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特開2022-185899タッチパネルコントローラ、タッチパネルモニタ、およびタッチパネルコントローラの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185899
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】タッチパネルコントローラ、タッチパネルモニタ、およびタッチパネルコントローラの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
G05B19/05 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093811
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】512093491
【氏名又は名称】株式会社アスコ
(71)【出願人】
【識別番号】508133019
【氏名又は名称】株式会社シーズウェア
(71)【出願人】
【識別番号】393019436
【氏名又は名称】株式会社ディ・エム・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】和田 進
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】岡坂 治利
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA06
5H220BB11
5H220CC03
5H220CC07
5H220CX06
5H220CX08
5H220GG03
5H220GG11
5H220GG15
5H220JJ12
5H220JJ27
5H220JJ29
(57)【要約】
【課題】タッチパネルコントローラをインテリジェント化させることで機器を変更することなく、制御システム全体の機能を向上させることができる。
【解決手段】タッチパネルコントローラ(10)は、ビデオ信号に基づいて表示画像に対して加工処理を行う表示加工処理部(31)を備える。または、タッチパネルコントローラ(10)は、入力信号に基づいて機器(1)への指示出力の内容を決定する入力制御処理部(34)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器から表示画像を示すビデオ信号を受信するビデオ信号受信部と、
前記ビデオ信号に基づいて表示部に表示するための前記表示画像に対して加工処理を行う表示加工処理部と、を備える、タッチパネルコントローラ。
【請求項2】
外部から生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、
前記表示加工処理部は、前記生体情報に基づいて前記表示画像の表示を許可する、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項3】
前記表示加工処理部は、前記表示画像に対して光学文字認識を行い、前記表示画像に含まれる文字に対応する文字画像を、前記表示画像に重畳させる、または記憶部に格納する、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項4】
前記表示加工処理部は、前記表示画像と予め用意されている所定の画像とが類似しているか否かを判定し、前記表示画像と前記所定の画像とが類似していると判定した場合、前記表示画像を前記所定の画像に対応する別の画像に差し替える、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項5】
前記表示加工処理部は、前記表示画像と予め用意されている所定の画像とが類似しているか否かを判定し、前記表示画像と前記所定の画像とが類似していると判定した場合、前記所定の画像に対応する文字画像を前記表示画像に重畳させる、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項6】
前記表示加工処理部は、前記表示画像に対して、文字のフォントの変更、文字の大きさの変更、色の調整、明るさの調整、コントラストの調整、あるいは輪郭強調処理を行う、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項7】
前記表示部に前記表示画像を含む複数の画像を、マルチウインドウを用いて表示させる表示合成部をさらに備える、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項8】
前記複数の画像は、前記表示画像の一部を拡大した画像を含む、請求項7に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項9】
前記表示画像を印刷する指示を外部のプリンタに出力する、あるいは前記表示画像を記憶部に格納するプリンタ出力部をさらに備える、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項10】
前記表示加工処理部は、数値を含む前記表示画像に対して光学文字認識を行い、前記数値が所定の範囲外であるときに、アラームを出力する、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項11】
前記機器から音声信号を受信する音声信号受信部と、
該音声信号に基づいてスピーカに出力するための音声に対して加工処理を行う音声加工処理部と、をさらに備える、請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項12】
外部から生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、
前記音声加工処理部は、前記生体情報に基づいて前記音声の出力を許可する、請求項11に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項13】
入力操作を受け付ける入力装置から、該入力操作に伴う入力信号を受信する装置側入力部と、
前記入力信号に基づいて機器への指示出力の内容を決定する入力制御処理部と、を備える、タッチパネルコントローラ。
【請求項14】
外部から生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、
前記入力制御処理部は、前記生体情報に基づいて前記機器への指示出力を許可する、請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項15】
前記生体情報に対応するユーザ情報と、前記入力操作とを対応付けて記憶する記憶部をさらに備える、請求項14に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項16】
外部装置からの入力信号を受信し、該入力信号を前記入力制御処理部に送信する通信制御部をさらに備え、
前記入力制御処理部は、前記外部装置からの入力信号を前記入力装置からの入力信号の1つとして前記機器に送信する、請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項17】
記憶部を備え、複数の入力操作に対応する前記機器への複数の指示出力を示すデータを前記記憶部に登録し、
前記入力制御処理部は、前記入力信号によって前記データを呼び出し、該データに基づき、前記複数の指示出力を前記機器へ自動的に出力する請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項18】
記憶部と、
前記装置側入力部からメモ情報を前記入力信号として受信すると、該メモ情報を前記記憶部に格納し、前記装置側入力部から前記メモ情報を出力する旨の前記入力信号を受信すると、前記メモ情報を前記記憶部から取得し装置側出力部に送信する入力補助部と、を備える、請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項19】
前記装置側入力部から数値と演算子とを前記入力信号として受信し、前記数値と前記演算子とを用いた計算結果を前記機器へ出力する入力補助部を備える、請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項20】
前記入力装置に入力されるジェスチャ操作に基づき前記指示出力の内容を決定する入力補助部を備える、請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項21】
前記入力制御処理部は、前記装置側入力部から外部スイッチによる入力値を前記入力信号として取得し、該入力値に基づいて前記機器への指示出力を許可する、請求項13に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項22】
外部装置から前記タッチパネルコントローラを動作させるプログラムを取得し、該プログラムを更新するプログラム更新部をさらに備える、請求項1から21のいずれか一項に記載のタッチパネルコントローラ。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載のタッチパネルコントローラと表示部とタッチパネルとを備えるタッチパネルモニタ。
【請求項24】
機器から表示画像を示すビデオ信号を受信するビデオ信号受信ステップと、
前記ビデオ信号に基づいて表示部に表示するための前記表示画像に対して加工処理を行う表示加工処理ステップと、を含む、タッチパネルコントローラの制御方法。
【請求項25】
入力操作を受け付ける入力装置から、該入力操作に伴う入力信号を受信する装置側入力ステップと、
前記入力信号に基づいて機器への指示出力の内容を決定する入力制御処理ステップと、を含む、タッチパネルコントローラの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルコントローラ、タッチパネルモニタ、およびタッチパネルコントローラの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示画像を表示する表示部と入力操作を受け付けるタッチパネルとを備えるタッチパネルモニタ(表示器)が設けられた機器が知られている。特に、工場等の生産ラインにおいて使用される、稼働状況の確認または制御指示を行うためのタッチパネルモニタが設けられたFA(factory automation)機器が知られている。例えば、特許文献1には、入出力機器を制御するPLC(Programmable Logic Controller)に接続され、表示部とタッチ検出部とを備えるプログラマブル表示器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-166827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、上述のような機器に設けられるタッチパネルモニタは、表示部およびタッチパネルとしての標準インターフェースを有するタッチパネルモニタであることが多い。そのため、タッチパネルモニタは、機器から受信する表示画像に対して加工処理を行うといった、標準インターフェースを超える機能を有していない。また、タッチパネルモニタに、そのような新しい機能を追加することもできない。
【0005】
従って、上述のような機能を追加する場合、機器本体で当該機能を実現する必要がある。しかしながら、機器本体で当該機能を実現するためには、機器の内部を改造する、あるいは機器を新規に設計する必要があり、コストあるいは開発時間がかかってしまうといった問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、タッチパネルコントローラをインテリジェント化させることで機器を変更することなく、制御システム全体の機能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラは、機器から表示画像を示すビデオ信号を受信するビデオ信号受信部と、前記ビデオ信号に基づいて表示部に表示するための前記表示画像に対して加工処理を行う表示加工処理部と、を備える。
【0008】
上記の構成によれば、機器と比較し量産性に優れているタッチパネルコントローラに、表示画像に対して加工処理を行う機能を持たせる(タッチパネルコントローラをインテリジェント化する)ことができる。そのため、標準インターフェースを有するタッチパネルモニタを本実施形態に係るタッチパネルコントローラを含むタッチパネルモニタに取り換えることで、機器本体を取り換えたり改造したりすることなく、制御システムに上述の機能を追加することができる。
【0009】
また、前記タッチパネルコントローラは、外部から生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、前記表示加工処理部は、前記生体情報に基づいて前記表示画像の表示を許可してもよい。
【0010】
上記の構成によれば、機器への操作権限を有するユーザのみが機器から送信される表示画像を閲覧することができる。そのため、タッチパネルコントローラは、機器の不正アクセスおよびなりすまし等を検出することができ、機器に対するセキュリティを向上させることができる。
【0011】
また、前記表示加工処理部は、前記表示画像に対して光学文字認識を行い、前記表示画像に含まれる文字に対応する文字画像を、前記表示画像に重畳させる、または記憶部に格納してもよい。
【0012】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラは、表示画像中の文字をユーザが所望する異なる言語に翻訳し、翻訳した文字を表示画像に表示させることができる。すなわち、タッチパネルコントローラにより機器を多言語に対応させることができる。
【0013】
また、前記表示加工処理部は、前記表示画像と予め用意されている所定の画像とが類似しているか否かを判定し、前記表示画像と前記所定の画像とが類似していると判定した場合、前記表示画像を前記所定の画像に対応する別の画像に差し替えてもよい。
【0014】
また、前記表示加工処理部は、前記表示画像と予め用意されている所定の画像とが類似しているか否かを判定し、前記表示画像と前記所定の画像とが類似していると判定した場合、前記所定の画像に対応する文字画像を前記表示画像に重畳させてもよい。
【0015】
また、前記表示加工処理部は、前記表示画像に対して、文字のフォントの変更、文字の大きさの変更、色の調整、明るさの調整、コントラストの調整、あるいは輪郭強調処理を行ってもよい。
【0016】
また、前記タッチパネルコントローラは、前記表示部に前記表示画像を含む複数の画像(例えば、画像加工前の元画像および画像加工後の表示画像、過去のキャプチャ画像および現在の表示画像、操作ログ、マニュアルなどの画像)を、マルチウインドウを用いて表示させる表示合成部をさらに備えてもよい。また、前記複数の画像は、前記表示画像の一部を拡大した画像を含んでもよい。
【0017】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラは、複数の画像を、マルチウインドウを用いて表示させることでユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0018】
また、前記タッチパネルコントローラは、前記表示画像を印刷する指示を外部のプリンタに出力する、あるいは前記表示画像を記憶部に格納する表示合成部を備えてもよい。
【0019】
また、前記表示加工処理部は、数値を含む前記表示画像に対して光学文字認識を行い、前記数値が所定の範囲外であるときに、アラームを出力してもよい。
【0020】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラは、機器に代わって機器の稼働状況を示す数値の異常をユーザに報知することができる。
【0021】
また、前記タッチパネルコントローラは、前記機器から音声信号を受信する音声信号受信部と、該音声信号に基づいてスピーカに出力するための音声に対して加工処理を行う音声加工処理部と、をさらに備えてもよい。
【0022】
また、前記タッチパネルコントローラは、外部から生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、前記音声加工処理部は、前記生体情報に基づいて前記音声の出力を許可してもよい。
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラは、入力操作を受け付ける入力装置から、該入力操作に伴う入力信号を受信する装置側入力部と、前記入力信号に基づいて機器への指示出力の内容を決定する入力制御処理部と、を備える。
【0024】
上記の構成によれば、機器と比較し量産性に優れているタッチパネルコントローラに、入力信号に基づいて機器への指示出力の内容を決定する機能を持たせる(タッチパネルコントローラをインテリジェント化する)ことができる。そのため、標準インターフェースを有するタッチパネルモニタを本実施形態に係るタッチパネルコントローラを含むタッチパネルモニタに取り換えることで、機器本体を取り換えたり改造したりすることなく、制御システムに上述の機能を追加することができる。
【0025】
また、前記タッチパネルコントローラは、外部から生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、前記入力制御処理部は、前記生体情報に基づいて前記機器への指示出力を許可してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、機器への操作権限を有するユーザのみが機器への指示出力を行うことができる。そのため、タッチパネルコントローラは、機器の不正アクセスおよびなりすまし等を検出することができ、機器に対するセキュリティを向上させることができる。
【0027】
また、前記タッチパネルコントローラは、前記生体情報に対応するユーザ情報と、前記入力操作とを対応付けて記憶する記憶部をさらに備えてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、ユーザを特定し、ログとしてユーザの操作履歴を残すことができるので、機器に対するトレーサビリティを向上させることができる。
【0029】
また、前記タッチパネルコントローラは、外部装置からの入力信号を受信し、該入力信号を前記入力制御処理部に送信する通信制御部をさらに備え、前記入力制御処理部は、前記外部装置からの入力信号を前記入力装置からの入力信号の1つとして前記機器に送信してもよい。
【0030】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラはVNC機能を有し得る。すなわち、タッチパネルコントローラは、機器から離れた場所から機器をリモートで操作することができる。
【0031】
また、前記タッチパネルコントローラは、記憶部を備え、複数の入力操作に対応する前記機器への複数の指示出力を示すデータを前記記憶部に登録し、前記入力制御処理部は、前記入力信号によって前記データを呼び出し、該データに基づき、前記複数の指示出力を前記機器へ自動的に出力してもよい。
【0032】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラはRPA機能を有し得る。すなわち、タッチパネルコントローラは、定型的な操作をユーザの入力操作に代わって実行することができる。そのため、タッチパネルコントローラは、機器を使用した業務の自動化に貢献することができる。
【0033】
また、前記タッチパネルコントローラは、記憶部と、前記装置側入力部からメモ情報を前記入力信号として受信すると、該メモ情報を前記記憶部に格納し、前記装置側入力部から前記メモ情報を出力する旨の前記入力信号を受信すると、前記メモ情報を前記記憶部から取得し装置側出力部に送信する入力補助部と、を備えてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラは、ユーザのメモ情報を受け付け、メモ情報を記憶部に格納することができる。そのため、ユーザはタッチパネルコントローラを介して別のユーザにメモ情報を通知することができる。
【0035】
また、前記タッチパネルコントローラは、前記装置側入力部から数値と演算子とを示す前記入力信号を受信し、前記数値と前記演算子とを用いた計算結果を前記機器へ出力する入力補助部を備えてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラは、ハードウェアとしての電卓の代わりに、数値と演算子とを用いて計算結果を算出することができる。そのため、タッチパネルコントローラは、ユーザが別途電卓を用意する手間を軽減することができる。
【0037】
また、前記タッチパネルコントローラは、前記入力装置に入力されるジェスチャ操作に基づき前記指示出力の内容を決定する入力補助部を備えてもよい。
【0038】
また、前記タッチパネルコントローラは、外部装置から前記タッチパネルコントローラを動作させるプログラムを取得し、該プログラムを更新するプログラム更新部をさらに備えてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラは、タッチパネルコントローラの各機能を実行するプログラムを外部装置から取得することができる。そのため、タッチパネルコントローラは、タッチパネルコントローラの機能を追加または変更することができる。
【0040】
また、前記入力制御処理部は、前記装置側入力部から外部スイッチによる入力値を前記入力信号として取得し、該入力値に基づいて前記機器への指示出力を許可してもよい。
【0041】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルモニタは、前記タッチパネルコントローラと表示部とタッチパネルとを備える。
【0042】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラの制御方法は、機器から表示画像を示すビデオ信号を受信するビデオ信号受信ステップと、前記ビデオ信号に基づいて表示部に表示するための前記表示画像に対して加工処理を行う表示加工処理ステップと、を含む。
【0043】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラの制御方法は、入力操作を受け付ける入力装置から、該入力操作に伴う入力信号を受信する装置側入力ステップと、前記入力信号に基づいて機器への指示出力の内容を決定する入力制御処理ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0044】
本発明の一態様によれば、タッチパネルコントローラをインテリジェント化させることで機器を変更することなく、制御システム全体の機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施形態に係る制御システムの概略構成を示したブロック図である。
図2】上記制御システムにおけるタッチパネルモニタの表示加工処理の一例を示すフローチャートである。
図3】上記タッチパネルモニタの入力制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4】上記タッチパネルモニタの生体認証処理の一例を示すフローチャートである。
図5】上記タッチパネルモニタのVNC機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図6】上記タッチパネルモニタのRPA機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図7】上記タッチパネルモニタの言語変換処理の一例を示すフローチャートである。
図8】上記タッチパネルモニタの言語変換処理の一例を示すフローチャートである。
図9】上記タッチパネルモニタの言語変換処理の一例を示すフローチャートである。
図10】上記タッチパネルモニタのマルチウインドウ機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図11】上記タッチパネルモニタが表示画像の一部を拡大した画像を表示する様子を示す模式図である。
図12】上記タッチパネルモニタの数値検出機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図13】上記タッチパネルモニタのメモ機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図14】上記タッチパネルモニタの電卓機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図15】上記タッチパネルモニタのプログラム更新機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図16】上記タッチパネルモニタの音声加工処理の一例を示すフローチャートである。
図17】上記タッチパネルモニタの、外部スイッチによる認証処理の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明の他の実施形態に係る制御システムの概略構成を示したブロック図である。
図19】本発明のさらに他の実施形態に係る制御システムの概略構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
〔実施形態1〕
(構成例)
図1は、本発明の実施形態1に係る制御システム100の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、制御システム100において、タッチパネルモニタ2(表示器)は、機器1と接続されている。機器1は、例えば工場の生産ラインにおけるFA機器である。
【0047】
タッチパネルモニタ2は、タッチパネルコントローラ10(制御装置)と、表示部22(出力装置)と、タッチパネル23(入力装置)とを備える。タッチパネルモニタ2において、タッチパネルコントローラ10と、表示部22と、タッチパネル23とは一体となって構成されている。タッチパネルコントローラ10は、機器側入力部11と、機器側出力部16とを備える。機器側入力部11は、機器1からビデオ信号を受信するビデオ信号受信部21を備える。ビデオ信号は、表示部22に送信される。表示部22は、ビデオ信号が示す表示画像を表示する。表示画像は、例えば、ユーザが機器1の稼働状況を確認する、または機器1への制御指示を行うための画像である。
【0048】
なお、機器側入力部11は、機器1から音声信号を受信する音声信号受信部111を備えてもよい。音声信号は、外部のスピーカ131に送信される。スピーカ131は、音声信号が示す音声データを出力する。なお、スピーカ131は、タッチパネルモニタ2と一体となって設けられていてもよい。
【0049】
タッチパネル23は、ユーザの入力操作を受け付ける、すなわち、タッチセンサによりユーザの入力操作を入力信号として検知する。ここで、入力信号は、タッチ座標を示す信号である。入力操作は、例えば、タッチ操作あるいはジェスチャ操作等である。入力信号は、機器側出力部16に送信される。機器側出力部16は、入力信号に基づいて機器1への指示出力を行う指示出力部24と、入力信号に基づいて機器1の電源の制御を行う電源制御部25とを備える。
【0050】
タッチパネルモニタ2の上述のような構成は、標準インターフェースを有する従来のタッチパネルモニタと同様である。すなわち、タッチパネルモニタ2は、従来のタッチパネルモニタと同様に、機器1から受信したビデオ信号が示す表示画像を表示部22に表示する。また、タッチパネルモニタ2は、従来のタッチパネルモニタと同様に、タッチパネル23が受け付けた入力操作を、入力信号として機器1に送信する。タッチパネルモニタ2は、このような従来のタッチパネルモニタの構成に加え、以下に示す追加の構成を備える。
【0051】
タッチパネルコントローラ10は、装置側出力部12と、装置側入力部15と、入出力加工制御部20をさらに備える。入出力加工制御部20は、認証処理部42、通信制御部52、表示加工処理部31、音声加工処理部35、入力補助部33、および入力制御処理部34を備える。入出力加工制御部20に含まれる機能部としてはこれらに限定されず、後述するプログラム更新部91により新たに追加されてもよい。
【0052】
装置側出力部12は、加工処理された表示画像に対して、出力制御処理を行う表示合成部32を備える。出力制御処理は、例えば、表示画像を含む複数の画像をマルチウインドウとして表示部22に表示させる処理である。また、装置側出力部12は、タッチパネルモニタ2に接続される外部出力装置13(出力装置)への指示出力を行ってもよい。外部出力装置13は、例えば、プリンタ7、スピーカ131、およびLED(light emitting diode)132等である。
【0053】
装置側入力部15は、ユーザの入力操作を受け付けるタッチパネル23から、該入力操作に伴う入力信号を受信する。また、装置側入力部15は、タッチパネルモニタ2に接続され、ユーザの入力操作を受け付ける外部入力装置14(入力装置)から、該入力操作に伴う入力信号を受信してもよい。外部入力装置14は、例えば、キーボード・マウス8、マイク141、バーコードリーダ142、数値センサ143、および外部スイッチ144等である。
【0054】
表示加工処理部31は、ビデオ信号受信部21が受信したビデオ信号に基づいて、表示部に表示するための表示画像に対して加工処理を行う。加工処理は、例えば、表示画像内の文字を他の言語に変換する処理、あるいは表示画像内の文字のフォントまたは大きさを変更する処理等である。
【0055】
入力補助部33は、ユーザの入力装置(タッチパネル23および外部入力装置14)への入力操作をトリガとして、タッチパネル23の入力モードを切り替える旨の指示を表示合成部32に送信する。ここで、入力モードは、例えば、座標入力モード、またはキーボード入力モード等である。入力補助部33は、例えば、タッチパネル23の入力モードをキーボード入力モードに切り替えるとき、表示部22にスクリーンキーボードを表示させる旨の指示を表示合成部32に送信する。
【0056】
また、入力補助部33は、タッチパネル23から受信する入力信号を、タッチパネル23の入力モードに基づいた信号に変換する。座標入力モードでは、入力補助部33は、タッチ座標を示す信号であるタッチ入力信号をそのまま入力制御処理部34に送信する。キーボード入力モードでは、入力補助部33は、タッチ座標に対応するキー入力信号を特定し、キー入力信号を入力制御処理部34に送信する。
【0057】
入力制御処理部34は、入力操作に伴う入力信号に基づいて、機器1への指示出力の内容を決定する。例えば、入力制御処理部34は、後述する認証処理部42による認証処理の結果に基づき、機器1への指示出力を許可するか否かを決定してもよい。または、入力制御処理部34は、後述するRPA(Robotic Process Automation)機能により、複数の指示出力を機器1へ自動的に出力してもよい。
【0058】
また、タッチパネルモニタ2は、外部の生体情報取得装置4から生体情報を取得する生体情報取得部41を備えてもよい。生体情報取得装置4は、例えば、ユーザの生体情報を撮像するカメラである。生体情報は、例えば、ユーザの顔画像あるいは指紋画像である。認証処理部42は、生体情報取得部41が取得したユーザの生体情報と、記憶部61に登録済みの生体情報との照合(認証処理)を行う。認証処理部42は、認証処理の結果を入力制御処理部34または表示加工処理部31に送信する。
【0059】
また、タッチパネルモニタ2は、無線LAN(Local Area Network)等により外部装置5とデータの送受信を行う通信部51を備えてもよい。ここで、外部装置5は、例えば、スマートフォンまたはタブレットPC等のリモート端末である。通信制御部52は、VNC(Virtual Network Computing)機能により、通信部51を介して外部装置5とデータの送受信を行う。通信制御部52は、外部装置5から受信した入力信号を入力制御処理部34に送信する。
【0060】
また、タッチパネルモニタ2は、プログラム更新部91を備えてもよい。プログラム更新部91は、通信部51を介して外部装置5から入出力加工制御部20に含まれる各部(機能ブロック)を動作させるプログラムを取得する。ここで、通信部51は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)等により外部装置5からプログラムを取得する。
【0061】
(動作例)
図2は、タッチパネルモニタ2の表示加工処理の一例を示すフローチャートである。図3は、タッチパネルモニタ2の入力制御処理の一例を示すフローチャートである。図2図3を参照して、タッチパネルモニタ2の入出力加工制御部20に係る制御方法(表示制御方法および入力制御方法)の概要について、以下に説明する。
【0062】
図2に示すように、まず、ビデオ信号受信部21は、機器1から表示画像を示すビデオ信号を受信する(ビデオ信号受信ステップS1)。ビデオ信号受信部21は、ビデオ信号を表示加工処理部31に送信する。次に、表示加工処理部31は、ビデオ信号に基づいて、表示画像に対して加工処理を行う(表示加工処理ステップS2)。表示加工処理部31は、加工処理された表示画像を表示合成部32に送信する。次に、表示合成部32は、加工処理された表示画像に対して、出力制御処理を行う(ステップS3)。表示部22は、表示合成部32の制御指示に従い、表示画像を表示する(ステップS4)。以上のように、タッチパネルモニタ2は、機器1から受信するビデオ信号が示す表示画像に対して表示加工処理を行うことができる。
【0063】
図3に示すように、まず、入力装置は、ユーザの入力操作を受け付ける。装置側入力部15は、入力装置から入力操作に伴う入力信号を受信する(装置側入力ステップS5)。次に、入力補助部33は、入力信号を入力モードに基づいた信号に変換する(ステップS6)。入力補助部33は、変換した信号を入力信号として入力制御処理部34に送信する。次に、入力制御処理部34は、入力信号に基づいて、機器1への指示出力の内容を決定する(入力制御処理ステップS7)。指示出力部24は、入力制御処理部34が決定した指示出力の内容に従い、機器1への指示出力を行う(ステップS8)。以上のように、タッチパネルモニタ2は、入力装置からの入力信号に対して入力制御処理を行うことができる。
【0064】
タッチパネルモニタ2は、上述の表示加工処理または入力制御処理を行う機能を有する。すなわち、タッチパネルモニタ2はインテリジェント化されている。そのため、標準インターフェースを有するタッチパネルモニタを本実施形態に係るタッチパネルモニタ2に取り換えることで、機器本体を取り換えたり改造したりすることなく、制御システム100に上述の機能を追加することができる。
【0065】
図4図17は、本実施形態に係るタッチパネルモニタ2が有する各機能を示すフローチャートおよび模式図である。図4図17を参照し、タッチパネルモニタ2が有する各機能を以下に説明する。
【0066】
(生体認証機能)
図4は、タッチパネルモニタ2の生体認証処理の一例を示すフローチャートである。図4を参照して、タッチパネルモニタ2が生体認証機能により機器1への指示出力の内容を決定する場合の動作例について、以下に説明する。
【0067】
図4に示すように、まず、入力装置に対するユーザの入力操作をトリガとして、タッチパネルモニタ2は生体認証を開始する。タッチパネルモニタ2は、生体情報取得装置4を起動させる(ステップS11)。また、表示合成部32は、表示部22に対して生体認証を開始する旨を示す表示画像(以下、認証画像と称する)を表示させてもよい。これにより、ユーザは生体認証を開始することができる。
【0068】
次に、生体情報取得部41は、生体情報取得装置4からユーザの生体情報を取得する(ステップS12)。ここで、生体情報は、ユーザの顔画像、指紋画像等のユーザを特定するための情報に加えて、ユーザの体温、心拍数等のユーザの健康状態を示す情報を含んでもよい。すなわち、生体情報取得装置4はユーザの顔画像、指紋画像等を撮像するカメラに加えて、ユーザの体温、心拍数等を測定する測定装置(例えば温度センサ)を含んでもよい。
【0069】
次に、認証処理部42は、認証処理を行う(ステップS13)。すなわち、認証処理部42は、生体情報取得部41が取得したユーザの生体情報と、記憶部61に登録済みの生体情報との照合を行う。認証処理部42は、生体情報の照合において、公知の画像処理技術を用いて、一致あるいは不一致を判定する。認証処理部42は、認証処理の結果を入力制御処理部34に送信する。認証処理部42は、認証処理の結果を表示合成部32に送信してもよい。
【0070】
次に、入力制御処理部34は、認証処理の結果に応じて、機器1への指示出力の内容を決定する。すなわち、生体情報の照合が成功した場合(ステップS14におけるYES)、入力制御処理部34は、機器1への指示出力を許可する(ステップS15)。生体情報の照合が失敗した場合(ステップS14におけるNO)、入力制御処理部34は、機器1への指示出力を許可しない(ステップS16)。ここで、入力制御処理部34が「機器1への指示出力を許可する」ことは、指示出力部24に機器1への指示出力を出力させること、および電源制御部25に機器1の電源をONにさせることを含む。また、表示合成部32は、表示部22に認証処理の結果を表示させてもよい。
【0071】
以上のように、入力制御処理部34が、認証処理の結果に応じて、機器1への指示出力の内容を決定することにより、機器1への操作権限を有するユーザのみが機器1への指示出力を行うことができる。そのため、タッチパネルモニタ2は、不正アクセスおよびなりすまし等を検出することができ、機器1に対するセキュリティを向上させることができる。
【0072】
なお、タッチパネル23に対するユーザの入力操作をトリガとして、タッチパネルモニタ2は生体情報の登録処理を行ってもよい。認証処理部42は、生体情報取得部41が取得したユーザの生体情報をユーザ情報(ユーザを特定するための識別子、ユーザの名前等)と対応付けて記憶部61に登録する。
【0073】
また、生体情報の照合が成功した場合、入力制御処理部34は、生体情報に対応するユーザ情報と、認証処理後に入力される入力操作のログとを対応付けて記憶部61に格納してもよい。入力操作のログとは、例えば、タッチ座標の時系列データである。これにより、ユーザを特定し、ログとしてユーザの操作履歴を残すことができるので、機器1に対するトレーサビリティをさらに向上させることができる。
【0074】
また、ユーザ情報は、ユーザの機器1への操作権限を示す情報を含んでもよい。入力制御処理部34は、認証処理の結果に対応する操作権限に基づき、機器1への指示出力の内容を決定してもよい。例えば、生体認証処理により特定されたユーザが、機器1の稼働状況を確認するための操作権限のみを有する場合、入力制御処理部34は、機器1の稼働状況を確認するための操作のみを許可し、機器1への制御指示を行うための操作を許可しない。
【0075】
また、入力制御処理部34は、認証処理の結果に加え、ユーザの体温、心拍数等のユーザの状態を示す情報に基づき、機器1への指示出力の内容を決定してもよい。例えば、入力制御処理部34は、温度センサの測定値が所定の下限値以上の場合、当該測定値はユーザの体温であると判定するが、温度センサにより測定した値が所定の下限値より低い場合、機器1への指示出力を許可しない。これにより、写真等によるなりすましを検出することができる。また、入力制御処理部34は、ユーザの体温が所定の上限値以下の場合、機器1への指示出力を許可するが、ユーザの体温が所定の上限値より高い場合、機器1への指示出力を許可しない。これにより、入力制御処理部34は、ユーザの健康状態に基づき、機器1への指示出力の許可あるいは不許可を決定することができる。
【0076】
また、認証処理部42は、認証処理の結果を表示加工処理部31に送信してもよい。表示加工処理部31は、認証処理の結果に応じて、表示画像に対する加工処理を行う。すなわち、生体情報の照合が成功した場合、表示加工処理部31は、表示画像の表示を許可する。生体情報の照合が失敗した場合、表示加工処理部31は、表示画像の表示を許可しない。例えば、生体情報の照合が失敗した場合、表示加工処理部31は、表示画像の代わりに生体情報の照合が失敗した旨の画像を表示させる。
【0077】
(VNC機能)
図5は、タッチパネルモニタ2のVNC機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図5を参照して、タッチパネルモニタ2がVNC機能により機器1への指示出力の内容を決定する場合の動作例について、以下に説明する。
【0078】
まず、入力装置に対するユーザの入力操作(タッチパネル23において特定のオブジェクトを選択する等)をトリガとして、タッチパネルモニタ2はVNCを開始する。または、タッチパネルモニタ2は、外部装置5から認証要求(ユーザ識別子およびパスワードを含む)を受信すると、認証手続を経て、VNCを開始する。通信制御部52は、表示合成部32から加工処理された表示画像を取得し、通信部51を介して表示画像を周期的に外部装置5に送信する(ステップS21)。これにより、外部装置5は、表示部22に表示されている表示画像と同じ表示画像を表示することができる。
【0079】
次に、通信制御部52は、外部装置5からの入力信号を受け付ける(ステップS22)。例えば、外部装置5からの入力信号は、スマートフォンまたはタブレットPCに設けられたタッチパネルへのタッチ入力あるいはキー入力に伴う入力信号である。または、外部装置5からの入力信号は、PCに接続されたマウスあるいはキーボードによる入力に伴う入力信号である。通信制御部52は、外部装置5から受信した入力信号を入力制御処理部34に送信する。
【0080】
次に、入力制御処理部34は、操作権限が入力装置あるいは外部装置5のどちらにあるかに応じて、機器1への指示出力の内容を決定する。すなわち、操作権限が外部装置5側にある場合(ステップS23におけるYES)、入力制御処理部34は、外部装置5からの入力信号に基づく機器1への指示出力を許可する(ステップS24)。このとき、入力制御処理部34は、入力装置からの入力信号に基づく機器1への指示出力を許可しない。入力制御処理部34は、外部装置5からの入力信号を入力装置からの入力信号として機器1に送信する。操作権限が入力装置側にある場合(ステップS23におけるNO)、入力制御処理部34は、入力装置からの入力信号に基づく機器1への指示出力を許可する(ステップS25)。このとき、入力制御処理部34は、外部装置5からの入力信号に基づく機器1への指示出力を許可しない。なお、タッチパネルモニタ2が外部装置5と接続されている間、入力制御処理部34は、操作権限が入力装置あるいは外部装置5のどちらにあるかをユーザの入力操作に基づき決定する。なお、操作権限は入力装置および外部装置5のどちらにあってもよい。このとき、入力制御処理部34は、外部装置5からの入力信号を入力装置からの入力信号の1つとして機器1に送信する。
【0081】
以上のように、タッチパネルモニタ2はVNC機能を有し得る。すなわち、タッチパネルモニタ2は、機器1から離れた場所から機器1をリモートで操作することができる。また、入力制御処理部34は、外部装置5からの入力信号または入力装置からの入力信号のどちらか一方に基づく指示出力を行い、他方に基づく指示出力を行わないように設けられてもよい。
【0082】
(RPA機能)
図6は、タッチパネルモニタ2のRPA機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図6を参照して、タッチパネルモニタ2がRPA機能により機器1への指示出力の内容を決定する場合の動作例について、以下に説明する。
【0083】
図6に示すように、まず、入力装置に対する入力操作(タッチパネル23において特定のオブジェクトを選択する等)をトリガとして、タッチパネルモニタ2は、機器1への複数の指示出力を示すデータ(以下、RPAデータと称する)の登録を行う(ステップS31)。このとき、入力補助部33は、入力装置の入力モードをRPAデータ登録モードに切り替える。例えば、入力補助部33は、表示部22にRPAデータを登録するための表示画像を表示させる旨の指示を表示合成部32に送信する。このとき、ユーザは例えば、表示画像に示された機器1への複数の指示出力を含むフローチャートを編集し、RPAデータを決定する。入力補助部33はユーザにより決定されたRPAデータを記憶部61に格納する。または、入力補助部33は、RPAデータ登録モードの間、実際に入力装置に入力される入力操作をRPAデータとして記憶部61に格納してもよい。
【0084】
ここで、複数の指示出力は、表示部22が示す表示画像と、タッチ座標または特定のオブジェクト(ボタン)との対応付けにより決定される。RPAデータは、複数の指示出力と、各指示の間の時間間隔とを規定する。
【0085】
次に、入力装置に対する入力操作をトリガとして、入力補助部33は、入力装置の入力モードをRPAデータ実行モードに切り替える。また、入力補助部33は、入力操作に伴う、特定のRPAデータを実行する旨の入力信号を入力制御処理部34に送信する。入力制御処理部34は、入力信号によって特定のRPAデータを記憶部61から呼び出す(ステップS32)。次に、入力制御処理部34は、入力信号によって特定のRPAデータを呼び出すと、RPAデータに基づき、複数の指示出力を機器1へ自動的に出力する(ステップS33)。
【0086】
以上のように、タッチパネルモニタ2はRPA機能を有し得る。すなわち、タッチパネルモニタ2は、定型的な操作をユーザの入力操作に代わって実行することができる。そのため、タッチパネルモニタ2は、機器1を使用した業務の自動化に貢献することができる。
【0087】
(言語変換機能)
図7図9は、タッチパネルモニタ2の言語変換処理の一例を示すフローチャートである。図7図9を参照して、タッチパネルモニタ2が言語変換機能により表示画像に対して加工処理を行う場合の各動作例について、以下に説明する。
【0088】
図7に示すように、タッチパネルモニタ2は、光学文字認識により表示画像中の文字を対応する文字(例えば翻訳文)に変換してもよい。まず、表示加工処理部31は、ビデオ信号受信部21から受信した表示画像に対して光学文字認識(OCR(Optical Character Recognition))を実行する(ステップS41)。すなわち、表示加工処理部31は、表示画像に含まれる画像データとしての文字を、テキストデータに変換する。
【0089】
次に、表示加工処理部31は、テキストデータに基づき、表示画像に含まれる文字に対応する文字画像を生成する(ステップS42)。例えば、表示加工処理部31は、テキストデータを、ユーザの入力操作により決定された翻訳言語のテキストデータに翻訳する。表示加工処理部31は、翻訳後のテキストデータを表示する文字画像を生成する。また、表示加工処理部31は、表示画像に含まれる文字のフォントまたは大きさを変更した文字画像を生成してもよい。また、表示加工処理部31は、テキストデータまたは文字画像を記憶部61に格納してもよい。
【0090】
次に、表示加工処理部31は、文字画像を表示画像に重畳させる(ステップS43)。例えば、表示加工処理部31は、表示画像における文字が表示されている箇所に、翻訳後のテキストデータを表示する文字画像を重畳させる。
【0091】
以上のように、タッチパネルモニタ2は、表示画像中の文字をユーザが所望する異なる言語に翻訳し、翻訳した文字を表示画像に表示させることができる。すなわち、タッチパネルモニタ2は、このような表示加工処理部31を備えることにより、機器を多言語に対応させることができる。また、後述する図8および図9に示す実施形態と比較し、事前に所定の画像を準備する必要がなく、ユーザにとって手間とならない。
【0092】
また、図8に示すように、タッチパネルモニタ2は、表示画像と予め用意されている所定の画像(以下、基準画像と称する)とが類似している場合に、表示画像を基準画像に対応する別の画像(以下、翻訳画像と称する)に差し替えることで、表示画像中の文字を対応する文字に変換してもよい。基準画像は、例えば、過去に表示部22が表示した表示画像のキャプチャ画像である。翻訳画像は、基準画像中の少なくとも一部の文字を対応する文字(例えば翻訳文)に置換した表示画像である。まず、表示加工処理部31は、記憶部61から基準画像および翻訳画像を取得する。次に、表示加工処理部31は、ビデオ信号受信部21から受信した表示画像と、基準画像との一致率を特定する(ステップS51)。
【0093】
次に、表示加工処理部31は、表示画像と基準画像とが類似していると判定した場合、表示画像を対応する翻訳画像に差し替える。すなわち、一致率が所定の閾値以上の基準画像が存在した場合(ステップS52におけるYES)、表示加工処理部31は、表示画像を、一致率が所定の閾値以上の基準画像に対応する翻訳画像に差し替える(ステップS53)。一致率が所定の閾値以上の基準画像が存在しなかった場合(ステップS52におけるNO)、表示加工処理部31は、表示画像をそのまま表示合成部32に送信する(ステップS54)。
【0094】
また、図9に示すように、タッチパネルモニタ2は、表示画像と基準画像とが類似している場合に基準画像に対応する文字画像を重畳させることで、表示画像中の文字を対応する文字に変換してもよい。文字画像は、例えば、基準画像中の文字の翻訳文を表示する画像である。まず、表示加工処理部31は、記憶部61から基準画像および文字画像を取得する。次に、表示加工処理部31は、図8に示したステップS51と同様の処理を行う。
【0095】
次に、表示加工処理部31は、表示画像と基準画像とが類似していると判定した場合、表示画像に対応する文字画像を重畳させる。すなわち、一致率が所定の閾値以上の基準画像が存在した場合(ステップS52におけるYES)、表示加工処理部31は、表示画像に、一致率が所定の閾値以上の基準画像に対応する文字画像を重畳させる(ステップS55)。一致率が所定の閾値以上の基準画像が存在しなかった場合(ステップS52におけるNO)、表示加工処理部31は、表示画像をそのまま表示合成部32に送信する(ステップS54)。
【0096】
(マルチウインドウ機能)
図10は、タッチパネルモニタ2のマルチウインドウ機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図11は、タッチパネルモニタ2が表示画像の一部を拡大した画像を表示する様子を示す模式図である。図10および図11を参照して、タッチパネルモニタ2がマルチウインドウ機能により表示画像に対して出力制御処理を行う場合の動作例について、以下に説明する。なお、以下では、表示加工処理部31により加工処理された表示画像を第1表示画像D1と表す。
【0097】
まず、装置側入力部15は、入力装置から第1表示画像D1とは異なる第2表示画像D2を表示させる旨の入力信号を受け付ける。表示合成部32は、装置側入力部15から入出力加工制御部20を介して当該入力信号を受信する(ステップS61)。例えば、第2表示画像D2は、表示加工処理部31によって加工処理される前の元画像であってもよい。または、第2表示画像D2は、過去に表示部22が表示した表示画像のキャプチャ画像であってもよい。または、第2表示画像D2は、ユーザの操作ログを示す画像であってもよい。または、第2表示画像D2は、予め記憶部61に格納したマニュアルであってもよい。または、第2表示画像D2は、第1表示画像D1の一部領域Rを拡大した画像であってもよい(図11参照)。
【0098】
次に、表示合成部32は、第2表示画像D2を取得する(ステップS62)。例えば、表示合成部32は、記憶部61から入出力加工制御部20を介してキャプチャ画像あるいはマニュアルを取得する。または、表示合成部32は、入力信号に基づき、一部領域Rを拡大した画像を生成する。
【0099】
次に、表示合成部32は、表示部22に第1表示画像D1を含む複数の画像を、マルチウインドウを用いて表示させる。すなわち、表示合成部32は、第1表示画像D1を第1ウインドウW1に表示させる(ステップS63)。次に、表示合成部32は、第2表示画像D2を第1ウインドウW1とは異なる第2ウインドウW2に表示させる(ステップS64)。なお、図10および図11では2つのウインドウにそれぞれ画像を表示させる一例を示したが、ウインドウの数としてはこれに限定されない。
【0100】
以上のように、タッチパネルモニタ2は、複数の画像を、マルチウインドウを用いて表示させることでユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0101】
(画像処理機能)
表示加工処理部31は、表示画像の画像パラメータを補正してもよい。ここで、画像パラメータは、色相、彩度、輝度、および輪郭強調の程度を示すパラメータ等である。表示加工処理部31は、ユーザの入力装置への入力操作に従って画像パラメータを補正する。例えば、表示加工処理部31は、色相、彩度、あるいは輝度を補正することで、表示画像に対して、色の調整、明るさの調整、あるいはコントラストの調整を行う。例えば、表示加工処理部31は、輪郭に対応する画素の画素値を変更することで、表示画像に対して輪郭強調処理を行う。これにより、表示画像の視認性を向上させることができる。例えば、表示画像が生産ラインにおける製品を撮像した画像である場合、表示加工処理部31は、製品の傷に特定の色を付けるように、表示画像の色相を調整してもよい。これにより、ユーザは、表示部22に表示された表示画像を通して、製品の傷を容易に発見することができる。
【0102】
(印刷機能)
タッチパネルモニタ2は、表示画像を印刷する指示を、外部のプリンタ7に出力するプリンタ出力部71をさらに備えてもよい。プリンタ出力部71は、表示部22が表示している表示画像のキャプチャ画像を所定のデータ形式に変換して記憶部61に格納してもよい。
【0103】
(数値検出機能)
図12は、タッチパネルモニタ2の数値検出機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図12を参照して、タッチパネルモニタ2が数値検出機能により表示画像に対して出力制御処理を行う場合の動作例について、以下に説明する。
【0104】
図12に示すように、まず、表示加工処理部31は、ビデオ信号受信部21から受信した表示画像が機器1の稼働状況を示す数値(以下、監視パラメータと称する)を含む特定の画像であるか否かを判定する(ステップS71)。
【0105】
次に、表示加工処理部31は、表示画像に対して光学文字認識を実行する(ステップS72)。これにより、表示加工処理部31は、監視パラメータを示すテキストデータを生成する。ここで、表示加工処理部31は、表示画像における監視パラメータが表示される位置を示す情報を予め有している。そのため、表示加工処理部31は、少なくとも監視パラメータが表示される位置の近傍に対してのみ光学文字認識を実行すればよい。
【0106】
次に、表示加工処理部31は、光学文字認識により検出した監視パラメータを監視する(ステップS73)。また、表示加工処理部31は、監視パラメータを示すテキストデータを経時的に記憶部61に格納する。監視パラメータが所定の範囲内である場合(ステップS74におけるYES)、ステップS71に戻る。監視パラメータが所定の範囲外である場合(ステップS74におけるNO)、表示加工処理部31は、監視パラメータが所定の範囲外であることを示すアラームを出力する(ステップS75)。例えば、表示加工処理部31は、表示合成部32にアラームを出力する。表示合成部32は、表示加工処理部31からアラームを受信したとき、監視パラメータが所定の範囲外であることを示す表示画像を表示部22に表示させる。または、表示加工処理部31は、音声出力部121あるいはLED出力部122にアラームを出力する。音声出力部121は、表示加工処理部31からアラームを受信したとき、外部のスピーカ131にブザー音を出力させる。LED出力部122は、表示加工処理部31からアラームを受信したとき、外部のLED132を点灯させる。
【0107】
また、表示加工処理部31は、光学文字認識により検出した監視パラメータを通信制御部52に送信してもよい。通信制御部52は、通信部51を介して監視パラメータをネットワークで接続された外部装置5に出力する。同様に、表示加工処理部31は、監視パラメータが所定の範囲外である場合、アラームを外部装置5に出力してもよい。または、表示加工処理部31は、監視パラメータが所定の範囲外である場合、監視パラメータを、タッチパネルモニタ2に接続された外部記憶装置(図示せず)に記憶させてもよい。
【0108】
以上のように、タッチパネルモニタ2は、機器1に代わって監視パラメータの異常をユーザに報知することができる。また、タッチパネルモニタ2は、通信部51を介して、機器1から離れた外部装置5にアラームを出力することができる。
【0109】
(メモ機能)
図13は、タッチパネルモニタ2のメモ機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図13を参照して、タッチパネルモニタ2がメモ機能により入力信号の加工処理を行う場合の動作例について、以下に説明する。
【0110】
まず、入力補助部33は、ユーザの入力装置への入力操作をトリガとして、入力装置の入力モードをメモ入力モードに切り替える。入力補助部33は、装置側入力部15からユーザにより入力されたメモ情報を示す入力信号を受信する(ステップS81)。入力補助部33は、メモ情報を記憶部61に格納する(ステップS82)。
【0111】
次に、入力補助部33は、装置側入力部15から出力装置(表示部22および外部出力装置13)にメモ情報を出力させる旨の入力信号を受信する(ステップS83)。入力補助部33は、当該入力信号を受信すると、メモ情報を記憶部61から取得し装置側出力部12に送信する。装置側出力部12は、メモ情報を出力装置に出力させる(ステップS84)。例えば、表示合成部32は、メモ情報を含む表示画像を表示部22に表示させる。
【0112】
以上のように、タッチパネルモニタ2は、ユーザのメモ情報を受け付け、メモ情報を記憶部61に格納することができる。そのため、ユーザはタッチパネルモニタ2を介して別のユーザにメモ情報を通知することができる。
【0113】
(電卓機能)
図14は、タッチパネルモニタ2の電卓機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図14を参照して、タッチパネルモニタ2が電卓機能により入力信号の加工処理を行う場合の動作例について、以下に説明する。
【0114】
図14に示すように、まず、入力補助部33は、ユーザの入力装置への入力操作をトリガとして、タッチパネル23の入力モードを電卓情報入力モードに切り替える。ここで、入力補助部33は、表示部22に電卓を表示させる旨の指示を表示合成部32に送信する。表示合成部32は、表示部22に電卓を含む表示画像を表示させる(ステップS91)。
【0115】
次に、入力補助部33は、タッチ座標を示す信号であるタッチ入力信号をタッチパネル23から受信し、タッチ座標に対応する数値と演算子とを特定する。すなわち、入力補助部33は、タッチパネル23から数値と演算子とを示す入力信号を受信する(ステップS92)。
【0116】
次に、入力補助部33は、タッチパネル23から受信した一連の数値と演算子とを用いた計算結果を算出する(ステップS93)。入力補助部33は、計算結果を入力制御処理部34に送信する。
【0117】
以上のように、タッチパネルモニタ2は、ハードウェアとしての電卓の代わりに、数値と演算子とを用いて計算結果を算出することができる。そのため、タッチパネルモニタ2は、ユーザが別途電卓を用意する手間を軽減することができる。
【0118】
(プログラム更新機能)
図15は、タッチパネルモニタ2のプログラム更新機能に係る処理の一例を示すフローチャートである。図15を参照して、タッチパネルモニタ2がプログラム更新機能によりタッチパネルモニタ2の機能を追加する場合の動作例について、以下に説明する。
【0119】
図15に示すように、まず、プログラム更新部91は、通信部51を介して外部装置5から入出力加工制御部20に含まれる各部を動作させるプログラムを取得する(ステップS101)。次に、プログラム更新部91は、各部を動作させるプログラムを、外部装置5から取得したプログラムで更新する(ステップS102)。
【0120】
以上のように、タッチパネルモニタ2は、上述したタッチパネルモニタ2の各機能を実行するプログラムを外部装置から取得することができる。そのため、タッチパネルモニタ2は、タッチパネルモニタ2の機能を追加または変更することができる。
【0121】
(変形例)
図16は、タッチパネルモニタ2の音声加工処理の一例を示すフローチャートである。図16を参照して、タッチパネルモニタ2が機器1から音声信号を受信する場合における、入出力加工制御部20に係る制御方法の概要について、以下に説明する。
【0122】
図16に示すように、まず、音声信号受信部111は、機器1から音声信号を受信する(ステップS111)。音声信号受信部111は、音声信号を音声加工処理部35に送信する。次に、音声加工処理部35は、音声信号に基づいて、スピーカに出力するための音声に対して加工処理を行う(ステップS112)。音声に対しての加工処理は、例えば、音声のボリューム調整などである。音声信号受信部111は、加工処理された音声を音声出力部121に送信する。次に、音声出力部121は、加工処理された音声に対して、出力制御を行う(ステップS113)。スピーカ131は、音声出力部121の制御指示に従い、音声を出力する(表示ステップS114)。以上のように、タッチパネルモニタ2は、機器1から受信する音声信号が示す音声に対して音声加工処理を行うことができる。
【0123】
また、音声加工処理部35は、表示加工処理部31と同様に、認証処理の結果に応じて音声に対する加工処理を行ってもよい。すなわち、生体情報の照合が成功した場合、音声加工処理部35は、音声の出力を許可する。生体情報の照合が失敗した場合、音声加工処理部35は、表示画像の表示を許可しない。
【0124】
また、タッチパネルモニタ2は、ハードウェアとしてのキーボード・マウス8を、例えばUSBを介して接続されていてもよい。装置側入力部15は、キーボード・マウス8からのキー入力信号あるいはタッチ入力信号を受け付け、キー入力信号あるいはタッチ入力信号を入力制御処理部34に送信する。同様に、タッチパネルモニタ2は、マイク141、バーコードリーダ142、および数値センサ143を接続されていてもよい。入力補助部33は、マイク141、バーコードリーダ142、および数値センサ143からの入力信号に対応する機器1の制御内容を特定する。例えば、入力補助部33は、マイク141からの音声信号に対応するキー入力信号あるいはタッチ入力信号を特定する。
【0125】
また、タッチパネルモニタ2は、外部スイッチ144(GPIO(General purpose Input/Output:汎用入出力))を接続されていてもよい。図17は、タッチパネルモニタ2の、外部スイッチ144による認証処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、装置側入力部15は外部スイッチ144から入力値を受信する。入力制御処理部34は、装置側入力部15から当該入力値を入力信号として取得する(ステップS121)。次に、入力制御処理部34は、入力値に応じて、機器1への指示出力の内容を決定する。すなわち、入力値が機器1への指示出力の許可を示す場合(ステップS122におけるYES)、入力制御処理部34は、機器1への指示出力を許可する(ステップS123)。入力値が機器1への指示出力の許可を示さない場合(ステップS122におけるNO)、入力制御処理部34は、機器1への指示出力を許可しない(ステップS124)。
【0126】
以上のように、入力制御処理部34は、外部スイッチ144の入力値に基づき、機器1への指示出力の許可あるいは不許可を決定することができる。
【0127】
また、入力補助部33は、タッチパネル23に入力されるジェスチャ操作に基づき指示出力の内容を決定してもよい。すなわち、入力補助部33は、タッチパネル23に入力されるジェスチャ操作を特定し、ジェスチャ操作に対応するキー入力信号を入力制御処理部34に送信する。入力制御処理部34は、キー入力信号に基づき機器1への指示出力の内容を決定する。例えば、タッチパネル23に左右方向のフリック操作が入力された場合、入力補助部33は、左右方向のフリック操作に対応する、表示画像を切り替えるキー入力信号を入力制御処理部34に送信する。これにより、タッチパネルモニタ2は、もともとジェスチャ操作が想定されていない機器1に対しても、キー入力信号としてジェスチャ操作に対応する入力信号を機器1に送信することができる。
【0128】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0129】
図18は、本発明の他の実施形態に係る制御システム200の概略構成を示したブロック図である。制御システム200は、タッチパネルコントローラ210と、表示部222およびタッチパネル223とが一体となっていない点で、制御システム100と相違する。すなわち、表示部222およびタッチパネル223はタッチパネルコントローラ210の外部に接続されている。表示部222およびタッチパネル223はそれぞれ、外部出力装置213および外部入力装置214に含まれる。なお、表示部222とタッチパネル223とは、タッチモニタとして一体となって構成されていてもよい。また、表示部222およびタッチパネル223のうちいずれかのみが、タッチパネルコントローラ210と一体となって構成されていてもよい。
【0130】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0131】
図19は、本発明のさらに他の実施形態に係る制御システム300の概略構成を示したブロック図である。制御システム300は、表示加工処理に係る各部を備えていない点で、制御システム200と相違する。すなわち、タッチパネルコントローラ310は、機器側入力部11および装置側出力部12を備えておらず、外部出力装置213と接続されていない点でタッチパネルコントローラ210と相違する。このような構成により、タッチパネルコントローラ310の構成を簡略化することができる。
【0132】
〔ソフトウェアによる実現例〕
タッチパネルモニタ(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に入出力加工制御部20に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0133】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0134】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0135】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0136】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0137】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
1 機器
2 タッチパネルモニタ(表示器)
5 外部装置
7 プリンタ
10、210、310 タッチパネルコントローラ(制御装置)
11 機器側入力部
12 装置側出力部
13、213 外部出力装置(出力装置)
14、214 外部入力装置(入力装置)
15 装置側入力部
16 機器側出力部
20 入出力加工制御部
21 ビデオ信号受信部
22、222 表示部(出力装置)
23、223 タッチパネル(入力装置)
31 表示加工処理部
32 表示合成部
33 入力補助部
34 入力制御処理部
35 音声加工処理部
41 生体情報取得部
42 認証処理部
51 通信部
52 通信制御部
61 記憶部
71 プリンタ出力部
91 プログラム更新部
111 音声信号受信部
144 外部スイッチ
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図10
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