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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186006
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221208BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G05D1/02 Y
B65G61/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093994
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆
(72)【発明者】
【氏名】戸松 伸之
(72)【発明者】
【氏名】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 紀尚
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB05
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG17
5H301KK02
(57)【要約】
【課題】無駄な配送を削減することができる駆動ユニットを提供する。
【解決手段】駆動ユニット2は、輸送対象物の状態に関する状態情報を取得し、状態情報に基づいて、輸送対象物が所定の条件を満たす場合、輸送対象物が配置された場所へ移動し、輸送対象物と接続し、輸送対象物を牽引して移動させるECU29を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送対象物に対して接続自在であり、該輸送対象物を牽引して自律走行可能な駆動ユニットであって、
前記輸送対象物の状態に関する状態情報を取得し、
前記状態情報に基づいて、前記輸送対象物が所定の条件を満たす場合、前記輸送対象物が配置された場所へ移動し、
前記輸送対象物と接続し、
前記輸送対象物を牽引して移動させるように構成されたプロセッサを備える、
駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の進行方向と交差する方向に、前輪を有する先頭部および後輪を有する末尾部から分離可能に、且つ先頭部または末尾部と連結可能に構成された積載部を備える技術が開示されている。この技術によれば、積載部を入れ替えることによって、車両に積載された荷物を容易に積み替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-131039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような先頭部および末尾部等の駆動ユニットと積載部とが連結可能な車両では、荷物等の輸送対象物の状態を考慮することなく、配送していたため、無駄な配送が含まれていた。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、無駄な配送を削減することができる駆動ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る駆動ユニットは、輸送対象物に対して接続自在であり、該輸送対象物を牽引して自律走行可能な駆動ユニットであって、所定の領域内に配置された輸送対象物の状態に関する状態情報を取得し、前記状態情報に基づいて、前記輸送対象物が所定の条件を満たす場合、前記輸送対象物が配置された場所へ移動し、前記輸送対象物と接続し、前記輸送対象物を牽引して移動させるように構成されたプロセッサを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、無駄な配送を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、一実施の形態に係る配送ユニットの概略構成図である。
図3図3は、一実施の形態に係る駆動ユニットの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施の形態に係る輸送対象物の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、一実施の形態に係る通信端末の機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、一実施の形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、一実施の形態に係る駆動ユニットが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る駆動ユニット、輸送対象物、配送ユニット、配送システムおよびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0010】
〔配送システムの概要〕
図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。図1に示す配送システム1は、自律走行可能な複数の駆動ユニット2~駆動ユニット2(n=5以上の整数)(以下、複数の駆動ユニット2~駆動ユニット2のいずれかを指す場合、単に「駆動ユニット2」と表記する)と、駆動ユニット2に牽引されて移動可能な複数の輸送対象物3~輸送対象物3(m=4以上の整数)(以下、複数の輸送対象物3~輸送対象物3のいずれかを指す場合、単に「輸送対象物3」と表記する)と、駆動ユニット2と輸送対象物3を備える配送ユニット4と、ユーザが保持する通信端末5と、配送システム1の各部を管理するサーバ6と、を備える。駆動ユニット2、輸送対象物3、通信端末5およびサーバ6は、いずれも通信機能を備えており、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。なお、輸送対象物3は、機能(例えば運送機能、移動体型店舗機能)および積載量毎に複数の種類が存在する。具体的には、輸送対象物3は、荷物を収容可能な台車、ゴミ箱、自動販売機、車椅子、コンテナ、トレーラーおよびキャンピングカー等である。以下においては、輸送対象物3を、荷物を収容可能な台車として説明する。
【0011】
〔配送ユニットの概略構成〕
まず、配送ユニット4の概略構成について説明する。図2は、配送ユニット4の概略構成図である。配送ユニット4は、駆動ユニット2と、輸送対象物3と、を備える。
【0012】
なお、以下においては、配送ユニット4の各構成部の配置を説明する際に、前後方向と、左右方向と、上下方向と、を用いて説明する。前後方向とは、輸送対象物3の長手方向である。左右方向は、輸送対象物3の長手方向に対して直交する輸送対象物3の短手方向である。上下方向は、輸送対象物3の長手方向と短手方向に対して直交する方向であり、輸送対象物3の高さ方向と一致する。配送ユニット4が水平に載地された場合、前後方向および左右方向は、水平方向となり、上下方向は、鉛直方向となる。
【0013】
図2に示すように、駆動ユニット2は、略円柱状をなし、モータ等の駆動機構から供給された駆動力によって駆動輪20が駆動する。また、駆動ユニット2は、後述する各種センサ群の検出結果に基づいて、自律走行する。さらに、駆動ユニット2は、輸送対象物3と接続自在であり、輸送対象物3と接続し、輸送対象物3を牽引して移動する。駆動ユニット2は、サーバ6から入力された指示情報および走行ルート等に従って、サーバ6によって指定された輸送対象物3と接続し、この接続した輸送対象物3をサーバ6によって指定された配置場所へ牽引して移動させる。
【0014】
図2に示すように、輸送対象物3は、略直方体をなす本体部30と、ソーティング機構31と、を備える。輸送対象物3は、本体部30が駆動ユニット2と接続可能であり、駆動ユニット2に牽引されて移動する。さらに、本体部30は、荷物100を収容可能な空間D1を有し、この空間D1内に複数の荷物100または複数の荷物100が収容されたラック41(Rack)或いはチェスト(Chest)等が収容される。また、ソーティング機構31は、開閉可能なシャッタ311aを有する受渡口311を有する。ソーティング機構31は、受渡口311を介して、ユーザまたはマイクロパレット(Micro-Palette)等の小型の物流モビリティからの荷物100を受け付ける。さらに、ソーティング機構31は、受渡口311において受け付けた荷物100を、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向(前後方向、左右方向および上下方向)に搬送し、空間D1内の所定の場所または所定のラック41内の位置へ搬送する。
【0015】
このように構成された配送ユニット4は、駆動ユニット2がサーバ6によって指定された輸送対象物3と接続し、接続した輸送対象物3を指定された指定場所へ牽引して移動させる。その後、配送ユニット4は、指定場所に到着後、サーバ6から駆動ユニット2に別の輸送対象物3を牽引する指示情報が入力された場合、駆動ユニット2が輸送対象物3と接続解除し、サーバ6によって指定された場所へ移動する。
【0016】
〔駆動ユニットの機能構成〕
次に、駆動ユニット2の機能構成について説明する。図3は、駆動ユニット2の機能構成を示すブロック図である。図3に示す駆動ユニット2は、駆動部21と、センサ群22と、照明部23と、電池24と、連結部25と、通信部26と、記憶部27と、表示部28と、ECU(Electronic Control Unit)29と、を備える。
【0017】
駆動部21は、モータおよびギヤ等を用いて構成される。駆動部21は、ECU29の制御のもと、電池24から供給される電力に基づいて、駆動ユニット2の駆動輪20(図2を参照)に駆動力を供給する。
【0018】
センサ群22は、自動運転を実現するためのセンサ、駆動ユニット2の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、駆動ユニット2の位置情報を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサおよび電池24の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群22は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。さらに、センサ群22は、駆動ユニット2の周辺を撮像する光学系および光学系が結像した被写体像を受光することによって画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を備える撮像装置を用いて構成される。さらに、センサ群22は、電池24の残量(SOC)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出するテスタおよび温度センサ等を用いて構成される。センサ群22は、各種検出した検出結果をECU29へ出力する。
【0019】
照明部23は、駆動ユニット2における左右の駆動輪20の形状に沿うように円環状に設けられる(例えば図2を参照)。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光を発光する。照明部23は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いて構成される。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光、例えば赤、青、緑および橙色等のいずれかを発光することによって、照明器具、方向指示器およびハザードランプのいずれか1つ以上として機能する。さらに、照明部23は、ECU29の制御のもと、駆動輪20の形状に沿って、所定の領域毎に波長が異なる光を発光可能である。
【0020】
電池24は、例えばニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池24は、駆動部21を駆動するための高電圧の直流電力を蓄える。電池24は、図示しない充電口を介して図示しない充電装置と電気的に接続可能であり、この充電装置から供給される外部電力が充電される。
【0021】
連結部25は、ECU29の制御のもと、輸送対象物3と接続する。具体的には、連結部25は、後述する輸送対象物3に設けられた接続部と接続することによって輸送対象物3と連結する。連結部25は、例えば1軸カプラまたは2軸カプラ等を用いて構成される。なお、連結部25は、輸送対象物3と接続可能であれば、例えば電磁石等によって構成してもよい。
【0022】
通信部26は、ECU29の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部26は、ECU29の制御のもと、サーバ6から指定された輸送対象物3を牽引する牽引情報、輸送対象物3の停止位置および輸送対象物3の牽引先情報を含む指示情報を取得し、取得した指示情報をECU29へ出力する。通信部26は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0023】
記憶部27は、駆動ユニット2に関する各種情報を記憶する。記憶部27は、ECU29から入力された駆動ユニット2のCANデータやECU29が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部27は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、Flashメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いて構成される。また、記憶部27は、駆動ユニット2が実行するプログラム記憶部271と、駆動ユニット2を識別する駆動ユニット情報を記憶する駆動ユニット情報記憶部272と、を有する。ここで、駆動ユニット情報には、駆動ユニット2を識別する識別情報(例えばユニットID)、駆動ユニット2の車種、電池残量および牽引可能な積載量等が含まれる。
【0024】
表示部28は、ECU29の制御のもと、画像、映像および文字情報を表示する。表示部28は、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。
【0025】
ECU29は、メモリと、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU29は、駆動ユニット2の各部を制御する。例えば、ECU29は、センサ群22の検出結果等を用いて、サーバ6から入力された指示情報に応じた指定場所に向けて、駆動部21を制御することによって駆動ユニット2を自律走行させる。また、ECU29が輸送対象物3の状態情報に基づいて、輸送対象物3が所定の条件を満たすか否かを判断し、輸送対象物3が所定の条件を満たす場合、輸送対象物3が配置された配置場所へ移動して輸送対象物3と接続した後、輸送対象物3を牽引して移動させる。なお、一実施の形態では、ECU29がプロセッサとして昨日する。
【0026】
〔輸送対象物の機能構成〕
次に、輸送対象物3の機能構成について説明する。図4は、輸送対象物3の機能構成を示すブロック図である。なお、以下においては、輸送対象物3として台車を用いた場合の機能構成について説明する。
【0027】
図4に示す輸送対象物3は、ソーティング機構31と、取得部32と、接続部33と、通信部34と、センサ群35と、電池36と、記憶部37と、ECU38と、を備える。
【0028】
ソーティング機構31は、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向に移動可能であり、ECU38の制御のもと、受渡口311を介してユーザまたは小型の物流モビリティからの荷物100を受け取る。さらに、ソーティング機構31は、受け取った荷物100を本体部30の空間D1内に収容された後述するラック41等に搬送させる。なお、ソーティング機構31およびラック41の詳細な構成については、後述する。
【0029】
取得部32は、荷物100に貼付された荷物情報を取得し、この取得した荷物情報をECU38へ出力する。ここで、荷物情報とは、差出人、配送先の住所および受取人等の情報が格納された一次元コード、二次元コード(例えばQRコード(登録商標))またはICタグである。取得部32は、一次元コード、二次元コードまたはICタグ等を読み取り可能なリーダ、例えば撮像装置やICタグリーダ等を用いて構成される。
【0030】
接続部33は、駆動ユニット2の連結部25と接続可能であり、ECU38の制御のもと、駆動ユニット2の連結部25と接続する。
【0031】
通信部34は、ECU38の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ、例えば荷物情報や位置情報等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部34は、ECU38の制御のもと、サーバ6から入力された荷物100の荷物情報を取得し、取得した荷物情報をECU38へ出力する。通信部34は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0032】
センサ群35は、駆動ユニット2に牽引される際の走行を実現するための各種センサ、輸送対象物3の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、輸送対象物3の位置情報を検出するためのGPSセンサおよび電池36の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群35は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。
【0033】
電池36は、燃料電池およびニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池36は、輸送対象物3を駆動するための電力を出力する。例えば、電池36は、図示しないFCタンクから供給される水素を用いて電力を発生させる。
【0034】
記憶部37は、輸送対象物3に関する各種情報を記憶する。記憶部37は、ECU38から入力された輸送対象物3のCANデータやECU38が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部37は、DRAM、ROM、Flashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。また、記憶部37は、輸送対象物3が実行するプログラム記憶部371と、輸送対象物情報を記憶する輸送対象物記憶部372と、を有する。ここで、輸送対象物情報には、輸送対象物3を識別する識別情報(例えば輸送対象物ID)、輸送対象物3の種別(例えば台車、ゴミ箱、自動販売機、車椅子、コンテナ、トレーラーおよびキャンピングカー)、輸送対象物3の重量、輸送対象物3の積載可能な積載量、輸送対象物3の形状および輸送対象物3の使用用途(例えば配送または店舗)等が含まれる。
【0035】
ECU38は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU38は、輸送対象物3を構成する各部を制御する。
【0036】
〔通信端末の機能構成〕
次に、通信端末5の機能構成について説明する。図5は、通信端末5の機能構成を示すブロック図である。
【0037】
図5に示す通信端末5は、第1の通信部51と、第2の通信部52と、表示部53と、入力部54と、位置取得部55と、撮像部56と、第3の通信部57と、記憶部58と、端末制御部59と、を備える。
【0038】
第1の通信部51は、端末制御部59の制御のもと、輸送対象物3から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第1の通信部51は、例えばBluetooth(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0039】
第2の通信部52は、端末制御部59の制御のもと、輸送対象物3またはサーバ6から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第2の通信部52は、Wi-Fi(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0040】
表示部53は、端末制御部59の制御のもと、各種情報を表示する。表示部53は、液晶または有機EL等の表示パネルを用いて構成される。
【0041】
入力部54は、ユーザの各種操作の入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた信号を端末制御部59へ出力する。入力部54は、タッチパネル、スイッチ、ボタン等を用いて構成される。
【0042】
位置取得部55は、通信端末5の位置を取得し、この取得した位置を端末制御部59へ出力する。位置取得部55は、GPSセンサ等を用いて実現される。
【0043】
撮像部56は、端末制御部59の制御のもと、被写体を撮像することによって画像データを生成し、この画像データを端末制御部59へ出力する。撮像部56は、1または複数の光学系と、この光学系が結像した被写体像を撮像することによって画像データを生成するCCDまたはCMOSのイメージセンサを用いて実現される。
【0044】
第3の通信部57は、端末制御部59の制御のもと、ネットワークNWを介してサーバ6と通信を行い、ユーザが入力部54を介して設定した荷物100に関する荷物情報をサーバ6へ出力する。第3の通信部57は、携帯電話回線による通信規格、例えば第4世代移動通信システム(4G(4th Generation Mobile Communication System))および第5世代移動通信システム(5G(5th Generation Mobile Communication System))等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0045】
記憶部58は、通信端末5に関する各種情報および通信端末5が実行する各種のプログラムを記憶する。記憶部58は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、メモリカード等を用いて実現される。
【0046】
端末制御部59は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。端末制御部59は、通信端末5の各部を制御する。
【0047】
〔サーバの機能構成〕
次に、サーバ6の機能構成について説明する。図6は、サーバ6の機能構成を示すブロック図である。図6に示すサーバ6は、通信部61と、入力部62と、表示部63と、記憶部64と、駆動ユニット情報データベース65(以下、「駆動ユニット情報DB65」という)、輸送対象情報データベース66(以下、「輸送対象情報DB66」という)、状態情報データベース67(以下、「状態情報DB67」という)、ユーザ情報データベース68(以下、「ユーザ情報DB68」という)と、サーバ制御部69と、を備える。
【0048】
通信部61は、サーバ制御部69の制御のもと、ネットワークNWを介して駆動ユニット2、輸送対象物3および通信端末5と通信を行う。通信部61は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0049】
入力部62は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等を用いて構成される。入力部62は、オペレータによる操作の入力を受け付け、受け付けた操作に応じた操作情報をサーバ制御部69へ出力する。
【0050】
表示部63は、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイ等を用いて構成される。表示部63は、サーバ制御部69の制御のもと、各種情報を表示する。
【0051】
記憶部64は、サーバ6に関する各種情報を記憶する。また、記憶部64は、サーバ6が実行する各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部641を有する。記憶部64は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、HDD、メモリカード等を用いて実現される。
【0052】
駆動ユニット情報DB65は、複数の駆動ユニット2の各々の識別情報と、位置情報と、電池情報と、駆動ユニット状態情報と、を対応付けた駆動ユニット情報を記憶する。ここで、駆動ユニット状態情報とは、現在のタスクの有無、例えば、輸送対象物3を牽引しているか否かの有無、指定場所へ向けての移動中であるか否かの有無、照明として点灯しているか否かの有無等である。駆動ユニット情報DB65は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0053】
輸送対象情報DB66は、所定の領域毎(例えば10km×10km)における複数の輸送対象物3の各々の輸送対象物情報と、配置位置を示す位置情報と、電池情報と、種別情報と、駆動時間を示す駆動情報と、を対応付けた輸送対象情報を記憶する。ここで、駆動時間とは、例えば輸送対象物3が、自販機、またはコンテナやトレーラー等を用いた商業施設における場合の営業時間または販売時間である。輸送対象情報DB66は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0054】
状態情報DB67は、複数の輸送対象物3の各々の状態を示す状態情報を記憶する。状態情報DB67は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0055】
ユーザ情報DB68は、ユーザの氏名情報と、ユーザの連絡先情報と、ユーザが配送を依頼した荷物100の荷物情報と、を対応付けたユーザ情報を記憶する。ユーザ情報DB68は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0056】
サーバ制御部69は、メモリと、CPU、FPGA(Field-Programmable Gate Array)およびGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。サーバ制御部69は、サーバ6を構成する各部を制御する。
【0057】
〔駆動ユニットの処理〕
次に、駆動ユニット2が実行する処理について説明する。図7は、駆動ユニット2が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0058】
図7に示すように、ECU29は、通信部26を介して通信端末5またはサーバ6から配送を依頼する配送情報が入力されたか否かを判断する(ステップS101)。配達情報とは、通信端末5またはサーバ6から配送の依頼があった輸送対象物3の配置場所および輸送対象物3の識別情報である。ECU29によって通信部26を介して通信端末5またはサーバ6から配送情報が入力されたと判断された場合(ステップS101:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS101へ移行する。これに対して、ECU29によって通信部26を介して通信端末5またはサーバ6から配送情報が入力されなかったと判断された場合(ステップS101:No)、駆動ユニット2は、本処理を終了する。
【0059】
続いて、ECU29は、通信端末5またはサーバ6から入力された配送情報に含まれる識別情報に基づいて、通信部26を介して識別情報に応じた輸送対象物3の状態情報をサーバ6から取得する(ステップS102)。
【0060】
その後、ECU29は、通信端末5またはサーバ6から入力された配送情報に含まれる輸送対象物3が配置された配置場所に移動する(ステップS103)。具体的には、ECU29は、輸送対象物3が配置された配置場所に向けて、駆動部21を駆動させて移動する。
【0061】
続いて、ECU29は、サーバ6から取得した輸送対象物3の状態情報に基づいて、輸送対象物3が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS104)。具体的には、ECU29は、サーバ6から取得した輸送対象物3の状態情報に基づいて、輸送対象物3が1つの駆動ユニット2によって牽引可能な重量であるか否かを判断する。もちろん、ECU29は、輸送対象物3の重量以外にも、時間や輸送対象物3に収容された荷物100の数等を所定の条件に含まれて判断してもよい。例えば、ECU29は、サーバ6から取得した輸送対象物3の状態情報に基づいて、輸送対象物3を配置してから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過している場合、所定の条件を満たしていると判断する。ECU29によって輸送対象物3が所定の条件を満たすと判断された場合(ステップS104:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS105へ移行する。これに対して、ECU29によって輸送対象物3が所定の条件を満たさないと判断された場合(ステップS104:No)、駆動ユニット2は、後述するステップS106へ移行する。
【0062】
ステップS105において、ECU29は、連結部25を制御して輸送対象物3に単独で接続させる。これにより、駆動ユニット2は、単独で輸送対象物3を牽引して移動させることができる。この場合、駆動ユニット2は、駆動部21を駆動させて配送場所へ向けて移動を開始する。ステップS105の後、駆動ユニット2は、後述するステップS107へ移行する。
【0063】
ステップS106において、ECU29は、連結部25を制御して輸送対象物3と接続するとともに、通信部26を介してサーバ6へ他の駆動ユニット2の派遣を依頼し、他の駆動ユニット2と連携して輸送対象物3を牽引する。これにより、駆動ユニット2および他の駆動ユニット2は、輸送対象物3の重量が単独での牽引が不可能な重量であっても連携しながら牽引して移動させることができる。この場合、駆動ユニット2および他の駆動ユニット2は、駆動部21を駆動させて配送場所へ向けて移動を開始する。ステップS105の後、駆動ユニット2は、後述するステップS107へ移動する。
【0064】
ステップS107において、ECU29は、センサ群22の検出結果(例えばGPSセンサの検出結果)に基づいて、配送情報に含まれる指定場所へ到着したか否かを判断する。ECU29によって配送情報に含まれる指定場所へ到着したと判断された場合(ステップS107:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS108へ移行する。これに対して、ECU29によって配送情報に含まれる指定場所へ到着していないと判断された場合(ステップS107:No)、駆動ユニット2は、配送情報に含まれる指定場所へ到着するまで、この判断を続ける。
【0065】
ステップS108において、ECU29は、連結部25を制御して輸送対象物3との状態情報を解除する。これにより、輸送対象物3は、指定場所に配置される。
【0066】
続いて、ECU29は、駆動部21を駆動して指定場所から次の輸送対象物3が配置された配置場所へ移動する(ステップS109)。ステップS109の後、駆動ユニット2は、本処理を終了する。
【0067】
以上説明した一実施の形態によれば、ECU29が輸送対象物3の状態情報に基づいて、輸送対象物3が所定の条件を満たすか否かを判断し、輸送対象物3が所定の条件を満たす場合、輸送対象物が配置された配置場所へ移動して輸送対象物3と接続した後、輸送対象物3を牽引して移動させるため、無駄な配送を削減することができる。
【0068】
また、一実施の形態によれば、ECU29が輸送対象物3を牽引可能な重量を超えているか否かを判定し、輸送対象物3が牽引可能な重量を超えている場合、他の駆動ユニット2と連結して輸送対象物3を牽引するため、輸送対象物3に応じた様々な配送を行うことができる。
【0069】
また、一実施の形態によれば、ECU29がサーバ6から取得した配送情報に含まれる指定場所へ輸送対象物3を牽引して移動させて配送するため、ユーザの所望する場所で荷物100を受け取ることができる。
【0070】
なお、一実施の形態では、ECU29がサーバ6から取得した配送情報に含まれる指定場所へ輸送対象物3を牽引して移動させていたが、これに限定されることなく、ユーザが通信端末5を操作することによって入力した配送情報に含まれる推定場所へ輸送対象物3、例えば車椅子を牽引して移動させてもよい。
【0071】
また、一実施の形態では、ECU29がサーバ6から入力される所定の領域内における人口密度に応じて設定される輸送対象物3を配置する指定場所へ駆動ユニット2に輸送対象物3を牽引させて指定場所へ配置するようにしてもよい。
【0072】
(その他の実施の形態)
また、一実施の形態では、上述してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0073】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0074】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0075】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0076】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 配送システム
2 駆動ユニット
3 輸送対象物
4 配送ユニット
5 通信端末
6 サーバ
20 駆動輪
21 駆動部
22 センサ群
23 照明部
24 電池
25 連結部
26 通信部
27 記憶部
28 表示部
29 ECU
NW ネットワーク
図1
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図7