(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186005
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221208BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093993
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 佳代
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 佳洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】店舗において、商品を配送する際の手間を軽減することが可能な商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムを提供すること。
【解決手段】商品配送システムは、センタサーバと、店舗サーバと、店舗で商品が積み込まれる台車と連結および切り離しが可能に構成された駆動ユニットと、商品を購入するユーザが所持する端末と、を備え、プロセッサが、端末から店舗サーバに対して、商品の注文情報が出力された場合、店舗において台車への商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、店舗サーバから取得し、積み込み予定時刻に間に合うように、駆動ユニットを現在位置から店舗へと出発させる指示を、駆動ユニットに出力し、店舗サーバから、店舗において台車への商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、台車と連結された駆動ユニットを店舗から商品の配送先へと出発させる指示を、駆動ユニットに出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有するセンタサーバと、
商品を販売する店舗に設けられた店舗サーバと、
前記店舗で前記商品が積み込まれる台車と連結および切り離しが可能に構成された駆動ユニットと、
前記商品を購入するユーザが所持する端末と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記端末から前記店舗サーバに対して、前記商品の注文情報が出力された場合、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、前記店舗サーバから取得し、
前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記駆動ユニットを現在位置から前記店舗へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記店舗サーバから、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記店舗から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
商品配送システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記店舗サーバから前記積み込み完了通知を取得した場合、前記駆動ユニットが前記商品の配送先に到着する到着予定時刻を前記端末に出力する、
請求項1に記載の商品配送システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記端末から、前記商品の受け取りが完了した旨の受け取り完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
請求項1または請求項2に記載の商品配送システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記端末から、前記ユーザが保有する商品の在庫情報を取得し、
前記在庫情報に基づいて、前記ユーザが保有する商品の在庫が不足しているか否かを判定し、
前記ユーザが保有する商品の在庫が不足していると判定した場合、在庫が不足している商品を前記店舗に注文する旨の注文情報を、前記店舗サーバに対して出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の商品配送システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記端末から、商品の受け取りが完了した旨の受け取り完了通知を取得した場合、前記台車と切り離された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記端末から、前記台車の回収を要求する旨の台車回収指示を取得した場合、前記駆動ユニットを現在位置から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記駆動ユニットが前記商品の配送先に到着した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
請求項1または請求項2に記載の商品配送システム。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
商品を購入するユーザが所持する端末から、商品を販売する店舗に設けられた店舗サーバに対して、前記商品の注文情報が出力された場合、前記店舗において台車への前記商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、前記店舗サーバから取得し、
前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを現在位置から前記店舗へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記店舗サーバから、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記店舗から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
商品配送装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記店舗サーバから前記積み込み完了通知を取得した場合、前記駆動ユニットが前記商品の配送先に到着する到着予定時刻を前記端末に出力する、
請求項6に記載の商品配送装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記端末から、前記商品の受け取りが完了した旨の受け取り完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
請求項6または請求項7に記載の商品配送装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記端末から、前記ユーザが保有する商品の在庫情報を取得し、
前記在庫情報に基づいて、前記ユーザが保有する商品の在庫が不足しているか否かを判定し、
前記ユーザが保有する商品の在庫が不足していると判定した場合、在庫が不足している商品を前記店舗に注文する旨の注文情報を、前記店舗サーバに対して出力する、
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の商品配送装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記端末から、商品の受け取りが完了した旨の受け取り完了通知を取得した場合、前記台車と切り離された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記端末から、前記台車の回収を要求する旨の台車回収指示を取得した場合、前記駆動ユニットを現在位置から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記駆動ユニットが前記商品の配送先に到着した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
請求項6または請求項7に記載の商品配送装置。
【請求項11】
プロセッサに、
商品を購入するユーザが所持する端末から、商品を販売する店舗に設けられた店舗サーバに対して、前記商品の注文情報が出力された場合、前記店舗において台車への前記商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、前記店舗サーバから取得し、
前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを現在位置から前記店舗へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記店舗サーバから、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記店舗から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる商品配送プログラム。
【請求項12】
前記プロセッサに、前記店舗サーバから前記積み込み完了通知を取得した場合、前記駆動ユニットが前記商品の配送先に到着する到着予定時刻を前記端末に出力する、
ことを実行させる請求項11に記載の商品配送プログラム。
【請求項13】
前記プロセッサに、前記端末から、前記商品の受け取りが完了した旨の受け取り完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる請求項11または請求項12に記載の商品配送プログラム。
【請求項14】
前記プロセッサに、
前記端末から、前記ユーザが保有する商品の在庫情報を取得し、
前記在庫情報に基づいて、前記ユーザが保有する商品の在庫が不足しているか否かを判定し、
前記ユーザが保有する商品の在庫が不足していると判定した場合、在庫が不足している商品を前記店舗に注文する旨の注文情報を、前記店舗サーバに対して出力する、
ことを実行させる請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の商品配送プログラム。
【請求項15】
前記プロセッサに、
前記端末から、商品の受け取りが完了した旨の受け取り完了通知を取得した場合、前記台車と切り離された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記端末から、前記台車の回収を要求する旨の台車回収指示を取得した場合、前記駆動ユニットを現在位置から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記駆動ユニットが前記商品の配送先に到着した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記商品の配送先から予め設定された場所へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる請求項11または請求項12に記載の商品配送プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自律走行可能な移動体を用いて商品をユーザに配送する配送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの注文に応じて食品や生活用品等の商品を発送する店舗において、商品を配送する際の手間(例えば配送業者をその都度手配する手間等)を軽減することが可能な技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、店舗において、商品を配送する際の手間を軽減することが可能な商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る商品配送システムは、プロセッサを有するセンタサーバと、商品を販売する店舗に設けられた店舗サーバと、前記店舗で前記商品が積み込まれる台車と連結および切り離しが可能に構成された駆動ユニットと、前記商品を購入するユーザが所持する端末と、を備え、前記プロセッサが、前記端末から前記店舗サーバに対して、前記商品の注文情報が出力された場合、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、前記店舗サーバから取得し、前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記駆動ユニットを現在位置から前記店舗へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、前記店舗サーバから、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記店舗から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する。
【0007】
本開示に係る商品配送装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、商品を購入するユーザが所持する端末から、商品を販売する店舗に設けられた店舗サーバに対して、前記商品の注文情報が出力された場合、前記店舗において台車への前記商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、前記店舗サーバから取得し、前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを現在位置から前記店舗へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、前記店舗サーバから、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記店舗から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する。
【0008】
本開示に係る商品配送プログラムは、プロセッサに、商品を購入するユーザが所持する端末から、商品を販売する店舗に設けられた店舗サーバに対して、前記商品の注文情報が出力された場合、前記店舗において台車への前記商品の積み込みが完了する積み込み予定時刻を、前記店舗サーバから取得し、前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを現在位置から前記店舗へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、前記店舗サーバから、前記店舗において前記台車への前記商品の積み込みが完了した旨の積み込み完了通知を取得した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを前記店舗から前記商品の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、店舗において、商品を配送する際の手間を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る商品配送システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る商品配送システムの各構成要素の詳細を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る商品配送システムが実行する商品配送方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
(商品配送システム)
実施形態に係る商品配送装置を含む商品配送システムの構成について、
図1および
図2を参照しながら説明する。商品配送システム1は、自律走行可能な移動体を用いて、ユーザが注文した商品を、店舗から商品の配送先(例えばユーザ宅)まで配送するためのものである。
【0013】
商品配送システム1は、
図1に示すように、センタサーバ10と、店舗サーバ20と、駆動ユニット31および台車32からなる移動体30と、端末40と、を有している。実施形態に係る商品配送装置は、商品配送システム1のうちのセンタサーバ10の機能によって実現される。また、センタサーバ10、店舗サーバ20、移動体30および端末40は、いずれも通信機能を備えており、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。以下、商品配送システム1の各構成要素について説明する。
【0014】
(センタサーバ)
センタサーバ10は、駆動ユニット31を遠隔で制御し、店舗から配送先へと商品を配送するためのものである。センタサーバ10は、例えば駆動ユニット31や台車32を管理する管理会社(例えばディーラ等)に設けられている。また、センタサーバ10は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータによって実現される。
【0015】
センタサーバ10は、
図2に示すように、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備えている。制御部11は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなるメモリ(主記憶部)と、を備えている。
【0016】
制御部11は、記憶部13に格納されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。制御部11は、記憶部13に格納されたプログラムの実行を通じて、駆動ユニット制御部111およびユーザ在庫管理部112として機能する。
【0017】
駆動ユニット制御部111は、ユーザの注文に応じて、駆動ユニット31を店舗に派遣するとともに、ユーザが注文した商品を積み込んだ台車32と連結された駆動ユニット31を、配送先へと自律的に移動させることにより、ユーザに商品を配送する。
【0018】
駆動ユニット制御部111は、具体的には、ユーザが所持する端末40から店舗サーバ20に対して、商品の注文情報(以下、単に「注文情報」という)が出力された場合に、店舗サーバ20から積み込み予定時刻を取得する。
【0019】
ここで、「注文情報」は、端末40の商品注文部411において作成される情報であり、例えば注文者(ユーザ名またはユーザID)、注文日時、注文番号、商品名(または商品番号、商品ID等)、注文数量、注文金額、配送先(例えばユーザ宅の住所等)、配送指定日時等の情報が含まれる。また、「積み込み予定時刻」は、店舗において台車32への商品の積み込みが完了する時刻に関する情報であり、店舗サーバ20の積み込み予定時刻算出部211において作成される。
【0020】
駆動ユニット制御部111は、店舗サーバ20から積み込み予定時刻を取得した場合、当該積み込み予定時刻に間に合うように、駆動ユニット31を現在位置から店舗へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に出力する。この場合、駆動ユニット制御部111は、まず店舗に派遣する駆動ユニット31を決定する。駆動ユニット31の決定方法は特に限定されず、例えば当該店舗に一番近い場所にいる駆動ユニット31、あるいはバッテリ317の残量(以下、「バッテリ残量」という)に余裕のある(例えばバッテリ残量が所定の閾値以上)駆動ユニット31を、店舗に派遣する駆動ユニット31として決定することができる。
【0021】
続いて、駆動ユニット制御部111は、決定した駆動ユニット31の出発時刻を算出する。この「出発時刻」は、駆動ユニット31が現在位置から店舗へと出発する時刻のことを示している。店舗へと派遣する駆動ユニット31としては、例えば予め設定された待機場所(例えばディーラ、店舗等)で待機している駆動ユニット31や、別の店舗における配送が完了して待機場所に移動中の駆動ユニット31等が挙げられる。また、センタサーバ10は、駆動ユニット31から、当該駆動ユニット31の現在位置に関する情報(以下、「位置情報」という)が常時または定期的に取得している。そのため、センタサーバ10は、駆動ユニット31の現在位置を把握している。
【0022】
駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット31の現在位置から店舗までの距離と、駆動ユニット31の移動速度(例えば平均移動速度)とに基づいて、駆動ユニット31の現在位置から店舗までの移動時間を算出する。そして、店舗サーバ20から取得した積み込み予定時刻から移動時間を差し引くことにより、駆動ユニット31の出発時刻を算出する。そして、駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット31を現在位置から店舗へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に送信(出力)する。この「出発指示」には、例えば駆動ユニット31の出発時刻、駆動ユニット31を向かわせる店舗に関する情報(例えば店舗の住所等)、店舗までの走行ルート等の情報が含まれる。これにより、駆動ユニット制御部111は、出発時刻に店舗に向けて駆動ユニット31を出発させる。
【0023】
駆動ユニット制御部111は、店舗において、台車32への商品の積み込みが完了した場合に、店舗サーバ20から積み込み完了通知を取得する。この「積み込み完了通知」は、店舗において台車32への商品の積み込みが完了した旨を示す情報であり、店舗サーバ20の積み込み完了通知送信部212において作成される。
【0024】
駆動ユニット制御部111は、店舗サーバ20から積み込み完了通知を取得した場合、台車32と連結された駆動ユニット31を、店舗から配送先へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に送信する。この「出発指示」には、駆動ユニット31を向かわせる配送先に関する情報(例えば配送先の住所等)、配送先までの走行ルート等の情報が含まれる。これにより、駆動ユニット制御部111は、店舗から配送先に向けて、台車32と連結された駆動ユニット31を出発させる。なお、駆動ユニット31と台車32との連結は、例えば店舗スタッフが人手で行ってもよく、あるいは専用のロボット等を用いて行ってもよい。
【0025】
駆動ユニット制御部111は、配送先において、商品の受け取りが完了した場合に、端末40から受け取り完了通知を取得する。この「受け取り完了通知」は、配送先において商品の受け取りが完了した旨を示す情報であり、端末40の受け取り完了通知送信部412において作成される。
【0026】
駆動ユニット制御部111は、端末40から受け取り完了通知を取得した場合、空の台車32と連結された駆動ユニット31を、配送先から、予め設定された待機場所へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に送信する。この「出発指示」には、駆動ユニット31を向かわせる待機場所に関する情報(例えば待機場所の住所等)、待機場所までの走行ルート等の情報が含まれる。これにより、駆動ユニット制御部111は、配送先から待機場所に向けて、空の台車32と連結された駆動ユニット31を出発させる。
【0027】
このように、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、ユーザからの注文を受け付けると、台車32への商品の積み込み予定時刻に合わせて駆動ユニット31が派遣され、台車32をけん引して配送先(例えばユーザ宅)へと商品を自動的に配送する。従って、店舗において、商品を配送する際の手間を軽減することが可能となる。また、配送先への商品の配送が完了した後は、空の台車32と連結された駆動ユニット31を待機場所に移動させることにより、次の商品の配送に備えることができる。
【0028】
ここで、駆動ユニット制御部111は、台車32と連結された駆動ユニット31が配送先に到着する到着予定時刻をユーザに通知してもよい。この場合、駆動ユニット制御部111は、店舗サーバ20から積み込み完了通知を取得した場合に、駆動ユニット31が店舗から出発する時刻と、店舗から配送先までの距離と、駆動ユニット31の移動速度(例えば平均移動速度)とに基づいて、到着予定時刻を算出する。そして、駆動ユニット制御部111は、算出した到着予定時刻を、ユーザが所持する端末40に送信する。
【0029】
このように、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、店舗において台車32への商品の積み込みが完了した時点で、配送先への到着予定時刻を端末40に送信することにより、ユーザが商品の受け取り時間を事前に知ることができるため、商品の受け取りをスムーズに行うことができる。
【0030】
また、駆動ユニット制御部111は、配送先に商品を配送した際に、空の台車32を利用して、廃棄物や返品商品の回収を受け付けてもよい。この場合、駆動ユニット制御部111は、端末40から受け取り完了通知を取得した場合、台車32と切り離された駆動ユニット31を、配送先から、予め設定された待機場所へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に出力する。この「出発指示」には、駆動ユニット31を向かわせる待機場所に関する情報(例えば待機場所の住所等)、待機場所までの走行ルート等の情報が含まれる。なお、駆動ユニット31と台車32との切り離しは、例えばユーザが人手で行ってもよく、あるいは専用のロボット等を用いて行ってもよい。
【0031】
駆動ユニット制御部111は、配送先において、台車32への廃棄物の積み込み、あるいは返品商品の積み込みが完了した場合に、端末40から台車回収指示を取得する。この「台車回収指示」は、台車32の回収を要求する旨を示す情報であり、端末40の台車回収指示送信部413において作成される。
【0032】
駆動ユニット制御部111は、端末40から台車回収指示を取得した場合、駆動ユニット31を現在位置から配送先へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に送信する。この「出発指示」には、駆動ユニット31を向かわせる配送先に関する情報(例えば配送先の住所等)、配送先までの走行ルート等の情報が含まれる。なお、この出発指示を送信する駆動ユニット31は、待機場所で待機している駆動ユニット31であってもよく、あるいは付近を移動中の駆動ユニット31であってもよい。
【0033】
続いて、駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット31が配送先に到着した場合、台車32と連結された駆動ユニット31を、配送先から予め設定された移動場所へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット31に送信する。この「出発指示」には、駆動ユニット31を向かわせる移動場所に関する情報(例えば移動場所の住所等)、移動場所までの走行ルート等の情報が含まれる。なお、空の台車32を利用して廃棄物の回収を行う場合、台車32の移動場所としては廃棄物の集積場が挙げられる。また、空の台車32を利用して返品商品の回収を行う場合、台車32の移動場所としては当該商品を購入した店舗等が挙げられる。
【0034】
このように、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、配達先に商品を配送した際に、空の台車32を利用して廃棄物や返品商品の回収を行うことにより、ユーザ自身が廃棄物の廃棄や商品の返品を行う手間を軽減することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0035】
ユーザ在庫管理部112は、ユーザ宅における食品や生活用品等の商品の在庫を管理し、在庫が不足した際に店舗に対して自動的に商品を注文する。ユーザ在庫管理部112は、端末40の在庫情報送信部414から、ユーザが保有する商品の在庫情報(以下、「ユーザ在庫情報」という)を常時または定期的に取得する。このユーザ在庫情報には、例えば商品名(または商品番号、商品ID等)、各商品の数量等の情報が含まれる。
【0036】
続いて、ユーザ在庫管理部112は、ユーザ在庫情報に基づいて、ユーザが保有する商品の在庫が不足しているか否かを判定する。なお、商品の在庫が不足しているか否かの判定方法は特に限定されず、例えば在庫が切れた場合に在庫が不足していると判定してもよく、あるいはユーザが指定した在庫量を下回った時に在庫が不足していると判定してもよい。
【0037】
ユーザ在庫管理部112は、ユーザが保有する商品の在庫が不足していると判定した場合、在庫が不足している商品を店舗に注文する旨の注文情報を作成し、作成した注文情報を店舗サーバ20に対して送信する。この「注文情報」には、例えば注文者(ユーザ名またはユーザID)、注文日時、注文番号、商品名(または商品番号、商品ID等)、注文数量、注文金額、配送先(例えばユーザ宅の住所等)、配送指定日時等の情報が含まれる。
【0038】
このように、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、商品の配送のみならず、ユーザが保有する商品の在庫管理を行うことにより、ユーザ自身が商品を注文する手間を軽減することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。すなわち、家庭における食材管理、生活用品のストック管理、それに伴う調達作業、運搬作業等の家庭内工数を軽減することができる。
【0039】
通信部12は、例えばLAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路等から構成される。通信部12は、公衆通信網であるインターネット等のネットワークNWに接続されている。そして、通信部12は、当該ネットワークNWに接続することにより、店舗サーバ20、駆動ユニット31および端末40との間で通信を行う。
【0040】
記憶部13は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)およびリムーバブルメディア等の記録媒体から構成される。リムーバブルメディアとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体が挙げられる。記憶部13には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベース等が格納可能である。
【0041】
記憶部13には、ユーザ情報131と、注文履歴情報132と、ユーザ在庫情報133とが格納されている。
【0042】
ユーザ情報131は、移動体30を利用した商品注文サービスを利用するユーザに関する情報である。このユーザ情報131には、例えばユーザ名(またはユーザID等)、ユーザの住所、電話番号等の、ユーザを特定するための情報等が含まれる。
【0043】
注文履歴情報132は、ユーザが注文した商品の履歴に関する情報である。この注文履歴情報132には、例えば注文または注文者ごとの、注文者(ユーザ名またはユーザID)、注文日時、注文番号、商品名(または商品番号、商品ID等)、注文数量、注文金額、配送先(例えばユーザ宅の住所等)、配送指定日時等の情報が含まれる。
【0044】
ユーザ在庫情報133は、ユーザが保有する商品の在庫に関する情報である。このユーザ在庫情報133には、例えば商品名(または商品番号、商品ID等)、各商品の数量等の情報が含まれる。
【0045】
店舗サーバ20は、商品を販売する店舗に設けられている。また、店舗サーバ20は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータによって実現される。なお、店舗は、複数設定されてもよく、あるいは一つのみ設定されてもよい。また、店舗が複数設定される場合、各店舗に店舗サーバ20が設けられてもよく、あるいはいずれか一つの店舗に店舗サーバ20が設けられてもよい。
【0046】
店舗サーバ20は、
図2に示すように、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備えている。制御部21、通信部22および記憶部23は、ハードウェアとしては制御部11、通信部12および記憶部13と同様である。制御部21は、記憶部23に格納されたプログラムの実行を通じて、積み込み予定時刻算出部211および積み込み完了通知送信部212として機能する。
【0047】
積み込み予定時刻算出部211は、店舗において台車32への積み込み予定時刻を算出し、算出した積み込み予定時刻をセンタサーバ10に送信する。積み込み予定時刻算出部211は、例えば端末40から取得した注文情報に含まれる商品の注文数量、商品のサイズ、重量、台車32に積み込むことが可能な商品の数等に基づいて、積み込み予定時刻を算出する。ここで、店舗において、台車32とユーザとを一対一で対応させ、一台の台車32に対して一人のユーザから注文された商品のみを積み込んでもよい。この場合、積み込み予定時刻算出部211は、一人のユーザから注文された商品の台車32への積み込みが完了する時刻を、積み込み予定時刻として算出する。また、店舗において、台車32とユーザとを一対多で対応させ、一台の台車32に対して複数のユーザから注文された商品を積み込んでもよい。この場合、積み込み予定時刻算出部211は、複数のユーザから注文された商品の台車32への積み込みが完了する時刻を、積み込み予定時刻として算出する。
【0048】
積み込み完了通知送信部212は、店舗において、台車32への商品の積み込みが完了した場合に、積み込み完了通知をセンタサーバ10に送信する。積み込み完了通知送信部212は、例えば台車32への商品の積み込みを行った店舗スタッフの操作に基づいて、積み込み完了通知をセンタサーバ10に送信してもよい。
【0049】
また、積み込み完了通知送信部212は、例えば台車32に設けられた重量センサの測定値等に基づいて、商品の積み込み完了を検知し、その検知結果に基づいて、積み込み完了通知をセンタサーバ10に送信してもよい。なお、台車32への商品の積み込みは、例えば店舗スタッフが人手で行ってもよく、あるいは専用のロボット等を用いて行ってもよい。
【0050】
通信部22は、ネットワークNWを介した無線通信により、センタサーバ10および端末40との間で通信を行う。記憶部23には、ユーザ情報231と、注文履歴情報232とが格納されている。
【0051】
ユーザ情報231は、移動体30を利用した商品注文サービスを利用するユーザに関する情報である。このユーザ情報231には、例えばユーザ名(またはユーザID等)、ユーザの住所、電話番号等の、ユーザを特定するための情報等が含まれる。
【0052】
注文履歴情報232は、ユーザが注文した商品の履歴に関する情報である。この注文履歴情報232には、例えば注文または注文者ごとの、注文者(ユーザ名またはユーザID)、注文日時、注文番号、商品名(または商品番号、商品ID等)、注文数量、注文金額、配送先(例えばユーザ宅の住所等)、配送指定日時等の情報が含まれる。
【0053】
(移動体)
移動体30は、駆動ユニット31と、台車32とにより構成されている。台車32は、
図1に示すように、箱状に構成されており、内部に商品等の荷物を積み込むことが可能に構成されている。また、台車32には、商品等の荷物を積み込むためのラックが複数(例えば二つ)設置されている。また、台車32には、例えば台車32に積み込まれた商品の重量を測定する重量センサや、当該重量センサの測定値を店舗サーバ20等に送信するための通信機能が設けられていてもよい。
【0054】
駆動ユニット31は、センタサーバ10による制御のもとで、自律走行(自動走行)が可能な電動ユニットである。また、駆動ユニット31は、例えば連結アタッチメントを備えており、商品が積み込まれる台車32と連結および切り離しが可能に構成されている。そして、駆動ユニット31は、台車32と連結された状態、あるいは台車32と切り離された状態で、センタサーバ10によって指示された場所(例えば店舗、配送先等)へと自律的に移動する。
【0055】
駆動ユニット31は、
図2に示すように、制御部311と、通信部312と、記憶部313と、カメラ314と、測位部315と、センサ群316と、バッテリ317と、を備えている。制御部311、通信部312および記憶部313は、ハードウェアとしては制御部11、通信部12および記憶部13と同様である。
【0056】
通信部312は、ネットワークNWを介した無線通信により、センタサーバ10との間で通信を行う。記憶部313には、例えばカメラ314で撮影された画像、測位部315によって検出された駆動ユニット31の位置情報、センサ群316によって検出されたセンサ情報、駆動ユニット31のバッテリ残量等の情報が、必要に応じて格納される。
【0057】
カメラ314は、自律走行を実現するためのものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵する撮像装置によって構成される。このカメラ314は、例えば駆動ユニット31の所定の位置に複数設置される。カメラ314は、撮影した画像を、必要に応じてセンタサーバ10に送信する。
【0058】
測位部315は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して、駆動ユニット31の位置情報を検出する。位置情報の検出方法は、GPS衛星を利用した方法に限定されず、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)と3次元デジタル地図とを組み合わせた方法等を利用してもよい。測位部315は、検出した位置情報を、センタサーバ10に常時または定期的に送信する。
【0059】
センサ群316は、自律走行を実現するための複数のセンサであり、例えば3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、加速度センサ、GPSセンサ、車速センサ等によって構成される。センサ群316は、検出したセンサデータを、必要に応じてセンタサーバ10に送信する。
【0060】
バッテリ317は、駆動ユニット31の動力源(モータ)に対して電力を供給するためのものである。制御部311は、このバッテリ317のバッテリ残量を、必要に応じてセンタサーバ10に送信する。
【0061】
(端末)
端末40は、商品を購入するユーザが所持するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルコンピュータ等によって実現される。
【0062】
端末40は、
図2に示すように、制御部41と、通信部42と、記憶部43と、操作・表示部44と、を備えている。制御部41、通信部42および記憶部43は、ハードウェアとしては制御部11、通信部12および記憶部13と同様である。制御部41は、記憶部43に格納されたプログラムの実行を通じて、商品注文部411、受け取り完了通知送信部412、台車回収指示送信部413および在庫情報送信部414として機能する。
【0063】
商品注文部411は、例えばユーザによる操作・表示部44の操作に基づいて、商品の注文情報を作成し、作成した注文情報をセンタサーバ10および店舗サーバ20に送信する。
【0064】
受け取り完了通知送信部412は、商品の配送先において、ユーザによる商品の受け取りが完了した際に、例えばユーザによる操作・表示部44の操作に基づいて、受け取り完了通知を作成し、作成した受け取り完了通知をセンタサーバ10に送信する。
【0065】
台車回収指示送信部413は、商品の配送先において、ユーザによる廃棄物の積み込み、あるいは返品商品の積み込みが完了した際に、例えばユーザによる操作・表示部44の操作に基づいて、台車回収指示を作成し、作成した台車回収指示をセンタサーバ10に送信する。
【0066】
在庫情報送信部414は、例えばユーザ宅における食品や生活用品等の商品の在庫を示すユーザ在庫情報を、常時または定期的にセンタサーバ10に送信する。なお、ユーザ在庫情報は、ユーザ宅で商品を消費するたびにユーザ自身が情報を入力してもよく、あるいはIoT(Internet of Things)対応冷蔵庫等で取得した情報を利用してもよい。
【0067】
通信部42は、ネットワークNWを介した無線通信により、センタサーバ10および店舗サーバ20との間で通信を行う。記憶部43には、例えばユーザの注文履歴情報、ユーザ在庫情報等の情報や、ユーザが商品の注文を行うためのアプリケーションソフト(商品注文アプリ)等が、必要に応じて格納される。
【0068】
操作・表示部44は、例えばタッチパネルディスプレイ等により構成されており、ユーザの手指やペン等による操作を受け付ける入力機能と、制御部41の制御に基づいて各種情報を表示する表示機能と、を有している。操作・表示部44は、制御部41の制御に基づいて、例えば端末40にインストールされた商品注文アプリの画面等を表示する。
【0069】
(商品配送方法)
実施形態に係る商品配送システム1が実行する商品配送方法の処理手順の一例について、
図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、商品の配送先がユーザ宅である場合を想定して説明を行う。
【0070】
まず、端末40の商品注文部411は、商品を注文し(ステップS1)、その注文情報をセンタサーバ10および店舗サーバ20に送信する。続いて、店舗サーバ20の積み込み予定時刻算出部211は、例えば注文情報に含まれる商品の注文数量、商品のサイズ、重量、台車32に積み込むことが可能な商品の数等に基づいて、積み込み予定時刻を算出し(ステップS2)、算出した積み込み予定時刻をセンタサーバ10に送信する(ステップS3)。
【0071】
続いて、センタサーバ10の駆動ユニット制御部111は、例えば駆動ユニット31の現在位置やバッテリ残量等に基づいて、店舗に派遣する駆動ユニット31を決定する(ステップS4)。続いて、駆動ユニット制御部111は、例えば駆動ユニット31の現在位置から店舗までの距離、駆動ユニット31の移動速度(例えば平均移動速度)、積み込み予定時刻に基づいて、駆動ユニット31の出発時刻を算出し(ステップS5)、算出した出発時刻を含む出発指示を、駆動ユニット31に送信する(ステップS6)。これを受けて、駆動ユニット31は、出発時刻に店舗に向けて出発する(ステップS7)。
【0072】
続いて、積み込み完了通知送信部212は、台車32への商品の積み込みが完了したか否かを判定する(ステップS8)。台車32への商品の積み込みが完了したと判定した場合(ステップS8でYes)、積み込み完了通知送信部212は、積み込み完了通知をセンタサーバ10に送信する(ステップS9)。一方、台車32への商品の積み込みが完了していないと判定した場合(ステップS8でNo)、積み込み完了通知送信部212は、ステップS8の判定処理に戻る。
【0073】
続いて、駆動ユニット制御部111は、出発指示を駆動ユニット31に送信する(ステップS10)。これを受けて、駆動ユニット31は、ユーザ宅に向けて出発する(ステップS11)。
【0074】
続いて、駆動ユニット制御部111は、例えば駆動ユニット31が店舗から出発する時刻、店舗からユーザ宅までの距離、駆動ユニット31の移動速度(例えば平均移動速度)に基づいて、到着予定時刻を算出し(ステップS12)、算出した到着予定時刻を端末40に送信する(ステップS13)。
【0075】
続いて、受け取り完了通知送信部412は、商品の受け取りが完了したか否かを判定する(ステップS14)。商品の受け取りが完了したと判定した場合(ステップS14でYes)、受け取り完了通知送信部412は、受け取り完了通知をセンタサーバ10に送信する(ステップS15)。一方、商品の受け取りが完了していないと判定した場合(ステップS14でNo)、受け取り完了通知送信部412は、ステップS14の判定処理に戻る。
【0076】
続いて、駆動ユニット制御部111は、出発指示を駆動ユニット31に送信する(ステップS16)。これを受けて、駆動ユニット31は、待機場所に向けて出発し(ステップS17)、本処理は完了する。
【0077】
以上説明したように、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムによれば、店舗において台車32に商品が積み込まれると、店舗に派遣された駆動ユニット31が台車32を配送先(例えばユーザ宅)まで自動的に配送する。従って、店舗において、商品を配送する際の手間を軽減することが可能となる。
【0078】
更なる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表わしかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0079】
例えば、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、店舗が複数設定される場合に、複数の店舗の中から、ユーザが注文した商品を積み込む店舗(以下、「商品積み込み店舗」という)を決定してもよい。この場合、センタサーバ10の制御部11は、例えば複数の店舗のうち、配送先に最も近い店舗(配送先との距離が最短の店舗)であって、ユーザが注文した商品の在庫を有する店舗を、商品積み込み店舗として決定する。そして、積み込み予定時刻算出部211によって、積み込み予定時刻を算出し(
図3のステップS2参照)、以降の処理を行う。
【0080】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、配送先に商品を配送する際に、ユーザが注文した商品以外の商品を台車32に積み込んで配送先に配送し、ユーザに配布または販売してもよい。この「ユーザが注文した商品以外の商品」としては、例えば無料のサンプル商品、店舗における新商品、地域の個人商店が販売する商品等が挙げられる。このように、ユーザが注文した商品以外の商品も一緒に配送することにより、商品の販促等を行うことができる。
【0081】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、配送先に商品を配送する際に配達補助員が付き添ってもよい。この場合、配達補助員が所有する端末40を予めセンタサーバ10に登録しておき、配達補助員の近くの配送先に商品を配送する際に、当該配達補助員の端末40に付き添い指示に関する情報を送信し、配達補助員を配送先に向かわせる。このように、商品の配送時に配達補助員を付き添わせることにより、商品が無人で配送されることに対する不安感を軽減することができる。また、駆動ユニット31への台車32の連結および切り離しの際の補助や、その他のトラブル時の対応を行うことができる。
【0082】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、空の台車32を利用して廃棄物や返品商品の回収を行う際に、台車32単位ではなく、台車32に設置されたラック単位で回収を行ってもよい。この場合、駆動ユニット31から台車32を切り離すことなく、ラックのみをユーザに貸し出して廃棄物や返品商品の回収を行う。そして、駆動ユニット制御部111は、空の台車32をけん引した駆動ユニット31を待機場所等で待機させ、端末40から台車回収指示を取得した後に、当該駆動ユニット31を再度配送先に派遣し、廃棄物や返品商品の回収を行う。このように、台車32のラックのみをユーザに貸し出すことにより、当該ラックをユーザ宅内に持ち込むことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0083】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、駆動ユニット31を管理会社(例えばディーラ等)で管理してもよいし、あるいは店舗にレンタルしてもよい。また、台車32についても、管理会社で管理してもよく、店舗にレンタルしてもよく、あるいは一人または複数のユーザにレンタルしてもよい。
【0084】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、食品や生活用品等の商品以外にも、製品を組み立てる(あるいは修理する)際の部品を配送してもよい。この場合、ユーザは「製品の製造会社」となり、店舗は「部品の製造会社」となる。これにより、製品を組み立てる際の部品調達の手間を軽減することが可能となる。
【0085】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、商品の運搬量に応じて、台車32のサイズを変更してもよい。この場合、台車32に積み込まれる商品の量に応じて、当該台車32を構成する部品を組み替えて、台車32の積載可能容量を変化させる。このように、商品の運搬量に応じて台車32のサイズを変更することにより、スペース効率を上げることができる。また、台車32の構成を簡易化および部品を共通化することにより、台車32のメンテナンス性を向上させることができる。
【0086】
また、実施形態に係る商品配送システム、商品配送装置および商品配送プログラムでは、駆動ユニット31にカートリッジ式のFC(Fuel Cell)タンクを設けてもよい。このように、駆動ユニット31にFCタンクを設けることにより、当該FCタンクを入れ替えるだけで電力の供給が可能となり、充電の待ち時間を減らすことができる。
【符号の説明】
【0087】
1 商品配送システム
10 センタサーバ
11 制御部
111 駆動ユニット制御部
112 ユーザ在庫管理部
12 通信部
13 記憶部
131 ユーザ情報
132 注文履歴情報
133 ユーザ在庫情報
20 店舗サーバ
21 制御部
211 積み込み予定時刻算出部
212 積み込み完了通知送信部
22 通信部
23 記憶部
231 ユーザ情報
232 注文履歴情報
30 移動体
31 駆動ユニット
311 制御部
312 通信部
313 記憶部
314 カメラ
315 測位部
316 センサ群
317 バッテリ
32 台車
40 端末
41 制御部
411 商品注文部
412 受け取り完了通知送信部
413 台車回収指示送信部
414 在庫情報送信部
42 通信部
43 記憶部
44 操作・表示部
NW ネットワーク