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特開2022-186063ロボットハンド制御装置、ピッキングシステム、ロボットハンド制御方法およびロボットハンド制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186063
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ロボットハンド制御装置、ピッキングシステム、ロボットハンド制御方法およびロボットハンド制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094088
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】戸田 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】下田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】西村 望
(72)【発明者】
【氏名】山形 真司
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS04
3C707BS10
3C707DS01
3C707ES03
3C707FS01
3C707JU12
3C707KS03
3C707KS04
3C707KT03
3C707KT06
3C707KT18
3C707LV07
(57)【要約】
【課題】作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができるロボットハンド制御装置等を提供する。
【解決手段】ロボットハンド制御装置は、ピッキング対象物の2次元画像を取得する2次元画像取得手段と、ピッキング対象物の3次元データを取得する3次元データ取得手段と、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成するデータ対応付け手段と、表示装置に2次元画像を表示させる制御行う2次元画像表示制御手段と、2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付けるピッキング位置受け付け手段と、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元ピッキング位置を取得する3次元ピッキング位置取得手段と、3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行うピッキング動作制御手段と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング対象物の2次元画像を取得する2次元画像取得手段と、
前記ピッキング対象物の3次元データを取得する3次元データ取得手段と、
前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成するデータ対応付け手段と、
前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う2次元画像表示制御手段と、
前記2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付けるピッキング位置受け付け手段と、
前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する3次元ピッキング位置取得手段と、
前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うピッキング動作制御手段と、
を有することを特徴とするロボットハンド制御装置。
【請求項2】
前記ロボットハンドが複数の把持爪を有し、
前記ピッキング位置受け付け手段が、少なくとも2つの前記ピッキング位置を受け付け、
前記ピッキング動作が、
少なくとも2つの前記ピッキング位置の間隔より広くなるように、把持の際に対となる前記把持爪の間隔を広げ、
前記ピッキング対象物が複数の前記把持爪の間に位置するように、前記把持爪を移動させ、
把持の際に対となる前記把持爪の間隔を狭めて、複数の前記把持爪で前記ピッキング対象物を把持する動作である、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド制御装置。
【請求項3】
前記3次元データに基づいて、前記ピッキング位置に対応する前記ピッキング対象物の第1の表面の傾きを算出する傾き算出手段を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のロボットハンド制御装置。
【請求項4】
前記ロボットハンドが吸着手段を有し、
前記ピッキング動作が、
前記吸着手段で前記第1の表面を吸着する動作を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のロボットハンド制御装置。
【請求項5】
前記ピッキング動作が、
前記第1の表面に垂直な方向から、前記吸着手段を前記第1の表面に近接させる動作を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のロボットハンド制御装置。
【請求項6】
ピッキング対象物の2次元画像を取得する2次元画像取得手段と、前記ピッキング対象物の3次元データを取得する3次元データ取得手段と、前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成するデータ対応付け手段と、前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う2次元画像表示制御手段と、前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付けるピッキング位置受け付け手段と、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する3次元ピッキング位置取得手段と、前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うピッキング動作制御手段と、を有するロボットハンド制御装置と、
前記ロボットハンド制御装置に制御される前記ロボットハンドと、
前記ロボットハンド制御装置に制御される2次元画像表示装置と、
前記ピッキング位置の入力を受け付けるピッキング位置入力装置と、
を有することを特徴とするピッキングシステム。
【請求項7】
前記ロボットハンドが複数の把持爪を有し、
前記ピッキング位置受け付け手段が、少なくとも2つの前記ピッキング位置を受け付け
前記ピッキング動作が、
少なくとも2つの前記ピッキング位置の間隔より広くなるように、把持の際に対となる前記把持爪の間隔を広げ 、
前記ピッキング対象物が複数の前記把持爪の間に位置するように、前記把持爪を移動させ 、
把持の際に対となる複数の前記把持爪の間隔を狭めて、複数の前記把持爪で前記ピッキング対象物を把持する動作である、
ことを特徴とする請求項6に記載のピッキングシステム。
【請求項8】
前記3次元データに基づいて、前記ピッキング位置に対応する前記ピッキング対象物の第1の表面の傾きを算出する傾き算出手段を有する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のピッキングシステム。
【請求項9】
ピッキング対象物の2次元画像を取得し、
前記ピッキング対象物の3次元データを取得し、
前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成し、
前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行い、
前記2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付け、
前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得し、
前記3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行う、
を有することを特徴とするロボットハンド制御方法。
【請求項10】
ピッキング対象物の2次元画像を取得する処理と、
前記ピッキング対象物の3次元データを取得する処理と、
前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する処理と、
前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う処理と、
前記2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付ける処理と、
前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する処理と、
前記3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行う処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするロボットハンド制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンド制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ピッキングシステムが開発されている。このピッキングシステムでは、作業者がロボットハンドを遠隔操作して、対象物のピックアップやプレースを行う。このようなピッキングシステムには、2次元画像で対象物とロボットハンドとをモニターしながら操作を行うものが多い。しかし、2次元画像では、作業者が奥行き方向の距離感を把握しにくいため、遠隔操作が作業者にとって難しいという問題があった。そこで、遠隔操作を容易にしようとするピッキングシステムが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
例えば、特許文献1の記載の技術では、右目用の画像と左目用の画像を別々に撮影して、作業者に3次元画像を提供することで直感的な操作を可能としている。また、特許文献2に記載の技術では、参照図形を実際の作業環境の画像に重ねて、モニター画面上に提示する。作業者は、モニター画面を見ながら、実際の作業環境の画像に写る物体の映像と参照図形とが重なるようにロボットハンドを操作する。このような操作とすることで、直観的な操作を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-239483号公報
【特許文献2】特開2003-311661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1、2に記載の技術では、作業者の作業性を改善することができるものの、すべてのロボットハンド操作を作業者が行っている。このため、ロボットハンド操作での作業者の負担が依然として高く、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を多く要していた。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができるロボットハンド制御装置等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のロボットハンド制御装置は、ピッキング対象物の2次元画像を取得する2次元画像取得手段と、前記ピッキング対象物の3次元データを取得する3次元データ取得手段と、前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成するデータ対応付け手段と、前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う2次元画像表示制御手段と、前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付けるピッキング位置受け付け手段と、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する3次元ピッキング位置取得手段と、前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うピッキング動作制御手段と、を有する。
【0008】
また、本発明のピッキングシステムは、上記のロボットハンド制御装置と、ロボットハンド制御装置に制御されるロボットハンドと、ロボットハンド制御装置に制御される表示装置と、ピッキング位置の入力を受け付ける入力装置と、を有する。
【0009】
また本発明のロボットハンド制御方法は、ピッキング対象物の2次元画像を取得し、前記ピッキング対象物の3次元データを取得し、前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成し、前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行い、前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付け、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得し、前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う。
【0010】
また本発明のロボットハンド制御プログラムは、ピッキング対象物の2次元画像を取得する処理と、前記ピッキング対象物の3次元データを取得する処理と、前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する処理と、前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う処理と、前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付け前記2次元画像の中でピッキング位置の指定を受け付ける処理と、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する処理と、前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができるロボットハンド制御装置等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態のロボットハンド制御装置を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態のロボットハンド制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3】第2の実施形態のロボットハンド制御装置を用いたピッキングシステムを示すブロック図である。
図4】第2の実施形態のロボットハンド制御装置を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態のロボットハンド制御装置を用いたピッキングシステムの一例を示す模式図である。
図6】第2の実施形態のピッキングシステムの構成の具体的な一例を示す模式図である。
図7】第2の実施形態のピッキングシステムの構成の具体的な別の一例を示す模式図である。
図8】第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例の第1の部分を示す模式図である。
図9】第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例の第2の部分を示す模式図である。
図10】第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例の第3の部分を示す模式図である。
図11】第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示すフローチャートである。
図12】第3の実施形態のロボットハンド制御装置を示すブロック図である。
図13】第3の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示す模式図である。
図14】第3の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示すフローチャートである。
図15】第4の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示す模式図である。
図16】第4の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態のロボットハンド制御装置10を示すブロック図である。ロボットハンド制御装置10は、2次元画像取得手段1と、3次元データ取得手段2と、データ対応付け手段3と、2次元画像表示制御手段4と、ピッキング位置受け付け手段5と、を有する。また、ロボットハンド制御装置10は、3次元ピッキング位置取得手段6と、ピッキング動作制御手段7と、を有する。
【0015】
2次元画像取得手段1は、ピッキング対象物の2次元画像を取得する。3次元データ取得手段2は、ピッキング対象物の3次元データを取得する。データ対応付け手段3は、2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する。2次元画像表示制御手段4は、2次元画像を用いた2次元画像を表示するように表示装置を制御する。ピッキング位置受け付け手段5は、2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付ける。3次元ピッキング位置取得手段6は、対応テーブルに基づいて、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する。ピッキング動作制御手段7は、3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う。
【0016】
図2は、第1の実施形態のロボットハンド制御装置10の動作を示すフローチャートである。このロボットハンド制御方法では、まず、ピッキング対象物の2次元画像を取得する(S1)。また、ピッキング対象物の3次元データを取得する(S2)。なおS1とS2とは順不同で良い。次に、2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データとの対応を示す対応テーブルを生成する(S3)。次に、2次元画像を表示するように表示装置を制御する(S4)。次に、2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付ける(S5)。次に、ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する(S6)。次に、3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行う(S7)。
【0017】
また第1の実施形態のロボットハンド制御プログラムは、ピッキング対象物の2次元画像を取得する処理と、ピッキング対象物の3次元データを取得する処理をコンピュータに実行させる。また、ロボットハンド制御プログラムは、2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、両者の対応関係を示す対応テーブルを生成する処理と、2次元画像を用いた2次元画像を表示するように表示装置を制御する処理をコンピュータに実行させる。また、ロボットハンド制御プログラムは、2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付ける処理と、ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する処理とをコンピュータに実行させる。そして、ロボットハンド制御プログラムは、3次元ピッキング位置を基準として予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う処理をコンピュータに実行させる。
【0018】
以上、ロボットハンド制御装置10について説明した。ロボットハンド制御装置10は、2次元画像取得手段1と、3次元データ取得手段2と、データ対応付け手段3と、2次元画像表示制御手段4と、ピッキング位置受け付け手段5と、3次元ピッキング位置取得手段6と、ピッキング動作制御手段7と、を有する。
【0019】
2次元画像取得手段1は、ピッキング対象物の2次元画像を取得する。3次元データ取得手段2は、ピッキング対象物の3次元データを取得する。データ対応付け手段3は、2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する。これにより、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルが生成され、2次元画像中の特定座標と3次元データ中の特定座標とが対応付けされる。すなわち、2次元画像中の特定座標を指定することにより、3次元データ中の特定座標を抽出することができる。
【0020】
2次元画像表示制御手段4は、2次元画像を用いた2次元画像を表示するように表示装置を制御する。ピッキング位置受け付け手段5は、2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付ける。3次元ピッキング位置取得手段6は、対応テーブルに基づいて、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する。上述の通り、2次元画像と3次元データは、対応テーブルにより、対応つけられている。このため、3次元ピッキング位置取得手段6は、2次元画像上のピッキング位置を指定することにより、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を、3次元データから、3次元ピッキング位置として取得することができる。
【0021】
ピッキング動作制御手段7は、3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う。このように、ピッキング動作制御手段7は、3次元ピッキング位置取得手段6により取得された3次元ピッキング位置を基準に用いる。これにより、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うことができる。すなわち、ピッキング動作制御手段7は、3次元ピッキング位置取得手段6が取得した3次元ピッキング位置を基準に用いることで、2次元画像上のピッキング位置に対応させ、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うことができる。
【0022】
このように、第1の実施の形態におけるロボットハンド制御装置10によれば、作業者は、2次元画像上で、ピッキング位置を指定するだけで、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせることができる。このため、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができる。
【0023】
ここで、上述の通り、上記の特許文献1、2に記載の技術では、すべてのロボットハンド操作を作業者が行っていた。これに対して、第1の実施の形態におけるロボットハンド制御装置10では、3次元ピッキング位置取得手段6が、対応テーブルに基づいて、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する。このため、作業者が2次元画像上でピッキング位置が指定するだけで、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得することができる。このため、上記の特許文献1、2に記載の技術と比較して、作業者によるロボットハンド操作の作業負担を軽減することができ、この結果、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができる。
【0024】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態のロボットハンド制御装置100を用いたピッキングシステム1000の構成を示すブロック図である。ロボットハンド制御装置100は、第1の実施形態のロボットハンド制御装置10の一例である。
【0025】
ピッキングシステム1000は、ロボットハンド制御装置100と、2次元画像表示装置200と、ピッキング位置入力装置300と、2次元画像撮影装置400と、3次元データ計測装置500と、ロボットハンド600とを有する。2次元画像表示装置200は、ロボットハンド制御装置100の制御によって、ピッキング対象物の2次元画像を表示する。ピッキング位置入力装置300は、ピッキング位置の入力を受け付ける。ここで、ピッキング対象物とは、ピッキングに対象となる物である。2次元画像撮影装置400は、ピッキング対象物の2次元画像を撮影する。3次元データ計測装置500は、ピッキング対象物の3次元データを計測する。ロボットハンド600は、ロボットハンド制御装置100の制御に従って、ピッキング対象物のピッキングを行う。
【0026】
図4は、ロボットハンド制御装置100の詳細を示すブロック図である。ロボットハンド制御装置100は、2次元画像取得部110と、3次元データ取得部120と、データ対応付け部130と、2次元画像表示制御部140と、を有する。また、ロボットハンド制御装置100は、ピッキング位置受け付け部150と、3次元ピッキング位置取得部160と、ピッキング動作制御部170と、を有する。2次元画像取得部110は第1の実施形態の2次元画像取得手段1の一例であり、3次元データ取得部120は3次元データ取得手段2の一例であり、データ対応付け部130はデータ対応付け手段3の一例である。また、2次元画像表示制御部140は2次元画像表示制御手段4の一例であり、ピッキング位置受け付け部150はピッキング位置受け付け手段5の一例であり、3次元ピッキング位置取得部160は3次元ピッキング位置取得手段6の一例である。また、ピッキング動作制御部170はピッキング動作制御手段7の一例である。
【0027】
次に、ピッキングシステムの具体的な構成例について説明する。図5は、第2の実施形態のロボットハンド制御装置を用いたピッキングシステム1000の使用例を示す模式図である。ピッキングシステム1000は、ロボットハンド制御装置100と、ロボットハンド600と、2次元画像表示装置200と、ピッキング位置入力装置300と、を有する。なお、2次元画像表示装置200は、たとえば、ディスプレイである。ここで、ロボットハンド制御装置100は、コンピュータ190に実装されている。また、ピッキングシステム1000は、ロボット610と、2次元画像撮影装置400と、3次元データ計測装置500と、ロボット制御装置191と、を有する。なお、図5の例では、2次元画像撮影装置400がカメラ401とカメラ402を備えるステレオカメラであり、ステレオカメラが3次元データ計測装置500にもなっている。ロボット610は、ロボットベース630に固定され、ロボットハンド600の位置を制御するロボットアーム620を有している。ロボット610は、コンピュータ190に実装されたロボット制御装置191によって制御される。
【0028】
カメラ401、402を備えたステレオカメラは、2次元画像撮影装置400および3次元データ計測装置500として機能し、ピッキング対象物2000の2次元画像と3次元データとを取得する。ここで、ピッキング対象物2000とは、ピッキングの対象となる物である。3次元データとは、2次元画像撮影装置400が撮影した各点の3次元座標のことである。3次元座標の基準は、例えば、ロボット610の原点とすることができる。
【0029】
ピッキングシステム1000のロボットハンド制御装置100は、上述の通り、図5を参照して説明したように、2次元画像取得部110と、3次元データ取得部120と、データ対応付け部130と、2次元画像表示制御部140と、を有している。ロボットハンド制御装置100は、また、ピッキング位置受け付け部150と、3次元ピッキング位置取得部160と、ピッキング動作制御部170とを有している。そして、2次元画像取得部110は、ピッキング対象物2000の2次元画像を取得する。3次元データ取得部120は、ピッキング対象物2000の3次元データを取得する。データ対応付け部130は、取得した2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する。
【0030】
また、ピッキング位置受け付け部150は、2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付ける。3次元ピッキング位置取得部160は、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する。ピッキング動作制御部170は、3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う。ロボットハンド600は、ロボットハンド制御装置100に制御される。2次元画像表示装置200は、ロボットハンド制御装置100に制御され、2次元画像を表示する。ピッキング位置入力装置300は、作業者の操作によりピッキング位置の入力を受け付ける。
【0031】
作業者がピッキングシステム1000を操作して、遠隔操作でピッキング対象物2000のピッキングを行う場合、ピッキング位置入力装置300を用いて、2次元画像表示装置200の画像上で、ピッキング位置を指定する。図5では、2つのピッキング位置p1、ピッキング位置p2を指定する例を示している。これは、図5のロボットハンド600が、2つの把持爪601と把持爪602とを有しているためであるが、その理由については後述する。ロボット610とロボットアーム620は、ロボット制御装置191に制御され、ロボットハンド600の位置を制御する。なお、ここでは、2次元画像と3次元データの両方をカメラ401と402を備えたステレオカメラで取得するものとしたが、2次元画像を種々の撮像装置で撮影し、3次元データを飛行時間法、縞投影法、共焦点法など別の方法で取得しても良い。このように、2次元画像と3次元データとを別々の機器で取得する場合は、両者の対応付けが必要になるが、これは、一般的な技術で実現することが可能である。
【0032】
第2の実施形態のピッキングシステムの構成の具体的な一例を示す模式図である。また、図7は第2の実施形態のピッキングシステムの構成の具体的な別の一例を示す模式図である。ステレオカメラを構成するカメラ401、402は、図6に示すようにロボットベース630と同じ基準面に固定されていても良く、図7に示すように、ロボットアーム620に固定されていても良い。ロボットアーム620に固定されている場合は、取得時の2次元画像と3次元データの基準がロボットアーム620になるが、ロボットアーム620の座標は既知なので、ロボットベース630基準の座標に変換することが可能である。
【0033】
次に、図5の例のピッキングシステム1000のロボットハンド600で、ピッキング対象物2000をピッキングする予め設定されたピッキング動作の一例について説明する。ロボットハンド600は、2つの把持爪601と把持爪602とを有し、これらが対となってピッキング対象物2000を挟むことで把持する。第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例の第1の部分を示す模式図である。上記の予め設定されたピッキング動作では、まず、図8に示すように、ピッキング対象物2000から所定距離だけ離れた位置に、ロボットハンド600を移動させる。なお、この移動は、図示しないロボットアームによって実現される。ピッキング対象物2000のロボットハンド600に対向する面には、ピッキング位置p1、p2が設定されている。このp1、p2はロボット610の3次元座標として設定されているため、仮想的なものである。そして、把持の際に対となる2つの把持爪601と把持爪602の間隔を、ピッキング位置p1とp2の間隔より広い幅に設定する。
【0034】
図9は第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例の第2の部分を示す模式図である。次に、ロボットハンド制御装置100は、図9に示すように、ピッキング位置p1、p2が、ピッキング対象物2000が把持の際に対となる2つの把持爪601と把持爪602の間に位置するように把持爪601と把持爪602を移動させる。
【0035】
図10は、第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例の第3の部分を示す模式図である。次に、図10に示すように、ロボットハンド制御装置100は、把持爪601と把持爪602の間隔を狭め、ピッキング対象物2000を把持させる。
【0036】
以上のピッキングシステム1000におけるロボットハンド制御方法では、ロボットハンド制御装置100を制御する。また、ピッキング動作については、予めプログラムなどによって設定されている。図11は、第2の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示すフローチャートである。図11の予め設定されたピッキング動作では、ロボットハンド600が、複数の把持爪601と把持爪602を有し、ピッキング位置受け付け手段が、少なくとも2つのピッキング位置p1、p2を受け付けていることが前提となっている。ピッキング位置p1、p2は、作業者が操作するピッキング位置入力装置300によって、2次元画像表示装置200の2次元画像上で設定される。ピッキング位置p1、p2は、例えば、ピッキング対象物2000を把持しやすい位置に設定される。この把持しやすい位置とは、例えば、ピッキング対象物2000の長さ方向の中央近辺の、幅方向の両端部である。
【0037】
次に、予め設定されたピッキング動作について、図11を参照して、説明する。まず、ピッキング位置から所定距離だけ離れた位置にロボットハンド600を移動させる(S101)。次に、2つのピッキング位置p1、p2の間隔より広くなるように、把持の際に対となる複数の把持爪601と把持爪602の間隔を広げる(S102)。次に、ピッキング対象物2000が、複数の把持爪601と把持爪602の間に位置するように、把持爪601と把持爪602を移動させる(S103)。次に、把持爪601と把持爪602の間隔を狭める動作によって、ピッキング対象物2000を把持する(S104)。
【0038】
以上説明したように、上記の具体例では、ピッキングシステム1000のロボットハンド600が複数の把持爪601、602を有している。そして、ピッキング位置受け付け手段が、少なくとも2つのピッキング位置を受け付ける。これにより、例えば複数の把持爪601、602がピッキング対象物2000を把持しやすいピッキング位置を指定することができる。
【0039】
また、予め設定されたピッキング動作では、ロボットハンド制御装置100が、少なくとも2つのピッキング位置の間隔より広くなるように、把持の際に対となる把持爪601、602の間隔を広げる制御を行う。次いで、ロボットハンド制御装置100が、ピッキング対象物2000が複数の把持爪601、602の間に位置するように、把持爪601、602を移動させるように制御する。次いで、ロボットハンド制御装置100が、把持の際に対となる把持爪601、602の間隔を狭めて、複数の把持爪601、602でピッキング対象物2000を把持する動作を行うように制御する。上記のような予め設定されたピッキング動作を行うことで、作業者は、2次元画像上に少なくとも2つのピッキング位置を指定して以降のロボットハンド操作を自動で行い、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができる。
【0040】
なお、以上の説明では、把持爪が2つの例について説明したが、把持爪は3つ以上であっても良い。また、3つ以上のピッキング位置を指定しても良い。このような場合、上記のS102のステップで、把持する際に対となる把持爪の間隔を、複数のピッキング位置の間隔の最大値よりも広くする。このようにすることで、ピッキング対象物2000が把持する際に対となる把持爪の間に位置するような配置とすることができる。
【0041】
なお、把持の際に対とならない2つの把持爪の間隔については、複数のピッキング位置のより広くなくても問題ない。例えば、直線状に複数の把持爪が並んだ第1のグループと、対向するように直線状に複数の把持爪の並んだ第2のグループがあり、第1のグループの把持爪と第2のグループの把持爪で対を作って把持する場合を考える。この場合、第1のグループと第2のグループとの間隔を、複数のピッキング位置の間隔よりも広くなるように制御する。一方、それぞれのグループ内の隣接する把持爪の間隔については、ピッキング位置の間隔より狭くても構わない。
【0042】
以上説明したように、ピッキングシステム1000は、ロボットハンド制御装置100と、2次元画像表示装置200と、ピッキング位置入力装置300と、2次元画像撮影装置400と、3次元データ計測装置500と、ロボットハンド600とを有する。ロボットハンド制御装置100は、2次元画像撮影装置400から2次元画像を取得する。また、3次元データ計測装置500から、3次元データを取得する。そして取得した2次元画像を2次元画像表示装置200に取得した2次元画像を表示させる制御を行う。これにより、作業者はピッキング対象物2000の2次元画像を見て、ピッキング対象物2000の把持しやすい位置を判定できる。
【0043】
ピッキング位置入力装置300は、作業者が把持しやすいと判定した2次元画像上の点の入力を受け付けることができる。これにより2次元画像の座標上で、ピッキング位置が指定される。上述の通り、2次元画像と3次元データは、対応テーブルにより、対応つけられている。このため、ロボットハンド制御装置100は、入力された2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置をとして取得することができる。
【0044】
上記のロボットハンド制御装置100は、下記のような構成と動作により、作業者によるロボットハンド操作の作業時間の短縮を実現する。ロボットハンド制御装置100は、第1の実施形態と同様に、2次元画像取得手段と、3次元データ取得手段と、データ対応付け手段と、2次元画像表示制御手段と、ピッキング位置受け付け手段と、を有している。また、ロボットハンド制御装置100は、3次元ピッキング位置取得手段と、ピッキング動作制御手段とを有している。そして、2次元画像取得手段は、ピッキング対象物2000の2次元画像を取得する。3次元データ取得手段は、ピッキング対象物2000の3次元データを取得する。
【0045】
データ対応付け手段は、取得した2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する。これにより、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルが生成され、2次元画像中の特定座標と3次元データ中の特定座標とが対応付けされる。すなわち、2次元画像中の特定座標を指定することにより、3次元データ中の特定座標を抽出することができる。
【0046】
また、ピッキング位置受け付け手段は、2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付ける。3次元ピッキング位置取得手段は、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する。上述の通り、2次元画像と3次元データは、対応テーブルにより、対応つけられている。このため、3次元ピッキング位置取得手段は、2次元画像上のピッキング位置を指定することにより、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を、3次元データから、3次元ピッキング位置として取得することができる。
【0047】
ピッキング動作制御手段は、3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う。このように、ピッキング動作制御手段は、3次元ピッキング位置取得手段により取得された3次元ピッキング位置を基準に用いる。これにより、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うことができる。すなわち、ピッキング動作制御手段は、3次元ピッキング位置取得手段が取得した3次元ピッキング位置を基準に用いることで、2次元画像上のピッキング位置に対応させて、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うことができる。
【0048】
このように、第2の実施の形態におけるピッキングシステム1000によれば、作業者は、2次元画像上で、ピッキング位置を指定するだけで、予め設定されたピッキング動作をロボットハンド600に行わせることができる。このため、作業者によるロボットハンド操作の作業時間を短縮することができる 。
【0049】
そして、上記のロボットハンド制御方法は、ピッキング対象物2000の2次元画像データを取得し、ピッキング対象物2000の3次元データを取得する。また、2次元画像データと3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成し、2次元画像を表示する制御を表示装置に行う。また、2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付け、対応テーブルに基づいて、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する。そして、3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行う。
【0050】
そして、本実施形態のロボットハンド制御プログラムでは、ピッキング対象物2000の2次元画像を取得する処理と、ピッキング対象物2000の3次元データを取得する処理と、をコンピュータに実行させる。また、2次元画像と3次元データとの対応付けを行い、2次元画像と3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する処理と、2次元画像を表示する制御を表示装置に行う処理と、をコンピュータに実行させる。また、2次元画像上でピッキング位置の指定を受け付ける処理と、対応テーブルに基づいて、2次元画像上のピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する処理と、をコンピュータに実行させる。そして、3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行う処理と、をコンピュータに実行させる。
【0051】
この方法によっても、前述のロボットハンド制御装置100と同様の効果を奏する。 以上説明したように、本実施形態のピッキングシステム等によれば、作業者は、ディスプレイに表示された2次元画像上で、ピッキング位置を指定するだけで、遠隔操作によりピッキング対象物2000のピッキングを行うことができる。このため、ロボットハンドのピッキングを作業者の操作で行う方法に比べて、遠隔操作の作業時間を短縮することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態で説明したように、本発明のロボットハンド制御装置では、ピッキング対象物の3次元データを取得する。このため、ピッキング対象物の姿勢に関する情報を得ることができる。ピッキング対象物の姿勢の中で、ピッキングにおいて重要なものの一つが、2次元画像中に見えるピッキング位置に対応する、ピッキング対象物の第1の表面の傾きである。本実施形態では、この第1の表面の傾きを算出するロボットハンド制御装置101について説明する。
【0053】
図12は、ピッキングシステムに用いる第3の実施形態のロボットハンド制御装置101を示すブロック図である。ロボットハンド制御装置101は、第2の実施形態のロボットハンド制御装置100の構成に加えて、傾き算出手段として傾き算出部151を備えている。傾き算出部151は、3次元データ取得部が取得した3次元データに基づいて、ピッキング位置に対応するピッキング対象物の第1の表面2001の傾きを算出する。この傾きは、例えばロボット610の座標系について算出する。一般的に、ピッキング対象物の第1の表面に垂直な方向に把持爪を向けることで、把持を安定にすることができる。このため、上記の傾き算出を含むロボットハンド制御方法では、ロボットハンドの向きを、ピッキング対象物の傾きに合わせて、ロボットハンドの向きを調整する。
【0054】
図13は、第3の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示す模式図である。図13の動作では、第2の実施形態の図8と同様な動作に、ピッキング位置p1、p2に対応する第1の表面2001に対して、把持爪601と把持爪602の延伸方向が垂直になるように、把持爪601、602の傾きを調整している。この傾き調整を行なった後、第2の実施形態と同様な動作をさせることで、ピッキング対象物2000を安定に把持することができる。なお、上記の垂直とは厳密なものではなく、垂直に近い所定範囲の角度であれば良い。具体的には、例えば第1の表面に立てた垂線に対して20°程度の範囲内であっても良い。
【0055】
図14は、第3の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示すフローチャートである。第3の実施形態のロボットハンドの動作の具体例について、図14を参照して説明する。
【0056】
まず、ピッキング位置p1、p2から所定距離だけ離れた位置にロボットハンド600を移動させる(S201)。次に、ロボットハンド600の傾きを調整し、把持爪601、602をピッキング対象物2000の第1の表面2001の垂直方向に向ける(S202)。次に把持の際に対となる把持爪601、602の間隔を、ピッキング位置p1、p2の間隔より広くする(S203).次に、ピッキング位置p1、p2が把持の際に対となる把持爪601、602の間に位置するように把持爪を移動させる(S204)。次に、把持爪601と把持爪602の間隔を狭める動作によって、ピッキング対象物2000を把持する(S205)。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のロボットハンド制御装置101は、第2の実施形態のロボットハンド制御装置100の構成に加えて、傾き算出部151を備えている。傾き算出部151は、3次元データ取得部120が取得した3次元データに基づいてピッキング対象物2000のピッキング位置に対応する第1の表面2001の傾きを算出する。この傾きを用いて、把持爪601、602の向きを、第1の表面2001に対して垂直になるよう調整してピッキング対象物2000を把持することが可能になる。把持爪601、602を第1の表面2001に垂直にすることで、把持を安定にすることができる。
【0058】
(第4の実施形態)
第2,3の実施形態でロボットハンドが複数の把持爪を有する構成について説明したが、ロボットハンドは吸着チャックを備えたものであっても良い。図15は、第4の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示す模式図である。図15に示すように、ロボットハンド600は、第3の実施形態の把持爪601と把持爪602の代わりに吸着チャック603を備えている。その他の構成は第3の実施形態と同様である。把持に吸着チャック603を用いる場合は、ピッキング位置p3は、例えばピッキング対象物2000の第1の表面2001の中央の一点とすると良い。そして、吸着を行う場合は、吸着チャック603の吸着面が第1の表面2001と平行になるようにすることが望ましい。このため、第3の実施形態と同様のロボットハンド600の傾き調整を行なう。
【0059】
図16は、第4の実施形態のロボットハンドの動作の具体例を示すフローチャートである。まず、ピッキング位置p3から所定距離だけ離れた位置にロボットハンド600を移動させる(S301)。次に、ロボットハンド600の傾きを調整し、吸着チャック603が、第1の表面2001を平行に吸着できるように傾きを調整する(S302)。次に、吸着チャックをピッキング位置へ移動させる(S303).次に、吸着チャックでピッキング対象物2000を吸着させる(S304)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のピッキングシステムでは、ロボットハンド制御装置100を用い、ロボットハンド600が吸着手段である吸着チャック603を有している。そしてピッキング対象物2000を把持する予め設定されたピッキング動作が、吸着手段でピッキング対象物2000の第1の表面2001を吸着する動作を含んでいる。さらに、吸着チャック603の吸着面が第1の表面2001を平行に吸着できるように、吸着チャック603の傾きを調整している。
【0061】
また、予め設定されたピッキング動作が、第1の表面2001に垂直な方向から、吸着チャック603を、第1の表面2001に近接させる動作を含んでいる。このため、第1の表面2001と吸着チャック603との間に隙間ができないように吸着を行うことができる。なお、上記の垂直とは厳密なものではなく、垂直に近い所定範囲の角度であれば良い。具体的には、例えば第1の表面に立てた垂線に対して20°程度の範囲内であっても良い。
【0062】
また、第3、4の実施形態では、それぞれロボットハンドが把持爪、吸着チャックの一方を備えている例について説明したが、両方を同時に備えていても良い。
【0063】
上述した第1乃至第4の実施形態の処理を、コンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0064】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0065】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限
られない。
(付記1)
ピッキング対象物の2次元画像を取得する2次元画像取得手段と、
前記ピッキング対象物の3次元データを 取得する3次元データ取得手段と、
前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成するデータ対応付け手段と、
前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う2次元画像表示制御手段と、
前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付けるピッキング位置受け付け手段と、
前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する3次元ピッキング位置取得手段と 、
前記3次元ピッキング位置を基準として、ロボットハンドに予め設定されたピッキング動作を行わせる制御を行うピッキング動作制御手段と 、
を有することを特徴とするロボットハンド制御装置 。
(付記2)
前記ロボットハンドが複数の把持爪を有し、
前記ピッキング位置受け付け手段が、少なくとも2つの前記ピッキング位置を受け付け、
前記ピッキング動作が、
少なくとも2つの前記ピッキング位置の間隔より広くなるように、把持の際に対となる複数の前記把持爪の間隔を広げ 、
前記ピッキング対象物が複数の前記把持爪の間に位置するように、前記把持爪を移動させ 、
複数の前記把持爪の間隔を狭めて、複数の前記把持爪で前記ピッキング対象物を把持する動作である、
ことを特徴とする付記1に記載のロボットハンド制御装置。
(付記3)
前記3次元データに基づいて、前記ピッキング位置に対応する前記ピッキング対象物の第1の表面の傾きを算出する傾き算出手段を有する、
ことを特徴とする付記1または2に記載のロボットハンド制御装置。
(付記4)
前記ロボットハンドが吸着手段を有し、
前記ピッキング動作が、
前記吸着手段で前記第1の表面を吸着する動作を含む、
ことを特徴とする付記3に記載のロボットハンド制御装置。
(付記5)
前記ピッキング動作が、
前記第1の表面に垂直な方向から、前記吸着手段を前記第1の表面に近接させる動作を含む
ことを特徴とする付記4に記載のロボットハンド制御装置。
(付記6)
ピッキング対象物の2次元画像を取得する2次元画像取得手段と、前記ピッキング対象物の3次元データを取得する3次元データ取得手段と、前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成するデータ対応付け手段と、前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う2次元画像表示制御手段と、前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付けるピッキング位置受け付け手段と、前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する3次元ピッキング位置取得手段と、前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行うピッキング動作制御手段と、を有するロボットハンド制御装置と、
前記ロボットハンド制御装置に制御される前記ロボットハンドと、
前記ロボットハンド制御装置に制御される2次元画像表示装置と、
前記ピッキング位置の入力を受け付けるピッキング位置入力装置と、
を有することを特徴とするピッキングシステム。
(付記7)
前記ロボットハンドが複数の把持爪を有し、
前記ピッキング位置受け付け手段が、少なくとも2つの前記ピッキング位置を受け付け、
前記ピッキング動作が、
少なくとも2つの前記ピッキング位置の間隔より広くなるように、把持の際に対となる前記把持爪の間隔を広げ、
前記ピッキング対象物が複数の前記把持爪の間に位置するように、前記把持爪を移動させ、
複数の前記把持爪の間隔を狭めて、複数の前記把持爪で前記ピッキング対象物を把持する動作である、
ことを特徴とする付記6に記載のピッキングシステム。
(付記8)
前記3次元データに基づいて、前記ピッキング位置に対応する前記ピッキング対象物の第1の表面の傾きを算出する傾き算出手段を有する、
ことを特徴とする付記6または7に記載のピッキングシステム。
(付記9)
前記ロボットハンドが吸着手段を有し、
前記ピッキング動作が、
前記吸着手段で前記第1の表面を吸着する動作を含む、
ことを特徴とする付記8に記載のピッキングシステム。
(付記10)
前記ピッキング動作が、
前記第1の表面に垂直な方向から、前記吸着手段を前記第1の表面に近接させる動作を含む
ことを特徴とする付記9に記載のピッキングシステム。
(付記11)
ピッキング対象物の2次元画像を取得し、
前記ピッキング対象物の3次元データを取得し、
前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成し、
前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行い、
前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付け、
前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得し、
前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う、
を有することを特徴とするロボットハンド制御方法。
(付記12)
ピッキング対象物の2次元画像を取得する処理と、
前記ピッキング対象物の3次元データを取得する処理と、
前記2次元画像と前記3次元データとの対応付けを行い、前記2次元画像と前記3次元データの対応関係を示す対応テーブルを生成する処理と、
前記2次元画像を表示する制御を表示装置に行う処理と、
前記2次元画像上のピッキング位置の指定を受け付ける処理と、
前記対応テーブルに基づいて、前記2次元画像上の前記ピッキング位置に対応する3次元座標を3次元ピッキング位置として取得する処理と、
前記3次元ピッキング位置を基準として、予め設定されたピッキング動作をロボットハンドに行わせる制御を行う処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするロボットハンド制御プログラム。
【符号の説明】
【0066】
1 2次元画像取得手段
2 3次元データ取得手段
3 データ対応付け手段
4 2次元画像表示制御手段
5 ピッキング位置受け付け手段
6 3次元ピッキング位置取得手段
7 ピッキング動作制御手段
10、100 ロボットハンド制御装置
110 2次元画像取得部
120 3次元データ取得部
130 データ対応付け部
140 2次元画像表示制御部
150 ピッキング位置受け付け部
160 3次元ピッキング位置取得部
170 ピッキング動作制御部
200 2次元画像表示装置
300 ピッキング位置入力装置
400 2次元画像撮影装置
500 3次元データ計測装置
600 ロボットハンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16