置される。
【0231】
径方向において、センサ用磁石21は、ロータ28よりも外側に配置される。より詳しくは、径方向において、センサ用磁石21は、ロータコア54の外面よりも外側に配置される。センサ用磁石21は、磁気センサ74に対向するように配置される。
【0232】
図21に示す例において、センサ用磁石21は、冷却ファン20に直接固定される。なお、センサ用磁石21は、冷却ファン20及びファンブッシュ73とは異なる回転部材に固定されてもよい。
【0233】
以上説明したように、実施形態において、ロータ28の回転軸AXの径方向において、磁気センサ74は、ロータ28よりも外側に配置される。
【0234】
上記の構成では、磁気センサ74が回転軸AXから離れた位置に配置されるので、磁気センサ74によるロータ28の回転の検出精度が向上する。
【0235】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0236】
図22は、実施形態に係るモータアセンブリ1102を示す縦断面図である。図23は、実施形態に係る第1シール部材230及びプレス機構24を示す斜視図である。
【0237】
上述の実施形態においては、センサ基板22がモータケース13の外部に配置されることとした。図22に示すように、センサ基板22は、モータケース13の内部空間59に配置されてもよい。図22に示す例において、センサ基板22は、スリーブ113の周囲に配置される。スリーブ113は、ロータシャフト29の周囲に配置される。センサ基板22は、ねじ114により蓋部62に固定される。
【0238】
上述の実施形態と同様、センサ基板22は、磁気センサ74を有する。磁気センサ74は、モータケース13の内部空間に配置される。実施形態において、磁気センサ74は、回転用磁石55を検出する。回転用磁石55は、ロータ28により回転される。磁気センサ74は、回転用磁石55を検出することによって、ロータ28の回転を検出する。実施形態において、回転用磁石55は、センサ用磁石として機能する。なお、回転用磁石55とは別のセンサ用磁石がロータ28に固定されてもよい。磁気センサ74は、ロータ28により回転されるセンサ用磁石を検出することによって、ロータ28の回転を検出してもよい。
【0239】
図23に示すように、第1シール部材230は、電源線46が配置される孔81と、信号線75が配置される孔810とを有する。信号線75は、センサ基板22を介して磁気センサ74に接続されるリード線である。
【0240】
図24は、実施形態に係る第1シール部材230に支持される信号線75を示す図である。図24に示すように、5本の信号線75は、チューブ115により一体化される。チューブ115が孔810に配置される。チューブ115として、熱収縮チューブが例示される。チューブ115の外面と孔810の内面とは密着する。
【0241】
以上説明したように、実施形態において、第1シール部材230は、リード線として、磁気センサ74に接続される信号線75とモータケース13との境界をシールしてもよい。
【0242】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、モータ12は、インナロータ型のブラシレスモータであることとした。モータ12は、アウタロータ型のブラシレスモータでもよい。アウタロータ型のブラシレスモータにおいては、ティースは、環状のヨークから径方向外側に突出する。
【0243】
上述の実施形態において、電動作業機1は、園芸工具の一種であるチェーンソーであることとした。園芸工具は、チェーンソーに限定されない。園芸工具として、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。また、電動作業機1は、電動工具でもよい。電動工具として、ドライバドリル、震動ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、グラインダ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。
【0244】
上述の実施形態において、電動作業機の電源としてバッテリ装着部に装着されるバッテリパック17が使用されることとした。電動作業機の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0245】
1…電動作業機、2…ハウジング、3…フロントグリップ部、4…ハンドガード、5…バッテリ装着部、6…コントローラ、7…トリガロックレバー、8…トリガスイッチ、9…ガイドバー、10…ソーチェーン(出力部)、11…モータアセンブリ、12…モータ、13…モータケース、14…モータ収容部、15…バッテリ保持部、16…リヤグリップ部、17…バッテリパック、18…ベアリング、18L…左ベアリング、18R…右ベアリング、19…伝熱樹脂部、20…冷却ファン、20A…吸込口、20B…第1プレート、20C…開口、20D…第2プレート、20E…ブレード、20F…吹出口、21…センサ用磁石、22…センサ基板、22A…ノッチ、22B…孔、23…第1シール部材、24…プレス機構、25…第2シール部材、25L…第2シール部材、25R…第2シール部材、26…第3シール部材、26A…円弧部、26B…矩形部、27…ステータ、28…ロータ、29…ロータシャフト、30…ステータコア、31…インシュレータ、32…コイル、33…バスバーユニット、34…ヨーク、35…ティース、36…ティース被覆部、37…コイル止部、38…周壁部、38L…周壁部、38R…周壁部、39…ワイヤ支持部、39A…内側突出部、39B…外側突出部、40…ねじボス部、41…ワイヤ、42…外部端子、42U…外部端子、42V…外部端子、42W…外部端子、43…ヒュージング端子、43U…ヒュージング端子、43V…ヒュージング端子、43W…ヒュージング端子、44…短絡部材、44U…短絡部材、44V…短絡部材、44W…短絡部材、45…絶縁部材、46…電源線、46U…電源線、46V…電源線、46W…電源線、47…接続端子、47U…接続端子、47V…接続端子、47W…接続端子、48…ベース部、49…ねじボス部、50…連結部、51…凹部、52…ねじ、53…ねじ、54…ロータコア、55…回転用磁石、56…磁石孔、57…中空孔、58…筒状部材、59…内部空間、59A…円形空間、59B…張出空間、60…本体部、60A…円筒部、60B…張出部、60C…壁部、60D…円筒部、61…放熱フィン、62…蓋部、62A…円板部、62B…張出部、62D…ねじボス部、62E…位置決めピン、63…挿入口、64…支持面、65…ねじ孔、66…ワッシャ、67…ねじ、68…凸部、69…ねじボス部、70…ねじボス部、71…ねじ、72…シャフト孔、72L…シャフト孔、72R…シャフト孔、73…ファンブッシュ、73A…円板部、73B…円筒部、73C…支持孔、73D…磁石孔、74…磁気センサ、75…信号線、76…樹脂膜、77…電子部品、78…ねじ、79…配線通路、80…挿入端開口、81…孔、82…上面、83…下面(接触部)、84…第1部分、85…第2部分、86…第3部分、87…テーパ面、88…支持面、89…突起部、91…プレス部材、92…カバー部材、93…リング部、94…爪部、94A…弾性変形部、94B…頭部、94C…角部、95…周壁部、96…固定部、96A…開口、97…開口、98…内面、99…ねじ、100…ねじ孔、101…周壁部、101L…周壁部、101R…周壁部、102L…リブ、102R…リブ、103…リップ部、104…外周部、105…連結部、106…スプリング、107…金属環、108L…ストッパ部材、108R…ストッパ部材、109…凹部、110…内側周壁部、111…外側周壁部、112…リブ部、113…スリーブ、114…ねじ、115…チューブ、230…第1シール部材、810…孔、1101…モータアセンブリ、1102…モータアセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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