(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186007
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】サーバ、配送システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20221208BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20221208BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20221208BHJP
【FI】
G05D1/02 P
B65G61/00 550
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093995
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆
(72)【発明者】
【氏名】戸松 伸之
(72)【発明者】
【氏名】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 紀尚
【テーマコード(参考)】
5H301
5L049
【Fターム(参考)】
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD06
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG17
5H301KK02
5H301KK03
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】高い利便性を得ることができるサーバ、配送システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ6は、利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、第1の台車に対して接続自在であり、第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を備える第1の配送ユニットの現在位置と、利用者が指定した荷物の受取場所と、を取得し、現在位置と、受取場所と、に基づいて、第1の駆動ユニットに第1の台車を牽引させて受取場所へ移動させるように構成されたサーバ制御部69を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、前記第1の台車に対して接続自在であり、前記第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を備える第1の配送ユニットの現在位置と、前記利用者が指定した前記荷物の受取場所と、を取得し、
前記現在位置と、前記受取場所と、に基づいて、前記第1の駆動ユニットに前記第1の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させるように構成されたプロセッサを備える、
サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバであって、
前記プロセッサは、
前記利用者が前記受取場所での前記荷物の受取予定時刻を取得し、
前記受取予定時刻に到着するように前記第1の駆動ユニットを移動させる、
サーバ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサーバであって、
前記第1の台車は、
荷物をソーティング可能な第1のソーティング機構を有し、
前記プロセッサは、
前記利用者が預けた荷物と異なる荷物を収容し、荷物をソーティング可能な第2のソーティング機構を有する第2の台車と、前記第2の台車に対して接続自在であり、前記第2の台車を牽引して自律走行可能な第2の駆動ユニットと、を備える第2の配送ユニットの行き先と、少なくとも前記利用者によって預けられた荷物の相乗の許可の有無を含む荷物情報と、を取得し、
前記利用者によって預けられた荷物の相乗が許可され、かつ、前記受取場所が前記行き先と同じ場合、前記第1のソーティング機構および前記第2のソーティング機構を制御して前記利用者によって預けられた荷物を前記第1の台車から前記第2の台車へ搬送し、
前記第2の駆動ユニットに前記第2の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる、
サーバ。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバであって、
前記プロセッサは、
前記利用者から前記受取場所を変更する変更情報を取得した場合、前記変更情報に基づいて、前記第1の駆動ユニットを変更後の前記受取場所へ移動させる、
サーバ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のサーバであって、
前記プロセッサは、
前記利用者が前記第1の台車に荷物を預けた場所と、前記受取場所と、前記利用者が前記第1の台車に荷物を預けた預入時刻と、前記利用者が前記受取場所で受け取った荷物の受取時刻と、に基づいて、前記利用者に請求する料金を算出し、
前記料金を前記利用者が所有する通信端末へ出力する、
サーバ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載のサーバであって、
前記第1の台車は、
収容された荷物に対して温度を調整可能な温度調整機構をさらに有し、
前記プロセッサは、
前記利用者によって預けられた荷物に関する荷物情報を取得し、
前記荷物情報に基づいて、前記温度調整機構による温度を調整する、
サーバ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載のサーバであって、
前記プロセッサは、
前記第1の配送ユニットが前記受取場所へ到着後、所定時間内に前記荷物が受け取られなかった場合、前記利用者のスケジュール情報を取得し、
前記スケジュール情報に基づいて、前記利用者が訪問する訪問先へ前記第1の駆動ユニットを移動させる、
サーバ。
【請求項8】
利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、前記第1の台車に対して接続自在であり、前記第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を有する第1の配送ユニットと、
前記第1の配送ユニットの移動先を制御するように構成されたプロセッサを有するサーバと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第1の配送ユニットの現在位置と、前記利用者が指定した前記荷物の受取場所と、を取得し、
前記現在位置と、前記受取場所と、に基づいて、前記第1の駆動ユニットに前記第1の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる、
配送システム。
【請求項9】
請求項8に記載の配送システムであって、
前記プロセッサは、
前記利用者が前記受取場所での前記荷物の受取予定時刻を取得し、
前記受取予定時刻に到着するように前記第1の駆動ユニットを移動させる、
配送システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の配送システムであって、
前記利用者が預けた荷物と異なる荷物を収容した第2の台車と、前記第2の台車に対して接続自在であり、前記第2の台車を牽引して自律走行可能な第2の駆動ユニットと、を有する第2の配送ユニットをさらに備え、
前記第1の台車は、
荷物をソーティング可能な第1のソーティング機構を備え、
前記第2の台車は、
荷物をソーティング可能な第2のソーティング機構を備え、
前記プロセッサは、
少なくとも前記利用者によって預けられた荷物の相乗の許可の有無を含む荷物情報と、前記第2の配送ユニットの行き先と、を取得し、
前記利用者によって預けられた荷物の相乗が許可され、かつ、前記受取場所が前記行き先と同じ場合、前記第1のソーティング機構および前記第2のソーティング機構を制御して前記利用者によって預けられた荷物を前記第1の台車から前記第2の台車へ搬送し、
前記第2の駆動ユニットに前記第2の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる、
配送システム。
【請求項11】
請求項10に記載の配送システムであって、
前記プロセッサは、
前記利用者から前記受取場所を変更する変更情報を取得した場合、前記変更情報に基づいて、前記第1の駆動ユニットを変更後の前記受取場所へ移動させる、
配送システム。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一つに記載の配送システムであって、
前記プロセッサは、
前記利用者が前記第1の台車に荷物を預けた場所と、前記受取場所と、前記利用者が前記第1の台車に荷物を預けた預入時刻と、前記利用者が前記受取場所で受け取った荷物の受取時刻と、に基づいて、前記利用者に請求する料金を算出し、
前記料金を前記利用者が所有する通信端末へ出力する、
配送システム。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一つに記載の配送システムであって、
前記第1の台車は、
収容された荷物に対して温度を調整可能な温度調整機構をさらに有し、
前記プロセッサは、
前記利用者によって預けられた荷物に関する荷物情報を取得し、
前記荷物情報に基づいて、前記温度調整機構による温度を調整する、
配送システム。
【請求項14】
請求項8~13のいずれか一つに記載の配送システムであって、
前記プロセッサは、
前記第1の配送ユニットが前記受取場所へ到着後、所定時間内に前記荷物が受け取られなかった場合、前記利用者のスケジュール情報を取得し、
前記スケジュール情報に基づいて、前記利用者が訪問する訪問先へ前記第1の駆動ユニットを移動させる、
配送システム。
【請求項15】
プロセッサに、
利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、前記第1の台車に対して接続自在であり、前記第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を備える第1の配送ユニットの現在位置と、前記利用者が指定した前記荷物の受取場所と、を取得し、
前記現在位置と、前記受取場所と、に基づいて、前記第1の駆動ユニットに前記第1の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる、
ことを実行させるプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記利用者が前記受取場所での前記荷物の受取予定時刻を取得し、
前記受取予定時刻に到着するように前記第1の駆動ユニットを移動させる、
ことを実行させるプログラム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のプログラムであって、
前記第1の台車は、
荷物をソーティング可能な第1のソーティング機構を有し、
前記プロセッサに、
前記利用者が預けた荷物と異なる荷物を収容し、荷物をソーティング可能な第2のソーティング機構を有する第2の台車と、前記第2の台車に対して接続自在であり、前記第2の台車を牽引して自律走行可能な第2の駆動ユニットと、を備える第2の配送ユニットの行き先と、少なくとも前記利用者によって預けられた荷物の相乗の許可の有無を含む荷物情報と、を取得し、
前記利用者によって預けられた荷物の相乗が許可され、かつ、前記受取場所が前記行き先と同じ場合、前記第1のソーティング機構および前記第2のソーティング機構を制御して前記利用者によって預けられた荷物を前記第1の台車から前記第2の台車へ搬送し、
前記第2の駆動ユニットに前記第2の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる、
ことを実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記利用者から前記受取場所を変更する変更情報を取得した場合、前記変更情報に基づいて、前記第1の駆動ユニットを変更後の前記受取場所へ移動させる、
ことを実行させるプログラム。
【請求項19】
請求項15~18のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記利用者が前記第1の台車に荷物を預けた場所と、前記受取場所と、前記利用者が前記第1の台車に荷物を預けた預入時刻と、前記利用者が前記受取場所で受け取った荷物の受取時刻と、に基づいて、前記利用者に請求する料金を算出し、
前記料金を前記利用者が所有する通信端末へ出力する、
ことを実行させるプログラム。
【請求項20】
請求項15~19のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記第1の台車は、
収容された荷物に対して温度を調整可能な温度調整機構をさらに有し、
前記プロセッサに、
前記利用者によって預けられた荷物に関する荷物情報を取得し、
前記荷物情報に基づいて、前記温度調整機構による温度を調整する、
ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、配送システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数個の荷物を順次、合理的にしかも安全かつ確実に保管でき、不正な抜き取りおよびいたずらを防止する設置型の宅配荷物受取ボックスの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、利用者が宅配荷物受取ボックスに荷物を預けた場合において、再度、荷物を受け取るとき、宅配荷物受取ボックスが設置された設置場所へ戻り、預けた荷物を受け取らなければならない。このため、特許文献1では、利用者が宅配荷物受取ボックスの設置場所へ戻れない場合の対処について何ら考慮されておらず、利便性に欠けるという問題点があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、高い利便性を得ることができるサーバ、配送システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るサーバは、利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、前記第1の台車に対して接続自在であり、前記第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を備える第1の配送ユニットの現在位置と、前記利用者が指定した前記荷物の受取場所と、を取得し、前記現在位置と、前記受取場所と、に基づいて、前記第1の駆動ユニットに前記第1の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させるように構成されたプロセッサを備える。
【0007】
また、本開示に係る配送システムは、利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、前記第1の台車に対して接続自在であり、前記第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を有する第1の配送ユニットと、前記第1の配送ユニットの移動先を制御するように構成されたプロセッサを有するサーバと、を備え、前記プロセッサは、前記第1の配送ユニットの現在位置と、前記利用者が指定した前記荷物の受取場所と、を取得し、前記現在位置と、前記受取場所と、に基づいて、前記第1の駆動ユニットに前記第1の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる。
【0008】
また、本開示に係るプログラムは、プロセッサに、利用者によって預けられた1つ以上の荷物を収容した第1の台車と、前記第1の台車に対して接続自在であり、前記第1の台車を牽引して自律走行可能な第1の駆動ユニットと、を備える第1の配送ユニットの現在位置と、前記利用者が指定した前記荷物の受取場所と、を取得し、前記現在位置と、前記受取場所と、に基づいて、前記第1の駆動ユニットに前記第1の台車を牽引させて前記受取場所へ移動させる、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、無駄な配送を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態に係る配送ユニットの概略構成図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態に係る駆動ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、一実施の形態に係る台車の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、一実施の形態に係る通信端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、一実施の形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、一実施の形態に係るサーバが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態に係る駆動ユニット、台車、配送ユニット、配送システム、プログラムおよび配送方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0012】
〔配送システムの概要〕
図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。
図1に示す配送システム1は、自律走行可能な複数の駆動ユニット2
1~駆動ユニット2
n(n=3以上の整数)(以下、複数の駆動ユニット2
1~駆動ユニット2
nのいずれかを指す場合、単に「駆動ユニット2」と表記する)と、駆動ユニット2に牽引されて移動可能な複数の台車3
1~台車3
m(m=3以上の整数)(以下、複数の台車3
1~台車3
mのいずれかを指す場合、単に「台車3」と表記する)と、駆動ユニット2と台車3を備える複数の配送ユニット4
1~4
i(i=3以上の整数)(以下、複数の配送ユニット4
1~配送ユニット4
iのいずれかを指す場合、単に「配送ユニット4」と表記する)と、ユーザが保持する通信端末5と、配送システム1の各部を管理するサーバ6と、を備える。駆動ユニット2、台車3、通信端末5およびサーバ6は、いずれも通信機能を備えており、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0013】
〔配送ユニットの概略構成〕
まず、配送ユニット4の概略構成について説明する。
図2は、配送ユニット4の概略構成図である。配送ユニット4は、駆動ユニット2と、台車3と、を備える。
【0014】
なお、以下においては、配送ユニット4の各構成部の配置を説明する際に、前後方向と、左右方向と、上下方向と、を用いて説明する。前後方向とは、台車3の長手方向である。左右方向は、台車3の長手方向に対して直交する台車3の短手方向である。上下方向は、台車3の長手方向と短手方向に対して直交する方向であり、台車3の高さ方向と一致する。配送ユニット4が水平に載地された場合、前後方向および左右方向は、水平方向となり、上下方向は、鉛直方向となる。
【0015】
図2に示すように、駆動ユニット2は、略円柱状をなし、モータ等の駆動機構から供給された駆動力によって駆動輪20が駆動する。また、駆動ユニット2は、後述する各種センサ群の検出結果に基づいて、自律走行する。さらに、駆動ユニット2は、台車3と接続自在であり、台車3と接続し、台車3を牽引して移動する。駆動ユニット2は、サーバ6から入力された指示情報および走行ルート等に従って、サーバ6によって指定された台車3と接続し、この接続した台車3をサーバ6によって指定された受取場所へ牽引して移動させる。
【0016】
図2に示すように、台車3は、略直方体をなす本体部30と、ソーティング機構31と、を備える。台車3は、本体部30が駆動ユニット2と接続可能であり、駆動ユニット2に牽引されて移動する。さらに、本体部30は、荷物100を収容可能な空間D1を有し、この空間D1内に複数の荷物100または複数の荷物100が収容されたラック41(Rack)或いはチェスト(Chest)等が収容される。また、ソーティング機構31は、開閉可能なシャッタ311aを有する受渡口311を有する。ソーティング機構31は、受渡口311を介して、ユーザまたはマイクロパレット(Micro-Palette)等の小型の物流モビリティからの荷物100を受け付ける。さらに、ソーティング機構31は、受渡口311において受け付けた荷物100を、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向(前後方向、左右方向および上下方向)に搬送し、空間D1内の所定の場所または所定のラック41内の位置へ搬送する。
【0017】
このように構成された配送ユニット4は、駆動ユニット2がサーバ6によって指定された台車3と接続し、接続した台車3を指定された受取場所へ牽引して移動させる。その後、配送ユニット4は、受取場所に到着後、サーバ6から駆動ユニット2に別の台車3を牽引する指示情報が入力された場合、駆動ユニット2が台車3と接続解除し、サーバ6によって指定された場所へ移動する。
【0018】
〔駆動ユニットの機能構成〕
次に、駆動ユニット2の機能構成について説明する。
図3は、駆動ユニット2の機能構成を示すブロック図である。
図3に示す駆動ユニット2は、駆動部21と、センサ群22と、照明部23と、電池24と、連結部25と、通信部26と、記憶部27と、表示部28と、ECU(Electronic Control Unit)29と、を備える。
【0019】
駆動部21は、モータおよびギヤ等を用いて構成される。駆動部21は、ECU29の制御のもと、電池24から供給される電力に基づいて、駆動ユニット2の駆動輪20(
図2を参照)に駆動力を供給する。
【0020】
センサ群22は、自動運転を実現するためのセンサ、駆動ユニット2の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、駆動ユニット2の位置情報を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサおよび電池24の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群22は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。さらに、センサ群22は、駆動ユニット2の周辺を撮像する光学系および光学系が結像した被写体像を受光することによって画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を備える撮像装置を用いて構成される。さらに、センサ群22は、電池24の残量(SOC)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出するテスタおよび温度センサ等を用いて構成される。センサ群22は、各種検出した検出結果をECU29へ出力する。
【0021】
照明部23は、駆動ユニット2における左右の駆動輪20の形状に沿うように円環状に設けられる(例えば
図2を参照)。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光を発光する。照明部23は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いて構成される。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光、例えば赤、青、緑および橙色等のいずれかを発光することによって、照明器具、方向指示器およびハザードランプのいずれか1つ以上として機能する。さらに、照明部23は、ECU29の制御のもと、駆動輪20の形状に沿って、所定の領域毎に波長が異なる光を発光可能である。
【0022】
電池24は、例えばニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池24は、駆動部21を駆動するための高電圧の直流電力を蓄える。電池24は、図示しない充電口を介して図示しない充電装置と電気的に接続可能であり、この充電装置から供給される外部電力が充電される。
【0023】
連結部25は、ECU29の制御のもと、台車3と接続する。具体的には、連結部25は、後述する台車3に設けられた接続部と接続することによって台車3と連結する。連結部25は、例えば1軸カプラまたは2軸カプラ等を用いて構成される。なお、連結部25は、台車3と接続可能であれば、例えば電磁石等によって構成してもよい。
【0024】
通信部26は、ECU29の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部26は、ECU29の制御のもと、サーバ6から指定された台車3を牽引する牽引情報、台車3の停止位置および台車3の牽引先情報を含む指示情報を取得し、取得した指示情報をECU29へ出力する。通信部26は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0025】
記憶部27は、駆動ユニット2に関する各種情報を記憶する。記憶部27は、ECU29から入力された駆動ユニット2のCANデータやECU29が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部27は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、Flashメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いて構成される。また、記憶部27は、駆動ユニット2が実行するプログラム記憶部271と、駆動ユニット2を識別する駆動ユニット情報を記憶する駆動ユニット情報記憶部272と、を有する。ここで、駆動ユニット情報には、駆動ユニット2を識別する識別情報(例えばユニットID)、駆動ユニット2の車種、電池残量および牽引可能な積載量等が含まれる。
【0026】
表示部28は、ECU29の制御のもと、画像、映像および文字情報を表示する。表示部28は、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。
【0027】
ECU29は、メモリと、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU29は、駆動ユニット2の各部を制御する。例えば、ECU29は、センサ群22の検出結果等を用いて、サーバ6から入力された指示情報に応じた受取場所に向けて、駆動部21を制御することによって駆動ユニット2を自律走行させる。また、ECU29が台車3の状態情報に基づいて、台車3が所定の条件を満たすか否かを判断し、台車3が所定の条件を満たす場合、台車3が設置された設置場所へ移動して台車3と接続した後、台車3を牽引して移動させる。なお、一実施の形態では、ECU29がプロセッサとして機能する。
【0028】
〔台車の機能構成〕
次に、台車3の機能構成について説明する。
図4は、台車3の機能構成を示すブロック図である。なお、以下においては、台車3として台車を用いた場合の機能構成について説明する。
【0029】
図4に示す台車3は、ソーティング機構31と、取得部32と、接続部33と、通信部34と、センサ群35と、電池36と、記憶部37と、温度調整機構38と、ECU39と、を備える。
【0030】
ソーティング機構31は、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向に移動可能であり、ECU39の制御のもと、受渡口311を介してユーザまたは小型の物流モビリティからの荷物100を受け取る。さらに、ソーティング機構31は、受け取った荷物100を本体部30の空間D1内に収容された後述するラック41等に搬送させる。なお、ソーティング機構31およびラック41の詳細な構成については、後述する。
【0031】
取得部32は、荷物100に貼付された荷物情報を取得し、この取得した荷物情報をECU39へ出力する。ここで、荷物情報とは、差出人、配送先の住所および受取人等の情報が格納された一次元コード、二次元コード(例えばQRコード(登録商標))またはICタグである。取得部32は、一次元コード、二次元コードまたはICタグ等を読み取り可能なリーダ、例えば撮像装置やICタグリーダ等を用いて構成される。
【0032】
接続部33は、駆動ユニット2の連結部25と接続可能であり、ECU39の制御のもと、駆動ユニット2の連結部25と接続する。
【0033】
通信部34は、ECU39の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ、例えば荷物情報や位置情報等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部34は、ECU39の制御のもと、サーバ6から入力された荷物100の荷物情報を取得し、取得した荷物情報をECU39へ出力する。通信部34は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0034】
センサ群35は、駆動ユニット2に牽引される際の走行を実現するための各種センサ、台車3の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、台車3の位置情報を検出するためのGPSセンサおよび電池36の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群35は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。
【0035】
電池36は、燃料電池およびニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池36は、台車3を駆動するための電力を出力する。例えば、電池36は、図示しないFCタンクから供給される水素を用いて電力を発生させる。
【0036】
記憶部37は、台車3に関する各種情報を記憶する。記憶部37は、ECU39から入力された台車3のCANデータやECU39が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部37は、DRAM、ROM、Flashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。また、記憶部37は、台車3が実行するプログラム記憶部371と、台車情報を記憶する台車記憶部372と、を有する。ここで、台車情報には、台車3を識別する識別情報(例えば台車ID)、台車3の種別(例えば台車、ゴミ箱、自動販売機、車椅子、コンテナ、トレーラーおよびキャンピングカー)、台車3の重量、台車3の積載可能な積載量、台車3の形状および台車3の使用用途(例えば配送または店舗)等が含まれる。
【0037】
温度調整機構38は、ECU39の制御のもと、荷物100に対して温度を調整する。温度調整機構38は、例えばヒートパイプまたはペルチェ素子等を用いて構成される。
【0038】
ECU39は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU39は、台車3を構成する各部を制御する。
【0039】
〔通信端末の機能構成〕
次に、通信端末5の機能構成について説明する。
図5は、通信端末5の機能構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示す通信端末5は、第1の通信部51と、第2の通信部52と、表示部53と、入力部54と、位置取得部55と、撮像部56と、第3の通信部57と、記憶部58と、端末制御部59と、を備える。
【0041】
第1の通信部51は、端末制御部59の制御のもと、台車3から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第1の通信部51は、例えばBluetooth(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0042】
第2の通信部52は、端末制御部59の制御のもと、台車3またはサーバ6から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第2の通信部52は、Wi-Fi(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0043】
表示部53は、端末制御部59の制御のもと、各種情報を表示する。表示部53は、液晶または有機EL等の表示パネルを用いて構成される。
【0044】
入力部54は、ユーザの各種操作の入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた信号を端末制御部59へ出力する。入力部54は、タッチパネル、スイッチ、ボタン等を用いて構成される。
【0045】
位置取得部55は、通信端末5の位置を取得し、この取得した位置を端末制御部59へ出力する。位置取得部55は、GPSセンサ等を用いて実現される。
【0046】
撮像部56は、端末制御部59の制御のもと、被写体を撮像することによって画像データを生成し、この画像データを端末制御部59へ出力する。撮像部56は、1または複数の光学系と、この光学系が結像した被写体像を撮像することによって画像データを生成するCCDまたはCMOSのイメージセンサを用いて実現される。
【0047】
第3の通信部57は、端末制御部59の制御のもと、ネットワークNWを介してサーバ6と通信を行い、ユーザが入力部54を介して設定した荷物100に関する荷物情報をサーバ6へ出力する。第3の通信部57は、携帯電話回線による通信規格、例えば第4世代移動通信システム(4G(4th Generation Mobile Communication System))および第5世代移動通信システム(5G(5th Generation Mobile Communication System))等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0048】
記憶部58は、通信端末5に関する各種情報および通信端末5が実行する各種のプログラムを記憶する。記憶部58は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、メモリカード等を用いて実現される。
【0049】
端末制御部59は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。端末制御部59は、通信端末5の各部を制御する。
【0050】
〔サーバの機能構成〕
次に、サーバ6の機能構成について説明する。
図6は、サーバ6の機能構成を示すブロック図である。
図6に示すサーバ6は、通信部61と、入力部62と、表示部63と、記憶部64と、配送ユニット情報データベース65(以下、「配送ユニット情報DB65」という)、料金情報データベース66(以下、「料金情報DB66」という)、荷物情報データベース67(以下、「荷物情報DB67」という)、利用者情報データベース68(以下、「利用者情報DB68」という)と、サーバ制御部69と、を備える。
【0051】
通信部61は、サーバ制御部69の制御のもと、ネットワークNWを介して駆動ユニット2、台車3および通信端末5と通信を行う。通信部61は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0052】
入力部62は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等を用いて構成される。入力部62は、オペレータによる操作の入力を受け付け、受け付けた操作に応じた操作情報をサーバ制御部69へ出力する。
【0053】
表示部63は、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイ等を用いて構成される。表示部63は、サーバ制御部69の制御のもと、各種情報を表示する。
【0054】
記憶部64は、サーバ6に関する各種情報を記憶する。また、記憶部64は、サーバ6が実行する各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部641を有する。記憶部64は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、HDD、メモリカード等を用いて実現される。
【0055】
配送ユニット情報DB65は、複数の駆動ユニット2および複数の台車3の各々の識別情報と、位置情報と、電池情報と、駆動ユニット状態情報と、を対応付けた配送ユニット情報を記憶する。ここで、配送ユニット状態情報とは、現在のタスクの有無、例えば、駆動ユニット2が台車3を牽引しているか否かの有無、駆動ユニット2の行き先、受取場所へ向けての移動中であるか否かの有無、照明として点灯しているか否かの有無等である。配送ユニット情報DB65は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0056】
料金情報DB66は、配送ユニット4の移動距離と、荷物100を預けた時間と、荷物100の種別と、荷物100の重量と、荷物100の大きさと、に基づく料金情報を記憶する。料金情報DB66は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0057】
荷物情報DB67は、荷物100の相乗の許可の有無を示す情報と、種類(例えば冷凍食品、生鮮野菜、割れ物)と、重量と、大きさと、利用者の氏名情報と、利用者の連絡先情報と、を対応付けた荷物情報を記憶する。荷物情報DB67は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0058】
利用者情報DB68は、利用者の氏名情報と、利用者の連絡先情報と、利用者が配送ユニット4に預けた荷物100の荷物情報と、利用者のスケジュール情報と、を対応付けた利用者情報を記憶する。スケジュール情報には、利用者の訪問先の日時、宿泊先の日時、住所、勤務先での勤務時間等が含まれる。利用者情報DB68は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0059】
サーバ制御部69は、メモリと、CPU、FPGA(Field-Programmable Gate Array)およびGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。サーバ制御部69は、サーバ6を構成する各部を制御する。また、サーバ制御部69は、利用者によって荷物100が預けられた配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、を取得し、配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、に基づいて、配送ユニット4の駆動ユニット2に台車3を牽引させて受取場所へ移動させる。なお、一実施の形態では、サーバ制御部69がプロセッサとして機能する。
【0060】
〔サーバの処理〕
次に、サーバ6が実行する処理について説明する。
図7は、サーバ6が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、利用者が荷物100を預ける配送ユニット4を配送ユニット4
1(第1の配送ユニット)とし、後述する荷物100の相乗を行う配送ユニット4を配送ユニット4
2(第2の配送ユニット)として説明する。
【0061】
図7に示すように、サーバ制御部69は、配送ユニット4
1の台車3
1が利用者からの荷物100を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。サーバ制御部69によって配送ユニット4
1の台車3
1が利用者からの荷物100を受け付けたと判断された場合(ステップS101:Yes)、サーバ6は、後述するステップS102へ移行する。これに対して、サーバ制御部69によって配送ユニット4
1の台車3
1が利用者からの荷物100を受け付けていないと判断された場合(ステップS101:No)、サーバ6は、本処理を終了する。
【0062】
ステップS102において、サーバ制御部69は、利用者が荷物100を預けた配送ユニット41の現在位置と、荷物100に関する荷物情報と、利用者が指定した荷物100を受け取る受取場所と、受取場所での荷物100の受取予定時刻と、他の配送ユニット42の行き先を取得する。具体的には、サーバ制御部69は、通信部61を介して利用者が荷物100を預けた配送ユニット41のセンサ群35が検出した現在位置と、取得部32が取得した荷物100に関する荷物情報と、を取得する。さらに、サーバ制御部69は、通信部61を介して、通信端末5の入力部54に入力された利用者が指定した荷物100の受取場所と、受取場所での荷物100の受取予定時刻と、を取得する。さらにまた、サーバ制御部69は、通信部61を介して配送ユニット41の現在位置から所定の領域内(例えば1km×1km内)に位置する他の配送ユニット42の行き先を取得する。なお、サーバ制御部69は、配送ユニット情報DB65から配送ユニット41の現在位置から所定の領域内(例えば1km×1km内)に位置する他の配送ユニット42の行き先を取得してもよい。
【0063】
続いて、サーバ制御部69は、利用者が指定した受取場所と、荷物100の荷物情報と、配送ユニット42の行き先と、に基づいて、配送ユニット42の台車32に対して、利用者が配送ユニット41に預けた荷物100の相乗が可能であるか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、サーバ制御部69は、荷物情報に含まれる荷物100の相乗を許可する許可情報が含まれているか否かを判断し、荷物100の相乗を許可する許可情報が含まれている場合、利用者が指定した受取場所と配送ユニット42の行き先が同じであるか否かを判断する。サーバ制御部69は、荷物100の荷物情報に荷物100の相乗を許可する許可情報が含まれ、利用者が指定した受取場所と配送ユニット42の行き先が同じであると判断した場合、配送ユニット42の台車32に対して、利用者が配送ユニット41に預けた荷物100の相乗が可能であると判断する。サーバ制御部69によって配送ユニット42の台車32に対して、利用者が配送ユニット41に預けた荷物100の相乗が可能であると判断された場合(ステップS103:Yes)、サーバ6は、後述するステップS104へ移行する。これに対して、サーバ制御部69によって配送ユニット42の台車32に対して、利用者が配送ユニット41に預けた荷物100の相乗が可能でないと判断された場合(ステップS103:No)、サーバ6は、後述するステップS105へ移行する。
【0064】
ステップS104において、サーバ制御部69は、通信部61を介して配送ユニット41のソーティング機構31(第1のソーティング機構)または配送ユニット42のソーティング機構31(第2のソーティング機構)を制御し、配送ユニット42に利用者が配送ユニット41に預け入れた荷物100を搬送する。これにより、利用者が配送ユニット41に預けた荷物100が配送ユニット42の他の荷物100に相乗した状態で、利用者が指定した受取場所に向けて配送される。ステップS104の後、サーバ6は、後述するステップS105へ移行する。
【0065】
続いて、サーバ制御部69は、通信部61を介して配送ユニット41または配送ユニット42を利用者が指定した荷物100の受取場所へ向けて移動させる(ステップS105)。この場合、サーバ制御部69は、配送ユニット41または配送ユニット42に対して、利用者が指定した荷物100の受取場所に向けて移動させる指示情報を出力する。この場合、配送ユニット41または配送ユニット42は、サーバ6から入力された指示情報に従って、利用者が指定した荷物100の受取場所に向けて移動する。さらに、サーバ制御部69は、利用者が預けた荷物100の荷物情報に基づいて、配送ユニット41の台車31または配送ユニット42の台車32に荷物100の温度調整させる指示情報を出力する。例えば、サーバ制御部69は、利用者が預けた荷物100の荷物情報に基づいて、荷物100が生鮮野菜や冷凍食品の場合、配送ユニット41の台車31または配送ユニット42の台車32に荷物100の冷却するように指示情報を出力する。この場合、配送ユニット41または配送ユニット42の各々のECU39は、サーバ6から入力された指示情報に従って、温度調整機構38を制御することによって、荷物100を冷却する。
【0066】
その後、サーバ制御部69は、通信部61を介して利用者の通信端末5から荷物100の受取場所または受取予定時刻を変更する変更情報が入力されたか否かを判断する。サーバ制御部69によって利用者の通信端末5から荷物100の受取場所を変更する変更情報が入力されたと判断された場合(ステップS106:Yes)、サーバ6は、後述するステップS107へ移行する。これに対して、サーバ制御部69は、利用者の通信端末5から荷物100の受取場所を変更する変更情報が入力されていないと判断された場合(ステップS106:No)、サーバ6は、後述するステップS109へ移行する。
【0067】
ステップS107において、サーバ制御部69は、変更情報に基づいて、配送ユニット41または配送ユニット41の行き先および受取予定時刻を変更する。具体的には、サーバ制御部69は、通信部61を介して、配送ユニット41または配送ユニット41に対して、利用者が変更した受取場所または受取予定時刻を変更した行き先変更情報を出力する。
【0068】
続いて、サーバ制御部69は、配送ユニット41のセンサ群22または配送ユニット41のセンサ群22が検出した位置情報に基づいて、配送ユニット41または配送ユニット42が利用者によって指定された受取場所に到着したか否かを判断する(ステップS108)。サーバ制御部69によって配送ユニット41または配送ユニット42が利用者によって指定された受取場所に到着したと判断された場合(ステップS108:Yes)、サーバ6は、後述するステップS109へ移行する。これに対して、サーバ制御部69によって配送ユニット41または配送ユニット42が利用者によって指定された受取場所に到着していないと判断された場合(ステップS108:No)、サーバ6は、ステップS106へ戻る。
【0069】
ステップS109において、サーバ制御部69は、通信部61を介して、利用者が受取場所で配送ユニット41または配送ユニット42から荷物100を受け取ったか否かを判断する。サーバ制御部69によって利用者が受取場所で配送ユニット41または配送ユニット42から荷物100を受け取ったと判断された場合(ステップS109:Yes)、サーバ6は、後述するステップS113へ移行する。これに対して、サーバ制御部69によって利用者が受取場所で配送ユニット41または配送ユニット42から荷物100を受け取ってないと判断された場合(ステップS109:No)、サーバ6は、後述するステップS110へ移行する。
【0070】
ステップS110において、サーバ制御部69は、配送ユニット41または配送ユニット42が利用者の受取場所に到着した後、荷物100の受取予定時刻を所定時間(例えば10分)経過したか否かを判断する。サーバ制御部69によって荷物100の受取予定時刻を所定時間経過したと判断された場合(ステップS110:Yes)、サーバ6は、後述するステップS111へ移行する。これに対して、サーバ制御部69によって荷物100の取予定時刻を所定時間経過していないと判断された場合(ステップS110:No)、サーバ6は、ステップS109へ戻る。
【0071】
ステップS111において、サーバ制御部69は、利用者情報DB68から利用者のスケジュール情報を取得する。
【0072】
続いて、サーバ制御部69は、通信部61を介して、配送ユニット41または配送ユニット42に対して、利用者の訪問先へ移動させて荷物100を配送する(ステップS112)。具体的には、サーバ制御部69は、利用者のスケジュール情報に基づいて、利用者の訪問先、例えばホテルまたは観光地に配送ユニット41または配送ユニット42を移動させて先回りすることによって利用者が預けた荷物100を配送する。これにより、利用者の荷物100の取り忘れを防止することができるうえ、利便性を高めることができる。ステップS112の後、サーバ6は、ステップS113へ移行する。
【0073】
ステップS113において、サーバ制御部69は、利用者に請求する料金を算出する。具体的には、サーバ制御部69は、料金情報DB66が記憶する料金情報と、利用者が荷物100を預け入れた位置と受取場所とに基づく距離と、荷物100を預け入れた預入時刻から受け取った受取時刻までの時間と、に基づいて、利用者に請求する料金を算出する。この場合、サーバ制御部69は、荷物100に対して相乗が適用されている場合、算出した料金に対して、相乗に応じた係数を乗じた金額を、最終的に利用者に請求する料金として算出する。
【0074】
続いて、サーバ制御部69は、通信部61を介して利用者の通信端末5にステップS111において算出した料金を出力する(ステップS114)。ステップS114の後、サーバ6は、本処理を終了する。
【0075】
以上説明した一実施の形態によれば、サーバ制御部69が利用者によって荷物100が預けられた配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、を取得し、配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、に基づいて、配送ユニット4の駆動ユニット2に台車3を牽引させて受取場所へ移動させる。これにより、利用者は、高い利便性を得ることができる。
【0076】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部69が利用者の受取場所での荷物100の受取予定時刻を取得し、受取予定時刻に到着するように配送ユニット4の駆動ユニット2に移動させる。これにより、利用者は、受取予定時刻に受取場所で配送ユニット4に預けた荷物100を受け取ることができる。
【0077】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部69が配送ユニット42の行き先と、少なくとも利用者によって預けられた荷物100の相乗の許可の有無を含む荷物情報と、を取得し、利用者によって預けられた荷物100の相乗が許可され、かつ、受取場所が配送ユニット42の行き先と同じ場合、ソーティング機構31を制御して利用者によって預けられた荷物100を配送ユニット41の台車31から配送ユニット42の台車32へ搬送し、配送ユニット42の駆動ユニット22に台車32を牽引させて受取場所へ移動させる。これにより、無駄な配送を削減することができる。
【0078】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部69が利用者から受取場所を変更する変更情報を取得した場合、変更情報に基づいて、配送ユニット41の駆動ユニット21または配送ユニット42の駆動ユニット22を変更後の受取場所へ移動させる。これにより、利用者は、諸事情で受取場所が変更になった場合であっても、変更先で荷物100を受け取ることができる。
【0079】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部69が利用者によって配送ユニット4の台車3に荷物100を預けた場所と、受取場所と、利用者が台車3に荷物100を預けた預入時刻と、利用者が受取場所で受け取った荷物100の受取時刻と、に基づいて、利用者に請求する料金を算出し、この料金を利用者が所有する通信端末5へ出力する。これにより、利用者に対して、料金を請求することができる。
【0080】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部69が利用者によって預けられた荷物100に関する荷物情報を取得し、この荷物情報に基づいて、温度調整機構38による温度を調整する。これにより、荷物100の種別に関わらず、配送ユニット4に荷物100を預けることができる。
【0081】
また、一実施の形態によれば、配送ユニット4が受取場所へ到着後、所定時間内に荷物100が受け取られなかった場合、サーバ制御部69が利用者のスケジュール情報を取得し、スケジュール情報に基づいて、利用者が訪問する訪問先へ配送ユニット4を移動させる。これにより、利用者が荷物100の受け取りを忘れた場合であっても、確実に荷物100を配送することができる。
【0082】
なお、一実施の形態では、サーバ制御部69が利用者によって荷物100が預けられた配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、を取得し、配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、に基づいて、配送ユニット4の駆動ユニット2に台車3を牽引させて受取場所へ移動させていたが、これに限定されることなく、例えば駆動ユニット2のECU29が行ってもよい。この場合、駆動ユニット2のECU29は、サーバ6を介して、利用者によって荷物100が預けられた配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、を取得し、配送ユニット4の現在位置と、利用者が指定した荷物100の受取場所と、に基づいて、台車3を牽引して受取場所へ移動する。この結果、利用者は、高い利便性を得ることができる。
【0083】
(その他の実施の形態)
また、一実施の形態では、上述してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0084】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0085】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0086】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0087】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 配送システム
2 駆動ユニット
3 台車
4 配送ユニット
5 通信端末
6 サーバ
61 通信部
62 入力部
63 表示部
64 記憶部
65 配送ユニット情報DB
66 料金情報DB
67 荷物情報DB
68 利用者情報DB
69 サーバ制御部
NW ネットワーク