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特開2022-185888情報処理装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185888
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20221208BHJP
   G06F 21/51 20130101ALI20221208BHJP
   G06F 21/57 20130101ALI20221208BHJP
【FI】
G06F21/62
G06F21/51
G06F21/57 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093791
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 敦史
(57)【要約】
【課題】改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能が情報漏洩に関係のない機能であっても、被改ざん機能を実行させない場合に比較して、利便性が向上する情報処理装置及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置40は、CPU41を備え、機能の実行の指示を受け付け、前記受け付けた指示が、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が自装置以外の装置である外部装置への情報送信を伴う処理である送信処理を含む場合は、当該被改ざん機能の実行を制限し、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含まない場合は、当該被改ざん機能を実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
機能の実行の指示を受け付け、
前記受け付けた指示が、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が自装置以外の装置である外部装置への情報送信を伴う処理である送信処理を含む場合は、当該被改ざん機能の実行を制限し、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含まない場合は、当該被改ざん機能を実行させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合は、前記被改ざん機能の実行の制限として、前記送信処理は実行させず、前記送信処理以外の処理を実行させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合は、前記被改ざん機能の実行が制限される旨を提示する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示である場合は、前記被改ざん機能は改ざんされた可能性がある旨を第1装置に通知する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1装置から前記被改ざん機能の修復方法に関する通知を受け付け、
受け付けた前記被改ざん機能の修復方法に関する通知を提示する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送信処理は、書き換え不可能な記憶部に記憶された処理である、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合であっても、前記外部装置のメールアドレス情報が、予め定めた条件を満たす場合には、前記被改ざん機能を実行させる、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予め定めた条件は、自装置を使用するユーザのメールアドレス情報に含まれるドメイン名と同じドメイン名を含むことである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合であっても、前記外部装置のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部が、自装置を使用するユーザのプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部と同一である場合には、前記被改ざん機能を実行させる、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
機能の実行の指示を受け付け、
前記受け付けた指示が、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が自装置以外の装置である外部装置への情報送信を伴う処理である送信処理を含む場合は、当該被改ざん機能の実行を制限し、
前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含まない場合は、当該被改ざん機能を実行させる、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、完全性を検証しながら複数のコンポーネントを予め定められた順序で実行するセキュアブート方法が開示されている。このセキュアブート方法は、第1コンポーネントより前にブートされようとした1つ以上のコンポーネントのそれぞれのブートが成功したか否かを示す情報である現在の状態情報を取得する。そして、このセキュアブート方法は、前記複数のコンポーネントのそれぞれを識別する論理識別子と、対応するコンポーネントの前にブートされようとした1つ以上のコンポーネントのそれぞれのブートが成功したか否かを示す状態情報と、対応する状態情報によってブートが成功したことが示されている1つ以上のコンポーネントのブートが、真に成功しているかを検証するための値である完全性測定値とが互いに対応付けられた第1マッピングテーブルを探索する。そして、このセキュアブート方法は、当該探索により、前記第1コンポーネントと、前記現在の状態情報によって示される状態とに対応する第1完全性測定値を取得する。そして、このセキュアブート方法は、ブートされた1つ以上のコンポーネントに基づいて計算された値である現在の完全性測定値を取得する。そして、このセキュアブート方法は、前記第1完全性測定値と前記現在の完全性測定値とを比較することで、前記現在の状態情報によってブートが成功したことが示されている1つ以上のコンポーネントのブートが、真に成功したか否かを検証する。そして、このセキュアブート方法は、前記検証が成功である場合に、第1コンポーネントのブートを開始し、第1コンポーネントのブートが成功に終わった場合に、第1コンポーネントのブートが成功したことを示すように、前記現在の状態情報を更新する。
【0003】
特許文献2には、ブートROMに格納されているプログラムの改ざんを検知しつつ、該プログラムを用いて装置を起動するセキュアブート機能による起動が可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、前記セキュアブート機能による装置の起動が行われる設定であるか否かを判定する判定手段を備える。また、この画像形成装置は、前記判定手段による判定の結果、前記セキュアブート機能による装置の起動が行われない設定である場合に、前記セキュアブート機能の設定が切り替えられた旨の警告メッセージを表示部に表示する警告手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011-511311号公報
【特許文献2】特開2020-030599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術においては、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能が情報漏洩に関係のない機能であっても、被改ざん機能は実行されない。したがって、被改ざん機能であって、情報漏洩と関係のない機能をユーザが利用しようとしている場合、利便性が低下するという課題があった。
【0006】
本発明は、被改ざん機能が情報漏洩に関係のない機能であっても、情報処理装置が被改ざん機能を実行させない場合に比較して、利便性が向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、機能の実行の指示を受け付け、前記受け付けた指示が、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が自装置以外の装置である外部装置への情報送信を伴う処理である送信処理を含む場合は、当該被改ざん機能の実行を制限し、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含まない場合は、当該被改ざん機能を実行させる。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合は、前記被改ざん機能の実行の制限として、前記送信処理は実行させず、前記送信処理以外の処理を実行させる。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合は、前記被改ざん機能の実行が制限される旨を提示する。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様から第3態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示である場合は、前記被改ざん機能は改ざんされた可能性がある旨を第1装置に通知する。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1装置から前記被改ざん機能の修復方法に関する通知を受け付け、受け付けた前記被改ざん機能の修復方法に関する通知を提示する。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様から第5態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記送信処理は、書き換え不可能な記憶部に記憶された処理である。
【0013】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様から第6態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合であっても、前記外部装置のメールアドレス情報が、予め定めた条件を満たす場合には、前記被改ざん機能を実行させる。
【0014】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第7態様に係る情報処理装置において、前記予め定めた条件は、自装置を使用するユーザのメールアドレス情報に含まれるドメイン名と同じドメイン名を含むことである。
【0015】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第1態様から第6態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含む場合であっても、前記外部装置のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部が、自装置を使用するユーザのプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部と同一である場合には、前記被改ざん機能を実行させる。
【0016】
更に、上記目的を達成するために、第10態様に係る情報処理プログラムは、機能の実行の指示を受け付け、前記受け付けた指示が、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が自装置以外の装置である外部装置への情報送信を伴う処理である送信処理を含む場合は、当該被改ざん機能の実行を制限し、前記受け付けた指示が、前記被改ざん機能の実行に関する指示であって、前記被改ざん機能が前記送信処理を含まない場合は、当該被改ざん機能を実行させる、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様及び第10態様によれば、被改ざん機能が情報漏洩に関係のない機能であっても、情報処理装置が被改ざん機能を実行させない場合に比較して、利便性が向上する。
【0018】
第2態様によれば、被改ざん機能が送信処理を含む場合に情報処理装置が当該被改ざん機能を一切実行させない場合に比較して、送信処理以外の処理が実行される分、利便性が向上する。
【0019】
第3態様によれば、被改ざん機能が送信処理を含む場合は、被改ざん機能の実行が制限される旨を、ユーザが把握することができる。
【0020】
第4態様によれば、情報処理装置が受け付けた指示が被改ざん機能の実行に関する指示である旨を、第1装置が把握することができる。
【0021】
第5態様によれば、被改ざん機能の修復方法を、ユーザが把握することができる。
【0022】
第6態様によれば、外部装置への情報送信を伴う処理が改ざんされることを防ぐことができる。
【0023】
第7態様によれば、外部装置のメールアドレス情報が予め定めた条件を満たす場合に、被改ざん機能を実行させない場合に比較して、利便性が向上する。
【0024】
第8態様によれば、外部装置のメールアドレス情報が、自装置を使用するユーザのメールアドレス情報に含まれるドメイン名と同じドメイン名を含む場合に被改ざん機能を実行させない場合に比較して、利便性が向上する。
【0025】
第9態様によれば、外部装置のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部が、自装置を使用するユーザのプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部と同一である場合に被改ざん機能を実行させない場合に比較して、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る機能データベースの構成の一例を示す模式図である。
図3】実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る実行制限画面の一例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る修復情報画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、外部装置10、第1装置20、ユーザ端末30、及び情報処理装置40を含む。
【0029】
外部装置10、第1装置20、ユーザ端末30、及び情報処理装置40は、通信手段Nを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、通信手段Nとして、インターネット等の公共の通信回線を適用している。
【0030】
本実施形態では、外部装置10として、パーソナルコンピュータを適用している。しかし、外部装置10として、情報処理装置40以外の装置であって、タブレット端末又はスマートフォン等のいかなる情報処理装置を適用してもよい。また、本実施形態では、外部装置10が1台である場合について説明するが、外部装置10は複数台であってもよい。
【0031】
第1装置20は、情報処理装置40を管理する装置である。本実施形態では、第1装置20として、サーバコンピュータを適用している。
【0032】
ユーザ端末30は、情報処理装置40を使用するユーザが有する情報処理端末である。本実施形態では、ユーザ端末30として、パーソナルコンピュータを適用している。
【0033】
また、本実施形態では、情報処理装置40として、画像形成装置を適用している。しかし、情報処理装置40として、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォン等のいかなる情報処理装置を適用してもよい。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置40は、CPU41、一時記憶領域としてのメモリ42、不揮発性の第1記憶部43及び第2記憶部44、入力部45、表示部46、及び通信I/F部48を備えている。各構成はバスB4を介して互いに接続されている。
【0035】
第1記憶部43は、HDD、SSD、又はフラッシュメモリ等の記憶装置によって実現される。なお、記憶媒体としての第1記憶部43には、情報処理プログラム43Aが記憶されている。CPU41は、これらのプログラムを第1記憶部43から読み出してメモリ42に展開し、当該プログラムが有するプロセスを順次実行する。各プログラムの実行の詳細な説明は、後述する。また、第1記憶部43には、機能データベース43B等の各種データベースが記憶される。
【0036】
第2記憶部44は、書き換え不可能な、HDD、SSD、又はフラッシュメモリ等の記憶装置によって実現される。第2記憶部44には、情報処理装置40が実行する機能(以下、単に「機能」という。)が記憶されている。具体的には、第2記憶部44には、情報処理装置40が読み取った画像を外部装置10に送信する機能である読取送信機能、及び情報処理装置40が読み取った画像を表示部46に表示する機能である読取表示機能が記憶されている。なお、第2記憶部44には、情報処理装置40が読み取った画像を印刷する機能である読取印刷機能等を適用してもよい。
【0037】
なお、本実施形態では、外部装置10への情報送信を伴う処理である送信処理が含まれているか否かに関わらず、書き換え不可能な第2記憶部44に機能が記憶されている形態を適用している。しかし、送信処理が含まれている機能は、書き換え不可能な第2記憶部44に記憶され、送信処理が含まれていない機能は、書き換え可能な記憶装置に記憶されてもよい。また、機能のうち、送信処理は、書き換え不可能な第2記憶部44に記憶され、送信処理以外の処理は、書き換え可能な記憶装置に記憶されてもよい。
【0038】
入力部45は、例えば、タッチパネルであり、各種の入力された情報を受け付けるために使用される。
【0039】
表示部46は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。なお、入力部45及び表示部46を、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成しても良い。
【0040】
通信I/F部48は、情報処理装置40が外部装置10等の装置と通信するためのインタフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0041】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る機能データベース43Bについて説明する。図2に示す機能データベース43Bでは、機能に関する情報である機能情報が記憶されている。図2において、各行がそれぞれ機能情報を表す。各機能情報においては、機能、処理、及び被改ざん有無の各情報が関連付けられている。
【0042】
上記機能は、第2記憶部44に記憶された機能を表す情報である。また、上記処理は、対応する機能に含まれる処理を表す情報である。図2に示す例では、読取送信機能に対応する処理として、情報処理装置40が画像を読み取る処理である読取処理と、読取処理によって読み取られた画像を外部装置10に送信する機能である画像送信処理とが適用されている。また、図2に示す例では、読取表示機能として、読取処理と、読取処理によって読み取られた画像を表示部46に表示する処理である画像表示処理とが適用されている。
【0043】
上記被改ざん有無は、対応する機能が、改ざんされた可能性がある機能である被改ざん機能であるか否かを表す情報である。図2に示す例では、「あり」は対応する機能が被改ざん機能であることを表し、「なし」は対応する機能が被改ざん機能ではないことを表す。
【0044】
次に、図3から図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置40の作用を説明する。ユーザによって情報処理プログラム43Aの実行を開始する指示が入力部45を介して行われた場合に、CPU41が情報処理プログラム43Aを実行することにより、図3に示す情報処理が実行される。
【0045】
ステップS100で、CPU41は、機能の実行の指示を、入力部45を介して受け付けるまで待機する。以下では、本ステップにおいてCPU41が受け付けた指示に対応する機能を、「受付機能」という。
【0046】
ステップS102で、CPU41は、受付機能が被改ざん機能であるか否かを判定する。CPU41は、受付機能が被改ざん機能である場合は(ステップS102:Y)、ステップS104へ移行する。一方、CPU41は、受付機能が被改ざん機能でない場合は(ステップS102:N)、後述するステップS118へ移行する。なお、被改ざん機能であるか否かは、既存の技術により実現できる。一例として、機能を実行するソフトウェアが、ユーザの意図したソフトウェアと同一であるか確認するために、セキュアブートと呼ばれる技術が知られている。セキュアブートによれば、予め計算して得たハッシュ値を期待値として保存しておき、システム起動時に計測した値が期待値と一致するか照合する。一致する場合は改ざんがなく、一致しない場合は改ざんがあると判定される。なお、セキュアブートは一例であり、いかなる改ざん検知の技術が用いられても良い。
【0047】
ステップS104で、CPU41は、通信I/F部48を介して、第1装置に、改ざん情報を送信する。言い換えると、ステップS104で、CPU41は、受付機能が改ざんされた可能性がある旨を第1装置に通知する。
【0048】
ステップS106で、CPU41は、機能データベース43Bにおける受付機能に対応する処理から、受付機能が、外部装置10への情報送信を伴う処理である送信処理を含むか否かを判定する。CPU41は、受付機能が送信処理を含む場合は(ステップS106:Y)、ステップS108へ移行する。一方、CPU41は、受付機能が送信処理を含まない場合は(ステップS106:N)、ステップS118へ移行する。
【0049】
ステップS108で、CPU41は、予め定められたフォーマットに従う実行制限画面を表示部46に表示する。
【0050】
図4に示すように、本実施形態に係る実行制限画面では、受付機能の実行が制限される旨を表すメッセージが表示される。図4に示す例では、受付機能のうち、送信処理である画像送信処理は実行させず、送信処理以外の処理である読取処理を実行させる旨を表すメッセージが実行制限画面に表示されている。
【0051】
なお、ステップS108で、CPU41は、受付機能の実行が制限される旨を表すメッセージを、情報処理装置40が備えるスピーカ等を介して、音声により提示してもよい。
【0052】
ステップS110で、CPU41は、外部装置10及びユーザ端末30のメールアドレス情報を取得し、外部装置10のメールアドレス情報が、ユーザ端末30のメールアドレス情報に含まれるドメイン名と同じドメイン名を含むか否かを判定する。CPU41は、外部装置10のメールアドレス情報が、ユーザ端末30のメールアドレス情報に含まれるドメイン名と同じドメイン名を含まない場合は(ステップS110:N)、ステップS112へ移行する。一方、CPU41は、外部装置10のメールアドレス情報が、ユーザ端末30のメールアドレス情報に含まれるドメイン名と同じドメイン名を含む場合は(ステップS110:Y)、ステップS118へ移行する。
【0053】
なお、ステップS110で、CPU41は、外部装置10のメールアドレス情報が、ユーザ端末30のメールアドレス情報に含まれるアカウント名と同じアカウント名を含むか否かを判定してもよい。この場合、CPU41は、外部装置10のメールアドレス情報が、ユーザ端末30のメールアドレス情報に含まれるアカウント名と同じアカウント名を含まない場合は、ステップS112へ移行する。一方、CPU41は、外部装置10のメールアドレス情報が、ユーザ端末30のメールアドレス情報に含まれるアカウント名と同じアカウント名を含む場合は、ステップS118へ移行する。
【0054】
また、ステップS110で、CPU41は、外部装置10及びユーザ端末30のプライベートIP(Internet Protocol)アドレス情報を取得し、これらのネットワーク部が同一か否かを判定してもよい。具体的には、CPU41は、外部装置10のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部が、ユーザ端末30のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部と同一である場合に、ステップS112へ移行してもよい。また、CPU41は、外部装置10のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部が、ユーザ端末30のプライベートIPアドレス情報に含まれるネットワーク部と異なる場合に、ステップS118へ移行してもよい。
【0055】
ステップS112で、CPU41は、受付機能のうち、送信処理は実行させず、送信処理以外の処理を実行させる。例えば、受付機能が読取送信機能である場合、CPU41は、画像送信処理は実行させず、読取処理を実行させる。
【0056】
ステップS114で、CPU41は、被改ざん機能である受付機能の修復方法に関する情報である修復情報を、通信I/F部48を介して第1装置から受信するまで待機する。
【0057】
ステップS116で、CPU41は、予め定められたフォーマットに従う修復情報画面を表示部46に表示し、本情報処理を終了する。
【0058】
図5に示すように、本実施形態に係る修復情報画面では、第1装置から受信した修復情報が表示される。図5に示す例では、読取送信機能を第2記憶部44から削除し、後で送付される読取送信機能を再度第2記憶部44に記憶する指示が修復情報画面に表示されている。
【0059】
なお、ステップS116で、CPU41は、修復情報を情報処理装置40が備えるスピーカ等を介して、音声により提示してもよい。
【0060】
ステップS118で、CPU41は、受付機能を実行させ、本情報処理を終了する。
【0061】
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0062】
また、上記実施の形態は、請求項にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0063】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0064】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0065】
本実施形態では、情報処理プログラム43Aが第1記憶部43にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る情報処理プログラム43Aを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本実施形態に係る情報処理プログラム43Aを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る情報処理プログラム43Aを、通信I/F部48を介して外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、情報処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0067】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置40の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0068】
また、上記実施の形態で説明した情報処理プログラムの処理の流れ(図3参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0069】
10 外部装置
20 第1装置
30 ユーザ端末
40 情報処理装置
41 CPU
43 第1記憶部
43A 情報処理プログラム
44 第2記憶部
図1
図2
図3
図4
図5