(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186091
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】表示制御方法、制御装置、及び、表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20221208BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20221208BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/14 A
G09G5/00 555D
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094137
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】名取 孝
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C058AB07
5C058BA21
5C058BA22
5C058BA23
5C058BA35
5C058BB13
5C058BB25
5C058EA03
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA12
5C182AA14
5C182AB02
5C182AB08
5C182AC43
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA75
5C182BB02
5C182BB04
5C182BB11
5C182BC03
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA01
5C182CB12
5C182CB15
5C182CB16
5C182CB26
5C182CB42
5C182CC02
5C182CC26
5C182DA14
5C182DA32
(57)【要約】
【課題】煩雑な作業を行わずに、複数の表示領域を様々な態様で区分または結合して利用できるようにする。
【解決手段】1または複数のPC2と、N個(Nは2以上の整数)のプロジェクター1と、を含む表示システム1000によって、PC2によってM個(Mは1以上の整数)の映像を出力し、M<Nである場合、N個のプロジェクター1の表示領域全体をM個の副領域に分割し、各々の副領域に1つの映像を割り当てて表示し、M=Nである場合、各々のプロジェクター1の表示領域に1つの映像を割り当てて表示を行う、表示制御方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の映像出力装置と、N個(Nは2以上の整数)の表示装置と、を含む表示システムによって、
前記映像出力装置によってM個(Mは1以上の整数)の映像を出力し、
M<Nである場合、N個の前記表示装置の表示領域全体をM個の副領域に分割し、各々の前記副領域に1つの映像を割り当てて表示し、
M=Nである場合、各々の前記表示装置の表示領域に1つの前記映像を割り当てて表示を行う、表示制御方法。
【請求項2】
1つの前記映像出力装置から複数の前記映像を出力する、請求項1記載の表示制御方法。
【請求項3】
N<Mである場合、1個の前記表示装置を分割対象表示装置とし、前記分割対象表示装置を除くN-1個の前記表示装置の各々に1つの前記映像を割り当てて表示を行い、前記分割対象表示装置の表示領域を(M-N+1)個の副領域に分割して各々の前記副領域に1つの前記映像を割り当てて表示を行う、請求項1または2記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記映像出力装置が出力するM個の前記映像の優先度を判定し、優先度が相対的に低い(M-N+1)個の前記映像を、前記分割対象表示装置により表示する、請求項3記載の表示制御方法。
【請求項5】
表示領域に映像を表示する表示装置であって、
1または複数の映像出力装置、及び、(N-1)個(Nは2以上の整数)の外部表示装置と接続される接続部と、
前記映像出力装置によって出力されるM個(Mは1以上の整数)の映像を、前記表示領域および前記外部表示装置の表示領域に割り当てて表示させる表示装置制御部と、を備え、
前記表示装置制御部は、
M<Nである場合、前記表示装置の表示領域および前記外部表示装置の表示領域の全体をM個の副領域に分割し、各々の前記副領域に1つの映像を割り当てて表示し、
M=Nである場合、前記表示領域及び各々の前記外部表示装置の表示領域に1つの前記映像を割り当てて表示を行う、表示装置。
【請求項6】
N個(Nは2以上の整数)の表示装置に接続され、M個(Mは1以上の整数)の映像を出力する映像出力装置であって、
出力装置制御部により、
M<Nである場合、N個の前記表示装置の表示領域全体をM個の副領域に分割し、各々の前記副領域に1つの映像を割り当てて、前記表示装置によって映像を表示させ、
M=Nである場合、各々の前記表示装置の表示領域に1つの前記映像を割り当てて、前記表示装置によって映像を表示させる、映像出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御方法、制御装置、及び、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクター等の表示装置を、同時に複数台、利用する方法が知られている。特許文献1は、画像出力装置に複数の表示装置が接続された構成において、表示装置と同数の表示領域を形成し、画像出力装置が出力する複数の画像と表示領域とを一対一で対応させる例を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の表示装置を利用する場合、特許文献1に開示された例に限らず、様々な態様で表示領域を区分あるいは結合することが考えられる。しかしながら、表示領域の利用形態を設定する作業は、ユーザーにとって煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る一態様は、1または複数の映像出力装置と、N個(Nは2以上の整数)の表示装置と、を含む表示システムによって、前記映像出力装置によってM個(Mは1以上の整数)の映像を出力し、M<Nである場合、N個の前記表示装置の表示領域全体をM個の副領域に分割し、各々の前記副領域に1つの映像を割り当てて表示し、M=Nである場合、各々の前記表示装置の表示領域に1つの前記映像を割り当てて表示を行う、表示制御方法である。
【0006】
本開示に係る別の一態様は、表示領域に映像を表示する表示装置であって、1または複数の映像出力装置、及び、(N-1)個(Nは2以上の整数)の外部表示装置と接続される接続部と、前記映像出力装置によって出力されるM個(Mは1以上の整数)の映像を、前記表示領域および前記外部表示装置の表示領域に割り当てて表示させる表示装置制御部と、を備え、前記表示装置制御部は、M<Nである場合、前記表示装置の表示領域および前記外部表示装置の表示領域の全体をM個の副領域に分割し、各々の前記副領域に1つの映像を割り当てて表示し、M=Nである場合、前記表示領域及び各々の前記外部表示装置の表示領域に1つの前記映像を割り当てて表示を行う、表示装置である。
【0007】
本開示に係るさらに別の一態様は、N個(Nは2以上の整数)の表示装置に接続され、M個(Mは1以上の整数)の映像を出力する映像出力装置であって、出力装置制御部により、M<Nである場合、N個の前記表示装置の表示領域全体をM個の副領域に分割し、各々の前記副領域に1つの映像を割り当てて、前記表示装置によって映像を表示させ、M=Nである場合、各々の前記表示装置の表示領域に1つの前記映像を割り当てて、前記表示装置によって映像を表示させる、映像出力装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1実施形態のプロジェクターの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[1-1.表示システムの構成]
図1は、表示システム1000の構成を示す図である。
表示システム1000は、複数のプロジェクター1と、1または複数のPC(Personal Computer)2と、を含む。プロジェクター1の数およびPC2の数に制限はなく、
図1には一例として、2台のプロジェクター1A、1B、及び、3台のPC2A、2B、2Cを含む表示システム1000の構成を示す。プロジェクター1A、1を区別しない場合はプロジェクター1と表記し、PC2A、2B、2Cを区別しない場合はPC2と表記する。プロジェクター1は表示装置の一例に対応し、PC2は映像出力装置の一例に対応する。プロジェクター1Aに対し、プロジェクター1Bは外部表示装置の一例に対応する。
【0011】
プロジェクター1とPC2は、通信ネットワークNWを介してデータ通信可能に接続される。通信ネットワークNWは、ローカルネットワークでもよいし、専用回線や、公衆回線網、インターネット等を含んで構成されるグローバルネットワークでもよい。
【0012】
PC2は、いわゆる映像ソースである。
図1に示すPC2はノート型PCであるが、これは一例である。PC2は、デスクトップ型PC、タブレット型PC、及びスマートフォンのいずれであってもよい。PC2の代わりに、映像を出力する他の種類の装置を用いてもよい。例えば、DVD(Digital Versatile Disc)プレイヤー、ネットワークプレイヤー等を用いてもよい。
【0013】
PC2が出力する映像は、具体的には、デジタル映像データであり、デジタル映像データのデータフォーマット等は制限されない。例えば、PC2が出力する映像データは、MPEG(Motion Picture Expert Group)等の各種規格に準拠したデータとすることができ、映像をストリーミング送信するデータであってもよい。PC2が出力する映像データは音声データを伴うデータであってもよい。
【0014】
本実施形態では、PC2がプロジェクター1に出力する映像データに基づいてプロジェクター1が映像を投写する。プロジェクター1が映像を投写することは、表示の一例に対応する。PC2が出力する映像データは、静止画像を表示するためのデータであってもよい。すなわち、表示システム1000は、静止画像、及び、動画像すなわち映像を表示することが可能である。PC2が出力する映像データは、静止画像をプロジェクター1に表示させる場合であっても、動画像をプロジェクター1に表示させる場合であっても、データの形態は映像データのデータフォーマットに準拠する。従って、プロジェクター1が表示する映像の内容が静止画像であるか動画像であるかを問わず、本実施形態では、映像と呼ぶ。
【0015】
プロジェクター1は、PC2が出力する映像データに基づいて、投写面としてのスクリーンSCに画像光を投写することによって、スクリーンSCに映像を表示する。スクリーンSCは、幕状のスクリーンであってもよいし、建造物の壁面や設置物の平面をスクリーンSCとして利用してもよい。スクリーンSCは平面に限らず、曲面や、凹凸を有する面であってもよい。
【0016】
図1に示すように、本実施形態では、スクリーンSCにおいてプロジェクター1Aが映像を投写する領域を、投写領域41とする。プロジェクター1Bが映像を投写する領域を、投写領域42とする。表示システム1000が映像を表示する領域の全体は、投写領域41と投写領域42を合わせた領域である。これを大領域4とする。大領域4は表示領域全体に相当する。
【0017】
[1-2.プロジェクターの構成]
図2は、第1実施形態のプロジェクター1の構成を示す図であり、プロジェクター1Aの構成を示す。
【0018】
プロジェクター1Aは、PJ(Projector)制御部11を備える。PJ制御部11は、CPU(Central Processing UniT)やMPU(Micro-processingunit)等で構成されるPJプロセッサー110、及び、PJ記憶部120を備える。PJ制御部11は、PJプロセッサー110によってプログラムを実行することにより、プロジェクター1Aの各部を制御する。PJ制御部11は、表示装置制御部の一例に対応する。
【0019】
PJ記憶部120は、フラッシュメモリー等の半導体メモリー素子で構成される不揮発性の記憶装置である。PJ記憶部120は、PJプロセッサー110により実行されるプログラム、及び、PJプロセッサー110によって処理されるデータ等を記憶する。PJ記憶部120は、例えば、制御プログラム121、及び、設定データ122を記憶する。また、PJ記憶部120は、揮発性記憶領域を備え、PJプロセッサー110が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0020】
PJプロセッサー110は、PJ記憶部120が記憶する制御プログラム121を読み出して実行することによって、ハードウェア及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。PJプロセッサー110は、入力検出部111、投写領域特定部112、投写設定部113、優先度判定部114、及び、投写制御部115の各機能部を有する。これらの機能部は、PJプロセッサー110が制御プログラム121を実行することによって構成される。これら機能部の詳細は後述する。
【0021】
プロジェクター1Aは、スクリーンSCに画像光を投写する投写部50を備える。投写部50は、光源部51、光変調装置52、及び投写光学系53を含む。光源部51には光源駆動回路61が接続され、光変調装置52には光変調装置駆動回路62が接続される。
【0022】
光源部51は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ、或いは、LEDやレーザー光源等の固体光源で構成される。光源部51は、光源駆動回路61から出力される電力により点灯し、光変調装置52に向けて光を発する。
【0023】
光変調装置52は、例えば、R、G、及び、Bの三原色に対応した3枚の液晶パネルを備える。Rは赤色を示し、Gは緑色を示し、Bは青色を示す。光源部51から射出される光は、RGBの3色の色光に分離され、それぞれ対応する液晶パネルに入射される。3枚の液晶パネルの各々は、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して画像光を生成する。各液晶パネルを通過して変調された画像光は、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投写光学系53に射出される。光変調装置52は、光変調素子として透過型の液晶パネルを備える構成に限定されない。光変調装置52の光変調素子は反射型の液晶パネルであってもよいし、デジタルミラーデバイス(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【0024】
投写光学系53は、光変調装置52により変調された画像光をスクリーンSC上に結像させるレンズやミラー等を備える。投写光学系53は、ズーム機構や、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構等を備えてもよい。
【0025】
光源駆動回路61は、バス60を介してPJ制御部11に接続される。光源駆動回路61は、PJ制御部11の制御に従って光源部51を点灯又は消灯させる。
【0026】
光変調装置駆動回路62は、バス60を介してPJ制御部11に接続される。光変調装置駆動回路62は、PJ制御部11の制御に従って光変調装置52を駆動し、光変調装置52が具備する光変調素子にフレーム単位で画像を描画する。
【0027】
プロジェクター1Aは、バッファー部15、通信インターフェイス17、及び、画像処理部63を備える。これらの各部はバス60によってPJ制御部11に接続される。
【0028】
通信インターフェイス17は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth等による無線データ通信を行う無線通信装置、または、ケーブルを通じて有線データ通信を実行する有線通信装置を備える。ここで、無線通信装置は、例えば、アンテナ、RF回路、ベースバンド回路等を備える。有線通信装置は、例えば、ケーブルが接続されるコネクター、及び、コネクターを介して送受信する信号を処理するインターフェイス回路を備える。通信インターフェイス17は、通信ネットワークNWに接続される。通信インターフェイス17は、PJ制御部11の制御に従って、PC2、及び、プロジェクター1Bと通信を実行する。Bluetoothは登録商標である。通信インターフェイス17は接続部の一例に対応する。
【0029】
バッファー部15は、半導体メモリー素子等で構成される、揮発性または不揮発性の記憶装置である。ここで、プロジェクター1Aは、1つの記憶装置が有する記憶領域を、バッファー部15及びPJ記憶部120として利用する構成であってもよい。バッファー部15は、通信インターフェイス17によって通信ネットワークNWから受信された映像データを一時的に記憶する。
【0030】
画像処理部63にはフレームメモリー64が接続される。フレームメモリー64は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等で構成される揮発性の記憶装置である。画像処理部63は、PJ制御部11の制御に従って、投写部50によって投写する画像を、フレーム毎にフレームメモリー64に展開する。画像処理部63は、PJ制御部11の制御に従って、フレームメモリー14に展開した画像に対して、解像度変換処理、リサイズ処理、幾何補正処理、デジタルズーム処理、輝度調整処理等の画像処理を行ってもよい。画像処理部63は、フレームメモリー64に展開した画像を光変調装置駆動回路62に出力する。
【0031】
画像処理部63、及び、フレームメモリー64は、例えば集積回路により構成されてもよい。この種の集積回路は、LSI、ASIC(ApplicationSpecificIntegratedCircuit)、PLD(ProgrammableLogicDevice)、FPGA(Field-ProgrammableGateArray)、SoC(System-on-a-chip)等を含む。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれてもよく、上記の集積回路とPJ制御部11とが統合された構成であってもよい。
【0032】
プロジェクター1Aは、信号処理部65、及び、入力処理部67を備える。これらの各部はバス60によってPJ制御部11に接続される。
【0033】
信号処理部65にはスピーカー66が接続される。信号処理部65は、PJ制御部11から入力されるデジタル音声データに基づいて、スピーカー66から音を出力させる。
【0034】
入力処理部67には、操作パネル68及びリモコン受光部69が接続される。操作パネル68は、プロジェクター1Aの筐体に設けられ、ユーザーが操作可能な各種スイッチを備える。入力処理部67は、操作パネル68の各スイッチの操作を検出する。リモコン受光部69は、リモコン70が送信する赤外線信号を受光する。入力処理部67は、リモコン受光部69が受光した信号をデコードして、操作データを生成し、PJ制御部11に出力する。これにより、入力処理部67は、操作パネル68及びリモコン受光部69によってユーザーの操作を受け付け、受け付けた操作に対応する操作データを生成してPJ制御部11に出力する。
【0035】
プロジェクター1Aは、通信インターフェイス17に加え、映像ソースとしての機器に接続されるインターフェイスを有してもよい。例えば、プロジェクター1Aは、所定の通信規格に準拠したコネクター及びインターフェイス回路等の通信ハードウェアを備えるインターフェイスを備える。このインターフェイスは、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、Displayport、HDBaseT、USB(Universal Serial Bus)等のデジタルインターフェイスである。HDMI及びHDBaseTは登録商標である。また、プロジェクター1Aは、インターフェイスとして、RCA端子や、VGA端子、S端子、D端子等のアナログの映像端子を備え、アナログの映像信号を受信可能な構成であってもよい。
【0036】
入力検出部111は、表示システム1000における入力映像の数を検出する。例えば、入力検出部111は、表示システム1000に含まれる映像ソースの数、及び、映像ソースが出力する映像の数を検出する。PC2Aは、通信ネットワークNWを通じて、1または複数の映像を出力可能である。PC2B、及び、PC2Cも同様の構成とすることができる。入力検出部111は、表示システム1000においてプロジェクター1に映像を出力するPC2の数と、各々のPC2が出力する映像の数とを検出する。入力検出部111は、例えば、通信インターフェイス17によりPC2と通信を実行することにより、映像ソース及び映像の数を検出する。
【0037】
投写領域特定部112は、表示システム1000に含まれる投写領域の数および位置関係を特定する。
図1に示す構成では、投写領域特定部112は、投写領域41と投写領域42の数、及び、投写領域41と投写領域42の相対的な位置関係を特定する。投写領域特定部112は、例えば、通信インターフェイス17によりプロジェクター1Bと通信を実行することにより、投写領域の数および位置関係を特定してもよい。また、投写領域特定部112は、操作パネル68やリモコン70の操作によって入力された内容に基づき、投写領域の数および位置関係を特定してもよい。また、投写領域特定部112は、PC2から通信ネットワークNWを通じて送信される制御データに基づき、投写領域の数および位置関係を特定してもよい。
【0038】
投写設定部113は、投写領域特定部112が特定した表示システム1000の投写領域の全体、すなわち、大領域4における映像の割り当てを行う。
詳細には、投写設定部113は、入力検出部111が特定した映像の数に合わせて、大領域4を分割し、PC2が出力する映像を大領域4に配置する処理を行う。投写設定部113は、大領域4の全体に1つの映像を割り当てることも可能である。投写設定部113は、投写領域41と投写領域42の各々について、領域の分割や映像の割り当てを行うことも可能である。大領域4の分割、及び、大領域4を分割した領域に対する映像の割り当てについては、
図4、
図5、
図6及び
図7を参照して後述する。
投写設定部113は、大領域4の分割の態様、及び、映像の割り当てを行った結果を、設定データ122としてPJ記憶部120に記憶させる。
【0039】
優先度判定部114は、PC2が複数の映像を出力する場合に、各映像の優先度を判定する。映像の優先度は、PC2が出力する各々の映像の相対的な順位である。投写設定部113は、映像の優先度に応じて、大領域4において映像を表示する領域を割り当てる処理を行ってもよい。例えば、優先度が低い映像には大領域4において面積の小さい領域を割り当てる。
【0040】
投写設定部113は、設定データ122に従ってプロジェクター1A及びプロジェクター1Bが映像を投写するように、表示システム1000を制御してもよい。この場合、投写設定部113は、設定データ122が示す映像の割り当てに従って、プロジェクター1Bに対し、投写領域42の分割の有無、投写領域42を分割する領域の数、投写領域42を分割した各領域に表示する映像等を指定し、投写を実行させる。また、投写設定部113は、PC2A、2B、2Cに対し、通信ネットワークNWを通じて映像を出力する出力先を指定してもよい。この場合、投写設定部113は、PC2A、2B、2Cのうち入力検出部111が検出した映像ソースのそれぞれに対し、各映像をプロジェクター1Aに出力するか、プロジェクター1Bに出力するかを指定する。これにより、投写設定部113が決めた割り当てに従って、映像ソースであるPC2に、映像を出力させることができる。
【0041】
投写制御部115は、光源駆動回路61、光変調装置駆動回路62及び画像処理部63を制御して、スクリーンSCに映像を投写する。
投写制御部115は、PC2から出力される映像を通信インターフェイス17により受信し、投写設定部113によって設定された割り当てに従って、受信した映像を投写する。
【0042】
プロジェクター1Bの構成は、プロジェクター1Aと共通とすることができるため、図示および説明を省略する。ここで、プロジェクター1Bは、入力検出部111、投写領域特定部112、投写設定部113、及び、優先度判定部114を備えない構成であってもよい。すなわち、プロジェクター1Bは、プロジェクター1Aが投写設定部113により実行する処理を行わなくてもよい。プロジェクター1BのPJ制御部11は、プロジェクター1Aが生成した設定データ122に従って、PC2が出力する映像を、投写部50によって投写領域42に投写する。
表示システム1000が3台以上のプロジェクター1を含む場合、3台目以後のプロジェクター1は、プロジェクター1Bと同様の構成とすることができる。つまり、表示システム1000が備える複数のプロジェクター1のうち、いずれか1台が
図2に示す構成を有していればよい。
【0043】
[1-3.PCの構成]
図3は、第1実施形態のPC2の構成を示す図であり、一例としてPC2Aの構成を示す。
【0044】
PC2Aは、PC制御部21、PC表示部24、PC入力部25、及び、PC通信部26を備え、これらの各部はバス27によって相互に接続される。
【0045】
PC制御部21は、PCプロセッサー22、及び、PC記憶部23を含む。PCプロセッサー22は、CPUやMPU等のプロセッサーで構成される。PC制御部21は、PCプロセッサー22によってプログラムを実行することにより、PC2Aの各部を制御する。
【0046】
PC記憶部23は、フラッシュメモリー、磁気的記録媒体、光学的記録媒体等によりデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。PC記憶部23は、PCプロセッサー22により実行されるプログラム、及び、PCプロセッサー22によって処理されるデータ等を記憶する。PC記憶部23は、例えば、OS(Operating System)231、アプリケーションプログラム232、及び、映像データ233を記憶する。OS231は、PC2Aを制御する基本制御ソフトウェアであり、アプリケーションプログラム232が実行されるプラットフォームを提供する。アプリケーションプログラム232は、プロジェクター1に対して映像を出力する機能を有するプログラムである。映像データ233は、映像コンテンツのデータであり、アプリケーションプログラム232の機能によってプロジェクター1に出力される。映像データ233は音声データを含んでもよい。
【0047】
PC表示部24は、表示デバイスを備える。表示デバイスは、例えば、
図1に示すディスプレイ20Aである。ディスプレイ20Aは、LCD(Liquid Crystal Display)パネルを備えて構成される。また、ディスプレイ20Aは、LED(Light Emitting Diode)パネル、OLED(Organic LED)パネル等の表示パネルを備える構成であってもよい。PC表示部24は、PC制御部21の制御に従って、表示デバイスに画像や映像を表示する。PC表示部24は、PC2Aの外部の表示デバイスに接続される構成であってもよい。
【0048】
PC入力部25は、PC2Aのユーザーにより操作される入力デバイスを備え、或いは、入力デバイスに接続される。入力デバイスは、操作スイッチを有するスイッチパネル、タッチパネル、マウス、キーボード等である。PC入力部25は、入力デバイスに対するユーザーの操作を検出し、検出結果をPC制御部21に出力する。
【0049】
PC通信部26は、所定の通信規格で通信を行う通信装置である。PC通信部26は、通信ネットワークNWに、有線または無線通信により接続される。また、PC通信部26と通信ネットワークNWとの間に、通信回線や通信装置が介在する構成であってもよい。PC通信部26は、PC制御部21の制御に従って、通信ネットワークNWを介してプロジェクター1と通信を実行する。
【0050】
PC2Bの構成は、PC2Aと共通とすることができるため、図示および説明を省略する。PC2Cについても同様であり、表示システム1000が4台以上のPC2を含む場合、4台目以後のPC2も同様に構成される。
【0051】
[1-4.表示システムにおける表示の態様]
図4、
図5、
図6、及び、
図7は、表示システム1000における表示例を示す図である。
図4は、映像ソースとしてPC2Aのみが映像を出力し、PC2Aが1つの映像を出力する場合の表示例を示す。PC2Aは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Aに表示する第1映像P1と同じ映像を出力する。
【0052】
プロジェクター1Aの投写設定部113は、表示システム1000において1つの映像、すなわち第1映像P1のみが出力されることに基づき、大領域4を1つの領域として使用する。投写設定部113は、大領域4の全体に第1映像P1を割り当てる。この場合、
図4に示すように、大領域4が一つの大きい表示領域とされ、第1映像P1が大領域4に表示される。
図4の例では、第1映像P1が、第1映像P1のアスペクト比を維持して大領域4の全体に拡大表示される。プロジェクター1は、第1映像P1のアスペクト比を変更して、第1映像P1を大領域4の全体に拡大表示してもよい。
図5~
図7に示す表示例においても同様に、プロジェクター1は、アスペクト比を維持して映像を大領域4に表示してもよいし、アスペクト比を変更してもよい。
【0053】
図5は、映像ソースとしてPC2Aのみが映像を出力し、PC2Aが2つの映像を出力する場合の表示例を示す。PC2Aは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Aに表示する第1映像P1と、ディスプレイ20Aに表示されない第2映像P2とを出力する。
【0054】
プロジェクター1Aの投写設定部113は、表示システム1000において2つの映像が出力されることに基づき、大領域4を2つの領域として使用する。この場合、投写設定部113は、大領域4を、投写領域41と投写領域42とに分ける。すなわち、投写設定部113は、大領域4を小領域4A、4Bに分ける。小領域4Aは投写領域41の全体に相当し、小領域4Bは投写領域42の全体に相当する。投写設定部113は、小領域4Aに第1映像P1を割り当て、小領域4Bに第2映像P2を割り当てる。これにより、
図5に示すように、投写領域41に第1映像P1が表示され、投写領域42に第2映像P2が表示される。小領域は、副領域の一例に対応する。
【0055】
図6は、映像ソースとしてPC2A、PC2Bが映像を出力し、PC2Aが1つの映像を出力し、PC2Bが1つの映像を出力する場合の表示例を示す。PC2Aは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Aに表示する第1映像P1を出力する。PC2Bは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Bに表示する第3映像P3を出力する。
【0056】
プロジェクター1Aの投写設定部113は、表示システム1000において2つの映像が出力されることに基づき、大領域4を2つの領域として使用する。この場合、投写設定部113は、大領域4を、投写領域41と投写領域42とに分ける。すなわち、投写設定部113は、大領域4を小領域4A、4Bに分ける。小領域4Aは投写領域41の全体に相当し、小領域4Bは投写領域42の全体に相当する。投写設定部113は、小領域4Aに第1映像P1を割り当て、小領域4Bに第3映像P3を割り当てる。これにより、
図6に示すように、投写領域41に第1映像P1が表示され、投写領域42に第3映像P3が表示される。
【0057】
図7は、映像ソースとしてPC2A、PC2B、PC2Cがそれぞれ1つの映像を出力する場合の表示例を示す。PC2Aは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Aに表示する第1映像P1を出力する。PC2Bは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Bに表示する第3映像P3を出力する。PC2Bは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Bに表示する第3映像P3を出力する。PC2Cは、PC制御部21の制御により、ディスプレイ20Cに表示する第4映像P4を出力する。
【0058】
優先度判定部114は、第1映像P1、第3映像P3、及び第4映像P4の優先度を判定する。
図7に示す例では、優先度判定部114によって判定された第1映像P1の優先度が、第3映像P3の優先度及び第4映像P4の優先度より高い。
【0059】
プロジェクター1Aの投写設定部113は、表示システム1000において3つの映像が出力されることに基づき、大領域4を3つの領域として使用する。この場合、投写設定部113は、優先度判定部114が判定した優先度に従って、大領域4を、面積の異なる3つの領域に分割する。具体的には、大領域4を、投写領域41と等しい小領域4A、投写領域42に含まれる小領域4C、及び、小領域4Dに分割する。小領域4Aは小領域4C、4Dに比べ面積が大きいので、小領域4Aには優先度の高い映像が割り当てられる。小領域4C、4Dには、小領域4Aよりも優先度の低い映像が割り当てられる。具体的には、投写設定部113は、小領域4Aに第1映像P1を割り当て、小領域4C、4Dにそれぞれ第3映像P3、第4映像P4を割り当てる。
投写設定部113は、面積ではなく、表示領域の解像度を基準として、優先度に対応する割り当てを行ってもよい。
【0060】
このように、投写設定部113は、表示システム1000においてPC2が出力する映像の数に対応して、大領域4を1または複数の小領域に分割し、各々の小領域に映像を割り当てる。これにより、PC2を使用するユーザーが映像の割り当てを検討したり、設定作業を行ったりすることなく、大領域4を適切に分割して、1または複数の映像を表示できる。
【0061】
投写設定部113は、各々のPC2に対応付けられた優先度を判定してもよい。例えば、投写設定部113は、PC2A、2B、2Cの各々に対して予め設定された優先度を有していてもよい。また、表示システム1000に含まれる複数のPC2のうち一部のPC2について、他のPC2より優先度を高くするよう予め設定されてもよい。また、投写設定部113は、映像の出力を開始する順序に基づき、PC2の優先度を判定してもよい。この場合、PC2について判定された優先度が、PC2が出力する映像の優先度に反映される。また、投写設定部113は、PC2が出力する映像のデータの属性に基づいて優先度を判定してもよい。例えば、投写設定部113は、映像の解像度及び/またはフレームレートに基づいて、映像毎の優先度を判定してもよい。
【0062】
[1-5.表示システムの動作]
図8及び
図9は、表示システム1000の動作を示すフローチャートである。
第1実施形態では、プロジェクター1Aが、
図8及び
図9に示す制御を実行する。
【0063】
PJ制御部11は、入力検出部111によって、表示システム1000において映像を出力するPC2の数を検出する(ステップS11)。ステップS11で、入力検出部111は、PC2が出力する映像の数を検出してもよい。以下の説明では、PC2が出力する映像の数をMとし、プロジェクター1の数をNとする。Nは2以上の整数であり、Mは1以上の整数である。
【0064】
投写設定部113は、入力検出部111により検出したPC2の数が2以上であるか否かを判定する(ステップS12)。入力検出部111により検出したPC2の数が2以上である場合(ステップS12;YES)、PJ制御部11は後述するステップS21(
図9)に移行する。
【0065】
入力検出部111により検出したPC2の数が1である場合(ステップS12;NO)、投写設定部113は、大領域4を分割することの指示がされているか否かを判定する(ステップS13)。分割することの指示は、PC2が出力する映像の数に応じて大領域4を分割することの指示である。この指示は、例えば、PC2Aがユーザーの操作に従ってプロジェクター1Aに制御データを送信すること、或いは、ユーザーがプロジェクター1Aの操作パネル68やリモコン70を操作することにより行われる。
【0066】
大領域4を分割することの指示がされた場合(ステップS13;YES)、投写設定部113は、入力検出部111により検出された映像の数が1つか否か、すなわちM=1であるか否かを判定する(ステップS14)。M=1である場合(ステップS14;YES)、投写設定部113は、大領域4の全体に対して、PC2が出力する1つの映像を割り当てる(ステップS15)。また、大領域4を分割することの指示がされない場合(ステップS13;NO)、投写設定部113はステップS15の割り当てを行う。
【0067】
投写制御部115は、投写設定部113が行った割り当てに従って、プロジェクター1A、1Bにより映像の表示を開始し、或いは、映像の表示を更新する(ステップS16)。
【0068】
入力検出部111により検出された映像の数が1つでない場合(ステップS14;NO)、すなわちM>1である場合、投写設定部113は、大領域4を複数の小領域に分割する(ステップS17)。投写設定部113は、各々の小領域に映像を割り当てて(ステップS18)、ステップS16に移行する。
【0069】
ステップS11~S15において、PJ制御部11は、PC2の数がプロジェクター1の数より少ない場合に、PC2が出力する映像の数に対応して大領域4を分割し、或いは大領域4を1つの表示領域として、映像を表示する。
PJ制御部11は、PC2の数がプロジェクター1の数以上である場合に、ステップS21~S27の処理を行う。
【0070】
ステップS21で、投写設定部113は、PC2が出力する映像がプロジェクター1と同数であるか否か、すなわちM=Nであるか否かを判定する(ステップS21)。PC2が出力する映像がプロジェクター1と同数である場合、すなわちM=Nである場合(ステップS21;YES)、PJ制御部11は、プロジェクター1の表示領域に対してPC2が出力する映像を1対1で割り当てる(ステップS22)。例えば、
図5に示したように、投写領域41にPC2Aの映像を割り当て、投写領域42にPC2Bの映像を割り当てる。ステップS22の処理の後、PJ制御部11はステップS16に移行する。
【0071】
PC2が出力する映像がプロジェクター1と同数でない場合、すなわち、M>Nである場合(ステップS21;NO)、投写設定部113は、分割対象のプロジェクター1を選択する(ステップS23)。分割対象のプロジェクター1とは、投写領域の分割を行う対象のプロジェクター1である。ステップS23以後の処理で、投写設定部113は、表示システム1000が備えるプロジェクター1のうち、一部のプロジェクター1についてのみ、投写領域を分割し、一部のプロジェクター1については投写領域を分割せずに選り像を割り当てる。ステップS23で、投写設定部113は少なくとも1つのプロジェクター1を選択する。例えば、投写設定部113は、投写領域特定部112が特定したプロジェクター1の相対位置に基づき、最も端に位置するプロジェクター1を、分割対象のプロジェクター1として選択する。ステップS23で選択されるプロジェクター1は、分割対象表示装置の一例に対応する。
【0072】
投写設定部113は、分割対象のプロジェクター1の投写領域を、複数の小領域に分割する(ステップS24)。ステップS24で投写設定部113が分割する小領域の数は、M-N+1で求められる。ここで、PJ制御部11は、優先度判定部114によってPC2が出力する映像の優先度を判定する(ステップS25)。
【0073】
投写設定部113は、分割対象でないプロジェクター1の表示領域の各々に、優先度の高い順に、1つずつ映像を割り当てる(ステップS26)。これにより、優先度の高い映像は、1つのプロジェクター1の表示領域の全体に表示される。
【0074】
投写設定部113は、ステップS24で分割した小領域の各々に、1つずつ映像を割り当てる(ステップS27)。ステップS27で、投写設定部113は、優先度が低い映像を小領域に割り当てる。
【0075】
ステップS26~S27の処理により、優先度が低い順に、映像が分割対象のプロジェクター1の表示領域に割り当てられ、これらの映像より優先度が高い映像は、分割対象でないプロジェクター1の表示領域に割り当てられる。ステップS27の処理の後、PJ制御部11はステップS16に移行する。
【0076】
[1-6.第1実施形態の総括]
以上説明したように、第1実施形態の表示システム1000は、1または複数のPC2と、N個(Nは2以上の整数)のプロジェクター1と、を含む。本開示の表示制御方法は、PC2によってM個(Mは1以上の整数)の映像を出力し、M<Nである場合、N個のプロジェクター1の投写領域全体である大領域4をM個の小領域4A、4Bに分割し、小領域4A、4Bに1つの映像を割り当てて表示し、M=Nである場合、各々のプロジェクター1の投写領域41、42に1つの映像を割り当てて表示を行う、表示制御方法である。
【0077】
本開示の表示制御方法によれば、PC2を操作するユーザーに負担を与えることなく、PC2が出力する映像の数に応じて、大領域4に映像を適切に割り当てて表示することができる。
【0078】
本開示の表示装置は、投写領域に映像を表示するプロジェクター1Aであって、1または複数のPC2、及び、(N-1)個(Nは2以上の整数)の外部プロジェクター1であるプロジェクター1Bと接続される通信インターフェイス17を備える。プロジェクター1Aは、PC2によって出力されるM個(Mは1以上の整数)の映像を、投写領域および外部プロジェクター1の投写領域に割り当てて表示させるPJ制御部11を備える。PJ制御部11は、M<Nである場合、プロジェクター1Aの投写領域41およびプロジェクター1Bの投写領域41の全体をM個の小領域4A、4Bに分割し、小領域4A、4Bに1つの映像を割り当てて表示させ、M=Nである場合、投写領域41及び投写領域42に1つの映像を割り当てて表示させる。
【0079】
本開示のプロジェクター1Aによれば、PC2を操作するユーザーに負担を与えることなく、PC2が出力する映像の数に応じて、大領域4に映像を適切に割り当てて表示することができる。
【0080】
上記の表示制御方法は、1つのPC2から複数の映像を出力する場合に適用できる。この場合、PC2の数に限らず、PC2が出力する映像の数に応じて、大領域4に映像を適切に割り当てて表示することができる。
【0081】
上記の表示制御方法は、N<Mである場合、1個のプロジェクター1を分割対象のプロジェクター1とし、分割対象のプロジェクター1を除くN-1個のプロジェクター1の各々に1つの映像を割り当てて表示を行い、分割対象のプロジェクター1の投写領域を(M-N+1)個の小領域に分割して各々の小領域に1つの映像を割り当てて表示を行う。これにより、投写領域を分割して、プロジェクター1の数より多い映像を大領域4に表示することが可能となる。また、分割対象のプロジェクター1を選択する処理を行うことにより、分割対象でないプロジェクター1によって、映像を、より大きく表示することが可能である。また、プロジェクター1の数Nが、PC2が出力する映像の数Nの倍数でない場合であっても、視認性に優れた態様で映像を表示できる。
【0082】
上記の表示制御方法は、PC2が出力するM個の映像の優先度を判定し、優先度が相対的に低い(M-N+1)個の映像を、分割対象のプロジェクター1により表示する。これにより、PC2が出力する複数の映像を大領域4に表示し、さらに、優先度の高い映像を、より視認性に優れる態様で表示することができる。
【0083】
[2.第2実施形態]
図10は、第2実施形態のPC2の構成を示す図であり、PC2Dの構成を示す。
第2実施形態の表示システム1000は、少なくとも1つのPC2Dを含む。例えば、表示システム1000は、PC2Dは、第1実施形態で説明したPC2A、2B、2Cを置き換える、或いは、PC2A、2B、2Cに加えて表示システム1000に設けた構成となる。
【0084】
PC2Dは、PC2Aと同様に、PC記憶部23、PC表示部24、PC入力部25、PC通信部26、及びバス27を有する。
PC2Dは、PC制御部21Dを備える。PC制御部21Dは、PCプロセッサー22D、及び、PC記憶部23を含む。PCプロセッサー22Dは、CPUやMPU等のプロセッサーで構成される。PC制御部21Dは、PCプロセッサー22Dによってプログラムを実行することにより、PC2Dの各部を制御する。PC制御部21Dは出力装置制御部の一例に対応する。
【0085】
PC記憶部23は、設定データ234、及び、制御プログラム235を記憶する。
【0086】
PCプロセッサー22Dは、出力検出部221、投写領域特定部222、投写設定部223、及び、優先度判定部224を備える。これらの機能部は、PCプロセッサー22Dが、制御プログラム235を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0087】
出力検出部221は、表示システム1000においてPC2が出力する映像の数を検出する。出力検出部221が検出する映像の数は、PC2Dが出力する映像、及び、PC2D以外のPC2が出力する映像を含む。出力検出部221は、例えばPC通信部26により他のPC2と通信を実行することによって、入力検出部111と同様に、映像ソース及び映像の数を検出する。
【0088】
投写領域特定部222は、投写領域特定部112と同様に機能する。投写領域特定部222は、表示システム1000に含まれる投写領域の数および位置関係を特定する。例えば、投写領域特定部222は、
図1に示す投写領域41と投写領域42の数、及び、投写領域41と投写領域42の相対的な位置関係を特定する。投写領域特定部222は、例えば、PC通信部26によってプロジェクター1A、1Bと通信を実行することにより、投写領域の数および位置関係を特定してもよい。また、投写領域特定部222は、PC入力部25によって入力された内容に基づき、投写領域の数および位置関係を特定してもよい。
【0089】
投写設定部223は、投写領域特定部222が特定した表示システム1000の投写領域の全体、すなわち、大領域4における映像の割り当てを行う。
例えば、詳細には、投写設定部223は、出力検出部221が特定した映像の数に合わせて、大領域4を分割し、PC2が出力する映像を大領域4に配置する処理を行う。投写設定部223は、大領域4の全体に1つの映像を割り当てることも可能である。投写設定部223は、投写領域41と投写領域42の各々について、領域の分割や映像の割り当てを行うことも可能である。大領域4の分割、及び、大領域4を分割した領域に対する映像の割り当てについては、
図4、
図5、
図6及び
図7を参照して説明した、投写設定部113の動作と同様である。
投写設定部223は、大領域4の分割の態様、及び、映像の割り当てを行った結果を、設定データ234としてPC記憶部23に記憶させる。
【0090】
優先度判定部224は、PC2が複数の映像を出力する場合に、各映像の優先度を判定する。映像の優先度は、PC2が出力する各々の映像の相対的な順位である。投写設定部223は、映像の優先度に応じて、大領域4において映像を表示する領域を割り当てる処理を行ってもよい。例えば、優先度が低い映像には大領域4において面積の小さい領域を割り当てる。
【0091】
投写設定部223は、設定データ234に従ってプロジェクター1A及びプロジェクター1Bが映像を投写するように、表示システム1000を制御する。この場合、投写設定部223は、設定データ234が示す映像の割り当てに従って、プロジェクター1A及びプロジェクター1Bに対し、投写領域42の分割の有無、投写領域42を分割する領域の数、投写領域42を分割した各領域に表示する映像等を指定し、投写を実行させる。また、投写設定部223は、PC2A、2B、2Cに対し、通信ネットワークNWを通じて映像を出力する出力先を指定してもよい。この場合、投写設定部223は、PC2A、2B、2Cのうち出力検出部221が検出した映像ソースのそれぞれに対し、各映像をプロジェクター1Aに出力するか、プロジェクター1Bに出力するかを指定する。これにより、投写設定部223が決めた割り当てに従って、映像ソースである各々のPC2に、映像を出力させることができる。
【0092】
第2実施形態では、
図8及び
図9で説明した入力検出部111、投写領域特定部112、投写設定部113、及び、優先度判定部114の機能を、PC制御部21Dが実行する。これにより、第1実施形態で説明したように、PC2が出力する映像の数M、および、プロジェクター1の数Nに基づき、大領域4における映像の表示態様を設定できる。これらの機能を、PC2Dによって実行することができる。
【0093】
第2実施形態において、プロジェクター1A、1Bは、いずれも、入力検出部111、投写領域特定部112、投写設定部113、及び、優先度判定部114を備えない構成とすることができる。
【0094】
このように、本開示に係る第2実施形態のPC2Dは、N個(Nは2以上の整数)のプロジェクター1に接続され、M個(Mは1以上の整数)の映像を出力する映像出力装置である。PC2Dは、PC制御部21Dによって、M<Nである場合、N個のプロジェクター1の投写領域全体をM個の小領域に分割し、各々の小領域に1つの映像を割り当てて、プロジェクター1によって映像を表示させ、M=Nである場合、各々のプロジェクター1の投写領域に1つの映像を割り当てて、プロジェクター1によって映像を表示させる。
【0095】
第2実施形態の表示システム1000における表示制御方法、及び、PC2Dによれば、PC2Dの制御によって、PC2を操作するユーザーに負担を与えることなく、PC2が出力する映像の数に応じて大領域4に映像を適切に割り当てて表示できる。
【0096】
[3.他の実施形態]
上述した第1及び第2実施形態は本発明の好適な実施の形態である。但し、これに限定されるものでなはく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0097】
例えば、上述した各実施形態では、M>Nである場合に1つのプロジェクター1を分割対象のプロジェクター1として表示を行う構成を説明したが、複数のプロジェクター1を分割対象としてもよい。また、分割対象のプロジェクター1の投写領域42を分割する態様は任意であり、例えば、投写領域42を4つの小領域に分割して、このうち3つの小領域に映像を表示してもよい。また、大領域4を小領域に分割する場合に、各々の小領域の大きさや解像度が異なっていてもよい。この場合、より大きい小領域に、優先度の高い映像を割り当ててもよい。
【0098】
表示装置は、プロジェクター1に限定されず、例えば、液晶表示パネルに画像を表示する液晶表示装置や、有機ELパネルに画像を表示する表示装置など、モニター若しくは液晶テレビ等の自発光型の表示装置であってもよい。また、その他の各種の表示装置を用いてもよい。
【0099】
また、PJ制御部11及びPC制御部21の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0100】
図2、
図3、
図10に示したプロジェクター1A、PC2A、2Dの各機能部は、機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態及び変形例においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、また、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0101】
また、
図8、
図9に示すフローチャートの処理単位は、PJ制御部11の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。PJ制御部11の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。PC制御部21Dの処理についても同様である。
【0102】
PJ制御部11が実行する制御プログラム121、及び、PC制御部21Dが実行する制御プログラム235は、例えばプロジェクター1AやPC2Dによって読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital VerSAtile Disc)、Blu-ray(登録商標)Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、これらのプログラムをサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置からプロジェクター1A或いはPC2Dに、制御プログラムをダウンロードすることで上述の表示制御方法を実現することもできる。
【符号の説明】
【0103】
1、1A、1B…プロジェクター(表示装置)、2、2A、2B、2C、2D…PC(映像出力装置)、4…大領域、4A、4B、4C、4D…小領域(副領域)、11…PJ制御部(表示装置制御部)、14…フレームメモリー、15…バッファー部、17…通信インターフェイス(接続部)、20A、20B、20C…ディスプレイ、21、21D…PC制御部(出力装置制御部)、22、22D…PCプロセッサー、23…PC記憶部、24…PC表示部、25…PC入力部、26…PC通信部、41、42…投写領域、50…投写部、67…入力処理部、70…リモコン、110…PJプロセッサー、111…入力検出部、112…投写領域特定部、113…投写設定部、114…優先度判定部、115…投写制御部、120…PJ記憶部、121…制御プログラム、122…設定データ、221…出力検出部、222…投写領域特定部、223…投写設定部、224…優先度判定部、231…OS、232…アプリケーションプログラム、233…映像データ、234…設定データ、235…制御プログラム、NW…通信ネットワーク、SC…スクリーン。