(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186051
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】物品管理装置、プログラム及び物品管理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094074
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翼
(72)【発明者】
【氏名】大西 誠人
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA03
3F522BB01
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD23
3F522EE02
3F522EE19
3F522GG33
3F522HH02
(57)【要約】
【課題】物品の管理状況を視覚的に容易に認識することができる表示を実現できる物品管理装置、プログラム及び物品管理システムを提供する。
【解決手段】物品管理システム100が備える物品管理装置30は、管理対象である物品10に備えられたRFIDタグ11のICチップ112に書き込まれた情報を物品10に関連する画像と対応付けて、登録情報として登録する登録部(制御部31)と、物品10に備えられたRFIDタグ11のICチップ112に書き込まれた情報を取得する取得部(制御部31)と、取得部により取得された情報と登録情報に基づいて、IC112チップに書き込まれた情報を取得できた物品10とICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10とが識別された物品10に関連する画像を生成する生成部(制御部31)と、生成部により生成された画像を表示部33に表示させる表示制御部(制御部31)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象である物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を前記物品に関連する画像と対応付けて、登録情報として登録する登録部と、
物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報と前記登録情報に基づいて、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できた前記物品と前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった前記物品とが識別された前記物品に関連する画像を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記画像を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える物品管理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できた前記物品を撮像した撮像画像と、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった前記物品を撮像した撮像画像を特定の色に加工した加工撮像画像を合成した画像を生成する請求項1に記載の物品管理装置。
【請求項3】
所定時刻に達した場合に、前記登録情報に基づいて、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった物品があるか判断する第1判断部を備え、
前記表示制御部は、前記第1判断部により、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった物品があると判断された場合、その旨を前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記登録部は、物品を複数のグループごとに登録し、
前記取得部により表示対象としたグループとは別のグループに属する物品の前記ICチップに書き込まれた情報が取得されたか判断する第2判断部を備え、
前記表示制御部は、前記第2判断部により、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品の前記ICチップに書き込まれた情報が取得されたと判断された場合、その旨を前記表示部に表示させる請求項1から3のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記物品は工具である請求項1から4のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項6】
コンピューターを、
管理対象である物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を前記物品に関連する画像と対応付けて、登録情報として登録する登録部、
物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を取得する取得部、
前記取得部により取得された情報と前記登録情報に基づいて、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できた前記物品と前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった前記物品とが識別された前記物品に関連する画像を生成する生成部、
前記生成部により生成された前記画像を表示部に表示させる表示制御部、
として機能させるプログラム。
【請求項7】
物品に備えられたRFIDタグと、
前記RFIDタグのICチップに書き込まれた情報を読み取り、前記情報を外部装置に送信する読取装置と、
前記読取装置から前記情報を取得する請求項1から4のいずれか一項に記載の物品管理装置と、
を備え、
前記読取装置は、シート状の形状を成すシートアンテナを備え、前記シートアンテナ上に前記物品が載置される物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理装置、プログラム及び物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる無線認証技術を用いた物品管理システムが知られている。
【0003】
これに関連して、特許文献1には、紙媒体、電子媒体に備えられたRFIDタグから管理情報を読み取り、読み取られた管理情報と予め登録された管理情報に基づき、紙媒体、電子媒体の貸出、返却状況、存在場所、又は、利用頻度及び時間を管理する管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、紙媒体、電子媒体の貸出、返却状況は、「貸出中」あるいは「未貸出」の文字が画面表示されるだけであり、数が多くなると視覚的に認識しにくくなる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、物品の管理状況を視覚的に容易に認識することができる表示を実現できる物品管理装置、プログラム及び物品管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の物品管理装置は、
管理対象である物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を前記物品に関連する画像と対応付けて、登録情報として登録する登録部と、
物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報と前記登録情報に基づいて、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できた前記物品と前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった前記物品とが識別された前記物品に関連する画像を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記画像を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の物品管理装置において、
前記生成部は、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できた前記物品を撮像した撮像画像と、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった前記物品を撮像した撮像画像を特定の色に加工した加工撮像画像を合成した画像を生成する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の物品管理装置において、
所定時刻に達した場合に、前記登録情報に基づいて、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった物品があるか判断する第1判断部を備え、
前記表示制御部は、前記第1判断部により、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった物品があると判断された場合、その旨を前記表示部に表示させる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品管理装置において、
前記登録部は、前記物品を複数のグループごとに登録し、
前記取得部により表示対象としたグループとは別のグループに属する物品の前記ICチップに書き込まれた情報が取得されたか判断する第2判断部を備え、
前記表示制御部は、前記第2判断部により、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品の前記ICチップに書き込まれた情報が取得されたと判断された場合、その旨を前記表示部に表示させる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品管理装置において、
前記物品は工具である。
【0012】
請求項6に記載のプログラムは、
コンピューターを、
管理対象である物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を前記物品に関連する画像と対応付けて、登録情報として登録する登録部、
物品に備えられたRFIDタグのICチップに書き込まれた情報を取得する取得部、
前記取得部により取得された情報と前記登録情報に基づいて、前記ICチップに書き込まれた情報を取得できた前記物品と前記ICチップに書き込まれた情報を取得できなかった前記物品とが識別された前記物品に関連する画像を生成する生成部、
前記生成部により生成された前記画像を表示部に表示させる表示制御部、
として機能させる。
【0013】
請求項7に記載の物品管理システムは、
物品に備えられたRFIDタグと、
前記RFIDタグのICチップに書き込まれた情報を読み取り、前記情報を外部装置に送信する読取装置と、
前記読取装置から前記情報を取得する請求項1から4のいずれか一項に記載の物品管理装置と、
を備え、
前記読取装置は、シート状の形状を成すシートアンテナを備え、前記シートアンテナ上に前記物品が載置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の物品管理装置、プログラム及び物品管理システムは、物品の管理状況を視覚的に容易に認識することができる表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の物品管理システムの概略図を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態における物品登録処理を示すフローチャートである。
【
図3A】本発明の実施形態における物品のカラー画像の例を示す図である。
【
図3B】本発明の実施形態における物品の白塗り画像の例を示す図である。
【
図4】物品ID、変数、物品の画像及びBitmapの対応テーブルの例である。
【
図5】Bitmap、位置座標、倍率の対応テーブルの例である。
【
図6】本発明の実施形態における物品管理処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態におけるRFIDリーダの設定画面の例を示す図である。
【
図8A】本発明の実施形態における表示画面において物品が全てシートアンテナ上に載置されている例を示す図である。
【
図8B】本発明の実施形態における表示画面においてシートアンテナ上に載置されていない物品が存在する例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の変形例1における物品管理処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態の変形例2における物品管理処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0017】
(物品管理システム)
図1~
図10を参照して、本発明に係る実施形態及び変形例を説明する。まず、
図1は、本発明の物品管理システム100の概念図である。
【0018】
図1に示すように、本発明を適用した実施形態に係る物品管理システム100は、RFIDタグ11a、11b、11c・・・(以下、それぞれを区別しない場合はRFIDタグ11と表記する)を備える物品10a、10b、10c・・・(以下、それぞれを区別しない場合は物品10と表記する)と、読取装置であるRFIDリーダ20と、物品管理装置30を備える。
【0019】
(RFIDタグ)
RFIDタグ11aについて説明する。なお、RFIDタグ11b及びRFIDタグ11c・・・の構成は、RFIDタグ11aと同じ構成であるので説明を省略する。
【0020】
RFIDタグ11aは、電池を内蔵しないパッシブ型のRFIDタグであって、
図1に示すように、アンテナ部111aと、ICチップ112aを備えている。
アンテナ部111aは、RFIDリーダ20の後述するシートアンテナ22から発信される第一電波RW1を受信する。そして、アンテナ部111aは、受信した第一電波RW1を電力に変換してICチップ112aに電力供給する。
ICチップ112aは、固有識別番号である物品IDを記憶する内部メモリを有しており、第一電波RW1を受信すると、ICチップ112aが、アンテナ部111aを制御して、物品IDの情報を含む第二電波RW2を放射状に発信する。この第二電波RW2をRFIDリーダ20が受信し、RFIDリーダ20は受信した物品IDの情報を物品管理装置30に送信する。
【0021】
(RFIDリーダ)
RFIDリーダ20は、リーダ本体21と、RFIDタグ11と通信を行うシートアンテナ22と、を備え、リーダ本体21とシートアンテナ22は通信ケーブル23により接続されている。通信ケーブル23は、例えば、同軸ケーブルである。
リーダ本体21は、シートアンテナ22で取得した第二電波RW2から物品IDの情報を読み取る。
また、リーダ本体21は、物品管理装置30と通信を行う通信部211を備える。通信部211と物品管理装置30間の通信は、例えば、USB(Universal Serial Bus)通信によって行われる。また、通信部211と物品管理装置30間の通信に他の通信方法を用いてもよい。
シートアンテナ22は、例えば、矩形状(シート状)であり、物品10をシートアンテナ22上に載置することが可能な大きさである。ユーザーは、物品10を使用する場合、シートアンテナ22上に載置された物品10を持ち出し、使用後に物品10をシートアンテナ22上に返却する。
図1に示す例においては、RFIDリーダ20は一つのシートアンテナ22を備える場合を示したが、RFIDリーダ20は、複数のシートアンテナ22を備える構成としてもよい。
【0022】
(物品管理装置)
物品管理装置30は、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、操作受付部34と、通信部35を備える。
【0023】
制御部31は、物品管理装置30の動作を制御する部分であり、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部32に記憶されたコンピュータプログラムとCPUとの協働により、物品管理装置30の各部を統括制御する。
また、制御部31は、管理対象である物品10に備えられたRFIDタグ111のICチップ112に書き込まれた情報(物品ID)を物品10に関連する画像と対応付けて、登録情報として記憶部32に登録する。ここで、制御部31は登録部として機能する。当該物品10に関連する画像とは、後に詳述する撮像画像及び加工撮像画像である。
また、制御部31は、物品10に備えられたRFIDタグ111のICチップ112に書き込まれた情報(物品ID)をRFIDリーダ20から取得する。ここで、制御部31は取得部として機能する。
また、制御部31は、取得部により取得された情報と登録情報に基づいて、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できた物品10とICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10とが識別された物品10に関連する画像を生成する。ここで、制御部31は生成部として機能する。当該ICチップ112に書き込まれた情報を取得できた物品10とICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10とが識別された物品10に関連する画像(後述する合成画像337)とは、撮像画像及び加工撮像画像を合成した画像である。
また、制御部31は、生成部により生成された画像を表示部33に表示させる。ここで、制御部31は表示制御部として機能する。
また、制御部31は、所定時刻に達した場合に、登録情報に基づいて、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10があるか判断する。ここで、制御部31は第1判断部として機能する。
また、制御部31は、取得部により表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10のICチップ112に書き込まれた情報が取得されたか判断する。ここで、制御部31は第2判断部として機能する。
【0024】
記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部32は、プログラム32aなどを記憶している。
プログラム32aは、制御部31により実行される各種システムプログラム、アプリケーションプログラム及び物品10を管理するための管理アプリケーションプログラム(以下、管理アプリと表記する)を含む。
また、記憶部32は、登録情報を記憶する。具体的には、記憶部32は、物品管理システム100において管理を行う管理対象の物品10が備えるRFIDタグ11の物品IDを記憶する。また、当該物品IDに対応付けて、物品10に関連する画像である物品10の撮像画像及び加工撮像画像を記憶する。
【0025】
表示部33は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイから構成されている。また、表示部33は、制御部31から入力される表示制御信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0026】
操作受付部34は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイス等を備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部31へと出力する。なお、操作受付部34は、表示部33と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよい。
【0027】
通信部35は、制御部31の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて、RFIDリーダ20や外部装置とデータ通信を行う。具体的には、通信部35は、通信用IC(Integrated Circuit)と通信コネクタなどを有する通信インターフェイスである。
【0028】
(物品登録処理)
次に、物品管理装置30内で起動する管理アプリによる管理対象の物品10を登録する物品登録処理について説明する。物品管理装置30の制御部31は、所定条件が成立したこと(例えば、ユーザーによって管理アプリにおける登録画面(図示なし)が表示されたこと)を契機として、
図2に示す物品登録処理を実行する。
【0029】
物品登録処理において、まず、物品管理装置30の制御部31は、操作受付部34を介して、管理対象の物品10が備えるRFIDタグ11の物品ID、物品10を撮像した撮像画像であるカラー画像、及び加工撮像画像である白塗り画像の入力を受け付ける(ステップS1)。白塗り画像は、撮像画像における物品10部分を白塗りした画像である。
ここで、
図3Aに物品10である工具のカラー画像の例を示す。物品10のカラー画像は、物品10を撮像した撮像画像において、物品10の形状に沿って、物品10部分を切り抜いた画像である。また、
図3Bに物品10である工具の白塗り画像の例を示す。物品10の白塗り画像は、物品10を撮像した撮像画像において、物品10の形状に沿って、物品10部分を切り抜き、物品10の輪郭を実線で縁取り、その中を白塗りした画像である。
次に、制御部31は、ステップS1において受け付けた物品10の物品IDに、当該物品10のカラー画像及び白塗り画像を対応付けて、記憶部32に記憶することで(ステップS2)、登録情報として登録する。
図4に、物品ID、変数、物品10のカラー画像あるいは白塗り画像、及びBitmapの対応テーブルの例を示す。また
図4の欄Aに、合成画像337に使用する背景画像とそのBitmapの対応を示す。
図4に示す例において、欄Bは、物品IDが「1111」であるハンマー(Hammer)の白塗り画像、その変数及びBitmapの対応である。欄Cは、物品IDが「1111」であるハンマー(Hammer)のカラー画像、その変数及びBitmapの対応である。欄Dは、物品IDが「2222」であるレンチ(Wrench)の白塗り画像、その変数及びBitmapの対応である。欄Eは、物品IDが「2222」であるレンチ(Wrench)のカラー画像、その変数及びBitmapの対応である。
次に、制御部31は、それぞれの物品10のカラー画像あるいは白塗り画像の合成画像337における位置を示す位置座標及び倍率の設定を受け付け、当該設定を記憶部32に記憶し(ステップS3)、本処理を終了する。
図5に、物品10のBitmap、位置座標及び倍率の対応テーブルの例を示す。
図5に示す例において、欄Fはハンマー(Hammer)のカラー画像のBitmap、その位置座標及び倍率の対応を示し、位置座標は(0,0)、倍率は620,868である。欄Gはハンマー(Hammer)の白塗り画像のBitmap、その位置座標及び倍率の対応を示し、位置座標は(0,0)、倍率は620,868である。
【0030】
(物品管理処理)
次に、物品管理装置30内で起動する管理アプリによる管理対象の物品10の管理状況情報を表示する物品管理処理について説明する。物品管理装置30の制御部31は、所定条件が成立したこと(例えば、ユーザーによって管理アプリにおける
図7に示す設定画面331が表示されたこと)を契機として、
図6に示す物品管理処理を実行する。
【0031】
物品管理処理において、まず、物品管理装置30の制御部31は、設定画面331において、操作受付部34を介してユーザーによるRFIDリーダ20の設定を受け付ける(ステップS11)。
例えば、
図7に示す設定画面331の設定欄332において、制御部31は、RFIDリーダ20が接続された、通信部35の通信ポートであるCOMポート(COMmunication Port)のユーザーによる選択を受け付ける。
また、制御部31は、設定欄333において、通信部35に接続されているRFIDリーダ20のシートアンテナ22が出力する第一電波RW1の出力レベルのユーザーによる設定を受け付ける。当該第一電波RW1の出力レベルは、シートアンテナ22上に載置された物品10が受信できるレベルに設定すればよい。
また、制御部31は、RFIDリーダ20が複数のシートアンテナ22を備える場合、設定欄334において、シートアンテナ22上の物品10の有無である管理状況情報を、どのシートアンテナ22について表示するかのユーザーによる選択を受け付ける。
また、制御部31は、ユーザーにより「取消」ボタン335が押下されると、設定画面331を閉じる。
また、制御部31は、ユーザーにより「次へ」ボタン336が押下されると、処理をステップS12に移行する。
【0032】
次に、制御部31は、ステップS11で設定画面331の設定欄334において選択されたRFIDリーダ20のシートアンテナ22から、当該シートアンテナ22上に載置された物品10の物品IDを取得する(ステップS12)。
次に、制御部31は、記憶部32に記憶された、つまり管理アプリにおいて登録された物品IDは取得できたか否かを判断する(ステップS13)。
物品IDが取得できた物品10については(ステップS13;YES)、制御部31は、記憶部32から当該物品IDに対応付けられた物品10のカラー画像を取得する(ステップS14)。
また、物品IDが取得できなかった物品10については(ステップS13;NO)、制御部31は、記憶部32から当該物品IDに対応付けられた物品10の白塗り画像を取得する(ステップS15)。制御部31は、管理アプリに登録された全ての物品IDについてそれぞれステップS13~S14あるいはステップS15を実施する。
次に、制御部31は、ステップS14において取得した物品10のカラー画像と、ステップS15において取得した物品10の白塗り画像を合成した
図8Aあるいは
図8Bに示す合成画像337を生成し、表示部33に表示する(ステップS16)。
【0033】
ここで、
図8A及び
図8Bに合成画像337を表示する表示画面338の例を示す。
図8A及び
図8Bに示す例において、物品10a~10eは工具である。
また、
図8Aは、登録された物品10が全てシートアンテナ22上に載置されている例を示す。
図8Aに示す例において、合成画像337には、物品10a~10eのカラー画像が表示されている。これは、物品10a~10eの物品IDはステップS12において取得できており、つまり物品10a~10eはシートアンテナ22上に載置されている場合である。
また、
図8Bは、登録された物品10の中でシートアンテナ22上に載置されていない物品10が存在する例を示す。
図8Bに示す例において、合成画像337には、物品10aについては物品10aの白塗り画像が表示されている。これは、物品10aの物品IDはステップS12おいて取得できず、つまり物品10aはシートアンテナ22上に載置されていない場合である。また、合成画像337には、物品10b~10eについては物品10b~10eのカラー画像が表示されている。これは、物品10b~10eの物品IDはステップS12において取得できており、つまり物品10b~10eはシートアンテナ22上に載置されている場合である。
また、
図8A及び
図8Bの背景画像は、
図4の欄Aに示した「bmpBack」である。
また、
図8A及び
図8Bに示す例における物品10aは、ハンマー(Hammer)である。つまり、
図8Aに示す例において、物品10aの画像は、
図5の欄Fの「bmpHammerColor」であり、位置座標は(0,0)、倍率は620,868である。また、
図8Bに示す例において、物品10aの画像は、
図5の欄Gの「bmpHammerWhiteout」であり、位置座標は(0,0)、倍率は620,868である。
図8A及び
図8Bに示すように、シートアンテナ22上に載置されていない物品10については、白塗り画像が表示され、シートアンテナ22上に載置されている物品10については、カラー画像が表示されるので、ユーザーはシートアンテナ22上に載置されている物品10の管理状況を視覚的に容易に認識することができる。
【0034】
ここで、合成画像337における物品10の倍率は、実際の物品10のサイズ比で設定されることが好ましい。これにより、ユーザーはそれぞれの物品10がシートアンテナ22上に載置されているか否かを視覚的に認識しやすい。
【0035】
次に、制御部31は、ユーザーにより管理アプリは終了されたか否かを判断する(ステップS17)。
管理アプリが終了されていない場合(ステップS17;NO)、制御部31は、所定時間待機し(ステップS18)、本処理をステップS12に移行する。つまり、管理アプリが終了されるまで、管理状況情報を更新して表示部33に表示する。
また、管理アプリが終了された場合(ステップS17;YES)、制御部31は、本処理を終了する。
【0036】
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。
図9は、本変形例の物品管理処理を示すフローチャートである。以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。本変形例の物品管理システム100の構成は、上記実施形態の物品管理システム100と同一である。
【0037】
本変形例の物品管理処理において、まず、物品管理装置30の制御部31は、上記実施形態の物品管理処理のステップS11~S16と同様のステップS21~S26を実施する。
次に、制御部31は、予め設定された設定時刻である所定時刻に達したか否かを判断する(ステップS27)。ここで、設定時刻とは、例えば、物品管理システム100が物品10を使用する作業員の職場に設置されている場合、当該職場の終業時刻に設定すればよい。
所定時刻に達した場合(ステップS27;YES)、制御部31は、管理アプリに登録されている物品IDの中でステップS22において取得できなかった物品IDはあるか否かを判断する(ステップS28)。
登録されている物品IDの中で取得できなかった物品IDがある場合、つまりシートアンテナ22上に返却されていない物品10がある場合(ステップS28;YES)、制御部31は、返却されていない物品10がある旨を表示部33に表示し(ステップS29)、本処理をステップS30に移行する。
【0038】
また、登録されている物品IDの中で取得できなかった物品IDがない場合、つまり登録された物品10が全てシートアンテナ22上に返却されている場合(ステップS28;NO)、制御部31は、本処理をステップS30に移行する。
また、所定時刻に達していない場合(ステップS27;NO)、制御部31は、本処理をステップS30に移行する。
次に、制御部31は、上記実施形態の物品管理処理のステップS17、S18と同様のステップS30、S31を実施し、本処理を終了する。
【0039】
上記本変形例において、設定時刻に達した際に、シートアンテナ22上に返却されていない物品10があることを表示することで、ユーザーの物品10の返却忘れを防止することができる。
【0040】
(変形例2)
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。
本変形例の物品管理システム100においては、RFIDリーダ20は、複数のシートアンテナ22を備える。
また、本変形例の物品登録処理において、制御部31は、それぞれのシートアンテナ22上に載置される物品10の物品IDと当該物品10のカラー画像及び白塗り画像を、シートアンテナ22ごとにグループ分けして、記憶部32に記憶する。つまり、グループごとに登録して、登録情報とする。
具体的には、例えば、工場において、組み立てラインA,B,C・・・にそれぞれのシートアンテナ22が設置されており、それぞれのシートアンテナ22ごとに、物品10の物品IDと当該物品10のカラー画像及び白塗り画像をグループ分けして登録する。
図10は、本変形例の物品管理処理を示すフローチャートである。
【0041】
本変形例の物品管理処理において、まず、物品管理装置30の制御部31は、上記実施形態の物品管理処理のステップS11、S12と同様のステップS41、S42を実施する。
次に、制御部31は、ステップS41で設定画面331の設定欄334において選択されたRFIDリーダ20のシートアンテナ22を表示対象のシートアンテナ22とし、当該シートアンテナ22上に載置される物品10のグループ、つまり表示対象のグループに属する物品IDは、ステップS42において、取得できたか否かを判断する(ステップS43)。
次に、制御部31は、上記実施形態の物品管理処理のステップS14、S15と同様のステップS44、S45を実施する。制御部31は、表示対象のグループに属する全ての物品IDについてそれぞれステップS43~S44あるいはステップS45を実施する。
次に、制御部31は、ステップS42において、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品IDは取得されたか否かを判断する(ステップS46)。
表示対象としたグループとは別のグループに属する物品IDが取得された場合、つまり、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10が、表示対象としたシートアンテナ22上に誤って載置されている場合(ステップS46;YES)、制御部31は、表示部33に、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10が、表示対象としたシートアンテナ22上に誤って載置されている旨を表示する(ステップS47)。
次に、制御部31は、上記実施形態の物品管理処理のステップS16~S18と同様のステップS48~S50を実施する。
【0042】
また、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品IDが取得されない場合(ステップS46;NO)、制御部31は、本処理をステップS48に移行する。
【0043】
上記本変形例において、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10が、表示対象としたシートアンテナ22上に誤って載置されている場合、その旨を表示することで、ユーザーは物品10の返却場所の間違いに気づくことができる。
【0044】
(効果)
以上、上記実施形態で説明してきた物品管理システム100が備える物品管理装置30は、管理対象である物品10に備えられたRFIDタグ11のICチップ112に書き込まれた情報(物品ID)を物品10に関連する画像と対応付けて、登録情報として登録する登録部(制御部31)と、物品10に備えられたRFIDタグ11のICチップ112に書き込まれた情報を取得する取得部(制御部31)と、取得部により取得された情報と登録情報に基づいて、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できた物品10とICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10とが識別された物品10に関連する画像(合成画像337)を生成する生成部(制御部31)と、生成部により生成された画像を表示部33に表示させる表示制御部(制御部31)と、を備える。
従って、物品の管理状況を視覚的に容易に認識することができる表示を実現できる。
【0045】
また、上記実施形態で説明してきた物品管理システム100が備える物品管理装置30において、生成部は、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できた物品10を撮像した撮像画像と、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10を撮像した撮像画像を特定の色に加工した加工撮像画像を合成した画像を生成する。
従って、シートアンテナ22上に載置されていない物品10については、白塗り画像が表示され、シートアンテナ22上に載置されている物品10については、カラー画像が表示されるので、ユーザーはシートアンテナ22上に載置されている物品10の管理状況を視覚的に容易に認識することができる。
【0046】
また、上記実施形態で説明してきた物品管理システム100が備える物品管理装置30は、所定時刻に達した場合に、登録情報に基づいて、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10があるか判断する第1判断部(制御部31)を備え、表示制御部は、第1判断部により、ICチップ112に書き込まれた情報を取得できなかった物品10があると判断された場合、その旨を表示部33に表示させる。
従って、設定時刻である所定時刻に達した際に、シートアンテナ22上に返却されていない物品10があることを表示することで、ユーザーの物品10の返却忘れを防止することができる。
【0047】
また、上記実施形態で説明してきた物品管理システム100が備える物品管理装置30において、登録部は、物品10を複数のグループごとに登録し、取得部により表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10のICチップ112に書き込まれた情報が取得されたか判断する第2判断部(制御部31)を備え、表示制御部は、第2判断部により表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10のICチップ112に書き込まれた情報が取得されたと判断された場合、その旨を表示部33に表示させる。
従って、表示対象としたグループとは別のグループに属する物品10が、表示対象としたシートアンテナ22上に誤って載置されている場合、その旨を表示することで、ユーザーは物品10の返却場所の間違いに気づくことができる。
【0048】
また、上記実施形態で説明してきた物品管理システム100が備える物品管理装置30において、物品10は工具である。
従って、工具の管理状況を視覚的に容易に認識することができる表示を実現できる。
【0049】
また、上記実施形態で説明してきた物品管理システム100は、物品10に備えられたRFIDタグ11と、RFIDタグ11のICチップ112に書き込まれた情報を読み取り、情報を外部装置に送信する読取装置(RFIDリーダ20)と、読取装置から情報を取得する物品管理装置30と、を備え、読取装置は、シート状の形状を成すシートアンテナ22を備え、シートアンテナ22上に物品10が載置される。
従って、RFIDリーダ20は物品10の物品IDを読み取りやすい。
【0050】
以上、本発明は上記の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0051】
例えば、上記実施形態の物品登録処理のステップS1において、物品管理装置30の制御部31は、操作受付部34を介して、管理対象の物品10が備えるRFIDタグ11の物品ID、物品10のカラー画像及び白塗り画像の入力を受け付けるとしたがこれに限らない。物品10のカラー画像及び白塗り画像の入力を受け付ける代わりに、物品10を撮像した画像を受け付け、制御部31が当該画像からカラー画像及び白塗り画像を生成してもよい。
また、加工撮像画像は、白塗り画像であるとしたがこれに限らない。物品10を撮像した撮像画像において、物品10の形状に沿って、物品10部分を切り抜き、物品10の輪郭を実線で縁取り、その中を他の色で塗ることによって加工した画像でもよい。また、加工撮像画像において、物品10の輪郭を縁取る実線を省いてもよい。
また、物品登録処理において、撮像画像であるカラー画像及び加工撮像画像である白塗り画像の代わりに、他の画像を物品IDに紐づけて登録してもよい。当該他の画像は、物品IDを取得できた物品10と物品IDを取得できなかった物品10とが視覚的に容易に識別できるものであればよい。
【0052】
また、物品管理システム100は、一又は複数の物品管理装置30を制御する制御装置を備えてもよい。物品管理装置30は通信部35を介して、物品10がRFIDリーダ20のシートアンテナ22上にあるかないかを示す管理状況情報を制御装置に送信する。制御装置は、それぞれの物品管理装置30から受信した管理状況情報を、制御装置が備える表示部に表示する。
これによって、複数の物品管理装置30が管理する物品10の管理状況情報を一括して認識することができる。
【0053】
また、上記実施形態及び変形例において物品10は工具である場合を示したがこれに限らない。物品10はRFIDタグ11を備えることができるものであればよい。具体的には、部品や医療器具等であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態及び変形例において、RFIDリーダ20のシートアンテナ22はシート状であり、物品10をシートアンテナ22上に載置することが可能であるとしたがこれに限らない。シートアンテナ22の形状はシート状以外であってもよく、シートアンテナ22上に物品10を載置することができない場合、物品10をシートアンテナ22から所定距離内に配置してもよい。所定距離は、物品10とシートアンテナ22間で第一電波RW1及び第二電波RW2を送受信できる距離であればよい。
【0055】
また、上記実施形態の変形例1の物品管理処理のステップS29において、登録されている物品IDの中で取得できなかった物品IDがある場合、つまりシートアンテナ22上に返却されていない物品10がある場合、制御部31は、返却されていない物品10がある旨を表示部33に表示するとした。ここでさらに、物品管理システム100の管理者に返却されていない物品10がある旨を通知する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
100 物品管理システム
10 物品
11、11a~11c RFIDタグ
111a~111c アンテナ部
112a~112c ICチップ
20 RFIDリーダ(読取装置)
21 リーダ本体
211 通信部
22 シートアンテナ
23 通信ケーブル
30 物品管理装置
31 制御部(登録部、取得部、生成部、表示制御部、第1判断部、第2判断部、コンピューター)
32 記憶部
32a プログラム
33 表示部
34 操作受付部
35 通信部