(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185849
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】光源ユニット及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20221208BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221208BHJP
【FI】
F21S9/02 120
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093736
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智成
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(57)【要約】
【課題】組立性の向上を図る。
【解決手段】光源ユニットA1は、光を発する1つ以上の発光部30と、導光体5と、収容部43と、筐体4と、を有する。導光体5は、長尺に形成されて発光部30が発する光を導光する。収容部43は、導光体5を収容する。筐体4は、導光体5の長手方向の一端又は両端に発光部30を配置した状態で収容部43及び発光部30を支持する。収容部43は、導光体5の長手方向に沿って、導光体5の短手方向の一の側面52と対向する後板430を有する。導光体5は、後板430と対向する側面52に設けられた1つ以上の嵌合部53を有する。後板430は、嵌合部53と嵌合する1つ以上の被嵌合部4300を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する1つ以上の発光部と、
長尺に形成されて前記発光部が発する前記光を導光する導光体と、
前記導光体を収容する収容部と、
前記導光体の長手方向の一端又は両端に前記発光部を配置した状態で前記収容部及び前記発光部を支持する筐体と、
を有し、
前記収容部は、前記導光体の長手方向に沿って、前記導光体の短手方向の一の側面と対向する壁を有し、
前記導光体は、前記壁と対向する前記側面に設けられた1つ以上の嵌合部を有し、
前記壁は、前記嵌合部と嵌合する1つ以上の被嵌合部を有する、
光源ユニット。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記側面から前記壁に向かって突出するように形成される、
請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記被嵌合部は、前記壁に設けられた穴である、
請求項2記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記嵌合部は、前記導光体が前記収容部に収容される方向に沿って傾斜する傾斜面を有する、
請求項3記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記導光体は、前記嵌合部を複数有し、
前記壁は、前記嵌合部と同数の前記被嵌合部を有し、
前記複数の嵌合部はそれぞれ、前記複数の被嵌合部と1つずつ嵌合し、
前記複数の嵌合部のうち、前記発光部に最も近い前記嵌合部が、前記嵌合部を除く他の前記嵌合部よりも小さい、
請求項1~4のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかの光源ユニットと、
前記光源ユニットによって照らされる表示パネルと、
前記表示パネル及び前記光源ユニットを保持する本体と、
を備える、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源ユニット及び表示装置に関し、より詳細には、光源から放射される光を導光体で導光する光源ユニット、及び当該光源ユニットを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の光源装置(表示装置)を例示する。特許文献1記載の光源装置(以下、従来例という)は、LEDからなる点光源と、点光源から入射面に入射する光を導光する線状導光体と、線状導光体の出射面から出射される光を導光する面状導光体と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来例において、線状導光体を支持する部材は、組立性のよいことが望まれる。
【0005】
本開示の目的は、組立性の向上を図ることができる光源ユニット及び表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光源ユニットは、光を発する1つ以上の発光部と、長尺に形成されて前記発光部が発する前記光を導光する導光体と、を有する。前記光源ユニットは、前記導光体を収容する収容部と、前記導光体の長手方向の一端又は両端に前記発光部を配置した状態で前記収容部及び前記発光部を支持する筐体と、を有する。前記収容部は、前記導光体の長手方向に沿って、前記導光体の短手方向の一の側面と対向する壁を有する。前記導光体は、前記壁と対向する前記側面に設けられた1つ以上の嵌合部を有する。前記壁は、前記嵌合部と嵌合する1つ以上の被嵌合部を有する。
【0007】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記光源ユニットと、前記光源ユニットによって照らされる表示パネルと、前記表示パネル及び前記光源ユニットを保持する本体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の光源ユニット及び表示装置は、組立性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る表示装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の表示装置の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の表示装置の光源ユニットを外した状態の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の表示装置の要部の断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る光源ユニットの後方から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の光源ユニットの後方から見た分解斜視図である。
【
図7】
図7Aは、同上の光源ユニットにおける発光ブロックの正面図である。
図7Bは、同上の発光ブロックの右側面図である。
図7Cは、同上の発光ブロックの左側面図である。
【
図8】
図8Aは、同上の光源ユニットにおける導光体の正面図である。
図8Bは、同上の導光体の平面図である。
図8Cは、同上の導光体の右側面図である。
【
図9】
図9は、同上の光源ユニットの下面図である。
【
図10】
図10は、同上の光源ユニットの要部の下面図である。
【
図12】
図12は、同上の光源ユニットの一部省略した断面図である。
【
図13】
図13は、同上の光源ユニットの一部省略した断面図である。
【
図14】
図14は、同上の表示装置の一部省略した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る光源ユニット、及び本開示の実施形態に係る表示装置について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)実施形態の概要
(1-1)実施形態に係る光源ユニットの概要
実施形態に係る光源ユニットA1は、光を発する1つ以上の発光部30と、導光体5と、収容部43と、筐体4と、を有する(
図6参照)。導光体5は、長尺に形成されて発光部30が発する光を導光する。収容部43は、導光体5を収容する。筐体4は、導光体5の長手方向の一端又は両端に発光部30を配置した状態で収容部43及び発光部30を支持する。収容部43は、導光体5の長手方向に沿って、導光体5の短手方向の一の側面52と対向する壁(後板430)を有する。導光体5は、壁(後板430)と対向する側面52に設けられた1つ以上の嵌合部53を有する。壁(後板430)は、嵌合部53と嵌合する1つ以上の被嵌合部4300を有する。
【0012】
しかして、実施形態に係る光源ユニットA1は、壁(後板430)に設けられている被嵌合部4300と嵌合する嵌合部53を導光体5が有しているので、接着などの作業をせずに、収容部43に収容した導光体5の脱落を防いで組立性の向上を図ることができる。
【0013】
(1-2)実施形態に係る表示装置の概要
実施形態に係る表示装置B1は、実施形態に係る光源ユニットA1と、実施形態に係る光源ユニットA1によって照らされる表示パネル20と、表示パネル20及び実施形態に係る光源ユニットA1を保持する本体1と、を備える(
図2参照)。
【0014】
実施形態に係る表示装置B1は、実施形態に係る光源ユニットA1の組立性の向上に伴い、組立性の向上を図ることができる。
【0015】
(2)実施形態の詳細
(2-1)実施形態に係る表示装置の構成
実施形態に係る表示装置B1(以下、表示装置B1と略す。)について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する表示装置B1は、事務所及び店舗などの建物の避難口又は避難口への通路に設置される誘導灯である。ただし、実施形態に係る表示装置は、誘導灯に限定されず、例えば、建物内の特定の場所(化粧室など)を表示する用途などに用いられても構わない。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、表示装置B1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0016】
表示装置B1は、実施形態に係る光源ユニットA1(以下、光源ユニットA1と略す。)、本体1、表示ブロック2などを備えている(
図1~
図3参照)。
【0017】
本体1は、合成樹脂材料により、前面に開口部を有する四角形の箱状に形成されている(
図2参照)。本体1は、光源ユニットA1を点灯させるための電源装置11、2次電池を有する電池ユニット13、端子台12、取付板10などを収容している。
【0018】
電源装置11は、常用電源(例えば、商用の電力系統)から供給される常用電力で光源ユニットA1を点灯させるとともに、電池ユニット13を充電する。また、電源装置11は、電力系統の停電時においては、電池ユニット13から供給される非常用電力で光源ユニットA1を点灯させる。
【0019】
取付板10は、金属材料によって板状に形成されている(
図2参照)。取付板10は、本体1の内底面にねじ止めされる。電源装置11と端子台12は、取付板10にねじ止めされて本体1内に収容される。なお、電池ユニット13は、取付板10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0020】
表示ブロック2は、表示パネル20と、導光板21と、保持体22と、を有する(
図2参照)。
【0021】
表示パネル20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。ただし、表示パネル20は、石英ガラスなどの合成樹脂以外の透光性を有する材料で形成されても構わない。表示パネル20の前面(表示面200)には、避難誘導のためのピクトグラム201が表示されている(
図1参照)。
【0022】
導光板21は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。導光板21は、その前面を表示パネル20の後面と対向させるように表示パネル20の後方に配置される(
図2参照)。導光板21の上面(入射面210)に、光源ユニットA1から放射される光が入射される(
図4参照)。入射面210から入射する光は、導光板21内を導光されて導光板21の前面(出射面211)から出射される。そして、導光板21の出射面211から出射する光によって表示パネル20が照らされる。
【0023】
保持体22は、透光性を有しない合成樹脂材料により、前面と上面が開放された四角形の箱状に形成されている。保持体22は、導光板21の前方に表示パネル20を配置するようにして表示パネル20と導光板21を保持している(
図2及び
図3参照)。
【0024】
表示ブロック2は、本体1の開口部のうち、光源ユニットA1が取り付けられる上部を除いた残りの部分を覆うように本体1に取り付けられる(
図1及び
図3参照)。光源ユニットA1が本体1に取り付けられた状態において、導光板21の入射面210と光源ユニットA1の導光体5の出射面51(後述する)が上下方向に対向する(
図4参照)。したがって、導光体5の出射面51から出射する光のほぼ全部が、導光板21の入射面210から導光板21に入射する。導光板21に入射した光は、導光板21内を進行しながら保持体22の後面で全反射されて導光板21の出射面211から前方へ出射して表示パネル20を照らすことができる。
【0025】
(2-2)実施形態に係る光源ユニットの構成
光源ユニットA1は、発光ブロック3と、導光体5と、筐体4と、を有している(
図5及び
図6参照)。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図6に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、光源ユニットA1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0026】
(2-2-1)発光ブロック
発光ブロック3は、発光部30と、放熱部材31と、固定具32と、熱伝導部材33と、を有している(
図6及び
図7参照)。
【0027】
発光部30は、固体光源であるLED300と、LED300を実装した基板301と、を有している。LED300は、例えば、パッケージ型の照明用白色LEDである。基板301は、左右方向から見て略T字型に形成されたプリント配線板である(
図6及び
図7B参照)。基板301の幅広の部分の表面にLED300が実装されている。基板301の幅細の部分の表面に一対の電極302が形成されている。一対の電極302は、基板301のプリント配線を介してLED300のアノード及びカソードと1つずつ電気的に接続されている。
【0028】
放熱部材31は、放熱板310と、基板301の裏面と熱的に結合する結合部311と、2つの突部312と、を有している。放熱板310及び結合部311はそれぞれ、長方形の平板状に形成されている。ただし、放熱板310は、基板301よりも十分に大きく形成され、結合部311は、基板301よりも小さく形成されている。また、結合部311は、放熱板310の厚み方向(前後方向)に突出するように放熱板310と一体に形成されている。言い換えると、放熱部材31は、放熱板310と結合部311によって略L字形状に形成されている(
図6参照)。
【0029】
2つの突部312はそれぞれ、放熱板310の一部が切り起こされることで放熱板310と一体に形成されている(
図6及び
図7A参照)。各突部312は、前後方向から見て、略台形状に形成されている。各突部312の一端(台形の下底に相当する部位)が放熱板310とつながっている。そして、各突部312は、放熱板310とつながった一端を支点として、前後方向に変位(撓み)可能に構成されている。
【0030】
また、放熱板310の短手方向(上下方向)における長手方向(左右方向)の中央に、四角形の穴313が1つずつ設けられている(
図6及び
図7A参照)。これら2つの穴313は、それぞれ放熱板310を厚み方向(前後方向)に貫通している。
【0031】
熱伝導部材33は、例えば、シート状のシリコーン樹脂で四角形状に形成されている(
図6参照)。熱伝導部材33は、結合部311と基板301の間に介在し、結合部311と基板301を熱的に結合する。つまり、LED300に生じる熱は、基板301から熱伝導部材33を介して放熱部材31に伝導される。
【0032】
固定具32は、本体部320、第1突片321、第2突片322、一対の押さえ部323及び一対の爪324を有している(
図6及び
図7参照)。なお、本体部320、第1突片321、第2突片322、押さえ部323及び一対の爪324は、合成樹脂材料によって一体に形成されている。
【0033】
本体部320は、U字形に形成されている。一対の爪324はそれぞれ、角すい台状に形成されている。一対の爪324は、本体部320の両端における内側面に1つずつ設けられている。
【0034】
第1突片321は、四角形の平板状に形成されている。第1突片321は、本体部320の前端と対向している(
図7C参照)。第2突片322は、平面視でC字形に形成されている(
図6参照)。第2突片322は、本体部320の後端と対向している(
図7C参照)。なお、第1突片321及び第2突片322はそれぞれ、本体部320の両端と同じ方向(
図6における右方向)に突出している。
【0035】
一対の押さえ部323はそれぞれ、直方体状に形成されている(
図6参照)。一対の押さえ部323は、本体部320の内側面(左側面)から突出している。
【0036】
しかして、固定具32は、第1突片321と第2突片322の間に結合部311を配置し、基板301の上端と下端に一対の爪324を1つずつ引っ掛けることよって、発光部30を放熱部材31に固定する(
図7B参照)。なお、固定具32は、一対の押さえ部323によって結合部311を基板301に近付く向き(左向き)に押すことにより、結合部311及び基板301と熱伝導部材33との密着度を高めている。
【0037】
(2-2-2)導光体
導光体5は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって4角柱状に形成されている(
図6及び
図8参照)。ただし、導光体5の形状は4角柱状に限定されず、4角すい状又は4角すい台状などの形状でもよい。
【0038】
導光体5の長手方向(軸方向)に対向する2つの底面(左底面及び右底面)のうち、一方の底面(右底面)が入射面50となる。また、導光体5の4つの側面(前面、後面、上面、下面)のうちの1つの側面(下面)が出射面51となる。さらに、導光体5の出射面51と対向する側面(上面)には、多数の凹溝54が設けられている。これらの凹溝54は、入射面50からの距離が大きくなるにつれて、隣り合う凹溝54との間隔を狭くするように平行に並んでいる(
図8B参照)。
【0039】
導光体5の4つの側面のうち、出射面51と隣り合う2つの側面52(前面及び後面)に、複数(図示例では4つ)の嵌合部53が設けられている。4つの嵌合部53は、2つの側面52に2つずつ設けられている(
図8A及び
図8C参照)。なお、各側面52に2つずつ設けられる嵌合部53のうち、入射面50に近い方の2つの嵌合部53を第1の嵌合部53Aと呼び、入射面50から遠い方の2つの嵌合部53を第2の嵌合部53Bと呼ぶ場合がある。
【0040】
2つの第1の嵌合部53Aは、底面が台形である4角柱状に形成されている。ただし、2つの第1の嵌合部53Aの上面は、2つの第1の嵌合部53Aの下面に比べて、側面52となす角が小さくなっている。
【0041】
2つの第2の嵌合部53Bは、底面が台形である4角柱状の突起530と、突起530の上端から真っすぐに上に延びている直方体状の突台531と、を有している(
図6及び
図8参照)。なお、突台531の上面は、下向きの傾斜面となっている。
【0042】
(2-2-3)筐体
筐体4は、前壁40、上壁41、一対の側壁42、収容部43、取付部44、複数の位置決め部45、一対の取付片46、及び一対の支持片47を有している(
図6参照)。前壁40は、長方形の平板状に形成されている。上壁41は、長方形の平板状に形成され、前壁40の上端から後方に向かって突出している。一対の側壁42はそれぞれ、長方形の平板状に形成され、前壁40の左右両端から後方に向かって突出している。一対の側壁42の上端は、上壁41の長手方向の両端とつながっている。つまり、筐体4は、前壁40、上壁41、及び一対の側壁42により、後面と下面が開放された長尺の箱状に形成されている。
【0043】
収容部43は、前面と下面と右側面が開放された長尺の箱状に形成されている(
図6及び
図9参照)。収容部43は、入射面50を右側面から露出させ、出射面51を下面から露出させるようにして導光体5を収容する(
図5参照)。
【0044】
収容部43は、後板430、上板431、前板432、及び側板433を有している(
図6及び
図11参照)。後板430は、筐体4の前壁40よりも僅かに短い長尺の長方形状に形成されて前壁40と前後方向に対向している(
図6参照)。上板431は、長手方向の長さが後板430の長手方向の長さにほぼ等しい長尺の長方形状に形成されて後板430の上端から前方に突出している(
図11参照)。側板433は、長方形の平板状に形成され、後板430及び上板431のそれぞれの左端面とつながっている(
図6参照)。側板433の前端から右方向にリブ4330が突出している。なお、後板430とリブ4330の前後方向に沿った間隔は、導光体5の前後方向の厚みよりも僅かに大きい。
【0045】
ここで、後板430には2つの被嵌合部4300が設けられている(
図6参照)。2つの被嵌合部4300は、それぞれ4角形の穴で構成されている。こられ2つの被嵌合部4300は、導光体5の後側の側面52に設けられた嵌合部(第1の嵌合部53A、第2の嵌合部53B)が1つずつ嵌合する。
【0046】
前板432は、長方形の平板状に形成されている。前板432は、上板431の右端から後板430と対向するように下向きに突出している(
図6及び
図11参照)。前板432の長手方向(左右方向)の長さは、放熱板310の長手方向の長さよりも短い(
図6及び
図10参照)。なお、後板430と前板432の前後方向に沿った間隔は、後板430とリブ4330の前後方向に沿った間隔に等しい(
図10参照)。
【0047】
取付部44は、一対の突部440と、押さえ片441と、当接片442と、嵌合部443と、を有し、発光ブロック3を筐体4に取り付けるように構成されている(
図6及び
図10参照)。
【0048】
一対の突部440は、一対の側壁42のうちの右側の側壁42の内側面(左側面)に設けられている(
図6参照)。一対の突部440は、上下方向を軸方向とする柱状に形成されている。一対の突部440は、前後方向に一定の間隔を空けて平行に並ぶように側壁42の内側面から突出している。なお、一対の突部440の前後方向の間隔は、固定具32の本体部320の幅寸法よりも僅かに大きくなっている(
図10参照)。
【0049】
押さえ片441は、上下方向から見てL字形に形成されている。押さえ片441は、右側の側壁42の内側面における後端から、後方及び左方に突出するように側壁42と一体に形成されている(
図6及び
図10参照)。
【0050】
当接片442は、後板430の右端に設けられている(
図6参照)。当接片442は、上下方向から見てL字形に形成され、後板430の右端から後方及び右方に突出するように後板430と一体に形成されている(
図6及び
図10参照)。
【0051】
嵌合部443は、前壁40の後面における右端の上部に設けられている(
図10参照)。嵌合部443は、3角柱状に形成されている。嵌合部443は、軸方向を左右方向に一致させ、かつ、上壁41に近付くにつれて前壁40の後面からの突出量が大きくなるように形成されている(
図11参照)。
【0052】
複数(本実施形態では2つ)の位置決め部45はそれぞれ、後板430の後面における左右両側に設けられている(
図6及び
図9参照)。各位置決め部45は、一対の直方体を有している。これら一対の直方体は、軸方向を上下方向に一致させ、かつ、一定の幅の隙間を設けて平行に並ぶように、後板430の後面から後方に突出している(
図9参照)。なお、各位置決め部45における隙間の幅は、導光体5の嵌合部53の左右方向の幅よりも僅かに大きくされている。
【0053】
右側の位置決め部45の隙間に、導光体5の前側の側面52における右側の嵌合部53(第1の嵌合部53A)が嵌まり込む(
図9及び
図10参照)。また、左側の位置決め部45の隙間に、導光体5の前側の側面52における左側の嵌合部53(第2の嵌合部53B)が嵌まり込む(
図9参照)。つまり、2つの位置決め部45は、収容部43に収容された導光体5を、筐体4に対して左右方向に位置決めする役割を担っている。
【0054】
一対の支持片47は、上壁41の左右の両端から1つずつ後方に突出している。また、一対の取付片46は、上壁41の左右の両端から1つずつ後方に突出している。ただし、各取付片46は、各支持片47よりも内側に位置している(
図6参照)。
【0055】
(2-3)実施形態に係る光源ユニットの組立て手順
次に、光源ユニットA1の組立て手順を説明する。ただし、発光ブロック3の組立て手順の説明は省略する。また、以下に説明する組立て手順は一例であり、幾つかの手順の順番を入れ替えることも可能である。
【0056】
まず、組立て作業を行う作業者は、導光体5の前側の側面52における第1の嵌合部53Aと第2の嵌合部53Bを、2つの位置決め部45のそれぞれの隙間に差し込むようにして、収容部43の下面から導光体5を収容部43に挿入する。
【0057】
ここで、第1の嵌合部53Aの上面及び第2の嵌合部53Bの突起530の上面は、上方に向かうに連れて側面52からの高さを低くするような傾斜面となっている(
図12及び
図13参照)。ゆえに、作業者が導光体5を収容部43に挿入する過程において、第1の嵌合部53Aの上面及び第2の嵌合部53Bの突起530の上面が収容部43の後板430の下端に当たると、後板430が後方に撓む。
【0058】
そして、作業者が収容部43の上板431に当たるまで導光体5を挿入すると、第1の嵌合部53A及び第2の嵌合部53Bの突起530がそれぞれ、後板430に設けられている2つの被嵌合部4300に1つずつ嵌合し、後板430が元の状態に戻る(
図12及び
図13参照)。
【0059】
このようにして、作業者は、導光体5を筐体4の収容部43に収容する。そして、収容部43に収容された導光体5は、2つの嵌合部53(第1の嵌合部53A、第2の嵌合部53B)が2つの被嵌合部4300に1つずつ嵌合することにより、収容部43からの脱落が阻止される。
【0060】
続いて、作業者は、筐体4の取付部44に発光ブロック3を取り付ける。すなわち、作業者は、右側の側壁42と後板430の右端の間に、発光部30、固定具32及び放熱部材31の結合部311を、筐体4の下から挿入する。このとき、作業者は、一対の突部440の間に固定具32の本体部320を差し込む。同時に、作業者は、前壁40と前板432の隙間に、放熱部材31の放熱板310を、筐体4の下から挿入する。
【0061】
そして、放熱板310の上端が嵌合部443を乗り越え、放熱板310の上側の穴313に嵌合部443が嵌まることにより、放熱部材31が筐体4に対して抜け止めされる(
図11参照)。また、取付部44の一対の突部440、押さえ片441及び当接片442により、固定具32の前後方向及び左右方向の移動が規制される(
図10参照)。このようにして、作業者は、発光ブロック3を取付部44に取り付けることができる。
【0062】
以上のようにして、光源ユニットA1の組立てが完了する。なお、組み立てられた光源ユニットA1において、発光部30の基板301の幅細の端部(電極302が設けられている部分)は、筐体4の押さえ片441よりも後方に突出している(
図5参照)。
【0063】
(2-4)実施形態に係る表示装置の施工手順
次に、表示装置B1の施工手順を説明する。
【0064】
まず、施工作業を行う作業者は、本体1の底面に設けられている電源穴15(
図2参照)から電源線を引き込んだ後、本体1を木ねじ又はねじくぎで壁面に取り付ける。
【0065】
続いて、作業者は、電源穴15から引き込んだ電源線を端子台12に電気的に接続する。それから、作業者は、表示ブロック2を本体1に取り付ける(
図3参照)。
【0066】
最後に、作業者は、本体1のコネクタ14に基板301の幅細の部分を差し込み、一対の取付片46の先端に設けられた爪を、本体1の上面に設けられた穴の縁に引っ掛けることによって、光源ユニットA1を本体1に取り付ける(
図1参照)。
【0067】
以上のようにして、表示装置B1の施工が完了する。
【0068】
(3)その他
光源ユニットA1は、2つの発光ブロック3を備えてもよい。2つの発光ブロック3は、導光体5の長手方向の両端に1つずつ配置される。この場合、筐体4の長手方向の両端に、取付部44が1つずつ設けられる。
【0069】
また、表示装置B1は、本体1の前面と後面に、発光ブロック3と表示ブロック2の組が1組ずつ取り付けられるように構成されても構わない。
【0070】
(4)実施形態に係る光源ユニットの利点
上述のように、光源ユニットA1は、導光体5の側面52に設けられた1つ以上の嵌合部53を、収容部43の壁(後板430)に設けられた被嵌合部4300に嵌合させて導光体5を収容部に固定する。
【0071】
しかして、光源ユニットA1は、収容部43に導光体5を収容すれば、接着などの追加の作業を行わずに、収容部43に収容した導光体5の脱落を防いで組立性の向上を図ることができる。
【0072】
ところで、嵌合部が導光体5の側面52から後板430と離れる向きに凹むように形成された場合、導光体5内を進行する光のうち、嵌合部に到達した光は、嵌合部の界面で反射されて導光体5の出射面51から出射されて導光板21に入射する可能性がある。このように嵌合部の界面で反射された光が導光板21に入射した場合、表示パネル20に輝線を生じさせたり、表示パネル20の明るさにむらを生じさせる可能性がある。
【0073】
一方、光源ユニットA1は、導光体5の側面52から収容部43の後板430に向かって突出するように嵌合部53を形成している。そのため、導光体5内を進行する光のうち、嵌合部53に到達した光は、嵌合部53の界面で反射されずに嵌合部53から導光体5の外に出射する(
図14参照)。ゆえに、光源ユニットA1は、表示パネル20に輝線を生じさせにくいという利点がある。
【0074】
また、光源ユニットA1は、収容部43の後板430に設けられた穴を被嵌合部4300としているので、筐体4を樹脂成形する際に被嵌合部4300を一緒に形成することができる。そのため、光源ユニットA1は、被嵌合部4300を形成するための独立した工程が不要であるから、組立性の更なる向上を図ることができる。
【0075】
さらに、光源ユニットA1は、嵌合部53の上面を、導光体5が収容部43に収容される方向(上方向)に沿って傾斜する傾斜面としている(
図12及び
図13参照)。そのため、光源ユニットA1は、収容部43の下面から上方向に導光体5が挿入される際、収容部43の後板430を、嵌合部53の傾斜面に沿って撓ませて嵌合部53を被嵌合部4300にスムーズに嵌合させることができる。その結果、光源ユニットA1は、組立性の更なる向上を図ることができる。
【0076】
ところで、導光体5には2種類の嵌合部53、すなわち、第1の嵌合部53Aと第2の嵌合部53Bが設けられている。そして、導光体5の側面52において、発光部30に近い方の第1の嵌合部53Aが、発光部30から遠い方の第2の嵌合部53Bよりも小さく形成されている(
図8A参照)。具体的には、第1の嵌合部53Aと第2の嵌合部53Bの突起530がほぼ同じ寸法であり、突台531の分だけ第1の嵌合部53Aが第2の嵌合部53Bよりも小さくなっている。
【0077】
しかして、光源ユニットA1は、入射面50に近い方の第1の嵌合部53Aを相対的に小さくすることにより、第1の嵌合部53Aから導光体5の外に出射する光量を減らして、発光効率の向上を図ることができる。
【0078】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る光源ユニット(A1)は、光を発する1つ以上の発光部(30)と、導光体(5)と、収容部(43)と、筐体(4)と、を有する。導光体(5)は、長尺に形成されて発光部(30)が発する光を導光する。収容部(43)は、導光体(5)を収容する。筐体(4)は、導光体(5)の長手方向の一端又は両端に発光部(30)を配置した状態で収容部(43)及び発光部(30)を支持する。収容部(43)は、導光体(5)の長手方向に沿って、導光体(5)の短手方向の一の側面(52)と対向する壁(後板430)を有する。導光体(5)は、壁と対向する側面(52)に設けられた1つ以上の嵌合部(53)を有する。壁は、嵌合部(53)と嵌合する1つ以上の被嵌合部(4300)を有する。
【0079】
第1の態様に係る光源ユニット(A1)は、壁(後板430)に設けられている被嵌合部(4300)と嵌合する嵌合部(53)を導光体(5)が有しているので、接着などの作業をせずに、収容部(43)に収容した導光体5の脱落を防いで組立性の向上を図ることができる。
【0080】
本開示の第2の態様に係る光源ユニット(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る光源ユニット(A1)において、嵌合部(53)は、側面(52)から壁に向かって突出するように形成されることが好ましい。
【0081】
第2の態様に係る光源ユニット(A1)は、導光体(5)内を進行する光のうち、嵌合部(53)に到達した光を、嵌合部(53)の界面で反射させずに嵌合部(53)から導光体(5)の外に出射させる。ゆえに、第2の態様に係る光源ユニット(A1)は、表示パネル(20)に輝線を生じさせにくくなる。
【0082】
本開示の第3の態様に係る光源ユニット(A1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る光源ユニット(A1)において、被嵌合部(4300)は、壁に設けられた穴であることが好ましい。
【0083】
第3の態様に係る光源ユニット(A1)は、筐体(4)を作成する際に被嵌合部(4300)を一緒に形成することができる。その結果、第3の態様に係る光源ユニット(A1)は、被嵌合部(4300)を形成するための独立した工程が不要であるから、組立性の更なる向上を図ることができる。
【0084】
本開示の第4の態様に係る光源ユニット(A1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る光源ユニット(A1)において、嵌合部(53)は、導光体(5)が収容部(43)に収容される方向に沿って傾斜する傾斜面を有することが好ましい。
【0085】
第4の態様に係る光源ユニット(A1)は、収容部(43)の後板(430)を、嵌合部(53)の傾斜面に沿って撓ませて嵌合部(53)を被嵌合部(4300)にスムーズに嵌合させることができる。その結果、光源ユニット(A1)は、組立性の更なる向上を図ることができる。
【0086】
本開示の第5の態様に係る光源ユニット(A1)は、第1~第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る光源ユニット(A1)において、導光体(5)は、嵌合部(53)を複数有することが好ましい。壁は、嵌合部(53)と同数の被嵌合部(4300)を有することが好ましい。複数の嵌合部(53)はそれぞれ、複数の被嵌合部(4300)と1つずつ嵌合することが好ましい。複数の嵌合部(53)のうち、発光部(30)に最も近い嵌合部(第1の嵌合部53A)が、嵌合部(第1の嵌合部53A)を除く他の嵌合部(第2の嵌合部53B)よりも小さいことが好ましい。
【0087】
第5の態様に係る光源ユニット(A1)は、入射面(50)に近い方の第1の嵌合部(53A)を相対的に小さくすることにより、嵌合部(第1の嵌合部53A)から導光体(5)の外に出射する光量を減らして、発光効率の向上を図ることができる。
【0088】
本開示の第6の態様に係る表示装置(B1)は、第1~第5のいずれかの態様に係る光源ユニット(A1)と、光源ユニット(A1)によって照らされる表示パネル(20)と、表示パネル(20)及び光源ユニット(A1)を保持する本体(1)と、を備える。
【0089】
第6の態様に係る表示装置(B1)は、光源ユニット(A1)における組立性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0090】
A1 光源ユニット
B1 表示装置
1 本体
4 筐体
5 導光体
20 表示パネル
30 発光部
43 収容部
45 位置決め部
51 出射面
52 側面
53 嵌合部
53A 第1の嵌合部(嵌合部)
53B 第2の嵌合部(嵌合部)
300 LED(固体光源)
301 基板
430 後板(壁)
4300 被嵌合部