(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186082
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
B67D 7/32 20100101AFI20221208BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20221208BHJP
H01R 13/74 20060101ALN20221208BHJP
【FI】
B67D7/32 E
H05K7/00 K
H01R13/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094125
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松永 侑己
【テーマコード(参考)】
3E083
4E352
【Fターム(参考)】
3E083AA01
3E083AD17
3E083AD26
4E352AA02
4E352AA16
4E352BB02
4E352BB10
4E352BB20
(57)【要約】
【課題】燃料供給装置における外部の電源の接続口へのコネクタの接続或いは接続口からのコネクタの取り外しの際の火花の発生を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る燃料供給装置100は、外部の非常用電源400から延びるケーブル402の先端のコネクタ404と接続される接続口152と、コネクタ404から接続口152を介して供給される電力により駆動され、被供給対象へ燃料を供給するポンプ112(モータ114)を含む電動機器と、接続口152と電動機器との間を電気的な接続状態或いは電気的な非接続状態に切り替える電源切替回路154と、電源切替回路154が接続口152と電動機器との間の電気的な接続状態にある場合に、接続口152に対するコネクタ404の接続、或いは、接続口152からのコネクタ404の取り外しを禁止する保護カバー158と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の電源から延びるケーブルの先端のコネクタと接続される接続口と、
前記コネクタから前記接続口を介して供給される電力により駆動され、被燃料供給体へ燃料を供給するポンプを含む電動機器と、
前記接続口と前記電動機器との間を電気的な接続状態、又は電気的な非接続状態に切り替える切替部と、
前記切替部が前記電気的な接続状態にある場合に、前記接続口に対する前記コネクタの接続、又は、前記接続口からの前記コネクタの取り外しを禁止する禁止部と、を備える、
燃料供給装置。
【請求項2】
前記切替部を前記電気的な接続状態と前記電気的な非接続状態との間で切り替えるための操作部を備え、
前記禁止部は、前記接続口が前記コネクタと接続不可能に、又は、前記コネクタを取り外し不可能に覆われる第1の状態と、前記接続口が前記コネクタと接続可能に、又は、前記コネクタを取り外し可能に開放される第2の状態との間で移動可能なカバー部材を含み、
前記カバー部材は、前記操作部が前記電気的な接続状態に相当する操作状態にある場合、前記第1の状態から前記第2の状態に移動不可能に構成される、
請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記第1の状態と前記第2の状態との間の移動の際に、前記電気的な非接続状態に相当する操作状態の前記操作部、及び前記接続口に接続された前記コネクタの前記ケーブルのそれぞれと当接しないように構成される切欠部を有する、
請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記操作部は、鉛直方向において、前記接続口よりも高い位置に設けられ、
前記カバー部材は、鉛直方向にスライドすることにより前記第1の状態と前記第2の状態との間で移動可能に構成される、
請求項2又は3に記載の燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、外部の電源(非常用電源)から延びるケーブルの先端のコネクタを接続可能な接続口が設けられ、接続口にコネクタを介して接続されるケーブルを通じて供給される駆動電力で稼働可能な燃料供給装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、燃料供給装置の電源の接続口にコネクタを接続したり、接続口からコネクタを取り外したりする際に放電による火花が発生する可能性がある。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、燃料供給装置における外部の電源の接続口へのコネクタの接続或いは接続口からのコネクタの取り外しの際の火花の発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
外部の電源から延びるケーブルの先端のコネクタと接続される接続口と、
前記コネクタから前記接続口を介して供給される電力により駆動され、被燃料供給体へ燃料を供給するポンプを含む電動機器と、
前記接続口と前記電動機器との間を電気的な接続状態、又は電気的な非接続状態に切り替える切替部と、
前記切替部が前記電気的な接続状態にある場合に、前記接続口に対する前記コネクタの接続、又は、前記接続口からの前記コネクタの取り外しを禁止する禁止部と、を備える、
燃料供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
上述の実施形態によれば、燃料供給装置における外部の電源の接続口へのコネクタの接続或いは接続口からのコネクタの取り外しの際の火花の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】燃料供給装置を含む燃料供給システムの構成の一例を示す図である。
【
図10】電源切替部の構成の例を他の例を示す図である。
【
図11】電源切替部の構成の例を他の例を示す図である。
【
図12】電源切替部の構成の例を他の例を示す図である。
【
図13】電源切替部の構成の例を他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0010】
[燃料供給システムの概要]
まず、
図1、
図2を参照して、本実施形態に係る燃料供給装置100の概要について説明する。
【0011】
図1は、燃料供給装置100を含む燃料供給システム1の構成の一例を示す図である。
図2は、燃料供給装置100の一例を示す外観図である。
【0012】
図1に示すように、燃料供給システム1は、燃料供給装置100と、貯蔵タンク200と、商用電源300と、非常用電源400とを含む。
【0013】
燃料供給装置100は、例えば、給油所に設置され、貯蔵タンク200の燃料をポンプ112で吸い上げ、燃料配管102、給油ホース104、及び給油ノズル106を通じて、燃料の被供給対象に燃料を供給する。燃料の被供給対象は、例えば、自動車、より具体的には、その燃料タンクである。燃料は、例えば、ガソリンや軽油等である。
【0014】
貯蔵タンク200は、燃料供給装置100を通じて被供給対象に供給される燃料を貯蔵する。例えば、貯蔵タンク200は、給油所の地下に設置される。また、例えば、
図2に示すように、燃料供給装置100を通じて被供給対象に供給可能な燃料の種類が複数ある場合、貯蔵タンク200は、その種類数に合わせて複数設けられる。
【0015】
尚、燃料供給装置100を通じて被供給対象に供給可能な燃料の種類は、一つであってもよい。
【0016】
商用電源300は、後述の燃料供給装置100の電源切替回路154を介して、燃料供給装置100の各種機器に駆動電力を供給する。
【0017】
非常用電源400は、商用電源300から燃料供給装置100への電力供給ができない非常時に、燃料供給装置100に電力供給を行う。商用電源300から燃料供給装置100への電力供給ができない非常時には、異常気象による水害や地震等によって停電が発生し、商用電源300からの電力供給が停止している場合が含まれる。非常用電源400は、例えば、移動式の発電機や蓄電池等である。
【0018】
非常用電源400は、その本体から延びるケーブル402と、ケーブル402の先端に設けられる差し込み型(雄型)のコネクタ404とを含む。非常用電源400は、コネクタ404が燃料供給装置100の接続口152に接続されることにより、後述の電源切替回路154を介して、燃料供給装置100の各種機器に駆動電力を供給することができる。
【0019】
図1、
図2に示すように、燃料供給装置100は、燃料配管102と、給油ホース104と、給油ノズル106と、ノズル掛け108と、ノズルスイッチ110と、ポンプ112と、モータ114と、流量計116とを含む。
【0020】
燃料配管102は、貯蔵タンク200から給油ホース104の基端部との間を接続する燃料供給経路である。燃料配管102は、燃料供給装置100の筐体100Hから延び出し、その一端が貯蔵タンク200に接続されると共に、その他端が筐体100Hの内部か給油ホース104の基端部に接続される。また、例えば、
図2に示すように、被供給対象に供給可能な燃料の種類が複数ある場合、燃料配管102は、その種類数に合わせて、複数設けられる。
【0021】
給油ホース104は、筐体100Hから延び出すように設けられる。例えば、
図2に示すように、給油ホース104は、筐体100Hの上部から下方に延び出すように設けられる。また、供給対象の燃料の種類が複数存在する場合、給油ホース104は、燃料配管102と同様、その種類数に合わせて、複数設けられる。
【0022】
給油ノズル106は、被供給対象への燃料供給の際に、その先端が被供給対象の給油口に挿入される。これにより、燃料供給装置100は、給油ノズル106のレバーに対するユーザの操作に応じて給油ノズル106に内蔵される主弁が開弁されると、燃料配管102、給油ホース104、及び給油ノズル106を通じて、被供給対象への燃料供給を行うことができる。また、例えば、
図2に示すように、被供給対象に供給可能な燃料の種類が複数ある場合、給油ノズル106は、燃料配管102及び給油ホース104と同様、その種類数に合わせて、複数設けられる。
【0023】
ノズル掛け108は、燃料供給装置100から被供給対象への燃料の供給が行われていない状態で、給油ノズル106が上から掛けられる形で、給油ノズル106を保持する。例えば、
図2に示すように、ノズル掛け108は、筐体100Hの前面において、ユーザが手に取りやすい高さに配置される。また、例えば、供給対象の燃料の種類が複数存在する場合、ノズル掛け108は、給油ノズル106と同様、その種類数に合わせて、複数設けられる。
【0024】
ノズルスイッチ110(電動機器の一例)は、ノズル掛け108に給油ノズル106が掛けられているか否かを検知する。ノズルスイッチ110により検知される、ノズル掛け108に給油ノズル106が掛けられているか否かを表す検知信号は、一対一の通信線や燃料供給装置100内のネットワーク等を通じて、制御部140に取り込まれる。ノズルスイッチ110は、商用電源300或いは非常用電源400から電源切替部150を通じて供給される電力で稼働する。
【0025】
ポンプ112(電動機器の一例)は、筐体100Hの内部の燃料配管102に設けられ、燃料配管102の一端側(貯蔵タンク200側)から燃料を吸い込み、燃料配管102の他端側(給油ホース104側)に吐出する。これにより、燃料供給装置100は、燃料配管102、給油ホース104、及び給油ノズル106を通じて、燃料を被供給対象に供給することができる。
【0026】
モータ114(電動機器の一例)は、制御部140の制御下で、ポンプ112を電気駆動する。モータ114は、商用電源300或いは非常用電源400から電源切替部150を通じて供給される電力で稼働する。
【0027】
流量計116(電動機器の一例)は、燃料配管102の燃料の流量を計測する。流量計116の計測結果に相当する信号は、一対一の通信線や燃料供給装置100内のネットワーク等を通じて、制御部140に取り込まれる。流量計116は、商用電源300或いは非常用電源400から電源切替部150を通じて供給される電力で稼働する。
【0028】
また、燃料供給装置100は、ユーザインタフェース部120と、表示部130と、制御部140と、電源切替部150と、電力系統160を含む。
【0029】
ユーザインタフェース部120(電動機器の一例)は、燃料供給装置100を利用するユーザに対してインタフェース機能を提供する。ユーザインタフェース部120は、商用電源300或いは非常用電源400から電源切替部150を通じて供給される電力で稼働する。例えば、
図2に示すように、ユーザインタフェース部120は、筐体100Hの前面において、ユーザの目線の高さに相対的に近い高さ位置に配置される。ユーザインタフェース部120は、入力部122と、表示部124とを含む。
【0030】
入力部122は、ユーザからの各種入力を受け付ける。入力部122により受け付けられるユーザからの入力内容に相当する信号は、制御部140に取り込まれる。これにより、制御部140は、ユーザからの各種入力(要求)に応じて、燃料供給装置100を制御することができる。
【0031】
入力部122は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付ける操作入力部を含む。操作入力部は、例えば、ボタン、レバー、トグル、タッチパネル等を含む。また、入力部122は、例えば、ユーザからの音声入力、ジェスチャ入力、生体入力等を受け付ける音声入力部、ジェスチャ入力部、生体入力部等を含んでもよい。生体入力部には、例えば、ユーザの指紋や虹彩等の情報を読み取る生体情報読み取り用の機器が含まれる。また、入力部122は、例えば、ユーザが所持する電子機器やカード等から各種データを読み取る電子情報読み取り用の機器が含まれる。電子情報読み取り用の機器には、QRコード(登録商標)リーダやNFC(Near Field Communication)リーダ等が含まれる。
【0032】
表示部124は、制御部140の制御下で、各種情報画像を表示しユーザに視覚的な情報を提供する。表示部124は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。
【0033】
表示部130(電動機器の一例)は、制御部140の制御下で、被供給対象への燃料供給の開始(給油開始)からの積算流量(給油量)を表示する。例えば、
図2に示すように、表示部130は、筐体100Hの前面において、ユーザインタフェース部120の上方に配置される。表示部130は、商用電源300或いは非常用電源400から電源切替部150を通じて供給される電力で稼働する。
【0034】
制御部140(電動機器の一例)は、燃料供給装置100に関する制御を行う。制御部140の機能は、任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。例えば、制御部140は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置、及び外部との間の入出力用のインタフェース装置等を含むコンピュータを中心に構成される。制御部140は、商用電源300或いは非常用電源400から電源切替部150を通じて供給される電力で稼働する。
【0035】
制御部140は、ポンプ制御部142と、流量演算部144とを含む。ポンプ制御部142及び流量演算部144の機能は、例えば、補助記憶装置にインストールされるプログラムをメモリ装置にロードしCPUで実行することにより実現される。
【0036】
ポンプ制御部142は、モータ114に制御信号を送信することにより、ポンプ112の駆動制御を行う。
【0037】
ポンプ制御部142は、例えば、給油ノズル106がノズル掛け108から外されて掛けられていないこと表す信号がノズルスイッチ110から受信されると、モータ114を通電させポンプ112を駆動させる。そして、ユーザが給油ノズル106の先端を被供給対象の給油口に挿入し、給油ノズル106のレバーを開弁方向に操作すると、ポンプ112の作用によって、燃料配管102、給油ホース104、及び給油ノズル106を通じて、被供給対象に燃料が供給される。
【0038】
流量演算部144は、給油ノズル106がノズル掛け108から外されると、流量計116から入力される信号に基づき、燃料供給開始(給油開始)からの積算流量(給油量)を逐次演算し表示部130に逐次変化させながら表示させる。これにより、ユーザは、表示部130の表示内容を通じて、給油開始からの給油量を把握することができる。
【0039】
電源切替部150は、商用電源300と非常用電源400との間で、燃料供給装置100の駆動電力の供給源(電源)を切り替える。例えば、
図2に示すように、電源切替部150は、ユーザから視認し易い態様で、筐体100Hの前面にその一部(具体的には、後述の蓋部150LD)が露出するように配置される。
【0040】
電源切替部150は、電力線151と、接続口152と、電力線153と、電源切替回路154とを含む。
【0041】
電力線151は、商用電源300からの電力が電源切替回路154に供給可能な態様で商用電源300と電源切替回路154との間を接続する。
【0042】
接続口152は、非常用電源400から延びるケーブル402の先端のコネクタ404を接続するために用いられる。
【0043】
尚、接続口152には、非常用電源400と異なる外部の電源から延びるケーブルの先端のコネクタが接続されてもよい。例えば、接続口152には、商用電源300から延びるケーブルの先端のコネクタが接続されてもよい。
【0044】
電力線153は、一端が接続口152に接続されると共に他端が電源切替回路154に接続される。これにより、電力線153は、接続口152にコネクタ404が接続される場合に、非常用電源400からの電力を電源切替回路154に供給することができる。
【0045】
電源切替回路154(切替部の一例)は、ユーザの操作によって、商用電源300及び非常用電源400の間で、燃料供給装置100の電力系統160に接続する電源を切り換える回路部である。具体的には、電源切替回路154は、ユーザの操作によって、電力線151,153のうちの何れか一方を電力系統160に接続可能に構成される。これにより、通常、商用電源300からの電力で燃料供給装置100を稼働させる一方、商用電源300からの電力で燃料供給装置100を稼働できない場合、非常用電源400からの電力で燃料供給装置100を稼働させることができる。
【0046】
電力系統160は、電気駆動される燃料供給装置100の各種機器に電力を供給する。
【0047】
[電源切替部の構造の一例]
次に、
図3~
図9を参照して、電源切替部150の構造の一例について説明する。
【0048】
図3~
図6は、電源切替部150の構造の一例を示す図である。具体的には、
図3~
図6は、ユーザによる作業工程に合わせて、商用電源300の電力で燃料供給装置100が稼働されている状態から非常用電源400の電力で燃料供給装置100が稼働される状態に切り替えられる際の電源切替部150の変化を表す図である。より具体的には、
図3は、商用電源300の電力で燃料供給装置100が稼働される状態の電源切替部150を表す側面
図3A及び正面
図3Bを含む。
図4は、
図3の状態からスイッチレバー156Aが中立状態に切替操作された際の電源切替部150を表す側面
図4A及び正面
図4Bを含む。
図5は、
図4の状態から保護カバー158が開操作され且つ接続口152にコネクタ404が接続された際の電源切替部150を表す側面
図5A及び正面
図5Bを含む。
図6は、
図5の状態からスイッチレバー156Aが非常用電源400の選択位置に切替操作された際の電源切替部150を表す側面
図6A及び正面
図6Bを含む。
図7~
図9は、カムスイッチ156の構造の一例を示す図である。具体的には、
図7~
図9は、それぞれ、スイッチレバー156Aが中立状態、商用電源300の選択位置の状態、及び非常用電源400の選択位置の状態にある場合のカムスイッチ156の状態を表す図である。
【0049】
尚、
図3~
図9では、非常用電源400として、発電機が想定される場合が描画されている。但し、本例では、当然の如く、発電機に代えて、上述の蓄電池等の他の種類の非常用電源400が利用されてもよい。また、側面
図3A~6Aでは、筐体150Hの内部が露出するように、筐体150Hのうちの右側面の部分が省略された状態が描画されている。また、正面
図3Bでは、筐体150Hの内部が露出するように、蓋部150LDが省略された状態が描画されている。
【0050】
図3~
図6に示すように、電源切替部150は、筐体150Hと、蓋部150LDと、パネル150Sと、接続口152と、カムスイッチ156と、保護カバー158とを含む。
【0051】
筐体150Hは、電源切替部150の構成要素を収容する。筐体150Hは、例えば、直方体形状を有し、その前面が開放される。これにより、ユーザは、筐体150Hの前面の開口を通じて、筐体150Hの内部のパネル150Sの前面にアクセスすることができる。
【0052】
蓋部150LDは、筐体150Hの前面の開口を覆うように蓋閉する。また、蓋部150LDは、筐体150Hの前面の開口を開閉可能である。蓋部150LDは、筐体150Hから脱着可能であることにより、筐体150Hの前面を開閉させてもよいし、筐体150Hに支持される状態でスライド或いは回転等の移動を行うことにより、筐体150Hの前面を開閉させてもよい。
【0053】
パネル150Sは、筐体150Hの内部の前部と後部との間の隔壁である。
【0054】
接続口152は、200ボルト交流("AC200V")用の接続口152aと、100ボルト交流("AC100V")用の接続口152aとを含む。
【0055】
接続口152a,152bは、それぞれ、雌型のコネクタ152Aを有し、雌型のコネクタ152Aがパネル150Sの前面から左右に並ぶ態様で露出するように、パネル150Sの下部に取り付けられる。例えば、接続口152a,152bは、パネル150Sの下部に設けられる貫通孔に前面から挿入されることで、前面からコネクタ152Aが露出するようにパネル150Sに取り付けられる。
【0056】
カムスイッチ156(切替部の一例)は、電源切替回路154の一例である。カムスイッチ156は、スイッチレバー156Aがパネル150Sの前面から露出するように、パネル150Sの上部に取り付けられる。例えば、カムスイッチ156は、その本体部がパネル150Sの上部に設けられる貫通孔に後面から挿入された後にスイッチレバー156Aが前面から取り付けられることで、前面からスイッチレバー156Aが露出するようにパネル150Sに取り付けられる。
【0057】
図4~
図9に示すように、カムスイッチ156は、スイッチレバー156Aと、円盤部156Bと、固定接点FC1a、FC1bと、可動接点MC1と、固定接点FC2a,FC2bと、可動接点MC2とを含む。
【0058】
スイッチレバー156A(操作部の一例)は、中立状態(
図5、
図7参照)を基準として、前後方向に沿う回転軸回りで左右に所定角度(約45度)だけ回転させることが可能に構成される。スイッチレバー156Aは、正面から見て、回転軸の中心を通過し直径方向に延びる細長い矩形状を有する。スイッチレバー156Aは、その中立状態において、その長辺が上下方向の沿うように配置される。
【0059】
円盤部156Bは、スイッチレバー156Aの基端側、具体的には、パネル150Sの後側に取り付けられ、正面から見て、スイッチレバー156Aの回転軸と同心の円盤形状を有する。円盤部156Bは、スイッチレバー156Aの回転に同期して回転するようにスイッチレバー156Aと回転軸で連結されている。円盤部156Bの外周には、円盤部156Bの上端部を基準として周方向の右側及び左側のそれぞれに所定角度(約45度)移動した位置に切欠部156C1,156C2が設けられる。
【0060】
固定接点FC1aは、商用電源300から延びる電力線151の先端に設けられる。
【0061】
固定接点FC1bは、電力系統160から延びる一の電力線の先端に設けられる。
【0062】
固定接点FC1a,FC1bは、スイッチレバー156Aの左側において、スイッチレバー156Aの回転軸を基準として上下方向で略同じ距離だけ離れ、且つ、略同じ左右位置になるように配置される。"略"は、製造上の誤差等を許容する意図であり、以下同様の意図で用いる。
【0063】
可動接点MC1は、スイッチレバー156Aの操作状態に応じて、固定接点FC1a,FC1bの双方との接続状態と非接続状態との間を移動可能に構成される。
【0064】
具体的には、可動接点MC1は、固定接点FC1a,FC1bの上下方向の間隔よりも大きい上下寸法を有し、スイッチレバー156Aの回転軸を基準として上下方向で対称になるように、固定接点FC1a,FC1bの左側に配置される。そして、可動接点MC1には、円盤部156Bと略同じ前後位置において、その右側面から突出する突起部PR1が取り付けられ、突起部PR1が円盤部156Bに当接するように、図示しない付勢部材によって左側から右向きに付勢力が作用する。付勢部材は、例えば、カムスイッチ156の本体部の筐体に一端が固定されるコイルばねや板ばねである。
【0065】
図7、
図9に示すように、スイッチレバー156Aが中立状態の場合や中立状態から右方向に回転操作された状態では、突起部PR1の先端が円盤部156Bの切欠部156C1,156C2が設けられない外周部に当接する。この状態では、可動接点MC1は、固定接点FC1a,FC1bから離れた状態になり、その結果、商用電源300と電力系統160との間が電気的に非接続状態となる。
【0066】
一方、
図8に示すように、スイッチレバー156Aが中立状態から左方向に所定角度(約45度)回転操作された状態では、突起部PR1の先端が円盤部156Bの切欠部156C1に収容される。この状態では、可動接点MC1が切欠部156C1の分だけ右側に移動し、固定接点FC1a,FC1bと当接する。これにより、ユーザは、中立状態を基準として、スイッチレバー156Aを左方向(ユーザから見て右方向)に所定角度だけ回転操作し、商用電源300の選択位置に合わせることで、商用電源300から電力系統160への電力供給可能な状態を実現できる。
【0067】
固定接点FC2aは、接続口152(コネクタ152A)を介して非常用電源400(発電機)から延びる電力線153の先端に設けられる。
【0068】
固定接点FC2bは、電力系統160から延びる他の電力線の先端に設けられる。
【0069】
固定接点FC1a,FC1bは、スイッチレバー156Aの右側おいて、スイッチレバー156Aの回転軸を基準として上下方向で略同じ距離だけ離れ、且つ、略同じ左右位置になるように配置される。
【0070】
可動接点MC2は、スイッチレバー156Aの操作状態に応じて、固定接点FC2a,FC2bの双方との接続状態と非接続状態との間を移動可能に構成される。
【0071】
具体的には、可動接点MC2は、固定接点FC2a,FC2bの上下方向の間隔よりも大きい上下寸法を有し、スイッチレバー156Aの回転軸を基準として上下方向で対称になるように、固定接点FC2a,FC2bの右側に配置される。そして、可動接点MC2には、円盤部156Bと略同じ前後位置において、その左側面から突出する突起部PR2が取り付けられ、円盤部156Bに当接するように、図示しない付勢部材によって右側から左向きに付勢力が作用する。付勢部材は、例えば、カムスイッチ156の本体部の筐体に一端が固定されるコイルばねや板ばねである。
【0072】
図7、
図8に示すように、スイッチレバー156Aが中立状態の場合や中立状態から左方向に回転操作された状態では、突起部PR2の先端が円盤部156Bの切欠部156C1,156C2が設けられない外周部に当接する。この状態では、可動接点MC2は、固定接点FC2a,FC2bと離れた状態になり、その結果、非常用電源400(発電機)と電力系統160との間が電気的に非接続状態となる。
【0073】
一方、
図9に示すように、スイッチレバー156Aが中立状態から右方向に所定角度(約45度)回転操作された状態では、突起部PR2の先端が円盤部156Bの切欠部156C2に収容される。この状態では、可動接点MC2が切欠部156C2の分だけ左側に移動し、固定接点FC2a,FC2bと当接する。これにより、ユーザは、中立状態を基準として、スイッチレバー156Aを右方向(ユーザから見て左方向)に所定角度だけ回転操作し、非常用電源400の選択位置に合わせることで、非常用電源400から電力系統160への電力供給可能な状態を実現できる。
【0074】
保護カバー158(禁止部、カバー部材の一例)は、筐体150Hの内部において、接続口152にコネクタ404を接続不可能に接続口152の前面を覆う。具体的には、保護カバー158は、パネル150Sの前面におけるスイッチレバー156Aが配置される上部からコネクタ152Aが配置される下部に亘る上下方向の範囲且つ接続口152a,152bが設けられる左右方向の範囲に配置される。
【0075】
また、保護カバー158は、接続口152の前面を覆う状態と、接続口152の前面を開放し雄型のコネクタ404を雌型のコネクタ152Aに差し込み可能な状態との間で開閉可能に構成される。具体的には、保護カバー158は、接続口152の前面を覆う状態から、ユーザの操作に応じて、その上端部の左右方向に沿う軸を中心に前方に回転し、接続口152(コネクタ152A)の前面を開放する状態に移行することができる。また、保護カバー158は、接続口152の前面を開放する状態から、ユーザの操作に応じて、下方に回転し、接続口152の前面を覆う状態に移行することができる。保護カバー158には、持ち手部158Aが設けられ、ユーザは、持ち手部158Aを持って保護カバー158を操作することができる。また、保護カバー158は、その上端部を回転軸として前方に回転し、上に持ち上げられることにより接続口152を開放する態様が採用されることで、ユーザによる保持が解除されると、自重により接続口152を覆う状態に戻ることができる。
【0076】
尚、保護カバー158は、下端部の左右方向に沿う軸を中心に回転し、パネル150Sの前側で下に持ち下げられる態様で、接続口152の前面を開放してもよい。また、保護カバー158は、その上端部ではなく、左端部或いは右端部の上下方向に沿う軸を中心に回転し、パネル150Sの前側で左方向或いは右方向に開く態様で、接続口152の前面を開放してもよい。
【0077】
また、保護カバー158には、切欠部158Bが設けられる。切欠部158Bは、スイッチレバー156Aに対応する上下位置に配置され、スイッチレバー156Aは、切欠部158Bを通じて、保護カバー158の前に全体が露出する。これにより、保護カバー158が接続口152(コネクタ152A)を覆う状態でも、ユーザは、スイッチレバー156Aを操作することができる。
【0078】
切欠部158Bは、正面から見て、上下方向に長辺が延びる細長い矩形状を有する。
図3に示すように、スイッチレバー156Aが商用電源300の選択位置や非常用電源400(発電機)の選択位置等の中立状態と異なる位置にある場合、正面から見て、切欠部158Bの領域からスイッチレバー156Aの一部が外れる。そのため、ユーザは、スイッチレバー156Aが商用電源300の選択位置や非常用電源400の選択位置等にある場合、保護カバー158がスイッチレバー156Aに当接し、保護カバー158を開くことができない。一方、
図4に示すように、スイッチレバー156Aが中立状態にある場合、正面から見て、切欠部158Bの領域内にスイッチレバー156Aが完全に含まれる。そのため、ユーザは、スイッチレバー156Aが中立状態にある場合のみ、スイッチレバー156Aが切欠部158Bを通過しながら保護カバー158を開くことができる。
【0079】
燃料供給装置100が商用電源300で稼働する状態から非常用電源400で稼働する状態に切り替える場合、まず、ユーザは、
図3、
図4に示すように、スイッチレバー156Aを商用電源300の選択位置の状態から中立状態に回転操作する。
【0080】
続いて、ユーザは、
図4、
図5に示すように、持ち手部158Aを持って保護カバー158を前方に回転させることで、上に持ち上げ、接続口152(コネクタ152A)の前面を開放させる。
【0081】
続いて、ユーザは、
図5に示すように、非常用電源400から延びるケーブル402の先端の雄型のコネクタ404を接続口152の雌型のコネクタ152Aに差し込む。
【0082】
尚、
図5、
図6では、便宜的に、接続口152a,152bの双方のコネクタ152Aにコネクタ404が差し込まれているが、実際は、何れか一方のみにコネクタ404が差し込まれる。また、保護カバー158は、パネル150Sの前側で上に持ち上げられた状態(
図5の状態)において、図示しない保持機構によってその状態が保持されてもよい。これにより、保護カバー158が自重で下がってくることに伴う、保護カバー158とケーブル402やコネクタ404との干渉を防止することができる。
【0083】
最後に、ユーザは、
図6に示すように、スイッチレバー156Aを中立状態から非常用電源400(発電機)の選択位置の状態に回転操作する。これにより、非常用電源400からの電力が電力系統160に供給され、燃料供給装置100を非常用電源400からの電力で稼働させることができる。
【0084】
このように、本例では、接続口152の前方に保護カバー158が設けられ、保護カバー158は、スイッチレバー156Aが中立状態の場合のみ接続口152の前面を開放させるための操作が可能なように構成される。
【0085】
これにより、例えば、スイッチレバー156Aが非常用電源400の選択位置に回転操作された後に、非常用電源400からのケーブル402の先端のコネクタ404が接続口152に接続され、火花が生じるような事態を回避させることができる。
【0086】
また、本例では、保護カバー158には、その移動(回転)時に、スイッチレバー156Aが中立状態の場合のみ、スイッチレバー156Aが通過可能な切欠部158Bが設けられる。
【0087】
これにより、スイッチレバー156Aが商用電源300の選択位置や非常用電源400の選択位置にある場合、保護カバー158の移動(回転)を禁止しつつ、スイッチレバー156Aが中立状態にある場合のみ、保護カバー158の移動(回転)を許容できる。
【0088】
また、本例では、保護カバー158は、切欠部158Bの箇所以外では、パネル150Sの前面部分(接続口152)を前方に極力露出させないように構成される。
【0089】
これにより、保護カバー158は、未使用状態の接続口152(コネクタ152A)をより確実に保護することができる。
【0090】
[電源切替部の構造の他の例]
次に、
図10~
図13を参照して、電源切替部150の構造の他の例について説明する。以下、上述の一例(
図3~
図6)と異なる部分を中心に説明し、上述の一例と同じ或いは対応する内容の説明を省略する場合がある。
【0091】
図10~
図13は、電源切替部150の構造の他の例を示す図である。具体的には、
図10~
図13は、ユーザによる作業工程に合わせて、商用電源300の電力で燃料供給装置100が稼働されている状態から非常用電源400の電力で燃料供給装置100が稼働される状態に切り替えられる際の電源切替部150の変化を表す図である。より具体的には、
図10は、商用電源300の電力で燃料供給装置100が稼働される状態の電源切替部150を表す側面
図10A及び正面
図10Bを含む。
図11は、
図10の状態からスイッチレバー156Aが中立状態に切替操作され且つ保護カバー158が開操作された際の電源切替部150を表す側面
図11A及び正面
図11Bを含む。
図12は、
図11の状態から接続口152にコネクタ404が接続された際の電源切替部150を表す側面
図12A及び正面
図12Bを含む。
図13は、
図12の状態から保護カバー158が閉操作され且つスイッチレバー156Aが非常用電源400の選択位置に切替操作された際の電源切替部150を表す側面
図13A及び正面
図13Bを含む。
【0092】
尚、カムスイッチ156の構造は、上述の一例と同じであるため、
図7~
図9を援用し、図示を省略する。また、
図10~
図13では、非常用電源400として、発電機が想定される場合が描画されている。但し、本例では、当然の如く、発電機に代えて、上述の蓄電池等の他の種類の非常用電源400が利用されてもよい。また、側面
図10A~13Aでは、筐体150Hの内部が露出するように、筐体150Hのうちの右側面の部分が省略された状態が描画されている。また、正面
図10Bでは、筐体150Hの内部が露出するように、蓋部150LDが省略された状態が描画されている。
【0093】
図10~
図13に示すように、電源切替部150は、上述の一例と同様、筐体150Hと、蓋部150LDと、パネル150Sと、接続口152と、カムスイッチ156と、保護カバー158とを含む。
【0094】
パネル150Sは、上述の一例と同様、筐体150Hの内部の前部と後部との間の隔壁である。パネル150Sは、上述の一例と異なり、カムスイッチ156Sが取り付けられる上部と、接続口152が取り付けられる下部との間で、前後位置が異なる。具体的には、パネル150Sは、接続口152が取り付けられる下部が相対的に奥に後退するように凹んでいる。これにより、
図12、
図13に示すように、接続口152にコネクタ404が接続された状態で、コネクタ404の基端部(図中の前端部)を筐体150Hの内部、具体的には、保護カバー158が設けられる前後位置よりも後方に収容することができる。
【0095】
保護カバー158は、上述の一例と同様、筐体150Hの内部において、接続口152にコネクタ404を接続不可能なように接続口152の前面を覆う。具体的には、保護カバー158は、パネル150Sの前面のスイッチレバー156Aが配置される上部、及びコネクタ152Aが配置される下部のうちの後者のみに相当する上下方向の範囲且つ接続口152a,152bが設けられる左右方向の範囲に配置される。
【0096】
また、保護カバー158は、上述の一例と同様、接続口152の前面を覆う状態と、接続口152の前面を開放し雄型のコネクタ404を雌型のコネクタ152Aに差し込み可能な状態との間で開閉可能に構成される。具体的には、保護カバー158は、上述の一例と異なり、接続口152の前面を覆う状態から、ユーザの操作に応じて、鉛直方向(上下方向)の上方にスライドし、接続口152(コネクタ152A)の前面を開放する状態に移行することができる。また、保護カバー158は、上述の一例と異なり、接続口152の前面を開放する状態から、ユーザの操作に応じて、下方にスライドし、接続口152の前面を覆う状態に移行することができる。また、保護カバー158は、上にスライドする態様で、持ち上げられることにより接続口152を開放する態様が採用されることで、ユーザによる保持が解除されると、自重により接続口152を覆う状態に戻ることができる。そのため、保護カバー158がスライドされて持ち上げられ、接続口152にコネクタ404が差し込まれた後に、保護カバー158が自重で下がり、保護カバー158で接続口152の前面を覆う状態へ確実に移行することができる。
【0097】
尚、接続口152及びカムスイッチ156の上下方向(鉛直方向)の位置関係は逆であってもよい。この場合、保護カバー158は、パネル150Sの前側で下にスライドすることで、接続口152の前面を開放してもよい。また、接続口152及びカムスイッチ156は、左右方向の並べられてもよい。この場合、保護カバー158は、パネル150Sの前側で左或いは右にスライドすることで、接続口152の前面を開放してもよい。
【0098】
また、保護カバー158には、上述の一例と同様、切欠部158Bが設けられる。切欠部158Bは、スイッチレバー156Aに対応する左右位置に配置される。切欠部158Bは、上述の一例と異なり、正面から見て、矩形状の保護カバー158の上端部から下方に延びるように設けられる。また、切欠部158Bは、その左右方向の幅が中立状態のスイッチレバー156Aより大きく且つ商用電源300の選択位置や非常用電源400(発電機)の選択位置のスイッチレバー156Aより小さい。
【0099】
また、保護カバー158は、スイッチレバー156Aと同じ前後位置に配置される。そのため、保護カバー158は、スイッチレバー156Aが商用電源300の選択位置や非常用電源400の選択位置にある場合、ユーザにより操作されても、スイッチレバー156Aに当接し、上にスライドすることができない。一方、保護カバー158は、スイッチレバー156Aが中立状態にある場合、切欠部158Bをスイッチレバー156Aが通過する態様で、ユーザの操作に応じて、上にスライドすることができ、その結果、接続口152(コネクタ152A)の前面を開放することができる。
【0100】
また、保護カバー158には、切欠部158Cが設けられる。切欠部158Cは、接続口152a,152bのそれぞれのコネクタ152Aの中心部に相当する左右位置に配置され、保護カバー158が接続口152の前面を覆う状態でも、コネクタ152Aの中心付近を前方に露出させる。
【0101】
切欠部158Cは、正面から見て、矩形状の保護カバー158の下端部から上方に延びるように設けられる。また、保護カバー158は、接続口152(コネクタ152A)に接続されたコネクタ404の基端部(図中の前端部)よりも前方の前後位置に配置される。そのため、
図12、
図13に示すように、コネクタ152Aに非常用電源400から延びるケーブル402の先端のコネクタ404が接続されている場合でも、切欠部158Cをケーブル402が通過可能となり、保護カバー158を上下にスライドさせることができる。
【0102】
尚、
図5、
図6では、便宜的に、接続口152a,152bの双方のコネクタ152Aにコネクタ404が差し込まれているが、実際は、何れか一方のみにコネクタ404が差し込まれる。
【0103】
燃料供給装置100が商用電源300で稼働する状態から非常用電源400で稼働する状態に切り替える場合、まず、ユーザは、
図10、
図11に示すように、スイッチレバー156Aを商用電源300の選択位置から中立状態に回転操作する。
【0104】
続いて、ユーザは、
図11に示すように、持ち手部158Aを持って保護カバー158を上にスライドさせ、接続口152(コネクタ152A)の前面を開放させる。
【0105】
続いて、ユーザは、
図12に示すように、非常用電源400から延びるケーブル402の先端の雄型のコネクタ404を接続口152の雌型のコネクタ152Aに差し込む。
【0106】
尚、保護カバー158は、パネル150Sの前側で上に持ち上げられた状態において、図示しない保持機構によってその状態が保持されてもよい。これにより、保護カバー158が自重で下がってくることに伴い、作業中のユーザの手や接続前のコネクタ404、ケーブル402等に保護カバー158が接触するような事態を防止することができる。
【0107】
続いて、ユーザは、
図13に示すように、持ち手部158Aを持って、保護カバー158を下方にスライドさせ、接続口152(コネクタ152Aに差し込まれたコネクタ404)の前面を覆わせる。
【0108】
最後に、ユーザは、スイッチレバー156Aを中立状態から非常用電源400の選択位置に回転操作する。これにより、非常用電源400からの電力が電力系統160に供給され、燃料供給装置100を非常用電源400からの電力で稼働させることができる。
【0109】
また、燃料供給装置100が非常用電源400で稼働する状態を終了させる場合、ユーザは、
図11に示すように、スイッチレバー156Aを非常用電源400の選択位置から中立状態に回転操作する。これにより、ユーザは、保護カバー158を上にスライドさせ、コネクタ404を接続口152(コネクタ152A)から取り外すことができる。
【0110】
このように、本例では、上述の一例と同様、接続口152の前方に保護カバー158が設けられ、保護カバー158は、スイッチレバー156Aが中立状態の場合のみ接続口152の前面を開放させるための操作が可能なように構成される。
【0111】
これにより、上述の一例と同様の作用・効果を奏する。
【0112】
また、本例では、上述の一例と同様、保護カバー158には、その移動(スライド)時に、スイッチレバー156Aが中立状態の場合のみ、スイッチレバー156Aが通過可能な切欠部158Bが設けられる。
【0113】
これにより、上述の一例と同様の作用・効果を奏する。
【0114】
また、本例では、保護カバー158は、スイッチレバー156Aの操作状態コネクタ404が差し込まれた状態の接続口152の前面を覆うことが可能なように構成される。そして、保護カバー158は、その状態で、スイッチレバー156Aが中立状態の場合のみ接続口152の前面を開放させるための操作が可能なように構成される。
【0115】
これにより、例えば、スイッチレバー156Aが非常用電源400の選択位置にある状態のままで、接続口152からコネクタ404が取り外され、火花が生じるような事態を回避させることができる。
【0116】
尚、上述の一例において、本例と同様に、保護カバー158は、コネクタ404が差し込まれた状態の接続口152の前面を覆うことが可能に構成されてもよい。具体的には、上述の一例において、本例と同様に、パネル150Sの接続口152が取り付けられる下部が上部よりも相対的に奥に後退するように凹まされてもよい。
【0117】
また、本例では、保護カバー158には、その移動(スライド)時、及び接続口152の前面を覆う状態において、ケーブル402が通過可能な切欠部158Cが設けられる。
【0118】
これにより、保護カバー158は、コネクタ152Aにコネクタ404が接続されている状態でも、接続口152、即ち、コネクタ152Aに接続されたコネクタ404の前面を覆い、コネクタ152Aを保護することができる。
【0119】
尚、上述の一例において、本例と同様の切欠部158Cが保護カバー158に設けられてもよい。この場合、上述の一例において、パネル150Sは、本例と同様、接続口152が取り付けられる下部が、カムスイッチ156が取り付けられる上部よりも相対的に後方に位置するように構成される。そして、接続口152に接続された状態のコネクタ404の基端部(図中の前端部)が、接続口152の前面を覆う状態(
図3の状態)の保護カバー158の前後位置よりも後方に位置するように構成される。
【0120】
また、本例では、保護カバー158は、切欠部158B,158Cの箇所以外では、パネル150Sの前面部分(接続口152)を前方に極力露出させないように構成される。
【0121】
これにより、保護カバー158は、未使用状態の接続口152(コネクタ152A)をより確実に保護することができる。
【0122】
[作用]
次に、本実施形態に係る燃料供給装置100の作用について説明する。
【0123】
例えば、接続口152から燃料供給装置100の各種機器との間の電力経路が電気的に接続された状態で、接続口152に非常用電源400から延びるケーブル402の先端のコネクタ404が接続されると、接続口152で放電による火花が発生する可能性がある。同様に、接続口152から燃料供給装置100の各種機器との間の電力経路が電気的に接続された状態で、接続口152に接続されたコネクタ404が取り外されると、接続口152で放電による火花が発生する可能性がある。
【0124】
これに対して、本実施形態では、燃料供給装置100は、接続口152と、電動機器と、電源切替回路154と、禁止部とを備える。具体的には、接続口152は、外部の非常用電源400から延びるケーブル402の先端のコネクタ404と接続される。また、電動機器は、コネクタ404から接続口152を介して供給される電力により駆動され、被供給対象へ燃料を供給するポンプ112(モータ114)を含む。また、電源切替回路154は、接続口152と電動機器(電力系統160)との間を電気的な接続状態、或いは電気的な非接続状態に切り替える。そして、禁止部(例えば、保護カバー158)は、電源切替回路154が接続口152と内部の機器との間を接続する接続状態にある場合に、接続口152に対するコネクタ404の接続、或いは、接続口152からのコネクタ404の取り外しを禁止する。
【0125】
これにより、燃料供給装置100は、接続口152と内部の電動機器との間が電気的な接続状態にある状況で、接続口152にコネクタ404が接続されないようにすることができる。また、燃料供給装置100は、接続口152と内部の電動機器との間が電気的な接続状態にある状況で、接続口からコネクタ404が取り外されないようにすることができる。そのため、燃料供給装置100は、接続口152へのコネクタ404の接続時や接続口152からのコネクタ404の取り外し時における放電による火花の発生を抑制することができる。
【0126】
また、本実施形態では、燃料供給装置100は、スイッチレバー156Aを備える。具体的には、スイッチレバー156Aは、電源切替回路154(カムスイッチ156)における接続口152と内部の機器(電力系統160)との間を電気的な接続状態と電気的な非接続状態との間で切り替えるために用いられる。また、禁止部は、接続口152がコネクタ404と接続不可能に、或いは、接続口152からコネクタ404を取り外し不可能に覆われる第1の状態と、接続口152がコネクタ404と接続可能に、或いは、接続口152からコネクタ404を取り外し可能に開放される第2の状態との間で移動可能な保護カバー158を含んでよい。そして、保護カバー158は、スイッチレバー156Aが接続口152と内部の機器(電力系統160)との間の電気的な接続状態に相当する操作状態(非常用電源400の選択位置の状態)にある場合、上述の第1の状態から上述の第2の状態に移動不可能に構成されてよい。
【0127】
これにより、燃料供給装置100は、保護カバー158及びスイッチレバー156Aの作用によって、接続口152と内部の機器との間が電気的な接続状態にある状況での接続口152に対するコネクタ404の接続や接続152からのコネクタ404の取り外しを具体的に禁止することができる。
【0128】
また、本実施形態では、保護カバー158は、切欠部158B,158Cを有する。具体的には、切欠部158B,158Cは、保護カバー158の上述の第1の状態と第2の状態との間の移動の際に、接続口152と内部の電動機器との間の電気的な非接続状態に相当する操作状態(中立状態)のスイッチレバー156A、及び接続口152に接続されたコネクタ404のケーブル402のそれぞれと当接しないように構成される。
【0129】
これにより、燃料供給装置100は、切欠部158Bの作用によって、接続口152と内部の電動機器との間が非接続状態の場合に限定して、保護カバー158を移動可能とし、ユーザの操作に応じて、接続口152の前面を開放することができる。また、燃料供給装置100は、切欠部158Cの作用によって、接続口152にコネクタ404が接続された状態で、ユーザの操作に応じて、保護カバー158を第1の状態と第2の状態との間で移動させることができる。
【0130】
また、本実施形態では、スイッチレバー156Aは、鉛直方向(高さ方向)において、接続口152よりも高い位置に設けられてもよい。そして、保護カバー158は、鉛直方向にスライドすることにより前記第1の状態と前記第2の状態との間で移動可能に構成されてもよい。
【0131】
これにより、例えば、保護カバー158を鉛直方向の上方に移動させる際に、接続口152と内部の電動機器との間の電気的な接続状態に相当する操作状態(非常用電源400の選択位置)のスイッチレバー156Aと当接するようにすることができる。そのため、燃料供給装置100は、保護カバー158とスイッチレバー156Aとの位置関係に合わせて、具体的に、接続口152に対するコネクタ404の接続や接続152からのコネクタ404の取り外しを具体的に禁止することができる。
【0132】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 燃料供給システム
100 燃料供給装置
100H 筐体
102 燃料配管
104 給油ホース
106 給油ノズル
110 ノズルスイッチ
112 ポンプ
114 モータ
116 流量計
120 ユーザインタフェース部
122 入力部
124 表示部
130 表示部
140 制御部
142 ポンプ制御部
144 流量演算部
150 電源切替部
150H 筐体
150LD 蓋部
150S パネル
151 電力線
152 接続口
152a 接続口
152A コネクタ
152b 接続口
153 電力線
154 電源切替回路(切替部)
156 カムスイッチ(切替部)
156A スイッチレバー(操作部)
156B 円盤部
156C1 切欠部
156C2 切欠部
156S カムスイッチ
158 保護カバー(禁止部、カバー部材)
158A 持ち手部
158B 切欠部
158C 切欠部
160 電力系統
200 貯蔵タンク
300 商用電源
400 非常用電源
402 ケーブル
404 コネクタ
FC1a,FC1b 固定接点
FC2a,FC2b 固定接点
MC1 可動接点
MC2 可動接点
PR1 突起部
PR2 突起部