(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186064
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】印刷システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20221208BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
B41J29/393 105
G06F3/12 310
G06F3/12 334
G06F3/12 360
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094089
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 純
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061CG02
2C061CK04
2C061CQ05
2C061CQ23
2C061HK15
2C061HN05
2C061KK25
2C061KK28
2C061KK35
(57)【要約】
【課題】無駄な印刷物の発生を抑制すること。
【解決手段】印刷装置は、外部コントローラから受信した印刷ジョブのうちの未印刷データについて用紙1枚分の印刷を行い、搬送パスに印刷物を1枚出力する。印刷装置は、検品装置からの検品結果が受信できたか確認する。検品結果を受信できた場合、印刷装置は、検品結果が1枚目の印刷物となる先頭紙に対するものかを確認する。先頭紙に対する検品結果である場合、印刷装置は、受信した先頭紙に対する検品結果を判定し、検品結果がOK(印刷欠陥無し)の場合には印刷ジョブに残る未印刷データの印刷を行う。検品結果がNG(印刷欠陥有り)の場合には、印刷装置は残りの未印刷データについての印刷を中断する。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに基づき印刷処理を行う印刷装置と、当該印刷装置に搬送パスを介して接続され、前記印刷装置から出力される印刷済み記録媒体における印刷欠陥の検出を行う検品装置とを含む印刷システムであって、
前記印刷装置は、複数枚の記録媒体に対して連続して印刷処理を行う印刷ジョブについては、所定枚数の記録媒体に対する印刷処理を、前記印刷装置が印刷済み記録媒体を1枚出力するごとに、当該印刷済み記録媒体について前記検品装置から検出結果が出力されるまで後続の記録媒体に対する印刷処理を開始させない、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記検品装置は、前記印刷済み記録媒体を読み取って得られた読み取り画像と当該読み取り画像に対応する前記印刷ジョブごとに予め登録された基準画像とを比較し、当該比較に基づき前記印刷欠陥の検出結果を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、前記検出結果が印刷欠陥を検出しなかったことを示す場合、前記後続の記録媒体に対する印刷処理を開始する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷装置は、前記検出結果が印刷欠陥を検出したことを示す場合、前記後続の記録媒体に対する印刷処理を開始しない、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷装置は、前記所定枚数を1枚とする、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷装置は、前記所定枚数を、前記複数枚の記録媒体に対して連続して印刷処理を行う印刷ジョブにおける1部あたりの枚数以下とする、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷装置は、前記複数枚の記録媒体に対して連続して印刷処理を行う印刷ジョブにおいて複数部の印刷処理を行う場合、前記所定枚数を前記印刷ジョブに設定された1部あたりの枚数とする、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
印刷ジョブに基づき印刷処理を行う印刷装置と、当該印刷装置に搬送パスを介して接続され、前記印刷装置から出力される印刷済み記録媒体における印刷欠陥の検出を行う検品装置とを含む印刷システムを制御する情報処理装置であって、
複数枚の記録媒体に対して連続して印刷処理を行う印刷ジョブについては、所定枚数の記録媒体に対する印刷処理を、前記印刷装置が印刷済み記録媒体を1枚出力するごとに、当該印刷済み記録媒体について前記検品装置から検出結果が出力されるまで後続の記録媒体に対する印刷処理を開始させないよう前記印刷装置を制御する制御手段
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
印刷ジョブに基づき印刷処理を行う印刷装置と、当該印刷装置に搬送パスを介して接続され、前記印刷装置から出力される印刷済み記録媒体における印刷欠陥の検出を行う検品装置とを含む印刷システムを制御する情報処理方法であって、
複数枚の記録媒体に対して連続して印刷処理を行う印刷ジョブについては、所定枚数の記録媒体に対する印刷処理を、前記印刷装置が印刷済み記録媒体を1枚出力するごとに、当該印刷済み記録媒体について前記検品装置から検出結果が出力されるまで後続の記録媒体に対する印刷処理を開始させないよう前記印刷装置を制御するステップ
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを請求項8に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置および検品装置を含んだ印刷システムの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置により印刷された用紙(以降、印刷物という)を排紙トレイまで搬送する間に検品装置によって検品を行うことを可能としたインライン方式の印刷システムが知られている。印刷物の検査において、オペレータは予め検品装置に基準となる基準画像を登録し、検品装置は搬送された印刷物の画像を読み取り、読み取った画像と基準画像とを比較することにより印刷物が正常であるか否かを判定する。このような検品装置では、例えばバーコードや罫線の欠け、画像抜け、印刷不良、ページ抜け、色ずれなどを検出することが可能である。
【0003】
印刷装置と検品装置との間は搬送パスで接続されており、印刷物が搬送パスを介して検品装置に搬送されて検査されるまでの間に、印刷装置は後続の画像を連続して印刷することができる。このように、直近の印刷物の検品完了を待たずに後続の画像の印刷を行い、できるだけ紙間を詰めて印刷および検品を行うことで、印刷装置のパフォーマンスを低下させずに検品することが可能となる。
【0004】
更に、不良品の印刷物が検出されると、不良品の印刷物に対応する画像を再印刷し、再印刷した印刷物を当初の印刷順で良品用の排紙先に積載する技術も存在する。この技術では、不良品と判定された印刷物の後に印刷された良品の印刷物を、排紙せずに一時格納し、再印刷した印刷物を排紙した後に一時格納していた印刷物を排紙することで、ページ狂いの発生を防ぐことができる。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術では、検品対象の印刷ジョブとその基準画像とを、対応していない間違った組合せで設定した場合、検品処理で間違いに気づいて停止するまでの間に、間違った設定で印刷されて無駄となる印刷物が発生してしまうという課題がある。
【0007】
そこで本発明は、無駄な印刷物の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、印刷ジョブに基づき印刷処理を行う印刷装置と、当該印刷装置に搬送パスを介して接続され、前記印刷装置から出力される印刷済み記録媒体における印刷欠陥の検出を行う検品装置とを含む印刷システムであって、前記印刷装置は、複数枚の記録媒体に対して連続して印刷処理を行う印刷ジョブについては、所定枚数の記録媒体に対する印刷処理を、前記印刷装置が印刷済み記録媒体を1枚出力するごとに、当該印刷済み記録媒体について前記検品装置から検出結果が出力されるまで後続の記録媒体に対する印刷処理を開始させない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無駄な印刷物の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】印刷システムのシステム構成を表すブロック図である。
【
図3】画像形成装置のメカ断面図を表した模式図である。
【
図4】検品装置に基準画像の登録をする前の表示画面の一例である。
【
図5】検品装置から基準画像の登録を行う際の表示画面の一例である。
【
図6】検品装置が基準画像の読み取り中の表示画面の一例である。
【
図7】検品装置が基準画像の読み取り後の表示画面の一例である。
【
図8】検品装置に検品スキップエリアを設定する際の表示画面の一例である。
【
図9】検品装置に続けて基準画像の登録を行うか問いかける表示画面の一例である。
【
図10】検品装置に複数の基準画像を登録した際の表示画面の一例である。
【
図11】検品装置から検品設定する際の表示画面の一例である。
【
図12】検品装置から検品結果を表示する際の表示画面の一例である。
【
図13】検品装置が検品をOKと判定した際の表示画面の一例である。
【
図14】検品装置が検品をNGと判定した際の表示画面の一例である。
【
図15】外部コントローラで実行する検品ジョブを選択する際の表示画面の一例である。
【
図16】外部コントローラから検品ジョブの設定を行う際の表示画面の一例である。
【
図17】基準画像登録時の外部コントローラのフローチャートである。
【
図18】基準画像登録時の印刷装置のフローチャートである。
【
図19】基準画像登録時の検品装置のフローチャートである。
【
図20】検品実行時の外部コントローラのフローチャートである。
【
図21】第1の実施形態の検品実行時の印刷装置のフローチャートである。
【
図22】一実施形態の検品実行時の検品装置のフローチャートである。
【
図23】第2の実施形態の検品実行時の印刷装置のフローチャートである。
【
図24】第3の実施形態の検品実行時の印刷装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
以下の説明において、外部コントローラは、画像処理コントローラ、デジタルフロントエンド、プリントサーバ、DFEなどと呼ばれることもある。画像形成装置は、複合機、マルチファンクションペリフェラル、MFPと呼ばれることもある。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る画像処理システムのハード構成の全体図である。画像処理システムは、画像形成装置101と外部コントローラ102を備える。画像形成装置101と外部コントローラ102は内部LAN105とビデオケーブル106を介して通信可能に接続されている。外部コントローラ102は外部LAN104を介してクライアントPC103と通信可能に接続されており、PC103から外部コントローラ102に対して印刷指示が行われる。
【0014】
クライアントPC103には、印刷データを外部コントローラ102で処理可能な印刷記述言語に変換する機能を有するプリンタドライバがインストールされている。印刷を行うユーザは、クライアントPC103にインストールされた各種アプリケーションからプリンタドライバを介して印刷指示を行うことができる。プリンタドライバは、ユーザからの印刷指示に基づいて外部コントローラ102に対して印刷データを送信する。外部コントローラ102は、クライアントPC103から印刷指示を受け取ると、データ解析やラスタライズ処理を行い、画像形成装置101に対して印刷データを投入して印刷指示を行う。
【0015】
次に画像形成装置101について説明する。画像形成装置101は、複数の異なる機能を持つ装置が接続され、製本などの複雑な印刷処理を連続して行うことが可能なインライン方式の構成をとる。
【0016】
印刷装置107は、印刷装置107の下部にある給紙部から搬送される用紙(記録媒体)に対してトナーを用いて画像を形成する電子写真方式の印刷装置である。この印刷装置107の構成及び動作原理は次のとおりである。画像データに応じて変調された、レーザ光などの光線をポリゴンミラー等の回転多面鏡により反射して走査光として感光ドラムに照射する。このレーザ光により感光ドラム上に形成された静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに貼り付けられた用紙に、そのトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することにより、用紙上にフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写ドラム上の用紙は定着器へ搬送される。定着器は、ローラーやベルト等を含み、ローラー内にハロゲンヒータなどの熱源を内蔵用紙ナー像が転写された用紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解して用紙に定着させる。
【0017】
インサータ108は、挿入用紙を挿入するための装置である。印刷装置107で印刷されて搬送された印刷済み用紙群に対して、任意の位置でインサータ108から用紙を挿入することができる。
【0018】
検品装置109は、搬送された印刷済み用紙の画像を読み取り、予め登録された基準画像と比較することで、印刷された画像に印刷欠陥があるか否かを判定するための装置である。
【0019】
大容量スタッカ110は、大容量の用紙を積載することが可能なスタッカである。
【0020】
フィニッシャ111は、搬送された印刷済み用紙に対してフィニッシング処理を加える装置である。ステイプルやパンチ、中綴じ製本などのフィニッシングを行うことが可能で、排紙トレイに排紙する。
【0021】
図1で説明した印刷システムは、画像形成装置101に外部コントローラ102が接続された構成であるが、本発明は外部コントローラ102の接続された構成に限定されない。すなわち、画像形成装置101を外部LAN104に接続し、クライアントPC103から、画像形成装置101が処理可能な印刷データを送信する構成でもよい。この場合、画像形成装置101において、データ解析やラスタライズ処理が行われ、印刷処理が実行される。
【0022】
図2は、画像形成装置101、外部コントローラ102、及びクライアントPC103のシステム構成を表すブロック図である。
【0023】
まず画像形成装置101の印刷装置107の構成について説明する。画像形成装置101の印刷装置107は、通信I/F217、LANI/F218、ビデオI/F220、HDD221、CPU222、メモリ223、操作部224、ディスプレイ225で構成される。さらに画像形成装置101の印刷装置107は、原稿露光部226、レーザ露光部227、作像部228、定着部229、給紙部230を備える。それぞれの構成要素はシステムバス231を介して接続される。
【0024】
通信I/F217は、通信ケーブル254を介してインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、及びフィニッシャ111と接続され、それぞれの装置の制御のための通信が行われる。LANI/F218は、内部LAN105を介して外部コントローラ102と接続され、印刷データなどの通信が行われる。ビデオI/F220は、ビデオケーブル106を介して外部コントローラ102と接続され、画像データなどの通信が行われる。
【0025】
HDD221は、プログラムやデータが保存された記憶装置である。CPU222は、HDD221に保存されたプログラム等に基づいて、画像処理制御や印刷の制御を包括的に行う。メモリ223は、CPU222が各種処理を行う際に必要となるプログラムや、画像データが記憶され、ワークエリアとして動作する。
【0026】
操作部224は、ユーザからの各種設定の入力や操作の指示を受け付ける。ディスプレイ225には、画像処理装置の設定情報や印刷ジョブの処理状況などが表示される。
【0027】
原稿露光部226は、コピー機能やスキャン機能を使用する際に原稿を読み込む処理を行う。ユーザにより設置された用紙に対して露光ランプを照らしながらCCDカメラで画像を撮影することで原稿データを読み込む。
【0028】
レーザ露光部227は、トナー像を転写するために感光ドラムにレーザ光を照射するための一次帯電や、レーザ露光を行う装置である。レーザ露光部227においては、まず感光ドラム表面を均一なマイナス電位に帯電させる一次帯電が行われる。次にレーザードライバーによってレーザ光を、ポリゴンミラーで反射角度を調節しながら感光ドラムに照射する。これにより照射した部分のマイナス電荷が中和され、静電潜像が形成される。
【0029】
作像部228は、用紙に対してトナーを転写するための装置であり、現像ユニット、転写ユニット、トナー補給部等により構成され、感光ドラム上のトナーを用紙に転写する。現像ユニットにおいては、現像シリンダーからマイナスに帯電したトナーを感光ドラム表面の静電潜像に付着させ、可視像化する。転写ユニットにおいては、一次転写ローラーにプラス電位を印加し、感光ドラム表面のトナーを転写ベルトに転写する一次転写、二次転写外ローラーにプラス電位を印加し、転写ベルト上のトナーを用紙に転写する二次転写が行われる。
【0030】
定着部229は、用紙上のトナーを熱と圧力で用紙に溶解固着するための装置であり、加熱ヒーター、定着ベルト、加圧ベルト等で構成される。
【0031】
給紙搬送部230は、用紙を給紙するための装置であり、ローラーや各種センサーにより用紙の給紙動作、搬送動作が制御される。
【0032】
次に画像形成装置101のインサータ108の構成について説明する。画像形成装置101のインサータ108は、通信I/F232、CPU233、メモリ234、給紙制御部235で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス236を介して接続される。
【0033】
通信I/F232は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、制御に必要な通信が行われる。CPU233は、メモリ234に格納された制御プログラムに応じて、給紙に必要な各種制御を行う。メモリ234は、制御プログラムが保存された記憶装置である。給紙制御部225は、CPU218からの指示に基づき、ローラーとセンサーを制御しながら、インサータの給紙部や印刷装置107から搬送された用紙の給紙、搬送を制御する。
【0034】
次に画像形成装置101の検品装置109の構成について説明する。画像形成装置101の検品装置109は、通信I/F237、CPU238、メモリ239、撮影部240、表示部241、操作部242で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス243を介して接続される。
【0035】
通信I/F238は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、制御に必要な通信が行われる。CPU238は、メモリ239に格納された制御プログラムに応じて、検品に必要な各種制御を行う。メモリ239は、制御プログラムが保存された記憶装置である。撮影部240は、CPU238の指示に基づき、搬送された用紙を撮影する。CPU238は、撮影部240によって撮影された画像と、メモリ239に保存された基準画像と比較し、印刷された画像に印刷欠陥があるか否かを判定する。表示部241は、検品結果や設定画面などが表示される。操作部242は、ユーザによって操作され、検品装置109の設定変更や基準画像の登録などの指示を受け付ける。
【0036】
次に画像形成装置101の大容量スタッカ110の構成について説明する。画像形成装置101の大容量スタッカ110は、通信I/F244、CPU245、メモリ246、排紙制御部247で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス248を介して接続される。
【0037】
通信I/F244は通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、制御に必要な通信が行われる。CPU245は、メモリ246に格納された制御プログラムに応じて、排紙に必要な各種制御を行う。メモリ239は、制御プログラムが保存された記憶装置である。排紙制御部247は、CPU245からの指示に基づき、搬送された用紙をスタックトレイ、エスケープトレイ、または後続のフィニッシャ111に搬送する制御を行う。
【0038】
次に画像形成装置101のフィニッシャ111の構成について説明する。画像形成装置101のフィニッシャ111は、通信I/F249、CPU250、メモリ251、排紙制御部252、フィニッシング処理部253で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス254を介して接続される。
【0039】
通信I/F249は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、制御に必要な通信が行われる。CPU250は、メモリ251に格納された制御プログラムに応じて、フィニッシングや排紙に必要な各種制御を行う。メモリ251は、制御プログラムが保存された記憶装置である。排紙制御部252は、CPU251からの指示に基づき、用紙の搬送、排紙を制御する。
【0040】
フィニッシング処理部253は、CPU251からの指示に基づき、ステイプルやパンチ、中綴じ製本等のフィニッシング処理を制御する。
【0041】
次に外部コントローラ102の構成について説明する。外部コントローラ102は、CPU208、メモリ209、HDD210、キーボード211、ディスプレイ212、LANI/F213,LANI/F214、ビデオI/F215で構成された情報処理装置であり、システムバス216を通して接続されている。CPU208は、HDD210に保存されたプログラムやデータに基づいてクライアントPC103からの印刷データの受信、RIP処理、画像形成装置101への印刷データの送信などの処理を包括的に実行する。メモリ209は、CPU208が各種処理を行う際に必要なプログラムやデータが記憶され、ワークエリアとして動作する。HDD230には、印刷処理などの動作に必要なプログラムやデータが記憶される。キーボード211は、外部コントローラ102の操作指示を入力するための装置である。ディスプレイ212には、外部コントローラ102の実行アプリケーション等の情報を静止画や動画の映像信号により表示される。LANI/F213は、外部LAN104を介してクライアントPC103と接続され、印刷指示などの通信が行われる。LANI/F214は、内部LAN105を介して画像形成装置101と接続され、印刷指示などの通信が行われる。ビデオI/F215は、ビデオケーブル106を介して画像形成装置101と接続され、印刷データなどの通信が行われる。
【0042】
次にクライアントPC103の構成について説明する。クライアントPC103は、CPU201、メモリ202、HDD203、キーボード204、ディスプレイ205、LANI/F206で構成され、システムバス207を介して接続されている。CPU201は、HDD203に保存された文書処理プログラム等に基づいて印刷データの作成や印刷指示を実行する。またCPU201は、システムバスに接続される各デバイスを包括的に制御する。メモリ202は、CPU201が各種処理を行う際に必要となるプログラムやデータが記憶され、ワークエリアとして動作する。HDD203には、印刷処理などの動作に必要なプログラムやデータが記憶される。キーボード204はPC103の操作指示を入力するための装置である。ディスプレイ205には、クライアントPC103の実行アプリケーション等の情報が静止画や動画の映像信号により表示される。LANI/F206は、外部LAN104と接続されており、印刷指示などの通信が行われる。
【0043】
以上の説明において、外部コントローラ102と画像形成装置101は内部LAN1905とビデオケーブル106が接続されているが、印刷に必要なデータの送受信が行える構成であればよく、例えば、ビデオケーブルのみの接続構成でもよい。また、メモリ202、メモリ209、メモリ223、メモリ234、メモリ239、メモリ249、メモリ251はそれぞれ、データやプログラムを保持するための記憶装置であればよい。たとえば、揮発性のRAM、不揮発性のROM、内蔵HDD、外付けHDD、USBメモリなどで代替した構成でもよい。
【0044】
図3は画像形成装置101のメカ断面図である。印刷装置107は、電子写真方式で用紙に印刷する画像を形成する。給紙デッキ301、302には、各種用紙を収容しておくことが可能である。各給紙デッキは、収容された用紙の最上位の用紙1枚のみを分離し、用紙搬送パス303へ搬送することが可能である。
【0045】
現像ステーション304~307は、カラー画像を形成するために、それぞれY、M、C、Kの有色トナーを用いてトナー像を形成する。ここで形成されたトナー像は中間転写ベルト308に一次転写され、中間転写ベルト308は図を時計回りに回転し、二次転写位置309で用紙搬送パス303から搬送されてきた用紙へとトナー像が転写される。
【0046】
表示装置225は、画像形成装置101の印刷状況や設定のための情報を表示する。
【0047】
定着ユニット311は、加圧ローラーと加熱ローラーを備え、各ローラーの間を用紙が通過することにより、トナーを溶融・圧着することで用紙にトナー像を定着させる。定着ユニット311を抜けた用紙は用紙搬送パス312を通って315へと搬送される。用紙の種類によって定着のためにさらに溶融・圧着が必要な場合は、定着ユニット311を通過した後、上の用紙搬送パス312を使って第二定着ユニット313へと搬送され、追加の溶融・圧着が施された後、用紙搬送パス314を通って315へと搬送される。画像形成モードが両面の場合は、用紙反転パス316へと用紙を搬送して反転した後、両面搬送パス317へと用紙が搬送され、二次転写位置309で2面目の画像転写が行われる。
【0048】
インサータ108は、インサータトレイ321を備え、用紙搬送パス322を通じて給紙された用紙を搬送パスへ合流させる。これにより、印刷装置107から搬送される一連の用紙群に、任意の位置で用紙を挿入させて後続装置へ搬送させることが可能となる。
【0049】
インサータ108を通過した用紙は検品装置109へ搬送される。検品装置109内にはカメラ331、332が対向する形で配置される。カメラ331は用紙の上面を、カメラ332は用紙の下面を読み取るためのカメラである。検品装置109は、用紙搬送パス333に搬送された用紙が所定に位置に到達したタイミングで、カメラ331、332を用いて用紙の画像を読み取り、用紙に形成された画像が所定の基準画像と比較して正常であるかを判定することができる。表示装置241には検品装置109によって行われた検品結果などが表示される。
【0050】
大容量スタッカ110は、用紙を積載するトレイとして、スタックトレイ341を有する。検品装置109を通過した用紙は用紙搬送パス344を通して大容量スタッカ110に入力されてくる。用紙は用紙搬送パス344から用紙搬送パス345を経由して、スタックトレイ341に積載される。さらにスタッカ340は、排紙トレイとしてエスケープトレイ346を有する。エスケープトレイ346は、検品装置109によって印刷欠陥のある印刷済みの用紙で、不良品と判定された用紙を排出するために使用される排紙トレイである。エスケープトレイ346に出力する場合は、用紙搬送パス344から用紙搬送パス347を経由してエスケープトレイ346へ用紙が搬送される。なお大容量スタッカ110の後段の後処理装置へ用紙を搬送する場合には、用紙搬送パス348を経由して用紙が搬送される。
【0051】
反転部349は搬送されてきた用紙を反転してスタックトレイ341に積載する場合に使用される。入力された用紙の向きと出力時点での用紙の向きが同一となるように、スタックトレイ341に積載する場合には反転部349で一度用紙を反転させる。エスケープトレイ346や、後続の後処理装置へ搬送する場合は、積載時にフリップせずにそのまま用紙を排出するため、反転部349での反転動作は行わない。
【0052】
フィニッシャ111は、ユーザに指定された機能に応じ、搬送された用紙に対してフィニッシング処理を加える。フィニッシャ111では、具体的にはステイプル(1個所・2箇所綴じ)やパンチ(2穴・3穴)や中とじ製本等のフィニッシング機能を有する。フィニッシャ111は、2つの排紙トレイ351、352を備え、用紙搬送パス353を経由して排紙トレイ351に出力される。ただし用紙搬送パス353ではステイプル等のフィニッシング処理を行うことはできない。ステイプル等のフィニッシング処理を行う場合は、用紙搬送パス354を経由して処理部355でユーザに指定されたフィニッシング機能が実行され、排紙トレイ352へ出力される。
【0053】
排紙トレイ351、352は、それぞれ昇降することが可能であり、排紙トレイ351を下降させ、処理部355でフィニッシング処理した用紙を排紙トレイ351へ積載するように動作することも可能である。中とじ製本が指定された場合には中とじ処理部356で、用紙中央にステイプル処理をした後、用紙を二つ折りにして用紙搬送パス357を経由して中とじ製本トレイ358へ出力される。中とじ製本トレイ358はベルトコンベア構成になっており、中とじ製本トレイ358上に積載された中とじ製本束は左側へ搬送される構成となっている。
【0054】
図4~
図16は、検品装置109の表示画面の一例であり、検品装置109のCPU238の指示に基づき表示される。検品装置109は予め設定された検査項目に従い、送られてきた用紙画像を検査する。用紙画像の検査は予め設定された基準画像と送られてきた用紙画像とを比較して行われる。画像の比較方法には、画像位置ごとの画素値を比較する方法や、エッジ検出による物体の位置の比較、OCR(Optical Character Recognition)による文字データの抽出などによる方法がある。検査項目には、印刷位置のずれ、画像の色合い、画像の濃度、スジやカスレ、印刷抜けなどがある。
【0055】
図4は、検品装置109の起動時に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。
【0056】
表示部401には、基準画像が登録されていないので検品を開始するには基準画像の登録が必要である旨が表示されている。表示部402には、登録済みの基準画像が表示されるが、
図4に示す例では基準画像が未登録のため、未登録である旨が表示されている。基準画像が登録されている場合の表示に関しては後述する。
【0057】
ボタン403は、基準画像の登録画面を呼び出すためのボタンである。基準画像は、検品装置109で読み取る画像と比較対象とする画像であり、人による目視や検品装置109により印刷欠陥が確認されなかった印刷物を予め読み取った画像が基準画像として使用される。
【0058】
ボタン404は、検品の設定画面を呼び出すためのボタンである。ユーザの検品目的に応じて検品の項目や検品の精度(基準画像との差異がどの程度で欠陥画像と判定するか)を設定する。
【0059】
ボタン405は、検品結果の確認画面を呼び出すためのボタンである。過去の検品内容や検品結果を確認することができる。
【0060】
ボタン406は、検品の開始を指示するためのボタンである。検品を開始すると、検品装置109は、送られてきた印刷物の検査を開始する。
【0061】
図5は、基準画像を登録する際に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。
図5に示す画面は、
図4のボタン403が選択された際に表示される。
【0062】
ボックス501は、検品を行う印刷ジョブの1部あたりの用紙枚数を設定するための設定部である。検品装置109には、1部あたり2枚以上の用紙に印刷する印刷ジョブである場合には、複数枚の画像を基準画像として登録することができる。
【0063】
リスト502は、検品を行う面を設定するための設定部である。検品装置109が行う検品を両面にするか、表面のみにするか、裏目のみにするかを設定することができる。なお、印刷は片面の場合であっても、印刷されない面にゴミがついていないことを検査するために、両面の検査を行うよう設定することもできる。
【0064】
ボタン503は基準画像の登録を指示するためのボタンである。ボタン503を押下した後に、検品装置109は流れてきた印刷物の画像を読み取り、基準画像として登録する。
【0065】
図6は、基準画像の読み取り中に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。
図6は、
図5に示すボタン503を押下した際に表示される。印刷物の読み込み開始から、ボックス501で設定された枚数の読み取りが完了するまではこの画面が表示される。
【0066】
ボタン601は基準画像の読み取り中止を指示するためのボタンである。ボタン601が押下された場合には、基準画像の登録を行わずに
図4の表示画面に戻る。
【0067】
図7は、基準画像の読み取りが完了した後に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。表示部701には検品装置109で読み取った印刷物の画像が表示され、複数枚ある場合にはボタン702で表示する画像を切り替え、表と裏の両面の検品を行う場合にはボタン703で表裏を切り替えることができる。ボタン704は、検品スキップエリアの設定を指示するためのボタンである。ここでは、バリアブル印刷(VDP、Variable Data Printing)などの、1部ごとに特定エリアの印刷内容を変える印刷の場合などのために、検品を行わないエリアを設定することができる。部ごとに異なるIDを印刷する場合、住所や名前のみを部ごとに変えるような場合がある。ボタン705は、表示部701の読み取り画像の確認後に、基準画像の登録を指示するためのボタンである。ボタン701が押下された場合には、検品装置109は基準画像の登録を行い、
図4の表示画面に戻る。ボタン706は、読み取りをキャンセルする場合のボタンである。ボタン706が押下された場合には、検品装置109は基準画像の登録を行わずに、
図4の表示画面に戻る。
【0068】
図8は、ボタン704が押下された際に表示される検品スキップエリアの設定画面の一例である。エリア801は、検品スキップエリアを示すための領域である。ボタン802の位置操作部でエリア801の位置を変更することや、ボタン803の大きさ変更部でエリア801の大きさを変更することができる。ボタン804は、検品スキップエリアの設定を登録するためのボタンである。ボタン804が押下された場合には検品装置109は検品スキップエリアを登録し、
図7の表示画面に戻る。ボタン805は、検品スキップエリアを登録し、さらに別の検品スキップエリアを登録するためのボタンである。このように本実施形態の検品装置109には、複数の検品スキップエリアを登録することができる。ボタン806は、検品スキップエリアの設定をキャンセルさせる為のボタンである。ボタン806が押下された場合には検品装置109は検品スキップエリアを登録せずに
図7の表示画面に戻る。
【0069】
図9は、続けて次の基準画像の登録の有無を問うポップアップ表示の一例である。ポップアップ901は、基準画像を登録するためのボタン705もしくはボタン804を押下された場合に表示される。
図9は、
図8に示す登録ボタン804が押下された場合の例である。ボタン902が押下された場合は、
図5の基準画像の登録画面に遷移し、次の基準画像の登録を行う。また、ボタン902が押下された場合は基準画像の登録作業が終了し、
図4の表示画面へと遷移する。
【0070】
図10は、複数の基準画像を登録した際に検品装置109の表示部241に表示されるホーム画面の一例を示している。テキスト1001は、複数登録された基準画像から検品に使用する画像の選択を促すメッセージである。表示部1002には検品装置109に登録された複数の基準画像が表示される。スクロールボタン1003、1004は、画面外の基準画像を選択するために、画面を左右にスクロールするボタンである。選択ボックス1005~1007は、その下に表示された基準画像に対応し、検品に使用する基準画像であるかをチェックマークの有無で示す。ユーザによって表示部241から検品に用いる画像が選択されると、選択ボックス1005~1007にはチェックマークが表示される。
図10に示す例では、選択ボックス1005は対応する基準画像が検品に使用されることを示している。基準画像の選択後、検品開始ボタン406が押下されると選択された検品画像を使用した検品を開始する。
【0071】
図11は、検品の設定を行う際に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。
図11の表示画面は、
図4に示す検品設定ボタン404が押下された際に表示される。ボックス1101は、検品レベルを設定するための設定部である。ここでは検品の精度を変更することができる。検品装置109は、検品精度のレベルが高いほど、基準画像と読み取り画像のわずかな違いでも欠陥画像と判定する。リスト1102は、検品種別を設定するための設定部である。ユーザの検品目的に応じて検品の項目を設定することが可能である。
図11の例では、位置、色合い、スジ、抜けは検品の対象とするが、濃度は検品の対象外とすることを示す。ボタン1103は、ボックス1101で設定した検品レベル、リスト1102で設定した検品種別を確定するためのボタンである。このボタンが押下された場合には、検品設定が完了し、
図4の表示画面へと遷移する。
【0072】
図12は、検品結果を表示する際に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。
図12の表示画面は、
図4に示す検品結果確認ボタン405が押下された際に表示される。表示部1201には、検品を行ったジョブ全体の属性や、検品結果が表示される。ボタン1202は、検品結果を表示するジョブを選択するための操作部である。
図12の例では履歴が保存されている3つのジョブのうち、1つ目のジョブの検品結果が表示されている。1202の左右のボタンを操作することによって、表示するジョブを切り替えることができる。1203は検品結果の確認が完了したことを指示するボタンである。ボタン1203が押下された場合には、
図4の表示画面に戻る。
【0073】
図13は、検品開始後に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例である。
図13の表示画面は、
図4に示す検品開始ボタン406が押下された際に表示される。表示部1301には、検品装置109が最後に読み取った印刷物の画像が表示される。表示部1302には、1301の読み取り画像と基準画像を比較した判定結果が表示される。
図13の例では、正常画像(印刷欠陥無し)と判定されたため、「OK」と表示されている。ボタン1303は、検品の終了を指示するためのボタンである。ボタン1303が押下された場合には、検品装置109は検品処理を終了し、
図4の表示画面に戻る。ボタン1304は、ジョブ全体の検品結果の確認画面の表示を指示するためのボタンである。ボタン1304が押下された場合には、
図12に示すような検品結果が表示される。
【0074】
図14は、最後に読み取った画像が欠陥画像と判定された場合の画面の一例である。表示部1401の読み取り画像と基準画像を比較した結果、欠陥画像と判定されたため、表示部1402には「NG」の表示および、欠陥画像と判定した要因や位置が表示されている。
図14の例では、スジ1403が検出されたため、この検出結果に基づき欠陥画像と判定されたことが示されている。
【0075】
図15は、外部コントローラ102のディスプレイ212に表示される、検品処理を実行する検品ジョブの選択画面である。リスト1501は、クライアントPC103から受信した検品ジョブの一覧を示している。リスト1501では、クライアントPC103から4つのジョブを受信している状態を表しており、検品処理を実行するジョブとして「請求書」が選択されている状態を示している。検品処理を実行するジョブを選択した上で、1502のボタンを押すことで、
図16の検品ジョブの設定画面へ遷移する。
【0076】
図16は、外部コントローラ102のディスプレイ212に表示される検品ジョブの設定画面の一例であり、画面1501で選択された検品ジョブに対する設定部である。ボックス1601は、印刷ジョブの連続して印刷する部数を設定する設定部である。
図16の例では、1000部の印刷ジョブを印刷する設定がされている。ボタン1602は、検品ジョブを1部だけ印刷することを指示するボタンである。
図5に示すボタン505で検品装置109に基準画像の登録開始を指示した後に、ボタン1602で外部コントローラ102に検品ジョブを1部印刷指示すると、印刷装置107による印刷処理および検品装置109による基準画像の読み込みが行われる。ボックス1603は、検品ジョブの排紙先を設定する設定部である。ここでは、排紙先として大容量スタッカが設定され、検品で欠陥画像と判定された場合に排紙する排紙先としてエスケープトレイが設定されている。ボタン1604は、既に印刷済みの印刷物を基準画像としてインサータから給紙することを指示するボタンである。印刷と基準画像の登録を同時に行うのではなく、ユーザの目視により正常画像と判定した後で基準画像を読み取る際に使用する。ボタン1604を使用する際には、ユーザは基準画像として登録する印刷物を予めインサータ108のトレイ321に置くことで、検品装置109へ搬送することができる。ここでは、印刷装置107の給紙部230から給紙しても良いが、給紙部230から給紙すると、定着機ユニット311や第二定着機ユニット313を通り加圧や加熱をされるために、印刷物の画像が変形してしまう場合がある。そのために、印刷済みの印刷物を基準画像として登録する場合には、定着機を通らないようインサータ108から給紙を行うことが望ましい。ボタン1605は、検品ジョブの印刷開始を指示するためのボタンである。ボタン1605で印刷開始が指示されると、外部コントローラ102は
図16に示す設定画面で設定された内容に基づき、検品ジョブを印刷装置107に投入する。
図4に示す検品開始ボタン406で検品装置109に検品開始を指示した後に、ボタン1605で外部コントローラ102に検品ジョブの印刷開始を指示する。すると、外部コントローラ102は、印刷装置107に印刷ジョブを投入し、印刷された印刷物の検品装置109への搬送を指示する。検品装置109は、印刷用紙が搬送されたら印刷物の画像を読み込み、検品処理が行われる。
【0077】
図17は、基準画像を登録する際に外部コントローラ102が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図17の処理は、外部コントローラ102のCPU208が実行する。
【0078】
S1701で、外部コントローラ102は、印刷ジョブの1部の印刷指示を受信したか否かを判定する。
図16に示す1部印刷のためのボタン1602が押下された場合と対応する。1部印刷の指示を受信していない場合は、S1703に進む。
【0079】
S1702で、外部コントローラ102は、印刷装置107に対して1部を印刷するための印刷データを投入し、印刷の実行を指示する。
【0080】
S1703で、外部コントローラ102は、インサータからの給紙指示を受信したかを判定する。インサータからの給紙指示の受信は、
図16に示す基準画像をインサータから給紙するためのボタン1604が押下された場合と対応する。インサータからの給紙指示を受信した場合は、S1704に進み、インサータからの給紙指示を受信していない場合には、S1701に戻る。
【0081】
S1704で、外部コントローラ102は、印刷装置107に対して1部あたりの用紙枚数をインサータから給紙する指示を行う。
【0082】
図18は、基準画像を登録する際に印刷装置107が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図18の処理は、印刷装置107のCPU222が実行する。
【0083】
S1801で、印刷装置107は、外部コントローラ102の印刷指示を受信するのを待つ。印刷指示の受信は、
図17に示すS1702、S1704で外部コントローラ102が印刷装置107に対して印刷指示した場合と対応する。外部コントローラ102からの印刷指示を受信した場合には、S1802に進む。
【0084】
S1802で、印刷装置107は、外部コントローラ102から受信した印刷ジョブに基づき印刷する。外部コントローラ102から受信する印刷ジョブには、画像データの他に、給紙先や排紙先の情報も含まれる。印刷装置107は、外部コントローラ102から受信した印刷ジョブの内容に応じて、通信ケーブル254を介してインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、フィニッシャ111を制御する。
【0085】
図19は、基準画像を登録する際に検品装置109が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図19の処理は、検品装置109のCPU238が実行する。
【0086】
S1901で、検品装置109は、印刷設定を取得する。S1901で取得する設定値には、
図5に示す設定画面で設定された1部あたりの用紙枚数や検品を行う面などが含まれる。
【0087】
S1902で、検品装置109は、検品装置109に印刷済みの用紙(印刷物)が搬送されるのを待つ。検品装置109は、印刷物が搬送されるとS1903に進む。
【0088】
S1903で、検品装置109は、搬送された印刷物に形成された画像をカメラ231およびカメラ232を使用して読み取り、検品装置109のメモリ239に保存する。ここで保存した画像は、
図7に示す表示部701に表示される。
【0089】
次にS1904で、検品装置109は、S1901で取得した印刷物の用紙枚数分の画像を読み取ったかを判定する。検品対象の印刷物の画像を読み取り終えた場合は処理を終了する。
【0090】
S1905で、検品装置109は、検品対象の印刷物の画像をメモリ239に保存し、終了する。
【0091】
図20は、検品処理を行う際に外部コントローラ102が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図20の処理は、外部コントローラ102のCPU208が実行する。
【0092】
S2001で、外部コントローラ102は、ユーザから印刷指示を受信すると、印刷ジョブの連続して印刷する部数の設定を取得する。印刷指示の受信は、
図16に示す印刷開始ボタン1605が押下された場合と対応する。なお、複数種類の印刷ジョブ実行の指示を受信した場合、外部コントローラ102は、印刷ジョブ毎に部数の設定を取得する。
【0093】
S2002で、外部コントローラ102は、受信した印刷ジョブに基づき印刷装置107に検品対象の印刷ジョブの印刷を指示する。
【0094】
S2003で、外部コントローラ102は、印刷ジョブごとに設定された部数分の印刷指示を完了したかを判定する。設定された部数分の印刷指示が完了していない場合は、S2002に戻り、設定された部数分の印刷指示が完了した場合は、S2005に進む。
【0095】
S2004で、まだ実行していない印刷ジョブがメモリ209に存在する場合、S2003に戻り、外部コントローラ102は、次に実行する検品対象の印刷ジョブに切り替えて用紙の印刷指示を行う。実行する印刷ジョブが存在しない場合、外部コントローラ102は処理を終了する。
【0096】
図21は、検品処理を行う際に印刷装置107が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図21の処理は、印刷装置107のCPU222が実行する。
【0097】
S2101で、印刷装置107は、外部コントローラ102の印刷指示を受信するのを待つ。
図20に示すS2002で外部コントローラ102が印刷装置107に対して印刷指示を送信し、印刷装置107が外部コントローラ102からの印刷指示を受信した場合には、S2102に進む。
【0098】
S2102で、印刷装置107は、外部コントローラ102から受信した印刷ジョブのうちの未印刷データについて用紙1枚分の印刷を行い、搬送パスに印刷物を1枚出力してS2103に進む。
【0099】
S2103で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果が受信できたか確認する。受信できた場合には、S2104に進み、受信できなかった場合には、S2106に進む。
【0100】
S2104で、印刷装置107は、S2103で検品装置109から受信した検品結果が1枚目の印刷物となる先頭紙に対するものかを確認する。先頭紙に対する検品結果である場合にはS2105に進み、先頭紙に対する検品結果でなかった場合にはS2106に進む。なお、各印刷ジョブにおける先頭紙とは、1部のみを印刷する印刷ジョブ、複数部を印刷する印刷ジョブのいずれであっても、1部目の1枚目の印刷物を指す。
【0101】
S2105で、印刷装置107は、受信した先頭紙に対する検品結果を判定する。検品結果がOK(印刷欠陥無し)の場合にはS2106に進み、検品結果がNG(印刷欠陥有り)の場合にはS2107に進む。
【0102】
S2106で、印刷装置107は、印刷ジョブに未印刷データがあるかを確認する。未印刷データがある場合には、S2102に戻って残りの未印刷データについて用紙1枚分を印刷する。未印刷データがない場合には、S2101に戻り、外部コントローラ102からの次の印刷指示を待つ。
【0103】
S2107で、印刷装置107は、S2105において、検品装置109からの検品結果がNGであったため、残りの未印刷データについての印刷を中断し、S2101に戻り、外部コントローラ102からの次の印刷指示を待つ。
【0104】
図22は、検品処理を行う際に検品装置109が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図22の処理は、検品装置109のCPU238が実行する。
【0105】
S2201で、検品装置109は、検品終了指示を受信したかを判定する。検品終了指示は、
図13に示す検品終了ボタン1303のを押下された場合に対応する。検品終了指示を受信した場合は、検品装置109の処理を終了する。検品終了指示を受信していない場合は、S2202に進む。
【0106】
S2202で、検品装置109は、検品装置109に用紙が搬送されたかを判定する。用紙が搬送されない場合はS2201に進み、S2202で用紙が搬送された場合はS2203に進む。
【0107】
S2203で、検品装置109は、印刷済み用紙の画像をカメラ231およびカメラ232を使用して読み取り、検品装置109のメモリ239に保存する。ここで保存した検品対象画像は、
図13の表示部1301に表示される。次にS2204へ進む。
【0108】
S2204で、検品装置109は、S2203で読み取った画像と基準画像との比較を行う。基準画像は、
図4に示す基準画像の登録ボタン403を押下して検品装置109に対して登録された設定に基づく。S2204で比較する項目は、
図11に示すボックス1101で設定された検品レベルやリスト1102で設定された検品種別に基づく。
【0109】
S2205に進み、検品装置109は、S2204の基準画像と検品対象画像との比較の結果、検品対象画像が正常画像(良品)と欠陥画像(不良品)とのどちらであるかを判定する。正常画像(良品)と判定された場合には、S2206に進み、欠陥画像(不良品)と判定された場合には、S2209に進む。
【0110】
S2206で、検品装置109は、印刷装置107に検品結果OK、すなわち検品対象画像に印刷欠陥の無いことを通知する。
【0111】
S2207で、検品装置109は、検品装置109の表示部241に検品結果がOKであることを表示する。
図13はS2207で表示される画面の一例である。
【0112】
S2208で、検品装置109は、印刷装置107に対して、印刷物を大容量スタッカ110のスタックトレイ341に排紙するよう指示する。ここで排紙される排紙先は、
図16に示すボックス1603で設定された排紙先に基づく。印刷装置107が検品装置109の指示に基づき、大容量スタッカ110に対してスタックトレイ341に排紙するよう指示すると、検品装置109は、S2201に戻って処理を継続する。
【0113】
S2205で欠陥画像(不良品)と判定された場合、S2209に進み、検品装置109は、印刷装置107に検品結果NG、すなわち検品対象画像に印刷欠陥が有ることを通知する。
【0114】
S2210で、検品装置109は、検品装置109の表示部241に検品結果がNGであることを表示する。
図14はS2210で表示される画面の一例である。
【0115】
S2211で、検品装置109は、印刷装置107に対して、印刷物を大容量スタッカ110のエスケープトレイ346に排紙するよう指示する。ここで排紙される排紙先は、
図16に示すボックス1603で設定された検品NG時の排紙先に基づく。印刷装置107が検品装置109に指示に基づき、大容量スタッカ110に対してエスケープトレイ346に排紙すると、検品装置109は、S2201に戻って処理を継続する。
【0116】
以上に説明した本実施形態では、基準画像と検品対象の印刷ジョブとが対応していなくても、先頭紙の検品結果の判定を行うことで直ちに印刷を中断することができる。そのため、不良品と判定される印刷物を無駄に生成しないため、検品の生産性を向上することが可能となる。
【0117】
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について説明する。
【0118】
図23は、検品処理を行う際に印刷装置107が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図23の処理は、印刷装置107のCPU222が実行する。
【0119】
S2301で、印刷装置107は、外部コントローラ102の印刷指示を受信するのを待つ。
図20に示すS2002で外部コントローラ102が印刷装置107に対して印刷指示を送信し、印刷装置107が外部コントローラ102からの印刷指示を受信した場合には、S2302に進む。
【0120】
S2302で、印刷装置107は、外部コントローラ102から受信した印刷ジョブごとの未印刷データについて用紙1枚分の印刷を行い、搬送パスに印刷物を1枚出力してS2303に進む。
【0121】
S2303で、印刷装置107は、直近のS2302で印刷した印刷物が、印刷ジョブごとの印刷物において先頭紙であるかを確認する。先頭紙であった場合にはS2304に進み、先頭紙でなかった場合にはS2307に進む。
【0122】
S2304で、印刷装置107は、直近のS2302で印刷した印刷物が、印刷ジョブごとの印刷物において先頭紙であったため、すぐに後続の未印刷データの印刷を行わずに、検品装置109からの先頭紙の検品結果を受信するまで印刷を停止する。
【0123】
S2305で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果が受信できたか確認する。受信できなかった場合には、S2304に戻る。検品結果を受信した場合にはS2306に進む。
【0124】
S2306で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果を確認する。検品結果がOK(印刷欠陥無し)の場合にはS2307に進み、検品結果がNG(印刷欠陥有り)の場合にはS2308に進む。
【0125】
S2307で、印刷装置107は、印刷ジョブに未印刷データがあるかを確認する。未印刷データがない場合には、S2301に戻り、外部コントローラ102からの次の印刷指示を待つ。
【0126】
S2308で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果がNGであったため、残りの未印刷データの印刷を中断し、S2301に戻り、外部コントローラ102からの次の印刷指示を待つ。
【0127】
以上に説明した本実施形態では、基準画像と検品対象の印刷ジョブとが対応していなくても、不良品となる印刷物は、印刷ジョブの先頭紙のみに限定することができる。そのため、不良品と判定される印刷物を無駄に生成しないため、検品の生産性を向上することが可能となる。
【0128】
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について説明する。
【0129】
図24は、検品処理を行う際に印刷装置107が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図24の処理は、印刷装置107のCPU222が実行する。
【0130】
S2401で、印刷装置107は、外部コントローラ102の印刷指示を受信するのを待つ。
図20に示すS2002で外部コントローラ102が印刷装置107に対して印刷指示を送信し、印刷装置107が外部コントローラ102からの印刷指示を受信した場合には、S2402に進む。
【0131】
S2402で、印刷装置107は、外部コントローラ102から受信した印刷ジョブのうちの未印刷データについて用紙1枚分の印刷を行い、搬送パスに印刷物を1枚出力してS2403に進む。
【0132】
S2403で、印刷装置107は、直近のS2402で印刷された印刷物が、印刷ジョブごとの印刷物において1部目の印刷物であるかを確認する。1部目であった場合にはS2404に進み、1部目でなかった場合にはS2407に進む。
【0133】
S2404で、印刷装置107は、直近S2402で印刷した印刷物が、印刷ジョブごとの印刷物において1部目であったため、すぐに後続の未印刷データの印刷を行わずに、検品装置109からの1部目に属する紙の検品結果を受信するまで、印刷を停止する。
【0134】
S2405で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果が受信できたか確認する。受信できなかった場合には、S2404、S2405の処理を継続する。検品結果を受信した場合にはS2406に進む。
【0135】
S2406で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果を確認する。良品だった場合にはS2407に進み、NGの場合にはS2408に進む。
【0136】
S2407で、印刷装置107は、印刷ジョブに未印刷データがあるかを確認する。未印刷データがない場合には、S2401に戻り、外部コントローラ102からの次の印刷指示を待つ。
【0137】
S2408で、印刷装置107は、検品装置109からの検品結果がNGであったため、残りの未印刷データの印刷を中断し、S2401に戻り、外部コントローラ102からの次の印刷指示を待つ。
【0138】
以上に説明したように、基準画像と検品対象の印刷ジョブが異なっていても、不良品となる印刷用紙は、印刷ジョブの1部目のみに限定できる。その結果、不良品の印刷用紙を無駄に生成しないため、検品の生産性を向上することが可能となる。
【0139】
なお、本施形態では、一部あたりの枚数分の印刷処理については検品結果を確認するまで後続の印刷処理を開始しない制御を行うようにしたが、一部あたりの枚数以下の所定の枚数分の印刷処理について同様の制御を行うようにしてもよい。
【0140】
なお、実施形態1~3では、各印刷ジョブにおいて、1部あたりの枚数以下の印刷処理については検品結果を確認するまで後続の印刷処理を開始しない制御を印刷装置107で行う構成としたが、この制御を印刷装置107とは別の装置で行う構成としてもよい。例えば、印刷装置107および検品装置109に接続され、印刷装置107を制御可能な外部コントローラ102などの情報処理装置において所定枚数の印刷処理については検品結果を確認するまで後続の印刷処理を開始しない制御を行うようにしてもよい。
【0141】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0142】
画像形成装置 101
外部コントローラ 102
印刷装置 107
検品装置 109